〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。以下では、まず全体構成について簡単に説明し、その後、特徴的構成や製造方法などについて順番に説明する。
(全体構成)
図1は、本実施の形態の発光装置100の一構成例を示す上面図であり、セラミック基板101の主表面に実装されたLEDチップ105などが樹脂モールドされる前の様子を示す。図2は、本実施の形態の発光装置100の一構成例を示す上面図であり、セラミック基板101の主表面に実装されたLEDチップ105などが樹脂モールドされ、完成パッケージとなった様子を示す。但し、樹脂モールド(後述の蛍光体含有樹脂層109)内には蛍光体が含有されており、着色されて光を吸収するので、光を透過し難く、LEDチップ105の実装面は見えない。また、後述するダム樹脂108(樹脂枠体)も光透過率が低いので、ダム樹脂108の下面は上から見えない。図2では、LEDチップ105の実装面を説明するために、これら不透明な部材を透視して記載した図面となっている。これは後述の他の実施例の図面(図5〜図10)でも同様である。図3は、図2の発光装置100のX−X’線断面図である。
なお、以下では、図1,2の上下方向および左右方向を、主表面の上下方向(第1方向)および左右方向(第2方向)とする。また、図3の上側および下側を、発光装置100の上側および下側とする。さらに、セラミック基板101の主表面に垂直な方向から見たとき、すなわち図1,2に示す面視を、上面視(平面視)と呼ぶ。
図1〜図3に示すように、本実施の形態の発光装置100は、セラミック基板101(基板)、LEDチップ105(発光素子)、ワイヤ106(金属ワイヤ)、印刷抵抗107(保護素子)、ダム樹脂108(樹脂枠体)、および蛍光体含有樹脂層109を備えている。
セラミック基板101は、セラミックからなる基板である。セラミック基板101は、上面視で矩形の外形形状を有している。セラミック基板101の主表面には、LEDチップ105、ワイヤ106、印刷抵抗107、ダム樹脂108、および蛍光体含有樹脂層109が設けられている。また、セラミック基板101の主表面には、電極配線パターン102、アノード用電極ランド103、およびカソード用電極ランド104が形成されている。
LEDチップ105は、発光ピーク波長が450nmの青色LEDであるが、これに限るものではない。LEDチップ105としては、例えば、発光ピーク波長が390nm〜420nmの紫外(近紫外)LEDチップを用いてもよく、これにより、さらなる発光効率の向上を図ることができる。複数(本実施例では44個)のLEDチップ105が、セラミック基板101の主表面にシリコーン樹脂接着剤により固定されている。LEDチップ105は、上面視で長方形の外形形状を有している。LEDチップ105の上面には、アノード電極およびカソード電極(以下、総称する場合はチップ電極と呼ぶ)が長手方向に沿って対向するように設けられている。LEDチップ105の電気的接続は、ワイヤ106を用いたワイヤボンディングによって行われている。ワイヤ106は、例えば金からなる。
印刷抵抗107は、印刷されたペースト状の抵抗成分が焼成によって定着されてなる、LEDチップ105の厚みよりも薄い薄膜の抵抗素子である。印刷抵抗107は、酸化ルテニウムRuO2からなる。印刷抵抗107は、LEDチップ105に並列に接続されるように、セラミック基板101の主表面に部分的に(本実施例では3箇所:印刷抵抗107a〜107c)に形成されている。
ダム樹脂108は、白色のシリコーン樹脂(透光性のシリコーン樹脂を母材とし、光拡散フィラーとして酸化チタンTiO2含有させたもの)からなる、光透過率が低い、または、光反射性を有する樹脂枠体である。ダム樹脂108は、LEDチップ105の実装領域を囲むように、環状に設けられている。ダム樹脂108は、上面視で4つの角部が丸みを帯びた長方形の形状を有している。なお、ダム樹脂108の材料は、上記材料に限定されるものではなく、アクリル、ウレタン、エポキシ、ポリエステル、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、またはポリカーボネート(PC)樹脂などでもよい。また、ダム樹脂108の色も白色に限らず、例えば乳白色でもよい。樹脂を白色または乳白色に着色することで、その樹脂の光透過率を低く設定すること、または、その樹脂が光反射性を有することが可能となる。
蛍光体含有樹脂層109は、液状のシリコーン樹脂に粒子状蛍光体を分散させたものが硬化されてなる封止樹脂層である。本実施例では、粒子状蛍光体として、赤色蛍光体SrCaAlSiN3:Eu、および、緑色蛍光体Ca3(Sc,Mg)2Si3O12:Ceを用いる。蛍光体含有樹脂層109は、LEDチップ105およびワイヤ106を覆うように、ダム樹脂108の内側に隣接して設けられている。蛍光体含有樹脂層109は、ダム樹脂108の形状に従って、上面視で4つの角部が丸みを帯びた長方形の形状を有している。セラミック基板101の主表面の上下方向が、蛍光体含有樹脂層109の短手方向となり、上記主表面の左右方向が、蛍光体含有樹脂層109の長手方向となっている。
なお、粒子状蛍光体はこれに限らず、例えば、BOSE(Ba、O、Sr、Si、Eu)などを好適に用いることができる。また、BOSEの他、SOSE(Sr、Ba、Si、O、Eu)や、YAG(Ce賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、CaAlSiN3:Eu、αサイアロン((Ca)、Si、Al、O、N、Eu)、βサイアロン(Si、Al、O、N、Eu)などを好適に用いることもできる。LEDチップ105の発光色との組合せにより、発光装置100から所定の色(色度)の発光を得るような蛍光体を用いる。
(電気回路の構成)
図4(a)に、発光装置100におけるLEDチップ105および印刷抵抗107の等価回路図を示す。
図4(a)に示すように、発光装置100では、44個のLEDチップ105は、11個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が、4個並列に接続された回路構成を有している。そして、直列回路部内のチップ配線は、A:3個直列部分、B:5個直列部分、C:3個直列部分、の3つのグループに分けられている。すなわち、3個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が、4個並列に接続された回路構成を有するグループAと、5個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が、4個並列に接続された回路構成を有するグループCと、3個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が、4個並列に接続された回路構成を有するグループCと、が直列に接続されているとも言える。
印刷抵抗107は、分けられたグループ毎に設けられている。グループAの直列回路部に、印刷抵抗107aが並列に接続されている。グループBの直列回路部に、印刷抵抗107bが並列に接続されている。グループCの直列回路部に、印刷抵抗107cが並列に接続されている。
