JP2015007614A - 異なる電子イオン化(ei)エネルギーを利用する電子イオン化 - Google Patents

異なる電子イオン化(ei)エネルギーを利用する電子イオン化 Download PDF

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Abstract

【課題】70eVの上下両方のエネルギー範囲にわたって実効的にサンプル材料をイオン化することができ、それにより、EIをイオン化動作に対してより万能な手法にするEI源が必要とされている。【解決手段】電子イオン化(EI)源を利用して質量分析が実行される。そのEI源は、70eVの上下を含む、種々の電子エネルギーにおいてサンプルをイオン化する。そのEI源は、ソフトイオン化及びハードイオン化のために利用することができる。電子エネルギーの値は、分子イオンの形成、又は高い分析値の他のイオンの形成を促進するように選択することができる。イオン源は軸方向イオン源とすることができる。【選択図】図1

Description

本発明は質量分析法において利用されるような電子イオン化(EI)に関し、より詳細には、異なる電子エネルギーにおいてEIを実行することによって質量スペクトルを収集することに関する。
質量分析(MS)システムは一般的に、対象サンプルの成分をイオン化するイオン源と、その異なる質量電荷比(又はm/z比、又は更に簡単にして、「質量(masses)」)に基づいてイオンを分離する質量分析器と、分離されたイオンをカウントするイオン検出器と、必要に応じてイオン検出器からの出力信号を処理して、ユーザが解釈可能な質量スペクトルを生成する電子回路とを含む。通常、質量スペクトルは、検出されたイオンの相対存在度(abundances)をそのm/z比の関数として示す一連のピークである。質量スペクトルを利用して、サンプルの成分の分子構造を特定することができ、それにより、サンプルを定性的及び定量的に特徴付けられるようになる。
イオン源の一例は電子イオン化(EI)源である。通常のEI源では、サンプル材料が分子蒸気の形でチャンバに導入される。加熱されたフィラメントを用いてエネルギー電子を放出し、それらの電子は、フィラメントと陽極との間に印加される電位差の影響下で、ビームとしてコリメートされ、加速されてチャンバに入る。サンプル材料は、電子ビームの経路と交差する経路に沿ってチャンバに導入される。サンプル材料のイオン化は、サンプル経路及び電子経路が交差する領域において電子ビームがサンプル材料に衝撃を与える結果として生じる。イオン化プロセスの主な反応は以下の関係:M+e→M*++2eによって記述することができる。ただし、Mは被分析物分子を示し、eは電子を示し、M*+は結果として生じる分子イオンを示す。すなわち、静電斥力(electrostatic repulsion)によって分子が電子を失うほど、電子が十分近くに分子に接近し、その結果、一価の正のイオンが形成される。電位差を用いて、チャンバ内に形成されたイオンを出口開口部に向かって引き寄せ、その後、結果として生じたイオンビームが加速されて質量分析器等の下流デバイスに入るか、又は最初に、イオンガイド、質量フィルタ等の介在する構成要素に向かって加速される。
サンプルは種々の技法によってEI源の中に導入することができる。一例では、ガスクロマトグラフ(GC)がMSとのインターフェースを構成し、クロマトグラフィによって分離されたサンプル成分を含む、GCカラムから出力されたサンプルが、イオン源に入力されるサンプルとしての役割を果たすようにする。後者のシステムはGC/MSシステムと呼ばれる場合もある。ガスクロマトグラフィ(GC)は、クロマトグラフカラムに注入される気化又は気相サンプルの分析分離を伴う。そのサンプルはキャリアガスストリームに注入され、結果として生じたサンプル−キャリアガス混合物がカラムを通って流れる。カラムを流れる間に、サンプルは固定相(コーティング又はパッキング)に突き当り、それにより、固定相との異なる親和性に従ってサンプルの異なる成分が分離する。分離された成分は、異なる時点においてカラム出口から溶離する。これにより、MSは分離された成分を別々にイオン化し、分離された成分から生成された異なる組のイオンを別々に分析できるようになり、それにより、分析精度及び化合物の識別能力を著しく高めることができる。
EI動作では、通常70eVに設定された一定の電子エネルギーを使用するのが標準的な慣例であった。これは、広範な化合物が70eVにおいて最適なフラグメンテーションを生じるためであり、「最適な」は、フラグメンテーションの度合いが高く、識別するのに有用であること、及び全体的にイオン化のために大きな断面を利用可能であり、結果として全体的に大量のイオン信号が生じることを意味する。初期設定(default)の70eVエネルギーレベルを用いて、大規模なスペクトルライブラリを構築してきた。しかしながら、70eVは、対象となる全ての化合物にとって最適なエネルギーであるとは限らない。詳細には、数多くのタイプの分子のイオン化電位と比べて、このかなり高いレベルのエネルギーは、化学的同定と、正確な質量分析実験と、継続的なフラグメンテーションを伴うタンデムMS/MS又は関連する実験とにとって有益である高質量イオンを生成する数が少ない傾向がある。詳細には、70eVにおいてもたらされるハードイオン化は、ほとんど分子(又は多原子)イオンを生成しない傾向がある。分子イオン及び他の高質量イオンは非常に有用であるが、従来のEIの高エネルギー動作では大事に取り扱われない(discriminated)。フラグメンテーション経路が競合することによって、よりエネルギーの高いイオン化が必要とされるとき、低いエネルギー(70eV未満)の電子ほど、引き起こすフラグメンテーションが少ない可能性がある(ソフトイオン化)。それゆえ、70eVにおける標準的なイオン化と比べて、低いエネルギーにおけるイオン化は、分子イオン、又は少なくとも、より多くの高質量イオンの形成を促進することができ、それにより、化学構造に関してより多くの情報を維持し、未知の化合物の識別を容易にすることができる。
量子力学は、電子エネルギーがイオン化電位、すなわち、出現電位(appearance potential)(気相原子又は分子からイオンを生成するために必要とされる最小電子エネルギー)に近づくにつれて、電子衝撃のための断面が電子エネルギーに比例して変化することを示した。これは、イオン化する電子のエネルギーが下げられるにつれて、イオン化プロセスからのイオンの収量も下げられ、最終的に、電子エネルギーがイオン化電位未満に降下すると消滅することを意味する。これにより、エネルギーがイオン化電位に近づくにつれて、概ね一次関数になることがわかった。したがって、低いエネルギーのEI法は実行不可能であるように思われる。低いエネルギーにおけるイオン化が要求されるとき、研究者は通常、EIを放棄して、代わりに、化学イオン化(CI)等の従来のソフトイオン化技法に向かう。幾つかのMS機器は、EIとCIとの間で切り替えることができるイオン源を有するが、コストが増し、複雑になる。
上記のことを考慮して、70eVの上下両方のエネルギー範囲にわたって実効的にサンプル材料をイオン化することができ、それにより、EIをイオン化動作に対してより万能な手法にするEI源が必要とされている。特定の化合物、複数の種類の化合物及びサンプルマトリックスを伴う実験に好都合な多量の分子イオン及び/又は他の高質量イオンを優先的に形成することができるEI源も必要とされている。また、或るエネルギー範囲にわたってEIを実行する能力を利用するイオン化及びスペクトルデータ収集のための方法も必要とされている。
上述した問題に全体として若しくは部分的に、及び/又は当業者が確認した可能性のある他の問題に対処するために、本開示は、後述する実施態様において例として説明する方法、プロセス、システム、装置、機器及び/又はデバイスを提供する。
一実施形態によれば、質量スペクトルデータを収集する方法が、
電子イオン化(EI)源内で第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するステップと、
対象被分析物を含むサンプルを前記EI源に導入するステップと、
前記サンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第1の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
前記第1の被分析物イオンを質量分析器に送り込むステップであって、前記第1の電子エネルギーに相関する第1の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整するステップと、
前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第2の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
前記第2の被分析物イオンを前記質量分析器に送り込むステップであって、前記第2の電子エネルギーに相関する第2の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
を含む。
別の実施形態によれば、質量スペクトルデータを収集する方法が、
電子イオン化(EI)源が動作することになる少なくとも第1の電子エネルギー及び第2の電子エネルギーを選択するステップであって、前記第2の電子エネルギーは前記第1の電子エネルギーとは異なる、選択するステップと、
前記EI源において電子ビームを生成するステップと、
前記EI源にサンプルを導入するステップであって、前記サンプルは、少なくとも第1の対象被分析物及び第2の対象被分析物を含むことがわかっているか、又は含むと思われる、導入するステップと、
前記サンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、第1の組のイオンを生成する、照射するステップと、
第1の組のイオンを前記EI源から送り出すステップと、
前記電子エネルギーを前記第2の電子エネルギーに調整するステップと、
前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて電子ビームを照射するステップであって、第2の組のイオンを生成する、照射するステップと、
前記第2の組のイオンを前記EI源から送り出すステップと、
を含み、前記第1の電子エネルギーは前記第1の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第1のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように選択され、前記第2の電子エネルギーは前記第2の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第2のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように選択される。
別の実施形態によれば、質量分析計が、本明細書において開示される方法のいずれかを実行するように構成される。
本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴及び利点は、以下の図及び詳細な説明を検討することにより当業者には明らかとなろう。こうした全ての追加のシステム、方法、特徴及び利点は、本説明に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されるように意図されている。
本発明を、以下の図を参照することによってより理解することができる。図の構成要素は、必ずしも一定比例尺にはなっておらず、本発明の原理を例証することに重きがおかれている。図では、様々な図を通して同様の参照数字は対応する部分を示す。
