以下に、本願に係るオークション装置、オークション方法及びオークションプログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るオークション装置、オークション方法及びオークションプログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(第1の実施形態)
〔1.オークション処理〕
まず、図1を用いて、第1の実施形態に係るオークション処理の一例について説明する。図1は、第1の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図1に示したオークション装置100によるオークション処理では、コンテンツの制作を企画しているコンテンツ制作者が企画段階で所望の資金を調達できる可能性を向上させる。以下、コンテンツとして、動画を例に挙げて説明する。
図1に示すように、オークション装置100は、動画を制作する予定であるコンテンツ制作者から、動画の企画内容を示す企画情報と、コンテンツ制作者によって動画に設定される広告枠に関する広告枠情報とを受け付ける(ステップS11)。なお、オークション装置100は、企画情報と広告枠情報とを同時に受け付けてもよいし、異なるタイミングで受け付けてもよい。
図1の例の場合、コンテンツ制作者によって送信される企画情報には、コンテンツの種類が動画であること、動画の監督が「X1」であること、動画の出演者が「Y1」、「Y2」及び「Y3」であること、動画の概要が「爽やかな恋愛ドラマ・・・」であることを示す情報が含まれる。また、コンテンツ制作者によって送信される広告枠情報には、動画の冒頭に設定される3本の広告枠と、動画に含まれる各種シーンのうちスマートフォンが使用されるシーンに設定される広告枠と、カフェのシーンに設定される広告枠とに関する情報が含まれる。なお、特定シーンや出演者と関連付けて動画の本編に広告を表示する手法は、プロダクトプレイスメント(Product Placement)等と呼ばれる。
続いて、オークション装置100は、コンテンツ制作者から受け付けた企画情報を広告主に提示するとともに、動画に設定された広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。すなわち、オークション装置100は、コンテンツ制作者が動画の制作を企画している段階で、動画に広告を組み込む権利を落札対象とするオークションを開催する。
図1の例の場合、オークション装置100は、企画情報に基づいて、コンテンツの種類、監督、出演者、概要を公開するとともに、広告枠情報に基づいて、各広告枠に関するオークションサービスを個別に提供する。具体的には、オークション装置100は、動画の冒頭に表示される広告枠A、B及びCと、動画の本編内に表示される広告枠D及びEについて、それぞれ個別にオークションを開催する。
続いて、オークション装置100は、それぞれのオークションにおいて広告主から入札を受け付ける(ステップS12)。その後、オークション装置100は、オークション開催期間内に最高価格を入札した広告主を落札者に決定し、落札者から落札金の入金を受け付ける(ステップS13)。そして、オークション装置100は、落札者から入金された落札金をコンテンツ制作者に入金する(ステップS14)。この後の処理については後に詳述するが、オークション装置100は、コンテンツ制作者によって制作された動画に、落札者から受け付けた広告データを組み込むことで配信対象の動画を生成する。
このように、第1の実施形態に係るオークション装置100は、コンテンツ制作者が動画の制作を企画している段階でオークションを開催し、オークションの落札金をコンテンツ制作者に入金する。これにより、オークション装置100は、コンテンツ制作を企画しているコンテンツ制作者に制作資金を調達させることができる。すなわち、オークション装置100は、例えば資金が不足しているコンテンツ制作者に対しても制作資金を調達させることができるので、コンテンツの制作活動を支援することができる。
また、第1の実施形態に係るオークション装置100は、コンテンツ制作者によって設定された広告枠に関するオークションサービスを提供するので、コンテンツ制作者が所望の資金を調達できる可能性を向上させることができる。例えば、高額な資金を要するコンテンツ制作者は、多数の広告枠を設定することで、多くの資金を調達することができる。一方、高額な資金を要しないコンテンツ制作者は、少数の広告枠を設定することで、必要最低限の資金を調達することができる。このようなことから、オークション装置100は、コンテンツ制作者に所望の資金を調達させることができる。また、コンテンツ制作者は、自分自身で作品であるコンテンツに広告枠を設定するので、作品としての雰囲気が損なわれないようにすることができる。具体的には、作品の雰囲気が損なわれる広告の再生位置は作品毎に異なることが考えられるが、コンテンツ制作者は、自身の作品にとって雰囲気が損なわれない再生位置(例えば、シーンチェンジなど)に広告枠を設定することができる。また、例えば、コンテンツ制作者によってはさりげない広告表示を望む場合もあるが、コンテンツ制作者は、プロダクトプレイスメントを多く設定することで、さりげなく広告が表示される作品にすることができる。
〔2.オークションシステムの構成〕
次に、図2を用いて、第1の実施形態に係るオークションシステムの構成について説明する。図2は、第1の実施形態に係るオークションシステムの構成例を示す図である。図2に示すように、オークションシステム1には、制作者端末10と、広告主端末201〜20nと、配信サーバ30と、ユーザ端末401〜40mと、オークション装置100とが含まれる。制作者端末10、広告主端末201〜20n、配信サーバ30、ユーザ端末401〜40m、及び、オークション装置100は、通信網50を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図2に示したオークションシステム1には、複数台の制作者端末10や、複数台の配信サーバ30や、複数台のオークション装置100が含まれてもよい。
制作者端末10は、コンテンツ制作者によって利用される情報処理装置である。例えば、制作者端末10は、コンテンツ制作者による操作に従って、企画情報や、広告枠情報や、コンテンツ制作者によって制作された動画等のコンテンツをオークション装置100に送信する。なお、以下では、制作者端末10をコンテンツ制作者と表記する場合がある。すなわち、以下では、コンテンツ制作者を制作者端末10と読み替えることもできる。
なお、コンテンツ制作者は、企画情報の入稿作業等を代理店に依頼する場合もある。この場合、オークション装置100によって提供されるオークションサービスを利用するのは代理店となる。以下では、「コンテンツ制作者」といった表記は、コンテンツ制作者だけでなく代理店を含む概念であり、「制作者端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店端末を含む概念であるものとする。
広告主端末201〜20nは、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末201〜20nは、広告主による操作に従って、オークション装置100からオークションサービスに関するウェブページ(以下、「オークションページ」と表記する場合がある)を取得したり、オークション装置100に入札情報や広告データを送信したりする。以下では、広告主端末201〜20nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「広告主端末20」と表記する場合がある。また、以下では、広告主端末20を広告主や入札者や落札者と表記する場合がある。すなわち、以下では、広告主や入札者や落札者を広告主端末20と読み替えることもできる。
なお、広告主は、入札作業等を代理店に依頼する場合もある。この場合、オークション装置100によって提供されるオークションサービスを利用するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店端末を含む概念であるものとする。
配信サーバ30は、例えば、ウェブサーバ等である。配信サーバ30は、オークション装置100から配信対象のコンテンツを受信する。また、配信サーバ30は、ユーザ端末401〜40mからの要求に応じて、オークション装置100から受信したコンテンツを配信する。
ユーザ端末401〜40mは、コンテンツを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末401〜40mは、ユーザによる操作に従って、配信サーバ30から動画等のコンテンツを取得し、取得したコンテンツを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。以下では、ユーザ端末401〜40mを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末40」と表記する場合がある。また、以下では、ユーザ端末40をユーザや視聴者と表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザや視聴者をユーザ端末40と読み替えることもできる。
オークション装置100は、例えば、ウェブサーバ等である。図1を用いて説明したように、オークション装置100は、企画段階のコンテンツに組み込まれる広告枠に関するオークションサービスを提供する。
なお、上述した制作者端末10や広告主端末20やユーザ端末40は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
〔3.オークション装置の構成〕
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係るオークション装置100の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係るオークション装置100の構成例を示す図である。図3に示すように、オークション装置100は、通信部110と、オークション記憶部121と、制御部130とを有する。なお、オークション装置100は、オークション装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。かかる通信部110は、通信網50と有線又は無線で接続される。そして、通信部110は、通信網50を介して、制作者端末10や広告主端末20や配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
オークション記憶部121は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。第1の実施形態に係るオークション記憶部121は、オークションサービスに用いられる各種情報を記憶する。
図4に、第1の実施形態に係るオークション記憶部121の一例を示す。図4に示した例では、オークション記憶部121は、「企画ID」、「企画内容」、「オークションID」、「広告枠情報」、「オークション期間」、「現在価格」、「入札者ID」、「終了日時」といった項目を有する。
「企画ID」は、コンテンツ制作者によって制作することが企画されているコンテンツを識別するための識別情報を示す。「企画内容」は、コンテンツの企画内容を示す。「オークションID」は、各広告枠に関するオークションを識別するための識別情報を示す。言い換えれば、「オークションID」は、広告枠を識別するための識別情報を示す。「広告枠情報」は、コンテンツに組み込まれる広告枠に関する情報を示す。「オークション期間」は、オークションが開催される期間を示す。「現在価格」は、現時点でオークションに入札されている入札価格の最高額を示す。「入札者ID」は、現時点で最高額の入札価格を入札している入札者(すなわち、広告主)を識別するための識別情報を示す。「終了日時」は、オークションが終了した日時を示す。
なお、図4では、「終了日時」に日時が格納されていないオークションが開催中又は未開催であり、「終了日時」に日時が格納されているオークションが終了したことを示す。また、「終了日時」に日時が格納されている場合には、現在価格が落札価格に該当し、入札者が落札者に該当する。また、オークション記憶部121に記憶される情報は、図4に示した例に限られない。例えば、オークション記憶部121は、コンテンツ制作者を識別するための「制作者ID」等の情報を記憶してもよい。
すなわち、図4では、コンテンツ制作者により、企画ID「P11」によって識別されるコンテンツが企画中であり、コンテンツの企画内容が動画等である例を示している。また、図4では、コンテンツに5個の広告枠A〜Eが組み込まれる例を示している。また、図4では、広告枠Aに関するオークションは、オークションID「AU11」によって識別され、同様に、広告枠B〜Eに関する各オークションは、それぞれオークションID「AU12」、「AU13」、「AU14」、「AU15」によって識別される例を示している。また、図4では、広告枠A〜Eに関する各オークションが開催中又は未開催である例を示している。このように、オークション記憶部121は、1つの企画ID(すなわち、企画段階のコンテンツ)に対応付けて、コンテンツに組み込まれる各広告枠に対応するオークションIDを対応付けて記憶する。
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、オークション装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(オークションプログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
図3に示すように、制御部130は、企画受付部131と、オークション提供部132と、落札金管理部133と、コンテンツ受付部134と、生成部135と、送信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
企画受付部131は、コンテンツ制作を予定しているコンテンツ制作者から、企画情報及び広告枠情報を受け付ける。具体的には、企画受付部131は、コンテンツ制作者から、コンテンツの企画内容を示す企画情報と、コンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠に関する広告枠情報とを受け付ける。そして、企画受付部131は、企画情報及び広告枠情報を受け付けた場合に、新たな企画IDを払い出すとともに、コンテンツに設定される広告枠毎にオークションIDを払い出す。そして、企画受付部131は、新たな企画IDに対応付けて、企画情報をオークション記憶部121の「企画内容」に格納する。また、企画受付部131は、企画IDに対応付けて、広告枠毎のオークションIDをオークション記憶部121に格納し、さらに、各オークションIDに対応づけて、広告枠情報をオークション記憶部121の「広告枠情報」に格納する。このとき、企画受付部131は、企画情報及び広告枠情報の送信元であるコンテンツ制作者に対応する制作者IDについてもオークション記憶部121に格納してもよい。この制作者IDは、例えば、コンテンツ制作者によって企画情報及び広告枠情報とともに送信される。または、オークション装置100によって提供される各種サービスを利用する際にログインを要する場合には、コンテンツ制作者のログインID等を制作者IDとしてもよい。
なお、企画受付部131は、例えば企画情報を解析することで、コンテンツの種類、監督、出演者などの各項目に対応する情報を抽出する。例えば、企画情報がXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述されている場合には、企画受付部131は、企画情報から各項目に対応する情報を容易に抽出することができる。また、企画情報のフォーマットが予め決められている場合には、企画受付部131は、予め決められている形式に基づいて、企画情報から各種情報を容易に抽出することができる。同様に、企画受付部131は、広告枠情報がマークアップ言語で記述されている場合や、広告枠情報のフォーマットが予め決められている場合には、広告枠情報から各種情報を容易に抽出することができる。
また、企画受付部131は、コンテンツ制作者によって設定されたオークション期間を含む広告枠情報を受け付けてもよい。この場合、企画受付部131は、広告枠情報に含まれるオークション期間をオークション記憶部121に格納する。ただし、この例に限られず、企画受付部131は、予め決められているオークション期間をオークション記憶部121に格納してもよい。例えば、企画受付部131は、広告枠情報を受け付けた日時から所定の日数が経過するまでの期間をオークション期間としてもよい。
また、企画受付部131は、企画情報や広告枠情報を入力するための入稿サイトをコンテンツ制作者に提供してもよい。例えば、企画受付部131は、コンテンツの種類や、企画内容等を入力するための入稿サイトを提供する。また、例えば、企画受付部131は、広告枠が再生される時間的な位置(以下、再生位置と表記する場合がある)や、広告枠の再生時間や、広告枠の表示サイズ等を入力するための入稿サイトを提供する。この場合、企画受付部131は、入稿サイトに入力された各種情報を企画情報及び広告枠情報として受け付ける。
オークション提供部132は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報を提示するとともに、コンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
具体的には、オークション提供部132は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に、オークションページを広告主端末20に提供する。このとき、オークション提供部132は、コンテンツ制作者から受け付けた企画情報及び広告枠情報に基づいて、コンテンツの企画内容と、広告枠毎のオークションに関する情報が掲載されているオークションページを提供する。
