JP2015015074A - 複合集電体、およびそれを用いた電極と二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
【選択図】図1
Description
これらの技術に共通して必要となるキーデバイスの一つが電池であり、このような電池に対しては、システムを小型化するための高いエネルギー密度が求められる。また、使用環境温度に左右されずに安定した電力の供給を可能にするための高い出力特性が求められる。さらに、長期間の使用に耐えうる良好なサイクル特性を有すること等も求められている。そのため、従来の鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池から、より高いエネルギー密度、出力特性およびサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池への置き換えが急速に進んでいる。
前記の導電助材としては、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の導電性炭素材料が用いられており、なかでも、アセチレンブラックは、優れた電子伝導性と適度な分散性を有し、正極・負極内部に良好な導電経路を形成できることから、導電助材として好適に用いられている。
(A)導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
(B)前記繊維状炭素材料の10%以上が、分岐構造を有する繊維状炭素材料であることを特徴とする前記の複合集電体。
(C)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹が、繊維状炭素材料の集合体である前記の複合集電体。
(D)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹端部の、少なくとも一方が導電性シートに結合されていることを特徴とする前記の複合集電体。
(E)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹と側枝の少なくとも一方が、繊維状中空炭素材料である前記の複合集電体。
(F)導電性シートが、アルミニウム箔、または銅箔である前記の複合集電体。
(G)前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹の中心間隔(X)が主幹の平均繊維径(D)の比{主幹の中心間隔(X)/主幹の平均繊維径(D)}が、1〜100である前記の複合集電体。
(H)前記の複合集電体と、カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質、またはカチオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質を含むことを特徴とする二次電池用電極。
(I)カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極および負極の間に介在して、カチオンを移動させる電解質層を有する二次電池であって、前記正極または負極の少なくとも一方が、前記の二次電池用電極であることを特徴とする二次電池。
本発明で用いる導電性シートとは、電気を良く流す性質を有する材料のシート状成形物であり、成形物の電子抵抗率が10-2Ω・cm以下であることが好ましい。このようなシート状成形物として使用することができる材料として、具体的には、金、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケルおよびそれらの合金等の金属材料、カーボンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラッシーカーボン等の炭素材料が挙げられ、上記の材料は、箔、パンチングメタル、クロス、不織布及びメッシュ等のシート状に成形された状態で用いられる。これらの中では、強度、電気的・化学的な安定性とコスト等の面から、銅箔やアルミニウム箔が好ましい。
本発明で用いる繊維状炭素材料とは、導電性を有する炭素材料を繊維状に加工したものであり、このような繊維状炭素材料として、具体的には、炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が挙げられ、後述する複合集電体への加工の容易さと、導電性のバランスの観点から、気相成長炭素繊維やカーボンナノチューブ等の繊維状中空炭素材料であることが好ましい。また、繊維状炭素材料内の電子伝導を効果的にするため、結晶性の高いものが好ましい。
本発明の複合集電体とは、上記の繊維状炭素材料の一部が上記の導電性シートの表面に結合しており、主幹または側枝の一部が上記の導電性シートの少なくとも一面に結合されており、主幹端部の少なくとも一方が導電性シートに結合されていることが好ましい。繊維状炭素材料と導電性シート間の結合の形態は、イオン結合や共有結合等の化学結合や分子間力による結合が含まれるが、絶縁性の樹脂結着剤成分を介した圧着、融着、接着等は含まれない。具体的な結合の形態としては、繊維状炭素材料と導電性シートが直接、あるいは還元活性化した触媒粒子を介して結合していることが好ましく、中でも繊維状炭素材料と導電性シートがイオン結合や共有結合等により直接結合していることがより好ましい。
