JP2015013026A - 防護用材料及び防護用製品 - Google Patents

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橋本 秀則
Hidenori Hashimoto
秀則 橋本
久夫 五戸
Hisao Itsudo
久夫 五戸
弥生 西藤
Yayoi Nishifuji
弥生 西藤
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Abstract

【課題】耐溶剤性、液体バリア性、微生物バリア性、ウイルスバリア性、及び耐久性に優れる防護用材料及び防護用製品を提供する。
【解決手段】アイオノマーを含むフィルム層と該フィルム層の少なくとも片面に積層された基材とを有する2層以上の積層体を含む防護用材料及び防護用製品であり、好ましくは基材が、不織布であり、アイオノマーは、ベースポリマーがエチレン・不飽和カルボン酸を含有する共重合体であり、そのカルボン酸基の一部又は全部が金属イオンと結合しているカリウムアイオノマーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、防護用材料及び防護用製品に関する。
防護用製品は、その目的や用途により種々の形態及び機能を有するものが存在する。そして、防護用製品を形成する防護用材料は、その用途に応じて各種特性の向上が要求される。例えば、防護服、手袋などに用いられる場合は、防護対象となる人体を有害物質などから保護する機能に加え、透湿性に優れることが要求される場合がある。また使用される箇所によっては前記特性に加えて柔軟性や強度にも優れることが要求される。
例えば透湿性に優れた材料として、ポリアミンポリマーを有する選択的透過性シートからなる化学防護被覆が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−516245号公報
しかしながら、化学用途、医療用途又は粉塵作業用途などの用途に用いられる、化学物質、体液、微生物、ウイルス、及び粉塵付着などを防護する耐久性に優れた防護用材料を用いた防護用製品の開発は未だなされていないのが実情である。
本発明は、上記の状況に鑑みなされたものであり、耐溶剤性、液体バリア性、微生物バリア性、ウイルスバリア性及び耐久性に優れる防護用材料及び防護用製品を提供することを目的として、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> アイオノマーを含むフィルム層と該フィルム層の少なくとも片面に積層された基材とを有する2層以上の積層体を含む防護用材料。
<2> 前記基材が、不織布である<1>に記載の防護用材料。
<3> 前記アイオノマーがカリウムアイオノマーである<1>又は<2>に記載の防護用材料。
<4> 前記<1>〜<3>のいずれか1つに記載の防護用材料を含む防護用製品
本発明によれば、耐溶剤性、液体バリア性、微生物バリア性、ウイルスバリア性及び耐久性に優れる防護用材料及び防護用製品が提供される。
以下、防護用製品に使用される防護用材料について詳細に説明する。
−防護用材料−
本発明において使用される防護用材料は、少なくともアイオノマーを含むフィルム層の少なくとも片面に、基材を積層した2層以上の積層体を含む。
本発明において使用される防護用材料は、アイオノマーを含むフィルム層と基材との間に接着層を有してもよく、必要に応じて、更に、他の層を有してもよい。
<基材>
本発明における防護用材料は、基材を含む。
本発明に係る基材は、特に制限されないが、柔軟性及び強度の観点から不織布であることが好ましい。
不織布は、例えばオレフィン重合体などから形成される。
オレフィン重合体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体、又は他のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。他のα−オレフィンとしては、上記のものと同じオレフィンを挙げることができる。
具体的には、エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどの他のα−オレフィンとの共重合体などのエチレン系重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンなどの他のα−オレフィンとの共重合体などのプロピレン系重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。
エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体及び他のα−オレフィン構造単位を10モル%以下程度含有する共重合体などが好ましく使用される。
またプロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体、又はプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。これらの中でも、プロピレンと少量のエチレンとからなり、エチレンに由来する構造単位含量が5モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましく使用される。これらのオレフィン重合体の中では、プロピレン・エチレンランダム共重合、プロピレン単独重合体、エチレン系重合体が、特に好ましい。これらのオレフィン重合体は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の様な不織布に用いることのできる重合体には、必要により、通常重合体に用いられている安定剤、顔料等の添加剤を配合することができる。不織布の耐毛羽立ち性を向上させる観点からオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド等のスリップ剤を配合することが好ましい。
