JP2015015074A - 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池 - Google Patents

複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2015015074A
JP2015015074A JP2013139359A JP2013139359A JP2015015074A JP 2015015074 A JP2015015074 A JP 2015015074A JP 2013139359 A JP2013139359 A JP 2013139359A JP 2013139359 A JP2013139359 A JP 2013139359A JP 2015015074 A JP2015015074 A JP 2015015074A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
current collector
fibrous carbon
main trunk
average fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013139359A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6212305B2 (ja
Inventor
哲哉 伊藤
Tetsuya Ito
哲哉 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2013139359A priority Critical patent/JP6212305B2/ja
Publication of JP2015015074A publication Critical patent/JP2015015074A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6212305B2 publication Critical patent/JP6212305B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】強固で均一な導電経路を有する電気デバイス用複合集電体とそれを用いた電極、および高いエネルギー密度、高い出力特性および良好なサイクル特性を有する二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気デバイス用複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池に関するものである。
近年、環境・エネルギー問題の高まりから、化石燃料への依存度を減らす低炭素社会の実現に向けた技術の開発が盛んに行われている。このような技術開発の例としては、ハイブリッド電気自動車や電気自動車等の低公害車の開発、太陽光発電や風力発電等の自然エネルギー発電システムの開発、電力を効率よく供給し、送電ロスを減らす次世代送電網の開発等があり、多岐に渡っている。
これらの技術に共通して必要となるキーデバイスの一つが電池であり、このような電池に対しては、システムを小型化するための高いエネルギー密度が求められる。また、使用環境温度に左右されずに安定した電力の供給を可能にするための高い出力特性が求められる。さらに、長期間の使用に耐えうる良好なサイクル特性を有すること等も求められている。そのため、従来の鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池から、より高いエネルギー密度、出力特性およびサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池への置き換えが急速に進んでいる。
このようなリチウムイオン二次電池の基本構成は、正極、負極、セパレータ、非水系電解液からなり、正極としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質、導電助材および結着剤を含む正極合材をアルミニウム箔集電体上に製膜したものが用いられる。また、負極としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質、導電助材および結着材を含む負極合材を銅箔集電体上に製膜したものが用いられる。
前記の導電助材としては、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の導電性炭素材料が用いられており、なかでも、アセチレンブラックは、優れた電子伝導性と適度な分散性を有し、正極・負極内部に良好な導電経路を形成できることから、導電助材として好適に用いられている。
上記の正極および負極は、充放電容量が活物質単体での充放電容量に近いところまで使われており、電池としてのエネルギー密度は、限界に近づいている。そのため、電極の利用率を向上させるために、導電助材の配合量を減らしたり、正極合材の厚みを増して、相対的に金属箔集電体の量を減らしたりすること等により、充放電容量に寄与しない成分を減らす試みがなされている。しかし、これらの方法では、良好な導電経路の形成が阻害され、電池の出力特性が不十分になる問題があった。
また、自動車や次世代送電網システムに使用される電池には、10年間に及ぶ極めて長期間の稼働を想定したサイクル特性が求められているが、上記の従来の正極および負極では、充放電に伴う電極活物質の膨張・収縮のストレスにより、活物質と導電助材間、導電助材と金属箔集電体間、あるいは導電助材同士の結着が徐々に損なわれ、導電経路が分断されてしまうため、長期間のサイクル試験では、充放電容量が低下してしまう問題があった。
このような問題に対して、導電助材として、アセチレンブラックの替わりに分枝状の気相法炭素繊維(VGCF)を用いた負極が提案されている(例えば特許文献1)。前記の負極では、負極活物質間に連続した強固な電子伝導経路が形成されることにより、電池のサイクル特性が改善されるが、負極合材を作製する際に、分枝状気相法炭素繊維が毛玉状に凝集してしまい、不均一な導電経路を有する電極となるため、電池の放電容量や出力特性が不十分になってしまう問題があった。
そこで、分岐状のVGCFを界面活性剤と水または有機溶媒の共存化で湿式粉砕し微細炭素繊維とすることで、分散性を改善する試みがなされている。(特許文献2)。この微細炭素繊維は、負極合材中での分散性が良く、少量で負極内に均一な導電経路を形成できることから、電池のエネルギー密度や出力特性が改善されるが、既述したアセチレンブラックの場合と同様の理由により、長期間のサイクル試験では、充放電容量が低下してしまう問題があった。
