JP2015013528A - インホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造 - Google Patents

インホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造 Download PDF

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豊 又吉
知己 平林
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知己 平林
咲子 鐸木
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咲子 鐸木
田村 淳
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Abstract

【課題】ホイールハウス内の空間の有効利用を図るとともに、転舵に伴う車体側給電線の振れ回りを低減すること。
【解決手段】車体に対し上側が車幅方向内側に傾斜した仮想キングピン軸7の軸線周りに転舵可能に設けられたナックル6と、ナックル6に回転可能に支持された車軸に接続されたホイール2と、車軸に駆動力を与えるインホイールモータ5と、を備える。このインホイールモータ駆動車輪において、インホイールモータ5から延在する固定給電線13aと車載電源から延在する可動給電線13bとを、固定給電線13aに対し可動給電線13bを相対回転可能に電気的に接続する複数線一体回転電源端子12’を設ける。ナックル6に、転舵のための入力を受け入れるタイロッド15を、ボールジョイント部15aを介して連結し、複数線一体回転電源端子12’を、タイロッド15のボールジョイント部15aに配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータにより駆動されると共に舵取り操作により転舵されるインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造に関する。
従来、キングピン軸に対して車幅方向内側に配置された転舵輪に用いる電気自動車用インホイールモータにおいて、モータの車体側端部から上方に向かって電力供給線及び回転速度信号線が出ている構成が記載されている(例えば、特許文献1の図2参照)。
特開2002−247713号公報
しかしながら、従来の電気自動車用インホイールモータにあっては、車輪を転舵した場合に、モータから出た電力供給線が大きく振れ回るため、ホイールハウス内に配置された部品に干渉してしまう、という問題があった。
また、電線と部品との干渉を防止するためには、ホイールハウス内の部品とのクリアランスを大きくとる(配線のための生存空間を大きく確保する)必要があり、ホイールハウスが大きくなってしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ホイールハウス内の空間の有効利用を図るとともに、転舵に伴う車体側給電線の振れ回りを低減するインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、車体に対し上側が車幅方向内側に傾斜したキングピン軸の軸線周りに転舵可能に設けられたナックルと、前記ナックルに回転可能に支持された車軸に接続されたホイールと、前記車軸に駆動力を与えるモータと、を備える。
このインホイールモータ駆動車輪において、前記モータから延在するモータ側給電線と車載電源から延在する車体側給電線とを、前記モータ側給電線に対し前記車体側給電線を相対回転可能に電気的に接続する電気接続機構を設ける。
前記ナックルに、転舵のための入力を受け入れるタイロッドを、ボールジョイント部を介して連結する。
前記電気接続機構を、前記タイロッドのボールジョイント部に配置した。
よって、モータ側給電線に対し車体側給電線を相対回転可能に電気的に接続する電気接続機構が、タイロッドのボールジョイント部(=ナックル連結部)に配置される。
すなわち、タイロッドのボールジョイント部の周囲には、転舵に伴う揺動を許容するためにスペースが確保されている。したがって、ボールジョイント部の周囲に確保されているスペースを利用し、電気接続機構を配置することができる。ナックルは、車輪を転舵する際の転舵中心軸であるキングピン軸の軸線周りに転舵可能に設けられた部材である。したがって、タイロッドのボールジョイント部に配置した電気接続機構は、キングピン軸に近接して配置されることになる。このため、電気接続機構に接続される車体側給電線は、車輪を大きく転舵させたとしてもキングピン軸の軸線周りを小さな回転半径に沿って振れ回るというように、転舵に伴う車体側給電線の振れ回りが低減される。
この結果、ホイールハウス内の空間の有効利用を図るとともに、転舵に伴う車体側給電線の振れ回りを低減することができる。
実施例1のモータ給電線配索構造が適用されたインホイールモータ駆動車輪の取付け部を示す正面図である。 実施例1のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付けを示すA-A断面図(その1)である。 比較例のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け断面A-A相当におけるモータ電線と回転電源端子電線を示す転舵時作動説明図(その2)である。 実施例1のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け断面A-A相当における回転電源端子位置違いを示す転舵時作動説明図(その3)である。 実施例2のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その1)を示す図である。 実施例3のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その2)を示す図である。 実施例4のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その3)を示す図である。 