一例を挙げて説明すると、オークション提供部132は、オークション記憶部121に記憶されている企画内容の一覧を広告主端末20に送信する。これにより、オークション提供部132は、一覧から選択された企画内容に対応する企画IDを含む取得要求を広告主端末20から受信する。この場合、オークション提供部132は、取得要求に含まれる企画IDに対応する各種情報をオークション記憶部121から取得する。図4の例の場合、オークション提供部132は、オークション記憶部121から、企画IDに対応する企画内容及びオークション期間と、企画IDに対応するオークションID毎の広告枠情報、現在価格、入札者ID及び終了日時などを取得する。そして、オークション提供部132は、取得した各種情報を用いて企画内容等が掲載されているオークションページを生成し、生成したオークションページを広告主端末20に提供する。
また、オークション提供部132は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する。この場合、オークション提供部132は、入札対象のオークションを示すオークションIDに対応付けて、入札情報に含まれる入札価格をオークション記憶部121に格納する。このとき、オークション提供部132は、入札情報の送信元である入札者に対応する入札者IDについてもオークション記憶部121に格納する。なお、オークション提供部132は、入札情報とともに入札者IDを受け付けてもよいし、入札者のログインID等を入札者IDとしてもよい。
ここで、図5に、第1の実施形態に係るオークション提供部132によって生成されるオークションページの一例を示す。図5では、図4に示した企画ID「P11」に対応するオークションページW10の一例を示す。図5に示す例のように、オークション提供部132は、オークションページW10の企画表示欄R11に、オークション記憶部121に記憶されている企画内容を掲載する。また、オークション提供部132は、オークションページW10の入札表示欄R12に、企画ID「P11」に対応付けてオークション記憶部121に記憶されているオークションID毎の広告枠情報等を掲載する。また、オークション提供部132は、オークションページW10のイメージ表示欄R13に、広告枠の再生位置が視認可能なイメージ図を掲載する。このように、オークション提供部132は、広告枠情報に複数の広告枠に関する情報が含まれる場合には、全ての広告枠情報をオークションページW10に掲載するとともに、各広告枠に関するオークションを個別に開催する。
また、ここでは図示することを省略するが、オークション提供部132は、入札表示欄R12に表示されている入札ボタンが押下された場合には、入札価格を入力するための入札ページを広告主端末20に提供する。これにより、オークション提供部132は、入札ページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する。
なお、図5に示したオークションページW10は、図示した例に限られない。例えば、オークション提供部132は、コンテンツ制作者の氏名等を企画表示欄R11に掲載してもよい。また、例えば、コンテンツ制作者は、コンテンツの制作にかかる費用の想定額として、落札価格の目標額を企画情報に設定してもよい。この場合に、オークション提供部132は、落札価格の目標額を企画表示欄R11に掲載してもよい。また、例えば、オークション提供部132は、イメージ表示欄R13にイメージ図を掲載しなくてもよい。
落札金管理部133は、広告を表示する権利を落札した落札者から入金される落札金を管理する。具体的には、落札金管理部133は、落札者から落札金が入金された場合であっても、即座に全ての落札金をコンテンツ制作者に送金せずに蓄積しておく。そして、落札金管理部133は、コンテンツ制作者からコンテンツ制作にかかる費用を請求されるたびに、蓄積している落札金から請求額に相当する金額をコンテンツ制作者に送金する。例えば、落札金管理部133は、コンテンツ制作時に実際に消費した衣料費や撮影費や食費などの請求データや、コンテンツ制作において直近で消費する可能性のある衣料費や撮影費や食費などの請求データを制作者端末10から受信する。そして、落札金管理部133は、受信した請求書データに対応する金額をコンテンツ制作者に送金する。なお、落札金管理部133は、オークション記憶部121に記憶されている現在価格(すなわち、落札価格)を用いて、落札金を管理する。
このように、落札金管理部133は、落札者から入金される落札金を即座にコンテンツ制作者に送金せずに、コンテンツ制作者からの要求に応じて徐々に落札金を送金する。これにより、落札金管理部133は、実際にはコンテンツを制作しないコンテンツ制作者に落札金が持ち逃げされることを防止できる。この結果、落札金管理部133は、オークション装置100により提供されるオークションサービスが悪用されることを防止できる。
なお、コンテンツ制作者から請求される総額が落札金よりも低い場合には、落札金管理部133によって管理されている落札金は余ることとなる。この場合、落札金管理部133は、コンテンツ制作者がコンテンツを制作した後に、余剰金をコンテンツ制作者に送金してもよい。これにより、落札金管理部133は、コンテンツを完成させたことに対する報酬をコンテンツ制作者に支払うことになるので、コンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。
コンテンツ受付部134は、コンテンツ制作者から企画情報に対応するコンテンツを受け付ける。例えば、コンテンツ受付部134は、企画情報を送信したコンテンツ制作者がコンテンツを完成させた場合に、コンテンツの完成品を受け付ける。また、コンテンツ受付部134は、広告を表示する権利を落札した落札者から、広告枠に組み込まれる広告データを受け付ける。
なお、落札者は、広告を表示する権利を有するが、この権利を他の広告主に譲渡してもよい。この場合、コンテンツ受付部134は、落札者に限らず、広告を表示する権利を有する広告主から広告データを受け付ける。単に「落札者」と表記する場合であっても、この落札者には、広告を表示する権利が譲渡された広告主も含まれるものとする。
生成部135は、コンテンツ受付部134によって受け付けられたコンテンツ及び広告データを合成することで、合成コンテンツを生成する。具体的には、生成部135は、広告枠情報に基づいて、コンテンツ制作者によって制作されたコンテンツに設定されている広告枠に、かかる広告枠に広告を表示する権利を有する広告主に対応する広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成する。
送信部136は、生成部135によって生成された合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。これにより、配信サーバ30は、ユーザ端末40からの要求に応じて、広告データが組み込まれた合成コンテンツをユーザ端末40に配信することとなる。
〔4.オークション処理手順〕
次に、図6を用いて、第1の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理の手順について説明する。図6は、第1の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理手順を示すシーケンス図である。なお、図6では、1台の広告主端末20のみを示すが、実際には複数台の広告主端末20が存在する。
図6に示すように、コンテンツ制作者は、制作者端末10を用いて企画情報及び広告枠情報をオークション装置100に送信する(ステップS101)。この場合、オークション装置100は、企画情報及び広告枠情報をオークション記憶部121に格納する。
なお、図6の例では、コンテンツ制作者が企画情報及び広告枠情報を同時に送信する例を示した。しかし、コンテンツ制作者は、企画情報と広告枠情報とを異なるタイミングで送信してもよい。例えば、コンテンツ制作者は、企画情報の後に広告枠情報をオークション装置100に送信してもよい。また、例えば、コンテンツ制作者は、上述した入稿サイトに各種情報を入力することで、企画情報及び広告枠情報をオークション装置100に送信してもよい。この場合、コンテンツ制作者は、最初に企画情報を入稿サイトに入力し、別の日などに広告枠情報を入稿サイトに入力してもよい。
続いて、オークション装置100は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に(ステップS102)、コンテンツの企画内容が掲載されたオークションページを広告主端末20に提供する(ステップS103)。そして、オークション装置100は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する(ステップS104)。このようにして、オークション装置100は、複数の広告主端末20から入札情報を受信する。
そして、オークション装置100は、広告主端末20から受信した入札情報に基づいて、落札者を決定する(ステップS105)。例えば、オークション装置100は、オークション開催期間が満了した日時に最高価格を入札している広告主を落札者に決定する。そして、オークション装置100は、落札者から入金される落札金を管理する。この後に、オークション装置100は、コンテンツ制作者から制作費を請求された場合に、落札金の中から請求額をコンテンツ制作者に送金する。
また、落札者は、広告主端末20を用いて広告データをオークション装置100に送信する(ステップS106)。また、コンテンツ制作者は、コンテンツを制作した場合に、制作者端末10を用いてコンテンツをオークション装置100に送信する(ステップS107)。
そして、オークション装置100は、コンテンツ制作者から受け付けたコンテンツに、広告主から受け付けた広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを配信サーバ30に送信する(ステップS108)。
〔5.変形例〕
上述した第1の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第1の実施形態の変形例について説明する。
〔5−1.オークション期間〕
上記第1の実施形態では、1つのコンテンツに複数の広告枠が設定される場合に、各広告枠に関するオークションの開催期間が同一である例を示した。しかし、上述したオークション提供部132は、複数の広告枠のうち一部の広告枠に関するオークションと、他の広告枠に関するオークションとが異なる開始日時で開催されるオークションサービスを提供してもよい。例えば、オークション提供部132は、コンテンツに複数の広告枠が設定されている場合に、各広告枠に関するオークション毎の開催期間をコンテンツ制作者に設定させてもよい。そして、オークション提供部132は、オークション毎に設定された期間に、かかるオークションを開催してもよい。また、上記第1の実施形態において、各広告枠に関するオークションは、即決価格や最低落札価格が設定されてもよい。
このような点について図7及び図8を用いて説明する。図7は、第1の実施形態の変形例に係るオークション記憶部122の一例を示す図である。変形例に係るオークション装置100は、図4に示したオークション記憶部121の代わりに、図7に示したオークション記憶部122を有する。図7に示すように、オークション記憶部122は、広告枠毎に、「オークション期間」、「即決価格」、「最低落札価格」といった情報を記憶する。
「オークション期間」は、各広告枠に関するオークションが開催される期間を示す。「即決価格」は、落札対象(すなわち、広告枠に広告を表示する権利)を即座に落札することができる価格を示す。「最低落札価格」は、落札対象を落札することができる最小価格を示す。これらの「オークション期間」、「即決価格」及び「最低落札価格」は、例えば、制作者端末10からオークション装置100に送信される広告枠情報に含まれ、コンテンツ制作者によって設定される。
すなわち、図7では、動画の冒頭0秒〜15秒における広告枠Aに関するオークションが「2013年5月15日」〜「2013年5月31日」に開催される例を示している。また、図7では、広告枠Aに関するオークションの即決価格が「20000円」であり、最低落札価格が「10000円」である例を示している。また、図7では、広告枠Bに関するオークションが「2013年6月1日」〜「2013年6月15日」に開催され、広告枠Cに関するオークションが「2013年6月16日」〜「2013年6月30日」に開催され、広告枠Dに関するオークションが「2013年7月1日」〜「2013年7月15日」に開催され、広告枠Eに関するオークションが「2013年7月16日」〜「2013年7月31日」に開催される例を示している。このように、図7の例では、広告枠A〜Eに対応する各オークションが異なる期間に開催される。
また、図7の例では、広告枠Aに対応する終了日時には日時情報が格納されているので、広告枠Aに関するオークションが終了したことを示している。この例の場合、広告枠Aに関するオークションの落札価格は「15000円」であり、かかるオークションの落札者は入札者ID「C11」によって識別される広告主である。同様に、図7の例では、広告枠Bに関するオークションが終了したことを示している。なお、広告枠Bに関するオークションは、即決価格「21000円」が入札されたことにより、オークションの終了日である「2013年6月15日」よりも前の「2013年6月10日」に終了している。
一方、図7の例では、広告枠C〜Eに対応する終了日時には日時情報が格納されていないので、広告枠C〜Eに対応する各オークションは終了していないことを示す。なお、ここでは、現在日が「2013年6月16日」〜「2013年6月30日」のいずれかであり、広告枠Cに対応するオークションが開催中であるものとする。
図8に、第1の実施形態の変形例に係るオークションページの一例を示す。図8では、図7に示した企画ID「P11」に対応するオークションページW20の一例を示す。図8に示すように、オークション提供部132は、オークションページW20の入札表示欄R12に、広告枠Aに関するオークション及び広告枠Bに関するオークションが落札済みであることを掲載する。また、オークション提供部132は、広告枠Cに関するオークションが入札可能であり、広告枠Dに関するオークション及び広告枠Eに関するオークションが未開催であることを掲載する。
このように、オークション装置100は、1つのコンテンツに設定される各広告枠に関するオークションを異なる期間に開催してもよい。これにより、オークション装置100は、1つのコンテンツに設定される複数の広告枠のうち、一部の広告枠に関するオークションの落札状況を広告主に把握させながら、他の広告枠に関するオークションを開催することができる。例えば、広告主は、終了したオークションの落札価格を参考にすることで、落札価格の相場を把握することができる。また、各オークションが異なる期間に開催される場合、開催時期が遅いオークションほど、駆け込みで入札されるケースが多くなり、落札価格が高騰する可能性が高くなると考えられる。このため、広告主は、早い時期に開催されるオークションに入札することで安い価格で落札できるようになる。
なお、図8の例において、オークション提供部132は、オークションに関する情報として、即決価格や最低落札価格等を掲載してもよい。また、オークション提供部132は、現時点での入札価格に上乗せする金額を示す入札単位が決められている場合には、入札単位を掲載してもよい。この入札単位は、各広告枠に関するオークション毎に異なる値であってもよいし、全てのオークションにおいて同一の値であってもよい。また、入札単位は、コンテンツ制作者によって設定されてもよいし、オークション装置100において予め決められていてもよい。
また、図7の例において、全ての広告枠に関するオークションにオークション期間が設定されている必要はない。例えば、コンテンツ制作者は、コンテンツに設定される広告枠の一部又は全てのオークション期間に「未定」といった情報を広告枠情報に設定してもよい。この場合、オークション提供部132は、オークションページW20のオークション開催日のうち、オークション期間が未定である広告枠のオークション開催日に「未定」といった情報を掲載する。これにより、オークション装置100は、広告主に対して、オークション開催日が未定であることを把握させることができる。また、この例において、企画受付部131は、オークション期間に未定が設定されている広告枠情報を受け付けた後に、オークション期間に具体的な日時の範囲が設定されている広告枠情報を任意の時期に受け付ける。すなわち、コンテンツ制作者は、最初はオークション期間を未定に設定しておき、その後に、そのオークション期間に具体的な日時の範囲を設定することができる。これにより、コンテンツ制作者は、例えば企画内容の評判などにより変動する広告枠の価値が高い期間をオークション期間とすることができるので、所望の資金を調達することが可能になる。
〔5−2.目標額〕
また、図7及び図8に示した変形例において、企画受付部131は、コンテンツ制作者から、落札価格の目標額を含む広告枠情報を受け付けてもよい。そして、オークション提供部132は、複数の広告枠に対応する各オークションのうち既に終了したオークションにおける落札価格と、企画受付部131によって受け付けられた目標額とに応じて、今後開催されるオークションにおける即決価格を調整してもよい。
この点について図9を用いて説明する。図9は、第1の実施形態の変形例に係るオークション処理の一例を示す図である。図9上段に示したオークション記憶部122は、図7に示した例と比較して、企画受付部131によって受け付けられた目標額をさらに記憶する。なお、ここでは図示することを省略したが、図9に示したオークション記憶部122は、図7に示した「企画ID」、「企画内容」などの他の項目についても記憶する。
