JP2015012964A - 視機能解析装置、視機能解析プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自覚式検眼装置は、被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、表示部51bと、検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御部とを備え、制御部は、解析基準線として、相対輻輳抑制線(RCIL)と、相対輻輳刺激線(RCSL)と、ドンダース線(DL)と、被検眼の斜位線(PL)とを表示し、プリズム量の変更操作に応じて、ドンダース線の表示位置を維持した状態で、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、斜位線の表示位置を移動する。
【選択図】図5
Description
被検者眼に斜位等の視機能異常がある場合には、その視機能異常を正しく分析し、これを矯正する必要がある。特許文献1の装置では、被検者眼の水平斜位検査、上下斜位検査、開散(外寄せ)検査、輻輳(内寄せ)検査、等を行い、分析結果を表示する。検者は、この表示に基づき、視機能異常を矯正するための処方値(矯正値)を算出する。
本発明の課題は、視機能異常における矯正値を容易に得られる視機能解析装置、視機能解析プログラムを提供することである。
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線(RCIL)と、相対輻輳刺激線(RCSL)と、ドンダース線(DL)と、被検眼の斜位線(PL)とを表示し、
プリズム量の変更操作に応じて、前記ドンダース線の表示位置を維持した状態で、前記相対輻輳抑制線、前記相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を移動すること、
を特徴とする視機能解析装置である。
・第2の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線(RCIL)と、相対輻輳刺激線(RCSL)と、ドンダース線(DL)と、被検眼の斜位線(PL)とを表示し、
加入度の変更操作に応じて、前記相対輻輳抑制線、前記相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を維持した状態で、前記ドンダース線の表示位置を移動すること、
を特徴とする視機能解析装置である。
・第3の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線(RCIL)と、相対輻輳刺激線(RCSL)と、ドンダース線(DL)と、被検眼の斜位線(PL)とを表示し、
外斜位である場合には、前記斜位線及びドンダース線間の領域と、前記ドンダース線及び前記相対輻輳刺激線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示し、
内斜位である場合には、前記相対輻輳抑制線及び前記ドンダース線の領域と、前記ドンダース線及び前記斜位線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示すること、
を特徴とする視機能解析装置である。
・第4の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線(RCIL)と、相対輻輳刺激線(RCSL)と、ドンダース線(DL)とを表示し、
前記相対輻輳抑制線及び前記相対輻輳刺激線間の中央の1/3の領域と、前記中央の1/3の領域の両外側の1/3の領域とを、視覚的に識別可能に表示すること、
を特徴とする視機能解析装置である。
・第5の発明は、
第1から第4のいずれかの発明の視機能解析装置において、
前記制御部は、
前記解析基準線に対応した数値を用いて、矯正値として、近見のプリズム量、遠見のプリズム量及び加入度のうち少なくとも1つを算出すること、
を特徴とする視機能解析装置である。
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
プリズム量の変更操作に応じて、ドンダース線の表示位置を維持した状態で、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を移動させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラムである。
・第7の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
加入度の変更操作に応じて、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を維持した状態で、ドンダース線の表示位置を移動させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラムである。
・第8の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
外斜位である場合には、前記斜位線及びドンダース線間の領域と、前記ドンダース線及び前記相対輻輳刺激線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示させ、