一実施形態による質量スペクトルデータを収集する方法の一例を示す流れ図である。 別の実施形態による質量スペクトルデータを収集する方法の一例を示す流れ図である。 本明細書において開示されるような方法を実施することができ、本明細書において開示されるようなイオン源を設けることができる質量分析(MS)システムの一例の概略図である。 幾つかの実施形態による、イオン源の一例の斜視図である。 図4に示されるイオン源の断面斜視図である。 別の実施形態による、図4及び図5に示されるイオン源の一部の概略図である。 70eV(上側スペクトル)及び11eV(下側スペクトル)の電子エネルギーを用いるEIによってそれぞれ収集されるn−テトラコンタンの質量スペクトルを示す図である。 70eV(上側スペクトル)及び13eV(下側スペクトル)の電子エネルギーを用いるEIによってそれぞれ収集される2,2’,3,4’,6,6’−ヘキサクロロ−1,1’−ビフェニルの質量スペクトルを示す図である。
本開示は、イオン化技法として電子イオン化(EI)が利用される質量分析法(MS)を対象とする。本開示は、異なる電子エネルギー、すなわち、70eVだけでなく、70eVより低い、及び/又は高いエネルギーにおいてもEIが実施される方法及びEI源を開示する。この手法は、種々の対象被分析物が全て、イオン化しきい値に近づくにつれて、イオン化収量対EIエネルギーに関して全く同じ勾配を有するとは限らないこと、及び標準的な70eV EIを用いて生成されるスペクトルから分子イオン及び他の高質量イオンが多くの場合に存在しないことを考慮に入れる。例えば、所与の被分析物を10eVにおいてイオン化することによって、その分子イオンの最も有益な存在量(yield)を生成し、一方、異なる被分析物を20eVにおいてイオン化することによって、その被分析物に対する分子イオンの最も有益な存在量を生成すると判断される場合がある。そのような場合、本開示によれば、そのEI源は10eVにおいて第1の被分析物をイオン化し、20eVにおいて第2の被分析物をイオン化するようにプログラミングすることができる。2つの異なる電子エネルギーにおけるイオン化は、2つの別々の実験(サンプルラン)において、又は単一の実験の経過中に行われる場合がある。後者の場合、例えば、第1の被分析物及び第2の被分析物が保持時間によって分離され、それゆえ、EI源に順次に入るように、サンプルはクロマトグラフィカラム(通常、ガスクロマトグラフィカラム、又はGCカラム)からの溶離物としてEI源に導入される場合がある。EI源が第1の被分析物に10eVにおいて照射し、電子ビームを調整して、その後、第2の被分析物に20eVにおいて照射するように、電子エネルギーレベルと、それらのレベルの適用のタイミング及び持続時間とをEI源にプログラミングすることができる。
幾つかの実施形態では、電子エネルギーを調整又は変更しながらEI源を動作させることを利用して、或る範囲の電子エネルギーにわたって被分析物を調査し、その被分析物から特定の分子イオン又はフラグメントイオンを形成するのに最適である電子エネルギーを見つけ、それにより、同定及び他の属性を改善することができる。例えば、被分析物のクロマトグラフ溶離時間(elution time)(例えば、6秒)中に、電子エネルギーを異なる値(例えば、標準的な70eVエネルギーを含む)に切り替えるか、又は調整し(例えば、1秒ごと)、イオン化のために利用される電子エネルギーの関数として分子構造を確認することができる。調整は、例えば、初期値から2つ以上の連続して高い値又は低い値(例えば、10eV、20eV、30eV、40eV、...)に切り替えるか、又は高い値と低い値との間で循環するか(例えば、50eV、20eV、50eV、20eV、...)、又は3つ以上の異なる値の中で循環する(例えば、10eV、20eV、50eV、10eV、20eV、50eV、...)ことを伴う場合がある。
これらの方法を利用して、広範な異なる被分析物にわたって大規模なライブラリ(又はデータベース、ルックアップテーブル等)を蓄積することができる。それらのライブラリは、被分析物ごとに、質量スペクトルを、それぞれのスペクトルを生成するために利用されたEIエネルギーと関連付け、及び/又はターゲット被分析物イオンを、それぞれターゲット被分析物イオンを生成するために利用されたEIエネルギーと関連付けるデータを含むことができる。この文脈において、「ターゲット」被分析物イオンは、一般的に、所与の被分析物の特性を示すことがわかっているか、又は特性を示すと見なされる任意のイオン、すなわち、所与の被分析物の素性を確認する際に高い分析値からなるイオンである。被分析物によるが、ターゲット被分析物イオンは多くの場合に分子イオン又は高質量イオンとすることができるが、低質量のフラグメントイオンとすることもできる。この文脈において、高質量イオンは、高質量イオンが形成された被分析物の分子量に近い質量を有するイオンである。高い存在量のターゲット被分析物イオンをもたらすEIエネルギーは、本明細書において、そのターゲット被分析物イオンのための「ターゲット」電子エネルギーと呼ばれる場合がある。
それゆえ、本明細書において開示される方法及びEI源によれば、EI源はハードイオン化又はソフトイオン化を実施できるようになり、所与の被分析物又は1組の被分析物のためのイオン化及び質量分析プロセスを最適化するために、所望により、又は必要に応じて、ハードイオン化とソフトイオン化とを切り替えることができるようになる(同じ実験中を含む)。本開示によれば、そのEI源は、従来、化学イオン化(CI)等の従来のソフトイオン化を選択してEIが放棄される数多くの場合に利用することができる。したがって、本明細書において開示されるEI源及び方法は、CI源及び従来のEI源等の他のデバイスと比較して、EI源をより万能なイオン化デバイスにする。
通常の実施形態では、EI源は熱イオン放出によって電子を放出する陰極又はフィラメントを含む。放出される電子は、その後、陰極と陽極との間の電位差によって、そしてオプションで磁界をかけることによって集束し、電子ビームになる。電子ビームのエネルギーは、フィラメントに印加される電圧を調整し、それにより、フィラメントに流れる電流を調整することによって調整することができる。幾つかの実施形態では、電子ビームは、9eV〜150eVの範囲にわたって調整することができる。70eV未満の電子エネルギー、例えば、9eV〜25eVの範囲内の電子エネルギーは、ソフトイオン化方式の範囲内にあると見なすことができる。本開示は、これらの電子エネルギー範囲にわたってEIを実効的に実施することができるEI源を提供する。非常に低いエネルギーであっても、本明細書において開示されるEI源は、多くの実験にとって十分な強度及びイオン化収量を有する電子ビームを生成することができる。EI源の限定しない例が以下に記述され、図4及び図5において例示される。
ここで、一実施形態による質量スペクトルデータを収集する方法の一例が記述される。その方法は、以下の例によって記述され、図3に示されるような、EI源及び質量分析器を含む質量分析計(MS)を動作させることによって実施することができる。この方法では、EI源は第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成する。対象被分析物を含むサンプルが、EI源に導入される。幾つかの実施形態では、EI源はクロマトグラフ、通常GCとのインターフェースを構成することができ、その場合、サンプルはGCカラムから(又はGCカラムをEI源のサンプル入口と相互結合する移送ラインから)EI源に流し込まれる。サンプルは電子ビームと相互作用するようにEI源の中に誘導される。したがって、電子ビームは第1の電子エネルギーにおいてサンプルに照射し(電子がサンプルに衝撃を与え)、対象被分析物から第1の被分析物イオンを生成する。第1の被分析物イオンが形成されるにつれて、当業者によって理解されるような適切な手段によって、それらのイオンはEI源のイオン出口から、質量分析器に送り込まれる。イオンを「質量分析器に送り込む」とは、イオンを質量分析器に直接送り込むことだけでなく、イオンを、存在する場合がある1つ又は複数の介在するイオン処理デバイス(イオンガイド、質量フィルタ、衝突セル、イオントラップ、ビーム整形器等)に送り込み、その後、最終的に質量分析器に送り込むことも含む。質量分析器は第1の被分析物イオンを分離及び検出し、第1の被分析物イオンの質量スペクトルが、既知の原理に従って生成される。
サンプル材料がEI源内に依然として存在する間に、又はサンプルがEI源に流入し続けている間に、電子エネルギーが第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整される。その後、その電子ビームは第2の電子エネルギーにおいてサンプルに照射し、対象被分析物から第2の被分析物イオンを生成する。第2の被分析物イオンが形成されるにつれて、それらのイオンは質量分析器に送られ、第2の被分析物イオンの質量スペクトルが生成される。
上記のように、幾つかの実施形態では、電子ビームは、第1の電子エネルギーと第2の電子エネルギーとの間で一度又は何度も循環することができる。さらに、電子ビームを3つ以上の異なる電子エネルギーに調整して、更なる電子エネルギーに基づく更なる質量スペクトルを生成することができる。
幾つかの実施形態では、生成された各質量スペクトルは、相関データとしてメモリに記憶することができる。相関データは各質量スペクトルと、スペクトルを生成するために利用された電子エネルギーとを相関させることができる。メモリはMSシステムを設けられたコントローラ(例えば、電子プロセッサに基づくコントローラ又はコンピュータ)の一部とすることができるか、又はMSシステムとは別のコントローラ(例えば、デスクトップ又はポータブルコンピュータ、ハンドヘルドデバイス等)の一部とすることもできる。データを収集し、相関させるために利用されるコントローラは、EIデバイス及び/又はMSの他の構成要素の動作も制御することができる。代替的には、メモリはコントローラの外部に位置し、有線又は無線通信リンクを介してコントローラによってアクセス可能な構成要素とすることができる。相関データを利用して、将来の研究及び実験において使用するためのスペクトルライブラリ(又はデータベース、又はルックアップテーブル等)を構築することができる。さらに、本方法は、複数の異なる対象被分析物に関して実行することができ、被分析物ごとに結果として生成された相関データはスペクトルライブラリ内に蓄積することができる。
幾つかの実施形態では、その方法は、第1の電子エネルギー及び第2の電子エネルギーから(そして、実施される場合には、更なる電子エネルギーから)生成された質量スペクトルを分析して、どの電子エネルギーが特定のターゲット被分析物イオンの最も高い存在量、及び/又は他のフラグメントイオンに対する特定のターゲット被分析物イオンの最も高い比をもたらすかを判断することを含む。ターゲット被分析物イオンの最も高い存在量(及び/又は他のフラグメントイオンに対する特定のターゲット被分析物イオンの最も高い比)をもたらすことがわかった電子エネルギーは、所与の実験においてターゲット被分析物イオンを形成するのが望ましいときに、当該被分析物をイオン化する際に利用されることになる「ターゲット」電子エネルギーと見なすことができる。ターゲット被分析物イオンとターゲット電子エネルギーとの間の相関は、上記の相関と同じようにして将来に使用するためのライブラリ内にデータとして記憶することができる。そのような相関は、任意の数の異なる被分析物に関して特定し、記憶することができる。
幾つかの実施形態では、被分析物のためのターゲット電子エネルギーを決定した後に、その方法は対象被分析物を含む更なる量のサンプルをEI源に導入することと、ターゲット電子エネルギーにおいてサンプルをイオン化することと、質量スペクトルを生成することとを含む。この結果として、対象被分析物を特徴付ける際に有用なターゲット被分析物イオンに関する強い信号を生成することができる。