図9では、企画受付部131が、各オークションにおける落札価格の総額に対応する目標額を受け付けた例を示している。この例の場合、コンテンツ制作者が、広告枠A〜Eに関する各オークションの落札価格の総額が目標額「600000円」に達することを望んでいることを示す。
ここで、オークション提供部132は、異なる期間で開催される複数のオークションのうち、いずれかのオークションが終了した場合に、各オークションにおける落札価格の総額が目標額に達することができるか否かを判定する。一例を挙げて説明すると、オークション提供部132は、「現時点で終了しているオークションにおける落札価格の総額」と「未開催のオークションにおける最低落札価格の総額」とを加算し、加算結果が目標額よりも低いか否かを判定する。そして、オークション提供部132は、加算結果が目標額よりも低い場合には、未開催のオークションにおける最低落札価格を上げる。
例えば、図9上段に示したオークション記憶部122の場合、「現時点で終了しているオークションにおける落札価格の総額」が「66000円」であり、「未開催のオークションにおける最低落札価格の総額」が「400000円」である。すなわち、双方の加算結果は、「466000円」となり、目標額「600000円」よりも低い。このため、オークション提供部132は、図9下段に示すように、未開催のオークションにおける最低落札価格を上げる。この例の場合、オークション提供部132は、広告枠Dに対応する最低落札価格を「200000円」から「270000円」に上げ、同様に、広告枠Eに対応する最低落札価格を「200000円」から「270000円」に上げる。これにより、「未開催のオークションにおける最低落札価格の総額」が「540000円」となる。すなわち、上述した加算結果は「606000円」となり、目標額「600000円」よりも高くなる。
このように、オークション装置100は、終了したオークションの落札価格に応じて、未開催のオークションにおける最低落札価格を調整することにより、落札価格が目標額に達する可能性を高めることができる。この結果、オークション装置100は、コンテンツ制作者に所望の資金を調達させる可能性を高めることができる。
なお、図9では、最低落札価格を上げる例を示したが、オークション提供部132は、最低落札価格を下げてもよい。例えば、オークション提供部132は、「現時点で終了しているオークションにおける落札価格の総額」と「未開催のオークションにおける最低落札価格の総額」との加算結果が目標額よりも高い場合には、加算結果が目標額に達する範囲で、未開催のオークションにおける最低落札価格を下げてもよい。これにより、オークション装置100は、未開催のオークションが落札される可能性を高めることができるので、コンテンツ制作者に所望の資金を調達させる可能性を高めることができる。
また、図9の例において、オークション提供部132は、最低落札価格ではなく、即決価格を調整してもよい。例えば、オークション提供部132は、「現時点で終了しているオークションにおける落札価格の総額」と「未開催のオークションにおける即決価格の総額」との加算結果が目標額よりも低い場合には、この加算結果が目標額に達するように、未開催のオークションにおける即決価格を上げてもよい。また、例えば、オークション提供部132は、加算結果が目標額よりも高い場合には、加算結果が目標額に達する範囲で、未開催のオークションにおける即決価格を下げてもよい。また、オークション提供部132は、最低落札価格及び即決価格の双方を調整してもよい。
また、図9の例において、オークション提供部132は、全てのオークションが終了した場合に、各オークションにおける落札価格の総額が目標額に達しているか否かを判定してもよい。そして、オークション提供部132は、落札価格の総額が目標額に達しない場合には、全てのオークションを不成立としてもよい。例えば、図9の例において、広告枠A〜Eに対応する各オークションが成立した場合であっても、落札価格の総額が目標額「600000円」に達していない場合には、オークション提供部132は、広告枠A〜Eに対応する全てのオークションを不成立とする。このとき、落札金管理部133は、落札者から落札金が入金されている場合には、落札金を落札者に返金する。これにより、オークション装置100は、コンテンツ制作者が所望の資金を調達できる場合のみ、オークションを成立させることができる。
また、図9では、各オークションの開催期間が異なる場合を例に挙げて説明したが、オークション装置100は、全てのオークションが同一期間に開催される場合であっても、上述した目標額をコンテンツ制作者から受け付けてもよい。この場合であっても、オークション装置100は、上述した全てのオークションを不成立とする処理を行ってもよい。
また、各オークションの開催期間が同一であっても、即決価格が入札された場合には、各オークションが終了するタイミングは異なる。したがって、オークション装置100は、各オークションの開催期間が同一であっても、一部のオークションが先行して終了した場合には、上述した最低落札価格や即決価格を調整する処理を行ってもよい。
また、上記第1の実施形態では、落札金管理部133が、コンテンツ制作者から請求データを受け付けるたびに、請求金額をコンテンツ制作者に送金する例を示した。しかし、落札金管理部133は、落札価格の総額が目標額に達した場合には、目標額に相当する金額については、請求データを受け付けることなくコンテンツ制作者に送金してもよい。
〔5−3.入札者を表示〕
また、図7及び図8に示した変形例において、オークション提供部132は、入札者に関する情報をオークションページに表示してもよい。例えば、オークション提供部132は、広告主である入札者の業種や企業名等を表示してもよい。
この点について図10を用いて説明する。図10は、第1の実施形態の変形例に係るオークションページの一例を示す図である。図10に示すように、オークション提供部132は、オークションページW30の入札表示欄R12に、各オークションにおける入札者の業種を掲載する。図10の例の場合、広告枠Aに関するオークション、及び、広告枠Bに関するオークションが終了しており、広告枠Cに関するオークションが開催中である。そして、図10に例示したオークションページW30には、広告枠Aに関するオークションにおける落札者の業種「車」と、広告枠Bに関するオークションにおける落札者の業種「バイク」と、広告枠Cに関するオークションにおいて最高価格を入札している入札者の業種「車」とが表示される。なお、オークション装置100は、広告主である入札者に関する各種情報(業種、企業名等)を保持しているものとする。
このように、オークション装置100は、入札者や落札者に関する情報を表示することで、入札者である広告主に対して、入札時に参考となる情報を提供することができる。例えば、図10の例の場合、業種が「車」や「バイク」である落札者は、企画中のコンテンツが「車」や「バイク」への嗜好が高いユーザによって閲覧されると判断したものと考えられる。このため、例えば業種が「旅行」等である広告主は、「車」や「バイク」への嗜好が高いユーザは「旅行」への嗜好が高いと判断した上で、開催中の広告枠Cに関するオークションに入札することができる。
〔5−4.入札対象〕
また、上記第1の実施形態では、動画内の異なる再生位置に広告枠が割り当てられる例を示した。つまり、上記第1の実施形態では、再生位置によって広告枠が区別される例を示した。しかし、この例に限られず、広告データが配信される配信期間や、広告データの配信時に用いられるターゲティング条件などによって広告枠が区別されてもよい。
この点について、図11及び図12を用いて説明する。図11及び図12は、第1の実施形態の変形例に係るオークションページの一例を示す図である。図11の例の場合、動画の冒頭0秒〜15秒に表示される広告枠Aは、2個の広告枠に分けられる。具体的には、広告枠Aは、2013年8月に広告が配信される広告枠と、2013年9月に広告が配信される広告枠とに分けられる。この場合、広告主は、自身の広告を配信させたい期間に応じて、2つの広告枠Aから入札対象を決定する。
続いて、図12に示した例について説明する。ここでは、コンテンツの配信先地域によって配信対象の広告が変動するものとする。図12の例の場合、動画の冒頭0秒〜15秒に表示される広告枠Aは、東日本在住のユーザに広告が配信される広告枠と、西日本在住のユーザに広告が配信される広告枠とに分けられる。この場合、広告主は、自身の広告を配信させたい地域に応じて、2つの広告枠Aから入札対象を決定する。
このように、オークション装置100は、同一の再生位置に設定される広告枠を広告の配信期間や配信地域等のターゲティング条件によって区別してもよい。これにより、オークション装置100は、広告主の選択肢を広げることができるので、広告主の満足度を向上させることができる。
なお、オークション提供部132は、制作者端末10から受け付けた広告枠情報に基づいて、図11や図12の例のように広告枠を区分けする。すなわち、広告の表示期間や配信地域によって広告枠を区別するか否かは、コンテンツ制作者によって設定される。
また、広告枠を区別するターゲティング条件は、上述した広告の表示期間や配信地域の例に限られず、サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性などの各種ユーザ属性であってもよい。例えば、同一の再生位置に設定される広告枠は、男性ユーザに広告が配信される広告枠と、女性ユーザに広告が配信される広告枠とに分けられてもよい。また、例えば、同一の再生位置に設定される広告枠は、車への嗜好が相対的に高いユーザに広告が配信される広告枠と、旅行への嗜好が相対的に高いユーザに広告が配信される広告枠と、化粧品への嗜好が相対的に高いユーザに広告が配信される広告枠などに分けられてもよい。
また、図11及び図12の例の場合、生成部135は、広告枠の組合せ毎に、合成コンテンツを生成する。例えば、図12の例の場合、生成部135は、広告枠A(東日本)、B、C、D及びEが組み込まれた合成コンテンツと、広告枠A(西日本)、B、C、D及びEが組み込まれた合成コンテンツとを生成する。そして、送信部136は、生成部135によって生成された双方の合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。
〔5−5.追加料金〕
また、上記第1の実施形態では、落札金管理部133が、落札者から入金される落札金をコンテンツ制作者に送金する例を示した。しかし、この例に限られず、落札金管理部133は、配信サーバ30によってユーザ端末40に合成コンテンツが配信された回数が所定回数を超えた場合には、かかる合成コンテンツに組み込まれている広告データの広告主に対して、追加料金を請求してもよい。すなわち、落札金管理部133は、合成コンテンツの閲覧回数が所定回数を超えた場合には、広告主に追加料金を請求してもよい。そして、落札金管理部133は、広告主から追加料金が入金された場合には、入金された追加料金をコンテンツ制作者に送金してもよい。これにより、オークション装置100は、合成コンテンツの人気が高ければコンテンツ制作者に追加料金が支払われるので、コンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。なお、このような追加料金を広告主に請求する場合、オークション提供部132は、追加料金を請求する可能性がある旨をオークションページに掲載する。例えば、オークション提供部132は、「閲覧回数がN回を超えた場合には、追加料金M円が発生します。」や、「閲覧回数がN回を超えた場合には、閲覧回数に応じて追加料金が発生します。」といった注意書きをオークションページに掲載する。このようにして、オークション装置100は、追加料金が発生することについて広告主から事前に承諾を得る。なお、上記の注意書きは、コンテンツ制作者によって企画情報に設定されてもよいし、オークション装置100において予め決められていてもよい。
〔5−6.手数料〕
また、上記第1の実施形態において、オークション装置100は、オークションサービスを利用する広告主から手数料を徴収してもよい。例えば、オークション装置100は、図5に例示したオークションページW10を広告主に提供する際に、広告主からシステム利用料として手数料を徴収してもよい。このように、オークション装置100は、広告主が企画内容を閲覧する時点で手数料を徴収することにより、オークションへの参加意思のない利用者に企画内容が無用に閲覧されることを防止できる。また、例えば、オークション装置100は、落札者が決定し、オークションが成立した際に、落札者である広告主から手数料を徴収してもよい。また、オークション装置100は、コンテンツ制作者から手数料を徴収してもよい。例えば、オークション装置100は、コンテンツ制作者から企画情報や広告枠情報を受け付ける際に、コンテンツ制作者から手数料を徴収してもよい。
〔6.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係るオークション装置100は、企画受付部131と、オークション提供部132とを有する。企画受付部131は、コンテンツを制作するコンテンツ制作者から、コンテンツの企画内容を示す企画情報を受け付ける。オークション提供部132は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報を提示するとともに、コンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
これにより、第1の実施形態に係るオークション装置100は、コンテンツ制作者によって設定された広告枠に関するオークションサービスを提供するので、コンテンツ制作者が所望の資金を調達する可能性を向上させることができる。
また、第1の実施形態に係るオークション装置100は、コンテンツ受付部134と、生成部135とを有する。コンテンツ受付部134は、コンテンツ制作者から企画情報に対応するコンテンツを受け付けるとともに、広告を表示する権利を有する広告主から広告データを受け付ける。生成部135は、コンテンツ受付部134によってコンテンツ及び広告データが受け付けられた場合に、コンテンツに設定されている広告枠に、かかる広告枠に広告を表示する権利を有する広告主に対応する広告データを組み込んだ合成コンテンツを生成する。
これにより、第1の実施形態に係るオークション装置100は、広告主の広告データが確実に組み込まれた合成コンテンツをユーザ端末40等に提供することができる。
また、第1の実施形態に係るオークション提供部132は、コンテンツに複数の広告枠が設定されている場合に、かかるコンテンツに対応する企画情報(企画IDの一例に相当)に対応付けて、各広告枠に関するオークションを管理する。
これにより、第1の実施形態に係るオークション装置100は、1個の企画内容に対応する複数のオークションを関連付けて管理することができる。例えば、オークション装置100は、1個の企画内容に紐付けて各オークションを管理することで、上記例のように即決価格や最低落札価格などを調整することができる。
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態において説明したように、オークションシステム1では、コンテンツが完成する前の企画段階で、コンテンツに組み込まれる予定である広告枠に関するオークションサービスが提供される。すなわち、上述してきたオークションサービスでは、オークションサービスの提供時に決められているオークション条件(例えば、広告枠の再生位置等)は、必ずしも確定しているとは限らず、不透明な要素が含まれる。ただし、オークションサービスが提供された後にオークション条件が変更されると、広告主に不利益をもたらす場合がある。例えば、オークションの開催中や終了後に、動画の冒頭に表示される広告枠が動画の末尾に表示される広告枠に変更されると、動画の冒頭に広告表示を所望する入札者に不利益をもたらす。そこで、第2の実施形態では、オークション時において決められているオークション条件の透明性を担保する例について説明する。なお、第2の実施形態に係るオークションシステム1の構成は、図2に示した構成と同様であるので、以下では説明を省略する。また、以下では、オークション開催中にオークション条件の透明性を担保する例について説明する。
〔1.透明性の担保について〕
まず、第2の実施形態で説明するオークション条件とは、オークションサービスが提供された時点で決められている広告の表示条件や、広告の表示環境や、オークションに関する各種情報を示す。例えば、オークション条件としては、同一コンテンツ内に設定される広告枠の数や、動画コンテンツにおける広告枠の再生位置、広告枠の表示時間、広告枠の大きさ(表示サイズ)、即決価格、最低落札価格、オークション期間、入札単位などが挙げられる。
このようなオークション条件の透明性を担保する態様はいくつか考えられる。具体的には、新たな企画情報や広告枠情報を受け付けるか否かによりオークション条件の透明性を担保する態様A1が考えられる。また、オークション条件の一部について変更を許可するか否かによりオークション条件の透明性を担保する態様A2が考えられる。
〔2.透明性を担保する態様A1〕
まず、上記の態様A1について説明する。この態様A1を実現するオークション装置100の構成は、図3に示した例と同様である。図3に示したオークション提供部132は、企画受付部131によって広告枠情報が複数回受け付けられた場合に、オークション条件の透明性を担保するために、最初に受け付けられた広告枠情報に基づいて、オークションサービスを提供する。
具体的には、企画受付部131は、1個のコンテンツに対応する広告枠情報を1回だけ受け付け、その後には、かかるコンテンツに対応する他の広告枠情報を受け付けない。または、企画受付部131は、コンテンツ制作者から2回目以降に送信される広告枠情報を受け付けてもよいが、受け付けた広告枠情報をオークション記憶部121に反映せずに廃棄する。このとき、企画受付部131は、オークション条件を変更できない旨をコンテンツ制作者に通知する。これにより、企画受付部131は、オークション条件を変更されないことを担保する。
