JP2015007544A - 放電イオン化電流検出器及びこれを備えた分析装置 - Google Patents

放電イオン化電流検出器及びこれを備えた分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができる放電イオン化電流検出器及びこれを備えた分析装置を提供する。【解決手段】検出器本体1内の圧力を測定する圧力センサ7を設ける。圧力センサ7により検出器本体1内の圧力を正確に測定することができるため、測定した検出器本体1内の圧力値を用いて、カラム2における試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができる。また、圧力センサ7により測定される検出器本体1内の圧力に基づいて、プラズマ生成ガス供給路3から供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整すれば、カラム2における試料ガスの流量が変動するような場合であっても、検出器本体1内の試料成分の濃度を常に一定に保つことが可能になる。これにより、一定の感度で分析を行うことが可能になるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、検出器本体内でプラズマ生成ガスを放電により電離させてプラズマを発生させ、そのプラズマからの励起光を用いて、カラムから検出器本体内に供給される試料ガス中の試料成分をイオン化させることにより、イオン化電流を検出する放電イオン化電流検出器及びこれを備えた分析装置に関するものである。
ガスクロマトグラフなどの分析装置に用いられる検出器の一例として、放電イオン化電流検出器が知られている。この種の検出器では、検出器本体内に試料ガス及びプラズマ生成ガスを供給し、検出器本体内でプラズマを発生させて試料ガス中の試料成分をイオン化させるとともに、検出器本体内のガスをガス排出路から排出させるようになっている(例えば、下記特許文献1参照)。
図2は、従来の放電イオン化電流検出器の構成例を示す概略図である。この放電イオン化電流検出器には、中空状の検出器本体101と、検出器本体101内に試料ガスを供給するカラム102と、検出器本体101内にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給路103と、検出器本体101内のガスを排出するガス排出路104とが備えられている。
検出器本体101には、プラズマ生成用電極111とイオン化電流検出用電極112とが設けられている。プラズマ生成ガス供給路103から検出器本体101内に供給されるプラズマ生成ガスは、プラズマ生成用電極111における放電により電解され、検出器本体101内にプラズマが発生する。カラム102から検出器本体101内に供給される試料ガス中の試料成分は、プラズマからの励起光によりイオン化され、イオン化電流検出用電極112との間で電子が授受されることによりイオン化電流が発生する。
ガス排出路104は、例えば第1排出路141と第2排出路142とからなる。第1排出路141には、当該第1排出路141を通過するガスに対する抵抗105が設けられており、第2排出路142には、当該第2排出路142を通過するガスに対する抵抗106が設けられている。各抵抗105、106は、固定抵抗であってもよいし、可変抵抗であってもよい。
第1排出路141は、イオン化電流検出用電極112に対してプラズマ生成ガス供給路103側(図2における上方側)から検出器本体101内のガスを排出させる。一方、第2排出路142は、イオン化電流検出用電極112に対してプラズマ生成ガス供給路103側とは反対側(図2における下方側)、すなわちカラム102側から検出器本体101内のガスを排出させる。
したがって、第1排出路141を通過するガスに対する抵抗105と、第2排出路142を通過するガスに対する抵抗106との比率(抵抗比)に応じて、検出器本体101内(イオン化電流検出用電極112の周辺)におけるプラズマ生成ガスの濃度が変動することとなる。この放電イオン化電流検出器は、いわゆる濃度型検出器であり、検出器本体101内のプラズマ生成ガスの濃度が高いほど、検出感度が低くなるという特性を有している。そのため、検出器本体101内のプラズマ生成ガスの濃度が必要最低限となるように、抵抗105と抵抗106との抵抗比を設定することにより、高感度で検出を行うことが可能となる。
プラズマ生成ガス供給路103には、例えば比例制御バルブ107が設けられており、この比例制御バルブ107の開度を調整することにより、検出器本体101内に供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整することができる。プラズマ生成ガス供給路103における比例制御バルブ107と検出器本体101との間には抵抗108が設けられており、当該抵抗108の上流側に圧力センサ109が設けられている。
