JP2015005225A - 車両挙動予測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両挙動の予測精度を向上させることができる車両挙動予測装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車両挙動予測装置は、車両の走行状態を示す走行状態情報を収集するとともに当該収集した走行状態情報に基づき車両挙動の発生確率を示す複数種の確率分布を求める分布演算部と、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係を求め、当該求めた相対的な位置関係に基づいて予測対象とする車両の車両挙動を予測する車両挙動予測処理を実行する車両挙動予測部と、を備える。車両挙動予測処理は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含する場合、予測対象とする車両が2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両挙動予測装置に関する。
従来、車両挙動を予測する車両挙動予測技術が開発されている。例えば、特許文献1には、記憶されている交差点での速度変化パターンと先行車の走行状態とを比較して先行車の将来挙動を予測する前方状況予測装置が開示されている。
特開2011−192177号公報
ところで、特許文献1に記載の装置は、前方車両の速度の推移が例えば信号機の赤現示における速度パターンに一致するときには、一律に、前方車両が赤現示に応じて減速すると予測する。逆に、同装置は、前方車両の速度の推移が、記憶装置に記憶されたいずれの速度パターンにも一致しないときには、一律に、前方車両が減速を行わないとして予測する。
しかし、実際の車両の速度パターンは、同一の車両であってもドライバや車両走行時の周辺環境の違い等によって相違する。このことから、車両の速度パターン自体がバラツキを含む。このため、たとえ予測対象とする車両の走行速度の推移が、特定の速度パターンに一致したとしても、予測対象とする車両は、その一致した速度パターンと共通の挙動を示すとは限らない。同様に、予測対象とする車両の走行速度の推移が特定の速度パターンに一致しない推移を示していたとしても、予測対象とする車両は、この特定の速度パターンと共通の挙動を示すこともある。
このように特許文献1に記載の装置は、予め規定された速度パターンとのマッチングによっては、予測対象とする車両の挙動を予測することが難しく、車両挙動の予測精度を向上する上でなお改善の余地があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両挙動の予測精度を向上させることができる車両挙動予測装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両の走行状態を示す走行状態情報を収集するとともに当該収集した走行状態情報に基づき車両挙動の発生確率を示す複数種の確率分布を求める分布演算部と、予測対象とする車両の車両挙動の前記複数種の確率分布に対する相対的な位置関係を求め、当該求めた相対的な位置関係に基づいて前記予測対象とする車両の車両挙動を予測する車両挙動予測処理を実行する車両挙動予測部と、を備え、前記車両挙動予測処理は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含する場合、前記予測対象とする車両が前記2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を含むことを特徴とする。
上記車両挙動予測装置において、前記車両挙動予測処理は、前記2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布に属しかつ前記他方の確率分布に属さないとき、前記予測対象とする車両が前記一方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理と、前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布に属さずかつ前記他方の確率分布に属すとき、前記予測対象とする車両が前記他方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理と、前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布と前記他方の確率分布に共に属さないときまたは前記一方の確率分布と前記他方の確率分布に共に属するとき、前記不定であると判定する処理と、を含むことが好ましい。
上記車両挙動予測装置において、前記車両挙動予測部は、前記車両挙動予測処理を繰り返し実行して得られた複数の車両挙動の予測結果に基づいて前記予測対象とする車両の車両挙動を予測することが好ましい。
上記車両挙動予測装置において、前記複数種の確率分布は、特定の車両挙動の発生時における確率分布である発生時確率分布と、当該特定の車両挙動の非発生時における確率分布である非発生時確率分布とからなり、前記非発生時確率分布が複数存在するとき、前記車両挙動予測部は、前記非発生時確率分布のうち1つの確率分布が別の確率分布を包含する場合、当該非発生時確率分布のうち1つの確率分布と前記発生確率分布とを前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行し、前記非発生時確率分布同士が互いに重複せずに独立している場合、当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と前記発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行し、前記非発生時確率分布のうち1つの確率分布と別の確率分布の一部が重複している場合、重複部分を除く当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と前記発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行することが好ましい。
上記車両挙動予測装置において、前記車両挙動予測部で予測した前記予測対象とする車両の車両挙動に基づいて運転支援を実行する運転支援制御部、を更に備えることが好ましい。
本発明にかかる車両挙動予測装置は、車両挙動の予測精度を向上させることができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態にかかる車両挙動予測装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、交差点から所定距離離れた地点における走行速度の確率分布の一例を示すグラフである。 図3は、交差点から所定距離離れた地点における加速度の確率分布の一例を示すグラフである。 図4は、交差点手前の所定の走行区間における走行速度の確率分布の一例を示すグラフである。 図5は、交差点手前の所定の走行区間における加速度の確率分布の一例を示すグラフである。 図6は、分布Nのうち確率が所定閾値より大きい区間を説明するための図である。 図7は、2つの確率分布の相対関係の3通りのパターンを説明するための図である。 図8は、ある交差点で減速する場合としない場合の速度分布の一例を示す図である。 図9は、ある交差点で減速する場合としない場合の加速度分布の一例を示す図である。 図10は、実施形態1における車両挙動予測処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、3種類の運転行動のデータベース(分布A,B,C)の相対関係を求める場合の判定手法の一例を説明するための図である。 図12は、図11のパターン2における更新前のa_maxとb_minを説明するための図である。 図13は、図11のパターン2における更新後のa’_maxとb’_minを説明するための図である。 図14は、本実施形態2における車両挙動予測処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態にかかる車両挙動予測装置および車両挙動予測方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態にかかる車両挙動予測装置の構成について図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態にかかる車両挙動予測装置の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる車両挙動予測装置が適用される車両100は、大別して、車両状態検出部110と、走行環境検出部120と、前方車両情報取得部130と、車載制御部140と、分布データベース150と、運転支援制御部160とを備える。
このうち、車両状態検出部110は、走行状態情報のうちの自車両の走行状態を検出する。車両状態検出部110は、例えば、車両100の走行速度を検出する車速センサ111、および、車両100の加速度を検出する加速度センサ112等を備える。これら車速センサ111および加速度センサ112は、例えばCAN(Control Area Nerwork)などの車載ネットワークを介して、種々のセンサ等の検出結果が集約される車載制御部(ECU)140に電気的に接続される。車速センサ111は、車輪回転速度を検出し、この検出した回転速度に応じた信号を、車載制御部140に出力する。加速度センサ112は、車両100の加速度を検出し、この検出した加速度に応じた信号を車載制御部140に出力する。
走行環境検出部120は、走行状態情報のうちの自車両または前方車両の走行位置または走行環境を検出する。走行環境検出部120は、例えば、衛星信号を受信し、この受信した衛星信号をもとに車両100または前方車両の絶対位置、すなわち緯度経度を検出するGPS121等を備える。GPS121は、車両100または前方車両の移動に伴って変化する車両100または前方車両の緯度経度、換言すれば、車両100または前方車両が走行した各地点の緯度経度を検出し、その検出結果を示す緯度経度情報を車載制御部140に出力する。
前方車両情報取得部130は、走行状態情報のうちの前方車両の走行状態等を示す情報を取得する。前方車両は、車両100の進行方向前方を走行する車両100の直前を走行する1台の車両のみならず、車両100の進行方向前方を走行する複数台の車両も含む。前方車両情報取得部130は、例えば、ミリ波帯の電波を用いて車両100の進行方向前方を走行する前方車両の存在を検知するミリ波レーダ131、および、車両100の周辺を走行する車両との車車間通信または路上に設けられた路側通信機との路車通信機との路車通信を行う車載通信機132を備える。ミリ波レーダ131は、車両100の進行方向前方を走行する前方車両の存在を検知すると、その検知結果を示す信号を車載制御部140に出力する。車載通信機132は、例えば、車両100の進行方向前方を走行する前方車両との車車間通信を通じて、前方車両の走行速度または加速度等の走行状態を示す情報を取得する。車載通信機132は、この取得した情報を車載制御部140に出力する。