例えば、企画受付部131が、コンテンツに5個の広告枠が設定される広告枠情報CA11を受け付け、その後に、コンテンツに6個の広告枠が設定される広告枠情報CA12を受け付けたものとする。この場合、企画受付部131は、広告枠情報CA11をオークション記憶部121に反映するが、広告枠情報CA12についてはオークション記憶部121に反映しない。このため、オークション提供部132は、企画受付部131によって最初に受け付けられた広告枠情報CA11のみを用いて、5個の広告枠に関するオークションを個別に開催する。これにより、オークション提供部132は、オークション条件が変更されないオークションサービスを提供することができる。
なお、第2の実施形態において、オークション提供部132は、図5に例示したオークションページW10に、広告枠の数等のオークション条件が変更されることはない旨の注意書きを掲載してもよい。
また、企画受付部131は、上記例に限られず、コンテンツ制作者から広告枠情報が複数回送信された場合には、最初に受け付けた広告枠情報によって定まる落札対象(すなわち、広告を表示する権利)の価値の希薄化に繋がらない範囲で、新たな広告枠情報を受け付けてもよい。例えば、企画受付部131は、新たに受け付けた広告枠情報によって広告枠の数や再生位置や表示時間や大きさなどが変更される場合には、最初に受け付けた広告枠情報によって定まる落札対象の価値の希薄化に繋がると判定し、新たな広告枠情報をオークション記憶部121に反映せずに廃棄する。すなわち、オークション提供部132は、企画受付部131によって最初に受け付けられた広告枠情報と、新たに受け付けられた広告枠情報のうち最初の広告枠情報によって定まる落札対象の価値の希薄化に繋がらない他の広告枠情報とを用いて、オークションサービスを提供する。
また、企画受付部131は、上記例に限られず、オークション提供部132によって提供されるオークションサービスにおいて最初に入札される前までは、新たな広告枠情報を受け付けてもよい。具体的には、企画受付部131は、最初に入札される前まではコンテンツ制作者から送信される新たな広告枠情報を受け付け、受け付けた広告枠情報をオークション記憶部121に反映する。すなわち、オークション提供部132は、オークションサービスにおいて最初に入札される前までに企画受付部131によって受け付けられた複数の広告枠情報に基づいて、オークションサービスを提供する。これは、広告主にとっては、入札後にオークション条件が変更されると不利益を被る可能性があるものの、入札前にオークション条件が変更されても不利益を被るとは限らないからである。
なお、上記の態様A1において、オークション装置100は、落札者が決定しているオークションが存在する場合には、落札者に対して、オークション条件を変更してもよいかを問い合わせてもよい。そして、オークション装置100は、落札者から許諾が得られた場合に、オークション条件を変更してもよい。また、オークション装置100は、落札済みのオークションにおける落札価格よりも、新たな広告枠に関するオークションの最低落札価格を高く設定してもよい。これにより、オークション装置100は、新たな広告枠の追加前に決定した落札価格よりも新たな広告枠の落札価格が安くなることを防止できるので、落札者にとって不公平なオークションとなることを防止できる。
〔3.透明性を担保する態様A2〕
続いて、図13を用いて、上記の態様2について説明する。図13は、第2の実施形態に係るオークション装置200の構成例を示す図である。図13に示すように、オークション装置200は、変更可否記憶部222を有する。また、オークション装置200の制御部230は、企画受付部231と、オークション提供部232と、許可部237とを有する。
変更可否記憶部222は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。変更可否記憶部222は、オークションサービスの提供時に決められているオークション条件のうち、オークションサービスが提供された後に変更可能な項目及び変更不可能な項目を記憶する。
図14に、第2の実施形態に係る変更可否記憶部222の一例を示す。図14に示した例では、変更可否記憶部222は、「変更可否情報」、「項目名」といった項目を有する。「変更可否情報」は、変更可、又は、変更不可といった情報を記憶する。「項目名」は、変更可能な項目又は変更不可能な項目名を記憶する。
すなわち、図14では、オークションサービスが提供された後であっても、広告枠を減らすことや、即決価格や最低落札価格やオークション期間を変更することが許可されることを示している。一方、図14では、オークションサービスが提供された後には、広告枠を増やすことや、広告枠の再生位置や表示時間や大きさを変更することが許可されないことを示している。
なお、図14に示した変更可否記憶部222に記憶されるオークション条件は、図示した例に限られない。例えば、変更可否記憶部222には、入札単位などのオークション条件が記憶されてもよい。また、図14に示した変更可否記憶部222において、「変更可」及び「変更不可」のいずれかに記憶されているオークション条件は、図示した例に限られない。例えば、「即決価格」は、「変更不可」に対応付けて記憶されてもよい。また、変更可否記憶部222に記憶される各種オークション条件は、コンテンツ制作者によって決定されてもよいし、オークション装置200の管理者等により決定されてもよい。
企画受付部231は、第1の実施形態に係る企画受付部131と同様に、企画情報及び広告枠情報を制作者端末10から受け付ける。また、第2の実施形態に係る企画受付部231は、オークション提供部232によってオークションサービスの提供が開始された後であっても、新たな広告枠情報を制作者端末10から受け付ける。そして、企画受付部231は、同一コンテンツに関する広告枠情報を複数回受け付けた場合には、2回目以降に受け付けた広告枠情報を許可部237に出力する。
オークション提供部232は、企画情報に加えて、変更可能又は変更不可能であるオークション条件を提示するとともに、第1の実施形態において説明したオークションサービスを提供する。具体的には、オークション提供部232は、変更可否記憶部222に記憶されている各種情報を用いて、変更可能又は変更不可能なオークション条件が掲載されるオークションページを生成する。
ここで、図15に、第2の実施形態に係るオークション提供部232によって生成されるオークションページの一例を示す。図15に示すように、オークション提供部232は、オークションページW60の条件表示欄R14に、変更可否記憶部222の変更可否情報「変更不可」に対応付けて記憶されているオークション条件を掲載する。具体的には、オークション提供部232は、広告枠を増やすことや、広告枠の再生位置や表示時間や大きさを変更することはないといった情報を条件表示欄R14に掲載する。
このように、オークション提供部232は、変更されないことが確約されているオークション条件をオークションページW60に表示させることで、オークション条件の透明性を広告主に把握させることができる。この結果、オークション提供部232は、広告主にオークションサービスを安心して利用させることができる。
なお、図15に示したオークションページW60は、図示した例に限られない。例えば、オークション提供部232は、条件表示欄R14に、変更可能なオークション条件を掲載してもよい。また、例えば、オークション提供部232は、変更不可能なオークション条件と変更可能なオークション条件との双方を掲載してもよい。
許可部237は、オークション条件の変更を許可するか否かを判定する。具体的には、許可部237は、オークション提供部232によってオークションサービスが提供された後には、オークション条件の一部について変更を許可する。
より具体的に説明すると、許可部237は、企画受付部231から広告枠情報が入力された場合に、変更可否記憶部222に記憶されている各種情報に基づいて、オークション条件を変更するか否かを判定する。このとき、許可部237は、広告枠情報に含まれる項目のうち、変更可否記憶部222の変更可否情報「変更可」に対応する項目については変更することを許可する。そして、許可部237は、企画受付部231から入力された広告枠情報に従って、オークション記憶部121を更新する。また、許可部237は、広告枠情報に含まれる項目のうち、変更可否記憶部222の変更可否情報「変更不可」に対応する項目については変更することを許可しない。
ここで、許可部237による処理について一例を挙げて説明する。ここでは、オークション記憶部121が図4に示した状態であり、変更可否記憶部222が図14に示した状態であるものとする。そして、許可部237は、6個の広告枠に関する広告枠情報を企画受付部231から入力されたものとする。この場合、オークション記憶部121に記憶されている広告枠が5個であるので、広告枠情報に従ってオークション記憶部121が更新された場合には、広告枠の数が5個から6個に増加することとなる。そして、変更可否記憶部222には、広告枠の増加が許可されないことが記憶されている。このため、許可部237は、このような広告枠情報に基づくオークション条件の更新を許可しない。一方、許可部237は、即決価格の変更に関する広告枠情報を企画受付部231から入力されたものとする。この場合、許可部237は、変更可否記憶部222に基づいて、即決価格の変更が許可されていると判定し、広告枠情報に基づいてオークション記憶部121の即決価格を更新する。
〔4.変形例〕
上述した第2の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第2の実施形態の変形例について説明する。
〔4−1.変更対象〕
上記第2の実施形態において、許可部237は、コンテンツに複数の広告枠が設定されている場合に、一方の広告枠におけるオークション条件について、他方の広告枠に広告を表示する権利の希薄化に繋がらない範囲で変更を許可してもよい。例えば、許可部237は、コンテンツに複数の広告枠が設定されている場合に、他方の広告枠における広告効果を低下させない範囲で、一方の広告枠におけるオークション条件の変更を許可してもよい。この場合、図14に示した変更可否記憶部222は、他方の広告枠における広告効果を低下させるか否かに基づいて、各種情報が記憶される。
この点について図16を用いて説明する。図16は、第2の実施形態の変形例に係るオークション処理の一例を示す図である。図16の左側に示したオークションページW50は、図12に示した例と同様である。図16の左側の例において、例えば、動画の末尾に再生される新たな広告枠Fを追加した場合、コンテンツに設定される広告枠の数が増大するので、個々の広告がユーザに与える印象は低下するおそれがある。すなわち、広告枠の数が増大することは、他の広告枠における広告効果を低下させるおそれがある。このようなことから、許可部237は、このような広告枠Fを追加することを許可しない。
一方、広告枠Aに、新たなターゲティング条件を配信対象とする広告枠が追加された場合であっても、広告枠A〜Eにおける広告効果が低下するとは限らない。例えば、図16の右側に示した例のように、広告枠Aに、外国在住のユーザに配信される広告の広告枠が追加されたものとする。この場合、広告枠A(外国)が追加されるか否かにかかわらず、コンテンツが東日本在住のユーザに配信される場合には、広告枠A(東日本)の落札者に対応する広告が配信される。したがって、広告枠A(外国)が追加された場合であっても、広告枠A(東日本)の広告効果に影響はない。同様に、広告枠A(外国)が追加された場合であっても、広告枠B(西日本)の広告効果に影響はない。また、広告枠A(外国)が追加された場合であっても、動画再生時に表示される広告枠の数自体が増大するわけではないので、広告枠B〜Eにおける広告効果にも影響はない。このようなことから、許可部237は、図16の例のように、新たなターゲティング条件を配信対象とする広告枠を追加することを許可する。
ただし、図16の例において、広告枠Aに、東京在住のユーザに配信される広告の広告枠が追加されるものとする。この場合、合成コンテンツが東京在住のユーザに配信されると、広告枠A(東日本)の落札者に対応する広告、又は、広告枠A(東京)の落札者に対応する広告のいずれかがユーザに配信されることになるので、広告枠A(東日本)の広告効果に影響がある。このため、許可部237は、このような広告枠を広告枠Aに追加することを許可しない。
このように、オークション装置200は、他の広告枠における広告効果に影響を与えない範囲で、オークション条件の変更を許可するので、広告主に不利益を与えることを防止できるとともに、柔軟なオークションサービスを提供することができる。
なお、上記第2の実施形態では、オークション条件が変更されるケースについても説明した。ここで、オークション装置200は、落札者が決定しているオークションが存在する場合には、落札者に対して、オークション条件を変更してもよいかを問い合わせてもよい。そして、オークション装置200は、落札者から許諾が得られた場合に、オークション条件を変更してもよい。例えば、図16の例において、広告枠A(東日本)に関するオークションと、広告枠Bに関するオークションとが落札済みであるものとする。この場合、オークション装置200は、双方の落札者から許諾が得られた場合に、広告枠A(外国)を追加する。また、オークション装置200は、図16の例のように新たな広告枠を追加する場合には、落札済みのオークションにおける落札価格よりも、新たな広告枠に関するオークションの最低落札価格を高く設定してもよい。これにより、オークション装置200は、新たな広告枠の追加前に決定した落札価格よりも新たな広告枠の落札価格が安くなることを防止できるので、落札者にとって不公平なオークションとなることを防止できる。
〔4−2.変更タイミング〕
また、上記第2の実施形態では、オークションの開催中にオークション条件を変更する例について説明した。しかし、オークション装置200は、オークションが終了し、合成コンテンツがユーザ端末40に配信された後であっても、オークション条件を変更してもよい。
具体的には、企画受付部231は、送信部136によって合成コンテンツが配信サーバ30に送信された後であっても、新たな広告枠情報を制作者端末10から受け付ける。そして、許可部237は、変更可否記憶部222に記憶されている各種情報に基づいて、新たな広告枠情報によるオークション条件の変更を許可するか否かを判定する。このとき、許可部237は、変更を許可しない場合には、変更を許可しない旨を制作者端末10に通知するなどして処理を終了する。一方、許可部237は、変更を許可する場合には、オークション記憶部121を更新するとともに、生成部135に対して合成コンテンツを再度生成するよう指示する。この場合、送信部136は、生成部135によって新たに生成された合成コンテンツをユーザ端末40に送信する。
合成コンテンツの配信後にオークション条件が変更される例を説明する。例えば、合成コンテンツの配信開始時には日本国内のみにコンテンツを配信することが決められていたが、その後に外国へのコンテンツ配信を開始する場合もある。この場合、図16に示した例のように、新たな広告枠を追加するようコンテンツ制作者から要求される可能性がある。この例では、許可部237は、他の広告枠における広告効果に影響を与えないと判定した上で、広告枠A(外国)の追加を許可する。そして、オークション提供部232は、広告枠A(外国)に関するオークションを開催する。このとき、オークション装置200は、落札者に対して、新たな広告枠を追加してよいかを問い合わせてもよい。
なお、オークション開催中に変更が許可されるオークション条件と、オークション終了後(例えば、合成コンテンツが配信サーバ30に送信された後)に変更が許可されるオークション条件とは、同一でなくてもよい。例えば、オークション開催中には広告枠の減少が許可されるものの、オークション終了後には広告枠の減少が許可されなくてもよい。この場合、変更可否記憶部222は、オークション開催中に変更が許可されるオークション条件と、オークション終了後に変更が許可されるオークション条件とを分けて記憶する。
〔4−3.コンテンツの変更〕
また、上記第2の実施形態において、オークション条件には、コンテンツに関する情報が含まれてもよい。例えば、オークション条件には、コンテンツの配信期間や再生時間や企画内容等が含まれてもよい。また、コンテンツの企画内容は、コンテンツの種類、監督、出演者、概要などに小分けされたオークション条件であってもよい。この場合、変更可否記憶部222には、「変更可」及び「変更不可」のいずれかに対応付けて、「コンテンツの種類」、「監督」、「出演者」、「概要」、「配信期間」、「再生時間」などが記憶される。
例えば、図13の例の場合、コンテンツ受付部134は、送信部136によって合成コンテンツが配信サーバ30に送信された後であっても、制作者端末10から新たなコンテンツを受け付け、受け付けた新たなコンテンツを許可部237に出力する。そして、許可部237は、変更可否記憶部222に記憶されている各種情報に基づいて、新たなコンテンツに変更することを許可するか否かを判定する。そして、生成部135は、許可部237によって新たなコンテンツに変更することが許可された場合には、新たなコンテンツを用いて合成コンテンツを再度生成する。この場合、送信部136は、生成部135によって新たに生成された合成コンテンツをユーザ端末40に送信する。一方、生成部135は、許可部237によって新たなコンテンツに変更することが許可されない場合には、合成コンテンツを再度生成する処理を行わない。
〔5.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る企画受付部131は、広告枠情報を1回だけ受け付けるか、又は、広告枠情報を複数回受け付けた場合に2回目以降に受け付けた広告枠情報を廃棄する。または、第2の実施形態に係る企画受付部131は、最初に受け付けた広告枠情報によって定まる落札対象の価値の希薄化に繋がらない範囲で新たな広告枠情報を更に受け付ける。または、第2の実施形態に係るオークション装置200は、許可部237を有する。許可部237は、オークション提供部232によってオークションサービスが提供された場合に、オークションサービスの提供時に決められているオークション条件の一部について変更を許可する。
