JP2015006787A - 凹凸パターン転写用モールドの製造方法及び凹凸構造を有する部材の製造方法 - Google Patents

凹凸パターン転写用モールドの製造方法及び凹凸構造を有する部材の製造方法 Download PDF

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【課題】任意のピッチのモスアイ構造を有するモールドを安価で簡便に製造する方法、該モールドを用いたモスアイ構造を有する部材の製造方法、及びその方法で製造された部材を提供する。【解決手段】凹凸パターン転写用モールドの製造方法は、収縮性基材の表面に、少なくとも第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液を塗布する塗布工程と、塗布された前記溶液の前記ブロック共重合体を相分離させる相分離工程と、前記基材を収縮させる収縮工程とを含む。本発明のモールドの凹凸パターンが転写された部材は、所望のピッチで配列が不規則なモスアイ構造を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、凹凸パターン転写用モールドの製造方法、及びそのモールドを用いた凹凸構造を有する部材の製造方法に関する。
CRT、液晶、プラズマ、有機EL等の様々なディスプレイが知られているが、これらのディスプレイにおいて、外光から生じる反射光の影響で画像が見えにくくなるという現象が生じることから、表示品質向上のために反射光の影響を低減することが望まれている。反射光の影響を低減する方法の一つとして、ナノオーダーの微細な凹凸構造をディスプレイの表面に形成する方法が知られている。近年、「モスアイ構造」と呼ばれる微細な凹凸構造が注目されている。モスアイ構造では、可視光線の波長よりも小さい円形又は多角形底面を有する錐状又は錐台状の無数の微細突起が可視光線の波長よりも小さいピッチで配置されている。特許文献1に記載されるように、微細構造の厚み方向の屈折率は厚み方向の各断面における材料の占有面積によって定まるため、モスアイ構造の厚み方向の屈折率は急激に変化することがない。ディスプレイの表面にこのようなモスアイ構造を形成することにより、厚み方向の屈折率が空気の屈折率1.0からディスプレイの基板材料の屈折率まで、なだらかに且つ連続的に変化するようになる。それにより、ディスプレイの表面に入射した光は、ほとんど回折や反射が生じることなく直進する。このように、モスアイ構造を表面に形成することにより、入射表面における光の反射率を効果的に低減することが可能となる。
上記のモスアイ構造のような微細パターンを形成する方法として、ナノインプリント法が知られている。ナノインプリント法は、微細凹凸パターンを有するモールド(型)と基板で樹脂を挟み込むことでナノメートルオーダーのパターンを転写することができる技術であり、半導体デバイスのみならず、有機EL素子やLEDなどの光学部材、MEMS、バイオチップなど多くの分野で実用化が期待されている。
上記のようなナノインプリント法などに用いる微細凹凸パターンを有するモールドを形成する方法として、非特許文献1に記載されるようなAl陽極酸化法が知られている。Alを酸性電解液中で陽極酸化することにより、表面に微細で規則的なホールアレー構造を形成できることに加え、高アスペクト比の構造を形成することができる。しかしながら、陽極酸化によって形成されるポーラスアルミナをモールドとして用いる場合、次のような問題がある。目的とする形状(細孔周期、細孔深さ等)を作製するための条件の最適化が難しい。形成できる構造の周期が限られ、また、微細で規則的な構造しか得られないため、斜めから見ると色味が変化してしまう。テーパー状(錐型)の細孔を形成するためには陽極酸化と孔径拡大処理を複数回繰り返す必要があり、製造工程が煩雑となる。ポーラスアルミナモールドは表面の強度が低く、モールドとしての耐久性が低い。大面積の陽極酸化を行うには高価な設備が必要となる。
上記のような従来技術に提示された課題や問題点からすれば、モスアイ構造等の微細凹凸構造の製造技術として、目的とする形状の微細な凹凸構造を有するモールドを安価で簡便に製造することができる製造技術が望まれている。
特開2008−158293号公報
「ナノ構造光学素子開発の最前線」、株式会社シーエムシー出版、2011年、P72〜80、P101〜103
本発明の目的は、所望のピッチのモスアイ構造を有するモールドを安価で簡便に製造する方法、該モールドを用いたモスアイ構造を有する部材の製造方法、及びその方法で製造された部材を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、凹凸パターン転写用モールドの製造方法であって、
収縮性基材の表面に、少なくとも第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液を塗布する塗布工程と、
塗布された前記溶液の前記ブロック共重合体を相分離させる相分離工程と、
前記基材を収縮させる収縮工程とを含むモールドの製造方法が提供される。
前記収縮性基材は、前記基材の面内の少なくとも一つの軸方向に予め延伸された基材であってもよい。
前記モールドの製造方法において、前記相分離工程において溶媒アニールにより前記ブロック共重合体を相分離させて前記基材上に凹凸構造を形成してもよい。このとき、前記ブロック共重合体の相分離した構造が球状構造であってもよい。
前記モールドの製造方法において、前記相分離工程において塗布された前記溶液を加熱することによって前記ブロック共重合体を相分離させてもよい。相分離させた後に、相分離した前記ブロック共重合体をエッチング処理することにより前記第2ポリマーを除去して前記基材上に凹凸構造を形成してもよい。次いで、前記凹凸構造を加熱してもよい。また、前記ブロック共重合体の相分離した構造が垂直シリンダー構造であってもよい。
前記モールドの製造方法において、前記収縮工程が、前記基材を加熱することにより収縮させる工程であってもよい。
前記モールドの製造方法はさらに、前記収縮工程後に得られる凹凸構造上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電鋳により金属層を積層する電鋳工程と、
前記金属層及び前記シード層から前記凹凸構造を有する基材を剥離する剥離工程とを含んでもよい。
本発明の第2の態様に従えば、凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
本発明の第1の態様に従うモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料に紫外線を照射することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
本発明の第1の態様に従うモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料を加熱することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、本発明の第2または第3の態様に従う部材の製造方法により製造される凹凸構造を有する部材が提供される。
本発明の凹凸パターン転写用モールド製造方法は、ブロック共重合体膜の相分離を用いてパターンを形成することで、配列が不規則な凹凸構造を形成することができる。また、本発明のモールドの製造方法は、ブロック共重合体の相分離を利用した凹凸構造が形成された基材を収縮させることにより、高アスペクト比のテーパー状の凹凸構造(モスアイ構造)を所望のピッチで簡便に形成することができる。そのため、本発明のモールドの凹凸パターンが転写された部材も、所望のピッチで配列が不規則なモスアイ構造を有する。それにより、本発明のモールドの凹凸パターンが転写された部材は反射防止効果を有し、さらに斜めから見ても色味の変化がない。それゆえ、本発明の凹凸パターン転写用モールドは、ディスプレイの反射防止部材などの各種デバイスに用いられる部材の製造にきわめて有効である。
実施形態の凹凸構造転写用モールド(金属モールド)の製造方法を示すフローチャートである。 図2(A)〜(E)は、ブロック共重合体の相分離を用いた凹凸構造の作製プロセスを概念的に示す図であり、第1加熱工程、エッチング工程、第2加熱工程、収縮工程を経て弾丸状の凹凸構造を得るプロセスを概念的に示す図である。 図3(A)〜(C)は、ブロック共重合体の相分離を用いた凹凸構造の作製プロセスを概念的に示す図であり、溶媒アニール工程、収縮工程を経て長楕円体状の凹凸構造を得るプロセスを概念的に示す図である。 図4(A)〜(D)は、電鋳による弾丸状の凹凸構造の転写パターンを有する金属モールドの作製プロセスを概念的に示す図である。 図5(A)〜(D)は、電鋳による長楕円体状の凹凸構造の転写パターンを有する金属モールドの作製プロセスを概念的に示す図である。 図6(A)〜(E)は、弾丸状の凹凸構造の転写パターンを有する金属モールドからモスアイ構造基板を作製するプロセスを概念的に示す図である。 金属モールドを用いてフィルム状部材をロールプロセスで製造する装置の概念図である。