さらに、電池のサイクル特性を改善する技術として、正極集電体の表面に複数の炭素繊維を固定化した正極体が提案されている。(特許文献3)このような構成にすることで、長期間に渡って充放電を繰り返しても電極の膨張・収縮のストレスにより、導電助材と金属箔集電体間の結着性が損なわれることがなく、良好なサイクル特性が得られる。しかし、正極集電体に対して水平方向には、十分な導電経路が形成されないため、良好な出力特性を有する電池が得られないという問題があった。
特開2003−226510号公報 特開2003−227039号公報 特開2011−14439号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、強固で均一な導電経路を有する電気デバイス用複合集電体とそれを用いた電極、および高いエネルギー密度、高い出力特性および良好なサイクル特性を有する二次電池を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、以下に示されるものである。
(A)導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
(B)前記繊維状炭素材料の10%以上が、分岐構造を有する繊維状炭素材料であることを特徴とする前記の複合集電体。
(C)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹が、繊維状炭素材料の集合体である前記の複合集電体。
(D)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹端部の、少なくとも一方が導電性シートに結合されていることを特徴とする前記の複合集電体。
(E)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹と側枝の少なくとも一方が、繊維状中空炭素材料である前記の複合集電体。
(F)導電性シートが、アルミニウム箔、または銅箔である前記の複合集電体。
(G)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹の中心間隔(X)が主幹の平均繊維径(D)の比{主幹の中心間隔(X)/主幹の平均繊維径(D)}が、1〜100である前記の複合集電体。
(H)前記の複合集電体と、カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質、またはカチオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質を含むことを特徴とする二次電池用電極。
(I)カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極および負極の間に介在して、カチオンを移動させる電解質層を有する二次電池であって、前記正極または負極の少なくとも一方が、前記の二次電池用電極であることを特徴とする二次電池。
本発明の電気デバイス用複合集電体は、強固で均一な導電経路を有する。そして、それを用いた電極および電池は、高い出力特性、良好なサイクル特性、および高いエネルギー密度を有する。
実施例、比較例で用いた複合集電体を示す模式図である。 実施例、比較例で用いた試験用電池の構造を示す模式斜視図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[導電性シート]
本発明で用いる導電性シートとは、電気を良く流す性質を有する材料のシート状成形物であり、成形物の電子抵抗率が10-2Ω・cm以下であることが好ましい。このようなシート状成形物として使用することができる材料として、具体的には、金、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケルおよびそれらの合金等の金属材料、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラッシーカーボン等の炭素材料が挙げられ、上記の材料は、箔、パンチングメタル、クロス、不織布及びメッシュ等のシート状に成形された状態で用いられる。これらの中では、強度、電気的・化学的な安定性とコスト等の面から、銅箔やアルミニウム箔が好ましい。
本発明で用いられる導電性シートの厚みに、特に制限はないが、薄すぎると強度が低下するため、後述する複合集電体の作製工程において、取扱いが難しくなる傾向がある。また、厚すぎると、電池中の充放電容量に寄与しない成分、すなわち導電性シートの質量と体積の割合が高くなるため、電池のエネルギー密度が低下する傾向がある。従って、導電性シートの厚みは、1〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
[繊維状炭素材料]
本発明で用いる繊維状炭素材料とは、導電性を有する炭素材料を繊維状に加工したものであり、このような繊維状炭素材料として、具体的には、炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が挙げられ、後述する複合集電体への加工の容易さと、導電性のバランスの観点から、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブ等の繊維状中空炭素材料であることが好ましい。また、繊維状炭素材料内の電子伝導を効果的にするため、結晶性の高いものが好ましい。
前記の繊維状炭素材料は、主幹と主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記繊維状炭素材料の合計本数のうち、10%以上が主幹と側枝からなる分岐構造を有していることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、50%以上であることがさらに好ましい。また、前記繊維状炭素材料の主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は2〜1000の範囲であり、好ましくは5〜800、さらに好ましくは10〜500である。この際、主幹は繊維状炭素材料の一部が物理的に融着、接触または絡み合った複数の繊維状炭素材料からなる集合体であっても構わない。
さらに、前記繊維状炭素材料の主幹と側枝の質量比(主幹の質量)/(側枝の質量)は、0.1〜50の範囲であることが好ましく、かつ主幹の平均繊維長(L)と平均繊維径(D)の比{主幹の平均繊維長(L)/ 主幹の平均繊維径(D)}は、20から10000の範囲であることが好ましく、500から5000であることがより好ましい。
このような構成にすることで、前記繊維状炭素材料を後述する複合導電体に用いた際、繊維状炭素材料1本、1本の隅々まで少ない抵抗で効率的、かつ均一に電流を流すことができるようになる。
[複合集電体]
