JP2015012128A - 撮像装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができるようにする。【解決手段】金属薄膜フィルタは、光源を有する狭帯域の照明光学系と、複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子との間の光路上に設けられ、固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有しているので、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができる。本技術は、例えば、測定対象を測定する撮像装置に適用することができる。【選択図】図3

Description

本技術は、撮像装置及び電子機器に関し、特に、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができるようにした撮像装置及び電子機器に関する。
表面プラズモン・ポラリトン(SPP:Surface Plasmon Polariton)を利用したフィルタ(以下、「金属薄膜フィルタ」という)の実用例として、ウィルスやバクテリアの成長のモニタリングや抗体の感受性テストに用いる例が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
このような測定を行うためには、図1に模式的に示すように、光源と分光器との間の光路上に金属薄膜フィルタを配置した構成が用いられる。この構成では、光源からの光を金属薄膜フィルタに照射して、その透過光スペクトルを分光器で測定することで、金属薄膜フィルタに付着した測定対象の測定が行われる。
すなわち、金属薄膜フィルタの表面に固定した抗原や抗体にウィルスやバクテリアが付着するなどして、金属薄膜フィルタの周囲の屈折率が変化すると、透過光スペクトルの分布がシフトすることになる。
図2には、横軸に波長(Wavelength)、縦軸に透過効率(Transmittance Efficiency)をとった場合における金属薄膜フィルタの透過波長プロファイルを示している。波形Aは、ウィルス等が付着する前の初期状態の透過光スペクトルを示し、波形B、波形Cは、初期状態から所定の時間経過後のウィルス等が付着した後の透過光スペクトルを示している。これらの波形から明らかなように、時間の経過とともに透過光スペクトルのピーク波長が、波長が長くなる方向にシフトすることになる。
従来の測定方法においては、このような透過光スペクトルにおけるピーク波長のシフト量を分光器で測定することで、金属薄膜フィルタの周囲の屈折率の変化量が求められるので、その変化量を用いて、どの程度のウィルスやバクテリアが金属薄膜フィルタ上に存在するかを測定していた。
Yanik, A. A. et al., Nano Letters 10 (12), 4962-4969 (2010)
しかしながら、上述した従来の測定方法であると、透過光スペクトルにおけるピーク波長のシフト量を測定するための分光器が必要となる。一般的に分光器を有する装置は高価であり、また大がかりなものとなる。そのため、安価かつ簡単な構成の装置で測定対象を測定できるようにすることが求められていた。
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができるようにするものである。
本技術の第1の側面の撮像装置は、光源を有する狭帯域の照明光学系と、複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタとを備える。
前記金属薄膜フィルタは、密着又は近接した測定対象の屈折率と、その周囲を充填する媒質の屈折率との差によって透過光スペクトルの分布を波長方向にシフトさせる性質を有しており、前記透過光スペクトルの分布の波長方向のシフトに応じた透過効率の変化を、前記固体撮像素子における信号強度の変化として検出する信号処理部をさらに備える。
前記金属薄膜フィルタは、金属単体素材又は合金からなる薄膜フィルムであり、その金属薄膜の厚みは、500nm以下となる。
前記金属薄膜フィルタは、その表面に少なくとも1種類以上の周期的な微細構造パターンを有し、前記微細構造パターンの基準となる周期は、可視光線の波長と同程度以下である。
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイ構造を有する。
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイ構造を有する。
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイであって、各々の開口には中心にドット状構造を持った同軸構造である同軸ホール型のアレイ構造を有する。
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状の構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイであり、各々のドットには中心にドットの直径よりも小さな直径を有する開口を持つリング状構造であるリングアレイ構造を有する。
前記固体撮像素子において、アレイ状に配列された複数の画素は、複数のブロックに分けられ、前記金属薄膜フィルタにおいて、隣接するブロックに対応する領域では共通の微細構造パターンを有しており、前記信号処理部は、隣接する各々のブロック内の画素により検出される信号の差分を求めることで、それらの画素間のオフセットを補正する。
