JP2015019351A - 通信システム、無線機及び伝送方法 - Google Patents

通信システム、無線機及び伝送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信フレーム中に宛先情報を持たないことがある2点間通信のためのプロトコルによる通信において、無線通信を利用できるようにする。【解決手段】通信システム1は、通信フレームを送信する第1装置4と、通信フレームを受信する装置61と、無線通信を行う複数の無線機5A,5Bと、を備えている。第1無線機5Aは、通信フレームを第1装置4から受信し、受信した通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信する。第2無線機5Bは、無線送信データを受信し、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、第2装置61へ送信可能である。第1無線機5Aが送信する無線送信データは、識別情報を含む。識別情報は、第2無線機5Bが受信した通信フレームを第2装置61に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる。【選択図】図6

Description

本発明は、通信システム、無線機及び伝送方法に関するものである。
特許文献1には、交通信号制御器、光ビーコン、及び交通情報板などの交通用端末(以下、単に「端末」ともいう)を、交通管制センターの中央装置で制御する交通管制システムが開示されている。
交通管制システムの伝送方式としては、特許文献1にも示されるように、例えば、UD形伝送方式が用いられる。
図26は、UD形伝送方式を利用した交通管制システムのネットワーク構成を示している。図26に示すように、UD形伝送方式の交通管制システムは、中央装置100に対して、ルータ(UD形端末回線集約装置;UD−RTR)101が集約回線102を介して接続されている。ルータ101には、1又は複数の交通用端末103が、端末回線104を介して接続される。
特開2006−4403号公報
一般社団法人電波産業会、"700MHz帯高度道路交通システム ARIB−STD T109 1.0版",[online]、平成24年2月14日、インターネット<http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_tushin/tsushin_kikaku_number.html> ITS情報通信システム推進会議、"700MHz帯高度道路交通システム拡張機能ガイドライン ITS FORUM RC−010 1.0版",[online]、2012年3月26日、インターネット<http://www.itsforum.gr.jp/>
ここで、図26のルータ101と端末103との間の通信を無線で行うことができれば、ルータ101と端末103との間の端末回線104を不要にでき、コスト低減を図ることができる。
例えば、道路交通システムの無線通信に関する規格としては、非特許文献1,2に示すものがある。コスト低減の観点からは、このような無線通信を、交通管制システムにおいても利用することが望まれる。具体的には、ルータ101と端末103との間の通信を、非特許文献1,2に規定する基地局(路側通信機)を用いて行うことができれば好適である。つまり、交通管制システムにおける既設の端末の有効活用のため、例えば、既設のルータ101と既設の端末103の間の通信に、非特許文献1,2に規定する基地局(路側通信機)を用いることができることが望ましい。ただし、既設のルータ101と新規の端末103の間の通信、新規のルータ101と新規の端末103の間の通信に適用してもよい。
しかし、非特許文献1においては、路側通信機の送信は、移動局(車載機)に対するものであり、ブロードキャストを前提としている(なお、非特許文献2は非特許文献1を前提にしている)。つまり、路側通信機から送信される無線データのMAC層における宛先は“FF”の値で固定され、特定の宛先を持たない。非特許文献1に規定する無線通信は、同一周波数の1チャネルを、複数の移動局と複数の基地局が共用する方式である。非特許文献1,2では、基地局間通信(路路間通信)は規定されていないため、基地局間通信のための基地局の送信は、非特許文献1,2の規格における基地局による送信(路車間通信)の一種として行われる必要があるため、周波数の有効活用の観点から路車間通信の余り時間等で基地局間通信を行うことが望ましく、時間的な分割を使って固定的に特定の交通管制システム用端末に宛先を割り当てることが困難である。
また、非特許文献1に規定されるMAC層より上位の層においても、路側通信機の送信における宛先として特定の交通管制システム用端末を指定する伝送方式になっていない。
この結果、路側通信機から送信された無線パケットは、路側通信機の通信範囲内の全ての無線機(基地局,移動局)に送信され、全ての無線機が受信することができる。
このように、交通管制システムのような通信システムにおいて、非特許文献1,2に規定するような無線通信を導入すると、特定の端末向けの情報であっても、他の端末に接続された無線機にも送信されてしまうという問題が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものである。
一の観点からみた本発明は、2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である通信システムである。
他の観点からみた本発明は、通信システムにおける伝送方法であって、前記通信システムは、2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記伝送方法は、前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信することを含み、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である。
他の観点からみた本発明は、通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である通信システムである。
他の観点からみた本発明は、通信システムにおける伝送方法であって、前記通信システムは、通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記伝送方法は、前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信することを含み、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である。
本発明によれば、通信システムにおいて、無線通信を利用することができる。
通信システムの全体構成図である。 通信システムの道路上での設置例を示す図である。 無線機の構成図である。 無線機のプロトコルスタックを示す図である。 無線パケットとPPPフレームのデータ構造図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 ケース1を示す説明図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 PPPフレームの伝送シーケンスである。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 ケース2を示す説明図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 ケース3を示す説明図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 第4無線機の接続設定情報を示す図である。 第5無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 第4無線機の接続設定情報を示す図である。 プロトコル変換された場合のフレーム構造を示す図である。 第1変形例の説明図である。 第1変形例の他の説明図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 第2変形例における無線パケットとEthernetフレームのデータ構造である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 IRCヘッダの一例を示す図である。 第2変形例における通信システムの説明図である。 第2変形例における通信システムの他の説明図である。 第2変形例における通信システムの他の説明図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 第1無線機の接続設定情報を示す図である。 第2無線機の接続設定情報を示す図である。 第3無線機の接続設定情報を示す図である。 Ethernetフレームの伝送シーケンスである。 Ethernetフレームの他の伝送シーケンスである。 Ethernetフレームの伝送の説明図である。 ARP要求・ARP応答の説明図である。 回線障害時の上り情報の伝送方法を示す図である。 IPルーティング情報の切替の説明図である。 回線障害時の上り情報の伝送方法を示す図である。 回線障害時の無線機保守情報の伝送方法を示す図である。 回線障害時の無線機保守情報の伝送方法を示す図である。 従来の通信ネットワーク構成図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態の説明]
(1)交通管制システムにおいては、端末をルータ等の装置に接続するための通信プロトコルとして、PPP(Point−to−Point Protocol)が利用される。
例えば、UD形伝送方式では、図26に示すルータ(UD−RTR)101と端末103との間の伝送インタフェース規格として、S9形インタフェース規格(社団法人新交通管理システム協会)が定められている。このS9形インタフェース規格では、接続方式としてPPPが採用されている。
したがって、端末103が、中央装置100との間で通信を行う場合、図26のルータ101と端末103との間には、PPPリンクが確立される。
交通管制システムで採用されているPPPは、2点間通信のためのプロトコルであり、有線による物理的な一対一接続が存在することが前提となっている。
PPPを構成するプロトコルの一つとして、LCP(Link Control Protocol)がある。LCPは、PPPリンクの制御を行うためのものであり、具体的には、PPPリンクの確立、維持、及び解放に用いられる。PPPは、有線による物理的な一対一接続の存在を前提としているため、LCPの制御パケットには、宛先情報は含まれていない。PPPリンクを確立しようとする機器は、起動時(電源ON時)に最初に相手を認識し合う。
ここで、図26のルータ101と端末103との間の通信を無線で行うことができれば、ルータ101と端末103との間の端末回線104を不要にでき、通信線の敷設コストや回線維持費等のコスト低減を図ることができる。
例えば、道路交通システムの無線通信に関する規格としては、非特許文献1,2に示すものがある。コスト低減の観点からは、このような無線通信を、交通管制システムにおいても利用することが望まれる。具体的には、ルータ101と端末103との間の通信を、非特許文献1,2に規定する基地局(路側通信機)を用いて行うことができれば好適である。つまり、交通管制システムにおける既設の端末の有効活用のため、例えば、既設のルータ101と既設の端末103の間の通信に、非特許文献1,2に規定する基地局(路側通信機)を用いることができることが望ましい。ただし、既設のルータ101と新規の端末103の間の通信、新規のルータ101と新規の端末103の間の通信に適用してもよい。
しかし、非特許文献1においては、路側通信機の送信は、移動局(車載機)に対するものであり、ブロードキャストを前提としている(なお、非特許文献2は非特許文献1を前提にしている)。つまり、路側通信機から送信される無線データのMAC層における宛先は“FF”の値で固定され、特定の宛先を持たない。非特許文献1に規定する無線通信は、同一周波数の1チャネルを、複数の移動局と複数の基地局が共用する方式である。非特許文献1,2では、基地局間通信(路路間通信)は規定されていないため、基地局間通信のための基地局の送信は、非特許文献1,2の規格における基地局による送信(路車間通信)の一種として行われる必要があるため、周波数の有効活用の観点から路車間通信の余り時間等で基地局間通信を行うことが望ましく、時間的な分割を使って固定的に特定の交通管制システム用端末に宛先を割り当てることが困難である。
また、非特許文献1に規定されるMAC層より上位の層においても、路側通信機の送信における宛先として特定の交通管制システム用端末を指定する伝送方式になっていない。
この結果、路側通信機から送信された無線パケットは、路側通信機の通信範囲内の全ての無線機(基地局,移動局)に送信され、全ての無線機が受信することができる。
しかも、LCPの制御パケットは、宛先情報を持たないため、LCPの制御パケットを含む無線データを受信した全ての無線機が、PPPリンク制御処理(リンク確立処理又はリンク切断処理などのLCPパケット処理)を行おうとしてしまう。このため、PPPリンクの適切な管理が行えなくなる。
このように、交通管制システムが従来から利用しているS9形インタフェースによる通信(通信フレーム中に宛先情報を持たない2点間通信のためのプロトコルによる通信を含む)において、非特許文献1,2に規定する無線通信を導入すると、物理的な一対一接続を必ずしも保証できないため、端末回線104の通信が成立せず、適切な交通管制システムが運用できないという問題が生じる。
そこで、本実施形態に係る通信システムは、2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である。
この場合、通信フレーム中に宛先情報を持たないことがある2点間通信のためのプロトコルによる通信において、無線通信を利用することができる。
(2)前記第1無線機は、前記通信フレームを受信する複数の第1ポートを備え、複数の前記第1ポートのうち、どの第1ポートにて前記通信フレームを受信したかによって前記識別情報を決定するのが好ましい。この場合、識別情報を、どの第1ポートにて通信フレームを受信したかによって決定することができる。
(3)前記第1無線機は、前記第1ポートと前記識別情報とを対応付けた情報を含む第1設定情報を記憶する記憶部を備え、前記第1無線機は、前記通信フレームを受信した前記第1ポートを示す情報に基づいて、前記第1設定情報を参照することで、前記識別情報を得るのが好ましい。この場合、第1設定情報を参照することで識別情報を得ることができる。
(4)前記第2無線機は、前記識別情報と前記第2装置を示す情報とを対応付けた情報を含む第2設定情報を記憶する記憶部を備え、前記受信判定処理は、受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報に基づいて、前記第2設定情報を参照する処理を含むのが好ましい。この場合、第2設定情報を参照することで、受信判定処理を行うことができる。
(5)前記第2無線機は、前記通信フレームを送信する複数の第2ポートを備えており、前記第2装置を示す情報は、複数の前記第2ポートのうち、前記第2装置に接続された前記第2ポートを示す情報であるのが好ましい。この場合、第2装置を、第2ポートを示す情報によって特定することができる。
(6)前記第2無線機は、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信しないと判定した場合、得られた通信フレームを破棄するよう構成されているのが好ましい。この場合、不必要な通信フレームを第2装置に与えることなく破棄できる。
(7)前記複数の無線機は、受信した無線送信データをブロードキャスト無線送信によって転送する第3無線機を更に含み、前記第3無線機は、受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データを転送するか否かを判定する転送判定処理を行うよう構成されているのが好ましい。
この場合、識別情報を用いて無線送データの転送の要否を判定できる。
(8)前記第3無線機は、第3設定情報を記憶する記憶部を備え、前記第3設定情報は、転送すべき無線送信データに含まれる前記識別情報を転送判定情報として備えているのが好ましい。
この場合、転送判定を容易に行うことができる。
(9)転送判定処理は、転送した無線送信データの跳ね返りによって前記第3無線機が同じ無線送信データの転送を繰り返すことを抑制する転送抑制処理を含み、前記第3設定情報は、前記転送抑制処理に用いられる転送許可情報を更に備えているのが好ましい。この場合、同じ無線送信データの転送を繰り返すのを抑制することができる。
(10)前記転送許可情報は、転送すべき無線送信データの送信元を示す情報を含み、前記転送抑制処理では、受信した無線送信データの無線送信元が、前記転送許可情報が示す送信元と一致した場合に、受信した無線送信データの転送を許容するのが好ましい。
この場合、無線送信元によって転送の要否を判定できる。
(11)前記無線送信データは、転送された回数を識別可能な転送回数情報を含み、前記転送許可情報は、転送すべき無線送信データの転送回数を識別可能な情報を含み、前記転送抑制処理では、受信した無線送信データに含まれる転送回数情報が、前記転送許可情報に含まれる前記情報と一致した場合に、受信した無線送信データの転送を許容するのが好ましい。この場合、転送回数によって転送の要否を判定できる。
(12)前記識別情報は、受信した前記通信フレームの宛先を示す宛先情報、受信した前記通信フレームの送信元を示す送信元情報、及び通信フレームが送信されるリンクを示すリンク情報の少なくとも一つを含むのが好ましい。
この場合、識別情報は、これらの情報によって表される。
(13)通信フレームを送信する装置に接続される無線機であって、前記通信フレームは、2点間通信のためのプロトコルに準拠し、前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、前記通信フレームを前記装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて生成された無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、ブロードキャスト無線送信される前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記無線送信データを受信した他の無線機が、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームの取り扱いを判定する受信判定処理において用いられる情報であるのが好ましい。
この場合、前述の通信システムおいて無線送信データを送信できる無線機が得られる。
(14)無線機であって、前記(13)項記載の無線機が送信した前記無線送信データ又は他の無線機が転送した前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データをブロードキャスト無線送信によって転送するよう構成されているとともに、受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データを転送するか否かを判定するよう構成されているのが好ましい。
この場合、無線送信データを転送できる無線機が得られる。
(15)通信フレームを受信する装置に接続される無線機であって、前記(13)項記載の無線機が送信した前記無線送信データ又は前記(14)記載の無線機が転送した前記無線送信データを受信するよう構成されているとともに、受信した無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記装置に送信するか否かを判定するよう構成されているのが好ましい。
この場合、前述の通信システムにおいて無線送信データを受信できる無線機が得られる。
(16)本実施形態に係る伝送方法は、通信システムにおける伝送方法であって、前記通信システムは、2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記伝送方法は、前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信することを含み、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である。
(17)本実施形態に係る通信システムは、通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である通信システムであってもよい。
(18)本実施形態に係る伝送方法は、通信システムにおける伝送方法であって、前記通信システムは、通信フレームを送信する第1装置と、前記通信フレームを受信する第2装置と、無線通信を行う複数の無線機と、を備え、前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
前記伝送方法は、前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信することを含み、前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である伝送方法であってもよい。
[2.実施形態の詳細]
[2.1 システム構成]
図1は、本発明の通信システムの一例としての交通管制システム(交通用通信システム)1を示している。交通管制システム1は、中央装置2と、中央装置2によって管理(制御)される複数の交通用端末6と、を備えている。本実施形態の交通管制システム1は、UD形伝送方式を用いて通信を行う。
