JP2015014470A - 電気自動車用情報の推定装置、経路探索システム、及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、対象道路区間を走行する電気自動車2の消費電力量を推定する装置である。電気自動車2から車両情報を取得できた道路区間を実績道路区間としている。この装置は、電気自動車2の車両情報に基づいて、実績道路区間を走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際の消費電力量を取得し、かつ、非電気自動車14の車両情報に基づいて、対象道路区間を走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を取得する。EV走行情報及び非EV走行情報を用いて、対象道路区間に類似する実績道路区間を見つける。見つけられた実績道路区間の消費電力量を基にして、この実績道路区間に類似している対象道路区間における消費電力量を推定する。
【選択図】 図1
Description
このような、ある道路区間を通過するために要する電気自動車の消費電力量は、その道路区間を実際に走行した電気自動車から送信された車両情報(プローブ情報)を収集して、これら車両情報を統計処理することにより求めることが可能である。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
本発明の経路探索システムによれば、精度良く推定したコスト値を用いて、電気自動車のための経路の探索処理が行われることで、精度の良い探索結果を得ることが可能となる。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明は、電気自動車が道路区間を走行するために要する消費電力に対応するコスト値を推定する装置であって、下記に定義する実績道路区間を電気自動車が走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際の当該電気自動車の消費電力に対応するコスト値を、当該電気自動車の車両情報に基づいて取得し、かつ、下記に定義する対象道路区間を非電気自動車が走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を、当該非電気自動車の車両情報に基づいて取得する取得部と、前記EV走行情報及び前記非EV走行情報を道路区間の類似判定のためのパラメータとして用いて、前記対象道路区間に類似する前記実績道路区間を見つける類似判定部と、見つけられた前記実績道路区間における前記コスト値を基にして、当該実績道路区間に類似している前記対象道路区間における前記コスト値を推定する処理部と、を備えている。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
なお、実施形態では、前記コスト値は、消費電力量[Wh]であるが、その他として消費電力[W]であってもよい。
この場合、実績道路区間を走行する電気自動車から取得された車両情報を複数のグループに分類した場合の、当該グループそれぞれに含まれる車両情報の数の割合(第1の割合)と、対象道路区間を走行する非電気自動車から取得された車両情報を複数のグループに分類した場合の、当該グループそれぞれに含まれる車両情報の数の割合(第2の割合)と、が道路区間の類似判定のためのパラメータとして用いられる。このため、ある実績道路区間で取得された電気自動車の車両情報に基づく前記第1の割合と、ある対象道路区間で取得された非電気自動車の車両情報に基づく前記第2の割合とが近い場合に、これら実績道路区間と対象道路区間とは類似している関係にあると言える。
なお、前記分類の例としては、前記車両情報が、加速状態に対応する加速情報のグループ、減速状態に対応する減速情報のグループ、及び等速状態に対応する等速情報のグループの内の少なくとも2つのグループに分類される。
この場合、ある実績道路区間とある対象道路区間とで車両速度が多少異なる場合であっても、これら道路区間それぞれの前記コスト値に相関がある場合に有効となる。
電気自動車の場合、消費電力に対応するコスト値は、走行する道路区間(実績道路区間)における走行抵抗の影響を受けやすいことから、この走行抵抗に応じて変換情報を変化させることで、精度の高い類似判定が可能となる。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
このコンピュータプログラムによれば、前記(1)に記載の推定装置と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。
