JP2015008709A - 糖液製造装置、糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法 - Google Patents

糖液製造装置、糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】固体酸触媒処理において多糖を効率よく加水分解することができ、単糖への加水分解に要する時間を短縮する。【解決手段】糖液製造装置110は、リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物M1を生成する水熱処理部210と、第1固液混合物M1Aを酵素で加水分解させ、第2固液混合物M2を生成する酵素処理部230と、第2固液混合物M2を粉砕する第1粉砕部(後段粉砕部240)と、第1粉砕部によって粉砕された第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成する固体酸触媒部250とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造装置、糖液製造方法、および、これを用いたバイオマス由来物製造方法に関する。
近年、石油や石炭といった化石燃料に代わるエネルギー源として、木材、紙、藁等リグノセルロース系バイオマスから製造したエタノール(「バイオエタノール」または「バイオマスエタノール」と称することもある。)が注目されている。このようなバイオエタノールの原料となるリグノセルロース系バイオマスとしては、木材、おがくず、樹皮等の木質系バイオマス、ススキ等の草本系バイオマス、バガス、藁、籾殻、野菜の茎葉などの農業系バイオマス等が挙げられる。
リグノセルロース系バイオマス(以下、単に「バイオマス」と称する。)からバイオエタノールを製造する技術として、バイオマスを加圧熱水で処理(水熱処理)し、得られた固液混合物を糖化酵素で処理(酵素処理)し、さらに得られた固液混合物を固体酸触媒で処理(固体酸触媒処理)して、バイオマス中に含まれるセルロース(多糖)をグルコース(単糖)に加水分解(糖化)し、かかるグルコースを発酵(発酵処理)させることでバイオエタノールを製造する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2013−85494号公報
上記特許文献1の技術において、酵素処理後の固液混合物には、液体として、可溶化された多糖が含まれ、固体として、可溶化されていない多糖(懸濁態多糖)が含まれる。ここで、固体酸触媒は固体であるが、可溶化された多糖は液体であるため、固体酸触媒処理において、可溶化された多糖と固体酸触媒との接触効率は高く、可溶化された多糖を効率よく単糖に加水分解することができる。
一方、固体である、可溶化されていない多糖は、固体酸触媒との接触効率が低く、単糖への加水分解に長時間を要してしまう。
そこで本発明は、このような課題に鑑み、固体酸触媒処理において多糖を効率よく加水分解することができ、単糖への加水分解に要する時間を短縮することが可能な糖液製造装置、糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の糖液製造装置は、リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造装置であって、リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成する水熱処理部と、第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成する酵素処理部と、第2固液混合物を粉砕する第1粉砕部と、第1粉砕部によって粉砕された第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成する固体酸触媒部と、を備えたことを特徴とする。
また、第1粉砕部は、第2固液混合物および固体酸触媒を混合しつつ粉砕するとしてもよい。
また、固体酸触媒部は、第2固液混合物と、固体酸触媒との混合物を、固体酸触媒の活性温度に維持するとしてもよい。
また、第1固液混合物と、水とで熱交換を行うことで、第1固液混合物を冷却するとともに、水を加熱する熱交換部をさらに備え、水熱処理部には、熱交換部によって加熱された水が導入されるとしてもよい。