中央装置(UD形中央装置)2には、ネットワーク網3を介して、1又は複数のルータ(UD形ルータ;UD−RTR)4が接続されている。各ルータ4には、信号制御機などの複数の交通用端末6が、有線通信路8を介して、又は無線通信路を含む通信路を介して接続されている。
UD形伝送方式は、ルータと端末との間の通信(ルータ同士が接続される場合にはルータ間通信も含まれる)にS9形インタフェース規格を用いており、データリンク層のプロトコルとしてPPPを利用する。なお、伝送方式(回線種別;レイヤ2種別)は、UD形、S9形に限定されるものではない。
交通管制システム1は、ルータ(第1装置)4と端末(第2装置,第3装置)6との間に無線通信路を形成するための複数の無線機5を備えている。
複数の無線機5には、ルータ4に接続された無線機5、及び、端末6に接続された無線機5が含まれている。なお、無線機5と端末6との間に、さらにルータ4が介在していてもよい。
これらの無線機(路側通信機)5は、非特許文献1、2の基地局として要求される機能を具備している。
つまり、基地局としての無線機5は、基地局間と移動局との間の通信機能(路車間通信機能などを有しており、車載機などの移動局に対して、無線パケット(無線送信データ)を、ブロードキャスト送信することができる。
非特許文献1において、路車間通信は、PPPを利用するものではない。
ここで、基地局から送信される無線パケットはブロードキャスト送信されるため、無線パケットを受信できるのは、移動局に限られるわけではなく、無線パケットを送信した基地局以外の他の基地局も、無線パケットを受信することができる。つまり、非特許文献1,2の規格では規定されていないが、基地局である無線機5間の通信(路路間通信;基地局間通信)が可能である。
そこで、本実施形態では、基地局である無線機5間の通信(路路間通信)を、ルータ4と端末6との間の通信に用いる。
ただし、非特許文献1,2では、基地局間通信(路路間通信)は規定されていないため、基地局である無線機5間の通信(路路間通信)は、非特許文献1,2の規格における基地局による送信(路車間通信)の一種として行われる必要がある。したがって、無線機5間の通信(路路間通信)も、ブロードキャスト送信が前提となり、非特許文献1,2の規格にPPPを含んでいない。
[2.2 システム設置例]
図2は、交通管制システム1における無線機5及び端末6を、道路上に配置した例を示している。
信号制御機などの端末6は、交差点近傍又は交差点以外の道路近傍に設置される。各端末6には、通信線を介して無線機5が接続されている。無線機5は、端末6の近傍に設置され、無線機5と端末6との間の通信線のコストは比較的低い。複数の端末6のうち、特定の端末6(比較的大きな交差点付近に設置された端末)には、通信線を介して、ルータ4が接続されている。このルータ4も、端末6の近傍に設置され、ルータ4と端末6との間の通信線のコストも比較的低い。
ネットワーク網3を介して中央装置2に接続されたルータ4は中央装置2から送信された情報を、ルータ4に接続された端末6に配信することができる。また、ルータ4は、中央装置2から送信された情報を、ルータ4に接続された無線機5に与えることができる。ルータ4に接続された無線機5は、中央装置2から送信された情報を、無線パケットに含めて、他の無線機5に送信(ブロードキャスト送信)し、他の無線機5に接続された端末6が、無線送信された情報を取得することができる。
また、逆に、ルータ4は、他の無線機5に接続された端末6から送信された情報を、無線通信を介して取得し、中央装置2へ送信することができる。
なお、基地局としての無線機5は、移動局(車載機)としての無線機7へも情報を送信する。
このように、有線の通信線によってルータ4と接続されていない端末6であっても、無線機5,5による無線通信(路路間通信)を利用して、ルータ4及び中央装置2と通信することができる。
本実施形態では、ルータ4の設置場所から比較的離れた(数十〜数百メートル程度離れた)場所に設置された端末6とルータ4との間に、長い通信線を敷設する必要がないため、コスト低減が可能である。
[2.3 無線機(基地局)の構成]
図3Aに示すように無線機5は、無線信号の送受信を行う無線通信部51と、無線機5における情報処理を担う処理部52と、記憶部53と、を備えている。処理部52は、無線通信部51から送信される無線パケット(無線送信データ)を生成し、無線通信部51に与える処理を行うとともに、無線通信部51によって受信した無線パケットの処理を行う。
記憶部53は、処理部52における処理に用いられる情報(後述の第1設定情報、第2設定情報、第3設定情報及びその他の情報)が記憶されている。
無線機5の処理部52は、処理部52によって実現される機能の一部又は全部がハードウェア回路によって構成されていてもよいし、その機能の一部又は全部が、コンピュータプログラムによって実現されていてもよい。処理部52の機能の一部又は全部がコンピュータプログラムによって実現される場合、処理部52は、コンピュータを含み、そのコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムは、記憶部53に記憶される。
無線機5は、第1有線通信部54及び第2有線通信部55を備えている。第1有線通信部54は、ルータ4との間をPPPによって通信するためのものである。第1有線通信部54は、S9形インタフェース規格に従っている。第1有線通信部54は、複数のポート(S9ポート)P,P,P,Pを備えている。なお、以下では、一つのポート(S9ポート)は、送受信を行うためのポートとして説明する。つまり、図3に示す複数のポート(S9ポート)P,P,P,Pそれぞれは、S9形インタフェース規格における送信ポート及び受信ポートを含んだものである。なお、ルータ4にも、複数のS9ポートが設けられており、無線機5の各ポート(S9ポート)P,P,P,Pそれぞれは、ルータ4又は端末6側のS9ポートと通信線によって接続される。
第2有線通信部55は、イーサネット(登録商標)接続用の通信部であり、1又は複数のイーサポートPM1,PM2,PM3,PM4を備えている。交通安全支援システム(DSSS:Driving Safety Support Systems)向けにS11形インターフェース規格(社団法人新交通管理システム協会)が策定されている。無線機5が備えるイーサポートPM1,PM2,PM3,PM4は、S11形インターフェース規格(Ethernet)用のポートである。無線機5は、イーサポートPを介して、ルータ4又は端末6などの他の装置と接続することもできる。
図3Bは、無線機5におけるプロトコルスタックを示している。図3Bに示すプロトコルスタックは、レイヤ1(物理層:Physical Layer)、MAC副層(Medium Access Control sublayer)、LLC副層(Logical Link Control sublayer)、車車間・路車間共用通信制御情報層(IVC−RVC層:Inter-Vehicle Communication - Road to Vehicle Communication Layer)及びレイヤ7(L7)、拡張層(EL)を備えている。
レイヤ1、MAC副層、LLC副層、IVC−RVC層、及びL7は、非特許文献1に規定されたレイヤである。ELは、非特許文献2に規定されたレイヤである。
EL又はL7は、セキュリティ管理にアクセスすることができる。セキュリティ管理は、ELから受け取ったアンセキュアなデータに対して、セキュリティ処理(暗号化処理、署名処理など)を行って、セキュアなデータを生成することができる。また、セキュリティ管理は、セキュリティ処理が施されたセキュアなデータをアンセキュアにデータに戻すことができる。
本実施形態では、ELの上位層として、路路間通信の制御のためのIRC層が設けられている。IRC層は、非特許文献1,2に規定されたものではないが、本実施形態では、拡張層又はレイヤ7の直上のレイヤとして設けられている。また、IRC層の上位レイヤとして、PPP層及びEthernet層が設けられている。なお、Ethernet層は、Ethernet規格におけるデータリンク層に相当する。PPP層は、PPPフレームのPPPヘッダを処理(ヘッダの付加・ヘッダの読み取りなど)し、Ethernet層は、イーサネットフレームのイーサネットヘッダを処理(ヘッダの付加・ヘッダの読み取りなど)する。
[2.4 データ構造]
図4は、無線機5によって送信される無線パケット(無線送信データ)のデータ構造、及び、ルータ4又は端末6が送信するPPPフレームのデータ構造を示している。
[2.4.1 無線パケットの構造]
本実施形態における無線パケットは、先頭から、無線通信制御情報、IRC(路路間通信制御情報)ヘッダ、データ、及びFCSの各領域を有している。
無線通信制御情報は、非特許文献1及び2に準拠したものであり、先頭から、PHYヘッダ(物理ヘッダ)、MAC制御フィールド(MACヘッダ)、LLC制御フィールド(LLCヘッダ)、IR制御フィールド(IRヘッダ)、L7ヘッダ、及びELヘッダを有して構成される。
PHYヘッダは、非特許文献1の規格におけるレイヤ1(物理層)に対応したヘッダである。MAC制御フィールドは、同規格におけるレイヤ2のMAC副層(Medium Access Control Sublayer)に対応した制御フィールドである。LLC制御フィールドは、同規格におけるレイヤ2のLLC副層(Logical Link Control Sublayer)に対応した制御フィールドである。IR制御フィールドは、同規格における車車間・路車間共用通信制御情報(IVC−RVC)層に対応した制御フィールドである。L7ヘッダは、同規格におけるレイヤ7に対応したヘッダである。ELヘッダは、非特許文献2に示す拡張層(Extended Layer)に対応するヘッダである。なお、ELヘッダは、省略してもよい。
図4に示すように、非特許文献1の規格において、L7ヘッダには、「アプリケーション関連情報(ApplicationAssociatedInformation)」フィールドが設けられている。同規格において、アプリケーション関連情報フィールドの内容は定められていないが、本実施形態では、アプリケーション関連情報フィールドには、「通信分類(CommunicationClassification)」フィールドが設けられている。
通信分類フィールドは、無線パケットの種類(通信の種類)、すなわち、無線パケットが、「1.移動局から移動局・基地局への通信(車車間・車路間共用通信)」、「2.基地局から移動局・基地局への通信(路車間・路路間共用通信)」、「3.移動局から移動局への通信(車車間通信)」、「4.基地局から移動局への通信(路車間通信)」、「5.移動局から基地局への通信(車路間通信)」、「6.基地局から基地局への通信(路路間通信)」のうちのいずれの通信のためのパケットであるかを分類するためのものである。通信分類フィールドはこのとおりでなくてもよい。
無線パケットに通信分類フィールドが設けられていることで、無線パケットを受信した無線機5,7は、受信した無線パケットに含まれる通信分類フィールドを参照することで、自機に必要なパケットであるかどうかを判別し、上位レイヤ(レイヤ7よりも上位のレイヤ)を参照することなく、不要な場合(例えば、基地局向けパケットを移動局が受信して不要だと判断した場合)には、そのパケットを破棄することができる。
また、図4に示すように、非特許文献1の規格において、ELヘッダ(EL基地局ヘッダ)には、基地局ID情報(BaseStationID;無線送信元ID)が含まれている。したがって、無線パケットにELヘッダが含まれる場合、受信側の無線機5(のEL層)は、ELヘッダの基地局ID情報を参照することで、無線パケットの送信元の無線機5のIDを取得することができる。後述のように、本実施形態では、基地局ID情報は、無線パケットの転送抑制処理に用いられる。
無線パケットにおいて、ELヘッダとFCSとの間(ELが省略される場合はL7ヘッダとFCSとの間)の領域(図4の無線パケットにおけるIRCヘッダ及びデータの領域)は、無線パケットとしてのアプリケーションデータが格納される領域である。無線パケットとしてのアプリケーションデータは、セキュリティ管理(図3B参照)によって、セキュリティ処理(暗号化処理、署名処理など)が施されたセキュアなデータになっていることがある。セキュアなデータを受信した無線機5のEL又はL7は、セキュアなデータをセキュリティ管理に渡して、セキュリティ管理によってアンセキュアなデータに戻してもらい、セキュリティ管理から受け取ったアンセキュアなデータを上位層に渡す。
なお、セキュリティ管理に対して、ELではなく、L7からアンセキュアなデータが渡される場合、L7ヘッダよりも後続の領域(図4の無線パケットにおけるELヘッダ、IRCヘッダ及びデータの領域)がセキュアなデータとなる。さらに、IRC層からセキュリティ管理に対してアンセキュアなデータを渡すようにしてもよい。
無線機5が、車載機7向けのデータ(路車データ)を送信する際には、アプリケーションデータが格納される領域には、車載機7向けのアプリケーションデータが格納される。 一方、本実施形態の無線機5は、無線機5間通信(路路間通信)を行う場合であって、端末6の管理に関する情報を送信する場合(PPPリンクによる伝送を行う場合)には、無線パケットとしてのアプリケーションデータが格納される領域に、IRCヘッダ及びPPPフレームからなるIRCフレームを格納する。
IRC(路路間通信制御情報)ヘッダは、路路間通信の制御のためのIRC層に対応するヘッダである。IRCヘッダについては後述する。
なお、図4に示す無線パケットにおいては、セキュリティ管理によって生成されるセキュリティヘッダが省略されている。セキュリティヘッダは、IRCヘッダの前側にあってもよいし、IRCヘッダの後側にあってもよい。セキュリティヘッダがIRCヘッダの前側にある場合、IRCヘッダをセキュアなデータにできる。ただし、IRCヘッダがセキュリティ処理の対象となっているため、IRCヘッダを読み取るには、アンセキュアにする処理が必要となる。一方、セキュリティヘッダがIRCヘッダの後側にある場合、IRCヘッダはアンセキュアなデータであるため、IRCヘッダを読み取るのに、アンセキュアにする処理が不要である。
また、セキュリティヘッダは、ELヘッダの前側にあってもよいし、ELヘッダの後側にあってもよい。セキュリティヘッダがELヘッダの前側にある場合、ELヘッダ(基地局ID情報(無線送信元ID))及びIRCヘッダ双方をセキュアなデータにできる。また、セキュリティヘッダがELヘッダの後側にある場合、ELヘッダはアンセキュアなため、ELヘッダに含まれる基地局ID情報(無線送信元ID)などの情報を読み取るのに、アンセキュアにする処理が不要である。
[2.4.2 PPPフレームの構造]
ルータ4又は端末6によって生成されたPPPフレームを取得した無線機5は、PPPフレームに無線通信制御情報などを付加してカプセル化し、無線パケットを生成する。
図4に示すように、ルータ4又は端末6によって生成されるPPPフレームは、PPPヘッダ及びデータ部を有している。PPPヘッダは、プリアンブル及びプロトコルの領域を有している。PPPヘッダのプリアンブルは、Flag,Address,Controlの各フィールドを備えているが、それぞれ、固定値が格納される。
PPPヘッダのプロトコルは、このプロトコルに後続するデータ部の種別を示す。プロトコルの領域に格納されている値が、LCP(Link Contol Protocol),認証,NCP(Network Control Protocol)のいずれかである場合、PPPフレームのデータ部の内容は、図4に示すPPP制御パケットとなる。また、プロトコルの領域に格納されている値が、上位レイヤを示す値(例えば、IP)である場合、PPPフレームのデータ部の内容は、図4に示す上位レイヤパケット(IPパケット)となる。
PPP制御パケットは、Code、ID、Length、データ又はパラメータリストの各フィールドを有している。
Codeは、PPP制御パケットの種別を示す情報である。IDは、PPP制御パケットの識別子である。Lengthは、PPP制御パケット長である。データ又はパラメータリストのフィールドは、PPP制御パケットごとに関連するデータを格納するフィールドである。
LCP又は認証のPPP制御パケットは、PPP制御パケットの宛先を示す情報を有していない。したがって、LCP又は認証のPPPフレームは、宛先情報を持たない。つまり、PPPは、その通信フレーム(PPPフレーム)に宛先情報を持たないことがあり得るプロトコルである。なお、PPPフレームのデータ部の内容が上位レイヤパケットである場合、PPPフレームには、上位レイヤパケットの宛先情報(IPアドレスなど)が含まれる。
[2.4.3 IRC(路路間通信制御情報)ヘッダ]
IRCヘッダは、無線パケット(無線送信データ)を生成する無線機5のIRC層による処理(情報付加処理;IRCヘッダ付加処理)にて生成され、無線パケット(無線送信データ)を受信した無線機5のIRC層による処理に用いられる。図5A〜図5Dに示すように、IRCヘッダは、識別情報71,73,74と転送回数情報72とを備えている。
識別情報71,73,74は、無線パケットを受信した無線機5(のIRC層)が、その無線パケットに含まれるPPPフレームの宛先が自機5に接続された装置(ルータ4又は端末6)であるか否かを判定する受信判定処理に用いられる。
識別情報71,73,74は、PPPフレームを含む無線パケットを受信した無線機5が、そのPPPフレームが自機5に関連するものか否かを判定するための情報である。換言すると、識別情報は、PPPフレームを含む無線パケットを受信した無線機5が、そのPPPフレームを自機5に接続された装置(ルータ4又は端末6)に送信すべきか否かを判定するための情報である。
転送回数情報72は、PPPフレームを含む無線パケットが転送された回数に関する情報である。なお、転送回数情報は、省略してもよい。
図5A〜図5Dは、IRCヘッダの様々な例を示している。
図5AのIRCヘッダは、転送回数情報72のほか、識別情報として、送信元ポートID(送信元ID)71を有している。送信元ポートID71は、PPPフレームの送信元の装置4,6のポートを示す識別子である。つまり、ルータ4又は端末6に備わったS9ポートを示す識別子である。
図5Bは、IRCヘッダの他の例を示している。図5BのIRCヘッダは、転送回数情報72のほか、識別情報として、宛先ポートID(宛先ID)73を有している。宛先ポートID73は、PPPフレームの宛先の装置4,6のポートを示す識別子である。
なお、無線機5と当該無線機に接続される装置(ルータ4又は端末6)とが、一対のポートだけで接続されている場合、送信元ポートID71は、PPPフレームの送信元の装置4,6を示す装置ID(送信元ID)と一対一に対応する情報であって、実質的に等価な情報である。また、上記の場合、宛先ポートID73は、PPPフレームの宛先の装置4,6を示す装置ID(宛先ID)と一対一に対応する情報であって、実質的に等価な情報である。
したがって、IRCヘッダに格納される識別情報としては、宛先ポートID73に代えて又は加えて宛先の装置IDであってもよい。さらに、IRCヘッダに格納される識別情報としては、送信元ポートIDに代えて又は加えて、送信元の装置IDであってもよい。
図5Cは、IRCヘッダの他の例を示している。図5CのIRCヘッダは、識別情報として、図5A,図5B及び後述の図5Dに示すように、宛先ポートID(宛先ID)73、送信元ポートID(送信元ID)61及びPPPリンクID74のいずれか一つだけでもよいが、図5Cに示すように、宛先ポートID(宛先ID)73、送信元ポートID(送信元ID)61の双方を有していてもよい。つまり、宛先ポートID(宛先ID)73、送信元ポートID(送信元ID)61及びPPPリンクID74の各情報のうち、複数の情報をICRヘッダに格納してもよい。
図5Dは、IRCヘッダの他の例を示している。図5DのIRCヘッダは、識別情報として、PPPリンクID74を有している。PPPリンクID74は、ルータ4−端末6間で形成されるべきPPPリンクを示す識別子である。PPPリンクは、2つのポート間に形成されるリンクであるため、図5A〜5Bに示す送信元ポートID71及び宛先ポートID73のいずれか一方だけでも、PPPリンクを一意に特定できる。つまり、PPPリンクIDに限らず、送信元ポートID71及び宛先ポートID73もそれぞれ、PPPフレームが送信されるPPPリンクを識別可能な識別情報(以下、PPPリンク識別情報という)である。
[2.5 無線通信区間が介在するPPPリンク]
[2.5.1 ケース1]
ケース1では、図6に示すように、一対の無線機(第1無線機5Aと第2無線機5B)それぞれに一つずつ装置(ルータ(第1装置)4,端末(第2装置)61)が接続されているものとする。装置4,61は、PPPフレームの送受信を行うものであり、2点間通信リンクであるPPPリンクL1の両端に位置する。
第1無線機5Aの近傍には、第2無線機5B以外に第3無線機5Cも存在し、第1無線機5Aから送信された電波は、第3無線機5Cにおいて受信可能であるものとする。第3無線機5Cには端末62が接続されている。端末62もPPPフレームの送受信が可能である。
ケース1では、ルータ4と端末61との間でPPPリンクL1が形成される必要があるものとし、ルータ4と端末62との間では、PPPリンクは形成されないものとする。例えば、端末62が図6で示されていない遠方に設置されている他のルータとPPPリンクを形成する場合が考えられる。
また、ケース1では、第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図7A〜図7Cに示す第1設定情報及び第2設定情報が設定されている。
第1設定情報は、各無線機5A,5B,5Cが、接続された装置4,61、62からPPPフレームを受信した場合に参照される情報である。第1設定情報は、PPPフレームに付加されて無線パケットを構成する識別情報の生成に用いられる。
