JP2015016447A - フッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム - Google Patents

フッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】大量の凝集剤を必要としないフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムを提供する。
【解決手段】フッ素含有排水処理方法では、フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成するフッ化カルシウム生成工程と、分離膜3cを有する循環経路23へ懸濁液を供給し、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜3cを透過した処理水とを得る濃縮循環工程と、処理水のフッ素濃度を検出するフッ素濃度検出工程と、濃縮液の一部を系外に排出する濃縮液排出工程と、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を検出する固形物濃度検出工程と、フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値になるように、濃縮液の排出量を調整する固形物濃度調整工程と、を備え、フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、第1基準値を増加させる調整を行う。
【選択図】図1

Description

フッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムに関するものである。
フッ素含有排水としては、例えば、半導体製造工場においてガラスエッチング工程で排出されるガラスエッチング排水、発電所においてカルシウム化合物を含有する吸収液で石炭燃焼排ガスを処理する排煙脱硫装置から排出される排煙脱硫排水、及びフッ素化学工場において排出される排水等が挙げられる。
従来、このようなフッ素含有排水を処理する技術として、下記特許文献1に記載の方法が知られている。この方法では、まず、フッ素含有排水にカルシウム化合物を添加し、フッ化カルシウム(CaF)としてフッ素を沈殿除去した後、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)といったアルミニウム系凝集剤、及び高分子凝集剤を順次添加し、フッ素を低濃度まで沈殿除去する。フッ化カルシウムは水への溶解度が高いため、カルシウム化合物を添加するだけではフッ素が多く溶存するが、この方法によれば、フッ素を低濃度まで除去することができる。
特開平10−5769号公報
しかしながら、この方法では、凝集剤が大量に必要となる。特に、フッ素含有排水のフッ素の濃度が高くなると凝集剤の添加量を著しく増加させなければならない。
そこで、本発明は、大量の凝集剤を必要としないフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムを提供することを目的とする。
本発明のフッ素含有排水処理方法は、フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成するフッ化カルシウム生成工程と、分離膜を有する循環経路へ懸濁液を供給し、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜を透過した処理水とを得る濃縮循環工程と、処理水のフッ素濃度を検出するフッ素濃度検出工程と、濃縮循環工程における濃縮液の一部を系外に排出する濃縮液排出工程と、濃縮循環工程においてフッ化カルシウム含有固形物の濃度を検出する固形物濃度検出工程と、固形物濃度検出工程におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値になるように、濃縮液排出工程における濃縮液の排出量を調整する固形物濃度調整工程と、を備え、フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、第1基準値を増加させる調整を行う。
本発明のフッ素含有排水処理システムは、フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成するフッ化カルシウム生成手段と、分離膜を有する循環経路へ懸濁液を供給し、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜を透過した処理水とを得る濃縮循環手段と、処理水のフッ素濃度を検出するフッ素濃度検出手段と、濃縮循環手段における濃縮液の一部を系外に排出する濃縮液排出手段と、濃縮循環手段においてフッ化カルシウム含有固形物の濃度を検出する固形物濃度検出手段と、固形物濃度検出手段におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値になるように、濃縮液排出手段における濃縮液の排出量を調整する固形物濃度調整手段と、を備え、フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、第1基準値を増加させる調整を行う。
これらのフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムによれば、フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成し、分離膜を有する循環経路へ懸濁液を供給することで、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液を得る。分離膜を透過した処理水のフッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を増加させる調整を行うので、処理水のフッ素濃度が第2基準値を大きく上回って増大することを避けることができる。
本発明のフッ素含有排水処理方法は、濃縮循環工程における濃縮液の一部をフッ化カルシウム生成工程に返送する濃縮液返送工程と、濃縮液返送工程において濃縮液の返送量を検出する濃縮液返送量検出工程と、濃縮液返送量検出工程における濃縮液の返送量が第3基準値になるように調整する濃縮液返送量調整工程と、をさらに備え、フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、第1基準値を増加させることなく、第3基準値を増加させる調整、又は、第1基準値を増加させ、かつ第3基準値を増加させる調整を行う。
本発明のフッ素含有排水処理システムは、濃縮循環手段における濃縮液の一部を前記フッ化カルシウム生成手段に返送する濃縮液返送手段と、濃縮液返送手段において濃縮液の返送量を検出する濃縮液返送量検出手段と、濃縮液返送量検出手段における濃縮液の返送量が第3基準値になるように調整する濃縮液返送量調整手段と、をさらに備え、フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、第1基準値を増加させることなく、第3基準値を増加させる調整、又は、第1基準値を増加させ、かつ第3基準値を増加させる調整を行う。
これらのフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムによれば、分離膜を透過した処理水のフッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を増加させる調整以外にも、濃縮液の返送量を増加させる調整を行うことができる。
本発明のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムは、フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値を上回った場合、濃縮液の排出量を増加させる調整を行うこととしてもよい。これらによれば、濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値を大きく上回ることがない。濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度を低くすることができるので、分離膜を有する循環系への負担を抑え、膜ろ過の安定性を保つことができる。
本発明のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムでは、分離膜は、孔径0.1〜0.8μmの内圧式の精密ろ過膜としてもよい。孔径が0.8μmより大きいと、微細なフッ化カルシウム含有固形物が透過して処理水に漏れるおそれがある。また、孔径が0.1μmより小さいと、分離膜のろ過水量が低下し、その結果、分離膜の必要膜面積が大きくなるため、設備の設置面積が大きくなり、かつ、設備費も高くなるおそれがある。
本発明のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムでは、濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度は、10000mg/L〜80000mg/Lであることとしてもよい。これらによれば、フッ化カルシウム含有固形物によるフッ素濃度低減効果を十分に発揮しつつ、分離膜のろ過水量を安定的に保つことができる。
本発明によれば、大量の凝集剤を必要としないフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るフッ素含有排水処理システムの構成図である。 定常状態における流量バランスの説明図である。 定常状態における固形物濃度の説明図である。 従来のフッ素含有排水処理システムの構成図である。 制御部を有するフッ素含有排水処理システムの構成図である。
以下、本発明に係るフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システムの一実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1に示すように、フッ素含有排水処理システム10は、反応槽(フッ化カルシウム生成手段)1、循環槽2、及び分離膜ユニット3を備えている。反応槽1は撹拌機4を有し、反応槽1には、原水であるフッ素含有排水がラインL1を通じて反応槽1に送られるようになっている。また、反応槽1で生成したフッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液がラインL2を通じて循環槽2に送られるようになっている。