グループA〜Cの直列回路部に並列接続された3つの印刷抵抗107a〜107cは、各LEDチップ105に均等に電圧が印加されるように、それぞれの抵抗値の比が、LEDチップ105の数の比に等しくなるように設定されている。
ここでは、印刷抵抗107a・107cの抵抗値をRとし、印刷抵抗107bの抵抗値をR’とすると、
R:R’=3:5
となるように、各抵抗値R,R’は調整されている。なお、各抵抗値R,R’は、各LEDチップ105発光時の無効電流が極力小さくなるようにするために、1MΩ〜10GΩの抵抗値とする。
また、LEDチップ105に対するサージ破壊の防止などの効果を奏するためには、印刷抵抗107の抵抗値は、LEDチップ105の逆バイアス方向のインピーダンスの抵抗成分よりも小さいことが好ましく、10GΩ以下であることが望ましい。さらに、発光装置として完成した後に微小領域の順方向電圧の測定を行う不良選別の検査工程で真の不良品との見分けがつく程度まで、印刷抵抗107に流れるリーク電流を抑える場合は、1MΩ以上にすることが望ましい。それゆえ、印刷抵抗107a〜107cの各抵抗値R,R’は、1MΩ〜10GΩであることが好ましい。
このように、LEDチップ105をグループに分けて配置し、グループ毎に印刷抵抗107を設けることによって、11個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部に1つの印刷抵抗107を並列に接続するよりも、直列回路部が断線した時の光出力の低下を最低限にする効果がある。
この効果について、比較例として図4(b)を用いて説明する。図4(b)は、11個のLEDチップ105を直列に接続し、それを4個並列に接続し、さらに並列に1個の印刷抵抗107を接続したときの等価回路図である。図4(b)に示すように、11個のLEDチップ105をグループ分けせずに直列に接続した場合、LEDチップ105が1個でもオープン不良になると、11個全部に電流が流れなくなり、11個全部が発光しなくなる。
これに対し、図4(a)に示すように、11個のLEDチップ105を3個、5個、3個直列として分けて(グループ分け)接続すると、3個直列において1個オープン不良になった場合でも、3個は電流が流れなくなるが、別のグループの8個は発光する。また、5個直列において1個オープン不良になった場合でも、5個は電流が流れなくなるが、別のグループの6個は発光する。それゆえ、図4(a)に示す構成は、図4(b)の場合のように11個全部が発光しないということがない、という顕著な効果を奏する。
また、印刷抵抗107a〜107cがLEDチップ105に並列に接続されていることによって、LEDチップ105の劣化を防止することが可能となり、長寿命化を図って信頼性を確保することが可能となる。したがって、信頼性に優れた発光装置100を提供することが可能となる。
(セラミック基板101の構成)
次に、セラミック基板101の主表面の構成について具体的に説明する。上述のように、セラミック基板101の主表面には、電極配線パターン102、アノード用電極ランド103、およびカソード用電極ランド104が形成されている。
電極配線パターン102は、アノード用電極ランド103とカソード用電極ランド104との間において、LEDチップ105とアノード用電極ランド103とカソード用電極ランド104とを直接あるいは中継して電気的に接続するための配線パターンである。電極配線パターン102は、金(Au)からなり、回路構成に応じて配置(形成)されている。本実施例では、電極配線パターン102は、接続用配線102a・102d・102g・102j、アノード用電極102b・102e・102h(第1発光素子接続用電極)、並びに、カソード用電極102c・102f・102i(第2発光素子接続用電極)からなる。
アノード用電極102bおよびカソード用電極102cは、図4(a)に示したグループAのLEDチップ105の接続に対応して設けられた電極である。アノード用電極102bおよびカソード用電極102cは、各LEDチップ105と、ワイヤ106により電気的に接続される。アノード用電極102bとカソード用電極102cとは、グループAのLEDチップ105群を挟み、かつ、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って対向するように配置されている。アノード用電極102bと、カソード用電極102cと、グループAのLEDチップ105とは、1つのグループL1を構成している。
アノード用電極102eおよびカソード用電極102fは、図4(a)に示したグループBのLEDチップ105の接続に対応して設けられた電極である。アノード用電極102eおよびカソード用電極102fは、各LEDチップ105と、ワイヤ106により電気的に接続される。アノード用電極102eとカソード用電極102fとは、グループBのLEDチップ105群を挟み、かつ、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って対向するように配置されている。アノード用電極102eと、カソード用電極102fと、グループBのLEDチップ105とは、1つのグループL2を構成している。
アノード用電極102hおよびカソード用電極102iは、図4(a)に示したグループCのLEDチップ105の接続に対応して設けられた電極である。アノード用電極102hおよびカソード用電極102iは、各LEDチップ105と、ワイヤ106により電気的に接続される。アノード用電極102hとカソード用電極102iとは、グループCのLEDチップ105群を挟み、かつ、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って対応するように配置されている。アノード用電極102hと、カソード用電極102iと、グループCのLEDチップ105とは、1つのグループL3を構成している。
グループL1〜L3は、蛍光体含有樹脂層109の長手方向に沿って並べられている。アノード用電極102b・102e・102hは、LEDチップ105の搭載領域よりも図1中上側に並べられている。カソード用電極102c・102f・102iは、LEDチップ105の搭載領域よりも図1中下側に並べられている。
接続用配線102a・102d・102g・102jは、アノード用電極ランド103とカソード用電極ランド104との間において、グループL1〜L3を直列に接続するための中継用配線である。接続用配線102aは、アノード用電極ランド103−アノード用電極102b間を電気的に接続する。接続用配線102dは、カソード用電極102c−アノード用電極102e間を電気的に接続する。接続用配線102gは、カソード用電極102f−アノード用電極102h間を電気的に接続する。接続用配線102jは、カソード用電極102i−カソード用電極ランド104間を電気的に接続する。接続用配線102a・102d・102g・102jは、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って、かつ、グループL1〜L3の搭載領域のそれぞれの周辺に配置されている。
アノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104は、発光装置100の外部電源と接続可能な電極である。アノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104は、銀(Ag)−白金(Pt)からなる。アノード用電極ランド103は、セラミック基板101の主表面の隅付近(図1中右上)に配置されている。カソード用電極ランド104は、セラミック基板101の主表面の、アノード用電極ランド103に対向する隅付近(図1中左下)に配置されている。すなわち、アノード用電極ランド103とカソード用電極ランド104とは、セラミック基板101の主表面の対角線上に、対向するように配置されている。
なお、接続用配線102a・102jは、アノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104に接続するように延設されるため、一部がダム樹脂108や蛍光体含有樹脂層109に覆われない。このため、接続用配線102a・102jにおける、ダム樹脂108や蛍光体含有樹脂層109に覆われずに露出する部分には、絶縁保護膜110を形成することが望ましい。
以上のように、セラミック基板101の主表面では、アノード用電極102b・102e・102hと、カソード用電極102c・102f・102iとは、対応するLEDチップ105の実装領域を挟むように配置される。また、グループL1〜L3(グループA〜C)のLEDチップ105の実装領域では、後述するように各LEDチップ105間がワイヤボンディングで直接接続することにより電気的に接続されることによって、従来用いられていた電極配線パターンが不要となる。接続用配線102a・102d・102g・102jは、グループL1〜L3(グループA〜C)のLEDチップ105群の周辺にそれぞれ配置されており、LEDチップ105群の配置内を横切らない。
よって、各LEDチップ105間の距離を縮めて、LEDチップ105の実装密度を増加することが可能となる。したがって、各LEDチップ105の発光が輝点状に見えることを軽減し、発光装置100としての面内での輝度ムラを改善すること可能となる。また、小型化することが可能となる。
また、アノード用電極102eおよびカソード用電極102fは、その一部が、ダム樹脂108の下部に配置されている。よって、アノード用電極102eおよびカソード用電極102fによる光の吸収を抑制することが可能となる。このように、電極配線パターン102を、できる限り樹脂枠体の下部に配置することによって、これらによる光の吸収を抑制することが可能となる。また、接続用配線を極力少なくしている。したがって、発光効率を向上することが可能となる。
なお、接続用配線(特に接続用配線102d・102g)は、アノード用電極102b・102e・102h、並びに、カソード用電極102c・102f・102iに比べて幅を細くし、面積を小さくすることが好ましい。これにより、蛍光体含有樹脂層109とセラミック基板101との界面、および、蛍光体含有樹脂層109と接続用配線との界面での、発光時や非発光時の熱サイクルなどの熱的な負荷による接着特性差や熱膨張係数差による、蛍光体含有樹脂層109の剥がれを低減できる。また、この構成によって、搭載面を横断して配置される接続用配線による光ロスや、発光装置としての面内輝度ムラを低減できる。
また、アノード用電極102b・102e・102hと、カソード用電極102c・102f・102iとを、それぞれ同じ側に配置させていることによって、LEDチップ105を搭載したときのチップ電極の極性方向を同じにすることが可能となる。これにより、チップ電極の極性方向を変更せずに、すなわちLEDチップ105の向きを変えずにダイボンドすることが可能となり、LEDチップ105のダイボンド装置/工程を簡略化することが可能となる。
さらに、アノード用電極102b・102hは、アノード用電極102eよりも内側に位置しており、カソード用電極102c・102iは、カソード用電極102fよりも内側に位置している。このように、アノード用電極102b−カソード用電極102c間の間隔、および、アノード用電極102h−カソード用電極102iの間隔を、アノード用電極102e−カソード用電極102f間の間隔よりも狭くすることによって、アノード用電極102b・102h、並びに、カソード用電極102c・102iのワイヤボンドエリアの尤度が拡大し、ワイヤボンド作業性を向上することが可能となる。但し、電極配線パターン102による光吸収の低減を優先する場合は、この限りではない。
(LEDチップ105の配置)
次に、LEDチップ105の配置について具体的に説明する。44個のLEDチップ105は、上述した回路構成や搭載領域を考慮して、3つのグループL1〜L3に分けられている。
グループL1では、アノード用電極102bとカソード用電極102cとの間において、直列回路部が、蛍光体含有樹脂層109の長手方向に沿って4個並列状に配置され、電気的に並列接続するように並べられている。直列回路部における各LEDチップ105は、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って3個直列状に配置され、電気的に直列接続されて並べられている。
グループL2では、アノード用電極102eとカソード用電極102fとの間において、直列回路部が、蛍光体含有樹脂層109の長手方向に沿って4個並列状に配置され、電気的に並列接続するように並べられている。直列回路部における各LEDチップ105は、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って5個直列状に配置され、電気的に直列接続されて並べられている。
グループL3では、アノード用電極102hとカソード用電極102iとの間において、直列回路部が、蛍光体含有樹脂層109の長手方向に沿って4個並列状に配置され、電気的に並列接続するように並べられている。直列回路部における各LEDチップ105は、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿って3個直列状に配置され、電気的に直列接続されて並べられている。
3つのグループL1〜L3は、全体としての実装領域が小さくなるように、蛍光体含有樹脂層109の角部付近でLEDチップ105の数が少なくなるように配置されている。つまりは、グループL2は、セラミック基板101の主表面の中央付近に配置され、その両隣に蛍光体含有樹脂層109の長手方向に沿って、グループL1・L3がそれぞれ配置されている。グループL1・L3は、グループL2よりもLEDチップ105の数が少ないので、蛍光体含有樹脂層109の形状に合うように、かつ、ワイヤボンドエリアを有する電極配線パターンエリアを確保できるように、尤度を持たせて配置される。
このように、複数のLEDチップ105を3つのグループL1〜L3に分けて配置することで、LEDチップ105の実装領域をなるべく小さな矩形内に収めることが可能となる。またこれにより、アノード用電極ランド103、およびカソード用電極ランド104を含めて、セラミック基板101上のレイアウト配置を小さくすることが可能となり、より小型の発光装置100を実現することが可能となる。