内斜位である場合には、前記相対輻輳抑制線及び前記ドンダース線の領域と、前記ドンダース線及び前記斜位線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラムである。
・第9の発明は、
被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線とを表示させ、
相対輻輳抑制線及び相対輻輳刺激線間の中央の1/3の領域と、前記中央の1/3の領域の両外側の1/3の領域とを、視覚的に識別可能に表示させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラムである。
・第10の発明は、
第6から第9のいずれかの発明の視機能解析プログラムにおいて、
前記制御手段を、
前記解析基準線に対応した数値を用いて、矯正値として、近見のプリズム量、遠見のプリズム量及び加入度のうち少なくとも1つを算出するように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラムである。
・第1、第6の発明は、プリズム量の変更操作に応じて、ドンダース線の表示位置を維持した状態で、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、斜位線の表示位置を移動する。このため、検者は、プリズム量の変更に応じたグラフの変化を確認して、矯正値を容易に得ることができる。
・第2、第7の発明は、加入度の変更操作に応じて、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、斜位線の表示位置を維持した状態で、ドンダース線の表示位置を移動する。このため、検者は、プリズム量の変更に応じたグラフの変化を確認して、矯正値を容易に得ることができる。
・第3、第8の発明は、外斜位である場合には、斜位線及びドンダース線間の領域と、ドンダース線及び相対輻輳刺激線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示し、一方、内斜位である場合には、相対輻輳抑制線及びドンダース線の領域と、ドンダース線及び斜位線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示する。このため、検者は、シェアード基準解析をするためのグラフを手書きで作成することなく、表示部のグラフの変化を確認して、矯正値を容易に得ることができる。
・第4、第9の発明は、相対輻輳抑制線及び相対輻輳刺激線間の中央の1/3の領域と、中央の1/3の領域の両外側の1/3の領域とを、視覚的に識別可能に表示する。このため、検者は、パーシバル基準解析をするためのグラフを手書きで作成することなく、表示部のグラフの変化を確認して、矯正値を容易に得ることができる。
・第5、第10の発明は、解析基準線に対応した数値を用いて、矯正値として、近見のプリズム量、遠見のプリズム量及び加入度のうち少なくとも1つを算出する。このため、検者は、自分で計算等しなくても、矯正値を容易に得ることができる。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態の検眼システム1の構成を説明する斜視図である。
図2は、実施形態の自覚式検眼装置50のブロック図である。
検眼システム1は、他覚式検眼装置10の検眼情報を自覚式検眼装置50(検眼情報解析装置)に移動して、自覚式検眼装置50で自覚式検眼を行うシステムである。
他覚式検眼装置10は、他覚式検眼するための検眼光学系、視標、チョッパ等を備える。他覚式検眼装置10は、左右の被検眼の測定として、矯正に必要な球面度数、乱視度数、乱視軸、瞳孔間距離、加入度(ADD)等の測定を行うことができる。他覚式検眼装置10の検眼情報には、これらの測定情報が含まれる。
自覚式検眼装置50(視機能解析装置)は、検者が被検者に対して自覚式検眼を行うための装置である。自覚式検眼装置50の検眼情報58aには、被検眼の視機能の情報を含んでいる。自覚式検眼装置50は、この視機能の検眼情報58aを解析する機能を備える
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御装置等を備えた情報処理装置をいい、自覚式検眼装置50は、記憶部58、制御部59等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
卓上操作装置51及び自覚式検眼装置50の本体間は、通信ケーブル51cで接続されている。卓上操作装置51は、操作部51a、表示部51bを備える。
操作部51aは、検者が自覚式検眼装置50を操作するための操作する操作装置である。操作部51aは、キーボード、テンキー等を備える。また、操作部51aは、必要に応じて、ダイヤル等を備えていてもよい。操作部51aは、後述する解析処理の操作等を受け付ける。
表示部51bは、液晶表示装置等である。後述するように、表示部51bは、検眼結果や検眼情報の解析結果を示すグラフ等を表示する。
卓上操作装置51は、通信ケーブル51cを介して操作情報を自覚式検眼装置50の本体に送信し、また、表示部51bの表示情報を自覚式検眼装置50の本体から受信する。
