JP2015003831A - 破損した容器の漏水部の封止材料及びこれを用いた封止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、破損部が特定できない大型の水漏れ容器に対しても、一部または全部が満たされた容器内の水に遠隔から注入して、セルフレベリング性を保ちながら、破損部を封止できる材料を得ることを課題とする。
【解決手段】水で一部又は全部が満たされた容器内の水に、注入して、上記容器の破損部を封止するためのセメント組成物であって、セメント、比重が4 以上の重量骨材である細骨材及び、セルロース系の混和剤を除く増粘性混和剤、減水剤を含むことを特徴とする封止材、を提供する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、破損した容器の漏水部の封止材料及びこれを用いた封止方法に関し、特に、水で一部又は全部が満たされた容器に充填して、破損部を封止する封止材料及びこれを用いた封止方法に関するものである。
原子力発電所の原子炉圧力容器内の核燃料は、常に注水による冷却が行われている。冷却は、圧力容器内に冷却水をポンプで圧送して、熱交換して循環使用されている。しかし、福島第一原子力発電所では、事故に伴ってこの冷却水が循環している圧力容器、格納容器、圧力抑制容器(トーラス)(以下、原子力発電用容器)の一部が破損しているため、冷却水は破損部から漏水している。原子炉内では、原子燃料の一部が破損しているため、高い濃度の放射性物質を含む冷却水が原子力発電用容器から流出し、原子炉建屋やタービン建屋の地下に流れ込んでいる。
燃料棒の一部が破損していることから冷却水に含まれる放射性物質の濃度は非常に高くなり、原子炉周辺は放射線の線量率が非常に高くなっているため人間が近づいて圧力容器、格納容器、圧力抑制容器の破損箇所を特定することが極めて困難であり、自走式ロボットやファイバースコープでの探索にも限界がある。したがって、漏水箇所を特定して、内側から修復することが極めて困難な状態となる。そこで、破損している場所を特定することができない状況において作業者が著しい被ばくをすることなく原子力発電用容器、原子炉建屋の内側又は外側から水漏れを封止する手段が望まれる。
そこで、水中コンクリートを無機系接着材として、格納容器、圧力抑制容器及び圧力抑制容器内にポンプ圧送して、欠損した破損部を修復する方法が検討されている。しかし、こうした問題を解決するために、既存の水中コンクリートでは、水に一部満たされた巨大な容器内に投入して、相当時間の水中不分離性とセルフレベリング性を保ちながら、投入経路の閉塞を生じることなく連続或いは逐次的に投入でき、冷却水の循環経路を塞ぐこともなく、破損部を修復できる材料が見あたらなかった。
例えば、特許文献1は、超速硬セメントに、フライアッシュとセルロース系水中分離性混和剤と減水剤を添加することで、水中打設時に不分離性およびセルフレベリング性を保つセメント組成物の発明について記載するが、水中投入後、十分な沈下速度を得ることができなかった。また、特許文献2は、セルロースエーテル及びスターチエーテルを含有する水中不分離性水硬性組成物用増粘剤、及びこれを含んでなる水中不分離性水硬性組成物を提供するものであるが、ミキサ洗浄時の増粘剤除去を容易にするもので、水中充填による補修には性能が不十分であった。従来の水中コンクリートでは、粘性の高くなる混和剤を混和して材料の分離抵抗を高めつつ、充填性やセルフレベリング性を向上することが行われてきた。しかしながら、分離抵抗性と流動性とは、相反する性能であり、両者を共に満たして、本願封止材として有効な材料は見あたらなかった。
特開2003−012362号公報 特開2011−132040号公報
この発明は、破損部が特定できない大型の水漏れ容器に対しても、一部または全部が水に満たされた容器内に遠隔から注入して、セルフレベリング性を保ちながら、冷却水の循環経路を塞ぐことなく、破損部を封止できる材料を得ることを課題とする。例えば、高濃度の放射性物質等のために人間が近づいて破損箇所を特定することが困難な原子力発電用容器内に、遠隔から注入して、水中打設を行なっても水の汚濁が少なく、流下速度が大で、水中不分離性およびセルフレベリング性に優れ、しかも封止する強度の適切な封止材を得ようとするものである。
水で一部又は全部が満たされた容器内の水に、注入して、上記容器の破損部を封止するためのセメント組成物であって、セメント、比重が4以上の重量骨材である細骨材、セルロース系の混和剤を除く増粘性混和剤、減水剤を含むことを特徴とする封止材、を提供する。