実施例4のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その4)を示す図である。 実施例5のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その5)を示す図である。 実施例6のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その6)を示す図である。 実施例6のモータ給電線配索構造における図10での回転電源端子取付け矢視Cを示す図である。 実施例7のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け矢視B(その7)を示す図である。 実施例7のモータ給電線配索構造における図12での回転電源端子取付け矢視Dを示す図である。 実施例3のモータ給電線配索構造によりバネ下給電を行うモータ背面側から見た構成を示す図である。 実施例8のモータ給電線配索構造によりバネ下給電を行うモータ背面側から見た構成を示す図である。 実施例8の固定給電線一体補強ブラケットの構造を示す斜視図である。 実施例9のモータ給電線配索構造によりバネ下給電を行うモータ背面側から見た構成を示す図である。 実施例10の回転電源端子の構造を示す断面図である。 実施例10の可動給電線が接続された回転電源端子と固定給電線が接続された被覆部を示す断面図である。 実施例10のモータ給電線配索構造においてタイロッドのボールジョイント部への2個の回転電源端子取り付け構造を示す断面図である。
以下、本発明のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例10に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のモータ給電線配索構造が適用されたインホイールモータ駆動車輪の取付け部の断面を示す。以下、図1に基づき、インホイールモータ駆動車輪の全体構成を説明する。
インホイールモータ駆動車輪とは、インホイールモータ車両において、前輪などに設けられ、モータにより駆動されると共に舵取り操作により転舵される車輪をいう。モータ給電線配索構造とは、ホイール内に配置されたモータに車載電源からの給電線を接続するとき、転舵により振れ回るモータの周辺における給電線の配索構造をいう。
実施例1のインホイールモータ駆動車輪は、図1に示すように、タイヤ1と、ホイール2と、車輪軸線3と、車体サイドメンバ4と、インホイールモータ5(モータ)と、ナックル6と、仮想キングピン軸7と、タイロッド15と、を備えている。そして、フロントサスペンション部材として、ロワアーム8と、ショックアブシャフト9と、アッパーアーム10と、サードリンク11と、を備えている。さらに、インホイールモータ5への給電構成として、複数線一体回転電源端子12’(電気接続機構)と、バネ下給電線13と、を備えている。
前記タイヤ1は、ホイール2に組み込まれ、ホイール2には図示しないブレーキディスクやハブを介し、ナックル6とインホイールモータ5が車輪軸線3に沿って組み込まれている。ナックル6は、車体に対し上側が車幅方向内側に傾斜した仮想キングピン軸7の軸線周りに転舵可能に設けられていて、このナックル6には、転舵のための入力を受け入れるタイロッド15が、ボールジョイント部15aを介して連結される。ホイール2は、ナックル6に回転可能に支持された車軸に接続されている。インホイールモータ5は、車軸に駆動力を与える。
前記ロワアーム8は、ロワアーム車体側揺動点8aが車体に揺動自在に組み込まれ、もう片方のロワアームモータ側揺動点&キングピン軸下点8bはナックル下端6bに回転自在に組み込まれている。ナックル6の上端6aは、サードリンク11に回転自在に組み込まれる。サードリンク11のショックアブ下端軸11cは、ショックアブ下端9aに揺動自在に組み込まれ、ショックアブ上端9bは車体に揺動自在組み込まれている。
前記アッパーアーム10は、アッパーアーム車体側軸10aが車体サイドメンバ4に揺動自在に組み込まれ、もう片方のアッパーアームサードリンク側軸10bはサードリンク11と揺動自在に組み込まれている。
前記複数線一体回転電源端子12’は、タイロッド15のボールジョイント部15aに取り付けられ、バネ下給電線13を構成する固定給電線13a(モータ側給電線)に対し可動給電線13b(車体側給電線)を相対回転可能に電気的に接続する。この複数線一体回転電源端子12’は、タイロッド15のボールジョイント軸15c上に配置されるとともに、ナックル6側に配置された固定部12aと、ボールジョイント軸15cを中心として回転可能に配置された回転部12bと、を有する。
前記複数線一体回転電源端子12’は、円筒中空構造とし、タイロッド15のボール軸部15bに挿入して取り付けられる。すなわち、タイロッド15のボール軸部15bに固定部12aと回転部12bを挿入し、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んだ状態で取り付けられる。
前記仮想キングピン軸7は、ナックル6の下端6bでありロワアーム8のモータ側揺動点&キングピン軸下点8bと、ナックル6の上端6aでありサードリンクナックルアーム側軸11bを結んだ軸である。タイヤ1は、タイロッド15を有するタイヤ転舵機構により、仮想キングピン軸7を中心に転舵する。尚、仮想キングピン軸7を中心としてタイヤ1が転舵するとき、ホイール2・ナックル6・インホイールモータ5・回転電源端子12・固定給電線13aも合わせて一体的に転舵する。また、アッパーアーム10とロワアーム8に組み込まれた各部品は、アッパーアーム車体側軸10aと、ロワアーム車体側揺動軸8aを軸としてショッアブシャフト9の設定範囲でバウンドやリバウンドを行っている。
図2は、実施例1のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付けを示すA-A断面図(その1)である。以下、図2に基づき、回転電源端子取付け構成を説明する。