〔1. 経路探索システムについて〕
図1は、経路探索システムの一部を示すブロック図である。このシステムには、電気自動車2、電気自動車2に搭載されている車載装置3、非電気自動車14、非電気自動車14に搭載されている車載装置13、車載装置3,13それぞれと無線通信する路側通信装置4、及び路側通信装置4と通信可能なサーバ装置5が含まれる。電気自動車2は、バッテリ7、及びこのバッテリ7の電力によって駆動するモータ10を搭載しており、バッテリ7の電力を消費して各地の道路を走行する。非電気自動車14は、電気自動車2以外の自動車であって、内燃機関(エンジン)を搭載しており、内燃機関により発生する動力により各地の道路を走行する。
また、ブレーキ装置11は、モータ10を発電機として作動させることで運動エネルギー(走行エネルギー)を電気エネルギーに変換して、電気エネルギーをバッテリ7に回収する回生ブレーキからなる。このために、電気自動車2に搭載の電子制御ユニット(ECU)6は、ブレーキ装置11による回生制御を行う。
車載装置3は、ドライバ(搭乗者)の操作により各種の情報を入力可能でかつドライバに対して情報を出力可能である入出力部3aと、現在位置の情報を取得可能な測位部3bとを有している。
測位部3bは、例えばGPS機能を有した測位装置からなり、現在位置の情報を取得する。取得した現在位置の情報は前記送信情報や前記プローブ情報に含められ、サーバ装置5へ送信される。
電気自動車2の車載装置3は、プローブ情報を周期的に(1秒毎や数秒毎に)生成して送信する。プローブ情報には、図2に示すように、車種コード、車両ID、年月日、時刻、リンクID、速度[km/h]、乗車人数[人]、総消費電力量[kWh]、バッテリ7の充電率[%]及び残量[kWh]、補機情報[オン又はオフ]等の各種情報が含められる。なお、図2に示す表は、周期的に生成されたプローブ情報を複数まとめて記載したものであり、各列の情報が、一つのプローブ情報に相当する。
車両IDは、車体毎に付与された識別情報である。
年月日及び時刻の情報は、周期的に生成される各プローブ情報が生成された年月日及び時刻を示す情報である。
また、プローブ情報には、リンクIDと共に、又は、リンクIDの代わりに位置の情報が含まれていてもよい。位置は、周期的に生成される各プローブ情報が生成された際の位置を示す情報であり、測位部3b(図1参照)が測位して得た情報である。
乗車人数は、電気自動車2の乗車人数であり、例えば、シートベルトの装着状態の情報を電子制御ユニット(ECU)6が監視し、この情報を、電子制御ユニット6を通じて車載装置3は取得し、プローブ情報に含ませることができる。
バッテリ7の充電率[%]及びバッテリ7の残量(残りの充電量)[kWh]は、バッテリ7に付属のバッテリ管理装置が計測して得た値であり、プローブ情報の生成時点における値である。
〔2.1 全体構成〕
図1において、サーバ装置5は、コンピュータからなり、ハードディスク等からなる記憶装置15と、路側通信装置4と通信を行うための通信インタフェースからなる通信装置16と、演算等の処理を行う機能を有する演算処理装置17とを備えている。通信装置16は、車載装置3,13それぞれから送信されたプローブ情報を受信し、演算処理装置17へ与える。記憶装置15には、後に説明する経路探索のために用いられるデータベース51が設けられている。なお、記憶装置15は、コンピュータ(サーバ装置5)の内部バスまたは外部インタフェースを介して演算処理装置17が情報を読み取り可能(演算処理装置17が情報を取得可能)なものであればよく、コンピュータに内蔵されている必要はない。
〔2.2 経路探索部20について〕
経路探索部20は、電気自動車2の車載装置3から送信された前記探索要求信号に基づいて、その車載装置3を搭載している電気自動車2のための経路(推奨経路や到達可能な経路範囲等)を探索する。
電気自動車2(車載装置3)それぞれは、現時点におけるバッテリ7の情報を、経路の探索要求信号に含めて、サーバ装置5へ送信する。本実施形態における前記バッテリ7の情報は、探索要求信号を送信する時点での、バッテリ7の充電率[%]及び残量[kWh]である。このバッテリ7の情報をサーバ装置5の通信装置16が受信すると、経路探索部20は、このバッテリ7の情報、及び記憶装置15が有しているデータベース51中の様々な情報等を用いて、この電気自動車2のために、バッテリ7の残量[kWh](又は前記充電率[%])によって到達可能となる経路を探索する処理を行う。