本発明の複合集電体とは、上記の繊維状炭素材料の一部が上記の導電性シートの表面に結合しており、主幹または側枝の一部が上記の導電性シートの少なくとも一面に結合されており、主幹端部の少なくとも一方が導電性シートに結合されていることが好ましい。繊維状炭素材料と導電性シート間の結合の形態は、イオン結合や共有結合等の化学結合や分子間力による結合が含まれるが、絶縁性の樹脂結着剤成分を介した圧着、融着、接着等は含まれない。具体的な結合の形態としては、繊維状炭素材料と導電性シートが直接、あるいは還元活性化した触媒粒子を介して結合していることが好ましく、中でも繊維状炭素材料と導電性シートがイオン結合や共有結合等により直接結合していることがより好ましい。
また、上記繊維状炭素材料の主幹の中心間隔(X)と主幹の平均繊維径(D)の比{主幹の中心間隔(X)/主幹の平均繊維径(D)}は、1〜100であることが好ましく、2〜80であることがより好ましく、5〜50であることがさらに好ましい。
本発明の複合集電体の一例を図1により模式的に説明する。複合集電体1は、導電性シート2の表面に存在する還元活性化した触媒粒子3から生成した、繊維状炭素材料の主幹4と側枝5からなる。主幹の中心間隔(X)とは、主幹の中心から、隣り合った主幹の中心までの距離のことである。また、主幹の平均繊維径(D)とは、後述した測定方法により計測した、主幹の直径の平均値である。
本発明の複合集電体は、前記のような構成にすることで、集電体から繊維状炭素材料全体に効率よく電流を流すことが可能で、かつ強固で均一な導電経路が形成される。そのため、それを用いた電極は、従来の活物質、炭素材料、結着剤および溶媒からなる電極スラリーを、導電性シート上に塗布・乾燥・圧縮して作製された電極と比較して、極めて低い電子抵抗を有し、かつ長期間の充放電サイクルにおいて、電極活物質の膨張・収縮による応力が掛かっても、導電経路を維持することができる電極となり、前記の電極を用いた二次電池は、高い出力特性、高いエネルギー密度、および良好なサイクル特性を有する二次電池となる。
複合集電体の作製方法には特に制限は無いが、例えば以下の方法で作製することもできる。触媒となる遷移金属の酸化物粒子と溶媒を含む分散液を浸漬、塗工、ディスペンサー、インクジェット印刷機、スクリーン印刷機またはスプレー等により、導電性シートの表面に塗布する。次いで、分散液の溶媒を乾燥し、さらに必要に応じて加熱処理することにより、表面に所定の間隔で所望の量の触媒が配置された導電性シートを得ることができる。 また、前記の遷移金属の硝酸塩溶液を導電性シートの表面に塗布し、200℃ 以上に昇温することによっても、触媒を所定の間隔で所望の量を導電性シート上に配置することができる。上記、触媒の粒子径は、0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜10μmであることがより好ましい。触媒は、繊維状炭素材料の成長を促進する遷移金属を含み、遷移金属の具体例としては、Cu、Fe、Co、Ni、Mn、Mg、AlおよびCa等が挙げられる。
次に、触媒を担持した導電性シートを、反応炉に入れ、ヘリウムおよび水素ガスを含む混合ガス雰囲気下で加熱処理し、還元活性化した後、ベンゼン等の炭化水素ガスを1100℃前後で熱分解反応させることにより、導電性シート表面に主幹となる繊維状炭素材料を生成させる(導電性シートA)。次いで、前記の導電性シートAを反応炉から取り出し、導電性シートAの表面に生成させた繊維状炭素材料の表面に、上記の遷移金属の酸化物粒子と溶媒を含む分散液、あるいは遷移金属の硝酸塩溶液が付着するように浸漬あるいは、スプレー等により塗布する。その後、既述した触媒の活性化工程と繊維状炭素材料の生成工程を、再度繰り返すことで、主幹に対して側枝となる繊維状炭素材料を生成させ、本発明の複合集電体を得る。この際、触媒は繊維状炭素材料の成長に伴って、導電性シートや主幹の表面から離脱してもよく、その場合、繊維状炭素材料の成長末端に触媒元素が担持されていてもよい。また、繊維状炭素材料の繊維径は、触媒の粒子径に依存するので、主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が2〜1000となるように、主幹および側枝の生成に用いる触媒の粒子径を適宜調整する。
[正極および負極]
本発明の二次電池におけるカチオンを可逆的に吸蔵放出する正極は、正極活物質、導電助材、結着剤を含む電極合材を本発明の複合集電体に上に製膜してなる二次電池用の電極である。前記の正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、層状マンガン酸リチウム(LiMnO)あるいは複数の遷移金属を配合した複合酸化物であるLiMnNiCo(x+y+z=1、0≦y<1、0≦z<1、0≦x<1)などの層状化合物、あるいは1種以上の遷移金属元素を置換したもの、あるいはマンガン酸リチウム(Li+xMn2−x(ただしx=0〜0.33)、Li1+xMn2−x−y(ただし、MはNi、Co、Cr、Cu、Fe、Al、Mgより選ばれた少なくとも1種の金属を含み、x=0〜0.33、y=0〜1.0、2−x−y>0)、LiMnO、LiMn、LiMnO、LiMn2−x(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taより選ばれた少なくとも1種の金属を含み、x=0.01〜0.1)、LiMnMO(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn)より選ばれた少なくとも1種の金属である)、銅−リチウム酸化物(LiCuO)、鉄−リチウム酸化物(LiFe)、あるいはであるLiFePO、LiMnPOおよびLiMPOF(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Znより選ばれた少なくとも1種の金属である)などのポリアニオン系化合物、あるいはLiV、V、Cu等のバナジウム酸化物、あるいはジスルフィド化合物、あるいはLiMSiO(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taより選ばれた少なくとも1種の金属である)などのケイ酸塩系化合物、LiMO-LiMO(ただし、MはMn、Co、Ni、Fe、Cr、Znより選ばれた少なくとも1種の金属である)あるいは、Fe(MoO、LiS、Sなどを挙げることができる。前記の導電助材としては、例えば、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の導電性炭素材料を挙げることができる。