前記タイヤ1の側面近くにナックル6が配置され、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cに、多極回転電源端子構造による複数線一体回転電源端子12’が取り付けられる。そして、インホイールモータ5の2個のモータ電源端子5a,5aと、複数線一体回転電源端子12’の固定部12aが、2本の固定給電線13a,13aにより接続される。車載電源からの2本の可動給電線13b,13bが、複数線一体回転電源端子12’の回転部12bに接続される。
前記複数線一体回転電源端子12’は、仮想キングピン軸7を中心とする回転半径R1の位置に配置している。このため、転舵中心軸である仮想キングピン軸7から複数線一体回転電源端子12’を結ぶ回転半径R1は、仮想キングピン軸7からモータ電源端子5aを結ぶ回転半径R2より小さい半径になる配置とされている(R1<R2)。
次に、作用を説明する。
図3は、比較例のモータ給電線配索構造における転舵時作動を示し、図4は、実施例1のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け断面A-A相当における転舵時作動を示す。以下、図3及び図4に基づき、実施例1のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索作用を説明する。
まず、車載電源からのバネ下給電線13を、インホイールモータ5のモータ電源端子5a,5aに対しそのまま接続したモータ給電線配索構造を比較例とする。
この比較例の場合、右転舵角θRによる車輪転舵を行うと、図3に示すように、転舵中立位置のバネ下給電線13からモータ電源端子と共に回転半径R2に沿ってバネ下給電線が13’の位置まで大きく振れ回る。また、左転舵角θLによる車輪転舵を行うと、図3に示すように、転舵中立位置のバネ下給電線13からモータ電源端子と共に回転半径R2に沿ってバネ下給電線が13”の位置まで大きく振れ回る。このとき、バネ下給電線の最小曲げ半径と車体側を固定された電源端子に制約されることで、右転舵でのバネ下給電線13’は、図3に示すように、ショッアブシャフト9に接触干渉して曲がり変形する。
これに対し、実施例1では、インホイールモータ5から延在する固定給電線13aと、車載電源から延在する可動給電線13bとを、固定給電線13aに対し可動給電線13bを相対回転可能に電気的に接続する複数線一体回転電源端子12’を設けた。そして、複数線一体回転電源端子12’を、タイロッド15のボールジョイント部15aに配置する構成を採用した。
すなわち、右転舵角θRと左転舵角θLに対しナックル6に配置された回転電源端子12が回転するものの、回転電源端子12はモータ電源端子5aより仮想キングピン軸7に近い。このため、回転電源端子12の回転半径R1は、モータ電源端子の回転半径R2に比べて小さくなる。したがって、右転舵時には、転舵中立位置の可動給電線13bから回転電源端子12と共に回転半径R1に沿って可動給電線13b’の位置までの小さな振れ回りに抑えられる。また、左転舵時には、可動給電線13bから回転電源端子12と共に回転半径R1に沿って可動給電線13b”の位置までの小さな振れ回りに抑えられる。
この結果、タイヤ1を転舵したとき、転舵に伴う可動給電線13bの振れ回りを低減することができる。
また、車体からインホイールモータ5のバネ下給電線13を、複数線一体回転電源端子12’を経由して接続するとき、まず、複数線一体回転電源端子12’を、タイロッド15のボールジョイント部15aに取り付ける。そして、複数線一体回転電源端子12’の固定部12aとモータ電源端子5aを2本の固定給電線13a,13aにより接続し、車載電源からの2本の可動給電線13b,13bを複数線一体回転電源端子12’の回転部12bに接続することで行われる。このように、バネ下給電配索が、タイロッド15のボールジョイント部15aに取り付けた複数線一体回転電源端子12’の回転部12bと可動給電線13bの接続となり、インホイールモータ5から離れたスペースでコンパクトに配置できる。そして、タイロッド15のボールジョイント部15aの周囲には、転舵に伴う揺動などを許容するためにスペースが確保されている。したがって、ボールジョイント部15aの周囲のスペースを利用し、電気接続機構である複数線一体回転電源端子12’を配置することができる。
実施例1では、複数線一体回転電源端子12’を、ホイール2のホイール凹部2aの空間外にて揺動などを許容するスペースが確保されるタイロッド15のボールジョイント部15aに配置した。
例えば、回転電源端子をナックルの近傍に配置するとき、キングピン軸の延長方向であればナックル上方に配置することも可能である。しかし、ナックル上方に回転電源端子を配置した場合、回転電源端子との干渉を避ける必要がある分、ホイールハウスの高さが高くなってしまう。このため、車高またはフード高が上がってしまうことになり、車両としての魅力が低減してしまう。
また、モータ上部のホイール凹部の空間内に配置することも可能である。しかし、ホイール内に回転電源端子を設けた場合には、回転電源端子の設置スペースをホイール内に確保する必要がある分、ホイール径を大きくせざるを得ず、車輪が大型化してしまう。このため、上記回転電源端子をナックルの上方に配置した場合と同様に、ホイールハウスの高さが高くなってしまうし、車高またはフード高が上がってしまうことになり、車両としての魅力が低減してしまう。
これに対し、複数線一体回転電源端子12’を、ホイール2のホイール凹部2aの空間外にて揺動スペースが確保されるタイロッド15のボールジョイント部15aに配置することで、ホイールハウスの高さを低くでき、車高またはフード高が上がることなく、デザイン自由度が向上し、車両としての魅力が高くなる。
実施例1では、回転電源端子として、固定部12aと回転部12bを有し、ボールジョイント軸15c上に配置された複数線一体回転電源端子12’を用いた。そして、固定部12aをナックル6側に固定し、回転部12bを、ボールジョイント軸15cを中心として回転可能に配置した構成を採用した。
したがって、複数線一体回転電源端子12’が左右方向の転舵に伴い回転すると、可動給電線13bから引っ張られる力により回転部12bが回転し、可動給電線13bの回転部12bとの接続点が最短に向く。すなわち、各転舵位置での可動給電線13b,13b’,13b”が、図4に示すように、車載電源側と複数線一体回転電源端子12’を結ぶ直線状給電線になる。