前記光源は、狭帯域の波長で発光する。
前記光源は、前記固体撮像素子が感度を有する波長帯域のうち、狭帯域の波長域の電磁波を選択的に照射するLED光源又はレーザ光源である。
前記固体撮像素子は、可視光線又は近赤外線の波長域に感度を有する。
前記金属薄膜フィルタは、光路上に着脱可能である。
本技術の第1の側面の撮像装置においては、光源を有する狭帯域の照明光学系と、複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタとが設けられている。
本技術の第2の側面の電子機器は、光源を有する狭帯域の照明光学系と、複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタとを備える撮像装置を搭載している。
本技術の第2の側面の電子機器においては、光源を有する狭帯域の照明光学系と、複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタとを備える撮像装置が搭載されている。
本技術の第1の側面及び第2の側面によれば、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができる。
従来の構成を説明する図である。 従来の測定方法を説明する図である。 本技術を適用した撮像装置の一実施の形態の構成を示す図である。 図3の撮像装置による測定対象の測定の原理を説明する図である。 狭帯域の光源のスペクトルを示す図である。 金属薄膜フィルタの構造例を示す図である。 ピーク波長のシフトに応じた透過効率の変化を、信号強度の変化として検出する原理を説明する図である。 固体撮像素子の受光面における信号強度の変化を説明する図である。 注目画素P2,2に対応する領域の透過波長プロファイルを示す図である。 注目画素P6,9に対応する領域の透過波長プロファイルを示す図である。 シミュレーションの結果得られた透過波長プロファイルを示す図である。 図11の透過波長プロファイルの一部を拡大した図である。 固体撮像素子の受光面と隣接するブロックの領域との関係を示す図である。 隣接するブロックの各々の画素で検出される光強度を示す図である。 隣接するブロックの各々の画素で検出される光強度を示す図である。 ホールアレイ構造を採用した金属薄膜フィルタを示す図である。 ドットアレイ構造を採用した金属薄膜フィルタを示す図である。 同軸ホール型のアレイ構造を採用した金属薄膜フィルタを示す図である。 リングアレイ構造を採用した金属薄膜フィルタを示す図である。 本技術を適用した電子機器の一実施の形態の構成を示す図である。
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。
<撮像装置の構成>
図3は、本技術を適用した撮像装置の一実施の形態の構成を示す図である。
図3の撮像装置100は、測定対象の測定を行う機能を有している。図3に示すように、撮像装置100は、光源111、金属薄膜フィルタ112−1、固体撮像素子113、DSP114、撮像素子制御部115、バス116、信号処理部117、ストレージ118、マイクロプロセッサ119、光源制御部120、フィルタ制御部121、及び、ユーザインターフェイス122から構成される。
光源111は、レンズやフィルタなどを含む照明光学系の一部として構成される。光源111は、例えばLED(Light Emitting Diode)光源やレーザ光源など、狭帯域の波長域の電磁波を選択的に照射することが可能な単色の面光源である。光源111から照射された光は、金属薄膜フィルタ112−1を透過して固体撮像素子113の受光面により受光される。
金属薄膜フィルタ112−1は、金(Au),銀(Ag),アルミニウム(Al)などの金属単体素材又は合金からなる薄膜フィルムであり、その金属薄膜の厚みは500nm以下となる。また、金属薄膜フィルタ112−1は、その表面に、固体撮像素子113で検出される波長よりも短いサブ波長スケールの周期的な微細構造パターンを有している。
なお、図3に示すように、金属薄膜フィルタ112−1は、所定の機構により着脱可能であって、金属薄膜フィルタ112−1の代わりに、その表面に設けられた微細構造パターンが異なる金属薄膜フィルタ112−2乃至112−N(ただし、Nは1以上の整数)のいずれかを取り付けて、光源111と固体撮像素子113との間の光路上に配置されるようにしてもよい。以下の説明においては、金属薄膜フィルタ112−1乃至112−Nを、特に区別する必要がない場合、単に、金属薄膜フィルタ112と称する。
固体撮像素子113は、例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの、複数の画素がアレイ状に配列され、可視光線又は近赤外線の波長域に感度を有する2次元の固体撮像素子である。
固体撮像素子113は、光源111から照射され、金属薄膜フィルタ112を透過してきた光を受光し、その入射光量(光強度)に応じた検出信号を出力する。固体撮像素子113から出力される検出信号は、DSP114及び撮像素子制御部115により所定の処理が施された後、バス116を介して信号処理部117に供給される。
信号処理部117は、固体撮像素子113からの検出信号に対し、後述する信号強度の変化の検出処理(図7等)や撮影画像のマッピング処理(図8等)等の各種の信号処理を行う。また、信号処理部117は、適宜、バス116を介してストレージ118にアクセスし、各種のデータ等を記録する。