また、各グループL1〜L3においては、直列回路部における隣り合うLEDチップ105間は、ワイヤボンディングによって、一方のLEDチップ105のカソード電極と他方のLEDチップ105のアノード電極とがワイヤ106で直接接続されている。よって、グループL1〜L3の各内部では、各LEDチップ105間を中継する電極配線パターン102は設けられていないので、各LEDチップ105間の距離を縮めて、LEDチップ105の実装密度を増加することが可能となる。
さらに、全てのLEDチップ105は、同じ向きであって、かつ、カソード電極およびアノード電極の対向方向が蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿うような向きで配置されている。すなわち、全てのLEDチップ105は、チップ電極の向きが揃っており、上面の長手方向が、蛍光体含有樹脂層109の短手方向に沿うように配置されている。本実施例では、アノード電極が図1中上側に位置している。これにより、チップ電極の極性方向を変更せずに、すなわちLEDチップ105の向きを変えずにダイボンドすることが可能となる。
(印刷抵抗107の配置)
次に、印刷抵抗107の配置について具体的に説明する。印刷抵抗107は、分けられたグループ毎(L1,L2,L3)に、印刷抵抗107a〜107cが配置されている。
印刷抵抗107aは、接続用配線102aとアノード用電極102eとに電気的に接続されるように形成されている。印刷抵抗107aは、アノード用電極102eと一直線状になるように配置されている。印刷抵抗107bは、カソード用電極102cとカソード用電極102fとに電気的に接続されるように形成されている。印刷抵抗107bは、接続用配線102dと一直線状になるように配置されている。印刷抵抗107cは、カソード用電極102fと接続用配線102jとに電気的に接続されるように形成されている。印刷抵抗107cは、カソード用電極102fと一直線状になるように配置されている。
また、印刷抵抗107a〜107cは、LEDチップ105の実装領域の周辺に配置されている。さらに、印刷抵抗107a・107cの大部分、並びに、印刷抵抗107bの一部分は、光透過率が低いダム樹脂108の下部に配置されている。
このように、印刷抵抗107a〜107cを、できる限りダム樹脂108の下部に配置しダム樹脂108で覆い隠すことによって、印刷抵抗107a〜107cによる光吸収を最小限に抑制することが可能となる。それゆえ、発光装置100の光出力の低下を防ぐことが可能となる。
(ダム樹脂108の構成)
次に、ダム樹脂108の構成について具体的に説明する。
図3に示すように、ダム樹脂108の断面形状は、上に凸のドーム形状(上辺<下辺)となっている。この断面形状により、LEDチップ105からの横方向、特にダム樹脂108の方向へ放射される光が、ダム樹脂108に反射される。よって、光を基板前面方向へ取り出し易くする効果がある。
なお、ダム樹脂108の断面形状は、これに限らない。また、蛍光体含有樹脂層109の形成領域を最小限にするために、ダム樹脂108は、電極配線パターン102の一部、および、ワイヤ106の一部も覆うように形成されることが望ましい。
(蛍光体含有樹脂層109の構成)
次に、蛍光体含有樹脂層109の構成について具体的に説明する。
図3に示すように、蛍光体含有樹脂層109の断面形状は、上に凸のドーム形状(上辺<下辺)となっている。つまりは、蛍光体含有樹脂層109は、外観から見ると、楕円球の一部を切り出した形状に形成されている。発光装置100では、蛍光体含有樹脂層109のドーム状をなす表面(球面)が、発光装置100の光出射面となっている。よって、上記形状の光出射面とすることにより、LEDチップ105からの光と蛍光体からの光とを効率良く取り出すことが可能となり、結果として、発光効率を向上させる効果を得ることが可能となる。
また、蛍光体含有樹脂層109の表面は、上述したドーム形状に限らず、蛍光体含有樹脂層の粘度の調整によって凸状の度合いが調整でき、平坦に近く、中央付近が少し凹んだ形状や、滑らかな曲面で少し凸状の形状にしてもよい。
(製造方法)
次に、上記構成を有する発光装置100の製造方法について簡単に説明する。
なお、発光装置100は、複数の発光装置群からなる一体ものとして1枚の大きなセラミック基板に形成され、製造工程の最後に個々の発光装置の周囲(四方)をダイシングにて分割することで、個々の発光装置100として形成される。
まず、セラミック基板101の主表面に、電極配線パターン102、アノード用電極ランド103、およびカソード用電極ランド104を形成する。そして、上記セラミック基板101の主表面に、印刷抵抗107を、例えばプリント印刷により形成する。そして、上記セラミック基板101の主表面に、LEDチップ105をダイボンディングした後、ワイヤ106を用いてワイヤボンディングを行う。
続いて、上記セラミック基板101の主表面に、ダム樹脂108を形成する。具体的には、ディスペンサーにより、液状の白色シリコーン樹脂(光拡散フィラーTiO2含有)を描画することで形成する。このダム樹脂は、120℃、60分の条件で硬化させる。
続いて、上記セラミック基板101の主表面に、図3に示すようなドーム状の蛍光体含有樹脂層109を形成する。具体的には、ダム樹脂108に囲まれた領域内に、ディスペンサーにより蛍光体含有樹脂層109を充填することで形成する。最後に、上記セラミック基板101を、個々の発光装置100に個片化する。これにより、発光装置100を作製し得る。この製造方法によれば、発光装置100を容易で安価に製造することが可能となる。
なお、ダム樹脂108は、ダム樹脂108の代わりにダム樹脂108の形状に合わせて作製された成形シートを、上記セラミック基板101の主表面に張り付けて形成してもよい。成形シートは、フッ素ゴムやシリコーンゴムなどをシート状に成型したものであり、主表面に貼り付ける面側に接着シートを備えていてもよい。
さらに、本実施例では、ダム樹脂108を、発光装置100に必ず組み込まれるように形成しているが、成形シートをセラミック基板101の主表面に張り付けて形成する方法の場合には、発光装置100の所望の配光特性に応じて、成形シートを最終的に取り除いても構わない。
また、蛍光体含有樹脂層109も、上記のような、ダム樹脂108に囲まれた領域内にディスペンサーにより蛍光体含有樹脂層109を充填して形成する方法に限らない。蛍光体含有樹脂層109は、例えば、ダム樹脂108を使用せず、金型などを使用して圧縮成型やトランスファー成型などにより、LEDチップ105や電極配線パターン102などを、蛍光体を含有した透光性樹脂にて一括封止するように形成してもよい。
上記発光装置100の製造方法では、ダム樹脂108および蛍光体含有樹脂層109を印刷抵抗107上に容易に作成することが可能となる。それゆえ、印刷抵抗107の配置領域の自由度が高くなり、印刷抵抗107を、LEDチップ105の近傍や、ダム樹脂108および蛍光体含有樹脂層109の下部に配置することが可能となる。
なお、上記製造方法は、LEDチップ105を搭載した後に、ワイヤボンディングを行い、その後ダム樹脂108を形成しているが、これに限らず、先にダム樹脂108を形成し、その後LEDチップ105を搭載し、ワイヤボンディングを行ってもよい。
ここで、上記構成を有する発光装置100の寸法の一例を挙げる。
セラミック基板101:外形サイズ12mm×15mm、厚み1mm
電極配線パターン102:幅300μm、厚み10μm
アノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104:直径1.4mm、直線部2mm、厚み20μm
LEDチップ105:幅240μm、長さ400μm、高さ80μm
ダム樹脂108:リング幅0.7mm、外形サイズ6.9×7.9mm、角部のR=2mm
なお、これら寸法はあくまでも一例である。
(変形例)
上述した発光装置100では、セラミック基板101を使用しているが、これに限らず、セラミック基板101の代わりに、例えば、金属基板表面に絶縁層を形成したメタルコア基板を使用してもよい。この場合、絶縁層は、印刷抵抗107および電極配線パターン102を形成するエリアにのみ形成し、複数のLEDチップ105を金属基板表面に直に搭載する構成とすることができる。
また、セラミック基板101の外形形状は、矩形に限定されるものではない。さらに、主表面の上下方向(第1方向)および左右方向(第2方向)は、電極配線パターン102やLEDチップ105などの相対的な位置関係によって決められるものであり、主表面の外形形状を基準として決定されるものではない。
また、LEDチップ105は、上面視で長方形であったが、正方形でもよい。LEDチップ105としては、例えば、300μm四方の正方形、高さ100μmのものを用いることもできる。さらに、LEDチップ105の実装方法は、ワイヤボンドに限らず、例えばフリップチップ接合を用いてもよい(図示せず)。
また、LEDチップ105の個数や、グループ分け、回路構成は、上述したものに限らない。例えば、上記44個のLEDチップ105は、「A:4個直列、B:4個直列、C:4個直列」などとグループ分けしても同様の効果を得ることが可能である。つまりは、複数のLEDチップ105は、2個以上のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が、2個以上並列に接続された回路構成を有していればよい。
さらに、搭載エリアの自由度は低下するが、印刷抵抗107の代わりにツェナーダイオードを使用してもよい。この場合、直列接続部におけるLEDチップ105の直列接続数に応じて、複数のツェナーダイオードを使用することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、各実施の形態において説明すること以外の構成は、実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、各実施の形態においては、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
〔実施の形態2〕
図5は、本実施の形態の発光装置200の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置200は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、電気回路の構成が異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
図5に示すように、発光装置200では、7個のLEDチップ105を直線状に配列し、7個のLEDチップ105間が直列に接続された直列回路部が、14個並列に配置して並列接続された回路構成を有している。つまりは、7個直列×14個並列の直並列接続された計98個のLEDチップ105が、セラミック基板101の主表面に実装されている。
電極配線パターン102は、アノード用電極102k、および、カソード用電極102lからなる。アノード用電極102kおよびカソード用電極102lは、各LEDチップ105と、ワイヤ106により電気的に接続される。アノード用電極102kとカソード用電極102lとは、LEDチップ105群を挟み、かつ、蛍光体含有樹脂層109の短手方向(LEDチップ105を直線状に配列した方向)に沿って対向するように配置されている。
印刷抵抗107は、直列回路部に並列に接続されるように1個設けられている。つまりは、印刷抵抗107は、アノード用電極102kとカソード用電極102lとに接続されるように形成されている。印刷抵抗107は、上面視で、アノード用電極102kおよびカソード用電極102lに対し直交する方向に配置されている。
発光装置200では、前記実施の形態1の発光装置100と同様に、印刷抵抗107によって、LEDチップ105からなる直列回路部の断線不良を抑制する効果、および、LEDチップ105からなる直列回路部が断線したときの光出力低下を最低限にする効果を得ることが可能となる。
〔実施の形態3〕
図6は、本実施の形態の発光装置300の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置300は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、LEDチップ105の実装方向(極性方向)と、それに応じたワイヤ106の配線方向とが異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
図6に示すように、発光装置300では、グループL1は、4個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が2個並列に接続され、グループL2は、8個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が3個並列に接続され、グループL3は、4個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が2個並列に接続されている。つまりは、直並列接続された計40個のLEDチップ105が、セラミック基板101の主表面に実装されている。
また、各LEDチップ105は、長手方向が蛍光体含有樹脂層109の長手方向と一致するような向きで配置されている。すなわち、発光装置300のLEDチップ105は、発光装置100のLEDチップ105の配置方向から90度回転されている。このLEDチップ105の配置に応じて、ワイヤ106は斜めに配線されている。
発光装置300では、前記実施の形態1の発光装置100と同様の効果に加え、ダム樹脂108のサイズを小さくすることが可能となり、より点光源に近づけることが可能となる。また、発光装置300では、アノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104と、LEDチップ105の搭載領域との間のスペースを広く取ることができるので、LEDチップ105のボンディングが容易になるという効果がある。
但し、発光装置300は、発光装置100と比較して、ワイヤ106が長くなることによるワイヤ使用量の増加が生じる。このため、全体的に見ると、発光装置300の実装方法よりも、発光装置100の実装方法の方が好ましい。
〔実施の形態4〕
図7は、本実施の形態の発光装置400の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置400は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、グループL2のLEDチップ105およびワイヤ106の構成が異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