したがって、可動給電線13bの自由全長の短縮が図れるとともに、可動給電線13bの回転軸とボールジョイント軸15cが同一になることで、可動給電線13bの振れ回りをより小さく抑えることができる。また、振れ回り空間が低減化されることで、周辺部品の設計自由度が増す。併せて、回転変位自由度を有する複数線一体回転電源端子12’の回転部12bの動きにより、可動給電線13b自身の振れ・捻り・変形なども低減できる。
実施例1では、複数線一体回転電源端子12’を、円筒中空構造とし、タイロッド15のボール軸部15bに挿入して取り付ける構成を採用した。
例えば、タイロッド15に有する既存のボール軸部を少し長くし、長くした部分に複数線一体回転電源端子12’を挿入して取り付けることができる。
したがって、複数線一体回転電源端子12’の取り付けに際し、タイロッド15のボール軸部15bを利用することで、専用ブラケットなどの部品点数を増加させることなく、容易に複数線一体回転電源端子12’を取り付けることができる。加えて、タイロッド15のボール軸部15bに挿入するだけで、回転部12bを、ボールジョイント軸15cを中心として回転可能に配置することができる。
実施例1では、複数線一体回転電源端子12’を、タイロッド15のボール軸部15bに挿入し、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んだ状態で取り付ける構成を採用した。
したがって、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの既存部品が、複数線一体回転電源端子12’の軸方向の抜け止め部材として利用される。このため、部品点数を削減しながら、複数線一体回転電源端子12’を上下挟持により高い支持剛性にて取り付けることができる。
実施例1では、回転電源端子を、多極回転電源端子構造とし、複数の給電線を接続する1個の複数線一体回転電源端子12’で構成した。
例えば、2相のホイールインモータ5の場合、2個の回転電源端子12が必要であるし、3相のホイールインモータ5の場合、3個の回転電源端子12が必要である。これに対して、複数線一体回転電源端子12’を用いることで、部品点数を削減できるとともに、1個の複数線一体回転電源端子12’を取り付けるだけで、2相や3相のホイールインモータ5に対応することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 車体に対し上側が車幅方向内側に傾斜した仮想キングピン軸7の軸線周りに転舵可能に設けられたナックル6と、
前記ナックル6に回転可能に支持された車軸に接続されたホイール2と、
前記車軸に駆動力を与えるモータ(インホイールモータ5)と、
を備えたインホイールモータ駆動車輪において、
前記モータ(インホイールモータ5)から延在するモータ側給電線(固定給電線13a)と車載電源から延在する車体側給電線(可動給電線13b)とを、前記モータ側給電線(固定給電線13a)に対し前記車体側給電線(可動給電線13b)を相対回転可能に電気的に接続する電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を設け、
前記ナックル6に、転舵のための入力を受け入れるタイロッド15を、ボールジョイント部15aを介して連結し、
前記電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を、前記タイロッド15のボールジョイント部15aに配置した(図1)。
このため、ホイールハウス内の空間の有効利用を図るとともに、転舵に伴う車体側給電線(可動給電線13b)の振れ回りを低減することができる。さらに、電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)が、ホイール2のホイール凹部2aの空間外に配置されるため、ホイールハウスの高さを低く抑えることができる。
(2) 前記電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)は、前記モータ側給電線(固定給電線13a)が接続される固定部12aと、前記車体側給電線(可動給電線13b)が接続される回転部12bと、を有し、
前記固定部12a及び前記回転部12bは、前記タイロッド15のボールジョイント軸15c上に配置されるとともに、前記固定部12aを前記ナックル6側に固定し、前記回転部12bを、前記ボールジョイント軸15cを中心として回転可能に配置した(図1)。
このため、(1)の効果に加え、車体側給電線(可動給電線13b)の自由全長の短縮が図れるとともに、可動給電線13bの回転軸とボールジョイント軸15cが同一になることで、車体側給電線(可動給電線13b)の振れ回りをより小さく抑えることができる。
(3) 前記電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を、円筒中空構造とし、前記タイロッド15のボール軸部15bに挿入して取り付けた(図2)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、部品点数を増加させることなく、容易に電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を取り付けることができるとともに、回転部12bを、ボールジョイント軸15cを中心として回転可能に配置することができる。
(4) 前記電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を、前記タイロッド15のボール軸部15bに挿入し、前記タイロッド15のボールジョイント部15aと、前記ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んだ状態で取り付けた(図1)。
このため、(3)の効果に加え、部品点数を削減しながら、電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を上下挟持により高い支持剛性にて取り付けることができる。