以下、本発明の凹凸パターン(凹凸構造)転写用モールドの製造方法、及びそのモールドを用いて製造した凹凸構造を有する部材の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の凹凸パターン転写用モールドの製造方法は、図1に示すように、主に、ブロック共重合体溶液の調製工程、ブロック共重合体溶液の塗布工程、乾燥工程、相分離工程、及び収縮工程を含む。さらにシード層形成工程、電鋳工程及び剥離工程を含んでもよい。以下、各工程について順に説明する。
<ブロック共重合体溶液の調製工程>
本発明に用いるブロック共重合体は、少なくとも、第1のホモポリマーからなる第1のポリマーセグメントと、第1のホモポリマーとは異なる第2のホモポリマーからなる第2のポリマーセグメントとを有する。第2のホモポリマーは、第1のホモポリマーの溶解度パラメーターよりも高い溶解度パラメーターを有し、その差が0.1〜10(cal/cm1/2の範囲内であることが望ましい。第1及び第2のホモポリマー溶解度パラメーターの差が0.1(cal/cm1/2未満では、ブロック共重合体の規則的なミクロ相分離構造を形成し難く、前記差が10(cal/cm1/2を超える場合はブロック共重合体の均一な溶液を調製することが難しくなる。
第1のホモポリマー及び第2のホモポリマーとして用いることができるホモポリマーの原料となるモノマーとしては、例えば、スチレン、メチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、オクチルスチレン、メトキシスチレン、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、アクリロニトリル、アクリルアミド、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ジメチルシロキサン、乳酸、ビニルピリジン、ヒドロキシスチレン、スチレンスルホネート、イソプレン、ブタジエン、εカプロラクトン、イソプロピルアクリルアミド、塩化ビニル、エチレンテレフタレート、テトラフルオロエチレン、ビニルアルコールが挙げられる。これらの中でも、相分離形成が生じやすいことと、エッチングで凹凸を形成しやすいという観点から、スチレン、メチルメタクリレート、エチレンオキシド、ブタジエン、イソプレン、ビニルピリジン、乳酸を用いることが好ましい。
また、第1のホモポリマー及び第2のホモポリマーの組合せとしては、スチレン系ポリマー(より好ましくはポリスチレン)、ポリアルキルメタクリレート(より好ましくはポリメチルメタクリレート)、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピリジン、及びポリ乳酸からなる群から選択される2種の組合せを挙げることができる。これらの組合せの中でも、スチレン系ポリマー及びポリアルキルメタクリレートの組合せ、スチレン系ポリマー及びポリエチレンオキシドの組合せ、スチレン系ポリマー及びポリイソプレンの組合せ、スチレン系ポリマー及びポリブタジエンの組合せがより好ましく、スチレン系ポリマー及びポリメチルメタクリレートの組合せ、スチレン系ポリマー及びポリイソプレンの組合せ、スチレン系ポリマー及びポリブタジエンの組合せが特に好ましい。より好ましくは、好ましいブロック共重合体の数平均分子量(Mn)が得られるという観点から、ポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の組合せである。
前記ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、300000以上であることが好ましく、500000以上であることがより一層好ましく、1000000〜5000000であることが特に好ましい。数平均分子量が300000未満では、ブロック共重合体のミクロ相分離により形成される凹凸の平均ピッチが小さくなり、得られる凹凸構造の平均ピッチが不十分となる。特に、本実施形態のモールドの凹凸パターンを転写することにより製造される部材を反射防止部材として用いる場合は、凹凸の平均ピッチが光の波長範囲以下程度である必要があることから、平均ピッチは50〜500nmの範囲内であることが望ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。この点からブロック共重合体の数平均分子量(Mn)は、300000以上であることが好ましい。
前記ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は1.5以下であることが好ましく、1.0〜1.35の範囲内であることがより好ましい。分子量分布が1.5を超えると、ブロック共重合体の均一なミクロ相分離構造を形成することが困難になる。なお、前記ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
前記ブロック共重合体の体積比は、1:9〜4:6もしくは6:4〜9:1の範囲内であることが好ましい。自己組織化によるブロック共重合体のナノ相分離構造としては、球状構造、シリンダー状構造、ラメラ状構造などがあるが、これらの名の相分離構造はブロック共重合体における第1のポリマーセグメントと第2のポリマーセグメントとの体積比(第1のポリマーセグメント:第2のポリマーセグメント)によって制御することができる。そのため、ブロック共重合体の体積比を前記範囲内にすることにより、後述の相分離工程において、所望のナノ相分離構造を形成することができる。
本発明に用いるブロック共重合体溶液は、前記ブロック共重合体を溶媒中に溶解して調製する。そのような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリグライム、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;フェノール、クロロフェノール等のフェノール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;2硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物;これらの混合溶媒が挙げられる。前記ブロック共重合体溶液における前記ブロック共重合体の含有率は、ブロック共重合体溶液100質量%に対して、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。
また、前記ブロック共重合体溶液は、他のホモポリマー(その溶液中に含まれるブロック共重合体中の前記第1のホモポリマー及び前記第2のホモポリマー以外のホモポリマー:例えば、ブロック共重合体中の前記第1のホモポリマー及び前記第2のホモポリマーの組合せがポリスチレン及びポリメチルメタクリレートの組合せである場合には、ポリスチレンとポリメチルメタクリレート以外の種類のホモポリマーであればよい。)として、ポリアルキレンオキシドを含有している。
前記ブロック共重合体溶液がポリアルキレンオキシドを含有することにより、ブロック共重合体のミクロ相分離構造により形成される凹凸の深さをより深くすることができる。このようなポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドがより好ましく、ポリエチレンオキシドが特に好ましい。また、このようなポリエチレンオキシドとしては、下記式:
HO−(CH−CH−O)−H
[式中、nは10〜5000の整数(より好ましくは50〜1000の整数、更に好ましくは50〜500の整数)を示す。]
で表されるものが好ましい。
また、ポリアルキレンオキシドの数平均分子量(Mn)は460〜220000であることが好ましく、2200〜46000であることがより好ましい。このような数平均分子量が前記下限未満では、分子量が低すぎて、室温状態で液体であり、分離して析出しやすくなり、前記上限を超えるものは合成上困難である。
ポリアルキレンオキシドの分子量分布(Mw/Mn)は1.5以下であることが好ましく、1.0〜1.3であることがより好ましい。分子量分布が前記上限を超えるとミクロ相分離の形状の均一性が保持され難くなる。なお、このような数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの分子量に換算した値である。