圧力センサ109により検知されるプラズマ生成ガスの圧力値は、制御部110に入力される。制御部110は、圧力センサ109により入力される圧力値と、抵抗108の抵抗値とに基づいて、プラズマ生成ガスの流量を測定し、当該流量が一定になるように比例制御バルブ107の開度を調整する。
特開2011−158357号公報
上記のように、検出器本体101内のガスを排出するガス排出路104に抵抗105、106が設けられた構成においては、検出器本体101内に少なからず圧力が生じることとなる。しかしながら、検出器本体101内の圧力が一定とはならないため、カラム102における試料ガスの流量(カラム流量)や線速度(カラム線速度)を精度よく算出することができないという問題があった。
例えば、抵抗105、106として可変抵抗を用いた場合には、各抵抗105、106の抵抗値又は抵抗比の変化に応じて検出器本体101内の圧力が変動する。カラム流量やカラム線速度は、カラム102の出口圧と入口圧とに基づいて算出されるため、カラム102の出口圧としての検出器本体101内の圧力が不明確である場合には、カラム流量やカラム線速度を精度よく算出することができない。
一方、抵抗105、106として固定抵抗を用いた場合には、各抵抗105、106の抵抗値又は抵抗比の変化に応じて検出器本体101内の圧力が変動するといったことはないが、プラズマ生成ガスの流量の変化や昇温分析時のカラム流量の変化などに起因して検出器本体101内の圧力が変動するため、やはりカラム流量やカラム線速度を精度よく算出することができない。すなわち、プラズマ生成ガスの流量が一定になるように比例制御バルブ107の開度を調整したとしても、若干量の流量の変化が生じることは避けられない。また、昇温分析時にはカラム102の温度が上昇するため、それに伴いカラム流量が減少することとなる。
カラム線速度を精度よく算出することができない場合には、同一のカラム102を用いて同一のカラム線速度で分析を行ったとしても、試料保持時間が同一にならないため、分析条件などを再度検討する必要が生じてしまう。また、昇温分析時などのように、カラム102の温度変化に伴いカラム流量が変動する場合には、検出器本体101内を流れる試料成分の濃度を一定に保つことができないため、一定の感度で分析を行うことができない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができる放電イオン化電流検出器及びこれを備えた分析装置を提供することを目的とする。
本発明に係る放電イオン化電流検出器は、中空状の検出器本体と、前記検出器本体内に試料ガスを供給するカラムと、前記検出器本体内にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給路と、プラズマ生成ガスを放電により電離させてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、プラズマからの励起光によりイオン化される試料ガス中の試料成分に基づいてイオン化電流を検出するイオン化電流検出部と、前記検出器本体内のガスを排出し、通過するガスに対して所定の抵抗を有することにより前記検出器本体内に圧力を発生させるガス排出路と、前記検出器本体内の圧力を測定する圧力センサとを備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、圧力センサにより検出器本体内の圧力を正確に測定することができるため、測定した検出器本体内の圧力値を用いて、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができる。カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができれば、他の検出器により分析を行ったときの分析条件を転用することが可能になるため、分析条件の検討作業を簡略化することができる。
前記放電イオン化電流検出器は、前記圧力センサにより測定される前記検出器本体内の圧力に基づいて、前記カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を算出する処理を行う試料ガス算出処理部をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、圧力センサにより測定される検出器本体内の圧力に基づいて、試料ガス算出処理部による処理が行われることにより、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度が自動的に算出される。したがって、プラズマ生成ガスの流量の変化や昇温分析時のカラム流量の変化などに起因して、検出器本体内の圧力が変動するような場合であっても、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を常に精度よく算出することができる。