これにより、第2の実施形態に係るオークション装置100又は200は、オークション条件の透明性を担保することができる。
また、第2の実施形態に係るオークション装置100又は200は、最初に受け付けた広告枠情報によって定まる落札対象の価値の希薄化に繋がらない範囲でオークション条件の変更を許可する。
これにより、第2の実施形態に係るオークション装置200は、広告主に不利益を与えることを防止できるとともに、柔軟なオークションサービスを提供することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態では、配信サーバ30に送信される合成コンテンツと、コンテンツの企画内容等との整合性を検証する例について説明する。なお、第3の実施形態に係るオークションシステム1の構成は、図2に示した構成と同様であるので、以下では説明を省略する。
〔1.オークション装置の構成〕
図17を用いて、第3の実施形態に係るオークション装置300の構成について説明する。図17は、第3の実施形態に係るオークション装置300の構成例を示す図である。図17に示すように、オークション装置300の制御部330は、検証部337を有する。
検証部337は、生成部135によって生成された合成コンテンツと、企画情報によって示される企画内容との整合性を検証する。具体的には、検証部337は、生成部135によって合成コンテンツが生成された場合に、生成された合成コンテンツの内容と、オークション記憶部121に記憶されている企画内容及び広告枠情報との整合が取れているか否かを検証する。
図18に、第3の実施形態に係る検証部337による検証処理の一例を示す。図18に示した例では、企画受付部131は、企画情報PD10及び広告枠情報QD10を受け付け、オークション記憶部121に格納する。また、生成部135は、コンテンツ制作者が制作したコンテンツに、落札者から受け付けた広告データを組み込んだ合成コンテンツCD1を生成する。この合成コンテンツCD1には、動画の内容を示すメタデータMD10が付与される。図18の例の場合、メタデータMD10には、コンテンツの種類や、監督及び出演者に関する情報や、広告枠の再生位置に関する情報が含まれる。
このような状況において、検証部337は、メタデータMD10を解析することで、コンテンツの種類、監督、出演者、及び、広告枠の再生位置などの各項目に対応するキーワードを抽出する。例えばメタデータMD10がマークアップ言語で記述されている場合等には、検証部337は、メタデータMD10から各項目に対応するキーワードを容易に抽出することができる。そして、検証部337は、オークション記憶部121に記憶されている企画情報PD10及び広告枠情報QD10と、メタデータMD10から抽出したキーワードが一致しているか否かを項目毎に検証する。
そして、検証部337は、キーワードが一致していない項目数が所定の閾値以上である場合に、合成コンテンツと企画内容や広告枠情報との整合が取れていないと判定する。この場合、検証部337は、合成コンテンツを送信部136に出力せずに、コンテンツ制作者の制作者端末10に対して、整合が取れていない旨の通知を行うなどして処理を終了する。また、落札金管理部133は、検証部337によって整合が取れていないと判定された場合には、落札金を落札者に返金する。一方、検証部337は、整合が取れていると判定した場合には、合成コンテンツを送信部136に出力する。
なお、検証部337によって同一性が検証される項目としては、「コンテンツの種類」、「コンテンツの企画内容(監督、出演者、概要など)」、「広告枠の数」、「広告枠の再生位置」、「広告枠の再生時間」、「広告枠の大きさ」などが挙げられる。また、例えば企画情報にコンテンツの作成期限が含まれる場合には、検証部337は、コンテンツが期限内に制作されたか否かを検証してもよい。
また、検証部337は、コンテンツ制作者毎に、企画内容や広告枠情報と整合性のあるコンテンツを生成したか否かの実績情報を蓄積してもよい。そして、第3の実施形態に係るオークション提供部132は、検証部337により蓄積された実績情報に基づいて、過去に整合性のないコンテンツを所定回数よりも多く制作したコンテンツ制作者に対してペナルティを科してもよい。例えば、オークション提供部132は、企画情報及び広告枠情報の投稿を禁止するペナルティや、制作済みのコンテンツをユーザ端末40に配信することを配信サーバ30に停止させるペナルティ等を科してもよい。
〔2.効果〕
上述してきたように、第3の実施形態に係るオークション装置300は、検証部337を有する。検証部337は、生成部135によって生成された合成コンテンツと、企画情報によって示される企画内容との整合性を検証する。
これにより、第3の実施形態に係るオークション装置300は、コンテンツ制作者が企画内容に即したコンテンツを生成したか否かを判定することができるので、広告主にとって信頼性の高いオークションサービスを提供することができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、コンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利、及び、広告枠に表示される広告を差し替える権利を落札対象とするオークションサービスの例について説明する。
〔1.オークション処理〕
まず、図19を用いて、第4の実施形態に係るオークション処理の一例について説明する。図19は、第4の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図19に示したオークション装置400によるオークション処理では、広告主が所望する広告が表示される可能性を向上させる。以下、コンテンツとして、動画を例に挙げて説明する。
図19に示すように、オークション装置400は、動画を制作する予定であるコンテンツ制作者から、動画の企画内容を示す企画情報と、コンテンツ制作者によって動画に設定される広告枠に関する広告枠情報とを受け付ける(ステップS21)。
続いて、オークション装置400は、コンテンツ制作者から受け付けた企画情報を広告主に提示するとともに、動画に設定された広告枠に広告を表示する権利、及び、広告枠に表示される広告を差し替える権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
図19の例の場合、オークション装置400は、企画情報に基づいて、コンテンツの種類、監督、出演者、概要を公開するとともに、広告枠情報に基づいて、各広告枠に関するオークションを個別に開催する。具体的には、オークション装置400は、動画の冒頭に表示される広告枠A、B及びCと、動画の本編内に表示される広告枠D及びEについて、それぞれ個別にオークションサービスを提供する。なお、第4の実施形態に係るオークション装置400は、広告の差し替えが可能である旨をオークションサイトに表示するなどして、広告を差し替える権利も落札対象であることをオークションサービスの利用者に認識させる。
続いて、オークション装置400は、それぞれのオークションにおいて広告主から入札を受け付ける(ステップS22)。その後、オークション装置400は、オークション開催期間内に最高価格を入札した広告主を落札者に決定し、落札者から落札金の入金を受け付ける(ステップS23)。そして、オークション装置400は、落札者から入金された落札金をコンテンツ制作者に入金する(ステップS24)。
この後、オークション装置400は、コンテンツ制作者によって制作された動画に、落札者から受け付けた広告データを組み込むことで配信対象の動画を生成する。また、オークション装置400は、配信対象の動画を生成した後であっても、広告を差し替える権利を落札した落札者から新たな広告データを受け付けた場合には、動画に組み込み済みの広告データを新たな広告データに差し替える。
このように、第4の実施形態に係るオークション装置400は、広告を表示する権利だけでなく、広告を差し替える権利についても落札対象とするオークションサービスを提供する。これにより、オークション装置400は、広告主が所望する広告を動画等のコンテンツに表示させることができる。具体的には、広告を差し替える権利を有する広告主は、第4の実施形態に係るオークション装置400を利用した場合、落札時に入稿した古い広告を新たな広告に差し替えることができる。すなわち、広告主は、例えば新商品を開発した場合等に、広告を表示する権利を再度落札することなく、落札済みの広告枠に新商品に対応する広告を表示させることができる。
〔2.オークション装置の構成〕
次に、図20を用いて、第4の実施形態に係るオークション装置400の構成について説明する。図20は、第4の実施形態に係るオークション装置400の構成例を示す図である。図20に示すように、オークション装置400は、オークション記憶部421と、制御部430とを有する。
オークション記憶部421は、オークションサービスに用いられる各種情報を記憶する。図21に、第4の実施形態に係るオークション記憶部421の一例を示す。図21に示した例では、オークション記憶部421は、「差替可否」といった項目を有する。「差替可否」は、広告枠に表示される広告を後に差し替えることが可能であるか否かを示す。
すなわち、図21では、広告枠A、B及びCに関するオークションにおいて、広告を差し替える権利が落札対象となっており、広告枠D及びEに関するオークションにおいて、広告を差し替える権利が落札対象となっていない例を示している。このように、同一のコンテンツには、広告を差し替えることが可能な広告枠と、広告を差し替えることが不可能な広告枠とが混在してもよい。
図20に示すように、制御部430は、オークション提供部432と、コンテンツ受付部434と、生成部435とを有する。オークション提供部432は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報を広告主に提示するとともに、コンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利、及び、広告枠に表示される広告を差し替える権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
具体的には、オークション提供部432は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に、取得要求対象の企画内容が掲載されているオークションページを広告主端末20に提供する。このとき、オークション提供部432は、オークション記憶部421に記憶されている差替可否に基づいて、広告を差し替え可能であるか否かを示す情報についてもオークションページに掲載する。
ここで、図22に、第4の実施形態に係るオークション提供部432によって生成されるオークションページの一例を示す。図22では、図21に示した企画ID「P11」に対応するオークションページW70の一例を示す。図22に示す例のように、オークション提供部432は、オークション記憶部421に記憶されている差替可否に基づいて、各広告枠に表示される広告が差し替え可能であるか否かを入札表示欄R12に掲載する。図22の例では、オークション提供部432は、広告枠A、B、Cの欄に、広告が差し替え可能であることを掲載する。また、オークション提供部432は、広告枠D、Eの欄に、広告が差し替え不可能であることを掲載する。
コンテンツ受付部434は、広告主の広告主端末20から、同一コンテンツの同一広告枠に表示させる広告データを複数回受け付ける場合がある。この場合、コンテンツ受付部434は、広告主端末20から最初に受け付けた広告データについては生成部435に出力する。これは、落札者から落札時に広告データが送信されたことを示す。
一方、コンテンツ受付部434は、広告主端末20から2回目以降の新たな広告データを受け付ける場合がある。これは、広告を差し替える権利を有する広告主から、差し替え用の広告データが送信されたことを示す。この場合、コンテンツ受付部434は、オークション記憶部421に記憶されている差替可否に基づいて、新たな広告データを送信した広告主が広告を差し替える権利を有する広告主であるか否かを判定する。そして、コンテンツ受付部434は、広告を差し替える権利を有する広告主である場合には、新たな広告データを生成部435に出力する。一方、コンテンツ受付部434は、広告を差し替える権利を有する広告主でない場合には、新たな広告データを生成部435に出力せずに、広告を差し替えることができない旨を広告主端末20に通知するなどして処理を終了する。
生成部435は、コンテンツ受付部434によって受け付けられたコンテンツ及び広告データを合成することで、合成コンテンツを生成する。また、第4の実施形態に係る生成部435は、コンテンツ受付部434から新たな広告データが入力されるたびに、コンテンツに新たな広告データを組み込むことで新たな合成コンテンツを生成する。
なお、送信部136は、生成部435によって新たな合成コンテンツが生成されるたびに、新たな合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。これにより、配信サーバ30は、送信部136から新たな合成コンテンツを受信した場合には、広告が差し替えられた新たな合成コンテンツをユーザ端末40に配信することとなる。
上記のコンテンツ受付部434、生成部435及び送信部136の処理について一例を挙げて説明する。コンテンツ受付部434は、広告主端末20から、例えば、企画IDと、オークションIDと、広告主IDと、広告データとを含む差替要求を受け付ける。そして、コンテンツ受付部434は、オークション記憶部421から、差替要求に含まれる企画IDとオークションIDと広告主IDに対応する差替可否を取得する。そして、コンテンツ受付部434は、取得した差替可否に基づいて、差替要求の送信元である広告主が「広告を差し替え権利」を有するか否かを判定する。そして、生成部435は、コンテンツ受付部434によって広告を差し替える権利を有すると判定された場合に、企画IDによって識別される合成コンテンツに設定されている広告枠のうち、オークションIDによって識別される広告枠に、差替要求に含まれる広告データを組み込む。すなわち、生成部435は、オークションIDによって識別される広告枠に組み込まれていた広告データから、差替要求に含まれる広告データに差し替える。そして、送信部136は、生成部435によって広告データが差し替えられた後の合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。
なお、上記例では、企画IDによって合成コンテンツが識別される例を示したが、この例に限られない。例えば、コンテンツ受付部434は、コンテンツ制作者からコンテンツを受け付けた場合に、受け付けたコンテンツを識別するためのコンテンツIDを払い出してもよい。この場合、コンテンツ受付部434は、企画IDに対応付けてコンテンツIDをオークション記憶部421に格納する。また、例えば、生成部435は、合成コンテンツを生成した場合に、生成した合成コンテンツを識別するための合成コンテンツIDを払い出してもよい。この場合、生成部435は、合成コンテンツIDに対応付けてコンテンツIDをオークション記憶部121に格納する。
なお、上述したコンテンツ受付部434は、所定のタイミングで、差し替え用の広告データがないか落札者に通知してもよい。例えば、コンテンツ受付部434は、最後に広告データを受け付けてから所定期間が経過した場合に、差し替え用の広告データがないか通知する。
ここで、図23に、第4の実施形態に係るオークション装置400による差し替え処理の一例を示す。図23の左側の例では、広告主T1によって、広告を表示する権利及び広告を差し替える権利が落札されたものとする。この場合に、オークション装置400は、コンテンツ制作者からコンテンツCD10を受け付け(ステップS31)、広告主T1から広告データG1を受け付ける(ステップS32)。そして、オークション装置400は、コンテンツCD10に広告データG1を組み込むことで合成コンテンツCD11を生成し、生成した合成コンテンツCD11を配信サーバ30に送信する(ステップS33)。これにより、配信サーバ30は、ユーザ端末40を利用する視聴者に対して合成コンテンツCD11を配信する(ステップS34)。
この後に、図23の右側に示すように、オークション装置400は、広告主T1から広告データG1とは異なる広告データG2を受け付けたものとする(ステップS35)。この場合、オークション装置400は、広告主T1が広告を差し替える権利を有するので、コンテンツCD10に広告データG2を組み込むことで、新たな合成コンテンツCD12を生成する。言い換えれば、オークション装置400は、合成コンテンツCD11に組み込まれていた広告データG1を広告データG2に差し替える。そして、オークション装置400は、合成コンテンツCD12を配信サーバ30に送信する(ステップS36)。これにより、配信サーバ30は、広告データG2が組み込まれた合成コンテンツCD12を視聴者に配信する(ステップS37)。
なお、図23の例において、広告主T1が、広告を表示する権利を有するものの、広告を差し替える権利を有しないものとする。この場合、オークション装置400は、広告主T1から広告データG2を受け付けた際に、コンテンツCD10に広告データG2を組み込まない。すなわち、オークション装置400は、新たな合成コンテンツCD12を生成しない。このとき、オークション装置400は、広告主T1に対して、広告を差し替える権利を有しない点を通知する等して処理を終了する。
〔3.オークション処理手順〕
次に、図24を用いて、第4の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理の手順について説明する。図24は、第4の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理手順を示すシーケンス図である。なお、図24では、1台の広告主端末20のみを示すが、実際には複数台の広告主端末20が存在する。
