JP2015008171A - 樹脂組成物、波長変換部材、発光装置、及び照明器具 - Google Patents

樹脂組成物、波長変換部材、発光装置、及び照明器具 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な光束を確保でき、大光束においても耐久性の高い波長変換部材を構成し得る樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】フッ素樹脂、蛍光体及び無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、該無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上であり、該フッ素樹脂と該無機フィラーとの
屈折率差の絶対値は、1.0以下である樹脂組成物を成形して成る波長変換部材により課題を解決する。無機フィラーは、シリコーンオイル及びアルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理されていることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体発光装置の波長変換部材に用いる樹脂組成物、該樹脂組成物を成形してなる波長変換部材、該波長変換部材を備えた発光装置、及び、該波長変換部材を備えた照明器具に関する。
半導体発光素子を用いた発光装置(以下、単にLED発光装置ともいう。)は、省エネルギー発光装置としてその存在感が高まっている。LED発光装置は、半導体発光素子とともに、半導体発光素子が発する光によって励起されて異なる波長の光を放出する蛍光体を含む。
LED発光装置に含まれる蛍光体は、例えば蛍光体を樹脂中に分散させたスラリーを成形し、波長変換部材としてLED発光装置に含まれる(例えば特許文献1および2参照)。
LED発光装置としては、より明るいもの、すなわち高い全光束が要求されており、より多くの光束をLED発光装置から出射するために、波長変換部材を構成する樹脂には透光性の材料が用いられている。例えば、特許文献2ではシリコーン樹脂が例示されているが、その他エポキシ樹脂やガラスなども用いられることがある。
特開2007−95770号公報 特開2011−159813号公報
前述のように、LED発光装置では高い全光束が要求されている。また、白色LED発光装置においては、色温度が高い昼光色の白色を放射するものと、色温度が低い電球色の白色を放射するものがあり、低色温度の白色光を放射する白色LED発光装置では特に全光束が低下しやすいという問題がある。さらに、高い光束の光を放射するLED発光装置では、発光装置から高熱を発生することや、放射される光そのものに起因して、発光装置の劣化が発生する。その結果、LED発光装置から放射される光の色度が変化してしまう色ズレが課題となっていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、特に低色温度の白色LED発光装置においても十分な光束を確保でき、大光束においても耐久性の高い波長変換部材を構成し得る樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討を重ね、発光装置、照明器具を構成し得る波長変換部材を特定の樹脂組成物を成形して作成することで、発光装置、照明器具から出射される光の光束が高く、さらに、大光束においても耐久性が高く、色ズレが抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第一の態様は以下の樹脂組成物である。
フッ素樹脂、蛍光体及び無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、該無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上であって、該フッ素樹脂と該無機フィラーとの屈折率差
の絶対値は、1.0以下である樹脂組成物。
また、前記無機フィラーが、シリコーンオイル及びアルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で表面処理されていることが好ましい。
また、前記無機フィラーの含有量が、1重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
一方、前記蛍光体が、無機蛍光体であることが好ましい。
また、前記無機蛍光体の含有量が、1重量%以上、20重量%以下であることが好ましい。
一方、前記フッ素樹脂が、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、及び、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有することが好ましい。また、前記フッ素樹脂が、融点が250℃以下のETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)樹脂を含有することが好ましい。
また、本発明の第二の態様は、上記樹脂組成物を成形して成る波長変換部材である。
さらに、前記波長変換部材が、少なくとも面状構造を有し、該面状構造の少なくとも一部の全光線透過率が、30〜80%であることが好ましい。
また、前記全光線透過率が30〜80%である面状構造の厚みが、0.1mm以上、4.0mm以下の範囲であることが好ましい。
一方、本発明の第三の態様は、上記第二の態様の波長変換部材と半導体発光素子を備える発光装置であり、本発明の第四の態様は、上記第三の態様の発光装置を備える照明器具である。
本発明の第一の態様及び第二の態様により、樹脂組成物を成形してなる波長変換部材から出射する全光束を向上させることができる。特に、低色温度の白色光を出射する白色LED発光装置の場合には全光束が低下しやすいが、本発明の第二の態様の波長変換部材は、低色温度の白色光を出射する白色LED発光装置に適用した場合であっても全光束の低下を抑制することができ、さらに波長変換部材を備えた発光装置及び照明器具から放射される光の色度の変化を抑え、発光装置及び照明器具から放射される光の色ズレを抑制することができる。
本発明の第三及び第四の態様により、全光束が向上し、色ズレ発生の抑制された、耐久性の高い発光装置及び照明器具を提供することができる。
本発明の実施態様に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。 本発明の実施態様に係る半導体発光装置の構成例を示す模式図である。
<1.樹脂組成物>
本発明の第一の態様は以下の樹脂組成物である。
フッ素樹脂、蛍光体及び無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、該無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上であって、該フッ素樹脂と該無機フィラーとの屈折率差
の絶対値は、1.0以下である樹脂組成物。
<1−1.フッ素樹脂>
本願発明の樹脂組成物に用いられるフッ素樹脂の種類は特段限定されず、具体的には、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフロライドの共重合体が挙げられ、これらの中でも耐久性と成形性の観点からETFE、FEP、PFAを含有することが好ましく、FEPがもっとも好ましい。融点が250℃以下のETFEは、組成物の混練・成形時の流動特性の他、色ズレ抑制の点で好ましい。
ETFEとして、エチレンとテトラフルオロエチレン以外に、少量の第三成分を含有するETFEは色ズレ防止だけでなく透光性の観点でさらに好ましい。
これらの樹脂は1種のみ使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。2種以上の樹脂を混合する場合、相溶系の組み合わせであれば樹脂の屈折率調整が可能となり、無機フィラー添加時の透過率調節が可能となる。また屈折率が近いが非相溶系の組み合わせであれば、アロイ化による透過率の低下を抑制しながら無機フィラーを特定の相に選択的に存在させる事で熱伝導率等の機能を付与できる可能性もある。
本実施態様に用いられるフッ素樹脂の特性としては、融点が150℃以上であることが好ましく、168℃以上であることがさらに好ましい。一方、融点は通常350℃以下であり、320℃以下であることが好ましく、300℃以下であることがさらに好ましい。