マイクロプロセッサ119は、バス116を介して、撮像素子制御部115、信号処理部117、光源制御部120、及び、フィルタ制御部121等の撮像装置100の各部の動作を制御する。
光源制御部120は、マイクロプロセッサ119からの制御に従い、光源111を制御する。これにより、LED光源等の光源111から、狭帯域の波長域の電磁波が選択的に照射されることになる。
フィルタ制御部121は、マイクロプロセッサ119からの制御に従い、金属薄膜フィルタ112を制御する。これにより、例えば、金属薄膜フィルタ112−1の特性を変化させることができる。
ユーザインターフェイス122は、ユーザによる指示を受け付ける。マイクロプロセッサ119は、ユーザインターフェイス122に対する指示に応じて、撮像装置100の各部の動作を制御する。
撮像装置100は、以上のように構成される。
<本技術を適用した測定方法>
図4は、図3の撮像装置100による測定対象の測定の原理を説明する図である。
図4に模式的に示すように、金属薄膜フィルタ112は、光源111と固体撮像素子113との間の光路上に設けられる。図中の矢印で示すように、光源111から照射された光は、金属薄膜フィルタ112を透過して固体撮像素子113の受光面により受光される。
ここで、図5に示すように、光源111は、固体撮像素子113が感度を有する波長帯域のうち、特定の狭帯域の波長域の光を照射する。なお、特定の狭帯域の波長域の光は、その半値幅が数10nm以下となる。
また、図6に示すように、金属薄膜フィルタ112は、サブ波長スケールの周期的な微細構造パターンを有している。図6の例では、金属薄膜フィルタ112には、固体撮像素子113により検出される波長よりも小さい径を有する開口(ホール)が2次元配列状に配置されている。金属薄膜フィルタ112は、その構造と金属やその周囲の媒質の物性に起因した特徴的な透過性を持っている。つまり、金属薄膜フィルタ112においては、金属表面に微細な周期構造があるので、金属薄膜表面とその周囲の媒質との境界で発生した表面プラズモン・ポラリトンが干渉し、その構造と物性値に特有の透過波長プロファイルを持つことになる。そして、表面プラズモン・ポラリトンの分散関係は、金属と金属表面の極近傍(表面から数100nmの範囲)の媒質の複素屈折率に依存するため、その狭い領域の屈折率変化に高い感度を持っている。
金属薄膜フィルタ112は、このような特性を有することから、その周囲極近傍の屈折率が変化すると、その透過光スペクトルの分布が波長方向にシフトし、特定の波長に注目すれば、透過効率が変化することになる。そして、光源111から照射される光の明るさが一定であれば、固体撮像素子113により検出される信号の強度は、透過効率の変化に比例するので、その信号強度の変化を求めることで、金属薄膜フィルタ112の表面に固定した抗原や抗体に、ウィルスやバクテリアが付着したがどうかを測定することができる。
図7には、金属薄膜フィルタ112の透過波長プロファイルの例を示しているが、時間の経過とともに、透過光スペクトルのピーク波長が、波長が長くなる方向にシフトすることになるのは、先に述べたとおりである。ここで、図中のMで示された位置の特定の波長に注目すれば、ピーク波長のシフトに応じて、図中の円で囲まれた時刻t0(初期状態)、時刻t1(例えば1時間経過後)、時刻t2(例えば2時間経過後)における透過効率のように、時間の経過に伴い、透過効率が変化していることが分かる。
そして、固体撮像素子113では、この透過効率の変化が、信号強度の変化として検出されることになる。すなわち、金属薄膜フィルタ112は、密着又は近接した測定対象の屈折率と、その周囲を充填する媒質の屈折率との差によって透過光スペクトルの分布を波長方向にシフトさせる性質を有しているので、信号処理部117は、透過光スペクトルの分布の波長方向のシフトに応じた透過効率の変化を、固体撮像素子113における信号強度の変化として検出することになる。
このように、撮像装置100においては、測定対象の測定に際し、半値幅が数10nm以下となる狭帯域の面光源111を用いることで、透過光スペクトルのピーク波長のシフト、すなわち、金属薄膜フィルタ112の金属表面の極近傍における屈折率の変化が、固体撮像素子113における信号強度の変化として検出される。そのため、撮像装置100においては、分光器を設けずに、金属薄膜フィルタ112の表面に固定した抗原や抗体に、ウィルス等が付着したかどうかを測定することができるので、分光器を設けた装置と比べて、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができる。
<撮影画像のマッピング>
図8は、固体撮像素子113の受光面における信号強度の変化を説明する図である。
固体撮像素子113には、入射光量に応じた電荷量の電荷を発生する光電変換素子を有する複数の単位画素がアレイ状に配列されている。図8では、説明の都合上、アレイ状に配列されたi×j画素(ただし、i,jは1以上の整数)のうちの一部の領域である10×12画素の領域のみを図示している。また、図8Aは、時刻t0(初期状態)における各画素の状態、図8Bは、時刻t1(例えば1時間経過後)における各画素の状態、図8Cは、時刻t2(例えば2時間経過後)における各画素の状態をそれぞれ表している。
