JP2015016450A - 吸水剤及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、吸水剤が吸湿するような高湿下での取扱い性に優れ、かつ、加圧下の吸収特性に優れる吸水剤及びその製造方法を提供することにある。【課題の解決手段】吸水性樹脂を主成分とし、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子及び無機酸化物微粒子を含むAAP1.9kPaが20g/g以上の粒子状吸水剤であって、25℃、相対湿度90%の状態で1時間放置した時のブロッキング率が20%以下であり、かつ吸水性樹脂100重量部に対して沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を1.0〜5.0重量部含む粒子状吸水剤。【選択図】なし

Description

本発明は、紙おむつや生理ナプキン、いわゆる失禁パッド等の衛生材料などに好適に用いられる吸水剤とその製法に関するものである。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の衛生材料には、体液を吸収させることを目的として、パルプ等の親水性繊維と吸水性樹脂とをその構成材料とする吸収体が幅広く利用されている。
近年、これら衛生材料は、高機能かつ薄型化が進み、衛生材料一枚あたりの吸水性樹脂の使用量や、吸水性樹脂と親水性繊維とからなる吸収体全体に対する吸水性樹脂の比率が増加する傾向にある。つまり、かさ比重の小さい親水性繊維を少なくし、吸水性に優れ且つかさ比重の大きい吸水性樹脂を多く使用することにより、吸収体中における吸水性樹脂の比率を高め、吸水量を低下させることなく衛生材料の薄型化を図っている。
そのため吸水性樹脂を用いて、紙おむつをはじめとする、種々の吸水性物品を製造する際には、吸湿性の高い吸水性樹脂を多量に繊維基材に組み込む必要があり、その作業環境、気候条件によっては樹脂粒子同士がポッパーやラインの途中でブロッキングを起こしたり装置に付着したりして安定な製造が出来ないという問題が大きくなってきた。
吸湿時の流動性や通液性に優れる吸水剤を得るための手段として、吸水性樹脂に非晶質二酸化ケイ素やカオリン等の水不溶性無機微粒子を添加させる技術が知られている(特許文献1〜11)。これら水不溶性無機微粒子を混合する方法として、乾式混合(特許文献7〜11)、水分散液での混合(特許文献1〜6)が知られている。また吸水性樹脂の表面架橋に水不溶性無機微粒子を使用する技術も知られている(特許文献12〜14)
しかし、これら特許文献1〜14などに記載の技術では、吸水剤の加圧下吸収倍率が低下するという問題があった。また、オムツ等の製造装置の吸水性樹脂吸引部分の網を目づまりさせるという問題があった。
特開 平6−016822号 WO2002/005949号 特開2001−137704号 特開2003−225565号 特開2005− 95759号 特開 昭59− 80459号 特表2009−510177号 特開 平11−286611号 特開2000−093792号 WO2008/015980号 特表2010−521577号 WO2004/037903号 特開 昭60−177004号 特表2010−522255号
本発明が解決しようとする課題は、吸水剤が吸湿するような高湿下での取扱い性に優れ、かつ、加圧下の吸収特性に優れる吸水剤及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、非高分子水溶性有機化合物を特定量ないし特定割合で使用することで前記課題を解決出来る事を見出し、本発明を完成した。
本発明の吸水剤は、上記課題を解決するために、吸水性樹脂を主成分とし、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子及び無機酸化物微粒子を含む加圧下吸水倍率(AAP1.9kPa)が20g/g以上の粒子状吸水剤であって、25℃、相対湿度90%の状態で1時間放置した時のブロッキング率が20%以下であり、かつ吸水性樹脂100重量部に対して沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を1.0〜5.0重量部含む粒子状吸水剤である。
本発明の吸水剤の製造方法は、加圧下吸水倍率(AAP1.9kPa)が20g/g以上にまで表面架橋処理された吸水性樹脂に無機酸化物微粒子の水分散液を混合する吸水剤の製造方法であって、該水分散液に沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を20重量%以上含む吸水剤の製造方法である。
本発明の吸水剤は、加圧下の吸収特性と吸湿時の流動性とを両立した吸水剤であるため、吸水剤の濃度が高いオムツ等の衛生材料を製造する際のトラブルが少なく、よりすぐれた性能の衛生材料を得ることができる。
〔1〕用語の定義
(1−1)吸水剤
本明細書において、「吸水剤」とは、吸水性樹脂を主成分(好ましくは全体の60重量%以上、さらには80重量%以上、90重量%以上)とする水性液のゲル化剤であり、その他に、任意成分として水、無機微粒子、カチオン性高分子化合物、水溶性多価金属カチオン含有化合物、界面活性剤、着色防止剤、耐尿性向上剤、消臭剤、香料、抗菌剤、発泡剤、顔料、染料、肥料、酸化剤、還元剤等を、それぞれ0〜10質量%、好ましくは0.1〜1質量%含有してもよい。
(1−2)表面架橋吸水性樹脂
本明細書において、「表面架橋吸水性樹脂」とは、吸水性樹脂に表面架橋工程を施して得られた水溶液のゲル化剤であり、表面架橋剤添加工程後に表面架橋工程を施して得られた場合も表面架橋吸水性樹脂と称する。
(1−3)「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」
本明細書における吸水性樹脂とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味する。尚、「水膨潤性」とは、ERT441.2−02で規定するCRC(無加圧下吸収倍率)が5[g/g]以上であることをいい、また、「水不溶性」とは、ERT470.2−02で規定するExtr(水可溶分)が0〜50質量%であることをいう。
また、吸水性樹脂は、全量(100質量%)が重合体に限定されず、上記性能を維持する範囲内において、添加剤等を含んでもよく、少量の添加剤を含有する吸水性樹脂組成物も本発明では吸水性樹脂と総称する。尚、吸水性樹脂の形状としてシート状、繊維状、フィルム状、ゲル状等が挙げられるが、好ましくは粉末状、特に好ましくは後述の粒度や含水率を有する粉末状の吸水性樹脂がよく、吸水性樹脂粉末と称することもある。
本明細書における「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」とは、任意にグラフト成分を含み、繰り返し単位として、アクリル酸及び/又はその塩(以下、アクリル酸(塩)と称する)を主成分とする重合体を意味する。
具体的には、重合に用いられる総単量体(架橋剤を除く)のうち、アクリル酸(塩)を50〜100モル%含む重合体をいい、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、特に好ましくは実質100モル%を含む吸水性樹脂をいう。また、本発明では、ポリアクリル酸塩型(中和型)の重合体もポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂と総称する。
(1−4)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Assoiations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)である吸水性樹脂の測定方法(EDANA Recommended Test Metods)の略称である。尚、本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
(a)「CRC」(ERT441.2−02)
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、無加圧下吸収倍率(以下、「吸収倍率」と称することもある)を意味する。具体的には、不織布中の吸水性樹脂0.200gを、大過剰の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対して30分間自由膨潤させた後、更に遠心分離機を用いて250Gで水切りした後の吸収倍率(単位;[g/g])である。
(b)「AAP」(ERT442.2−02)
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、加圧下吸収倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.900gを、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)に対して1時間、2.06kPa(0.3psi)での荷重下で膨潤させた後の吸収倍率(単位;[g/g])である。
(c)「PSD」(ERT420.2−02)
「PSD」とは、Particle Size Disributionの略称であり、篩分級により測定される粒度分布を意味する。尚、質量平均粒子径(D50)及び粒子径分布幅は欧州特許0349240号に記載された「Average Particle Diameter and Distribution of Particle Diameter」と同様の方法で測定する。
〔2〕ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末の製造方法
(2−1)アクリル酸(塩)系単量体水溶液の調製工程
本明細書において、「アクリル酸(塩)系単量体水溶液」とは、アクリル酸(塩)を主成分とする単量体の水溶液であって、必要により架橋剤、グラフト成分や微量成分(キレート剤、界面活性剤、分散剤等)等の吸水性樹脂粉末を構成する成分が調合されたものを指し、そのままの状態で重合開始剤を添加して重合に供されるものをいう。