また、本発明において、前記ブロック共重合体中の前記第1のホモポリマー及び前記第2のホモポリマーの組合せがポリスチレン及びポリメチルメタクリレートの組合せ(ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート)であることが好ましく、ポリスチレン−ポリメチルメタクリレートのブロック共重合体とポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシドとを組み合わせて用いることにより、垂直方向の配向性が更に向上して、表面の凹凸の深さを更に深くすることが可能となる。また、後述の溶媒アニールを行う場合は、溶媒アニール処理時間を短縮することも可能となる。
ポリアルキレンオキシドの含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、特に5質量部〜100質量部であることがより好ましい。さらに好ましくは5〜70質量部である。ポリアルキレンオキシドの含有量が5質量部未満ではポリアルキレンオキシドを含有させることにより得られる効果が乏しくなる。また、ポリアルキレンオキシドの含有量がブロック共重合体100質量部に対して100質量部を超えると、ブロック共重合体の相分離により形成される凹凸パターンが崩れやすくなり、また、70質量部を超えると、ポリアルキレンオキシドが析出することがある。
また、前記ブロック共重合体溶液は、ポリアルキレンオキシド以外の他のホモポリマー、界面活性剤、イオン性化合物、消泡剤、レベリング剤等を更に含有していてもよい。
他のホモポリマーを含有する場合には、ポリアルキレンオキシドと同様に、前記ブロック共重合体100質量部に対して、1〜100質量部の割合で含有し得る。また、前記界面活性剤を用いる場合には、その含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。さらに、前記イオン性化合物を用いる場合には、その含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましい。
前記ブロック共重合体溶液中のポリアルキレンオキシド及び他のホモポリマーの総含有量は、ブロック共重合体溶液中に、0.1〜15質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることがより好ましい。総含有率量が前記下限未満では必要な膜厚を得るために前記溶液を十分な膜厚で均一に塗布することが容易でなく、前記上限を超えると溶媒に均一に溶けた溶液を調製することが比較的困難となる。
<ブロック共重合体溶液の塗布工程>
本発明のモールドの製造方法に従えば、図2(A)に示すように、上記のように調製したブロック共重合体溶液を収縮性を有する基材10上に塗布して薄膜30を形成する。
本願において「収縮性基材」とは、第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液が塗布される面を有し、後の収縮工程においてその面内の少なくとも一方向で収縮することができる基材を意味し、予めそのような面内の少なくとも一方向に延伸されている基材が好適である。そのような基材10は、熱可塑性樹脂又は、ゴム若しくはエラストマーで形成されることが好ましい。熱可塑性樹脂として、例えば、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル系樹脂、有機酸ビニルエステル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(例えば、セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)などを用いることができる。これらのうち、収縮が容易な点から、スチレン系樹脂、アクリル樹脂、メタクリル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、オレフィン系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂が好ましい。ゴムまたはエラストマーとしては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどを用いることができる。
基材10を構成する熱可塑性樹脂は、加工の容易さの観点から、そのガラス転移温度が60〜200℃の範囲内であることが好ましく、100〜180℃の範囲内であることがより好ましい。なお、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
基材10を構成する熱可塑性樹脂は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が、5,000〜500,000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量がこの範囲内であることにより成形加工性が良好となり、機械的強度を向上させることができる。また、重量平均分子量は8,000〜200,000の範囲内であることがより好ましく、10,000〜100,000の範囲内であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより測定することができる。
基材10を構成する樹脂又は、ゴム若しくはエラストマーは、顔料や染料などの着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、有機又は無機の充填剤、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、蛍光増白剤、抗菌剤、拡散粒子、熱可塑性エラストマーその他の配合剤が適宜配合されていてもよい。
基材10の厚さの平均値は、ハンドリングの観点から、5μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、20〜200μmの範囲内であることがより好ましい。
基材10は、基材10の原反を、原反の面内の少なくも一軸方向に延伸することによって製造され得る。基材10の原反は、熱可塑性樹脂又は、ゴム若しくはエラストマー等を、キャスト成形法、押出成形法、インフレーション成形法などの公知のフィルム成形法で形成することによって得ることができる。
熱可塑性樹脂から形成された原反を用いる場合、原反を加熱しながら延伸することによって基材10を製造することができる。このような基材10は、後述する収縮工程において、加熱により収縮させることができる。また、ゴム、エラストマー等から形成された原反を用いる場合、原反を面内方向に引っ張った状態にすることで、基材10を得ることができる。このような基材10は、後述する収縮工程において、弾性による復元力を利用して収縮させることができる。
基材10は、原反を二軸延伸法で延伸することにより製造されることが好ましい。二軸延伸法としては、原反を固定するクリップの間隔を開いて、原反を縦方向に延伸するのと同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に原反を延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して原反を縦方向に延伸した後、原反の両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて原反を横方向に延伸する逐次二軸延伸法などが挙げられる。
基材10の延伸倍率は、後述の収縮工程において基材10上の凹凸構造が所望のアスペクト比になるように、基材10の引張り特性に応じて適宜選択することができる。
原反の延伸時の温度は、基材10を構成する材料のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg〜(Tg+60℃)の範囲内であることが好ましい。延伸温度がTg未満であると、延伸が困難である。また、Tg+60℃を超えると、均一な延伸製膜が困難である。さらに、原反の延伸時の温度は、Tg〜(Tg+50℃)の範囲内であることがより好ましい。
また、基材10は、配向処理等の表面処理を施したものであってもよい。もし基材10と塗布されたブロック共重合体の薄膜30の密着性が不十分な場合、塗布されたブロック共重合体の薄膜30が後述の電鋳工程で基材10から剥離してしまい、転写用モールド作製に支障をきたすが、基材10表面をオクタデシルジメチルクロロシランやオルガノシリケートなどのプライマー層で表面処理したり、一般的なシランカップリング剤でシランカップリング処理したりすることにより、ブロック共重合体の薄膜30の、基材10への密着性を向上することができる。
なお、基材10は、自ら製造する必要がなく、市場で入手できるものやフィルムメーカなどの製造業者に作製させたものを使用してもよいことは言うまでもない。
前記ブロック共重合体溶液を基材10に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法を採用することができる。
前記ブロック共重合体の薄膜30の厚みとしては、後述する乾燥後の塗膜の厚みが、10〜3000nmであることが好ましく、50〜500nmであることがより好ましい。