前記放電イオン化電流検出器は、前記圧力センサにより測定される前記検出器本体内の圧力に基づいて、前記プラズマ生成ガス供給路から供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整する処理を行うプラズマ生成ガス調整処理部をさらに備えていてもよい。
このような構成によれば、圧力センサにより測定される検出器本体内の圧力に基づいて、プラズマ生成ガス調整処理部による処理が行われることにより、プラズマ生成ガス供給路から供給されるプラズマ生成ガスの流量が自動的に調整される。したがって、カラムにおける試料ガスの流量が変動するような場合であっても、プラズマ生成ガスの流量を調整して検出器本体内の試料成分の濃度を常に一定に保つことが可能になる。これにより、一定の感度で分析を行うことが可能になるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。
また、プラズマ生成ガスの流量を調整して検出器本体内の圧力を意図的に高くすることも可能である。この場合、検出器本体内に外部から空気が流入するのを防止することができるため、イオン化電流検出部におけるイオン化電流の検出結果にノイズが生じるのを防止することができる。また、イオン化電流検出部側からプラズマ発生部側に試料ガスが拡散しにくくなるため、プラズマ発生部が試料ガス中の試料成分により汚染されるのを防止することができる。
前記ガス排出路には、前記イオン化電流検出部に対して前記プラズマ生成ガス供給路側から前記検出器本体内のガスを排出させる第1排出路と、前記イオン化電流検出部に対して前記プラズマ生成ガス供給路側とは反対側から前記検出器本体内のガスを排出させる第2排出路とが含まれていてもよい。
このような構成によれば、第1排出路を通過するガスに対する抵抗と、第2排出路を通過するガスに対する抵抗との比率に応じた感度で、イオン化電流検出部によりイオン化電流が検出される。したがって、上記比率を適切な値にすれば、高感度で検出を行うことができるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。
前記放電イオン化電流検出器は、前記第1排出路を通過するガスに対する抵抗と、前記第2排出路を通過するガスに対する抵抗との比率を変更可能であってもよい。
このような構成によれば、第1排出路を通過するガスに対する抵抗と、第2排出路を通過するガスに対する抵抗との比率を任意に設定することができる。上記比率を変更した場合には、検出器本体内の圧力が変動することとなるが、本発明によれば、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。また、より高感度で検出を行うことができるように上記比率を設定すれば、さらに良好に分析を行うことができる。
前記圧力センサは、前記第1排出路に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、試料ガスが通過する第2排出路側ではなく、第1排出路側に圧力センサを設けることにより、圧力センサが試料ガス中の試料成分により汚染されるのを防止することができる。また、検出器本体よりも下流側に圧力センサが設けられるため、圧力センサから検出器本体内に不純物などが流入して、イオン化電流検出部におけるイオン化電流の検出結果にノイズが生じるのを防止することができる。
本発明に係る分析装置は、前記放電イオン化電流検出器と、前記イオン化電流検出部により検出されるイオン化電流に基づいて、試料ガスに対する分析を行う分析処理部とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、圧力センサにより測定した検出器本体内の圧力値を用いて、カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を精度よく算出することができる。
本発明の一実施形態に係る放電イオン化電流検出器を備えた分析装置の構成例を示す概略図である。 従来の放電イオン化電流検出器の構成例を示す概略図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る放電イオン化電流検出器を備えた分析装置の構成例を示す概略図である。この分析装置は、例えばガスクロマトグラフであり、放電イオン化電流検出器による検出結果に基づいて、試料ガスに含まれる試料成分の同定及び定量を行うことができる。放電イオン化電流検出器には、中空状の検出器本体1と、検出器本体1内に試料ガスを供給するカラム2と、検出器本体1内にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給路3と、検出器本体1内のガスを排出するガス排出路4とが備えられている。