上記の結着剤用の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン等のアルカン系ポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン等の不飽和ポリマー、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド等のアクリル系ポリマー、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリアクリルニトリル、ポリビニリデンシアニド等のシアノ基含有ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー、ポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。また、上記のポリマーの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。また、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル等を含んでいても良い。更に、補強材として、各種の無機および有機の球状、板状、棒状、繊維状などのフィラーが使用できる。
本発明におけるリチウムを可逆的に吸蔵放出する負極としては、負極活物質と結着剤を含む負極合材を、本発明の複合集電体に上に製膜してなる二次電池用の電極である。負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、石油コークスや石炭ピッチコークス等から得られる易黒鉛化材料を2500℃以上の高温で熱処理したもの、メソフェースカーボン、あるいは非晶質炭素、炭素繊維等の炭素系材料、リチウム−チタン酸化物(LiTi12等)、リチウムと合金化する金属、あるいは炭素粒子表面に金属を担持させた材料等が用いられる。このような金属としては、例えば、リチウム、アルミニウム、スズ、ケイ素、インジウム、ガリウム、マグネシウムとそれらの合金が挙げられる。また、該金属または金属の酸化物も負極活物質として利用できる。前記の結着剤としては、例えば、前記の正極と同じ結着剤を用いることができる。このような負極活物質の中で、得られる電池のサイクル特性と安全性の観点から、炭素系材料とリチウム−チタン酸化物が好ましい。
正極と負極の作製方法には特に制限は無く、従来公知の二次電池用電極の作製方法を用いて行えば良いが、例えば以下の方法で作製することもできる。活物質とアセチレンブラック等の導電材料を含む混合物を、結着剤の溶媒溶液(分散液)とボールミル、サンドミル、二軸混練機、自転公転式攪拌機、プラネタリーミキサー、ディスパーミキサー等により混合することでスラリーを得る。次いで、このスラリーを本発明の複合集電体上に塗布した後、加熱によりスラリーに含まれる溶剤を除去し、活物質とアセチレンブラック等の導電材料がバインターを介して複合集電体表面の繊維状炭素材料と相互に結着された多孔質体である電極合材層を形成する。さらに複合集電体と電極合材層をロールプレス等により加圧して密着させることにより目的とする電極を得ることができる。
スラリーに用いる溶媒は活物質に対して不活性であり、且つ結着剤を溶解・分散し得る限り特に制限されず、無機または有機の何れの溶剤であってもよい。好適な溶媒の一例としては、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
[二次電池]
本発明の二次電池の作製方法には、特に制限は無く、従来公知の二次電池の作製方法を用いて行えば良いが、例えば、図2に模式的に示した構成で、以下の方法により作製することもできる。すなわち、前記の電極6とリチウム箔電極7との間に絶縁層となるポリオレフィン製微多孔膜10を配し、電極6およびポリオレフィン製微多孔膜10の空隙部分に非水電解液が十分に染込むまで注液することで作製することができる。
本発明の二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ポータブルオーディオプレイヤー、携帯液晶テレビ等の携帯AV機器、ノート型パソコン、携帯電話、通信機能付き電子手帳等の携帯情報端末、その他、携帯ゲーム機器、電動工具、電動式自転車、ハイブリット自動車、電気自動車、電力貯蔵システム等の幅広い分野において使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その趣旨を損なわない限り、以下に示す実施例に限定されるものではない。また実施例および比較例とも使用した部材は、適切な予備乾燥を行った。
(電池の作製例)
アルゴン置換し、露点が−70℃以下に制御したグローブボックス内で、正極または負極の電極合材塗工面がリチウム金属負極と中央で対向するようにし、さらに電極間にポリオレフィン製微多孔膜を配置した。次に70×140mm角に切断・加工したアルミラミネートシートを、長辺の中央部で二つ折りにし、電極の集電用タブがラミネートシートの外部に露出するように配置して挟み込んだ。次にヒートシーラーを用いて、アルミラミネートシートの集電用タブが露出した辺を含む2辺を加熱融着した後、シールしていない一辺から、2gの電解液[キシダ化学製、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7(vol)+1M LiPF溶液、電解液と表記]を注液し、正極およびポリオレフィン製微多孔膜に十分に染み込ませてから、真空ヒートシーラーにより、電池の内部を減圧しながら、アルミラネートシートの残り1辺を加熱融着して電池を得た。
(実施例1)
平均粒子径0.15μmのCoとMgOの混合粒子1(混合質量比:Co/MgO=60/40)を触媒として準備した。この混合粒子1を、0.05質量%のポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステルを溶解させたエタノールと混合して、混合粒子1を0.1質量%含有する触媒分散液を作製した。次いで、導電性シートであるのAl箔(日本製箔株式会社製、サイズ10×10cm、厚さ20μm)の片面に、スプレーにより触媒分散液0.5gを均一に塗布した後、100℃で1時間乾燥して、Al箔上に触媒が配置された導電性シートを得た。次いで、触媒が配置された導電性シートをヘリウムガスおよび水素ガスを含む混合ガス雰囲気下で加熱し、活性化させた後、ヘリウムガス雰囲気下で650℃に加熱し、一酸化炭素ガスと水素ガスを含む混合ガス(混合容積比:一酸化炭素ガス/水素ガス=80/20)を原料ガスとして、この原料ガスを供給しながら約10時間保持して、Al箔表面に主幹となる繊維状炭素材料が生成した導電性シートを得た。この時、主幹となる繊維状炭素材料の質量は、28.1mgであった。