自覚式測定部52による被検眼の測定は、球面度数、乱視度数、乱視軸、瞳孔間距離、加入度(ADD)、プリズム量等である。検眼情報58aには、これらの測定情報が含まれる。
自覚式測定部52は、プリズム量の測定として、遠用水平斜位検査及び近用水平斜位検査(2項目)と、遠用開散検査、遠用輻輳検査、近用開散検査及び近用輻輳検査(4項目)とを、公知の手法(例えば、特開2012−85697号公報に記載)で行う。
・遠用水平斜位検査及び近用水平斜位検査(2項目)
(1)ロータリプリズムを左検査窓52L,右検査窓52Rに配置する。
(2)縦一列視標をプリズム分離させ、左検査窓52L,右検査窓52Rにロータリプリズムを配置する。
(3)ロータリプリズムを回転してプリズム量を調整する。このとき、被検者に確認しながら、左右眼で見えている視標が縦一列に見えるように、プリズム量を調整する。
(4)被検者の斜位量として、視標が縦一列に見えたときのプリズム量を得る。
(1)ロータリプリズムを左検査窓52L,右検査窓52Rに配置する(水平斜位検査と同様に縦一列視標を用いる)。
(2)ロータリプリズムを回転してプリズム量を調整する。このとき、視標がぼやけて見えたとき(ボヤケ)、視標が分離して見えたとき(分離)、視標が回復して見えたとき(再び縦一列に見えたとき)(回復)を確認し、そのときのプリズム量を得る。
なお、開散検査では、内側にプリズム量を加え(ベースイン、基底内方向)、被検者の開散力(融像幅)を得る。一方、輻輳検査では、外側にプリズム量を加え(ベースアウト、基底外方向)、被検者の輻輳力(融像幅)を得る。
記憶部58は、検眼情報58a、解析プログラム58b(視機能解析プログラム)を記憶する。
解析プログラム58bは、検眼情報58aに対して、後述する解析処理をするためのプログラムである。解析プログラム58bは、後述する解析処理に必要な演算式、各種テーブル等を記憶する。
視機能の解析処理について説明する。
図3は、実施形態の自覚式検眼装置50の解析処理を示すフローチャートである。
図4から図9は、実施形態の解析処理時の表示画面を示す図である。
解析処理では、以下の状態を前提とする。
・検者が、自覚式検眼装置50の自覚式測定部52を用いて、被検者の検眼を終えている。
・自覚式検眼装置50は、検眼情報58aを記憶部58に記憶している。
ステップS(以下Sという)1において、検者が検眼情報58aをグラフ表示するための操作をすると、制御部59は、この操作を受け付けて、S2に進む。
S2において、制御部59は、記憶部58に記憶された検眼情報を読み出す。
図5(A)は、被検眼が外斜位である場合の初期表示の例である。
図5(B)は、被検眼が内斜位である場合の初期表示の例である。
グラフは、DL(Donder’s Line:ドンダース線)、RCIL(Relative Convergence Inhibitory Line:相対輻輳抑制線:)、RCSL(Relative Convergence Stimulatory Line:相対輻輳刺激線)、PL(Phoria Line:斜位線)を備える。
縦軸は、距離(単位:Diopter)であり、横軸は、プリズム度数(単位:プリズムDiopter)である。
DLは、予め規定された線である。DLは、遠見及び近見において、被検眼が視標をはっきり、かつ、1つに見るために理想的な調節刺激及び輻輳刺激の関係を示す。つまり、DLは、理想的な眼位(つまり、斜位のない眼位)を示す。DLは、近見の基準点と遠見の基準点とを通る直線となる。
RCILは、遠見における分離のプリズム量と近見におけるボヤケ又は分離のプリズム量とを結んだ直線である。RCILは、被検眼の開散力を示す。
RCSLは、遠見の輻輳検査におけるボヤケ又は分離のプリズム量と近見の輻輳検査におけるボヤケ又は分離のプリズム量とを結んだ直線である。RCSLは、被検眼の輻輳力を示す。
PLは、被検眼の検眼情報に基づいて作成される。PLは、遠見の水平斜位遠と近見の水平斜位とを結んだ線である。PLは、被検眼の斜位の傾向を示す。
ここで、検者は、操作部51aを操作することにより、シェアード基準の解析をすることを選択できる。
S10において、制御部59は、シェアード基準の解析の選択操作を受け付けたと判定した場合には(S10:YES)、S11に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S10:NO)、S20に進む。
S12〜S14では、制御部59は、近見の処理を行う。
S15〜S16では、制御部59は、遠見の処理を行う。
S13aにおいて、図6(A)に示すように、制御部59は、近見の基準線上において、斜位量の範囲P(PL及びDLの領域)の色彩と、輻輳余力の範囲R(DL及びRCSLの領域)の色彩とを異なる色彩にして表示する。
(シェアード基準解析の内斜位表示)
S14aにおいて、図6(B)に示すように、制御部59は、近見において、開散余力の範囲R(RCIL及びDL間の領域)の色彩と、斜位量の範囲P(DL及びPL間の領域)の色彩とを異なる色彩にして表示する。
ここで、シェアード基準解析の矯正値算出処理について説明する。
シェアード基準の判定基準では、斜位量の適正判断は、以下の取りである。
・外斜位の場合:輻輳余力Rが斜位量Pの2倍以上でなければならない。