第1設定情報は、自機5A,5B,5CのポートP1A〜P4A,P1B〜P4B,P1C〜P4Cのうちルータ4又は端末6に接続されたポート(受信ポート)を示す受信ポートIDと、識別情報(PPPリンク識別情報)と、を対応づけるためのものである。具体的には、第1設定情報は、受信ポートID(第1ポートID)と、送信元ポートID(送信元ID)と、宛先ポートID(宛先ID)と、が対応付けられて構成されている。第1設定情報における送信元ポートID(送信元ID)及び宛先ポートID(宛先ID)は、いずれもPPPリンク識別情報である。識別情報としての送信元ポートID(送信元ID)及び宛先ポートID(宛先ID)は、いずれもPPPリンク識別情報であり、いずれか一つの情報が存在すれば足り、他の情報を省略してもよい。情報を省略することで、情報量を抑えることができる。
第2設定情報は、各無線機5A,5B,5Cが、他の無線機から無線パケットを受信した場合に参照される情報である。第2設定情報は、受信した無線パケットをどのように扱うかを判定する処理(受信判定処理、転送判定処理)に用いられる。
第2設定情報は、識別情報(PPPリンク識別情報)と、自機5A,5B,5CのポートP1A〜P4A,P1B〜P4B,P1C〜P4Cのうちルータ4又は端末6に接続されたポート(送信ポート)を示す送信ポートIDと、を対応付けるためのものである。具体的には、第2設定情報は、送信元ポートID(送信元ID)と、宛先ポートID(宛先ID)と、送信ポートID(第2ポートID)とが、対応付けられて構成されている。第2設定情報における送信元ポートID(送信元ID)及び宛先ポートID(宛先ID)は、いずれもPPPリンク識別情報である。第1設定情報と同様に、識別情報としての送信元ポートID(送信元ID)及び宛先ポートID(宛先ID)は、いずれもPPPリンク識別情報であり、いずれか一つの情報が存在すれば足り、他の情報を省略してもよい。
図8は、ルータ4から端末61へPPPフレームを送信する場合における、第1無線機5A及び第2無線機5Bの通信処理手順を示している。
まず、ルータ4は、端末61のための情報が含まれたPPPフレームを、端末61宛情報用のポート(S9ポート)PR1から送信する。ただし、このPPPフレームには、前述のように宛先である端末61を示す情報は含まれていない。また、PPPフレームには、送信元であるルータ4を示す情報も含まれていない。
第1無線機5Aは、ルータ4のポートPR1から送信されたPPPフレームを、ポート(S9ポート)P1Aにて受信する(ステップS1)。
第1無線機5Aの処理部52は、受信したPPPフレームを破棄せずに、受信したPPPフレームの送信元を認識する送信元認識処理を行う(ステップS2)。送信元認識処理によって認識された送信元を示す情報は、IRCヘッダの識別情報として用いられる。
送信元認識処理では、PPPフレームの送信元を得るため、PPPフレームを受信したポートP1Aを示すポート情報を検索キーとして、第1設定情報の受信ポートIDの検索が行われる。図7Aに示す第1無線機5Aの第1設定情報には、検索キーであるポートID(P1A)に一致する受信ポートID(P1A)が存在する。ここでは、2つの識別情報(送信元ポートID、宛先ポートID)のうち、送信元ポートIDを、識別情報として用いる。したがって、送信元認識処理では、検索キーに一致する受信ポートID(P1A)に対応する識別情報である送信元ポートID(PR1)が得られる。
つまり、送信元認識処理によって、受信したPPPフレームの送信元であるルータ4のポートPR1を示す情報(識別情報)が得られる。
続いて、処理部52(のIRC層としての機能)は、受信したPPPフレームの送信元であるルータ4のポートIDであるPR1を示す識別情報が送信元ポートID71のフィールドに格納されたIRCヘッダ(図5A参照)を生成し、PPPフレームの先頭に付加する(識別情報付加処理;ステップS3)。つまり、受信したPPPフレームをカプセル化したIRCフレームが生成される。なお、転送回数情報は、例えば、0に設定される。
このように、識別情報の付加は、PPP層とは異なるレイヤ(PPP層よりも下位のレイヤ)であるIRC層によって行われる。
そして、IRC層は、生成したIRCフレームの無線送信要求を、拡張層(EL)(拡張層が存在しない場合にはレイヤ7)に対して行う(ステップS4)。
拡張層(EL)〜PHY層までの各レイヤは、図4に示す無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに対して付加して、無線パケットを生成する(無線パケット生成処理;ステップS5)。つまり、無線パケットの生成は、PPP層及びIRC層とは異なるレイヤ(拡張層〜PHY層)によって行われる。
なお、無線パケット生成処理において、第1無線機5Aの拡張層は、ELヘッダの基地局ID情報のフィールドに第1無線機5AのIDをセットする。また、無線パケット生成処理において、第1無線機5Aのレイヤ7は、通信分類のフィールドに、「6.基地局から基地局への通信(路路間通信)」であることを示す情報をセットする。
生成された無線パケットは、第1無線機5Aからブロードキャスト送信される(ステップS6)。
なお、セキュリティ管理によってセキュリティ処理を実施する場合は、IRCデータ(IRCヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよいし、IRCフレーム(ELヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。また、レイヤ7からセキュリティ管理にアクセスする場合は、L7データ(L7ヘッダPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。
ブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5Bによって受信される。無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、無線パケットの受信処理を行う(ステップS7)。
無線パケットの受信処理のうち、レイヤ7での処理においては、L7ヘッダに含まれる通信分類に基づく判定が行われる。通信分類フィールドが示す通信分類が基地局宛の分類でない場合、基地局である第2無線機5Bは、受信した無線パケットを破棄することができる。ただし、ここでは、基地局宛の分類の一つである「6.基地局から基地局への通信(路路間通信)」が通信分類フィールドに設定されているため、受信した無線パケットを破棄せず処理することができる。
これに対し、通信分類フィールドが示す分類が、基地局宛の分類でないため、第1無線機5Aから送信された無線パケットを受信した車載機(移動局)7は、受信した無線パケットを破棄してもよい。
第2無線機5Bの処理部52は、受信した無線パケットから、無線通信制御情報(PHYヘッダからELヘッダまで)を取り除いたIRCフレーム(IRCヘッダ及びPPPフレーム)を、拡張層からIRC層に与える処理を行う(ステップS8)。また、第2無線機5Bの拡張層は、受信した無線パケットのELヘッダの基地局ID情報のフィールドに格納されていた第1無線機5AのIDを、IRC層に与える。受信した無線パケットからIRCフレームを得る処理は、PPP層及びIRC層とは異なるレイヤによって行われる。
第2無線機5BのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理を行う(ステップS9)。受信判定処理を行うIRC層は、PPP層とは異なるレイヤ(PPP層よりも下位のレイヤ)である。
受信判定処理は、受信した無線パケットに含まれているPPPフレームの宛先を判定し、得られたPPPフレームの取り扱いを決定するための処理である。具体的には、受信判定処理において、IRC層は、PPPフレームの宛先が、自機5Bに接続された端末61であるか否かを判定する。
受信判定処理のため、第2無線機5BのIRC層は、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元ポートID=PR1)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(受信判定情報)の送信元ポートIDの検索を行う。図7Bに示す第2無線機5Bの第2設定情報には、検索キーである送信元ポートID=PR1に一致する送信元ポートID(PR1)が存在する。したがって、受信判定処理(ステップS9)では、検索キーに一致する送信元ポートID(PR1)に対応する送信ポートID(P1B)が得られる。
つまり、第2無線機5Bは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先である装置61に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Bを識別することができる。
第2無線機5BのIRC層は、送信ポートの識別情報が得られると、得られたPPPフレームが自機5Bに接続された端末61宛であると認識する。第2無線機5BのPPP層は、得られたPPPフレームを、識別された送信ポートP1Bから送信する(ステップS10)。
第2無線機5Bから送信されたPPPフレームは、端末61によって受信される。
なお、受信した識別情報を検索キーとして、第2設定情報(受信判定情報)を検索しても、ヒットする識別情報が無い場合、受信したPPPフレームの宛先は、自機5Bに接続された端末61でないと判定する。この場合、後述の転送判定(ステップS11)を行い、転送の必要もなければ、PPPフレームを破棄する(ステップS12)。
第1無線機5Aからブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5B以外に第3無線機5Cによっても受信される。無線パケットを受信した第3無線機5Cの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、第2無線機5Bと同様に、無線パケットの受信処理を行って、IRCフレーム(IRCヘッダ及びPPPフレーム)を得る。
第3無線機5CのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報(送信元ポートID=PR1)を用いて、受信判定処理を行う。
しかし、図7Cに示す第3無線機5Cの第2設定情報には、受信した送信元ポートID=PR1に一致する送信元ポートIDが存在しない。したがって、第3無線機5Cは、受信したPPPフレームの宛先は、自機5Cに接続された端末62ではないと判定する。この場合、第3無線機5Cは、後述の転送判定を行い、転送の必要もなければ、PPPフレームを破棄する。
このように、ルータ4から送信されたPPPフレームは、第1無線機5Aによってブロードキャストされて複数の無線機5B,5Cによって受信されることがある。しかし、受信側の無線機5B,5Cによって、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いた受信判定を行うため、宛先情報が含まれないPPPフレームであっても、確実に、本来の宛先である第2無線機5Bのみが受信することができる。
しかも、本来の宛先とは関係ない第3無線機5Cは、第3無線機5Cに接続された端末62にPPPフレームを与えることなく、第3無線機5CにてPPPフレームを破棄するため、端末62が、ルータ4との間で、誤って、PPPリンク確立処理などを行うことを防止できる。
端末61からルータ4へPPPフレームを送信する場合も、上記と同様の手順で処理が行われる。
つまり、端末61は、ルータ4に送信すべき情報が含まれたPPPフレームを、ルータ4宛情報用のポート(S9ポート)PT1から送信する。第2無線機5Bは、端末61のポートPT1から送信されたPPPフレームを、ポートP1Bにて受信する。
第2無線機5Bの処理部52は、図7Bに示す第1設定情報を参照して、送信元認識処理を行い、識別情報として、送信元である端末61の送信元ポートID(PT1)を得る。
第2無線機5Bは、識別情報を含むIRCヘッダによってPPPフレームをカプセル化してIRCフレームを生成する。さらに、第2無線機5Bは、無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに付加して、無線パケットを生成する。生成された無線パケットは、第2無線機5Bからブロードキャスト送信される。
なお、セキュリティ管理によって、セキュリティ処理を実施する場合は、IRCデータ(IRCヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよいし、IRCフレーム(ELヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。また、レイヤ7からセキュリティ管理にアクセスする場合は、L7データ(L7ヘッダPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。
無線パケットを受信した第1無線機5Aは、受信した無線パケットのIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元ポートID=PT1)に基づいて、図7Aに示す第2設定情報を参照する受信判定処理を行う。第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先が、自機5Aに接続された装置(ルータ4)であることを認識することができる。また、第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先であるルータ4に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Aを識別することができる。
第1無線機5Aは、送信ポートP1Aを識別すると、PPPフレームをその送信ポートP1Aから送信する。送信されたPPPフレームは、ルータ4によって受信される。
第2無線機5Bから送信された無線パケットは、第3無線機5Cによっても受信されるが、第3無線機5Cの受信判定処理の結果、破棄される。したがって、端末61から送信されたPPPフレームが、端末62によって受信されることも防止される。
ケース1に関して、前述の説明では、識別情報は、送信元ポートIDとしたが、宛先ポートIDであってもよい。識別情報が宛先ポートIDである場合、IRCヘッダのヘッダ構造は、図5Bに示すものとなる。
識別情報が、宛先ポートIDである場合、通信フレームの伝送方法は、図8に関する既述の説明における「送信元」を「宛先」と読み替えればよいが、以下、具体的に説明する。以下において説明されていない点は、識別情報が送信元ポートIDである場合についての説明が援用される。
まず、第1無線機5Aは、ルータ4のポートPR1から送信されたPPPフレームを、ポート(S9ポート)P1Aにて受信する(ステップS1)。
第1無線機5Aの処理部52は、受信したPPPフレームの宛先を認識する宛先認識処理を行う(ステップS2)。宛先認識処理によって認識された宛先を示す情報は、IRCヘッダの識別情報として用いられる。
宛先認識処理では、PPPフレームの宛先を得るため、PPPフレームを受信したポートP1Aを示すポート情報を検索キーとして、第1設定情報の受信ポートIDの検索が行われる。図7Aに示す第1無線機5Aの第1設定情報には、検索キーであるポートID(P1A)に一致する受信ポートID(P1A)が存在する。したがって、宛先認識処理では、検索キーに一致する受信ポートID(P1A)に対応する識別情報である宛先ポートID(PT1)が得られる。
つまり、宛先認識処理によって、受信したPPPフレームの宛先である端末61のポートPT1を示す情報(識別情報)が得られる。
続いて、処理部52(のIRC層としての機能)は、受信したPPPフレームの宛先である端末61のポートIDであるPT1を示す識別情報が宛先ポートID73のフィールドに格納されたIRCヘッダ(図5B参照)を生成し、PPPフレームの先頭に付加する(識別情報付加処理;ステップS3)。つまり、受信したPPPフレームをカプセル化したIRCフレームが生成される。なお、転送回数情報は、例えば、0に設定される。
そして、IRC層は、生成したIRCフレームの無線送信要求を、拡張層(EL)(拡張層が存在しない場合にはレイヤ7)に対して行う(ステップS4)。
拡張層(EL)〜PHY層までの各レイヤは、図4に示す無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに対して付加して、無線パケットを生成する(無線パケット生成処理;ステップS5)。
生成された無線パケットは、第1無線機5Aからブロードキャスト送信される(ステップS6)。
ブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5Bによって受信される。無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、無線パケットの受信処理を行う(ステップS7)。
第2無線機5Bの処理部52は、受信した無線パケットから、無線通信制御情報(PHYヘッダからELヘッダまで)を取り除いたIRCフレーム(IRCヘッダ及びPPPフレーム)を、拡張層からIRC層に与える処理を行う(ステップS8)。また、第2無線機5Bの拡張層は、受信した無線パケットのELヘッダの基地局ID情報のフィールドに格納されていた第1無線機5AのIDを、IRC層に与える。
第2無線機5BのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理を行う(ステップS9)。
受信判定処理のため、第2無線機5BのIRC層は、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(宛先元ポートID=PT1)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(受信判定情報)の宛先ポートIDの検索を行う。図7Bに示す第2無線機5Bの第2設定情報には、検索キーである宛先ポートID=PT1に一致する宛先ポートID(PT1)が存在する。したがって、受信判定処理(ステップS9)では、検索キーに一致する宛先ポートID(PT1)に対応する送信ポートID(P1B)が得られる。
つまり、第2無線機5Bは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先である装置61に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Bを識別することができる。
第2無線機5BのIRC層は、送信ポートの識別情報が得られると、得られたPPPフレームが自機5Bに接続された端末61宛であると認識し、PPPフレームを、識別された送信ポートP1Bから送信する(ステップS10)。
第2無線機5Bから送信されたPPPフレームは、端末61によって受信される。
第1無線機5Aからブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5B以外に第3無線機5Cによっても受信される。無線パケットを受信した第3無線機5Cの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、第2無線機5Bと同様に、無線パケットの受信処理を行って、IRCフレーム(IRCヘッダ及びPPPフレーム)を得る。
第3無線機5CのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報(宛先ポートID=PT1)を用いて、受信判定処理を行う。
しかし、図7Cに示す第3無線機5Cの第2設定情報には、受信した宛先ポートID=PT1に一致する宛先ポートIDが存在しない。したがって、第3無線機5Cは、受信したPPPフレームの宛先は、自機5Cに接続された端末62ではないと判定する。この場合、第3無線機5Cは、後述の転送判定を行い、転送の必要もなければ、PPPフレームを破棄する。
端末61からルータ4へPPPフレームを送信する場合も、上記と同様の手順で処理が行われる。
つまり、端末61は、ルータ4に送信すべき情報が含まれたPPPフレームを、ルータ4宛情報用のポート(S9ポート)PT1から送信する。第2無線機5Bは、端末61のポートPT1から送信されたPPPフレームを、ポートP1Bにて受信する。
第2無線機5Bの処理部52は、図7Bに示す第1設定情報を参照して、宛先認識処理を行い、識別情報として、宛先であるルータ4の宛先ポートID(PR1)を得る。
第2無線機5Bは、識別情報を含むIRCヘッダによってPPPフレームをカプセル化してIRCフレームを生成する。さらに、第2無線機5Bは、無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに付加して、無線パケットを生成する。生成された無線パケットは、第2無線機5Bからブロードキャスト送信される。
無線パケットを受信した第1無線機5Aは、受信した無線パケットのIRCヘッダに含まれる識別情報(宛先ポートID=PR1)に基づいて、図7Aに示す第2設定情報を参照する受信判定処理を行う。第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先が、自機5Aに接続された装置(ルータ4)であることを認識することができる。また、第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先であるルータ4に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Aを識別することができる。