幾つかの実施形態では、その方法は、クロマトグラフカラムから、EI源に順次に入る複数のピーク又はバンドとしてサンプルを溶離することによって、サンプルをEI源に導入することを含む。1つ又は複数のこれらのピークは、所与の実験において対象被分析物と見なされる化合物を含む場合がある。したがって、上記の方法は、溶離の1つ又は複数の選択されたピークに関して実行することができる。すなわち、各対象被分析物に第1の電子エネルギーにおいて照射して、第1の被分析物イオンを生成することができ、その後、それらのイオンをEI源から送り出して第1の電子エネルギーに基づいて質量スペクトルを生成し、その後、第2の電子エネルギーにおいて照射し、第2の被分析物イオンを生成することができ、その後、それらのイオンをEI源から送り出して、第2の電子エネルギーに基づいて質量スペクトルを生成し、このプロセスは上記で言及されたように更なる電子エネルギーにおいて繰り返すことができる。このようにして、本明細書において記述されるような目的を果たすために、異なる複数のエネルギーにおいて複数の異なる被分析物を調査することができる。本明細書において開示される方法を利用して、同時に又は同様の時間に、クロマトグラフカラムから共溶離(co-elute)する2つ以上の異なる化合物をイオン化することもできる。すなわち、EI源の中に移送されるピーク又はバンドが2つ以上の異なる化合物を含むように、2つ以上が異なる化合物が、同じ保持時間、又はわずかに異なる保持時間を有することができる。これらの共溶離する化合物のうちの1つ又は複数を、その実験に対する対象被分析物とすることができる。本明細書において開示される方法を利用して、1つ又は複数の異なる電子エネルギーにおいて共溶離する化合物をイオン化することができる。
被分析物がイオン化されることになる異なる電子エネルギーは、例えば、ユーザ入力によって、又はEI源を制御する(例えば、熱イオンフィラメントに印加される電圧を制御する)コントローラにコンピュータ可読命令を与えることによって、EI源にプログラミングすることができる。他の実施形態では、その方法は、実験の経過中に1つ又は複数の電子エネルギーを選択又は調整することができる適応的手法を実施することができる。例えば、サンプルに第1の電子エネルギーにおいて照射し、第1の質量スペクトルを生成した後に、第1の質量スペクトルを分析又は評価することができる。その分析又は評価は、電子プロセッサに基づくファームウェア(すなわち、コントローラ)によって、及び/又はソフトウェアによって実行される適切なアルゴリズムによって実施又は支援することができる。第1の質量スペクトルによって与えられたスペクトルデータに基づいて、第2の電子エネルギーをどの値にすべきであるかに関する判断を行うことができる。したがって、第1の質量スペクトルからのスペクトルデータに基づいて第2の電子エネルギーを選択することができ、それに応じて電子ビームを調整することができる。幾つかの実施形態では、第2の電子エネルギーのために選択された値はプリプログラミングされた値に代わることができる。幾つかの実施形態では、この適応的手法は、単一のピークの溶離時間中に実施することができる。例えば、第1の質量スペクトルは1つの情報(例えば、しきい値最小存在量における或る特定のm/zピーク)をもたらすことができ、その情報が、第2の電子エネルギーのための値を決定し、それに応じて第1の電子エネルギーを第2の電子エネルギーに調整するようにコントローラをトリガーする。
図1は質量スペクトルデータを収集する方法100の別の例を示す流れ図である。その方法は、1つ又は複数の異なる電子エネルギー(n=1、2、3、...)においてイオン化の1つ又は複数の繰返しnを実施する。その方法の開始(102)は第1の繰返しに対応するので、nは最初に1に設定される(104)。サンプルがEI源に導入される(106)。サンプルは第nの(第1の)電子エネルギーにおいてイオン化される(108)。結果として生成されたイオンは、質量分析及び質量スペクトルの生成を含む更なる処理のために、EI源から送り出される(110)。質量分析に先行する他の処理は、当業者によって理解されるような、例えば、質量フィルタリング、フラグメンテーション等を含むことができる。その後、異なる電子エネルギーにおいてサンプルをイオン化するか否かに関する決定が行われる(112)。その決定は、ユーザ入力によって、又はハードウェア及び/又はソフトウェアによって自動的に、若しくは(プリ)プログラミングにより行うことができる。その決定が電子エネルギーを変更しないことである場合には、その方法は現在の電子エネルギーにおいて継続するか、又は終了することができる(118)。そうでない場合には、その方法は次の(第2の)繰返しに進み、nがn+1に設定される(114)。EI源は電子ビームを次の(第2の)電子エネルギーに調整し(116)、そして、サンプルをイオン化し(108)、結果として生成されたイオンをEI源から送り出す(110)プロセスが繰り返される。
方法ステップ108〜116は何度も繰り返すことができ、EI源は任意の数の異なる電子エネルギーにおいて動作することができる。新たに繰り返すたびに異なる電子エネルギーが必要とされないことに留意されたい。例えば、EI源は70eVと30eVとの間で何度も循環することができ、すなわち、第1の繰返しは70eVにおいて行われ、第2の繰返しは30eVにおいて行われ、第3の繰返しは70eVにおいて行われ、それ以降も同様である。別の例として、EI源は70eV、30eV及び10eVを所望の回数だけ循環することができる。
別の実施形態では、図1は、図示された方法100を実行するように構成された構成要素を含むMSシステムを表す。
質量スペクトルデータを収集する方法の別の実施形態によれば、EI源が動作することになる1つ又は複数の異なる電子エネルギーが選択される。その選択は、1つ又は複数の対象被分析物を同定するか、又は別の方法で特徴付ける際に有用な1つ又は複数のターゲット被分析物イオンを形成するのを促進又は助長するように行うことができる。例えば、第1の被分析物の特性を示すことがわかっている第1のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように第1の電子エネルギーを選択することができ、第2の被分析物の特性を示すことがわかっている第2のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように第2の電子エネルギーを選択することができる。電子エネルギーの選択は、イオン化されることになるサンプルの1つ又は複数の属性に基づくことができる。属性の例は、限定はしないが、サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物のタイプ、サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物を含む化合物の種類(class)、サンプルとともにEI源に導入されることになるマトリックスを含む。例えば、或る特定の種類の環境汚染物質に関する分析又は試験は、相対的に高い電子エネルギーにおけるイオン化を必要とする場合があり、一方、或る特定の種類のステロイドに関する分析又は試験は、相対的に低い電子エネルギーにおけるイオン化(すなわち、ソフトイオン化)を必要とする場合がある。別の例として、特定のサンプルマトリックスがイオン化プロセス又はスペクトル分析に及ぼす場合がある悪影響を小さくできるように、電子エネルギーを選択することができる。
選択プロセスは、本明細書において記述される他の方法を実施することによって生じる場合があるような、事前知識に基づくことができる。例えば、その方法は、相関データが記憶されるメモリにアクセスするようにコントローラを動作させることを含むことができる。相関データは、異なる被分析物(又は所与のタイプのサンプルの異なる属性)をEI源において利用されることになるそれぞれの電子エネルギーと相関させることができる。
選択が行われた後、その方法は、EI源において電子ビームを生成することと、EI源に、1つ又は複数の対象被分析物を含むことがわかっているか、又は含むと思われるサンプルを導入することとを含む。サンプルに第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを照射して、第1の組のイオンを生成し、その第1の組のイオンがEI源から送り出される。第2の電子エネルギーが選択された場合には、電子ビームは第2の電子エネルギーに調整され、サンプルに第2の電子エネルギーにおいて照射して、第2の組のイオンを生成し、その第2の組のイオンがEI源から送り出される。このプロセスは、更なる被分析物及び更なる選択された電子エネルギーに対して繰り返すことができる。このようにして、任意の数の異なる被分析物に対してイオン化経路を最適化することができ、情報量が多い質量スペクトルを生成することができる。
図2は、質量スペクトルデータを収集する方法200の別の例を示す流れ図である。その方法は、1つ又は複数の異なる電子エネルギー(n=1、2、3、...)においてイオン化の1つ又は複数の繰返しnを実施する。その方法を開始すると(202)、被分析サンプルが与えられる(204)。サンプルは、1つ若しくは複数の対象被分析物を含むことがわかっているか、又は1つ若しくは複数の対象被分析物を含むと思われる。いずれの場合でも、サンプルがイオン化されることになる1つ又は複数の異なる電子エネルギーが選択される(204)。対象被分析物ごとに、選択される電子エネルギーは、その特定の対象被分析物の特性を示すことがわかっているターゲット被分析物イオンの生成を促進又は助長することになる最適な電子エネルギー(すなわち、ターゲット電子エネルギー)である。その選択は、ターゲット電子エネルギーをターゲット被分析物イオンと相関させるか、又は関連付けるデータを含むライブラリ(又はデータベース、ルックアップテーブル等)の使用によって支援することができる。幾つかの実施形態では、データは、例えば、図1に示される方法100等の、本明細書において開示される他の方法を実施することによって生成することができる。1つ又は複数の電子エネルギーを選択した後に、EI源は選択された1つ又は複数の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するようにプログラミングされる(208)。イオン化プロセスの開始は第1の繰返しに対応するので、nは1に設定される(210)。サンプルがEI源に導入される(212)。サンプルは第n(第1)の電子エネルギーにおいてイオン化される(214)。結果として生成されたイオンは、質量分析及び質量スペクトルの生成を含む更なる処理のために、EI源から送り出される(216)。その後、異なる電子エネルギーにおいてサンプルがイオン化されることになるか否か(又はプログラムが異なる電子エネルギーへの調整を要求するか否か)に関する判断が行われる(218)。異なる電子エネルギーにおいてサンプルがイオン化されない場合には、その方法(224)は終了することができる。異なる電子エネルギーにおいてサンプルがイオン化される場合には、その方法は次の(第2の)繰返しに進み、nがn+1に設定される(220)。EI源は、電子ビームを次の(第2の)電子エネルギーに調整し(222)、その後、サンプルをイオン化し(214)、結果として生成されたイオンをEI源から送り出す(216)プロセスが繰り返される。探し求められる異なるターゲット被分析物イオンの数に応じて、方法ステップ214〜222は何度も繰り返すことができ、EI源を任意の数の異なる電子エネルギーにおいて動作させることができる。
