JP2015003908A - ヒドロキシプロリン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、マイケル付加反応等の触媒として有用なヒドロキシプロリン誘導体またはその塩等を提供することを目的とする。【解決手段】相対立体配置が、式(I)【化1】[式中、R1およびR2は、置換基を有していてもよいアリール等を表し、R3は、R5R6R7Si−(式中、R5、R6およびR7は、置換基を有していてもよい低級アルキル等を表す)等を表し、およびR4は、R8R9R10Si−(式中、R8、R9およびR10は、置換基を有していてもよい低級アルキル等を表す)等を表す]で表されるヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。【選択図】なし

Description

本発明は、マイケル付加反応等の触媒として有用なヒドロキシプロリン誘導体またはその塩に関する。
有機触媒を用いた不斉マイケル付加反応は、立体選択的な炭素−炭素結合形成反応に広く用いられている。例えば、(S)−プロリン誘導体によるα、β不飽和アルデヒドへのマロン酸エステルの不斉マイケル付加反応が報告されている(非特許文献1)。
ただし、本反応は反応時間が1日〜4日と非常に長いことが問題である。これに対し、水溶媒中で酢酸を添加し、ジフェニルプロリノール誘導体を触媒として用いる条件下で、24時間以内で反応が完結する例が報告されている(非特許文献2)。
これ以外にも、ジフェニルプロリノール誘導体を触媒として用いた例として、α、β不飽和アルデヒドへの不斉チオール付加反応(非特許文献3)、α、β不飽和アルデヒドへの不斉マイケル反応(非特許文献4)、α、β不飽和アルデヒドのγ位アルキル化反応(非特許文献5)、α、β不飽和アルデヒドへのニトロアルカン付加反応(特許文献1)等が知られているが、α、β不飽和アルデヒドの不斉マイケル反応において、用いる反応基質によっては、生成物の収率および/または、鏡像体過剰率(ee)が低い等の問題がある。
特開2009−091257号公報
「アンゲバンテ・ケミー・インターナショナル・エディション(Angewandte Chemie International edition)」、2006年、第45巻、p.4305−4309 「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」、2008年、第49巻、p.3075−3077 「ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)」、2007年、第36巻、p.550−551 「ケミストリー・レターズ(Chemistry Letters)」、2010年、第39巻、p.379−381 「ヘルベチカ・キミカ・アクタ(Helvetica Chimica Acta)」、2012年、第95巻、p.1985−2006
本発明は、マイケル付加反応等の触媒として有用なヒドロキシプロリン誘導体またはその塩等を提供することを目的とする。
本発明は、以下の(1)〜(13)に関する。
(1)相対立体配置が、式(I)
[式中、RおよびRは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、Rは、RSi−(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す)、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表し、およびRは、R10Si−(式中、R、RおよびR10は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す)、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表す]で表されるヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(2)RおよびRが、置換基を有していてもよいアリールである(1)記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(3)Rが、R5A6A7ASi−(式中、R5A、R6AおよびR7Aは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表す)である(1)または(2)記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(4)Rが、R8A9A10ASi−(式中、R8A、R9AおよびR10Aは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)である(1)〜(3)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(5)絶対立体配置が、式(I−A)
(式中、R1A、R2A、R3AおよびR4Aは、それぞれ前記R、R、RおよびRと同義である)で表される(1)〜(4)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(6)相対立体配置が、式(II)
[式中、R11およびR12は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R15は、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R16およびR17は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R18、R19およびR20は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す]で表されるヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(7)R11およびR12が、置換基を有していてもよいアリールである(6)記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(8)絶対立体配置が、式(II−A)
(式中、R11A、R12A、R15A、R16A、R17A、R18A、R19AおよびR20Aは、それぞれ前記R11、R12、R15、R16、R17、R18、R19およびR20と同義である)で表される(6)または(7)記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
(9)(1)〜(8)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩を含有するα、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体との不斉マイケル反応用触媒。
(10)(1)〜(8)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とを反応させて、不斉マイケル反応を行い炭素−炭素結合を形成する、α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体の製造方法。
(11)(1)〜(8)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、α、β、γ、δ不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とを反応させて、不斉マイケル反応を行い炭素−炭素結合を形成する、α、β、γ、δ不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体の製造方法。
(12)(1)〜(8)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩を含有するジエンと求ジエン体との不斉ディールスアルダー反応用触媒。
(13)(1)〜(8)のいずれか1つに記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、ジエンと求ジエン体とを反応させて、不斉ディールスアルダー反応を行い炭素−炭素結合を形成する、ジエンと求ジエン体とのディールスアルダー反応生成物の製造方法。
本発明により、マイケル付加反応等の触媒として有用なヒドロキシプロリン誘導体またはその塩等が提供される。
以下、一般式(I)で表される化合物を化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である。
本発明におけるα、β不飽和アルデヒドとは、下記式(X)
(式中、R21およびR22は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または置換基を有していてもよい脂肪族複素環基を表す)で表される化合物を表し、
本発明におけるα、β、γ、δ不飽和アルデヒドとは、下記式(XI)
(式中、R23およびR24は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいシクロアルキル、置換基を有していてもよいアリール、置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または置換基を有していてもよい脂肪族複素環基を表す)で表される化合物を表す。
本発明におけるマロン酸誘導体とは、下記式(XII)
[式中、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、−OR27(式中R27は、置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)、または−NR2829(式中R28およびR29は、同一または異なって、水素原子、または置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)を表す]、または下記式(XIII)
[式中、R25およびR26は、同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、−OR27(式中R27は、置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)、または−NR2829(式中R28およびR29は、同一または異なって、水素原子、または置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)を表し、R30は、置換基を有していてもよい低級アルキルを表す]で表される化合物を表す。
本発明の「α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体との不斉マイケル反応用触媒」における、「α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体との不斉マイケル反応」としては、上記式(X)で表される化合物と、上記式(XII)または式(XIII)で表される化合物との不斉マイケル反応により、マイケル付加体が得られる反応を表す。