<乾燥工程>
ブロック共重合体溶液よりなる薄膜30を基材10上に塗布した後に、基材10上の薄膜30を乾燥させてもよい。乾燥は、大気雰囲気中で行うことができる。乾燥温度は、薄膜30から溶媒を除去できる温度であれば特に制限はないが、例えば、10〜200℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。なお、乾燥により、前記ブロック共重合体がミクロ相分離構造を形成し始めることがある。
<相分離工程>
乾燥工程後に、基材10上のブロック共重合体よりなる薄膜30を相分離させる。相分離工程では、第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程を経て基材10上に凹凸構造を形成する。後述するように、第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程の代わりに溶媒アニール工程を経て凹凸構造を形成してもよい。
[第1加熱工程]
乾燥工程後に、ブロック共重合体よりなる薄膜30を加熱する。この第1加熱工程によってブロック共重合体の自己組織化が進行し、図2(B)に示すようにブロック共重合体が第1ポリマーセグメント32と第2ポリマーセグメント34の部分にミクロ相分離して、垂直シリンダー構造となる。「垂直シリンダー構造」とは第1または第2のポリマーセグメントが、基材に対して垂直に配向した柱状の島を形成し、周囲のもう一方のポリマーセグメントを貫通している構造を指す。なお、このようなナノ相分離構造は、酸化ルテニウムや酸化オスミウムなどでポリマーを染色して断面構造を電子顕微鏡測定などにより観察することにより確認することができる。また、小角X線散乱(SAXS)測定もそれらの配向構造を同定する上で有効である。
第1加熱工程における加熱温度は、ブロック共重合体のガラス転移温度以上であることが好ましい。加熱温度がブロック共重合体のガラス転移温度未満であるとポリマーの分子運動性が低く、ブロック共重合体の自己組織化が十分に進行せず、ミクロ相分離構造を十分に形成できなくなるか、あるいはミクロ相分離構造を十分に生じさせるための加熱時間が長くなる。また、この加熱温度の上限は、前記ブロック共重合体が熱分解しない温度であればよく特に制限はない。第1加熱工程は、オーブンなどを用いて大気雰囲気下で行うことができる。なお、加熱温度を徐々に高めて乾燥及び加熱工程を連続的に行ってもよい。こうすることで乾燥工程は第1加熱工程に含まれることになる。
[エッチング工程]
第1加熱工程後に、薄膜30のエッチング処理を行う。第1ポリマーセグメント32と第2ポリマーセグメント34は分子構造が相違するため、エッチングされ易さも異なる。それゆえ、それらのポリマーセグメント、すなわちホモポリマーの種類に応じたエッチング処理によりブロック共重合体を構成する一方のポリマーセグメント(第2ポリマーセグメント34)を選択的に除去することができる。図2(C)に示すように、エッチング処理によりミクロ相分離構造から第2ポリマーセグメント34が除去され、塗膜に顕著な凹凸構造36が現れる。前記エッチング処理としては、例えば、反応性イオンエッチング法、オゾン酸化法、加水分解法、金属イオン染色法、紫外線エッチング法等を用いたエッチング法を採用することができる。また、前記エッチング処理として、前記ブロック共重合体の共有結合を酸、塩基及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種で処理して前記共有結合を切断し、その後、一方のポリマーセグメントだけを溶解する溶媒等でミクロ相分離構造が形成された塗膜を洗浄することにより、ミクロ相分離構造を保ったまま、一方のポリマーセグメントのみを除去する方法を採用してもよい。
[第2加熱工程]
上記エッチング工程により得られた薄膜30の凹凸構造36に第2加熱処理またはアニール処理を施す。第2加熱工程でエッチング後の凹凸構造36を加熱することにより、溝の側面を構成する第1ポリマーセグメント32がアニール処理される。それにより第1ポリマーセグメント32により画成される領域の側面が、図2(D)に概念的に示すように比較的滑らかな傾斜面となり、第1ポリマーセグメント32により画成される領域が、基材から上方に向かって先細りした弾丸状の形状(本願では「弾丸構造」と称する)38となる。
第2の加熱処理における加熱温度は、エッチング後に残留した第1ポリマーセグメント32のガラス転移温度以上、すなわち、第1ホモポリマーのガラス転移温度以上であることが望ましく、例えば、第1ホモポリマーのガラス転移温度以上で且つ第1ホモポリマーのガラス転移温度より70℃高い温度以下であることが望ましい。この加熱温度が、第1ホモポリマーのガラス転移温度未満であると、電鋳後に所望の凹凸構造、すなわち、なめらかな弾丸構造の凹部が得られないか、あるいは加熱に長時間を要することになる。第1ホモポリマーのガラス転移温度よりかなり高いと第1ポリマーセグメント32が溶融したり、形状が大きく崩れたりするので好ましくない。この点でガラス転移温度〜ガラス転移温度より70℃高い温度程度の範囲で加熱するのが望ましい。第2の加熱処理も第1の加熱処理と同様に、オーブン等を用いて大気雰囲気下で行うことができる。
本実施形態の相分離工程において、上記のように第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程を経て弾丸構造38を形成する代わりに、以下に説明する溶媒アニール工程により半球構造38aを形成してもよい。
[溶媒アニール工程]
乾燥工程後に、薄膜30を有機溶媒蒸気の雰囲気下で溶媒アニール(溶媒相分離)処理して、ブロック共重合体の相分離構造を薄膜30内に形成させる。この溶媒アニール処理によってブロック共重合体の自己組織化が進行し、図3(B)に示すようにブロック共重合体が第1ポリマーセグメント32aと第2ポリマーセグメント34aの部分にミクロ相分離して球状構造となる。「球状構造」とは、第1または第2のポリマーセグメントが、周囲をもう一方のポリマーセグメントに取り囲まれながら球状の形状をなしている構造である。ポリマーセグメント34aにより画成される表面形状は、図3(B)に概念的に示すように比較的滑らかな傾斜面からなり、基材10から上方に向かって半球状の形状(本願では適宜「半球構造」と称する)38aをなす。なお、これらの構造は、酸化ルテニウムや酸化オスミウムなどでポリマーを染色して断面構造を電子顕微鏡測定などにより観察することにより確認することができる。また、小角X線散乱(SAXS)測定もそれらの構造を同定する上で有効である。
溶媒アニール処理は、例えば、デシケータのような密閉可能な容器内部に有機溶媒の蒸気雰囲気をもたらし、この雰囲気下に対象物である薄膜30を曝すことにより実施することができる。有機溶媒蒸気の濃度は、ブロック共重合体の相分離を促進する上で高い方が好ましく、飽和蒸気圧であることが望ましく、濃度管理も比較的容易である。例えば、有機溶媒がクロロホルムの場合、飽和蒸気量は室温(0℃〜45℃)にて0.4g/l〜2.5g/lであることが知られている。なお、クロロホルム等の有機溶媒アニール処理時間が長くなりすぎると、塗膜の表面にポリエチレンオキシドが析出したり、相分離した凹凸形状(パターン)が崩れたりする(なまる)傾向にある。溶媒アニール処理の処理時間は6時間〜168時間、好ましくは12時間〜48時間、さらに好ましくは12時間〜36時間にすることができる。処理時間が長すぎると凹凸形状が崩れ、短すぎると凹凸構造の溝が浅くなり、作製されたモールドの凹凸パターンを転写して製造される部材の反射率低減効果が不十分となる。
溶媒アニール処理に用いる有機溶媒としては、沸点が20℃〜120℃の有機溶媒が好ましく、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、二硫化炭素、それらの混合溶媒などを用いることができる。このうち、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、アセトン/二硫化炭素の混合溶媒が好ましい。溶媒アニールの雰囲気温度は、0℃〜45℃の範囲内で行うことが好ましい。溶媒アニールの雰囲気温度が45℃より高いと、薄膜に形成される凹凸構造がなまって崩れ易くなる。0℃より低い環境では、有機溶媒が蒸発しにくくなり、ブロック共重合体の相分離が起こり難くなる。
溶媒アニール処理を用いる場合、エッチング処理及び第2加熱処理が不要となるため、モールドのパターン形成プロセスが簡略化される。また、エッチング処理において、エッチング液の使用や一方のホモポリマーの除去によりモールド上に汚れやゴミの発生し易くなるが、溶媒アニール処理を用いる場合、エッチング処理が不要となるため、汚れやゴミの発生という問題が解消される。