別の実施形態では、図2は、図示される方法200を実行するように構成される構成要素を含むMSシステムを表す。
本明細書において開示される方法のいずれかの方法の幾つかの実施形態では、EI源は軸方向EI源とすることができる。軸方向EI源は、EI源のイオン出口と同軸であるEI源軸に沿った長さを有するイオン化チャンバ又は容積を含むことができる。この構成によれば、その方法は、EI源軸に沿って電子ビームを集束させることを含むことができ、サンプルの照射はEI源軸に沿ったイオンビームを生成する。幾つかの実施形態では、その方法は、イオン化チャンバに軸方向磁界をかけて、EI源軸に沿って電子ビームを圧縮することを含むことができる。幾つかの実施形態では、その方法は、電子ビームの電子を反射し、EI源軸に沿って往復させて、電子ビームを強くすることができ、それは、EI源を低い電子エネルギーで動作させるときに特に有用な場合がある。
図3は、本明細書において開示される方法を実施する際に利用することができる質量分析(MS)システム300の一例の概略図である。そのMSシステム300は全体として、サンプル源302と、イオン源304と、質量分析計(MS)306と、システムコントローラ324と、イオン源304及びMS306の内部を制御された減圧レベルに保持する真空システムとを含む。真空システムはイオン源304及びMS306からそれぞれ続く真空ライン308及び310によって概略的に示される。真空ライン308及び310は、当業者によって理解される1つ又は複数の真空生成ポンプ及び関連する配管系統及び他の構成要素を概略的に表す。イオン源304とMS306との間に1つ又は複数の他のタイプのイオン処理デバイス(図示せず)が設けられる場合があることも理解されよう。種々のタイプのサンプル源、分析計及び関連する構成要素の構造及び動作は当業者によって一般的に理解されており、それゆえ、本明細書において開示される主題を理解するために必要に応じて手短にのみ説明される。実際には、イオン源304はMS306と一体に構成することができるか、そうでない場合には、MS306の前端又は入口と見なすことができ、それゆえ、実施形態によってはMS306の構成要素と見なされる場合がある。
サンプル源302は、被分析サンプルをイオン源304に供給するための任意のデバイス又はシステムとすることができる。サンプルは、サンプル源302からイオン源304に流れ込む気相又は蒸気の形で与えることができる。ガスクロマトグラフィ−質量分析(GC−MS)システム等の複合システムでは、サンプル源302はGCシステムとすることができ、その場合、GCシステムの分析カラムが、適切なハードウェアを通して、イオン源304のサンプル入口318とのインターフェースを構成する。
イオン源304は直交(又は交差ビーム、若しくはニーアタイプ(Nier type))EI源又は軸方向EI源とすることができる。両方のタイプのEI源が、下記の例により説明される。イオン源304は、MS306とのインターフェースを構成するイオン出口320を含む。
MS306は全体として、ハウジング316内に封入される質量分析器312及びイオン検出器314を含むことができる。真空ライン310は質量分析器312の内部を非常に低い(真空)圧力に保持する。幾つかの実施形態では、質量分析器312の圧力は10−4Torr〜10−9Torrに及ぶ。真空ライン310は、MS306から任意の残留非分析中性分子を除去することもできる。質量分析器312は、それぞれのm/z比に基づいて被分析物イオンを分離するか、選別するか、又はフィルタリングするように構成される任意のデバイスとすることができる。質量分析器の例は、限定はしないが、多重極電極構造(例えば、四重極質量フィルタ、イオントラップ等)、飛行時間(TOF)分析器、イオンサイクロトロン共鳴(ICR)トラップを含む。質量分析器312は、特にイオンフラグメンテーション分析が望まれるときに、2つ以上の質量分析器からなるシステムを含むことができる。例として、質量分析器312は、当業者によって理解されるような、タンデムMS又はMSシステムとすることができる。別の例として、質量分析器312は、質量フィルタと、それに続く衝突セルとを含むことができ、さらに、それに質量フィルタ(例えば、三重極又はQQQシステム)又はTOFデバイス(例えば、qTOFシステム)が続く。イオン検出器314は、質量分析器312から出力された質量弁別後のイオンの流速(又は流れ)を収集し、測定するように構成される任意のデバイスとすることができる。イオン検出器314の例は、限定はしないが、電子増倍管、光電子増倍管及びファラデーカップを含む。
システムコントローラ324は、サンプル源302、イオン源304、MS306及びメモリ328と信号通信するように示される。それゆえ、コントローラ324は、電子ビームを生成し、保持することに関与するフィラメント及びイオン源304の他の構成要素のプログラミング及び制御を含む、MSシステム300の種々の動作を制御することができる。コントローラ324は、イオン源304及び他の構成要素のプログラミングされた制御を実施するためのコンピュータ可読媒体又はソフトウェア332を含むことができる。幾つかの実施形態では、コントローラ324は、本明細書において開示される方法のうちの1つ又は複数を全体的に、又は部分的に実施することができる(例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアを利用する)。メモリ328を利用して、実験から収集されたデータを記憶し、本明細書において記述されるようなライブラリ又はデータベースを構築することができる。メモリ328は、コントローラ324と一体に構成されるローカルメモリとすることができるか、又は図示されるように、コントローラ324によってアクセス可能な遠隔構成要素として設けられる場合がある。幾つかの実施形態では、メモリ328は、データベースサーバ336等の遠隔コンピューティングデバイスの一部とすることができる。データベースサーバ336は、メモリに記憶されるデータベースソフトウェア338を含むことができる。データベースサーバ336は、データベースソフトウェア338の命令を実行し、データを作成し、メモリ328内に系統立てて保持することができる。幾つかの実施態様では、MSシステム300は、実験室情報管理システム(LIMS)の一部とすることができるか、又はLIMSと通信することができる。
幾つかの実施形態では、本明細書において開示される方法は、直交イオン源に向かい合うような軸方向(又は軸上)EI源によって支援される。広く用いられる直交EI源において、イオンビームは、電子ビームに直交する方向において生成される。このタイプの設計は、EI源のイオン化チャンバの内面との衝突時に多数のイオンがフィラメントに向かって引っ張られるか、又は集束から外れ、中和される(失われる)ことに起因して、イオンを失う傾向がある。多くの応用形態の場合に、軸上電子ビーム、すなわち、結果として生成されるイオンビームと同軸であり、かつイオンが送り込まれる質量分析器312又は他の下流デバイスと同軸である電子ビームを生成する方が有利である。軸方向電子ビームは、EI源から下流デバイスの中に移送するのに成功する見込みがはるかに高いイオンを生成する可能性がはるかに高い場合がある。さらに、軸方向電子ビームは、被分析物が電子と相互作用する機会を有する、より長い経路を与え、それにより、より多くの被分析物イオンを生成できるようにする。さらに、軸上EI源を用いてイオン化プロセスを実行することは、分子イオン及び他の高質量イオンの形成を促進することがわかった。さらに、本明細書において開示されるような軸上EI源は、本明細書において開示される方法を実効的に実施するほど十分に高く、かつ従来のEI源によってこれまで達成されてこなかった強度及びイオン化効率において低エネルギー電子ビームを生成し、保持することができる。
図4は、幾つかの実施形態によるイオン源400の一例の斜視図である。図5は、図4に示されるイオン源400の断面斜視図である。図示される実施形態では、イオン源400は全体として、内部イオン化チャンバ又は容積508を画定する本体404と、磁石アセンブリ412と、電子源416と、レンズアセンブリ420とを含む。
イオン源400は、イオン源軸424の周囲に概ね配置される全体形状又は構成を有することができる。動作時に、イオン源400はイオン源軸424に沿って電子ビームを生成し、イオン化されることになるサンプル材料の流れをイオン源軸424に対して任意の方向に入れることができる。被分析サンプル材料は、複合技法を含む任意の適切な手段によって、イオン源400に導入することができ、その場合、サンプル材料は、例えば、ガスクロマトグラフィ(GC)機器等の分析分離機器の出力である。その後、イオン源400はイオンを生成し、イオンをイオン源軸424に沿って集束させて、1つのイオンビームにする。そのイオンはイオン源軸424に沿ってイオン源400から出て、次のイオン処理デバイスに入り、そのイオン処理デバイスはイオン源軸424に沿ったイオン入口を有することができる。
イオン化チャンバ(ionization chamber)508は、イオン源軸424に沿って第1の端部から第2の端部までの長さを有する。サンプル源から、サンプル材料が電子ビームと相互作用するイオン化チャンバ508の中にサンプル材料を誘導する経路を設けるのに適した任意の場所に、本体404を貫通してサンプル入口528が形成される。イオン化チャンバ508の軸方向長さは、所望の被分析物分子をイオン化するために利用可能な比較的長い実用的な電子ビーム領域を設けるように選択することができ、それにより、イオン源400のイオン化効率を、その結果として、全体としての機器の感度を高めることができる。
磁石アセンブリ412は、本体404を同軸状に包囲する。磁石アセンブリ412は、イオン化チャンバ508内に均一な軸方向磁界を生成するように構成され、その磁界は電子ビーム及び結果として生成されたイオンビームをイオン源軸424に沿って集束し、圧縮する。磁気的に制限された電子ビーム及び比較的長いイオン化チャンバ508によって、イオン化チャンバ508から抽出し(放出し)、最終的に、例えば、質量分析器、又はイオンガイド、イオントラップ、質量フィルタ、衝突セル等の質量分析器に前置される別のタイプのデバイス等の下流のイオン処理デバイスに入れるのを改善するのに十分に適したイオンビームを生成可能にすることができる。イオンビームは、イオン化チャンバ508の内面との衝突時に多数のイオンがフィラメントに向かって引っ張られるか、又は集束から外れ、中和される(失われる)、ニーアタイプのイオン源において生じることがわかっているイオン損失を被ることなく抽出することができる。磁石アセンブリ412は、イオン源軸424の回りで互いに円周方向に離間する複数の磁石432を含むことができる。例示される実施形態は、リング状のヨーク434に固定される4つの磁石432からなる対称的な配置を含む。磁石432は永久磁石とすることができるか、又は電磁石とすることができる。サンプル入口528、及び電線管等の他の構成要素は、隣接する磁石432の任意の対間の間隙に位置決めすることができる。磁石432は、間隙によって互いに離間されるが、イオン源軸424の回りで対称に配置され、生成される軸方向磁界は均一である。