上記アクリル酸(塩)としては、未中和でも、塩型(完全中和型又は部分中和型)でもよく、また、単量体水溶液としては、飽和濃度を超えてもよく、アクリル酸(塩)の過飽和水溶液やスラリー水溶液(水分散液)であっても、本発明のアクリル酸(塩)系単量体水溶液として扱う。尚、得られる吸水性樹脂粉末の物性の観点から、飽和濃度以下のアクリル酸(塩)系単量体水溶液を用いることが好ましい。
また、単量体の溶媒としては水が好ましく、アクリル酸(塩)系単量体は水溶液として扱われる。ここで、「水溶液」とは、溶媒の100質量%が水に限定されず、水溶性有機溶剤(例えば、アルコール等)を0〜30質量%、好ましくは0〜5質量%を併用してもよく、本発明ではこれらを水溶液として扱う。
(単量体)
本発明のアクリル酸(塩)系単量体としては、重合により吸水性樹脂となるものであれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート等のアニオン性不飽和単量体(塩);メルカプト基含有不飽和単量体;フェノール性水酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体等が挙げられる。
上記アクリル酸(塩)系単量体の含有量(使用量)としては、単量体(内部架橋剤を除く)全体に対して、通常50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、特に好ましくは95モル%以上(上限は100モル%)である。尚、本発明においてポリアクリル酸(塩)は、未中和(中和率0モル%)に限定されず、部分中和あるいは完全中和(中和率100モル%)を含む概念である。
本発明において、アクリル酸(塩)系単量体又は重合後の含水ゲル状架橋重合体の中和率については特に限定されないが、得られる吸水性樹脂粉末の物性や表面架橋剤の反応性の観点から、40〜90モル%が好ましく、50〜80モル%がより好ましく、60〜74モル%が更に好ましい。
ただし、上記中和率が低い場合は吸水速度(例えば、FSR)が低下する傾向にあり、逆に中和率が高い場合はポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末と表面架橋剤、特に後述の脱水反応性表面架橋剤、更にはアルキレンカーボネートとの反応性が低下し、生産性の低下や通液性(例えば、SFC)や加圧下吸収倍率(例えば、AAPやPUP)が低下する傾向にあるため、上記範囲内の中和率が好ましい。尚、紙オムツ等、人体に接触する可能性のある用途では、重合後の中和は必要とされない。
また、最終製品として得られる吸水剤の無加圧下吸収倍率(CRC)や加圧下吸収倍率(AAP)の観点から、アクリル酸(塩)系単量体又は含水ゲル状架橋重合体は一部又は全部が塩型でもよく、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、アミン類等の一価塩が好ましく、中でもアルカリ金属塩がより好ましく、更にナトリウム塩及び/又はカリウム塩が好ましく、コストや物性の観点から特にナトリウム塩が好ましい。
(重合禁止剤)
本発明のアクリル酸(塩)系単量体には重合禁止剤が含有している。該重合禁止剤としては、特に限定されないが、例えば、国際公開第2008/096713号に開示されるN−オキシル化合物、マンガン化合物、置換フェノール化合物等が挙げられる。中でも、置換フェノール類が好ましく、メトキシフェノール類が特に好ましい。
上記メトキシフェノール類としては、例えば、o,m,p−メトキシフェノールや、メチル基、t−ブチル基、水酸基等の1又は2以上の置換基を有するメトキシフェノール類等が挙げられるが、本発明においてはp−メトキシフェノールが特に好ましい。
尚、上記アクリル酸(塩)系単量体中の前記重合禁止剤の含有量は、10〜200ppmが好ましく、以下順に、5〜160ppm、10〜160ppm、10〜100ppm、10〜80ppmが好ましく、10〜70ppmが最も好ましい。上記含有量が200ppmを超える場合、得られる吸水剤の色調が悪化(黄ばみや黄変といった着色)するおそれがあるため、好ましくない。また、上記含有量が5ppm未満の場合、即ち、蒸留等の精製によって前記重合禁止剤を除去した場合、意図しない重合を引き起こす危険性が高くなり好ましくない。
(内部架橋剤)
本発明では、上記重合に際して、必要に応じて内部架橋剤が用いられる。該内部架橋剤としては、公知のものが使用でき、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチルロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオール、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの中から、反応性を考慮して、1種又は2種以上を使用することができ、中でも2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を使用することが好ましい。
また、内部架橋剤を2種以上併用する際には、その官能基の反応性を変えることで内部架橋構造を変化させることができるため、アミド化合物、(メタ)アクリレート化合物、アリル化合物、アミン化合物、イミン化合物、アルコール化合物、カーボネート化合物、グリシジル化合物といった上記例示の化合物から異なる官能基をもつ内部架橋剤を選択して併用することが好ましい。
上記内部架橋剤の使用量は、所望する吸水剤の物性により適宜決定できるが、上記アクリル酸(塩)系単量体全体に対して、0.001〜5モル%が好ましく、0.005〜2モル%がより好ましく、0.01〜1モル%が更に好ましい。また、内部架橋剤を2種以上併用する場合には、それぞれの内部架橋剤の使用量が上記アクリル酸(塩)系単量体全体に対して、0.001〜5モル%が好ましく、0.005〜2モル%がより好ましく、0.01〜1モル%が更に好ましい。
該使用量(2種以上の併用の場合にはその総量)が0.001モル%未満の場合、得られる吸水剤の水可溶分が多くなり、加圧下での吸水量を充分に確保できない。一方、該使用量が5モル%を超える場合、得られる吸水剤の架橋密度が高くなり、吸水量が不充分となる。尚、内部架橋剤は、重合工程前の調製後のアクリル酸(塩)系単量体水溶液に全量添加してもよく、一部を重合開始後に添加してもよい。
(2−2)水溶液重合工程
(重合方法)
本発明の吸水性樹脂粉末を得るための重合方法として、噴霧重合、液滴重合、バルク重合、沈殿重合、水溶液重合又は逆相懸濁重合等を挙げることができるが、本発明の課題解決には、単量体を水溶液とする水溶液重合に適用される。
尚、上記水溶液重合は、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合する方法であり、例えば、米国特許第4625001号、同第4873299号、同第4286082号、同第4973632号、同第4985518号、同第5124416号、同第5250640号、同第5264495号、同第5145906号、同第5380808号、欧州特許第0811636号、同第0955086号、同第0922717号等に開示されている。
上記重合時における単量体水溶液の濃度については、特に制限がないが、20質量%〜飽和濃度以下が好ましく、25〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%が更に好ましい。該濃度が20質量%未満の場合、生産性が低くなるため、好ましくない。尚、単量体のスラリー(アクリル酸塩の水分散液)での重合は物性の低下が見られるため、飽和濃度以下で重合を行うことが好ましい(参照;特開平1−318021号公報)。
また、重合を促進し物性を向上させるため、重合時に必要に応じて溶存酸素の脱気工程(例えば、不活性ガスでの置換工程)を設けてもよい。その他、吸水速度アップや表面積アップや乾燥速度アップなどを目的として、重合時に気泡(特に不活性気体)や各種発泡剤(例えば有機又は無機炭酸塩、アゾ化合物、尿素化合物)を含有させて、重合時や乾燥時に例えば体積が1.001〜10倍になるように発泡させてもよい。
本発明における重合工程は、常圧、減圧、加圧のいずれでも行うことができるが、好ましくは常圧(又はその近傍、通常±10mmHg)で行われる。また、重合開始時の温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、15〜130℃が好ましく、20〜120℃がより好ましい。
(重合開始剤)
本発明において使用される重合開始剤は、重合形態によって適宜決定され、特に限定されないが、例えば、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。これらの重合開始剤によって、本発明の重合が開始される。
上記光分解型重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、アゾ化合物等が挙げられる。
また、上記熱分解型重合開始剤としては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素、t−ブチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド等の過酸化物;2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド等のアゾ化合物等が挙げられる。
更に、上記レドックス系重合開始剤としては、例えば、上記過硫酸塩や過酸化物にL−アスコルビン酸や亜硫酸水素ナトリウム等の還元性化合物を併用した系が挙げられる。
また、上記光分解型重合開始剤と熱分解型重合開始剤とを併用することも、好ましい態様である。更に、紫外線、電子線、γ線等の活性エネルギー線を単独で、あるいは上記重合開始剤と併用しても良い。