検出器本体1は、長尺形状を有しており、一端部(図1における上端部)にプラズマ生成ガス供給路3が接続されるとともに、他端部(図2における下端部)から検出器本体1内にカラム2の先端が挿入されている。プラズマ生成ガスとしては、例えばヘリウムガスなどを用いることができる。試料ガスには、試料成分とキャリアガスとが含まれる。キャリアガスは、不活性ガスからなり、例えばプラズマ生成ガスと同様にヘリウムガスを用いることができる。ただし、プラズマ生成ガス及びキャリアガスは、ヘリウムガスに限らず、他のガスが用いられてもよい。
検出器本体1には、プラズマ生成用電極11とイオン化電流検出用電極12とが設けられている。プラズマ生成用電極11は、検出器本体1の一端部側に設けられており、検出器本体1内にプラズマを発生させるためのプラズマ発生部を構成している。プラズマ生成ガス供給路3から検出器本体1内に供給されるプラズマ生成ガスは、プラズマ生成用電極11における放電により電解され、検出器本体1内にプラズマが発生する。
イオン化電流検出用電極12は、検出器本体1の他端部側に設けられており、イオン化電流を検出するためのイオン化電流検出部を構成している。カラム2により検出器本体1内に供給される試料ガスは、カラム2の先端からイオン化電流検出用電極12の近傍に放出されるようになっている。
カラム2から検出器本体1内に供給される試料ガス中の試料成分は、プラズマからの励起光によりイオン化され、イオン化電流検出用電極12との間で電子が授受されることによりイオン化電流が発生する。このとき、試料ガスに含まれる試料成分の量に応じたイオン化電流が発生し、増幅器13を介して増幅された検出信号が出力されるようになっている。
ガス排出路4としては、第1排出路41及び第2排出路42が設けられている。第1排出路41は、イオン化電流検出用電極12に対してプラズマ生成ガス供給路3側(図1における上方側)から検出器本体1内のガスを排出させる。一方、第2排出路42は、イオン化電流検出用電極12に対してプラズマ生成ガス供給路3側とは反対側(図1における下方側)、すなわちカラム2側から検出器本体1内のガスを排出させる。
第1排出路41には、当該第1排出路41を通過するガスに対する抵抗5が設けられており、第2排出路42には、当該第2排出路42を通過するガスに対する抵抗6が設けられている。このように、第1排出路41及び第2排出路42がそれぞれ抵抗5、6を有することにより、検出器本体1内に圧力が発生することとなる。イオン化電流検出用電極12においては、抵抗5と抵抗6との比率(抵抗比)に応じた感度でイオン化電流が検出される。したがって、抵抗5と抵抗6との抵抗比を適切な値にすれば、高感度で検出を行うことができるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。
第1排出路41における抵抗5の上流側には、圧力センサ7が設けられている。検出器本体1と圧力センサ7との間には抵抗がないため、圧力センサ7により検出器本体1内の圧力を正確に測定することができる。検出器本体1内の圧力は、カラム2の出口圧である。したがって、圧力センサ7により測定される圧力(カラム2の出口圧)と、カラム2の上流側に設けられた圧力センサ21により測定される圧力(カラム2の入口圧)とに基づいて、カラム2における試料ガスの流量(カラム流量)や線速度(カラム線速度)を精度よく算出することができる。
特に、本実施形態では、試料ガスが通過する第2排出路42側ではなく、第1排出路41側に圧力センサ7が設けられているため、圧力センサ7が試料ガス中の試料成分により汚染されるのを防止することができる。また、検出器本体1よりも下流側に圧力センサ7が設けられるため、圧力センサ7から検出器本体1内に不純物などが流入して、イオン化電流検出用電極12におけるイオン化電流の検出結果にノイズが生じるのを防止することができる。ただし、圧力センサ7は、例えば第2排出路42側に設けられていてもよいし、プラズマ生成ガス供給路3側のように検出器本体1よりも上流側に設けられていてもよい。
プラズマ生成ガス供給路3には、例えば比例制御バルブ8が設けられており、この比例制御バルブ8の開度を調整することにより、検出器本体1内に供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整することができる。比例制御バルブ8の動作は、制御部9により制御することができるようになっている。本実施形態では、プラズマ生成ガス供給路3には抵抗が設けられていない。ただし、検出器本体1内に供給されるプラズマ生成ガスの流量は、比例制御バルブ8以外の流量調整手段を用いて調整されるような構成であってもよい。