電子源416は電子を生成し、イオン化チャンバ508を通って第1の端部から電子ビームを誘導するように構成される任意のデバイスとすることができる。例示される実施形態では、電子源416は1つ又は複数の陰極538を含む。陰極538は熱イオン放出のために構成され、それゆえ、例えば、レニウム又はタングステン−レニウム合金等の熱イオン放出材料から構成される1つ若しくは複数のフィラメント(代替的には、コア上のコーティング)とすることができるか、又はそのようなフィラメントを含むことができる。陰極538は熱イオン放出を引き起こすのに十分な温度まで加熱される。加熱は通常、陰極538を通して電流を流すことによって行われる。その電流を調整して電子エネルギーを調整することができ、電子エネルギーは通常、約70eVに設定されるが、それよりも低くても、高くてもよい。また、電子源416はイオンリペラ(ion repeller)540と、電子反射体(electron reflector)544(プレート又は電極)とを含む。陰極538は、電子反射体544とイオンリペラ540との間に位置決めされ、その場所は、イオンリペラ540によってイオン化チャンバ508から分離された電子源領域と見なすことができる。イオンリペラ540(それは電子抽出器(electron extractor)と見なすこともできる)は、イオン源軸424上に開口部を有する壁又はプレートとして構成することができる。電子エネルギーは、イオンリペラ540及び電子反射体544に印加される電圧によって設定される。電子反射体544に印加される電圧は、生成されたばかりの電子をレンズアセンブリ420に向かって加速する。このために、電子反射体544と、後に説明されるような、レンズアセンブリ420の「抽出器」等の、陰極538の下流にある任意の適切な導電性素子(陽極)との間に、軸方向電圧勾配をかけることができる。電子反射体544に印加される電圧は通常、負値であるが、より一般的には、リペラ540、及び後に説明されるレンズアセンブリ420の「第1のレンズ素子」までの他の下流光学系よりも低い正値である。電子反射体544及び陰極538は等電位において動作することができるか、又は電子反射体544は、電子をイオン化チャンバ508の中に押し込むのを支援するために陰極538よりも高い負値とすることができる。
レンズアセンブリ420は、電子源416に対して軸方向の反対側にある、イオン化チャンバ508の第2の端部に位置決めされる。レンズアセンブリ420は、数ある中でも、イオンビームをイオン化チャンバ508からイオン源軸424に沿って次のイオン処理デバイスの中に誘導するように構成される。このために、レンズアセンブリ420は、電圧源によって独立して設定可能な複数のレンズ素子(又は電極)を含む。各レンズ素子はイオン源軸424上に開口部又はスロットを有することができる。例示される実施形態では、レンズアセンブリ420はイオン抽出レンズ(又はイオン抽出器)548と、イオン源軸424に沿って抽出器548から離間された第1のレンズ素子(又は電子反射体)550と、イオン源軸424に沿って第1のレンズ素子550から離間された第2のレンズ素子(又はイオン反射体)552と、イオン源軸424に沿って第2のレンズ素子552から離間されたイオン源出口レンズ素子(又はイオンビーム集束レンズ素子)556とを含む。イオン源出口レンズ素子556はイオン処理デバイスへの入口レンズ素子として構成することができるか、又はその役割を果たすことができる。レンズアセンブリ420は、第2のレンズ素子552とイオン源出口レンズ素子556との間に1つ又は複数の更なるイオン集束レンズ素子554を含むこともでき、イオンビームを集束するために利用することができる。イオンリペラ540及び抽出器548は、イオン化チャンバ508の軸方向の、それぞれ第1の端部及び第2の端部と見なすことができる。当業者には理解されるように、イオン化チャンバ508からイオンビームを引き出すのを支援するために、抽出器548に適切な大きさの電圧を印加することができる。
第1のレンズ素子550は、イオン化チャンバ508の直ぐ外側に位置決めされ、チャンバの下流側にある抽出器548に直接隣接している。電子ビームを反射してイオン化チャンバ508の中に戻すために、第1のレンズ素子550に適切な大きさの電圧を印加することができる。したがって、陰極538(又は陰極538及び電子反射体544)及び第1のレンズ素子550は、イオン源軸424に沿って電子ビームを反射してイオン化チャンバ508を通して往復させるように協調して働き、それにより、イオン化チャンバ508内で被分析物のEIイオン化のために利用可能な電子密度を高める。
電子を反射してイオン化チャンバ508の中に戻すために、第1のレンズ素子550に相対的に大きな電圧を印加することができる。この結果、一般的に第1のレンズ素子550と抽出器548との間の領域内でイオンを生成することができ、その領域はイオントラッピング領域と呼ばれる場合がある。イオン化チャンバ508と比べて、この領域内のエネルギーは低く、それゆえ、この領域内で生成されたイオンは望ましくないほど低いイオンエネルギーを有するおそれがある。結果として、これらのイオンは、この領域内に捕捉される傾向がある。これらのイオンは本明細書において「低エネルギー」又は「より低いエネルギーの」又は「捕捉された」イオンと呼ばれる場合があり、そのイオンは、この文脈では、イオン源400に対して意図された動作条件下でトラッピング領域内に捕捉できるほど十分に低いエネルギーを有するイオンを指している。これに対して、イオン化チャンバ408において通常生成される、「高エネルギー」又は「より高いエネルギーの」又は「捕捉されない」イオンは、レンズアセンブリ420を突き抜けて、下流イオン処理デバイスに入ることができる。イオントラッピングは望ましくない空間電荷を生じ、イオン電流を不安定にするおそれがあるので、結果として望ましくない、一定しない性能になる。
第2のレンズ素子552は、第2のレンズ素子552と抽出器548との間の領域内のイオントラッピングを実質的に低減するか、又は解消するために設けられる。第2のレンズ素子552上に設定された電圧は、第1のレンズ素子550上に設定された電圧よりも高い正値とすることができる。結果として、第2のレンズ素子552は、低エネルギーイオンを反射して第1のレンズ素子550に向かって戻し、これらのイオンはその後、第1のレンズ素子550と衝突して中和される。さらに、第1のレンズ素子550は、トラッピング領域内のイオントラッピングを最小化するために、抽出器548に実行可能な限り近くに位置決めすることができる。
幾つかの実施形態では、電子放出を開始するときに、「初期」電子エネルギーは、熱イオン陰極538とイオンリペラ540との間の電位差として設定することができる。陰極538又はイオンリペラ540上の電圧が変化しても、他の構成要素上の電圧を調整することによって、この電位差を所望の固定値に保持することができる。例えば、電子反射体544上の電圧に追従するように陰極538上の電圧を調整することによって、適切な電子エネルギーオフセットを依然として保持しながら、イオンリペラ540をランプ制御し、最適化することができる。さらに、第1のレンズ素子550上の電圧は、陰極電圧に追従し、第1のレンズ素子550の電子反射機能を最適化することができる。追従機能は、例えば、図3において概略的に示されるコントローラ324によって実施することができる。初期設定の動作として、コントローラ324は、陰極電圧を読み取り、同じ値を第1のレンズ素子550に印加することができる。第1のレンズ素子550の最適化を更に改善できるようにするために、更なる印加オフセット電圧をランプ制御し、初期設定の印加陰極整合電圧と加算することができる。すなわち、VFIRST LENS ELEMENT=VCATHODE+VOFFSETである。オフセット電圧を印加することにより、第1のレンズ素子550において、より強い電子反射をもたらし、第1のレンズ素子550と抽出器548との間のイオントラッピング領域への電子の流入を最小化することができ、それにより、より実用的な高エネルギーイオンの量を増やし、望ましくない低エネルギーイオンの量を減らすことができる。同様に、電子エネルギーのランプ制御は陰極電圧を変更し、第1のレンズ素子550に印加される電圧もランプ制御される陰極電圧に十分に追従することができる。
幾つかの応用形態では、イオン源において生じる電子空間電荷の効果を低減するか、又は解消することが望ましい場合がある。例えば、空間電荷効果は、電子ビームを制御不能に変調させ、それにより、イオンビームの安定性に悪影響を及ぼすほど著しい場合がある。これに対処するために、幾つかの実施形態では、電子源416、レンズアセンブリ420及び/又は本体404の導電性素子のうちの1つ又は複数に周期的な電圧を印加することができる。周期的な電圧は周期的なDCパルス(実験的に最適化されたパルス幅、周期及び振幅を有する)、又は高周波(例えば、RF)電位とすることができる。周期的な電圧は、汚染物質のレベルが上昇することから生じる望ましくない任意の表面電荷蓄積を放電することができる。代替的には、例えば、適切な電子光学系を利用して、電子ビームをイオン源軸から離れるように周期的に偏向させること等によって、電子ビームをゲート制御して空間電荷蓄積を軽減することができる。幾つかの実施形態では、空間電荷効果は、米国特許第7,291,845号において開示される技法を実施することによって対処することができ、その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
図6は、別の実施形態による、図4及び図5に示されるイオン源400の一部の概略図である。この実施形態では、陰極(フィラメント)538とイオンリペラ540との間において、電子源416に更なる電極(又は電子抽出器)602が追加される。電子抽出器602に適切な電圧を印加することによって、特に低い電子エネルギー(例えば、9eV〜25eV)において動作しているときに、電子抽出器602を利用して、電子源416内の電界条件を調整することができる。例えば、電子抽出器602は、電子を陰極538から離し、イオン化チャンバ508に向かって引き込み、イオン源の本体404とイオンリペラ540との間の電位差を低くしておくのを支援することができる。
本明細書において開示される方法を実施する際に用いるのに適した軸方向イオン源の更なる説明が、本出願と同時に出願された「AXIAL MAGNETIC ION SOURCE AND RELATED IONIZATION METHODS」と題する米国特許出願、代理人整理番号第20130105−01号において提供されており、その内容全体は引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
実施例1
図7は、それぞれ70eV(上側スペクトル)及び11eV(下側スペクトル)の電子エネルギーを用いるEIによって収集されたn−テトラコンタン(C4490、CAS#7098−22−8、分子量:618.72)、すなわち、HC44の場合の質量スペクトルを示す。上記で言及されたように、70eVは、共通の概ね一般的な用途における通常の電子エネルギー値であり、11eVは、本明細書において教示されるようなEIソフトイオン化エネルギーの範囲内にある。70eVを用いる一般的な実施では、HC44の特徴的な分子イオンピークは見つからないか、又は雑音に埋もれるかのいずれかであるので、HC44は、そのスペクトル(上側スペクトル)に関して他の直鎖炭化水素に概ね同一である。これに対して、あらかじめ設定された条件下でソフトEIモード(例えば、11eVの電子エネルギー)に迅速に切り替えると、下側スペクトルにおいて示されるように、HC44を一義的に識別することができる。
実施例2
ポリ塩化ビフェニル(PCB)には10段階の異なる度合いの塩素化に応じて209個の異なる同族体がある。標準的な構成を用いるGCによって、それらの全てを完全に分離することは難しい。PCBのフラグメントイオンピークが互いに重なり、確認同定を混乱させ、分子イオンを分かりにくくするので、GCによって完全に分離されないとき、一般的な実施の70eV EIを用いるPCBのうちの幾つかの定量化は極めて難しい作業である。図8は、それぞれ70eV(上側スペクトル)及び13eV(下側スペクトル)の電子エネルギーを用いるEIによって収集された2,2’,3,4’,6,6’−ヘキサクロロ−1,1’−ビフェニル(C12Cl、分子量:360.88g/mol)の場合の質量スペクトルを示す。本明細書において教示されるようなソフトEIモード(例えば、13eVの電子エネルギー)を適用して、PCBをイオン化するときに、分子イオンピークが唯一の著しいピークであることが明らかである。したがって、その溶離期間中に13eV EIイオン化に単に切り替えることによって、分離されていないPCBの定量化を達成することができる。