前記不織布の製造法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などのいずれでもよいが、生産性が良く、高強度のものが得られる観点から、スパンボンド法が好ましい。
本発明では、基材として伸長性不織布が身体の動きに追随しやすく好ましい。伸長性不織布とは、縦又は横方向の少なくとも一方向の伸長率が100%以上、好ましくは150%以上のものである。伸長率が100%以上とは、引張試験において不織布が破断するまでの伸び率が100%以上ということである。伸長性不織布の好ましい製造方法としては、スパンボンド法で製造した不織布を、樹脂の融点より20℃〜40℃低い温度で縦方向に延伸処理する方法が挙げられる。これにより、横方向の大きな伸長度を得ることができる。なお、ここで「縦方向」とは、不織布の形成時にウェブの流れ方向に平行な方向(MD)であり、「横方向」とは、ウェブの流れ方向に垂直な方向(CD)である。
本発明において基材として好ましく用いられるのは、上記オレフィン重合体のモノコンポーネント繊維からなる不織布、芯鞘型又はサイドバイサイド型などの複合繊維からなる不織布である。複合繊維とは、一つの樹脂と、それとは性質の異なる他の樹脂とから構成されるものであり、一つの樹脂からなる鞘部と、他の樹脂からなる芯部とから構成される芯鞘型複合繊維、或いは一つの樹脂部と他の樹脂部との二つの樹脂部から構成されるサイドバイサイド型複合繊維を挙げることができる。
芯鞘型複合繊維としては、繊維断面において、円形状の芯部が中心を同じくするドーナツ状の鞘部に包まれる同芯型でもよく、また、芯部の中心と鞘部の中心が一致しない偏芯型でもよい。また、芯部が繊維表面に部分的に露出した偏芯の芯鞘型複合繊維であってもよい。これらの中では、伸長性に優れる偏芯芯鞘型の捲縮複合繊維が好ましい。
芯鞘型複合繊維の鞘部を形成する樹脂としては、上記オレフィン重合体から適宜選択できるが、不織布の風合いの点でエチレン系重合体が好ましい。本発明で用いられるエチレン系重合体としては、エチレンの単独重合体、又はエチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
芯鞘型複合繊維の芯部を形成する樹脂も、上記オレフィン重合体から適宜選択できるが、プロピレン系重合体が好ましい。プロピレン系重合体としては、プロピレンの単独重合体、又はプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどのα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。これらの中でも、プロピレン単独重合体、及びプロピレンと少量のエチレンとからなり、エチレンに由来する構造単位含有量が5モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体が好ましく、プロピレン・エチレンランダム共重合体がとくに好ましい。この共重合体を用いると、紡糸性が良好で、複合繊維の生産性に優れ、良好な柔軟性を有し触感に優れる不織布が得られる。
<フィルム層>
本発明における防護用材料は、アイオノマーを含むフィルム層の少なくとも1層を有している。このフィルム層を有することで、耐溶剤性、液体バリア性、微生物バリア性、ウイルスバリア性及び耐久性に優れるものとなる。
本発明におけるアイオノマーとしては、透湿性を有するものが特に好ましい。透湿性を有することを確認するには、例えばJIS Z0208(1976年)のカップ法に準じた測定法によって、水蒸気の透過性が認められることをもって透湿性を有するものとすることができる。
(アイオノマー)
本発明におけるアイオノマーは、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体に含まれるカルボン酸基の一部又は全部が、金属イオンにより架橋された構造となっている。
まず、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体について説明する。
前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸から選ばれるモノマーとを少なくとも共重合成分として共重合させた重合体であり、必要に応じて、不飽和カルボン酸以外のモノマーが共重合されてもよい。
前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、エチレン・不飽和カルボン酸2元共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸アルキルエステル・不飽和カルボン酸3元共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル等)、無水マレイン酸モノエステル(無水マレイン酸モノメチル、無水マレイン酸モノエチル等)等の炭素数4〜8の不飽和カルボン酸又はハーフエステルが挙げられる。