また、フッ素樹脂の融点は150℃以上であることが好ましく、168℃以上であることがより好ましい。融点が150℃以上である場合には成形体の耐熱性が高くなる。一方融点は350以下であることが好ましく、320℃以下であることがさらに好ましく、300℃以下であることが最も好ましいこの範囲であることで、フッ素樹脂の混練・成形等の樹脂加工時の、樹脂の着色や分解を抑制することができる。
また、フッ素樹脂の弾性率は室温で400MPa以上であることが好ましく、更に好ましくは700MPa以上、最も好ましくは800MPa以上である。この範囲であることで、照明器具等に使用した場合であっても、点灯による温度上昇により剛性が不足する事態が抑制される。
<1−2.蛍光体>
本実施態様に係る樹脂組成物は蛍光体を含む。含まれる蛍光体の種類は適宜選択されるが、耐久性の観点から無機蛍光体であることが好ましく、赤色(橙色)、緑色、青色、黄色蛍光体については、代表的な蛍光体として下記のものが挙げられる。
このとき、蛍光体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。2種類以上の蛍光体を用いることにより、色温度を低下させたり、演色性を向上させたりすることができる。
また蛍光体は、第三成分により表面処理が施されていてもよい。表面処理剤としては特に限定されず、例えば、後述する無機フィラーの表面処理剤と同様なものが使用できる。なお本実施形態の蛍光体は、予め表面処理剤で処理したものを使用してもよく、混練時に、混練機に表面処理剤を直接添加して、混練機内で表面処理を行ったものを使用してもよい。
<1−2−1.赤色蛍光体>
赤色蛍光体の発光ピーク波長は、通常565nm以上、好ましくは575nm以上、より好ましくは580nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
赤色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜120nmの範囲である。また、外
部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような赤色蛍光体として、例えば、例えば、特開2006−008721号公報に記載されているCaAlSiN3:Eu(本願明細書で「CASN」と記載することもあ
る。)、特開2008−7751号公報に記載されている(Sr,Ca)AlSiN3
Eu、特開2007−231245号公報に記載されているCa1-xAl1-xSi1+x3-xx:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体等や、特開2008―380
81号公報(Sr,Ba,Ca)3SiO5:Eu(以下、「SBS蛍光体」と略称することがある。)を用いることも可能である。
そのほか、赤色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si58:Eu等のE
u付活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光体、(La,Y)22S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光体、(Y,La,Gd,Lu)22S:Eu等のEu付活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光体、Y(V,P)O4:Eu、Y23:Eu等のEu付活酸化物蛍
光体、(Ba,Mg)2SiO4:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、LiW28:Eu、LiW28:Eu,Sm、Eu229、Eu229:Nb、Eu229:Sm等のEu付活タングステン酸塩
蛍光体、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光体、YAlO3:Eu等のEu
付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Eu、LiY9(SiO462
Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、(Y,Gd)3Al512:Ce、(Tb,Gd)3Al512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光体、
(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリ
ン酸塩蛍光体、Ba3MgSi28:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)3(Zn,Mg)Si28:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光体、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光体、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光体、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩
蛍光体、SrY24:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光体、CaLa24:Ce等のCe付活硫化物蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光体、(Y
,Lu)2WO6:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等の
Eu,Ce付活窒化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光体、((Y,Lu,Gd,Tb)1-x-yScxCey2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGeq12+δ等
のCe付活珪酸塩蛍光体等を用いることもできる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、赤色蛍光体として、赤色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の赤色蛍光体(以下、「狭帯域赤色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができるし又は他の赤色蛍光体、特に赤色発光スペクトルの半値幅が50nm以上の赤色蛍光体、と混合して用いることができる。そのような赤色蛍光体としては、A2+xyMnz
n(AはNaおよび/またはK;MはSiおよびAl;−1≦x≦1かつ0.9≦y+
z≦1.1かつ0.001≦z≦0.4かつ5≦n≦7)で表されるKSF、KSNAF、及びKSFとKSNAFの固溶体、(k−x)MgO・xAF2・GeO2:yMn4+
ただし、式中、kは2.8〜5の実数であり、xは0.1〜0.7の実数であり、yは0.005〜0.015の実数であり、Aはカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、またはこれらの混合物である。)の化学式で示される、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のマンガン活性の深赤色(600nm〜670nm)ジャーマネート蛍光体、(La1-x-y,Eux,Lny22S(x及び
yは、それぞれ0.02≦x≦0.50及び0≦y≦0.50を満たす数を表し、LnはY、Gd、Lu、Sc、Sm及びErの少なくとも1種の3価希土類元素を表す。)の化学式で示されるLOS蛍光体等が挙げられる。
また、国際公開WO2008−096300号公報に記載されているSrAlSi47や、米国特許7524437号公報に記載されているSr2Al2Si9214:Euを用いることもできる。
以上の中でも、赤色蛍光体としては、CASN蛍光体、SCASN蛍光体、CASON蛍光体、SBS蛍光体が好ましい。
以上に例示した赤色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
<1−2−2.緑色蛍光体>
緑色蛍光体の発光ピーク波長は、通常500nmより大きく、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも540nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長が短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
