JP2015010909A - 変位測定装置及び変位測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の周波数測定を行うことなくレーザ光を用いた変位測定を行う装置及び方法を提供する。
【解決手段】コントローラ4は、光周波数コム1及び周波数可変レーザ2を制御する。周波数可変レーザ2からのレーザ光L22は、ファブリペロー干渉計5に入射する。光検出器PD1は、干渉光L10を検出する。光検出器PD2は、レーザ光L23を検出する。周波数計測器3は、光検出器PD1からの検出信号DET1からビート周波数fbeatを検出する。コントローラ4は、ビート周波数fbeatを用いて、周波数可変レーザ2の周波数を光周波数コム1のスペクトルを基準としてロックし、レーザ光L23の強度とビート周波数fbeatとが一定になるように、周波数可変レーザ2の周波数及び繰り返し周波数frepを変化させ、繰り返し周波数frepの変化量に基づいてファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変位測定装置及び変位測定方法に関する。
近年、変位センサや固体スケールに関する位置検出技術の高分解能化・高精度化が進んでいる。また、アクチュエータや駆動ステージなどに関する駆動技術の高分解能化・高精度化も進んでいる。そのため、これらの技術が組み込まれた半導体製造装置、工作機械及び測定機器などの装置の高精度化も進んでいる。例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)などの顕微鏡には、位置検出のため、変位センサが組み込まれる。この場合、微細な形状測定を実現するため、ピコメートルの分解能を有する変位センサが使用されるようになってきている。また、固体スケールについても、スケールピッチの微細化や電気的分割数の向上などにより、近年ではピコメートルオーダの分解能を有するものが出現している。
半導体製造装置、工作機械及び測定機器などの装置の精度向上や品質向上のため、変位センサや固体スケールなどの位置検出精度、アクチュエータや駆動ステージなどの駆動精度、あるいはこれらを組み込んだ装置の位置決め精度などを高精度に評価することが求められている。しかし、近年の位置検出技術や駆動技術は、ピコメートルオーダの精度が要求されるようになってきているものの、評価が次第に困難となってきている。また、物質の微小な変形を測定する需要(熱膨張係数や経年変化の測定など)や微小振動を測定する需要もあるが、同様な理由から測定は難しい。
上述のような高精度の評価を行うため、レーザ干渉測長が用いられている。レーザ干渉測長は、光の干渉を用いた高感度な測定手法であり、固体のスケールなどと比較してアライメントを自由に行うことができる。また、レーザ干渉測長は、アッベ誤差を低減できる利点があるので、高精度の評価に適している。しかし、測定範囲が数μm程度の微小領域においては、内挿補正の影響が無視できない大きさとなり、ピコメートルの測定精度を達成するのは容易ではない。
測定精度の向上を図るため、使用するレーザの波長を短くする手法が用いられている。レーザ干渉測長におけるレーザの波長として、産業界では可視域の光が広く用いられている。高分解能化や内挿誤差低減のためには、より短い波長を用いるのが有利である。しかし、可視域よりも短波長である紫外域やX線領域の光を用いた場合、レーザ波長の安定性、光学部品の入手容易性、装置の寸法や安全性など、実用上、多くの面で問題を抱えることとなる。
測定精度の向上を図るための別の手法として、レーザ干渉測長計と測定対象となる移動用の反射鏡との間のレーザ光の往復回数を増やす光路長増倍法が用いられる。光路長を増倍させれば、見かけ上のレーザの波長が短くなるため、高精度な測定が期待できる。しかし、光学系の複雑化、光学素子内を光が何往復もすることによる光量の低下、迷光や漏れ光の発生などの新たな問題が生じる。また、光学系の取り付けや調整に熟練を要する。そのため、光路長の増倍によって得られる測定精度の改善効果には、制限がある。
上述の手法の問題点を克服するため、測定用反射鏡の変位に対応してレーザ周波数を変化させ、周波数変化量を基にレーザ測長を行う方法が知られている。この方法は、干渉信号の内挿補正を行う必要が無いので、内挿誤差の影響が生じない。この方法では、周波数可変レーザの周波数及び周波数変化量を高精度に検出するために、周波数可変レーザと基準レーザとの間のビート計測が必要となる。基準レーザに通常の周波数安定化レーザを用いた場合、ビート計測のためのフォトディテクタや電子回路の帯域の制限などによって、周波数可変レーザと基準レーザとの間のビート計測範囲が制限される。この場合、測定精度や測定範囲も制限されてしまう。
そのため、高精度化や測定範囲の拡大を目的として、通常の周波数安定化レーザに代えて、精密な周波数間隔で複数の周波数のレーザ光を発生することができる、いわゆる光周波数コムを基準レーザとして用いる方法が提案されている(非特許文献1)。この方法では、光周波数コムを基準レーザとして、光周波数コムと周波数可変レーザとの間のビートを計測しながら、周波数可変レーザの周波数を変化させる。この際、ビート周波数がゼロ付近となる、又は光周波数コムの縦モード間隔の中央付近に周波数可変レーザの周波数が到達する、いわゆるデッドゾーンが存在する。このデッドゾーンにおいては、ビート周波数を正確に測定することができない。そのため、音響光学素子を用いて周波数をシフトさせたビートの周波数を計測するなどして、デッドゾーン領域の影響を防止する対策を施す必要が有る。
Youichi Bitou et al., "Accurate wide-range displacement measurement using tunable diode laser and optical frequency comb generator", 23 January 2006, OPTICS EXPRESS, vol. 14, No. 2, pp.644-654.
