本発明は、WO2009/049238に記載のものと比較して、式Iで表される化合物が、より高い化学的安定性と併せて、NAAAの阻害剤としての有効性を改善したことの本発明者による発見に関連する。したがって、そのような化合物は、器官または身体区画における低減されたレベルのPEAまたはOEAに関連した様々な疾患の処置のために、より有利に使用され得る。また、そのような化合物は、より高いレベルのPEAまたはOEAにより有効となる様々な疾患の処置にも使用され得る。
定義
別段に定義されていない限り、本明細書において使用されているすべての技術的および科学的用語は、当業者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。
別段に定義されていない限り、本出願の明細書および特許請求の範囲において使用されている以下の用語は、以降で特定される意味を有する。
「アルキル」という用語は、本明細書において使用される場合、1個から16個の炭素原子の直鎖および分岐鎖ラジカルを含む、飽和脂肪族炭化水素ラジカルを示す。より好ましくは、アルキル基は、1個から12個の炭素原子を有する。「低級アルキル」という用語は、本明細書において使用される場合、1個から6個の炭素原子の直鎖および分岐鎖ラジカルを指す。アルキルの限定されない例は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、iso−アミル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等である。いかなるアルキル基も、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、およびジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「アルケニル」という用語は、本明細書において使用される場合、少なくとも2個の炭素原子からなり、少なくとも1つの炭素間二重結合を含有する、本明細書において定義されるアルキル基を示す。代表例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−または2−ブテニル等を含むが、これらに限定されない。いかなるアルケニル基も、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「アルキニル」という用語は、本明細書において使用される場合、少なくとも2個の炭素原子からなり、少なくとも1つの炭素間三重結合を含有する、本明細書において定義されるアルキル基を示す。代表例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−または2−ブチニル等を含むが、これらに限定されない。いかなるアルキニル基も、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個以上の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において使用される場合、1つ以上の二重結合を含有してもよいが、完全に共役したπ電子系を有さない、3員から7員の全て炭素の単環式環を示す。シクロアルキル基の例は、限定されることなく、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、およびシクロヘプタンを含む。シクロアルキル基は、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個から3個の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「アリール」という用語は、本明細書において使用される場合、単環式、二環式または三環式環系からなる炭化水素を示し、環は互いに縮合または互いに共有結合し、炭素環の少なくとも1つは芳香族である。アリール基の限定されない例は、フェニル、アルファ−またはベータ−ナフチル、9,10−ジヒドロアントラセニル、インダニル、フルオレニル、ビフェニル等を含むが、これらに限定されない。アリール基は、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個から3個の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において使用される場合、窒素、酸素および硫黄から選択される1個から3個のヘテロ原子を含有する単環式、二環式または三環式環系を示し、環は、互いに縮合または互いに共有結合し、環の少なくとも1つは芳香族である。ヘテロアリール基の限定されない例は、ピロリル、フロイル、チオフェニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル等を含む。ヘテロアリール基は、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個から3個の置換基で置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環」という用語は、本明細書において使用される場合、1個以上の炭素原子が窒素、酸素および硫黄により独立して置き換えられた、3員から7員の飽和または部分不飽和炭素環を意味する。ヘテロ原子である窒素および硫黄は、随意に酸化されており、窒素原子(複数を含む)は、随意に四級化されている。ヘテロシクリル基の限定されない例は、例えば、オキシラン、アジリジン、オキセタン、アゼチジン、テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオフェン、ピロリジン、ジヒドロピロール、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ピペリジン、ピラゾリン、イソオキサゾリジン、イソオキサゾリン、チアゾリジン、チアゾリン、イソチアゾリン、ジオキサン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、エキサメチレンイミン、ホモピペラジン等から得られるラジカルを含む。ヘテロシクリル基またはヘテロ環は、低級アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、トリフルオロメトキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノからなる群から独立して選択される1個から3個の置換基により置換されていなくても、または置換されていてもよい。
「芳香族」という用語は、構成原子が不飽和環系を構成し、環系における全ての原子がsp2混成であり、π電子の総数が4n+2(nは整数である)に等しい部分を指す。
「アルコキシ」という用語は、本明細書において使用される場合、酸素原子を介して分子の残りの部分と連結した、非置換または置換アルキル鎖を意味する。アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等を含むが、これらに限定されない。
「アミノ」という用語は、−NH2ラジカルを意味する。
「ハロゲン」という用語は、本明細書において使用される場合、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)またはヨウ素(I)を示す。
「ヒドロキシル」という用語は、−OHラジカルを意味する。
「モノアルキルアミノ」という用語は、本明細書において使用される場合、水素原子の1つがアルキル鎖により置換されているアミノ基を表す。モノアルキルアミノの限定されない例は、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ等を含む。
「ジアルキルアミノ」という用語は、本明細書において使用される場合、両方の水素原子がアルキル鎖により置換されているアミノ基を表す。2つのアルキル鎖は、同じであっても、または異なっていてもよい。ジアルキルアミノの限定されない例は、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、メチルイソプロピルアミノ等を含む。
「トリフルオロメチル」という用語は、−CF3ラジカルを意味する。
「トリフルオロメトキシ」という用語は、−OCF3ラジカルを意味する。
ある特定の実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−アミル、iso−アミル n−ヘプチル、またはn−オクチルで置換されていてもよいが、それらによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、メチル、ベンジル、フェニル、ビフェニル、ベンズアルデヒド、アダマンチル、tert−ブチル、1個から4個のハロゲン原子、フルオロ、クロロ、ヨード、ブロモ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ジメチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、オキセタニル、イソプロピル、シクロヘキシルオキシ、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリル、4−シクロヘキシル−フェニル、1,1’−ビフェニル、4−フルオロ−1,1’−ビフェニル、チオフェニル、3−フェニルチオフェン、またはシクロヘキシルオキシベンゼンで置換されていてもよいが、それらによる置換に限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、ビフェニルで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの他の実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、非置換ビフェニルで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、シクロヘキシルで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの他の実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、tert−ブチルで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、フェニルで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードで置換されていてもよいが、それらによる置換に限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、フルオロで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、クロロで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、ブロモで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。いくつかの実施形態において、本明細書で置換または随意に置換されているとして説明される化学基および化学置換基は、ヨードで置換されていてもよいが、それによる置換に限定されない。
本発明の化合物はまた、多環式基を含むか、またはそれにより随意に置換されていてもよい。例えば、本発明の化合物は、これらに限定されないが、ビフェニル、ナフチル、またはベンゾ[d][1,3]ジオキソリル等の二環式基を含むか、またはそれらにより置換されていてもよい。例えば、本発明の化合物は、これらに限定されないが、アントラセニル、フェナントラセニル、またはアダマンチル等の三環式基を含むか、またはそれらにより置換されていてもよい。
本発明の化合物
第1の態様において、本発明は、本発明による使用のための化合物を提供する。これらの化合物は、式I:
(式中、
Aは、OまたはSを表し;
R
1およびR
2は、独立して、H、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたアリールを表し、または、R
1およびR
2は、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R
3は、Hまたは随意に置換されたアルキルを表し;
Xは、O、S、またはNR
4を表し;
Yは、結合、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または基−(CR
aR
b)
n−Q−(CR
cR
d)
m−(式中、Qは、O、S、もしくはNR
6である)を表し;
Wは、H、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたシクロアルキル、基−C(O)−R
5、または基−(CR
cR
d)
p−CR
eR
fR
gを表し;
R
4は、H、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R
5は、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、または随意に置換されたヘテロシクリルを表し;
R
6は、H、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロシクリルを表し;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
fおよびR
gは、H、ハロゲン、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたアリールからなる群から独立して選択され;
nは、2から5の整数であり(すなわち、nは、2、3、4、または5であり);
mは、0から4の整数であり(すなわち、mは、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pは、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である)の化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
本発明の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含むが、但し、Yがメチルまたはエチルである場合、Wは
である。
本発明のある特定の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含み、Wはフェニルである。本発明のある特定の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含み、Wはビフェニルである。本発明のある特定の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含み、Wは4−シクロヘキシルフェニルである。
本発明のある特定の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含み、Y−Wは、
である。いくつかの実施形態において、Y−Wにおけるアリール基は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードから選択される1〜5個のハロゲンで置換されていてもよい。
本発明の化合物は、上記式Iにより包含されるものを含むが、但し、Yがメチルまたはエチルである場合、Wは、フェニルまたはベンジルである。
本発明の化合物は、上記式Iのものを含み、Yは5炭素リンカーである。
本発明の化合物は、上記式Iのものを含み、Wは、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ビフェニル、シクロヘキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ベンジル、ベンジルオキシ、縮合1,3−ジオキソラン環、チアゾール、チオフェン、CF3で置換されたフェニル、シクロヘキシルオキシ、またはフェノキシで置換されたフェニルである。
炭素間二重結合を含有する式Iの化合物は、EおよびZ幾何異性体として存在し得る。1つ以上の炭素間二重結合を含有する式(I)の化合物の幾何異性体は、本発明の範囲内である。
式Iの化合物は、1つ以上のキラル中心を含有してもよい。1つのキラル中心を含有する化合物は、単一の光学異性体または2つの光学異性体の混合物として生じ得る。そのような混合物は、ラセミ化合物またはラセミ混合物として生じる。2つ以上のキラル中心を含有する化合物は、単一の光学異性体および光学異性体の対、ならびに光学異性体ではないジアステレオ異性体と呼ばれる立体異性体として生じ得る。式Iの化合物は、全ての可能な立体異性体およびそれらの混合物を包含することを意図する。
本明細書に記載の化合物のいくつかは、水素原子の異なる結合点を有して存在してもよく、互変異性体と呼ばれる。そのような例は、ケトン、およびケト−エノール互変異性体として知られるそのエノール形態であってもよい。個々の互変異性体およびその混合物は、式Iに包含される。
式Iの化合物は、その原子の1個以上において、原子同位体の不自然な比を有してもよい。例えば、化合物は、三重水素または炭素−14等の同位体で放射性標識化されてもよい。放射活性であるか否かを問わず、本発明の化合物の全ての同位体の種類が、本発明の範囲内である。
式Iの化合物は、その薬学的に許容される酸付加塩、例えば無機および有機酸から得られる塩の形態で単離されてもよい。「薬学的に許容される塩」という用語は、無機または有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の酸から調製される塩を指す。そのような酸は、塩酸、硫酸、リン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、マロン酸等を含む。
本発明はまた、式Iの化合物の活性代謝産物を包含する。ある特定の式Iの化合物は、以下で概説されるように、本発明による使用に好適である。
好ましい式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、随意に置換された低級アルキル、随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたアリールを表し;
R3が、Hを表し;
Xが、OまたはNR4を表し;
Yが、結合、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたアルキニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、上に定義された通りである)を表し;
Wが、H、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたシクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し;
R4が、H、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、または随意に置換されたヘテロシクリルを表し;
R6が、H、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2、3、4および5からなる群から選択される整数であり;
mが、0、1、2、3および4からなる群から選択される整数であり;
pが、0、1、2、3、または4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
他の好ましい式Iの化合物は、
Aが、Oを表し;
R1およびR2が、独立して、H、随意に置換された低級アルキルまたは随意に置換されたシクロアルキルを表し;
R3が、Hを表し;
Xが、O、またはNR4を表し;
Yが、結合、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−を表し;
Wが、H、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたシクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し;
R4が、H、随意に置換されたアルキル、または随意に置換されたアリールを表し;
R5が、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から4の整数であり;
mが、0から3の整数であり;
pが、0から3の整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
さらなる好ましい式Iの化合物は、
Aが、Oを表し;
R1およびR2の一方が、Hを表し、他方が、低級アルキルを表し;
R3が、Hを表し;
Xが、Oを表し;
Yが、結合、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたシクロアルキル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−を表し;
Wが、H、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたヘテロシクリル、随意に置換されたシクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し;
R5が、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または随意に置換されたアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から4の整数(すなわち、2、3、または4)であり;
mが、0から3の整数(すなわち、0、1、2、3)であり;
pが、0、1、2、3、または4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
最も好ましい式Iの化合物は、
Aが、Oを表し;
R1およびR2の一方が、Hを表し、他方が、メチルを表し;
R3が、Hを表し;
Xが、Oを表し;
Yが、結合、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたアルケニル、随意に置換されたシクロアルキル、随意に置換されたヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−を表し;
Wが、H、随意に置換されたアリール、随意に置換されたヘテロアリール、随意に置換されたシクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し;
R5が、随意に置換されたアリール、または随意に置換されたヘテロアリールを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、随意に置換されたアルキル、随意に置換されたシクロアルキル、または随意に置換されたアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から4の整数であり;
mが、0、1、2、または3から選択される整数であり;
pが、0、1、2、または3から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
上記のいずれかの好ましい実施形態において、mは、0であり、nは、2、3もしくは4であり;または、mは、1であり、nは、2、3、もしくは4であり;または、mは、2であり、nは、2、3、もしくは4である。これらの好ましい実施形態のそれぞれのさらなる実施形態において、pは、0、1、2、または3である。これらの実施形態のそれぞれのさらなる実施形態において、Qは、Oである。上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、Aは、Oである。さらなる追加的実施形態において、Xは、Oである。
式Iの化合物のいくつかの実施形態において、mは、0であり、nは、2、3もしくは4であり;または、mは、1であり、nは、2、3、もしくは4であり;または、mは、2であり、nは、2、3、もしくは4である。これらの好ましい実施形態のそれぞれのさらなる実施形態において、pは、0、1、2、または3である。これらの実施形態のそれぞれのさらなる実施形態において、Qは、OまたはNR6である。上記実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、Aは、Oである。さらなる追加的実施形態において、Xは、OまたはNR4である。
上記のいずれかのさらなる実施形態において、Wは、随意に置換されたシコアルキル(例えば、随意に置換されたシクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル)である。他の実施形態において、Wは、随意に置換されたフェニルまたはビフェニルである。さらなる実施形態において、Wは、置換されていないシクロアルキル(例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘプチル)、フェニル、またはビフェニルである。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、非置換低級アルキル、非置換シクロアルキル、もしくは非置換アリールを表し、または、R1およびR2が、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R3が、置換アルキルを表し;
Xが、O、S、またはNR4を表し;
Yが、結合、非置換アルキル、非置換アルケニル、非置換アルキニル,、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、O、S、またはNR6である)を表し;
Wが、H、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換ヘテロシクリル、非置換シクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し、
R4が、H、非置換アルキル、非置換アリール、非置換ヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
R6が、H、非置換アルキル、非置換アリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または随意に非置換のアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から5の整数であり(すなわち、nが、2、3、4、または5であり);
mが、0から4の整数であり(すなわち、mが、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pが、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、置換低級アルキル、置換シクロアルキル、もしくは置換アリールを表し、または、R1およびR2が、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R3が、Hまたは非置換アルキルを表し;
Xが、O、S、またはNR4を表し;
Yが、結合、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル,、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、O、S、またはNR6である)を表し;
Wが、H、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換ヘテロシクリル、非置換シクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し、
R4が、H、非置換アルキル、非置換アリール、非置換ヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
R6が、H、非置換アルキル、非置換アリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または随意に非置換のアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から5の整数であり(すなわち、nが、2、3、4、または5であり);
mが、0から4の整数であり(すなわち、mが、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pが、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、非置換低級アルキル、非置換シクロアルキル、もしくは非置換アリールを表し、または、R1およびR2が、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R3が、Hまたは非置換アルキルを表し;
Xが、O、S、またはNR4を表し;
Yが、結合、非置換アルキル、非置換アルケニル、非置換アルキニル,、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、O、S、またはNR6である)を表し;
Wが、H、置換アリール、置換ヘテロアリール、置換ヘテロシクリル、置換シクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し;
R4が、H、非置換アルキル、非置換アリール、非置換ヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
R6が、H、非置換アルキル、非置換アリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または随意に非置換のアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から5の整数であり(すなわち、nが、2、3、4、または5であり);
mが、0から4の整数であり(すなわち、mが、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pが、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、非置換低級アルキル、非置換シクロアルキル、もしくは非置換アリールを表し、または、R1およびR2が、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R3が、Hまたは非置換アルキルを表し;
Xが、O、S、またはNR4を表し;
Yが、結合、非置換アルキル、非置換アルケニル、非置換アルキニル,、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、O、S、またはNR6である)を表し;