本発明における、「α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体」とは、下記式(XIV−1)
[式中、R21、R22、R25およびR26は、それぞれ前記と同義である]
または、下記式(XIV−2)
[式中、R21、R22、R25、R26およびR30は、それぞれ前記と同義である]
で表される化合物を表す。
本発明における、「α、β、γ、δ不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体」とは、下記式(XV−1)
[式中、R23、R24、R25およびR26は、それぞれ前記と同義である]
または、下記式(XV−2)
[式中、R23、R24、R25、R26およびR30は、それぞれ前記と同義である]
で表される化合物を表す。
製造法1
化合物(XIV−1)および(XIV−2)は、以下の工程により製造することができる。
(式中、R21、R22、R25、R26およびR30は、それぞれ前記と同義である)
化合物(XIV−1)は、化合物(XII)と化合物(XII)に対し1〜10当量の、好ましくは1〜2当量の化合物(X)を、添加物および触媒の存在下、無溶媒で、または溶媒中で反応させることにより、得ることができる。
添加物としては、例えば、酸および/または塩基等が挙げられ、酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられ、安息香酸が好ましい。塩基としては、例えば、有機塩基または無機塩基等が挙げられ、有機塩基としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、DBU (1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)、トリエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等が挙げられ、酢酸カリウムが好ましい。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
添加物は、化合物(XII)に対して、好ましくは0.01〜10当量、より好ましくは0.05〜2当量用いられる。
触媒は、化合物(I)、(I−A)、(II)または(II−A)のいずれかを表し、各化合物は前記と同義である。
触媒は、化合物(XII)に対し、好ましくは0.05〜1当量、より好ましくは0.06〜0.3当量用いられる。
溶媒は、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン等が挙げられ、トルエンまたは2,2,2−トリフルオロエタノールが好ましい。溶媒の使用量にも特に制限はないが、化合物(XII)に対して3から50重量倍の範囲が好ましい。
反応は、通常0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは0℃から30℃の間の温度で行われ、5分間から600時間で終了する。
化合物(XII)および(X)は、例えば市販品として、または公知の方法に従って得ることができる。
上記で化合物(XII)の代わりに化合物(XIII)を用いると、化合物(XIV−2)を得ることができる。
化合物(XIII)は、例えば市販品として、または公知の方法に従って得ることができる。
製造法2
化合物(XV−1)および(XV−2)は、以下の工程により製造することができる。
(式中、R23、R24、R25、R26およびR30は、それぞれ前記と同義である)
製造法1において、化合物(X)の代わりに化合物(XI)を用いることで、化合物(XV−1)または(XV−2)を得ることができる。
化合物(XI)は、例えば市販品として、または公知の方法に従って得ることができる。 なお、生成した化合物(XIV−1)、(XIV−2)、(XV−1)および(XV−2)が上記各反応条件下でさらに反応が進行して得られる反応生成物、ならびに化合物(XIV−1)、(XIV−2)、(XV−1)および(XV−2)が化学的に不安定であり単離、精製等をするためにより安定な化合物へ変換されたときの各反応生成物は、本願のマイケル付加体に含まれるものとする。
本発明におけるジエンとは、下記式(XIV)
[式中、R31、R32、R33およびR34は、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニルまたは置換基を有していてもよい低級アルキニルを表す]で表される化合物を表す。また、互変異性により上記式(XIV)で表される化合物も該ジエンに含まれる。
本発明における求ジエン体とは、下記式(XV)
[式中、R35は、−C(=O)R38(式中、R38は、水素原子、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表す)、シアノまたはニトロを表し、R36は、低級アルキル、−C(=O)R39(式中、R39は、水素原子、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表す)、シアノまたはニトロを表し、R37は、水素原子、低級アルキルまたは−NR4041(式中、R40およびR41は、同一または異なって、水素原子、低級アルキルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)を表す]、または下記式(XV−A)
(式中、R36Aは前記R36と同義であり、R42は、水素原子、低級アルキルまたは低級アルコキシカルボニルを表す)で表される化合物を表す。
本発明の「ジエンと求ジエン体との不斉ディールスアルダー反応用触媒」における、「ジエンと求ジエン体との不斉ディールスアルダー反応」としては、上記式(XIV)で表される化合物と、上記式(XV)または式(XV−A)で表される化合物との不斉ディールスアルダー反応により、ディールスアルダー反応生成物(XVI)または(XVI−A)が得られる反応を表す。
製造法3
(式中、R31、R32、R33、R34、R35、R36およびR37は、それぞれ前記と同義である)
化合物(XVI)は、化合物(XV)と化合物(XV)に対し1〜10当量の、好ましくは1〜2当量の化合物(XIV)を、触媒の存在下、無溶媒で、または溶媒中で反応させることにより、得ることができる。
触媒は、化合物(I)、(I−A)、(II)または(II−A)のいずれかを表し、各化合物は前記と同義である。
触媒は、化合物(XV)に対し、好ましくは0.05〜1当量、より好ましくは0.1〜0.3当量用いられる。
溶媒は、エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン等が挙げられ、トルエンが好ましい。溶媒の使用量にも特に制限はないが、化合物(XV)に対して2から50重量倍の範囲が好ましい。
反応は、通常0℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは0℃から30℃の間の温度で行われ、5分間から300時間、好ましくは5分間から20時間で終了する。
化合物(XV)および(XIV)は、例えば市販品として、または公知の方法に従って得ることができる。
製造法4
(式中、R31、R32、R33、R34、R36AおよびR42は、それぞれ前記と同義である)
化合物(XVI−A)は、製造法3において、化合物(XV)の代わりに化合物(XV−A)を用いることで得ることができる。
化合物(XV−A)は、例えば市販品として、または公知の方法に従って得ることができる。
なお、生成した化合物(XVI)および(XVI−A)が上記反応条件下でさらに反応が進行して得られる反応生成物、ならびに化合物(XVI)および(XVI−A)が化学的に不安定であり単離、精製等をするためにより安定な化合物へ変換されたときの反応生成物は、本願のディールスアルダー反応生成物に含まれるものとする。
上記製造法1〜4の各製造方法で得られる化合物(XIV−1)、(XIV−2)、(XV−1)、(XV−2)、(XVI)および(XVI−A)、それら化合物が上記製造法1〜4の反応条件下でさらに反応が進行して得られる反応生成物、ならびに化合物(XIV−1)、(XIV−2)、(XV−1)、(XV−2)、(XVI)および(XVI−A)が化学的に不安定であり単離、精製等をするためにより安定な化合物へ変換されたときの反応生成物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィーに付して単離生成することができる。
化合物(XIV−1)、(XIV−2)、(XV−1)、(XV−2)、(XVI)および(XVI−A)には光学異性体などの立体異性体が存在するが、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物も本発明により得られる化合物に包含される。
一般式(I)、(I−A)、(II)、(II−A)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)、(XIV)、(XIV−1)、(XIV−2)、(XV)、(XV−A)、(XV−1)、(XV−2)、(XVI)および(XVI−A)の各基の定義については下記の通りである。
低級アルキルならびに低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分としては、例えば、直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、より具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどがあげられる。
低級アルケニルとしては、例えば、直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルケニルがあげられ、より具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどがあげられる。
低級アルキニルとしては、例えば、直鎖または分岐状の炭素数2〜10のアルキニルがあげられ、より具体的にはエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなどがあげられる。
シクロアルキルとしては、例えば、炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、より具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあげられる。
アリールとしては、例えば、炭素数6〜14のアリールがあげられ、より具体的にはフェニル、ナフチル、アズレニル、アントリルなどがあげられる。