中でも、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
前記不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、前記不飽和カルボン酸のアルキルエステルを挙げることができ、好ましくは前記不飽和カルボン酸の炭素数2〜5のアルキルエステル、更に好ましくは前記不飽和カルボン酸のイソブチルやn−ブチルなどの炭素数4のアルキルエステルが好ましい。
具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソオクチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。中でも、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソオクチル、などの、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが好ましく、アクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステル(炭素数2〜5)がより好ましい。
更には、アクリル酸又はメタクリル酸のn−ブチルエステルやイソブチルエステルが好ましく、中でも、アクリル酸の炭素数4のアルキルエステル(特に好ましくはイソブチルエステル)が更に好ましい。
上記共重合体には、任意成分として、他の単量体が共重合されていてもよい。このような任意成分の存在は、アイオノマーの柔軟性付与や透湿度向上に効果を有するものであり、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素などを例示することができる。
前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(例えば、前記2元共重合体又は前記3元共重合体)中における、不飽和カルボン酸に由来する構造単位の含有量(以下、「不飽和カルボン酸含量」ともいう)は、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の全量に対し、好ましくは1質量%〜25質量%であり、より好ましくは2質量%〜20質量%である。上記の範囲で不飽和カルボン酸を用いると、耐水性、機械的強度にも優れたアイオノマーを得ることができる。
前記3元共重合体中における、不飽和カルボン酸アルキルエステルに由来する構造単位の含有量(以下、「不飽和カルボン酸アルキルエステル含量」ともいう)は、前記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の全量に対し、好ましくは1質量%〜25質量%であり、より好ましくは2質量%〜20質量%である。
また、任意成分は、前述のように柔軟性や透湿性を調節するのに有用であるが、あまり過度に含有させることは、機械的強度を低下させたり、ブロッキングの原因となるなどの悪影響を及ぼすようになるので好ましくない。
本発明におけるアイオノマーに含まれる金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどの1価金属イオン、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、亜鉛などの2価金属イオン、アルミニウム、鉄などの3価金属イオン等が挙げられる。本発明におけるアイオノマーは、金属イオンを1種単独で含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。
前記金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムなどのアルカリ金属が好ましく、透湿性及び帯電防止性に優れる点、並びに後述の親水性化合物を用いないでも十分な透湿性が得られる点で、カリウム、セシウムが特に好ましい。
前記アイオノマー中の不飽和カルボン酸の中和度は、10モル%〜100モル%であることが好ましい。特に、カリウムアイオノマーの場合は、透湿性及び帯電防止性の観点から、中和度は75モル%以上とすることが好ましい。
ここで、中和度とは、ベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体中に存在するカルボキシル基のうち、アルカリ金属イオンとの反応によって失われる度合(カルボキシル基のモル数を基準とする%で表す。)を示す。
このような共重合体としては、また、ASTM D1238に準拠し温度190℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレートが0.05g/10分〜500g/10分、特に0.1g/10分〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。この範囲のメルトフローレートのものを用いることで、加工性に優れ、十分な機械的強度を有するアイオノマーを得ることができる。このようなエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下におけるラジカル共重合によって得ることができる。