Wが、H、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換ヘテロシクリル、非置換シクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し、
R4が、H、置換アルキル、置換アリール、置換ヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
R6が、H、非置換アルキル、非置換アリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または随意に非置換のアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から5の整数であり(すなわち、nが、2、3、4、または5であり);
mが、0から4の整数であり(すなわち、mが、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pが、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、
Aが、OまたはSを表し;
R1およびR2が、独立して、H、非置換低級アルキル、非置換シクロアルキル、もしくは非置換アリールを表し、または、R1およびR2が、それらが結合している炭素と一緒に考慮された場合、シクロアルキル残基を表し;
R3が、Hまたは非置換アルキルを表し;
Xが、O、S、またはNR4を表し;
Yが、結合、非置換アルキル、非置換アルケニル、非置換アルキニル,、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または基−(CRaRb)n−Q−(CRcRd)m−(式中、Qは、O、S、またはNR6である)を表し;
Wが、H、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、非置換ヘテロシクリル、非置換シクロアルキル、基−C(O)−R5、または基−(CRcRd)p−CReRfRgを表し、
R4が、H、非置換アルキル、非置換アリール、非置換ヘテロシクリルを表し、または、それが結合しているYおよび窒素原子と一緒に考慮された場合、ヘテロシクリルを表し;
R5が、非置換アリール、非置換ヘテロアリール、または非置換ヘテロシクリルを表し;
R6が、H、置換アルキル、置換アリール、または置換ヘテロシクリルを表し;
Ra、Rb、Rc、Rd、Re、RfおよびRgが、H、ハロゲン、非置換アルキル、非置換シクロアルキル、非置換ヘテロシクリル、または随意に非置換のアリールからなる群から独立して選択され;
nが、2から5の整数であり(すなわち、nが、2、3、4、または5であり);
mが、0から4の整数であり(すなわち、mが、0、1、2、3および4からなる群から選択され);
pが、0、1、2、3、および4からなる群から選択される整数である化合物、
またはその薬学的に許容される塩である。
特に好ましい式Iの化合物は、
1. ペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
2. オクチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
3. 3−フェニルプロピル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
4. 4−フェニルブチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
5. 5−フェニルペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
6. 7−フェニルヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
7. 3−ベンジルオキシプロピル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
8. 4−シクロヘキシルブチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
9. (4−フェニルフェニル)メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
10. [(1S)−1−メチルオクチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
11. (1S)および(1R)−1−(4−フェニルフェニル)−エチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
12. (1R)および[(1S)−1−メチル−5−フェニル−ペンチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
13. (1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
14. (4−ベンジルオキシフェニル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
15. [3−(4−フェニルブチル)オキセタン−3−イル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
16. (1−メチルシクロヘキシル)−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
17. 2−(4−メチルフェニル)エチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
18. (1−ベンゾイル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
19. 4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
20. トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
21. (3−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
22. 5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
23. (2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
24. (1−ベンジル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
25. (1−メチルシクロペンチル)N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
26. tert−ブチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
27. tert−ブチル−N−[(2S*,3S*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
28. (3−ブチルオキセタン−3−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
29. 5−シクロヘキシルペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
30. 6−フェニルヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
31. フェネチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
32. 5−フェニルペンチル−N−[(2S,3S)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
33. (R,Z)および(S,E)−(4−ベンジリデンシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
34. (1s,4S)および(1r,4R)−(4−ベンジルシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
35. シクロヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート;
36. (1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
37. 2−フェネチルオキシエチル N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]カルバメート;
38. 5−フェニルペンチル−N−[(2R,3S)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
39. 5−フェニルペンチル−N−[(2R,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
40. ヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
41. ヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
42. 5−フェニルペンチル−N−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
43. (4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
44. 1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
45. [4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
46. [4−(3−チエニル)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
47. [4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
48. 5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
49. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
50. 5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
51. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
52. 5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
53. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
54. 5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
55. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
56. (1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
57. 5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
58. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;
59. 5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート;および
60. (4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートである。
式Iの好ましい化合物はまた、以下の式IX〜LXにより包含される化合物を含み、これらの式中の置換基は、本出願において定義される通りである。
好ましい化合物はまた、以下を含み、式中、qは、0〜5の整数であり、R
8は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アシル、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、アルキルヘテロシクル、アルキルシクロアルキル、アルキルアリール、およびアルキルヘテロアリールからなる群から選択される置換基である。R
8はまた、H、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、n−ブチル、t−ブチル、ベンジル、フェニル、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、シクロヘキシル、CF
3、CCl
3、CBr
3、CI
3、OH、NH
2、NO
2、C(O)−F、C(O)−Cl、C(O)−Br、およびC(O)−Iからなる群から選択されてもよい。好ましい化合物はまた、以下を含み、式中、qは、1〜3の整数であり、R
8は、上に定義された通りである。
qが0または1以外である場合、各R8置換基は、存在する他のR8基と同じであっても、または異なっていてもよい。上記のいくつかのさらなる実施形態において、R3は、好ましくはHである。さらなる実施形態において、qが1である場合、R8は、パラ位にある。さらなる実施形態において、qが1である場合、R8は、メタ位にある。さらなる実施形態において、qが1である場合、R8は、オルト位にある。
本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、メチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、エチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、プロピルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、n−プロピルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、i−プロピルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、ブチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、t−ブチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、n−ブチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、ペンチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、i−ペンチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、n−ペンチルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、ヘキシルを含んでもよい。本明細書に記載の式のいずれにおいても、Yは、ヘプチルを含んでもよい。
好ましい化合物はまた、以下の式により包含されるものを含む。
一組の代替の実施形態において、本発明の化合物は、以下の式に含まれる化合物であり、式中、R2は、Hではなく、アルキル、低級アルキル、アルケニル、低級アルケニル、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、またはn−プロピルから選択される。以下の式の残りの要素は、上に定義された通りである。
本発明はまた、上に定義された置換基に従う以下の構造を有する式Iの化合物を含む。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、プロピルである。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ブチルである。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ペンチルである。ある特定の実施形態において、Yは、n−ペンチルである。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、4〜6個の炭素のアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基を含むリンカーである。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0、1、2、または3である。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0である。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、プロピル、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0、1、2、または3である。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0である。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ブチル、ペンチル、またはヘキシルである。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0、1、2、または3である。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0である。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ペンチルまたはヘキシルである。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0、1、2、または3である。上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0である。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ヘキシルである。ある特定の実施形態において、qは、0、1、2、または3である。ある特定の他の実施形態において、qは、0である。
式XXXXVIII、IL、L、およびLIの実施形態のいくつかにおいて、Yは、ヘプチルである。ある特定の実施形態において、qは、0、1、2、または3である。ある特定の他の実施形態において、qは、0である。
上記のいずれかのさらなる実施形態において、qは、0、1、2、または3である。これらの実施形態のさらなる実施形態において、R8は、H、メチル、エチル、プロピル、OH、NH2、F、Cl、Br、またはIからなる群から選択される。
上記のいずれかのさらなる実施形態において、Yは、4〜6個の炭素原子のリンカー要素である。ある特定の実施形態において、qは、0、1、2、または3である。ある特定の他の実施形態において、qは、0である。いくつかのさらなる実施形態において、本発明の化合物は、式Iにより包含されるものを含んでもよく、式中、Y−Wは、XがOであり、R1がHであり、R2がメチルである場合、tert−ブチルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、式中、Y−Wは、XがOであり、R1がHであり、R2がイソプロピルである場合、tert−ブチルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含される化合物を含んでもよく、式中、Wは、YがCH2であり、XがOであり、R1がHであり、R2がメチルである場合、フェニルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、式中、Wは、YがCH2であり、XがOであり、R1がHであり、R2がHである場合、非置換フェニルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、Y−Wは、R1がHであり、R2が水素またはメチルである場合、tert−ブチルではなく;Wは、YがCH2であり、R1がHであり、R2が水素、メチル、またはイソプロピルである場合、非置換フェニルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、Y−Wは、XがOであり、R1がHであり、R2がメチルである場合、tert−ブチルではなく;Wは、YがCH2であり、XがOであり、R1がHであり、R2がメチルである場合、フェニルではない。
本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含される化合物を含んでもよく、式中、R1またはR2は、ヒトタンパク質における20の最も一般的なアミノ酸の側鎖ではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、Wは、YがCH2であり、XがOまたはNHであり、R1がHであり、R2がHである場合、非置換フェニルではない。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、式I、または本明細書に記載の任意の式により包含されるものを含んでもよく、Y−Wは、R1がHであり、R2が水素またはメチルである場合、tert−ブチルではなく;Wは、YがCH2であり、R1がHであり、R2が水素、メチル、またはイソプロピルである場合、非置換フェニルではない。
本発明の化合物、およびこれらの化合物を説明および包含する一般式は、本明細書に記載の方法のいずれかとの使用に好適となり得る。
化合物を調製するための方法
本発明はまた、式Iの化合物を調製するための方法を提供する。
式Iの化合物は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるMichael Smith, Jerry March − March’s Advanced Organic Chemistry: reactions mechanisms and structure − 6th Edition, John Wiley & Sons Inc., 2007において報告されている合成変換からなるプロセスにより調製され得る。化学的機能を別のものに変換するには、この機能を含有する化合物における1つ以上の反応中心が、望ましくない副反応を回避するために保護されることが必要となり得ることが、当業者に周知である。そのような反応中心の保護、およびその後の合成変換の終了時の脱保護は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるTheodora W. Green and Peter G.M. Wuts − Protective Groups in Organic Synthesis, Fourth Edition, John Wiley & Sons Inc., 2006に記載の標準的手順に従い達成され得る。
一実施形態において、式Iの化合物は、式II
(式中、A、R
1、R
2、R
3、X、Y、およびWは、上に定義された通りである)の化合物の環化により得ることができる。
式II(式中、Xは、OまたはSを表し、A、R
1、R
2、R
3、Y、およびWは、上に定義された通りである)の化合物は、式III(式中、A、R
1、R
2、およびR
3は、上に定義された通りである)の化合物と、式IV
(式中、Zは、塩素、アジド、または、これらに限定されないが、1−イミダゾリル、p−ニトロフェノキシ、もしくは2−ピリジルオキシから選択される残基を表し、Xは、OまたはSを表し、YおよびWは、上に定義された通りである)の化合物との反応により得ることができる。
式IIIのアミノ酸は、市販されているか、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlaskovich M.A. , Handbook on Syntheses of Amino Acids − General Routes to Amino Acids Oxford University Press, USA , 2010,およびそれに引用されている参考文献に記載のような、アミノ酸の調製のための標準的合成方法に従って得ることができる。
式IVの化合物は、式V(式中、Zは、上に定義された通りであり、Uは、塩素、OCH
2CH
3、1−イミダゾリル、p−ニトロフェノキシ、2−ピリジルオキシから選択される残基を表し、または、式Vの化合物は、トリホスゲンを表す)と、式VI
(式中、Xは、OまたはSを表し、YおよびWは、上に定義された通りである)の化合物との反応により得ることができる。
式Vの化合物は、一般に、アルコールおよびチオールの活性化において使用される市販の化合物である。
式VI(式中、Xは、OまたはSを表す)の化合物は、市販のアルコールもしくはチオールであるか、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるMichael Smith, Jerry March − March’s Advanced Organic Chemistry: reactions mechanisms and structure − 6th Edition, John Wiley & Sons Inc., 2007, およびそれに引用されている参考文献において報告されているような標準的合成方法に従って、対応するハライド等の当業者に知られた好適な前駆体から調製され得る。
別の実施形態において、式I(式中、Xは、OまたはSである)の化合物は、式VIIの化合物またはその塩
(式中、A、R
1、R
2、およびR
3は、上に定義された通りである)と、上に定義されたような式IVの化合物との反応により得ることができる。
別の実施形態において、式I(式中、A、R
1、R
2、R
3、Y、およびWは、上に定義された通りであり、Xは、NR
4(式中、R
4は、Hである)である)の化合物は、式VIIの化合物またはその塩と、式VIII
(式中、YおよびWは、上に定義された通りである)のイソシアネートとの反応により得ることができる。
式VIIの化合物は、式I(式中、A、R
1、R
2およびR
3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CR
cR
d)
p−CR
eR
fR
g(式中、p=0であり、R
e、R
f、およびR
gのそれぞれは、メチルである)である)の化合物から、好適な酸での処理により得ることができる。
式I(式中、A、R
1、R
2およびR
3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CR
cR
d)p−CR
eR
fR
g(式中、p=0であり、R
e、R
f、およびR
gのそれぞれは、メチルである)である)の化合物は、式II(式中、A、R
1、R
2およびR
3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CR
cR
d)
p−CR
eR
fR
g(式中、p=0であり、R
e、R
f、およびR
gのそれぞれは、メチルである)である)の化合物の環化により得ることができる。
式II(式中、A、R1、R2およびR3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CRcRd)p−CReRfRg(式中、p=0であり、Re、Rf、およびRgのそれぞれは、メチルである)である)の化合物は、上に定義されたような式IIIの化合物と、ジ−tert−ブチルジカーボネートとの反応により得ることができる。
式VIIIのイソシアネートは、市販されているか、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるMolina P., Tarraga A., Arques A. in Katritzky A.R., Taylor R.J.k., Comprehensive Organic Functional Group Transformations II, Elsevier, 2004, Vol. 5, pag. 949−973;または Michael Smith, Jerry March − March’s Advanced Organic Chemistry: reactions mechanisms and structure − 6th Edition, John Wiley & Sons Inc., 2007、およびそれらで引用されている参考文献において報告されている合成方法により調製され得る。
上述の合成プロセスに従う式Iの化合物の合成は、段階的に行うことができ、それにより、各中間体は、後の反応を行う前に、例えばカラムクロマトグラフィー等の標準的精製方法により単離および精製される。代替として、合成シーケンスの2つ以上のステップを、当該技術分野において知られているようないわゆる「ワンポット」手順において実行することができ、それにより、2つ以上のステップから得られた化合物のみが単離および精製される。
上述の化合物は、以下の手順において例示されるように調製され得る。
上に定義されたような式Iの化合物は、式Iのジアステレオ異性体または鏡像異性体を分離することにより得ることができる。典型的な手順において、ジアステレオ異性体は、好適な溶媒からの分別結晶化により、または標準的クロマトグラフィー技術により分離され得る。このようにして得られた鏡像異性体の対は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるJ. Jacques, A. Collet, S.H. Wilen − Enantiomers, Racemates, and Resolutions, John Wiley & Sons Inc., New York (NY), 1981 およびG. Subramanian (Ed.), Chiral Separation Techniques: a practical approach − Wiley, Weinheim 2007に記載の標準的技術により、個々の立体異性体に分離され得る。代替として、式Iの化合物の鏡像異性体は、既知の構成の光学的に純粋な出発材料を使用した立体特異的合成により得ることができる。
塩基性基を含有する式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、例えばアセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、もしくはジクロロメタン、またはそれらの混合物等の溶媒に前記化合物を溶解し、例えばアセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、もしくはジクロロメタン、またはそれらの混合物等の好適な溶媒に溶解した適量の無機または有機酸を、−20℃から室温の範囲の温度で添加することにより得ることができる。塩は、通常、a)冷却;またはb)沈殿させる溶媒、通常はジエチルエーテルもしくはジイソプロピルエーテルの添加;またはc)溶媒の部分蒸発により得られる沈殿物の濾過により単離される。