(5) 前記電気接続機構を、多極回転電源端子構造とし、複数の給電線を接続する1個の複数線一体回転電源端子12’で構成した(図2)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、部品点数を削減できるとともに、1個の複数線一体回転電源端子12’を取り付けるだけで、2相や3相のホイールインモータ5に対応することができる。
実施例2は、タイロッドのボールジョイント部に、電気接続機構として、1本の給電線を接続する回転電源端子を配置した例である。
図5は、実施例2のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け構造を示す。以下、図5を用いて実施例2を説明する。
実施例2では、電気接続機構として、1本の給電線を接続する回転電源端子12を配置している。そして、可動給電線13bを、車載電源からタイロッド15の上面に沿って配索し、回転電源端子12の回転部12bに接続している。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果を得ることができる。
実施例3は、ナックルに固定されたタイロッド取り付け座を挟み車両上方位置と車両下方位置にそれぞれ回転電源端子を配置した例である。
図6は、実施例3のモータ給電線配索構造における回転電源端子取付け構造を示す。以下、図6を用いて実施例3を説明する。
実施例3では、2個の回転電源端子12,12を、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cを挟み車両上方位置と車両下方位置にそれぞれ配置している。このとき、回転電源端子12の固定部12a,12aを、タイロッド取り付け座6cに接して内側に配置する。一方、回転電源端子12の回転部12b,12bを、タイロッド取り付け座6cから離れた外側に配置する。そして、可動給電線13b,13bを、車載電源からタイロッド15の上面に沿って配索し、回転電源端子12,12の回転部12b,12bにそれぞれ接続している。
したがって、実施例3では、回転電源端子12の固定部12a,12aを、タイロッド取り付け座6cに接して内側に配置し、回転部12b,12bを、タイロッド取り付け座6cから離れた外側に配置している。このため、タイロッド15のボールジョイント部15aの揺動などにより2本の可動給電線13b,13bのそれぞれに撓みが生じるが、このとき、2本の可動給電線13b,13bの接続位置間隔を広く確保できることで、可動給電線13b,13b同士の振れ回り干渉を防止できる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例3のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記電気接続機構(回転電源端子12)を、前記ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cを挟み車両上方位置と車両下方位置にそれぞれ配置し、
前記電気接続機構(回転電源端子12)の2個の固定部12a,12aを、タイロッド取り付け座6cに接して内側に配置し、2個の回転部12b,12bを、タイロッド取り付け座6cから離れた外側に配置した(図6)。
このため、タイロッド15のボールジョイント部15aの揺動などに伴う2本の車体側給電線(可動給電線13b,13b)同士の振れ回り干渉を防止することができる。
実施例4は、回転電源端子を、タイロッドのボールジョイント部と、ナックルに固定されたタイロッド取り付け座との間に挟んだ状態で複数個取り付けた例である。
図7は、実施例4のモータ給電線配索構造における2個の回転電源端子の取付け例を示し、図8は、3個の回転電源端子の取付け構造を示す。以下、図7及び図8を用いて実施例4を説明する。
2個の回転電源端子12,12は、図7に示すように、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んだ重ね合わせた状態で取り付けられる。3個の回転電源端子12,12,12は、図8に示すように、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んだ重ね合わせた状態で取り付けられる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例4のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、単線接続の回転電源端子12を用いながら、インホイールモータ5が、2相や3相であるときに容易に対応することができる。
実施例5は、回転電源端子を構成する固定部と回転部のうち、固定部をタイロッドのボール軸により構成した例である。
図9は、実施例5のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け構造を示す。以下、図9を用いて実施例5を説明する。
前記複数線一体回転電源端子12’は、多極回転電源端子構造とし、2本の固定給電線13a,13aと2本の可動給電線13b,13bを接続する回転電源端子を1個で構成したものである。実施例5では、複数線一体回転電源端子12’の回転部12b,12bを、図9に示すように、タイロッド15のボールジョイント部15aと、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cとの間に挟んで配置している。そして、複数線一体回転電源端子12’の固定部12aを廃止し、図9に示すように、2本の固定給電線13a,13aをタイロッド15のボール軸15bに内挿し、その給電線端を回転部12b,12bまで延長して接続している。
したがって、複数線一体回転電源端子12’の固定部12aが廃止され、代わりにタイロッド15のボール軸15bにより固定部が構成される。このため、部品点数を削減しながら、複数線一体回転電源端子12’の車両上下方向寸法が短くなるというように、複数線一体回転電源端子12’のコンパクト化が図られる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例5のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)の固定部12aを、前記タイロッド15のボール軸15bにより構成した(図9)。