図24に示すように、コンテンツ制作者は、制作者端末10を用いて企画情報及び広告枠情報をオークション装置400に送信する(ステップS201)。この場合、オークション装置400は、企画情報及び広告枠情報をオークション記憶部421に格納する。
続いて、オークション装置400は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に(ステップS202)、コンテンツの企画内容が掲載されたオークションページを広告主端末20に提供する(ステップS203)。これにより、オークション装置400は、広告を表示する権利及び広告を差し替える権利を落札対象とするオークションサービスを広告主に提供する。そして、オークション装置400は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する(ステップS204)。このようにして、オークション装置400は、複数の広告主端末20から入札情報を受信する。
そして、オークション装置400は、広告主端末20から受信した入札情報に基づいて、落札者を決定する(ステップS205)。ここでは、広告主端末20を利用する広告主によって、広告を表示する権利及び広告を差し替える権利が落札されたものとする。そして、オークション装置400は、落札者から入金される落札金を管理する。この後に、オークション装置400は、コンテンツ制作者から制作費を請求された場合に、落札金の中から請求額をコンテンツ制作者に送金する。
また、落札者は、広告主端末20を用いて広告データをオークション装置400に送信する(ステップS206)。また、コンテンツ制作者は、コンテンツを制作した場合に、制作者端末10を用いてコンテンツをオークション装置400に送信する(ステップS207)。
そして、オークション装置400は、コンテンツ制作者から受け付けたコンテンツに、広告主から受け付けた広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを配信サーバ30に送信する(ステップS208)。
この後に、広告を差し替える権利を落札している落札者は、広告主端末20を用いて新たな広告データをオークション装置400に送信する(ステップS209)。この場合、オークション装置400は、ステップS207においてコンテンツ制作者から受け付けたコンテンツに、新たな広告データを組み込むことで新たな合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを配信サーバ30に送信する(ステップS210)。
〔4.変形例〕
上述した第4の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第4の実施形態の変形例について説明する。
〔4−1.差し替え可能な時期〕
上記第4の実施形態では、無条件に広告を差し替えることができる権利を落札対象とする例を示した。しかし、オークション提供部432は、広告枠に表示される広告を所定の時期において差し替え可能な権利を落札対象とするオークションサービスを提供してもよい。
この点について、図25を用いて説明する。図25は、第4の実施形態の変形例に係るオークションページの一例を示す図である。図25に示すように、オークション提供部432は、オークションページW80の入札表示欄R12に、差し替え可能時期を掲載する。図25の例の場合、広告枠Aに関するオークションでは、無条件に広告の差し替えが可能な権利が落札対象となり、広告枠Bに関するオークションでは、1ヶ月に1回だけ広告の差し替えが可能な権利が落札対象となり、広告枠Cに関するオークションでは、3ヶ月に1回だけ広告の差し替えが可能な権利が落札対象となる。
このように、オークション提供部432は、広告の差し替え可能時期が指定された権利を落札対象とするオークションサービスを提供することで、広告主の選択肢を広げることができる。例えば、無条件に広告の差し替えが可能なオークションは、落札価格が高騰することが考えられる。頻繁に広告を差し替える広告主であれば、落札価格が高い場合であっても、無条件に広告の差し替えが可能な権利を落札する価値がある。しかし、広告主によっては、広告の差し替え可能な権利を望む一方で、落札価格を低く抑えたい場合がある。このような広告主は、図25に例示したオークションサービスにおいて、差し替え可能な時期が限定されている権利に入札することで、落札価格を低く抑えつつ、広告の差し替え可能な権利を落札することが可能になる。このようなことから、オークション提供部432は、広告主の選択肢を広げることができ、結果として広告主の満足度を向上させることができる。
〔4−2.参考情報の提供〕
また、上記第4の実施形態において、オークション装置400は、ユーザ端末40に対する合成コンテンツの配信処理に関する各種ログ情報を落札者に送信してもよい。
この点について図26を用いて説明する。図26は、第4の実施形態の変形例に係るオークション処理の一例を示す図である。図26に示した例では、広告主T1によって、広告を表示する権利及び広告を差し替える権利が落札されたものとする。この後の処理であるステップS41〜S44は、図23に示したステップS31〜S34と同様である。
ここで、配信サーバ30は、合成コンテンツCD11の配信処理に関するログ情報を保持する。例えば、配信サーバ30は、ログ情報として、合成コンテンツCD11の配信先である視聴者のユーザ属性(例えば、サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性)や、視聴者が所在する地域に関する情報を保持する。また、配信サーバ30は、ストリーミングにより合成コンテンツCD11を配信している場合には、ログ情報として、視聴者によって動画内の広告が閲覧されたか否かを示す情報を保持する場合がある。一般に、コンテンツ等を配信するサーバは、このようなログ情報を保持する。
そこで、オークション装置400のオークション提供部432は、配信サーバ30から配信処理に関するログ情報を収集し(ステップS45)、収集したログ情報を広告主T1に送信する(ステップS46)。このとき、オークション提供部432は、配信サーバ30から収集したログ情報のうち、広告主T1に公開することが許可されている情報のみを広告主T1に送信する。例えば、オークション提供部432は、ログ情報に含まれる視聴者の氏名や住所等の個人情報を除き、個人を特定されないユーザ属性(例えば、性別、嗜好分野)のみ広告主T1に送信する。
これにより、広告主T1は、ログ情報を参考にして、広告を差し替える必要性や、どのような広告に差し替えるかを判断することができる。例えば、広告主T1は、ログ情報を参考にすることで、合成コンテンツCD11の視聴者の大半が女性であるという情報を得たものとする。このとき、広告主T1は、広告データG1が男性向けの広告である場合には、広告データG1を女性向けの広告データに差し替える必要があると判断することができる。すなわち、オークション装置400は、配信処理に関するログ情報を落札者にフィードバックすることで、広告の差し替えを支援することができる。
なお、図26の例において、広告を表示する権利のみを落札した落札者にとってログ情報は不要な情報であるので、オークション装置400は、広告を差し替える権利を落札した落札者だけにログ情報を送信してもよい。
〔5.効果〕
上述してきたように、第4の実施形態に係るオークション装置400は、企画受付部131と、オークション提供部432とを有する。企画受付部131は、コンテンツを制作するコンテンツ制作者から、コンテンツの企画内容を示す企画情報を受け付ける。オークション提供部432は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報を提示するとともに、コンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利、及び、広告枠に表示される広告を差し替える権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
これにより、第4の実施形態に係るオークション装置400は、広告主が所望する広告を動画等のコンテンツに表示させることができる。
また、第4の実施形態に係るオークション提供部432は、広告枠に表示される広告を所定の時期において差し替え可能な権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
これにより、第4の実施形態に係るオークション装置400は、入札者である広告主の選択肢を広げることができる。
また、第4の実施形態に係るコンテンツ受付部434は、落札者から新たな広告データを受け付ける。また、生成部435は、コンテンツに設定されている広告枠に、コンテンツ受付部434によって受け付けられた新たな広告データを組み込んだ新たな合成コンテンツを生成する。
これにより、第4の実施形態に係るオークション装置400は、落札者からの要求に従って、コンテンツに組み込まれている広告データを確実に差し替えることができる。
(第5の実施形態)
第5の実施形態では、企画内容の盗用を禁止する規約に同意した広告主に対して、企画内容の全貌を提示する例について説明する。
〔1.オークション処理〕
まず、図27を用いて、第5の実施形態に係るオークション処理の一例について説明する。図27は、第5の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図27に示したオークション装置500によるオークション処理では、コンテンツの企画内容が盗用されることを防止する。以下、コンテンツとして、動画を例に挙げて説明する。
図27上段に示すように、オークション装置500は、動画を制作する予定であるコンテンツ制作者から、動画の企画内容を示す企画情報と、コンテンツ制作者によって動画に設定される広告枠に関する広告枠情報とを受け付ける(ステップS51)。このとき、オークション装置500は、広告主に無条件に提示可能な情報が指定されている企画情報を受け付ける。
図27の例の場合、「○」で示した情報を広告主に無条件に提示することが許可されており、「×」で示した情報を広告主に無条件に提示することが許可されていないことを示す。すなわち、コンテンツの種類や監督については公開することが許可されているものの、出演者や概要については公開することが許可されていない。このように、図27の例では、コンテンツ制作者によって公開可能な項目が設定される。
そして、オークション装置500は、企画情報及び広告枠情報を受け付けた場合に、企画内容の盗用を禁止する規約に同意した広告主に対して、動画内の広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。具体的には、オークション装置500は、最初の段階では、落札対象に入札できない状態で、企画情報の一部のみを広告主に提示する。図27上段の例では、オークション装置500は、広告主からアクセスされた場合に、企画情報に含まれる各種情報のうち、無条件に提示することが許可されているコンテンツの種類と監督に関する情報を広告主に提示する。
続いて、オークション装置500は、企画情報の一部を閲覧した広告主から企画内容の詳細情報を要求された場合に(ステップS52)、ウェブページ等を介して、企画内容の盗用を禁止する規約に同意するか否かを広告主に問い合わせる(ステップS53)。そして、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意した広告主に対して、落札対象に入札することを許可する(ステップS54)。
続いて、図27下段に示すように、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意した広告主からアクセスされた場合に、企画情報を全て広告主に提示するとともに、動画内の広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
続いて、オークション装置500は、それぞれのオークションにおいて広告主から入札を受け付ける(ステップS55)。その後、オークション装置500は、オークション開催期間内に最高価格を入札した広告主を落札者に決定し、落札者から落札金の入金を受け付ける(ステップS56)。そして、オークション装置500は、落札者から入金された落札金をコンテンツ制作者に入金する(ステップS57)。この後、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって制作された動画に、落札者から受け付けた広告データを組み込むことで配信対象の動画を生成する。
このように、第5の実施形態に係るオークション装置500は、最初に企画情報の一部のみを提示するとともに、入札不可能なオークションサービスを提供する。そして、オークション装置500は、企画内容の盗用を禁止する規約に同意した広告主に対して、企画情報の全てを提示するとともに、入札可能なオークションサービスを提供する。これにより、オークション装置500は、利用規約に同意した広告主のみに対して企画情報の全てを提示するので、企画段階のコンテンツに関するオークションサービスを提供する場合であっても、コンテンツの企画内容が盗用されることを防止することができる。
〔2.オークション装置の構成〕
次に、図28を用いて、第5の実施形態に係るオークション装置500の構成について説明する。図28は、第5の実施形態に係るオークション装置500の構成例を示す図である。図28に示すように、オークション装置500は、オークション記憶部521と、広告主情報記憶部522と、制御部530とを有する。
図29に、第5の実施形態に係るオークション記憶部521の一例を示す。図29に示した例では、オークション記憶部521は、「公開項目」といった項目を有する。「公開項目」は、企画内容のうち、無条件に公開することが許可されている項目を示す。すなわち、図29では、企画内容のうち、コンテンツの種類と、コンテンツ(ここの例では、動画)を制作する監督に関する情報を無条件に公開することが許可されていることを示す。
広告主情報記憶部522は、オークションサービスを利用することが許可された広告主に関する情報を記憶する。図30に、第5の実施形態に係る広告主情報記憶部522の一例を示す。図30に示した例では、広告主情報記憶部522は、「同意広告主」といった項目を有する。「同意広告主」は、企画内容の盗用を禁止する規約に同意した広告主を識別するための広告主IDを示す。すなわち、図30では、広告主ID「C11」、「C12」、「C13」、「C14」によって識別される各広告主が企画内容の盗用を禁止する規約に同意しており、入札可能なオークションサービスを利用できる例を示している。
制御部530は、オークション提供部532を有する。オークション提供部532は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報を提示するとともに、コンテンツに広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
具体的には、オークション提供部532は、広告主の広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に、かかる広告主の広告主IDが広告主情報記憶部522に記憶されているか否かを判定する。この広告主IDは、例えば広告主端末20によって取得要求とともに送信される。または、オークション装置500によって提供される各種サービスを利用する際にログインを要する場合には、広告主のログインID等を広告主IDとしてもよい。
そして、オークション提供部532は、広告主情報記憶部522に広告主IDが記憶されていない場合には、盗用禁止の規約に同意していない広告主からオークションページの取得要求を受信したと判定する。この場合、オークション提供部532は、オークション記憶部521の企画内容から公開項目に対応する企画情報を抽出し、抽出した企画情報が掲載されているオークションページを広告主端末20に提供する。このとき、オークション提供部532は、オークション記憶部521に記憶されている広告枠情報に基づいて、広告枠に関する情報についても掲載されているオークションページを提供する。ただし、オークション提供部532は、この時点では入札不可能なオークションページを提供する。
一方、オークション提供部532は、取得要求を送信した広告主の広告主IDが広告主情報記憶部522に記憶されている場合には、盗用禁止の規約に同意している広告主からオークションページの取得要求を受信したと判定する。この場合、オークション提供部532は、オークション記憶部521に記憶されている企画内容が掲載されているオークションページを広告主端末20に提供する。このとき、オークション提供部532は、広告枠に関する情報が掲載されており、かつ、入札可能なオークションページを提供する。そして、オークション提供部532は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する。この場合、オークション提供部532は、入札対象のオークションを示すオークションIDに対応付けて、入札情報に含まれる入札価格をオークション記憶部521に格納する。
ここで、図31及び図32に、第5の実施形態に係るオークション提供部532によって生成されるオークションページの一例を示す。図31及び図32では、図29に示した企画ID「P11」に対応するオークションページの一例を示す。また、図31では、入札不可能なオークションページW90の一例を示す。また、図32では、入札可能なオークションページW100の一例を示す。