循環槽2と分離膜ユニット3とはラインL3、L4、及びラインL4から分岐したラインL8で接続され、ラインL3の途中には循環ポンプ5が設けられている。循環槽2、ラインL3、循環ポンプ5、分離膜ユニット3、ラインL4、及びラインL8は、循環経路(濃縮循環手段)23を構成している。循環経路23へ反応槽1から送られた懸濁液を供給し、懸濁液を循環させることで、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜を透過した処理水とが得られる。分離膜ユニット3は、懸濁液を、分離膜3cを透過した液体と、フッ化カルシウム含有固形物を含む液体とに分離し、分離膜3cを透過した液体を、出口3aからラインL5を通じて処理水として系外に排出している。一方、分離膜3cを透過しなかった懸濁液は、濃縮液として出口3bからラインL4に排出される。
ラインL5に設置されたフッ素濃度計(フッ素濃度検出手段)6は、分離膜ユニット3の出口3aから出た処理水のフッ素濃度を検出している。ラインL4に設置された固形物濃度計(固形物濃度検出手段)7は、分離膜ユニット3の出口3bから出た濃縮液の固形物濃度を検出している。ラインL4から分岐したライン(濃縮液返送手段)L6を通じて濃縮液の一部が反応槽1に返送されている。ラインL6には、流量調整弁(濃縮液返送量調整手段)8及び流量計(濃縮液返送量検出手段)21が設けられている。流量調整弁8は、濃縮液の返送量を調整している。流量計21は、濃縮液の返送量を検出している。また、ラインL3から分岐したライン(濃縮液排出手段)L7を通じて濃縮液の一部が系外に排出されている。ラインL7には、流量調整弁(固形物濃度調整手段)9が設けられ、流量調整弁9は、濃縮液の排出量を調整している。
上記のフッ素含有排水処理システム10で実行されるフッ素含有排水処理方法について説明する。このフッ素含有排水処理方法は、以下のフッ化カルシウム生成工程と、濃縮循環工程と、フッ素濃度検出工程と、濃縮液排出工程と、固形物濃度検出工程と、濃縮液返送工程と、濃縮液返送量検出工程と、固形物濃度調整工程と、濃縮液返送量調整工程とを備えている。
[フッ化カルシウム生成工程]
図1に示すように、まずラインL1を通じてフッ素含有排水を反応槽1に送り、反応槽1にカルシウム化合物を加える。撹拌機4で撹拌しながらフッ素とカルシウムを反応させ、フッ化カルシウムを析出させる。これによって、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液が生成される。カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム(Ca(OH))、酸化カルシウム(CaO)、塩化カルシウム(CaCl)等が挙げられる。反応槽1におけるカルシウム化合物の添加量は、通常の場合、原水であるフッ素含有排水中のフッ化物イオンに対して、0.5〜3.0倍当量程度とするのが好ましい。反応液は、必要に応じてpH調整剤を添加し、pH6〜8、好ましくはpH6〜7に調整される。pHがこの範囲であると、フッ化カルシウムが析出しやすい。カルシウム化合物として、水酸化カルシウム(Ca(OH))等を添加する場合には、水酸化カルシウム(Ca(OH))自体がpH調整剤として作用するために、別途pH調整剤を添加する必要はないが、不足する場合には、pH調整剤としてNaOH等のアルカリを添加する。
フッ化カルシウム生成工程におけるフッ素とカルシウムの反応時間は、通常の場合、概ね10分以上となるように反応槽1の容積を設定することが好ましい。即ち、反応槽1内の反応液中のフッ素イオンが十分にカルシウムイオン及びフッ化カルシウム含有固形物と接して、フッ素イオン濃度を低減させるのに要する時間は10分程度であるため、反応槽1における滞留時間は10分以上とするのが好ましい。
なお、フッ化カルシウム含有固形物とは、純粋なフッ化カルシウムだけでなく、フッ化カルシウムを含有する固形物全般を示す用語として用いており、不純物等を含有するものも、フッ化カルシウム含有固形物に含まれる。
[濃縮循環工程]
反応槽1で得られた懸濁液は、ラインL2を通じて後段の循環槽2に送られ、循環経路23を循環ポンプ5によって循環させられるようになっている。懸濁液は、分離膜ユニット3によって、分離膜3cを透過した液体と、フッ化カルシウム含有固形物を含む液体とに分離される。分離膜3cを透過した液体は、ラインL5を通じて処理水として系外に排出される。一方、フッ化カルシウム含有固形物を含む液体は、フッ化カルシウム含有固形物の濃度が高められた濃縮液として、分離膜ユニット3の出口3bからラインL4に排出され、循環を続ける。このように分離膜3cを有する循環経路23で懸濁液を循環させることによって、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜3cを透過した処理水とが得られるようになっている。
循環槽2の容積は、濃縮液を流体工学的に循環可能な分だけ確保すればよく、反応時間や滞留時間としての指標はない。分離膜3cとしては、内圧式の精密ろ過膜(MF膜)または限外ろ過膜(UF膜)を用いることが好ましい。MF膜を用いる場合、その孔径が1μm以上であると、フッ化カルシウム含有固形物が透過して処理水に流出するキャリーオーバーのおそれがある。したがって、MF膜としては孔径1μm以下のものを用いることが好ましく、0.1〜0.8μmのものがより好ましい。フッ化カルシウム含有固形物は、凝集剤を添加しない状態では10μm以下の微細な粒子状で水中を浮遊しているが、この分離膜3cによれば、微細な粒子状の固形物を処理水から確実に除去することが可能である。