図7に示すように、発光装置400では、グループL2は、8個のLEDチップ105が直列に接続されてなる直列回路部が3個並列に接続されている。ゆえに、発光装置400では、直並列接続された計48個のLEDチップ105が、セラミック基板101の主表面に実装されている。グループL2の各LEDチップ105は、長手方向が蛍光体含有樹脂層109の長手方向と一致するような向きで配置されている。このLEDチップ105の配置に応じて、ワイヤ106は斜めに配線されている。
発光装置400では、前記実施の形態3の発光装置300のダム樹脂108と同じサイズのダム樹脂108の枠内に、より多くのLEDチップ105を実装することが可能となる。このように、所望の数のLEDチップ105が搭載されるように、グループ毎にLEDチップ105の実装方向を変えてもよい。
〔実施の形態5〕
図8は、本実施の形態の発光装置500の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置500は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、発光装置100では44個のLEDチップ105が搭載されていたが、発光装置500では40個のLEDチップ105および4個のLEDチップ105’が搭載されている点が異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
LEDチップ105’は、LEDチップ105よりもチップサイズが小さい(例えば、上面視で0.3×0.3mmの正方形)ものである。図8に示すように、LEDチップ105’は、全体的に見て、LEDチップ105の実装領域の4隅に配置されている。つまりは、LEDチップ105’は、蛍光体含有樹脂層109領域におけるダム樹脂108に近接した4隅に配置されている。
発光装置500では、蛍光体含有樹脂層109領域におけるダム樹脂108に近接した4隅のLEDチップ105’を、他に実装されたLEDチップ105よりも小さいサイズとすることで、ダム樹脂108の枠を小さくすることが可能となり、発光面積を小さくすることが可能となる。
〔実施の形態6〕
図9は、本実施の形態の発光装置600の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置600は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、ダム樹脂108および蛍光体含有樹脂層109の形状が異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
図9に示すように、発光装置600では、ダム樹脂108は上面視で円環形の形状を有している。ダム樹脂108の大部分は、印刷抵抗107の上に形成されている。蛍光体含有樹脂層109は、ダム樹脂108の形状に沿って、上面視で円形の形状を有している。
発光装置600では、蛍光体含有樹脂層109が円形に形成されていることにより、LEDチップ105からの発光が全方向へ均一に放射され易くなる。またこれにより、発光装置600を汎用照明器具へ応用することや、その設計が容易となる。
〔実施の形態7〕
図10は、本実施の形態の発光装置700の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置700は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、印刷抵抗107bの設置領域と、ダム樹脂108の設置領域とが異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。
図10に示すように、発光装置700では、印刷抵抗107bは、ダム樹脂108のカーブに沿った形状を有しており、ダム樹脂108の下部に配置されている。ダム樹脂108は、全ての印刷抵抗107a〜107cを覆うように太めに形成されている。
発光装置700では、全ての印刷抵抗107a〜107cはダム樹脂108により覆われ、他の光学特性を損なわない位置に配置されているので、印刷抵抗107a〜107cの光吸収による発光効率ロスを最小限にすることが可能となる。
〔実施の形態8〕
図11は、本実施の形態の発光装置800の一構成例を示す上面図である。
本実施の形態の発光装置800は、前記実施の形態1の発光装置100と比較して、グループL2のLEDチップ105の実装方向が異なっている。それ以外は、前記実施の形態1の発光装置100と同等の構成を有する。なお、図11では、ダム樹脂108および蛍光体含有樹脂層109を省略して記載しているが、それら部材は図2と同様に形成される。
図11に示すように、発光装置800では、グループL2のLEDチップ105は、カソード電極が上側に位置するような向きで配置されている。すなわち、発光装置800のグループL2のLEDチップ105は、発光装置100のグループL2のLEDチップ105の実装方向から180度回転されている。これに応じて、電極配線パターン102は、アノード用電極102eとカソード用電極102fとの配置が逆になっている。また、印刷抵抗107は、電気回路の構成は発光装置100のままで、形成領域のみが変更されている。
発光装置800では、グループL1とグループL2との間を接続する接続用配線102d、および、グループL2とグループL3との間を接続する接続用配線102gを、グループ間を横切るように配置させる必要がなくなるので、これら配線による光吸収ロスを軽減することが可能となる。
なお、上述した実施の形態1〜8においては印刷抵抗107を必ず備えた実施例を説明してきたが、静電耐圧をそれほど必要としない用途や、各LEDチップ105自体の静電耐圧が大きい場合には、印刷抵抗107を含まない構成としてもよい。
〔実施の形態9〕
本実施の形態では、前記実施の形態1〜8で説明した発光装置を備える電子機器について説明する。
例えば、裏面に電源回路を有し、放熱板と一体となった実装基板に、上記発光装置を実装してなる照明装置がある。上記発光装置のアノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104は、実装基板のアノード電極ランドおよびカソード電極ランドに、外部配線などにより電気的に接続される。上記発光装置の上面は、光拡散機能を備えたケース、あるいは透明なケースで覆われる。
また、上記発光装置は、1つだけではなく、矩形形状のセラミック基板101の一辺が平行になるように、あるいは、矩形形状のセラミック基板101の対角線方向が一直線上になるように複数搭載し、蛍光灯型の照明装置としてもよい。なお、1つのみを搭載し、電球型の照明装置としてもよい。
ここで、上記照明装置の具体例として、前記実施の形態1〜8で説明した発光装置を備えるLED電球の構成について説明する。図12は、LED電球900の一構成例を示す図であり、(a)は側面から見たときの外観を示し、(b)は発光装置909が搭載された搭載面を示す。