芳香族複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基などがあげられ、より具体的にはフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピロロピリジニル、ピロロピリミジニル、イミダゾピリジニル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルなどがあげられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂肪族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂肪族複素環基などがあげられ、より具体的にはアジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペリジニル、アゼパニル、1,2,5,6−テトラヒドロピリジル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピラゾリニル、オキシラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ−2H−ピラニル、5,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、オキサゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオキサゾリジニル、チオモルホリニル、2H−オキサゾリル、2H−チオキサゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリジニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチオキサゾリル、ベンゾジオキソリニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロ−2H−クロマニル、ジヒドロ−1H−クロマニル、ジヒドロ−2H−チオクロマニル、ジヒドロ−1H−チオクロマニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロキナゾリニル、ジヒドロベンゾジオキシニルなどがあげられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、および置換基を有していてもよい低級アルキニルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば、置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいC6−14アリール[該置換基を有していてもよいC6−14アリールにおける置換基としては、例えば、置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1−10アルキル、トリフルオロメチル、C3−8シクロアルキル、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、C1−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、−NRX2Y2(式中、RX2およびRY2は同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C7−16アラルキルオキシカルボニル等を表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル、トリC1−10アルキルシリルオキシ等からなる群から選ばれる置換基が挙げられる]、
置換基を有していてもよい脂肪族複素環基{該置換基を有していてもよい脂肪族複素環基における置換基としては、例えば、置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、置換基を有していてもよいC1−10アルキル[該置換基を有していてもよいC1−10アルキルにおける置換基としては、例えば、置換数1〜3のC6−14アリール、トリC1−10アルキルシリルオキシ、ジC1−10アルキル(C6−14アリール)シリルオキシ、C1−10アルキル(ジC6−14アリール)シリルオキシ等からなる群から選ばれる置換基が挙げられる]、トリフルオロメチル、C3−8シクロアルキル、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、C1−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、−NRX2Y2(式中、RX2およびRY2は同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C7−16アラルキルオキシカルボニル等を表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル、トリC1−10アルキルシリルオキシ等からなる群から選ばれる置換基が挙げられる}、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、−NR(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニルまたはC7−16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキルカルバモイル
からなる群から選ばれる置換基があげられる。
置換基を有していてもよいアリール、および置換基を有していてもよい芳香族複素環基における置換基としては、同一または異なって、例えば、置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、置換基を有していてもよいC1−10アルキル{該置換基を有していてもよいC1−10アルキルにおける置換基としては、同一または異なって、例えば、置換数1〜3の、
ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C3−8シクロアルキル、置換基を有していてもよいC6−14アリール[該置換基を有していてもよいC6−14アリールにおける置換基としては、例えば、置換数1〜3のハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1−10アルキル、トリフルオロメチル、C3−8シクロアルキル、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、C1−10アルキルスルフィニル、C1−10アルキルスルホニル、−NRX2Y2(式中、RX2およびRY2は同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C7−16アラルキルオキシカルボニル等を表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル等からなる群から選ばれる置換基が挙げられる]、
トリフルオロメチル、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、−NRXaYa(式中、RXaおよびRYaは同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニルまたはC7−16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキルカルバモイル}、トリフルオロメチル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、−NRXaYa(式中、RXaおよびRYaは同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニルまたはC7−16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキルカルバモイル
からなる群から選ばれる置換基があげられる。
置換基を有していてもよいシクロアルキル、および置換基を有していてもよい脂肪族複素環基における置換基としては、同一または異なって、例えば、置換数1〜3の、
オキソ、ハロゲン、ヒドロキシ、スルファニル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1−10アルキル、トリフルオロメチル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、脂肪族複素環基、芳香族複素環基、C1−10アルコキシ、C3−8シクロアルコキシ、C6−14アリールオキシ、C7−16アラルキルオキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C7−15アロイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、−NRXbYb(式中、RXbおよびRYbは同一または異なって、水素原子、C1−10アルキル、C3−8シクロアルキル、C6−14アリール、芳香族複素環基、C7−16アラルキル、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニルまたはC7−16アラルキルオキシカルボニルを表す)、C2−11アルカノイル、C7−15アロイル、C1−10アルコキシカルボニル、C6−14アリールオキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキルカルバモイル
からなる群から選ばれる置換基があげられる。
ここで示したC1−10アルキルならびにC1−10アルコキシ、C2−11アルカノイルオキシ、C1−10アルキルスルファニル、C2−11アルカノイル、C1−10アルコキシカルボニル、C1−10アルキルカルバモイル、ジC1−10アルキルカルバモイル、トリC1−10アルキルシリルオキシ、ジC1−10アルキル(C6−14アリール)シリルオキシ、およびC1−10アルキル(ジC6−14アリール)シリルオキシのC1−10アルキル部分としては、例えば、前記低級アルキルの例示であげた基が例示される。ジC1−10アルキルカルバモイルおよびジC1−10アルキル(C6−14アリール)シリルオキシにおける2つのC1−10アルキル部分ならびにトリC1−10アルキルシリルオキシにおける3つのC1−10アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
3−8シクロアルキルおよびC3−8シクロアルコキシのシクロアルキル部分としては、例えば、前記シクロアルキルの例示であげた基が例示される。
6−14アリールならびにC6−14アリールオキシ、C7−15アロイル、C7−15アロイルオキシ、C6−14アリールオキシカルボニル、ジC1−10アルキル(C6−14アリール)シリルオキシ、およびC1−10アルキル(ジC6−14アリール)シリルオキシのアリール部分としては、例えば、前記アリールの例示であげた基が例示される。C1−10アルキル(ジC6−14アリール)シリルオキシにおける2つのC6−14アリール部分は同一でも異なっていてもよい。
7−16アラルキルオキシ、C7−16アラルキルおよびC7−16アラルキルオキシカルボニルのアリール部分としては、例えば、前記アリールの例示であげた基が例示され、アルキル部分としては、例えば、C1−10のアルキレンがあげられ、より具体的には前記低級アルキルで例示であげた基から水素原子を1つ除いた基があげられる。
脂肪族複素環基、芳香族複素環基およびハロゲンは、それぞれ前記と同義である。