本発明の二次電池におけるカチオンを可逆的に吸蔵放出する正極は、正極活物質、導電助材、結着剤を含む電極合材を本発明の複合集電体に上に製膜してなる二次電池用の電極である。前記の正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、層状マンガン酸リチウム(LiMnO2)あるいは複数の遷移金属を配合した複合酸化物であるLiMnxNiyCozO2(x+y+z=1、0≦y<1、0≦z<1、0≦x<1)などの層状化合物、あるいは1種以上の遷移金属元素を置換したもの、あるいはマンガン酸リチウム(Li1+xMn2−xO4(ただしx=0〜0.33)、Li1+xMn2−x−yMyO4(ただし、MはNi、Co、Cr、Cu、Fe、Al、Mgより選ばれた少なくとも1種の金属を含み、x=0〜0.33、y=0〜1.0、2−x−y>0)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2、LiMn2−xMxO2(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taより選ばれた少なくとも1種の金属を含み、x=0.01〜0.1)、Li2Mn3MO8(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn)より選ばれた少なくとも1種の金属である)、銅−リチウム酸化物(Li2CuO2)、鉄−リチウム酸化物(LiFe3O4)、あるいはであるLiFePO4、LiMnPO4およびLi2MPO4F(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Znより選ばれた少なくとも1種の金属である)などのポリアニオン系化合物、あるいはLiV3O8、V2O5、Cu2V2O7等のバナジウム酸化物、あるいはジスルフィド化合物、あるいはLi2MSiO4(ただし、MはCo、Ni、Fe、Cr、Zn、Taより選ばれた少なくとも1種の金属である)などのケイ酸塩系化合物、Li2MO3-LiMO2(ただし、MはMn、Co、Ni、Fe、Cr、Znより選ばれた少なくとも1種の金属である)あるいは、Fe2(MoO4)3、Li2S、Sなどを挙げることができる。前記の導電助材としては、例えば、サーマルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の導電性炭素材料を挙げることができる。
スラリーに用いる溶媒は活物質に対して不活性であり、且つ結着剤を溶解・分散し得る限り特に制限されず、無機または有機の何れの溶剤であってもよい。好適な溶媒の一例としては、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。
本発明の二次電池の作製方法には、特に制限は無く、従来公知の二次電池の作製方法を用いて行えば良いが、例えば、図2に模式的に示した構成で、以下の方法により作製することもできる。すなわち、前記の電極6とリチウム箔電極7との間に絶縁層となるポリオレフィン製微多孔膜10を配し、電極6およびポリオレフィン製微多孔膜10の空隙部分に非水電解液が十分に染込むまで注液することで作製することができる。
アルゴン置換し、露点が−70℃以下に制御したグローブボックス内で、正極または負極の電極合材塗工面がリチウム金属負極と中央で対向するようにし、さらに電極間にポリオレフィン製微多孔膜を配置した。次に70×140mm角に切断・加工したアルミラミネートシートを、長辺の中央部で二つ折りにし、電極の集電用タブがラミネートシートの外部に露出するように配置して挟み込んだ。次にヒートシーラーを用いて、アルミラミネートシートの集電用タブが露出した辺を含む2辺を加熱融着した後、シールしていない一辺から、2gの電解液[キシダ化学製、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=3/7(vol)+1M LiPF6溶液、電解液と表記]を注液し、正極およびポリオレフィン製微多孔膜に十分に染み込ませてから、真空ヒートシーラーにより、電池の内部を減圧しながら、アルミラネートシートの残り1辺を加熱融着して電池を得た。
平均粒子径0.15μmのCo3O4とMgOの混合粒子1(混合質量比:Co3O4/MgO=60/40)を触媒として準備した。この混合粒子1を、0.05質量%のポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステルを溶解させたエタノールと混合して、混合粒子1を0.1質量%含有する触媒分散液を作製した。次いで、導電性シートであるのAl箔(日本製箔株式会社製、サイズ10×10cm、厚さ20μm)の片面に、スプレーにより触媒分散液0.5gを均一に塗布した後、100℃で1時間乾燥して、Al箔上に触媒が配置された導電性シートを得た。次いで、触媒が配置された導電性シートをヘリウムガスおよび水素ガスを含む混合ガス雰囲気下で加熱し、活性化させた後、ヘリウムガス雰囲気下で650℃に加熱し、一酸化炭素ガスと水素ガスを含む混合ガス(混合容積比:一酸化炭素ガス/水素ガス=80/20)を原料ガスとして、この原料ガスを供給しながら約10時間保持して、Al箔表面に主幹となる繊維状炭素材料が生成した導電性シートを得た。この時、主幹となる繊維状炭素材料の質量は、28.1mgであった。