例示的な実施形態
ここで開示されている主題により提供される例示的な実施形態は、以下を含むが、これらに限定されない。
1.質量スペクトルデータを収集する方法であって、該方法は、(a)電子イオン化(EI)源内で第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するステップと、(b)対象被分析物を含むサンプルを前記EI源に導入するステップと、(c)前記サンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第1の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、(d)前記第1の被分析物イオンを質量分析器に送り込むステップであって、前記第1の電子エネルギーに相関する第1の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、(e)前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整するステップと、(f)前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第2の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、(g)前記第2の被分析物イオンを前記質量分析器に送り込むステップであって、前記第2の電子エネルギーに相関する第2の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、を含む。
2.実施形態1の方法であって、前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて照射するステップの後に、前記電子ビームを前記第1の電子エネルギーと前記第2の電子エネルギーとの間で1回又は複数回循環させるステップであって、循環させるたびに、前記サンプルに照射する前記ステップ、及びイオンを前記質量分析器に送り込む前記ステップを繰り返す方法。
3.実施形態1の方法であって、前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて照射するステップの後に、前記電子エネルギーを調整する前記ステップ、前記サンプルに照射する前記ステップ及びイオンを前記質量分析器に送り込む前記ステップを1回又は複数回繰り返すことによって、1つ又は複数の更なる電子エネルギーに基づいて1つ又は複数の更なる質量スペクトルを生成するステップを含む方法。
4.実施形態3の方法であって、その方法では、前記更なる電子エネルギーの少なくとも1つは、前記第1の電子エネルギーと異なり、かつ前記第2の電子エネルギーと異なる第3の電子エネルギーであり、前記第3の電子エネルギーに相関する第3の質量スペクトルが生成される。
5.実施形態3又は4の方法であって、(h)メモリ内に相関データを記憶することによってスペクトルライブラリを構築するステップを含み、前記相関データは各質量スペクトルを、前記質量スペクトルを生成するために利用された前記電子エネルギーと相関させるステップを含む方法。
6.実施形態5の方法であって、複数の異なる対象被分析物を得るために、実施形態1のステップ(a)〜(g)及び実施形態5のステップ(h)を複数回繰り返すことを含み、前記相関データは、対象被分析物ごとに、その被分析物から生成される各質量スペクトルを、前記質量スペクトルを生成するために利用された前記電子エネルギーと相関させる方法。
7.実施形態1〜6のいずれかの方法であって、前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルから、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのいずれがターゲット被分析物イオンの最も高い存在量をもたらすターゲット電子エネルギーであるかを判断するステップを含み、前記ターゲット被分析物イオンは前記対象被分析物の特性を示すことがわかっているイオンである方法。
8.実施形態7の方法であって、前記電子エネルギーを調整するステップ、前記サンプルに照射するステップ及び前記イオンを質量分析器に送り込むステップを1回又は複数回繰り返すことによって、1つ又は複数の更なる電子エネルギーに基づいて1つ又は複数の更なる質量スペクトルを生成するステップと、前記1つ又は複数の更なる質量スペクトルから、前記1つ又は複数の更なる電子エネルギーのうちのいずれが前記ターゲット被分析物イオンの最も高い存在量をもたらすかを判断するステップと、前記ターゲット被分析物の最も高い存在量をもたらす前記更なる電子エネルギーの場合に、前記更なる電子エネルギーが、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーよりも、前記ターゲット被分析物イオンの高い存在量をもたらすか否かを判断するステップとを含む方法。
9.実施形態8の方法であって、相関データをメモリに記憶するステップを含み、前記相関データは、前記ターゲット被分析物イオンを前記ターゲット電子エネルギーと相関させ、前記ターゲット電子エネルギーは、前記第1の電子エネルギー、前記第2の電子エネルギー、及び前記1つ又は複数の更なる電子エネルギーの中のターゲット被分析物イオンの最も高い存在量をもたらす電子エネルギーである方法。
10.実施形態7〜9のいずれかの方法であって、前記ターゲット被分析物イオンは、前記対象被分析物の質量に近い質量を有する分子イオン又は高質量イオンである方法。
11.実施形態7〜10のいずれかの方法であって、(h)メモリ内に相関データを記憶するステップを含み、前記相関データはターゲット被分析物イオンを、前記ターゲット電子エネルギーと相関させる方法。
12.実施形態11の方法であって、複数の異なる対象被分析物を得るために実施形態1の(a)〜(g)と、実施形態11の(h)とを複数回繰り返すステップによってスペクトルライブラリを構築するステップを含み、前記相関データは、対象被分析物ごとに、その被分析物のターゲット被分析物イオン特性を、前記ターゲット電子エネルギーと相関させる方法。
13.実施形態11又は12の方法であって、前記電子ビームを前記ターゲット電子エネルギーに調整するステップと、更なるサンプルをEI源に導入するステップと、更なるサンプルをターゲット電子エネルギーにおいてイオン化するステップとを含む方法。
14.実施形態1〜13のいずれかの方法であって、前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから前記対象被分析物を含むピークを溶離するステップを含む方法。
15.実施形態1〜13のいずれかの方法であって、前記対象被分析物は第1の対象被分析物であり、ぜんっきサンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから、前記第1の対象被分析物を含む第1のピークを含む、複数のピークを溶離するステップを含み、前記第1のピーク後の各ピークは前記第1の対象被分析物とは異なるそれぞれの対象分析物を含み、前記ピークはEI源に順次に入り、ピークごとに、実施形態1のステップ(c)〜(g)を実行し、ピークごとに、前記第1の電子エネルギーに基づいて第1の質量スペクトルが生成され、前記第2の電子エネルギーに基づいて第2の質量スペクトルが生成される方法。
16.実施形態1〜15のいずれかの方法であって、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーは9eV〜150eVの範囲内にある方法。
17.実施形態1〜15のいずれかの方法であって、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーは9eV〜25eVの範囲内にある方法。
18.実施形態1〜17のいずれかの方法であって、前記第1の質量スペクトルによって与えられたスペクトルデータに基づいて前記第2の電子エネルギーを選択するステップを含む方法。
19.実施形態18の方法であって、前記第2の電子エネルギーを選択するように前記EI源を制御するコントローラを動作させるステップを含む方法。
20.実施形態18又は19の方法であって、前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから前記対象被分析物を含むピークを溶離するステップを含み、前記第2の電子エネルギーを選択するステップは、前記ピークを溶離中に実行される方法。
21.実施形態1〜20のいずれかの方法であって、前記EI源は軸方向EI源であり、前記サンプルに照射するステップは、前記電子ビームと同軸のイオンビームを生成する方法。
22.実施形態1〜21のいずれかの方法であって、前記EI源は前記EI源のイオン出口と同軸のEI源軸に沿った長さを有するイオン化チャンバを備え、前記電子ビームを生成するステップは、前記EI源軸に沿って前記電子ビームを集束させるステップを含み、前記サンプルに照射するステップは、前記EI源軸に沿ってイオンビームを生成するステップを含む方法。
23.実施形態22の方法であって、前記イオン化チャンバに軸方向磁界をかけて、前記EI源軸に沿って前記電子ビームを圧縮するステップを含む方法。
24.実施形態22の方法であって、前記電子ビームの電子を反射して前記EI源軸に沿って往復させ、前記電子ビームを強くするステップを含む方法。
25.質量スペクトルデータを収集する方法であって、この方法は、電子イオン化(EI)源が動作することになる少なくとも第1の電子エネルギー及び第2の電子エネルギーを選択するステップであって、前記第2の電子エネルギーは前記第1の電子エネルギーとは異なる、選択するステップと、前記EI源において電子ビームを生成するステップと、前記EI源にサンプルを導入するステップであって、前記サンプルは、少なくとも第1の対象被分析物及び第2の対象被分析物を含むことがわかっているか、又は含むと思われる、導入するステップと、前記サンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して第1の組のイオンを生成するステップと、前記第1の組のイオンを前記EI源から送り出すステップと、前記電子エネルギーを前記第2の電子エネルギーに調整するステップと、前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して第2の組のイオンを生成するステップと、前記第2の組のイオンを前記EI源から送り出すステップとを含み、前記第1の電子エネルギーは前記第1の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第1のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように選択され、前記第2の電子エネルギーは前記第2の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第2のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように選択される。