次いで、前記の導電性シートを反応炉から取り出し、繊維状炭素材料生成させた面に、平均粒子径0.01μmのCoとMgOの混合粒子2(混合質量比:Co/MgO=60/40)を触媒とし、この混合粒子2を、0.05質量%のポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステルを溶解させたエタノールと混合して、混合粒子2を0.1質量%含有する触媒分散液を作製した。この触媒分散液15gを主幹となる繊維状炭素材料を生成させた面に対して、均一にスプレーした後、上記の触媒を活性化させる工程と繊維状炭素材料を生成させる工程を再度繰り返し、主幹に対して側枝となる繊維状炭素材料を生成させて、本発明の複合集電体Aを得た。この複合集電体Aの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は15であり、側枝となる繊維状炭素材料の質量は、24.2mgであった。また、SEM観察により、生成した繊維状炭素材料が中空構造を有していることが確認された。結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1の混合粒子1の触媒分散液のスプレー量を0.5gから1gに、混合粒子2のスプレー量を15gから30gにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Bを得た。この複合集電体Bの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は17であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は52.1mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は52.8mgであった。結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1の混合粒子1と混合粒子2の触媒分散液濃度をそれぞれ0.1質量%から0.4質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Cを得た。この複合集電体Cの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は13であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は80.2mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は91.4mgであった。結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1の混合粒子1の平均粒子径を0.15μmから1.0μmに変更し、混合粒子2の平均粒子径を0.01μmから0.001μmに変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Dを得た。この複合集電体Dの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は590であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は40.5mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は8.1mgであった。結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1の混合粒子1の触媒分散液濃度を0.1質量%から0.001質量%に変更し、導電性シートをAl箔からCu箔(古河サーキットフォイル株式会社製、サイズ10×10cm、厚さ18μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Eを得た。この複合集電体Eの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は14であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は0.3mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は0.2mgであった。結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1の混合粒子2の平均粒子径を0.01μmから0.15μmに変更し、混合粒子2を0.1質量%含有する触媒分散液のスプレー量を15gから0.5gに変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Fを得た。この複合集電体Fの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は1であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は24.3mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は26.1mgであった。結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例2において、側枝の生成工程を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして複合集電体Gを得た。なお、主幹となる繊維状炭素材料の質量は51.3mgであった。結果を表1に示した。
(評価方法1)
上記にて得られた実施例1〜5、比較例1および2の各複合集電体について、以下の方法により平均繊維径の測定を行った。結果を表1に示した。
<平均繊維径の測定>
各実施例および比較例で作製した複合集電体を、SEM(日本電子株式会社製、商品名JSM7400F)を用いて、導電性シートに対して水平方向から繊維状炭素材料の微細構造を観察した。得られたSEM画像から、主幹および側枝となる繊維状炭素材料の繊維径をSEMの画像処理機能を用いて各々50本計測し、その平均値を平均繊維径とした。
(電極の作製例)
<Mn系正極>
正極活物質であるニッケルマンガン酸リチウム粉末および結着剤となるポリフッ化ビニリデン N−メチルピロリドン12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、ニッケルマンガン酸リチウム粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=90/5/5になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。
