JP2015009303A - ワークの切断方法及びワイヤソー - Google Patents

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【課題】ベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤを用いてワークを切断するときに、樹脂被覆ワイヤの表面の樹脂層が摩耗することを抑制できる切断方法及びワイヤソーを提供する。【解決手段】複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤでワイヤ列を形成し、前記ワイヤはベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤを用い、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しながら、ワイヤ列にワークを押し当てて切込み送りすることで、ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、加工液を、ワイヤ列のワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給しながらワークを切断することを特徴としたワークの切断方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、ワイヤソーによってワークをウェーハ状に切断する切断方法及びワイヤソーに関する。
半導体インゴットなどの硬脆材を薄板状のウェーハに切断する切断装置の一つにワイヤソーがある。
ワイヤソーを用いた切断方法は、まず、所定のピッチで巻回されたワイヤでワイヤ列を形成し、ワイヤを高速走行させる。そして、ワークとワイヤの各接触部に加工液を供給しながら、ワイヤ列にワークを押し当てることにより、ワークを多数枚のウェーハ状に切断する。
また、特許文献1には、ワークの切断に使用されるワイヤは、ベースワイヤの外周面を砥粒キャリア樹脂皮膜で被覆した樹脂被覆ワイヤが記載されている。特許文献1には、この樹脂被覆ワイヤを使用すれば、加工液中の砥粒(遊離砥粒)が砥粒キャリア樹脂皮膜に食い込むため、安定して砥粒をワイヤとワークが接触している部分に引き込むことができると記載されている。
上述のように、樹脂被覆ワイヤを用いたワークの切断のメカニズムは、樹脂被覆ワイヤ表面の樹脂層に加工液中の砥粒を食い込ませ、樹脂層表面に固定化された砥粒をワークと樹脂被覆ワイヤの接触部に運ぶ加工方法である。要するに、予め表面に砥粒を固定したワイヤを用いてワークの切断を行う固定砥粒ワイヤ方式に似た切断方法を、遊離砥粒を用いて行っている切断方法である。
また、遊離砥粒切断と呼ばれる切断方法もある。遊離砥粒切断とは、ワイヤによって運ばれた加工液中の砥粒が、加工点においてワークとワイヤを同時に摩耗させる切断方法である。
特開2006−179677号公報 特開平11−302681号公報
樹脂被覆ワイヤを用いた切断方法には、ワーク切断中に樹脂被覆ワイヤ表面の樹脂層が摩耗してしまうという問題がある。本発明者は、ワーク切断の際に、ワークと樹脂被覆ワイヤの各接触部に供給する加工液の流量に着目し、該加工液の流量について検討した。
樹脂被覆ワイヤを用いてワークを切断する場合の加工液の流量は、特許文献1には示されていないが、特許文献2には、加工液(切削液)の供給量が記載されている。特許文献2に記載されているように、砥粒(遊離砥粒)を用いる切断において供給する加工液の流量は100L/min前後が一般的である。
特許文献2に記載された、加工液の流量が100L/minとは供給する加工液の総量を示しており、これをワイヤ列のワイヤ1本あたりの流量に置き換える場合、加工液が吹き付けられる範囲のワイヤ列のワイヤ本数で割る必要がある。一般的な半導体基板製造用ワイヤソーでは加工液が400本程度のワイヤに吹き付けられるため、ワイヤ列のワイヤ1本あたり加工液流量は約250mL/minとなる。