更に、比重が4以上の重量骨材を含むことを特徴とする封止材、を提供する。
前記容器が、原子力発電所の原子炉の圧力容器、これを囲む格納容器、これに連結する圧力抑制容器であることを特徴とする前記封止材、を提供する。
上記重量骨材である細骨材として、鉄粉、酸化鉄粉(金属鉄を一部に含むものを含む)、DSM骨材、粉砕した重晶石から選ばれた一以上、を用いたことを特徴とする前記封止材、を提供する。
上記増粘性混和剤が、アクリル系水溶性高分子を含有すること、又は、アルキルアリルスルフォン酸塩とアルキルアンモニウム塩を含有することを特徴とする前記封止材、を提供する。
上記細骨材が、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含むことを特徴とする前記封止材、を提供する。
前記封止材を使用するにあたり、前記破損した容器を、水を含む空間に格納した状態で、前記封止材を前記破損した容器内に流し込むことにより、前記破損した容器から流れ出た封止材が格納空間を満たしながら、格納空間中の水を置換して、容器の破損部を内側から封止することを特徴とする封止材の使用方法、を提供する。
図1は、原子炉建屋内に設置された原子炉、原子力発電用容器の配置を示す模式図である。核燃料Aを冷却すべく、原子炉に注入された水1は、圧力容器B内に止まらず、格納容器C、圧力抑制室D、トーラス室(格納空間)Fへ漏れこみ、更にタービン建屋Gまで進入している。
この状況では、原子力発電用容器の破損を外から補修して、水漏れを止めることは不可能である。そこで、格納容器C又は圧力抑制室Dに設ける送入口から、水中でのセルフレベリング性と流動性が保持できる封止材2を遠隔からポンプ圧送して、循環水1の取出口を塞がずに、原子力発電用容器の破損を内部から補修することが可能である。
但し、本願では、実機での実施が困難であり、模擬原子力発電用容器(以下、模擬容器)を用いて効果確認を行なった。図2は、破損部の生じた模擬容器Hの上部より、封止材を流し込んだ模式図である。封止材の流れでない破損部(図示せず)は、内側から破損部を封止できた。一方、大きな破損部3からは、封止材が流れて、容器の格納空間Iに堆積し、内側及び外側から破損部3を封止できた。
セメントについて
セメントは、通常市販されている普通、早強、中庸熱、低熱セメント等の各種ポルトランドセメント、これらのポルトランドセメントに、フライアッシュや高炉スラグなどを混合した各種混合セメントなどを使用できるが、エコセメントを用いない。理由は、カルシウムクロルアルミネート等を含有する速硬タイプは、水和反応が速すぎ、複雑形状の巨大容器内を沈降中に固結する虞があるからである。むしろ、遅硬タイプの中庸熱、低熱ポルトランドセメントが好ましい。
細骨材について
細骨材(直径5mm以下の骨材)には、重量骨材を用いる。重量骨材は、普通骨材の比重が約2.6であるのに対し、比重が4.0以上の骨材をいう。具体的には、DSM骨材(大同特殊鋼知多工場で発生する鉄分含有ダストと還元スラグを混合溶融、破砕、粒度調整したもの)、鉄粉(ショットブラスト用スチール細粒(比重:7.8)、粒状銑鉄(比重:6.6))、酸化鉄骨材(磁鉄鉱(比重:4.5〜5.2)、砂鉄(比重:4〜5))、重晶石粉砕品(比重:4〜4.7)などがある。粒度は、2mm以下であることが好ましい。
球状重量細骨材について
本発明は、重量細骨材として、ショットブラスト用スチール細粒、高炉水砕スラグから分離した粒状銑鉄、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含むことが好ましい。特に、ホットスカーフは、真球状に近い粒子が含有され、増粘性混和剤を使用しても流動性を高度に保つことができる。
細骨材粒子分布について
更に、また、重量細骨材のうち呼び寸法0.15mmのふるいを通過する細骨材が質量百分率で10%ないし20%であって、下記する歪凹凸度が3.3以下の球状粒子が、粒径50μm以上2mm以下の全粒子のうち20%以上であることが、特に好ましい。歪凹凸度は、3.14のとき、正円の投影図となる球であり、これより大きくなるほど、球状が歪んだ形状となる。
[歪凹凸度]=[粒子輪郭の周の長さ]/[粒子輪郭面積と同じ面積の正円の直径]
この粒子分布のとき、セルフレベリング性、流動性、分離抵抗性、水中不分離性が、特に好ましい。
重量粗骨材について
重量粗骨材は、比重4以上の骨材で、直径5mm以上のものを用いる。DSM骨材、重晶石粉砕品、鉄鉱石、転炉ダスト粗粒、製鋼過程で発生するダストと還元スラグを加熱融合した人工石材が好ましい。