上記重合開始剤の使用量は、上記単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.0005〜0.5モル%がより好ましい。該使用量が1モル%を超える場合、吸水性樹脂粉末の色調悪化が生じるため、好ましくない。また、該使用量が0.0001モル%未満の場合、残存モノマーが増加するため、好ましくない。
(更に好適な重合方法)
本発明において、アクリル酸(塩)系単量体水溶液の重合方法として、吸水性樹脂粉末の物性(例えば、吸水速度や通液性)や重合制御の容易性等の観点から、逆相懸濁重合、噴霧重合、液滴重合ないし水溶液重合の少なくとも1種、特に水溶液重合が採用される。
上記水溶液重合の好ましい態様の一例として、重合開始温度を好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上、特に好ましくは70℃以上、最も好ましくは80℃以上(上限は沸点)とする高温開始水溶液重合、又は、単量体濃度を好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上(上限は90質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下)とする高濃度水溶液重合、更に、これらを組み合わせた高濃度・高温開始水溶液重合を挙げることができる。
(2−3)ゲル粉砕工程
本工程は、上記重合工程等(特に水溶液重合)を経て得られる、含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)をゲル粉砕し、粒子状の含水ゲル(以下、「粒子状含水ゲル」と称する)を得る任意の工程である。
本発明で使用できるゲル粉砕機は、特に限定されないが、例えば、バッチ式又は連続式の双腕型ニーダー等、複数の回転撹拌翼を備えたゲル粉砕機、1軸押出機、2軸押出機、ミートチョッパー等が挙げられる。中でも、先端に多孔板を有するスクリュー型押出機が好ましく、例えば、特開2000−063527号公報に開示されたスクリュー型押出機が挙げられる。
本発明において、重合工程及びゲル粉砕工程は、重合時に含水ゲル状架橋重合体がゲル粉砕されるニーダー重合方法、連続ベルト重合で得られた含水ゲル状架橋重合体をゲル粉砕工程に供する方法のいずれでも実施することが出来る。
(2−4)乾燥工程
本発明における乾燥方法としては、特に限定されず、種々の方法を採用することができる。具体的には、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒での共沸脱水乾燥、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等が挙げられ、これらの1種又は2種を併用することもできる。乾燥温度は100〜300℃が好ましく、150〜250℃がより好ましい。
また、乾燥時間としては、含水ゲルの表面積や含水率、乾燥機の種類等に依存するため、例えば、1分間〜5時間が好ましく、5分〜1時間がより好ましい。更に、乾燥減量(粉末又は粒子1gを180℃で3時間乾燥)から求められる樹脂固形分は、80質量%以上が好ましく、85〜99質量%がより好ましく、90〜98質量%が更に好ましい。
(2−5)粉砕・分級工程
本工程は、上記乾燥工程で得られた乾燥重合体を、粉砕及び/又は分級して、好ましくは特定粒度の吸水性樹脂粉末を得る工程である。尚、上記(2−3)ゲル粉砕工程とは、粉砕対象物が乾燥工程を経ている点で異なる。また、粉砕工程後の吸水性樹脂を粉砕物と称することもある。
(粒度分布)
次工程の表面架橋工程に供される吸水性樹脂粉末の質量平均粒子径(D50)は、吸水速度や通液性、加圧下吸収倍率等の観点から、200〜600μmの範囲が好ましく、200〜550μmの範囲がより好ましく、250〜500μmの範囲が更に好ましく、300〜450μmの範囲が特に好ましい。
また、標準篩分級で規定される粒子径150μm未満の微粒子は少ない程よく、通液性等の観点から、該微粒子の含有量は0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましく、0〜1質量%が更に好ましい。更に、標準篩分級で規定される粒子径850μm以上の、好ましくは710μm以上の粗大粒子も少ない程よく、吸水速度等の観点から該粗大粒子の含有量は、0〜5質量%が好ましく、0〜3質量%がより好ましく、0〜1質量%が更に好ましい。
また、粒子径の分布範囲は、好ましくは150μm以上850μm未満、より好ましくは150μm以上710μm未満の範囲において、吸水速度や通液性、加圧下吸収倍率等の面から、95質量%以上含まれるのが好ましく、98質量%以上含まれるのがより好ましく、99質量%以上含まれるのが更に好ましい(上限は100質量%)。
上記粒度の制御は、重合工程、ゲル粉砕工程、又は乾燥工程の粉砕・分級工程で行うことができるが、特に乾燥後の分級工程で行うことが好ましい。また、上記粒度の測定は、JIS標準篩(Z8801−1(2000))を用いて、国際公開第2004/69915号やEDANA−ERT420.2−02で規定される方法に準じて行われる。
また、本発明の吸水性樹脂粉末の形状としては、球状やその凝集物でも、含水ゲル又は乾燥重合体に対して粉砕工程を経て得られた不定形破砕状でもよいが、吸水速度の観点から、不定形破砕状又はその造粒物が好ましい。
本発明の課題をより解決するためには、上記粒度は、好ましくは表面架橋工程後、更に好ましくは最終製品である吸水剤にも適用される。
(2−6)微粉回収工程
乾燥工程後に分級工程(表面架橋工程後の第2分級工程を含む。以下同じ。)を含み、上記分級工程において、目開き150μmの標準篩通過物である吸水性樹脂微粒子を分離した後、該吸水性樹脂微粒子又はその水添加物を乾燥工程以前の工程に回収(再利用)することが好ましい。尚、上記分級工程で除去される粗大粒子は、必要に応じて再粉砕してもよく、また、上記分級工程で除去される微粒子は、廃棄しても、他の用途に使用しても、本微粉回収工程に供してもよい。
回収する微粉としては表面架橋工程前の微粉でもよく、表面架橋工程後の微粉でもよく、微粉回収量は乾燥重合体の1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
(2−7)表面架橋剤添加工程
本工程は、表面架橋工程に供する表面架橋剤を含有する吸水性樹脂粉末を調製する工程である。一般に、表面架橋は、後述の有機表面架橋剤の添加や、吸水性樹脂粉末表面での単量体の重合、又は、過硫酸塩等のラジカル重合開始剤の添加及び加熱・紫外線照射等によって行われる。本発明においては、上記分級工程で得られる吸水性樹脂粉末、更には微粉回収工程を経て得られた吸水性樹脂粉末を含む吸水性樹脂粉末に有機表面架橋剤を添加するのが好ましい。また、後述する通液向上剤添加工程を同時に行ってもよい。
(有機表面架橋剤)
本発明で使用できる有機表面架橋剤としては、得られる吸水性樹脂粉末の物性の観点から、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末の官能基であるカルボキシル基と、脱水エステル化反応、あるいは脱水アミド化反応する水酸基及び/又はアミノ基等の反応性基を有する有機化合物が好ましい。該有機化合物は、水酸基やアミノ基を直接有するアルコール化合物やアミン化合物に限られず、アルキレンカーボネート化合物やオキサゾリジノン化合物のように環状化合物であっても、水酸基やアミノ基を生成する反応性基及び/又は直接的に前記カルボキシル基と反応するような反応性基を有する化合物も含まれる。
前記有機表面架橋剤としては、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、(モノ、ジ、又はポリ)オキサゾリジノン化合物、オキセタン化合物、アルキレンカーボネート化合物等が挙げられ、多価アルコール化合物、アルキレンカーボネート化合物、オキサゾリジノン化合物がより好ましい。
更に、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アルキレンカーボネート化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。より高物性という観点から、多価アルコールと多価アルコール以外の前記有機表面架橋剤との組合せが好ましく、多価アルコールとエポキシ化合物又はアルキレンカーボネート化合物との組合せがより好ましく、多価アルコールとアルキレンカーボネート化合物との組合せが更に好ましい。
前記複数の有機表面架橋剤を組み合わせる場合、特に多価アルコールと多価アルコール以外の前記有機表面架橋剤との組合せにおいては、その比率(質量比)は、多価アルコール:多価アルコール以外で1:100〜100:1が好ましく、1:50〜50:1がより好ましく、:30〜30:1が更に好ましい。
これらが混合される溶媒の温度は適宜決定されるが、温度が低すぎると溶解度や粘度が低くなり過ぎる場合があるため、特に、後述の固体の非高分子有機化合物を表面架橋剤に、特にエチレンカーボネートを表面架橋剤として使用する場合、室温以上に加温(30〜100℃が好ましく、35〜70℃がより好ましく、40〜65℃が更に好ましい)された水が溶媒に使用される。
すなわち、非高分子有機化合物(特に固体の表面架橋剤、さらには固体の多価アルコールやアルキレンカーボネート等の環状化合物)と混合する他の化合物、特に水が加温されているのが好ましく、上述の温度範囲であるとより好ましい。
また、アルキレンカーボネート化合物又は前記多価アルコール化合物、特に固体のアルキレンカーボネート化合物は、水と混合前に予め加熱することが好ましい。加熱温度は、水添加後の表面架橋剤水溶液の温度より高温に加熱することが好ましく、具体的には、固体のアルキレンカーボネート化合物の場合は、多価アルコール、特に固体の多価アルコールも加熱溶融するのが好ましく、その温度は、30〜100℃が好ましく、35〜70℃がより好ましく、40〜65℃が更に好ましい。