つまり、経路探索部20は、経路探索を行う際、道路リンクの起点(ノード)におけるバッテリ7の電力残量(残り電力量)から、その道路リンクを走行することにより消費される電力量を差し引いた、残り電力量を算出する。そして、算出した残り電力量が所定の値(例えば充電率に換算して20%)以上であることを条件として、次の道路リンクを探索し続け、第2の地点までの経路探索を行う。算出した残り電力量が所定の値未満になると、航続不可能と判定される。
消費電力量推定部21の取得部22は、電気自動車2(車載装置3)から送信されたプローブ情報(以下、EVプローブ情報という)を収集し、また、非電気自動車14(車載装置13)から送信されたプローブ情報(以下、非EVプローブ情報という)を、収集する。
具体的に説明すると、EVプローブ情報には、リンクIDが含まれていることから、取得部22は、図3に示すように、EVプローブ情報を、道路リンク(リンクID)毎に区分(分類)して収集し、複数のEVプローブ情報を含む情報群D1を、道路リンク(リンクID)毎に区分して生成する。図4は、リンクIDが「X」である情報群D1の一例を示している。
さらに、取得部22は、道路リンク毎に区分して収集したEVプローブ情報を、更に、車種コード毎に収集する(図4参照)。なお、車種コード毎ではなく、車両ID毎に収集してもよい。
このように、取得部22は、電気自動車2のEVプローブ情報、及び非電気自動車14の非EVプローブ情報を、道路リンク毎に収集することができる。
「実績道路リンク」とは、電気自動車2による走行実績のある道路リンクであり、その道路リンクを走行する電気自動車2からEVプローブ情報を取得できた道路リンクである。なお、この実績道路リンクについては、非電気自動車14からも非EVプローブ情報が取得されていてもよく、取得されていなくてもよい。
そこで、取得部22は、各実績道路リンクのEVプローブ情報を、実績道路リンク毎であって停止回数毎に収集すると、これら収集したEVプローブ情報を解析して、各実績道路リンクを走行するために要するバッテリ7の消費電力に対応するコスト値を、停止回数毎に算出することができる。なお、本実施形態では、このコスト値は、消費電力量[Wh]であるが、その他として消費電力[W]であってもよい。この消費電力量は、例えば、速度帯毎に求めた平均値であってもよく、又は、消費電力量を推定するために規定されたモデル式を用いて算出した値であってもよい。
更に、各実績道路リンクについての消費電力量の値の情報は、記憶装置15が有するリンク情報用のデータベース51にも蓄積される。この情報は、後に説明するが、経路探索部20による経路探索処理に用いられる。
各EVプローブ情報には、EVプローブ情報の生成周期間における平均速度を示す速度情報が含まれていることから、この平均速度の変化から、加速度を求めることができ、当該EVプローブ情報の生成時点での電気自動車2の走行態様が、加速状態であるのか、減速状態であるのか、等速状態であるのかを、取得部22は判定することができる。
そこで、EVプローブ情報の生成時点での電気自動車2の走行態様が、加速状態(つまり、加速度>0)である場合、そのEVプローブ情報は加速情報に分類され、その走行態様が、減速状態(つまり、加速度<0)である場合、そのEVプローブ情報は減速情報に分類され、その走行態様が、等速状態(つまり、加速度=0)である場合、そのEVプローブ情報は等速情報に分類される。
そして、他の停止回数(0回、2回、3回、4回・・・)についても、同様にEV走行情報(プローブの割合)を求め、更に、この処理を、他の実績道路リンク(リンクIDが「2」「3」・・・)についても実行する。
さらに、この記憶部19には、各実績道路リンクの静的な情報も記憶される。図5に示すように、静的な情報として、実績道路リンクの勾配、リンク長(距離)、道幅、及び車線数が含まれる。
「対象道路リンク」とは、電気自動車2からのEVプローブ情報は未取得であるが、電気自動車2以外である非電気自動車14から非EVプローブ情報を取得できた道路リンクである。つまり、対象道路リンクは、電気自動車2による走行実績は無いが、非電気自動車14による走行実績が有る道路リンクである。
なお、対象道路リンクは、電気自動車2による走行実績が無いことから、対象道路リンクに関するEVプローブ情報を取得することができない。このため、対象道路リンクを走行するために要するバッテリ7の消費電力に対応するコスト値(本実施形態では、消費電力量[Wh])を、実績道路リンクの場合のように、直接的に算出することができない。そこで、消費電力量推定部21は、この対象道路リンクにおけるコスト値(消費電力量[Wh])を推定する処理を行う。