しかし、加工液の流量を100L/min前後、すなわちワイヤ列のワイヤ1本当たりの加工液の流量を約250mL/minとしてワークの切断を行うと、加工液の流量が多過ぎ、樹脂被覆ワイヤ表面の樹脂層に固定しきれない砥粒が増えるので、樹脂層に固定しきれなかった砥粒が樹脂層を摩耗させてしまうことを本発明者は発見した。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、ベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤを用いてワークを切断するときに、樹脂被覆ワイヤの表面の樹脂層が摩耗することを抑制できる切断方法及びワイヤソーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤでワイヤ列を形成し、前記ワイヤはベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤを用い、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しながら、前記ワイヤ列に前記ワークを押し当てて切込み送りすることで、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、前記加工液を、前記ワイヤ列の前記ワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給しながらワークを切断することを特徴としたワークの切断方法を提供する。
このような切断方法であれば、樹脂被覆ワイヤの樹脂層表面に固定しきれない砥粒が減少するので、樹脂層の摩耗が抑制される。その結果、樹脂層に砥粒が食い込み固定化した樹脂被覆ワイヤを長時間使用でき、ワーク切断中のワイヤの断線を防止することができるので、安定したワークの切断を行うことができる。
また、本発明によれば、複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列と、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給する加工液供給機構と、前記ワークを保持しつつ押圧することで前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てるワーク送り手段を具備し、前記ワイヤはベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤであり、前記加工液供給機構から前記ワークと前記ワイヤとの接触部に前記加工液を供給しつつ、前記ワーク送り手段により保持された前記ワークを、前記ワイヤ列に押し当てて切込み送りすることで、前記ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーであって、前記加工液供給機構は、前記加工液を、前記ワイヤ列の前記ワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給するものであることを特徴とするワイヤソーが提供される。
このようなワイヤソーであれば、樹脂被覆ワイヤの樹脂層表面に固定しきれない砥粒が減少するので、樹脂層の摩耗が抑制される。その結果、樹脂層に砥粒が食い込み固定化した樹脂被覆ワイヤを長時間使用でき、ワーク切断中のワイヤの断線を防止することができるので、安定したワークの切断を行うことができるものとなる。
本発明のワークの切断方法及びワイヤソーでは、ワークとワイヤの接触部に供給する加工液をワイヤ列のワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給するので、加工液の供給量が多くなり過ぎない。従って、樹脂層に固定しきれない砥粒の増加を抑制することができ、樹脂層に固定しきれない砥粒による樹脂層の摩耗を抑制することができる。その結果、樹脂層に砥粒が食い込み固定化した樹脂被覆ワイヤを長時間使用でき、ワーク切断中の樹脂被覆ワイヤの断線を防止することができるので、安定したワークの切断ができる。
本発明のワークの切断方法に用いるワイヤソーの一例を示した概略図である。 本発明のワイヤソーが有する樹脂被覆ワイヤの一例を示した斜視図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂被覆ワイヤを用いたワークの切断においては、樹脂被覆ワイヤの樹脂層が摩耗してしまうという問題があった。そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ワークとワイヤの接触部に供給する加工液が多くなり過ぎ、樹脂被覆ワイヤの樹脂層に固定されない砥粒が増加してしまい、その砥粒が樹脂被覆ワイヤの樹脂層を摩耗させてしまうことを発見した。