第1無線機5Aは、送信ポートP1Aを識別すると、PPPフレームをその送信ポートP1Aから送信する。送信されたPPPフレームは、ルータ4によって受信される。
第2無線機5Bから送信された無線パケットは、第3無線機5Cによっても受信されるが、第3無線機5Cの受信判定処理の結果、破棄される。したがって、端末61から送信されたPPPフレームが、端末62によって受信されることも防止される。
さらに、識別情報としては、宛先ポートID及び送信元ポートIDの双方も用いてもよい。識別情報として、宛先ポートID及び送信元ポートIDの双方を用いる場合、IRCヘッダのヘッダ構造は、図5Cに示すものとなる。また、識別情報として、宛先ポートID及び送信元ポートIDの双方を用いる場合、送信元認識処理(ステップS2)は、第1設定情報を参照して、受信ポートIDから、送信元ポートID及び宛先ポートIDを得るものとなり、受信判定処理(ステップS9)は、第2設定情報を参照して、送信元ポートID及び宛先ポートIDから、送信ポートIDを得るものとなる。
また、識別情報としては、PPPリンクの識別情報であるPPPリンクIDであってもよい。識別情報として、PPPリンクIDを用いる場合、IRCヘッダのヘッダ構造は、図5Dに示すものとなる。PPPリンクIDを、識別情報として用いた場合における、各無線機5A,5B,5Cの設定情報を、図9A〜図9Cに示す。
識別情報としてPPPリンクIDを用いる場合、送信元認識処理(ステップS2)は、第1設定情報を参照して、受信ポートIDから、PPPリンクIDを得るものとなり、受信判定処理(ステップS9)は、第2設定情報を参照して、PPPリンクIDから送信ポートIDを得るものとなる。
[2.5.2 ケース2]
図10に示すように、ケース2では、ルータ4と、それぞれがルータ4との間でPPPフレームの送受信を行う3つ(複数)の端末61,62,63とが存在する。したがって、ルータ4に接続された第1無線機5Aは、3つの端末61,62,63に対応して、3つのポートP1A,P2A,P3Aにおいて、ルータ4と接続されている。
3つの端末61,62,63のうち、2つの端末61,62は、第2無線機5Bに接続されている。つまり、第2無線機5Bは、2つのポートP1B,P2Bにおいて、端末61,62と接続されている。残りの端末63は、第3無線機5Cに接続されている。
3つの無線機5A,5B,5Cは互いに無線通信が可能である。
ケース2では、ルータ4と端末61との間で第1PPPリンクL1が形成され、ルータ4と端末62との間で第2PPPリンクL2が形成され、ルータ4と端末63との間で第3PPPリンクL3が形成されるものとする。
ケース2では、第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図10のネットワーク構成に対応した設定情報として、図11A〜図11Cに示す第1設定情報及び第2設定情報が設定されている。
ルータ4から端末61へPPPフレームを送信する場合、ルータ4は、端末61に送信すべき情報が含まれたPPPフレームを、端末61宛情報用のポートPR1から送信する。第1無線機5Aは、ルータ4のポートPR1から送信されたPPPフレームを、ポートP1Aにて受信する。
第1無線機5Aの処理部52は、図11Aに示す第1設定情報を参照して、送信元認識処理を行い、複数のポートPR1〜PR4のうち、送信元であるルータ4の送信元ポートID(PR1)を識別情報として得る。
第1無線機5Aは、識別情報を含むIRCヘッダによってPPPフレームをカプセル化してIRCフレームを生成する。さらに、第1無線機5Aは、無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに付加して、無線パケットを生成する。生成された無線パケットは、第1無線機5Aからブロードキャスト送信される。
無線パケットを受信した第2無線機5Bは、受信した無線パケットのIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元ポートID=PR1)に基づいて、図11Bに示す第2設定情報を参照する受信判定処理を行う。第2無線機5Bは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先が、自機5Bに接続された端末61,62のうち、端末61であることを認識することができる。また、第2無線機5Bは、受信判定処理によって、複数のポートP1B〜P2Bのうち、受信したPPPフレームの宛先である端末61に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Bを識別することができる。
第2無線機5Bは、送信ポートP1Bを識別すると、PPPフレームをその送信ポートP1Bから送信する。送信されたPPPフレームは、端末61によって受信される。
このように、第2無線機5Bは、識別情報に基づいて、第2設定情報を参照することで、自機5Bが受信したPPPフレームを、自機5Bに接続された複数の端末61,62のいずれに送信すればよいかを認識でき、自機5Bに複数の端末61,62が接続されていても、宛先ではない端末62にPPPフレームを送信してしまうことを防止することができる。
端末61からルータ4へPPPフレームを送信する場合も、上記と同様の手順で処理が行われる。
つまり、端末61は、ルータ4に送信すべき情報が含まれたPPPフレームを、ルータ4宛情報用のポート(S9ポート)PT1から送信する。第2無線機5Bは、端末61のポートPT1から送信されたPPPフレームを、ポートP1Bにて受信する。
第2無線機5Bの処理部52は、図11Bに示す第1設定情報を参照して、送信元認識処理を行い、複数の端末61,62の各ポートPT1〜PT2のうち、送信元である端末61の送信元ポートID(PT1)を識別情報として得る。
第2無線機5Bは、識別情報を含むIRCヘッダによってPPPフレームをカプセル化してIRCフレームを生成する。さらに、第2無線機5Bは、無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに付加して、無線パケットを生成する。生成された無線パケットは、第2無線機5Bからブロードキャスト送信される。
無線パケットを受信した第1無線機5Aは、受信した無線パケットのIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元ポートID=PT1)に基づいて、図11Aに示す第2設定情報を参照する受信判定処理を行う。第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したPPPフレームの宛先が、自機5Aに接続された装置(ルータ4)であることを認識することができる。また、第1無線機5Aは、受信判定処理によって、複数のポートP1A〜P3Aのうち、受信したPPPフレームの宛先であるルータ4に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)P1Aを識別することができる。
第1無線機5Aは、送信ポートP1Aを識別すると、PPPフレームをその送信ポートP1Aから送信する。送信されたPPPフレームは、ルータ4によって受信される。
このように、第2無線機5Bは、複数の端末61,62が接続されていても、第1設定情報を参照することで、PPPフレームの送信元の端末61を正しく認識することができる。
また、第1無線機5Aは、ルータ4の複数のポートPR1〜PR3と接続されていても、適切な送信ポートPR1を正しく認識することができる。
なお、第1無線機5A及び第2無線機5Bから送信された無線パケットは、第3無線機5Cによっても受信されるが、端末63宛でないPPPフレームを有する無線パケットは、図11Cに示す第2設定情報に基づく、第3無線機5Cの受信判定処理の結果、破棄される。
なお、ケース2においても、ケース1と同様に、識別情報は、送信元ポートIDに代えて、宛先ポートID、宛先ポートID及び送信元ID、又はPPPリンクIDとしてもよい。
[2.5.3 ケース3]
図12に示すように、ケース3では、ルータ4と、それぞれがルータ4との間でPPPフレームの送受信を行う4つ(複数)の端末61,62,63,64とが存在する。したがって、ルータ4に接続された第1無線機5Aは、4つの端末61,62,63,64に対応して、4つのポートP1A,P2A,P3A,P4Aにおいて、ルータ4と接続されている。
端末61は第2無線機5Bに接続され、端末62は第3無線機5Cに接続され、端末63は第4無線機5Dに接続され、端末64は第5無線機5Eに接続されている。
ケース3では、ルータと端末61との間で第1PPPリンクL1が形成され、ルータ4と第2端末62との間で第2PPPリンクL2が形成され、ルータ4と第3端末63との間で第3PPPリンクL3が形成され、ルータ4と第4端末64との間で第4PPPリンクL4が形成されものとする。
ケース3では、第1無線機5Aと無線通信可能なのは、第2無線機5B及び第3無線機5Cだけであり、第4無線機5D及び第5無線機5Eは第1無線機5Aとは無線通信不能(電波が届かない)ものとする。ただし、第3無線機5Cは第4無線機5Dと、第4無線機5Dは第5無線機5Eと、無線通信可能であるものとする。
このため、第3PPPリンクL3は、第1無線機5A及び第4無線機5D以外に、第3無線機5Cを経由するものとなる。
また、第4PPPリンクL4は、第1無線機5A及び第5無線機5E以外に、第3無線機5C及び第4無線機5Dを経由するものとなる。
ケース3では、第1無線機5A,第2無線機5B、第3無線機5C、第4無線機5D、及び第5無線機5Eの各記憶部53には、図12のネットワーク構成に対応した設定情報として、図13A〜図13Eに示す第1設定情報及び第2設定情報が設定されている。
さらに、ケース3では、図13C及び図13Dに示すように、第3無線機5Cの記憶部53及び第4無線機5Dの記憶部53には、無線パケットの転送のための第3設定情報が設定されている。
第3設定情報は、転送した無線パケット(PPPフレーム)を、自機5C,5Dが転送する必要があるか否かを判定する転送判定処理に用いられる情報(転送判定情報)を含んでいる。また、第3設定情報は、転送抑制処理に用いられる情報(転送許可情報)を含んでいる。
図13C及び図13Dでは、送信元ポートID及び宛先ポートID(の少なくともいずれか一方)が、転送判定情報となっている。転送判定情報は、転送の必要があるPPPフレーム(無線パケット)を示す情報である。第3無線機5Cは、第3PPPリンクL3及び第4PPPリンクL4のPPPフレームを転送するため、第3無線機5Cの転送判定情報としては、第3PPPリンクL3及び第4PPPリンクL4の送信元ポートID及び宛先ポートIDの組み合わせ(送受信を区別した組み合わせ)が設定されている。
第4無線機5Dは、第4PPPリンクL4のPPPフレームを転送するため、第4無線機5Dの転送判定情報としては、第4PPPリンクL4の送信元ポートID及び宛先ポートIDの組み合わせ(送受信を区別した組み合わせ)が設定されている。
受信したIRCヘッダに含まれる識別情報が、第3設定情報の送信元ポートID又は宛先ポートIDに一致した場合、その識別情報とともに受信されたPPPフレーム(無線パケット)は、転送の候補(対象)となる。
また、図13C及び図14では、無線パケット送信元が、転送許可情報となっている。転送許可情報は、転送の対象となる無線パケットを制限するためのものである。受信した識別情報と転送判定情報とが一致する場合であっても、受信した無線パケットの送信元が転送許可情報として設定された無線パケット送信元と一致しなければ、転送されない。
例えば、図12の第1無線機5Aが、端末63宛のPPPフレームを含む無線パケット(識別情報=PR3)を送信したとする。第1無線機5Aから送信された無線パケットは、端末63に接続された第4無線機5Dには届かない。第3無線機5Cは、その無線パケットを受信して、第2設定情報(図13C)を参照しても、識別情報に一致する送信ポートIDがないため、受信したPPPフレームは、自機5Cに接続された端末62宛ではないと判定する(受信判定処理;図8のステップS9)。
第3無線機5Cでの受信判定処理の結果、受信したPPPフレームが端末62には不要であると判定されると、第3無線機5CのIRC層は、更に転送判定処理(図8のステップS11)を行う。転送判定処理では、受信した識別情報(PR3)を検索キーとして、第3無線機5Cの第3設定情報の送信元ポートID又は宛先ポートID(転送判定情報)を検索し、受信した識別情報(PR3)に一致する送信元ポートID又は宛先ポートIDが設定されているか否かを判定する。
また、転送判定処理では、受信した無線パケットの送信元(ELヘッダの基地局ID情報が示す無線送信元ID)が、転送許可情報として設定されているか否かを判定する転送抑制処理も行われる。
転送判定処理を行うIRC層は、PPP層とは異なるレイヤ(PPP層よりも下位のレイヤ)である。
ここで、第3無線機5Cは、受信した識別情報(PR3)に一致する送信元ポートIDが第3設定情報として設定されており、かつ、その送信元ポート(PR3)に対応して設定された無線パケット送信元(5A)も、受信した無線パケットの送信元(5A)と一致するため、受信したPPPフレーム(無線パケット)を転送すべきものと判定する。この結果、第3無線機5Cは、無線パケット転送処理(図8のステップS13)を行い、無線パケットが転送(ブロードキャスト送信)される(図8のステップS14)。転送された無線パケットは、第4無線機5Dによって受信される。第4無線機5Dは、図13Dに示す第2設定情報を参照し、受信したPPPフレームが、自機5Dに接続された端末63宛であることを認識することができる。
同様に、図12の第1無線機5Aが、端末64宛のPPPフレームを含む無線パケット(識別情報=PR4)を送信した場合、第3無線機5Cによる転送処理(図13C参照)、及び第4無線機5Dによる転送処理(図13D参照)を経て、第5無線機5Eによって受信される。
ここで、第1無線機5Aから送信された端末64宛の無線パケットが、第3無線機5C及び第4無線機5Dの順で転送された場合、第4無線機5Dから転送された無線パケットは、第3無線機5Cによっても受信(跳ね返り受信)される。無線パケットを跳ね返り受信した第3無線機5Cは、跳ね返り受信した無線パケットに含まれる識別情報(PR4)に一致する送信元ポートIDが第3設定情報として設定されているため、跳ね返り受信した無線パケットを転送候補として判定するが、受信した無線パケットの送信元(5D)は、その送信元ポート(PR4)に対応して設定された無線パケット送信元(5A)と一致しないため、転送は不要であると判定される。この結果、無線パケットの跳ね返りによって無線パケットの転送が不必要に繰り返されることを防止できる。
また、各無線機5A,5B,5C,5Dの第2設定情報には、識別情報に対応づけられた無線パケット送信元の情報が設定されていてもよい。この場合、PPPフレームが同一である複数の無線パケットを複数の無線パケット送信元から送信しても、受信側無線機に接続された端末が、複数の同一内容PPPフレームを受信することを防止できる。例えば、第3無線機5Cから転送された無線パケット(端末64宛てのPPPフレームを含む無線パケット)が、第5無線機5Eにも届いた場合、第5無線機5Eでは、無線パケットに含まれる識別情報(PR4)に一致する送信元ポートID(PR4)が第2設定情報として設定されているため、受信判定処理の結果、受信したPPPフレームが、第5無線機5Eに接続された端末64に必要であると判定する。つまり、第5無線機5Eは、受信した無線パケットを端末64への送信候補として判定する。しかしながら、受信した無線パケットの送信元(5C)は、その送信元ポート(PR4)に対応して設定された無線パケット送信元(5D)と一致しないため、端末64への送信は不必要だと判定される。したがって、第5無線機5Eでは、当該パケットを破棄する。一方、第3無線機5Cから転送された無線パケットが、さらに第4無線機5Dに転送されて、第5無線機5Eにて受信された場合、受信した無線パケットの送信元(5D)は、その送信元ポート(PR4)に対応して設定された無線パケット送信元(5D)と一致する、端末64への送信は必要であると判定される。この結果、第5無線機5が受信する同一の無線パケットが複数個に増えるのを抑制することができる。さらに、端末64が複数の同一内容のPPPフレームを受け取ってしまい、PPPリンクの適切な管理が行えなくなることを防止できる。
第3設定情報として設定される転送許可情報としては、図14C及び図14Dに示すように、無線送信パケットの転送回数を識別可能な情報(転送回数情報)であってもよい。
例えば、無線パケットを最初に送信する無線機5は、図5A〜図5Dに示す転送回数情報72を0に設定して無線パケットを送信し、受信した無線パケットを転送する無線機5は、転送回数情報72をインクリメントして無線パケットを転送するものとする。この場合、転送回数情報72は、これまで転送された回数を示すものとなる。
そして、例えば、第1無線機5Aから端末63宛のPPPフレームを含む無線パケット(識別情報=PR3,転送回数情報=0)を受信した第3無線機5Cは、受信した識別情報(PR3)に一致する送信元ポートIDが第3設定情報として設定されており、かつ、その送信元ポート(PR3)に対応して設定された転送回数情報(0)と一致するため、受信したPPPフレーム(無線パケット)を転送すべきものと判定する。
なお、無線パケットを最初に送信する無線機5が、無線パケットに設定する転送回数情報72は、0に限らず、転送回数の上限を示す転送回数上限値であってもよい。この場合、受信した無線パケットを転送する無線機5は、転送回数情報72の転送回数をデクリメントして無線パケットを送信する。この結果、転送回数情報72は、これから転送可能な回数を示すものとなる。
また、転送回数情報72は、これまで転送された回数又はこれから転送可能な回数そのものを示す値である必要はなく、これまで転送された回数又はこれから転送可能な回数を識別可能な情報であれば足りる。例えば、転送回数情報72は、これまで転送された回数又はこれから転送可能な回数に、所定の値Nを加算又は減算した値であってもよい。
なお、ケース3においても、ケース1と同様に、識別情報は、送信元ポートIDに代えて、宛先ポートID、宛先ポートID及び送信元ID、又はPPPリンクIDとしてもよい。
また、転送の抑制としては、ICRヘッダなどに、パケット有効期間を設定しておいてもよい。無線パケットを受信した無線機は、有効期間内であれば転送を行い、有効期間を過ぎていれば、転送を行わないものとすることができる。
[2.6 無線通信区間におけるプロトコル変換]
図15は、無線通信区間においてはPPPを別プロトコルに変換する変形例を示している。
各無線機5A,5Bの記憶部53には、PPPフレームを別形式(別プロトコル)のデータ(変換データ)に変換(プロトコル変換)するとともに、変換データをPPPフレームに戻すための変換テーブルが設定されている。
例えば、ルータ4からPPPフレームを受信した第1無線機5Aは、変換テーブルを参照して、PPPフレームのプロトコル及びPPP制御パケットの部分を変換データに変換し、当該変換データに、識別情報などを含むIRCヘッダを付加し、さらに無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダ)を付加して、無線パケットを生成して無線送信する。なお、PPPプリアンブルの部分は、固定値であるため、変換テーブルを用いなくても、受信側で復元可能である。
無線パケットが第2無線機5Bにて受信されると、第2無線機5Bは、変換テーブルを参照して、受信した変換データからプロトコルとPPP制御パケットを復元する。また、第2無線機5Bは、復元したプロトコルの前に、固定値であるプリアンブルを付加して、PPPフレームを復元する。
PPPフレームを変換データに変換することで、変換データをPPPフレームに比べて小さくすることができ、無線通信を効率的に行うことができる。
このように、無線パケットは、PPPフレームそのものをカプセル化したものである必要はなく、PPPフレームをデータ変換した変換データをカプセル化したものであってもよい。
なお、プロトコル変換によって、第1無線機5Aと第2無線機5Bとの間の無線通信区間は、PPPリンクではなくなり、ルータ5と第1無線機5Aとの間の第1部分PPPリンクLpa及び第2無線機5Bと端末61との間の第2部分PPPリンクLpbだけが存在することになる。ただし、図15のように、無線通信区間にPPPリンクが存在しない場合であっても、ルータ4と端末61からみれば、ルータ4と端末61との間に1本のPPPリンクが存在しているのと同然であるから、第1部分PPPリンクLpa及び第2部分PPPリンクLpbを総合して、1本のPPPリンクが存在しているものみなすことができる。
したがって、図15のように無線通信区間にPPPに関する情報が交換されない場合であっても、PPPフレームを変換データに変換することで、第1部分PPPリンクLpa及び第2部分PPPリンクLpbを合わせて、1本のPPPリンクとして管理することができる。
[2.7 第1変形例]
図16Aは、中央装置2が第1無線機5A宛に情報(アプリケーションデータ)を送信するための構成を示している。図16Aでは、ルータ4のポート(S9形ポート)PR5と第1無線機5Aのポート(S9形ポート)P5Aとの間が、有線接続されている。ルータ4のポートPR5と第1無線機5AのポートP5Aとには、それぞれIPアドレスが付与されており、ルータ4が第1無線機5AのポートP5Aに付与されたIPアドレス向けの情報(アプリケーションデータ)を受信した場合、ルータ4のポートPR5と第1無線機5AのポートP5Aとの間の接続を介して、当該情報が第1無線機5Aへ送信される。当該情報は、例えば、第1無線機5が路車間通信で車載機7に対して無線送信するための車載機向け情報(移動局向け情報)であり、より具体的には、交通情報、道路線形情報、又は信号情報等である。