また、水熱処理部によって生成された第1固液混合物を粉砕する第2粉砕部をさらに備え、酵素処理部は、粉砕された第1固液混合物を酵素で加水分解させるとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の糖液製造方法は、リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法であって、リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成し、第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成し、第2固液混合物を粉砕し、粉砕した第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成することを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明のバイオマス由来物製造方法は、リグノセルロース系バイオマス由来の単糖を出発物質としてバイオマス由来物を製造するバイオマス由来物製造方法であって、リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成し、第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成し、第2固液混合物を粉砕し、粉砕した第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成することを特徴とする。
本発明によれば、固体酸触媒処理において多糖を効率よく加水分解することができ、単糖への加水分解に要する時間を短縮することが可能となる。
バイオマス由来物製造システムを説明するための図である。 バイオマス由来物製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(バイオマス由来物製造システム100)
図1は、バイオマス由来物製造システム100を説明するための図である。図1に示すように、バイオマス由来物製造システム100は、糖液製造装置110と、エタノール製造装置120と、排水処理装置130とを含んで構成される。なお、ここでは、バイオマス由来物として、エタノールを製造する構成を例に挙げて説明する。
バイオマス由来物製造システム100において、糖液製造装置110は、木質系バイオマス等のバイオマス由来の多糖を含むバイオマスに糖化処理を施すことにより、バイオマス由来の多糖を単糖類(グルコース、キシロース)に分解して、糖液GSを製造する。ここで、バイオマス由来の多糖は、セルロース、ヘミセルロース、セルロース由来の懸濁態多糖、セルロース由来の水溶性オリゴ糖、ヘミセルロース由来の懸濁態多糖、ヘミセルロース由来の水溶性オリゴ糖の群から選択される1または複数を含む。エタノール製造装置120は、かかる糖液GSに発酵処理、蒸留処理を施すことにより、高純度のエタノールPEを製造する。また、排水処理装置130は、糖液製造装置110、エタノール製造装置120から排出される水を回収して、清浄化処理を施し、外部に排水する。以下、糖液製造装置110およびエタノール製造装置120の具体的構成について詳述する。
(糖液製造装置110)
図1に示すように、糖液製造装置110は、水熱処理部210と、熱交換部212と、水導入部214と、前段粉砕部220と、酵素処理部230と、後段粉砕部240と、固体酸触媒部250とを含んで構成される。
水熱処理部210は、150℃〜230℃程度の加圧熱水をバイオマスに接触(作用)させて(水熱処理)、第1固液混合物M1を生成する。ここで、水熱処理部210がバイオマスに作用させる加圧熱水は、亜臨界状態の熱水であって、液体状態を維持するために加圧された熱水である。水熱処理部210がバイオマスに対し水熱処理を施すことにより、バイオマスに含まれるセルロースを軟化することができる。
熱交換部212は、水熱処理部210から送出された第1固液混合物M1と、水とで熱交換を行うことで、第1固液混合物M1を冷却するとともに、水を加熱する。
水導入部214は、ポンプを含んで構成され、熱交換部212によって加熱された水をバイオマスとともに水熱処理部210に導入する。
熱交換部212および水導入部214を備える構成により、熱交換部212によって水熱処理部210に導入される水を加熱することができ、水熱処理部210に導入される加圧熱水の量を低減することが可能となる。
前段粉砕部220(第2粉砕部)は、例えば、湿式ミルで構成され、水熱処理部210によって生成された第1固液混合物M1を粉砕して、第1固液混合物M1Aを生成する。前段粉砕部220を備える構成により、第1固液混合物M1に含まれる固体(セルロース、リグニン等)を粉砕することができ、固体の比表面積を大きくすることが可能となる。これにより、後段の酵素処理部230による酵素反応の効率を向上させることが可能となる。
酵素処理部230は、前段粉砕部220によって粉砕された第1固液混合物M1Aに、触媒としての糖化酵素(例えば、セルラーゼ)と、必要に応じて水とを添加する。ここで、酵素処理部230は、糖化酵素によって進行されるセルロースの加水分解反応を均一に進行させるために、水、および、セルロース(基質)、すなわち第1固液混合物M1Aと、糖化酵素とを攪拌、混合する。そうすると、糖化酵素によって、第1固液混合物M1A中のセルロースが、グルコースと、水溶性オリゴ糖と、懸濁態多糖とに加水分解される(酵素による加水分解反応、以下、単に「酵素反応」と称する。)。つまり、酵素処理部230は、グルコースおよび水溶性オリゴ糖を含む液体と、懸濁態多糖(固体酸触媒によって分解可能な多糖)、および、不溶解物(固体酸触媒によっても分解できない多糖、および、多糖以外の固体)を含む固体との混合物である第2固液混合物M2を生成することとなる。