ところが、発明者は、上述の光周波数コムを基準レーザとして用いる方法には以下に示す問題点が有ることを見出した。この方法では、周波数可変レーザの絶対周波数を測定する必要がある。そのため、絶対周波数測定の不確かさが変位測定結果に影響を与えてしまい、測定結果の信頼性の点で問題である。また、絶対周波数測定を行うための装置構成が複雑化してしまい、装置の大型化、高コスト化を招いてしまう。さらに、光周波数コムと周波数可変レーザとのビート周波数測定におけるデッドゾーン領域を避けるため、音響光学素子等を組み込む必要があり、装置構成は更に複雑化してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、本発明の目的は、レーザ光の周波数測定を行うことなくレーザ光を用いた変位測定を行うことである。
本発明の第1の態様である変位測定装置は、周波数が可変な第1のレーザ光を出力する周波数可変レーザと、繰り返し周波数およびオフセット周波数が制御可能な光周波数コムと、前記周波数可変レーザ及び前記光周波数コムを制御するコントローラと、前記第1のレーザ光が入射するファブリペロー干渉計と、前記第1のレーザ光と前記光周波数コムが出力する第2のレーザ光との干渉光を検出する第1光検出器と、前記ファブリペロー干渉計からの反射光を検出する第2光検出器と、前記第1光検出器の検出結果からビート周波数を検出する周波数測定器と、を備え、前記コントローラは、前記ビート周波数を用いて、前記周波数可変レーザの周波数を前記第2のレーザ光のスペクトルを基準としてロックし、前記第1のレーザ光に対する前記ファブリペロー干渉計の反射光強度と、前記ビート周波数と、が一定になるように、前記周波数可変レーザの周波数及び前記繰り返し周波数を変化させ、前記繰り返し周波数の変化量に基づいて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出するものである。この変位測定装置は、繰り返し周波数の変化量に基づいて、周波数可変レーザの周波数を測定することなく、干渉計長の変位を算出することができる。
本発明の第2の態様である変位測定装置は、上記の変位測定装置であって、前記コントローラは、前記繰り返し周波数の変化量に比例して、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出するものである。この変位測定装置は、繰り返し周波数の変化量に基づいて、周波数可変レーザの周波数を測定することなく、干渉計長の変位を算出することができる。
本発明の第3の態様である変位測定装置は、上記の変位測定装置であって、前記コントローラは、繰り返し周波数の値で前記繰り返し周波数の変化量を除した値に、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の値を乗じて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出するものである。この変位測定装置は、繰り返し周波数の変化量に基づいて、周波数可変レーザの周波数を測定することなく、干渉計長の変位を算出することができる。
本発明の第4の態様である変位測定装置は、上記の変位測定装置であって、前記コントローラは、前記周波数可変レーザと前記ファブリペロー干渉計との間及び前記ファブリペロー干渉計内の雰囲気の屈折率の変化量を、雰囲気の屈折率の値で除した値を更に加算して、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出するものである。この変位測定装置は、繰り返し周波数の変化量に基づいて、周波数可変レーザの周波数を測定することなく、干渉計長の変位を算出することができる。
本発明の第5の態様である変位測定装置は、上記の変位測定装置であって、前記コントローラは、前記オフセット周波数と、前記ビート周波数と、が同値かつ互いに反対の符号を有するように、前記光周波数コム及び前記周波数可変レーザとを制御するものである。この変位測定装置は、繰り返し周波数の変化量に基づいて、周波数可変レーザの周波数を測定することなく、干渉計長の変位を算出することができる。
本発明の第6の態様である変位測定方法は、周波数可変レーザの周波数を、繰り返し周波数およびオフセット周波数が制御可能な光周波数コムが出力する第2のレーザ光のスペクトルを基準としてロックし、前記周波数可変レーザから出力されファブリペロー干渉計に入射する第1のレーザ光に対する前記ファブリペロー干渉計の反射光強度と、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光との干渉光から得られるビート周波数と、が一定となるように、前記周波数可変レーザの周波数及び前記繰り返し周波数を変化させ、前記繰り返し周波数の変化量に基づいて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出するものである。
本発明によれば、レーザ光の周波数測定を行うことなくレーザ光を用いた変位測定を行うことができる。
本発明の上述及び他の目的、特徴、及び長所は以下の詳細な説明及び付随する図面からより完全に理解されるだろう。付随する図面は図解のためだけに示されたものであり、本発明を制限するためのものではない。