本実施形態において、車両状態検出部110と、走行環境検出部120と、前方車両情報取得部130とが、検出手段に含まれる。検出手段は、車両(自車両および前方車両を含む)の走行状態情報を検出する。
車載制御部140は、システム制御部141と、走行環境特定部142と、分布演算部143と、データベース作成部144と、車両挙動予測部145とを備える。
このうち、システム制御部141は、車両状態検出部110から各運転操作要素の検出結果が入力されると、その検出結果に基づいて各種車載機器を制御する。具体的には、システム制御部141は、車両状態検出部110から入力される車速センサ111および加速度センサ112の検出結果、ならびに、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、操舵角センサ等の検出結果に基づき、エンジン、ブレーキ、ターンランプ、および、ステアリング等の各種車載機器を制御する。これにより、例えば、ドライバによりアクセルペダルが踏み込まれたことによってアクセルセンサ等の検出結果が変化すると、この検出結果に応じてエンジンの制御量が算出され、この算出結果に応じてエンジンが制御される。
走行環境特定部142は、走行環境検出部120または前方車両情報取得部130から入力される車両100または前方車両の緯度経度情報等の情報に基づき、車両100または前方車両の走行環境を特定する。走行環境特定部142は、走行環境検出部120から車両100または前方車両の緯度経度情報が入力されると、この入力された緯度経度情報を分布演算部143に出力する。走行環境特定部142は、道路線形、交差点形状、および路面勾配等がそれらの位置を示す緯度経度情報とともに予め登録された道路地図データ142aを備える。走行環境特定部142は、車両100または前方車両の緯度経度情報が入力されると、この緯度経度情報をもとに道路地図データ142aを参照し、車両100または前方車両の走行環境を特定する。走行環境特定部142は、例えば、車両100または前方車両が走行した走行地点の特徴を特定する。走行環境特定部142は、この特定結果を分布演算部143に出力する。この走行地点(場所)の特徴としては、例えば、交差点の形状、道路線形、道路幅、車線数、道路の曲率、路面勾配、信号機等のインフラ機器の有無、一時停止位置等の交通規制の有無、制限速度等のように車両挙動に影響を与える要素が該当する。本実施形態において、車両挙動は、例えば、車両100または前方車両の減速挙動または非減速挙動、加速挙動または非加速挙動などを含む。非減速挙動および非加速挙動は、車両100または前方車両の走行速度を変更しない巡航挙動に対応する。
分布演算部143は、予測対象とする車両における車両挙動の発生確率を示す確率分布を演算する。言い換えると、分布演算部143は、走行状態情報を収集するとともに当該収集した走行状態情報に基づき車両挙動の発生確率を示す複数種の確率分布を求める。具体的には、分布演算部143は、車両状態検出部110または前方車両情報取得部130から車両100または前方車両の走行速度および加速度を示す情報が入力されると、それら走行速度および加速度を示す情報に、走行速度および加速度の検出時における車両100または前方車両の緯度経度もしくは交通要素の中での絶対位置を示す位置情報を関連付ける。分布演算部143は、走行速度および加速度を示す情報の取得回数が所定回数を超えると、それら走行速度および加速度を示す情報に基づいて車両挙動の確率分布を作成する。本実施形態において、確率分布の作成に必要な走行速度および加速度を示す情報の取得回数として、例えば、同一もしくは走行環境の類似する地点において約「20回」程度が規定されている。分布演算部143は、この車両挙動の確率分布を、緯度経度に基づき分類される走行地点別、および、走行環境特定部142により特定された走行環境別に作成する。分布演算部143は、例えば、交差点またはカーブ等、走行速度または加速度の推移パターンが複数のパターンに分かれる走行地点または走行環境における、走行速度および加速度の確率分布を作成する。分布演算部143は、走行速度および加速度について確率分布を作成すると、この作成した確率分布を示すデータをデータベース作成部144に適宜出力する。分布演算部143は、作成した確率分布の信頼区間を規定する信頼区間規定部143aを備える。信頼区間規定部143aは、信頼区間として、例えば、確率分布のうちの中心を含む約「95%」を信頼区間として規定する。この95%の値は、統計学的に一般的な値である。
データベース作成部144は、分布演算部143が作成した確率分布を示すデータが入力されると、入力されたデータに基づいて、対象とする車両の車両挙動(例えば、減速挙動または非減速挙動等)と、走行状態情報(例えば、走行速度または加速度等)の時系列変化の特徴(例えば、確率分布の平均値、信頼区間等)とが対応付けられた情報である挙動特徴情報を、所定地点の前方地点における交通状況ごとに分けて複数パターン、分布データベース150に登録する。本実施形態において、データベース作成部144は、これらの複数パターンの挙動特徴情報を分布データベース150内に登録してもよいし、各挙動特徴情報をそれぞれ記憶する複数の車両挙動データベースを、分布データベース150に複数登録してもよい。また、交通状況は、例えば、前方地点における車両の巡航速度であってもよいし、前方地点における路面勾配であってもよい。巡航速度は、走行速度および加速度を含む。これにより、分布データベース150には、車両100または前方車両の走行する各交通状況ごとに挙動特徴情報が蓄積されることになる。
車両挙動予測部145は、分布データベース150から抽出された挙動特徴情報と、検出手段により検出された現時点における車両の走行状態情報の時系列変化とを比較して、所定地点における車両の車両挙動を予測する。言い換えると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係(相対関係)を求め、当該求めた相対的な位置関係に基づいて予測対象とする車両の車両挙動を予測する車両挙動予測処理を実行する。ここで、車両挙動予測部145は、車両挙動予測処理を繰り返し実行して得られた複数の車両挙動の予測結果に基づいて予測対象とする車両の車両挙動を予測する。
例えば、車両挙動予測部145は、前方車両情報取得部130から入力される情報に基づいて車両100の進行方向前方に前方車両が存在していると認識すると、この前方車両の車両挙動を予測する。車両挙動予測部145は、車両挙動の予測に際し、車両100の前方を走行中の前方車両の走行速度および加速度を示す情報を前方車両情報取得部130から取得する。車両挙動予測部145は、GPS121により取得される車両100の緯度経度情報とミリ波レーダ131の検出結果とに基づいて前方車両の走行地点を特定する。車両挙動予測部145は、この特定した前方車両の走行地点に基づき、緯度経度が共通する地点で作成された走行速度および加速度についての確率分布を分布データベース150から抽出する。次いで、車両挙動予測部145は、この抽出した走行速度および加速度の確率分布に対する前方車両の走行速度および加速度の相対的な位置関係に基づいて前方車両の車両挙動を予測する。車両挙動予測部145は、前方車両の車両挙動として、例えば、減速挙動の発生の有無を予測する。車両挙動予測部145は、前方車両の減速挙動の発生および非発生のいずれについても高確率で発生することが予測できないとき、前方車両の減速挙動が不定であると識別する。
更に、車両挙動予測部145は、予測対象とする前方車両の走行環境と類似する環境のもとで作成された確率分布を分布データベース150から抽出する類似地点抽出部145aを備える。類似地点抽出部145aは、緯度経度が共通する地点で作成された走行速度および加速度についての確率分布が分布データベース150に存在しないとき、路面勾配、交差点形状、道路線形、カーブの曲率等が類似する環境のもとで作成された走行速度および加速度についての確率分布を分布データベース150から抽出する。本実施形態において、この抽出された走行速度および加速度についての確率分布も、前方車両の車両挙動の予測に用いられる。これにより、本実施形態では、分布データベース150に未登録の走行地点を走行している前方車両についても車両挙動を予測することができる。車両挙動予測部145は、前方車両の車両挙動を予測すると、この予測結果を、予測結果に基づいて各種運転支援を行う運転支援制御部160に出力する。
運転支援制御部160は、車両挙動予測部145の予測結果に基づいて、各種運転支援に関する制御を行う。言い換えると、運転支援制御部160は、車両挙動予測部145で予測した予測対象とする車両の車両挙動に基づいて運転支援を実行する。運転支援制御部160は、支援実施部161と、音声部162と、表示部163とを備える。
支援実施部161は、車両挙動予測部145から前方車両の車両挙動の予測結果が入力されると、この予測結果に基づいて、例えば、上記システム制御部141により制御される各種制御機器の制御量を求め、求めた制御量をシステム制御部141に出力する。これにより、例えば、車両挙動予測部145の予測結果が前方車両の減速挙動の発生を示しているときは、前方車両が減速するタイミングもしくはこのタイミング以前でのエンジンオフまたはブレーキのオンを実行する。車両100がハイブリッド自動車であるときは、支援実施部161は、前方車両が減速するタイミングもしくはこのタイミング以前でのブレーキ回生を実行する。支援実施部161は、例えば、前方車両が減速挙動を行う旨を案内する音声案内または画像案内のための音声データまたは画像データを生成し、これら生成した音声データまたは画像データを、前方車両が減速するタイミングもしくはこのタイミング以前に音声部162および表示部163に出力する。これにより、音声部162および表示部163を通じて、前方車両の減速時もしくは減速開始以前に、車両100の減速を促す案内が車両100のドライバに対して行われる。
一方、車両挙動予測部145の予測結果が前方車両の減速挙動が発生しない、すなわち、前方車両の車両挙動が非減速挙動である旨を示しているときには、支援実施部161は、システム制御部141、音声部162、および表示部163を通じた減速支援を実行しない。このとき、支援実施部161は、例えば、音声部162、および表示部163を通じて、前方車両が減速挙動を行わない旨をドライバに案内してもよい。同様に、支援実施部161は、車両挙動予測部145から前方車両の車両挙動が不定であるとする識別結果が入力されたときにも、システム制御部141、音声部162、および表示部163を通じた減速支援を実行しない。