また、図8においては、それらの各画素において、入射光量の変化、つまり、金属薄膜フィルタ112の金属表面の極近傍における屈折率の変化(透過効率の変化)に応じた信号強度の変化を濃淡で表しており、屈折率の変化が大きくなるほどその色が濃くなっている。すなわち、図8A乃至図8Cは、10×12画素の領域に対応する金属薄膜フィルタ112の一部の領域における、屈折率の経時的な変化を表しているともいえる。
図8Aに示すように、時刻t0においては、金属薄膜フィルタ112にウィルス等が付着していないので、屈折率の変化は起こらず、信号強度の変化は生じていない。その後、図8Bに示すように、時刻t1において、左上の領域などの一部の領域に若干の屈折率の変化が起こっているため、それに応じた信号強度の変化が検出される。そして、図8Cに示すように、時刻t2においては、広範囲な領域にわたって屈折率の変化が起こっているため、それに応じた信号強度の変化が検出されることになる。
ここで、図8A乃至図8Cに示した10×12画素の領域のうち、画素P2,2に注目すれば、この注目画素P2,2においては、時間の経過とともに画素の色が濃くなっているので、屈折率の変化が大きいことがわかる。図9は、注目画素P2,2に対応する金属薄膜フィルタ112の領域における透過波長プロファイルを示している。図9に示すように、時刻t0では、屈折率の変化が生じていないため、透過効率が高くなるが、時刻t1になると、屈折率の変化が発生し、透過効率が若干低下する。そして、時刻t3になると、かなり大きな屈折率の変化が発生しているため、透過効率の低下が顕著なものとなる。
このように、画素P2,2においては、時間の経過とともに、対応する金属薄膜フィルタ112の領域で屈折率の変化が起こり、それに伴い、透過光スペクトルのピーク波長がシフトし、それに応じて透過効率が低下している。その結果、画素P2,2では、屈折率の変化が起こっていない領域に対応する他の画素と比べて相対的に暗いレベルの検出信号が得られることになる。
また、図8A乃至図8Cに示した10×12画素の領域のうち、画素P6,9に注目すれば、この注目画素P6,9においては、時間が経過しても画素の色が全く変化していないので、屈折率の変化が起こっていないことがわかる。図10は、注目画素P6,9に対応する金属薄膜フィルタ112の領域における透過波長プロファイルを示している。図10に示すように、時刻t0,時刻t1,時刻t2のそれぞれにおいて、屈折率が変化していないため、透過光スペクトルのピーク波長はシフトせず、透過効率はほぼ一定となる。
このように、画素P6,9においては、時間が経過しても、対応する金属薄膜フィルタ112の領域で屈折率の変化が起こっていないため、それに伴う、透過光スペクトルのピーク波長のシフトも発生しないことになる。その結果、透過効率はほとんど変化せず、画素P6,9では、一定のレベルの検出信号が出力されることになる。
そして、信号処理部117では、このような検出信号に応じた撮影画像が得られるので、例えば、所定の時間間隔で得られる複数枚の撮影画像を用いた平滑化や、複数枚の撮影画像の差分をとる処理を行うことで、屈折率が変化した領域に対応する画素から得られる検出信号の信号強度の変化を検出することができる。
なお、図8の例では、10×12画素の領域のみを図示しているが、実際には固体撮像素子113の画素サイズに相当する空間解像度が得られるので、金属薄膜フィルタ112の全領域にわたって2次元画像化をすることが可能である。また、固体撮像素子113は、画素サイズが数um程度以下の微細画素をアレイ状に配列しているため、金属薄膜フィルタ112に近接する領域の屈折率の変化を高い空間解像度で2次元マッピングすることができる。その結果、高いS/N比(Signal/Noise Ratio)で屈折率の変化を検出することができる。
<透過効率の変化を確認するためのシミュレーション>
図11は、本技術の発明者により行われたシミュレーションの結果得られた金属薄膜フィルタ112の透過波長プロファイルを示す図である。このシミュレーションにおいては、金属薄膜フィルタ112として、金(Au)からなる薄膜フィルムであって、上述した図6に示したような2次元配列状に配置された開口(ホール)を有する金属薄膜フィルタを用いている。
図11の透過波長プロファイルには、シミュレーションの結果として、金属薄膜フィルタ112において、薄膜フィルムの厚みの周囲の媒質の屈折率nが、例えば1.300から1.301に変化した場合に、その透過効率とピーク波長のシフトがどのように変化したかが示されている。この場合、ピーク波長のシフト量が約1nmと微少であるため、ピーク波長の周辺の波形を含む領域Eの部分を拡大すると、図12に示すようになる。すなわち、図12の拡大図に示すように、特定波長(λ=628nm)に注目すれば、Case A(屈折率n=1.300)からCase B(屈折率n=1.301)に変化した場合、ピーク波長のシフト量は約1nmであるが、透過効率は、3.2%から3.5%に約10%近く変化していることがわかる。
そして、この透過効率の変化が、固体撮像素子113における信号強度の変化として検出されることで、例えば、金属薄膜フィルタ112の表面に固定した抗原や抗体に、ウィルス等が付着したがどうかなどを測定することができる。
<画素のブロック化>
固体撮像素子113において、アレイ状に配列された複数の画素を、複数のブロックに分けて、金属薄膜フィルタ112においては、隣接するブロックに対応する領域で、共通の微細構造パターンを有するようにして、隣接する各々のブロック内の画素により検出される信号の差分を求めることで、それらの画素間のオフセットを補正することができる。