本実施形態において水溶性オリゴ糖は、グルコースが2量体(例えば、セロビオース)〜6量体重合した水溶性のセルロース加水分解物(多糖類)であり、懸濁態多糖は、グルコースが7量体以上重合したセルロース加水分解物や、グルコースが6量体重合したセロヘキサオースの結晶であり、酵素処理部230において懸濁状態で存在する加水分解物(多糖類)である。
また、酵素処理部230において用いられる糖化酵素は、例えばセルラーゼであり、主成分として、β−グルカナーゼ、β−グルコシダーゼを含んで構成される。なお、本実施形態では、市販されている糖化酵素を用いている。また、糖化酵素の至適温度は40℃〜50℃程度である。
後段粉砕部240(第1粉砕部)は、例えば、ディスクミル、ボールミル、湿式ミル、リファイナー、ミキサーで構成され、第2固液混合物M2および固体酸触媒を粉砕し、固体酸混合物MSを生成する。ここで、固体酸触媒は、多糖から単糖への変換反応を促進する触媒である。これにより、第2固液混合物M2および固体酸触媒を混合しつつ粉砕することが可能となる。
後段粉砕部240を備える構成により、第2固液混合物M2に含まれる固体(懸濁態多糖、不溶解物)を細かくすることができる。これにより、固体酸触媒との接触面積を増加させることができ、後段の固体酸触媒部250における加水分解を促進させることが可能となる。
また、後段粉砕部240が第2固液混合物M2と、固体酸触媒とを接触させた状態で粉砕する構成により、第2固液混合物M2と固体酸触媒とを満遍なく混合することができ、第2固液混合物M2に含まれる水溶性オリゴ糖および懸濁態多糖と、固体酸触媒との接触頻度を増加させることが可能となる。これにより、後段の固体酸触媒部250における加水分解を促進させることが可能となる。
固体酸触媒部250は、触媒反応部252と、触媒分離部254とを含んで構成される。触媒反応部252には、後段粉砕部240から送出された固体酸混合物MSが収容され、触媒反応部252に設けられた攪拌部252aを用いて攪拌して、第2固液混合物M2と固体酸触媒とを接触させる。
そうすると、固体酸触媒によって、第2固液混合物M2中の水溶性オリゴ糖および懸濁態多糖がグルコースに加水分解される(触媒による加水分解反応、以下、単に触媒反応と称する。)。つまり、固体酸触媒部250は、グルコースを主成分とする糖液GSを生成することとなる。
なお、触媒反応部252は、固体酸混合物MSを活性温度(例えば、90℃以上120℃未満)に維持する。かかる構成により、触媒反応を効率よく遂行させることができ、グルコースの収率を向上させることが可能となる。
そして、触媒反応部252において生成された糖液GSおよび固体酸触媒の固液混合物MXは、触媒分離部254に送出される。
触媒分離部254は、触媒反応部252において生成された固液混合物MXを、固体酸触媒(固体)と、糖液GS(液体)とに分離するとともに、固体酸触媒を触媒反応部252に返送し、糖液GSをエタノール製造装置120の発酵部310へ送出する。触媒分離部254を備える構成により、固体酸触媒を効率よく利用することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態にかかる糖液製造装置110によれば、後段粉砕部240を備える構成により、第2固液混合物M2に含まれる固体(懸濁態多糖、不溶解物)を細かくすることができる。これにより、固体酸触媒との接触面積を大きくすることができ、後段の固体酸触媒部250における加水分解を促進させることができ、単糖への加水分解に要する時間を短縮することが可能となる。
(エタノール製造装置120)
エタノール製造装置120は、発酵部310と、蒸留部320とを含んで構成される。
発酵部310は、糖液製造装置110で生成された糖液GSに、酵母等のエタノール発酵微生物と、窒素、リン等の栄養源とを添加し、発酵処理に適切な温度、適切なpH等の条件下でエタノール発酵微生物を培養する。そうすると、糖液GS中のグルコースがアルコール発酵されてエタノールEが生成される。発酵部310によって生成されたエタノールEは、後段の蒸留部320へ送出される。
蒸留部320は、発酵部310から送出されたエタノールEを蒸留し、濃縮することで、高純度のエタノールPEを生成する。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造システム100によれば、糖液製造装置110が、糖液GSを生成し、エタノール製造装置120が糖液GSを用いて高純度のエタノールPEを生成する。
(バイオマス由来物製造方法)
続いて、バイオマス由来物製造システム100を用いたバイオマス由来物製造方法について説明する。図2は、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図2に示すように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造方法は、水熱処理S410、前段粉砕処理S412、酵素反応処理S414、後段粉砕処理S416、触媒反応処理S418、エタノール製造処理S430を含む。ここで、水熱処理S410から触媒反応処理S418までの処理が糖液製造方法に該当する。