実施の形態1にかかる変位測定装置100の構成を模式的に示す構成図である。 光周波数コム1が出力するレーザ光のスペクトルを示す図である。 実施の形態1にかかる変位測定装置100の具体的な構成例を示す構成図である。 光周波数コム1のスペクトルとビート周波数fbeatとの関係を示す図である。 ファブリペロー干渉計5の反射率Rと位相差δとの関係を示すグラフである。 ファブリペロー干渉計5の反射光強度とファブリペロー干渉計5の共振周波数との関係を示すグラフである。 実施の形態1にかかる変位測定の手順を示すフローチャートである。 レーザ周波数変化の前後のビート周波数と光周波数コムの関係を示す図である。 実施の形態2にかかる干渉計長の初期値Lを求めるステップS1の手順を示すフローチャートである。 反射光Rの強度とレーザ周波数との関係を示す図である。 実施の形態2にかかるビート周波数とレーザ周波数との関係を示す図である。 実施の形態3にかかる干渉計長の初期値Lを求めるステップS1の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
実施の形態1
まず、実施の形態1にかかる変位測定装置100について説明する。図1は、実施の形態1にかかる変位測定装置100の構成を模式的に示す構成図である。変位測定装置100は、光周波数コム1、周波数可変レーザ2、周波数計測器3、コントローラ4、ファブリペロー干渉計5、光検出器PD1及びPD2を有する。
光周波数コム1は、等しい周波数間隔が空いた複数の周波数成分からなるスペクトルを有するレーザ光L1を出力することができる。レーザ光L1のN番目(Nは光周波数コムのスペクトルを示す次数であり、整数である。以下、Nを光周波数コムの次数と称する。)の周波数成分の周波数fは、以下の式(1)で表される。
Figure 2015010909
式(1)において、frepは繰り返し周波数である。fceoは、オフセット周波数であり、式(1)でN=0とした場合の余りの周波数成分である。オフセット周波数fceoは、正の値または負の値のいずれかとなる。図2は、光周波数コム1が出力するレーザ光のスペクトルを示す図である。光周波数コム1は、繰り返し周波数frep及びオフセット周波数fceoを調整することで、出力する複数の周波数成分の周波数を高精度に制御することが可能である。
周波数可変レーザ2は、出力するレーザ光の波長を変化させることができる。周波数可変レーザ2から出力されたレーザ光L2は、レーザ光L21及びレーザ光L22に分岐される。レーザ光L21は、光周波数コム1が出力するレーザ光L1と干渉し、干渉光L10が生じる。干渉光L10は、光検出器PD1に入射する。レーザ光L22は、ファブリペロー干渉計5に入射する。
ファブリペロー干渉計5は、反射鏡51、反射鏡52、干渉計筐体53及びアクチュエータ54を有する。反射鏡51は、所定の反射率を有する反射鏡であり、干渉計筐体53の一方の端部に配置される。反射鏡52は、高反射率を有する反射鏡であり、干渉計筐体53の他方の端部に、アクチュエータ54を介して配置される。なお、反射鏡52は、全反射であることが望ましい。本構成では、反射鏡51と反射鏡52とが光干渉計を構成する。アクチュエータ54は、干渉計の共振方向に反射鏡52の位置を変位させることができる。つまり、ファブリペロー干渉計5は、アクチュエータ54を駆動することで、干渉計長を変化させることができる。干渉計筐体53の外部に向いた側の反射鏡52の面55には、変位測定の対象物が設置される。
レーザ光L22は、反射鏡51に入射し、反射鏡51と反射鏡52との間を往復する。往復したレーザ光の一部は、反射鏡51から出射する。ここでは、出射したレーザ光を、レーザ光L23とする。レーザ光L23は、光検出器PD2に入射する。
光検出器PD1は、干渉光L10の光強度を検出し、検出結果を検出信号DET1として出力する。光検出器PD2は、レーザ光L23の光強度を検出し、検出結果を検出信号DET2として出力する。
周波数計測器3は、検出信号DET1からビート周波数fbeatを算出する。周波数計測器3は、算出したビート周波数fbeatを、コントローラ4に出力する。周波数計測器3は、光周波数コム1から繰り返し周波数frep及びオフセット周波数fceoの実測値を取得し、取得した値をコントローラ4に出力することができる。また、光周波数コム1内の光検出器で検出した電気信号をコントローラ4に出力することもできる。コントローラ4は、この電気信号に基づいて、繰り返し周波数frep及びオフセット周波数fceoの制御を行う。光周波数コム1の繰り返し周波数frepやオフセット周波数fceoを把握するには、周波数計測器3で実測した周波数値、または、繰り返し周波数frepやオフセット周波数fceoを制御するための設定周波数値を利用することができる。
コントローラ4は、光周波数コム1及び周波数可変レーザ2を制御する。具体的には、コントローラ4は、光周波数コム1に繰り返し周波数frep及びオフセット周波数fceoを設定する。また、周波数可変レーザ2が出力するレーザ光L2の周波数flaserを制御する。コントローラ4は、駆動信号Sdにより、ファブリペロー干渉計5のアクチュエータ54の駆動を制御することができる。
続いて、変位測定装置100の具体的な構成例について説明する。図3は、実施の形態1にかかる変位測定装置100の具体的な構成例を示す構成図である。図3では、図1と比較して、バンドパスフィルタBPF、ビームスプリッタBS1及びBS2、偏光ビームスプリッタPBS及びλ/4板6が追加されている。
レーザ光L1は、バンドパスフィルタBPFにより不要な周波数成分が除去された後、ビームスプリッタBS1に入射する。光周波数コム1から出力されたレーザ光L1の一部は、ビームスプリッタBS1を透過する。