得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ200μmおよび400μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ20μmのアルミニウム箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。乾燥終了後、卓上プレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が2.5g/cmになるように室温で圧縮してから、正極合材の塗布面が40×40mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのアルミタブを超音波溶接により接合しMn系正極を得た。
<LFP系正極>
正極活物質であるリン酸鉄リチウム粉末(STL社製、商品名SLFP-PD60)および結着剤となるポリフッ化ビニリデン N−メチルピロリドン12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、リン酸鉄リチウム粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=80/10/10になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ200μmおよび400μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ20μmのアルミニウム箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。乾燥終了後、卓上ロールプレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が2.0g/cmになるように室温で圧縮してから、正極合剤の塗布面が40×40mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのアルミタブを超音波溶接により接合し、LFP系正極を得た。
<人造黒鉛負極>
負極活物質である人造黒鉛粉末(日立化成株式会社製、商品名MAG-D)および結着剤となるポリフッ化ビニリデンとN−メチルピロリドンの12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、人造黒鉛粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=92/5/3になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ60μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ15μmの銅箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。
乾燥終了後、卓上ロールプレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が1.5g/cmになるように室温で圧縮してから、負極合材の塗布面が42×42mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのニッケルタブを超音波溶接により接合し、人造黒鉛負極を得た。
<リチウム箔電極>
厚さ0.5mmのリチウム金属箔(本城金属株式会社製)を、42×42mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのニッケルタブを圧着し、リチウム箔電極を得た。
(評価方法2)
上記にて得られた実施例1〜5、比較例1および2の各複合集電体を用いて、電極および二次電池を作製し、以下の方法に従って各種特性の測定を行った。結果を表2に示した。
<電極抵抗値の測定>
各実施例および比較例の複合集電体を用いて電極を作製し、φ10mmの円盤状に切断・加工した。得られた円盤状の電極をφ13mm、長さ5mmの円柱状SUS製電極に挟み込み、SUS製2極セル内に固定した。次いで、25℃に設定した恒温槽内にSUS製2極セルを設置し、ソーラトロン12608W型電気化学測定システムを用いて、印加電流値 0.2、0.4、0.6、0.8および1.0mAで各10秒間、定電流分極試験を行った。試験結果からI−Vプロットを行い、得られた近似直線の傾きから、数式(1)より電極抵抗値を算出した。
電極抵抗値=(I−Vプロットの傾き×電極の面積) ・・・数式(1)
<電池特性の測定>
各実施例および比較例の複合集電体を用いて作製した、アルミタブを接合したMn系正極、LFP系正極またはニッケルタブを接合した人造黒鉛系負極とニッケル端子を圧着したリチウム箔電極で、45×45mmに加工したポリオレフィン多孔質膜を挟み込み、電解液を正極、ポリオレフィン多孔質膜に充分に染み込むように滴下した後、アルゴン雰囲気下でアルミラミネートフィルムに封入することにより電池を得た。(実施例6〜12および比較例3〜6)次いで、25℃に設定した恒温槽内に電池を設置し、充放電試験機(北斗電工株式会社製、商品名SD8)を用いて、充放電試験を行った。各電極の充放電試験は、後述した条件に従って行った。
<Mn系正極の充放電条件>
5.0Vまで1CAのレートで定電流充電を行い、電圧が5.0Vに達してから5時間定電圧充電を行った。次いで、開回路状態で10分間保持した後、3.0Vになるまで1CAのレートで定電流放電を行い、開回路状態で10分間保持した。前記の条件での放電・充電を1サイクルとして、充放電を5サイクル繰り返した。次いで、1CAで定電流および定電圧放電を行った後、1CAと10CAで定電流充電を行い、1CAの充電容量と10CAの充電容量を、それぞれ1CA充電容量と10CA充電容量とした。次に、1CAのレートでの充放電を50サイクル繰り返し、1サイクル目と50サイクル目の充電で得られた負極活物質1g当りの充電容量を、それぞれ初回充電容量と最終充電容量とした。
また、数式(2)〜(4)より、CA、レート特性および放電容量維持率をそれぞれ算出した。
CA=(放電電流値/電極の設計容量) ・・・数式(2)
レート特性=(10CA放電容量/1CA放電容量)×100 ・・・数式(3)
放電容量維持率=(最終放電容量/初回放電容量)×100 ・・・数式(4)
<LFP系正極の充放電条件>
Mn系正極の充放電条件において、定電流、定電圧充電の電圧を5.0Vから4.1Vに変更し、定電流放電の電圧を3.0Vから2.1Vに変更した以外は、Mn系正極の充放電条件と同様に評価を行った。
<人造黒鉛負極の充放電条件>
0.01Vまで1CAのレートで定電流放電(リチウムイオンの吸蔵)を行い、電圧が0.01Vに達してから5時間定電圧放電を行った。次いで、開回路状態で10分間保持した後、1.5Vになるまで1CAのレートで定電流充電(リチウムイオンの放出)を行い、開回路状態で10分間保持した。前記の条件での放電・充電を1サイクルとして、充放電を5サイクル繰り返した。次いで、1CAで定電流および定電圧放電を行った後、1CAと10CAで定電流充電を行い、1CAの充電容量と10CAの充電容量を、それぞれ1CA充電容量と10CA充電容量とした。次に、1CAのレートでの充放電を50サイクル繰り返し、1サイクル目と50サイクル目の充電で得られた負極活物質1g当りの充電容量を、それぞれ初回充電容量と最終充電容量とした。