26.実施形態25の方法であって、前記選択するステップは、前記サンプルの属性に基づいて前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーを選択するようにコントローラを動作させるステップを含む方法。
27.実施形態26の方法であって、前記電子ビームの生成及び調整を制御するように前記コントローラを動作させるステップを含む方法。
28.実施形態26又は27の方法であって、前記選択するステップは、相関データが記憶されたメモリにアクセスするように前記コントローラを動作させるステップを含み、前記相関データは、異なる属性を前記EI源内で利用されることになるそれぞれの電子エネルギーと相関させる方法。
29.実施形態26〜28のいずれかの方法であって、前記属性は、前記サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物のタイプと、前記サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物を含む化合物の種類と、前記サンプルとともに前記EI源に流し込まれるマトリックスと、上記の属性のうちの2つ以上とからなる群から選択される方法。
30.実施形態25〜29のいずれかの方法であって、前記サンプルは、1つ又は複数の更なる対象被分析物を含むことがわかっているか、又は含むと思われており、その方法は、更なる被分析物ごとに、前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーとは異なる更なる電子エネルギーに調整するステップと、前記サンプルに前記更なる電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して、更なる1組のイオンを生成するステップと、前記更なる1組のイオンを前記EI源から送り出すステップとを更に含み、前記更なる電子エネルギーは、前記更なる対象被分析物の特性を示すことがわかっているターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように選択される方法。
31.実施形態25〜30のいずれかの方法であって、前記第1のターゲット被分析物イオンは前記第1の対象被分析物の質量に近い質量を有する分子イオン又は高質量イオンであり、前記第2のターゲット被分析物イオンは、前記第2の対象被分析物の質量に近い質量を有する分子イオン又は高質量イオンである方法。
32.実施形態25〜31のいずれかの方法であって、前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから、前記第1の対象被分析物を含む第1のピークと、前記第2の対象被分析物を含む第2のピークとを溶離するステップを含む方法。
33.実施形態25〜32のいずれかの方法であって、前記第1の1組のイオンを質量分析器に送り込んで、第1の質量スペクトルを生成するステップと、前記第2の1組のイオンを前記質量分析器に送り込んで、第2の質量スペクトルを生成するステップとを含む方法。
34.実施形態25〜33のいずれかの方法であって、前記EI源は軸方向EI源であり、前記サンプルに照射するステップは、前記電子ビームと同軸のイオンビームを生成する方法。
35.質量スペクトルデータを取り込む方法であって、該方法は、前記EI源において電子ビームを生成するステップと、前記EI源にサンプルを導入するステップと、前記サンプルに70eV未満の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して、被分析物イオンを生成するステップと、前記EI源から前記被分析物イオンを送り出すステップとを含む。
36.実施形態35の方法であって、前記サンプルに9eV〜25eVの範囲の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップを含む方法。
37.質量スペクトルデータを収集する方法であって、該方法は、電子イオン化(EI)源内で第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するステップと、前記EI源に第1のサンプルを導入するステップと、前記第1のサンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して、第1の被分析物イオンを生成するステップと、前記第1の被分析物イオンを質量分析器に送り込んで、第1の質量スペクトルを生成するステップと、前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整するステップと、前記EI源に第2のサンプルを導入するステップと、前記第2のサンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射して、第2の被分析物イオンを生成するステップと、前記第2の被分析物イオンを前記質量分析器に送り込んで、第2の質量スペクトルを生成するステップとを含む方法。
38.実施形態15の方法であって、メモリに相関データを記憶することによってスペクトルライブラリを構築するステップを含み、前記相関データは、サンプルごとに、各質量スペクトルを、前記質量スペクトルを生成するために利用された前記電子エネルギーと相関させる方法。
39.実施形態15の方法であって、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのうちの少なくとも一方を選択して、分子イオンを生成するステップを含む方法。
40.実施形態15の方法であって、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのうちの少なくとも一方は9eV〜25eVの範囲内にある方法。
41.実施形態1の方法であって、前記第1の質量スペクトルによって与えられたスペクトルデータに基づいて前記第2の電子エネルギーを選択するステップを含む方法。
42.実施形態1の方法であって、前記EI源は軸方向EI源であり、前記サンプルに照射するステップは、前記電子ビームと同軸のイオンビームを生成する方法。
43.先行する実施形態のいずれかの方法であって、前記EI源は前記EI源のイオン出口と同軸のEI源軸に沿って長さを有するイオン化チャンバと、熱イオン陰極及び電子抽出器を備える電子源と、前記イオン化チャンバと前記電子抽出器との間にあるイオンリペラとを備え、前記電子ビームを生成するステップは、前記陰極から電子を放出するステップと、前記電子抽出器を動作させるステップによって、前記放出された電子を陰極から引き離すステップと、前記電子ビームを前記EI源軸に沿って集束させるステップとを含み、前記サンプルに照射するステップは、前記EI源軸に沿ってイオンビームを生成するステップを含む方法。
44.先行する方法のいずれか1つの方法のステップのうちの1つ又は複数を実行するように構成される電子イオン化(EI)源。
45.電子イオン化(EI)源を備え、先行する方法のいずれか1つの方法のステップのうちの1つ又は複数を実行するように構成される質量分析(MS)システム。
46.先行する方法のいずれか1つの方法のステップのうちの1つ又は複数を実行するための命令を含むコンピュータ可読記憶媒体。
47.実施形態46のコンピュータ可読記憶媒体を備える、質量分析(MS)システム。
図3に概略的に示されるシステムコントローラ324は、イオン源の種々の機能的な態様を制御し、監視し、タイミングをとり、同期させ、及び/又は調整するように構成される1つ又は複数のモジュールを表すことができることは理解されよう。また、システムコントローラ324は、例えば、イオン測定信号を受信すること、及び必要に応じてデータ収集及び信号解析に関連する他のタスクを実行し、解析中のサンプルを特徴付ける質量スペクトルを生成することを含め、関連する質量分析システムの機能又は構成要素を制御するように構成される1つ又は複数のモジュールを表す場合もある。
全てのそのような目的のために、コントローラ324は、本明細書において開示される方法のいずれかを実行する命令を含むコンピュータ可読媒体を含むことができる。コントローラ324は、破線によって表される有線又は無線通信リンクを介してイオン源の様々な構成要素及び他の構成要素と信号通信するように概略的に示される。また、これらの目的のために、コントローラ324は、1つ又は複数のタイプのハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアと、1つ又は複数のメモリ及びデータベースとを含む場合がある。コントローラ324は通常、全体的な制御を与える主電子プロセッサを含み、専用制御動作又は特定の信号処理タスクのために構成される1つ又は複数の電子プロセッサを含む場合がある。また、システムコントローラ324は、種々の構成要素に電圧を印加するために、必要に応じて、具体的には示されない全ての電圧源と、タイミングコントローラ、クロック、周波数/波形発生器とを概略的に表す場合もある。コントローラ324は、ユーザ入力デバイス(例えば、キーパッド、タッチスクリーン、マウス等)、ユーザ出力デバイス(例えば、ディスプレイ画面、プリンタ、可視指示体又は警告、可聴指示体又は警告等)、ソフトウェアによって制御されるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)、電子プロセッサによって読出し可能な媒体(例えば、ソフトウェアにおいて具現される論理命令、データ等)をロードするデバイス等の、1つ又は複数のタイプのユーザインターフェースデバイスを表す場合もある。コントローラ324は、コントローラ324の種々の機能を制御し、管理するオペレーティングシステム(例えば、Microsoft Windows(登録商標)ソフトウェア)を含む場合もある。
本明細書において用いられるときに、「信号通信する」という用語は、2つ以上のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールが、或るタイプの信号経路を介して進行する信号を介して互いに通信することができることを意味することは理解されよう。それらの信号は、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールと第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールとの間の信号経路に沿って第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールから第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールに情報、電力又はエネルギーを伝達することができる、通信信号、電力信号、データ信号又はエネルギー信号とすることができる。信号経路は、物理的接続、電気的接続、磁気的接続、電磁的接続、電気化学的接続、光学的接続、有線接続又は無線接続を含むことができる。また、信号経路は、第1のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールと第2のシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールとの間の更なるシステム、デバイス、構成要素、モジュール又はサブモジュールを含む場合もある。
概して、「通信する(連通する)(communicate)」及び「通信している(in...communication with)」(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素と「通信する」又は「通信している)等の用語を、本明細書では、2つ以上の構成要素又は要素間の構造的、機能的、機械的、電気的、信号、光、磁気、電磁気、イオン又は流体関係を示すように用いている。したがって、1つの構成要素が第2の構成要素と通信すると言われることは、第1の構成要素と第2の構成要素との間に追加の構成要素が存在し、及び/又はそれらに動作的に関連するか若しくは関与する可能性を排除するようには意図されていない。