このように、本実施形態では、前方車両が減速行動を行う可能性が高いときにのみ、ドライバに対する減速支援が行われることとなる。また、本実施形態では、前方車両が減速行動を行わない可能性が高いときには、例えば、前方車両が減速行動を行わない旨がドライバに案内されることとなる。これにより、必要性が高い状況下でのみドライバに対する減速支援が行われるとともに、前方車両の減速行動が行われない可能性が高いときには前方車両の走行が継続される旨の案内が行われることとなる。
ここで、本実施形態における車両挙動の予測原理について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、信号機が設けられた交差点の手前約「40m」における走行速度の確率分布を示す。図3は、信号機が設けられた交差点の手前約「40m」における加速度の確率分布を示す。図4は、交差点を走行した車両の走行速度の確率分布を例えば約「1m」毎に示した挙動特徴情報である。図4において、分布Rvyは、減速挙動の発生時における交差点の手前約「100m」から交差点までの車両の走行速度の確率分布を示し、分布Rvnは、減速挙動の非発生時における交差点の手前約「100m」から交差点までの車両の走行速度の確率分布を示す。図5は、交差点を走行した車両の加速度の確率分布を例えば約「1m」毎に示した挙動特徴情報である。図5において、分布Rayは、減速挙動の発生時における交差点の手前約「100m」から交差点までの車両の加速度の確率分布を示し、分布Ranは、減速挙動の非発生時における交差点の手前約「100m」から交差点までの車両の加速度の確率分布を示す。
図2に示すように、例えば、交差点の手前から約「40m」の地点における車両100または前方車両等の走行速度の確率分布は、この交差点で信号機の赤現示等に起因する減速挙動が行われたときの分布Pvyと、この交差点で減速挙動が行われなかったときの分布Pvnとの2つの分布となる。本実施形態では、各分布PvyおよびPvnの平均値に対する95%信頼区間として領域OvyおよびOvnの分布が規定されている。
図3に示すように、例えば、交差点の手前から約「40m」の地点における車両100または前方車両等の加速度の確率分布は、この交差点で信号機の赤現示等に起因する減速挙動が行われたときの分布Payと、この交差点で減速挙動が行われなかったときの分布Panとの2つの分布となる。本実施形態では、各分布PayおよびPanの平均値に対する95%信頼区間として領域OayおよびOanの分布が規定されている。
図4に示すように、この交差点から所定距離手前の地点から交差点までの95%信頼区間の走行速度の分布は、車両のドライバが減速操作を行ったことにより減速挙動が発生したときの分布Rvyと、車両のドライバが減速操作を行わなかったことにより減速挙動が発生しなかったときの分布Rvnとに分類される。この2つの分布RvyおよびRvnは、例えば、交差点の手前約「100m」の地点においては相違しないものの、交差点に近づくにつれて異なる推移(すなわち、走行状態情報の時系列変化)を示す。これは、減速操作が行われたときには、交差点に近づくにつれて車両の走行速度が「0」に近づくことに起因する。
例えば、予測対象とする車両の走行速度の推移V1(すなわち、走行速度の時系列変化)が非減速時の分布Rvnに包含される一方で減速時の分布Rvyに包含されないときには、この車両では減速挙動が発生しないと予測することができる。例えば、予測対象とする車両の走行速度の推移V2が減速時の分布Rvyに包含される一方で非減速時の分布Rvnに包含されないときには、この車両では減速挙動が発生すると予測することができる。例えば、予測対象とする車両の走行速度の推移V3が減速時の分布RvyおよびRvnのいずれにも包含されるときには、この車両では減速挙動が発生することも発生しないことも起こり得ることから、以後の車両挙動が不定とされる。同様に、減速時の分布RvyおよびRvnのいずれにも包含されない例外的な推移V4、V5についても、以後の車両挙動が不定とされる。
図5に示すように、この交差点から所定距離手前の地点から交差点までの95%信頼区間の加速度の分布は、車両のドライバが減速操作を行ったことにより減速挙動が発生したときの分布Rayと、車両のドライバが減速操作を行わなかったことにより減速挙動が発生しなかったときの分布Ranとに分類される。加速度についての減速時の分布Rayが非減速時の分布Ranと重複する割合は、交差点から離れた例えば手前約「100m」の地点において、走行速度についての減速時の分布Rvyが非減速時の分布Rvnと重複する割合よりも少なくなっている。これは、加速度が走行速度の微分値であることから、減速操作の有無に伴う加速度の変化が減速操作の開始直後に発生することに起因する。
例えば、予測対象とする車両の加速度の推移A1(すなわち、加速度の時系列変化)が非減速時の分布Ranに包含される一方で減速時の分布Rayに包含されないときには、この車両では減速挙動が発生しないと予測することができる。例えば、予測対象とする車両の加速度の推移A2が減速時の分布Rayに包含される一方で非減速時の分布Ranに包含されないときには、この車両では減速挙動が発生すると予測することができる。例えば、予測対象とする車両の加速度の推移A3が減速時の分布RayおよびRanのいずれにも包含されるときには、この車両では減速挙動が発生することも発生しないことも起こり得ることから、以後の車両挙動が不定とされる。同様に、減速時の分布RayおよびRanのいずれにも包含されない例外的な推移A4、A5についても、以後の車両挙動が不定とされる。
このように、本実施形態において、車両挙動予測部145は、対象とする車両の車両挙動を予測する際、分布データデータベース150に記載された挙動特徴情報と、検出手段により検出された現時点における車両の走行状態情報の時系列変化とを比較して、所定地点における車両の車両挙動を予測する。具体的には、本実施形態の車両挙動予測部145は、予測対象の状態を複数種の確率分布と比較することにより算出した複数の確率を使って予測対象の運転行動を予測する手法を用いている。このような手法では、例えば、確率が所定閾値より小さい場合、予測対象はその運転行動をしていないとし、確率が所定閾値より大きい場合、予測対象はその運転行動をしていないとはいえない(つまり、その運転行動をする可能性が高い)として、消去法で判定している。
本実施形態では、図6に示すように、分布Nについて、「n_max」、「n_min」、「μ_n」を規定している。図6は、分布Nのうち確率が所定閾値より大きい区間を説明するための図である。図6において、分布Nの中心に位置する「μ_n」は、分布Nの確率の平均値である。つまり、分布Nは、平均値「μ_n」に近いほど確率が高く、平均値「μ_n」から遠いほど確率が低いことを表している。また、図6において、分布Nの両端側に位置する斜線部分の「n_max」と「n_min」が示す各領域は、5%有意のときの面積(確率)が0.025の領域である。ここで「n_max」と「n_min」における確率0.025(2.5%)を加えると、0.05(5%)となる。つまり、言い換えると、「n_max」と「n_min」は、95%信頼区間以外の領域であって、確率が所定閾値(例えば、0.025)より小さいため、予測対象はその運転行動をしていないと判定される領域となる。これら「n_max」と「n_min」は、必ずしも最大値と最小値を示すものでなく、例えば、±3σの上下限であってもよく、任意に定めた領域の上下限であってもよい。本実施形態では、それらの領域の上界を「n_max」とし、下界を「n_min」として表現している。なお、以下の説明では、分布Nのうち「n_max」と「n_min」の以外の95%信頼区間に該当する領域を、分布Nのうち確率が所定閾値より大きいため、予測対象はその運転行動をしていないとはいえない(つまり、その運転行動をする可能性が高い)と判定される「95%区間」と呼ぶ場合がある。
さて、予測対象の状態を複数種の確率分布と比較することにより算出した複数の確率を使って予測対象の運転行動を予測する手法を用いる場合、2つの確率分布(例えば、図7において、分布Aと分布B)の相対関係は、図7に示すように、パターン1と、パターン2と、パターン3との3通りに分けられる。図7は、2つの確率分布の相対関係の3通りのパターンを説明するための図である。図7では、説明の分かりやすさのため、図中のグラフの横軸を速度、縦軸を度数とする。
図7に示すように、パターン1は、2つの確率分布が独立している場合である。図7のパターン1の例では、2つの確率分布である分布Aと分布Bとが互いに重複せずに独立している。パターン1であるための条件式1は、ガウス分布の場合「a_max<b_min,μ_a<μ_b」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式1が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン1に該当すると判定する。
そして、パターン1において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<a_max」の場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間内に含まれる場合、BではないがAではないといえない(つまり、Aである可能性が高い)と判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)に属し、かつ、特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に属さないとき、予測対象とする車両が該当する車両挙動を示さない(この場合、Aである可能性が高い、つまり特定の車両挙動が非発生である可能性が高い)と予測する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、減速挙動が発生せずに、非減速挙動となり車両は巡航すると予測する。
また、パターン1において、車両挙動予測部145は、「b_min<v<b_max」の場合、すなわち、速度vが分布Bの信頼区間内に含まれる場合、AではないがBではないといえない(つまり、Bである可能性が高い)と判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に属し、かつ、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)に属さないとき、予測対象とする車両が該当する車両挙動を示す(この場合、Bである可能性が高い、つまり特定の車両挙動が発生する可能性が高い)と予測する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、減速挙動が発生すると予測する。