このため、電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)を構成する部品点数を削減しながら、電気接続機構(複数線一体回転電源端子12’)のコンパクト化を図ることができる。
実施例6は、回転電源端子を構成する固定部と回転部のうち、回転部をタイロッドのボールジョイント部により構成した例である。
図10は、実施例6のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け構造を示し、図11は、図10のC方向の矢視図を示す。以下、図10及び図11を用いて実施例6を説明する。
実施例6では、回転電源端子12の固定部12aを、図10及び図11に示すように、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cの上面位置に固定している。そして、回転電源端子12の回転部12bを廃止し、図10及び図11に示すように、タイロッド15のボールジョイント部15aにより回転部を構成している。
したがって、回転電源端子12の回転部12bが廃止され、代わりにタイロッド15のボールジョイント部15aにより回転部が構成される。このため、部品点数を削減しながら、回転電源端子12の車両上下方向寸法が非常に短くなるというように、回転電源端子12のコンパクト化が図られる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例6のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記電気接続機構(回転電源端子12)の回転部12bを、前記タイロッド15のボールジョイント部15aにより構成した(図10、図11)。
このため、電気接続機構(回転電源端子12)を構成する部品点数を削減しながら、電気接続機構(回転電源端子12)のコンパクト化を図ることができる。
実施例7は、実施例6において、タイロッドのボールジョイント部により構成した回転部に接続する可動給電線を、タイロッド中空部に内挿した例である。
図12は、実施例7のモータ給電線配索構造の回転電源端子取付け構造を示し、図13は、図12のD方向の矢視図を示す。以下、図12及び図13を用いて実施例7を説明する。
実施例7では、回転電源端子12の固定部12aを、図12及び図13に示すように、ナックル6に固定されたタイロッド取り付け座6cの上面位置に固定している。そして、回転電源端子12の回転部12bを廃止し、図12及び図13に示すように、タイロッド15のボールジョイント部15aにより回転部を構成している。そして、回転部に接続する可動給電線13bの接続端部を、タイロッド15のタイロッド中空部15dに内挿している。
したがって、回転電源端子12の回転部12bが廃止され、代わりにタイロッド15のボールジョイント部15aにより回転部が構成される。このため、部品点数を削減しながら、回転電源端子12の車両上下方向寸法が非常に短くなるというように、回転電源端子12のコンパクト化が図られる。加えて、可動給電線13bの接続端部を、タイロッド15のタイロッド中空部15dに内挿したことで、タイロッド15の周辺の可動給電線13bを無くすことができる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例7のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例6の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記電気接続機構(回転電源端子12)の回転部を構成する前記タイロッド15のボールジョイント部15aに、タイロッド中空部15dに内挿した前記車体側給電線(可動給電線13b)を接続した(図12、図13)。
このため、電気接続機構(回転電源端子12)に接続されるタイロッド15の周辺の車体側給電線(可動給電線13b)を無くすことができる。
実施例8は、固定給電線と回転電源端子を固定するタイロッド取り付け座の代わりに、これらを一体に形成した固定給電線一体ブラケットを用いた例である。
図14は、実施例3のモータ給電線配索構造において回転電源端子取付けモータ後端から見た固定給電線を示す。図15は、実施例8のモータ給電線配索構造において回転電源端子取付けモータ後端から見た固定給電線一体ブラケットの配置構造を示す。図16は、複数の固定給電線を一体にした補強ブラケット構造を示す。以下、図14〜図16を用いて実施例8を説明する。
まず、実施例3の場合、図14に示すように、インホイールモータ5のモータ電源端子5a,5aは、タイロッド15のボールジョイント部15aに配置した回転電源端子12,12の固定部12b,12bに対し固定給電線13a,13aにより接続される。一方、回転電源端子12,12の回転部12a,12aには、車体へつなぐ可動給電線13b,13bが接続される。回転電源端子12は、ナックル6に対しブラケットを介して固定される。すなわち、固定給電線13a,13aと回転電源端子12,12を固定するタイロッド取り付け座6cが別体となる。
これに対し、実施例8では、図15に示すように、固定給電線を一体にした補強ブラケット構造による固定給電線一体ブラケット14を用い、インホイールモータ5と回転電源端子12とナックル6を位置決め固定する。この固定給電線一体ブラケット14は、図16に示すように、インホイールモータ5や回転電源端子12に通電する端子表面14cを有し、複数の導電線14aを強化ゴムや強化プラスチックなど非電動材に内設し、固定ボルト孔14bで固定した構造としている。
このように、実施例8の固定給電線一体ブラケット14は、固定給電線を通電可能な補強ブラケット構造とし、インホイールモータ5と回転電源端子12とナックル6を位置決め固定しているため、インホイールモータ5の支持強度を補強することができる。また、固定給電線をブラケットと一体化したことによりコンパクト化も図ることができる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例8のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(10) 前記固定給電線を、前記モータ(インホイールモータ5)と前記電気接続機構(回転電源端子12)と前記ナックル6に固定される通電可能な補強ブラケット構造による固定給電線一体ブラケット14とした(図15)。