さらに、ホットスカーフと混合して用いる粗骨材としては、製鋼用転炉ダストを50μmふるいで分離した粗粒分や高炉水砕スラグから粉砕過程で分離される粒状銑鉄、製鋼の圧延工程で発生するミルスケールなどの製鋼リサイクル材が高い表乾密度を有するので好ましい。
増粘性混和剤について
増粘性混和剤は、アクリル系水溶性高分子が好ましい。アクリル系水溶性高分子は、アクリルアミド又は、その誘導体のポリマー、ポリマーの部分加水分解物が用いられる。例えば、アクリルアミドから誘導された、N−ビニルアセトアミドを主成分としたポリ−N−ビニルアセトアミドを増粘性混和剤として用いてもよい。
さらに、増粘性混和剤は、アルキルアリルスルフォン酸塩とアルキルアンモニウム塩の混合物(花王:ビスコトップA、ビスコトップBの2液タイプ)、ビスコトップ200L(同1液タイプ)、ビスコトップ200P(同粉末タイプ)が特に好ましい。これらは、2種の水溶性低分子化合物の混合物であり、芳香環を有するスルフォン酸塩であるアルキルアリルスルフォン酸塩と4級アンモニウム塩型カチオン性界面活性剤からなる。
但し、増粘剤として、メチルセルロース等のセルロース系の増粘剤を用いると、所定の粘性と効果が得られるが、放射性廃棄物処分後の長期にわたる化学変化に伴い、セルロースのアルカリ加水分解により生成する物質により、国内外の試験研究において、放射性核種の吸着分配係数及び溶解度に影響を与える可能性があることが指摘されている。セルロースはアルカリ加水分解によってイソサッカリン酸に分解し、これが配位子となって放射性金属とキレート化合物を形成し、放射性金属の溶解度を上げし、更に拡散する虞があるためであり、廃棄物処分後の長期にわたる安全性を考慮すると使用することは望ましくない。
増粘性混和剤の含有量は、水硬性組成物100重量部に対して固形分として0.1〜5重量部が好ましい。より好ましくは、0.5〜2重量部である。この範囲の含有量の封止材を水中落下させても水質汚濁することがなく、良好なセルフレベリング性と容器の細部への充填性が得られる。0.1重量部より少ないと水中下での十分な増粘性を付与することができず、また5重量部より多いと粘性が高すぎるため、封止材のハンドリング性を損ない、例えば、ポンプ圧送時には大きな圧力を必要となる。
減水剤について
本発明の封止材は、良好な流動性を保つために減水剤、AE剤、高性能減水剤、高性能A
E減水剤や流動化剤を添加することが好ましい。高性能減水剤および高性能AE減水剤(以下、高性能減水剤等という)として、ナフタレン系、メラミン系、ポリカルボン酸系を用いることができる。上記増粘剤とのマッチングからは、カルボキシル基含有ポリエーテル系が好ましい。
高性能減水剤等の使用量としては、セメントに対して合計で0.1〜5.0重量%、更に1.0〜3.0重量%が好ましい。
更に、容器の破損部が大きいときは、破損部から、封止材が流れ出るが、この容器自体を格納する空間をつくることにより、流れ出た封止材が格納空間を満たしながら、格納空間中の水を置換して、堆積して、やがて、容器の破損部の高さに達して、容器内部及び外部からこの破損部を封止することができる。
破損部が特定できない大型の水漏れ容器に対しても、一部または全部が水に満たされた容器内に遠隔から注入して、セルフレベリング性を保ちながら、破損部の封止が可能となった。特に、大型容器において、冷却水の循環経路を塞ぐことなく、破損部を封止できる材料とその方法を実現可能とする。例えば、高濃度の放射性物質等のために人間が近づいて破損箇所を特定することが困難な原子力発電用容器内に、遠隔から注入して、水中打設を行なっても水の汚濁が少なく、流下速度が大で、水中不分離性およびセルフレベリング性に優れ、しかも封止する強度の適切な封止材と封止方法となり得るものである。
図1は、原子炉建屋内に設置された原子炉、原子力発電用容器の配置を示す模式図である 図2は、破損部の生じた模擬容器Hの上部より、封止材を流し込んだ模式図である。
水で一部又は全部が満たされた容器内の水に、注入して、上記容器の破損部を封止するためのセメント組成物であって、セメント、比重が4 以上の重量細骨材及び重量粗骨材、セルロース系の混和剤を除く増粘性混和剤、減水剤を含むことを特徴とする封止材は、以下の通り製造できる。
本発明の封止材に用いるセメント組成物としては、各種ポルトランドセメントが一般的であり、通常のコンクリートと同様の方法で製造することができるが、水和速度が比較的遅く、低発熱且つ低収縮でひび割れもおきにくい低熱ポルトランドセメントが好ましい。
すなわち、前記重量細骨材及び重量粗骨材、とセメント、セルロース系の混和剤を除く増粘性混和剤、減水剤を混合し、水を加えて混練りすればよい。