[フッ素濃度検出工程]
処理水のフッ素濃度は、ラインL5に設置されたフッ素濃度計6によって検出される。フッ素濃度計6の検出値が第2基準値を上回った場合には、後述する固形物濃度調整工程及び濃縮液返送量調整工程のうち少なくともいずれか一方が実行される。第2基準値は、処理水のフッ素濃度の上限目標値であり、排水放流基準値である8mg/Lより小さい値として、例えば、3mg/Lに設定されている。
[濃縮液排出工程]
濃縮循環工程における濃縮液の一部は、ラインL3から分岐したラインL7によって、系外に排出されるようになっている。濃縮液の排出によって、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を適当な範囲に保つことができる。フッ化カルシウム含有固形物の濃度の適当な範囲は、1〜8%である。なお、濃縮循環工程における濃縮液の一部を、ラインL4から分岐したラインを通じて系外に排出するようにしてもよい。
[固形物濃度検出工程]
フッ化カルシウム含有固形物の濃度は、ラインL4に設置された固形物濃度計7によって検出される。固形物濃度計7の検出値に基づいて、後述の固形物濃度調整工程におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度の調整が行われる。
[濃縮液返送工程]
濃縮循環工程における濃縮液の一部は、ラインL4から分岐したラインL6によって、反応槽1のフッ化カルシウム生成工程に返送されるようになっている。濃縮液の返送によって、反応槽1では濃縮液に含まれる高濃度なフッ化カルシウム含有固形物が核剤となり、フッ素とカルシウムとの反応を促進するだけでなく、フッ化カルシウム含有固形物による晶析作用と吸着作用の相乗効果によって、溶存するフッ素の濃度を低くすることができる。
[濃縮液返送量検出工程]
濃縮液返送工程における濃縮液の返送量は、ラインL6に設置された流量計21によって検出される。流量計21の検出値に基づいて、後述の濃縮液返送量調整工程における濃縮液の返送量の調整が行われる。
[固形物濃度調整工程]
固形物濃度調整工程は、濃縮液排出工程における濃縮液の排出量を調整することによって、濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度を調整する工程である。具体的には、固形物濃度計7の検出値が第1基準値になるように、濃縮液の排出量を調整する。例えば、濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値を上回った場合、濃縮液排出工程における濃縮液の排出量を増加させる調整を行う。第1基準値は、濃縮液におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度の上限目標値であり、例えば、20000mg/Lに設定されている。濃縮循環工程におけるフッ化カルシウム含有固形物の濃度が高すぎると、濃縮液の液粘度が上昇し、分離膜ユニット3を経由して濃縮液を循環させる際の循環ポンプ5の動力費が増大してしまう。更に、分離膜3cの膜表面のファウリング(膜詰まり)の進行速度が速くなり、分離膜3cのろ過水量が減ってしまう。加えて、分離膜3cの物理的逆流洗浄や化学的薬品洗浄の頻度が多くなり、洗浄費が増大してしまう。濃縮液排出工程における濃縮液の排出量は、ラインL7に設けられた流量調整弁9によって調整できるようになっている。濃縮液の排出量は、濃縮循環工程における濃縮液の循環量の0.1〜0.5%程度となっている。
[濃縮液返送量調整工程]
濃縮液返送量調整工程は、濃縮液返送工程における濃縮液の返送量を調整する工程である。具体的には、流量計21の検出値が第3基準値になるように、濃縮液返送工程における濃縮液の返送量を調整する。濃縮液返送工程における濃縮液の返送量は、ラインL6に設けられた流量調整弁8によって調整できるようになっている。この流量は、フッ化カルシウム含有固形物の濃度によっても異なるが、概ね、原水であるフッ素含有排水の量に対して、0.1〜0.5倍量程度、好ましくは、0.1〜0.3倍程度とするのがよい。これより少ないと、フッ化カルシウム含有固形物によるフッ素濃度低減効果が十分に発揮されないおそれがある。また、これより大きいと、反応槽1における滞留時間が減少し、フッ化カルシウム生成工程における反応時間が不十分なものとなってしまう。
フッ素含有排水処理システム10の定常状態における流量バランスの一例を図2に、固形物濃度の一例を図3にそれぞれ示す。図2において、ラインL1〜L8における流量は、Q1〜Q8にて表記し、図3において、ラインL1〜L8における固形物濃度は、C1〜C8にて表記する。例えば、原水であるフッ素含有排水のフッ素濃度(入口フッ素濃度)が200mg/Lのときに、分離膜を出た濃縮液の固形物濃度が20000mg/Lとなるように、濃縮液の系外排出量を流量調整弁9にて調整したとすると、マスバランス計算により、このときの濃縮液の系外排出量は、平均値として0.0228m/hであることがわかる。