式Iの化合物は、上に定義されたような式IIの化合物の環化により得ることができる。そのような反応は、式IIの化合物を、これらに限定されないが、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ヒドロキシベンゾトリゾール、1,1’−カルボニルジイミダゾール等から選択される縮合剤と、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物等の好適な溶媒中で、ジ−イソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン等の有機塩基の存在下、−10℃から40℃の範囲の温度で、および1時間から24時間の期間反応させることにより行うことができる。
式II(式中、Xは、OまたはSである)の化合物は、上に定義されたような式IIIの化合物と、上に定義されたような式IVの化合物との反応により得ることができる。反応は、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、アセトニトリル、水、またはそれらの混合物等の好適な溶媒中で、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミンまたは炭酸水素ナトリウム等の好適な有機または無機塩基の存在下、−10℃から60℃の範囲の温度で、1時間から24時間の期間行うことができる。
上に定義されたような式IVの化合物は、上に定義されたような式VIの化合物と、上に定義されたような式Vで表される化合物、例えばホスゲン、クロロギ酸エチル、クロロギ酸p−ニトロフェニル、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ジ−2−ピリジルカーボネート、トリホスゲン等との反応により調製され得る。そのような反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、またはそれらの混合物等の好適な溶媒中、トリエチルアミン、ジ−イソプロピルエチルアミン、またはピリジン等の好適な塩基の存在下、−10℃から40℃の範囲の温度で、1時間から72時間の期間行われる。
上に定義されたような式VIIの化合物、またはその塩は、式I(式中、A、R1、R2およびR3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CRcRd)p−CReRfRg(式中、p=0であり、Re、Rf、およびRgのそれぞれは、メチルである)である)の化合物は、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフラン等の好適な溶媒中、−10℃から室温の範囲の温度、および10分から2時間の期間の、トリフルオロ酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等での処理による反応により得ることができる。式VIIの化合物は、通常、例えばトリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、またはp−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩として単離される。
式I(式中、A、R1、R2およびR3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CRcRd)p−CReRfRg(式中、p=0であり、Re、Rf、およびRgは、メチルである)である)の化合物は、式Iの化合物の調製に関して上に報告された一般手順に従う、式II(式中、A、R1、R2およびR3は、上に定義された通りであり、Xは、酸素であり、Yは、結合であり、Wは、基−(CRcRd)p−CReRfRg(式中、p=0であり、Re、Rf、およびRgのそれぞれは、メチルである)である)の化合物の環化により得ることができる。
式II(式中、A、R1、R2およびR3は、上に定義された通りであり、Xは、Oであり、Yは、結合であり、Wは、基−(CRcRd)p−CReRfRg(式中、p=0であり、Re、Rf、およびRgのそれぞれは、メチルである)である)の化合物は、式IIの化合物の調製に関して上述された一般手順に従う、上に定義されたような式IIIの化合物と、ジ−tert−ブチルジカーボネートとの反応により得ることができる。
式I(式中、A、R1、R2およびR3、Y、ならびにWは、上に定義された通りであり、Xは、OまたはSである)の化合物は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の好適な溶媒中、例えばジ−イソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミンの存在下、0℃から40℃の範囲の温度、および1時間から24時間の期間の、式VIIの化合物またはその塩と、上に定義されたような式IVの化合物との反応により得ることができる。
式I(式中、A、R1、R2およびR3、Y、ならびにWは、上に定義された通りであり、Xは、NR4(式中、R4は、Hである)である)の化合物は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、またはそれらの混合物等の好適な溶媒中、室温から60℃の範囲の温度、および1時間から48時間の期間の、式VIIの化合物またはその塩と、式VIIIのイソシアネートとの反応により得ることができる。時折、反応は、例えば4−ジメチルアミノピリジン、ジ−イソプロピルエチルアミン等の第3級アミンの存在下で行われてもよい。
薬学的組成物
本発明は、対象におけるPEAおよびOEAのレベルの調整のための、式Iの化合物の薬学的組成物を提供する。本発明の薬学的組成物は、本発明の化合物、ならびに薬学的に許容される担体および/または賦形剤もしくは希釈剤を混合することにより調製される任意の組成物を包含する。そのような組成物は、動物(例えば、哺乳動物、ラット、マウス、霊長類)または人間における薬学的用途に好適である。
本発明の薬学的組成物は、活性成分としての式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、ならびに薬学的に許容される担体および/または賦形剤もしくは希釈剤を含む。薬学的組成物は、随意に、他の治療成分を含有してもよい。
本発明の化合物は、従来の薬学的配合技術に従い、好適な薬学的担体および/または賦形剤と密に混合された活性成分として混合されてもよい。投与に望ましい調製物の形態に好適な任意の担体および/または賦形剤が、本明細書に開示された化合物との併用に企図される。
組成物は、局所的、非経口、肺内、経鼻、直腸内または経口投与に好適な組成物を含む。所与の場合における最も好適な投与経路は、処置されている状態の性質および重症度、ならびに活性成分の性質にある程度依存する。
本発明の組成物は、局所的適用戦略に好適である。例えば、本明細書に記載の組成物は、これらに限定されないが、皮膚への局所薬;鼻、気管支および/もしくは肺用のエアロゾル/粉末;直腸および/もしくは結腸用の軟膏もしくは坐薬;または関節への浸潤のための形態等に有用である。
好ましい組成物は、局所的、皮下、または、経鼻もしくは経口腔吸引の形態の肺内投与に好適な組成物を含む。
組成物は、調剤技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。
局所的投与用の組成物は、軟膏、クリーム、ローション、溶液、ペースト、ゲル、スティック、リポソーム、ナノ粒子、パッチ、包帯および包帯剤を含むが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、局所用製剤は、浸透促進剤を含む。
肺内投与用組成物は、式Iの化合物またはその塩の粉末、ならびに好適な担体および/または潤滑剤の粉末からなる乾燥粉末組成物を含むが、これらに限定されない。肺内投与用組成物は、当業者に知られた任意の好適な乾燥粉末吸引デバイスから吸引され得る。
組成物の投与は、プロトコルに従い、対象における炎症および疼痛を低減するのに十分な用量で行われる。
本明細書に記載の化合物は、これらに限定されないが、皮膚炎症性皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾癬、アレルギー性接触皮膚炎)、アレルギー性鼻炎、口腔粘膜炎、急性および慢性咳、喘息、慢性閉塞性肺障害、直腸炎ならびに痔等の疾患または状態の処置に有用である。
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物中、有効成分(複数を含む)は、一般に、用量単位で製剤化される。用量単位は、連日投与の場合、用量単位当たり0.1mgから1000mgのNAAA阻害剤を含有してもよい。
いくつかの実施形態において、局所用製剤に効果的な量は、疾患、障害または状態の重症度、薬歴、個人の健康状態および薬物に対する反応に依存する。いくつかの実施形態において、用量は、製剤の0.001重量%から約60重量%の範囲内である。
1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物および他の活性成分は、それぞれが単一で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。任意の種類の投与経路に対する製剤に関して、薬物の投与のための方法および製剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, Lippincott Williams & Wilkins Eds., 2005;およびAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 8th Edition. Lippincott Williams & Wilkins Eds., 2005において開示されている。
本発明の別の態様は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。
本発明の薬学的組成物は、活性成分としての1種以上の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を含み、また、薬学的に許容される担体および随意に他の治療成分を含有してもよい。組成物は、局所的、直腸内非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)、眼内(眼科用)、肺内(経鼻もしくは経口腔吸引)、または鼻関節内(すなわち関節中)、または経口投与に好適な組成物を含むが、所与の場合における最も好適な経路は、処置されている状態の性質および重症度、ならびに活性成分の性質にある程度依存する。例示的な投与経路は、局所的経路である。別の例示的な投与経路は、局所的経路である。組成物は、単位用量形態で好都合に与えられてもよく、また、調剤技術分野において周知の方法のいずれかにより調製することができる。
実際の使用においては、本発明の化合物は、従来の薬学的配合技術に従い、薬学的担体と密に混合された活性成分として組み合わせることができる。担体は、例えば経口または非経口(静脈内を含む)等、投与に望ましい形態に依存して、様々な形態をとることができる。経口用量形態用に組成物を調製する際、例えば懸濁液、エリキシルおよび溶液等の経口液体調製物の場合、例えば水、グリコール、油、アルコール、香味剤、保存料、着色剤等の通常の薬学的媒体のいずれが使用されてもよく、または、例えば粉末、ハードおよびソフトカプセル、ならびに錠剤等の経口固体調製物の場合、例えばデンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等の担体のいずれが使用されてもよいが、固体経口調製物が液体調製物よりも好ましい。
その投与の容易性から、錠剤およびカプセルは、最も有利な経口用量単位形態であり、この場合、明らかに固体医薬担体が使用される。所望により、錠剤は標準的な水性または非水性の技法によりコーティングされてもよい。そのような組成物および調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含有してもよい。これらの組成物中の活性化合物のパーセンテージは、当然ながら変動し得るが、便利には、単位の重量の約1パーセントから約60パーセントの間であってもよい。そのような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、治療上効果的な用量が得られるような量である。活性化合物はまた、例えば、液滴またはスプレーとして、鼻腔内投与されてもよい。
また、錠剤、丸薬、カプセル等は、トラガカントガム、アカシア、コーンスターチまたはゼラチン等の結合剤;第二リン酸カルシウム等の賦形剤;コーンスターチ、じゃがいもデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;およびショ糖、ラクトースまたはサッカリン等の甘味剤を含有してもよい。用量単位形態がカプセルである場合、上記の種類の材料に加えて、脂肪油等の液体担体を含有してもよい。
コーティングとして、または用量単位の物理的形態を変更するために、様々な他の材料が存在してもよい。例えば、錠剤は、セラック、糖、またはその両方でコーティングされてもよい。シロップまたはエリキシルは、活性成分に加えて、甘味剤としてのショ糖、保存料としてのメチルおよびプロピルパラベン、染料、ならびにサクランボまたはオレンジ風味等の香味剤を含有してもよい。胃腸管上部の通過中の分解を防止するために、組成物は、腸溶コーティング製剤であってもよい。
任意の種類の投与経路に対する製剤に関して、薬物の投与のための方法および製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, (Gennaro et al. Eds., Mack Publishing Co., 1985). Remington’s Pharmaceutical Sciences, Gennaro AR ed. 20th edition, 2000: Williams & Wilkins PA, USAにおいて開示されている。
投与
本発明の化合物はまた、非経口的に投与されてもよい。これらの活性化合物の溶液または懸濁液は、ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と好適に混合された水の中で調製され得る。グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの油中混合物中の分散液を調製することもできる。通常の保存および使用条件において、これらの調製物は、微生物の成長を防止するために保存料を含有する。
注射用途に好適な薬学的形態は、無菌注射溶液または分散液の即座の調製のための、無菌水溶液または分散液および無菌粉末を含む。あらゆる場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注射可能性(syringability)が存在する程度に流動的でなければならない。これは製造および保存条件において安定でなければならず、細菌や真菌等の微生物の汚染作用に対し保護されなければならない。担体は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール等)、それらの好適な組み合わせ、ならびに植物油を含有する、溶媒または分散媒であってもよい。
本発明の化合物は、広い用量範囲にわたり効果的となり得る。例えば、成人の処置において、約10mgから約1000mg、約100mgから約500mg、または約1mgから約100mgの用量が必要となり得る。1日当たり0.05mgから約100mg、より好ましくは約0.1mgから約100mgの用量が使用されてもよい。最も好ましい用量は、1日当たり約0.1mgから約70mgである。患者に対する処方計画の選択において、1日当たり約2mgから約70mgの用量から開始し、状態が落ち着いている場合には、用量を1日当たり約0.1mgから約10mgまで低く低減することがしばしば必要となり得る。例えば、成人の処置において、1日当たり約0.05mgから約100mg、好ましくは約0.1mgから約100mgの用量が使用されてもよい。正確な用量は、投与方法、関連する本発明の化合物、所望の治療、投与される形態、処置される対象および処置される対象の体重、ならびに担当医師または獣医の好みおよび経験に依存する。
一般に、本発明の化合物は、単位用量当たり、薬学的に許容される担体と共に、好ましくは約0.1mgから約100mgの活性成分を含む、単位用量形態で分配され得る。通常、経口、経鼻、肺内または経皮投与に好適な用量形態は、薬学的に許容される担体または希釈剤と混合された、約0.001mgから約100mg、好ましくは約0.01mgから約50mgの化合物を含む。保存および使用のために、これらの調製物は、好ましくは、微生物の成長を防止するための保存料を含有する。
一般に、本発明の化合物は、単位用量当たり、薬学的に許容される担体と共に、好ましくは約0.1mgから約100mgの活性成分を含む、単位用量形態で分配され得る。通常、経口、経鼻、肺内または皮膚送達投与に好適な用量形態は、薬学的に許容される担体または希釈剤と混合された、約0.001mgから約100mg、好ましくは約0.01mgから約50mgの化合物を含む。保存および使用のために、これらの調製物は、好ましくは、微生物の成長を防止するための保存料を含有する。
本明細書に記載の化合物および組成物の単位用量を提供するキットが、本発明の範囲内として企図される。本明細書に記載の化合物および組成物の多くの単位用量を提供するキットが、本発明の範囲内として企図される。さらに、本明細書に記載の化合物および組成物のいくつかの単位用量を提供するキットが、本発明の範囲内として企図される。いくつかの実施形態において、本発明のキットは、本明細書に記載の化合物の薬学的組成物の単位用量を含む。ある特定の実施形態において、本発明のキットは、本明細書に記載の化合物の薬学的組成物の多くの単位用量を含む。ある特定の他の実施形態において、本発明のキットは、本明細書に記載の薬学的組成物の単位用量を含む。
適切な量の候補化合物の投与は、当該技術分野において知られている任意の手段によるもの、例えば、経口もしくは直腸内、非経口、腹腔内、静脈内、皮下、皮膚下、鼻腔内、または筋肉内であってもよい。いくつかの実施形態において、投与は、経皮である。いくつかの他の実施形態において、投与は、皮膚送達用である。候補化合物の適切な量または用量は、当該技術分野において知られているように、実験的に決定されてもよい。適切な量または治療量は、経時的に動物における体脂肪の減少または体重の減少をもたらすのに十分な量である。候補化合物は、体脂肪の減少または体重の減少をもたらすのに必要な頻度だけ、例えば、1時間毎、6時間毎、8時間毎、12時間毎、もしくは18時間毎、毎日、または1週間毎に投与され得る。
経口投与に好適な製剤は、(a)溶液、例えば、水、生理食塩水またはPEG400等の希釈剤に懸濁された効果的な量の封入核酸;(b)それぞれ、液体、固体、顆粒またはゼラチンとして所定量の活性成分を含有する、カプセル、小袋または錠剤;(c)適切な液体中の懸濁液;および(d)好適なエマルジョンからなってもよい。錠剤形態は、ラクトース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、リン酸カルシウム、コーンスターチ、じゃがいもデンプン、微結晶性セルロース、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、および他の賦形剤、着色剤、充填剤、結合剤、希釈剤、緩衝剤、保湿剤、保存料、香味剤、染料、崩壊剤、および薬学的に適合する担体の1つ以上を含んでもよい。ドロップ剤形態は、香味料、例えばショ糖中の活性成分、ならびに、ゼラチンおよびグリセリン等の不活性ベース中の活性成分を含むトローチ剤、または、活性成分に加えて、当該技術分野において知られた担体を含有するショ糖およびアカシアエマルジョン、ゲル等を含んでもよい。
前述した種類の無菌粉末、顆粒、および錠剤から、注射液および懸濁液が調製され得る。例えば、関節内(関節中)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、および皮下経路等による非経口投与に好適な製剤は、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、および製剤を対象被投与者の血液と等張性にする溶質を含有し得る、水性および非水性等張性滅菌注射液、ならびに、懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および保存料を含み得る、水性および非水性滅菌懸濁液を含む。
経皮または皮膚送達投与経路に関して、薬物の経皮投与のための方法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Gennaro AR ed. 20th edition, 2000: Williams & Wilkins PA, USAに開示されている。経皮または皮膚パッチは、本発明の化合物の経皮送達に好ましい手段である。パッチは、好ましくは、化合物の吸収を増加させるためにDMSO等の吸収促進薬を提供する。経皮薬物送達のための他の方法は、米国特許第5,962,012号、米国特許第6,261,595号、および米国特許第6,261,595号に開示されている。これらのそれぞれは、参照によりその全体が組み込まれる。
好ましいパッチは、皮膚への薬物送達速度を制御するものを含む。パッチは、それぞれ貯蔵システムまたは単体システムを含む様々な投薬システムを提供し得る。貯蔵設計は、例えば、皮膚に直接接触する接着層、薬物分子の拡散を制御する制御膜、薬物分子の貯蔵部、および耐水性の裏打ち層の4つの層を有してもよい。そのような設計は、指定された期間にわたり均一な量の薬物を送達し、送達速度は、様々な種類の皮膚の飽和限界未満となるはずである。
単体設計は、例えば、典型的には、接着層、化合物を含有するポリマーマトリックス、および防水性の裏打ち層の3つの層のみを有する。この設計は、飽和量の薬物を皮膚にもたらす。それによって、送達は、皮膚により制御される。パッチ内で薬物量が飽和レベル未満に減少すると、送達速度が低下する。
本発明の化合物は、本発明の他の化合物と、または神経的もしくは心理的障害の処置、予防、抑制にも有用となり得る他の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。そのような他の薬物は、それに対して一般に使用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与されてもよい。本発明の化合物が、1つまたは複数の他の薬物と同時に使用される場合、そのような他の薬物および化合物を含有する単位用量形態の薬学的組成物が好ましい。1つ以上の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物および他の活性成分は、それぞれが単一で使用される場合よりも低い用量で使用され得る。
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、経皮、皮膚送達、局所的または直腸内投与用の本発明の薬学的組成物において、単独または別の有効成分と関連した有効成分が、従来の医薬担体と混合された単位投与形態で、動物および人間に投与され得る。適切な単位投与形態は、経口的に服用される錠剤、ゼラチン、カプセル、粉末、顆粒および溶液または懸濁液等の経口形態、舌下および口腔内投与形態、エアロゾル、インプラント、皮下、筋肉内、静脈内、鼻腔内または眼内投与形態、ならびに直腸内投与形態を含む。
他の実施形態において、本発明の薬学的組成物、有効成分(複数を含む)は、一般に、用量単位で製剤化される。用量単位は、連日投与の場合、用量単位当たり0.1mgから1000mg、有利には1mgから500mg、好ましくは2mgから200mgを含有してもよい。
ある特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、皮膚送達に好適である。
使用方法
いくつかの実施形態において、式Iの化合物およびその薬学的組成物、ならびにそれらを投与する方法は、急性炎症、慢性炎症、疼痛(急性疼痛、急性炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、および神経因性疼痛を含む)、ならびに、パルミトイルエタノールアミンの減少したレベルがその障害に関連するその他の障害の処置に有用である。処置は、予防的または治療的であってもよい。処置される対照は、動物(例えば、マウス、ラット、霊長類、哺乳動物)または人間であってもよい。
疼痛
いくつかの実施形態において、式Iの化合物およびその薬学的組成物は、それを必要とする対象における疼痛を軽減または処置するために治療上効果的な量で投与され得る。処置は、予防的または治療的であってもよい。処置は、別の鎮痛剤または抗炎症薬との併用療法において施されてもよい。
疼痛は、これらに限定されないが、肺水腫、片頭痛、副鼻腔炎による頭痛、三叉神経疾患、歯痛、I型糖尿病、II型糖尿病、多発性硬化症、サルコイドーシス、多発性筋炎、歯肉炎、損傷後に生じる腫脹、早産、捻挫、挫傷、術前の投薬、術後外傷、骨損傷、およびがんを含む疾患状態に関連する。
疼痛はまた、手根管、腹痛、腰痛、慢性的な膝の痛み、背痛、首の痛み、または肩の痛みに関連し得る。
他の実施形態において、疼痛は、これらに限定されないが、帯状疱疹後神経痛、後発性三叉神経痛、糖尿病性神経障害、神経障害性腰痛、末梢もしくは多発神経障害疼痛、中毒性神経炎、化学療法薬により引き起こされる慢性神経障害、未熟網膜症、糖尿病性網膜症、湿潤型が好ましい黄斑変性、角膜血管新生、多発性筋炎、血管炎、または歯周炎の群から選択される神経因性疼痛であってもよい。
疼痛は、体性痛、内臓痛、または神経因性疼痛であってもよい。疼痛は、筋肉痛または神経痛を含み得る。疼痛は、付随的疼痛または幻想痛であってもよい。
皮膚疾患、障害または状態
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、対象における皮膚疾患、障害、または状態を軽減または処置するために治療上効果的な量で投与され得る。処置は、予防的または治療的であってもよい。処置は、疼痛または炎症を低減するのに役立ち得る。処置は、そのような皮膚疾患、障害または状態の処置において使用される別の薬剤との併用療法において施されてもよい。いくつかの実施形態において、皮膚疾患、障害または状態は、アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、じんましん、酒さ、座瘡、乾癬、掻痒、苔癬、乾癬性関節炎座瘡、瘢痕、皮膚創傷治癒、様々な原因、例えば日焼けもしくは放射線治療熱傷から生じる、および様々な重症度の皮膚熱傷(第1度熱傷、第2度熱傷、第3度熱傷、第4度熱傷)、強皮症、日光性角化症、扁平上皮細胞がん、または黒色腫を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、化合物、組成物、薬学的組成物、およびそれらを投与する方法は、炎症の処置に有用である。
本明細書に記載の化合物および組成物は、関節炎の処置に有用であり、関節炎は、変形性関節炎、関節リウマチ、痛風、線維筋痛、一般的な関節炎、乾癬性関節炎、全身性紅斑性狼瘡、または敗血症性関節炎を含み得る。
本明細書に記載の化合物および組成物は、喘息の処置に有用であり、喘息は、運動誘発性喘息、アレルギーによる喘息、咳型喘息、職業性喘息、または夜間喘息を含み得る。
本明細書に記載の化合物および組成物は、神経生成炎症の処置に有用であり、神経変性炎症は、パーキンソン病または多発性硬化症を含み得る。
本明細書に記載の化合物および組成物は、神経皮膚炎の処置に有用である。
本明細書に記載の過敏性腸症候群(IBS)は、便秘を伴うIBS、下痢を伴うIBS、交互に生じる便秘および下痢を伴うIBSを含み得るが、これらに限定されない。
本明細書に記載のクローン病は、潰瘍性大腸炎、回結腸炎、回腸炎、胃十二指腸クローン病、または空回腸炎を含み得る。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、これらに限定されないが、疼痛、炎症、および神経変性疾患、神経因性疼痛、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、がん性疼痛、幻肢痛、複合性局所疼痛症候群および線維筋痛;関節リウマチ、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、腱炎、乾癬、ファーバー病、クローン病、鼻炎、皮膚アレルギー、喘息、炎症性要素を有する自己免疫疾患、例えば多発性硬化症および他の脱髄障害;アルツハイマー病、外傷性脳損傷、異常なPEAおよび/またはOEAを特徴とする状態および疾患、代謝障害、食欲調節、ならびに肥満等の疾患を軽減または処置するために治療上効果的な量で投与され得る。
炎症および炎症性疼痛
いくつかの実施形態において、式Iの化合物およびその薬学的組成物は、対象における炎症を軽減または処置するために治療上効果的な量で投与され得る。処置は、予防的または治療的であってもよい。処置は、別の鎮痛剤または抗炎症薬との併用療法において施されてもよい。いくつかの実施形態において、疼痛は、組織の炎症または損傷により引き起こされる疼痛である。炎症性疼痛は、侵害刺激から生じる組織損傷に応答して生じる。炎症は、これらに限定されないが、急性炎症、慢性炎症、関節炎、関節リウマチ、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸器疾患、慢性気管支炎、肺気腫、咳、関節炎、炎症性大腸炎、潰瘍性大腸炎、紅斑性狼瘡、移植片対宿主反応(すなわち移植片対宿主病)、急性および慢性同種移植拒絶反応、急性呼吸窮迫症候群、変形性関節炎、多発性硬化症、再狭窄、嚢胞性線維症、結晶誘発性関節炎、眼の炎症、酸素過剰誘発炎症、脂質異常症、筋膜炎、手根管症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病を含む疾患状態に関連する。
本発明の化合物および組成物の向上した浸透性