次いで、前記の導電性シートを反応炉から取り出し、繊維状炭素材料生成させた面に、平均粒子径0.01μmのCo3O4とMgOの混合粒子2(混合質量比:Co3O4/MgO=60/40)を触媒とし、この混合粒子2を、0.05質量%のポリオキシエチレンドデシルエーテルリン酸エステルを溶解させたエタノールと混合して、混合粒子2を0.1質量%含有する触媒分散液を作製した。この触媒分散液15gを主幹となる繊維状炭素材料を生成させた面に対して、均一にスプレーした後、上記の触媒を活性化させる工程と繊維状炭素材料を生成させる工程を再度繰り返し、主幹に対して側枝となる繊維状炭素材料を生成させて、本発明の複合集電体Aを得た。この複合集電体Aの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は15であり、側枝となる繊維状炭素材料の質量は、24.2mgであった。また、SEM観察により、生成した繊維状炭素材料が中空構造を有していることが確認された。結果を表1に示した。
実施例1の混合粒子1の触媒分散液のスプレー量を0.5gから1gに、混合粒子2のスプレー量を15gから30gにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Bを得た。この複合集電体Bの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は17であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は52.1mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は52.8mgであった。結果を表1に示した。
実施例1の混合粒子1と混合粒子2の触媒分散液濃度をそれぞれ0.1質量%から0.4質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Cを得た。この複合集電体Cの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は13であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は80.2mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は91.4mgであった。結果を表1に示した。
実施例1の混合粒子1の平均粒子径を0.15μmから1.0μmに変更し、混合粒子2の平均粒子径を0.01μmから0.001μmに変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Dを得た。この複合集電体Dの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は590であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は40.5mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は8.1mgであった。結果を表1に示した。
実施例1の混合粒子1の触媒分散液濃度を0.1質量%から0.001質量%に変更し、導電性シートをAl箔からCu箔(古河サーキットフォイル株式会社製、サイズ10×10cm、厚さ18μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Eを得た。この複合集電体Eの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は14であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は0.3mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は0.2mgであった。結果を表1に示した。
実施例1の混合粒子2の平均粒子径を0.01μmから0.15μmに変更し、混合粒子2を0.1質量%含有する触媒分散液のスプレー量を15gから0.5gに変更した以外は、実施例1と同様にして複合集電体Fを得た。この複合集電体Fの主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)は1であり、主幹となる繊維状炭素材料の質量は24.3mg、側枝となる繊維状炭素材料の質量は26.1mgであった。結果を表1に示した。
実施例2において、側枝の生成工程を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして複合集電体Gを得た。なお、主幹となる繊維状炭素材料の質量は51.3mgであった。結果を表1に示した。
上記にて得られた実施例1〜5、比較例1および2の各複合集電体について、以下の方法により平均繊維径の測定を行った。結果を表1に示した。
各実施例および比較例で作製した複合集電体を、SEM(日本電子株式会社製、商品名JSM7400F)を用いて、導電性シートに対して水平方向から繊維状炭素材料の微細構造を観察した。得られたSEM画像から、主幹および側枝となる繊維状炭素材料の繊維径をSEMの画像処理機能を用いて各々50本計測し、その平均値を平均繊維径とした。
<Mn系正極>