上記溶媒アニール工程により得られた薄膜30の凹凸構造に加熱処理を施してもよい。前記溶媒アニール処理で半球状の凹凸構造が既に形成されているため、この加熱処理は形成された凹凸構造を滑らかにするが必ずしも必要ではない。何らかの原因で、前記溶媒アニール処理後の凹凸構造の表面の一部に突起が生じている場合や、凹凸構造の周期や高さを調整する目的のために有効となる場合がある。加熱温度は、例えば、第1及び第2ポリマーセグメント32a、34aのガラス転移温度以上にすることができ、例えば、それらのホモポリマーのガラス転移温度以上で且つガラス転移温度より70℃高い温度以下にすることができる。加熱処理は、オーブン等を用いて大気雰囲気下で行うことができる。また、上記溶媒アニール処理により得られた薄膜の凹凸構造に、UVやエキシマUVなどのエネルギー線照射によるエッチングや、RIE(反応性イオンエッチング)のようなドライエッチング法によるエッチングを行ってもよい。そのようなエッチングを行った薄膜の凹凸構造に加熱処理を施してもよい。
<収縮工程>
相分離工程後に、弾丸構造38又は半球構造38aを表面に備える基材10を収縮させる。この収縮工程で、延伸された基材10のような収縮性基材を収縮させることにより、図2(E)及び図3(C)に示すように、弾丸構造38又は半球構造38aの平均ピッチが小さくなり、高アスペクト比(凹凸深さ/平均ピッチ)の弾丸構造380又は長楕円体構造380aとなる。このとき平均ピッチは100〜200nmの範囲内であることが好ましい。アスペクト比は1〜10の範囲内であることが好ましく、1〜3の範囲内であることがより好ましい。また、基材の収縮により、マイクロメートルスケールの褶曲構造が生じていてもよい。このような褶曲構造は光を散乱するアンチグレア構造となるため、このような褶曲構造が転写された部材を用いたディスプレイ等のデバイスは、外部環境の映り込みが抑制され、表示品質が向上する。
基材10を収縮させる方法は、基材10の種類に応じて適宜選択することができる。基材10が前述の延伸された熱可塑性樹脂からなる場合、加熱によって基材10を前述の延伸された方向に収縮させることができ、加熱温度は基材10を構成する材料のガラス転移温度をTgとしたときに、Tg〜Tg+60℃の温度範囲内であることが好ましい。収縮温度がTg未満であると、収縮が困難である。また、Tg+60℃を超えると、均一な加熱収縮が困難である。さらに、加熱温度は、Tg〜Tg+50℃の範囲内であることがより好ましい。加熱収縮処理を繰り返すことも可能であり、それによってさらにアスペクト比の高い凹凸構造を形成することができる。一方、面内方向に引っ張られたゴム又はエラストマー等から基材10が構成される場合、あらかじめ加えていた引っ張り力をゼロにする又は緩和することによって、弾性による復元力を利用して基材10を収縮させることができる。予め延伸されていない収縮性基材である場合、例えば、収縮性基材が加熱収縮性基材である場合には、加熱処理により、基材の面内の少なくとも一方向に収縮させることができる。
こうして得られた高アスペクト比の弾丸構造380又は長楕円体構造380aを有する基材10は、後工程の転写用のマスター(モールド)として使用することができる。マスターのパターンを転写して得られる部材を反射防止用の部材として用いる場合、弾丸構造又は半球構造の平均ピッチとしては、100〜200nmの範囲であることが好ましい。凹凸の平均ピッチが前記範囲を超える場合、凹凸構造のピッチが可視光の波長範囲に対する小ささが不十分となり、十分な反射防止効果が得られなくなる。凹凸の平均ピッチが前記範囲未満である場合、それに伴って凹凸深さも小さくなり、可視光の波長に対し高さが不足して厚み方向の屈折率が急激に変化するため、十分な反射防止効果が得られなくなる。
また、高アスペクト比の弾丸構造380又は長楕円体構造380aを表す凹凸の深さ分布の平均値は100〜2000nmの範囲内であることが好ましい。凹凸の深さ分布の平均値が前記下限未満では、可視光の波長に対し高さが不足して厚み方向の屈折率が急激に変化するため、反射防止効果が不十分となり、前記上限を超えると、光の散乱によりヘイズ値が上昇するため、後に作製する凹凸構造を有する部材(樹脂フィルム構造体およびゾルゲル構造体)の可視光の透過率が低下してしまう。
なお、本願において、凹凸の平均ピッチとは、凹凸が形成されている表面における凹凸のピッチ(隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔)を測定した場合において、凹凸のピッチの平均値のことをいう。このような凹凸のピッチの平均値は、走査型プローブ顕微鏡(例えば、株式会社日立ハイテクサイエンス製の製品名「E−sweep」等)を用いて、下記条件:
測定方式:カンチレバー断続的接触方式
カンチレバーの材質:シリコン
カンチレバーのレバー幅:40μm
カンチレバーのチップ先端の直径:10nm
により、表面の凹凸を解析して凹凸解析画像を測定した後、かかる凹凸解析画像中における、任意の隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔を100点以上測定し、その算術平均を求めることにより算出できる。
また、本願において、凹凸の深さ分布の平均値は以下のようにして算出できる。表面の凹凸の形状を、走査型プローブ顕微鏡(例えば、株式会社日立ハイテクサイエンス製の製品名「E−sweep」等)を用いて凹凸解析画像を測定する。凹凸解析の際、前述の条件で任意の3μm角(縦3μm、横3μm)または10μm角(縦10μm、横10μm)の測定領域を測定して凹凸解析画像を求める。その際に測定領域内の16384点(縦128点×横128点)以上の測定点における凹凸高さのデータをナノメートルスケールでそれぞれ求める。なお、このような測定点の数は、用いる測定装置の種類や設定によっても異なるものではあるが、例えば、測定装置として上述の株式会社日立ハイテクサイエンス社製の製品名「E−sweep」を用いた場合には、3μm角の測定領域内において65536点(縦256点×横256点)の測定(256×256ピクセルの解像度での測定)を行うことができる。そして、このようにして測定される凹凸高さ(単位:nm)に関して、先ず、全測定点のうち、基材の表面からの高さが最も高い測定点Pを求める。そして、かかる測定点Pを含み且つ基材の表面と平行な面を基準面(水平面)として、その基準面からの深さの値(測定点Pにおける基材からの高さの値から各測定点における基材からの高さを差し引いた差分)を凹凸深さのデータとして求める。なお、このような凹凸深さデータは、測定装置(例えば株式会社日立ハイテクサイエンス社製の製品名「E−sweep」)によっては測定装置中のソフト等により自動的に計算して求めることが可能でき、このような自動的に計算して求められた値を凹凸深さのデータとして利用できる。このようにして、各測定点における凹凸深さのデータを求めた後、その算術平均を求めることにより算出できる値を凹凸の深さ分布の平均値として採用する。本明細書において、凹凸の平均ピッチ及び凹凸の深さ分布の平均値は、凹凸が形成されている表面の材料に関わらず、上記のような測定方法を通じて求めることができる。
上述の方法によって製造した高アスペクト比の弾丸構造380又は楕円体構造380aを備えるマスター(モールド)を用いて、以下のようにして金属モールドを製造することができる。
<シード層形成工程>
マスターの弾丸構造380又は長楕円体構造380aの表面に、図4(A)及び図5(A)に示すように、後続の電鋳処理のための導電層となるシード層40または40aを形成する。シード層40または40aは、無電解めっき、スパッタまたは蒸着により形成することができる。シード層40または40aの厚みとして、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために、10nm以上が好ましく、より好ましくは20nm以上である。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。
<電鋳工程>
次に、図4(B)及び図5(B)に示すように、シード層40または40a上に電鋳(電界メッキ)により金属層50または50aを堆積させる。金属層50、50aの厚みは、例えば、シード層40、40aの厚みを含めて全体で10〜3000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層50、50aの材料として、シード層40、40aとして用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。モールドとしての耐摩耗性や、剥離性などの観点からは、ニッケルが好ましく、この場合、シード層40、40aについてもニッケルを用いることが好ましい。電鋳における電流密度は、ブリッジを抑制して均一な金属層を形成するとともに、電鋳時間の短縮の観点から、例えば、0.03〜10A/cmにし得る。なお、形成した金属層50、50aは、後続の樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。電鋳により形成される金属層の硬度を向上させる目的で、金属層50、50aの表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)処理やCrめっき加工処理を実施してもよい。あるいは、金属層をさらに熱処理してその表面硬度を高くしても良い。