その他、パターン1において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<a_max」および「b_min<v<b_max」ではない場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間にも分布Bの信頼区間にも含まれない場合、AでもBでもないことから、予測対象の車両挙動は不定であると判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に共に属さないとき、予測対象とする車両の車両挙動を示すか否かが不定であると判定する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、予測対象の車両挙動が減速挙動または非減速挙動(巡航挙動)であるかが不定であると判定する。
続いて、図7に示すように、パターン2は、2つの確率分布の一部が重複している場合である。図7のパターン2の例では、2つの確率分布である分布Aの一部と分布Bの一部とが互いに重複している。パターン2であるための条件式2は、ガウス分布の場合「b_min<a_max,μ_a<μ_b」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式2が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン2に該当すると判定する。
そして、パターン2において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<b_mix」の場合、すなわち、速度vが、分布Aと分布Bとの重複部分以外の分布Aの信頼区間内に含まれる場合、BではないがAではないといえない(つまり、Aである可能性が高い)と判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)に属し、かつ、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)との重複部分(この場合、分布Bのb_minから分布Aのa_maxまでの区間「b_min≦v≦a_max」)に属さないとき、予測対象とする車両が該当する車両挙動を示さない(この場合、Aである可能性が高い、つまり特定の車両挙動が非発生である可能性が高い)と予測する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、減速挙動が発生せずに、非減速挙動となり車両は巡航すると予測する。
また、パターン2において、車両挙動予測部145は、「a_max<v<b_max」の場合、すなわち、分布Aと分布Bとの重複部分以外の分布Bの信頼区間内に含まれる場合、AではないがBではないといえない(つまり、Bである可能性が高い)と判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に属し、かつ、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)との重複部分(この場合、分布Bのb_minから分布Aのa_maxまでの区間「b_min≦v≦a_max」)に属さないとき、予測対象とする車両が該当する車両挙動を示す(この場合、Bである可能性が高い、つまり特定の車両挙動が発生する可能性が高い)と予測する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、減速挙動が発生すると予測する。
その他、パターン2において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<b_min」および「a_max<v<b_max」ではない場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間にも分布Bの信頼区間にも含まれない場合か、または、速度vが分布Aにも分布Bにも含まれる場合、AでもBでもないともいえるし、または、AでもBでもあり得るといえるため、予測対象の車両挙動は不定であると判定する。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に共に属さないとき、または、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に共に属するとき、予測対象とする車両の車両挙動を示すか否かが不定であると判定する。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、車両挙動予測部145は、予測対象の車両挙動が減速挙動または非減速挙動(巡航挙動)であるかが不定であると判定する。
更に、図7に示すように、パターン3は、2つの確率分布のうち一方が他方に含まれる場合である。図7のパターン3の例では、2つの確率分布のうち、分布Aが分布Bを包含している。パターン3であるための条件式3は、ガウス分布の場合「a_min<b_minかつb_max<a_max」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式3が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン3に該当すると判定する。
ここで、従来の判定手法では、パターン3において、「a_min<v<b_min」または「b_max<v<a_max」の場合、すなわち、速度vが、分布Bに含まれず、かつ、分布B以外の分布Aの信頼区間内に含まれる場合、BではないがAではないといえない(つまり、Aである可能性が高い)と判定していた。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、従来の判定手法では、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)に属し、かつ、特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に属さないとき(この場合、分布Aのa_minから分布Bのb_minの間の区間「a_min<v<b_min」、または、分布Bのb_maxから分布Aのb_maxの間の区間「b_max<v<a_max」)、予測対象とする車両が該当する車両挙動を示さない(この場合、Aである可能性が高い、つまり特定の車両挙動が非発生である可能性が高い)と予測していた。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、従来の判定手法では、減速挙動が発生せずに、非減速挙動となり車両は巡航すると予測していた。
その他、従来の判定手法では、パターン3において、「a_min<v<b_min」および「b_max<v<a_max」ではない場合、すなわち、速度vが分布B以外の分布Aの信頼区間に含まれない場合か、速度vが分布Aにも分布Bにも含まれる場合、AでもBでもないともいえるし、または、AでもBでもあり得るといえるため、予測対象の車両挙動は不定であると判定していた。例えば、分布Aが特定の車両挙動の非発生時における確率分布であり、分布Bが特定の車両挙動の発生時における確率分布であるとすると、従来の判定手法では、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布に対する相対的な位置関係が、特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)以外の特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)に属さないとき、または、特定の車両挙動の非発生時における確率分布(この場合、分布A)と特定の車両挙動の発生時における確率分布(この場合、分布B)に共に属するとき、予測対象とする車両の車両挙動を示すか否かが不定であると判定していた。一例として、特定の車両挙動が減速挙動である場合、分布Aは巡航時(非減速時)における確率分布となり、分布Bは減速時における確率分布となるため、この場合、従来の判定手法では、予測対象の車両挙動が減速挙動または非減速挙動(巡航挙動)であるかが不定であると判定していた。
ところで、上述のパターン3の場合、データベースのばらつきを考慮すると、分布Aと分布Bに有意差がないと考えられるものの、上述の「a_min<v<b_min」または「b_max<v<a_max」の条件式を満たす速度vが観測されるとAであると判定されるため、誤判定要因となり得る場合がある。これは、上述のパターン3の場合は分布Aと分布Bの平均値がほぼ変わらないため、AとBともいえる状況においてAであると判定すると誤判定になる可能性があるからである。
そこで、本実施形態の車両挙動予測装置は、予測対象とする車両の挙動である車両挙動を高精度に予測するために、パターン3の場合、すなわち、2つの確率分布(図7の例において、分布Aと分布B)のうち一方の確率分布(図7の例において、分布A)が他方の確率分布(図7の例において、分布B)を包含する場合、車両挙動予測部145は、予測対象とする車両が2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定している。
以下、図8および図9を参照して、対象となるシーン及び予測方法の一例について説明する。図8は、ある交差点で減速する場合としない場合の速度分布の一例を示す図である。図9は、ある交差点で減速する場合としない場合の加速度分布の一例を示す図である。図8および図9では、1m毎に分布を作成しており、縦軸はそれぞれ速度[km/h]および加速度[m/s]を示し、横軸は交差点からの距離[m]を示している。この横軸の交差点からの距離[m]が示すマイナス符号は、交差点手前を表している。
図8において、図中右側に位置する点線が示す断面は、速度分布の95%区間[巡航](図7の分布Aに対応)と、速度分布の95%区間[減速](図7の分布Bに対応)とが一部重複しているパターン2を示している。また、図8において、図中略中央に位置する点線が示す断面は、速度分布の95%区間[巡航]が、速度分布の95%区間[減速]を包含しているパターン3を示している。このパターン3の場合、平均値[巡航]と平均値[減速]がほぼ同じであり巡航とも減速ともいえる状態であるが、従来の判定手法では、予測対象の車両挙動は速度分布の95%区間[巡航]が示す巡航であると誤判定する可能性がある。そこで、本実施形態の車両挙動予測装置は、パターン3の場合は、予測態様の車両挙動が巡航を示すかまたは減速を示すかについて不定であると判定している。