(水熱処理S410)
水熱処理S410では、水熱処理部210が、200℃〜230℃程度の加圧熱水をリグノセルロース系バイオマスに接触させ(水熱処理を施し)、リグノセルロース系バイオマスに含まれるセルロースを軟化させて、第1固液混合物M1を生成する。
(前段粉砕処理S412)
前段粉砕処理S412では、前段粉砕部220が、水熱処理S410で生成された第1固液混合物M1を粉砕する。
(酵素反応処理S414)
酵素反応処理S414では、酵素処理部230が、前段粉砕処理S412で粉砕された第1固液混合物M1Aに、糖化酵素を添加し、酵素反応を遂行させる(酵素処理、糖化処理)。
(後段粉砕処理S416)
後段粉砕処理S416では、後段粉砕部240が、酵素反応処理S414で生成された第2固液混合物M2とともに、固体酸触媒を粉砕する。
(触媒反応処理S418)
触媒反応処理S418では、固体酸触媒部250が、後段粉砕処理S416において生成された固体酸混合物MSを攪拌し、第2固液混合物M2中の水溶性オリゴ糖および懸濁態多糖と固体酸触媒とを接触させ、触媒反応を遂行させる(固体酸触媒処理、糖化処理)。
(エタノール製造処理S430)
エタノール製造処理S430は、エタノール製造装置120が、触媒反応処理S418で生成された糖液GSをアルコール発酵させて、蒸留し、高純度のエタノールPEを製造する。
以上説明したように、本実施形態にかかるバイオマス由来物製造方法によれば、バイオマス由来の多糖から糖液を製造する際に生成される酵素反応後の第2固液混合物M2を粉砕する構成により、後段の固体酸触媒処理において、懸濁態多糖と固体酸触媒との接触面積を増加させることができる。これにより、触媒反応を効率よく遂行させることができ、グルコースの収率を向上させることが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、後段粉砕部240が、第2固液混合物M2とともに固体酸触媒を粉砕する構成について説明したが、後段粉砕部240は、第2固液混合物M2のみを粉砕し、固体酸触媒部250において、粉砕された第2固液混合物M2と固体酸触媒とを接触させるとしてもよい。かかる構成であっても、第2固液混合物M2に含まれる固体(懸濁態多糖)を細かくすることができ、固体酸触媒との接触面積を増加させることが可能となる。
また、後段粉砕部240に加熱機構を具備することで、粉砕と同時に(並行して)触媒反応(固体酸触媒による加水分解反応)を進行させることができ、固体酸触媒部250の構成を省略もしくは簡略化することもできる。
また、固体酸触媒の質量密度を大きくすることで、触媒分離部254による分離効率を向上させてもよい。具体的に説明すると、粉末状の固体酸触媒を加圧して成型することで固体酸触媒自体の空隙率を下げたり、バインダー等を用いて粉末状の固体酸触媒を結着して成型することで固体酸触媒自体の空隙率を下げたり、固体酸触媒より質量密度の大きい粒子に固体酸触媒を担持、または、吸着させたりすることで、固体酸触媒の質量密度を大きくするとよい。
また、上記実施形態において触媒分離部254は、質量密度の違いによって、固体酸触媒を沈降分離する構成について説明したが、触媒分離部254は、固体酸触媒と糖液GSとを分離できれば、構成に限定はなく、例えば、フィルタを用いて固体酸触媒と糖液GSとを分離してもよい。
また、上記実施形態において、酵素処理部230には、水熱処理部210によって生成された第1固液混合物M1がすべて導入される構成について説明した。しかし、水熱処理部210によって生成された第1固液混合物M1のうち、固体のみを酵素処理部230に導入するとしてもよい。バイオマスは、セルロース、および、ヘミセルロースとリグニンを含んで構成されている。したがって、水熱処理部210が、150℃〜230℃程度といった比較的低温の加圧熱水をリグノセルロース系バイオマスに作用させることにより、ヘミセルロースが加水分解されて、オリゴ糖を主成分とする多糖類(ヘミセルロース加水分解物)に分解される(可溶化)。一方、セルロースは、150℃〜230℃程度といった比較的低温の加圧熱水を作用させたとしても、殆ど加水分解されない。また、リグニンも150℃〜230℃程度といった比較的低温の加圧熱水を作用させたとしても殆ど分解されない。したがって、第1固液混合物M1のうち、固体のみを酵素処理部230に導入する構成により、セルロースのみを選択的に酵素処理部230に導入することができる。
また、第1固液混合物M1のうち、固体のみを酵素処理部230に導入する場合、第1固液混合物M1中の液体には、ヘミセルロース加水分解物が含まれているため、当該液体を、固体酸触媒部250とは別体の固体酸触媒部に導入してもよい。これにより、キシロース(単糖)を製造することが可能となる。
また、上記実施形態において、糖液製造装置110が、前段粉砕部220(第2粉砕部)を備える構成について説明したが、前段粉砕部220は必須ではない。
また、上記実施形態において、糖液製造装置110が、熱交換部212、水導入部214を備える構成について説明したが、熱交換部212、水導入部214は必須ではない。