本発明のアイオノマーには、柔軟性や透湿性を調節する目的で、上記のアルカリ金属アイオノマーに、親水性化合物を配合してもよい。親水性化合物としては、有機あるいは無機の化合物であって、例えば、架橋ポリエチレングリコール、ポリアルキレンオキサイド、クラウンエーテルのようなアルキレンオキサイド化合物、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、フェノール、クレゾール、ナフトール、レゾルシン、ハイドロキノン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、多価アルコールの部分エステル、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物のような水酸基含有化合物、ベンゼンスルホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、タウリンのようなスルホン酸基含有化合物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム架橋物、ポリアクリルアミドのようなアクリル酸系化合物、ポリアリルアミン、アニリン、トリエタノールアミン、アルキルアミンアルキレンオキサイド付加物のようなアミン類、アルギン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキストリン、シクロデキストリンのような多糖類、過塩素酸塩(Li,Na,Ca,K)、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、チタン酸バリウム、クレイ、結晶水を有する無機化合物(硫酸カドミウム、硫酸ストロンチウム等)の無機化合物などを例示することができる。これらの中では、透湿性の向上効果が大きく、また透明性を落すことなくアルカリ金属アイオノマーを可塑化して押出しコーティング加工性を顕著に改善する点で、アルキレンオキサイド化合物や水酸基含有化合物の使用が好ましく、特に、多価アルコール、ポリエチレングリコール又は架橋ポリエチレングリコールが好ましく、とりわけポリエチレングリコール又は架橋ポリエチレングリコールが好ましい。これらのものは、1種単独でも、2種以上混合しても使用することができる。
これらの親水性化合物の効果的な配合量は、その種類やアイオノマーの種類によっても異なるが、アイオノマーと親水性化合物の合計100質量%に対して、1質量%〜50質量%、とくに2質量%〜25質量%の範囲が好ましく、所望の樹脂物性を得られるような範囲で配合される。
本発明で用いるアイオノマーには、必要に応じ、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、防曇剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、難燃助剤などを挙げることができる。
<接着層>
本発明における防護用材料は、基材とアイオノマーを含むフィルム層との間に、接着層を有してもよい。
接着層は、基材とフィルム層とを接合する機能とともに、好ましくは、アイオノマーのフィルム層及び基材の伸縮に追従する伸縮性を有するものである。
本発明における接着層は、少なくとも1種の接着性樹脂又は接着剤を含む。接着性樹脂は、エチレンと極性基を含有するモノマーとの共重合体であってもよいし、エチレン重合体を、極性基を有する不飽和化合物で変性した樹脂であってもよい。接着剤は無溶剤系及び溶剤系のどちらを用いてもよい。接着剤は、耐熱性や接着層を積層する作業性の観点から硬化型の接着剤が好ましい。硬化型の接着剤としてウレタン系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系、ポリエステル系等が挙げられ、ウレタン系が特に好ましい。
溶剤系接着剤を塗布する方法としては、グラビアロール法、リバースロールコータ法等がある。塗布後の溶剤の乾燥は用いる溶剤の種類により異なり、通常は溶剤の沸点付近の温度で残存溶剤が完全になくなる条件が選ばれる。
基材とアイオノマーを含むフィルム層を積層する方法として、例えば予め基材及びアイオノマーのフィルムを成形しておき、基材の片面に接着剤を塗布し、乾燥した後加熱ロール又は加熱プレスによりアイオノマーのフィルムを貼り合わせる方法、及び、基材とアイオノマーのフィルムを重ね合わせエンボスロール等により熱圧着する方法が挙げられる。
本発明の防護用材料は、アイオノマーを含むフィルムの両側に、前記の基材が、前記接着層を介して積層されたものであってもよい。
接着層は、これを用いて積層体を形成した場合に、アイオノマーを含むフィルムの透湿度を低下させるので、所望の層間接着強度の範囲内であって、可能な限り薄い層とすることが望まれる。
接着層は、薄膜状に形成されてもよいが、部分的又は全面に開孔を有する多孔質膜状に形成されるか、又は空隙を有する繊維状に形成されていることが好ましい。このように形成することで、アイオノマーのフィルムの透湿性を阻害することなく、積層できる。
前記接着剤を、多孔質膜状に、又は繊維状に形成して接着層として、積層体を製造するには、例えば、前記基材面に予め多孔質膜状又は繊維状にした接着剤を塗布し、その塗布面にアイオノマーを押出ラミネーションして接着する。