化合物(I)の薬学的に許容される塩は、例えば、薬学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩などを包含する。化合物(I)の薬学的に許容される酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩などがあげられ、薬学的に許容される金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩などがあげられ、薬学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウムなどの塩があげられ、薬学的に許容される有機アミン付加塩としては、例えば、モルホリン、ピペリジンなどの付加塩があげられ、薬学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、例えば、リジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの付加塩があげられる。
次に化合物(I)の製造法について説明する。
なお、以下に示す製造法において、定義した基が該製造法の条件下で変化するかまたは該製造法を実施するのに不適切な場合、有機合成化学で常用される保護基の導入および除去方法[例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protectivegroups in Organic Synthesis,third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley&Sons Inc.(1999年)などに記載の方法]などを用いることにより、目的化合物を製造することができる。また、必要に応じて置換基導入などの反応工程の順序を変えることもできる。
製造法
化合物(IX)は、化合物(I)、(I−A)、(II)または(II−A)を表し、例えば、以下の製造法に従い製造することができる。
[式中、R、R、RおよびRは、それぞれ前記と同義であり、R11は低級アルコキシカルボニル(該低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は、C〜C10の低級アルキルを表す)またはアラルキルオキシカルボニル(該アラルキルオキシカルボニルのアルキル部分はC〜C10の低級アルキルから水素原子を一つ除いた基を表し、アリール部分はCからC14のアリールを表す)を表し、RはC〜C10の低級アルキルを表し、MおよびMは、同一または異なって、LiまたはMgX3(式中、Xはハロゲンを表す)を表し、X、XおよびXは、同一または異なって、ハロゲンを表す]
工程1
化合物(IV)は、化合物(III)を無溶媒で、または溶媒中で1〜100当量の化合物(III−1)を、好ましくは1〜100当量の添加剤の存在下、0℃〜溶媒の沸点の間の温度で、好ましくは室温〜150℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(DME)、N、N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N、N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
添加剤としては、例えば、塩化チオニル、塩化ホスホリル、オキザリルクロリド等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。中でも、塩化チオニル等が好ましい。
化合物(III−1)は、例えば、市販品として得ることができる。
工程2
化合物(V)は、化合物(IV)を無溶媒で、または溶媒中で、1〜20当量、好ましくは1〜10当量の化合物(IV−1)と、好ましくは1〜5当量の適当な塩基の存在下、−20℃〜200℃の間の温度で、好ましくは0〜100℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、THF、エーテル、ジオキサン、DME、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF、DMA、NMP、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N−メチルモルホリン等の有機塩基;アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG1−X8(バイオラッド社製)、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固体塩基等が挙げられ、中でも、トリエチルアミンが好ましい。
化合物(IV−1)は、例えば、市販品として得ることができる。
工程3
化合物(VI)は、化合物(V)を無溶媒で、または溶媒中で、1〜20当量、好ましくは1〜5当量の化合物(V−1)と、好ましくは1〜5当量の適当な塩基の存在下、−20℃〜200℃の間の温度で、好ましくは室温〜100℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、THF、エーテル、ジオキサン、DME、DMSO、DMF、DMA、NMP、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル、トリエチルアミン等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
塩基としては、例えば、ピリジン、イミダゾール、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、DBN、DMAP、N−メチルモルホリン等の有機塩基;アンバーリストA−21(ロームアンドハース社製)、AG1−X8(バイオラッド社製)、ポリビニルピリジン、モルホリノメチルポリスチレン等の固体塩基等が挙げられ、中でも、トリエチルアミン、DMAP等が好ましい。
化合物(V−1)は、例えば、市販品として得ることができる。
工程4
化合物(VII)は、化合物(VI)を溶媒中で、1〜20当量、好ましくは1〜5当量の化合物(VI−1)と、−45℃〜100℃の間の温度で、好ましくは−20℃〜室温の間の温度で、5分間〜72時間反応させた後に、1〜20当量、好ましくは1〜5当量の化合物(VI−2)と、−45℃〜100℃の間の温度で、好ましくは−20℃〜室温の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。式中のRおよびRが同一かつMおよびMが同一のときは、段階的に行わずに、化合物(VI)を溶媒中で、2〜40当量、好ましくは2〜10当量の化合物(VI−1){=化合物(VI−2)}と、−45℃〜100℃の間の温度で、好ましくは−20℃〜室温の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。また、化合物(VI)を化合物(VI−1)と反応させた後に一旦反応を停止させ、後処理および必要により精製を行ない、得られた生成物を上記条件で化合物(VI−2)と反応させることにより化合物(VII)を製造することもできる。
化合物(VI−1)および/または化合物(VI−2)を反応させるときの溶媒としては、例えば、THF、エーテル、ジオキサン、DME、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、トリエチルアミン等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
化合物(VI−1)および化合物(VI−2)は、公知の方法[例えば、「第5版実験化学講座18 有機化合物の合成VI 金属を用いる有機合成」、p.59、丸善(2005年)等]により、または市販品として得ることができる。
化合物(VII)は、化合物(VI)を溶媒中で、1〜20当量、好ましくは1〜5当量の化合物(VI−1)の存在下、−45℃〜100℃の間の温度で、好ましくは−20℃〜室温の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することができる。
溶媒としては、例えば、THF、エーテル、ジオキサン、DME、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、トリエチルアミン等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
化合物(VI−1)は、公知の方法(例えば、実験化学講座14「有機化合物の合成II アルコール・アミン」1 アルコール 1.3 置換反応による合成等)により、または市販品として得ることができる。
工程5
化合物(VIII)は、化合物(VII)を溶媒中、好ましくは1当量〜大過剰量の塩基の存在下、0℃と用いる溶媒の沸点との間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシドなどがあげられる。
溶媒としては、例えば、水を含む溶媒があげられ、該溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、ピリジンなどがあげられ、これらは水と混合して、またはそれぞれを混合してさらに水を添加して用いられる。
また、化合物(VII)のR11がベンジルオキシカルボニルのとき、化合物(VIII)は、溶媒中、水素雰囲気下でまたは水素源の存在下で、パラジウム炭素(Pd−C)、水酸化パラジウム、ラネーニッケルなどの触媒の存在下、必要により好ましくは1当量〜大過剰量のアンモニアまたは酢酸、塩酸、硫酸などの酸の存在下、−20℃と用いる溶媒の沸点との間の温度で、5分間〜72時間処理することにより製造することができる。
触媒は、好ましくは0.001〜10当量、より好ましくは0.01〜1当量用いられる。
水素源としては、例えば、ギ酸、ギ酸アンモニウム、ギ酸ナトリウムなどがあげられ、これらは、化合物(VII)に対し好ましくは2当量〜大過剰量用いられる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、トルエン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン、DMF、DMA、NMP、水などがあげられ、これらは単独でまたは混合して用いられる。
さらに、化合物(VIII)は、化合物(VII)に対し、有機合成化学で常用される保護基の導入および脱離方法(例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス第3版(Protectivegroups in Organic Synthesis third edition)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley&Sons Inc.)(1999年))等を用いることにより製造することもできる。
工程6
化合物(IX)は、化合物(VIII)および化合物(VIII−1)を用いて、前記工程3と同様の操作を行うことにより製造することができる。
工程7
化合物(IX)は、化合物(VIII)を無溶媒で、または溶媒中で、1〜20当量、好ましくは1〜5当量の化合物(VIII−2)と、好ましくは1〜5当量の適当な添加物の存在下、−20℃〜200℃の間の温度で、好ましくは0℃〜50℃の間の温度で、5分間〜72時間反応させることにより製造することもできる。