レーザ光L2は、ビームスプリッタBS2でレーザ光L21とレーザ光L22とに分岐される。レーザ光L21の一部は、ビームスプリッタBS1により、レーザ光L1の伝搬方向に反射される。これにより、レーザ光L1とレーザ光L21とが干渉して、干渉光L10が生じる。レーザ光L22は、偏光ビームスプリッタPBSに入射する。偏光ビームスプリッタPBSは、直線偏光であるレーザ光L22を透過させるように設けられる。レーザ光L22は、λ/4板6を通過した後、ファブリペロー干渉計5に入射する。また、ファブリペロー干渉計5から出射したレーザ光L23は、λ/4板6を通過した後、偏光ビームスプリッタPBSに入射する。
上述のように、偏光ビームスプリッタPBSに到達したレーザ光L23は、レーザ光L2の一部であるレーザ光L22がλ/4板6を2回通過した後のものである。したがって、レーザ光L23の直線偏光の方位は、レーザ光L22の直線偏光の方位に対して直交している。その結果、偏光ビームスプリッタPBSは、レーザ光L23を選択的に反射することができる。反射されたレーザ光L23は、光検出器PD2に入射する。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
続いて、変位測定装置100の変位測定原理について説明する。周波数可変レーザ2が出力するレーザ光L2の周波数flaserは、繰り返し周波数frep、オフセット周波数fceo、ビート周波数fbeat及び次数Nを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 2015010909
図4は、光周波数コム1のスペクトルとビート周波数fbeatとの関係を示す図である。後述するが、本実施の形態では、オフセット周波数fceoは、ビート周波数fbeatと同じ大きさで反対の符号を持つ値として設定される。
上述のように、ファブリペロー干渉計5に入射したレーザ光L22は干渉計内で多数回往復し、一部の光がレーザ光L23としてファブリペロー干渉計5の外へ出射する。レーザ光L23は、光検出器PD2に入射する。光検出器PD2は、レーザ光L23の光強度を測定し、検出信号DET2として出力する。コントローラ4は、検出信号DET2をモニタしながら、レーザ光L23の光強度が最大(もしくは最小)となるように、周波数可変レーザ2の周波数flaserやアクチュエータ54の変位量を制御することで、ファブリペロー干渉計5の反射鏡52の変位測定を行なうことができる。
ファブリペロー干渉計5にレーザ光を入射した場合のファブリペロー干渉計5の反射率Rは、以下の式(3)で表される。
Figure 2015010909

ファブリペロー干渉計5にレーザ光が入射した場合のファブリペロー干渉計5の透過率Tは、以下の式(4)で表される。
Figure 2015010909

Fは、以下の式(5)で表される。
Figure 2015010909

式(5)における変数の定義は次の通りである。rは、反射鏡の振幅反射係数である。Rは、反射鏡51及び52の反射率である。
δは位相差であり、以下の式(6)で表される。
Figure 2015010909

式(6)における変数の定義は次の通りである。nは、空気の屈折率である。Lは、ファブリペロー干渉計の対向する反射鏡間の距離(幾何学的距離)、すなわち干渉計長である。λは、真空中のレーザ光の波長である。
ファブリペロー干渉計の反射鏡として高反射率の反射鏡を用いる場合、反射率Rおよび透過率Tは、位相差δがπの整数倍のときに鋭い変化を示す。このときの位相差δは、整数kを用いて、以下の式(7)で表される。
Figure 2015010909
図5は、ファブリペロー干渉計5の反射率Rと位相差δとの関係を示すグラフである。反射率Rは、位相差δがπの整数倍のときに最小となる。図6は、ファブリペロー干渉計5の反射光強度とファブリペロー干渉計5の共振周波数との関係を示すグラフである。反射光強度は、隣接する共振周波数の間隔(自由スペクトル間隔)fFSRごとに、最小となる。
ここで、ファブリペロー干渉計5の共振周波数fと真空中の光速cとを用いると、式(7)を式(8)に変形できる。
Figure 2015010909
式(8)を変形すると、共振周波数fは以下の式(9)で表される。
Figure 2015010909
式(9)より、整数kの値が1だけ異なる、隣接する共振周波数の間隔(自由スペクトル間隔)fFSRは、以下の式(10)で表される。
Figure 2015010909
なお、共振周波数以外の周波数を考慮して式(8)を一般化すると、干渉計長Lは、次数M(Mは実数)を用いて以下の式(11)で表すことができる。
Figure 2015010909

式(11)では、周波数を一般化したので、以下では、fを周波数可変レーザ2から出力されてファブリペロー干渉計5に入射するレーザ光の周波数として取り扱う。以下では、fをレーザ周波数と称する。
ここで、レーザ周波数f、測定雰囲気の屈折率n及び次数Mがファブリペロー干渉計5の干渉計長Lに与える影響について検討する。なお、ここでいう雰囲気とは、周波数可変レーザ2から出力されてファブリペロー干渉計5に入射するレーザ光の光路、及び、ファブリペロー干渉計5内を往復するレーザ光の光路が通過る雰囲気を意味する。式(11)を全微分して、干渉計長Lの変位dLは、以下の式(12)で表される。
Figure 2015010909
本実施の形態では、式(12)の次数Mの変化を打ち消すように、すなわちdM=0となるように、レーザ周波数fを制御する。この場合、通常の干渉計長の測定で問題となる干渉信号に対する内挿補正を必要とせず、内挿誤差の影響を受けずに反射鏡の変位を高精度に測定できる。dM=0なので、式(12)は、式(13)に書き換えられる。