減水剤は、セルフレベリングを確保し、密度をたかめるためにも、単位水量を低くすることが好ましく、減水剤を添加することが好ましい。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤または高性能AE減水剤を使用することができる。これらのうち、減水効果の大きな高性能減水剤や高性能AE減水剤を使用することが好ましい。また、高い密度を確保するために、空気の持込みを抑える必要がある場合には、消泡剤を添加しても良い。
細骨材粗骨材容積比、単位水量、水セメント比は、適宜選択できるが、遠隔からポンプ圧送を行うので、練り上がり時にスランプ18cm以上となり、スランプフローが50〜60cmとなるような配合が好ましい。例えば、細骨材粗骨材容積比0.4〜0.8、単位水量160〜200kg/m3、水セメント比30〜55%の範囲で適宜調整し、スランプ18cm以上またはスランプフロー50〜60cmを得ることができる。
粗骨材を使用しないときも、重量粗骨材を混合しない以外は、上記と同様の方法で製造することができ、モルタルの流動性を高めるためには、単位水量、水セメント比を高くすれば良いが、封止材の密度を高く保つために、単位水量、水セメント比を低くする必要がある。本発明では、前記重量細骨材を用いることにより、例えば単位水量220〜300kg/m3、水セメント比30〜60%で、流動性と水中での材料分離抵抗性を得ることができる。
フライアッシュを、流動化助材の無機混和材として用いることができる。このとき、低熱ポルトランドセメント質量に対し20〜30重量%混合するのが好ましい。
以下に、比較例とともに、実施例について詳細を説明する。
(試験材料)
以下に示す材料を用いた。
1.セメント(以下、略称C):太平洋セメント社製の低熱ポルトランドセメント。
2.細骨材(以下、略称S):4号珪砂S1、DSM骨材(5mmアンダー品)S2、ショットブラスト用スチール細粒S3、粒状銑鉄S4、磁鉄鉱S5、重晶石粉砕品S6、ホットスカーフS7、転炉ダスト細粒S8
3.粗骨材(以下、略称G):大同テクニカ社製造(太平洋セメント社販売)の電気炉ダスト溶融人工石材(DSM2005:密度:4.13g/cm3)G1,転炉ダスト粗粒G2
4.増粘性混和剤(以下、略称M)アクリル系水溶性高分子(三共化成工業社製;シーベター)M2、ビスコトップ(アルキルアリルスルフォン酸塩とアルキルアンモニウム塩の混合物 花王社製;粉末タイプ)M3
5.減水剤:カルボキシル基含有ポリエーテル系減水剤(花王社製;マイティ21P)
表1に、セメント、減水剤以外の材料の構成要素について、その略称と略号を示した。
表2に、実験に供した封止材の基本配合を単位重量(kg/m3)で示した。表1に示した構成要素の具体的な配合にあたっては、遠隔からポンプ圧送を行うので、練り上がり時にスランプ19cm程度となり、スランプフローが50cm以上となる配合に、細骨材粗骨材容積比、単位水量、水セメント比を適宜調整した。調製ができないときは、細骨材の粒度分布を変更して行なった。即ち、例えば、粗骨材を用いないとき、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する細骨材が質量百分率で20%以下であって、2.0mmのふるいを通過するのが、99%以上とすると、この調整が可能となった。表1に示す細骨材と、ホットスカーフとの混合や、ショットブラスト用スチール細粒、粒状銑鉄との球形を多く含む細骨材の混合による粒度分布調整でも可能である。更に、粗粉転炉ダストの粗骨材との混合も可能である。
そして、図2に示す、模擬容器(底面正方形の角型水槽:一辺40cm、高さ5m)に所定速度で、パイプにて投入して、流下して底面に堆積させた。
表3に、基本配合に上記調製を加えて得られた各実験例の封止材試料の性能を示した。
流動性と材料内分離
(試験方法)
本発明の流動性の効果判定は、水中へ沈下する際、又は沈下後の判定であるため、スランプフロー試験(JIS A 1150)や、モルタルフロー試験(JIS R 5201)に拠らず、主に目視での効果判定とした。同様に、材料内で骨材とセメントが分離しているか否かも、沈下後のサンプルを採取して、これを破断して目視検査とした。破断した試料は、底面に堆積した試料を取出し、各試験体を垂直方向に切断して硬化体内の骨材の分布状況を観察し、材料分離の有無を確認した。
流動性の○は、完全に平坦な底面沈下ではないが、底面全体に比較的均一な堆積が得られた場合、△は、底面全体の堆積が得られたが、中心部に盛り上がりが観察された場合、×は、中心部が大きく盛り上がった場合を目視で判定した。◎は、完全に平滑なときである。×以外が合格である。