溶媒としては、例えば、THF、エーテル、ジオキサン、DME、DMSO、DMF、DMA、NMP、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ピリジン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトニトリル、トリエチルアミン等が挙げられ、これらを単独で、または混合して用いることができる。
添加物としては、例えば、クロロシラン、硫酸、塩酸、ヨウ素等が挙げられる。
化合物(VIII−2)は、例えば、市販品として得ることができる。
なお、相対立体配置または絶対立体配置だけが異なる化合物(IX)同士は、出発物質として所望の化合物(IX)に相当する相対立体配置または絶対立体配置を有する化合物(III)を用いる製造法により、所望の相対立体配置または絶対立体配置の化合物(IX)を得ることができる。
化合物(I)におけるR、R、RおよびR、化合物(I−A)におけるR1A、R2A、R3AおよびR4A、化合物(II)におけるR11、R12、R15、R16、R17、R18、R19およびR20、ならびに化合物(II−A)におけるR11A、R12A、R15A、R16A、R17A、R18A、R19AおよびR20Aに含まれる官能基の変換は、公知の方法[例えば、コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ 第2版(Comprehensive Organic Transformations 2nd edition)、R.C.ラロック(Larock)著、Vch Verlagsgesellschaft Mbh(1999年)などに記載の方法]でまたはそれらに準じて行うこともできる。
上記各製造法における中間体および目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、ろ過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィーなどに付して単離精製することができる。また、中間体においては特に精製することなく次の反応に供することも可能である。
化合物(I)または化合物(II)の中には、幾何異性体、エナンチオマー、互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、上記全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
化合物(I−A)または(II−A)の中には、幾何異性体、互変異性体などが存在し得るものもあるが、本発明は、これらを含め、上記全ての可能な異性体およびそれらの混合物を包含する。
化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)中の各原子の一部またはすべては、それぞれ対応する同位体原子で置き換わっていてもよく、本発明は、これら同位体原子で置き換わった化合物も包含する。例えば、化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)中の水素原子の一部またはすべては、原子量2の水素原子(重水素原子)であってもよい。
化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)中の各原子の一部またはすべてが、それぞれ対応する同位体原子で置き換わった化合物は、市販のビルディングブロックを用いて、上記各製造法と同様な方法で製造することができる。また、(I)、(I−A)、(II)および(II−A)中の水素原子の一部またはすべてが重水素原子で置き換わった化合物は、例えば、1)過酸化重水素を用い、塩基性条件下にカルボン酸などを重水素化する方法(米国特許第3849458号明細書参照)、2)イリジウム錯体を触媒として用い、重水を重水素源として用いてアルコール、カルボン酸などを重水素化する方法[ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.),Vol.124,No.10,2092(2002)参照]、3)パラジウムカーボンを触媒として用い、重水素源として重水素ガスのみを用いて脂肪酸を重水素化する方法[リピッズ(LIPIDS),Vol.9,No.11,913(1974)参照]、4)白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウムなどの金属を触媒として用い、重水または重水および重水素ガスを重水素源として用いてアクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特公平5−19536号公報、特開昭61−277648号公報および特開昭61−275241号公報参照)、5)パラジウム、ニッケル、銅または亜クロム酸銅などの触媒を用い、重水を重水素源として用いて、アクリル酸、メタクリル酸メチルなどを重水素化する方法(特開昭63−198638号公報参照)などを用いて合成することもできる。
化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)の塩を取得したいとき、化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えることにより塩を形成させて単離、精製すればよい。
また、化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)およびその薬学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明に包含される。
本発明によって得られる化合物(I)、(I−A)、(II)および(II−A)の具体例を表1に示す(化合物4〜10)。ただし、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ジフェニル((トリメチルシリル)オキシ)メチル)ピロリジン(化合物4)
化合物A5の粗生成物 100mgをジクロロメタン2.6mLに溶解し、ヨウ素を1粒(約4.0mg)および1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン43.5μL(0.21mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応液を分液ロートにうつし、クロロホルムおよび飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で3回洗浄し、さらに有機層を1.0mol/L 水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾紙濾過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=95:5〜1:1v/v)で精製し、化合物4を104mg(0.23mmol,2段階 88%)得た。
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.46(br d,J=7.4Hz,2H),7.34(br d,J=6.8Hz,2H),7.29−7.25(m,4H),7.23−7.19(m,2H),4.27−4.22(m,1H),3.89−3.86(m,1H),2.89(dd,J=11.5,5.7Hz,1H),2.72(dd,J=11.5,4.0Hz,1H),1.78−1.69(m,1H),1.56−1.51(m,1H),0.80,(s,9H)
[実施例2]
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(((メチルジフェニルシリル)オキシ)ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物5)
化合物A5の粗生成物 200mgをジクロロメタン5mLに溶解し、トリエチルアミン145μL(1.04mmol)、ジフェニルメチルクロロシラン131μL(0.63mmol)およびDMAP 13mg(0.104mmol)を加えた。室温で3日間撹拌した後、メタノール 0.5mLを加え30分間撹拌し、反応を停止した。反応混合物を分液ロートに移しクロロホルムおよび飽和重曹水で3回洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ―(n−ヘキサン/酢酸エチル=95:5〜1:1v/v)で精製し、化合物5を125mg(0.21mmol,2段階41%)および原料 82mg(43%)を得た。
H NMR(500MHz,CDCl)δ7.60−7.58(m,1H),7.48−7.45(m,4H),7.40−7.25(m,10H),7.20−7.18(m,5H),4.14(q,J=6.5Hz,1H),3.87(dd,J=9.8,7.0Hz,1H),1.72−1.60(m,2H),0.78(s,9H),0.21(s,3H),−0.08,(s,9H);
13C NMR(500MHz,CDCl)δ145.99,144.67,138.46,138.31,134.39,134.18,133.93,129.85,129.18,129.17,128.82,127.90,127.83,127.57,127.48,127.22,126.93,83.70,72.23,64.56,55.07,37.88,25.82,17.97,−1.07,−4.78,−4.83
[実施例3]
(2S,4S)−2−(ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)((トリメチルシリル)オキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン(化合物6)
化合物A7から、化合物4と同様の方法で化合物6を得た。
H NMR(500MHz,CDCl),δ 8.05(s,2H),7.91(s,2H),7.87(s,2H),4.22(q,J=5.7Hz,1H),3.99(t,J=7.5Hz,1H),2.90(dd,J=11.5,5.7Hz,1H),2.45(dd,J=11.5,4.6Hz,1H),1.87(dt,J=13.2,7.5Hz,1H),1.34−1.25(m,1H),0.77(s,9H),−0.06(s 6H),−0.08(s,9H)
[実施例4]
(2S,4S)−2−(ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)((メチルジフェニルシリル)オキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン(化合物7)
化合物A7から、化合物5と同様の方法で化合物7を得た。
H NMR(500MHz,CDCl),δ8.00(s,2H),7.82(s,1H),7.75(s,1H),7.64(s,2H),7.40−7.34(m,6H),7.31−7.27(m,4H),4.12(q,J=6.3Hz,1H),3.98,(dd,J=9.7,7.4Hz,1H),2.82(dd,J=11.5,5.7Hz,1H),2.14(dd,J=11.5,5.7Hz,1H),1.98(dt,J=12.6,7.4Hz,1H),1.37−1.31(m,1H),0.75(s,9H),0.33(s,3H),−0.08(d,J=4.6Hz,6H);