本発明の化合物および組成物は、特にある特定の既知の化合物、例えば、(S)−OOPPに対して、驚異的に向上した浸透特性を有し得る。いくつかの実施形態において、本発明の化合物および組成物は、ある特定の既知の化合物、例えば、(S)−OOPPと比較して向上した速度で、皮層、粘膜層、または局所層に浸透する。例えば、本明細書に記載の化合物6は、ある特定の既知の化合物、例えば、(S)−OOPPに対して、向上した有効性、安定性、および選択性を有する。例えば、(S)−OOPPに対して驚くほど大幅に向上した皮膚効能を示す図26を参照されたい。
いくつかの実施形態において、本発明の化合物および組成物は、選択的であり、ACに干渉してNAAAの阻害効果と機能的に反対の効果を生成しない。本発明のさらなる実施形態において、この選択性により、本発明の化合物および組成物は、例えば哺乳動物における皮膚または他の局所表面、皮膚表面もしくは粘膜表面に浸透する向上した能力を有するようになる。
患者集団
本明細書に記載の化合物および組成物は、疾患、状態および障害の処置に有用である。本発明は、これらの疾患、状態、および障害を処置するための方法を含む。
いくつかの実施形態において、方法は、本発明の化合物および組成物を、男性に投与することを含む。他の実施形態において、方法は、本発明の化合物および組成物を、女性に投与することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、本発明の化合物および組成物を、出産年齢の女性に投与することを含む。いくつかの他の実施形態において、方法は、化合物および組成物を、妊娠した女性に投与することを含む。ある特定の他の実施形態において、方法は、本発明の化合物および組成物を、子供に投与することを含む。
ある特定の実施形態において、方法は、化合物および組成物を、18歳未満の子供に投与することを含む。さらなる実施形態において、方法は、化合物および組成物を、16歳未満の子供に投与することを含む。ある特定の実施形態において、方法は、化合物および組成物を、14歳未満の子供に投与することを含む。さらなる実施形態において、方法は、化合物および組成物を、12歳未満の子供に投与することを含む。さらなる他の実施形態において、方法は、化合物および組成物を、10歳未満の子供に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、化合物および組成物を、思春期前の子供に投与することを含む。
他の実施形態において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の化合物または組成物による処置を必要とする患者の処置に有用である。他の実施形態において、方法は、それを必要とする患者を処置することを含む。いくつかの実施形態において、それを必要とする患者は、複数の状態または疾患に罹患している。他の実施形態において、それを必要とする患者は、疼痛を有する患者を含む。いくつかの実施形態において、それを必要とする患者は、皮膚炎を有する患者を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、毎日投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、1日2回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、1日3回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、1日4回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、1日5回投与される。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、毎週投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、毎月投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週2回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週3回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週4回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週5回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週6回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週7回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週8回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週9回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週10回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週11回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週12回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週13回投与される。他の実施形態において、本明細書に記載の化合物および組成物は、週14回投与される。
実施例
緩衝液中での安定性に関して化合物を試験するための方法
選択化合物の化学的安定性を、生理学的pH条件下(0.01Mリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)で、最長24時間評価した。各化合物の原液(10mM)を、DMSO中で新しく調製した。各化合物を、予熱された緩衝液(0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(PBS)、37℃でpH7.4)中、10μM(1%DMSO)の最終濃度でインキュベートした。試料溶液を、各時点において、ガラスバイアル(37℃で予熱)中に一定量に分割した。試験の間、試料をUPLC/MS Autosampler内で37℃に維持した(振盪なし)。予熱されたCH
3CN(37℃)中の各化合物の標準液(最終濃度:1%DMSOで10μM)を、原液(DMSO中10mM)から調製した。試験の間、標準液をUPLC/MS Autosampler内で37℃に維持した(振盪なし)。試料および標準液に、内部標準(100nM)を添加した。各時点において、さらなる試料調製を全く行わずに、試料をLC/MSで直接分析した。Multiple Reaction Monitoring(MRM)によりMSトレースを監視することによって、試料を分析した(3回の注入)。各時点におけるピーク面積を、t=0分におけるピーク面積で除することにより、化合物濃度(%で表される)を計算した。標準液を、試験の開始時(t=0分)および終了時(t=24時間)に分析した。化合物の消失の見かけの半減期(t
1/2)を、化合物濃度対時間の非線形回帰を使用して、1フェーズ減衰式(one−phase decay equation)により計算した。
Electrospray IonizationインターフェースおよびPhotodiode Array Detectorを備えるTQD(Triple Quadropole Detector) Mass SpectrometerからなるWaters ACQUITY UPLC/MS TQDシステムで、分析を行った。分析は、VanGuard BEH C
18 1.7μmプレカラムを有するACQUITY UPLC BEH C
18 1.7μm 2.1×50mmカラムで、40℃で行った。移動相は、H
2O中0.1%HCOOH(A)およびCH
3CN中0.1%HCOOH(B)であり、0〜0.2分:5%B、0.2〜2.2分:5〜95%B、2.2〜2.3分:95〜5%B、2.3〜3分:5%Bの線形勾配を使用し、流量は0.5mL/分であった。エレクトロスプレーイオン化(ESI)は、全ての化合物に対して以下の一般的MS調整設定を使用して、ポジティブモードで適用した:キャピラリ電圧:3.00kV、コーン電圧:25kV、イオン源温度:125℃および脱溶媒和温度:500℃。N
2は、乾燥コーンガスとして100L/時間の流量で、および脱溶媒和ガスとして1000L/時間で使用した。アルゴンガスは、衝突ガスとして使用した。MRM遷移および衝突エネルギーとしての化合物依存性パラメータを、各化合物に対して最適化した。
本発明の実施例6および対応するアミド類似体、ならびに2位においてメチル置換基を有さない化合物の化学的安定性を、表1に報告する。
本発明の実施例6は、対応するアミド類似体(t
1/2=63分)およびオキソ−オキセタン環の2位においてメチル基を有さない化合物(t
1/2=23分)よりも高い化学的安定性(t
1/2=102分)を示す。
NAAAに対して化合物を試験するための方法
0.32Mのショ糖を含有する20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)中でSprague−Dawleyラット肺(Charles River)を均質化することにより、リソソームNAAAタンパク質調製物を得た。試料を、800×gで15分間、4℃で遠心分離した。次いで、上澄みを、12,000gで30分間、4℃で遠心分離した。次いで、ペレットをPBS(pH7.4)に再懸濁させ、−80℃で凍結/解凍サイクルに供した。最後に、懸濁液を、105,000×gで1時間、4℃で遠心分離した。次いで、上澄みを酵素アッセイにおいて使用した。
NAAAタンパク質調製物を、100mM NaH2PO4/クエン酸緩衝液、1%Triton−X、3mM DTT(pH4.5)中の様々な濃度の試験化合物またはビヒクル対照と共に、37℃で30分間プレインキュベートした。次いで、試料をヘプタデセノイルエタノールアミド(50μM、Avanti Polar Lipids)と共に、37℃で30分間インキュベートした。ヘプタデカン酸(NuCheck Prep)を内部標準として含有する低温メタノールの添加により、反応を停止させた。次いで、試料をUPLC/MS(Acquity、Waters)により分析した。ヘプタデセン酸およびヘプタデカン酸を、Acquity UPLC BEH C18カラム(長さ50mm、内径2.1mm、細孔径1.7μm、Waters)上で、0.5mL/分で1.5分間、共に0.25%酢酸および5mM酢酸アンモニウムを含有する95%メタノールおよび5%水の溶媒混合物で定組成溶離した。カラム温度は40℃であった。エレクトロスプレーイオン化はネガティブモードであり、キャピラリ電圧は0.5kVであり、コーン電圧は25kVであり、脱溶媒和温度は500℃であった。乾燥ガスとして、N2を1000L/時間の流量および500℃の温度で使用した。[M−H]−イオンを、選択イオン監視モードで監視した(m/z値:ヘプタデセン酸267.37、ヘプタデカン酸269.37)。較正曲線は、市販のヘプタデセン酸(NuCheck Prep)を使用して生成した。NAAA活性の阻害は、ビヒクル対照と比較した試料中のヘプタデセン酸の低減として計算した。IC50値は、標準勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software Inc.、CA−USA)を使用して、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析により計算した。
本発明の化合物は、50μM未満のIC
50でNAAA活性を阻害した。本発明の代表的化合物のIC
50 値を、表2に報告する。
酸性セラミダーゼに対して化合物を試験するための方法
酸性セラミダーゼ(AC)に対する選択化合物の選択性を決定した。ラットAC(r−AC)を、National Center for Biotechnology Information(NCBI)データベースから得られた配列:5’rAC(5’−GACCATGCTGGGCCGTAGT−3’)および3’rAC(5’−CCAGCCTATACAAGGGTCT−3’)に基づくプライマーを使用して、脳cDNAライブラリからクローニングした。PCR(High Fidelity PCR Master、Roche)産物を、pEF6−V5/Hisベクター(Invitrogen)にサブクローニングして、V5/Hisタグ化ラットACをコードする哺乳動物発現ベクターを構築した。Super−Fect試薬(Qiagen)を使用して、HEK293細胞をpEF6−rAC−V5/Hisでトランスフェクトし、G418(0.3mg/mL)でスクリーニングした。0.32Mのショ糖を含有する20mM Tris HCl(pH7.5)に細胞を懸濁させ、超音波照射し、800×gで15分間、4℃で遠心分離した。上澄みを再び12,000×gで30分間、4℃で遠心分離した。ペレットを、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に分散させ、−80℃での2回の凍結−解凍サイクルに供した。懸濁液を、105,000×gで1時間、4℃で遠心分離した。組み換えACを含有する上澄みを、使用するまで−80℃に維持した。ビシンコニン酸(BCA)アッセイ(Pierce)を使用して、タンパク質濃度を測定した。組み換えラットAC(50μg)を、阻害剤(最終DMSO濃度1%)と共に、アッセイ緩衝液(100mMリン酸ナトリウム、0.1%Nonidet P−40、150mM NaCl、3mM DTT、100mMクエン酸ナトリウム、pH4.5)中で、37℃で30分間プレインキュベートした。100μM N−ラウロイルセラミド(Nu−Chek Prep、Elysian、MN)の添加により反応を開始させ、37℃で30分間行った。1nmolのヘプタデカン酸(HDA;NuChek Prep)を含有するクロロホルム/メタノール(2:1、体積/体積)の混合物の添加により、反応を停止させた。有機相を回収し、N2下で乾燥させ、内部標準としてヘプタデセン酸(HDA)を使用して、陰イオンモードのLC−MSにより分析した(ラウリン酸のm/z=199、HDAのm/z=269)。HDAを、XDB Eclipse C18カラム上で、2.2mL/分で1分間、共に0.25%酢酸および5mM酢酸アンモニウムを含有する95%メタノールおよび5%水の溶媒混合物で定組成溶離した。カラム温度は50℃であった。エレクトロスプレーイオン化(ESI)はネガティブモードであり、キャピラリ電圧は4kVであり、フラグメンター電圧は100Vであった。乾燥ガスとして、N2を13L/分の流量および350℃の温度で使用した。噴霧器圧力は、60psiに設定した。内部標準としてHDAを使用して、選択イオン監視(SIM)モードで[M−H]−を監視した。較正曲線は、市販のラウリン酸(Nu−Chek Prep;m/z=199)を使用して生成した。
NAAAおよびACに対する本発明の代表的化合物のIC50値を、表2に報告する。
本発明の化合物は、アミド類の類似体またはオキソ−オキセタン環の2位においてメチル置換基を有さない類似体に対して、NAAAに対する増加した有効性、およびACに対する増加した選択性を示した。本発明の実施例6および対応するアミド類似体、ならびにオキソ−オキセタン環の2位においてメチル置換基を有さない化合物のNAAAおよびACに対する有効性の比較を、表3に報告する。
本発明は、ACを阻害するための方法であって、本明細書に記載の化合物をACと接触させることを含む方法を提供する。これらの方法は、細胞内のセラミドの効果である細胞老化および炎症の症状の処置または軽減に有用である。
一態様において、本発明は、ACよりもNAAAに対して選択性であるNAAA阻害剤を提供する。本発明はまた、ACを阻害するためのIC50よりも少なくとも10分の1低いNAAAを阻害するためのIC50を有する化合物を提供する。本明細書に記載の化合物および組成物は、アポトーシス、老化および炎症の誘導または調整に有用である。本明細書に記載の化合物および組成物は、セラミドレベルの調製による副作用の回避に有用である。
治療活性に関して化合物をスクリーニングするための方法
様々な動物モデルを使用して、本発明の化合物を、炎症および疼痛状態の処置におけるその治療有効性に関して試験することができる。本発明を限定することなくより良く例示するために、治療有効性に関して本発明の化合物を試験するためのある特定の方法を、以下に報告する。
UV−B照射
雄のSprague Dawleyラット(150〜175g、Charles River、Calco、Italy)を、単回腹腔内注射で投与されたチレタミン(15mg/Kg)およびゾラゼパム(15mg/Kg)の混合物で麻酔した。
次いで、ラットを仰向けに寝かせ、足の高さより上に位置する狭帯域UVB光源に対して垂直に右後足の足底の関連表面のみを露出させて、UV不透過性材料で覆った。
全ての実験において使用したUVB源は、均一な照射域を形成する2.5cm間隔の4つのTL01蛍光管(Philips、UK、λmax=312nm)の列で構成された。各照射中に電球により生成された放射照度は、較正メータ(SEL240/UVB−1/TDフィルタを有するIL1400A、ABLE Instruments & Controls Ltd、UK)を使用して、光源からの足の距離において既知であった。これにより、ラットが暴露されるUVBの線量を計算した。
行動試験
足底の照射後、熱的および機械的刺激に対する侵害逃避反応を試験した。
Hargreavesら(1988)により説明された方法に従い、ラット足底試験機器(Ugo Basile、Italy)を使用して熱過敏性を評価した。簡潔に述べると、各動物を、温度制御された部屋(22℃)内のガラスの床の上の透明なアクリル製の区画(22×16.5×14cm)内に入れ、試験前に15分間順化させた。可動式の赤外線熱源を後足の足底表面に適用した。ラットが熱源から後足を動かすのに要する時間(秒)として足逃避潜時(PWL)を定義した。損傷していない足に対して14〜16秒での反応を与えるように、熱源を較正した。組織損傷を防止するために、20秒の自動カットオフ点を適用した。損傷していない足を常に最初に評価した。
機械的逃避閾値は、Dynamic Plantar Anesthesiometer(Ugo Basile、Italy)を使用して試験した。簡潔に述べると、各動物を、温度制御された部屋(22℃)内の金属グリッドの上の透明なアクリル製の区画(22×16.5×14)内に入れ、試験前に15分間順化させた。コンピュータ制御下で2.5g/sの線形の力勾配を足の足底に印加するアクチュエータフィラメント(直径0.5mm)を介して刺激を与えた。足の逃避により刺激は停止され、閾値が記録される。逃避閾値は、各試験間に少なくとも5分間の間隔を有する3回の連続した試験の平均として計算される。いかなる大きな組織損傷も防止するために、50gのカットオフを与えた。
ワセリン油および5%ラウリン酸のビヒクル中での使用直前に、化合物6の新鮮な薬物懸濁液を調製し、50μL/ラットの量で与えた。図1に示されるように、化合物6は、用量依存的にUVB誘導炎症を低減した。250mJ/cm2のUVBの照射により誘導された温熱性痛覚過敏は、2回のより高用量の化合物6(10%および30%w/w)により、ビヒクル処理動物と比較して有意に低減された(予備試験に対して*p<0.05および***p<0.001;ボンフェローニ試験)。
接触皮膚炎
2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)(Sigma−Aldrich、Italy)を、アセトンに溶解した。1日目および2日目に、マウス(CD1、25〜30g、Charles River、Calco、Italy)の腹部の皮膚をハプテン(20μLの0.5%DNFB)で感作した。5日後、7日目に、マウスの耳たぶをハプテン(20μLの0.2%DNFB)で負荷し、試験薬物で処理した。対照群には、薬物を溶解するために使用したビヒクルを与えた。マウス(群当たり5匹)を、プラスチックケージ内に入れた。8日目に、ノギスを使用して負荷後の耳の厚さを測定した。結果は、耳の完全厚さとして表現される。
ワセリンおよび5%ラウリン酸からなるビヒクル中での使用直前に、化合物6の新鮮な薬物懸濁液を調製し、20μL/マウスの量で与えた。8日目に、マウスをDNFB負荷と共に異なる濃度の化合物6またはビヒクルで処理した。化合物6(1〜30%w/w懸濁液)の塗布は、図2に示されるように、負荷から24時間後に耳の腫脹を用量依存的に阻害した。ビヒクルによる処置は、接触過敏応答を阻害しなかった(*** ナイーブ群に対してp<0.001、およびビヒクル群に対して#p<0.05 ###p<0.001;ボンフェローニ試験)。
化合物6および報告されたβ−ラクトンNAAA阻害剤(S)−OOPP(Solorzano et al., Proceedings of the National Academy of Science USA 2009, 106, 20966−20971;Solorzano et al., Journal of Medicinal Chemistry 2010, 53, 5770−5781)を、接触過敏応答に関してこのモデルにおいて試験した。(S)−OOPPおよび化合物6の新鮮な薬物溶液を、使用直前にポリエチレングリコール400(PEG400)中で調製し、20μL/耳の量で与えた。7日間、毎日異なる濃度の(S)−OOPP、0.1%の化合物6またはビヒクルでマウスを処理した。ノギスを使用して、耳の厚さを0日目および負荷前に毎日測定した。結果は、耳の完全厚さとして表現される。図26に示されるように、(S)−OOPP(0.1〜10%w/v)の塗布は、接触過敏応答を阻害しなかったが、一方で0.1%の化合物6は、耳の腫脹の大幅な減少をもたらした(*** ナイーブ群に対してp<0.001、2Way ANOVAに続くボンフェローニの事後試験)。
(S)−OOPPは、N−[(3S)−2−オキソ−3−オキセタニル]−3−フェニルプロパンアミド、例えば、
である。
一般的精製および分析方法
エレクトロスプレーイオン化インターフェースおよびフォトダイオードアレイ検出器を備えるSQD Single Quadropole Mass SpectrometerからなるWaters ACQUITY UPLC/MS機器で、UPLC/MS分析を行った。分析は、VanGuard BEH C18プレカラム(5×内径2.1mm、粒径1.7μm)を有するACQUITY UPLC BEH C18カラム(50×内径2.1mm、粒径1.7μm)で行った。移動相は、AcOHで調節したpH5の10mM NH4OAc(A)およびpH5のMeCN−H2O(95:5)中の10mM NH4OAc(B)であった。ポジティブおよびネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を、質量走査範囲100〜500Daで使用した。
異なるサイズ(4gから120gまで)の順相充填シリカゲルカラムを有するTeledyne ISCO装置(CombiFlash(登録商標)Rf)を使用して、自動化カラムクロマトグラフィー精製を行った。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーは、固定相としてMerckシリカゲル60(230〜400メッシュ)が充填された順相ガラスカラムを使用して行われる精製として意図された。いずれの場合においても、増加する極性のシクロヘキサンおよびTBMEまたは酢酸エチルの混合物を、溶離液として使用した。
エレクトロスプレーイオン化インターフェースおよび2998Photodiode Array Detectorを備える3100 Single Quadropole Mass SpectrometerからなるWaters Autopurificationシステムで、分取HPLC/MSによる精製を行った。HPLCシステムは、2747 Sample Manager、2545 Binary Gradient Module、System Fluidic Organizerおよび515 HPLC Pumpを含んでいた。精製は、XBridge(商標)Prep C18(10×内径19mm、粒径5μm)Guard Cartridgeを有するXBridge(商標)Prep C18 OBDカラム(100×内径19mm、粒径5μm)で行った。移動相は、1)H2OおよびMeCN(B)、または2)AcOHで調節したpH5の10mM NH4OAc(A)およびpH5のMeCN−H2O(95:5)中の10mM NH4OAc(B)であった。ポジティブおよびネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を、質量走査範囲100〜500Daで使用した。
必要な不均一触媒が投入された使い捨て触媒カートリッジ(CatCart(登録商標))を採用して、H−Cube(登録商標)連続水素化機器(SS−反応ライン型)を使用して水素化反応を行った。
Explorer(登録商標)−48位置機器(CEM)を使用して、マイクロ波加熱を行った。
Jasco FT/IR−420フーリエ変換赤外線分光計で、FTIRを記録した。
BBIインバースプローブおよびZ−勾配を備えるBruker Avance III 400システム(1Hでは400.13MHz、および13Cでは100.62MHz)で、NMR実験を行った。指定されない限り、スペクトルは、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6)および重水素化クロロホルム(CDCl3)を溶媒として使用して、300Kで取得された。
本発明を限定することなくより良く例示するために、表4に報告される実施例を記載する。
表4に報告される化合物は、以下で説明するように合成した。
溶媒および試薬は、販売供給業者から入手し、それ以上精製せずに使用した。簡潔性のために、溶媒および試薬は以下のように示した。
テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル(Et2O)、酢酸エチル(AcOEt)、ジクロロメタン(CH2Cl2)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、塩酸(HCl)、シクロヘキサン(Cy)、酢酸(CH3COOH)、トリフルオロ酢酸(TFA)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トリエチルアミン(Et3N)、メタノール(MeOH)、アセトニトリル(CH3CN)、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、エタノール(EtOH)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、ナトリウムソルフェート(Na2SO4)、水酸化ナトリウム(NaOH)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、シリカゲル(SiO2)、硝酸ナトリウム(NaNO2)、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、硫酸水素カリウム(KHSO4)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(DMAP)、ジ−2−ピリジルカーボネート(2−DPC)、カルボニル−ジイミダゾール(CDI)、リチウムビス−(トリメチルシリル)−アミド(LHMDS)、n−ブチルリチウム(BuLi)、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)。
実施例1.ペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(ペンチルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸の調製。
丸底フラスコ内で、NaHCO3(13.0g,、155.3mmol)をTHF(35mL)および水(70mL)に懸濁させ、次いでD−トレオニン(7.33g、61.6mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.733g)を添加した。クロロギ酸アミル(10mL、68.4mmol)を滴下により添加し、反応物を室温で18時間激しく撹拌した。混合物を水で希釈し、Et2Oで2回洗浄し、2M HCl溶液でpHを2に調節した。水相をAcOEtで抽出し、回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去すると、タイル化合物(13.0g、90%)が淡黄色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。Rf=0.26(Cy/AcOEt 2:8+1%CH3COOH;検出:ニンヒドリン、ブロモクレゾールグリーン)。FTIR(cm−1):3344、2959、2932、2873、1724、1529、1468、1415 1378、1258、1075。
ステップ2.ペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、Et3N(3.75mL、26.9mmol)を、無水CH2Cl2(100mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(ペンチルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(2g、8.96mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、PyBOP(6.1g、11.6mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で3.5時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(95:5から60:40)で溶出しながら粗生成物を精製した。得られた白色固体(0.539g)を、さらにシクロヘキサンと摺り混ぜると、純粋な化合物(0.434g、22.5%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 214.21 [M−H]−. FTIR (cm−1): 3323, 3074, 2958, 2931, 2871, 1854, 1692, 1545, 1471, 1391, 1334, 1270, 1150, 1126, 1087, 1025, 982, 844,823. 1H NMR (CDCl3): δ0.91 (t, 3H); 1.31−1.35 (m, 4H); 1.47 (d, 3H); 1.60−1.67 (m, 2H); 4.06−4.14 (m, 2H); 4.84−4.91 (m, 1H); 5.42−5.49 (m, 2H).