Figure 2015010909
また、雰囲気を真空にすると、雰囲気の屈折率の影響を無視することができ、dn=0となる。dn=0なので、式(13)は、式(14)に書き換えられる。
Figure 2015010909
ここで、干渉計長の変位dLをL、周波数の変化量dfをfとおくと、式(14)は、以下の式(15)となる。
Figure 2015010909

この場合、干渉計長の変位dLの不確かさdL(L=dL)は、式(15)を全微分して、以下の式(16)で表される。
Figure 2015010909
式(16)の右辺第1項は、レーザ周波数fの不確かさを示す微分量であるdf(df=f)の影響を示す。よって、レーザ周波数fの不確かさの影響を少なくするためには、レーザ周波数fを精度良く求める必要がある。
式(16)の右辺第2項は、レーザ周波数fの変化量の不確かさを示す微分量であるdfの影響を示す。よって、レーザ周波数fの変化量の不確かさdfの影響を少なくするためには、レーザの周波数の変化dfを精度良く求める必要がある。
式(16)の右辺第3項は、干渉計長Lの不確かさを示す微分量であるdL(dL=L)の影響を示す。よって、干渉計長Lの不確かさを少なくするためには、干渉計長Lを精度良く求める必要がある。
本実施の形態では、後述する方法により、レーザ周波数を測定することなく、干渉計長Lを高精度に求める。その結果、測定対象である干渉計長Lの変位の不確かさdLを低減することができる。本実施の形態では、干渉計長Lを高精度に求めるために、光周波数コムを用いている。
続いて、干渉計長の変位測定方法について説明する。式(2)において、ビート周波数fbeatが一定の状態で繰り返し周波数frepをΔfrepだけ変化させた場合、すなわち、fbeatの値が一定となるように周波数可変レーザの周波数を制御した場合、レーザ周波数fの変化量dfは、以下の式(17)で表される。
Figure 2015010909
式(17)を式(13)に代入して、以下の式(18)が得られる。なお、式(18)では、繰り返し周波数frepを変化させる前の周波数可変レーザ2の周波数の初期値をf、ファブリペロー干渉計5の干渉計長Lの初期値をL、雰囲気の屈折率の初期値をn、繰り返し周波数の初期値をfrep0とする。
Figure 2015010909

但し、αは、以下の式(19)で表される。
Figure 2015010909
本実施の形態では、コントローラ4は、α=0、すなわちfceo=−fbeatとなるように、オフセット周波数fceo及びビート周波数fbeatを制御する。その結果、式(19)は、式(20)となる。
Figure 2015010909
さらに、雰囲気を真空にすることで、雰囲気の屈折率の寄与を無視できる。よって、式(20)は式(21)に書き換えられる。
Figure 2015010909

よって、式(21)より、本実施の形態では、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の初期値L、繰り返し周波数の初期値frep0、繰り返し周波数の変化量Δfrepのみで、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位dLを測定することができる。
具体的には、ファブリペロー干渉計5の干渉計長が変化する場合に、ファブリペロー干渉計5の反射率Rが最小となるように、コントローラ4が繰り返し周波数を変化させる。そして、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の変化が停止した時点での繰り返し周波数の変化量Δfrepを式(21)に代入することで、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位dLを算出することができる。
次に、変位測定の手順について説明する。図7は、実施の形態1にかかる変位測定の手順を示すフローチャートである。
ステップS1
まず、式(12)に示すファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位dLを求めるため、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の初期値Lを求める。
ステップS2
レーザ周波数fを光周波数コム1にロックする。
ステップS3
コントローラ4は、ビート周波数fbeatを測定しながら、fceo=−fbeatとなるように、光周波数コム1を制御する。
ステップS4
次いで、周波数可変レーザ2の周波数をファブリペロー干渉計5の共振周波数に一致させる。具体的には、コントローラ4が検出信号DET2をモニタしながら光周波数コム1の繰り返し周波数frepを変化させ、光検出器PD2で検出される反射光(レーザ光L23)強度が最小となるように制御する。
ステップS5
コントローラ4は、反射率Rが最小となるときの繰り返し周波数frepを繰り返し周波数の初期値frep0として保持する。
ステップS6
コントローラ4は、アクチュエータ54で反射鏡52を変位させて干渉計長を変化させながら、ファブリペロー干渉計5の共振周波数に一致するように、光周波数コム1の繰り返し周波数frepを変化させる。この際、コントローラ4は、反射率Rは最小かつビート周波数fbeatは一定となるように、光周波数コム1の繰り返し周波数frepを変化させる。
ステップS7