13C NMR(500MHz,CDCl),δ146.80,145.42,135.94,135.73,134.34,124.01,133.88,131.80−130.54(m),130.14,130.00,128.93,128.60,127.96,127.69,127.96,127.69,124.33,124.10,122.15−121.91(m),82.86,72.19,63.30,54.79,37.64,25.67,17.89,−0.89,−4.89,−4.90
[実施例5]
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ジ(ナフタレン−2−イル)((トリメチルシリル)オキシ)メチル)ピロリジン(化合物8)
2−ブロモナフタレンより別途調整したグリニャール試薬を用いて、化合物6と同様の方法により化合物8を得た。
H NMR(500MHz,CDCl),δ8.11(s,1H),8.05(s,1H),7.848−7.84(m,2H),7.80−7.77(m,2H),7.68(dd,J=8.6,4.5Hz,2H),7.43−7.50(m,5H),7.29(dd,J=8.6,1.7Hz,1H),4.31−4.26(m,1H),4.14(dd,J=10.0,7.4Hz,1H),2.98(dd,J=10.9,5.7Hz,1H),2.79(dd,J=10.9,3.4Hz,1H),1.85−1.79(m,1H),1.74−1.65(m,1H),0.73(s,9H),−0.04(s,9H),−0.09(d,J=3.4Hz,6H)
[実施例6]
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(((メチルジフェニルシリル)オキシ)ジ(ナフタレン−2−イル)メチル)ピロリジン(化合物9)
2−ブロモナフタレンより別途調整したグリニャール試薬を用いて、化合物7と同様の方法で化合物9を得た。
H NMR(500MHz,CDCl),δ7.92(s,2H),7.65−7.71(m,4H),7.57−7.53(m,2H),7.41−7.38(m,9H),7.26−7.10(m,7H),4.13−4.04(m,2H),2.80−2.77(m,1H),2.39(dd,J=5.7,5.2Hz,1H),1.68−1.71(m,2H),0.63(s,9H),−0.07(s,3H),−0.20(s,6H)
[実施例7]
(2S,4R)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(((メチルジフェニルシリル)オキシ)ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物10)
(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル(化合物A8)から、化合物7と同様の方法で化合物10を得た。
H NMR(500MHz,CDCl),δ7.54−7.50(m,6H),7.35−7.18(m,14H),4.33(t,J=8.0Hz,1H),3.47(br s,1H),2.57(dd,J=10.7,3.5Hz,1H),2.48(dd,J=10.7,5.0Hz,1H),1.75−1.70(m,1H),1.28−1.25(m,1H),0.78(s,9H),0.15(s,3H),−0.12(d,J=5.5Hz,6H)
[実施例8]
詳細は表2に記載の条件および下記記載の内容に従って実験を行った。
化合物11 20mg(0.052mmol)、安息香酸0.6mg(0.0052mmol)、N−パラメトキシベンジル−3−オキソブタンアミド(化合物12)17.3mg(0.078mmol)および触媒として化合物1〜10のいずれか1つの化合物0.0052mmolをトルエン300μLに溶解し、0℃または23℃のいずれかの温度で、表2に記載の各反応時間(14〜288時間)の間撹拌した。反応液を0℃で15分間撹拌し、p−トシル酸2.0mg(0.0104mmol)およびオルトギ酸トリメチル51.2μL(0.468mmol)を加え、0℃で10分間撹拌した。反応溶液を重曹水溶液に加え、クロロホルム抽出(3回)を行い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=7:3v/v)で精製し、ジアステレオマー混合物(13)を得た。
ジアステレオマー混合物(13)中の主要なジアステレオマー:H NMR(500MHz,CDCl)δ 8.06(d,J=8.0Hz,1H),7.55(d,J=6.5Hz,1H),7.29−7.21(m,4H),6.86(d,J=14.5Hz,2H),6.70(d,J=16.0Hz,1H),5.75(dd,J=16.3,7.0,1H),5.29(d,J=14.5Hz,1H),4.45(t,J=2.5Hz,1H),4.29−4.22(m,2H),3.99(d,J=14.5Hz,1H),3.79(s,3H),3.48(d,J=4.5Hz,1H),3.38(s,3H),3.02−2.98(m,2H),2.36(s,3H),2.26(dt,J=14.0,2.5Hz,1H),2.05(s,3H),1.72−1.66(m,2H),1.66(s,9H);
13C NMR(100MHz,CDCl)δ 204.1,171.2,166.7,159.2,150.4,135.6,134.9,133.5,129.9,129.8,129.4,129.0,124.7,123.3,122.9,118.9,115.7,115.6,114.2,113.9,85.4,84.1,64.1,61.8,56.1,55.4,47.3,34.3,31.5,30.4,28.4,24.6,21.2.
鏡像体過剰率(ee)の値は、下記条件でHPLCにより測定した。
カラム:chiralpak IC カラム(ダイセル社製分析カラム、内径4.6 mm、長さ250 mm、粒子径5μm)
溶媒:2−プロパノール:n−ヘキサン=1:1v/v
検出波長:310nm
流速:1mL/min
保持時間:主要エナンチオマーの保持時間=51.3分、少量エナンチオマーの保持時間=21.9分
下記式に従って各反応条件でのeeの値を計算した。結果を表2に示す。
[実施例9]
化合物A1の代わりに化合物A14または化合物A15を用いて実施例1〜7と同様な合成を行うことにより、化合物A14または化合物A15に相当する絶対立体配置を有するヒドロキシプロリン誘導体が得られる。
[実施例10]
シンナムアルデヒド(化合物14) 8.4 mg (0.064 mmol)、メチル3−アミノ−2−メチル−3−オキソプロパノエート(化合物15) 10 mg (0.076 mmol)、酢酸カリウム7.5 mg(0.076 mmol)および化合物2または5の各触媒20モル%(0.013 mmol)を2,2,2−トリフルオロエタノール320 μLに溶解し、23 ℃で48時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧留去し得られた反応混合物をジクロロメタン0.6 mLに溶解しモレキュラーシーブ4A 100 mgおよびトリフルオロ酢酸9.8 μL(0.13 mmol)を加え、23 ℃で5時間撹拌した。反応溶液を重曹水に加えクロロホルムで3回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過をして、溶媒を減圧留去し、残渣を得た(26 mg)。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー (n-ヘキサン/酢酸エチル = 2:1 v/v)で精製し、ジアステレオマー混合物(化合物16)を得た。
ジアステレオマー混合物(16)中の主要なジアステレオマー: H NMR(500 MHz, CDCl)δ 7.32-7.24(m,3H),7.20-7.19(m,2H),6.29(dd,J=7.5,1.0Hz,1H),5.30(dd,J=7.5,4.0Hz,1H)4.26-4.25(m,1H),3.74(s,3H),1.10(s,3H);
13C NMR(100MHz, CDCL) δ 174.5,172.4,139.0,130.0,129.6(2C),128.7(2C),126.3,110.0,56.0,53.1,47.5,17.0
鏡像体過剰率(ee)の値は、下記条件でHPLCにより測定した。
カラム:chiralpak IC カラム(ダイセル社製分析カラム,内径4.6mm、長さ250 mm、粒子径5μm)
溶媒:2-プロパノール:n-ヘキサン=1:3 v/v
検出波長:254nm
流速:0.5 mL/min
:主要エナンチオマーの保持時間=26.1分、少量エナンチオマーの保持時間=22.6分
下記式に従って各反応条件でのeeの値を計算した。結果を表3に示す。
[実施例11]
(E)−5−メチル−2,4−ヘキサジエナール18 16.5 mg(0.15 mmol)、化合物2または5の各触媒(0.02 mmol)、およびジヒドロピリドン17 24.2 mg(0.10 mmol)をトルエン500 μLに溶解し、室温で17〜19時間撹拌後、1 mol/L塩酸水溶液500 μLを加えた。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過をして、溶媒を減圧留去した。残渣をジクロロメタン3 mLに溶解し、エチレングリコール186.1 mg(3.0 mmol)およびp−トルエンスルホン酸・1水和物42.8 mg(0.225 mmol)を加え、室温で16時間撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液3 mLを加えた。混合物をクロロホルムで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過をして、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=5:1 v/v)で精製し、ジアステレオマーBを主生成物とし、ジアステレオマーAが副生した少量のジアステレオマーであるジアステレオマー混合物を得た。
ジアステレオマーB:1H NMR(500MHz,benzene−d6)δ 5.59(br s,1H),5.46(s,1H),4.70(t,J=4.0Hz,1H),4.07(br,1H),3.49−3.38(m,2H),3.34−3.23(m,2H),3.15(d,J=8.0Hz,1H),2.91(br t,1H),2.72−2.63(m,1H),2.57−2.48(m,1H),2.08(dd,J=14.5,4Hz,1H),1.92−2.04(2H) ,1.79(br t,J=11.5Hz,1H),1.43(s,9H),1.33(s,3H)
13C NMR(100MHz, benzene−d6):δ 196.0,154.0,129.4,123.9,103.5,98.0,80.9,65.1,64.8,57.0,40.0,39.3,38.1,34.6,30.9,28.3,22.1