実施例2.オクチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(オクチルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸の調製。
丸底フラスコ内で、NaHCO3(9.74g、116mmol)をTHF(25mL)および水(50mL)に懸濁させ、次いでD−トレオニン(5.47g、46.0mmol)およびテトラブチルアンモニウムブロミド(0.547g)を添加した。クロロギ酸n−オクチル(10mL、51.1mmol)を滴下により添加し、反応物を室温で18時間激しく撹拌した。次いで、混合物を水で希釈し、Et2Oで2回洗浄し、2M HCl溶液でpHを2に調節した。水相をAcOEtで抽出し、回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(3.37g、27%)が淡黄色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。Rf=0.26(Cy/EtOAc 2:8+1%CH3COOH;検出:ニンヒドリン、ブロモクレゾールグリーン)。FTIR(cm−1):3340(br)、2928、2856、1724(br)、1526、1261、1074。
ステップ2.オクチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、Et3N(1.5mL、10.9mmol)を、無水CH2Cl2(40mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(オクチルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(1g、3.63mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HBTU(2.07g、5.45mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で3.5時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(95:5から60:40)で溶出しながら粗生成物を精製した。得られた白色固体(約0.19g)を、さらにシクロヘキサンと摺り混ぜると、純粋な化合物(0.165g、18%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 256.31[M−H]−。FTIR (cm−1): 3326, 2958, 2924, 2856, 1857, 1692, 1547, 1333, 1270, 1087, 1025, 845. 1H NMR (CDCl3): δ 0.87−0.90 (t, 3H); 1.28−1.36 (m, 10H); 1.47 (t, 3H); 1.59−1.66 (m, 2H); 4.06−4.15 (m, 2H); 4.84−4.91 (m, 1H); 5.38−5.48 (m, 2H).
実施例3.2−(4−メチルフェニル)エチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1:(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−({[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸の調製
四口丸底フラスコ内で、CDI(9.32g、57.4mmol)を、無水DMF(60mL)中の4−メチルフェネチルアルコール(4mL、28.7mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。室温で2時間撹拌後、水(60mL)およびEt3N(6mL、43.1mmol)中に溶解したD−トレオニン(3.42g、28.7mmol)を添加した。混合物を50℃で16時間加熱し、次いで冷却した。水(600mL)を添加し、混合物をEt2O(2×300mL)で洗浄した。水相を2M HCl溶液で酸性化し、次いでAcOEt(3×500mL)で抽出した。回収された有機相をブラインで洗浄し、次いでNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をさらにトルエンと共蒸発させると、淡黄色の油(3.72g、46%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。Rf=0.4(Cy/AcOEt 2:8+1%CH3COOH)。FTIR(cm−1):3419(br)、2977、2932、1716、1661、1517、1388、1255、1226、1099、1077、665。
ステップ2.2−(4−メチルフェニル)エチル [(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、Et3N(7.3mL、52.5mmol)を、無水CH2Cl2(190mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−({[2−(4−メチルフェニル)エトキシ]カルボニル}アミノ) ブタン酸(4.85g、17.5mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HBTU(9.87g、26.2mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で3.5時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(95:5から60:40)で溶出しながら粗生成物を精製した。得られた白色固体(0.658g)を、さらにシクロヘキサンと摺り混ぜると、純粋な表題化合物(0.450g、10%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 262.21[M−H]−。FTIR (cm−1): 3299, 3050, 2966, 2924, 2854, 1827, 1690, 1540, 1355, 1270, 1121, 1095, 1021, 844, 817. 1H−NMR (CDCl3):δ 1.42 (d, 3H); 2.33 (s, 3H); 2.90 (t, 2H); 4.31 (t, 2H); 4.81−4.88 (m, 1H); 5.39−5.46 (m, 2H); 7.08−7.13 (m, 4H).
実施例4.3−フェニルプロピル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.3−フェニルプロピル−クロロカーボネートの調製
四口丸底フラスコ内で、トリホスゲン(5.45g、55.1mmol)を、アルゴン下でトルエン(80mL)に溶解した。0℃で冷却後、ピリジン(4.8mL、58.8mmol)を1時間の間滴下により添加し、得られた懸濁液を0℃でさらに1時間撹拌した。3−フェニル−1−プロパノール(5mL、36.8mmol)を、30分で滴下により添加した。室温で24時間撹拌後、固体を濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(6.2g、85%)が淡黄色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。FTIR (cm−1): 3086, 3065, 3027, 2995, 2932, 2862, 1776, 1743, 1603, 1496, 1454, 1262, 1148, 745, 699.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(3−フェニルプロポキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸の調製
丸底フラスコ内で、NaHCO3(5.94g、70.7mmol)をTHF(15mL)および水(30mL)に懸濁させ、次いでD−トレオニン(3.34g、28.0mmol)を添加した。3−フェニルプロピルクロロカーボネート(6.2g、31.2mmol)を徐々に添加し、続いて触媒量(0.3g)のテトラブチルアンモニウムブロミドを添加した。室温で18時間撹拌後、混合物を水(100mL)で希釈し、Et2O(2×100mL)で2回洗浄し、2M HCl溶液でpHを2に調節した。水相をAcOEt(3×150mL)で抽出し、回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(1.43g、18%)が無色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。Rf = 0.38 (Cy/AcOEt 2:8 + 1% CH3COOH). FTIR (cm−1): 3340 (br), 3064, 3030, 2982, 2939, 1730 (br), 1528, 1374, 1241, 1094, 1072, 1048, 781, 749, 703.
ステップ3.3−フェニルプロピル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、Et3N(1.4ml、10.1mmol)を、無水CH2Cl2(40mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(3−フェニルプロポキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(0.95g、3.38mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HBTU(1.92g、5.07mmol、1.5等量)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で16時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(95:5から60:40)で溶出しながら粗生成物を精製した。得られた白色固体(0.280g)を、さらにシクロヘキサンと摺り混ぜると、純粋な表題化合物(0.240g、31%)が白色固体として得られた。MS(ESI)m/z: 262.27[M−H]−。Rf=0.29(Cy/EtOAc 8:2;検出:リンモリブデン酸)。FTIR (cm−1): 3328, 3064, 3030, 2972, 2929, 2859, 1851, 1691, 1542, 1333, 1270, 1130, 1083, 1024, 843, 822, 697. 1H NMR (CDCl3): δ 1.46 (d, 3H); 1.93−2.00 (m, 2H); 2.67−2.71 (m, 2H); 4.09−4.18 (m, 2H); 4.84−4.90 (m, 1H); 5.38−5.48 (m, 2H); 7.11−7.31 (m, 5H).
実施例5.4−フェニルブチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(4−フェニルブトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸の調製
四口丸底フラスコ内で、CDI(10.6g、65.5mmol)を、無水DMF(70mL)中の4−フェニルブタン−1−オール(5mL、32.8mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。室温で2時間撹拌後、水(70mL)およびEt3N(6.8mL、49.1mmol)中に溶解したD−トレオニン(3.90g、32.8mmol)を添加した。混合物を50℃で16時間加熱し、次いで冷却した。水(700mL)を添加し、混合物をEt2O(3×300mL)で洗浄した。水相を2M HCl溶液で酸性化し、次いでAcOEt(3×500mL)で抽出した。回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をさらにトルエンと共蒸発させると、淡黄色の油(5.2g、54%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 296[M+H]+;294[M−H]−.Rf=0.34(Cy/AcOEt 2:8+1%CH3COOH).FTIR(cm−1):3332(br),3027,2978,2938,2863,1719(br),1525,1253,1069,779,748,699.
ステップ2.4−フェニルブチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、Et3N(5.5mL、39.4mmol)を、無水CH2Cl2(170mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(4−フェニルブトキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(3.9g、13.1mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HBTU(7.5g、19.7mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で3.5時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲル自動カラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(95:5から60:40)で溶出しながら粗生成物を精製した。得られた淡黄色の油(0.61g)を、さらにシクロヘキサンから結晶化させると、純粋な表題化合物(0.23g、6%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 276.24[M−H]−。FTIR (cm−1): 3312, 3060, 3026, 2942, 2861, 1826, 1694, 1545, 1337, 1269, 1126, 1023. 1H NMR (CDCl3): δ 1.45 (d, 3H); 1.66−1.70 (m, 4H); 2.63−2.66 (m, 2H); 4.09−4.18 (m, 2H); 4.83−4.89 (m, 1H); 5.36 (br d, 1H); 5.45 (m, 1H); 7.16−7.31 (m, 5H).
実施例6.5−フェニルペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−フェニルペンチル−クロロカーボネートの調製
四口丸底フラスコ内で、トリホスゲン(22.0g、74.2mmol)を、アルゴン下でトルエン(325mL)に溶解した。0℃で冷却後、ピリジン(19.2mL、237.5mmol)を1時間の間滴下により添加し、得られた懸濁液を0℃で1時間撹拌した。5−フェニルペンタノール(25mL、148.4mmol)を、30分で滴下により添加した。室温で16時間撹拌後、固体を濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(31.7g、94%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。Rf=0.75(Cy/AcOEt 8:2)。FTIR (cm−1): 3087, 3063, 3027, 2936, 2859, 1778, 1744, 1604, 1496, 1455, 1382, 1260, 1146, 1031, 941, 835, 731, 696.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−({[(5−フェニルペンチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸の調製
丸底フラスコ内で、NaHCO3(12.0g、143.2mmol)を、THF(30mL)および水(60mL)に懸濁させ、次いでD−トレオニン(6.8g、56.8mmol)を添加し、続いて5−フェニルペンチル クロロカーボネート(14.3g、63.1mmol)および触媒量(0.67g)のテトラブチルアンモニウムブロミドを添加した。室温で18時間撹拌後、混合物を水で希釈し、Et2Oで2回洗浄し、2M HCl溶液でpHを2に調節した。水相をAcOEt(4×150mL)で抽出し、回収された有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(20:80+1%CH3COOH)で溶出しながら粗生成物をを精製すると、表題化合物(3.15g、18%)が淡黄色の油として得られた。Rf=0.38(Cy/AcOEt 2:8+1%CH3COOH)。FTIR (cm−1): 3332 (br), 3027, 2935, 2859, 1714, 1530, 1454, 1415, 1257, 1072, 1007, 963, 870, 779, 748, 700. 1H NMR (CDCl3): δ 1,26 (d, 3H); 1,39 (m, 2H); 1,62−1,68 (m, 4H); 2.61 (t, 2H); 4.08 (t, 2H); 4.34 (d, 1H); 4.42 (d, 1H); 5.68 (d, 1H); 7.16−7.78 (m, 3H); 7.26−7.28 (m, 2H).
ステップ3.5−フェニルペンチル−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
二口丸底フラスコ内で、Et3N(0.34ml、2.42mmol)を、無水CH2Cl2(10mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−({[(5−フェニルペンチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−ブタン酸(0.25g、0.81mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HTBU(0.46g、1.21mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で16時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(98:2から80:20)で溶出しながら粗生成物を精製した。表題化合物(0.107g、45%)が白色固体として得られ、これをさらにシクロヘキサンと摺り混ぜた。MS (ESI) m/z: 290.21 [M−H]−. FTIR (cm−1): 3330, 3064, 3027, 2936, 2858, 1849, 1695, 1540, 1387, 1333, 1262, 1129, 1076, 1023, 985, 921, 845, 822, 741, 697. 1H NMR (CDCl3): δ 1.38 (m, 2H); 1.44 (d, 3H); 1.62−1.67 (m, 4H); 2.62 (t, 2H); 4.05−4.13 (m, 2H); 4.86 (m, 1H); 5.44 (t, 1H); 5.33 (d, 1H); 7.16−7.19 (m, 3H); 7.25−7.29 (m, 2H).
実施例7.[(1S)−1−メチルオクチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.[(1S)−1−メチルオクチル]−2−ピリジルカーボネートおよび[(1S)−1−メチルオクチル]−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の市販の(2S)−ノナン−2−オール(0.3g、2.07mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.025g、0.2mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.54g、2.49mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(4mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×4mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.55g、定量的)が、[(1S)−1−メチルオクチル]−2−ピリジルカーボネートおよび[(1S)−1−メチルオクチル]−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 304[M−K]+,288[M−Na]+,266[M−H]+,140.(ESI)m/z:264 [M−H]−.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[(1S)−1−メチルオクトキシ]−カルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
水(3mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3mL)中の[(1S)−1−メチルオクチル]−2−ピリジルカーボネートおよび[(1S)−1−メチルオクチル]−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの粗混合物(0.501g、1.88mmol)を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.220g、62%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 290 [M−H]+; (ESI) m/z: 288 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 0.87 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.15 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.21−1.34 (m, 10H), 1.40−1.57 (m, 2H), 3.92 (dd, J = 3.4, 9.0 Hz, 1H), 4.01−4.11 (m, 1H), 4.60−4.70 (m, 1H), 6.55 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 12.49 (s, 1H).
ステップ3.[(1S)−1−メチルオクチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[(1S)−1−メチルオクトキシ]−カルボニルアミノ]−ブタン酸(0.2g、0.69mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.29mL、2.07mmol)、その後TBTU(0.27g、0.83mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から40:60)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.1g、53%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 272 [M−H]+; (ESI) m/z: 270 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 0.85 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.15 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.20−1.31 (m, 10H), 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.41−1.56 (m, 2H), 4.63−4.74 (m, 1H), 4.83 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 6.3, 9.3 Hz, 1H), 8.11 (d, J = 9.3 Hz, 1H).
実施例8.(1S)および(1R)−1−(4−フェニルフェニル)−エチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.1−(4−フェニルフェニル)エチル−2−ピリジル−カーボネートおよび1−(4−フェニルフェニル)−エチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(4mL)中の市販の1−(4−フェニルフェニル)−エタノール(0.4g、2.01mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.024g、0.2mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.52g、2.42mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.63g、98%)が、1−(4−フェニルフェニル)エチル−2−ピリジル−カーボネートおよび1−(4−フェニルフェニル)エチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1.7:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 342[M−Na]+,276,181.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[−(1S)−(4−フェニルフェニル)−エトキシ]カルボニルアミノ]−ブタン酸および(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[−(1R)−(4−フェニルフェニル)−エトキシ]カルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
水(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の1−(4−フェニルフェニル)エチル−2−ピリジル−カーボネートおよび1−(4−フェニルフェニル)−エチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.60g、1.88mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.39g、90%)が、透明な油として、2つのジアステレオ異性体の混合物(比1:1)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 366[M−Na]+、361[M−NH4]+;(ESI)m/z:342[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(ジアステレオ異性体の1:1混合物として): δ 1.06 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.12 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.50 (d, J = 6.5 Hz, 6H), 3.92 (dd, J = 3.4, 9.1 Hz, 1H), 3.94 (dd, J = 3.4, 9.2 Hz, 1H), 4.02−4.11 (m, 2H), 5.74 (dq, J = 6.3 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.32−7.50 (m, 10H), 7.62−7.69 (m, 8H), 12.49 (s, 2H).
ステップ3.(1S)および(1R)−1−(4−フェニルフェニル)−エチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[−1−(4−ヘニルフェニル)−エトキシ]カルボニルアミノ]−ブタン酸(0.4g、1.16mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.49mL、3.49mmol)、その後TBTU試薬(0.45g、1.39mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から30:70)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.18g、47%)が、白色固体として、ジアステレオ異性体の混合物(比1:1)として得られた。MS(ESI) m/z: 348[M−Na]+;(ESI)m/z:324 [M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(ジアステレオ異性体の1:1混合物として): δ 1.33 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.35 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.52 (d, J = 6.6 Hz, 6H), 4.81−4.91 (m, 2H), 5.42 (dd, J = 6.2, 9.2 Hz, 2H), 5.76 (q, J = 6.5 Hz, 2H), 7.33−7.51 (m, 10H), 7.63−7.69 (m, 8H), 8.37 (d, J = 9.3 Hz, 2H).
実施例9.(1−ベンゾイル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.1−(フェニルカルボニル)−ピペリジン−4−オールの調製
四口丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、4−ヒドロキシピペリジン(5.32g、52.6mmol)をCH2Cl2(28mL)およびピリジン(28mL)に溶解した。0℃で冷却後、CH2Cl2(7mL)に溶解した塩化ベンゾイル(6.4mL、55.2mmol)を滴下により添加した。氷浴を取り外し、混合物を室温で3時間撹拌した。固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なカラムクロマトグラフィーにより、CH2Cl2/MeOH(20:1)で溶出しながら精製すると、表題化合物(7.6g、70%)が淡黄色の油として得られた。Rf = 0.21 (CH2Cl2/MeOH 20:1). MS (ESI) m/z: 206 [M−H]+. FTIR (cm−1): 3349, 3065, 3033, 3005, 2934, 2845, 1607, 1574, 1453, 1365, 1339, 1273, 1238, 1180, 1077, 998, 788, 730, 688.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[({[1−(フェニルカルボニル)ピペリジン−4−イル]オキシ}カルボニル)アミノ]−ブタン酸の調製
四口丸底フラスコ内で、アルゴン下、CDI(12.0g、74mmol)を無水DMF(100mL)中の1−(フェニルカルボニル)−ピペリジン−4−オール(7.6g、37mmol)の溶液に添加した。室温で2時間撹拌後、H2O(70mL)に溶解したD−トレオニン(4.42g、37mmol)およびEt3N(7.7mL、55.5mmol)を添加した。混合物を50℃で16時間加熱し、次いで室温に冷却した。水を添加し、混合物をEt2O(2×150mL)で洗浄した。水相を2M HCl溶液で酸性化し、次いでAcOEt(2×200mL)で抽出した。回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去した。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、AcOEt/MeOH(90:10+1%CH3COOH)で溶出しながら粗生成物を精製した。混合画分が得られ、同じ様式で精製すると、純粋な化合物(1.83g、14%)が白色固体として得られた。Rf = 0.25 (AcOEt/MeOH 9:1+ 1% CH3COOH). FTIR (cm−1): 3407 (br), 3056, 2925, 1720, 1560, 1450, 1266, 1235, 1068, 736.
ステップ3.(1−ベンゾイル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
四口丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、Et3N(1.2mL、8.56mmol)を、無水CH2Cl2(40mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[({[1−(フェニルカルボニル)ピペリジン−4−イル]オキシ}カルボニル)アミノ]−ブタン酸(1.0g、2.85mmol)の溶液に添加した。0℃で冷却後、HBTU(1.62g、4.28mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗混合物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、CH2Cl2/AcOEt(50:50)で溶出しながら精製した。得られた黄色固体を、逆相自動カラムクロマトグラフィーでH2O/CH3CN(70:30)で溶出しながらさらに精製すると、表題化合物(0.083g、9%)が白色固体として得られた。Rf = 0.47 (SiO2, CH2Cl2/AcOEt 1:1); Rf=0.39 (C18, 7:3 H2O/CH3CN). MS (ESI) m/z: 333 [M−H]+. FTIR (cm−1): 3414, 3222, 3050, 2965, 2929, 2871, 1825, 1720, 1612, 1550, 1449, 1262, 1232, 1119, 1068, 1031, 837, 711. 1H−NMR (CDCl3): δ 1.47 (d, 3H); 1.58−2.04 (m, 4H); 3.30−4.08 (m, 4H); 4.86−4.90 (m, 1H); 4.93−4.97 (m, 1H); 5.45 (t, 1H); 5.56 (br s, 1H); 7.39−7.44 (m, 5H).
実施例10.(1−メチルシクロヘキシル)−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(1−メチルシクロヘキシル)−(4−ニトロフェニル)−カーボネートの調製
磁気撹拌器および滴下漏斗を備える丸底フラスコ内で、CH2Cl2(20mL)を投入し、続いて1−メチルシクロヘキサノール(2mL、16.1mmol)およびピリジン(2.5mL、32.3mmol)を投入した。透明溶液を氷浴上で0℃で冷却し、10分後、CH2Cl2(10mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(3.25g、16.1mmol)の溶液を、10分の期間で滴下により添加した。白色沈殿物がほぼ瞬時に出現し、これは、混合物を室温で一晩撹拌し続けると黄色に変化した。次いで、水(20mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。2つの相を分離し、有機相を再び水(20mL)で洗浄し、次いでNa2SO4上で脱水した。溶媒を真空下で除去すると、油が得られ、これを、典型的なクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(70:30から1:1)で溶出しながら精製した。表題化合物が淡黄色の油として得られ(1.9g、42%)、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3): δ 1.25−1.65 (m, 8H), 1.57 (s, 3H), 2.20 (m, 2H), 7.36 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 8.26 (d, J = 9.1 Hz, 2H).