材料内分布の○は、骨材が試験体全体に、ほぼ均一に分布している場合、△は、全体の均一は欠くが、堆積上部まで、骨材の分布が認められた場合、×は、全体が、完全に不均一で、堆積上部は、ペーストのみで骨材の分布が認められない場合とした。◎は、完全に均一なときである。×以外が合格である。
水中不分離と懸濁量
水中不分離は、沈降の際に、封止材の生成する水との輪郭が、濁るか否かで判定した。
水中不分離○は、封止材の生成する水との輪郭が明瞭で濁りが生じない場合、×は、輪郭が不鮮明で、水部に濁りが認められときである。◎は、水との輪郭がくっきり明瞭なときである。×以外が合格である。懸濁量は、「土木学会規準:コンクリ−ト用水中不分離性混和剤品質規格(案)」付属書2、JSCE−D104に準拠した。即ち、封止材を沈降させた後、模擬容器の水を採取して、濁度を判定したが、目視検査と一致した。
効果の判定
調整して得られた上記実験例について、増粘剤を用いず、4号珪砂S1を細骨材とした実験例1、9、17以外は、封止が可能であり、合格であった。即ち、比重が4 以上の重量骨材である細骨材を用いて、調整した封止材は、合格とすることができた。
水中不分離、懸濁量について
沈下速度のみならず、水中不分離、懸濁量については、ビスコトップ(アルキルアリルスルフォン酸塩とアルキルアンモニウム塩の混合物 花王社製;粉末タイプ)M3を用いると、比重が4 以上の重量骨材である細骨材を用いて、良好な結果が得られた。
流動性、材料内分離について
流動性、材料内分離については、転炉ダスト粗粒G2を用いると、ショットブラスト用スチール細粒S3、粒状銑鉄S4、ホットスカーフS7、転炉ダスト細粒S8が優れている。ホットスカーフS7については、DSM2005を用いたときでも、良好な結果が得られた。ホットスカーフは、呼び寸法0.15mmのふるいを通過する質量百分率で15%であって、上記した歪凹凸度が3.3以下の球状粒子が、粒径50μm以上2mm以下の全粒子のうち50%以上であった。
ビスコトップM3を用いた合格品については、アクリル系水溶性高分子(三共化成工業社製;シーベター)M2を用いても、ビスコトップM3より、水中流下時に流れにやや途切れが生じる傾向があるが、水中不分離については満足すべき結果が得られた。
1:冷却用循環水
2:封止材又はその送入パイプ
3:破損部
A:核燃料
B:圧力容器
C:格納容器
D:圧力抑制室
E:容器の格納空間
F:トーラス室(格納空間として作用)
G:タービン室

Claims (7)

  1. 水で一部又は全部が満たされた容器内の水に、注入して、上記容器の破損部を封止するためのセメント組成物であって、セメント、比重が4以上の重量骨材である細骨材、セルロース系の混和剤を除く増粘性混和剤、減水剤を含むことを特徴とする封止材。
  2. 更に、比重が4以上の重量粗骨材を含むことを特徴とする請求項1記載の封止材。
  3. 前記容器が、原子力発電所の原子炉の圧力容器、これを囲む格納容器、これに連結する圧力抑制容器であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の封止材。
  4. 上記重量骨材である細骨材として、鉄粉、酸化鉄粉(金属鉄を一部に含むものを含む)、DSM骨材、粉砕した重晶石、重量粗骨材としてDSM骨材、粉砕した重晶石から選ばれた一以上、を用いたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの封止材。
  5. 上記増粘性混和剤が、アクリル系水溶性高分子、又は、アルキルアリルスルフォン酸塩とアルキルアンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の封止材。
  6. 上記細骨材が、鋼スラブ表面の溶削処理工程で発生するホットスカーフを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の封止材。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の封止材を使用するにあたり、破損した容器を、水を含む空間に格納した状態で、前記封止材を前記破損した容器内に流し込むことにより、前記破損した容器から流れ出た封止材が格納空間を満たしながら、格納空間中の水を置換して、容器の破損部を内側から封止することを特徴とする前記封止材の使用方法。
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