すなわち、例えば、図13に示すように、画素アレイ部に配置されたi×j画素の一部である10×12画素の領域において、画素P2,2を含むブロックB1と、画素P2,3を含むブロックB2とにブロック分けされている場合を想定する。このとき、金属薄膜フィルタ112において、ブロックB1に対応する領域R1と、ブロックB2に対応する領域R2とでは、共通の微細構造パターンとして、図13に示すような2次元配列状に配置された開口(ホール)を有している。
この場合において、時刻t0(初期状態)と、時刻t1(例えば1時間経過後などの一定時間経過後)における、固体撮像素子113のブロックB1,B2への入射光量(光強度)を示すと、図14及び図15に示すようになる。
時刻t0においては、図14に示すように、金属薄膜フィルタ112における領域R1と領域R2には共にウィルス等が付着していないので、ブロックB1に分けられた画素P2,2と、ブロックB2に分けられた画素P2,3とでは同等の光強度が検出される。従って、画素P2,2で得られる検出信号のレベルと、画素P2,3で得られる検出信号のレベルは、同等のレベルを持つことになる。つまり、時刻t0における領域R1に対応するブロックB1で得られる検出信号のレベルと、領域R2に対応するブロックB2で得られる検出信号のレベルとの差分は、例えば、下記の式(1)により求めることができる。
Signal Level(t0)=IR1(t0)−IR2(t0) ・・・(1)
ただし、式(1)において、IR1(t0)と、IR2(t0)は、ほぼ同じ値となるので、Signal Level(t0)は、例えば略0となる。
その後、時刻t1においては、図15に示すように、金属薄膜フィルタ112における領域R1にはウィルス等(図中の「Target Object」)が付着しているため、領域R1の金属表面の極近傍における屈折率の変化が生じることになる。その結果、ブロックB1の入射光量が変化して、画素P2,2で検出される光強度に変化が生じる。他方、金属薄膜フィルタ112における領域R2には引き続き、ウィルス等が付着していないので、領域R2に対応するブロックB2の入射光量は、時刻t0と時刻t1では変化せず、画素P2,3で検出される光強度は同等となる。つまり、時刻t1における領域R1に対応するブロックB1で得られる検出信号のレベルと、領域R2に対応するブロックB2で得られる検出信号のレベルとの差分は、例えば、下記の式(2)により求めることができる。
Signal Level(t1)=IR1(t1)−IR2(t1) ・・・(2)
ただし、式(2)において、IR1(t1)と、IR2(t1)は、ブロックB1で得られる検出信号のレベルが変化しているため、Signal Level(t1)は、検出信号のレベルの差に応じた値となる。
このように、時刻t0から時刻t1までの間に、例えば、環境温度の変化や、光源111の明るさの変化、その他の諸条件の変化がある場合には、固体撮像素子113の受光面の入射光量が変化して、各画素で検出される光強度が変化することになる。このような条件の変化によって、各画素で得られる検出信号にノイズが付加されてしまうことになるが、画素のブロック化を行い、隣接するブロックに対応する領域で、共通の微細構造パターンを有するようにして、隣接する各々のブロック内の画素により検出される信号(透過光成分に対応する信号)の差分を求めることで、双方の画素間のDC(Direct Current)的なオフセットを補正することができる。その結果、光強度の変化のあった画素における信号強度の変化を、高精度に検出することが可能となるので、高いS/N比で屈折率の変化を検出して、撮影画像を取得することができる。
なお、上述した説明では、説明の都合上、各ブロックには1つの画素のみが含まれるとして説明したが、1以上の複数の画素からブロックが構成されるようにしてもよい。
<金属薄膜フィルタの具体的な構造例>
金属薄膜フィルタ112は、その微細構造パターンにより、特定の電磁波波長で自由電子と光とがカップリングした表面プラズモン・ポラリトンを生ずる。この金属薄膜フィルタ112は、紫外線の波長帯にプラズマ周波数を有する導体素材(具体的には、金(Au),銀(Ag),アルミニウム(Al)が好適である)からなる薄膜に、微細加工を施したサブ波長構造体である。また、金属薄膜フィルタ112は、導体の物性と、パターン周期、開口径、ドットサイズ、膜厚、構造体の周囲の媒質の物性により決定される共鳴波長を有する。そこで、次に、図16乃至図19を参照して、金属薄膜フィルタ112の具体的な構造例について説明する。
(ホールアレイ構造)
図16は、金属薄膜フィルタ112の微細構造パターンとして、ホールアレイ構造を採用した場合を示す図である。
図16に示すように、ホールアレイ構造では、固体撮像素子113により検出される波長よりも小さい径を有する開口(ホール)を2次元配列状に配置する。開口の配置は、図16に示すようなハニカム構造を有する配列(以下、「ハニカム配列」という)とするのが好適であるが、直交行列(正方行列)構造を有する配列(以下、「直交行列配列」という)その他の周期性のある配列であればよい。なお、開口の径Dは、可視光線の波長以下であり、例えば500nm以下となる。また、開口の間隔、すなわち、周期構造の基本周期Pは、例えば、固体撮像素子113により検出される波長の半分程度、具体的には500nm程度以下であるのが好適である。さらに、薄膜フィルムの厚みは、例えば500nm程度以下となる。