続いて、本実施形態のフッ素含有排水処理方法における処理水のフッ素濃度(出口フッ素濃度)の調整について説明する。出口フッ素濃度は、入口フッ素濃度が変動しても、常に排水放流基準値である8mg/Lに達しないように調整しなければならない。そのため、出口フッ素濃度の上限目標値として第2基準値を設定し、フッ素濃度計6による検出値が第2基準値を上回ると、フッ化カルシウム生成工程におけるフッ素の処理能力を増強する調整が行われるようになっている。これに伴い、出口フッ素濃度は低減され、第2基準値を大きく上回ることがない範囲に調整されるので、出口フッ素濃度が排水放流基準値に達する可能性は極めて低い。なお、第1基準値は、排水放流基準値である8mg/Lより小さい値として、例えば、3mg/Lに設定されている。
フッ化カルシウム生成工程におけるフッ素の処理能力を増強する調整として、固形物濃度調整工程における第1基準値を増加させる調整、及び濃縮液返送量調整工程における第3基準値を増加させる調整のうち少なくともいずれか一方が行われる。これによって、反応槽1に返送される濃縮液の濃度を増加させ、反応槽1におけるフッ化カルシウム含有固形物の量を増加させることができる。
例えば、フッ素含有排水処理システム10が定常状態(例えば、入口フッ素濃度が200mg/Lと仮定)において、以下のような条件で運転していたとする。
フッ素含有排水量 1m/h
濃縮液返送量 0.1m/h
濃縮循環工程の循環量(循環槽出口) 10m/h
濃縮液量 9m/h
循環槽への戻り量 8.9m/h
濃縮液の固形物濃度(分離膜出口) 20000mg/L
出口フッ素濃度 3.0mg/L以下
入口フッ素濃度が不変(200mg/Lのまま)の場合、流量調整弁9を閉じると、原水中のフッ素とカルシウム化合物が反応してフッ化カルシウムが生成し、固形物になる。さらに、分離膜3cでろ過された処理水が系外に排出されるため、濃縮循環工程における濃縮液の固形物濃度が徐々に上がっていくこととなる。流量調整弁9を調整し、濃縮液の固形物濃度が20000mg/L(第1基準値)を維持するように、濃縮液排出工程の排出量を調整したとすると、上記運転条件では、濃縮液の系外排出量の平均値は、上記マスバランス計算により、0.0228m/hとなる。
ここで、入口フッ素濃度が上昇し、この結果、出口フッ素濃度が(3.0+α)mg/Lに上昇したとする。出口フッ素濃度を再び3mg/L以下に下げるために、固形物濃度調整工程による濃縮液の固形物濃度を増やす調整、及び濃縮液返送量調整工程による濃縮液の返送量を増やす調整のうち少なくとも何れか一方を行って対応する。
対応方法として、例えば、出口フッ素濃度の上昇に対して、まず固形物濃度を上げる調整を行い、次に濃縮液返送量を増やす調整を行う方法がある。この一例を表1に示す。αの値に従って、濃縮液の固形物濃度(分離膜3c出口)の調整目標値(第1基準値)、濃縮液の返送量の調整目標値(第3基準値)を表1のように切り替える調整を行う。これにより、出口フッ素濃度を下げることができる。しかし、固形物濃度を所定値(例えば、8%)以上に上げると膜ろ過の安定性が損なわれる。そのため、表1の調整では、αの値が大きくなり、固形物濃度の調整目標値が8%に達するH以降の調整は濃縮液の返送量を増やすことで対応する。
Figure 2015016447
その他の対応方法として、例えば、出口フッ素濃度の上昇に対して、まず濃縮液返送量を増やす調整を行い、次に固形物濃度を上げる調整を行う方法がある。この一例を表2に示す。αの値の上昇に伴い、まず、濃縮液の返送量の調整目標値(第3基準値)を優先して上昇させる。しかし、濃縮液の返送量を所定値(例えば0.30m/h)以上に上げると、反応槽1における滞留時間が減少し、フッ化カルシウム生成工程における反応時間が不十分なものとなってしまう。そのため、表2の調整では、αの値が大きくなり、返送量の調整目標値が0.30m/hに達するF以降の調整は固形物濃度を増やすことで対応する。
Figure 2015016447
その他の対応方法として、例えば、出口フッ素濃度の上昇に対して、濃縮液返送量を増やす対応と、固形物濃度を上げる対応とを交互に行う方法がある。この一例を表3に示す。
Figure 2015016447
一例として、出口フッ素濃度が3mg/L、濃縮循環工程における濃縮液の固形物濃度が20000mg/Lである状況下で、原水であるフッ素含有排水におけるフッ素の平均濃度(入口フッ素濃度)が200mg/Lから250mg/Lに上昇した場合の表1に従った調整について説明する。ここでは仮に、出口フッ素濃度も入口フッ素濃度の上昇率(250÷200=1.25倍)と同じ率だけ上昇し、3mg/Lから3.75mg/Lになったと仮定する。このとき、フッ素濃度計6による検出値が3.75mg/Lとなり、第2基準値、即ち、3mg/Lを+0.75mg/Lだけ上回る。フッ素濃度が第2基準値を上回った数値α(ここではα=0.75mg/L)の大きさに応じて、固形物濃度調整工程における固形物濃度の第1基準値を増加させる調整、及び濃縮液返送量調整工程における濃縮液返送量の第3基準値を増加させる調整のうち少なくともいずれか一方を行う。即ち、αの値と、固形物濃度の第1基準値、濃縮液返送量の第3基準値を表1のように切り替える。ここでは、α=0.75mg/Lなので、表1に従って、固形物濃度の第1基準値を20000mg/Lから40000mg/Lに増加させる調整を行い、濃縮液返送量の第3基準値は変えずに0.10m/hのまま維持する。