図9において、図中右側に位置する点線が示す断面は、加速度分布の95%区間[巡航](図7の分布Aに対応)と、加速度分布の95%区間[減速](図7の分布Bに対応)とが互いに重複せずに独立しているパターン1を示している。また、図9において、図中略中央に位置する点線が示す断面は、加速度分布の95%区間[巡航]と、加速度分布の95%区間[減速]とが一部重複しているパターン2を示している。また、図9において、左側に位置する点線が示す断面は、加速度分布の95%区間[減速]が、加速度分布の95%区間[巡航]を包含しているパターン3を示している。このパターン3の場合、平均値[巡航]と平均値[減速]がほぼ同じであり巡航とも減速ともいえる状態であるが、従来の判定手法では、予測対象の車両挙動は速度分布の95%区間[減速]が示す減速であると誤判定する可能性がある。そこで、本実施形態の車両挙動予測装置は、パターン3の場合は、予測態様の車両挙動が巡航を示すかまたは減速を示すかについて不定であると判定している。
このように、本実施形態の車両挙動予測装置では、車両が減速する場合としない場合がある交差点で、各場合の速度と加速度を交差点からの距離に紐付けて、平均値と標準偏差から成る分布として作成されたデータベースと、現在の前車の速度/加速度とを比較し、前車挙動がどのデータベースに近いかを予測している。このとき、本実施形態の車両挙動予測装置は、誤判定防止の為データベース間の相対関係を考慮し、図7に示したパターン3の場合は、不定としている。
以下、実施形態1における車両挙動予測処理の一例について、図10を参照して説明する。図10は、実施形態1における車両挙動予測処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す例では、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布が、特定の車両挙動の発生時における確率分布(図10中の減速DBに対応)と当該特定の車両挙動の非発生時における確率分布(図10中の巡航DBに対応)の2つの確率分布とからなる場合を想定している。
図10に示すように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145の類似地点抽出部145aにより、走行中の場所の特徴に紐付いた車両挙動(速度/加速度)データベースを取得する。例えば、車両挙動予測装置は、ある交差点における図8に示した速度分布や図9に示した加速度分布などを取得する(ステップSA−1)。
そして、車両挙動予測装置は、走行環境検出部120および前方車両情報取得部130等の検出手段により、前方車両の走行状態情報を検出することで、前車車両挙動を検出する(ステップSA−2)。
そして、車両挙動予測装置は、走行環境特定部142により、前方車両の走行状態情報に含まれる前方車両の緯度経度情報等に基づき、前方車両が、車両100の車両挙動を予測可能な予測対象区間内に侵入したか否かを判定する(ステップSA−3)。本実施形態において、予測対象区間は、例えば、交差点等の所定地点付近に設定される区間とする。
そして、車両挙動予測装置は、前車は予測対象区間内に侵入した判定した場合(ステップSA−3:Yes)、車両挙動予測部145により、前車の位置Pに紐付けて、車両挙動データベースと現在の前車速度/加速度とを比較し、巡航時(A)および減速時(B)の各データベース(速度/加速度分布)の何%の信頼区間に含まれているかを算出する(ステップSA−4)。例えば、車両挙動予測装置は、上述の図8および図9に示した、ある交差点における速度分布や加速度分布における断面の切り口において、予測対象の車両挙動の発生確率をみる。ここで、前車の位置Pは、上述の図8および図9の横軸上の位置に対応する。一方、車両挙動予測装置は、前車は予測対象区間内に侵入していないと判定した場合(ステップSA−3:No)、ステップSA−2の処理へ戻る。
そして、本実施形態の車両挙動予測装置は、ステップSA−5以降の処理で、上述の図8および図9に示したような断面の切り口における2つの確率分布(例えば、図7の分布Aに対応する巡航DB(A)と、図7の分布Bに対応する減速DB(B))の相対的な位置関係が、図7に示したパターン1、パターン2、パターン3のいずれかに該当するかを判定する。以下に詳細を示す。
まず、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、位置Pで巡航時(A)と減速時(B)のデータベースの相対関係は、パターン1またはパターン2であるか否かを判定する(ステップSA−5)。言い換えると、車両挙動予測装置は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含するパターン3に該当するか否かを判定する。
ステップSA−5において、車両挙動予測装置は、パターン3に該当する場合は、パターン1およびパターン2ではないと判定して(ステップSA−5:No)、ステップSA−6の処理へ移行する。一方、車両挙動予測装置は、パターン3に該当しない場合は、パターン1またはパターン2であると判定して(ステップSA−5:Yes)、ステップSA−7の処理へ移行する。
そして、車両挙動予測装置は、ステップSA−5において、パターン1およびパターン2ではないと判定した場合(ステップSA−5:No)、すなわち、パターン3の場合、車両挙動予測部145により、位置Pでの速度/加速度フラグとして車両挙動予測結果が不定であることを示す値「0」をカウントする(ステップSA−6)。ステップSA−6の後、ステップSA−12の処理へ移行する。言い換えると、車両挙動予測部145は、車両挙動予測処理として、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含する場合、予測対象とする車両が2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を実行する。
ステップSA−5に戻り、車両挙動予測装置は、ステップSA−5において、パターン1またはパターン2であると判定した場合(ステップSA−5:Yes)、すなわち、パターン3ではない場合、車両挙動予測部145により、位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間(図7の分布Bにそれぞれ対応する、図8の速度分布の95%区間[減速]や図9の加速度分布の95%区間[減速])に含まれていないかを判定する(ステップSA−7)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−7において位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていると判定した場合(ステップSA−7:No)、続いて、位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間(図7の分布Aにそれぞれ対応する、図8の速度分布の95%区間[巡航]や図9の加速度分布の95%区間[巡航])に含まれていないかを判定する(ステップSA−8)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−8において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれていると判定した場合(ステップSA−8:No)、ステップSA−6に移行し、位置Pでの速度/加速度フラグとして車両挙動予測結果が不定であることを示す値「0」をカウントする。ステップSA−6の後、ステップSA−12の処理へ移行する。
このように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−7において位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていると判定した場合であって(ステップSA−7:No)、かつ、ステップSA−8において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間にも含まれていると判定した場合(ステップSA−8:No)、予測対象の車両挙動はA(この場合、巡航)でもあるといえるし、予測対象の車両挙動はB(この場合、減速)でもあるといえるため、この場合は、不定と判定する。言い換えると、車両挙動予測部145は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、車両挙動予測処理として、予測対象とする車両の車両挙動の2つの確率分布に対する相対的な位置関係が、一方の確率分布と他方の確率分布に共に属するとき、予測対象とする車両が2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を実行する。
ステップSA−8に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−8において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれていないと判定した場合(ステップSA−8:Yes)、位置Pでの速度/加速度フラグとして車両挙動予測結果が減速であることを示す値「−1」をカウントする(ステップSA−9)。ステップSA−9の後、ステップSA−12の処理へ移行する。
このように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−7において位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていると判定した場合であって(ステップSA−7:No)、かつ、ステップSA−8において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれてないと判定した場合(ステップSA−8:Yes)、予測対象の車両挙動はA(この場合、巡航)ではないが、予測対象の車両挙動はB(この場合、減速)ではないとはいえないため、この場合は、位置Pでの予測対象の車両挙動はBの減速挙動であると予測する。言い換えると、車両挙動予測部145は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、車両挙動予測処理として、予測対象とする車両の車両挙動の2つの確率分布に対する相対的な位置関係が、一方の確率分布に属しかつ他方の確率分布に属さないとき、予測対象とする車両が一方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理を実行する。
ステップSA−7に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていないと判定した場合(ステップSA−7:Yes)、続いて、位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベースの(A)の95%区間(図7の分布Aにそれぞれ対応する、図8の速度分布の95%区間[巡航]や図9の加速度分布の95%区間[巡航])に含まれていないかを判定する(ステップSA−10)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−10において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれていると判定した場合(ステップSA−10:No)、ステップSA−6に移行し、位置Pでの速度/加速度フラグとして車両挙動予測結果が不定であることを示す値「0」をカウントする。ステップSA−6の後、ステップSA−12の処理へ移行する。