(ドットアレイ構造)
図17は、金属薄膜フィルタ112の微細構造パターンとして、ドットアレイ構造を採用した場合を示す図である。
図17に示すように、ドットアレイ構造では、固体撮像素子113により検出される波長よりも小さい径を有するドットを2次元配列状に配置する。ドット配置は、図17に示すようなハニカム配列に配置するのが好適であるが、直交行列配列その他の周期性のある配列であればよい。なお、ドットの径Dは、可視光線の波長以下であり、例えば500nm以下となる。また、ドット間隔、すなわち、周期構造の基本周期Pは、例えば500nm程度以下であるのが好適である。さらに、薄膜フィルムの厚みは、例えば500nm程度以下となる。
(同軸ホール型のアレイ構造)
図18は、金属薄膜フィルタ112の微細構造パターンとして、同軸ホール型のアレイ構造を採用した場合を示す図である。
図18に示すように、同軸ホール型のアレイ構造では、固体撮像素子113により検出される波長よりも小さい径を有する開口(ホール)を2次元配列状に配置する。開口の配置は、図18に示すようなハニカム配列に配置するのが好適であるが、直交行列配列その他の周期性のある配列であればよい。また、2次元配列状に配置された開口の各々には、その中心にドット状の構造が設けられている。なお、開口の径Dは、可視光線の波長以下であり、例えば500nm以下となる。また、開口の間隔、すなわち、周期構造の基本周期Pは、例えば500nm程度以下であるのが好適である。さらに、薄膜フィルムの厚みは、例えば500nm程度以下となる。
(リングアレイ構造)
図19は、金属薄膜フィルタ112の微細構造パターンとして、リングアレイ構造を採用した場合を示す図である。
図19に示すように、リングアレイ構造では、固体撮像素子113により検出される波長よりも小さい径を有するドットを2次元配列状に配置する。ドット配置は、図19に示すようなハニカム配列に配置するのが好適であるが、直交行列配列その他の周期性のある配列であればよい。また、2次元配列状に配置された各ドットには、ドットの直径よりも小さな直径を有する開口が設けられている。なお、ドットの径Dは、可視光線の波長以下であり、例えば500nm以下となる。また、ドット間隔、すなわち、周期構造の基本周期Pは、例えば500nm程度以下であるのが好適である。さらに、薄膜フィルムの厚みは、例えば500nm程度以下となる。
以上、金属薄膜フィルタ112の具体的な構造例について説明した。このように、金属薄膜フィルタ112は、その表面に少なくとも1種類以上の周期的な微細構造パターンを有しており、その微細構造パターンの基準となる周期は、可視光線の波長と同程度以下となる。また、金属薄膜フィルタ112においては、微細構造パターンとして、上述した構造のうち1つだけ用いてもよいし、上述した構造の中から複数の構造を組み合わせて用いてもよい。
<金属薄膜フィルタの製造方法>
以下、撮像装置100における金属薄膜フィルタ112の製造方法について概略を述べる。ただし、金属薄膜フィルタ112の構造を高精度で実現できるのであれば、下記に記述の製造方法に限定するものではない。
まず、金属薄膜フィルタ112を実装するベースとなる平坦な光学的に透明な基板を準備する。可視光線の波長帯域で用いる透明絶縁層の媒質としては、酸化シリコン(SiO2)及び酸化シリコン(SiO2)を主成分とする複合素材を用いるのが好適である。また、その他、フッ化マグネシウム(MgF2)などを用いることができる。さらに、屈折率が大きくなるが、窒化シリコン(Si3N4)、酸化チタン(TiO2)、酸化タンタル(Ta2O5)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ハフニウム(HfO2)などの酸化物、窒化物を用いることもできる。
その上に、金属薄膜フィルタ112のベースとなる金属薄膜をスパッタリングなどで積層する。金属薄膜にフィルタ機能を作り込む微細構造の作製には、電子ビームリソグラフィ、EUV・UVリソグラフィ、干渉露光法、エッチングなどの技術が用いられる。エッチングは、異方性ドライエッチングを用いるのが好ましく、エッチングに用いるガスは四フッ化メタン(CF4)系のエッチングガスが好適である。六フッ化硫黄(SF6)、トリフルオロメタン(CHF3)、二フッ化キセノン(XeF2)なども好適である。なお、その他、電子ビームリソグラフィにより基本構造のナノスタンパを作製して、ナノインプリント技術により構造を転写することもできる。
<電子機器の構成>
図20は、本技術を適用した電子機器の一実施の形態の構成を示す図である。
電子機器300は、例えば、携帯電話機やスマートフォン、タブレットPCなどの携帯情報機器や携帯通信端末である。図20に示すように、電子機器300は、撮像装置100、制御部311、メモリ部312、操作部313、表示部314、無線通信部315、及び、音声処理部316から構成される。
制御部311は、電子機器300の各部の動作を制御する。メモリ部312は、制御部311からの制御に従い、各種のデータを保持する。
操作部313は、ユーザの操作に応じた操作信号を、制御部311に供給する。制御部311は、操作部313からの操作信号に従い、電子機器300の各部の動作を制御する。なお、操作部313は、物理的なボタンのほか、例えば、タッチパネルを有する表示部314の画面上に表示されるGUI(Graphical User Interface)画像であってもよい。