Figure 2015015074

Figure 2015015074

表2に示した結果から以下のことが分かった。
(1)実施例6〜12に用いた複合集電体は、本発明の範囲を満たすので、それを用いて作製した電極は極板抵抗が低く、電池特性の評価では、高いレート特性と良好な放電容量維持率を示したことから、高い出力特性と良好なサイクル特性を備えていることが分かった。さらに、実施例7と8においては、塗工厚みが400μmの電極であっても、200μmの電極と同等の特性を示したことから、高いエネルギー密度を兼ね備えていることが分かった。
(2)比較例3に用いた複合集電体は、(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が1であるため、本発明の範囲を満たさない。そのため、それを用いて作製した電極は極板抵抗が大きく、電池特性の評価では、レート特性および放電容量維持率が不十分であった。
(5)比較例4に用いた複合集電体は、主幹のみで構成されているため、本発明の範囲を満たさない。そのため、それを用いて作製した電極は極板抵抗が大きく、電池特性の評価では、レート特性および放電容量維持率が不十分であった。
(6)比較例5は、複合集電体を用いず、導電助材として、アセチレンブラックを用いたため、本発明の範囲を満たさない。そのため、作製した電極は極板抵抗が大きく、電池特性の評価では、レート特性および放電容量維持率が不十分であった。
(7)比較例6は、複合集電体を用いず、導電助材として、粉砕した繊維状炭素材料を用いた。用いた繊維状炭素材料の作製方法を以下に記載する。実施例3で作製した複合集電体Cから、剃刀によりAl箔と繊維状炭素材料を分離した。次いで、分離した繊維状炭素材料5g、エタノール50gおよび直径1.0mmのジルコニア製ビーズ200gをアルミナ製ポットに投入し、ボールミリング法により、4時間粉砕処理を行った後、150℃に設定した真空乾燥機で1晩乾燥した。粉砕した繊維状炭素材料は本発明の範囲を満たさないため、作製した電極は極板抵抗が大きく、電池特性の評価では、レート特性および放電容量維持率が不十分であった。
(8)表2から明らかなように、本発明によれば、強固で均一な導電経路を有する複合集電体が得られる。また、それを用いた電極および電池は、高い出力特性、良好なサイクル特性、および高いエネルギー密度を兼ね備える。
1・・・複合集電体、2・・・導電性シート、3・・・活性化した触媒粒子、4・・・繊維状炭素材料(主幹)、5・・・繊維状炭素材料(側枝)
6・・・電極、7・・・リチウム箔電極、8・・・正極アルミタブまたは負極ニッケルタブ、9・・・リチウム箔電極ニッケルタブ、10・・・ポリオレフィン製微多孔膜、11・・・アルミラミネートフィルム。

Claims (9)

  1. 導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
  2. 前記繊維状炭素材料の10%以上が、分岐構造を有する繊維状炭素材料であることを特徴とする請求項1に記載の複合集電体。
  3. 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹が、繊維状炭素材料からなる集合体である請求項1〜2のいずれか1項に記載の複合集電体。
  4. 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹端部の、少なくとも一方が導電性シートに結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合集電体。
  5. 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹と側枝の少なくとも一方が、繊維状中空炭素材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合集電体。
  6. 導電性シートが、アルミニウム箔、または銅箔である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合集電体。
  7. 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹の中心間隔(X)と主幹の平均繊維径(D)の比{主幹の中心間隔(X)/主幹の平均繊維径(D)}が、1〜100である請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合集電体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合集電体と、カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質、またはカチオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質を含むことを特徴とする二次電池用電極。
  9. カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極および負極の間に介在して、カチオンを移動させる非水系電解液層を有する二次電池であって、前記正極または負極の少なくとも一方が、請求項8に記載の二次電池用電極であることを特徴とする二次電池。
JP2013139359A 2013-07-03 2013-07-03 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池 Active JP6212305B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013139359A JP6212305B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013139359A JP6212305B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015015074A true JP2015015074A (ja) 2015-01-22
JP6212305B2 JP6212305B2 (ja) 2017-10-11

Family

ID=52436702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013139359A Active JP6212305B2 (ja) 2013-07-03 2013-07-03 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6212305B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016140168A1 (ja) * 2015-03-04 2016-09-09 Jxエネルギー株式会社 複合膜及びその製造方法
