JP2015003874A - シクロオキシゲナーゼ活性阻害剤及び該シクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有する組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒュウガトウキ抽出物を有効成分として含有してなるシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤は、シクロオキシゲナーゼI型,II型それぞれに阻害作用を有する。
該シクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有する組成物は、シクロオキシゲナーゼ活性阻害作用に基づき、機能性食品、化粧料組成物、外用剤、医薬品組成物及び医薬部外品組成物等への応用が可能である。特に機能性食品、化粧料組成物、外用剤が好適である。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1にはスペアミント抽出物を有効成分とするシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤が開示されている。また、特許文献2にはニーム抽出物を有効成分とするシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤が開示されている。
かかる状況下、本発明の目的は、天然物由来で、人体に対する安全性の高い新規のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤及び該阻害剤を含有する組成物を提供することにある。
<1> ヒュウガトウキ抽出物を有効成分として含有してなるシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
<2>前記ヒュウガトウキ抽出物が、ヒュウガトウキの1,3−ブチレングリコール抽出物又は1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物である前記<1>に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
<3> 原料として、ヒュウガトウキの地上部を用いる前記<1>または<2>に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
<4> 前記ヒュウガトウキの地上部が、乾燥物である前記<3>に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有する機能性食品。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有する化粧料組成物。
<7> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有する外用剤。
以下、本発明のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤について詳細に説明する。
より高いシクロオキシゲナーゼ阻害作用を得るためには、地上部は乾燥物として用いられることがより好ましい。乾燥方法は、特に制限はなく、天日干し、自然乾燥、加熱乾燥、赤外線乾燥等いかなる乾燥方法でもよい。
抽出処理に使用する抽出溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級脂肪族アルコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。これらの抽出溶媒は単独又はこれら2種以上の混合物として使用することができ、2種以上の溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。また、抽出溶媒には、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を含んでいてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調整剤などが挙げられる。
特に好適な抽出溶媒として、1,3−ブチレングリコールと水との合計を100重量%として、1,3−ブチレングリコールが30〜100重量%、好ましくは40〜80重量%の混合溶媒を挙げることができる。
また、抽出物に含まれる残渣を取り除くため、濾過や遠心分離を行ってもよい。また、得られた抽出液はそのまま利用してもよいが、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。ヒュウガトウキ抽出物中の有効成分の割合を高めるため、必要に応じて、減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去してもよい。
本発明の組成物は、その目的に合わせて任意の形態をとることができる。例えば、機能性食品、化粧料組成物、外用剤、医薬品組成物及び医薬部外品組成物等への応用が可能である。特に機能性食品、化粧料組成物、外用剤が好適である。
機能性食品は、日常的に飲食することできる点で、好適な形態の一つである。ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保険食品等、健康の維持の目的で摂取する食品および/又は飲料を意味している。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
本発明の機能性食品の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではないが、日常的に摂取することができる茶は好適例の一つである。この場合、シクロオキシゲナーゼ活性阻害剤の有効成分であるヒュウガトウキ抽出物をティーバッグに入れて使用することもできる。
本発明のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤は、人体に対する毒性や刺激性が少なく、しかも各種化粧料基材及び化粧料添加物に対する安定性も高いため、化粧料組成物に好適に使用することができる。
本発明のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤が配合された組成物は、外用剤として使用することが好適な使用方法の一つである。外用剤として使用する場合、形態は任意であるが、メッシュ状の袋容器に外用剤組成物を入れ、粘着シートで体に貼り付ける好適な一例として方法が挙げられる。
ヒュウガトウキの葉部1.65kgを十分に乾燥させて、ヒュウガトウキ乾燥物を得た。得られたヒュウガトウキ乾燥物に対し、50% 1,3−ブチレングリコール水溶液40kgを添加し、含有成分が十分に抽出されるまで静置することにより、実施例のヒュウガトウキ抽出物を得た。なお、実施例のヒュウガトウキ抽出物における溶媒を蒸発させた後のヒュウガトウキ由来の残渣は、1.3質量%であった。
COX活性阻害試験は、ケイマンケミカル社のColormetric COX(ovine) Inhibitor screening Assay Kit(CatalogNo.760111)を用いて行った。
シクロオキシゲナーゼ反応によって生成したプロスタンジンは酵素免疫測定法(EIA法)を利用して定量した。シクロオキシゲナーゼ活性により生じた酸化テトラメチル-p-フェニレンジアミン(TMPD)の吸光度(590nm)の増加を指標に酵素活性を測定し、ヒュウガトウキ抽出物のCOX−1阻害活性率及びCOX−2阻害活性率を算出した。また、ブランクは50% 1,3−ブチレングリコール水溶液とした。
実施例におけるヒュウガトウキ抽出物の阻害率は、COX−1で56.2%、COX−2で53.4%であり、COX−1、COX−2それぞれに対して阻害活性があることが確認された。
陽性対照(ポジティブコントロール)として、非ステロイド性抗炎症剤であるアスピリンを濃度0.5〜4mMで調製したものを使用し、同様のシクロオキシゲナーゼ活性阻害試験を行ったところ、IC50値は、COX−1:93.4μg/mL、COX−2:136.8μg/mLであった。
ヒト皮膚に対する安全性試験の一環として、ヒュウガトウキ抽出物についてヒト肝臓癌培養細胞(HepG2)に対する毒性試験を行った。
被験物質のヒュウガトウキ抽出物として、ヒュウガトウキの50% 1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物(ヒュウガトウキ:1.3重量%,精製水:49.35%、1,3−ブチレングリコール:精製水:49.35%)を使用した。
培養液中のHepG2に、被験物質として「上記ヒュウガトウキ抽出物」、対象物質として「50% 1,3−ブチレングリコール水溶液のみ」を各々20μL/mL、10μL/mL、5μL/mLの濃度添加し、培養を行った。培養液はDMEAにウシ血清(FCS)5%を使用し、炭酸ガス(5体積%)培養装置で、37℃で培養し、1日目、2日目、3日目、6日目に位相差顕微鏡で直接細胞数及び形態観察を行った。
結果は、被験物質、対象物質ともに各濃度について6日目まで細胞の形態に変化なく、細胞数の増加も認められなかった。従って、ヒュウガトウキ抽出物に細胞への毒性が認められないことが判定された。
Claims (7)
- ヒュウガトウキ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とするシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
- 前記ヒュウガトウキ抽出物が、ヒュウガトウキの1,3−ブチレングリコール抽出物又は1,3−ブチレングリコール水溶液抽出物である請求項1に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
- 原料として、ヒュウガトウキの地上部を用いる請求項1または2に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
- 前記ヒュウガトウキの地上部が、乾燥物である請求項3に記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする機能性食品。
- 請求項1から4のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする化粧料組成物。
- 請求項1から4のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ活性阻害剤を含有することを特徴とする外用剤。
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Non-Patent Citations (1)
Title |
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日本薬学会年会要旨集, 2003, VOL.123, P.131, JPN6016036471 * |
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