前記有機表面架橋剤の具体例として、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、グリセリン、2―ブテンー1,4-ジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジ又はトリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、グリシドール等のエポキシ化合物;2−オキサゾリドン、N−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリドン、1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール等のオキセタン化合物等が挙げられる。
(溶媒及び濃度)
前記有機表面架橋剤の添加量は、その総量が、添加前の前記吸水性樹脂100質量部に対して、0.001〜15質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがさらに好ましい。
また、前記有機表面架橋剤として、多価アルコール化合物と多価アルコール以外の化合物から選ばれる2種類を用いる場合には、添加前の前記吸水性樹脂100質量部に対して、多価アルコール化合物の総量が0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがさらに好ましく、また、多価アルコール以外の化合物の総量が0.001〜10質量部であることが好ましく、0.01〜5質量部であることがさらに好ましい。
前記有機表面架橋剤は、水溶液として添加されるのが好ましい。該水溶液に用いられる水の量は、添加処理前の前記吸水性樹脂100質量部に対する総量で、0.5〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。尚、表面架橋剤の結晶水や水和水等も該水の量に含まれる。
更に、前記有機表面架橋剤水溶液に、親水性有機溶媒を添加してもよく、該親水性有機溶媒の量は、添加処理前の吸水性樹脂100質量部に対して、0質量部を超え10質量部以下が好ましく、0質量部を超え5質量部以下がより好ましい。該親水性有機溶媒としては、炭素数1〜炭素数4、さらには炭素数2〜炭素数3の一級アルコール、その他、アセトン等の炭素数4以下の低級ケトン等が挙げられ、特に沸点が150℃未満、より好ましくは100℃未満の揮発性アルコール類は表面架橋処理時に揮発してしまうので残存物が残らず、より好ましい。
具体的には、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシ(ポリ)エチレングリコール等のエーテル類;ε−カプロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ポリオキシプロピレン、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体等の多価アルコール類等が挙げられる。
また、更に、吸水性樹脂粉末への表面架橋剤溶液の混合に際し、界面活性剤を、本発明の効果を妨げない範囲内で、添加処理前の吸水性樹脂100質量部に対して、0質量部を超え10質量部以下、好ましくは0質量部を超え5質量部以下、より好ましくは0質量部を超え1質量部以下を共存させることもできる。この際、用いられる界面活性剤等については、米国特許第7473739号等に開示されている。
前記表面架橋剤水溶液中の表面架橋剤濃度は適宜決定されるが、物性面から1〜80質量%、さらには5〜60質量%、10〜40質量%、15〜30質量%の水溶液とされる。なお、残余として、前記親水性有機溶媒やその他の成分を含んでいる。
前記有機表面架橋剤水溶液の温度は用いる前記有機表面架橋剤の溶解度や該水溶液の粘度等から適宜決定されるが、−10〜100℃が好ましく、5〜70℃がより好ましく、10〜65℃が更に好ましく、25〜50℃の範囲であると特に好ましい。温度が高いと、吸水性樹脂粉末と混合又は反応する前に、環状化合物が加水分解(例えば、エチレンカーボネートからエチレングリコールへの分解、オキサゾリジノンからエタノールアミンへの分解)したり、水や親水性有機溶媒が揮発するなどして混合性が低下したりすることがあるので好ましくない。また、温度が低すぎると、該表面架橋剤溶液が凝固したり、表面架橋剤が析出したりする恐れがあるため好ましくない。
(表面架橋剤溶液への酸又は塩基の併用)
前記表面架橋剤溶液は、表面架橋剤の反応や均一な混合を促進するため、前記有機表面架橋剤、前記親水性有機溶媒及び前記界面活性剤以外に、酸又は塩基を含んでいてもよい。
前記酸又は塩基としては、有機酸又はその塩、無機酸又はその塩、無機塩基が使用され、添加処理前の前記吸水性樹脂100質量部に対して0〜10質量部、より好ましくは0.001〜5質量部、更に好ましくは0.01〜3質量部で適宜使用される。該有機酸としては、炭素数が1〜6、より好ましくは2〜4の水溶性有機酸、水溶性飽和有機酸、特にヒドロキシル基含有の飽和有機酸である。
その他としては、非架橋性の水溶性無機塩基類(好ましくは、アルカリ金属塩,アンモニウム塩,アルカリ金属水酸化物、及び、アンモニアあるいはその水酸化物)や、非還元性アルカリ金属塩pH緩衝剤(好ましくは炭酸水素塩、リン酸二水素塩、リン酸水素塩等)などが挙げられる。
(有機表面架橋剤溶液の添加方法)
添加処理により、前記有機表面架橋剤は吸水性樹脂粉末に添加される。該添加処理の方法は特に限定されず、例えば、吸水性樹脂を親水性有機溶剤に浸漬し、添加架橋剤を吸着させる方法、吸水性樹脂に直接、添加架橋剤溶液を噴霧若しくは滴下して混合する方法等が例示でき、所定量を均一に添加する観点から、後者が好ましい。更に、均一に添加するために、吸水性樹脂を攪拌しながら添加処理を行うのが好ましく、更に前記有機表面架橋剤溶液を噴霧するのが好ましい。
添加処理において、組成の異なる2種類以上の前記添加架橋剤を例えば異なる噴霧ノズルを用いて同時に添加しても良いが、均一性などの点から単一組成の方が好ましい。また、単一組成であるならば、添加処理装置の大きさや処理量及び噴霧ノズルの噴霧角等を勘案して、複数の噴霧ノズルを使っても良い。
前記添加処理に用いられる装置(以下、混合装置と称することがある)としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉、ロータリーディスク混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機、タービュラーザー、プロシェアミキサー等が好適である。さらに、商業生産等の大規模生産においては、連続混合できる装置が好ましい。また、各々の添加処理は、同じ装置を用いても良く、異なる装置を用いても良い。
本工程に供される吸水性樹脂粉末は、加熱・保温されていることが好ましく、該温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは35〜80℃、更に好ましくは40〜70℃の範囲である。温度が低い場合、表面架橋剤の析出や吸水性樹脂の吸湿などにより、表面処理が不十分或いは不均一になる等好ましくない。また過度に温度が高い場合、特に水の沸点を超える場合、表面架橋剤水溶液から水が蒸発する等により、表面架橋剤の析出などが起こる恐れがある。
(2−8)表面架橋工程
本工程は、吸水性樹脂粉末の加圧下吸収倍率や通液性を向上させるために、吸水性樹脂粉末の表面又は表面近傍を架橋処理するために加熱処理を行う工程である。前記表面架橋剤添加工程と同時に実施する、又は前記表面架橋剤添加工程の後に実施することができ、前記表面架橋剤添加工程の後に実施するのが好ましい。また本工程の実施は一回でもよく、同じ条件又は別の条件で複数回行ってもよい。
(加熱装置)
本発明で用いられる加熱装置としては、公知の乾燥機又は加熱炉に所定の雰囲気とするための気体排出機構及び/又は気体供給機構を具備せしめた連続式又は回文式(バッチ式)加熱装置、好ましくは連続式加熱装置が好適である。
該加熱装置の加熱方式としては、伝導伝熱型、輻射伝熱型、熱風伝熱型、誘電加熱型が好適である。より好ましくは、伝導伝熱及び/又は熱風伝熱型の加熱方式であり、さらに好ましくは伝導伝熱型の方式である。
該加熱装置のいわゆる制御温度は、吸水性樹脂を後述する温度に加熱することが出来ればよく、該工程の最初から最後まで一定である必要はない。ただし、部分的な過加熱などを防ぐため、50〜300℃であると好ましい。得られる吸水剤の物性として、耐ダメージ性を重視する場合には、250℃以下がより好ましく、70〜200℃が更に好ましく、90〜180℃が特に好ましい。一方、吸水性能を重視する場合には、120〜280℃であるとより好ましく、150〜250℃であると更に好ましく、170〜230℃であると特に好ましい。
(2−9)無機酸化物微粒子水分散液添加工程
本発明では、無機酸化物微粒子水分散液添加工程は、前記表面架橋工程後に行われる。また、該工程を複数回行ってもよい。該工程を前記表面架橋工程の前及び/又は同時に行うことは、吸水剤の加圧下吸水性能の観点から好ましくない。
(無機酸化物微粒子)
本発明における無機酸化物微粒子は、一次粒子径が数nm〜数百nmの無機酸化物である。該一次粒子径は、1〜300nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、1〜80nmが更に好ましく、5〜60nmがより更に好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、該無機酸化物としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アンチモン等が好ましく、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムがより好ましく、二酸化ケイ素が更に好ましく、コロイダルシリカ及び/又はフュームドシリカが特に好ましい。
(コロイダルシリカ)
本発明に使用されるコロイダルシリカは、非孔質単分散球状二酸化ケイ素粒子が水中に分散したコロイド溶液のことである。