ステップ2.(1−メチルシクロヘキシル)−N−アミノカルバメートの調製
磁気撹拌器を備える丸底フラスコ内で、(1−メチルシクロヘキシル)−(4−ニトロフェニル)−カーボネート(0.816g、2.92mmol)をTHF(7mL)に溶解し、5分後にヒドラジン水和物(0.28mL、5.85mmol)を一度に添加した。瞬時に黄色い色が現れ、1時間で赤色へと深まった。室温で3時間後、1.25M NaOH溶液(20mL)およびMTBE(25mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。2つの相を分離し、有機相を再び1.25M NaOH溶液(15mL)で10分間(無色の溶液となるまで)洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濃縮すると、無色の油(0.497g、98%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3): δ 1.20−1.60 (m, 8H), 1.49 (s, 3H), 2.10 (m, 2H), 3.67 (bs, 2H), 5.81 (bs, 1H).
ステップ3.(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(1−メチルシクロヘキソキシ)カルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
磁気撹拌器を備える丸底フラスコ内に、(1−メチルシクロヘキシル)−N−アミノカルバメート(0.497g、2.89mmol)、H2O(4mL)およびCH3COOH(0.33mL、5.78mmol)を順次加えた。混合物を0℃に冷却し、H2O(1mL)に溶解したNaNO2(0.239g、3.47mmol)を滴下により添加した。濁った混合物を室温で40分間撹拌し、次いでジオキサン(10mL)を添加し、続いてD−トレオニン塩溶液[H2O(4mL)に溶解したD−トレオニン(0.516g、4.33mmol)およびNa2CO3(1.25g、11.56mmol)から調製された]を添加した。混合物を45℃で一晩加熱し、次いで室温に冷却した。AcOEt(50mL)およびH2O(50mL)を添加し、激しい撹拌を維持しながら、2M HCl溶液でpHを2に調節した。2つの相を分離し、有機相を再びAcOEt(15mL)で10分間洗浄した。合わせた有機部分をNa2SO4上で脱水し、濃縮すると、淡黄色の油(0.503g、67%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 282.3 [M−Na]+; (ESI) m/z: 258.1 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.10−1.65 (m, 8H), 1.40 (s, 3H), 2.04 (m, 2H), 3.89 (dd, J = 9.3, 3.2 Hz, 1H), 4.06 (m, 1H), 6.31 (d, J = 9.3, 1H), 12.08 (bs, 1H).
ステップ4.(1−メチルシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
磁気撹拌器および滴下漏斗を備える丸底フラスコ内で、(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(1−メチルシクロヘキソキシ)カルボニルアミノ]−ブタン酸(0.503g、1.95mmol)を無水CH2Cl2(50mL)に溶解した。透明黄色溶液を0℃に冷却し、PyBOP(1.22g、2.34mmol)を添加し、続いて無水CH2Cl2(5mL)中のEt3N溶液(0.815mL、5.85mmol)を、10分の期間にわたり滴下により添加した。粗混合物を0℃で1時間、次いで室温で一晩撹拌した。反応物を5%NaHCO3溶液(50mL)の添加によりクエンチし、対応する混合物を10分間激しく撹拌した。2つの相を分離し、有機相を回収し、Na2SO4上で脱水し、乾燥するまで濃縮すると油が残り、これを、典型的なクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt混合物(9:1から7:3)で溶出しながら精製した。表題化合物が白色固体(0.070g、15%)として得られた。融点: 92〜93℃。MS (ESI) m/z: 242.2 [M−H]+; (ESI) m/z: 240.1 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.15−1.60 (m, 8H) 1.35 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.42 (s, 3H), 2.02 (m, 2H), 4.83 (m, 1H), 5.35 (dd, J = 9.2, 6.3 Hz, 1H), 7.98 (d, J = 9.2 Hz, 1H).
実施例11.(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−(4−ニトロフェニル)−カーボネートの調製
磁気撹拌器を備える火力乾燥させた丸底フラスコ内で、特許出願WO2004/041161に記載のように調製した4−メチルテトラヒドロピラン−4−オール(1.5g、12.9mmol)を、CH2Cl2(30mL)に溶解した。混合物を0℃に冷却し、次いでピリジン(2.04mL、25.82mmol、2等量)およびCH2Cl2(10mL)中のクロロギ酸p−ニトロフェニル(3.38g、16.78mmol)溶液を徐々に添加した。白色沈殿物がほぼ瞬時に出現し、混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、粗混合物をCH2Cl2で希釈し、1M HCl溶液、飽和NaHCO3溶液、最後にブラインで洗浄した。2つの相を分離し、有機相をNa2SO4上で脱水した。減圧下で有機物を除去すると、粗黄色固体(3.8g)が、所望の生成物およびクロロギ酸p−ニトロフェニルの1:1混合物として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3): δ 1.67 (s, 3H), 1.87 (m, 2H), 2.23 (m, 2H), 3.78 (m, 4H), 7.39 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 8.29 (d, J = 9.0 Hz, 2H)
ステップ2.(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−N−アミノカルバメートの調製
磁気撹拌器を備える丸底フラスコ内で、前のステップからの粗(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−(4−ニトロフェニル)−カーボネート(約 3.8g)をTHF(50mL)に溶解し、次いでヒドラジン水和物(1.97mL、40.57mmol)を一度に添加した。瞬時に黄色い色が現れ、1時間で赤色へと深まった。3時間後、1.25M NaOH溶液(50mL)およびAcOEt(50mL)を添加し、混合物を20分間撹拌した。相を分離し、水相をさらにAcOEt(25mL)で洗浄した。合わせた有機液を1.25M NaOH溶液(30mL)で洗浄し(無色透明となるまで)、Na2SO4上で脱水し、濃縮すると、無色の油(2つのステップにわたり0.540g、24%)が残り、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3) δ 1.58 (s, 3H), 1.73 (m, 2H), 2.15 (m, 2H), 3.73 (m, 6H), 6.0 (bs, 1H).
ステップ3.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)オキシカルボニルアミノ]−ブタン酸の合成
磁気撹拌器を備える丸底フラスコ内に、(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−N−アミノカルバメート(0.540g、3.10mmol)、H2O(10mL)およびCH3COOH(0.35mL、6.20mmol)を順次加えた。得られた混合物を0℃に冷却し、H2O(2mL)に溶解したNaNO2(0.354g、3.72mmol)を滴下により添加した。濁った混合物を、室温で1.5時間撹拌した。ジオキサン(20mL)、続いてD−トレオニン塩溶液[H2O(4mL)中のD−トレオニン(0.554g、4.65mmol)溶液およびNa2CO3(1.34g、12.40mmol)から調製された]を、混合物に添加した。45℃で一晩放置した後、次いで粗混合物を室温に冷却し、次いでH2O(30mL)およびAcOEt(80mL)を添加し、激しい撹拌を維持しながら、2M HCl溶液でpHを2に調節した。相を分離し、水相をAcOEt(2×50mL)で洗浄した。合わせた有機液をNa2SO4上で脱水し、濃縮すると、淡黄色の油(0.647g、80%)が残り、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 284.1 [M−Na]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.47 (s, 3H), 1.63 (m, 2H), 1.99 (m, 2H), 3.61 (m, 5H), 3.90 (dd, J = 9.4, 6.3 Hz, 1H), 4.09 (m, 1H), 6.53 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 12.20 (bs, 1H).
ステップ4.(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
磁気撹拌器および滴下漏斗を備える丸底フラスコ内で、(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[(4−メチルテトラヒドロピラン−4−イル)オキシカルボニルアミノ]−ブタン酸(0.2g、0.77mmol)を無水CH2Cl2(7mL)に溶解した。透明黄色溶液を0℃に冷却し、PyBOP(0.48g、0.92mmol)を添加し、続いて無水CH2Cl2(5mL)中のEt3N(0.32mL、3.85mmol)溶液を、10分の期間にわたり滴下により添加した。粗混合物を、0℃で1時間、次いで室温で一晩撹拌した。反応物を5%NaHCO3溶液(10mL)でクエンチし、対応する混合物を10分間激しく撹拌した。2つの相を分離し、有機相を回収し、Na2SO4上で脱水し、乾燥するまで濃縮すると油が残り、これを、典型的なクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(20:80から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.036g、19%)が淡黄色の油として得られた。MS(ESI) m/z: 244.1 [M−H]+; (ESI) m/z: 242.2 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.20 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.48 (s, 3H), 1.67 (m, 2H), 1.99 (m, 2H), 3.60 (m, 4H), 4.83 (m, 1H), 5.37 (dd, J = 9.3, 6.3 Hz, 1H), 8.12 (d, J = 9.3 Hz, 1H).
実施例12.トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル クロロカーボネートの調製
四口丸底フラスコ内で、トリホスゲン(9.75g、32.8mmol)を、アルゴン雰囲気下でトルエン(140mL)に溶解した。0℃で冷却後、ピリジン(8.5mL、105mmol)を1時間の間滴下により添加し、得られた懸濁液を0℃でさらに1時間撹拌した。1−アダマンタノール(10.0g、65.7mmol)を少しずつ添加した。室温で24時間撹拌後、固体を濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(12.3g、88%)が黄色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。FTIR(cm−1):2913,2854,1780,1455,1354,1152,1038,957,835,802.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸の調製
丸底フラスコ内で、NaHCO3(1.78g、21.2mmol)をTHF(4.5mL)およびH2O(9mL)に懸濁させ、次いでD−トレオニンを添加した(1.0g、8.39mmol)。トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルクロロカーボネート(2.0g、9.33mmol)を徐々に添加し、続いて触媒量(0.1g)のテトラブチルアンモニウムブロミドを添加した。室温で18時間撹拌後、混合物を水で希釈し、Et2Oで2回洗浄し、2M HCl溶液で水相のpHを2に調節した。水相をAcOEtで4回抽出し、回収された有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、溶媒を真空下で除去すると、表題化合物(0.250g、10%)が白色固体として得られた。Rf=0.38(AcOEt+1%CH3COOH、検出:ニンヒドリン)。FTIR(cm−1):3421,2911,2852,1718,1509,1254,1068.
ステップ3.トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イル[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
二口丸底フラスコ内で、Et3N(0.34ml、2.42mmol)を、無水CH2Cl2(12mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−{[(トリシクロ[3.3.1.13,7]デカ−1−イルオキシ)カルボニル]アミノ}ブタン酸(0.240g、0.81mmol)の溶液に、アルゴン下で添加した。0℃で冷却後、HBTU(0.459g、1.21mmol)を添加し、混合物を0℃で3時間、次いで室温で16時間撹拌した。得られた固体を濾過し、溶媒を真空下で除去した。典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(90:10)で溶出しながら粗混合物を精製した。得られた白色固体(0.093g)を、さらにシクロヘキサンと摺り混ぜると、純粋な表題化合物(0.065g、29%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 278.31[M−H]−。Rf=0.19(Cy/AcOEt 9:1、検出:ニンヒドリン)。FTIR (cm−1): 3338, 2912, 2854, 1828, 1688, 1533, 1457, 1342, 1253, 1120, 1069, 1020, 970, 886, 820. 1H−NMR (CDCl3): δ 1.46 (d, 3H); 1.66 (m, 6H); 2.09 (m, 4H); 2.18 (m, 5H); 4.84 (m, 1H); 5.14 (d, 1H); 5.40 (t, 1H).
実施例13.tert−ブチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートおよびtert−ブチル−N−[(2S*,3S*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.メチル 2−(プロパノイルアミノ)−アセテートの調製
丸底フラスコ内で、Et2O(2.0mL)中のグリシンメチル塩酸塩(0.68g、5.4mmol)の撹拌懸濁液に、塩化プロパノイル(1.0g、10.8mmol)および飽和K2CO3溶液(3.8mL)を、0℃で加えた。反応混合物を0℃で3時間撹拌し、次いでEt2O(3×10mL)で抽出し、得られた有機相を飽和NaHCO3溶液、H2O、およびブラインで洗浄した。水相をNaClで飽和させ、AcOEt(50mL)でさらに抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4上で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮すると、粗表題化合物(0.55g、71%)が無色の油として得られ、これを次の反応に使用した。MS(ESI) m/z: 168[M−Na]+,146[M−H]+.
ステップ2.メチル−2−[tert−ブトキシカルボニル−(プロパノイル)−アミノ]−アセテートの調製
丸底フラスコ内で、CH3CN(2.0mL)中の粗メチル 2−(プロパノイルアミノ)−アセテート(0.78g、5.4mmol)の混合物に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.46g、6.7mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(0.053g、0.43mmol)を、室温で添加した。室温で一晩撹拌後、反応混合物を真空下で濃縮し、残渣をAcOEtに溶解した。有機層をKHSO4溶液およびブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が得られ、これを、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.862g、65%)が無色の油として得られた。MS(ESI) m/z: 268 [M−Na]+. 1H NMR (CDCl3): δ 1.18 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.52 (s, 9H), 2.97 (q, J = 7.3 Hz, 2H), 3.76 (s, 3H), 4.48 (s, 2H).
ステップ3.メチル−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエートの調製
アルゴン雰囲気下、無水THF(4mL)中のメチル−2−[tert−ブトキシカルボニル−(プロパノイル)−アミノ]−アセテート(0.856g、3.5mmol)の撹拌溶液に、まずDMPU(0.89g、7.0mmol)を、続いてLHMDS(THF中1M溶液、8.75mL、8.75mmol)を、−78℃で10分の期間にわたり添加した。−78℃で1.5時間撹拌後、反応混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチし、AcOEt(3×15mL)で抽出した。有機層をH2Oおよびブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が得られ、これを、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、純粋な化合物(0.694g、81%)が無色の結晶として得られた。MS(ESI) m/z: 268 [M−Na]+. 1H NMR (CDCl3): δ 1.13 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H), 2.57−2.87 (m, 2H), 3.82 (s, 3H), 5.07 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 5.73 (d, J = 4.5 Hz, 1H).
ステップ4.anti:syn メチル−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、激しい撹拌下、THF/MeOHの1:1混合物(8mL)中のメチル−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエート(0.48g、1.95mmol)の溶液に、NaBH4(0.028g、0.73mmol)を0℃で添加し、温度を室温に上昇させながら反応物を2時間撹拌した。反応混合物をH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗生成物をAcOEtに溶解し、ブラインで洗浄し、次いでNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が得られ、これを、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な生成物(0.361g、75%)が、白色固体として、ジアステレオマー混合物(anti:syn=8:2)として得られた。MS(ESI) m/z: 270 [M−Na]+. 1H NMR (CDCl3): δ 1.02 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.47 (s, 9H), 1.50−1.56 (m, 2H), 2.68 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.80−3.88 (m, 1H), 4.41 (d, J = 1.5 Hz, 1H), 5.47 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ5.anti:syn 2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタン酸の調製
アセトン/DMFの6:4混合物(28mL)中のメチル−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.532g、2.15mmol)の撹拌溶液に、1M NaOH溶液(2.15mL)を添加し、反応物を室温で1時間撹拌した。溶媒の蒸発後、粗混合物をAcOEtに溶解し、H2Oで洗浄し、1M NaH2PO4溶液でpHを4.5に調節した。次いで、有機層をNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物(0.425g、85%)が、白色固体として、ジアステレオマー混合物(anti:sin=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 256 [M−Na]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 0.87 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 1.39−1.44 (m, 2H), 3.51−3.61 (m, 1H), 3.90 (dd, J = 5.8, 8.5 Hz, 1H,), 4.83 (s, 1H), 6.76 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 12.36 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ6.tert−ブチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートおよびtert−ブチル−N−[(2S*,3S*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
無水CH
2Cl
2(17mL)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(0.173mg、0.74mmol)の撹拌溶液に、Et
3N(0.255g、2.3mmol)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)(0.463mg, 0.89mmol)を室温で添加し、反応物を一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粗生成物を、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル/AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、ジアステレオ異性体の混合物(anti:sin=8:2)(0.081g)が白色固体として得られた。ジアステレオマー混合物を、典型的なシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテル/TBME(100:0から80:20)で溶出しながらさらに精製すると、純粋なジアステレオ異性体、tert−ブチル−N−[(2S
*,3R
*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート(0.0095g、6%)およびtert−ブチル−N−[(2S
*,3S
*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート(0.0382g、24%)が、白色固体として得られた。
tert−ブチル−N−[(2S
*,3R
*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート: MS(ESI) m/z: 238[M−Na]
+.
1H NMR (DMSO−d
6): δ 0.88 (t, J = 7.4 Hz, 3H), 1.41 (s, 9H), 1.59−1.83 (m, 2H), 4.57 (dd, J = 6.2, 14.1 Hz, 1H), 5.39 (dd, J = 6.0, 9.5 Hz, 1H,), 7.99 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
tert−ブチル−N−[(2S
*,3S
*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート:
1H NMR (DMSO−d
6): δ 0.91 (t, J = 7.4 Hz, 3H,), 1.40 (s, 9H), 1.68−1.90 (m, 2H), 4.49 (td, J = 4.4, 6.8 Hz, 1H), 4.64 (dd, J = 4.3, 8.1 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 1H).
(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネートの調製
Solorzano et al., Journal of Medicinal Chemistry 2010, 53, 5770−5781に記載のように、化合物を合成した。
実施例14.(3−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.3−フェニルベンズアルデヒドの調製
マイクロ波管内で、トルエン/EtOHの1:1混合物(14mL)中のブロモ−ベンゼン(0.5g、3.18mmol)の溶液に、3−ホルミルフェニルボロン酸(0.573g、3.82)、パラジウム−テトラキス(トリフェニルホスフィン)(0.184g、0.159mmol)および10%Na2CO3溶液(7mL)を順次添加した。反応を、マイクロ波照射下で、100℃で30分間進行させた。粗生成物を、AcOEtおよびブラインで希釈し、抽出した。有機層を分離し、Na2SO4上で脱水し、セライトのパッド上で濾過すると、有機画分が得られ、これを乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.671g、定量的)が得られた。1H NMR(CDCl3):δ8.23−7.36(m, 9H)、10.13(s, 1H)。
ステップ2.(3−フェニルフェニル)−メタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水MeOH(10mL)中のNaBH4(0.56g、14.7mmol)の撹拌溶液に、無水MeOH(7mL)中の3−フェニルベンズアルデヒド(0.67g、3.68mmol)を、0℃でカニューレで添加した。1時間後、粗生成物を水でクエンチし、乾燥するまで濃縮した。得られた油をAcOEtに溶解し、水で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、その後、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から50:50)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.432g、64%)が純粋な生成物として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.62−1.78 (m, 1H), 4.80 (d, J = 6.0, 1H), 7.33−7.75 (m, 9H).
ステップ3. (3−フェニルフェニル)メチル−2−ピリジル−カーボネートおよび3−フェニルフェニル)メチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の3−フェニルフェニルメタノール(0.3g、1.63mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.340mL、2.44mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.387g、1.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間放置し、CH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、暗色の油(0.487g、98%)が、3−フェニルフェニル)メチル−2−ピリジル−カーボネートおよび3−フェニルフェニル)メチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 328[M−Na]+、306[M−H]+、262、167。
ステップ4. (3−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.120g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)に溶解した(3−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.402g、1.32mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、シクロヘキサン/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.045g、32%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 334 [M−Na]+. 1H−NMR (DMSO−d6): δ 1.36 (d, J = 6.4, 3H), 4.88 (dq, J1=J2= 6.3, 1H), 5.08−5.29 (m, 2H), 5.47 (dd, J = 9.3, J=6.2, 1H), 7.31−7.79 (m, 9H), 8.40 (d, J = 9.3, 1H).