濃縮液の返送量を変えずに濃縮循環工程における濃縮液の濃度が20000mg/Lから40000mg/Lに上昇すると、フッ化カルシウム生成工程に返送されるフッ化カルシウム含有固形物の総量が2倍になるので、フッ素とカルシウムとの反応が促進され、この結果、処理水のフッ素濃度が徐々に低下する。原水中のフッ素の平均濃度が250mg/Lから200mg/Lに向けて下降すると、処理水のフッ素濃度も下降する。処理水のフッ素濃度が3.5mg/Lを下回った時、即ち、αが0.5mg/Lを下回った時、表1に従って、固形物濃度の第1基準値を40000mg/Lから30000mg/Lに減少させる調整を行い、濃縮液返送量の第3基準値は変えずに0.10m/hのまま維持する。以降、αの値の大きさに応じて、固形物濃度の第1基準値、濃縮液返送量の第3基準値を順次切り替える調整を行う。
ここでは、処理水のフッ素濃度におけるαの値の大きさに応じて、表1のように、αの値が小さい段階は、固形物濃度の第1基準値を増加させる調整を行い、固形物濃度の第1基準値が膜のろ過性能低下の恐れがある80000mg/Lに達した後、さらにαが大きい段階では、濃縮液返送量の第3基準値も徐々に増加させる調整について説明した。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、表2や表3のように、本願発明の要旨を変更しない範囲で変更したものであってもよい。
なお、このような調整は、フッ素含有排水のフッ素濃度を検出して行うこともできるが、フッ素含有排水のフッ素濃度は絶対値や変動幅が大きいだけでなく、排水中の固形物などの外乱を受けやすい。したがって、処理水中の残留フッ素濃度を検出して行う方が、安定して精度よくフッ素濃度を検出することができ、実用上好ましい。
続いて、以上説明したフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム10による作用効果を説明する。
まず、比較のために、図4を用いて従来のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム20について説明する。図4に示すように、従来のフッ素含有排水処理システム20は、反応槽11、第1凝集槽13、第1沈殿槽15、第2凝集槽16、及び第2沈殿槽18を備えている。原水であるフッ素含有排水を反応槽11に導き、撹拌機12で撹拌しながらカルシウム化合物を加える。次に、第1凝集槽13に導き、撹拌機14で撹拌しながら凝集剤としてPACを加える。次に、第1沈殿槽15に導き、凝集体を沈殿させて、固液分離し、一次処理水を得る。次に、一次処理水を、第2凝集槽16に導き、撹拌機17で撹拌しながら凝集剤として硫酸バンドや高分子凝集剤を加える。次に、第2沈殿槽18に導き、凝集体を沈殿させて、固液分離し、処理水を得る。
ここで、第1沈殿槽15及び第2沈殿槽18で分離されたフッ化カルシウム含有固形物は、不純物として凝集剤が含まれるため、蛍石(CaF)としての工業的な再利用が困難であった。また、これを廃棄する際には、産業廃棄物として埋め立てなどの処理が必要となり、環境的負荷が大きくなるという問題もあった。しかし、カルシウム化合物の添加のみによるフッ素の沈殿除去では、フッ素濃度を15〜30mg/L程度にしか低くすることができないため、排水放流基準値を満足するためには、大量の凝集剤を使用しなければならなかった。
さらに、従来のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム20では、第1沈殿槽15及び第2沈殿槽18が大型となり、広大な設置面積が必要なだけでなく、設備費が高くなるという問題もあった。加えて、フッ素濃度が変動する場合は、凝集剤の添加量の調整が困難であり、第1沈殿槽15及び第2沈殿槽18においてフッ化カルシウムの微粒子が沈殿しきらずにキャリーオーバーして放流されてしまい、処理水中のフッ化物濃度が上昇するおそれがあった。
一方、図1に示す本実施形態のフッ素含有排水処理方法及びフッ素含有排水処理システム10では、反応槽1において、フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成し、分離膜3cを有する循環経路23へ懸濁液を供給し、フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液を得る。そして、この濃縮液の一部を反応槽1に返送することで、濃縮液に含まれる高濃度なフッ化カルシウム含有固形物が核剤となって、フッ素とカルシウムとの反応を促進する。更に、フッ化カルシウム含有固形物による晶析作用と吸着作用の相乗効果によって、凝集剤を添加しなくても、溶存するフッ素の濃度を十分に低くすることができる。凝集剤の添加が不要となることから、フッ素含有排水中のフッ素濃度が変動する場合でも、煩雑な凝集剤の添加量の調整作業が不要となる。また、本実施形態で得られるフッ化カルシウム含有固形物は、純度の高い蛍石(CaF)となり、工業的な再利用を容易に行うことができる。これに伴い、フッ化カルシウム含有固形物を廃棄する際の埋め立て処理や、環境的負荷の問題も解決することができる。さらに、沈殿槽が不要となることから、広大な設置面積が不要となり、設備費も低く抑えることができる。加えて、水中を浮遊する微細な粒子状のフッ化カルシウム含有固形物は、重力による沈殿が期待できないことから、従来の沈殿除去では大半の析出物がキャリーオーバーし流出してしまうが、本実施形態では分離膜3cを用いることから、確実に除去することができ、キャリーオーバーが生じない。