緑色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常1nm〜80nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような緑色蛍光体として、例えば、国際公開WO2007−091687号公報に記載されている(Ba,Ca,Sr,Mg)2SiO4:Eu(以下、「BSS蛍光体」と略称することがある。)で表されるEu付活アルカリ土類シリケート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、緑色蛍光体としては、例えば、特許第3921545号公報に記載されているSi6-zAlz8-zz:Eu(但し、0<z≦4.2である。以下、「β−SiAlON蛍光体」と略称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、国際公開WO2007−088966号公報に記載されているM3Si6122:Eu(但し、Mは
アルカリ土類金属元素を表す。以下、「BSON蛍光体」と略称することがある。)等のEu付活酸窒化物蛍光体や、特開2008−274254号公報に記載されているBaMgAl1017:Eu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体(以下、「GBAM蛍光体」と略称することがある。)を用いることも可能である。
その他の緑色蛍光体としては、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Eu等のE
u付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光体、Sr4Al1425:Eu、(
Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu、(Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)9(Sc,Y,Lu,Gd)2(Si,Ge)624:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Y2SiO5:Ce,Tb等のCe,Tb
付活珪酸塩蛍光体、Sr227−Sr225:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38−2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体、Zn2SiO4:Mn
等のMn付活珪酸塩蛍光体、CeMgAl1119:Tb、Y3Al512:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光体、Ca28(SiO462:Tb、La3Ga5SiO14:Tb等
のTb付活珪酸塩蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光体、Y3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光体、Ca3Sc2Si312:Ce、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaSc24:Ce等のCe付活酸化物蛍光体、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光体、SrAl24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)22S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光体、LaPO4:Ce
,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光体、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb、Na2Gd227:Ce,Tb、(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光体、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光体やチオガレート蛍光体、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)
(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光体、M3Si694
:Eu等のEu付活酸窒化物蛍光体等を用いることもできる。
また、国際公開WO2009−072043号公報に記載されているSr5Al5Si21235:Euや、国際公開WO2007−105631号公報に記載されているSr3Si13Al3212:Euを用いることもできる。
以上の中でも、緑色蛍光体としては、BSS蛍光体、β−SiAlON蛍光体、BSON蛍光体が好ましい。
以上に例示した緑色蛍光体は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、緑色蛍光体として、緑色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の緑色蛍光体(以下、「狭帯域緑色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
<1−2−3.青色蛍光体>
青色蛍光体の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上で、通常は500nm未満、好ましくは490nm以下、より好ましくは480nm以下、更に好ましくは470nm以下、特に好ましくは460nm以下の波長範囲である。
青色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常10nm〜100nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような青色蛍光体として、例えば、(Ca,Sr,Ba)5(PO43Cl:Eu
で表されるユウロピウム付活ハロリン酸カルシウム系蛍光体、(Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表されるユウロピウム付活アルカリ土類クロロボレート系蛍光体、(S
r,Ca,Ba)Al24:Euまたは(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表さ
れるユウロピウム付活アルカリ土類アルミネート系蛍光体等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光体としては、Sr227:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光
体、Sr4Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、BaAl813:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光体、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce等のCe付活チオガレート蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活アルミン酸塩蛍光体、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu,Tb,Sm付活ハロリン酸塩蛍光体、BaAl2
28:Eu、(Sr,Ba)3MgSi28:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光体、Sr227:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光体、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光体、Y2SiO5:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光体、CaWO4等のタングステン酸塩
蛍光体、(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO46・n
23:Eu、2SrO・0.84P25・0.16B23:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光体、Sr2Si38・2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光体等を用いることも可能である。