そこで本発明者は、ワークとワイヤの接触部に供給する加工液をワイヤ列のワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給することで、樹脂被覆ワイヤの樹脂層に固定しきれない砥粒を減らすことができ、その結果樹脂層の摩耗を抑制できることに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明のワークの切断方法及びワイヤソーについて図を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、本発明のワイヤソーについて説明する。
図1に示すように、本発明のワイヤソー1は、複数のワイヤガイド2間に螺旋状に巻回された軸方向に走行する樹脂被覆ワイヤ3によって形成されるワイヤ列4、切断時にワークWと樹脂被覆ワイヤ3との接触部に加工液を供給する加工液供給機構5、ワークWを保持しつつ押圧することでワークWをワイヤ列に押し当てるワーク送り手段6、樹脂被覆ワイヤ3に張力を付与するための張力付与機構7、7’等で構成されている。
図2に示すように、樹脂被覆ワイヤ3はベースワイヤ13表面に樹脂を被覆したものである。樹脂被覆ワイヤを構成するベースワイヤ13として、例えば、直径40〜200μmのピアノ線が使用され、ピアノ線の外周面に樹脂層14が全面にわたって被覆形成される。ベースワイヤ13の表面に樹脂層14を形成する樹脂として、例えば、フェノール系、ポリアミド系、エポキシ系、ウレタン系などの樹脂を用いることができる。また、樹脂層14の厚みは0.5〜15μmの範囲が好ましい。この樹脂層14は樹脂被覆ワイヤ3に吹き付けられた加工液中の砥粒を、樹脂層14表面に食い込ませることにより、砥粒をワークWと樹脂被覆ワイヤ3との間に引き込むことができる。
樹脂被覆ワイヤ3は、一方のワイヤリールボビン8から繰り出され、トラバーサを介して定トルクモーターやダンサローラ(デッドウェイト)等からなる張力付与機構7を経て、ワイヤガイド2に入っている。樹脂被覆ワイヤ3はもう一方の張力付与機構7’を経てワイヤリールボビン8’に巻き取られている。また、張力付与機構7、7’によって樹脂被覆ワイヤ3に付与される張力は、ベースワイヤ13の引張強度以下に限定され、好ましくはベースワイヤ13の引張強度の40〜70%の範囲である。
また、ワイヤガイド2は鉄鋼製円筒の周囲にポリウレタン樹脂を圧入し、その表面に所定のピッチで溝を切ったローラーであり、駆動モータ12によって、巻回された樹脂被覆ワイヤ3が軸方向に往復走行できるようになっている。ここで、樹脂被覆ワイヤ3を往復走行させる際、樹脂被覆ワイヤ3の両方向への走行距離を同じにするのではなく、ワイヤ新線が供給されるように、片方向への走行距離の方が長くなるようにする。このようにして、樹脂被覆ワイヤ3の往復走行を行いながら長い走行距離の方向に新線が供給される。
加工液供給機構5はスラリチラー9、スラリタンク10、ノズル11等から構成される。ノズル11はワイヤガイド2に巻回された樹脂被覆ワイヤ3の上方に配置されている。この、ノズル11はスラリタンク10に接続されており、加工液はスラリタンク10で攪拌されスラリチラー9により温度調節された後、ノズル11から樹脂被覆ワイヤ3に供給できるようになっている。このとき、加工液は、ワイヤ列4の各ワイヤに均一に供給される。そして、加工液はワイヤ列4に乗りワークWとワイヤ列4との接触部に送られる。また、供給された加工液はスラリタンク10に戻り循環利用される。
加工液は、砥粒とクーラントから構成されているが、砥粒として、例えば、炭化珪素砥粒やダイヤモンド砥粒を用いることができる。特に、ワークWの切断面を平滑にするには、ダイヤモンド砥粒を用いることが望ましい。また、平均粒径が2〜15μmの砥粒を用いることができる。クーラントとして、水溶性または油性のクーラントを用いることができ、特に水溶性のクーラントで代表的なグリコール系クーラントを用いることが好ましい。そして、砥粒濃度が0.5〜30質量%、温度が5〜30℃の加工液を用いることができる。
ここで、本発明のワイヤソーの加工液供給機構5は、加工液を、ワイヤ列4のワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給するものである。