なお、ルータ4のポートPR5と第1無線機5AのポートP5Aに付与されているのは、IPアドレスである必要はなく、それぞれを特定可能な識別子であればよい。
図16Bも、中央装置2が無線機5B,5C宛に情報(アプリケーションデータ)を送信するための構成を示している。図16Bでは、ルータ4のポート(S9形ポート)PR1,PR2,PR3,PR4それぞれと、第1無線機のポート(S9形ポート)P1A,P2A,P3A,P4Aそれぞれとの間が、有線接続されている。
図16Bでは、ルータ4からは、第1端末61又は第2端末62宛ての情報(アプリケーションデータ)が送信されるだけでなく、第2無線機5B又は第3無線機5C宛ての情報(アプリケーションデータ)も送信される。
また、図16Bの第1端末61又は第2端末62が中央装置2向けの情報をルータ4に送信するだけでなく、第2無線機5B又は第3無線機5Cも、中央装置2向けの情報をルータ4に送信することができる。
図16Bの第2無線機5B及び第3無線機5Cが、PPPリンクの宛先装置又は送信元装置になることができるように、第2無線機5B及び第3無線機5Cそれぞれには、端末61,62のポートIDPT1,PT2と同様の機能(リンクの宛先ID又は送信元IDとしての機能)を果たすためのIDとして、PT5B,PT5Cが設定されている。
図16Bの第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図16Bのネットワーク構成に対応した設定情報として、図16C〜図16Eに示す第1設定情報、第2設定情報、及び第3設定情報が設定されている。
例えば、第2無線機5B宛てのPPPフレームが、ルータ4のポートPR2から送信されると、第1無線機5Aは、そのPPPフレームを、ポートP2Aにて受信する。
すると、第1無線機5Aの処理部52は、送信元認識処理又は宛先認識処理(ステップS2)において、PPPフレームの受信ポートP2Aを示すポート情報を検索キーとして、第1無線機5Aの第1設定情報(図16C参照)の受信ポートIDの検索を行う。
第1無線機5Aの処理部52は、送信元認識処理又は宛先認識処理の結果、識別情報となる送信元ポートIDとしてPR2、又は、識別情報となる宛先IDとしてPT5Bを得る。
そして、得られた識別情報に基づいて、識別情報付加処理(ステップS3)が行われ、第1無線機5Aから無線パケットが送信される。
無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(IRC層)は、受信した無線パケットから得たIRCフレームのIRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理(ステップS9)を行う。
受信判定処理では、識別情報(例えば、宛先ID=PT5B)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(図16D参照)の宛先IDの検索が行われる。受信判定処理の結果、第2無線機5Bは、PPPフレームの宛先は、自機5Bであることを認識する。この結果、PPPフレームに含まれる情報は、第2無線機5BのPPP層及びPPP層よりも上位のレイヤにて処理される。
同様に、第2無線機5Bを送信元とするPPPフレームも、第1無線機5Aを経由して、ルータ4のポートPR2へ送信することができる(図16Cの第2設定情報及び図16Dの第1設定情報参照)。
また、ルータ4が第3無線機5C宛てにPPPフレームをルータ4のポートPR4から送信するると、第1無線機5Aは、そのPPPフレームを、ポートP4Aにて受信する。
すると、第1無線機5Aの処理部52は、送信元認識処理又は宛先認識処理(ステップS2)において、PPPフレームの受信ポートP4Aを示すポート情報を検索キーとして、第1無線機5Aの第1設定情報(図16C参照)の受信ポートIDの検索を行う。
第1無線機5Aの処理部52は、送信元認識処理又は宛先認識処理の結果、識別情報となる送信元ポートIDとしてPR4、又は、識別情報となる宛先IDとしてPT5Cを得る。
そして、得られた識別情報に基づいて、識別情報付加処理(ステップS3)が行われ、第1無線機5Aから無線パケットが送信される。
無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(IRC層)は、受信した無線パケットから得たIRCフレームのIRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理(ステップS9)を行う。
受信判定処理では、識別情報(例えば、宛先ID=PT5C)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(図16D参照)の宛先IDの検索が行われるが、検索キーにヒットする宛先IDは存在しない。
そこで、第2無線機5Bの処理部52は、転送判定処理(ステップS11)を行う。転送判定処理では、第2無線機5Bの第3設定情報(図16D)が参照される。ここでは、転送判定処理の結果、転送すべきものと判定される。したがって、第2無線機5Bは、受信したPPPフレーム(無線パケット)の転送処理(ステップS13)を行う。
そして、第3無線機5Cは、転送された無線パケットに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理を行う。第3無線機5Cの受信判定処理では、図16Eに示す第2設定情報が参照される。受信判定処理の結果、第3無線機5Cは、PPPフレームの宛先は、自機5Cであることを認識する。この結果、PPPフレームに含まれる情報は、第3無線機5CのPPP層及びPPP層よりも上位のレイヤにて処理される。
同様に、第3無線機5Cを送信元とするPPPフレームも、第2無線機5B及び第1無線機5Aを経由して、ルータ4のポートPR4へ送信することができる(図16Cの第2設定情報、図16Dの第3設定情報、及び図16Eの第1設定情報参照)。
このように、無線機に接続された端末(第1装置又は第2装置)としては、無線機5B、5Cとは別個に設けられた端末61,62に限られず、無線機5B,5CのPPPレイヤ及びPPP層よりも上位のレイヤであってもよい。この点は、後述の第2変形例についても同様である。第2変形例においては、無線機に接続された端末(第1装置又は第2装置)としては、無線機5B,5CのEthernet層及びEthernet層よりも上位のレイヤであってもよいことになる。
このように、端末(第1装置又は第2装置)に相当する機能は、無線機5B,5Cに内蔵されていてもよい。また、図16Bにおいて、端末61及び端末62は設けられていなくてもよい。
同様に、ルータ4も、無線機5Aとは別個に設けられている必要はなく、無線機5Aにルータが内蔵されていてもよい。
なお、図16Bにおいても図16Aと同様に、中央装置2から第1無線機5A宛に情報を送信できるようにしてもよい。
[2.8 第2変形例]
図17〜図21は、通信システムの第2変形例を示している。第2変形例においては、ルータ4と端末6との間の通信を、Ethernet通信で行う。つまり、無線機5は、ルータ4又は端末6によって生成されたEthernetフレームをイーサポートPM1、PM2,PM3,PM4において受信し、Ethernetフレームに無線通信制御情報などを付加してカプセル化し、無線パケットを生成し、ブロードキャスト送信する。
図17に示すように、イーサネットフレームのイーサネットヘッダには、宛先MACアドレスと送信元MACアドレスを含んでいる。例えば、ルータ4か端末6へデータを送信する場合、宛先MACアドレスは、端末6のMACアドレスとなり、送信元MACアドレスは、ルータ4のMACアドレスとなる。
しかし、Ethernet通信を行うルータ4(第1装置)と端末6(第2装置)との間に、無線機5,5による無線通信を介在させる場合、MACアドレスだけでは、ルータ4(第1装置)と端末6(第2装置)との間の通信が適切に行えないことがある。したがって、無線機5,5にIPルーティング機能を具備させて、IPアドレスを用いたルーティングを無線機5,5に行わせる必要がある。この場合、無線機5,5にIPルーティング機能を具備させる必要があるため、無線機5,5がコスト高となる。
つまり、一般的には、ある送信元(例えばルータ4)から、ある宛先(例えば、端末6)へデータ送信する場合において、送信元と宛先との間の経路上に他の装置(無線機5)が介在する場合、送信元(ルータ4)が設定する宛先IPアドレスは、データの宛先(端末6)のIPアドレスとなるが、送信元(ルータ4)が設定する宛先MACアドレスは、送信元に接続された他の装置(無線機5)のMACアドレスとなる。
したがって、イーサネットヘッダの宛先MACアドレスを参照しても、最終的な宛先(端末6)はわからないため、データを最終的な宛先(端末6)に届けるには、送信元と宛先との間の経路上に存在する他の装置(無線機5)がIPアドレスを用いたルーティング機能を具備する必要がある。
そこで、第2変形例では、無線機5は、取得したEthernetフレームに無線通信制御情報(第1無線通信制御情報)及びIRCヘッダ(第2無線通信制御情報)を付加してカプセル化し、無線パケットを生成し、無線送信する。
図18A〜図18Dは、第2変形例におけるIRCヘッダの様々な例を示している。図18A〜図18Dに示すIRCヘッダは、転送回数情報72を有しているが、省略してもよい。
図18Aに示すIRCヘッダは、識別情報として、送信元MACアドレス(送信元ID)75を有している。送信元MACアドレスは、無線機5が取得したEthernetフレームの送信元MACアドレスである。
図18Bに示すIRCヘッダは、識別情報として、宛先MACアドレス(宛先ID)76を有している。宛先MACアドレスは、無線機5が取得したEthenetフレームの宛先MACアドレスである。
図18Cに示すIRCヘッダは、識別情報として、宛先MACアドレス76及び送信元MACアドレス75を有している。
図18Dに示すIRCヘッダは、識別情報として、Ethernetフレームを含んでいる無線パケットの宛先となる無線機5のID(無線パケット宛先ID)77を有している。
なお、第2変形例においても、識別情報は、リンク(Ethernetのリンク)のIDであってもよい。
図19Aは、第2変形例における通信システムの例を示している。図19Aに示す通信システムに関しては、図19Aのほか、図20A〜図20C及び図21Aを参照する。図19Aでは、図6と同様に、一対の無線機(第1無線機5Aと第2無線機5B)それぞれに一つずつ装置(ルータ(第1装置)4,端末(第2装置)61)が接続されている。装置4,61は、Ethenetフレームの送受信を行う。
第1無線機5Aの近傍には、図6と同様に、第3無線機5Cも存在し、第1無線機5Aから送信された電波は、第3無線機5Cにおいても受信可能である。第3無線機5Cには、端末62が接続されている。端末62もEthenetフレームの送受信が可能である。
図19Aでは、ルータ4と端末61との間でEthernetのリンクML1が形成され、ルータ4と端末62との間では、Ethernetのリンクは形成されない。
図19Aに示す第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図20A〜図20Cに示す第1設定情報及び第2設定情報が設定されている。
第1設定情報は、各無線機5A,5B,5Cが、接続された装置4,61、62からEthernetフレームを受信した場合に参照される情報である。第1設定情報は、Ethernetフレームに付加されて無線パケットを構成する識別情報の生成に用いられる。
第1設定情報は、自機5A,5B,5Cの1又は複数のイーサポートのうち、ルータ4又は端末6に接続されたイーサポート(受信ポート)PM5A,PM5B,PM5Cに付与されたMACアドレス示す受信ポートMACアドレスと、識別情報(Ethernetリンク識別情報)と、を対応づけるためのものである。具体的には、第1設定情報は、受信ポートMACアドレスと、送信元MACアドレス(送信元ID)と、宛先MACアドレス(宛先ID)と、無線パケット宛先IDと、が対応付けられて構成されている。第1設定情報における送信元MACアドレス(送信元ID)、宛先MACアドレス(宛先ID)、及び無線パケット宛先IDは、いずれもEthernetリンク識別情報である。識別情報としての送信元MACアドレス(送信元ID)、宛先MACアドレス(宛先ID)、及び無線パケット宛先IDは、いずれもEthernetリンク識別情報であり、いずれか一つの情報が存在すれば足り、他の情報を省略してもよい。情報を省略することで、情報量を抑えることができる。
第2設定情報は、各無線機5A,5B,5Cが、他の無線機から無線パケットを受信した場合に参照される情報である。第2設定情報は、受信した無線パケットをどのように扱うかを判定する処理(受信判定処理、転送判定処理)に用いられる。
第2設定情報は、識別情報(Ethernetリンク識別情報)と、自機5A,5B,5Cの1又は複数のイーサポートのうち、ルータ4又は端末6に接続されたポート(送信ポート)を示す送信ポートMACアドレスと、を対応付けるためのものである。具体的には、第2設定情報は、送信元MACアドレス(送信元ID)と、宛先MACアドレス(宛先ID)と、送信ポートMACアドレス(第2ポートID)とが、対応付けられて構成されている。第2設定情報における送信元MACアドレス(送信元ID)及び宛先MACアドレス(宛先ID)は、いずれもEthernetリンク識別情報である。第1設定情報と同様に、識別情報としての送信元MACアドレス(送信元ID)及びMACアドレス(宛先ID)は、いずれもEthernetリンク識別情報であり、いずれか一つの情報が存在すれば足り、他の情報を省略してもよい。
図21Aは、ルータ4から端末61へEthernetフレームを送信する場合における、第1無線機5A及び第2無線機5Bの通信処理手順を示している。
まず、ルータ4は、端末61のための情報が含まれたEthernetフレームを、端末61宛情報用のイーサポート(S11ポート)PMR1から送信する。このEthernetフレームのEthernetヘッダには、送信元MACアドレスとしてルータ4のMACアドレス(MR1)が設定され、宛先MACアドレスとして端末61のMACアドレス(MT1)が設定されている。
第1無線機5Aは、ルータ4のイーサポートPMR1から送信されたEthernetフレームを、イーサポート(S11ポート)PM5Aにて受信する(ステップS101)。
第1無線機5Aは、受信したEthernetヘッダの宛先MACアドレスが、自機5AのMACアドレス(M5A)でなくても、受信したEthernetフレームを破棄せずに、Ethernet層よりも下位のレイヤにおいて、無線パケットを送信するための処理(図21のステップS102以降の処理)を行う。なお、第1無線機5Aは、受信したEthernetヘッダの宛先MACアドレスが、自機5AのMACアドレス(M5A)である場合には、受信したEthernetフレームは、自機5A宛てのフレームであるから、フレーム内のデータをEthernet層よりも上位のレイヤで処理する。
第1無線機5Aの処理部52は、受信したEthernetフレームの送信元MACアドレスを認識する送信元認識処理を行う(ステップS102)。送信元認識処理によって認識された送信元MACアドレスを示す情報は、IRCヘッダの識別情報として用いられる。
送信元認識処理では、Ethernetフレームの送信元MACアドレスを得るため、Ethernetフレームを受信したポートPM5AのMACアドレスM5Aを検索キーとして、第1設定情報の受信ポートMACの検索が行われる。図20Aに示す第1無線機5Aの第1設定情報には、検索キーであるMACアドレス(M5A)に一致する受信ポートMACアドレス(M5A)が存在する。ここでは、2つの識別情報(送信元MACアドレス、宛先MACアドレス)のうち、送信元MACアドレスを、識別情報として用いる。したがって、送信元認識処理では、検索キーに一致する受信ポートMACアドレス(M5A)に対応する識別情報である送信元MACアドレス(MR1)が得られる。
つまり、送信元認識処理によって、受信したEthernetフレームの送信元であるルータ4のMACアドレスを示す情報(識別情報)が得られる。なお、識別情報としてのMACアドレスは、第1無線機5Aが受信したEthernetフレームのEthernetヘッダから読み取ってもよい。この場合、第1設定情報にMACアドレスが設定されている必要がない。したがって、第1設定情報を省略することも可能である。
続いて、処理部52(のIRC層としての機能)は、受信したEthernetフレームの送信元であるルータ4のMACアドレスであるMR1を示す識別情報が送信元MACアドレス75のフィールドに格納されたIRCヘッダ(図18A参照)を生成し、Ethernetフレームよりもデータの先頭側に付加する(識別情報付加処理;ステップS103)。つまり、受信したEthernetフレームをカプセル化したIRCフレームが生成される。なお、転送回数情報は、例えば、0に設定される。
このように、識別情報の付加は、Ethernet層とは異なるレイヤ(Ethernet層よりも下位のレイヤ)であるIRC層によって行われる。
そして、IRC層は、生成したIRCフレームの無線送信要求を、拡張層(EL)(拡張層が存在しない場合にはレイヤ7)に対して行う(ステップS104)。
拡張層(EL)〜PHY層までの各レイヤは、図17に示す無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに対して付加して、無線パケットを生成する(無線パケット生成処理;ステップS105)。つまり、無線パケットの生成は、Ethernet層及びIRC層とは異なるレイヤ(拡張層〜PHY層)によって行われる。
なお、無線パケット生成処理において、第1無線機5Aの拡張層は、ELヘッダの基地局ID情報のフィールドに第1無線機5AのIDをセットする。また、無線パケット生成処理において、第1無線機5Aのレイヤ7は、通信分類のフィールドに、「6.基地局から基地局への通信(路路間通信)」であることを示す情報をセットする。
生成された無線パケットは、第1無線機5Aからブロードキャスト送信される(ステップS106)。
なお、セキュリティ管理によって、セキュリティ処理を実施する場合は、IRCデータ(IRCヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよいし、IRCフレーム(ELヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。
ブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5Bによって受信される。無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、無線パケットの受信処理を行う(ステップS107)。
無線パケットの受信処理のうち、レイヤ7での処理においては、L7ヘッダに含まれる通信分類に基づく判定が行われる。通信分類フィールドが示す通信分類が基地局宛の分類でない場合、基地局である第2無線機5Bは、受信した無線パケットを破棄する。ただし、ここでは、基地局宛の分類の一つである「6.基地局から基地局への通信(路路間通信)」が通信分類フィールドに設定されているため、受信した無線パケットは破棄されない。
これに対し、第1無線機5Aから送信された無線パケットを受信した車載機(移動局)7は、通信分類フィールドが示す分類が、基地局宛の分類でないため、受信した無線パケットを破棄する。
第2無線機5Bの処理部52は、受信した無線パケットから、無線通信制御情報(PHYヘッダからELヘッダまで)を取り除いたIRCフレーム(IRCヘッダ及びEthernetフレーム)を、拡張層からIRC層に与える処理を行う(ステップS108)。また、第2無線機5Bの拡張層は、受信した無線パケットのELヘッダの基地局ID情報のフィールドに格納されていた第1無線機5AのIDを、IRC層に与える。受信した無線パケットからIRCフレームを得る処理は、Ethernet層及びIRC層とは異なるレイヤによって行われる。
第2無線機5BのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理を行う(ステップS109)。受信判定処理を行うIRC層は、Ethernet層とは異なるレイヤ(Ethernet層よりも下位のレイヤ)である。
受信判定処理は、得られたEthernetフレームの取り扱いを決定するための処理である。具体的には、受信判定処理において、IRC層は、Ethernetフレームが、自機5Bに接続された端末61向けのものであるか否かを判定する。
受信判定処理のため、第2無線機5BのIRC層は、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元MACアドレス=MR1)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(受信判定情報)の送信元MACアドレスの検索を行う。図20Bに示す第2無線機5Bの第2設定情報には、検索キーである送信元MACアドレス=MR1に一致する送信元MACアドレス(MR1)が存在する。したがって、受信判定処理(ステップS109)では、検索キーに一致する送信元MACアドレス(MR1)に対応する送信ポートMACアドレス(M5B)が得られる。
つまり、第2無線機5Bは、受信判定処理によって、受信したEthernetフレームの宛先である装置61に接続されたイーサポート(送信ポート;第2ポート)PM5Bを識別することができる。