このうち、(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+、BaMgAl1017
Euを好ましく用いることができる。また、(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2
Eu2+で示される蛍光体のうち、SraBabEux(PO4cCld(c、d及びxは、2.7≦c≦3.3、0.9≦d≦1.1、0.3≦x≦1.2を満足する数であり、xは好ましくは0.3≦x≦1.0である。さらに、a及びbは、a+b=5−xかつ0.05≦b/(a+b)≦0.6の条件を満足するものであり、b/(a+b)は好ましくは0.1≦b/(a+b)≦0.6である。)で示される蛍光体を好ましく用いることができる。
そのほか、半導体発光装置からの放射光の演色性を高めるため、あるいは、発光装置の発光効率を高めるため、青色蛍光体として、青色発光スペクトルの半値幅が20nm以下の青色蛍光体(以下、「狭帯域青色蛍光体」と呼ぶことがある。)を単独で用いることができる。
<1−2−4.黄色蛍光体>
黄色蛍光体の発光ピーク波長は、通常は530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上で、通常は620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲である。
黄色蛍光体の発光ピークの半値幅は、通常80nm〜130nmの範囲である。また、外部量子効率は、通常60%以上、好ましくは70%以上であり、重量メディアン径は、通常0.1μm以上、好ましくは1.0μm以上、さらに好ましくは5.0μm以上であり、通常40μm以下、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。
このような黄色蛍光体として、例えば、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光体が挙げられる。特に、RE3512:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す。)やMa3Mb2Mc312:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属
元素、Mcは4価の金属元素を表す。)等で表されるガーネット構造を有するガーネット系蛍光体、AE2MdO4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表し、Mdは、Si、及び/又はGeを表す。)等で表されるオルソシリケート系蛍光体、これらの系の蛍光体の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光体、AEAlSiN3:Ce(ここで、AEは、
Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表す
。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光体をCeで付活した蛍光体が挙げら
れる。
これらの中で、ガーネット系蛍光体は好ましく用いられるが、その中でも特にY3Al512:Ce(本願明細書で「YAG」と記載することもある。)が好ましく用いられる。
また、その他、黄色蛍光体としては、CaGa24:Eu、(Ca,Sr)Ga24:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al)24:Eu等の硫化物系蛍光体、Cax(Si,A
l)12(O,N)16:Eu等のSiAlON構造を有する酸窒化物系蛍光体等のEuで付活した蛍光体、(M1-A-BEuAMnB2(BO31-P(PO4PX(但し、Mは、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、F、Cl、及びBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表す。A、B、及びPは、各々、0.001≦A≦0.3、0≦B≦0.3、0≦P≦0.2を満たす数を表す。)等のEu付活又はEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属元素を含有していてもよい、La3Si611構造を有するCe付活窒化物系蛍光体等を用いることも可能である。なお、前述のCe付活窒化物系蛍光体は、その一部がCaやOで一部置換されていてもよい。
本実施態様では、樹脂組成物の合計重量を100重量%としたときの無機蛍光体含有量は、0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。一方、通常、20重量%以下であり、15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。この範囲とすることで、波長変換部材に使用したときの厚みが適切な範囲になり易く、波長変換部材の強度低下を抑制し得る。
また、樹脂組成物に含まれる蛍光体の平均粒径は、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましい。この範囲とすることで、波長変換効率の低下を抑制し得る。
ここで、上記平均粒径とは、一次粒子の平均粒径であり、レーザ粒度計により測定された値である。
<1−2.無機フィラー>
本発明の樹脂組成物は無機フィラーを含有する。樹脂組成物中に無機フィラーを添加することにより透過率を調整することができる。特に、本発明の樹脂組成物を波長変換部材等として利用する場合には、透過率を特定の範囲に調整することが必要となる。無機フィラーは、通常、樹脂が有する屈折率とは異なる屈折率を有する物質であり、光を分散させることができる物質である。ここで対象とする屈折率は、可視光領域内のどの波長の屈折率であってもよく、可視光領域のいずれかの波長において屈折率差の絶対値が0.004以上
、であることが代表的である。屈折率の測定方法は特に限定されないが、アッベの屈折率計やYOSHIYAMAらの液浸法(エアロゾル研究 Vol.9, No.1 Spring pp.44-50 (1994))等
で測定することが可能である。樹脂が有する屈折率とは異なる屈折率を有する無機フィラーを用いることで、蛍光体量の調節が可能となり、また、樹脂組成物を成形して作成される波長変換部材の全光線透過率を調節することができる。
無機フィラーとしては、例えば、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛及びバリウム等の元素を含有する無機フィラーを用いることが可能であり、また、珪素、アルミニウム、チタン、及びジルコニウムからなる群の少なくとも1つの元素を含む無機フィラーを用いることが好ましい。
無機フィラーの具体例としては、二酸化ケイ素(シリカ)、ホワイトカーボン、溶融シリカ、タルク、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ホウ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸アルミ化ナトリウム、珪酸亜鉛、硫化亜鉛、ガラス粒子、ガラス繊維、ガラスフレーク、マイカ、ワラストナイト、ゼオライト、セピオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ハイドロタルサイト、カオリン、チタン酸カリウム、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム等の材料が挙げられる。
これら無機フィラーの中で、シリカ、溶融シリカ、ガラス、炭酸カルシウム及びフッ化カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。また、無機フィラーの平均粒子径は、通常0.5μm以上であり、1.0μm以上であることが好ましく、6.0μm以上であることがさらに好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、通常、200μm以下であり、100μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましく、15μm以下であることがさらに好ましい。なお、平均粒子径は、一次粒子の平均粒径であり、レーザ粒度計により測定することができる。