<剥離工程>
上記のようにして得られたシード層を含む金属層50、50aを、凹凸構造を有する基材(マスター)から剥離してファザーとなる金属モールド70、70aを得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、第1ホモポリマー及び残留するブロック共重合体を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。
<洗浄工程>
上記のように弾丸構造380または長楕円体構造380aを備える基材10(マスター)から金属モールドを剥離するときに、図4(C)及び図5(C)に示すように、ポリマーの一部60、60aが金属モールドに残留する場合がある。このような場合には、それらの残留した部分60、60aを洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、湿式洗浄や乾式洗浄を用いることができる。湿式洗浄としてはトルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤、界面活性剤、アルカリ系溶液での洗浄などにより除去することができる。有機溶剤を用いる場合には、超音波洗浄を行ってもよい。また電解洗浄を行うことにより除去しても良い。乾式洗浄としては、紫外線やプラズマを使用したアッシングにより除去することができる。湿式洗浄と乾式洗浄を組み合わせて用いてもよい。このような洗浄後に、純水や精製水でリンスし、乾燥後にオゾン照射してもよい。こうして、図4(D)及び図5(D)に示すような弾丸構造380又は長楕円体構造380aの転写パターンが形成された金属モールド70、70aが得られる。
大面積の金属モールドを形成する場合、本実施形態のような電鋳を用いて金属モールドを形成する方法は、陽極酸化法を用いて金属モールドを作製する方法と比べて高価な設備が必要なく、安価に金属モールドを製造することができる。また、電鋳によってニッケル等の硬質な金属のモールドを形成することができ、そのモールドは従来の陽極酸化法によって形成されるポーラスアルミナのモールドよりも耐久性に優れる。そのため、本実施形態によって得られる金属モールドは、後述のロールプロセスのような連続パターン転写プロセスに適する。
次に、得られた金属モールド70又は70aを用いて、ディスプレイなどに用いられる反射防止部材を製造する方法について図6(A)〜図6(E)を参照して説明する。図6は弾丸構造380の転写パターンが形成された金属モールド70を用いて反射防止部材を製造する方法について図示しているが、長楕円体構造380aの転写パターンが形成された金属モールド70aを用いても同様の方法で反射防止部材を製造することができる。
<金属モールドの離型処理工程>
金属モールド70を用いてその凹凸構造を樹脂に転写する際に、樹脂からの離型を向上させるために金属モールド70に離型処理を行っても良い。離型処理としては、表面エネルギーを下げる処方が一般的であり、特に制限はないが、フッ素系の材料やシリコーン樹脂等の離型剤72を図6(A)に示すように金属モールド70の凹凸表面70’にコーティングしたり、フッ素系のシランカップリング剤で処理したりする方法、ダイヤモンドライクカーボンを表面に成膜することなどが挙げられる。
<金属モールドから樹脂層へのパターン転写工程>
得られた金属モールド70を用いて、金属モールドの凹凸構造(パターン)を樹脂層80に転写することでマザーを製造する。この転写処理の方法として、図6(B)に示すように、例えば、硬化性樹脂を基材90に塗布して樹脂層80を形成した後、金属モールド70の凹凸構造を樹脂層80に押し付けつつ樹脂層80を硬化させる。基材90として、例えば、ガラス等の透明無機材料からなる基材;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)等の樹脂からなる基材;これらの樹脂からなる基材の表面にSiN、SiO、SiC、SiO、TiO、Al等の無機物からなるガスバリア層を形成してなる積層基材;これらの樹脂からなる基材及びこれらの無機物からなるガスバリア層を交互に積層してなる積層基材が挙げられる。また、基材の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
硬化性樹脂としては、例えば、光硬化および熱硬化、湿気硬化型、化学硬化型(二液混合)等の樹脂を挙げることができる。具体的にはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、架橋型液晶樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法,カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、熱により硬化させる場合、硬化温度が室温〜250℃の範囲であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲であることが好ましい。
次いで、硬化後の樹脂層80から金属モールド70を取り外す。金属モールド70を取り外す方法としては、機械的な剥離法に限定されず、任意の知られた方法を採用することができる。こうして図6(C)に示すように、基材90上に凹凸が形成された硬化した樹脂層80を有する樹脂フィルム構造体100を得ることができる。
こうして得られた樹脂フィルム構造体100は、そのまま反射防止部材や各種のデバイスに使用される微細パターンを有する部材として使用することができるが、凹凸構造を備えるモールドとしても用いることができる。樹脂フィルム構造体100の反転パターンを使用する場合には、上記の金属モールドの転写工程を経て得られた樹脂フィルム構造体100をマザーとして用いて、樹脂フィルム構造体100を作成したときと同様に、図6(D)に示すように別の基材92上に硬化性樹脂層82を塗布して、樹脂フィルム構造体100を硬化性樹脂層82に押し付けて硬化性樹脂層82を硬化させる。次いで、樹脂フィルム構造体100を、硬化した樹脂層82から剥離することにより、図6(E)に示すような別の樹脂フィルム構造体であるレプリカ110を得ることができる。さらに、レプリカ110を母型として上記転写工程を実施してレプリカ110の反転パターンのレプリカを製造してもよく、反転パターンのレプリカを母型として上記転写工程を再度繰り返して子レプリカを形成してもよい。
図6(B)及び(D)に示した工程では基材90、92に樹脂層80、82をそれぞれ塗布したが、母型である金属モールド70または硬化した樹脂層80の表面に直接、硬化性樹脂を塗布し、硬化後に取り外したものを母型としてもよい。
上記のように金属モールドを用いて樹脂フィルムのように可撓性のある部材を作製する装置の一例として、ロールプロセス装置を図7に示す。図7に示したロールプロセス装置170は、PETのような基材フィルム90の搬送系と、搬送中の基材フィルム90にUV硬化性樹脂を塗布するダイコータ182と、ダイコータ182の下流側に位置してパターンを転写する金属ロール(金属モールド)70と、基材フィルム90を挟んで金属ロール70と対向して設けられて基材フィルム90にUV光を照射する照射光源185とを主に備える。金属ロール70は、円柱状の金属表面に直接パターンが形成されたものでも良いし、凹凸パターンが形成された板状の金属モールドをロール状に巻き付け固定したものでも良いし、また、円筒状の金属モールドを作製し、これをロールにはめ込んで固定したもの等でも良い。搬送系は、基材フィルム90を繰り出すフィルム繰り出しロール172と、金属ロール70の上流及び下流側にそれぞれ配置されて基材フィルム90を金属ロール70に付勢するニップロール174と、剥離ロール176と、パターンが転写された基材フィルム90aを巻き取る巻き取りロール178を有する。フィルム繰り出しロール172に巻き付けられた基材フィルム90はフィルム繰り出しロール172の回転により下流側に繰り出されると、ダイコータ182によりUV硬化性樹脂80aが基材フィルム90の上面に所定の厚みで塗布される。ニップロール174により、基材フィルム90上に塗布されたUV硬化性樹脂80aに金属ロール70が押し付けられて金属ロール70の凹凸パターンが転写され、それと同時またはその直後に照射光源185からのUV光が照射されてUV硬化性樹脂80aが硬化する。硬化したパターンを有するUV硬化性樹脂付き基材フィルム90aは剥離ロール176で金属ロール70から引き離された後、巻き取りロール178により巻き取られる。こうして、金属モールド70の凹凸パターンが転写された部材が得られる。