アクチュエータ54の駆動を終えたら、コントローラ4は、繰り返し周波数の変化量Δfrepを算出する。
ステップS8
コントローラ4は、式(21)にL、Δfrep、rep0を代入し、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位dLを算出する。
本実施の形態では、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の初期値L、繰り返し周波数の初期値frep0、繰り返し周波数の変化量Δfrepのみで、ファブリペロー干渉計5の干渉計長の変位dLを測定することができる。よって、本構成によれば、レーザ周波数を測定することなく、ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を測定することができる。これにより、簡易な構成で高精度に干渉計長の測定を行うことができる。
なお、図7では、雰囲気が真空の場合について説明したが、真空でない場合には式(20)を用いればよい。つまり、屈折率測定手段を別途設けてレーザ周波数変化前後の雰囲気の屈折率を測定し、式(20)に代入すればよい。
実施の形態2
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、図7に示すステップS1でのファブリペロー干渉計5の長さの初期値Lの測定について、具体例を説明する。まず、実施の形態2におけるファブリペロー干渉計5の長さの初期値Lの測定原理について説明する。
本実施の形態では、干渉計長をLに固定した状態でレーザ周波数を変化させることで、干渉計長の初期値Lを測定する。この際、レーザ周波数の影響は、以下の式(22)で表される。
Figure 2015010909

よって、式(22)より、干渉計長の初期値Lは、以下の式(23)で表される。
Figure 2015010909
つまり、レーザ周波数の変化で生じる周波数変化量Δfと共振次数変化量ΔMがわかれば、式(23)を用いて、干渉計長の初期値Lを求めることができる。
ここで、レーザ周波数の初期値をf、変化後のレーザ周波数をfとする。また、光周波数コムの次数の初期値をN、変化後の光周波数コムの次数をNとする。レーザ周波数の初期値fは、式(2)より、以下の式(24)で表される。変化後のレーザ周波数fは、式(2)より、以下の式(25)で表される。
Figure 2015010909

Figure 2015010909

よって、周波数変化量Δf12は、以下の式(26)で表される。
Figure 2015010909
図8は、レーザ周波数変化の前後のビート周波数と光周波数コムの関係を示す図である。図8の例では、ビート周波数fbeat1とビート周波数fbeat2との間には、2fFSRの差があるので、共振次数変化量は2である。
式(26)を式(23)に代入して、干渉計長の初期値Lは、以下の式(27)で表される。なお、ΔM12は、ファブリペロー干渉計5での共振次数Mの変化量である。
Figure 2015010909
続いて、式(27)を用いて干渉計長の初期値Lを求める方法について、具体的に説明する。図9は、干渉計長の初期値Lを求めるステップS1の手順を示すフローチャートである。本実施の形態では、ステップS1は、ステップS11〜S16により構成される。
ステップS11
まず、干渉計長をLに、オフセット周波数をfceo0に固定する。
ステップS12
ビート周波数fbeat1を測定する。
ステップS13
コントローラ4は、周波数可変レーザ2の周波数を変化させながら、共振次数変化ΔM12、光周波数コム次数変化(N−N)を求める。
共振次数変化ΔM12の求め方について説明する。この場合、例えば式(7)からわかるように、位相δが変化するので、それに応じてファブリペロー干渉計5の反射率Rが変化する。反射率Rに伴って、反射光強度も変化する。図10は、反射光Rの強度とレーザ周波数との関係を示す図である。図10に示すように、光強度のゼロクロス点Pzを通過する回数をカウントすることで、共振次数変化ΔMを知ることができる。
光周波数コム次数変化(N−N)の求め方について説明する。図11は、ビート周波数とレーザ周波数との関係を示す図である。ビート周波数は、レーザ周波数の変化に伴い、周期frepの三角波状に変化する。つまり、コントローラ4は、ビート周波数が増加から減少に転じる回数をカウントすることで、容易に光周波数コム次数変化(N−N)を求めることができる。なお、レーザ周波数を共振周波数にロックした際に、光周波数コムとレーザ周波数が最小値や最大値(frep/2)付近となった場合、ビート周波数を正確に測定することが難しい。この場合、例えばオフセット周波数fceoを、ビート周波数が測定できる位置までシフトさせればよい。
ステップS14
ビート周波数fbeat2を測定する。
ステップS15
次いで、空気の屈折率nを求める。
ステップS16
式(27)を用いて、ファブリペロー干渉計5の長さの初期値Lを算出する。
続いて、実施の形態2にかかる干渉計長の初期値Lの測定の信頼性について説明する。まず、干渉計長の初期値Lの測定の不確かさを検討するため、式(23)を全微分し、以下の式(28)を得る。
Figure 2015010909
式(28)の右辺第1項は、共振次数の変化ΔMの不確かさを示す微分量であるΔM(ΔM=M)の影響を示す。共振次数の変化の不確かさΔMは、周波数可変レーザ5のファブリペロー干渉計5へのロックが不完全であるなどの要因により生じる。共振次数Mの不確かさΔMの影響は、ファブリペロー干渉計5のフィネスを大きくする、又は周波数変化量を大きくすることで低減できる。