また、上記実施形態において、バイオマス由来物製造システム100は、糖液製造装置110が製造した糖液GSを用いて、バイオマス由来物として、エタノールを製造する構成について説明した。しかし、バイオマス由来物として、糖液製造装置110が製造した糖液GSを用いて、エタノール以外の物質、例えば、ヒドロキシメチルフルフラール、フルフラール、乳酸、レブリン酸、酢酸、メタン、ブタノールを製造してもよい。
また、上記実施形態において、糖液製造装置110が原料として用いるリグノセルロース系バイオマスの例として木質系バイオマスを挙げて説明したが、原料は、セルロースおよびヘミセルロースのいずれか一方または双方が含まれていればよく、草本系バイオマス、農業系バイオマス、人工的に生成されたセルロースであってもよい。
また、上述した実施形態において、酵素処理部230は、糖化酵素として、耐熱性ではない糖化酵素を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、耐熱性の糖化酵素を用いることもできる。なお、耐熱性の糖化酵素の至適温度は、70℃〜90℃程度である。
なお、本明細書の糖液製造方法、および、バイオマス由来物製造方法の各工程は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。
本発明は、リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造装置、糖液製造方法、および、これを用いたバイオマス由来物製造方法に利用することができる。
110 糖液製造装置
210 水熱処理部
212 熱交換部
220 前段粉砕部(第2粉砕部)
230 酵素処理部
240 後段粉砕部(第1粉砕部)
250 固体酸触媒部
S410 水熱処理
S412 前段粉砕処理
S414 酵素反応処理
S416 後段粉砕処理
S418 触媒反応処理

Claims (7)

  1. リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造装置であって、
    前記リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成する水熱処理部と、
    前記第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成する酵素処理部と、
    前記第2固液混合物を粉砕する第1粉砕部と、
    前記第1粉砕部によって粉砕された前記第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成する固体酸触媒部と、
    を備えたことを特徴とする糖液製造装置。
  2. 前記第1粉砕部は、前記第2固液混合物および前記固体酸触媒を混合しつつ粉砕することを特徴とする請求項1に記載の糖液製造装置。
  3. 前記固体酸触媒部は、前記第2固液混合物と、前記固体酸触媒との混合物を、該固体酸触媒の活性温度に維持することを特徴とする請求項1または2に記載の糖液製造装置。
  4. 前記第1固液混合物と、水とで熱交換を行うことで、該第1固液混合物を冷却するとともに、該水を加熱する熱交換部をさらに備え、
    前記水熱処理部には、前記熱交換部によって加熱された水が導入されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の糖液製造装置。
  5. 前記水熱処理部によって生成された前記第1固液混合物を粉砕する第2粉砕部をさらに備え、
    前記酵素処理部は、粉砕された前記第1固液混合物を酵素で加水分解させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の糖液製造装置。
  6. リグノセルロース系バイオマス由来の多糖を加水分解して糖液を製造する糖液製造方法であって、
    前記リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成し、
    前記第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成し、
    前記第2固液混合物を粉砕し、
    粉砕した前記第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成することを特徴とする糖液製造方法。
  7. リグノセルロース系バイオマス由来の単糖を出発物質としてバイオマス由来物を製造するバイオマス由来物製造方法であって、
    前記リグノセルロース系バイオマスに対して水熱処理を施して、第1固液混合物を生成し、
    前記第1固液混合物を酵素で加水分解させ、第2固液混合物を生成し、
    前記第2固液混合物を粉砕し、
    粉砕した前記第2固液混合物を、多糖から単糖への変換反応を促進する固体酸触媒で加水分解させ、単糖を含む単糖液を生成することを特徴とするバイオマス由来物製造方法。
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