ジアステレオマーA:1H NMR(500MHz,benzene−d6)δ 5.61(br t,1H),5.50(s,1H),4.82(t,J=4.5Hz,1H),4.03(br s,1H),3.73(br d,J=4.5Hz,1H),3.46−3.37(m,2H),3.35−3.26(m,2H),2.87(br t,J=12Hz,1H),2.37−2.25(m,1H),2.06(dd,J=18.5,7.5Hz,1H),1.96(dd,J=15.5,2.5Hz,1H),1.77−1.58(3H),1.48(s,9H),1.30(s,3H)
13C NMR(100MHz, benzene−d6):δ 194.3,154.3,129.6,122.7,102.6,97.3,80.8,65.0,64.8,51.8,39.0,37.2,36.9,35.4,30.9,28.4,22.2
上記ジアステレオマーAおよびBの生成比率は以下のように解析した。
上記反応で得られた生成物に塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルによる抽出を行い、飽和重曹水及び飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムでの乾燥を経て、ろ紙濾過後、溶媒を減圧留去して残渣のH NMRを測定し、ジアステレオマーAおよびBのアルデヒドピークの積分値を解析した。
ジアステレオマーAのアルデヒドピーク:H NMR(500MHz,CDCl)δ
9.67(s,1H)
ジアステレオマーBのアルデヒドピーク:H NMR(500MHz,CDCl)δ
9.73(s,1H)
その結果、化合物2または5を触媒として用いた際のジアステレオマーAおよびBの比率に関しては以下の通りであった。
化合物2;ジアステレオマーA:ジアステレオマーB = 1:1.2
化合物5;ジアステレオマーA:ジアステレオマーB = 1:3.8
次に、ジアステレオマーAおよびB中の鏡像体過剰率(ee)の値は、下記条件でHPLCにより測定した。
カラム:chiralpak IC カラム(ダイセル社製分析カラム、内径4.6 mm、長さ250 mm、粒子径5 μm)
溶媒:2−プロパノール:n−ヘキサン=1:9 (v/v)
検出波長:254 nm
保持時間:(ジアステレオマーBの)主要エナンチオマーの保持時間 :22.1分、少量エナンチオマーの保持時間=32.0分
(ジアステレオマーAの)主要エナンチオマーの保持時間 :24.8分、少量エナンチオマーの保持時間=26.9分
下記式に従って各反応条件でのジアステレオマーAおよびB中のeeの値を計算した。
結果を表4に示す。
以下に、上記実施例及び比較例で用いた化合物の製造方法又は入手方法を記載する。
参考例1
(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル塩酸塩(化合物A1)
(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸(シグマアルドリッチ社製)20g(150mmol)をメタノールに溶解し、0℃で塩化チオニル 12.2mL(170mmol)を滴下し、0℃で1時間撹拌した。得られた白色の懸濁液をそのまま70℃に昇温し、24時間加熱還流した。反応後、反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた混合物にメタノール 20mLを加え、減圧下に不純物の共沸留去を3回繰り返し、粗生成物として化合物A1の固体を(30g)得た。
参考例2
(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−ベンジル2−メチル(化合物A2)
化合物A1の粗生成物30gをメタノールに溶解し、0℃でトリエチルアミン63mL(450mmol)およびクロロギ酸ベンジル28mL(195mmol)をゆっくり滴下した.15分間0℃で撹拌した後、室温まで昇温して24時間撹拌した。反応液から減圧下溶媒を留去し残渣に酢酸エチル 50mLを加えた。0℃で2mol/L塩酸水溶液130mLをゆっくり加え、そのまま分液ロートに移し酢酸エチルで抽出を行った。さらに水層を酢酸エチルで二回抽出し、抽出した有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾紙濾過後、減圧下溶媒を留去した。粗生成物として化合物A2(31g)を得た。
参考例3
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−1,2−ジカルボン酸 1−ベンジル−2−メチル(化合物A3)
化合物A2の粗生成物31gをジクロロメタン100mLに溶解し、t−ブチルジメチルシリルクロリド34g(225mmol)およびトリエチルアミン 73mL(525mmol)を加えた。室温で20時間撹拌した後、メタノールを10mL加え30分間撹拌して反応を停止させ、0℃で2mol/L塩酸水溶液40mLをゆっくり加えた。そのまま分液ロートに移し、クロロホルムで三回抽出を行い、抽出した有機層を飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾紙濾過後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=10:1〜7:1v/v)で精製し、化合物A3を43g(110mmol,73% 3 steps)得た。
参考例4
(2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−2−(ヒドロキシジフェニルメチル)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(化合物A4)
フェニルマグネシウムブロミド13mL(2.0 mol/L)にTHF 10mLを加え、THF 10mLに溶解した化合物A3、3.0g(7.62mmol)を0℃で30分以上かけて滴下した。0℃で3時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を反応液が酸性になるまで0℃で加えて反応を停止した。不溶物をセライトで吸引濾過して、得られたろ液を分液ロートに移し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾紙濾過後、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=8:1v/v)で精製し、化合物A4を3.4g(6.57mmol,86%)得た。
参考例5
((2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−イル)ジフェニルメタノール(化合物A5)
化合物A4、1.0g(1.93mmol)をTHF 20mLに溶解し、水酸化パラジウム 100mgを加え、1気圧水素下、室温で30時間撹拌した。反応混合物をセライトで吸引濾過し、減圧下溶媒を留去した。粗生成物として化合物A5を 741mg得た。
参考例6
(2S,4S)−2−(ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(ヒドロキシ)メチル)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−1−カルボン酸ベンジル(化合物A6)
(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)マグネシウムブロミドを用い、化合物A4と同様の方法で化合物A6を得た(61%)。
参考例7
ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)((2S,4S)−4−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)ピロリジン−2−イル)メタノール(化合物A7)
溶媒としてメタノールを用い、化合物A5と類似の方法で化合物A7を得た。
参考例8
(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル(化合物A8)
市販の(2S,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸から、化合物A1と同様にして化合物A8を得た。
参考例9
酢酸2−(1Hインドール−3−イル)−エチルエステル(化合物A9)
Org.Lett.,2009,11,2780−2783に記載の方法により化合物A9を得た。
参考例10
酢酸2−(2−ヨード−1H−インドール−3−イル)−エチルエステル(化合物A10)
化合物A9の粗生成物1.74gをアルゴン雰囲気下、THF 34mLに溶解し、ヨウ素2.09g(8.25mmol)を加えた。−78℃で4分間攪拌し、トリフルオロメタンスルホン酸銀2.12g(8.25mmol)を加え、−78℃で4時間攪拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム1.39g(16.5mmol)を加え、−78℃から室温に戻しながら30分間攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を分液ロートに移し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和重曹水の1:1混合溶液170mLを加え、酢酸エチル抽出(3回)を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣として化合物A10の粗生成物2.97gを得た。
参考例11
3-(2-アセトキシ-エチル)-2-ヨード-インドール-1-カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物A11)
化合物A10の粗生成物2.97gをアルゴン雰囲気下、ジクロロメタン33mLに溶解し、DMAP 183mg(1.5mmol)および二炭酸ジ−tert−ブチル4.09g(18.75mmol)を加え、室温で11時間攪拌した。反応終了後、減圧下溶媒を留去し、残渣5.28gを得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=9:1v/v)で精製し、化合物A11を2.99g(6.97mmol,3段階93%)得た。
参考例12
3−(2−アセトキシ-エチル)−2−(5−ヒドロキシ−ペンタ−1,3−ジエニル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物A12)
化合物A11、1.69g(3.94mmol)をDMA 90mLに溶解し、化合物A13、1.62g(4.33mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)204mg(0.197mmol)および、トリn−ブチルホスフィン97μL(0.394mmol)を加え、室温で1時間攪拌しながらアルゴンバブリングによる脱気を行った。その後、80℃で20時間攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を分液ロートに移し、飽和食塩水を加え、酢酸エチル抽出(3回)を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、残渣5.60gを得た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=8:2〜6:4v/v)で精製し、化合物A12を1.06g(2.75mmol,70%)得た。