実施例15.5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−(4−フルオロフェニル)−ペンタン−1−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(5mL)中のLiAlH4(0.46g、12.23mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(35mL)中の5−(4−フルオロフェニル)−ペンタン酸(0.6g、3.05mmol)を0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.46mL)、3M KOH溶液(0.46mL)およびH2O(1.54mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.53g、95%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.36−1.47 (m, 2H), 1.58−1.71 (m, 4H), 2.58−2.65 (m, 2H), 3.66 (t, J = 5.8 Hz, 2H), 6.94−7.02 (m, 2H), 7.11−7.17 (m, 2H).
ステップ2.5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の5−(4−フルオロフェニル)−ペンタン−1−オール(0.3g、1.64mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.34mL、2.5mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.409g、1.89mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、橙色の油(0.44g、88%)が、5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1:5)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 304[M−H]+、266。
ステップ3.5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.100g、0.36mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.060mL、0.36mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(4mL)中の5−(4−フルオロフェニル)−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.55g、1.83mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.040g、35%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 310[M−H]+;(ESI)m/z:308[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.27−1.37 (m, 5H), 1.52−1.64 (m, 4H), 2.53−2.59 (m, 2H), 3.93−4.06 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.04−7.13 (m, 2H), 7.18−7.26 (m, 2H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例16.7−フェニルヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.7−フェニルヘプタン−1−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(35mL)中のLiAlH4(0.51g、13.57mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(5mL)中の7−フェニルヘプタン酸(0.7g、3.39mmol)を0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.51mL)、3M KOH溶液(0.51mL)およびH2O(1.70mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.586g、90%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.17−1.27 (m, 1H), 1.34−1.43 (m, 6H), 1.53−1.71 (m, 4H), 2.59−2.67 (m, 2H), 3.66 (t, J = 6.5 Hz, 2H), 7.16−7.23 (m, 3H), 7.26−7.34 (m, 2H).
ステップ2.7−フェニルヘプチル−2−ピリジル−カーボネートおよび7−フェニルヘプチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(4mL)中の7−フェニルヘプタン−1−オール(0.44g、2.28mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.027g、0.23mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.593g、2.74mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、無色の油(0.72g、98%)が、7−フェニルヘプチル−2−ピリジル−カーボネートおよび7−フェニルヘプチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:1.5)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 352[M−K]+、336[M−Na]+、314[M−H]+.
ステップ3.7−フェニルヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.100g、0.36mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.060mL、0.36mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(4mL)中の7−フェニルヘプチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.34g、1.1mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.038g、33%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 320[M−H]+;(ESI)m/z:318[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.24−1.38 (m, 9H), 1.49−1.62 (m, 4H), 2.53−2.61 (m, 2H), 3.93−4.07 (m, 2H), 4.85 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 6.3, 9.4 Hz, 1H), 7.13−7.21 (m, 3H), 7.24−7.30 (m, 2H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例17.(4−フェニルフェニル)メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(4mL)中の市販の(4−フェニルフェニル)−メタノール(0.3g、1.63mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.01g、0.16mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.46g、2.11mmol)を添加した。反応混合物を室温で5時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、暗色の油(0.48g、96%)が、(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.5:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 306[M−H]+、262、167;(ESI−) m/z:249、205、155。
ステップ2.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.12g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.40g、1.31mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.04g、30%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 329[M−NH4]+、350[M−K]+;(ESI)m/z:310 [M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.37 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 4.88 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 12.5 Hz, 1H), 5.16 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 5.47 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.35−7.41 (m, 1H), 7.45−7.51 (m, 4H), 7.66−7.71 (m, 4H), 8.40 (d, J = 9.3 Hz, 1H).
実施例18.3−ベンジルオキシプロピル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.3−ベンジルオキシプロピル−2−ピリジル−カーボネートおよび3−ベンジルオキシプロピル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の市販の3−ベンジルオキシプロパン−1−オール(0.3g、1.80mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.022g、0.18mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.51g、2.34mmol)を添加した。反応混合物を室温で4時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、薄い橙色の油(0.47g、98%)が、3−ベンジルオキシプロピル−2−ピリジル−カーボネートおよび3−ベンジルオキシプロピル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.6:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 326[M−K]+、310[M−Na]+、288[M−H]+、186、148;(ESI−)m/z: 286、249、205、155。
ステップ2.3−ベンジルオキシプロピル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.10g、0.36mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.06mL、0.36mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中の3−ベンジルオキシプロピル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.294g、1.02mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.045 g、41%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 294[M−H]+;(ESI)m/z:292[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.34 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.81−1.91 (m, 2H), 3.50 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 4.04−4.16 (m, 2H), 4.47 (s, 2H), 4.85 (dq, J = 6.2 Hz, 1H), 5.42 (dd, J = 6.2, 9.3 Hz, 1H), 7.25−7.40 (m, 5H), 8.23 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
.
実施例19.4−シクロヘキシルブチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.4−シクロヘキシルブチル−2−ピリジル−カーボネートおよび4−シクロヘキシルブチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(23mL)中の市販の4−シクロヘキシルブタン−1−オール(0.8mL、4.6mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.056g、0.46mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(1.29g、5.98mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(6mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×6mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、薄灰色の油(1.10g、定量的)が、4−シクロヘキシルブチル−2−ピリジル−カーボネートおよび4−シクロヘキシルブチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 316[M−K]+、300[M−Na]+、278 [M−H]+、140。(ESI) m/z:276[M−H]−、249、205、155。
ステップ2.4−シクロヘキシルブチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.12g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.07mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中の4−シクロヘキシルブチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.36g、1.31mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.050g、40%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 284[M−H]+;(ESI)m/z:282[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 0.78−0.93 (m, 2H), 1.08−1.27 (m, 7H), 1.27−1.39 (m, 1H), 1.35 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.49−1.73 (m, 7H), 3.94−4.06 (m, 2H), 4.85 (dq, J = 6.4 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 6.0, 9.4 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例20.(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.2,2−ジメチル−4−フェニル−ブタン酸の調製
無水THF(50mL)中のジイソプロピルアミン(2.2mL、15mmol)および水素化ナトリウム[鉱物油中60%](0.66g、16.5mmol)の撹拌混合物に、イソ酪酸(1.4mL、15mmol)を滴下により添加した。混合物を15分間還流し、0℃に冷却し、ヘキサン(5.45mL、14mmol)中の2.5M n−ブチルリチウム(BuLi)を添加した。0℃で20分後、混合物を30〜35℃に30分間加熱した。次いで、溶液を0℃に冷却し、(2−ブロモエチル)−ベンゼン(2.8mL、15mmol)を20分にわたり徐々に添加した。30〜35℃で約1時間後、温度を15℃未満に維持しながら、水(40mL)を添加することにより反応をクエンチした。水層を分離し、有機層をEt2O/H2O(1:1)の混合物で洗浄した。水層を合わせ、Et2O(20mL)で抽出し、2M HCl溶液で酸性化し、生成物をEt2O(2×30mL)でさらに抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、表題化合物(0.619g、21%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.31 (s, 6H), 1.86−1.95 (m, 2H), 2.59−2.68 (m, 2H), 7.17−7.33 (m, 5H).
ステップ2.2,2−ジメチル−4−フェニル−ブタン−1−オールの調製
0℃、窒素雰囲気下で、無水Et2O(25mL)中のLiAlH4(0.49g、12.8mmol)の撹拌混合物に、Et2O(10mL)中の2,2−ジメチル−4−フェニル−ブタン酸(0.62g、3.22mmol)を、滴下により添加した。混合物を室温で4時間放置し、次いでH2O(0.5mL)、続いて3M KOH溶液(0.5mL)およびH2O(1.64mL)を徐々に添加することにより、0℃でクエンチした。混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで粗生成物を濾過し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.540g、94%)が淡黄色の透明な油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 0.96 (s, 6H), 1.55−1.64 (m, 2H), 2.58−2.65 (m, 2H) 3.41 (s, 2H), 7.17−7.33 (m, 5H).
ステップ3.(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−2−ピリジルカーボネートおよび(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の2,2−ジメチル−4−フェニル−ブタン−1−オール(0.2g、1.53mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.45mL、3.25mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.51g、2.38mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、橙色の油(0.57g、88%)が、(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−2−ピリジルカーボネートおよび(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比3:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 322[M−Na]+、278[M−H]+、161。
ステップ4.2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.120g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中に溶解した(2,2−ジメチル−4−フェニル−ブチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.39g、1.32mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.051g、37%)が無色の油として得られた。MS(ESI) m/z: 306[M−H]+;(ESI)m/z:304[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 0.95 (s, 6H), 1.35 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.47−1.55 (m, 2H), 2.48−2.58 (m, 2H), 3.79−3.91 (m, 2H), 4.86 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.43 (dd, J = 6.1, 9.3 Hz, 1H), 7.12−7.31 (m, 5H), 8.25 (d, J = 9.3 Hz, 1H).
実施例21.(1−ベンジル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(1−ベンジル−4−ピペリジル)−2−ピリジルカーボネートおよび(1−ベンジル−4−ピペリジル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の1−ベンジルピペリジン−4−オール(0.3g、1.57mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.33mL、2.35mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.508g、2.35mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色の油(0.505g、99%)が、(1−ベンジル−4−ピペリジル)−2−ピリジルカーボネートおよび(1−ベンジル−4−ピペリジル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 313[M−H]+、218、174。
ステップ2.(1−ベンジル−4−ピペリジル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.120g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中に溶解した(1−ベンジル−4−ピペリジル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.34g、1.09mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(0.050g、21%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 319 [M−H]+; (ESI) m/z: 317 [M−H]−.1H NMR (DMSO−d6): δ 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.49−1.64 (m, 2H), 1.77−1.91 (m, 2H), 2.11−2.26 (m, 2H), 2.58−2.71 (m, 2H), 3.46 (s, 2H), 4.47−4.66 (m, 1H), 4.84 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.19−7.38 (m, 5H), 8.21 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例22.[(1R)および(1S)−1−メチル−5−フェニル−ペンチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−フェニルペンタン−1−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(55mL)中のLiAlH4(0.84g、22.44mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(10mL)中の5−フェニルペンタン酸(1.00g、5.61mmol)を0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.85mL)、3M KOH溶液(0.85mL)およびH2O(2.85mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.881g、95%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.36−1.46 (m, 2H), 1.54−1.72 (m, 5H), 2.58−2.71 (m, 2H), 3.59−3.71 (m, 2H), 7.14−7.33 (m, 5H).
ステップ2.5−フェニルペンタナールの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(12mL)中の塩化オキサリル(0.53mL、6.17mmol)の撹拌溶液に、DMSO(0.40mL、5.7mmol)を−78℃で迅速に添加した。15分後、無水CH2Cl2(6mL)中の5−フェニルペンタン−1−オール(0.78g、4.75mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で2時間撹拌してから、Et3N(1.98mL、14.24mmol)を添加した。溶液を室温に温め、CH2Cl2の蒸発後、残渣をEt2Oおよび飽和NH4Cl溶液に吸収させた。相の分離後、有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.75g、97%)が純粋な生成物として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.67−1.73 (m, 4H), 2.44−2.52 (m, 2H), 2.60−2.71 (m, 2H), 7.16−7.35 (m, 5H), 9.78 (t, J = 1.8 Hz, 1H).
ステップ3.6−フェニル−ヘキサン−2−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水THF(20mL)中の5−フェニルペンタナール(0.8g、4.93mmol)の撹拌溶液に、Et2O(3.39mL、5.42mmol)中の1.6Mメチルリチウム(MeLi)溶液を−78℃で滴下により添加した。反応物を−78℃で2時間、次いで室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を0℃で冷却し、水でクエンチした。THFを回転蒸発させ、粗混合物をCH2Cl2に溶解し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮した。粗混合物を、Cy/TBME(100:0から50:50)で溶出しながらTeledyne ISCO装置を使用してシリカ上で精製すると、純粋なアルコール(0.2g、23%)が得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.21 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.25−1.75 (m, 7H), 2.60−2.71 (m, 2H), 3.76−3.87 (m, 1H), 7.16−7.35 (m, 5H).
ステップ4.(1−メチル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−メチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の6−フェニル−ヘキサン−2−オール(0.2g、1.12mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.23mL、1.68mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.508g、2.35mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.3g、91%)が、(1−メチル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−メチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 322[M−Na]+、300[M−H]+.
ステップ5.[(1R)および(1S)−1−メチル−5−フェニル−ペンチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.100g、0.36mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.060mL、0.36mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中に溶解した(1−メチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.31g、1.02mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.035g、32%)が、2つのジアステレオ異性体の純粋な混合物(比=1:1)として得られた。MS(ESI) m/z: 306[M−H]+;(ESI)m/z:304[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.12−1.21 (m, 6H), 1.26−1.38 (m, 10H), 1.46−1.64 (m, 8H), 2.52−2.61 (m, 4H), 4.64−4.75 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.2 Hz, 2H), 5.39 (dd, J = 6.2, 9.3 Hz, 2H), 7.12−7.31 (m, 10H), 8.12 (d, J = 9.3 Hz, 2H).
実施例23.(1−メチルシクロペンチル) N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(1−メチルシクロペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−メチルシクロペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
無水CH2Cl2(3mL)中の1−メチルシクロペンチルアルコール(0.3g、2.99mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下で、4−ジメチルアミノピリジン(0.036g、0.29mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.681g、3.14mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液で、その後飽和NaHCO3溶液で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い透明な油(0.378g、57%)が(1−メチルシクロペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−メチルシクロペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比4:6)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 260[M−K]+、244[M−Na]+.
ステップ2.(1−メチルシクロペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]カルバメートの調製
窒素雰囲気下の無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.07g、0.25mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.044mL、0.25mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中の(1−メチルシクロペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.23g、1.02mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を、室温で15時間撹拌した。粗混合物を乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーで、Cy/TBME(100:0から60:40)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.031g、55%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 250 [M−Na]+; (ESI) m/z: 226 [M−H]− 1H−NMR (DMSO): δ 1.34 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.51 (s, 3H), 1.55−175 (m, 6H), 1.95−2.10 (m, 2H), 4.83 (dq, J1 = J2 = 6.3 Hz, 1H), 5.36 (dd, J = 9.2, 6.2 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 9.2 Hz, 1H).
実施例24.(3−ブチルオキセタン−3−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.3−ブチルオキセタン−3−オールの調製
無水THF(6mL)中の3−オキセタノン(0.5g、6.93mmol)の撹拌溶液に、−78℃、窒素雰囲気下で、ヘキサン(3.05mL、7.62mmol)中のブチルリチウム(BuLi)の2.5M溶液を、10分にわたり滴下により添加した。反応物を−78℃で3時間反応させ、次いで水でクエンチし、乾燥するまで濃縮した。粗混合物をCH2Cl2に溶解し、Na2SO4上で脱水した。有機溶液を濾過し、乾燥するまで濃縮すると、淡黄色の油(0.505g)が得られた。粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.45g、50%)が透明の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 0.90−1.04 (m, 3H), 1.36−1.47 (m, 4H), 1.79−1.93 (m, 2H), 4.53 (d, J=7.1, 2H), 4.59 (d, J=6.9, 2H).
ステップ2.(3−ブチルオキセタン−3−イル) 2−ピリジルカーボネートおよび(3−ブチルオキセタン−3−イル) 2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
無水CH2Cl2(3mL)中の3−ブチルオキセタン−3−オール(0.2g、1.53mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下で、4−ジメチルアミノピリジン(0.019g、0.15mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.365g、1.68mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、淡褐色の固体(0.329g、86%)が、(3−ブチルオキセタン−3−イル)2−ピリジルカーボネートおよび(3−ブチルオキセタン−3−イル) 2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 252[M−H]+、208、190、178;(ESI)m/z:250[M−H]−、141。
ステップ3.(3−ブチルオキセタン−3−イル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.120g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)に溶解した(3−ブチルオキセタン−3−イル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.33g、1.31mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、次いで乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(0.025g、22%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 258[M−H]+;(ESI)m/z:256 [M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 0.84−0.96 (m, 3H), 1.21−.140 (m, 4H), 1.36 (d, J=6.3, 3H), 1.98−2.11 (m, 2H), 4.45 (d, J=7.4, 2H), 4.59 (t, J=6.6, 2H), 4.86 (dq, J1=J2=6.2 Hz, 1H), 5.39 (dd, J1=9.3 J2=6.1 Hz, 1H), 8.43 (d, J= 9.2 Hz, 1H).
実施例25.(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジルカーボネートおよび(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、Khalaf et al. Journal Organic Chemistry 1972, 37, 4227−4235(化合物9)に記載のように調製された2−メチル−6−フェニル−ヘキサン−2−オール(0.5g、2.66mmol)の、無水CH2Cl2(3mL)中の撹拌混合物に、4−ジメチルアミノピリジン(0.036g、0.29mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.618g、2.86mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間放置し、CH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い透明な油(0.507g、62%)が、(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジルカーボネートおよび(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比7:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 352[M−K]+、336[M−Na]+.
ステップ2.(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.07g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.044mL、0.25mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)に溶解した(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.321g、1.02mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーで、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(0.025g、31%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 342[M−Na]+;(ESI)m/z:318[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.32 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.30−1.39 (m, 2H), 1.36 (s, 3H), 1.37 (s, 3H), 1.62−1.50 (m, 2H), 1.83−1.69 (m, 2H), 2.62−2.54 (m, 2H), 4.82 (dq, J1 = J2 = 6.2 Hz, 1H), 5.34 (dd, J = 9.3, 6.1 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 7.10−7.30 (m, 5H).
実施例26.(4−ベンジルオキシフェニル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ピリジルカーボネートおよび(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の4−ベンジルオキシフェノール(0.3g、1.5mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.31mL、2.25mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.356g、1.64mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、淡褐色の固体(0.42g、87%)が、(4−ベンジルオキシフェニル)−2−ピリジルカーボネートおよび(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 322[M−H]+、178。
ステップ2.(4−ベンジルオキシフェニル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.120g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中に溶解した(4−ベンジルオキシフェニル)−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.423g、1.31mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLCによりさらに精製すると、表題化合物(0.025 g、17%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 328 [M−H]+; (ESI) m/z: 326 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.43 (d, J = 6.4 Hz, 3H) 4.92 (dq, J1=J2= 6.2 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 5.51 (dd, J = 9.4, 6.1 Hz, 1H), 6.94−7.53 (m, 9H), 8.78 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例27.[3−(4−フェニルブチル)オキセタン−3−イル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−オールの調製
アルゴン雰囲気下、無水Et2O(15mL)に懸濁させたペレット状のリチウム(0.129g、18.7mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(10mL)中の4−ブロモ−ブチルベンゼン(1.5g、7.03mmol)を、−45℃で滴下により添加した。反応物を0℃で3時間撹拌し、次いで混合物を、事前に−78℃に冷却した無水THF(10mL)中の3−オキセタノン(0.4g、5.55mmol)の溶液にカニューレで移した。−78℃で3時間後、反応混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチし、有機溶媒を減圧下で除去した。次いで、粗混合物をCH2Cl2に溶解し、Na2SO4上で脱水し、乾燥するまで濃縮し、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーに供すると、純粋な化合物(0.4g、35%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.41−1.55 (m, 2H), 1.65−1.78 (m, 2H), 1.84−1.94 (m, 2H), 2.62−2.73 (m, 2H), 4.52 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 4.58 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.21 (dd, J = 5.4, 7.2 Hz, 3H), 7.27−7.34 (m, 2H).
ステップ2.[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−2−ピリジル−カーボネートおよび[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(4mL)中の3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−オール(0.390g、1.89mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.023g、0.19mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.531g、2.46mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(4×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、暗色の油(0.61g、98%)が、[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−2−ピリジル−カーボネートおよび[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1:3)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 350 [M−Na]+, 328 [M−H]+, 284, 171, 129.