JP2020102309A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 古河電池株式会社 リチウムイオン二次電池
WO2020153405A1 (ja) * 2019-01-24 2020-07-30 株式会社村田製作所 樹脂基材およびバイポーラ型電池
CN112820859A (zh) * 2021-01-18 2021-05-18 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种锂硫电池负极的制备方法和使用该负极的锂硫电池

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007049590A1 (ja) * 2005-10-25 2007-05-03 Bussan Nanotech Research Institute Inc. 導電性シート
JP2013504162A (ja) * 2009-09-03 2013-02-04 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電池用途のための多孔性アモルファスシリコン−カーボンナノチューブ複合物ベース電極

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007049590A1 (ja) * 2005-10-25 2007-05-03 Bussan Nanotech Research Institute Inc. 導電性シート
JP2013504162A (ja) * 2009-09-03 2013-02-04 アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド 電池用途のための多孔性アモルファスシリコン−カーボンナノチューブ複合物ベース電極

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016140168A1 (ja) * 2015-03-04 2016-09-09 Jxエネルギー株式会社 複合膜及びその製造方法
JP2020102309A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 古河電池株式会社 リチウムイオン二次電池
WO2020153405A1 (ja) * 2019-01-24 2020-07-30 株式会社村田製作所 樹脂基材およびバイポーラ型電池
CN112820859A (zh) * 2021-01-18 2021-05-18 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种锂硫电池负极的制备方法和使用该负极的锂硫电池
CN112820859B (zh) * 2021-01-18 2022-06-17 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种锂硫电池负极的制备方法和使用该负极的锂硫电池

Also Published As

Publication number Publication date
JP6212305B2 (ja) 2017-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101774683B1 (ko) 전극 활물질 슬러리, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 전고체 이차전지
JP5462445B2 (ja) リチウムイオン二次電池
KR101114122B1 (ko) 리튬이온 전지용 복합 양극재료 및 이것을 이용한 전지
CN102934266B (zh) 锂二次电池用电极材料及锂二次电池
JP6136788B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池
CN106415896B (zh) 电器件
KR102382433B1 (ko) 리튬 이온 2차 배터리용 전극 재료 제조 방법 및 이러한 전극 재료를 사용하는 리튬 이온 배터리
JP5802513B2 (ja) 二次電池用負極、二次電池用負極を用いた非水電解質二次電池
JP2008277128A (ja) 二次電池用電極及びその製造方法並びに二次電池
CN105934847B (zh) 电器件
JP2012104270A (ja) 全固体電池
JP2008010316A (ja) リチウムイオン二次電池
JP7490567B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極組成物、リチウムイオン二次電池用正極、及びリチウムイオン二次電池
KR102474174B1 (ko) 음극 활물질 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
CN107644977B (zh) 锂离子电池电极的制备方法
JP2017532277A (ja) 炭素材料、リチウムイオン電池用アノード材料及びスペーサ添加剤
JPWO2019216275A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極組成物、リチウムイオン二次電池用正極、及びリチウムイオン二次電池
JP6212305B2 (ja) 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池
CN105934840A (zh) 电器件
CN106848379B (zh) 含吸湿性物质的锂二次电池用电极及包含其的锂二次电池
JP2011060559A (ja) リチウムイオン二次電池用電極
JP5395350B2 (ja) リチウムイオン二次電池用シート状負極及びこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP5440488B2 (ja) 二次電池用炭素材
JP5557619B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4120439B2 (ja) リチウムイオン2次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6212305

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250