上記コロイダルシリカに含まれるシリカ粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは1〜100nmであり、より好ましくは1〜80nmであり、さらに好ましくは5〜60nmであり、特に好ましくは5〜50nmである。上記コロイダルシリカに含まれる二酸化ケイ素粒子の平均粒子径が上記の範囲であれば、上記コロイダルシリカ添加後における吸水剤の粒子間接着を抑制できるため、吸水剤の吸湿流動性が向上する。
尚、上記コロイダルシリカに含まれる二酸化ケイ素粒子の平均粒子径の測定は従来公知の方法で行えばよく、例えば、透過型電子顕微鏡での5万倍の画像から100個以上の粒子について個々の粒子の最長径と最短経との平均から粒子径を実測してその平均値を求める方法や、動的光散乱やレーザー回折法を用いた散乱式粒度分布測定装置を用いる方法が挙げられる。また、市販のコロイダルシリカを使用する場合には、そのカタログ値で代用できる。
上記コロイダルシリカのpHは、吸水剤の吸湿流動性が向上の観点から、好ましくは2〜11である。より好ましくは2.5〜10であり、さらに好ましくは3〜9であり、特に好ましくは3〜7である。
上記コロイダルシリカに含まれる二酸化ケイ素粒子の比表面積は、特に限定されないが、吸水剤の加圧下吸収性能の向上の観点から、好ましくは50〜400m2/gであり、より好ましくは75〜350m2/gであり、さらに好ましくは100〜300m2/gである。
前記コロイダルシリカは、アニオン性コロイダルシリカ、カチオン性コロイダルシリカをあげることができる。アニオン性コロイダルシリカは、ゼータ電位が負の値であり、通常は−60mV以下、好適には−5〜−55mVの範囲にある。カチオン性コロイダルシリカは、ゼータ電位が正の値であり、通常は+60mV以下、好適には+5〜+55mVの範囲にある。本発明に用いるコロイダルシリカはカチオン性コロイダルシリカが好ましい。
前記カチオン性コロイダルシリカのカチオン化の方法においては、特に限定はない。アルミニウムイオン等の多価金属イオンの化合物を反応させて、コロイダルシリカの表面をアルミニウムイオンで被覆する方法が一般的であるが、アンモニウム基を持つシランカップリング剤をコロイダルシリカの表面に付加して、カチオン性コロイダルシリカに変性してもよい。
前記カチオン性コロイダルシリカとしては、二酸化ケイ素粒子表面をアルミニウムイオンで被覆されたカチオン性コロイダルシリカであることが好ましい。このような、カチオン性コロイダルシリカの製法は、特に限定はされないが、特開平2−172812号公報に記載されている方法等が挙げられる。
前記コロイダルシリカは、市販品が容易に入手でき、以下の商品等が好ましく例示できる。
・日産化学工業株式会社製
スノーテックスST−XS、スノーテックスST−OXS、スノーテックスST−NXS、スノーテックスST−CXS、スノーテックスST−S、スノーテックスST−OS、スノーテックスST−NS、スノーテックスST−30、スノーテックスST−O、スノーテックスST−N、スノーテックスST−C、スノーテックスST−AK、スノーテックスST−50、スノーテックスST−O−40、スノーテックスST−N−40、スノーテックスST−CM、スノーテックスST−20L、スノーテックスST−OL、スノーテックスST−AK−L、スノーテックスST−XL、スノーテックスST−YL、スノーテックスST−OYL、スノーテックスST−AK−YL、スノーテックスST−ZL、スノーテックスMP−1040、スノーテックスMP−2040、スノーテックスMP−3040、スノーテックスMP−4540M
・AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製
Klebosol 20H12、Klebosol 30CAL25、Klebosol 30CAL50、Klebosol 30HB25K、Klebosol 30HB50K、Klebosol 30L12、Klebosol 30N12、Klebosol 30B9、Klebosol 30B12、Klebosol 30B25、Klebosol 30B50
(フュームドシリカ)
フュームドシリカは、市販品をそのまま使用することができ、以下の商品等が好ましく例示できる。
・日本アエロジル株式会社製
Aerosil50、Aerosil130、Aerosil200、Aerosil200V、Aerosil200CF、Aerosil300、Aerosil300CF、Aerosil380
(その他の無機酸化物微粒子)
前記二酸化ケイ素以外の無機酸化物微粒子としては、アルミナゾル(日産化学工業株式会社製:アルミナゾル(AS100、AS200、AS500、AS520)、多木化学株式会社製:中性・高分散アルミナゾル(Al−L7シリーズ)、ニオブ酸ゾル(バイラールNb−Gシリーズ)、酸化鉄ゾル(バイラールFe−C10、Fe−C20)、酸化ニオブゾル(バイラールNb−X10)、酸化ネオジムゾル(バイラールNb−C10)、酸化ランタンゾル(バイラールLa−C10)、酸化ジルコニウムゾル(バイラールZr−C20)、等が挙げられる。
(非高分子水溶性飽和脂肪族化合物)
本発明では、前記無機酸化物微粒子とと非高分子水溶性飽和脂肪族化合物とを含む水分散液を、吸水性樹脂に添加し混合する。
上記の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物としては、例えば、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ポリプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコール化合物;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物、アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。非高分子水溶性有機化合物の使用量は、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましく、0.5〜5重量部、1〜5重量部、さらには1〜2重量部、1〜2重量部の範囲が好ましい。
前記非高分子水溶性飽和脂肪族化合物は、溶解度パラメーターδ[(MPa)1/2]が20以上のものが好ましい。具体的には、アミノアルコール化合物、多価アルコール化合物及び低級アルコール化合物からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、アミノアルコール化合物及び/又は多価アルコール化合物から選ばれる1種以上がより好ましく、多価アルコール化合物から選ばれる1種以上であることが更に好ましい。多価アルコールとして、エチレングリコール(29.9)、ジエチレングリコール(24.8)、トリエチレングリコール(21.9)、テトラエチレングリコール(20.3)、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール(25.8)等の2価アルコール、グリセリン(33.8)、トリメチロールプロパン等の3価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の4価以上のアルコール、グルコース等のアルドース、ショ糖等の糖骨格を有する化合物等が挙げられる。低級アルコールとしては、ブチルアルコール(23.3)が挙げられる。これらは1種又はそれ以上併用してもよい。尚、括弧内は溶解度パラメーターのδ値を示す。
非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の沸点は、100℃以上が好ましく、より好ましくは150℃以上である。100℃未満の揮発性化合物は粒子状吸水剤及び/又は衛生材料の製造中に揮発してしまうため、好ましくない。
前記非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の分子量は、好ましくは1800以下であり、更に好ましくは1000以下、特に好ましくは500以下、最も好ましくは300以下である。
(混合方法)
前記吸水性樹脂と前記無機酸化物水分散液と混合する装置としては、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機、レディゲミキサーなどを挙げることができる。混合方法としては、バッチ式、連続式、その併用のいずれも採用できる。工業的生産の観点から連続混合がより好ましい。
混合条件は、吸水性樹脂粒子がダメージを受けない程度が好ましい。例えば、前記混合する装置の攪拌部の回転数として1〜3000rpmの範囲が好ましく、より好ましくは2〜500rpm、さらに好ましくは5〜300rpmである。3000rpmを超えると吸水性樹脂粒子の粉化が生じ、吸水特性が低下する点で好ましくない。また1rpmを下回ると混合性が十分でなく、目的とする吸湿流動性の向上効果が得られない。
また、前記無機酸化物水分散液を添加する前の吸水性樹脂の温度は、室温〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
本発明において吸水性樹脂と前記無機酸化物水分散液とを混合する際の混合時間は、好ましくは1秒〜20分、より好ましくは10秒〜10分、さらに好ましくは20秒〜5分である。混合時間が20分を越えてもそれに見合うだけの効果が得られず、逆に吸水性樹脂の粉化を引き起こすおそれがある。
よって、本発明の吸水剤を得るための混合条件としては、吸水性樹脂の温度が50〜100℃、攪拌部の回転数は5〜300rpm、混合時間は20秒〜5分であることが最も好ましい。本条件下で得られた混合後の吸水剤は取扱い性に優れ、付着や凝集などの問題を引き起こさないので、更なる乾燥工程を設けなくてもよい。適度な乾燥により、所定量(例えば上記添加量の水)の水を吸水剤に残すことで、帯電も押さえ、かつ耐衝撃性(耐磨耗性)に優れた吸水剤とすることができる。