また、分離膜3cを透過した処理水のフッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、濃縮液の固形物濃度(分離膜3c出口)の調整目標値(第1基準値)を上げる調整、及び濃縮液の返送量の調整目標値(第3基準値)を上げる調整のうち少なくともいずれか一方を行うので、出口フッ素濃度が排水放流基準値に達する可能性は極めて低い。
また、分離膜3cは、内圧式の精密ろ過膜(MF膜)または限外ろ過膜(UF膜)であり、孔径が0.1〜0.8μmであるため、微細なフッ化カルシウム含有固形物が透過して処理水に漏れるおそれがない。また、分離膜3cのろ過水量を安定的に保つことができ、分離膜3cの必要膜面積を抑えることができる。これにより、設備の設置面積及び設備費を抑えることができる。
また、濃縮循環工程における濃縮液の固形物濃度は、10000mg/L〜80000mg/Lであるため、フッ化カルシウム含有固形物によるフッ素濃度低減効果を十分に発揮しつつ、分離膜3cの濾過水量を安定的に保つことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形したものであってもよい。
例えば、アルミニウム系凝集剤、高分子凝集剤といった凝集剤を本願発明の効果を損なわない範囲で、フッ化カルシウム生成工程において反応槽1に添加してもよい。また、例えば、濃縮液返送工程並びにライン(濃縮液返送手段)L6、これに伴って濃縮液返送量調整工程並びに流量調整弁(濃縮液返送量調整手段)8、及び濃縮液返送量検出工程並びに流量計(濃縮液返送量検出手段)21を設けなくてもよい。循環経路23においても、溶存するフッ素はカルシウム化合物が反応してフッ化カルシウムを生成し、固形物となる。したがって、これらを設けなくても、溶存するフッ素の濃度を低くすることができる。
また、例えば、図5に示すフッ素含有排水処理システム10Aのように、制御部22を備えていてもよい。制御部22は、例えば、コンピュータである。制御部22は、フッ素濃度計6、固形物濃度計7、及び流量調整弁8、9、流量計21とそれぞれケーブルで接続されている。フッ素濃度計6、固形物濃度計7、流量計21の検出値が制御部22に入力されると、制御部22は、検出値に基づき、例えば表1〜3に従って自動的に流量調整弁8、9の開閉操作を行う。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
図1に示すフッ素含有排水処理方法にしたがって、フッ素含有排水について処理を行った。まず、原水であるフッ素含有排水(F:200mg/L、pH:3.2)を反応槽1に導入すると同時に、カルシウム化合物(CaCl:2000mg/L)を添加し、NaOHによってpHを7に調整した。濃縮循環工程の固形物濃度が20000mg/Lとなるように、濃縮循環工程から系外へ排出する濃縮液の排出量を流量調整弁9によって調整した。分離膜3cとしては、精密ろ過膜(PVdF製、孔径0.2μm)を使用し、循環槽2から分離膜ユニット3への循環流量は、分離膜3cの膜面クロスフロー流速が1m/secとなるように設定した。濃縮循環工程から反応槽1への濃縮液の返送量は、原水と同じ流量とし、この条件で反応槽1における反応時間を10分とした。
この結果、処理水(膜ろ過水)におけるフッ素濃度は、3mg/L程度で安定していた。また、濃縮循環工程から系外に排出された濃縮液を脱水した固形物は、純度の高いフッ化カルシウムで工業的に再利用が可能なものであった。
[比較例]
図2に示す従来のフッ素含有排水処理方法にしたがって、フッ素含有排水について処理を行った。まず、原水であるフッ素含有排水(F:200mg/L、pH:3.2)を反応槽11に導入すると同時に、カルシウム化合物(CaCl:2000mg/L)を添加し、NaOHによってpHを7に調整した。第1凝集槽13における凝集剤としてPAC(ポリ塩化アルミニウム:アルミニウムとして250mg/L)を加え、第2凝集槽16における凝集剤として、硫酸バンド(硫酸アルミニウム:アルミニウムとして100mg/L)と高分子凝集剤(PAM:2mg/L)を加えた。
この結果、第2沈殿槽18で固液分離して得られた処理水のフッ素濃度は、5〜6mg/Lで安定していた。しかし、第1沈殿槽15及び第2沈殿槽18で分離された汚泥を脱水した固形物には、アルミニウムや有機物といった、第1凝集槽13及び第2凝集槽16で添加した凝集剤成分が含まれており、フッ化カルシウムとして工業的な再利用が困難なものであった。
1…反応槽、2…循環槽、3…分離膜、5…循環ポンプ、6…フッ素濃度計、7…固形物濃度計、8,9…流量調整弁、10,10A…フッ素含有排水処理システム、21…流量計、22…制御部、23…循環経路、L1〜L8…ライン。

Claims (10)

  1. フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成するフッ化カルシウム生成工程と、
    分離膜を有する循環経路へ前記懸濁液を供給し、前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜を透過した処理水とを得る濃縮循環工程と、