表示部314は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示デバイスから構成される。表示部314は、制御部311からの制御に従い、テキストや画像などの各種の情報を表示する。
無線通信部315は、制御部311からの制御に従い、インターネット等のネットワークを介して所定のサーバとの無線通信を行う。
音声処理部316は、マイクロフォンやスピーカなどの音声通話を行うためのデバイスを有する。音声処理部316は、制御部311からの制御に従い、音声入力処理又は音声出力処理を行う。
撮像装置100は、図3に示した構成を有する。撮像装置100においては、金属薄膜フィルタ112の金属表面の極近傍における屈折率の変化が、固体撮像素子113における信号強度の変化として検出され、測定対象が測定される。測定対象の測定結果は、制御部311に供給される。例えば、表示部314は、制御部311からの制御に従い、測定対象の測定結果を表示する。
電子機器300は、以上のように構成される。
以上のように、本技術によれば、測定対象の測定に際し、透過光スペクトルのピーク波長のシフト、すなわち、金属薄膜フィルタ112の金属表面の極近傍における屈折率の変化が、固体撮像素子113における信号強度の変化として検出されるので、分光器を設けずに、測定対象を測定することができる。
すなわち、従来の測定方法では、透過光スペクトルのピーク波長のシフト量を検出するための分光器を設ける必要があったが、本技術の測定方法では、狭帯域の波長で発光するLED光源等を光源111として、金属薄膜フィルタ112の直下に、高密度な2次元の固体撮像素子113を配置することで、アレイ状に配列された画素のそれぞれから、画素情報を独立に検出することができるため、透過光スペクトルのピーク波長のシフト量ではなく、特定波長の透過効率の変化、つまりは、信号強度の変化として状態の変化を検出することが可能となる。そのため、本技術の測定方法では、分光器を設ける必要があった従来の測定方法と比べて、安価かつ簡単な構成で測定対象を測定することができる。
なお、上述した説明では、表面プラズモン・ポラリトンを利用したフィルタを、「金属薄膜フィルタ」と称して説明したが、このフィルタは、「プラズモニックフィルタ」と称されることもある。
また、本技術の実施の形態は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
光源を有する狭帯域の照明光学系と、
複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、
前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタと
を備える撮像装置。
(2)
前記金属薄膜フィルタは、密着又は近接した測定対象の屈折率と、その周囲を充填する媒質の屈折率との差によって透過光スペクトルの分布を波長方向にシフトさせる性質を有しており、
前記透過光スペクトルの分布の波長方向のシフトに応じた透過効率の変化を、前記固体撮像素子における信号強度の変化として検出する信号処理部をさらに備える
(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記金属薄膜フィルタは、金属単体素材又は合金からなる薄膜フィルムであり、その金属薄膜の厚みは、500nm以下となる
(1)又は(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記金属薄膜フィルタは、その表面に少なくとも1種類以上の周期的な微細構造パターンを有し、前記微細構造パターンの基準となる周期は、可視光線の波長と同程度以下である
(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(5)
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイ構造を有する
(4)に記載の撮像装置。
(6)
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイ構造を有する
(4)に記載の撮像装置。
(7)
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイであって、各々の開口には中心にドット状構造を持った同軸構造である同軸ホール型のアレイ構造を有する
(4)に記載の撮像装置。
(8)
前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状の構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイであり、各々のドットには中心にドットの直径よりも小さな直径を有する開口を持つリング状構造であるリングアレイ構造を有する
(4)に記載の撮像装置。
(9)
前記固体撮像素子において、アレイ状に配列された複数の画素は、複数のブロックに分けられ、
前記金属薄膜フィルタにおいて、隣接するブロックに対応する領域では共通の微細構造パターンを有しており、
前記信号処理部は、隣接する各々のブロック内の画素により検出される信号の差分を求めることで、それらの画素間のオフセットを補正する
(4)乃至(8)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(10)
前記光源は、狭帯域の波長で発光する