また、無機フィラーの比表面積は、30m/g未満であることが好ましく、5m/g未満であることがさらに好ましい。無機フィラーの平均粒子径または比表面積が上記範囲から外れると、無機フィラーが分散不良となりやすく好ましくない。なお、比表面積は、BET法等により測定することができる。
これらの無機フィラーは、アルコキシシラン化合物等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンオイル、脂肪酸含有炭化水素化合物等の各種化合物(表面処理剤)で処理されたものであってもよく、表面を不活性な無機化合物で被覆されたものでもよい。また、これらの中で、アルコキシシラン化合物、シリコーンオイルで処理されたものが好ましく、さらにはジメチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルで処理されたものがさらに好ましく、メチルハイドロジェンポリシロキサンが最も好ましい。これらは、単独で、あるいは、組み合わせて使用することができる。
無機フィラーの処理は特に限定されず、定法に従って処理することができる。例えば、無機フィラーと表面処理剤を混合、もしくは混合後加熱処理を行っても良いが、フッ素樹脂との混練時に表面処理剤を混練機もしくは成形機に添加して処理することもできる。
これらで処理を行う事で、大光束で長期間の使用でも色ズレの少ない波長変換部材が得られやすく好ましい。
また、無機フィラーは、モース硬度が8未満であることが好ましく、7未満であることが更に好ましい。このような硬度の透過率調整剤を用いることで、波長変換部材の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。
さらに、波長変換部材の熱伝導性を高めるため、無機フィラーの熱伝導率は5W/mK以上であることが好ましい。
また、無機フィラーは、その長径Lと短径Dとの比L/Dが200以下であることが好ましい。このような範囲の透過率調整剤を用いることで、波長変換部材の変色が抑えられ、また、容器を傷つけることなく不純物が混じらない。
L/Dは50以下であることがより好ましい。
さらに、無機フィラーの屈折率は、透過率と長期間使用時の色ずれ防止の観点から、1.3以上、1.5以下の範囲であることが好ましい。
また、樹脂組成物を成形して作成される波長変換部材の透過率を、無機フィラーにより調整する際には、例えば、平均粒子径が小さい無機フィラーを添加する、フッ素樹脂との屈折率差が大きい無機フィラーを添加する、あるいは、無機フィラーの添加量を増やすことにより波長変換部材の透過率を下げることができる。無機フィラーの添加量をある程度の確保し、波長変換部材の透過率を下げて光束を上げ、また、波長変換部材から放射され
る光の色ズレを防止するために、フッ素樹脂と無機フィラーとの屈折率差の絶対値は、1.0以下であることが好ましく、さらには、0.5以下であることが好ましく、0.2以下であることが最も好ましい。一方、フッ素樹脂と無機フィラーの屈折率差が小さくなりすぎると上記特性を得るために多量の無機フィラーが必要となり、樹脂組成物の成形性が悪化するので、フッ素樹脂と無機フィラーとの屈折率差の絶対値は、0.004以上であることが好ましく、0.02以上であることがさらに好ましい。
無機フィラーは、樹脂組成物の合計重量を100重量%として、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、より好ましくは6重量%以上、最も好ましくは11重量%以上含有する。また、通常70重量%以下含有する。無機フィラーの含有量を好ましい範囲にすることにより、樹脂組成物を成形して作成される波長変換部材を備えた発光装置の光束を高く維持し、かつ、耐久性の高い、色ズレを抑制することができる。
<1−4.その他の添加物>
その他の添加剤として本実施態様に係る樹脂組成物には、樹脂に通常使用可能な添加剤を有効量使用することができる。具体的には、他の熱可塑性樹脂、結晶核剤、酸化防止剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、熱安定剤、着色剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、防曇剤、表面ぬれ改善剤、焼却補助剤、滑剤、難燃剤、架橋剤、分散助剤や各種界面活性剤、スリップ剤、加水分解防止剤、中和剤、強化材、熱伝導材等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,3’,3”,5,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H,5H)−トリオン、カルシウムジエチルビス[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、ビス(2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−tert−ブチル−5,5’−ジメチルフェニル)エタン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’―ジイルビスホスフォナイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜りん酸、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジファスファイト等のリン系酸化防止剤、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとキシレンの反応生成物等のラクトン系酸化防止剤、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の硫黄系酸化防止剤などが挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
酸化防止剤の使用量は、本発明の効果を著しく損なわない限り任意であるが、樹脂に対して、通常100重量ppm以上、50000重量ppm以下である。この範囲の下限を下回ると酸化防止剤の効果が小さくなるおそれがあり、上限を上回ると、酸化防止剤がブ
リードアウトしたり、かえって着色を起こすおそれがある。
結晶核剤の具体例としては、無機系核剤としては、タルク、カオリン、モンモリロナイト、合成マイカ、クレー、ゼオライト、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、硫化カルシウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ネオジウムおよびフェニルホスホネートの金属塩などを挙げることができる。また、これらの無機系核剤は、組成物中での分散性を高めるために、有機物で修飾されていてもよい。
一方、有機系核剤としては、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、テレフタル酸リチウム、テレフタル酸ナトリウム、テレフタル酸カリウム、シュウ酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、オクタコサン酸ナトリウム、オクタコサン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、カリウムジベンゾエート、リチウムジベンゾエート、ナトリウムβ−ナフタレート、ナトリウムシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機カルボン酸金属塩;p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウムなどの有機スルホン酸塩;ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(t−ブチルアミド)等のカルボン酸アミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸等のポリマー;エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸コポリマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩などのカルボキシル基を有する重合体のナトリウム塩またはカリウム塩(いわゆるアイオノマー);ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート等のリン化合物金属塩;および2,2−メチルビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム;ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。