このようなワイヤソーであれば、ワークWと樹脂被覆ワイヤ3の接触部に供給される加工液の流量が多くなり過ぎないので、樹脂被覆ワイヤ3の樹脂層14に固定化しきれない砥粒の量を大幅に減らすことができる。従って、樹脂層14に固定化しきれない砥粒による樹脂層14の摩耗を抑制することができる。その結果、砥粒を樹脂層14に固定した樹脂被覆ワイヤ3を長時間使用でき、ワークWの切断中に起こる樹脂被覆ワイヤ3の断線を防止することができるので、安定したワークWの切断ができるものとなる。また、樹脂被覆ワイヤ3の寿命が延びた結果、コストを削減できるものとなる。
次に本発明のワークの切断方法について説明する。ここでは、図1に示すような本発明のワイヤソー1を用いた場合について述べる。
まず、ワーク送り手段6によりワークWを保持する。そして、樹脂被覆ワイヤ3を張力付与機構7、7’によって張力を付与しながら軸方向へ往復走行させる。このとき、樹脂被覆ワイヤ3の走行速度は300m/min以上とすることができる。次に、本発明の切断方法では、加工液をワイヤ列4のワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給する。次に、ワーク送り手段6によりワークWを、相対的に押し下げて、ワークWをワイヤ列4に対して切り込み送りさせてワークWをウェーハ状に切断していく。このとき、ワーク切断速度を0.1〜0.35mm/minとすることができる。
このような切断方法であれば、ワークWと樹脂被覆ワイヤ3の接触部に供給する加工液の流量が多くなり過ぎないので、樹脂被覆ワイヤ3の樹脂層14に固定化しきれない砥粒の量を大幅に減らすことができる。従って、樹脂層14に固定化しきれない砥粒による樹脂層14の摩耗を抑制することができる。その結果、砥粒を樹脂層14に固定した樹脂被覆ワイヤ3を長時間使用でき、ワークWの切断中に起こる樹脂被覆ワイヤ3の断線を防止することができるので、安定したワークWの切断ができる。また、樹脂被覆ワイヤ3の寿命が延びた結果、コストを削減することができる。
本実施形態では、加工液供給機構5から加工液をワークWと樹脂被覆ワイヤ3の接触部に供給するが、加工液を接触部の樹脂被覆ワイヤ3寄りに吹き付けても良いし、接触部ワークW寄りに吹き付けても良い。使用する加工液総量を、加工液が吹き付けられる範囲にある樹脂被覆ワイヤ3の本数で割ればワイヤ1本あたりに供給する加工液の流量が算出できる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すような本発明のワイヤソーを用い、本発明のワークの切断方法に従ってワークの切断を行った。切断対象のワークとして、表1に示すように、ワイヤ走行方向W:80mm、ワイヤ列方向D:100mm、ワーク送り方向H:25mmの寸法の棒状の単結晶シリコンを使用した。樹脂被覆ワイヤとして、直径0.13mmのベースワイヤの外周の全面に樹脂層を6μmの厚さで被覆して使用した。
また、ワイヤソーの樹脂被覆ワイヤの張力は30N、新線供給量は3m/min、往復走行における走行方向の正反転サイクルは60sec、平均線速は750m/minとした。そして、ワーク送り速度は、0.10mm/minとした。また、加工液を、ジエチレングリコール系水溶性クーラントに、砥粒径5.5μmのダイヤモンド砥粒を砥粒濃度5質量%となるように作製して使用した。
Figure 2015009303
本実施例では、単結晶シリコンの切断速度を測定するとともに、樹脂層摩耗速度という指標を用いて樹脂被覆ワイヤ表面の摩耗を評価した。樹脂層摩耗速度は、以下のような1〜5の流れで算出する。
1.加工液をワイヤ列のワイヤ1本あたり1mL/minとなる流量で供給し、表1に示した切断条件にて単結晶シリコンの切断を開始した。単結晶シリコンを押し下げる際に、樹脂被覆ワイヤが2mmたわむまでは高速で単結晶シリコンを送った。その後は、ワーク送り速度は、0.10mm/minとしてワークの切断を行った。以下に述べる切断開始とは樹脂被覆ワイヤを2mmたわませた時が基点となる。
2.切断開始から60分後に切断を止め、切断に使用した樹脂被覆ワイヤの直径を、マイクロメータを用いて測定する。
例えば、切断開始から60分後に樹脂被覆ワイヤの直径が4μm減少していれば、樹脂層は半分の2μmの摩耗が生じたことになる。その結果、樹脂層摩耗速度は2μm/hrと算出される。
3.切断開始から60分以内に樹脂層がほぼ全て無くなった場合は、実際に樹脂層が無くなった時間(分)から樹脂層摩耗速度を算出する。
例えば、切断開始から15分後に樹脂層がほぼ全て無くなった場合は、樹脂層の厚さが表1に示す通り6μmであるため、樹脂層の摩耗量は15分で6μmとなる。よって、樹脂層摩耗速度は24μm/hrとなる。