(1)乃至(9)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(11)
前記光源は、前記固体撮像素子が感度を有する波長帯域のうち、狭帯域の波長域の電磁波を選択的に照射するLED(Light Emitting Diode)光源又はレーザ光源である
(10)に記載の撮像装置。
(12)
前記固体撮像素子は、可視光線又は近赤外線の波長域に感度を有する
(1)乃至(11)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(13)
前記金属薄膜フィルタは、光路上に着脱可能である
(1)乃至(12)のいずれか一項に記載の撮像装置。
(14)
光源を有する狭帯域の照明光学系と、
複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、
前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタと
を備える
撮像装置を搭載した電子機器。
100 撮像装置, 111 光源, 112,112−1乃至112−N 金属薄膜フィルタ, 113 固体撮像素子, 114 DSP, 115 撮像素子制御部, 116 バス, 117 信号処理部, 118 ストレージ, 119 マイクロプロセッサ, 120 光源制御部, 121 フィルタ制御部, 122 ユーザインターフェイス, 300 電子機器

Claims (14)

  1. 光源を有する狭帯域の照明光学系と、
    複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、
    前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタと
    を備える撮像装置。
  2. 前記金属薄膜フィルタは、密着又は近接した測定対象の屈折率と、その周囲を充填する媒質の屈折率との差によって透過光スペクトルの分布を波長方向にシフトさせる性質を有しており、
    前記透過光スペクトルの分布の波長方向のシフトに応じた透過効率の変化を、前記固体撮像素子における信号強度の変化として検出する信号処理部をさらに備える
    請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記金属薄膜フィルタは、金属単体素材又は合金からなる薄膜フィルムであり、その金属薄膜の厚みは、500nm以下となる
    請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記金属薄膜フィルタは、その表面に少なくとも1種類以上の周期的な微細構造パターンを有し、前記微細構造パターンの基準となる周期は、可視光線の波長と同程度以下である
    請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイ構造を有する
    請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイ構造を有する
    請求項4に記載の撮像装置。
  7. 前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下の開口を、ハニカム配列又は直交行列配列としたホールアレイであって、各々の開口には中心にドット状構造を持った同軸構造である同軸ホール型のアレイ構造を有する
    請求項4に記載の撮像装置。
  8. 前記金属薄膜フィルタは、前記微細構造パターンとして、直径500nm以下のドット状の構造を、ハニカム配列又は直交行列配列としたドットアレイであり、各々のドットには中心にドットの直径よりも小さな直径を有する開口を持つリング状構造であるリングアレイ構造を有する
    請求項4に記載の撮像装置。
  9. 前記固体撮像素子において、アレイ状に配列された複数の画素は、複数のブロックに分けられ、
    前記金属薄膜フィルタにおいて、隣接するブロックに対応する領域では共通の微細構造パターンを有しており、
    前記信号処理部は、隣接する各々のブロック内の画素により検出される信号の差分を求めることで、それらの画素間のオフセットを補正する
    請求項4に記載の撮像装置。
  10. 前記光源は、狭帯域の波長で発光する
    請求項1に記載の撮像装置。
  11. 前記光源は、前記固体撮像素子が感度を有する波長帯域のうち、狭帯域の波長域の電磁波を選択的に照射するLED(Light Emitting Diode)光源又はレーザ光源である
    請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記固体撮像素子は、可視光線又は近赤外線の波長域に感度を有する
    請求項1に記載の撮像装置。
  13. 前記金属薄膜フィルタは、光路上に着脱可能である
    請求項1に記載の撮像装置。
  14. 光源を有する狭帯域の照明光学系と、
    複数の画素がアレイ状に配列され、所定の波長域に感度を有する固体撮像素子と、
    前記照明光学系と前記固体撮像素子との間の光路上に設けられ、前記固体撮像素子で検出される波長よりも短い周期的な微細構造パターンを有する金属薄膜フィルタと
    を備える
    撮像装置を搭載した電子機器。
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