次に、得られた樹脂フィルム構造体100をさらに母型として用いてゾルゲル材料からなる凹凸を有する構造体(以下、適宜、「ゾルゲル構造体」または「ゾルゲル材料基板」という)を作製することができる。その方法を以下に説明する。ゾルゲル材料を用いて凹凸パターンを有する基板の形成する方法は、主に、ゾルゲル材料を調製する溶液調製工程、調製されたゾルゲル材料を基板に塗布する塗布工程、基板に塗布されたゾルゲル材料の塗膜を乾燥する乾燥工程、転写パターンが形成されたモールドを押し付ける押圧工程、モールドが押し付けられた塗膜を仮焼成する仮焼成工程、モールドを塗膜から剥離する剥離工程、及び塗膜を本焼成する本焼成工程を有する。以下、各工程について順に説明する。
ゾルゲル法によりパターンが転写される塗膜を形成するため、最初にゾルゲル材料を調製する(溶液調製工程)。例えば、基板上に、シリカをゾルゲル法で合成する場合は、金属アルコキシド(シリカ前駆体)のゾルゲル材料を調製する。シリカの前駆体として、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランに代表されるテトラアルコキシドモノマーや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、パーフルオロデシルトリエトキシシラン、4−トリフルオロメチルフェニルトリエトキシシラン、トリルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランに代表されるトリアルコキシドモノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−i−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−t−ブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−i−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−t−ブトキシシラン等のジアルコキシシランに代表されるジアルコキシドモノマーを用いることができる。さらに、アルキル基の炭素数がC4〜C18であるアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランを用いることもできる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するモノマー、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するモノマー、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するモノマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリル基を有するモノマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するモノマー、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するモノマー、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するモノマー、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するモノマー、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するモノマー、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するモノマー、これらモノマーを少量重合したポリマー、前記材料の一部に官能基やポリマーを導入したことを特徴とする複合材料などの金属アルコキシドが挙げられる。また、これらの化合物のアルキル基やフェニル基の一部、あるいは全部がフッ素で置換されていてもよい。さらに、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、オキシ塩化物、塩化物や、それらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。金属種としては、Si以外にTi、Sn、Al、Zn、Zr、Inなどや、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上記酸化金属の前駆体を適宜混合したものを用いることもできる。また、これらの表面に疎水化処理を行ってもよい。疎水化処理の方法は知られている方法を用いればよく、例えば、シリカ表面であれば、ジメチルジクロルシラン、トリメチルアルコキシシラン等で疎水化処理することもできるし、ヘキサメチルジシラザンなどのトリメチルシリル化剤とシリコーンオイルで疎水化処理する方法を用いてもよいし、超臨界二酸化炭素を用いた金属酸化物粉末の表面処理方法を用いてもよい。
TEOSとMTESの混合物を用いる場合には、それらの混合比は、例えばモル比で1:1にすることができる。このゾル溶液は、加水分解及び重縮合反応を行わせることによって非晶質シリカを生成する。合成条件として溶液のpHを調整するために、塩酸等の酸またはアンモニア等のアルカリを添加する。また、紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加してもよい。pHは4以下もしくは10以上が好ましい。また、加水分解を行うために水を加えてもよい。加える水の量は、金属アルコキシド種に対してモル比で1.5倍以上にすることができる。
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、二硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、エタノールおよびイソプロピルアルコールが好ましく、またそれらに水を混合したものも好ましい。
添加物としては、粘度調整のためのポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールや、溶液安定剤であるトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アセチルアセトンなどのβジケトン、βケトエステル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどを用いることが出来る。
上記のように調製したゾルゲル材料を基板上に塗布する(塗布工程)。基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の樹脂基板を用い得る。基板は透明でも不透明でもよい。この基板から得られた凹凸パターン基板をディスプレイの製造に用いるのであれば、基板は耐熱性、UV光等に対する耐光性を備える基板が望ましい。この観点から、基板として、ガラスや石英、シリコン基板等の無機材料からなる基板がより好ましい。基板上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよいし、水分や酸素等の気体の浸入を防ぐ目的で、ガスバリア層を設けるなどしてもよい。塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基板にゾルゲル材料を均一に塗布可能であること、ゾルゲル材料がゲル化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。なお、後の工程でゾルゲル材料層による所望の凹凸パターンが形成されるため基板表面(表面処理や易接着層がある場合にはそれらも含めて)は平坦でよく、この基板自体は所望の凹凸パターンを有さない。
塗布工程後、塗布した塗膜(以下、適宜、「ゾルゲル材料層」とも言う)中の溶媒を蒸発させるために基板を大気中もしくは減圧下で保持する(乾燥工程)。次いで樹脂フィルム構造体100(モールド)を塗膜に押し付ける(押圧工程)。この際、押圧ロールを用いて樹脂フィルム構造体100を押し付けてもよい。ロールプロセスでは、プレス式と比較して、モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基板及び基板を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができること、ゲル溶液中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ることを防止することができること、基板(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易いこと、押圧時に気泡をかみ込むことがないなどの利点を有する。また、樹脂フィルム構造体100を押し付けながら加熱してもよい。