制御部9は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、分析装置全体の動作を制御するための処理を行う。制御部9には、圧力センサ7、21及び増幅器13などからの信号が入力される。本実施形態における制御部9は、CPUがプログラムを実行することにより、試料ガス算出処理部91、プラズマ生成ガス調整処理部92及び分析処理部93などの各機能部として機能する。ただし、これらの各機能部の少なくとも1つが、別の制御部により構成されていてもよい。
試料ガス算出処理部91は、圧力センサ7、21からの入力信号に基づいて、カラム流量やカラム線速度を算出する処理を行う。具体的には、圧力センサ7により測定されるカラム2の出口圧と、圧力センサ21により測定されるカラム2の入口圧とを用いて、カラム流量を算出することができるとともに、当該カラム流量とカラム2の断面積とを用いて、カラム線速度を算出することができる。
このように、本実施形態では、圧力センサ7、21からの入力信号に基づいて、試料ガス算出処理部91による処理が行われることにより、カラム流量又はカラム線速度が自動的に算出される。したがって、プラズマ生成ガスの流量の変化や昇温分析時のカラム流量の変化などに起因して、検出器本体1内の圧力が変動するような場合であっても、カラム流量又はカラム線速度を常に精度よく算出することができる。圧力センサ7により測定される検出器本体1内の圧力は、カラム流量又はカラム線速度の算出に用いることができるだけでなく、スプリット比などの他の値の算出に用いることも可能である。
本実施形態では、各抵抗5、6がニードルバルブなどの可変抵抗、又は、比例制御バルブなどの流量調整手段で構成されることにより、抵抗5と抵抗6との抵抗比を任意に変更することができるようになっている。抵抗5と抵抗6との抵抗比を変更した場合には、検出器本体101内の圧力が変動することとなるが、本実施形態では、カラム流量又はカラム線速度を精度よく算出することができるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。また、より高感度で検出を行うことができるように上記抵抗比を設定すれば、さらに良好に分析を行うことができる。上記抵抗比は、手動で変更されてもよいし、制御部9の処理により変更されてもよい。
プラズマ生成ガス調整処理部92は、圧力センサ7からの入力信号に基づいて、比例制御バルブ8の開度を調整することにより、プラズマ生成ガス供給路3から検出器本体1内に供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整する処理を行う。すなわち、圧力センサ7により測定される検出器本体1内の圧力が所望の圧力となるように、プラズマ生成ガス調整処理部92が比例制御バルブ8の開度を調整することにより、プラズマ生成ガスの流量が自動的に調整される。
したがって、カラム流量が変動するような場合であっても、プラズマ生成ガスの流量を調整して検出器本体1内の試料成分の濃度を常に一定に保つことが可能になる。例えば、検出器本体1内の圧力が一定になるようプラズマ生成ガスの流量を調整すれば、プラズマ生成ガスの流量Fpとカラム流量Fcとの合計値(Fp+Fc)が一定に保たれる。当該合計値は、第1排出路41を通過するガスの流量F1と、第2排出路42を通過するガスの流量F2との合計値に等しい(Fp+Fc=F1+F2)。したがって、カラム流量が変動するような場合であっても、検出器本体1内を流れる試料成分の濃度を一定に保つことができる。これにより、一定の感度で分析を行うことが可能になるため、試料ガスに対する分析を良好に行うことができる。
また、プラズマ生成ガスの流量を調整して検出器本体1内の圧力を意図的に高くすることも可能である。この場合、検出器本体1内に外部から空気が流入するのを防止することができるため、イオン化電流検出用電極12におけるイオン化電流の検出結果にノイズが生じるのを防止することができる。また、イオン化電流検出用電極12側からプラズマ生成用電極11側に試料ガスが拡散しにくくなるため、プラズマ生成用電極11が試料ガス中の試料成分により汚染されるのを防止することができる。
分析処理部93は、イオン化電流検出用電極12からの検出信号に基づいて、試料ガスに対する分析を行う。この分析処理部93により試料ガスに含まれる試料成分の同定又は定量を行う際には、試料ガス算出処理部91により算出したカラム流量又はカラム線速度を用いることができる。分析処理部93による分析結果は、例えば表示部(図示せず)に表示されてもよい。
本実施形態における分析装置には、ハードディスク又はRAMなどにより構成される記憶部10が備えられており、分析処理部93により分析を行う際の分析条件を記憶部10に記憶することができるようになっている。分析条件は、例えば操作部(図示せず)を操作することにより予め設定することができ、分析処理部93が記憶部10から分析条件を読み出すことにより、当該分析条件を用いて分析を行うことができる。