このため、モータ(インホイールモータ5)の支持強度を補強することができると共に、部品点数の削減及びコンパクト化を図ることができる。さらに、固定給電線一体ブラケット14は、強化ゴムや強化プラスチックなどのように金属と異なるバネ定数を持つ構成なので、モータ自身の振動低減が図られ、モータケースの変形を抑えることもできる。
実施例9は、固定給電線と可動給電線を電線固定部材により脱着可能に固定した例である。
図17は、実施例9のモータ給電線配索構造によりバネ下給電を行うモータ背面側から見た構成を示す。以下、図17を用いて実施例8を説明する。
まず、実施例3の場合、図14に示すように、インホイールモータ5の周囲の固定給電線13a,13aと可動給電線13b,13bが、空いた空間に何ら拘束されることなく配線されている。
これに対し、実施例9では、図17に示すように、回転電源端子12に接続される固定給電線13a,13aが、ナックル6に対し電線固定部材17,17により脱着可能に固定されている。また、回転電源端子12に接続される可動給電線13b,13bが、タイロッド15に対し脱着可能に固定されている。
したがって、インホイールモータ5の周囲の固定給電線13a,13aと可動給電線13b,13bを、振れ回りなく配線することができる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例9のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記電気接続機構(回転電源端子12)に接続される前記モータ(インホイールモータ5)の周囲のモータ側給電線(固定給電線13a)と車体側給電線(可動給電線13b)を、電線固定部材17により構造部材(ナックル6、タイロッド15)に脱着可能に固定した(図17)。
このため、モータ(インホイールモータ5)の周囲のモータ側給電線(固定給電線13a)と車体側給電線(可動給電線13b)を、振れ回りなく配線することができる。
実施例10は、回転電源端子のコンパクト化を図った例である。
図18は、実施例10の回転電源端子の構造を示し、図19は、可動給電線が接続された回転電源端子と固定給電線が接続された被覆部を示し、図20は、タイロッドのボールジョイント部への2個の回転電源端子取り付け構造を示す。以下、図18〜図20を用いて実施例10を説明する。
前記回転電源端子12は、図18に示すように、円筒中空軸12dと外周部材12eと軸受として例えばベアリング12fを両端に配置し、円筒中空軸12dの外円筒と外周部材12eの内円筒の隙間に、弾性接触部材12gを圧縮して挿入されている。なお、弾性接触部材12gとしては、多面接触による低接触抵抗により接続を可能とするコンタクトスプリング(多面接触子)などが用いられる。基本機能は、円筒中空軸12dと外周部材12eの隙間に挿入した弾性接触部材12gにより、各接触部が導電部材で構成され、固定時や回転時にも電気が通電する。
前記回転電源端子12は、図19及び図20に示すように、円筒中空軸12dと外周部材12eが回転自在に被覆材12iで覆われている。固定給電線13aの接続端子13cは、回転電源端子12と接触可能に端子が一部外部に出ていて、他は被覆材13dで覆われている。接続端子13cと回転電源端子12の回転端子接続部13hは、ボールジョイント軸15c上に圧着固定される。
したがって、タイヤ1の転舵時には、ハンドル操作に伴い、ステアリングラックが移動しタイロット15の変位と共に、ボールジョイント軸15c上の回転電源端子12の外周部材12eに接続された可動給電線13bが共に変位し、回転する。すなわち、回転電源端子12と固定給電線13aと可動給電線13bの間での被覆しながら回転可能、かつ、通電可能である。そして、回転電源端子12を円筒中空軸12dの外円筒と外周部材12eの内円筒の隙間に弾性接触部材12gを挟んで回転自在に形成した構成なので、回転電源端子12の回転径を小さく回転できる。
なお、他の構成及び作用については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例10のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造にあっては、上記(1)〜(11)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(12) 前記電気接続機構を、回転電源端子12とし、
前記回転電源端子12を、円筒中空軸12dの外円筒と外周部材12eの内円筒の隙間に弾性接触部材12gを挟んで回転自在とする構成とした(図18)。
このため、回転電源端子12の回転と通電を確保しながら、回転電源端子12の回転径を小さくすることができる。
以上、本発明のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造を実施例1〜実施例10に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜10では、電気接続機構として、インホイールモータ5から延在する固定給電線13aを接続する固定部12aと、車載電源から延在する可動給電線13bを接続する可動給電線12bと、を有する回転電源端子12の例を示した。しかし、電気接続機構としては、固定給電線に対し可動給電線を相対回転可能に電気的に接続する機能を備えたものであれば、回転電源端子以外の機構を用いても良い。
実施例1〜10では、本発明のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造を、インホイールモータ車のフロントサスペンションを備えた前輪に適用する例を示した。しかし、本発明のインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造は、駆動と転舵を行う車輪であれば、後輪などに対しても適用することができる。