なお、受信判定処理は、Ethernet層において、Ethernetヘッダに格納された宛先MACアドレスを用いておこなってもよい(L2スイッチ的な処理)。この場合、無線パケットにおいてIRCヘッダを省略することが可能となり、送信側の無線機において識別情報付加処理(ステップS103)を省略することができる。
第2無線機5BのIRC層は、送信ポートの識別情報が得られると、得られたEthernetフレームが自機5Bに接続された端末61宛であると認識する。第2無線機5BのEthernet層は、得られたEthernetフレームを、識別された送信ポートPM5Bから送信する(ステップS110)。
第2無線機5Bから送信されたEthernetフレームは、端末61によって受信される。
なお、受信した識別情報を検索キーとして、第2設定情報(受信判定情報)を検索しても、ヒットする識別情報が無い場合、受信したEthernetフレームの宛先は、自機5Bに接続された端末61でないと判定する。この場合、転送判定(ステップS111)を行い、転送の必要もなければ、Ethernetフレームを破棄する(ステップS112)。
第1無線機5Aからブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5B以外に第3無線機5Cによっても受信される。無線パケットを受信した第3無線機5Cの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、第2無線機5Bと同様に、無線パケットの受信処理を行って、IRCフレーム(IRCヘッダ及びEthernetフレーム)を得る。
第3無線機5CのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報(送信元MACアドレス=MR1)を用いて、受信判定処理を行う。
しかし、図20Cに示す第3無線機5Cの第2設定情報には、受信した送信元MACアドレス=MR1に一致する送信元MACアドレスが存在しない。したがって、第3無線機5Cは、受信したEthernetフレームの宛先は、自機5Cに接続された端末62ではないと判定する。この場合、第3無線機5Cは、後述の転送判定を行い、転送の必要もなければ、Ethernetフレームを破棄する。
このように、ルータ4から送信されたEthernetフレームは、第1無線機5Aによってブロードキャストされて複数の無線機5B,5Cによって受信されることがある。しかし、受信側の無線機5B,5Cによって、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いた受信判定を行うため、IPアドレスを参照しなくても、確実に、本来の宛先である第2無線機5Bのみが受信することができる。
しかも、本来の宛先とは関係ない第3無線機5Cは、第3無線機5Cに接続された端末62にEthernetフレームを与えることなく、第3無線機5CにてEthernetフレームを破棄する。
端末61からルータ4へEthernetフレームを送信する場合も、上記と同様の手順で処理が行われる。
つまり、端末61は、ルータ4に送信すべき情報が含まれたEthernetフレームを、イーサポート(S11ポート)PMT1から送信する。第2無線機5Bは、端末61のポートPMT1から送信されたEthernetフレームを、ポートPM5Bにて受信する。
第2無線機5Bは、受信したEthernetヘッダの宛先MACアドレスが、自機5BのMACアドレス(M5B)でなくても、受信したEthernetフレームを破棄せずに、Ethernet層よりも下位のレイヤにおいて、無線パケットを送信するための処理(図21のステップS102以降の処理)を行う。
第2無線機5Bの処理部52は、図20Bに示す第1設定情報を参照して、送信元認識処理(ステップS102)を行い、識別情報として、送信元である端末61の送信元MACアドレス(MT1)を得る。
第2無線機5Bは、識別情報を含むIRCヘッダによってEthernetフレームをカプセル化してIRCフレームを生成する。さらに、第2無線機5Bは、無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに付加して、無線パケットを生成する。生成された無線パケットは、第2無線機5Bからブロードキャスト送信される。なお、セキュリティ管理によって、セキュリティ処理を実施する場合は、IRCデータ(IRCヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよいし、IRCフレーム(ELヘッダからPHYヘッダまでを除いたデータ)に対してでもよい。
無線パケットを受信した第1無線機5Aは、受信した無線パケットのIRCヘッダに含まれる識別情報(送信元MACアドレス=MT1)に基づいて、図20Aに示す第2設定情報を参照する受信判定処理(ステップS109)を行う。第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したEthernetフレームが、自機5Aに接続された装置(ルータ4)宛であることを認識することができる。また、第1無線機5Aは、受信判定処理によって、受信したEthernetフレームの宛先であるルータ4に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)PM5Aを識別することができる。
第1無線機5Aは、送信ポートM5Aを識別すると、Ethernetフレームをその送信ポートPM5Aから送信する。送信されたEthernetフレームは、ルータ4によって受信される。
第2無線機5Bから送信された無線パケットは、第3無線機5Cによっても受信されるが、第3無線機5Cの受信判定処理の結果、破棄される。したがって、端末61から送信されたEthernetフレームが、端末62によって受信されることも防止される。
以上の説明では、識別情報は、送信元MACアドレスとしたが、宛先MACアドレスであってもよい。識別情報が宛先MACアドレスである場合、IRCヘッダのヘッダ構造は、図18Bに示すものとなる。識別情報が宛先MACアドレスである場合、図21Aに関する既述の説明における「送信元」を「宛先」と読み替えればよい。
また、識別情報は、無線パケットの宛先となる無線機のID(無線パケット宛先ID)であってもよい。識別情報が無線パケット宛先IDである場合、IRCヘッダのヘッダ構造は、図18Dに示すものとなる。
識別情報が無線パケット宛先IDである場合、第1無線機5Aは、ルータ4のポートPMR1から送信されたEthernetフレームを、イーサポート(S11ポート)PM5Aにて受信する(ステップS101)。
第1無線機5Aの処理部52は、受信したEthernetフレームをカプセル化した無線パケットの宛先となる無線機5Bを認識する宛先認識処理を行う(ステップS102)。宛先認識処理によって認識された無線パケット宛先IDを示す情報は、IRCヘッダの識別情報として用いられる。
宛先認識処理では、無線パケットの宛先を得るため、Ethernetフレームを受信したポートPM5AのMACアドレス(M5A)を検索キーとして、第1設定情報の受信ポートMACアドレスの検索が行われる。図20Aに示す第1無線機5Aの第1設定情報には、検索キーであるMACアドレス(M5A)に一致する受信ポートMACアドレス(M5A)が存在する。したがって、宛先認識処理では、検索キーに一致する受信ポートMACアドレス(M5A)に対応する識別情報である無線パケット宛先ID(5B)が得られる。
つまり、宛先認識処理によって、送信される無線パケットの宛先となる第2無線機5Bを示す情報(識別情報)が得られる。
続いて、処理部52(のIRC層としての機能)は、識別情報である無線パケット宛先ID(5B)が無線パケット宛先ID77のフィールドに格納されたIRCヘッダ(図18D参照)を生成し、Ethernetフレームの先頭に付加する(識別情報付加処理;ステップS103)。つまり、受信したEthernetフレームをカプセル化したIRCフレームが生成される。なお、転送回数情報は、例えば、0に設定される。
そして、IRC層は、生成したIRCフレームの無線送信要求を、拡張層(EL)(拡張層が存在しない場合にはレイヤ7)に対して行う(ステップS104)。
拡張層(EL)〜PHY層までの各レイヤは、図17に示す無線通信制御情報(ELヘッダからPHYヘッダまで)を、IRCフレームに対して付加して、無線パケットを生成する(無線パケット生成処理;ステップS105)。
生成された無線パケットは、第1無線機5Aからブロードキャスト送信される(ステップS106)。
ブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5Bによって受信される。無線パケットを受信した第2無線機5Bの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、無線パケットの受信処理を行う(ステップS107)。
第2無線機5Bの処理部52は、受信した無線パケットから、無線通信制御情報(PHYヘッダからELヘッダまで)を取り除いたIRCフレーム(IRCヘッダ及びEthernetフレーム)を、拡張層からIRC層に与える処理を行う(ステップS108)。また、第2無線機5Bの拡張層は、受信した無線パケットのELヘッダの基地局ID情報のフィールドに格納されていた第1無線機5AのIDを、IRC層に与える。
第2無線機5BのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報を用いて、受信判定処理を行う(ステップS109)。
受信判定処理のため、第2無線機5BのIRC層は、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(無線パケット宛先ID=5B)が自機5BのIDと一致するか否かを判定する。第2無線機5Bにとっては、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(無線パケット宛先ID=5B)が自機5BのIDと一致する。そこで、第2無線機5BのEthernet層は、Ethernetヘッダに含まれる送信元MACアドレス(MR1)又は宛先MACアドレス(MT1)を検索キーとして、第2無線機5Bの記憶部53に設定された第2設定情報(受信判定情報)の送信元MACアドレス又は宛先MACアドレスの検索を行う。図20Bに示す第2無線機5Bの第2設定情報には、検索キーである送信元MACアドレス(MR1)又は宛先MACアドレス(MT1)に一致する送信元MACアドレス(MR1)又は宛先MACアドレス(MT1)が存在する。したがって、受信判定処理(ステップS9)では、検索キーに一致する送信元MACアドレス(MR1)又は宛先MACアドレス(MT1)に対応する送信ポートMACアドレス(M5B)が得られる。
つまり、第2無線機5Bは、受信判定処理によって、受信したEthernetフレームの宛先である装置61に接続されたポート(送信ポート;第2ポート)PM5Bを識別することができる。
第2無線機5BのEthernet層が、送信ポートの識別情報を得ると、識別された送信ポートPM5Bから送信する(ステップS110)。
第2無線機5Bから送信されたEthernetフレームは、端末61によって受信される。
なお、図18Dに示すIRCヘッダに、無線パケット宛先ID77だけでなく、宛先MACアドレス76又は送信元MACアドレス75が含まれている場合には、受信判定処理は、第2無線機5BのIRC層で行うことができる。
第1無線機5Aからブロードキャスト送信された無線パケットは、第2無線機5B以外に第3無線機5Cによっても受信される。無線パケットを受信した第3無線機5Cの処理部52(PHY層〜拡張層(EL)までの各レイヤ;無線処理機能部)は、第2無線機5Bと同様に、無線パケットの受信処理を行って、IRCフレーム(IRCヘッダ及びEthernetフレーム)を得る。
第3無線機5CのIRC層は、IRCヘッダに含まれる識別情報(無線パケット宛先ID=5B)を用いて、受信判定処理を行う。第3無線機5Cにとっては、受信したIRCヘッダに含まれる識別情報(無線パケット宛先ID=5B)が自機5CのIDと一致しないため、受信したEthernetフレームの宛先は、自機5Cに接続された端末62ではないと判定する。この場合、第3無線機5Cは、転送判定(ステップS111)を行い、転送の必要もなければ、Ethernetフレームを破棄する。
端末61からルータ4へEthernetフレームを送信する場合も、上記と同様の手順で処理が行われる。
なお、第2変形例の無線機5A,5Bが転送判定を行う場合、無線機5A,5Bの記憶部には、転送を必要とする無線パケットを識別するための第3設定情報が設定されていればよい。つまり、第2変形例において、第3設定情報は、図13C,図13D、14C,14Dに示す送信元ポートID及び宛先ポートIDに代えて、転送の必要のある無線パケットに含まれるEthernetフレームの送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスが設定されていればよい。また、第3設定情報には、送信元MACアドレス及び宛先MACアドレスに加えて、又は、代えて、転送の必要のある無線パケットの宛先となる無線機のID(無線パケット宛先ID)が設定されていてもよい。
図19Bは、図19Aに示す第2変形例において、ルータ4から複数の端末61,62,63,64にEthernetフレームを送信するようにしたネットワーク構成を示している。図19Bに示す通信システムに関しては、図19Bのほか、図20D〜図20Fを参照する。
図19Bのルータ4が有する複数のイーサポートPMR1,PMR2,PMR3,PMR4それぞれは、第1無線機5Aの対応するイーサポートPM1A,PM2A,PM3A,PM4Aに接続されている。
また、第1端末61のイーサポートPMT1及び第2端末62のイーサポートPMT2は、第2無線機5Bの対応するイーサポートPM1B,PM2Bに接続されている。
さらに、第3端末63のイーサポートPMT3及び第4端末64のイーサポートPMT4は、第3無線機5Cの対応するイーサポートPM1C,PM2Cに接続されている。
ルータ4の複数のイーサポートPMR1,PMR2,PMR3,PMR4それぞれには、図19B中にも示すように、MAC−R1,MAC−R2,MAC−R3,MAC−R4のMACアドレスが割り当てられている。
第1無線機5Aの複数のイーサポートPM1A,PM2A,PM3A,PM4Aそれぞれには、図19B中にも示すように、MAC−1A,MAC−2A,MAC−3A,MAC−4AのMACアドレスが割り当てられている。
第2無線機5Bの複数のイーサポートPM1B,PM2Bそれぞれには、MAC−1B,MAC−2BのMACアドレスが割り当てられている。
第3無線機5Cの複数のイーサポートPM1C,PM2Cそれぞれには、MAC−1C,MAC−2CのMACアドレスが割り当てられている。
第1端末61(のイーサポートPMT1)、第2端末62(のイーサポートPMT2)、第3端末63(のイーサポートPMT3)、第4端末64(のイーサポートPMT4)それぞれには、図19B中にも示すように、MAC−T1,MAC−T2,MAC−T3,MAC−T4のMACアドレスが割り当てられている。
ルータ4、第1無線機5A、第2無線機5B、第3無線機5C,第1端末61、第2端末62、第3端末63、及び第4端末64それぞれには、図19B中にも示すように、IP−R1,IP−5A,IP−5B,IP−5C,IP−T1,IP−T2,IP−T3,IP−T4のIPアドレスが割り当てられている。
図19Bに示す第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図20D〜図20Fに示す第1設定情報及び第2設定情報が設定されている。図19Aに示すものと同様に、図19Bに示す第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cは、ルータ4又は端末61,62,63,64からEthernetフレームを受信した場合には、図20D〜図20Fに示す第1設定情報を参照して、識別情報を生成する。
また、図19Bに示す第1無線機5A、第2無線機5B、及び第3無線機5Cは、他の無線機から無線パケットを受信した場合には、図20D〜図20Fに示す第2設定情報を参照して、受信判定処理や転送判定処理を行う。
図19Cは、図19Bに示す通信システムにおけるルータ4と第1無線機5Aとの間の接続を簡素化したものを示している。図19Cに示す通信システムに関しては、図19Cのほか、図20G〜図20I及び図21Bを参照する。
図19Cに示すルータ4と第1無線機5Aとは、それぞれ、単一のイーサポートPMR1,PM1A同士で接続されている。
また、図19Cでは、第3無線機5Cは、第1無線機5Aと直接通信できず、第2無線機5Bによる無線パケット転送を介して、第1無線機5Aと通信する。
ルータ4のイーサポートPMR1には、図19B中にも示すように、MAC−R1のMACアドレスが割り当てられている。
第1無線機5AのイーサポートPM1Aには、MAC−1AのMACアドレスが割り当てられている。
第2無線機5Bの複数のイーサポートPM1B,PM2Bそれぞれには、MAC−1B,MAC−2BのMACアドレスが割り当てられている。
第3無線機5Cの複数のイーサポートPM1C,PM2Cそれぞれには、MAC−1C,MAC−2CのMACアドレスが割り当てられている。
第1端末61(のイーサポートPMT1)、第2端末62(のイーサポートPMT2)、第3端末63(のイーサポートPMT3)、第4端末64(のイーサポートPMT4)それぞれには、MAC−T1,MAC−T2,MAC−T3,MAC−T4のMACアドレスが割り当てられている。
ルータ4、第1無線機5A、第2無線機5B、第3無線機5C,第1端末61、第2端末62、第3端末63、及び第4端末64それぞれには、IP−R1,IP−5A,IP−5B,IP−5C,IP−T1,IP−T2,IP−T3,IP−T4のIPアドレスが割り当てられている。
図19Cに示す第1無線機5A,第2無線機5B、及び第3無線機5Cの各記憶部53には、図20G〜図20Iに示す第2設定情報、及び第3設定情報が設定されている。
図19Cに示す無線機5A,5B、5Cは、受信ポートによって、Ethernetフレームの送信元MACアドレス又は宛先MACアドレスを認識するのではなく、受信したEthernetヘッダに含まれる宛先MACアドレス(及び送信元MACアドレス)を読み取って、読み取った宛先MACアドレス(及び送信元MACアドレス)を識別情報として、IRCヘッダに格納する。
このため、識別情報を生成するための第1設定情報が不要であるため、図20G〜図20Iに示す接続設定情報では、第1設定情報が設けられていない。
また、図19Cに示す通信システムの場合、無線機5A,5B,5Cは、識別情報の生成のために、Ethernetフレームを受信したポートを区別する必要がないため、図19Cに示すルータ4及び第1無線機5Aのように、単一のポートPMR1,PM1Aで両者を接続することができる。
図19Cのシステム構成は、ルータ4から情報を送信すべき端末61,62,63,64の数が多くなる場合において、特に有利である。つまり、図19Bのシステム構成の場合、ルータ4と第1無線機5との間の接続回線数が、ルータ4から情報を送信すべき端末61,62,63,64の数以上必要になる。この結果、端末の数が多いと、ルータ4及び第1無線機5Aのポート数が足らなくなるおそれがある。これに対し、図19Cのシステム構成では、端末の数が増えても、ルータ4と第1無線機5Aとの間の接続回線数が増加するのを抑えることができる。つまり、ルータ4や無線機5Aに設けられるイーサポートの数の増加を抑えることができる。
図21Bに示すように、第1無線機5A(Ethernet層)は、ルータ4からEthernetフレームを受信すると(ステップS101)、Ethernetヘッダの宛先MACアドレスを読み取る(MACアドレス読取処理;ステップS102)。
第1無線機5Aの(IRC層)は、読み取った宛先MACアドレスを識別情報として、IRCヘッダに格納する(ステップS103)。
このように、第1無線機5Aは、無線パケット生成の際に第1設定情報を参照する必要がない。
その後の第1無線機5Aの処理及び無線パケットを受信する第2無線機5B,第3無線機5Cの処理は、図21Aに示す手順と同様である。
具体的には、第2無線機5Bは、IRCヘッダに含まれる識別情報としての宛先MACアドレスがMAC−T1(第1端末61のMACアドレス)である場合、受信判定処理(ステップS107)のため、MAC−T1を検索キーとして、第2無線機5Bの第2設定情報(図20H参照)を検索する。その結果、送信ポートMACアドレスとしてMAC−1B(第2無線機5BのイーサポートPM1BのMACアドレス)を得る。
したがって、第2無線機5Bは、受信した無線パケットから得られたEthernetフレームを、イーサポートPM1Bから、第1端末61へ出力することができる。
また、第2無線機5Bは、IRCヘッダに含まれる識別情報としての宛先MACアドレスがMAC−T3(第3端末63のMACアドレス)である場合、受信判定処理(ステップS107)のため、MAC−T3を検索キーとして、第2無線機5Bの第2設定情報(図20H参照)を検索する。しかし、第2設定情報に対する検索ではヒットしないため、転送判定処理(ステップS111)を行う。
第2無線機5Bは、転送判定処理のため、識別情報としての宛先MACアドレスがMAC−T3及び無線パケット送信元(第1無線機5A)を検索キーとして、第3設定情報(図20H参照)を検索した結果、ヒットするため、受信した無線パケットを転送すべきと判定する。
第2無線機5Bによって転送された無線パケットは第3無線機5Cによって受信される。第3無線機5Cによる受信判定処理(ステップS107)の結果、第3無線機5Cは、送信ポートMACアドレスとして、MAC−1Cを得る。