各非EVプローブ情報には、非EVプローブ情報の生成周期間における平均速度を示す速度情報が含まれていることから、この平均速度の変化から、加速度を求めることができ、当該非EVプローブ情報の生成時点での非電気自動車14の走行態様が、加速状態であるのか、減速状態であるのか、等速状態であるのかを、取得部22は判定することができる。
そこで、非EVプローブ情報の生成時点での非電気自動車14の走行態様が、加速状態(つまり、加速度>0)である場合、その非EVプローブ情報は加速情報に分類され、その走行態様が、減速状態(つまり、加速度<0)である場合、その非EVプローブ情報は減速情報に分類され、その走行態様が、等速状態(つまり、加速度=0)である場合、その非EVプローブ情報は等速情報に分類される。
そして、他の停止回数(0回、2回、3回、4回・・・)についても、同様に非EV走行情報(プローブの割合)を求め、更に、この処理を、他の対象道路リンク(リンクIDが「5」「6」・・・)についても実行する。
さらに、この記憶部19には、各対象道路リンクの静的な情報も記憶される。図5に示すように、静的な情報として、実績道路リンクの勾配、リンク長(距離)、道幅、及び車線数が含まれる。
さらに、対象道路リンク(リンクIDが「4,5,6」の道路リンク)毎に、対象道路リンクの静的な情報として道路特性、及び対象道路リンクにおける非プローブ情報から得られる非EV走行情報を、関連つけて記憶させることができる。
本実施形態では、図9(A)に示すように、最高速度を時速100kmとしており、車両速度(平均速度)が時速0kmである場合に規格化速度(指標値)が「0」となり、車両速度(平均速度)が時速100kmである場合に規格化速度が「1」となるような、一次式の関数Faにより規格化速度への変換を行っている。つまり、前記所定の変換情報は、前記一次式の関数Faの情報である。
この関数Faによれば、例えば、図6に示すリンクIDが「1」である道路リンクに関して、車両速度(平均速度)が時速30kmである場合、規格化速度は0.3となる。なお、図6は、図5に示す表から道路特性を除外して、EV走行情報及び非EV走行情報をそれぞれ整理して示したものである。
類似判定部23(図1参照)は、図6に示す情報を参照して、図6中に含まれるEV走行情報及び非EV走行情報を基にして、道路リンク間の類似度を算出する。図6に示す各情報を対象として類似度を相関係数により表現すると、図7に示す関係となる。
具体的に説明すると、例えば、リンクIDが「4」である対象道路リンクX4と、複数の実績道路リンク(リンクIDが「1」〜「3」)それぞれとの類似度を求める。そして、この対象道路リンクX4に最も類似する実績道路リンクを見つける(最も類似度の高い実績道路リンクを見つける)。図7によれば、対象道路リンクX4に類似する実績道路リンクは、リンクIDが「3」である実績道路リンクである。このようにして、他の対象道路リンクについても、同様に類似する実績道路リンクを見つける。図7によれば、リンクIDが「5」である対象道路リンクX5に類似する実績道路リンクは、リンクIDが「2」である実績道路リンクであり、リンクIDが「6」である対象道路リンクX6に類似する実績道路リンクは、リンクIDが「1」である実績道路リンクである。
類似判定部23が、一つの対象道路リンクX4に最も類似する実績道路リンクX3を見つけると、処理部24(図1参照)は、この実績道路リンクX3の消費電力量を基にして、対象道路リンクX4の消費電力量を推定する。
実績道路リンクX3の消費電力量を、そのまま、対象道路リンクX4の消費電力量として適用してもよいが、本実施形態では、図8に示すように、これら実績道路リンクX3と対象道路リンクX4とのリンク長の比(122/83)を求め、実績道路リンクX3の停止回数毎の消費電力量(2.45,3.87,3.52)に、このリンク長の比(122/83)をそれぞれ乗算した値(2.86,6.16,9.94)を、対象道路リンクX4での消費電力量として推定する。
なお、前記のとおり、実績道路リンクについての消費電力量の値(EVプローブ情報に基づく算出値)の情報も、このデータベース51に蓄積されていることから、このデータベース51には、実績道路リンクの消費電力量の値の情報の他に、対象道路リンクの消費電力量の値(推定値)の情報が蓄積された状態となる。
そして、これら実績道路リンクの消費電力量の値と、対象道路リンクの消費電力量の値とが、経路探索部20による経路探索処理に用いられる。
以上のように、本実施形態の消費電力量推定部21は、対象道路リンクを電気自動車2が走行するために要するバッテリ7の消費電力に対応するコスト値として、消費電力量を推定する装置であり、取得部22と、類似判定部23と、処理部24とを備えている。