このように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−7において位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていないと判定した場合であって(ステップSA−7:Yes)、かつ、ステップSA−10において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間にも含まれてないと判定した場合(ステップSA−10:Yes)、予測対象の車両挙動はA(この場合、巡航)ではなく、また、予測対象の車両挙動はB(この場合、減速)でもないといえるため、この場合は、不定と判定する。言い換えると、車両挙動予測部145は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、車両挙動予測処理として、予測対象とする車両の車両挙動の2つの確率分布に対する相対的な位置関係が、一方の確率分布と他方の確率分布に共に属さないとき、予測対象とする車両が2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を実行する。
ステップSA−10に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−10において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれていると判定した場合(ステップSA−10:No)、位置Pでの速度/加速度フラグとして車両挙動予測結果が巡航であることを示す値「1」をカウントする(ステップSA−11)。ステップSA−11の後、ステップSA−12の処理へ移行する。
このように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、ステップSA−7において位置Pでの前車の速度/加速度は減速データベース(B)の95%区間に含まれていないと判定した場合であって(ステップSA−7:Yes)、かつ、ステップSA−10において位置Pでの前車の速度/加速度は巡航データベース(A)の95%区間に含まれていると判定した場合(ステップSA−10:No)、予測対象の車両挙動はB(この場合、減速)ではないが、予測対象の車両挙動はA(この場合、巡航)ではないとはいえないため、この場合は、位置Pでの予測対象の車両挙動はAの巡航挙動(非減速挙動)であると予測する。言い換えると、車両挙動予測部145は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、車両挙動予測処理として、予測対象とする車両の車両挙動の2つの確率分布に対する相対的な位置関係が、一方の確率分布に属さずかつ他方の確率分布に属すとき、予測対象とする車両が他方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理を実行する。
なお、本実施形態において、上述のステップSA−5〜SA−11で説明した、95%区間に入っているか否かの判定は、図7に示したように、観測した速度/加速度と各分布に定義したMax値、Min値との大小関係で表すことも可能である。
ステップSA−12の処理から図10の説明を続ける。車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、予測対象区間に侵入後から位置Pまでの速度/加速度フラグを積算して前車挙動を予測する(ステップSA−12)。つまり、ステップSA−12において、車両挙動予測装置は、上述のステップSA−6、ステップSA−9、ステップSA−11でそれぞれカウントされた複数の位置Pでの速度/加速度フラグの値の合計に基づいて、最終的に前車の車両挙動が巡航であるか、減速であるか、不定であるかを予測する。このように、車両挙動予測部145は、車両挙動予測処理を繰り返し実行して得られた複数の車両挙動の予測結果に基づいて予測対象とする車両の車両挙動を予測する。
そして、車両挙動予測装置は、走行環境特定部142により、前方車両の走行状態情報に含まれる前方車両の緯度経度情報等に基づき、前方車両が、車両100の車両挙動を予測可能な予測対象区間を退出したか否かを判定する(ステップSA−13)。
ステップSA−13において、車両挙動予測装置は、前方車両が予測対象区間を退出していないと判定した場合(ステップSA−13:No)、ステップSA−4の処理へ移行する。一方、ステップSA−13において、車両挙動予測装置は、前方車両が予測対象区間を退出したと判定した場合(ステップSA−13:Yes)、本処理を終了する。
以上述べたように、本実施形態の車両挙動予測装置は、運転行動が複数パターンに分かれる場所または場所の特徴に紐付けた各運転行動パターン別の車両挙動データベースを作成または入手する。そして、本実施形態の車両挙動予測装置は、前方車両情報取得部130を用いて獲得した前車車両挙動と車両挙動データベースを比較することによって、今後の前車挙動を確率的に予測するとき、各運転行動パターン間の車両挙動データベースの相対関係に応じて、図7のパターン3に示したように誤判定となる恐れがある場合(すなわち、図10のステップSA−5:Noのパターン3の場合)には、車両挙動予測は不定であるとして、車両挙動予測結果を判定しないようにしている。
これにより、本実施形態によれば、各DBの相対関係がパターン3にあたる場合、データベースのデータのばらつきや分布の平均値を考慮すると、例えば巡航DB(A)と減速DB(B)間の速度や加速度に差がないと考えられるため、この場合は、不定判定することで誤判定を防止することができる。言い換えると、本実施形態によれば、所定挙動を実行する確率および所定挙動を実行しない確率に基づいて車両の将来の挙動を予測する車両挙動予測装置において、夫々の確率分布の一方が他方を包含するパターン3の場合は、車両挙動の予測を行わないようにすることで、確率分布のばらつきを原因とする誤判定を防止することができる。その結果、本実施形態によれば、車両挙動の予測精度を向上させることができるので、利用者が使いやすくかつ利用者の信頼を獲得できる車両挙動予測装置を提供することが可能となる。
[実施形態2]
上述の実施形態1では、2つの確率分布の相対関係に基づいて車両挙動予測を行う例について説明したが、実施形態2では、3つの確率分布の相対関係に基づいて車両挙動予測を行う例について、図11〜図14を参照して説明する。ここで、図11は、3種類の運転行動のデータベース(分布A,B,C)の相対関係を求める場合の判定手法の一例を説明するための図である。図12は、図11のパターン2における更新前のa_maxとb_minを説明するための図である。図13は、図11のパターン2における更新後のa’_maxとb’_minを説明するための図である。図14は、実施形態2における車両挙動予測処理の一例を示すフローチャートである。
図11は、3種類の運転行動データベースとして、分布A(加速DB)、分布B(巡航DB)、分布C(減速DB)を比較する場合の一例を示している。図11に示すように、パターン1は、2つの確率分布が独立している場合である。図11のパターン1の例では、図7のパターン1の例と同様に、2つの確率分布である分布Aと分布Bとが互いに重複せずに独立している。パターン1であるための条件式1は、図7のパターン1の例と同様に、ガウス分布の場合「a_max<b_min,μ_a<μ_b」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式1が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン1に該当すると判定する。
そして、図11のパターン1において、本実施形態の車両挙動予測装置は、分布A,Bと分布Cとの相対関係について、分布Aと分布C、分布Bと分布Cそれぞれ2つの分布間の相対関係を独立に考慮する。例えば、図11に示すように、分布Aと分布Bと分布Cの3種類の運転行動データベースを比較する場合であっても、パターン1のように、分布Aと分布Bとが互いに重複せずに独立している場合は、車両挙動予測部145は、分布Aと分布Cとの相対関係と、分布Bと分布Cとの相対関係がそれぞれ、パターン1〜パターン3のうちいずれに該当するかを判定する。
このとき、車両挙動予測部145は、分布Aと分布Cとの相対関係が、2つの確率分布である分布Aと分布Cとが互いに重複せずに独立しているパターン1に該当する場合は、図7のパターン1の判定手法に従って、車両挙動の予測を行う。例えば、車両挙動予測部145は、「a_min<v<a_max」の場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間内に含まれる場合、CではないがAではないといえない(つまり、Aである可能性が高い)と判定する。また、パターン1において、車両挙動予測部145は、「c_min<v<c_max」の場合、すなわち、速度vが分布Cの信頼区間内に含まれる場合、AではないがCではないといえない(つまり、Cである可能性が高い)と判定する。その他、パターン1において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<a_max」および「c_min<v<c_max」ではない場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間にも分布Cの信頼区間にも含まれない場合、AでもCでもないことから、予測対象の車両挙動は不定であると判定する。
続いて、車両挙動予測部145は、分布Aと分布Cとの相対関係が、2つの確率分布である分布Aの一部と分布Cの一部とが互いに重複しているパターン2に該当する場合は、図7のパターン2の判定手法に従って、車両挙動の予測を行う。例えば、車両挙動予測部145は、「a_min<v<c_min」の場合、すなわち、速度vが、分布Aと分布Cとの重複部分以外の分布Aの信頼区間内に含まれる場合、CではないがAではないといえない(つまり、Aである可能性が高い)と判定する。また、パターン2において、車両挙動予測部145は、「a_max<v<c_max」の場合、すなわち、分布Aと分布Cとの重複部分以外の分布Cの信頼区間内に含まれる場合、AではないがCではないといえない(つまり、Cである可能性が高い)と判定する。その他、パターン2において、車両挙動予測部145は、「a_min<v<c_min」および「a_max<v<c_max」ではない場合、すなわち、速度vが分布Aの信頼区間にも分布Cの信頼区間にも含まれない場合か、または、速度vが分布Aにも分布Cにも含まれる場合、AでもCでもないともいえるし、または、AでもCでもあり得るといえるため、予測対象の車両挙動は不定であると判定する。