塗膜(ゾルゲル材料層)にモールドとしての樹脂フィルム構造体100を押し付けた後、塗膜を仮焼成してもよい(仮焼成工程)。仮焼成することにより塗膜のゲル化を進め、パターンを固化し、剥離の際に崩れにくくする。仮焼成を行う場合は、大気中で40〜150℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。
押圧工程または仮焼成工程後の塗膜(ゾルゲル材料層)から樹脂フィルム構造体100を剥離する。押圧の際にロールを使用すると、プレート状モールドに比べて剥離力は小さくてよく、塗膜がモールドに残留することなく容易にモールドを塗膜から剥離することができる。
基板の塗膜(ゾルゲル材料層)から樹脂フィルム構造体100が剥離された後、塗膜を本焼成する(本焼成工程)。本焼成により塗膜を構成するシリカ(アモルファスシリカ)中に含まれている水酸基などが脱離して塗膜がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。こうして塗膜は硬化して樹脂フィルム構造体100の凹凸パターンに対応する凹凸パターン膜を有するゾルゲル構造体、すなわち、平坦な基板上に配列が不規則な凹凸パターンを有するゾルゲル材料層が直接形成されたゾルゲル構造体(モスアイ構造基板)が得られる。この時、ゾルゲル材料層であるシリカは、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。また、ゾルゲル材料溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、凹凸パターンの転写の際に、ゾルゲル材料層に例えば紫外線やエキシマUV等のエネルギー線を照射することによってゾルゲル材料層を硬化させてもよい。こうして得られた樹脂フィルム構造体100は、そのまま反射防止部材や各種のデバイスに使用される微細パターンを有する部材として使用することができる。また、凹凸構造を備えるモールドとしても用いることも可能である。
樹脂フィルム構造体100を用いてレプリカ110(またはゾルゲル構造体)を複製する際、または得られたレプリカ110(またはゾルゲル構造体)を用いてさらに別のレプリカを複製する際には、樹脂フィルム構造体100またはレプリカ110の凹凸パターンが形成された面に蒸着法またはスパッタ法などの気相法により膜を積層してもよい。このように膜を積層することにより、その表面に樹脂を塗布する等して転写等を行う際に、その樹脂(例えばUV硬化樹脂)との密着性を低下させることができ、母型を剥がし易くなる。また、このような蒸着膜は、例えば、アルミニウム、金、銀、白金、ニッケル等の金属、酸化アルミニウム等の金属酸化物が挙げられる。また、このような膜の厚みとしては5〜500nmであることが好ましい。このような厚みが前記下限未満では均一な膜が得られにくく十分な密着性の低下効果が薄れ、前記上限を超えると母型の形状がなまり易くなる。樹脂フィルム構造体100またはレプリカ110の硬化樹脂層がUV硬化樹脂からなる場合には、樹脂硬化後に、再度、紫外光を照射するなどして、適宜ポストキュアを行ってもよい。
以上、本発明を実施形態により説明してきたが、本発明の凹凸パターン転写用モールドの製造方法、及びそのモールドを用いた凹凸構造を有する部材の製造方法は上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術思想の範囲内で適宜改変することができる。本発明の凹凸構造を有する部材は、光学部材の製造に限らず種々の用途に使用することができ、例えば、マイクロレンズアレイ、ナノプリズムアレイ、光導波路などの光学素子、レンズなどの光学部品、LED、太陽電池、反射防止フィルム、半導体チップ、パターンドメディア、データストレージ、電子ペーパー、LSIなどの製造、製紙、食品製造、免疫分析チップ、細胞培養シートなどのバイオ分野等における用途で使用される基板にも適用することができる。
本発明の凹凸パターン転写用モールド製造方法は、ブロック共重合体膜の相分離を用いてパターンを形成することで、配列が不規則な凹凸構造を形成することができる。また、本発明のモールドの製造方法は、ブロック共重合体の相分離を利用した凹凸構造が形成された基材を収縮させることにより、高アスペクト比のテーパー状の凹凸構造(モスアイ構造)を所望のピッチで簡便に形成することができる。そのため、本発明のモールドの凹凸パターンが転写された部材も、所望のピッチで配列が不規則なモスアイ構造を有する。それにより、本発明のモールドの凹凸パターンが転写された部材は反射防止効果を有し、さらに斜めから見ても色味の変化がない。それゆえ、本発明の凹凸パターン転写用モールドは、ディスプレイの反射防止部材などの各種デバイスに用いられる部材の製造にきわめて有効である。このようにして得られたモスアイ構造を有する部材を光学部材として用いて、ディスプレイや太陽電池などの各種デバイスを安価で簡便に製造することができる。また、本発明の部材は、光学部材に限らず種々の用途に使用することができる。
10 基材、30 薄膜
32 第1ポリマーセグメント、34 第2ポリマーセグメント
38 弾丸構造、38a 半球構造
40 シード層、50 金属層、70 金属モールド
80 樹脂層、90 基材、100 樹脂フィルム構造体
170 ロールプロセス装置
380 弾丸構造、380a 長楕円体構造

Claims (13)

  1. 凹凸パターン転写用モールドの製造方法であって、
    収縮性基材の表面に、少なくとも第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液を塗布する塗布工程と、
    塗布された前記溶液の前記ブロック共重合体を相分離させる相分離工程と、
    前記基材を収縮させる収縮工程とを含むモールドの製造方法。
  2. 前記収縮性基材が、前記基材の面内の少なくとも一つの軸方向に予め延伸された基材である請求項1に記載のモールドの製造方法。
  3. 前記相分離工程において、溶媒アニールにより前記ブロック共重合体を相分離させて前記基材上に凹凸構造を形成する請求項1または2に記載のモールドの製造方法。
  4. 前記相分離工程において、塗布された前記溶液を加熱することによって前記ブロック共重合体を相分離させる請求項1または2に記載のモールドの製造方法。
  5. 加熱により前記ブロック共重合体を相分離させた後に、さらに相分離した前記ブロック共重合体をエッチング処理することにより前記第2ポリマーを除去して前記基材上に凹凸構造を形成する請求項4に記載のモールドの製造方法。
  6. さらに前記凹凸構造を加熱する請求項5に記載のモールドの製造方法。
  7. 前記ブロック共重合体の相分離した構造が球状構造である請求項3に記載のモールドの製造方法。
  8. 前記ブロック共重合体の相分離した構造が垂直シリンダー構造である請求項4〜6のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
  9. 前記収縮工程が、前記基材を加熱することにより収縮させる工程である請求項1〜8のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
  10. 前記収縮工程後に得られる凹凸構造上にシード層を形成する工程と、
    前記シード層上に電鋳により金属層を積層する電鋳工程と、
    前記金属層及び前記シード層から前記凹凸構造を有する基材を剥離する剥離工程とを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
  11. 凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
    凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料に紫外線を照射することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
    前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法。
  12. 凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
    凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料を加熱することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
    前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法。
  13. 請求項11または12に記載の部材の製造方法により製造される凹凸構造を有する部材。
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