核剤の平均粒径は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で任意である。通常50μm以下、好ましくは10μm以下であることが望ましい。核剤の好ましい配合量は、樹脂を100質量部として、通常0.01質量部以上、5質量部以下である。
光安定剤としては、デカンニ酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−4−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドトキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系安定剤が挙げられる。
光安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
更に、光安定剤の使用量は樹脂100質量部に対して、通常0.1質量部以上、5質量部以下である。
紫外線吸収剤としては、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などの有機紫外線吸収剤が挙げられる。これらの中で、ベンゾトリアゾール化合物、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチロキシ)フェノール、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス[4H−3,1−ベンゾキサジン−4−オン]、[(4−メトキシフェニル)−メチレン]−プロパンジオイックアシッド−ジメチルエステルの群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコールとの縮合物が挙げられる。また、その他のベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、2−ビス(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレン−ビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール2−イル)フェノール〕[メチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネート−ポリエチレングリコール]縮合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で併用してもよい。
また、紫外線吸収剤の使用量は、通常100ppm以上、5質量%以下である。
その他の添加剤として用いる他の熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂であってもよく、非晶性樹脂であってもよい。結晶性を有する熱可塑性樹脂としては、結晶性樹脂と一般に認知されている樹脂であれば特に制限は無いが、例えば示差走査熱量測定において、溶融状態から10℃/分で室温まで冷却した時の結晶化熱、もしくは固体状態の樹脂を10℃/分で昇温した時の融解熱に伴うピークが観察される熱可塑性樹脂が代表的であり、好ましくはこのときの熱量が2J/g以上である。
結晶性を有する熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgと融点Tmとの間の温度差が大きいことから、同程度の耐熱性を有する非晶性樹脂と比べて比較的低温度で混練、成形が可能となる。そのため、成形の際に着色しにくいので好ましい。
結晶性を有する熱可塑性樹脂の種類は特段限定されず、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素含有樹脂などが挙げられる。これらの中では、耐久性の観点からフッ素含有樹脂が好ましい。
これらの結晶性を有する熱可塑性樹脂を1種のみ使用してもよく、2種以上混合して使用してもよいが、アロイ化することで全光線透過率を調整することができ、本実施態様における全光線透過率の範囲を外れる場合がある。
また、結晶性を有する熱可塑性樹脂の融点は150℃以上であることが好ましく、168℃以上であることがより好ましい。融点が150℃以上である場合には成形体の耐熱性が高くなる。一方融点は350℃以下であることが好ましく、320℃以下であることがさらに好ましく、300℃以下であることが最も好ましい。融点が350℃を超える樹脂では、結晶性樹脂であっても加工温度が高く、樹脂の着色や分解を伴い好ましくない。
また、本実施態様の樹脂組成物に、他の熱可塑性樹脂として添加される非晶性樹脂としては、ノルボルネン等を含む脂環式ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;エチレンとメチル−、エチル−、プロピル−、ブチル−の各アクリレートもしくはメタクリレートとの共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のアイオノマー樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、MBS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリメタアクリレート等のアクリル系樹脂;;ポリカーボネート樹脂等のポリエステル系樹脂;変性ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリウレタン樹脂;;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリイミド樹脂などが挙げられ,これらの1種または2種以上のブレンド品などが挙げられる。
また樹脂はアロイであってもよく、アロイとして用いることにより、蛍光体量の調節が可能となり、その結果、全光線透過率を調節することができるという利点がある。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特段限定されず、定法に従い溶融混練により製造することができる。例えば、フッ素樹脂と蛍光体、無機フィラー及び必要に応じて配合される他の添加剤を配合した組成物を製造するために、1軸又は2軸押し出し機を混練機として使用することができる。フッ素樹脂と蛍光体、無機フィラーを含む他の添加剤は、一ヶ所から一括して供給してもよいし、フッ素樹脂を供給後、蛍光体等の他の配合剤を順次供給してもよい。また、各成分から選ばれた2種以上の成分を予め混合、混練しておいてもよい。特に、蛍光体は他の粉末成分と混合後押し出し機に供給することが好ましい。なお、押し出し機は揮発成分を脱揮できるベント口を備えたものであってもよい。
<2.波長変換部材>
また、本発明の第二の態様は、上記樹脂組成物を成形して成る波長変換部材である。
さらに、前記波長変換部材が、少なくとも面状構造を有し、該面状構造の少なくとも一部の全光線透過率が、30〜80%であることが好ましい。
また、前記全光線透過率が30〜80%である面状構造の厚みが、0.1mm以上、4.0mm以下の範囲であることが好ましい。
第二の実施態様に係る波長変換部材を製造する方法は、特段限定されず、本発明第一の態様の樹脂組成物をフッ素樹脂の一般的な成形方法に従いプレス成形や射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、トランスファー成形、回転成形、などの方法により成形することができる。これらの中で、発光装置や照明器具への適用性を考慮すると成形可能な波長変換部材の形状自由度の観点から押出によるシートもしくはフィルム成形や射出成形によることが好ましく、射出成形が最も好ましい。
押出成形や射出成形としては特に制限は無く、溶融混練後のペレット形状を有する樹脂組成物を成形に使用することもできるが、溶融混練前の樹脂組成物の原料をドライブレンドして供給し、成形機内で溶融混合して組成物の製造と成形を同一装置内で行うことも可能である。
なお、射出成形においては、ホットランナーを用いることで、樹脂ロスを低減することができるため好ましい。
成形体(波長変換部材)は、白色LED発光装置中の発光面となる面状構造を有する形
状であればどのような形状であってもよい。このとき波長変換部材は、保持部材を有することなく、単体でその形態を保持できる態様でもよい。ただし、そのためには波長変換部材はある程度の厚みが必要である。その場合における波長変換部材の厚みは、0.1mm以上、5.0mm以下であることが好ましく、0.3mm以上、4.0mm以下であることがさらに好ましく、0.5mm以上、3.0mm以下がより好ましい。