1 タイヤ
2 ホイール
3 車輪軸線
4 車体サイドメンバ
5 インホイールモータ(モータ)
5a モータ側電源端子
6 ナックル
7 仮想キングピン軸(キングピン軸)
8 ロワアーム
9 ショッアブシャフト
10 アッパーアーム
11 サードリンク
12 回転電源端子(電気接続機構)
12a 固定部
12b 回転部
12’ 複数線一体回転電源端子(電気接続機構)
13 バネ下給電線
13a 固定給電線(モータ側給電線)
13b 可動給電線(車体側給電線)
14 固定給電線一体ブラケット
15 タイロッド
15a ボールジョイント部
15b ボール軸
15c ボールジョイント軸

Claims (12)

  1. 車体に対し上側が車幅方向内側に傾斜したキングピン軸の軸線周りに転舵可能に設けられたナックルと、
    前記ナックルに回転可能に支持された車軸に接続されたホイールと、
    前記車軸に駆動力を与えるモータと、
    を備えたインホイールモータ駆動車輪において、
    前記モータから延在するモータ側給電線と車載電源から延在する車体側給電線とを、前記モータ側給電線に対し前記車体側給電線を相対回転可能に電気的に接続する電気接続機構を設け、
    前記ナックルに、転舵のための入力を受け入れるタイロッドを、ボールジョイント部を介して連結し、
    前記電気接続機構を、前記タイロッドのボールジョイント部に配置した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  2. 請求項1に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構は、前記モータ側給電線が接続される固定部と、前記車体側給電線が接続される回転部と、を有し、
    前記固定部及び前記回転部は、前記タイロッドのボールジョイント軸上に配置されるとともに、前記固定部を前記ナックル側に固定し、前記回転部を、前記ボールジョイント軸を中心として回転可能に配置した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  3. 請求項1又は2に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構を、円筒中空構造とし、前記タイロッドのボール軸部に挿入して取り付けた
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  4. 請求項3に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構を、前記タイロッドのボール軸部に挿入し、前記タイロッドのボールジョイント部と、前記ナックルに固定されたタイロッド取り付け座との間に挟んだ状態で取り付けた
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構を、多極回転電源端子構造とし、複数の給電線を接続する1個の複数線一体回転電源端子で構成した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  6. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構を、前記ナックルに固定されたタイロッド取り付け座を挟み車両上方位置と車両下方位置にそれぞれ配置し、
    前記電気接続機構の2個の固定部を、タイロッド取り付け座に接して内側に配置し、2個の回転部を、タイロッド取り付け座から離れた外側に配置した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  7. 請求項1から5までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構の固定部を、前記タイロッドのボール軸により構成した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  8. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構の回転部を、前記タイロッドのボールジョイント部により構成した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  9. 請求項8に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構の回転部を構成する前記タイロッドのボールジョイント部に、タイロッド中空部に内挿した前記車体側給電線を接続した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  10. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記固定給電線を、前記モータと前記電気接続機構と前記ナックルに固定される通電可能な補強ブラケット構造による固定給電線一体ブラケットとした
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  11. 請求項1から9までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構に接続される前記モータの周囲のモータ側給電線と車体側給電線を、電線固定部材により構造部材に脱着可能に固定した
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
  12. 請求項1から11までの何れか一項に記載されたインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造において、
    前記電気接続機構を、回転電源端子とし、
    前記回転電源端子を、円筒中空軸の外円筒と外周部材の内円筒の隙間に弾性接触部材を挟んで回転自在とする構成とした
    ことを特徴とするインホイールモータ駆動車輪のモータ給電線配索構造。
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