更に、車両挙動予測部145は、分布Aと分布Cとの相対関係が、2つの確率分布のうち、分布Aが分布Cを包含している(または、分布Cが分布Aと包含している場合)パターン3に該当する場合、予測対象とする車両の車両挙動を示すか否かが不定であると判定する。
なお、上述した分布Aと分布Cとの相対関係がパターン1〜パターン3のうちいずれかに該当するかを判定する例は、分布Bと分布Cとの相対関係がパターン1〜パターン3のうちいずれかに該当するかを判定する場合も、分布Aを分布Bに置換する以外は同様であるため、分布Bと分布Cとの相対関係を判定する例の詳細については、説明を省略する。
図11に戻りパターン2から説明を続ける。図11に示すように、パターン2は、2つの確率分布の一部が重複している場合である。図11のパターン2の例では、図7のパターン2の例と同様に、2つの確率分布である分布Aの一部と分布Bの一部とが互いに重複している。パターン2であるための条件式2は、図7のパターン2の例と同様に、ガウス分布の場合「b_min<a_max,μ_a<μ_b」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式2が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン2に該当すると判定する。
そして、図11のパターン2において、本実施形態の車両挙動予測装置は、分布A,Bと分布Cとの相対関係について、「a_max」と「b_min」を図12および図13に示すように更新し、「a’_max」と「b’_min」に更新後、分布Aと分布C、分布Bと分布Cそれぞれ2つの分布間の相対関係を独立に考慮する。
図12に示すように、分布Aと分布Bとの相対関係がパターン2に該当する場合、分布Aのうち、Aではないと判定される区間は、分布Aの95%信頼区間以外の「a_min」より左側の区間と「a_max」より右側の区間となる。また、分布Bのうち、Bではないと判定される区間は、分布Bの95%信頼区間以外の「b_min」より左側の区間と「b_max」より右側の区間となる。そうすると、分布Aのうち、Aではないとはいえない(すなわち、Aである可能性が高い)区間は、「a_min」と「a_max」の間の区間となり、分布Bのうち、Bではないとはいえない(すなわち、Bである可能性が高い)区間は、「b_min」と「b_max」の間の区間となる。しかし、パターン2の場合、分布Aと分布Bとが重複する区間、すなわち、「b_min」と「a_max」の間の区間は、Aではないとはいえない区間であり、かつ、Bではないともいえない区間であるため、不定と判定する区間である。この「b_min」と「a_max」の間の区間と、分布Cとの相対関係を比較したとしても、この区間はそもそもAでもBでもない区間であるため、分布Cと比較しても意味がない区間である。
そこで、本実施形態の車両挙動予測装置は、3種類の運転行動データベースとして、分布A(加速DB)、分布B(巡航DB)、分布C(減速DB)を比較する場合に、分布Aと分布Bと相対関係がパターン2であると判定された場合、図13に示すように、更新前の「b_min」と「a_max」とを入れ替えて、更新後の「a’_max」と「b’_min」としている。これにより、本実施形態の車両挙動予測装置では、「a_min」と「a’_max」の間の区間を、Aではないとはいえない(すなわち、Aである可能性が高い)区間とし、「b’_min」と「b_max」の間の区間を、Bではないとはいえない(すなわち、Bである可能性が高い)区間とすることができる。その結果、擬似的に分布Aと分布Bとをパターン1のように互いに独立している関係とみなすことができるため、本実施形態の車両挙動予測装置では、上述のように、分布Aと分布Bのそれぞれについて、分布Aと分布Cとの相対関係がパターン1〜3のいずれに該当するか、および、分布Bと分布Cとの相対関係がパターン1〜3のいずれに該当するかを判定可能となる。このように、本実施形態によれば、3つの確率分布が存在する場合であっても、最終的に2つの確率分布との相対関係に落とし込むことで車両挙動の予測を行うことができる。
図11に戻りパターン3から説明を続ける。図11に示すように、パターン3は、2つの確率分布のうち一方が他方に含まれる場合である。図10のパターン3の例では、図7のパターン3の例と同様に、2つの確率分布のうち、分布Aが分布Bを包含している。パターン3であるための条件式3は、図7のパターン3の例と同様に、ガウス分布の場合「a_min<b_minかつb_max<a_max」である。本実施形態の車両挙動予測部145は、2つの確率分布である分布Aおよび分布Bについて、条件式3が満たされると判定した場合、2つの確率分布の相対関係がパターン3に該当すると判定する。
そして、図11のパターン3において、本実施形態の車両挙動予測装置は、分布A,Bと分布Cとの相対関係について、分布A,Bは差がなく区別できないとした上で、分布Aと分布Cの相対関係を考慮する。言い換えると、本実施形態の車両挙動予測装置は、分布A〜Cのうち、分布Aと分布Bとの関係がパターン3に該当する場合、例えば、分布Aが分布Bを包含する場合は、分布Bと分布Cを比較する必要がないため、分布Bを包含する分布Aのみに着目して、分布Aと分布Cとの相対関係がパターン1〜3のいずれかに該当するかを判定する。
このように、本実施形態によれば、各運転行動パターン間の車両挙動データベースの相対関係に応じて、誤判定となる恐れがある場合には、車両挙動予測は不定であるとして、車両挙動予測結果を判定しないようにする車両挙動予測装置において、N(≧3)種類のデータベースの相対関係を2つのデータベースの相対関係であるパターン1〜3を使って帰納的に求めることが可能になる。
以下、実施形態2における車両挙動予測処理の一例について、図14を参照して説明する。図14に示す例では、予測対象とする車両の車両挙動の複数種の確率分布が、特定の車両挙動(この場合、減速挙動)の発生時における1つの確率分布(図11の分布Cに対応する減速DB)と、当該特定の車両挙動の非発生時における2つの確率分布(図11の分布Aに対応する加速DB、図11の分布Bに対応する巡航DB)との3つの確率分布とからなる場合を想定している。
図14に示すように、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145の類似地点抽出部145aにより、走行中の場所の特徴に紐付いた車両挙動(速度/加速度)データベースを取得する。例えば、車両挙動予測装置は、ある交差点における図8に示した速度分布や図9に示した加速度分布などを取得する(ステップSB−1)。
そして、車両挙動予測装置は、走行環境検出部120および前方車両情報取得部130等の検出手段により、前方車両の走行状態情報を検出することで、前車車両挙動を検出する(ステップSB−2)。
そして、車両挙動予測装置は、走行環境特定部142により、前方車両の走行状態情報に含まれる前方車両の緯度経度情報等に基づき、前方車両が、車両100の車両挙動を予測可能な予測対象区間内に侵入したか否かを判定する(ステップSB−3)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、前車の位置Pに紐付けて、車両挙動データベースと現在の前車速度/加速度とを比較し、加速時(A)、巡航時(B)、減速時(C)の各データベース(速度/加速度分布)の何%の信頼区間に含まれているかを算出する(ステップSB−4)。
そして、車両挙動予測装置は、加速時DB(A)と、巡航DB(B)と、減速DB(C)との3つのデータベース間の相対関係を、以下のステップで判定する。図14に示す例では、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、加速DB(A)と巡航DB(B)との相対関係を、各分布に定義したMax値、Min値の大小関係を判定することで、図11の分布Aに対応する加速DB(A)と、図11の分布Bに対応する巡航DB(B)の相対関係が、パターン1〜3のいずれであるかを判定する。
まず、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「a_min<b_minかつb_max<a_max」のパターン3(すなわち、分布Aが分布Bを含む場合)に該当するか否かを判定する(ステップSB−5)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「a_min<b_minかつb_max<a_max」のパターン3に該当すると判定した場合(ステップSB−5:Yes)、上述のように、分布Aと分布Cに関して比較を実施する(ステップSB−6)。具体的には、車両挙動予測装置は、上述の図10のステップSA−5以降の手順を使って分布Aと分布Cの2つを比較して、分布Aと分布Cとの相対関係がパターン1〜3のいずれに該当するか判定し、更に、予測対象の車両挙動が、分布Aが示す加速挙動であるか、分布Cが示す減速挙動であるか、または、不定であるかを予測する。
ステップSB−5に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「a_min<b_minかつb_max<a_max」のパターン3に該当しないと判定した場合(ステップSB−5:No)、更に、「b_min<a_minかつa_max<b_max」のパターン3(すなわち、分布Bが分布Aを含む場合)に該当するか否かを判定する(ステップSB−7)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「b_min<a_minかつa_max<b_max」のパターン3に該当すると判定した場合(ステップSB−7:Yes)、上述のように、分布Bと分布Cに関して比較を実施する(ステップSB−8)。具体的には、車両挙動予測装置は、上述の図10のSA−5以降の手順を使って分布Bと分布Cの2つを比較して、分布Bと分布Cとの相対関係がパターン1〜3のいずれに該当するか判定し、更に、予測対象の車両挙動が、分布Bが示す巡航挙動であるか、分布Cが示す減速挙動であるか、または、不定であるかを予測する。
このように、本実施形態において、複数種の確率分布は、特定の車両挙動の発生時における確率分布である発生時確率分布(図14において、減速DB(C))と、当該特定の車両挙動の非発生時における確率分布である非発生時確率分布とからなり、非発生時確率分布が複数(図14において、加速DB(A)と巡航DB(C))存在するとき、車両挙動予測部145は、非発生時確率分布のうち1つの確率分布(例えば、加速DB(A))が別の確率分布(例えば、巡航DB(B))を包含する場合、当該非発生時確率分布のうち1つの確率分布(例えば、加速DB(A))と発生確率分布(図14において、減速DB(C))とを2つの確率分布として車両挙動予測処理を実行する。