また、本発明の波長変換部材は、蛍光体及び無機フィラーと、該蛍光体を保持する樹脂とを含む、面状構造を有するものであって、該面状構造の少なくとも一部の全光線透過率が30%以上、好ましくは42%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは47%以上であり、一方80%以下、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは55%以下の範囲内である。全光線透過率がこの範囲であることで変換効率が高く、高光束な波長変換部材が得られる。該面状構造は単層構造であっても、2層以上の多層積層構造であってもよい。
また、該面状構造の主要部は、全光線透過率が30%以上、好ましくは42%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは47%であり、一方80%以下、好ましくは70%以下、さらに好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下の範囲内の場合であってもよい。さらに、表面は、鏡面であってもシボ等の微細構造があっていてもよく、外表面にハードコート、印刷等を施す事もできる。
上記樹脂と蛍光体を混合する工程、及び該工程により得られた混合物を成形する工程の際の雰囲気は、特段限定されることはないが、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましく、窒素ガス雰囲気下で行うことがより好ましい。窒素ガス雰囲気下で行うことにより、特に発光効率が上昇する。
無機フィラーは、波長変換部材の全光線透過率を調整することができるが、場合によっては波長変換部材が変色することがあり得る。そのため、無機フィラーを含有させて成形してなる1mm厚成形体の色相と、無機フィラーを含有させずに成形してなる1mm厚成形体の色相との差ΔEが10以下であるものを用いることが好ましい。ΔEは8以下であることがより好ましく、6以下であることが更に好ましい。このように成形体とした際の変色が少ない無機フィラーを選択することで、発光効率が向上する。
なお、色相の測定は、例えば日本電色工業(株)製 測色色差計を使用して行うことができる。
<3.発光装置>
本発明の第三の態様は、第二の態様の波長変換部材と半導体発光素子を備える発光装置である。
本実施形態に係る発光装置は、少なくとも青色半導体発光素子と、青色光の波長を変換する波長変換部材である本発明の第二の態様に係る波長変換部材を含有するものである。青色半導体発光素子と本発明の第二の実施態様に係る波長変換部材とは密着していても、離間していてもよく、その間に透明樹脂を備えていてもよく、空間を有していてもよい。図1に模式図として示す様に発光素子と該波長変換部材との間に空間を有する構造であることが好ましい。
以下、その構成を図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本発明の第三の実施形態に係る発光装置の模式図である。
発光装置10は、その構成部材として、少なくとも青色半導体発光素子1と波長変換部材3を有する。青色半導体発光素子1は、波長変換部材3に含有される蛍光体を励起するための励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、通常ピーク波長が425nm〜475nmの励起光を発し、
好ましくはピーク波長が430nm〜470nmの励起光を発する。青色半導体発光素子1の数は、装置が必要とする励起光の強さにより適宜設定することが可能である。
一方青色半導体発光素子1の代わりに、紫色半導体発光素子を用いることができる。紫色半導体発光素子は、通常ピーク波長が390nm〜425nmの励起光を発し、好ましくはピーク波長が395〜415nmの励起光を発する。
青色半導体発光素子1は、配線基板2のチップ実装面2aに実装される。配線基板2には、これら青色半導体発光素子1に電極を供給するための配線パターン(図示せず)が形成され、電気回路を構成する。図1中、配線基板2に波長変換部材3が載っているように表示されているがこの限りではなく、配線基板2と波長変換部材3が他の部材を介して配置されていてもよい。
例えば図2では、配線基板2と波長変換部材3が、枠体4を介して配置される。枠体4は、光に指向性を持たせるために、テーパ状になっていてもよい。また、枠体4は反射材であってもよい。
発光装置10の発光効率を向上させる観点から、配線基板2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有し、かつ、反射率が高いことが好ましいが、配線基板2のチップ実装面上で青色半導体発光素子1の存在しない面上、もしくは配線基板2と波長変換部材3を接続する他の部材の内面の少なくとも一部に反射率の高い反射板を設ける事もできる。
このような配線基板に用いる反射板の反射率、又は、配線基板の一部を覆う反射板の反射率としては、80%以上であることが好ましく、反射率が80%以上の部位の面積が配線基板の面積の50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましく、さらには、反射率が90%以上の部位を有することが好ましく、反射率が90%以上の部位の面積が配線基板の面積の50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。なお、反射率は、可視光領域光の反射率を意味する。
同様に、枠体を使用する場合は、枠体に用いる反射板の反射率、又は、枠体の一部を覆う反射板の反射率としては、80%以上であることが好ましく、反射率が80%以上の部位の面積が、枠体及び配線基板の面積の50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。さらには、その反射率が90%以上の部位を有することが好ましく、反射率が90%以上の部位の面積が枠体及び配線基板の面積の50%以上であることがより好ましく、70%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが特に好ましい。なお、反射率は、可視光領域光の反射率を意味する。
このような反射率を達成するための材料としては、樹脂中にフィラーを含有させた反射材があげられる。具体的には、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフタルアミド樹脂などに、アルミナ、チタニア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなどの金属酸化物フィラーを含有させた反射材やセラミックに金属酸化物を含有させた反射材などが好ましい。
ポリカーボネート樹脂にチタニアなどの金属酸化物を含有させた反射材としては、例えばユーピロンEHR3100、EHR3200などがあげられる。
シリコーン樹脂にアルミナ、チタニアなどの金属酸化物を含有させた反射材としては、例えばWO2011/078239、WO2011/136302に記載の反射材があげられる。
また、ポリフタルアミドに、アルミナ、チタニアなどの金属酸化物を含有させた反射材
も好ましく例示される。
波長変換部材3は、青色半導体発光素子1が発する入射光の一部を波長変換し、入射光とは異なる波長の出射光を放射する。波長変換部材3は、樹脂と蛍光体を含有する。蛍光体(図示せず)の種類は特段限定されず、発光装置が白色発光装置であれば、半導体発光素子の励起光の種類に合わせて、白色光を発するように蛍光体の種類を適宜調整すればよい。
半導体発光素子が青色半導体発光素子である場合、黄色蛍光体を用いるか、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
半導体発光素子が紫色半導体発光素子である場合、青色蛍光体、緑色蛍光体及び赤色蛍光体を用いることで、白色光を発する発光装置とすることができる。
また、波長変換部材3は、青色半導体発光素子1との間に距離を有することが好ましい。波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間は、空間であってもよく、透明樹脂が備えられていてもよい。このように、波長変換部材3と青色半導体発光素子1との間に距離を有する態様により、青色半導体発光素子1が発する熱によって波長変換部材3及び波長変換部材に含まれる蛍光体の劣化を抑制することができる。青色半導体発光素子1と波長変換部材3との間の距離は、10μm以上が好ましく、100μm以上がさらに好ましく、1.0mm以上が特に好ましい、一方1.0m以下が好ましく、500mm以下がさらに好ましく、100mm以下が特に好ましい。