・内斜位の場合:開散余力Rが斜位量Pの2倍以上でなければならない。
自覚式検眼装置50は、図6に示すようにグラフ表示する。このため、検者は、グラフを参照することにより、被検眼がこの判定基準からどの程度外れているかを確認できる。
例えば、図6(A)の外斜位の例は、近見、遠見ともに、輻輳余力Rが斜位量Pの2倍以上ではないので、適正ではないことを示す。
また、図6(B)の内斜位の例も、近見、遠見ともに、開散余力Rが斜位量Pの2倍以上ではないので、適正ではないことを示す。
Δ=(2P−R−シミュレーションプリズム量)/3・・・(式1)
Δ:矯正プリズム量
シミュレーションプリズム量:通常はゼロであるが、シミュレーションのための仮の数値である。S11(S12〜S16)の処理では、ゼロを用いる。
外斜位の場合(S13、S15)
P:斜位量
R:輻輳余力
内斜位の場合(S14、S15)
P:斜位量
R:開散余力(虚相対輻輳量)
S=Δ/(AC/A)・・・(式2)
S:矯正加入度ADD
Δ:矯正プリズム量
AC/A:AC/A比(PLの傾き)
後述するように、検者は、プリズム量、加入度を変更して、上記シェアード基準の判定基準を満たすように、シミュレーションをすることができる。このシミュレーションにおいて、検者は、これらのグラフの情報や、算出した矯正プリズム量、矯正加入度(ADD)を参照することができる。
ここで、検者は、操作部51aを操作することにより、パーシバル基準の解析をすることを選択できる。
図3に示すように、S20において、制御部59は、パーシバル基準の解析の選択操作を受け付けたと判定した場合には(S20:YES)、S21に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S20:NO)、S30に進む。
パーシバル基準の判定基準は、以下の通りである。
・DLが、輻輳幅(RCIL及びRCSL間の長さ)のうち中央の1/3の範囲Bを通る。
自覚式検眼装置50は、図7に示すようにグラフ表示する。図7では、近見、遠見ともに、DLが範囲Bを通っていない。検者は、グラフを参照することにより、DLが範囲Bからどの程度外れているかを確認できる。
Δ=(G−2L−シミュレーションプリズム量)/3・・・(式11)
シミュレーションプリズム量:通常はゼロであるが、シミュレーションのための仮の数値(内斜位、外斜位の区別なし)。S20、S21の処理では、ゼロを用いる。
G:数量的に大きい相対輻輳量(虚性相対輻輳量、実性相対輻輳量のうち大きい方)
L:数量的に小さい相対輻輳量(虚性相対輻輳量、実性相対輻輳量のうち小さい方)
S=Δ/(AC/A)・・・(式12)
なお、式(12)は、式(2)と同様に定義できる。
制御部59は、上記算出式に基づいて、制御部59は、上記判定基準に基づいて、矯正に必要な矯正プリズム量、矯正加入度を算出する。制御部59は、矯正プリズム量、矯正加入度を表示部51bに表示する。
ここで、検者は、操作部51aを操作して、矯正値であるプリズム量、加入度の変更値を入力することにより、表示されたグラフをシミュレーションできる。プリズム量、加入度の変更値の入力は、表示画面の矢印ボタン51d(図6参照)を操作部51aで選択すればよい。
S30において、制御部59は、矯正値としてシミュレーションプリズム量の入力操作を受け付けたと判定した場合には(S30:YES)、S31に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S30:NO)、S40に進む。
・制御部59は、シミュレーションプリズム量を反映して、上記シェアード基準解析又はパーシバル基準解析と同様に解析を行う。制御部59は、シミュレーション以前のグラフを、DLを維持した状態で、RCIL、RCSL、PLをシミュレーションプリズム量だけ、左右方向に移動したグラフに更新する。検者は、このグラフを、処方値決定の参考にできる。
・制御部59は、シミュレーションプリズム量を反映した移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、さらに矯正が必要な再矯正値(再矯正プリズム量、再矯正加入度)を算出する。制御部59は、これらを表示部51bに表示する。
なお、シェアード基準解析においては、前述した式(1)、(2)に基づいて、これらの再矯正値を算出する。
一方、パーシバル基準解析においては、前述した式(11)、(12)に基づいて、これらの再矯正値を算出する。
図8(A)は、図6(A)において外斜位のシェアード基準解析をグラフ表示している場合に、シミュレーションプリズム量として、「プリズム量3.0ΔBI」の入力を受け付けた場面である。制御部59は、この「プリズム量3.0ΔBI」を反映して、グラフのRCIL、RCSL、PLを移動する。
また、制御部59は、移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、再矯正プリズム量、再矯正加入度を算出する。図8(A)の場面では、再矯正プリズム量、再矯正加入度が不要であるため、制御部59は、「unnecessary」と表示する。
図8(B)は、図7おいて外斜位のパーシバル基準解析をグラフ表示している場合に、シミュレーションプリズム量として、「プリズム量2.0ΔBI」の入力を受け付けた場面である。制御部59は、この「プリズム量2.0ΔBI」を反映して、グラフのRCIL、RCSL、PLを移動する。