ステップSB−7に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「b_min<a_minかつa_max<b_max」のパターン3に該当しないと判定した場合(ステップSB−7:No)、更に、「a_max<b_minかつμ_a<μ_b」のパターン1に該当するか否かを判定する(ステップSB−9)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「a_max<b_minかつμ_a<μ_b」のパターン1に該当すると判定した場合(ステップSB−9:Yes)、上述のように、分布Aと分布C、分布Bと分布Cそれぞれに関して比較を実施する(ステップSB−10)。具体的には、車両挙動予測装置は、上述の図10のステップSA−5以降の手順を使って、分布Aと分布Cの2つを比較し、分布Bと分布Cの2つを比較する。そして、車両挙動予測装置は、分布Aと分布Cとの相対関係、および、分布Bと分布Cとの相対関係が、それぞれパターン1〜3のいずれに該当するか判定し、更に、予測対象の車両挙動が、分布Aが示す加速挙動であるか、分布Bが示す巡航挙動であるか、分布Cが示す減速挙動であるか、または、不定であるかを予測する。
このように、本実施形態において、車両挙動予測部145は、非発生時確率分布同士が互いに重複せずに独立している場合、当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ2つの確率分布として車両挙動予測処理を実行する。
ステップSB−9に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「a_max<b_minかつμ_a<μ_b」のパターン1に該当しないと判定した場合(ステップSB−9:No)、更に、「b_min<a_maxかつμ_a<μ_b」のパターン2に該当するか否かを判定する(ステップSB−11)。
そして、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「b_min<a_maxかつμ_a<μ_b」のパターン2に該当すると判定した場合(ステップSB−11:Yes)、図12および図13に示したように、「a_max」と「b_min」を入れ替えて、「a’_max」と「b’_min」とする(ステップSB−12)。その後、ステップSB−10の処理へ移行する。
ステップSB−11に戻り、車両挙動予測装置は、車両挙動予測部145により、「b_min<a_maxかつμ_a<μ_b」のパターン2に該当しないと判定した場合(ステップSB−11:No)、「b_max」と「a_min」を入れ替えて、「b’_max」と「a’_min」とする(ステップSB−12)。その後、ステップSB−10の処理へ移行する。
このように、本実施形態において、車両挙動予測部145は、非発生時確率分布のうち1つの確率分布と別の確率分布の一部が重複している場合、重複部分を除く当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ2つの確率分布として車両挙動予測処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、3つのデータベースの相対関係を考慮する場合でも、2つのデータベースの相対関係の考え方に基づいて、帰納的に処理することができる。なお、本実施形態では、3つのデータベースの相対関係を考慮する場合を例に説明したが、4つのデータベース、5つのデータベースといった3つ以上のデータベースの相対関係を考慮する場合であっても、複数の非発生時確率分布に対して、図14のステップSB−5,SB−7,SB−9,SB−11〜SB−13の処理を繰り返し実行し、最終的に、1つの非発生時確率分布と1つの発生時確率分布とを比較することで、予測対象の車両の車両挙動を予測できる。このように、本実施形態によれば、3つ以上の運転行動間のデータベースの相対関係を考慮する場合であっても、予測対象の車両の車両挙動を予測することが可能になる。
上述した実施形態1〜2に示した車両挙動予測処理は、図10および図14に示した例に限定されず、適宜組み合わせて実行してもよい。また、上述した実施形態1〜2では、車両挙動を予測する対象として前方車両を例に説明したが、実施形態1〜2に示した車両挙動予測処理は、自車両の車両挙動を予測する場合も同様に適用できる。この場合、自車両の車両挙動予測結果に基づいて、以下に示すような自車両に対する運転支援を実施してもよい。
例えば、支援実施部161は、車両挙動予測部145から自車両の車両挙動の予測結果が入力されると、この予測結果に基づいて、例えば、システム制御部141により制御される各種制御機器の制御量を求め、求めた制御量をシステム制御部141に出力することで、自車両に対する運転支援を実施してもよい。これにより、例えば、車両挙動予測部145の予測結果が自車両の減速挙動の発生を示しているときは、自車両が減速するタイミングもしくはこのタイミング以前で、エンジンのオフまたはアクセルのオフを実行する。車両100がハイブリッド自動車であるときは、支援実施部161は、自車両が減速するタイミングもしくはこのタイミング以前でのブレーキ回生を実行する。このように、支援実施部161は、自車両の減速時もしくは減速開始以前に、車両100のエネルギーロス低減支援を実施することができる。一方、車両挙動予測部145の予測結果が自車両の減速挙動が発生しない、すなわち、自車両の車両挙動が非減速挙動である旨を示しているときには、支援実施部161は、システム制御部141を通じた減速支援を実行しない。同様に、支援実施部161は、車両挙動予測部145から前方車両の車両挙動が不定であるとする識別結果が入力されたときにも、システム制御部141を通じた減速支援を実行しない。
この他、支援実施部161は、車両挙動予測部145から入力される前方車両と自車両の車両挙動の予測結果の両方を考慮して、各状況に適切した運転支援を実施してもよい。また、車両挙動は、例えば、車両100または前方車両の加速挙動または非加速挙動であってもよい。この場合、支援実施部161は、前方車両または自車両の車両挙動が加速挙動または非加速挙動であると予測された予測結果に基づいて、各状況に適した運転支援を実施してもよい。また、上述した実施形態1〜2では、特定の車両挙動として減速挙動を例に説明したが、特定の車両挙動は、減速挙動以外であってもよい。
100 車両
110 車両状態検出部
111 車速センサ
112 加速度センサ
120 走行環境検出部
121 GPS
130 前方車両情報取得部
131 ミリ波レーダ
132 車載通信機
140 車載制御部
141 システム制御部
142 走行環境特定部
142a 道路地図データ
143 分布演算部
143a 信頼区間規定部
144 データベース作成部
145 車両挙動予測部
145a 類似地点抽出部
150 分布データベース
160 運転支援制御部
161 支援実施部
162 音声部
163 表示部

Claims (5)

  1. 車両の走行状態を示す走行状態情報を収集するとともに当該収集した走行状態情報に基づき車両挙動の発生確率を示す複数種の確率分布を求める分布演算部と、
    予測対象とする車両の車両挙動の前記複数種の確率分布に対する相対的な位置関係を求め、当該求めた相対的な位置関係に基づいて前記予測対象とする車両の車両挙動を予測する車両挙動予測処理を実行する車両挙動予測部と、を備え、
    前記車両挙動予測処理は、2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含する場合、前記予測対象とする車両が前記2つの確率分布のうちいずれかに対応する車両挙動を示すか否かが不定であると判定する処理を含むことを特徴とする車両挙動予測装置。
  2. 前記車両挙動予測処理は、前記2つの確率分布のうち一方の確率分布が他方の確率分布を包含しない場合、
    前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布に属しかつ前記他方の確率分布に属さないとき、前記予測対象とする車両が前記一方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理と、
    前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布に属さずかつ前記他方の確率分布に属すとき、前記予測対象とする車両が前記他方の確率分布に対応する車両挙動を示すと予測する処理と、
    前記相対的な位置関係が、前記一方の確率分布と前記他方の確率分布に共に属さないときまたは前記一方の確率分布と前記他方の確率分布に共に属するとき、前記不定であると判定する処理と、
    を含む請求項1に記載の車両挙動予測装置。
  3. 前記車両挙動予測部は、前記車両挙動予測処理を繰り返し実行して得られた複数の車両挙動の予測結果に基づいて前記予測対象とする車両の車両挙動を予測する
    請求項1または2に記載の車両挙動予測装置。
  4. 前記複数種の確率分布は、特定の車両挙動の発生時における確率分布である発生時確率分布と、当該特定の車両挙動の非発生時における確率分布である非発生時確率分布とからなり、前記非発生時確率分布が複数存在するとき、
    前記車両挙動予測部は、前記非発生時確率分布のうち1つの確率分布が別の確率分布を包含する場合、当該非発生時確率分布のうち1つの確率分布と前記発生確率分布とを前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行し、
    前記非発生時確率分布同士が互いに重複せずに独立している場合、当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と前記発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行し、
    前記非発生時確率分布のうち1つの確率分布と別の確率分布の一部が重複している場合、重複部分を除く当該非発生時確率分布のうちの各確率分布と前記発生時確率分布との組み合わせをそれぞれ前記2つの確率分布として前記車両挙動予測処理を実行する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両挙動予測装置。
  5. 前記車両挙動予測部で予測した前記予測対象とする車両の車両挙動に基づいて運転支援を実行する運転支援制御部、を更に備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両挙動予測装置。
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