取得部22は、電気自動車2が送信するEVプローブ情報に基づいて、実績道路リンクを電気自動車2が走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際のバッテリ7の消費電力量を取得する。さらに、取得部22は、非電気自動車14が送信する非EVプローブ情報に基づいて、対象道路リンクを非電気自動車14が走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を取得する。
類似判定部23は、これらEV走行情報、及び非EV走行情報を、道路リンクの類似判定のためのパラメータとして用いて、対象道路リンク(X4,X5,X6)それぞれに類似する実績道路リンク(X3,X2,X1)を見つける。
この構成によれば、ある実績道路リンクとある対象道路リンクとで車両速度(平均速度)が多少異なる場合であっても、これら道路リンクそれぞれにおける消費電力量に相関がある場合に有効となる。
例えば、電気自動車2のEVプローブ情報から得られた車両速度(平均速度)を指標値に変換する際の関数(変換情報)については、複数パターンが設定され、記憶されている。そこで、類似判定部23は、電気自動車2のEVプローブ情報から得られた車両速度(平均速度)を指標値に変換する際の関数を、実績道路リンクにおける電気自動車2の走行抵抗に応じて変化させるようにするのが好ましい。例えば、走行抵抗(路面状態、風の強さ)に応じて、規格化するための関数を変更するのが好ましい。
例えば、電気自動車2にとって、路面抵抗のより大きい道路リンクを低速で通過するために要する消費電力量と、路面抵抗がより小さい道路リンクを高速で通過するために要する消費電力量とが、同程度となる場合、これら二つの速度が同じ規格化速度となるような関数を用いるのが好ましい。また、電気自動車2の場合と非電気自動車14の場合とで規格化する関数を変えてもよい。例えば、図9(A)は、通常時における規格化するための関数Faを示しており、図9(B)は、走行抵抗に応じて変化させる関数Fbを示している。電気自動車用の場合、ある道路リンクの車両速度は、関数Fbを用いてその車両速度を規格化するようにすればよい。
以上のように、消費電力量推定部21は、EVプローブ情報が未取得である対象道路リンクを電気自動車2が走行するために要するバッテリ7の消費電力量を、精度良く推定することが可能となるため、経路探索部20は、その推定した消費電力量の情報を用いて、電気自動車2のための経路の探索処理が行われることで、精度の良い探索結果を得ることが可能となる。
なお、本実施形態では、類似判定部23が、道路リンクの類似を判定する際に用いた項目を、実績道路リンク及び対象道路リンクそれぞれを通過する平均速度(車両速度)、及び停止回数毎のプローブの割合としたが、類似判定のために、その他の項目を更に用いてもよい。例えば、道路リンクを特徴付ける項目として、各道路リンクの勾配、各道路リンクの道幅、及び各道路リンクの車線数等があり、これら項目を類似判定に用いても良い。
また、類似判定部23が、道路リンクの類似性を判定する際に用いる各項目に対して重み付けを行って、類似性を評価してもよい。
さらに、処理部24が、対象道路リンクの消費電力量を算出するために、リンク長の比を考慮したが、コスト値の種類に応じてこのような比を考慮しなくてもよい。
前記実施形態では、サーバ装置5が、経路探索の処理を行う経路探索装置として機能し、また、サーバ装置5が、バッテリ7の消費電力量を推定する消費電力量推定装置として機能する場合について説明したが、経路探索装置又は消費電力量推定装置は、サーバ装置5以外であってもよく、例えば、車載装置3が消費電力量推定装置として機能してもよい。
また、本発明は、前記消費電力量推定装置(消費電力量推定部)、又は前記経路探索システムが行う処理をステップとする消費電力量推定方法、又は経路探索方法とすることもできる。また、前記のとおり説明した各構成の一部を組み合わせた装置やシステムとすることもできる。
2 非電気自動車
3 車載装置
3,13 車載装置
3a 入出力部
3b 測位部
4 路側通信装置
5 サーバ装置
6 電子制御ユニット
7 バッテリ
10 モータ
11 ブレーキ装置
12 車輪
13 車載装置
14 非電気自動車
15 記憶装置
16 通信装置
17 演算処理装置
19 記憶部
20 経路探索部
21 消費電力量推定部
21 推定部
22 取得部
23 類似判定部
24 処理部
41,42,43 補機
51 データベース
Claims (6)
- 電気自動車が道路区間を走行するために要する消費電力に対応するコスト値を推定する装置であって、