本発明の第三の実施態様に係る発光装置は、白色光を放射する発光装置であることが好ましい。白色光を放射する発光装置は、発光装置から放射される光が、光色の黒体輻射軌跡からの偏差duvが−0.0200〜0.0200であり、かつ色温度が1800K以上、30000K以下であることが好ましい。
第三の実施態様に係る発光装置は、低色温度の光を発する場合であっても、高い光束を達成することができる。よって、色温度が5500K以下、5000K以下、4500K以下、などの低色温度の光を発する場合に、特に好適である。
このように白色光を出射する発光装置は、照明装置に好適に備えられる。
<4.照明器具>
本発明の第四の実施態様は、第三の実施態様に係る発光装置を備える照明器具である。
上記のように、第三の実施態様に係る発光装置からは、高い全光束が出射されており、また、全光束が低下しやすい低色温度の白色光を出射する発光装置であっても高い全光束が達成されるため、全光束の高い照明器具を得ることが出来る。照明器具は、消灯時に波長変換部材の色が目立たないように、発光装置中の波長変換部材を覆う拡散部材を配置することが好ましい。拡散部材としては、ヘイズが40%以上、全光線透過率が60%以上であれば特に制限は無く、波長変換部材の外側に配置されていれば、照明器具として配置されても、発光装置中に組み込まれていてもかまわない。拡散部材と波長変換部材を共に含む空間内の他部材の少なくとも一部は反射率の高い反射板となっていることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施態様にのみ限られないことはいうまでもない。
<原料>
以下に示すフッ素樹脂、蛍光体、無機フィラーを準備した。(フッ素樹脂)
樹脂1: 旭硝子(株)製 Fluon ETFE C-88AXP 屈折率=1.42、融点=263℃
、結晶化温度=234℃
樹脂2: ダイキン工業(株)製 ネオフロンETFE EP610 融点=227℃、結晶化温度=201℃
樹脂3: 旭硝子(株)製 Fluon LM-ETFE LM730AP 屈折率=1.38〜1.42、
融点=235℃、結晶化温=204℃
樹脂4: ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEP NP20 屈折率=1.34、融点=27
5℃、結晶化温度=239℃
(無機フィラー)
無機フィラー1: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20D(平均粒子径:20μm、比表面積=1.0m2/g、屈折率=1.45、L/D:5以下、モース硬度:6〜7)に
東レ・ダウコーニング(株)製 シリコーンオイル SH1107を0.5重量%処理
無機フィラー2: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20Dに 信越化学(株)製ジメチルシリコーンオイル KF96−100 を1重量%処理
無機フィラー3: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20Dに エチルトリメトキシシランを2重量%処理
無機フィラー4: 石原産業(株)製 酸化チタン CR60(平均粒子径:0.21μm、屈折率=2.72、L/D:5以下、モース硬度:7.0〜7.5) に東レ・ダウコーニング(株)製 シリコーンオイル SH1107を3重量%処理
無機フィラー5: 森田化学工業(株)製 フッ化カルシウムSS(光学用)(純度:99.2%、平均粒子径:20μm、屈折率=1.43、熱伝導率:9.7W/mK)に東レ・ダウコーニング(株)製 シリコーンオイルSH1107を0.5%処理したもの
無機フィラー6: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20Dに信越化学(株)製フェニルメチルシリコーンオイル KH54 を1重量%処理
無機フィラー7: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20Dに 信越化学(株)製ジメチルシリコーンオイル KF96−1000 を0.2重量%処理
無機フィラー8: 電気化学工業(株)製 球状シリカ FB20D
(蛍光体)
蛍光体1: 三菱化学(株)製 YAG 粒子径=10〜20μm
蛍光体2: 三菱化学(株)製 CASN 粒子径=1〜10μm
<実施例1〜11、比較例1〜3>
表1及び表2の配合組成で(株)東洋精機製作所製ラボプラストミルにて300℃、回転数60rpmで3分間混練をおこなった後、300℃でプレス成形を行い、1mm厚のシートを成形した。得られた波長変換部材について、全光線透過率測定、発光特性測定、を以下に示す方法で実施した。
<全光線透過率測定>
日本電色工業(株)製 濁度計 NDH2000を使用し、光源としてハロゲンランプ
を使用し、入り口開口を20mmΦとして、JIS K7361に準拠して測定を行った。
<発光特性測定>
450nmで発光するLED発光素子上に成形品を保持し、成形品を透過して波長変換された光の特性として光束と色度座標を測定した。光束は実施例1の材料の光束を基準として%で表記した。
<融点、結晶化温度測定>
セイコー電子工業(株)製 DSC220にて、5〜15mgの試料を20℃/分の条件で昇温または降温することで各樹脂の融点および結晶化温度の測定をおこなった。
<エージング特性>
各樹脂の結晶化ピーク温度周辺(樹脂1、樹脂4=230℃、樹脂2、樹脂3=200℃)で8時間熱処理を行った後、発光特性測定を行い、熱処理前と熱処理後の色度座標の差の絶対値をΔCIEx、ΔCIEyとした。
Figure 2015008171
Figure 2015008171
上記実施例より、本願発明の樹脂組成物を用いることにより。高光束で、エージング試験後も色度変化が少ない波長変換部材が得られることがわかる。
10 発光装置
1 青色半導体発光素子
2 配線基板
2a チップ実装面
3 波長変換部材
4 枠体

Claims (12)

  1. フッ素樹脂、蛍光体及び無機フィラーを含有する樹脂組成物であって、該無機フィラーの平均粒子径が、0.5μm以上であり、該フッ素樹脂と該無機フィラーとの屈折率差の
    絶対値は、1.0以下である樹脂組成物。
  2. 前記無機フィラーが、シリコーンオイル及びアルコキシシラン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物で処理されている請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記無機フィラーの含有量が、1重量%以上70重量%以下である請求項1又は2に記
    載の樹脂組成物。
  4. 前記蛍光体が、無機蛍光体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記無機蛍光体の含有量が、0.5重量%以上、20重量%以下である請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記フッ素樹脂が、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)、及び、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有する請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記フッ素樹脂が、融点が250℃以下のETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)樹脂を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形して成る波長変換部材。
  9. 前記波長変換部材が、少なくとも面状構造を有し、該面状構造の少なくとも一部の全光線透過率が、30〜80%である請求項8に記載の波長変換部材。
  10. 前記全光線透過率が30〜80%である面状構造の厚みが、0.1mm以上、4.0mm以下の範囲である請求項8又は9に記載の波長変換部材。
  11. 半導体発光素子と、請求項8〜10のいずれか1項に記載の波長変換部材を備える発光装置。
  12. 請求項11に記載の発光装置を備える照明器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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