正極活物質であるニッケルマンガン酸リチウム粉末および結着剤となるポリフッ化ビニリデン N−メチルピロリドン12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m2/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、ニッケルマンガン酸リチウム粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=90/5/5になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。
得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ200μmおよび400μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ20μmのアルミニウム箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。乾燥終了後、卓上プレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が2.5g/cm3になるように室温で圧縮してから、正極合材の塗布面が40×40mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのアルミタブを超音波溶接により接合しMn系正極を得た。
正極活物質であるリン酸鉄リチウム粉末(STL社製、商品名SLFP-PD60)および結着剤となるポリフッ化ビニリデン N−メチルピロリドン12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m2/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、リン酸鉄リチウム粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=80/10/10になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ200μmおよび400μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ20μmのアルミニウム箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。乾燥終了後、卓上ロールプレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が2.0g/cm3になるように室温で圧縮してから、正極合剤の塗布面が40×40mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのアルミタブを超音波溶接により接合し、LFP系正極を得た。
負極活物質である人造黒鉛粉末(日立化成株式会社製、商品名MAG-D)および結着剤となるポリフッ化ビニリデンとN−メチルピロリドンの12質量%溶液(呉羽化学工業株式会社製、商品名L#1120)、さらに必要に応じて導電助材となるアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製、商品名HS−100、比表面積40m2/g)または繊維状炭素材料をN−メチルピロリドンを除いた固形成分の質量比で、人造黒鉛粉末/ポリフッ化ビニリデン/導電助材=92/5/3になるよう配合し、適宜、N−メチルピロリドンを追加して粘度調整をしながら、プラネタリーミキサーで混練し、スラリー状の分散溶液を得た。得られた分散溶液をドクターブレードにより厚さ60μmで複合集電体(導電性シートとして厚さ15μmの銅箔を使用)上に塗布した後、真空下100℃で5時間乾燥した。
乾燥終了後、卓上ロールプレス機を用いてアルミ箔を除いた正極の密度が1.5g/cm3になるように室温で圧縮してから、負極合材の塗布面が42×42mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのニッケルタブを超音波溶接により接合し、人造黒鉛負極を得た。
厚さ0.5mmのリチウム金属箔(本城金属株式会社製)を、42×42mmの大きさになるように切り出し、集電用タブとして4×40×0.1mmのニッケルタブを圧着し、リチウム箔電極を得た。
上記にて得られた実施例1〜5、比較例1および2の各複合集電体を用いて、電極および二次電池を作製し、以下の方法に従って各種特性の測定を行った。結果を表2に示した。
各実施例および比較例の複合集電体を用いて電極を作製し、φ10mmの円盤状に切断・加工した。得られた円盤状の電極をφ13mm、長さ5mmの円柱状SUS製電極に挟み込み、SUS製2極セル内に固定した。次いで、25℃に設定した恒温槽内にSUS製2極セルを設置し、ソーラトロン12608W型電気化学測定システムを用いて、印加電流値 0.2、0.4、0.6、0.8および1.0mAで各10秒間、定電流分極試験を行った。試験結果からI−Vプロットを行い、得られた近似直線の傾きから、数式(1)より電極抵抗値を算出した。
電極抵抗値=(I−Vプロットの傾き×電極の面積) ・・・数式(1)