4.切断開始から60分後の樹脂被覆ワイヤの直径に変化が見られない(樹脂層に摩耗がない)場合は、さらに60分切断を行った後に、樹脂被覆ワイヤの直径を測定した。
5.切断開始から120分後においても樹脂被覆ワイヤの直径が変化していない場合は、樹脂層摩耗速度0μm/hrとした。
その結果、表2に示すように、樹脂層摩耗速度は0μm/hrとなり樹脂層の摩耗が見られなかった。
また、ワイヤに供給する加工液の流量をワイヤ列のワイヤ1本あたり3mL/min、16mL/min、20mL/minに変えて同様の手順で単結晶シリコンの切断を繰り返した。そして、単結晶シリコンの切断速度を測定するとともに、樹脂層摩耗速度を算出した。
その結果、表2に示すように、樹脂層摩耗速度は全ての場合で0μm/hrとなり樹脂層の摩耗が見られなかった。また、単結晶シリコンの切断速度を測定したところ、単結晶シリコンの切断も正常に進行していることが確認された。
(比較例)
加工液をワイヤ列のワイヤ1本あたり25mL/minとなる流量で供給したこと以外、実施例と同様な条件で単結晶シリコンの切断を行った。
その結果、表1に示すように樹脂層摩耗速度は4μm/hrとなり樹脂層の摩耗が見られた。
また、ワイヤに供給する加工液の流量をワイヤ列のワイヤ1本あたり30mL/min、40mL/min、50mL/minに変えて同様の手順で単結晶シリコンの切断を繰り返した。そして、単結晶シリコンの切断速度を測定するとともに、樹脂層摩耗速度を算出した。
その結果、表2に示すように、樹脂層摩耗速度は、それぞれ12μm/hr、18μm/hr、24μm/hrとなった。また、単結晶シリコンの切断速度を測定したところ、比較例の全ての場合で、実施例よりも切断速度が遅いことが確認された。
また、加工液を、ワイヤ列のワイヤ1本あたり0mL/minとなる流量で供給する場合、すなわち加工液を供給しない場合ワーク切断は、切断が進行せずワイヤ断線トラブルにつながることが容易に推測できるため、表2に示すように実験は実施していない。
表2に、実施例、比較例における実施結果をまとめたもの示す。
Figure 2015009303
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ワイヤソー、 2…ワイヤガイド、 3…樹脂被覆ワイヤ、
4…ワイヤ列、 5…加工液供給機構、 6…ワーク送り手段、
7、7’…張力付与機構、 8、8’…ワイヤリールボビン、
9…スラリチラー、 10…スラリタンク、 11…ノズル、
12…駆動モータ、 13…ベースワイヤ、 14…樹脂層、
W…ワーク。

Claims (2)

  1. 複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤでワイヤ列を形成し、前記ワイヤはベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤを用い、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給しながら、前記ワイヤ列に前記ワークを押し当てて切込み送りすることで、前記ワークをウェーハ状に切断するワークの切断方法であって、
    前記加工液を、前記ワイヤ列の前記ワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給しながらワークを切断することを特徴としたワークの切断方法。
  2. 複数のワイヤガイド間に螺旋状に巻回された軸方向に走行するワイヤによって形成されるワイヤ列と、円柱状ワークと前記ワイヤとの接触部に加工液を供給する加工液供給機構と、前記ワークを保持しつつ押圧することで前記ワークを前記ワイヤ列に押し当てるワーク送り手段を具備し、前記ワイヤはベースワイヤの表面に樹脂を被覆した樹脂被覆ワイヤであり、前記加工液供給機構から前記ワークと前記ワイヤとの接触部に前記加工液を供給しつつ、前記ワーク送り手段により保持された前記ワークを、前記ワイヤ列に押し当てて切込み送りすることで、前記ワークをウェーハ状に切断するワイヤソーであって、
    前記加工液供給機構は、前記加工液を、前記ワイヤ列の前記ワイヤ1本あたり1〜20mL/minの範囲となる流量で供給するものであることを特徴とするワイヤソー。
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