図12に示すように、LED電球900は、口金901に固着された放熱フィン902に、搭載板904が留めネジ905によって固定されるとともに、搭載板904を覆うように散乱材入りレンズドーム903が設けられた構成を有する。口金901は、電球における、ソケットにねじ込むための金属の部分である。口金901のサイズは、E26やE17などを好適に使用できる。特に、前記実施の形態1〜8で説明した発光装置は、表面積を15mm×12mmと小さくすることが可能であるので、E17の口金が好適である。
搭載板904には、発光装置909が搭載される。発光装置909は、押さえピン906によって固定されている。発光装置909としては、前記実施の形態1〜8で説明した発光装置のいずれを用いてもよい。発光装置909のアノード用電極ランド103およびカソード用電極ランド104は、外部配線と電気的に接続される(アノード結線907およびカソード結線908)。
LED電球900は、発光装置909を備えることにより、輝度ムラが改善され、かつ、発光効率が向上されるので、非常に優れた照明装置となる。
さらに、複数の上記発光装置を筐体基板上にマトリクス状に配置し、面状光源を構成してもよい。この面状光源では、上記発光装置1つ1つに光の配光特性を調整する外付けレンズを設置することで、あるいは、図3に示したように蛍光体含有樹脂層109を凸状にしレンズ機能を持たせることで、光配向特性を有することが可能となる。このような面状光源をBL(バックライト)光源とした液晶表示装置を構成することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るLED電球は、放熱体の一方端に位置する口金と、前記放熱体の他方端に位置する搭載板と、前記搭載板に搭載された発光装置と、を備え、前記発光装置は、セラミック基板と、前記セラミック基板上に形成されたアノード用電極ランドと、前記セラミック基板上に形成され、前記アノード用電極ランドに接続されたアノード用電極と、前記セラミック基板上に形成され、前記アノード用電極と第1方向に沿って対向するように配置された接続用配線と、前記セラミック基板上に配置され、前記アノード用電極と前記接続用配線との間において、ワイヤボンディングにより前記第1方向に沿って直列に接続された複数のLED(Light Emitting Diode)チップを有する列を前記第1方向と直交する第2方向に沿って並列に複数含む第1グループと、前記セラミック基板上に配置され、前記接続用配線にワイヤボンディングにより直列に接続され、前記第1方向に沿って前記第1グループに含まれるLEDチップとは実装方向が180度回転した状態で配置された複数のLEDチップを有する列を前記第2方向に沿って並列に複数含む第2グループと、前記セラミック基板上に形成され、前記第2グループに中継接続されるカソード用電極ランドと、を備えることを特徴としている。
本発明の態様2に係るLED電球は、上記態様1において、前記LEDチップは青色LEDであり、前記LEDチップ上にYAG(Ce賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体含有樹脂をさらに備えるものであってもよい。
本発明の態様3に係るLED電球は、上記態様1において、前記セラミック基板は外形形状が矩形であり、前記アノード用電極ランドと前記カソード用電極ランドとは対向する辺に沿っているものであってもよい。
本発明の態様4に係るLED電球は、上記態様1において、前記接続用配線は金を含むものであってもよい。
〔その他〕
本発明は下記の通り記載することもできる。
本発明の発光装置は、上記課題を解決するために、基板と、上記基板の主表面に実装された複数の発光素子と、上記複数の発光素子に並列に接続された保護素子とを備えてなる発光装置において、上記複数の発光素子が実装された実装領域を囲むように上記基板の主表面に環状に設けられた、低い光透過率の樹脂からなる樹脂枠体と、上記複数の発光素子を覆うように上記樹脂枠体の内側に隣接して設けられた、蛍光体を含有する樹脂からなる蛍光体含有樹脂層とを備え、上記基板の主表面には、該主表面内にある第1方向に沿って対向するように配置された第1発光素子接続用電極および第2発光素子接続用電極が形成され、上記複数の発光素子は、2以上の発光素子が直列に接続されてなる直列回路部が、上記第1発光素子接続用電極と上記第2発光素子接続用電極との間において2以上並列に接続された回路構成を有し、上記各直列回路部は、上記第1発光素子接続用電極と上記第2発光素子接続用電極との間において、上記主表面内にあり上記第1方向と直交する第2方向に沿って並べられ、上記各直列回路部における各発光素子は、上記第1方向に沿って並べられ、上記第1発光素子接続用電極および上記第2発光素子接続用電極は、上記樹脂枠体、上記蛍光体含有樹脂層、または、その両方の下部に配置されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1発光素子接続用電極と第2発光素子接続用電極とは、発光素子の実装領域を挟むように配置される。また、直列回路部における各発光素子間は、例えばワイヤボンディングなどで直接接続することにより電気的に接続することによって、従来用いられていた電極配線パターンが不要となる。よって、各発光素子間の距離を縮めて、発光素子の実装密度を増加することが可能となる。したがって、各発光素子の発光が輝点状に見えることを軽減し、発光装置としての面内での輝度ムラを改善すること可能となるとともに、小型化することが可能となる。
また、第1発光素子接続用電極および第2発光素子接続用電極を、できる限り樹脂枠体の下部に配置することによって、これらによる光の吸収を抑制することが可能となる。さらに、電極配線パターンによる光の吸収も低減されている。よって、発光効率を向上することが可能となる。また、保護素子が発光素子に並列に接続されていることによって、発光素子の劣化を防止することが可能となり、長寿命化を図って信頼性を確保することが可能となる。したがって、発光効率が良く、かつ信頼性に優れた発光装置を提供することが可能となる。
本発明の発光装置は、上記複数の発光素子と上記第1発光素子接続用電極と上記第2発光素子接続用電極とからなるグループが、上記第2方向に沿って複数並べられ、上記基板の主表面には、隣り合うグループ間を直列に接続するように配置された接続用配線が形成され、上記保護素子は、上記グループ毎に設けられていることが好ましい。
上記の構成によれば、発光素子の個数および回路構成に応じて、発光素子をグループに分けて配置することで、発光素子の実装領域を最小限に収めることが可能となる。またこれにより、第1発光素子接続用電極および第2発光素子接続用電極や、樹脂枠体などの配置領域も小さくすることが可能となる。よって、小型化を図ることが可能となる。また、保護素子はグループ毎に設けられているので、直列回路部の断線時の光出力の低下を最小限にすることが可能となる。
本発明の発光装置は、上記樹脂枠体を形成する樹脂は、白色または乳白色に着色されていることが好ましい。これにより、樹脂枠体を形成する樹脂の光透過率を低く設定すること、または、樹脂枠体を形成する樹脂が光反射性を有することが可能となる。
本発明の発光装置は、上記各直列回路部における隣り合う発光素子間は、ワイヤボンディングによって、一方の発光素子のカソード電極と他方の発光素子のアノード電極とが金属ワイヤで直接接続されていることが好ましい。これにより、各発光素子間の距離を縮めて、発光素子の実装密度を増加することが可能となる。