各実施例および比較例の複合集電体を用いて作製した、アルミタブを接合したMn系正極、LFP系正極またはニッケルタブを接合した人造黒鉛系負極とニッケル端子を圧着したリチウム箔電極で、45×45mmに加工したポリオレフィン多孔質膜を挟み込み、電解液を正極、ポリオレフィン多孔質膜に充分に染み込むように滴下した後、アルゴン雰囲気下でアルミラミネートフィルムに封入することにより電池を得た。(実施例6〜12および比較例3〜6)次いで、25℃に設定した恒温槽内に電池を設置し、充放電試験機(北斗電工株式会社製、商品名SD8)を用いて、充放電試験を行った。各電極の充放電試験は、後述した条件に従って行った。
5.0Vまで1CAのレートで定電流充電を行い、電圧が5.0Vに達してから5時間定電圧充電を行った。次いで、開回路状態で10分間保持した後、3.0Vになるまで1CAのレートで定電流放電を行い、開回路状態で10分間保持した。前記の条件での放電・充電を1サイクルとして、充放電を5サイクル繰り返した。次いで、1CAで定電流および定電圧放電を行った後、1CAと10CAで定電流充電を行い、1CAの充電容量と10CAの充電容量を、それぞれ1CA充電容量と10CA充電容量とした。次に、1CAのレートでの充放電を50サイクル繰り返し、1サイクル目と50サイクル目の充電で得られた負極活物質1g当りの充電容量を、それぞれ初回充電容量と最終充電容量とした。
また、数式(2)〜(4)より、CA、レート特性および放電容量維持率をそれぞれ算出した。
CA=(放電電流値/電極の設計容量) ・・・数式(2)
レート特性=(10CA放電容量/1CA放電容量)×100 ・・・数式(3)
放電容量維持率=(最終放電容量/初回放電容量)×100 ・・・数式(4)
Mn系正極の充放電条件において、定電流、定電圧充電の電圧を5.0Vから4.1Vに変更し、定電流放電の電圧を3.0Vから2.1Vに変更した以外は、Mn系正極の充放電条件と同様に評価を行った。
0.01Vまで1CAのレートで定電流放電(リチウムイオンの吸蔵)を行い、電圧が0.01Vに達してから5時間定電圧放電を行った。次いで、開回路状態で10分間保持した後、1.5Vになるまで1CAのレートで定電流充電(リチウムイオンの放出)を行い、開回路状態で10分間保持した。前記の条件での放電・充電を1サイクルとして、充放電を5サイクル繰り返した。次いで、1CAで定電流および定電圧放電を行った後、1CAと10CAで定電流充電を行い、1CAの充電容量と10CAの充電容量を、それぞれ1CA充電容量と10CA充電容量とした。次に、1CAのレートでの充放電を50サイクル繰り返し、1サイクル目と50サイクル目の充電で得られた負極活物質1g当りの充電容量を、それぞれ初回充電容量と最終充電容量とした。
6・・・電極、7・・・リチウム箔電極、8・・・正極アルミタブまたは負極ニッケルタブ、9・・・リチウム箔電極ニッケルタブ、10・・・ポリオレフィン製微多孔膜、11・・・アルミラミネートフィルム。
Claims (9)
- 導電性シートと繊維状炭素材料を含む複合集電体であり、前記繊維状炭素材料が、主幹と、主幹から分岐した側枝からなる分岐構造を有する繊維状炭素材料を含み、前記主幹と側枝の平均繊維径の比(主幹の平均繊維径)/(側枝の平均繊維径)が、2〜1000であり、さらにその一部が前記導電性シートの少なくとも一面に結合されていることを特徴とする複合集電体。
- 前記繊維状炭素材料の10%以上が、分岐構造を有する繊維状炭素材料であることを特徴とする請求項1に記載の複合集電体。
- 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹が、繊維状炭素材料からなる集合体である請求項1〜2のいずれか1項に記載の複合集電体。
- 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹端部の、少なくとも一方が導電性シートに結合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合集電体。
- 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹と側枝の少なくとも一方が、繊維状中空炭素材料である請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合集電体。
- 導電性シートが、アルミニウム箔、または銅箔である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合集電体。
- 前記分岐構造を有する繊維状炭素材料の主幹の中心間隔(X)と主幹の平均繊維径(D)の比{主幹の中心間隔(X)/主幹の平均繊維径(D)}が、1〜100である請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合集電体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合集電体と、カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極活物質、またはカチオンを吸蔵・放出することが可能な負極活物質を含むことを特徴とする二次電池用電極。
- カチオンを吸蔵・放出することが可能な正極および負極の間に介在して、カチオンを移動させる非水系電解液層を有する二次電池であって、前記正極または負極の少なくとも一方が、請求項8に記載の二次電池用電極であることを特徴とする二次電池。
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