尚、前記無機酸化物水分散液を混合後の吸水性樹脂は必要により加熱したり乾燥したりしてもよい。加熱することで、吸水性樹脂への水の浸透が促進されて、表面が乾燥して迅速に粒子状となりうる。加熱温度は30〜250℃、さらには50〜150℃、特に60〜100℃であり、時間も適宜1秒〜3時間、さらには1分〜1時間で決定される。必要により加熱されることで、粒子状となった吸水剤はそのまま使用してもよく、さらに必要により解砕、分級や造粒してもよい。
前記無機酸化物水分散液中に含まれる前記非高分子水溶性有機化合物の割合は、吸湿流動性の向上の観点から、15〜80重量%が好ましく、15〜60重量%がより好ましく、15〜50重量%がさらに好ましく、20〜40重量%が特に好ましい。
(2−10)その他の添加剤添加工程
本工程は表面架橋吸水性樹脂に種々の機能を付与するために、その他の添加剤を添加する工程であり、一つ又は複数の工程から構成される。該添加剤としては、無機微粒子、カチオン性高分子化合物、水溶性多価金属カチオン含有化合物、界面活性剤、着色防止剤、耐尿性向上剤、消臭剤、香料、抗菌剤、発泡剤、顔料、染料、肥料、酸化剤、還元剤、等の添加物を含有し、機能を付与あるいは高めたものであってもよい。
前記添加剤の量は、特に断りがない限り、表面架橋吸水性樹脂粒子10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満である。また、これらの添加剤は、前記表面架橋剤添加工程と同時に、あるいは別工程で行ってもよい。
(カチオン性高分子化合物)
該カチオン性高分子化合物は、特に限定されるものではないが、米国特許5382610号、同7098284号、WO2009/110645号、WO2009/041731号、WO2009/041727号に例示のカチオン性高分子化合物が好適に使用できる。中でも、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ジメチルアミン/アンモニア/エピクロロヒドリンの縮合物が好ましい。
前記カチオン性高分子化合物の分子量は、質量平均分子量1000〜500万が好ましく、2000〜100万がより好ましく、1万〜50万がさらに好ましい。
前記カチオン性高分子化合物は、水溶性であることが好ましい。ここで、水溶性とは、25℃の水100gに対して1g以上溶解することをいう。
これらは吸水性樹脂に直接混合してもよいし、溶液、特に水溶液で混合してもよく、表面架橋剤やその水溶液に溶解させて混合してもよい。
(水溶性多価金属カチオン含有化合物)
前記水溶性多価金属カチオン含有化合物とは、2価以上好ましく3価以上の、金属カチオンを含有する化合物を指す。該3価以上の金属カチオンとしては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウムが例示され、アルミニウムが好ましい。該多価金属カチオン含有化合物としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウムカリウム、炭酸ジルコニウムカリウム、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウムなどの多価金属の無機塩、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、チタントリエタノールアミネート、チタンラクテートなどの多価金属の有機塩等の多価金属化合物等が挙げられる。中でも、多価金属カチオンとしてアルミニウムを含有する化合物であることが好ましい。
これらは吸水性樹脂に粉体として直接混合してもよいし、溶液、特に水溶液で混合してもよく、表面架橋剤やその水溶液に溶解させて混合してもよい。
前記水溶性多価金属カチオン含有化合物の添加量は、添加される吸水性樹脂100質量部に対して多価金属カチオン量に換算で0.001〜5質量部であることが好ましく、0.01〜2質量部であることがより好ましく、0.01〜1質量部であることがさらに好ましい。
また、複数回添加してもよく、その場合、例えば2回添加する場合、その比率としては1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10の範囲に規定される。これらの範囲を超えると、極めて1回での添加と同じ状況に近くなり複数回添加の効果が乏しくなるため好ましくない。
前記水溶性多価金属カチオン含有化合物を水溶液として添加する場合には、水以外に親水性有機溶媒(アルコールないしポリグリコール)や界面活性剤を併用して分散性や溶解性や混合性を向上させてもよい。使用する水の量は添加剤の種類や添加方法で適宜決定されるが、例えば、吸水性樹脂100質量部に対して0質量部(乾式混合)〜50質量部、さらには0.1〜10質量部、0.5〜5質量部である。
(界面活性剤)
さらに、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末は、界面活性剤を含んでいてもよく、本発明の製造方法がいずれかの工程で界面活性剤を混合する工程を含むことが好ましい。
本発明の吸水性樹脂粉末の表面を界面活性剤で被覆することで、高吸水速度及び高通液性の吸水性樹脂粉末が得られる。尚、界面活性剤としては特に限定されないが、国際公開第97/017397号や米国特許第6107358号に開示された界面活性剤、即ち、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤はアクリル酸(塩)系単量体や吸水性樹脂粉末との重合性又は反応性を有するものであってもよい。具体的な化合物は、上記特許文献45,46の(2−1)に記載した化合物が適用される。
使用する界面活性剤の種類や使用量は適宜決定されるが、好ましくは上記表面張力の範囲で使用され、吸水性樹脂に対して0〜0.5質量部、さらには0.00001〜0.1質量部、0.001〜0.05質量部の範囲で使用される。これらの界面活性剤の中でも、効果の観点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤を用いることが好ましく、ノニオン性界面活性剤又はシリコーン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
(着色防止剤及び耐尿性向上剤)
本発明においては、着色防止や劣化防止(その他残存モノマー低減など)を目的として、キレート剤(特に有機リン系キレート剤、アミノカルボン酸系キレート剤)、α−ヒドロキシカルボン酸(特に乳酸(塩))、無機又は有機還元剤(特に硫黄系無機還元剤)から選ばれる着色防止剤又は耐尿性向上剤を更に含むことが好ましい。尚、表面積の大きい吸水性樹脂粉末は一般的に着色や劣化し易い傾向にある。
上記キレート剤としては、米国特許第6599989号、同第6469080号、欧州特許第2163302号等に開示されたキレート剤、特に非高分子キレート剤、更には有機リン系キレート剤、アミノカルボン酸系キレート剤が挙げられる。上記α−ヒドロキシカルボン酸としては、米国特許出願公開第2009/0312183号等に開示されたリンゴ酸(塩)、琥珀酸(塩)、乳酸(塩)が挙げられる。上記無機又は有機還元剤としては、米国特許出願公開第2010/0062252号等に開示された硫黄系還元剤、特に亜硫酸塩又は亜硫酸水素塩等が挙げられる。
前記着色防止剤又は耐尿性向上剤の使用量は、吸水性樹脂粉末100質量部に対して0〜3質量部が好ましく、0.001〜1質量部がより好ましく、0.05〜0.5質量部が特に好ましい。
前記着色防止剤又は耐尿性(耐候性)向上剤は、単量体、含水ゲル、乾燥重合体、吸水性樹脂粉末等に添加することが出来るが、重合工程以降に添加するのが好ましい。特に、前記無機又は有機還元剤は重合工程で消費されるため、重合工程後、更には乾燥工程後に、特に表面架橋工程後に添加することが好ましい。
その他、国際公開2009/093708号パンフレット記載の水溶性ポリシロキサンや、国際公開2008/108343号パンフレット記載の1〜3級アミン化合物なども添加剤として好ましく使用することが出来る。
〔3〕吸水剤ないしポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粉末の物性
(3−1)AAP(加圧下吸収倍率)
本発明の吸水剤は所定のAAPを有することが好ましい。上記重合後の表面架橋を達成手段の一例として、2.06kPaの加圧下での0.9質量%の塩化ナトリウム水溶液に対する吸収倍率(AAP)は20(g/g)以上を示し、25(g/g)以上を示す物が好ましく、30(g/g)以上を示す物がより好ましい。なお、AAPも高いほど好ましいが、他の物性(例えばCRC)とのバランスから、好ましくは、上限40(g/g)以下、さらに35(g/g)以下、33(g/g)以下とされる。なお、AAPは表面架橋、CRCで制御できる。
(3−2)CRC(無加圧下吸収倍率)
本発明の吸水剤の無加圧下吸収倍率(CRC)は25(g/g)以上を示し、30(g/g)以上を示す物が好ましく、33(g/g)以上を示す物がより好ましい。無加圧下吸収倍率が低いとおむつ等の衛生材料に使用する場合の効率が悪くなる。なお、CRCは高いほど好ましいが、他の物性(例えばAAP)とのバランスから、好ましくは、上限60(g/g)以下、さらには50(g/g)以下、45(g/g)以下とされる。CRCは重合時ないし表面架橋での架橋密度で制御できる。
(3−3)固形分
吸水剤の固形分は、実施例に記載の方法により算出される値であり、85〜99質量%であることが好ましく、88〜98質量%であることがより好ましく、90〜95質量%であることが更に好ましい。固形分が85重量%未満の場合、無加圧下吸収倍率や加圧下吸収倍率が低下するため好ましくなく、98重量%より高い場合、搬送などによる機械的ダメージによる加圧下吸収倍率の低下が大きいため好ましくない。
(3−4)吸湿ブロッキング率
吸湿ブロッキング率は、実施例記載の方法により算出され、低いほど好ましく、30質量%以下が好ましく、28質量%以下がより好ましく、26質量%以下が更に好ましい。下限値は算出原理上、0質量%以上となる。吸湿ブロッキング率を低く制御することで、いかなる作業環境やユーザー先の使用条件(例えばおむつ製造工程の運転条件)でも安定的に吸水剤を使用できる。
(3−5)Extr.