したがって、第3無線機5Cは、受信した無線パケットから得られたEthernetフレームを、イーサポートPM1Cから、第3端末63へ出力することができる。
さて、図21Cは、図19A〜図19Cに示す第2変形例において伝送されるEthernetフレームに設定される宛先MACアドレス、送信元MACアドレス、宛先IPアドレス、送信元IPアドレスを示している。
図21Cに示すように、ルータ4は、第1端末61に送信されるべきEthernetフレームのEthernetヘッダの宛先MACアドレスを、例えば、第1端末61のMACアドレス(MAC−T1)に設定して、第1無線機5Aへ送信する。
一般的には、ルータ4は、Ethernetフレームが第1無線機5Aにて受信されることを期待して送信するのであるから、EthernetフレームのEthernetヘッダの宛先MACアドレスを、第1無線機5AのMACアドレス(MAC−5A)に設定して送信すべきである。
しかし、ここでは、ルータ4は、宛先MACアドレスが第1端末61のMACアドレス(MAC−T1)に設定されたEthernetフレームを第1無線機5Aへ送信する。
第1無線機5Aは、受信したEthenetフレームの宛先MACアドレスが自機5AのMACアドレス(MAC−5A)と一致しなくても、受信したEthernetフレームを破棄することなく、識別情報の生成を行って、Ethernetフレームをカプセル化した無線パケットを生成する。この際、受信したEthernetフレームのEthernetヘッダは書き換えられない。つまり、宛先MACアドレスはMAC−T1のままであり、送信元MACアドレスもルータ4のMACアドレスであるMAC−R1のままである。
したがって、第1無線機5Aから送信された無線パケットを受信した第2無線機5Bは、ルータ4が送信したEthernetフレームと同じもの(Ethernetヘッダの内容が同じもの)を、第1端末61に送信することができる。
このように、ルータ4は、無線機5A,5Bの存在を意識しなくても、端末61へ情報を適切に送信することができる。
同様に、第1端末61が、ルータ4側へEthernetフレームを送信する場合には、ルータ4に送信されるべきEthernetフレームのEthernetヘッダの宛先MACアドレスを、ルータ4のMACアドレス(MAC−R1)に設定して、第2無線機5Bへ送信する。
この場合も、第2無線機5Bは、受信したEthenetフレームの宛先MACアドレスが自機5BのMACアドレス(MAC−5B)と一致しなくても、受信したEthernetフレームを破棄することなく、識別情報の生成を行って、Ethernetフレームをカプセル化した無線パケットを生成する。この際、受信したEthernetフレームのEthernetヘッダは書き換えられない。つまり、宛先MACアドレスはMAC−R1のままであり、送信元MACアドレスも第1端末61のMACアドレスであるMAC−T1のままである。
したがって、第2無線機5Bから送信された無線パケットを受信した第1無線機5Aは、第1端末61が送信したEthernetフレームと同じもの(Ethernetヘッダの内容が同じもの)を、ルータ4に送信することができる。
このように、第1端末61も、無線機5A,5Bの存在を意識しなくても、ルータ4へ情報を適切に送信することができる。
図21Dは、ルータ4が送信するARP(Address Resolution Protocol)要求及びルータ4が受信するARP応答を示している。ARPは、ネットワーク上の端末のMACアドレスを得るためのプロトコルである。
ルータ4が、端末61,62,63,64のMACアドレスを把握していない場合(ルータ4のARPテーブルに端末61,62,63,64のMACアドレスが登録されていない場合)には、ARP要求によって、端末61,62,63,64のMACアドレスを取得することができる。
ARP要求及びARP応答の各メッセージは、既述のEthernetフレームに対応する。
ルータ4が第2端末62(IPアドレス:IP−T2)のMACアドレス(MAC−T2)を把握していない場合、ルータ4は、宛先IPアドレスを第2端末62のIPアドレスであるIP−T2に設定したARP要求をブロードキャスト送信する。つまり、ARP要求の宛先MACアドレスとしては、ブロードキャストアドレスが設定される。なお、ARP要求において、送信元MACアドレス及び送信元IPアドレスとしては、ルータ4のMACアドレス(MAC−R1)及びIPアドレス(IP−R1)が設定される。
ARP要求に含まれる宛先MACアドレス及び送信元MACアドレスは、既述のEthernetヘッダに含まれる宛先MACアドレス及び送信元MACアドレスに対応する。
ルータ4がブロードキャスト送信したARP要求のEthernetフレームは、第1無線機5Aによって受信される。第1無線機5Aは、ARP要求の宛先MACアドレスにかかわらず、ARP要求を破棄することなく、ARP要求(Ethernetフレーム)をカプセル化し、無線パケットを生成する。
なお、第1無線機5Aは、Ethernetフレームを受信した場合、そのEthernetフレームの宛先(宛先MACアドレス)が自機5Aのみである場合を除き、Ethernetフレームをカプセル化した無線パケットを生成・送信する。
なお、図19Bのように、ルータ4と第1無線機5Aとが複数の回線で接続されている場合、ブロードキャスト送信されたARP要求は、複数の回線それぞれから第1無線機5Aに到達することになり、第1無線機5Aは、同一内容の複数のARP要求を受信することになる。この場合、第1無線機5Aは、複数の無線パケットを生成・送信することになり、不必要に通信トラフィックが増大する。
一方、図19Cのように、ルータ4と第1無線機5Aとが単一の回線で接続されている場合、通信トラフィックが不必要に増大することを防止できる。
図19Cの通信システムにおいては、ARP要求(宛先MACアドレスがブロードキャストアドレスであるEthernetフレーム)に基づいて生成された無線パケットに含まれる識別情報は、ブロードキャストアドレスとなる。
識別情報がブロードキャストアドレスである場合、無線パケットを受信した無線機は、常に、無線パケットに基づいて得られたEthernetフレーム(ARP要求)を、無線機に接続された端末へ送信する。
したがって、ARP要求に基づいて生成された無線パケットは、第2無線機5B及び第3無線機5Cの双方にて受信され、その無線パケットに基づいて得られたARP要求は、各無線機5B,5Cから各端末61,62,63,64へ送信される。
ARP要求を受信した端末61,62,63,64のうち、ARP要求の宛先IPアドレス(IP−T2;図21D参照)に一致する第2端末(IPアドレス=IP−T2)は、図21Dに示すARP応答を、送信する。
ARP応答は、宛先MACアドレスとして、ARP要求を送信したルータ4のMACアドレス(MAC−R1)が設定され、送信元MACアドレスとして第2端末62のMACアドレス(MAC−T2)が設定される。
第2端末62が送信したARP応答は、第2無線機5Bによってカプセル化され、無線パケットとなり無線送信される。無線パケットを受信した第1無線機5Bは、受信した無線パケットからARP応答を得て、ルータ4へ送信する。
ルータ4は、ARP応答に含まれる送信元MACアドレス(MAC−T2)を、ルータ4のARPテーブルに格納する。以上の処理により、ルータ4は、第2端末62のMACアドレスを把握することができる。
[3.経路切り替え]
図22A〜図25は、中央装置2とルータ4との間の回線(ネットワーク網3)に障害が発生した場合の経路切り替えを示している。
図22A〜図25において、中央装置2には、ルータA(第1ルータ)4Aと、ルータD(第4ルータ)4Dと、が接続されている。
ルータA(第1ルータ)4Aには、無線機A(第1無線機)5Aが接続されている。ルータD(第4ルータ)4Dには、無線機D(第4無線機)5Dが接続されている。ルータA(第1ルータ)4Aから送信された情報を受け取る端末として信号機F(信号制御機)6Fと、信号機B(信号制御機)6Bと、が設けられている。ルータD(第4ルータ)4Dから送信された情報を受け取る端末として、信号機C(信号制御機)6Cと、信号機E(信号制御機)6Eと、が設けられている。
無線機B(第2無線機)5Bと、信号機B(信号制御機)6Bと、の間には、ルータB(第2ルータ)4Bが設けられている。無線機C(第3無線機)5Cと、信号機C(信号制御機)6Cと、の間には、ルータC(第3ルータ)4Cが設けられている。
[3.1 上り情報をS9形インタフェースによって送信]
図22Aは、図6等に示すものと同様に、ルータと無線機との間の通信にS9形インタフェースが用いられる場合を示している。
ここで、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じたものとする。回線障害が生じると、ルータ4Aを介して中央装置2と通信を行う信号機6F及び信号機6Bは、少なくともルータ4A及びルータ4Dを介して、中央装置2との間で通信を行うように経路の切り替えがなされる。
以下、経路切り替えについて詳述する。
中央装置2とルータ4Aとの間の回線が正常である場合、信号機6F及び信号機6Bは、中央装置2へ送信する情報(上り情報)の宛先IPアドレスを、中央装置2のIPアドレスにセットして送信する。信号機6F及び信号機6Bからの上り情報(IPフレーム)を受信したルータ4Aは、宛先IPアドレスによってIPルーティングを行って、上り情報を中央装置2へ送信する。
一方、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じると、信号機6F及び信号機6Bは、中央装置2に送信した上り情報の受信応答を得られなくなる。すると、ルータ4Aは、中央装置2への定期疎通チェック(中央装置2との接続が維持できているかのチェック)により、中央装置2との間の回線障害を認識する。なお、ルータ4Aは、信号機6F又は信号機6Bから回線障害発生情報を取得してもよい。回線障害発生情報は、例えば、信号機6F及び信号機6Bが、中央装置2に送信した上り情報の受信応答を得られなくなった場合に、ルータ4Aへ送信される。
ルータ4Aは、中央装置2との間の回線障害を認識すると、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合のIPルーティング経路を、ルータ4Aから中央装置2へ向かう経路(正常時IPルーティング経路)から、ルータ4Aからルータ4B,ルータ4C及びルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう迂回経路(異常時IPルーティング経路)に切り替える。
図22Bに示すように、ルータ4A及びその他のルータは、その記憶部(図示省略)に、正常時におけるIPルーティング経路を示す正常時IPルーティング情報401と、異常時(障害発生時)におけるIPルーティング経路を示す異常時IPルーティング情報402と、を有している。いずれの情報401,402を用いるかは、ルータ4Aが有する切替部403によって選択される。切替部403は、ルータ4A自身が生成した回線障害発生情報又は他の装置から取得した回線障害発生情報に基づいて、回線障害発生を把握すると、IPルーティングに用いられる情報を、正常時IPルーティング情報401から、異常時IPルーティング情報402に切り替える。
また、切替部403は、ルータ4A自身が生成した復旧情報又は他の装置から取得した復旧情報に基づいて、回線復旧を把握すると、IPルーティングに用いられる情報を、異常時IPルーティング情報402から、正常時IPルーティング情報に戻す。
また、ルータ4Bも、中央装置2への定期疎通チェックにより、中央装置2との間の回線障害を認識する。回線障害の認識は、ルータ4A又は信号機6Bからの回線障害発生情報の通知を受け取ることによって行ってもよい。

ルータ4Bは、中央装置2との間の回線障害を認識すると、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合のIPルーティング経路を、ルータ4Bからルータ4Aを経由して中央装置2へ向かう経路(正常時IPルーティング経路)から、ルータ4Bからルータ4C及びルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう迂回経路(異常時IPルーティング経路)に切り替える。
なお、ルータ4Cには、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合の正常時IPルーティング経路として、ルータ4Cからルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう経路が設定されている。また、ルータ4Dには、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合の正常時IPルーティング経路として、ルータ4Dから中央装置2へ向かう経路が設定されている。
ルータ4A及びルータ4BのIPルーティング経路が、異常時IPルーティング経路に切り替えられると、例えば、信号機6Fが送信した上り情報は、無線機5F及び無線機5Aを介して、ルータ4Aに到達するが、ルータ4Aは、信号機6Fからの上り情報を、中央装置2ではなくルータ4BへIPルーティングする。つまり、ルータ4Aは、ルータ4Bに対してPPPリンクによって、信号機6Fからの上り情報を送信する。なお、信号機6F及びルータ4A間の通信、並びに、ルータ4A及びルータ4B間の通信は、それぞれ、図6に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
そして、信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Bは、ルータ4Cへルーティングする。ルータ4B及びルータ4C間の通信も、図6に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Cは、ルータ4Dへルーティングする。ルータ4C及びルータ4D間の通信も、図6に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Dは、宛先IPアドレスに従って、その上り情報を中央装置2へルーティングする。
以上の手順によって、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じても、ルータDを用いた迂回経路によって、信号機6Fからの上り情報を中央装置2へ送信できる。
同様に、信号機6Bからの上り情報も、ルータ4C、ルータ4Dへとルーティングされ、中央装置2へ送信される。
なお、ルータ4Aからルータ4Dへ送信すべき情報は、ルータ4B又はルータ4Cを経由しなくてもよい。つまり、ルータ4Aに接続された無線機5Aから送信した無線パケットが、無線機5B、無線機5C、無線機5Dの順で転送されるように各無線機の第3設定情報を設定しておけば、ルータ4B及びルータ4Cを経由することなく、無線パケットの転送で、ルータ4Dに接続された無線機5Dまで無線パケットを送信することができる。ルータ4B及びルータ4Cを経由しないルータ4A及びルータ4D間の通信は、図12に示すルータ4及び端末64間の通信と同様の手順によって行われる。
同様に、ルータ4Bからルータ4Dへ送信すべき情報も、ルータ4Cを経由しなくてもよい。
[3.2 上り情報をS11形インタフェース(Ethernet)によって送信]
図23は、図19等に示すものと同様に、ルータと無線機との間の通信にS11形インタフェース(Ethernet)が用いられる場合を示している。
図23においても、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じたものとする。回線障害が生じると、ルータ4Aを介して中央装置2と通信を行う信号機6F及び信号機6Bは、少なくともルータ4A及びルータ4Dを介して、中央装置2との間で通信を行うように経路の切り替えがなされる。
以下、図23における経路切り替えについて詳述する。
中央装置2とルータ4Aとの間の回線が正常である場合、信号機6F及び信号機6Bは、中央装置2へ送信する情報(上り情報)の宛先IPアドレスを、中央装置2のIPアドレスにセットして送信する。信号機6F及び信号機6Bからの上り情報(IPフレーム)を受信したルータ4Aは、宛先IPアドレスによってIPルーティングを行って、上り情報を中央装置2へ送信する。
中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じると、信号機6F及び信号機6Bは、中央装置2に送信した上り情報の受信応答を得られなくなる。すると、ルータ4Aは、中央装置2への定期疎通チェック(中央装置2との接続が維持できているかのチェック)により、中央装置2との間の回線障害を認識する。なお、ルータ4Aは、信号機6F又は信号機6Bから回線障害発生情報を取得してもよい。回線障害発生情報は、例えば、信号機6F及び信号機6Bが、中央装置2に送信した上り情報の受信応答を得られなくなった場合に、ルータ4Aへ送信される。
ルータ4Aは、中央装置2との間の回線障害を認識すると、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合のIPルーティング経路を、ルータ4Aから中央装置2へ向かう経路(正常時IPルーティング経路)から、ルータ4Aからルータ4B,ルータ4C及びルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう迂回経路(異常時IPルーティング経路)に切り替える。
また、ルータ4Bも、中央装置2への定期疎通チェックにより、中央装置2との間の回線障害を認識する。回線障害の認識は、ルータ4A又は信号機6Bからの回線障害発生情報の通知を受け取ることによって行ってもよい。
ルータ4Bは、中央装置2との間の回線障害を認識すると、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合のIPルーティング経路を、ルータ4Bからルータ4Aを経由して中央装置2へ向かう経路(正常時IPルーティング経路)から、ルータ4Bからルータ4C及びルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう迂回経路(異常時IPルーティング経路)に切り替える。
なお、ルータ4Cには、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合の正常時IPルーティング経路として、ルータ4Cからルータ4Dを経由して中央装置2へ向かう経路が設定されている。また、ルータ4Dには、中央装置2のIPアドレスが宛先IPアドレスとして設定されている場合の正常時IPルーティング経路として、ルータ4Dから中央装置2へ向かう経路が設定されている。
ルータ4A及びルータ4BのIPルーティング経路が、異常時IPルーティング経路に切り替えられると、例えば、信号機6Fが送信した上り情報は、無線機5F及び無線機5Aを介して、ルータ4Aに到達するが、ルータ4Aは、信号機6Fからの上り情報を、中央装置2ではなくルータ4BへIPルーティングする。つまり、ルータ4Aは、ルータ4Bに対してEthernetのリンクによって、信号機6Fからの上り情報を送信する。ルータ4F及びルータ4A間の通信、並びに、ルータ4A及びルータ4B間の通信は、それぞれ、図19に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
そして、信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Bは、ルータ4Cへルーティングする。ルータ4B及びルータ4C間の通信も、図19に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Cは、ルータ4Dへルーティングする。ルータ4C及びルータ4D間の通信も、図9に示すルータ4及び端末61間の通信と同様の手順によって行われる。
信号機6Fからの上り情報を受信したルータ4Dは、宛先IPアドレスに従って、その上り情報を中央装置2へルーティングする。
以上の手順によって、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じても、ルータ4Dを用いた迂回経路によって、信号機6Fからの上り情報を中央装置2へ送信できる。
同様に、信号機6Bからの上り情報も、ルータ4C、ルータ4Dへとルーティングされ、中央装置2へ送信される。
なお、ルータ4Aからルータ4Bへ送信すべき情報は、ルータ4B又はルータ4Cを経由しなくてもよい。つまり、ルータ4Aに接続された無線機5Aから送信した無線パケットが、無線機5B、無線機5C、無線機5Dの順で転送されるように各無線機の第3設定情報を設定しておけば、ルータ4及Bびルータ4Cを経由することなく、無線パケットの転送で、ルータ4Dに接続された無線機5Dまで無線パケットを送信することができる。
同様に、ルータ4Bからルータ4Dへ送信すべき情報も、ルータ4Cを経由しなくてもよい。
[3.3 無線機保守情報をS9形インタフェースによって送信]
図24は、図6等に示すものと同様に、ルータと無線機との間の通信にS9形インタフェースが用いられる場合を示している。図24では、無線機の情報(保守情報)を、中央装置2へ送信する場合について説明する。
正常時においては、例えば、無線機5A,5F,5Bの保守情報は、無線機5A(中央装置2まで有線回線だけで接続された無線機)に集約され、無線機5Aが、集約した保守情報を、無線機5Aに接続されたルータ4Aを介して、中央装置2へ送信する。なお、保守情報の集約は、他の無線機5B,5Fによって行われてもよい。
中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じると、無線機5Aは、その保守情報を含むPPPフレーム(PPPフレームとしての宛先はルータ4D,宛先IPアドレスは中央装置2)をカプセル化した無線パケットを生成し、その無線パケットを無線送信(ブロードキャスト送信)する。