また予め、例えばスパンボンド法で、製造された不織布を延伸処理して伸長性を付与することもできる。そして、不織布の、接着性を増加させるため表面処理をおこなってもよい。表面処理の方法としては、公知の放電処理、電子線照射などを用い得るが、本発明では、コロナ放電処理が好ましい。
押出しラミネーションによる方法の一例を説明する。押出機にアイオノマー材料を供給し、押出機で溶融された溶融樹脂をフィルム用ダイに導きフィルムを成形する。一方、予め製造された、接着剤が塗布された基材を、繰り出しロールからニップロールに導く。ニップロールはフラットロールでもよいが、基材の風合いを良くするため、エンボス突起が形成されたエンボスロールが好ましい。この場合、エンボスロールのエンボス面積率は、所要層間接着強度に応じて決められる。
フィルムダイから押出されたアイオノマーのフィルムは、それが冷却固化する前にニップロールとキャスティングロールの間に導かれ、基材とともに両ロール間を通されて加圧接着される。同時に積層フィルムがキャスティングロールにより冷却固化され、接着された防護用材料は巻き取りロールに巻き取られる。
上記、防護用材料の製造において、アイオノマーが粘着性を有すると冷却用キャスティングロール上でブロッキングを起こす可能性がある。キャスティングロール上のブロッキングを防ぐ方法として、キャスティングロールに非粘着コーティングを施す方法が挙げられる。キャスティングロール表面に施す非粘着コーティングとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂、又はその他の合成樹脂でコーティングする方法;セラミックを溶射コーティングする方法を挙げることができる。
合成樹脂でコーティングするための樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。合成樹脂には、コーティングするにあたってセラミックなどの充填材が混合されていてもよい。セラミックを混合するとコーティングの耐摩耗性が向上する。コーティングの厚さは、30μm〜50μmが好ましい。
セラミックを溶射コーティングする方法において、セラミックとしては適宜選択することができるが、好ましいものとしては、WC、Crなどを挙げることができる。なかんずくWCが好ましく使用できる。溶射コーティングの厚さは、100μm〜200μmが好ましく、その表面粗度(Ra)は1μm〜10μmのものが好ましい。
セラミックを溶射コーティングしたキャスティングロールに、さらに上記合成樹脂コーティング又はシリコンコーティングをする態様は、耐摩耗性を向上させるので、非粘着コーティングの好ましい態様の一つである。この態様に使用される好ましい合成樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、シリコンとしてはシリコンゴムを挙げることができる。
−防護用製品−
本発明における防護用製品は、少なくとも防護用材料を含む。
本発明における防護用材料は、耐溶剤性、液体バリア性、微生物バリア性、ウイルスバリア性及び耐久性に優れるため、化学防護材料用製品、医療材用製品、衛生材用製品、粉塵防護材料用製品、及び産業資材用製品などの防護用製品に好適に使用できる。
具体的製品例としては、全身カプセル型防護服、液体又はスプレー防護服、続服、ジャケット、ズボン、エプロン、スモック、フード、スリーブ、シューズカバー及びブーツカバーなどの化学防護服、浮遊固体粉塵及び放射性粉塵などの粉塵を防護する粉塵用防護服、体液、微生物、ウイルスなどを防護する医療用防護服などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例>
構成:不織布/接着層/カリウムアイオノマー層
カリウムアイオノマー:エチレン・メタクリル酸共重合体(エチレン含量86質量%、メタクリル酸含量14質量%)のカリウムアイオノマー(中和度87%、MFR=1.0g/10分、カリウムアイオノマー1kg当たりのカリウム含有量1.3mol)
実施例で得られた防護用材料の人工血液バリア性、ウイルスバリア性は次の方法により行なった。
<試験方法>
人工血液バリア性は、JIS T 8060(2007年)のD法で試験をした。
ウイルスバリア性は、JIS T 8061(2010年)のD1法で試験をした。
なお、供試ウイルスとして、バクテリオファージ Phi−X174 ATCC 13706−B1を用い、ホスト細菌として、大腸菌 E.coli CATCC 13706を用いた。
<評価>
人工血液バリア性は、JIS T 8122(2007)表4の評価基準に基づき評価した。評価結果を下記表1に示した。
ウイルスバリア性は、JIS T 8122(2007)表5の評価基準に基づき評価した。評価結果を下記表1に示した。
上記表1より、本発明における防護用材料は、人工血液バリア性、ウイルスバリア性がいずれも良好であることがわかる。

Claims (4)

  1. アイオノマーを含むフィルム層と該フィルム層の少なくとも片面に積層された基材とを有する2層以上の積層体を含む防護用材料。
  2. 前記基材が、不織布である請求項1に記載の防護用材料。
  3. 前記アイオノマーがカリウムアイオノマーである請求項1又は請求項2に記載の防護用材料。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防護用材料を含む防護用製品。
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