本発明で得られる吸水性樹脂や吸水剤のExtr.(水可溶分)は、5〜20質量%が好ましく、5〜18質量%がより好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。上記Extr.が20質量%を超える場合、得られる吸水性樹脂あるいは吸水剤のゲル強度が弱く、液透過性に劣ったものとなるおそれがある。また、吸水性樹脂をおむつなどの吸水体に使用すると、吸水体に圧力が加わった際の液の戻り(リウェット)が少ない吸水性樹脂を得ることができないおそれがあるため、好ましくない。
なお、Extr.は、上述した内部架橋剤等で適宜制御することができる。しかし、5質量%未満の吸水性樹脂あるいは吸水剤を得るためには、多量の内部架橋剤を使用する必要があり、コストアップや(検出限界を超える)残存架橋剤の発生に加え、CRCを著しく低下させるため、好ましくない。
(3−6)粒度
本発明で用いられる、吸水性樹脂や得られる吸水剤の粒径や粒度分布に特に制限は無いが、最後の表面後架橋剤を添加・混合した後に整粒し、下記範囲(篩分級で規定)とすることが好ましい。
粒度の上限は1mm未満の粒子であり、さらに下記粒径として吸水性樹脂や吸水剤を得ることが好ましい。1mm以上の粒子、特に850μm以上の粒子を多く含むと、該粗大粒子が特に薄型の衛生材料・吸収性物品に用いる際に、装着者への不快感をもたらすばかりでなく、吸収性物品を構成する水不透過性材料、いわゆるバックシートを擦過傷により破損し、実使用において、尿などの漏洩を招く恐れがあるため好ましくない。よって、850μm以上の粒子は少ない方が好ましく、0〜5質量であることが好ましく、0〜3質量%がより好ましく、0〜1質量%が更に好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
一方、微粒子側は、粒子径150μm未満の粒子の割合は0〜3質量%であることが好ましく、0〜2質量%であることがより好ましく、0〜1.5質量%であることがさらに好ましい。吸水性樹脂や吸水剤の微粒子が多いと、粉塵増加や吸湿流動性の低下、AAPや通液性などの物性低下を招く傾向になる。
更に、上記の範囲を維持しながら、吸水性樹脂や吸水剤の前記粒径分布は150μm〜850μmの範囲内に、95質量%以上含まれるのが好ましく、98質量%以上含まれるのがより好ましく、99質量%以上含まれるのが更に好ましく、実質的に全量が該範囲内に含まれるのが最も好ましい。
また、本発明で上記工程を経て吸水性樹脂や最終製品として得られる吸水剤は、標準篩分級で規定される質量平均粒子径が600μm以下であることが好ましく、性能を向上させるために550〜200μmの範囲であることがより好ましく、500〜250μmの範囲であることがさらに好ましく、450〜300μmの範囲であることが最も好ましい。また、粒径が300μm未満の粒子の比率が10質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%の範囲であることがより好ましく、10〜30質量%の範囲であることがさらに好ましい。
これらの範囲を逸脱した場合には、所望の吸収倍率を維持した上で優れた通液性を有するバランスの良い吸水性樹脂を得ることができないことがある。特に、粒子径150μm未満の粒子は、通液性を低下させるだけでなく、吸水性樹脂を原料として用いる吸収性物品の製造作業環境において、発塵などによる悪影響を及ぼす恐れがあるため、できるだけ少ない方が好ましい。
粒度は粉砕や分級(表面架橋工程前及び/又は表面架橋工程後)、あるいは造粒や前記微粉回収工程等を施すことで適宜制御できる。
(3−7)形状
吸水剤及び吸水性樹脂の形状は特にシート状、繊維状、粉末状、ゲル状などにも適用できるが、上記粒度の粉末状、さらには不定形の粒子に適用できる。ここで、不定形とはゲル又は乾燥物を粉砕して得られた粒子形状である。なお、粒子は造粒物でもよく、一次粒子でもよい。
〔4〕粒子状吸水剤の用途等
本発明の吸水性樹脂は紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、医療用パッド等の衛生材料に使用される。その場合(a)着用者の体に隣接して配置される液体透過性のトップシート、(b)着用者の身体から遠くに、着用者の衣類に隣接して配置される、液体に対して不透過性のバックシート、及びトップシートとバックシートの間に配置された吸水体を含んでなる構成で使用されることが好ましい。吸水体は二層以上であっても良いし、パルプ層などとともに用いても良い。
(3−8)非高分子水溶性飽和脂肪族化合物
本発明で得られる吸水性樹脂や吸水剤に含まれる非高分子水溶性有機化合物量は1〜5質量部が好ましく、1〜4質量部がより好ましく、1〜3質量部がさらに好ましい。非高分子水溶性有機化合物量が1質量部より少ない場合、吸水剤とパルプとの混合性が低下するため好ましくない。非高分子水溶性有機化合物の量が5質量部を超える場合、吸水性能の低下するため好ましくない。
非高分子水溶性飽和脂肪族化合物は、前記コロイダルシリカの混合に用いられる以外に、別途添加してもよく、表面架橋剤として用いられても良い。ただし、本願における吸水性樹脂に含まれる非高分子水溶性飽和脂肪族化合物は、下記(5−6)により定量可能な状態で吸水性樹脂中に含有されるものであり、通常、吸水性樹脂中のカルボキシル基とエステル結合等により化学的に固定化されていない。
〔5〕実施例
以下、実施例に従って発明を説明するが、本発明は実施例に限定され解釈させるものではない。また、本発明の特許請求の範囲や実施例に記載の諸物性は、以下の測定法(5−1)〜(5−9)に従って求めた。尚、特に断りのない限り、各実施例での各工程は実質常圧(大気圧の±5%、更に好ましくは1%以内)で行われ、同一工程では意図的な加圧又は減圧による圧力変化は加えずに実施した。
(5−1)粒度
本発明に係る吸水性樹脂粉末の粒度は、欧州特許1594556号に開示された測定方法に準じて行った。
即ち、目開き850μm、710μm、600μm、500μm、420μm、300μm、212μm、150μm、106μm、45μmを有するJIS標準篩(JIS Z8801−1(2000))又は相当する篩を用いて、粒子状吸水剤10gを分級し、各篩上に残った吸水性樹脂粉末及び全篩を通過した吸水性樹脂粉末の質量をそれぞれ測定した。
(5−2)CRC(無加圧下吸水倍率)
ERT441.2−0.2に従い、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水とも称する)に対する無加圧下で30分の吸水倍率(CRC)を求めた。
吸水性樹脂0.2g(質量W1[g]を秤量し、不職布製の袋(60×60mm)に均一に入れヒートシールした後、25±3℃に調温した0.9wt%塩化ナトリウム水溶液500mL中に浸漬した。30分経過後、袋を引上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製遠心機、形式;H−122)を用いて、250G、3分間の条件で水切りを行った。その後、袋の重量W2[g]を測定した。
同様の操作を、吸水性樹脂を入れずに行い、そのときの袋の重量W0[g]を測定した。次式(1)にしたがってCRC(無加圧下吸水倍率)を算出した。
(式1) CRC[g/g]=(W2−W0)/W1−1
(5−3)加圧下吸水倍率(AAP)
本発明に係る吸水性樹脂粉末の加圧下吸水倍率(AAP)の測定は、ERT442.2−02に準じて行った。
即ち、粒子状吸水剤0.9g(質量W3[g])を測定装置に投入し、測定装置一式の質量(W4[g])を測定した。次に、0.90質量%塩化ナトリウム水溶液を2.06kPaの加圧下で該粒子状吸水剤に吸収させた。1時間経過後、測定装置一式の質量(W5[g])を測定した。得られたW3[g]、W4[g]、W5[g]から次式2にしたがって、加圧下吸水倍率(AAP)を算出した。(装置は図2を参照。)
(式2) AAP[g/g]=(W5−W4)/W3
(5−4)固形分
吸水性樹脂粉末において、180℃で揮発しない成分が占める割合を表す。含水率との関係は、{固形分=100−含水率}となる。
固形分の測定方法は、以下のように行った。
底面の直径が約5cmのアルミカップ(質量W6[g])に、約1gの吸水性樹脂粉末を量り取り(質量W7[g])、180℃の無風乾燥機中において3時間静置し、乾燥させた。乾燥後のアルミカップと吸水性樹脂粉末との合計質量(W8[g])を測定し、次式2より固形分を求めた。
(式2) 固形分[質量%]={(W8−W6)/W7}×100
(5−5)吸湿ブロッキング率
吸水性樹脂粉末約2gを、直径52mmのアルミカップに均一に散布した後、温度25℃、相対湿度90±5%RHに調整した恒温恒湿器(エスペック株式会社製;MODEL: SH−641)に1時間静置した。
その後、上記アルミカップ中の吸水性樹脂粉末を目開き2000μm(8.6メッシュ)のJIS標準篩(The IIDA TESTING SIEVE/内径80mm)上に静かに移し、ロータップ型篩振とう機(株式会社飯田製作所製;ES−65型篩振とう機/回転数230rpm、衝撃数130rpm)を用いて、温度20〜25℃、相対湿度50%RHの条件下で5秒間分級した。
次いで、上記JIS標準篩上に残存した吸水性樹脂粉末(質量W9[g])及びJIS標準篩を通過した吸水性樹脂粉末(質量W10[g])の質量を測定し、下式3に従って吸湿流動性(吸湿ブロッキング率)を算出した。吸湿ブロッキング率はその値が低い程、吸湿流動性に優れている。
(式3) 吸湿ブロッキング率[質量%]={W9/(W9+W10)}×100
(5−6)非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の同定及び含有量
吸水剤に含まれる非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の同定及び含有量は、吸水剤から抽出し、抽出物を高速液体クロマトグラフィーで分析することにより測定した。
吸水剤1.0gを0.9重量%の生理食塩水100g中に分散させ、1時間攪拌した後、膨潤ゲルを濾紙で濾過した。そして、得られた濾液を高速液体クロマトグラフィー(日立製作所製 日立高速液体クロマトグラフ Chromaster)により測定し、保持時間から吸水剤に含まれる非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の同定を行い、ピーク面積から吸水剤に含まれる非高分子水溶性有機化合物量を測定した。なお、吸水剤を用いず既知量の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を加えて同様の操作を行い、検量線作成した。この検量線を外部標準となし、ろ過液の希釈倍率を考慮して、吸水剤の非高分子水溶性有機化合物量(質量%)を求めた。
[製造例1]
断熱材である発泡スチロールで覆われた、内径80mm、容量1リットルのポリプロピレン製容器に、アクリル酸291g、内部架橋剤としてのポリエチレングリコールジアクリレート(分子量523)0.43g(カルボキシル基含有不飽和単量体に対し0.02モル%)、および1.0質量%ジエチレントリアミン5酢酸・5ナトリウム水溶液1.80g、IRGACURE(登録商標)184の1.0質量%アクリル酸溶液3.60gを混合した溶液(A)と、48.5質量%水酸化ナトリウム水溶液247gと50℃に調温したイオン交換水255gを混合した溶液(B)を作成した。長さ5cmのマグネチックスターラーを用い800r.p.m.で攪拌した溶液(A)に、溶液(B)をすばやく加え混合することで単量体水溶液(C)を得た。単量体水溶液(C)は、中和熱と溶解熱により、液温が約100℃まで上昇した。なお、アクリル酸の中和率は、73.5モル%であった。
次に、単量体水溶液(C)に3質量%の過硫酸ナトリウム水溶液1.8gを加え、約1秒間攪拌した後すぐに、内面にテフロン(登録商標)を貼付けたステンレス製バット型容器中に開放系で注いだ。また、ステンレス製バット型容器に単量体水溶液を注ぎ込むと同時に紫外線を照射した。
単量体水溶液がバットに注がれて間もなく重合が開始し、重合は約1分以内にピーク温度となった。3分後、紫外線の照射を停止し、含水重合物を取り出した。なお、これら一連の操作は大気中に開放された系で行った。
得られた含水重合物を、ミートチョッパー(MEAT−CHOPPER TYPE:12VR−400KSOX 飯塚工業株式会社、ダイ孔径:6.4mm、孔数:38、ダイ厚み8mm)により粉砕し、細分化された粉砕含水重合物粒子)を得た。