また、無線機5Aは、無線機5Bに対して、経路(転送設定)切り替え指令を通知する。
無線機5Aから経路切り替え指令を受けた無線機5Bは、PPPフレームの送信元及び無線パケット送信元が無線機5Aである情報(無線機保守情報)を含む無線パケットを転送するように経路(転送設定;第3設定情報)を切り替える。なお、無線機5Bにおいて、PPPフレームの送信元ポートIDがPRA4である場合に、PPPフレームを、ルータ4Bの宛先ポートPRB1に与えるという設定(第2設定情報)は変更しない。
無線機5Cは、無線機5Bから転送された無線パケット(無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケット)を受信したことをトリガとして、無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケットを転送する。なお、正常時においては、無線機5Cは、無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケットを受信することはない。
また、無線機5Cにおいて、無線パケット送信元が無線機5Bである無線パケットは、転送しないように設定されている。
無線機5Dは、無線機5Cから転送された無線パケット(無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケット)を受信したことをトリガとして、その無線パケットに含まれる情報(無線機5A,5B,5Fの保守情報;IPフレーム)を、中央装置2宛てに送信する。
以上の手順によって、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じても、無線機保守情報を、中央装置2へ送信できる。
[3.4 無線機保守情報をS11形インタフェースによって送信]
図25は、図19等に示すものと同様に、ルータと無線機との間の通信にS11形インタフェースが用いられる場合を示している。図25では、無線機の情報(保守情報)を、中央装置2へ送信する場合について説明する。
正常時においては、例えば、無線機5A,5F,5Bの保守情報は、無線機5A(中央装置2まで有線回線だけで接続された無線機)に集約され、無線機5Aが、集約した保守情報を、無線機5Aに接続されたルータ4Aを介して、中央装置2へ送信する。なお、保守情報の集約は、他の無線機5B,5Fによって行われてもよい。
中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じると、無線機5Aは、その保守情報を含むEthernetフレーム(Ethernetフレームの宛先MACアドレスはルータ4D,宛先IPアドレスは中央装置2)をカプセル化した無線パケットを生成し、その無線パケットを無線送信(ブロードキャスト送信)する。
また、無線機5Aは、無線機5Bに対して、経路(転送設定)切り替え指令を通知する。
無線機5Aから経路切り替え指令を受けた無線機5Bは、Ethernetフレームの送信元及び無線パケット送信元が無線機5Aである情報(無線機保守情報)を含む無線パケットを転送するように経路(転送設定;第3設定情報)を切り替える。なお、無線機5Bにおいて、Ethernetフレームの送信元MACアドレスがMRA4である場合に、Ethernetフレームを、宛先であるルータ4BのMACアドレスMRB1に与えるという設定(第2設定情報)は変更しない。
無線機5Cは、無線機5Bから転送された無線パケット(無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケット)を受信したことをトリガとして、無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケットを転送する。なお、正常時においては、無線機5Cは、無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケットを受信することはない。
また、無線機5Cにおいて、無線パケット送信元が無線機5Bである無線パケットは、転送しないように設定されている。
無線機5Dは、無線機5Cから転送された無線パケット(無線パケット送信元が無線機5Aである無線パケット)を受信したことをトリガとして、その無線パケットに含まれる情報(無線機5A,5B,5Fの保守情報;IPフレーム)を、中央装置2宛てに送信する。
以上の手順によって、中央装置2とルータ4Aとの間の回線に障害が生じても、無線機保守情報を、中央装置2へ送信できる。
[4.付記]
[4.1 付記1]
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、前述の実施形態では、IRCヘッダを、PPPヘッダ又はEthernetヘッダと無線通信制御情報との間に設けたが、IRCヘッダに格納されるべき情報を無線通信制御情報(例えば、ELヘッダ又はL7ヘッダの予約領域)に設けてもよい。つまり、識別情報等は、PPPヘッダ又はEthernetヘッダよりも手前(無線パケットの先頭側;時間的に先)に設けられていればよい。
IRCヘッダに格納されるべき情報を無線通信制御情報に含める場合、識別情報付加処理、受信判定処理、及び転送判定処理は、無線送信のためのプロトコルのレイヤ(拡張層又はレイヤ7など)で行われる。つまり、識別情報付加処理、受信判定処理、及び転送判定処理は、PPP層又はEthernet層とは異なるレイヤ(PPP層又はEthernet層よりも下位のレイヤ)で行われればよい。
また、IRCヘッダがセキュアなデータになっている場合、IRCヘッダに格納された情報を用いた処理を行うには、受信したIRCヘッダをセキュリティ管理にてアンセキュアにする処理(復号処理など)が必要となる。しかし、IRCヘッダに格納されるべき情報を無線通信制御情報に含める場合、無線通信制御情報は、セキュリティ処理の対象にしないようにできるため、IRCヘッダをアンセキュアにする処理を行う必要がない。
また、無線パケット(無線送信データ)に含めて送信される識別情報は、送信元ポートID(送信元ID;送信元MACアドレス)、宛先ポートID(宛先ID;宛先MACアドレス)、及びPPPリンクID(リンクID)等に限られるものではない。例えば、送信される識別情報は、例えば、受信側の無線機5がPPPフレームを出力する送信ポートIDを含んでいてもよい。この場合、無線パケットを送信する無線機5が参照する第1設定情報には、受信ポートIDに対応づけられた送信ポートIDが設けられていればよい。無線パケットに送信ポートIDが含まれている場合、無線パケットを受信した無線機5は、第2設定情報を参照しなくても、受信した無線パケットに含まれる送信ポートIDを参照することで、PPPフレームを出力すべき送信ポートを把握することができる。
なお、送信ポートIDは、識別情報である他の情報(送信元ポートID(送信元ID)、宛先ポートID(宛先ID)、及びPPPリンクIDなど)の少なくともいずれか一つと共に送信されてよいし、識別情報としては送信ポートIDだけが存在していてもよい。
送信される識別情報として送信ポートIDが存在する場合において、受信側の無線機が、受信した送信ポートIDに基づいて、送信元ポートID又は宛先ポートIDを認識したい場合には、受信側の無線機の第2設定情報には、送信ポートIDに対応づけられた送信元ポートID又は宛先ポートIDが設けられていればよい。
さらに、識別情報としては、識別情報を送信する無線機がルータまたは端末等からPPPフレームを受信した受信ポートIDであってもよい。この場合、受信側の無線機には、受信ポートIDと送信ポートIDを対応付けた第2設定情報が設けられていればよい。
さらに、ルータ(第1装置)と端末(第2装置)との間の通信プロトコルは、PPPに限定されるものではない。
実施形態においてルータ4は、無線機とは別体のものとして設けられているが、無線機がルータとしての機能を有していてもよい。また、無線機が端末としての機能を有していてもよい。
[4.2 付記2]
通信システムは、以下の構成を有するものとして捉えることができる。
つまり、通信システムは、
通信フレームを送信する第1装置と、
前記通信フレームを受信する第2装置と、
無線通信を行う複数の無線機と、
を備え、
前記通信フレームは、前記第2装置のMACアドレスを宛先MACアドレスとして含み、
前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
前記第1無線機は、前記第2装置のMACアドレスを宛先MACアドレスとして含む前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、
前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、
前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である。
また、無線通信を行う複数の無線機を備えた通信システムであって、
前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
前記第1無線機は、通信フレームを送信する第1装置から前記通信フレームを受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、
前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、通信フレームを処理する第2装置へ送信可能に構成され、
前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である。
1:通信システム
2:中央装置,3:広域ネットワーク,4,4A,4B,4C,4D,4F:ルータ(第1装置),5,5A,5B,5C,5D,5E:無線機,6,61,62,63,64,6B,6C,6E,6F:端末,8:通信線
51:無線通信部,52:処理部,53:記憶部,54:第1有線通信部,55:第2有線通信部
71:送信IDポート(識別情報),72:転送回数情報(転送許可情報),73:宛先ポートID(識別情報),74:PPPリンクID(識別情報),75:送信元MACアドレス(識別情報),宛先MACアドレス(識別情報),無線パケット宛先ID(識別情報)
L1:第1PPPリンク,L2:第2PPPリンク,L3:第3PPPリンク,第4PPPリンク
R1,PR2,PR3,PR4:ルータのポート
,P,P,P:無線機のポート
1A,P2A,P3A,P4A:第1無線機5Aのポート(第1ポート)
1B,P2B:第2無線機5Bのポート(第2ポート)
1C:第3無線機5Cのポート(第2ポート)
1D:第4無線機5Dのポート(第2ポート)
1E:第5無線機5Eのポート(第2ポート)
PT1,PT2,PT3,PT4:端末のポート

Claims (18)

  1. 2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、
    前記通信フレームを受信する第2装置と、
    無線通信を行う複数の無線機と、
    を備え、
    前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、
    前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
    前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、
    前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、
    前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
    前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である
    通信システム。
  2. 前記第1無線機は、前記通信フレームを受信する複数の第1ポートを備え、複数の前記第1ポートのうち、どの第1ポートにて前記通信フレームを受信したかによって前記識別情報を決定する
    請求項1記載の通信システム。
  3. 前記第1無線機は、前記第1ポートと前記識別情報とを対応付けた情報を含む第1設定情報を記憶する記憶部を備え、
    前記第1無線機は、前記通信フレームを受信した前記第1ポートを示す情報に基づいて、前記第1設定情報を参照することで、前記識別情報を得る
    請求項2記載の通信システム。
  4. 前記第2無線機は、前記識別情報と前記第2装置を示す情報とを対応付けた情報を含む第2設定情報を記憶する記憶部を備え、
    前記受信判定処理は、受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報に基づいて、前記第2設定情報を参照する処理を含む
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
  5. 前記第2無線機は、前記通信フレームを送信する複数の第2ポートを備えており、
    前記第2装置を示す情報は、複数の前記第2ポートのうち、前記第2装置に接続された前記第2ポートを示す情報である
    請求項4記載の通信システム。
  6. 前記第2無線機は、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信しないと判定した場合、得られた通信フレームを破棄するよう構成されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信システム。
  7. 前記複数の無線機は、受信した無線送信データをブロードキャスト無線送信によって転送する第3無線機を更に含み、
    前記第3無線機は、受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データを転送するか否かを判定する転送判定処理を行うよう構成されている
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信システム。
  8. 前記第3無線機は、第3設定情報を記憶する記憶部を備え、
    前記第3設定情報は、転送すべき無線送信データに含まれる前記識別情報を転送判定情報として備えている
    請求項7記載の通信システム。
  9. 転送判定処理は、転送した無線送信データの跳ね返りによって前記第3無線機が同じ無線送信データの転送を繰り返すことを抑制する転送抑制処理を含み、
    前記第3設定情報は、前記転送抑制処理に用いられる転送許可情報を更に備えている
    請求項8記載の通信システム。
  10. 前記転送許可情報は、転送すべき無線送信データの送信元を示す情報を含み、
    前記転送抑制処理では、受信した無線送信データの無線送信元が、前記転送許可情報が示す送信元と一致した場合に、受信した無線送信データの転送を許容する
    請求項9記載の通信システム。
  11. 前記無線送信データは、転送された回数を識別可能な転送回数情報を含み、
    前記転送許可情報は、転送すべき無線送信データの転送回数を識別可能な情報を含み、
    前記転送抑制処理では、受信した無線送信データに含まれる前記転送回数情報が、前記転送許可情報に含まれる前記情報と一致した場合に、受信した無線送信データの転送を許容する
    請求項9記載の通信システム。
  12. 前記識別情報は、受信した前記通信フレームの宛先を示す宛先情報、受信した前記通信フレームの送信元を示す送信元情報、及び通信フレームが送信されるリンクを示すリンク情報の少なくとも一つを含む
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の通信システム。
  13. 通信フレームを送信する装置に接続される無線機であって、
    前記通信フレームは、2点間通信のためのプロトコルに準拠し、
    前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、
    前記通信フレームを前記装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて生成された無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、
    ブロードキャスト無線送信される前記無線送信データは、識別情報を含み、
    前記識別情報は、前記無線送信データを受信した他の無線機が、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームの取り扱いを判定する受信判定処理において用いられる情報である
    無線機。
  14. 無線機であって、
    請求項13記載の無線機が送信した前記無線送信データ又は他の無線機が転送した前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データをブロードキャスト無線送信によって転送するよう構成されているとともに、
    受信した前記無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データを転送するか否かを判定するよう構成されている
    無線機。
  15. 通信フレームを受信する装置に接続される無線機であって、
    請求項13記載の無線機が送信した前記無線送信データ又は請求項14記載の無線機が転送した前記無線送信データを受信するよう構成されているとともに、
    受信した無線送信データに含まれる前記識別情報を用いて、受信した無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記装置に送信するか否かを判定するよう構成されている
    無線機。
  16. 通信システムにおける伝送方法であって、
    前記通信システムは、
    2点間通信のためのプロトコルの通信フレームを送信する第1装置と、
    前記通信フレームを受信する第2装置と、
    無線通信を行う複数の無線機と、
    を備え、
    前記プロトコルは、前記通信フレームの宛先情報を前記通信フレーム中に含まないことがあり得るプロトコルであり、
    前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
    前記伝送方法は、
    前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、
    前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、
    前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信する
    ことを含み、
    前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
    前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である
    伝送方法。
  17. 通信フレームを送信する第1装置と、
    前記通信フレームを受信する第2装置と、
    無線通信を行う複数の無線機と、
    を備え、
    前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
    前記第1無線機は、前記通信フレームを前記第1装置から受信し、受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信するよう構成され、
    前記第2無線機は、ブロードキャスト無線送信された前記無線送信データを受信し、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを、前記第2装置へ送信可能に構成され、
    前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
    前記識別情報は、前記第2無線機が受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理において用いられる情報である
    通信システム。
  18. 通信システムにおける伝送方法であって、
    前記通信システムは、
    通信フレームを送信する第1装置と、
    前記通信フレームを受信する第2装置と、
    無線通信を行う複数の無線機と、
    を備え、
    前記複数の無線機は、少なくとも、前記第1装置に接続された第1無線機と、前記第2装置に接続された第2無線機と、を含み、
    前記伝送方法は、
    前記第1装置が、前記通信フレームを前記第1無線機へ送信し、
    前記第1無線機が、前記第1無線機から受信した前記通信フレームに基づいて得られる無線送信データをブロードキャスト無線送信し、
    前記第2無線機が、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信するか否かを判定する受信判定処理を行い、前記受信判定処理によって送信すべきと判定すると、受信した前記無線送信データに基づいて得られる通信フレームを前記第2装置に送信する
    ことを含み、
    前記第1無線機がブロードキャスト無線送信する前記無線送信データは、識別情報を含み、
    前記識別情報は、前記受信判定処理において用いられる情報である
    伝送方法。
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