本発明の発光装置は、上記保護素子は、上記基板の主表面に部分的に形成された薄膜印刷抵抗であり、上記保護素子は、上記第1発光素子接続用電極と上記第2発光素子接続用電極とに電気的に接続されるように、上記実装領域の周辺であって、かつ、上記樹脂枠体、上記蛍光体含有樹脂層、または、その両方の下部に配置されていることが好ましい。
本発明の発光装置は、上記各保護素子は、上記基板の主表面に部分的に形成された薄膜印刷抵抗であり、上記各保護素子は、対応するグループにおける上記第1発光素子接続用電極と上記第2発光素子接続用電極とに電気的に接続されるように、上記実装領域の周辺であって、かつ、上記樹脂枠体、上記蛍光体含有樹脂層、または、その両方の下部に配置されていることが好ましい。
上記の各構成によれば、樹脂枠体および蛍光体含有樹脂層などを保護素子上に容易に作成することが可能となる。それゆえ、保護素子の配置領域の自由度が高くなり、保護素子を、発光素子の近傍や、樹脂枠体および蛍光体含有樹脂層の下部に配置することが可能となる。また、保護素子を、できる限り樹脂枠体の下部に配置し樹脂枠体で覆い隠すことによって、保護素子による光吸収を最小限に抑制することが可能となる。
本発明の発光装置は、上記基板は、セラミックからなるセラミック基板であることが好ましい。
本発明の発光装置は、上記各発光素子のカソード電極およびアノード電極は、対向して配置されており、上記複数の発光素子は全て、同じ向きであって、かつ、上記カソード電極および上記アノード電極の対向方向が上記第1方向に沿うような向きで配置されていることが好ましい。
本発明の発光装置は、上記各発光素子のカソード電極およびアノード電極は、対向して配置されており、上記複数の発光素子は全て、同じ向きであって、かつ、上記カソード電極および上記アノード電極の対向方向が上記第2方向に沿うような向きで配置されていることが好ましい。
上記の各構成によれば、全ての発光素子は同じ向きで配置されているので、発光素子の向きを変えずに各発光素子をダイボンドすることが可能となり、ダイボンド装置/工程を簡略化することが可能となる。また、発光素子の形状に応じて上記対向方向の向きを選択することによって、各発光素子間の距離を好適に縮めて、発光素子の実装密度を最大限増加することが可能となる。
本発明の発光装置は、上記薄膜印刷抵抗の抵抗値は、1MΩ〜10GΩであることが好ましい。
本発明の発光装置は、上記樹脂枠体は、平面視円環形の形状を有していることが好ましい。これにより、蛍光体含有樹脂層は平面視円形の形状を有するので、発光素子からの発光が全方向へ均一に放射され易くなり、発光装置を汎用照明器具へ応用することや、その設計が容易となる。
〔付記事項〕
LED電球は、放熱体の一方端に位置する口金と、前記放熱体の他方端に位置する搭載板と、前記搭載板に搭載された発光装置と、を備え、前記発光装置は、セラミック基板と、前記セラミック基板上に形成されたアノード用電極ランドと、前記セラミック基板上に形成され、前記アノード用電極ランドに接続されたアノード用電極と、前記セラミック基板上に形成され、前記アノード用電極と第1方向に沿って対向するように配置された接続用配線と、前記セラミック基板上に配置され、前記アノード用電極と前記接続用配線との間において、ワイヤボンディングにより前記第1方向に沿って直列に接続された複数のLED(Light Emitting Diode)チップを有する列を前記第1方向と直交する第2方向に沿って並列に複数含む第1グループと、前記セラミック基板上に配置され、前記接続用配線にワイヤボンディングにより直列に接続され、前記第1方向に沿って前記第1グループに含まれるLEDチップとは実装方向が180度回転した状態で配置された複数のLEDチップを有する列を前記第2方向に沿って並列に複数含む第2グループと、前記セラミック基板上に形成され、前記第2グループに中継接続されるカソード用電極ランドと、を備えてもよい。
上記の構成によれば、輝度ムラを改善することができるとともに、小型化することができるという効果を奏する。また、発光素子の劣化を防止することが可能となり、長寿命化を図って信頼性を確保することが可能となるので、発光効率が良く、かつ信頼性に優れた発光装置を提供することができるという効果を奏する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、上面視で矩形の外形形状を有している基板と、上記基板の主表面の中央付近に配置された複数のLEDチップと、上記複数のLEDチップが実装された実装領域を囲むように上記基板の主表面に環状に設けられた樹脂枠体と、発光装置の外部電源と接続するための電極であり、上記樹脂枠体の外側かつ上記基板の主表面の隅付近に設けられた、アノード用電極ランドおよびカソード用電極ランドと、上記基板の主表面に形成された電極配線パターンとを備えており、上記電極配線パターンは、上記複数のLEDチップと上記アノード用電極ランドおよび上記カソード用電極ランドとを電気的に接続するように、上記アノード用電極ランドから上記樹脂枠体の下部に伸びるアノード側の配線と、上記カソード用電極ランドから上記樹脂枠体の下部に伸びるカソード側の配線とを有しており、上記樹脂枠体は、光反射性を有する樹脂からなることを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、上面視で矩形の外形形状を有している基板と、上記基板の主表面の中央付近に配置された、複数のLEDチップである複数の発光素子と、アノード電極である第1発光素子接続用電極およびカソード電極である第2発光素子接続用電極を有している電極配線パターンと、上記複数の発光素子と並列に接続された、保護素子およびツェナーダイオードの少なくとも一方と、発光装置の外部電源と接続するための電極であり、上記基板の主表面の隅付近に設けられた、アノード用電極ランドおよびカソード用電極ランドとを備えており、上記電極配線パターンは、上記複数の発光素子と上記アノード用電極ランドおよび上記カソード用電極ランドとを電気的に接続するように、上記アノード用電極ランドと上記カソード用電極ランドとの間に設けられた配線パターンであることを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、上面視で矩形の外形形状を有している基板と、上記基板の主表面の中央付近に配置された複数のLEDチップと、上記複数のLEDチップが実装された実装領域を囲むように上記基板の主表面に環状に設けられた樹脂枠体と、外部電源と接続するための電極であり、上記複数のLEDチップと電気的に接続されている、アノード用電極ランドおよびカソード用電極ランドとを備えており、上記アノード用電極ランドおよび上記カソード用電極ランドは、上記樹脂枠体の外側かつ上記基板の主表面の隅付近に設けられており、上記樹脂枠体は、光反射性を有する樹脂からなることを特徴としている。
また、本発明の発光装置は、上記複数のLEDチップが実装された実装領域を囲むように上記基板の主表面に環状に設けられた樹脂枠体とをさらに備え、上記樹脂枠体の内側に接し、かつ、上記複数のLEDチップおよび上記複数のワイヤを覆うように設けられた上記蛍光体含有樹脂層を備えていてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。