この細分化された粉砕含水重合物粒子を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、180℃で熱風乾燥を行い、乾燥物をロールミルで粉砕し、さらに目開き850μmと目開き150μmのJIS標準篩で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂(固形分96質量%)である吸水性樹脂粉末(a)を得た。尚、吸水性樹脂粉末(a)のCRC(無加圧下吸水倍率)は47.3[g/g]であった。
次に、上記吸水性樹脂粉末(a)100質量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.015質量部、プロピレングリコール1.0質量部及び水3.0質量部からなる表面処理剤を均一に混合し、100℃で45分間加熱処理を行った。その後、目開きが850μmのJIS標準篩で整粒させることで、表面が架橋された吸水性樹脂粒子(a−1)を得た。
[比較例1]
製造例1記載の吸水性樹脂粒子(a−1)を比較吸水剤(1)として、諸物性を表2に示した。
[実施例1]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30B12、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)3.3質量部及びプロピレングリコール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(1)を得た。吸水剤(1)の物性を表2に示した。
[比較例2]
実施例1にコロイダルシリカを添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較吸水剤(2)を得た。比較吸水剤(2)の物性を表2に示した。
[実施例2]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30B25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(2)を得た。吸水剤(2)の物性を表2に示した。
[実施例3]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30B50、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(3)を得た。吸水剤(3)の物性を表2に示した。
[実施例4]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(4)を得た。吸水剤(4)の物性を表2に示した。
[実施例5]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL50、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(5)を得た。吸水剤(5)の物性を表2に示した。
[比較例3]
実施例1にプロピレングリコールを添加しないこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較吸水剤(3)を得た。比較吸水剤(3)の物性を表2に示した。
[比較例4]
実施例2にプロピレングリコールを添加しないこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、比較吸水剤(4)を得た。比較吸水剤(4)の物性を表2に示した。
[比較例5]
実施例3にプロピレングリコールを添加しないこと以外は、実施例3と同様の操作を行い、比較吸水剤(5)を得た。比較吸水剤(5)の物性を表2に示した。
[比較例6]
実施例4にプロピレングリコールを添加しないこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、比較吸水剤(6)を得た。比較吸水剤(6)の物性を表2に示した。
[比較例7]
実施例5にプロピレングリコールを添加しないこと以外は、実施例5と同様の操作を行い、比較吸水剤(7)を得た。比較吸水剤(7)の物性を表2に示した。
[実施例6]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、プロピレングリコール量を0.5質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(6)を得た。吸水剤(6)の物性を表2に示した。
[実施例7]
実施例1のコロイダルシリカをコロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水剤(7)を得た。吸水剤(7)の物性を表2に示した。
[実施例8]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及びプロピレングリコール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(8)を得た。吸水剤(8)の物性を表2に示した。
[実施例9]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及び1,3−プロパンジオール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(9)を得た。吸水剤(9)の物性を表2に示した。
[実施例10]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及び1,4−ブタンジオール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(10)を得た。吸水剤(10)の物性を表2に示した。
[実施例11]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及び1,5−ペンタンジオール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(11)を得た。吸水剤(11)の物性を表2に示した。
[実施例12]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及び1,6−ヘキサンジオール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(12)を得た。吸水剤(12)の物性を表2に示した。
[実施例13]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)1.0質量部、水3.0質量部及び3−メチル−1,3−ブタンジオール1.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(13)を得た。吸水剤(13)の物性を表2に示した。
[実施例14]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、粉末シリカ(製品名アエロジル200CF、日本アエロジル株式会社製)0.3質量部、水3.7質量部及びプロピレングリコール2.0質量部からなる混合液を撹拌下均一に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、吸水剤(14)を得た。吸水剤(14)の物性を表2に示した。
[比較例8]
実施例8のプロピレングリコール量を0.5質量部に変更した以外は、実施例8と同様の操作を行い、比較吸水剤(8)を得た。比較吸水剤(8)の物性を表2に示した。
[比較例9]
実施例8のプロピレングリコールをエチレングリコールに変更した以外は、実施例8と同様の操作を行い、比較吸水剤(9)を得た。比較吸水剤(9)の物性を表2に示した。
[比較例10]
製造例1で得られる吸水性樹脂粉末(a)100質量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.015質量部、プロピレングリコール1.0質量部、水0.7質量部及コロイダルシリカ(製品名Klebsol 30CAL25、AZエレクトロマテリアルズ株式会社製)3.3質量部からなる表面処理剤を均一に混合し、100℃で45分間加熱処理を行った。その後、目開きが850μmのJIS標準篩で整粒させることで、比較吸水剤(10)を得た。比較吸水剤(10)の物性を表2に示した。
[比較例11]
製造例1で得た吸水性樹脂粒子(a−1)100質量部に対して、粉末シリカ(製品名アエロジル200CF、日本アエロジル株式会社製)0.3質量部、及び水3.7質量部からなる混合液を撹拌下に添加し、混合後、60℃で1時間乾燥させた。得られた乾燥物を目開き850μmのJIS標準篩を通過するまで解砕した。こうして、比較吸水剤(12)を得た。比較吸水剤(11)の物性を表2に示した。
Figure 2015016450
Figure 2015016450

Claims (17)

  1. 吸水性樹脂を主成分とし、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂粒子及び無機酸化物微粒子を含むAAP1.9kPaが20g/g以上の粒子状吸水剤であって、25℃、相対湿度90%の状態で1時間放置した時のブロッキング率が20%以下であり、かつ吸水性樹脂100重量部に対して沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を1.0〜5.0重量部含む粒子状吸水剤。
  2. 前記非高分子水溶性飽和脂肪族化合物として少なくとも多価アルコール化合物を含む請求項1に記載の吸水剤。
  3. 前記多価アルコールがC3〜C6ジオールである、請求項2に記載の吸水剤。
  4. 前記無機酸化物微粒子の含有量が吸水性樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部の範囲である請求項1又は2に記載の吸水剤。
  5. 吸水剤の含水率(180℃で3時間の乾燥減量で規定)が5〜20重量である、請求項1〜4のいずれかに記載の吸水剤
  6. さらに、多価金属イオンを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の吸水剤。
  7. さらに、金属キレート剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の吸水剤。
  8. AAP1.9kPaが20g/g以上にまで表面架橋処理された吸水性樹脂に無機酸化物微粒子の水分散液を混合する吸水剤の製造方法であって、該水分散液に沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物を15重量%以上含む吸水剤の製造方法。
  9. 前記沸点100℃以上の非高分子水溶性飽和脂肪族化合物の添加量が、吸水性樹脂100重量部に対して1.0〜5.0重量部である、請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記非高分子水溶性飽和脂肪族化合物として少なくとも多価アルコール化合物を含む請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 前記多価アルコールがC3〜C6ジオールである、請求項10に記載の吸水剤。
  12. 前記無機酸化物微粒子の含有量が吸水性樹脂100重量部に対して0.1〜3.0重量部である請求項8〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記無機酸化物微粒子が二酸化ケイ素である、請求項8〜12のいずれかに記載の製造方法。
  14. 前記無機酸化物微粒子がアルミニウムイオンを含有する二酸化ケイ素微粒子である請求項8〜12のいずれかに記載の製造方法。
  15. さらに、金属キレート剤添加工程を有する、請求項8〜14のいずれかに記載の製造方法。
  16. 請求項1〜7のいずれかに1項に記載の粒子状吸水剤を含む、衛生材料。
  17. 請求項1〜7のいずれかに1項に記載の粒子状吸水剤と親水性繊維材料混合する工程を含む、衛生材料の製造方法。
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