式(28)の右辺第2項は、レーザ周波数の周波数変化量Δfの不確かさを示す微分量であるΔf(Δf=f)の影響を示す。レーザ周波数の周波数変化量の不確かさΔfは、周波数変化量を大きくする、又は、周波数変化量を正確にすることで低減できる。なお、周波数変化量を大きくすることは、右辺第1項の次数変化量ΔMを大きくすることにも関係する。
式(28)の右辺第3項は、空気屈折率nの不確かさを示す微分量であるΔn(Δn=n)の影響を示す。空気屈折率nの不確かさΔnは、測定環境を安定化することで低減できる。また、測定環境を真空にすることで、空気屈折率nの不確かさΔnを除去することが可能である。
本実施の形態では、図9に示すように、レーザ周波数を大きく変動させても、レーザ周波数そのものを測定することなく、式(27)の右辺に現れる各パラメータを測定することで、ファブリペロー干渉計5の長さの初期値Lを測定できる。繰り返し周波数frep、ビート周波数fbeat1、fbeat2は、一定の範囲の値であるので、レーザ周波数を大きく変動させても容易に測定することができる。
したがって、上述の方法によれば、レーザ周波数の周波数変化量を大きくして、共振次数Mの不確かさを示す微分量であるΔMと、レーザ周波数の周波数変化量の不確かさΔfと、を小さくすることができる。その結果、干渉計長の初期値Lを高精度に測定することが可能となる。
実施の形態3
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態では、図7に示すステップS1での干渉計長の初期値Lの測定について、別の具体例を説明する。まず、実施の形態3における干渉計長の初期値Lの測定原理について説明する。
実施の形態2と同じように、レーザ周波数を変化させる。このときの隣接する共振周波数の間隔(自由スペクトル間隔)fFSRは、式(27)を変形し、以下の式(29)で表される。
Figure 2015010909
本実施の形態では、光周波数のコムの次数Nを測定することなく、干渉計長の初期値Lを測定する。そのため、干渉計長の初期値Lを算出するために、光周波数のコムの次数Nの変化量を見積もることが必要となる。
ここで、式(29)において、光周波数コムの次数変化量(N−N)の見積もりが、実際の次数変化量よりも1だけ大きい場合、共振周波数の間隔(自由スペクトル間隔)は、式(30)に示すように、δfFSRだけずれることとなる。
Figure 2015010909
この場合、干渉計長の測定値は、実際の値LからLだけずれてしまう。干渉計長の測定値のズレ量Ldは以下の式(31)で表される。
Figure 2015010909
ここで、光周波数コムの次数変化量の真値(N2−N1)を基準として、L±L(つまり、光周波数コムの次数変化が(N2−N1)±1)の範囲を想定する。干渉計の設計情報などから干渉計の長さの初期値Lがとり得る範囲Lmin〜Lmaxが判明するので、範囲Lmin〜LmaxがL±L内に位置していれば、下記の式(32)の右辺が範囲Lmin〜Lmaxを満たすように光周波数コムの次数変化量(N2−N1)を決定することができる。
Figure 2015010909
よって、式(32)より、ファブリペロー干渉計5の長さの初期値Lを決定することができる。
続いて、実施の形態3にかかる干渉計長の初期値Lを求める方法について、具体的に説明する。図12は、実施の形態3にかかる干渉計長の初期値Lを求めるステップS1の手順を示すフローチャートである。本実施の形態では、ステップS1は、ステップS21〜S27により構成される。
ステップS21
まず、干渉計長をLに、オフセット周波数をfceo0に固定する。
ステップS22
ビート周波数fbeat1を測定する。
ステップS23
周波数可変レーザ2の周波数を変化させながら、共振次数変化ΔMを求める。
ステップS24
ビート周波数fbeat2を測定する。
ステップS25
次いで、空気の屈折率nを求める。
ステップS26
範囲Lmin〜Lmaxを満たすように光周波数コムの次数変化量(N2−N1)を決定する。
ステップS27
式(32)を用いて、干渉計長の初期値Lを算出する。
これにより、本方法によれば、光周波数コムの次数変化を計測することなく、干渉計長の初期値Lを決定できる。よって、光周波数コムの次数変化のカウントミスなどによる影響を未然に防止し、高精度に干渉計長の初期値Lを算出することができる。
また、本方法では、光周波数コムの次数変化を大きくすることで、より高精度に干渉計長の初期値Lを算出することができる。
なお、ステップS22〜S24は、複数回行うこともできる。最初の共振周波数をfとし、これに対応する変化後の共振周波数をfとする。この場合、Lは式(32)と同様の式で表される。
次いで、共振周波数fを起点として、レーザ周波数を変化させる。最初の共振周波数fに対応する変化後の共振周波数をfとする。この場合、Lは以下の式(33)で表される。
Figure 2015010909
そして、式(32)と式(33)を用いて、N、fを消去し、以下の式(34)に示すように、Lを示す式を更新する。
Figure 2015010909
上記の更新をk−1回繰り返すと、Lは以下の式(35)で表される。
Figure 2015010909
この方法をとれば、光周波数コムのN−Nの値を大きくすることができるので、より高精度にLを求めることができる。