上述の通り、本実施形態では、カラム流量又はカラム線速度を精度よく算出することができるため、他の検出器により分析を行ったときの分析条件を転用することが可能になる。したがって、分析条件の検討作業を簡略化することができ、作業効率を向上することができる。
以上の実施形態では、各抵抗5、6が可変抵抗又は流量調整手段で構成される場合について説明したが、各抵抗5、6の少なくとも一方は、例えば層流素子などにより構成される固定抵抗であってもよい。また、上記抵抗の概念には、第1排出路41又は第2排出路42の内径を小さくすることにより、第1排出路41又は第2排出路42を通過するガスに対して抵抗を持たせることも含まれる。
ただし、ガス排出路4は、第1排出路41及び第2排出路42の2つに限られるものではなく、ガス排出路4が1つだけ設けられた構成であってもよいし、3つ以上設けられた構成であってもよい。ガス排出路4が3つ以上設けられている場合、各ガス排出路4が所定の抵抗を有し、それらの抵抗比を変更可能であることが好ましい。
以上の実施形態では、分析装置がガスクロマトグラフである場合について説明したが、本発明は、ガスクロマトグラフ以外の分析装置にも適用可能である。また、本発明に係る放電イオン化電流検出器は、分析装置と一体的な構成に限らず、放電イオン化電流検出器のみを個別に提供することも可能である。なお、本発明に係る放電イオン化電流検出器は、あらゆる試料成分に対して感度を有する汎用性の高い検出器であるため、水素炎イオン化検出器(FID:Flame Ionization Detector)や熱伝導度検出器(TCD:Thermal
Conductivity Detector)などの代替機として使用することも可能である。
1 検出器本体
2 カラム
3 プラズマ生成ガス供給路
4 ガス排出路
5 抵抗
6 抵抗
7 圧力センサ
8 比例制御バルブ
9 制御部
10 記憶部
11 プラズマ生成用電極
12 イオン化電流検出用電極
13 増幅器
21 圧力センサ
41 第1排出路
42 第2排出路
91 試料ガス算出処理部
92 プラズマ生成ガス調整処理部
93 分析処理部

Claims (7)

  1. 中空状の検出器本体と、
    前記検出器本体内に試料ガスを供給するカラムと、
    前記検出器本体内にプラズマ生成ガスを供給するプラズマ生成ガス供給路と、
    プラズマ生成ガスを放電により電離させてプラズマを発生させるプラズマ発生部と、
    プラズマからの励起光によりイオン化される試料ガス中の試料成分に基づいてイオン化電流を検出するイオン化電流検出部と、
    前記検出器本体内のガスを排出し、通過するガスに対して所定の抵抗を有することにより前記検出器本体内に圧力を発生させるガス排出路と、
    前記検出器本体内の圧力を測定する圧力センサとを備えたことを特徴とする放電イオン化電流検出器。
  2. 前記圧力センサにより測定される前記検出器本体内の圧力に基づいて、前記カラムにおける試料ガスの流量又は線速度を算出する処理を行う試料ガス算出処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の放電イオン化電流検出器。
  3. 前記圧力センサにより測定される前記検出器本体内の圧力に基づいて、前記プラズマ生成ガス供給路から供給されるプラズマ生成ガスの流量を調整する処理を行うプラズマ生成ガス調整処理部をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の放電イオン化電流検出器。
  4. 前記ガス排出路には、前記イオン化電流検出部に対して前記プラズマ生成ガス供給路側から前記検出器本体内のガスを排出させる第1排出路と、前記イオン化電流検出部に対して前記プラズマ生成ガス供給路側とは反対側から前記検出器本体内のガスを排出させる第2排出路とが含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電イオン化電流検出器。
  5. 前記第1排出路を通過するガスに対する抵抗と、前記第2排出路を通過するガスに対する抵抗との比率を変更可能であることを特徴とする請求項4に記載の放電イオン化電流検出器。
  6. 前記圧力センサは、前記第1排出路に設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の放電イオン化電流検出器。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の放電イオン化電流検出器と、
    前記イオン化電流検出部により検出されるイオン化電流に基づいて、試料ガスに対する分析を行う分析処理部とを備えたことを特徴とする分析装置。
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