また、制御部59は、「プリズム量2.0ΔBI」を反映して、移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、再矯正プリズム量、再矯正加入度を算出する。図8(B)の場面では、プリズム量、加入度の再矯正が不要であるため、制御部59は、「unnecessary」と表示する。
なお、制御部59は、内斜位をグラフ表示している場合にも、同様に、シミュレーションプリズム量の入力を受け付けて、これを反映してグラフ表示し、また、再矯正値を表示する。詳細な説明は、省略する。
S40において、制御部59は、矯正値としてシミュレーション加入度の入力操作を受け付けたと判定した場合には(S40:YES)、S41に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S40:NO)、S50に進む。
・制御部59は、シミュレーション加入度を反映して、上記シェアード基準解析又はパーシバル基準解析と同様に解析を行う。制御部59は、シミュレーション以前のグラフを、RCIL、RCSL、PLの表示位置を維持し、かつ、DL、近見の基準線の表示位置を入力された加入度だけ上下方向に移動したグラフに更新する。検者は、このグラフを、処方値決定の参考にできる。
なお、加入度による矯正は、近見の状態のみ必要である。このため、制御部59は、もとのDLは、残した状態で、新たなDLであるNDLを作成し、これを上下方向に移動する。
・制御部59は、近見において、シミュレーション加入度を反映した移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、さらに矯正が必要な再矯正値(再矯正プリズム量、再矯正加入度)を算出する。制御部59は、これらを表示部51bに表示する。
なお、シェアード基準解析においては、前述した式(1)、(2)に基づいて、これらの再矯正値を算出する。
一方、パーシバル基準解析においては、前述した式(11)、(12)に基づいて、これらの再矯正値を算出する。
図9(A)は、図6(A)において外斜位のシェアード基準解析をグラフ表示している場合に、シミュレーション加入度として、「加入度−0.25D」の入力を受け付けた場面である。制御部59は、この「加入度−0.25D」を反映して、NDL、近見の基準線の表示位置を上側に移動する。
また、制御部59は、移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、再矯正プリズム量、再矯正加入度を算出する。図9(A)の場面では、再矯正プリズム量「1.4ΔBI」、再矯正加入度「−0.22D」を表示している。
図9(B)は、図7において外斜位のパーシバル基準解析をグラフ表示している場合に、シミュレーション加入度として、「加入度−0.25D」の入力を受け付けた場面である。制御部59は、この「加入度−0.25D」を反映して、NDL、近見の基準線の表示位置を上側に移動する。図9(B)では、近見において、DLが範囲Bを通っている。検者は、グラフを参照することにより、判定基準を満たしていると確認できる。
また、制御部59は、移動後のグラフ表示に対応した各数値に基づいて、再矯正プリズム量、再矯正加入度を算出する。図9(B)の場面では、近見において、プリズム量、加入度の再矯正が不要であるため、制御部59は、「unnecessary」と表示する。
S50において、制御部59は、解析終了の操作を受け付けたと判定した場合には(S50:YES)、S60に進み、一方、受け付けていないと判定した場合には(S50:NO)、S10からの処理を繰り返す。
S60において、制御部59は、一連の処理を終了する。
例えば、制御部59は、最初の処理で、シェアード基準の解析を行って(S10:YES→S11)、加入度の変更を受け付けた場合には(S40:YES→S41)、その後のS10から繰り返す処理では、その変更後の加入度等を反映する。すなわち、制御部59は、繰り返す処理でパーシバル基準が選択された場合(S20:YES→S21)や、加入度の変更を受け付けた場合には(S30:YES→S31)、その前の処理の加入度等の変更を反映させる。
これにより、検者は、プリズム量、加入度の両方を変更してシミュレーションできるし、かつ、パーシバル基準、シェアード基準の両方を解析できる。
例えば、図9(A)、図9(B)のシミュレーション加入度を比較すると、図9(A)のシェアード基準解析では、近見の再矯正が必要であるのに対して、図9(B)のパーシバル基準解析では、近見の再矯正が不要である。このような場合、検者は、処理を繰り返すことによって、様々にシミュレーションしながら、処方値を決めることができる。また、検者は、2つの基準のうちどの基準を適用するか、又は両方の基準を適用するか等を、被検者の特徴(年齢、眼鏡の使用方法)を考慮しながら、処方値を決めることができる。
(1)実施形態において、視機能の解析処理は、自覚式検眼装置50が行う例を示したが、これに限定されない。この解析処理は、解析プログラムを記憶する記憶装置、これを実行する制御装置等を備える情報端末(例えばパーソナルコンピュータ等)であれば行うことができる。また、卓上操作装置にこのような情報端末の機能を設けて、卓上操作装置がこの解析処理を行ってもよい。