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上述の原点信号発生回路は例示に過ぎない。図3に示した バンドパスフィルタBPF、ビームスプリッタBS1及びBS2、偏光ビームスプリッタPBS、λ/4板6の配置は例示に過ぎない。すなわち、レーザ光を同様に分岐、干渉させることができるならば、図3の構成には限られない。
実施の形態2にかかる干渉計長の初期値Lの測定と、実施の形態3にかかる干渉計長の初期値Lの測定と、は同時に行うこともできる。
実施の形態2にかかる干渉計長の初期値Lの測定と、実施の形態3にかかる干渉計長の初期値Lの測定とは、いずれも、周波数可変レーザを2台用いて行っても良い。具体的には、まず、2台の周波数可変レーザを、ファブリペロー干渉計5の同じ共振周波数点(1箇所目)にロックする。その後、一方の周波数可変レーザ(周波数可変レーザAと称する)についてはロック状態を維持し、他方の周波数可変レーザ(周波数可変レーザBと称する)については上述の実施の形態2及び3の通りにレーザ周波数を変化させる。この際、周波数可変レーザAと光周波数コム1とのビート周波数を、ビート周波数fbeat1として用いる。そして、実施の形態2については、周波数可変レーザBと光周波数コム1とのビート周波数を、ビート周波数fbeat2として用いる。実施の形態3については、周波数可変レーザBと光周波数コム1とのビート周波数をビート周波数fbeat2として用い、共振次数の変化については周波数可変レーザB側で測定する。これにより、干渉計長の初期値Lを同様に求めることができる。この手法によれば、2台の周波数可変レーザにかかるビート周波数を同時に測定をしているので、干渉計長のドリフトの影響を受けることなく、より高精度に干渉計長を求めることができる。
1 光周波数コム
2 周波数可変レーザ
3 周波数計測器
4 コントローラ
5 ファブリペロー干渉計
6 λ/4板
51、52 反射鏡
53 干渉計筐体
54 アクチュエータ
55 面
100 変位測定装置
BPF バンドパスフィルタ
BS1、BS2 ビームスプリッタ
DET1、DET2 検出信号
L1、L2、L21〜L23 レーザ光
L10 干渉光
PBS 偏光ビームスプリッタ
PD1、PD2 光検出器
Sd 駆動信号

Claims (6)

  1. 周波数が可変な第1のレーザ光を出力する周波数可変レーザと、
    繰り返し周波数およびオフセット周波数が制御可能な光周波数コムと、
    前記周波数可変レーザ及び前記光周波数コムを制御するコントローラと、
    前記第1のレーザ光が入射するファブリペロー干渉計と、
    前記第1のレーザ光と前記光周波数コムが出力する第2のレーザ光との干渉光を検出する第1光検出器と、
    前記ファブリペロー干渉計からの反射光を検出する第2光検出器と、
    前記第1光検出器の検出結果からビート周波数を検出する周波数測定器と、を備え、
    前記コントローラは、
    前記ビート周波数を用いて、前記周波数可変レーザの周波数を前記第2のレーザ光のスペクトルを基準としてロックし、
    前記第1のレーザ光に対する前記ファブリペロー干渉計の反射光強度と、前記ビート周波数と、が一定になるように、前記周波数可変レーザの周波数及び前記繰り返し周波数を変化させ、
    前記繰り返し周波数の変化量に基づいて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出する、
    変位測定装置。
  2. 前記コントローラは、
    前記繰り返し周波数の変化量に比例して、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出する、
    請求項1に記載の変位測定装置。
  3. 前記コントローラは、
    繰り返し周波数の値で前記繰り返し周波数の変化量を除した値に、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の値を乗じて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出する、
    請求項2に記載の変位測定装置。
  4. 前記コントローラは、
    前記ファブリペロー干渉計内の雰囲気の屈折率の変化量を、雰囲気の屈折率の値で除した値を更に加算して、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出する、
    請求項3に記載の変位測定装置。
  5. 前記コントローラは、
    前記オフセット周波数と、前記ビート周波数と、が同値かつ互いに反対の符号を有するように、前記光周波数コム及び前記周波数可変レーザとを制御する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変位測定装置。
  6. 周波数可変レーザの周波数を、繰り返し周波数およびオフセット周波数が制御可能な光周波数コムが出力する第2のレーザ光のスペクトルを基準としてロックし、
    前記周波数可変レーザから出力されファブリペロー干渉計に入射する第1のレーザ光に対する前記ファブリペロー干渉計の反射光強度と、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光との干渉光から得られるビート周波数と、が一定となるように、前記周波数可変レーザの周波数及び前記繰り返し周波数を変化させ、
    前記繰り返し周波数の変化量に基づいて、前記ファブリペロー干渉計の干渉計長の変位を算出する、
    変位測定方法。
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