    前記処理水のフッ素濃度を検出するフッ素濃度検出工程と、
    前記濃縮循環工程における前記濃縮液の一部を系外に排出する濃縮液排出工程と、
    前記濃縮循環工程において前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度を検出する固形物濃度検出工程と、
    前記固形物濃度検出工程における前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値になるように、前記濃縮液排出工程における前記濃縮液の排出量を調整する固形物濃度調整工程と、を備え、
    前記フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、前記第1基準値を増加させる調整を行うフッ素含有排水処理方法。
  2. 前記濃縮循環工程における濃縮液の一部を前記フッ化カルシウム生成工程に返送する濃縮液返送工程と、
    前記濃縮液返送工程において前記濃縮液の返送量を検出する濃縮液返送量検出工程と、
    前記濃縮液返送量検出工程における前記濃縮液の返送量が第3基準値になるように調整する濃縮液返送量調整工程と、をさらに備え、
    前記フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、前記第1基準値を増加させることなく、前記第3基準値を増加させる調整、又は、前記第1基準値を増加させ、かつ前記第3基準値を増加させる調整を行う請求項1に記載のフッ素含有排水処理方法。
  3. 前記固形物濃度調整工程は、前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値を上回った場合、前記濃縮液排出工程における前記濃縮液の排出量を増加させる調整を行う請求項1又は2に記載のフッ素含有排水処理方法。
  4. 前記分離膜は、孔径0.1〜0.8μmの内圧式の精密ろ過膜である請求項1〜3の何れか一項に記載のフッ素含有排水処理方法。
  5. 前記濃縮循環工程における前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度は、10000mg/L〜80000mg/Lである請求項1〜4の何れか1項に記載のフッ素含有排水処理方法。
  6. フッ素含有排水にカルシウム化合物を加えて、フッ化カルシウム含有固形物を含む懸濁液を生成するフッ化カルシウム生成手段と、
    分離膜を有する循環経路へ前記懸濁液を供給し、前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度を高めた濃縮液と分離膜を透過した処理水とを得る濃縮循環手段と、
    前記処理水のフッ素濃度を検出するフッ素濃度検出手段と、
    前記濃縮循環手段における前記濃縮液の一部を系外に排出する濃縮液排出手段と、
    前記濃縮循環手段において前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度を検出する固形物濃度検出手段と、
    前記固形物濃度検出手段における前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値になるように、前記濃縮液排出手段における前記濃縮液の排出量を調整する固形物濃度調整手段と、を備え、
    前記フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、前記第1基準値を増加させる調整を行うフッ素含有排水処理システム。
  7. 前記濃縮循環手段における濃縮液の一部を前記フッ化カルシウム生成手段に返送する濃縮液返送手段と、
    前記濃縮液返送手段において前記濃縮液の返送量を検出する濃縮液返送量検出手段と、
    前記濃縮液返送量検出手段における前記濃縮液の返送量が第3基準値になるように調整する濃縮液返送量調整手段と、をさらに備え、
    前記フッ素濃度が第2基準値を上回る場合は、前記第1基準値を増加させることなく、前記第3基準値を増加させる調整、又は、前記第1基準値を増加させ、かつ前記第3基準値を増加させる調整を行う請求項6に記載のフッ素含有排水処理システム。
  8. 前記固形物濃度調整手段は、前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度が第1基準値を上回った場合、前記濃縮液排出手段における前記濃縮液の排出量を増加させる調整を行う請求項6又は7に記載のフッ素含有排水処理システム。
  9. 前記分離膜は、孔径0.1〜0.8μmの内圧式の精密ろ過膜である請求項6〜8の何れか一項に記載のフッ素含有排水処理システム。
  10. 前記濃縮循環手段における前記フッ化カルシウム含有固形物の濃度は、10000mg/L〜80000mg/Lである請求項6〜9の何れか一項に記載のフッ素含有排水処理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116425373A (zh) * 2023-06-13 2023-07-14 长春柏美水务科技有限公司 一种高pH高含氟废水深度处理资源化的系统

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