51b 表示部
52 自覚式測定部
58 記憶部
58b 解析プログラム
59 制御部
Claims (10)
- 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示し、
プリズム量の変更操作に応じて、前記ドンダース線の表示位置を維持した状態で、前記相対輻輳抑制線、前記相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を移動すること、
を特徴とする視機能解析装置。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示し、
加入度の変更操作に応じて、前記相対輻輳抑制線、前記相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を維持した状態で、前記ドンダース線の表示位置を移動すること、
を特徴とする視機能解析装置。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示し、
外斜位である場合には、前記斜位線及びドンダース線間の領域と、前記ドンダース線及び前記相対輻輳刺激線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示し、
内斜位である場合には、前記相対輻輳抑制線及び前記ドンダース線の領域と、前記ドンダース線及び前記斜位線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示すること、
を特徴とする視機能解析装置。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析する視機能解析装置であって、
表示部と、
前記検眼情報の解析情報を前記表示部に表示する制御部とを備え、
前記制御部は、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線とを表示し、
前記相対輻輳抑制線及び前記相対輻輳刺激線間の中央の1/3の領域と、前記中央の1/3の領域の両外側の1/3の領域とを、視覚的に識別可能に表示すること、
を特徴とする視機能解析装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の視機能解析装置において、
前記制御部は、
前記解析基準線に対応した数値を用いて、矯正値として、近見のプリズム量、遠見のプリズム量及び加入度のうち少なくとも1つを算出すること、
を特徴とする視機能解析装置。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
プリズム量の変更操作に応じて、ドンダース線の表示位置を維持した状態で、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を移動させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラム。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
加入度の変更操作に応じて、相対輻輳抑制線、相対輻輳刺激線、前記斜位線の表示位置を維持した状態で、ドンダース線の表示位置を移動させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラム。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線と、被検眼の斜位線とを表示させ、
外斜位である場合には、前記斜位線及びドンダース線間の領域と、前記ドンダース線及び前記相対輻輳刺激線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示させ、
内斜位である場合には、前記相対輻輳抑制線及び前記ドンダース線の領域と、前記ドンダース線及び前記斜位線間の領域とを、視覚的に識別可能に表示させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラム。 - 被検者眼の斜位検査の検眼情報を分析するコンピュータの視機能解析プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記検眼情報の解析情報を表示部に表示する制御手段として機能させ、
前記制御手段を、
解析基準線として、相対輻輳抑制線と、相対輻輳刺激線と、ドンダース線とを表示させ、
相対輻輳抑制線及び相対輻輳刺激線間の中央の1/3の領域と、前記中央の1/3の領域の両外側の1/3の領域とを、視覚的に識別可能に表示させるように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラム。 - 請求項6から請求項9のいずれかに記載の視機能解析プログラムにおいて、
前記制御手段を、
前記解析基準線に対応した数値を用いて、矯正値として、近見のプリズム量、遠見のプリズム量及び加入度のうち少なくとも1つを算出するように機能させること、
を特徴とする視機能解析プログラム。
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