下記に定義する実績道路区間を電気自動車が走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際の当該電気自動車の消費電力に対応するコスト値を、当該電気自動車の車両情報に基づいて取得し、かつ、下記に定義する対象道路区間を非電気自動車が走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を、当該非電気自動車の車両情報に基づいて取得する取得部と、
前記EV走行情報及び前記非EV走行情報を道路区間の類似判定のためのパラメータとして用いて、前記対象道路区間に類似する前記実績道路区間を見つける類似判定部と、
見つけられた前記実績道路区間における前記コスト値を基にして、当該実績道路区間に類似している前記対象道路区間における前記コスト値を推定する処理部と、
を備えている電気自動車用情報の推定装置。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間 - 前記電気自動車及び前記非電気自動車から取得された前記車両情報それぞれが、当該車両情報に基づいて得られる走行速度の変化を基準として複数のグループに分類され、
前記EV走行情報及び前記非EV走行情報それぞれは、分類された前記グループそれぞれに含まれる車両情報の数の割合を示す情報を含む請求項1に記載の電気自動車用情報の推定装置。 - 前記類似判定部は、前記電気自動車及び前記非電気自動車それぞれの前記車両情報から得られる車両速度を、所定の変換情報に基づいて、当該車両速度の大小に応じた値をとる指標値に変換し、この指標値を前記EV走行情報及び前記非EV走行情報として用いて、前記対象道路区間に類似する前記実績道路区間を見つける請求項1又は2に記載の電気自動車用情報の推定装置。
- 前記類似判定部は、前記電気自動車の前記車両情報から得られた前記車両速度を前記指標値に変換する際の前記変換情報を、前記実績道路区間における前記電気自動車の走行抵抗に応じて変化させる請求項3に記載の電気自動車用情報の推定装置。
- 電気自動車のための経路を探索する経路探索システムであって、
電気自動車が道路区間を走行するために要する消費電力に対応するコスト値を推定する推定部と、
推定した前記コスト値を用いて前記電気自動車のための経路を探索する経路探索部と、を有し、
前記推定部は、
下記に定義する実績道路区間を電気自動車が走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際の当該電気自動車の消費電力に対応するコスト値を、当該電気自動車の車両情報に基づいて取得し、かつ、下記に定義する対象道路区間を非電気自動車が走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を、当該非電気自動車の車両情報に基づいて取得する取得部と、
前記EV走行情報及び前記非EV走行情報を道路区間の類似判定のためのパラメータとして用いて、前記対象道路区間に類似する前記実績道路区間を見つける類似判定部と、
見つけられた前記実績道路区間における前記コスト値を基にして、当該実績道路区間に類似している前記対象道路区間における前記コスト値を推定する処理部と、
を備えている経路探索システム。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間 - 電気自動車が道路区間を走行するために要する消費電力に対応するコスト値を推定する推定装置として、コンピュータを機能させるコンピュータプログラムであって、
前記推定装置は、
下記に定義する実績道路区間を電気自動車が走行した際の走行状態を示すEV走行情報、及びその際の当該電気自動車の消費電力に対応するコスト値を、当該電気自動車の車両情報に基づいて取得し、かつ、下記に定義する対象道路区間を非電気自動車が走行した際の走行状態を示す非EV走行情報を、当該非電気自動車の車両情報に基づいて取得し、
前記EV走行情報及び前記非EV走行情報を道路区間の類似判定のためのパラメータとして用いて、前記対象道路区間に類似する前記実績道路区間を見つけ、
見つけられた前記実績道路区間における前記コスト値を基にして、当該実績道路区間に類似している前記対象道路区間における前記コスト値を推定するコンピュータプログラム。
実績道路区間:電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
対象道路区間:電気自動車からの車両情報は未取得であるが非電気自動車から車両情報を取得できた道路区間
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