参考例13
3−(2−アセトキシ-エチル)−2−(5−オキシ−ペンタ−1,3−ジエニル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(化合物11)
化合物A12、978mg(2.54mmol)をアルゴン雰囲気下、ジクロロメタン80mLに溶解し、二酸化マンガン4.40g(50.8mmol)を加え、室温で14時間攪拌した。反応混合物をセライト濾過し、減圧下溶媒を留去し、化合物11を937mg(2.44mmol,96%)得た。
参考例14
5−トリブチルスタニル−ペンタ−2,4−ジエン−1−オール(化合物A13)
Chem.Lett.,2009,38,114−115.と同様の方法により得た。
参考例15
N−(4−メトキシ−ベンジル)−3−オキソ-ブチルアミド(化合物12)
Bioorg.Med.Chem.18(2010).,2713−2719と同様の方法により化合物12を得た。
参考例16
(2R,4R)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル塩酸塩(化合物A14)
市販品(東京化成工業株式会社製、製品コード H1358)の(2S,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸から、化合物A1と同様の合成法で得られる。
参考例17
(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸メチル塩酸塩(化合物A15)
市販品(シグマアルドリッチ社製、製品番号702501)の(2R,4S)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸から、化合物A1と同様の合成法で得られる。
参考例18
tert−ブチル(4-ニトロ-3-オキソブチル)−カルバマート(化合物A16)
市販の3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロパン酸 1.0 g(5.29 mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水テトラヒドロフラン20 mLに溶解し、カルボジイミダゾール1.03 g(6.35 mmol)を室温で加え、反応混合物を室温で13時間撹拌し、混合物1を得た。別途、ジアザビシクロウンデセン(DBU)の2.01 g(13.2 mmol)およびニトロメタンの485 mg(7.94 mmol)をアルゴン雰囲気下、脱水テトラヒドロフラン20 mLに溶解し、得られた反応液を上記混合物1に、アルゴン雰囲気下加え、アルゴン雰囲気下60度で15時間加熱した。反応液に1 mol/L塩酸溶液を20 mL加えて、反応を停止させ、酢酸エチルで水層を3回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ紙で濾過した後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、化合物A16を726 mg(3.12 mmol、2段階 59%)得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ5.30(s,2H),3.46(dd,J=6.0、11.7 Hz,2H),2.80(t,J=5.1Hz,2H),1.44(s,9H)
参考例19
tert-ブチル 5-ニトロ-4-オキソ-3、4-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート(化合物17)
化合物A16 713 mg(3.07 mmol)を脱水テトラヒドロフラン10 mLにアルゴン雰囲気下溶解し、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール 549 mg(4.61 mmol)を加え、室温で12時間撹拌し、得られた反応溶液にトリフルオロ酢酸3.5 g(30.7 mmol)を加え、更に室温で24時間撹拌し、得られた反応溶液中の溶媒および過剰量の試薬を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1 v/v)で精製し、化合物17を269 mg(1.11 mmol、2段階 36%)得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ9.21(s,1H),4.07(t,J=6.9 Hz,2H),2.73(t,J=7.8 Hz,2H),1.60(s,9H)
参考例20
(E)−5−メチル−2,4−ヘキサジエナール(化合物18)
ChemCatChem 2012, 4(7), 959-962.に記載の方法で合成した。
比較例1
(S)−2−(ジフェニル(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物1)
市販のシグマアルドリッチ社製(製品番号677183)を利用した。
比較例2
(S)−2−((メチルジフェニルシリルオキシ)ジフェニルメチル)ピロリジン(化合物2)
Helv.Chim.Acta.,92,1225−1259,(2009)と同様の方法により化合物2を得た。
比較例3
(S)−2−(ビス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)(トリメチルシリルオキシ)メチル)ピロリジン(化合物3)
市販のシグマアルドリッチ社製(製品番号677019)を利用した。

Claims (13)

  1. 相対立体配置が、式(I)
    [式中、RおよびRは、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、Rは、RSi−(式中、R、RおよびRは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す)、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表し、およびRは、R10Si−(式中、R、RおよびR10は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す)、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表す]で表されるヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  2. およびRが、置換基を有していてもよいアリールである請求項1記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  3. が、R5A6A7ASi−(式中、R5A、R6AおよびR7Aは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、または置換基を有していてもよいアリールを表す)である請求項1または2記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  4. が、R8A9A10ASi−(式中、R8A、R9AおよびR10Aは、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキルを表す)である請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  5. 絶対立体配置が、式(I−A)
    (式中、R1A、R2A、R3AおよびR4Aは、それぞれ前記R、R、RおよびRと同義である)で表される請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  6. 相対立体配置が、式(II)
    [式中、R11およびR12は、同一または異なって、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R15は、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R16およびR17は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表し、R18、R19およびR20は、同一または異なって、置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよい低級アルキニル、置換基を有していてもよいアリールまたは置換基を有していてもよい芳香族複素換基を表す]で表されるヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  7. 11およびR12が、置換基を有していてもよいアリールである請求項6記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  8. 絶対立体配置が、式(II−A)
    (式中、R11A、R12A、R15A、R16A、R17A、R18A、R19AおよびR20Aは、それぞれ前記R11、R12、R15、R16、R17、R18、R19およびR20と同義である)で表される請求項6または7記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩を含有するα、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体との不斉マイケル反応用触媒。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とを反応させて、不斉マイケル反応を行い炭素−炭素結合を形成する、α、β不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、α、β、γ、δ不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とを反応させて、不斉マイケル反応を行い炭素−炭素結合を形成する、α、β、γ、δ不飽和アルデヒドとマロン酸誘導体とのマイケル付加体の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩を含有するジエンと求ジエン体との不斉ディールスアルダー反応用触媒。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のヒドロキシプロリン誘導体またはその塩の存在下に、ジエンと求ジエン体とを反応させて、不斉ディールスアルダー反応を行い炭素−炭素結合を形成する、ジエンと求ジエン体とのディールスアルダー反応生成物の製造方法。
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