図31に示す例のように、オークション提供部532は、盗用禁止の規約に同意していない広告主からオークションページの取得要求を受信した場合には、オークションページW90の企画表示欄R11に、オークション記憶部521に記憶されている企画内容のうち公開項目に対応する企画情報を掲載する。さらに、オークション提供部532は、企画表示欄R11に、企画内容の詳細内容を取得するための詳細取得ボタンB11を掲載する。また、オークション提供部532は、オークションページW90の入札表示欄R12に、オークション記憶部521に記憶されている広告枠情報を入札できない状態で掲載する。図31の例では、オークション提供部532は、動画内における広告枠の位置や広告枠の時間に関する情報を掲載するものの、現在の入札価格については掲載しない。
また、図31の例において、オークション提供部532は、詳細取得ボタンB11が押下された場合には、企画内容の盗用を禁止する規約に同意するか否かを選択させるための利用規約ページを広告主端末20に提供する。そして、オークション提供部532は、利用規約ページにおいて規約に同意する旨の操作が行われた場合には、かかる操作を行った広告主の広告主IDを広告主情報記憶部522に格納する。一方、オークション提供部532は、利用規約ページにおいて規約に同意しない旨の操作が行われた場合には、かかる操作を行った広告主の広告主IDを広告主情報記憶部522に格納しない。
また、図32に示す例のように、オークション提供部532は、盗用禁止の規約に同意している広告主からオークションページの取得要求を受信した場合には、オークションページW100の企画表示欄R11に、オークション記憶部521に記憶されている企画内容の全てを掲載する。また、オークション提供部532は、オークションページW100の入札表示欄R12に、オークション記憶部521に記憶されている広告枠情報を入札できる状態で掲載する。
〔3.オークション処理手順〕
次に、図33を用いて、第5の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理の手順について説明する。図33は、第5の実施形態に係るオークションシステム1によるオークション処理手順を示すシーケンス図である。なお、図33では、1台の広告主端末20のみを示すが、実際には複数台の広告主端末20が存在する。
図33に示すように、コンテンツ制作者は、制作者端末10を用いて企画情報及び広告枠情報をオークション装置500に送信する(ステップS301)。この場合、オークション装置500は、企画情報及び広告枠情報をオークション記憶部521に格納する。
続いて、オークション装置500は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に(ステップS302)、コンテンツの企画内容の一部が掲載されたオークションページを広告主端末20に提供する(ステップS303)。これにより、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意するか否かを広告主に問い合わせる(ステップS304)。ここでは、広告主が盗用禁止の規約に同意したものとする。この場合、オークション装置500は、広告主の広告主IDを広告主情報記憶部522に格納することで、広告主による入札を許可する(ステップS305)。
続いて、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意した広告主からアクセスされた場合に、企画内容の全てが掲載されたオークションページを広告主端末20に提供する(ステップS306)。そして、オークション装置500は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する(ステップS307)。このようにして、オークション装置500は、複数の広告主端末20から入札情報を受信する。
そして、オークション装置500は、広告主端末20から受信した入札情報に基づいて、落札者を決定する(ステップS308)。そして、オークション装置500は、落札者から入金される落札金を管理する。この後に、オークション装置500は、コンテンツ制作者から制作費を請求された場合に、落札金の中から請求額をコンテンツ制作者に送金する。
また、落札者は、広告主端末20を用いて広告データをオークション装置500に送信する(ステップS309)。また、コンテンツ制作者は、コンテンツを制作した場合に、制作者端末10を用いてコンテンツをオークション装置500に送信する(ステップS310)。
そして、オークション装置500は、コンテンツ制作者から受け付けたコンテンツに、広告主から受け付けた広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを配信サーバ30に送信する(ステップS311)。
〔4.変形例〕
上述した第5の実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、第5の実施形態の変形例について説明する。
〔4−1.コンテンツ制作者による選定〕
上記第5の実施形態では、広告主が盗用禁止の規約に同意した時点で、広告主が入札可能になる例を示した。しかし、オークション装置500は、入札可能にするか否かをコンテンツ制作者に問い合わせてもよい。
この点について、図34を用いて説明する。図34は、第5の実施形態の変形例に係るオークション処理の一例を示す図である。図34に示すように、オークション装置500は、広告主から企画内容の詳細情報を要求された場合に(ステップS61)、かかる広告主に関する広告主情報をコンテンツ制作者に送信する(ステップS62)。例えば、オークション装置500は、広告主が企業である場合には、企業名や業種などを広告主情報として送信する。これにより、オークション装置500は、企画内容の全てを公開してもよい広告主であるか否かをコンテンツ制作者に問い合わせる。
そして、コンテンツ制作者は、広告主情報に基づいて、企画内容の全てを公開してもよい広告主であるか否かを判断し、判断結果をオークション装置500に送信する(ステップS63)。そして、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって企画内容の全てを公開してもよいと判断された広告主である場合には、利用規約ページを広告主に送信する。そして、オークション装置500は、広告主が盗用禁止の規約に同意した場合に(ステップS64)、入札することを許可する(ステップS65)。一方、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって企画内容の全てを公開することが許可されなかった広告主である場合には、利用規約ページを広告主に送信せずに、入札することを許可しない。
このように、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって許可された広告主のみに企画内容の全てを公開するので、企画内容が盗用される可能性をより低減することができる。また、コンテンツ制作者は、所望の広告主のみをオークションに参加させることができるので、制作予定のコンテンツの内容と合致する広告をコンテンツに組み込みこませることができる。例えば、コンテンツ制作者は、車に関する動画コンテンツを制作する場合に、業種が車である広告主のみをオークションに参加させることで、動画コンテンツの内容と合致する広告をコンテンツに組み込ませることができるので、動画コンテンツに統一感を持たせることができる。
なお、図34のステップS63において、オークション装置500は、広告主に公開する企画内容の項目をコンテンツ制作者に問い合わせてもよい。すなわち、オークション装置500は、企画内容を公開するレベルを広告主毎に選択させてもよい。これにより、オークション装置500は、企画内容の公開レベルが選択可能なオークションサービスを提供することができる。
〔4−2.コンテンツ制作者と広告主の仲介〕
また、上記第5の実施形態において、オークション装置500は、広告主がコンテンツの希望ジャンルを指定し、コンテンツ制作者が希望ジャンルに基づいて、オークションに参加可能な広告主を選定してもよい。
この点について、図35を用いて説明する。図35は、第5の実施形態の変形例に係るオークション処理の一例を示す図である。図35に示すように、オークション装置500は、広告主から、広告を表示させたいコンテンツのジャンルを受け付ける(ステップS71)。ここの例では、オークション装置500は、複数の広告主から予め希望ジャンルを受け付けておく。そして、オークション装置500は、コンテンツ制作者からアクセスされた場合等に、広告主と希望ジャンルとの対応一覧をコンテンツ制作者に送信する(ステップS72)。
そして、コンテンツ制作者は、対応一覧に基づいて、オークションに参加可能な1以上の広告主を選定し、選定結果をオークション装置500に送信する(ステップS73)。例えば、コンテンツ制作者は、制作予定であるコンテンツの内容と希望ジャンルが合致する広告主を選定する。そして、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって選定された広告主からアクセスされた場合には、図31に例示したオークションページW90を提供することで、企画情報の一部を公開する(ステップS74)。この後のステップS75〜S77における処理は、図27に示したステップS52〜S54と同様である。
一方、オークション装置500は、コンテンツ制作者によって選定されていない広告主からアクセスされた場合には、企画情報を公開せずに、オークションに参加できない旨を広告主に通知する。
このように、オークション装置500は、コンテンツ制作者と広告主とを仲介することで、互いの要求が合致するコンテンツ制作者と広告主とを結び付けることができる。これにより、オークション装置500は、コンテンツ制作者及び広告主の双方の満足度を向上させることができる。なお、上記ステップS72において、オークション装置500は、コンテンツ制作者が企画しているコンテンツのジャンルと一致する広告主の一覧を送信してもよい。これにより、オークション装置500は、互いの要求がより合致するコンテンツ制作者と広告主とを結び付けることができる。
〔4−3.公開項目を決定する主体〕
また、上記第5の実施形態では、公開項目が設定されている企画情報をコンテンツ制作者から受け付ける例を示した。すなわち、上記第5の実施形態では、コンテンツ制作者によって公開項目が設定される例を示した。しかし、この例に限られず、オークション装置500が、公開項目を決定してもよい。例えば、企画受付部131は、上述したように企画情報や広告枠情報を入力するための入稿サイトをコンテンツ制作者に提供する。このとき、企画受付部131は、コンテンツの種類や、監督、出演者といったコンテンツに関する項目毎に各種情報をコンテンツ制作者に入力させる。そして、オークション提供部532は、このような入力サイトに入力された各種情報のうち、予め決められている項目(例えば、コンテンツの種類、監督など)を公開項目としてもよい。この場合、企画受付部131は、どの項目が公開項目となるかを入稿サイトに掲載してもよい。
〔4−4.公開対象〕
また、上記第5の実施形態では、利用規約に同意していない広告主に対して企画内容の一部を公開しない例を示した。しかし、オークション提供部532は、利用規約に同意していない広告主に対して、広告枠に関する情報を公開しなくてもよい。このとき、オークション提供部532は、広告枠に関する全ての情報(例えば、広告枠の数、再生位置など)を公開しなくてもよいし、広告枠に関する一部の情報(例えば、広告枠の再生位置など)を公開しなくてもよい。また、広告枠に関する情報のうち、どの項目を公開項目とするかはコンテンツ制作者によって設定されてもよいし、オークション装置500によって決定されてもよい。
また、上記第5の実施形態において、オークション提供部532は、非公開とする情報にモザイクをかけて表示してもよい。このとき、オークション提供部532は、企画内容の項目名については常に公開してもよい。例えば、オークション提供部532は、図32の例において、企画内容の「コンテンツ」、「監督」、「出演者」、「時間」、「概要」といった項目名自体はオークションページに表示するが、コンテンツに対応する情報「動画」や、監督に対応する情報「X1」や、出演者に対応する「Y1、Y2、Y3」等にモザイクをかけて表示してもよい。
〔4−5.段階的〕
また、上記第5の実施形態において、企画受付部131は、企画情報を段階的に受け付けてもよい。例えば、企画受付部131は、広告主に無条件に公開可能な第1の企画情報を受け付けた後に、利用規約に同意した広告主のみに公開可能な第2の企画情報を受け付けてもよい。そして、オークション提供部532は、全ての広告主に上記第1の企画情報を公開し、利用規約に同意した広告主のみに上記第2の企画情報を公開する。これにより、コンテンツ制作者は、企画内容の簡易版を第1の企画情報としてオークション装置500に送信し、その後に、企画内容の詳細版を第2の企画情報としてオークション装置500に送信することができる。このため、オークション装置500は、企画段階のコンテンツ制作者にとって実用的なオークションを実現することができる。
〔4−6.開催通知〕
また、上記第5の実施形態において、各オークションの開催日は未定であってもよい。すなわち、コンテンツ制作者は、オークション期間に「未定」といった情報を広告枠情報に設定してもよい。この例の場合、企画受付部131は、オークション期間に未定が設定されている広告枠情報を受け付けた後に、オークション期間に具体的な日時の範囲が設定されている広告枠情報を任意の時期に受け付ける。すなわち、コンテンツ制作者は、最初はオークション期間を未定に設定しておき、その後に、そのオークション期間に具体的な日時の範囲を設定することができる。この場合、オークション提供部532は、オークション期間が決定した場合に、利用規約に同意している広告主(すなわち、広告主情報記憶部522に広告主IDが記憶されている広告主)に対して、オークションが開催される旨を通知してもよい。
〔4−7.信頼性の判定〕
また、上記第5の実施形態において、オークション装置500は、オークション提供部532によって提供されるオークションサービスを過去に利用したことがあるコンテンツ制作者や広告主に関するオークションログ情報を保持してもよい。例えば、オークション装置500は、オークションログ情報として、コンテンツ制作者によるコンテンツの制作実績や、広告主による入金実績や、広告主からのコンテンツ制作者の評価や、コンテンツ制作者からの広告主の評価などを保持してもよい。そして、オークション装置500は、このようなオークションログ情報をコンテンツ制作者や広告主に公開してもよい。例えば、オークション装置500は、図35のステップS72において、広告主と希望ジャンルとの対応一覧に加えて、オークションログ情報をコンテンツ制作者に送信してもよい。これにより、コンテンツ制作者は、オークションログ情報に基づいて、例えば評判の良い広告主を選定することができる。また、例えば、オークション装置500は、広告主にオークションログ情報を送信することで、特定のコンテンツ制作者を指定させてもよい。これにより、オークション装置500は、互いの要求が合致するコンテンツ制作者と広告主とを結び付けることができる。
〔4−8.入札権限〕
また、上記第5の実施形態では、盗用禁止の規約に同意した広告主のみが入札できる例を示した。しかし、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意していない広告主に対して、企画内容の一部のみを公開した状態で入札させてもよい。例えば、オークション装置500は、盗用禁止の規約に同意していない広告主からアクセスされた場合には、広告内容の一部のみが掲載されており、かつ、入札可能なオークションページを提供してもよい。これにより、オークション装置500は、入札の敷居を低くすることができるので、入札者数の増大を図ることができる。
〔4−9.規約〕
また、上記第5の実施形態では、企画内容の盗用を禁止する規約を例に挙げて説明したが、規約の例はこれに限られない。例えば、オークション装置500は、盗用禁止の規約に加えて、企画内容の漏洩を禁止する規約に同意した広告主に企画内容の全てを開示してもよい。
〔5.効果〕
上述してきたように、第5の実施形態に係るオークション装置500は、企画受付部131と、オークション提供部532とを有する。企画受付部131は、コンテンツを制作するコンテンツ制作者から、コンテンツの企画内容を示す企画情報を受け付ける。オークション提供部532は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報の一部を公開するとともに、企画情報の一部を閲覧した広告主からの要求に応じて企画情報の他の情報を公開した上で、コンテンツに設定される広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
これにより、第5の実施形態に係るオークション装置500は、企画段階のコンテンツに関するオークションサービスを提供する場合であっても、コンテンツの企画内容が盗用されることを防止することができる。
(他の実施形態)
上述した各実施形態は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、他の実施形態について説明する。なお、以下では、主にオークション装置100を例に挙げて他の実施形態を説明するが、以下に説明する他の実施形態は、オークション装置200、300、400及び500にも適用することができる。
〔1.合成コンテンツの確認〕
上述した各実施形態において、オークション装置100は、合成コンテンツを生成した場合に、コンテンツ制作者や広告主に合成コンテンツの内容を確認させてもよい。
この点について図36を用いて説明する。図36は、他の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図36の例において、オークション装置100は、コンテンツ制作者からコンテンツCD10を受け付け(ステップS81)、広告主から広告データG1を受け付ける(ステップS82)。そして、オークション装置100は、コンテンツCD10に広告データG1を組み込むことで合成コンテンツCD11を生成する。