本発明の様々な態様又は詳細を、本発明の範囲から逸脱することなく変更することができることが理解されよう。さらに、上記説明は、単に例示の目的のものであって限定の目的のものではなく、本発明は特許請求の範囲によって規定される。

Claims (20)

  1. 質量スペクトルデータを収集する方法であって、該方法は、
    (a)電子イオン化(EI)源内で第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するステップと、
    (b)対象被分析物を含むサンプルを前記EI源に導入するステップと、
    (c)前記サンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第1の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
    (d)前記第1の被分析物イオンを質量分析器に送り込むステップであって、前記第1の電子エネルギーに相関する第1の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
    (e)前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整するステップと、
    (f)前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、前記対象被分析物から第2の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
    (g)前記第2の被分析物イオンを前記質量分析器に送り込むステップであって、前記第2の電子エネルギーに相関する第2の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
    を含む、質量スペクトルデータを収集する方法。
  2. 前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて照射するステップの後に、
    前記電子ビームを前記第1の電子エネルギーと前記第2の電子エネルギーとの間で1回又は複数回循環させるステップであって、循環させるたびに、前記サンプルに照射する前記ステップ、及びイオンを前記質量分析器に送り込む前記ステップを繰り返す、循環させるステップと、
    前記電子エネルギーを調整する前記ステップ、前記サンプルに照射する前記ステップ及びイオンを前記質量分析器に送り込む前記ステップを1回又は複数回繰り返すことによって、1つ又は複数の更なる電子エネルギーに基づいて1つ又は複数の更なる質量スペクトルを生成するステップと、
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて照射するステップの後に、
    前記電子エネルギーを調整する前記ステップ、前記サンプルに照射する前記ステップ及びイオンを前記質量分析器に送り込む前記ステップを1回又は複数回繰り返すことによって、1つ又は複数の更なる電子エネルギーに基づいて1つ又は複数の更なる質量スペクトルを生成するステップと、
    メモリ内に相関データを記憶することによってスペクトルライブラリを構築するステップであって、前記相関データは各質量スペクトルを、前記質量スペクトルを生成するのに利用された前記電子エネルギーと相関させる、構築するステップと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法は、前記第1の質量スペクトル及び前記第2の質量スペクトルから、前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのいずれがターゲット電子エネルギーであるかを判断するステップを含み、前記ターゲット電子エネルギーは、ターゲット被分析物イオンの最も高い存在量をもたらすか、他のフラグメントイオンに対するターゲット被分析物イオンの最も高い比をもたらすか、又は前記ターゲット被分析物イオンの最も高い存在量及び前記他のフラグメントイオンに対するターゲット被分析物イオンの最も高い比の両方をもたらし、前記ターゲット被分析物イオンは前記対象被分析物の特性を示すことがわかっているイオンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (h)メモリに相関データを記憶するステップであって、前記相関データは前記ターゲット被分析物イオンを前記ターゲット電子エネルギーと相関させる、記憶するステップを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記電子ビームを前記ターゲット電子エネルギーに調整するステップと、更なるサンプルを前記EI源に導入するステップと、前記更なるサンプルを前記ターゲット電子エネルギーにおいてイオン化するステップとを含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記対象被分析物は第1の対象被分析物であり、
    前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから、前記第1の対象被分析物を含む第1のピークを含む、複数のピークを溶離するステップを含み、前記第1のピーク後の各ピークは前記第1の対象被分析物とは異なるそれぞれの対象分析物を含み、前記ピークは前記EI源に順次に入り、
    ピークごとに、請求項1に記載のステップ(c)〜(g)を実行し、
    ピークごとに、前記第1の電子エネルギーに基づいて第1の質量スペクトルが生成され、前記第2の電子エネルギーに基づいて第2の質量スペクトルが生成される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記方法は、前記第1の質量スペクトルによって与えられたスペクトルデータに基づいて前記第2の電子エネルギーを選択するステップを含み、前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから前記対象被分析物を含むピークを溶離するステップを含み、前記第2の電子エネルギーを選択するステップは、前記ピークを溶離中に実行される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記サンプルは少なくとも第1の対象被分析物及び第2の対象被分析物を含むことがわかっているか、又は含むと思われており、該方法は、前記第1の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第1のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように前記第1の電子エネルギーを選択するステップと、前記第2の対象被分析物の特性を示すことがわかっている第2のターゲット被分析物イオンを優先的に生成するように前記第2の電子エネルギーを選択するステップとを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記サンプルの属性に基づいて前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのうちの少なくとも一方を選択するステップを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記選択するステップは、相関データが記憶されたメモリにアクセスするようにコントローラを動作させるステップを含み、前記相関データは、異なる属性を前記EI源内で利用されることになるそれぞれの電子エネルギーと相関させる、請求項10に記載の方法。
  12. 前記属性は
    前記サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物のタイプと、
    前記サンプル内に含まれることがわかっているか、又は含まれると思われる対象被分析物を含む化合物の種類と、
    前記サンプルとともに前記EI源に流し込まれるマトリックスと、
    上記の属性のうちの2つ以上と、
    からなる群から選択される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 質量スペクトルデータを収集する方法であって、該方法は、
    電子イオン化(EI)源内で第1の電子エネルギーにおいて電子ビームを生成するステップと、
    前記EI源に第1のサンプルを導入するステップと、
    前記第1のサンプルに前記第1の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、第1の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
    前記第1の被分析物イオンを質量分析器に送り込むステップであって、第1の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
    前記電子エネルギーを前記第1の電子エネルギーとは異なる第2の電子エネルギーに調整するステップと、
    前記EI源に第2のサンプルを導入するステップと、
    前記第2のサンプルに前記第2の電子エネルギーにおいて前記電子ビームを照射するステップであって、第2の被分析物イオンを生成する、照射するステップと、
    前記第2の被分析物イオンを質量分析器に送り込むステップであって、第2の質量スペクトルを生成する、送り込むステップと、
    を含む、質量スペクトルデータを収集する方法。
  14. 前記方法は、メモリに相関データを記憶することによってスペクトルライブラリを構築するステップを含み、前記相関データは、サンプルごとに、各質量スペクトルを、該質量スペクトルを生成するために利用された前記電子エネルギーと相関させる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのうちの少なくとも一方を選択するステップであって、分子イオンを生成する、選択するステップを含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 第1の電子エネルギー及び前記第2の電子エネルギーのうちの前記少なくとも一方は9eV〜25eVの範囲内にある、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1の質量スペクトルによって与えられるスペクトルデータに基づいて前記第2の電子エネルギーを選択するステップを含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記サンプルを導入するステップは、クロマトグラフィカラムから前記対象被分析物を含むピークを溶離するステップを含み、前記第2の電子エネルギーを選択するステップは、前記ピークを溶離中に実行される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記EI源は軸方向EI源であり、前記サンプルに照射するステップは、前記電子ビームと同軸のイオンビームを生成する、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 電子イオン化(EI)源を備え、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される質量分析(MS)システム。
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