ここで、オークション装置100の送信部136は、合成コンテンツCD11を配信サーバ30に送信する前に、コンテンツ制作者及び広告主に合成コンテンツCD11を送信する(ステップS83、S84)。これにより、送信部136は、合成コンテンツCD11に問題がないかをコンテンツ制作者及び広告主に問い合わせる。そして、送信部136は、コンテンツ制作者及び広告主から、合成コンテンツCD11に問題がない旨の回答を受信した場合に、合成コンテンツCD11を配信サーバ30に送信する(ステップS85)。
このように、オークション装置100は、合成コンテンツをコンテンツ制作者及び落札者に確認させることで、コンテンツ制作者及び落札者にとって意図しない合成コンテンツがユーザ端末40に配信されることを防止できる。具体的には、オークション装置100によって生成される合成コンテンツは、広告データが組み込まれるので、コンテンツ制作者が制作したコンテンツ自体ではない。このため、合成コンテンツには、例えばコンテンツのイメージを低下させるような広告データが組み込まれる可能性がある。また、広告主は、企画段階でオークションに参加するので、コンテンツ制作者によって制作されたコンテンツを確認できない状態で広告の表示権利を落札する。このため、広告主のイメージを低下させるようなコンテンツに広告データが組み込まれる可能性がある。図36の例の場合、オークション装置100は、コンテンツ制作者及び落札者に合成コンテンツを確認させるので、コンテンツ制作者又は落札者のイメージを低下させるような合成コンテンツが流通することを防止できる。
なお、図36の例において、オークション装置100は、コンテンツ制作者及び落札者のいずれか一方のみに合成コンテンツを送信してもよい。また、図36の例を上記第4の実施形態に適用する場合、生成部435は、広告主から新たな広告データを受け付けるたびに、新たな合成コンテンツを生成する。このため、送信部136は、生成部435によって新たな合成コンテンツが生成されるたびに、生成された新たな合成コンテンツをコンテンツ制作者及び広告主に送信する。
また、図36の例において、オークション装置100は、コンテンツ制作者及び落札者に対して、コンテンツに広告データを組み込むことができる編集用サイトを提供してもよい。また、この編集用サイトでは、コンテンツ制作者や落札者による操作に従って、合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを再生及び編集できるようにしてもよい。さらに、この編集用サイトでは、オークション記憶部121に記憶されている企画内容を表示させてもよい。これにより、広告主は、例えばコンテンツ制作者に制作されたコンテンツに自身の広告データを実際に組み込むことで、合成コンテンツ全体の印象や広告データの印象を確認することができる。そして、広告主は、合成コンテンツを確認することにより、コンテンツの内容と合致する広告データを再作成することができる。このようなことから、オークション装置100は、上記の編集用サイトを提供することにより、広告データの広告効果を向上させることや、合成コンテンツの品質を向上させることができる。
また、上述した各実施形態において、企画受付部131は、コンテンツ制作者から企画情報を複数回受け付けてもよい。例えば、企画受付部131は、動画の出演者が急病等で変更になった場合等に、出演者が変更になった情報を含む新たな企画情報を受け付けてもよい。このとき、オークション提供部132は、企画受付部131によって2回目以降に受け付けられた企画情報によって公開中の企画内容が変更される場合には、オークションの入札者や落札者にオークションを無効にするか否かを問い合わせる。そして、オークション提供部132は、入札者(例えば、最高額を入札している入札者)や落札者からオークションを無効にする旨の回答を受領した場合には、オークションを無効とし、新たな企画内容にて再度オークションを開催する。このとき、オークション提供部132は、コンテンツに関する全てのオークションを無効にしてもよいし、入札者又は落札者から無効にする旨の回答があったオークションのみを無効としてもよい。
〔2.利用料金の分配〕
また、上述した各実施形態において、合成コンテンツが有料コンテンツとしてユーザ端末40に配信される場合には、ユーザ端末40のユーザから得られる利用料金は、コンテンツ制作者に分配されてもよい。すなわち、合成コンテンツの配信者がコンテンツ配信により得た利益は、コンテンツ制作者にシェアされてもよい。
この点について図37を用いて説明する。図37は、他の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図37の例において、オークション装置100は、コンテンツ制作者からコンテンツCD10を受け付け(ステップS91)、広告主から広告データG1を受け付ける(ステップS92)。そして、オークション装置100は、コンテンツCD10に広告データG1を組み込むことで合成コンテンツCD11を生成し、生成した合成コンテンツCD11を配信サーバ30に送信する(ステップS93)。
ここで、配信サーバ30は、合成コンテンツCD11を有料コンテンツとして、視聴者に配信する(ステップS94)。そして、配信サーバ30(又は、配信サーバ30の運営者等)は、合成コンテンツCD11を配信するたびに、視聴者から視聴料金M1を得る(ステップS95)。この場合、配信サーバ30は、視聴料金M1の一部をオークション装置100に送信する(ステップS96)。そして、オークション装置100の落札金管理部133は、配信サーバ30から得た視聴料金M1の一部をコンテンツ制作者に入金する(ステップS97)。
このように、オークション装置100は、合成コンテンツを有料配信することで得られる利益の一部をコンテンツ制作者に分配するので、コンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。具体的には、コンテンツ制作者によって制作されるコンテンツの人気が高いほど、視聴者から得られる利益は上がるので、コンテンツ制作者への分配料金も上がり、結果としてコンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。
なお、図37の例において、オークション装置100は、合成コンテンツの利用料金が値上がりした場合に限って、値上がりした額の一部をコンテンツ制作者に分配してもよい。また、図37に示した例を第2の実施形態に適用する場合、オークション装置200は、合成コンテンツの料金に関する情報についても透明性を担保する。例えば、オークション装置200は、合成コンテンツが有料及び無料のいずれであるかを図15に示したオークションページW60に掲載する。また、例えば、オークション装置200は、合成コンテンツの料金変動を許可しない場合には、その旨を図15に示したオークションページW60に掲載する。また、例えば、オークション装置200は、合成コンテンツの料金変動を許可する場合には、料金変動の可能性がある旨を図15に示したオークションページW60に掲載する。
〔3.広告料金の分配〕
また、上述した各実施形態において、合成コンテンツと広告とを含むウェブページがユーザ端末40に配信される場合、広告配信によって得られる広告料金は、コンテンツ制作者に分配されてもよい。すなわち、合成コンテンツの配信者がウェブページ配信によって得た広告収入は、コンテンツ制作者にシェアされてもよい。
この点について図38を用いて説明する。図38は、他の実施形態に係るオークション処理の一例を示す図である。図38の例では、広告主T1によって、広告を表示する権利が落札されたものとする。この後、オークション装置100は、コンテンツ制作者からコンテンツCD10を受け付け(ステップS111)、広告主T1から広告データG1を受け付ける(ステップS112)。そして、オークション装置100は、合成コンテンツCD11を配信サーバ30に送信する(ステップS113)。
ここで、配信サーバ30は、広告主T2から広告データG2を受け付け(ステップS114)、合成コンテンツCD11と広告データG2とを含むウェブページを視聴者に配信する(ステップS115)。そして、配信サーバ30(又は、配信サーバ30の運営者等)は、広告データG2を配信することに対する対価や、広告データG2が視聴者によってクリックされたことに対する対価として、広告主T2から広告料金M2を得る(ステップS116)。この場合、配信サーバ30は、広告料金M2の一部をオークション装置100に送信する(ステップS117)。そして、オークション装置100の落札金管理部133は、配信サーバ30から得た広告料金M2の一部をコンテンツ制作者に入金する(ステップS118)。
このように、オークション装置100は、合成コンテンツとともに広告を配信する配信者が得る広告収入の一部をコンテンツ制作者に分配するので、コンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。具体的には、コンテンツ制作者によって制作されるコンテンツの人気が高いほど、広告主T2から得られる広告収入は上がるので、コンテンツ制作者への分配料金も上がり、結果としてコンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。なお、図38の例では、オークション装置100が広告料金M2の一部をコンテンツ制作者に入金する例を示したが、配信サーバ30が、広告料金M2の一部をコンテンツ制作者に入金してもよい。
〔4.コンテンツ制作に参加する権利〕
また、上述した各実施形態において、オークション提供部132は、広告枠に広告を表示する権利、及び、コンテンツ制作に参加する権利を落札対象とするオークションサービスを提供してもよい。具体的には、一般的に、広告主は、視聴者からの人気が高いコンテンツや、自身のイメージと合致するコンテンツに、広告データを組み込むことを望む。このため、広告主によっては、広告を表示する権利を落札した場合に、コンテンツ制作に関してコンテンツ制作者と意見を交わすことを望む場合がある。そこで、オークション提供部132は、コンテンツ制作に参加する権利についても落札対象とするオークションサービスを提供する。これにより、コンテンツ制作に参加する権利を落札した広告主は、自身のイメージと合致するコンテンツとなるようコンテンツ制作者と意見を交わすことができる。また、コンテンツ制作者は、広告主の意見をコンテンツに反映することで、コンテンツの価値を向上させることができる。コンテンツ制作に参加する権利を落札対象とした場合、入札価格の高騰が期待できる。このため、オークション装置100は、コンテンツ制作者が所望の資金を調達する可能性を向上させることができる。
なお、オークション提供部132は、コンテンツ制作者と落札者とが意見を交わすためのプラットフォームを提供してもよい。例えば、オークション提供部132は、専用回線を介した通話や電話会議といったプラットフォームを提供してもよい。また、オークション提供部132は、会話内容を録音又は録画して、録音内容又は録画内容を視聴可能な専用サイトを提供してもよい。これにより、コンテンツ制作者が企画内容に則ってコンテンツを制作したか否かを確認するための証拠や、広告主がコンテンツ制作者に対して不当な要求をしていないかといった証拠が残る。すなわち、オークション装置100は、コンテンツ制作者及び広告主の双方にとって安心できるオークションサービスを提供することができるので、オークションサービスの利用度を向上させることができる。
また、コンテンツ制作に参加する権利を落札対象とするか否かは、コンテンツ制作者によって任意に選択されてもよい。また、オークション提供部132は、広告枠に広告を表示する権利のみを落札対象とするオークションよりも、コンテンツ制作に参加する権利も落札対象とするオークションの方が、即決価格や最低落札価格を高く設定してもよい。
〔5.広告データの入稿数〕
また、上述した各実施形態において、広告主は、複数の広告データをオークション装置100に送信してもよい。この場合、オークション装置100の生成部135は、広告主から入稿された広告データの数だけ、複数パターンの合成コンテンツを生成する。例えば、生成部135は、広告主から広告データG11及びG12が入稿された場合には、広告データG11が組み込まれた合成コンテンツと、広告データG12が組み込まれた合成コンテンツとを生成する。そして、送信部136は、生成部135によって生成された複数パターンの合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。この場合、配信サーバ30は、複数の合成コンテンツのうち配信対象とする合成コンテンツを適宜変更する。例えば、配信サーバ30は、所定回数配信するたびに、異なる合成コンテンツをユーザ端末40に配信する。
また、上記例において、広告主は、広告データ毎にキーワードをオークション装置100に送信してもよい。そして、生成部135は、複数パターンの合成コンテンツを生成する場合に、合成コンテンツに組み込まれている広告データに対応するキーワードをかかる合成コンテンツに付与する。この場合、配信サーバ30は、合成コンテンツに付与されているキーワードを用いて、合成コンテンツをターゲティング配信することができる。例えば、配信サーバ30は、配信先のユーザのユーザ属性と合致するキーワードが付与されている合成コンテンツを配信する。これにより、オークション装置100は、合成コンテンツに組み込まれた広告データの広告効果を高めることができる。
〔6.入札態様〕
また、上述した各実施形態において、オークション装置100は、入札対象をコンテンツのジャンルとしてもよい。具体的には、オークション提供部132は、図5に示した例のように、広告枠に入札させるのではなく、コンテンツのジャンル「恋愛ドラマ」、「学園ドラマ」、「スポーツ」、「ドキュメンタリー」等に対して入札させてもよい。そして、生成部135は、コンテンツのジャンルの落札者が決定した場合には、かかるジャンルに対応するコンテンツに落札者の広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成する。
〔7.コンテンツの種類〕
また、上述した各実施形態では、コンテンツとして、主に動画を一例に挙げて説明した。しかし、コンテンツの種類は、動画に限られない。例えば、上述してきたコンテンツは、ゲーム等のアプリケーションや、電子書籍や、ウェブログ等のウェブページであってもよい。例えば、コンテンツ制作者は、ゲームや、電子書籍や、専門的なウェブページの制作を企画している場合に、上述してきたオークションサービスを利用することができる。
ここで、図39に、他の実施形態に係るコンテンツの一例を示す。図39では、コンテンツがゲームである例を示す。図39の例では、コンテンツ制作者が、キャラクターのアイコンを用いたゲームの制作を企画する。そして、このコンテンツ制作者は、複数種類のアイコンのうち、3個のアイコンを広告枠として設定する。このように、上述してきたオークションサービスは、ゲーム等のコンテンツにも適用することができる。
なお、図39に示した例を第2の実施形態に適用する場合、オークション装置200は、ゲームに用いられるアイコンの全体数や、アイコンの全体数のうち広告枠に用いられるアイコンの数や、ゲームの販売価格に関する情報についても透明性を担保する。例えば、オークション装置200は、アイコンの全体数の変更を許可しない場合には、その旨を図15に示したオークションページW60に掲載する。
〔8.プログラム〕
また、上述してきた各実施形態に係るオークション装置100、200、300、400及び500は、例えば図40に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、オークション装置100を例に挙げて説明する。図40は、オークション装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係るオークション装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、オークション記憶部121内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
〔9.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。また、例えば、上述した各実施形態では、1個のコンテンツに複数の広告枠が設定される例を示したが、1個のコンテンツに1個の広告枠が設定されてもよい。
また、例えば、上述した各実施形態では、コンテンツに広告データが組み込まれた合成コンテンツがユーザ端末40に配信される例を示したが、広告データは、ユーザ端末40によってコンテンツ制作者が表示又は再生されるたびに、図2では図示しない広告サーバ(アドサーバ等と呼ばれる)によってユーザ端末40に配信されてもよい。具体的には、オークション装置100等は、コンテンツの広告枠に、広告サーバへのアクセス情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)を組み込むことで合成コンテンツを生成してもよい。この場合、ユーザ端末40は、広告枠に設定されているアクセス情報に基づいて広告サーバにアクセスすることで、広告サーバから広告データを取得し、取得した広告データを広告枠に表示する。また、この例の場合、広告主は、広告データとして、広告である動画像や静止画像等にアクセスするためのアクセス情報をオークション装置100に送信してもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図3に示した企画受付部131とコンテンツ受付部134は統合されてもよい。また、例えば、上述してきたオークション装置100、200、300、400、500は、配信サーバ30と統合されてもよい。
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、企画受付手段は、企画受付部や企画受付回路に読み替えることができる。