ステップ3.[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(1mL)中の(3S,4R)−2−メチル−4−オキソ−3−オキセタニルアンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.12g、0.44mmol)の撹拌混合物に、DIPEA(0.072mL、0.44mmol)を滴下により添加した。その後、無水CH2Cl2(2mL)中の[3−(4−フェニルブチル)−オキセタン−3−イル]−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.40g、1.31mmol)を含有する粗混合物を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、乾燥するまで濃縮し、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/TBME(100:0から70:30)で溶出しながら精製した。粗生成物を分取HPLC−MSによりさらに精製すると、表題化合物(0.008g、6%)が白色固体として得られた。MS(ESI) m/z: 334[M−H]+;(ESI)m/z:332[M−H]−。1H NMR (CDCl3): δ 1.35−1.48 (m, 2H), 1.44 (d, 3H), 1.64−1.74 (m, 2H), 2.14−2.22 (m, 2H), 2.62−2.71 (m, 2H), 4.54 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 4.75 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 4.84−4.92 (m, 1H), 5.36−5.46 (m, 2H), 7.17−7.34 (m, 5H).
実施例28.[(1R)および(1S)−1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル]−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.2−メチル−7−フェニル−ヘプタン−3−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(40mL)中の5−フェニルペンタナール[調製に関しては実施例22を参照されたい](0.4g、2.46mmol)の撹拌溶液に、THF中の2Mイソプロピルマグネシウムクロリド(3.2mL、6.4mmol)溶液を−78℃で滴下により添加した。反応物を−78℃で30分、次いで0℃で2時間撹拌した。反応物を水でクエンチした後、有機溶媒を回転蒸発させ、粗混合物をCH2Cl2に溶解し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、純粋なアルコール(0.43g、84%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3): δ 0.90 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 4.0 Hz, 3H), 1.32−1.75 (m, 8H), 2.60−2.67 (m, 2H), 3.33−3.39 (m, 1H), 7.15−7.31 (m, 5H).
ステップ2.(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の2−メチル−7−フェニル−ヘプタン−3−オール(0.43g、2.08mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.025g、0.2mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.540g、2.50mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.618g、90%)が、(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジル−カーボネートおよび(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1:8)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 328[M−H]+、350[M−Na]+.
ステップ3.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[(1S)−イソプロピル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−ブタン酸および(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[(1R)−イソプロピル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2および(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.62g、1.88mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.160g、36%)が、透明な油として、2つのジアステレオ異性体の混合物(比1:1)として得られ、これを次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 352[M−H]+;(ESI)m/z:350[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(ジアステレオ異性体の1:1混合物として): δ 0.85 (d, J = 6.7 Hz, 12H), 1.09 (d, J = 6.2 Hz, 6H), 1.21−1.65 (m, 12H), 1.67−1.79 (m, 2H), 2.55 (t, J = 7.7 Hz, 4H), 3.89−3.99 (m, 2H), 4.01−4.13 (m, 2H), 4.43−4.53 (m, 2H), 6.49 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.11−7.31 (m, 10H), 12.49 (s, 2H).
ステップ4.(1R)−および(1S)−(1−イソプロピル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(16mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[(1−イソプロピル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−ブタン酸(0.16g、0.45mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.19mL、1.36mmol)、その後TBTU(0.17g、0.55mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.055g、37%)が、白色固体として、2つのジアステレオ異性体の混合物(比1:1)として得られた。MS(ESI) m/z: 334[M−H]+;(ESI)m/z:332[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(ジアステレオ異性体の1:1混合物として): δ 0.84 (d, J = 6.7 Hz, 6H,), 0.86 (d, J = 6.7 Hz, 6H), 1.22−1.35 (m, 4H), 1.30 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.32 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.42−1.66 (m, 8H), 1.69−1.80 (m, 2H), 2.52−2.61 (m, 4H), 4.46−4.56 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.2 Hz, 2H), 5.33−5.43 (m, 2H), 7.13−7.21 (m, 6H), 7.23−7.30 (m, 4H), 8.13 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 7.0 Hz, 1H).
実施例29.シクロヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.シクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびシクロヘキシル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中のシクロヘキサノール(0.3g、2.99mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.036g、0.3mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.777g、3.59mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.606g、91%)が、シクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびシクロヘキシル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 222[M−H]+、244[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−2−(シクロヘキソキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中のシクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびシクロヘキシル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.418g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、次いでAcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.3 g、97%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 246 [M−H]+; (ESI) m/z: 244 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 1.16−1.43 (m, 5H), 1.49 (s, 1H), 1.69 (s, 2H), 1.80 (s, 2H), 3.93 (dd, J = 2.9, 8.8 Hz, 1H), 3.99−4.12 (m, 1H), 4.44−4.61 (m, 1H), 6.59 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 12.32 (br s, 1H).
ステップ3.シクロヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(16mL)中の(2R,3S)−2−(シクロヘキソキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸 (0.3g、1.22mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.51mL、3.66mmol)、その後TBTU(0.47g、1.46mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.098g、36%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 228 [M−H]+; (ESI) m/z: 226 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.14−1.42 (m, 5H), 1.34 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.44−1.55 (m, 1H), 1.61−1.72 (m, 2H), 1.76−1.89 (m, 2H), 4.47−4.59 (m, 1H), 4.84 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.2, 9.3 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例30.(1s, 4S)および(1r, 4R)−(4−ベンジルシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.8−ベンジリデン−1,4−ジオキサスピロ−[4.5]−デカンの調製
DMSO(10mL)中のNaH(0.306g、12.8mmol)の懸濁液に、DMSO(30mL)中のベンジル−トリフェニルホスホニウムブロミド(5.44g、12.8mmol)の溶液を室温で徐々に添加した。溶液を室温で30分間撹拌し、次いで50℃で30分間さらに撹拌した。粗混合物が暗赤色に変化した後、DMSO(14mL)中の1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(2.0g、12.8mmol)の溶液を添加した。溶液を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、水層をAcOEt(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、粗生成物が得られ、これを、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から40:60)で溶出しながら精製すると、表題化合物(1.8g、61%)が白色固体として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 1.66−1.73 (m, 2H), 1.77−1.84 (m, 2H), 2.40−2.47 (m, 2H), 2.49−2.57 (m, 2H), 3.99 (s, 4H), 6.31 (s, 1H), 7.17−7.23 (m, 3H), 7.28−7.35 (m, 2H).
ステップ2.4−ベンジリデンシクロヘキサノンの調製
激しい撹拌下、8−ベンジリデン−1,4−ジオキサスピロ−[4.5]−デカン(1.8g、7.81mmol)をアセトン/HCl(10%v/v)混合物(70mL:35mL)に室温で溶解し、4時間撹拌した。粗混合物を水に希釈し、AcOEt(3×40mL)で抽出した。合わせた有機画分をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、純粋な表題化合物(1.4g、96%)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3): δ 2.44 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 2.53 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 2.65−2.72 (m, 2H), 2.74−2.80 (m, 2H), 6.49 (s, 1H), 7.21−7.27 (m, 3H), 7.32−7.39 (m, 2H).
ステップ3.(S,E)−および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキサノールの調製
無水MeOH(10mL)中のNaBH4の撹拌混合物に、窒素雰囲気下で、無水MeOH(30mL)に溶解した4−ベンジリデンシクロヘキサノンを0℃で添加した。粗混合物を0℃で1時間撹拌し、その後水(5mL)でクエンチした。メタノールを回転蒸発させ、粗混合物をAcOEt(20mL)に溶解した。有機溶液をブラインで抽出し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、粗生成物が得られ、これを、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から50:50)で溶出しながら精製すると、表題化合物(1.2g、91%)が、透明な油として、2つの異性体の混合物(比1:1)として得られた。1H NMR(CDCl3)(異性体の1:1混合物として): δ 1.39−1.50 (m, 2H), 1.51−1.62 (m, 2H), 1.75−1.88 (m, 2H), 1.88−1.98 (m, 2H), 1.98−2.07 (m, 2H), 2.08−2.19 (m, 2H), 2.20−2.30 (m, 2H), 2.47 (dt, J = 4.9, 13.5 Hz, 2H), 2.78 (dt, J = 5.0, 13.9 Hz, 2H), 3.85−3.94 (m, 2H), 6.30 (s, 2H), 7.18−7.24 (m, 6H), 7.29−7.37 (m, 4H).
ステップ4.(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキサノールの調製
(S,E)−および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキサノール(0.3g、1.59mmol)を含有するAcOEt(60mL)の溶液を、10%Pd/Cカートリッジを備えるH−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた。システムは、30℃および1バール(流量1.0mL/分)での完全水素モードに設定した。回収された有機溶液を乾燥するまで濃縮すると、純粋な表題化合物(0.29g、95%)が、透明な油として、2つの異性体の混合物(比1:1)として得られた。1H NMR(CDCl3)(異性体の1:1混合物として): δ 0.95−1.11 (m, 2H), 1.14−1.30 (m, 2H), 1.35−1.65 (m, 12H), 1.68−1.80 (m, 4H), 1.89−2.01 (m, 2H), 2.49 (d, J = 7.1 Hz, 2H), 2.55 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.10−7.22 (m, 6H), 7.24−7.32 (m, 4H).
ステップ5.(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−ピリジルカーボネートならびに(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(7mL)中の(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキサノール(0.67g、3.52mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.043g、0.35mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.91g、4.22mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(1.0g、91%)が、(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−ピリジルカーボネートならびに(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 312[M−H]+、334[M−Na]+.
ステップ6.(2R,3S)−2−(((((1r,4R)−4−ベンジルシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸および(2R,3S)−2−(((((1s,4S)−4−ベンジルシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の(1r, 4R)− および (1s, 4S)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−ピリジルカーボネートならびに(1r, 4r)−および(1s, 4s)−4−ベンジルシクロヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.588g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、次いでAcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.4g、95%)が、透明な油として、2つの異性体の混合物(比6:4)として得られた。異性体の混合物を、それ以上精製を行わずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 336[M−H]+;(ESI)m/z:334[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(異性体の6:4混合物として): δ 1.07 (d、J=6.4Hz、3H、微量異性体)、1.10(d、J=6.4Hz、3H、主要異性体)、0.98−1.80(m、16H)、1.85−1.94(m、2H)、2.46(d、J=7.1Hz、2H)、3.88−3.95(m、2H)、4.00−4.12(m、2H)、4.36−4.46(m、1H、微量異性体)、4.68−4.77(m、1H、主要異性体)、6.56(d、J=9.0Hz、1H、微量異性体)、6.59(d、J=8.9Hz、1H、主要異性体)、7.12−7.21(m、6H)、7.24−7.31(m、4H)、12.52(br s、2H)。
ステップ7.(1s, 4S)および(1r, 4R)−(4−ベンジルシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(40mL)中の(2R,3S)−2−(((((1r,4R)−4−ベンジルシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸および(2R,3S)−2−(((((1s,4S)−4−ベンジルシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.4g、1.20mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.5mL、3.6mmol)、その後TBTU(0.46g、1.44mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.167g、43%)が、白色固体として、2つの異性体の混合物(比7:3)として得られた。MS(ESI) m/z: 318[M−H]+;(ESI)m/z:316[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(異性体の7:3混合物として): δ 1.34(d、J=6.4Hz、3H、微量異性体)、1.37(d、J=6.3Hz、3H、主要異性体)、1.00−1.99(m、18H)、2.48(d、J=7.2Hz、2H)、4.40−4.52(m、1H、微量異性体)、4.73−4.80(m、1H、主要異性体)、4.81−4.92(m、2H)、5.36−5.47(m、2H)、7.13−7.23(m、6H)、7.24−7.34(m、4H)、8.12−8.23(m、2H)。
実施例31.(R,Z)および(S,E)−(4−ベンジリデンシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(S,E)および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートならびに(S,E)および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(5mL)中の(S,E)−および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキサノール[調製に関しては実施例30を参照されたい](0.45g、2.38mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.029g、0.35mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.62g、2.86mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.73g、98%)が、(S,E)および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートならびに(S,E)および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 310[M−H]+、332[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−2−(((((R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸および(2R,3S)−2−(((((S,E)−4−ベンジリデンシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸の調製
H2O(3mL)中のD−トレオニン(0.11g、0.92mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の(S,E)−および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−ピリジル−カーボネートならびに(S,E)−および(R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.43g、1.38mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。THF(3.5mL)中の(0.43g、1.38mmol)を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.24g、76%)が、透明な油として、異性体の混合物(比1:1)として得られた。異性体の混合物を、それ以上精製を行わずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 334[M−H]+;(ESI)m/z:332[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(異性体の1:1混合物として): δ 1.07−1.15 (m, 6H), 1.43−1.72 (m, 4H), 1.79−2.00 (m, 4H), 2.19−2.37 (m, 4H), 2.38−2.49 (m, 4H), 2.57−2.72 (m, 2H), 3.95 (dd, J = 3.4, 8.9 Hz, 2H), 4.03−4.12 (m, 2H), 4.72−4.82 (m, 2H), 6.70 (d, J = 8.9 Hz, 2H,), 7.18−7.27 (m, 6H), 7.30−7.39 (m, 4H), 12.48 (s, 2H).
ステップ3.(R,Z)および(S,E)−(4−ベンジリデンシクロヘキシル)−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(23mL)中の(2R,3S)−2−(((((R,Z)−4−ベンジリデンシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸および(2R,3S)−2−(((((S,E)−4−ベンジリデンシクロヘキシル)−オキシ)−カルボニル)−アミノ)−3−ヒドロキシブタン酸(0.23g、0.7mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.29mL、2.12mmol)、その後TBTU(0.27g、0.85mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.125g、56%)が、白色固体として、ジアステレオ異性体の混合物(比1:1)として得られた。MS(ESI) m/z: 316[M−H]+、338[M−Na]+;(ESI)m/z:314[M−H]−。1H NMR(DMSO−d6)(異性体の1:1混合物として): δ 1.35 (d, J = 1.4, 6.3 Hz, 6H), 1.42−1.67 (m, 4H), 1.81−2.02 (m, 4H), 2.17−2.35 (m, 4H), 2.37−2.46 (m, 2H), 2.57−2.68 (m, 2H), 4.73−4.82 (m, 2H), 4.85 (dq, J = 6.3 Hz, 2H), 5.43 (dd, J = 6.3, 9.4 Hz, 2H), 6.31 (s, 2H), 7.17−7.25 (m, 6H), 7.29−7.36 (m, 4H), 8.23 (d, J = 9.4 Hz, 2H).
実施例32. 5−フェニルペンチル−N−[(2S,3S)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の5−フェニルペンタン−1−オール(0.38g、2.34mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.028g、0.23mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.61g、2.80mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.64g、定量的)が、5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:286[M−H]+、308[M−Na]+.
ステップ2.(2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシカルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のL−allo−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の1−(4−フェニルフェニル)エチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.538g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.35g、89%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 310 [M−H]+; (ESI) m/z: 308 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.08 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.28−1.39 (m, 2H), 1.50−1.64 (m, 4H), 2.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 3.83−3.98 (m, 4H), 7.12 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.14−7.21 (m, 3H), 7.23−7.30 (m, 2H) 12.32 (br s, 1H).
ステップ3.5−フェニルペンチル−N−[(2S,3S)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(35mL)中の(2S,3S)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシカルボニルアミノ)−ブタン酸(0.35g、1.13mmol)の撹拌混合物に、Et3N (0.47mL、3.39mmol)、その後TBTU(0.43g、1.35mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.223g、76%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 292 [M−H]+; (ESI) m/z: 290 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.28−1.39 (m, 2H), 1.48 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.54−1.65 (m, 4H), 2.57 (t, J = 8.4, 16.2 Hz, 2H), 4.00 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.64−4.80 (m, 2H), 7.14−7.23 (m, 3H), 7.23−7.33 (m, 2H), 8.05 (d, J = 7.9 Hz, 1H).
実施例33.フェネチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.フェネチル−2−ピリジル−カーボネートおよびフェネチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の2−フェニルエタノール(0.3g、2.45mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.030g、0.24mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.64g、2.94mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.55g、92%)が、フェネチル−2−ピリジル−カーボネートおよびフェネチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:244[M−H]+、266[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(フェネチルオキシカルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中のフェネチル−2−ピリジル−カーボネートおよびフェネチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.459g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、次いでAcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.35g、89%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 268 [M−H]+; (ESI) m/z: 266 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 2.89 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 3.94 (dd, J = 3.4, 9.0 Hz, 1H), 4.04−4.11 (m, 1H), 4.13−4.24 (m, 2H), 6.75 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.20−7.33 (m, 5H) 11.95 (br s, 1H).
ステップ3.フェネチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(35mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(フェネチルオキシカルボニルアミノ)−ブタン酸(0.35g、1.30mmol)に、Et3N(0.54mL、3.90mmol)、その後TBTU(0.50g、1.56mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.185g、57%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 250 [M−H]+; (ESI) m/z: 249 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.33 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 2.89 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 4.15−4.29 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.19−7.36 (m, 5H), 8.23 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例34.6−フェニルヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.6−フェニルヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよび6−フェニルヘキシル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の6−フェニルヘキサン−1−オール(0.3g、1.68mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.02g、0.17mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.44g、2.02mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.43g、86%)が、6−フェニルヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよび6−フェニルヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:300 M−H]+、322[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(6−フェニルヘキソキシカルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.12g、1.0mmol)およびNaHCO3(0.13g、1.5mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の6−フェニルヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよび6−フェニルヘキシル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.45g、1.5mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、次いでAcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.25g、78%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 324 [M−H]+; (ESI) m/z: 322 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.08 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.24−1.40 (m, 4H), 1.46−1.63 (m, 4H), 2.56 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.88−3.99 (m, 3H), 4.00−4.12 (m, 1H), 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.13−7.21 (m, 3H), 7.22−7.31 (m, 2H), 12.40 (br s, 1H).
ステップ3.6−フェニルヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(25mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(6−フェニルヘキソキシカルボニルアミノ)−ブタン酸(0.25g、0.78mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.33mL、2.35mmol)、その後TBTU(0.30g、1.2mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.12 g、50%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 306 [M−H]+; (ESI) m/z: 304 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.26−1.39 (m, 4H), 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.48−1.65 (m, 4H), 2.54−2.61 (m, 2H), 3.91−4.06 (m. 2H), 4.84 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.41 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.11−7.31 (m, 5H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例35. 5−シクロヘキシルペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−シクロヘキシルペンタン−1−オールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(67mL)中のEt2O中の2M LiAlH4(13.04mL、26.08mmol)溶液の撹拌混合物に、無水Et2O(2mL)中の5−シクロヘキシルペンタン酸(1.2g、6.52mmol)を滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、出発材料の完全変換後、H2O(13.04mL)、3M KOH(13.04mL)溶液およびH2O(43.65mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、残留した有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.98g、88%)が無色の油として得られた。1H NMR(DMSO−d6):δ 0.77−0.93(m、2H)、1.06−1.34(m、10H)、1.35−1.47(m、2H)、1.56−1.76(m、5H)、3.37(t、J=6.6Hz、2H)。
ステップ2.5−シクロヘキシルペンチル2−ピリジルカーボネートおよび5−シクロヘキシルペンチル2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3mL)中の5−シクロヘキシルペンタン−1−オール(0.55g、3.23mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.04g、0.32mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.91g、4.19mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.92g、98%)が、5−シクロヘキシルペンチル2−ピリジルカーボネートおよび5−シクロヘキシルペンチル 2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:292[M−H]+、314[M−Na]+.
ステップ3.(2R,3S)−2−(5−シクロヘキシルペントキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.15g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.16g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の5−シクロヘキシルペンチル2−ピリジルカーボネートおよび5−シクロヘキシルペンチル2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.55g、1.5mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.32g、81%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI) m/z: 316[M−H]+;(ESI)m/z: 314 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 0.77−0.93 (m, 2H), 1.02−1.37 (m, 13H), 1.45−1.72 (m, 7H), 3.88−3.99 (m, 3H), 4.01−4.11 (m, 1H), 6.66 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 11.77 (br s, 1H).
ステップ4.5−シクロヘキシルペンチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−2−(5−シクロヘキシルペントキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.32g、1.02mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.43mL、3.08mmol)、その後TBTU(0.39g、1.2mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy/AcOEt(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.12g、39%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 298 [M−H]+; (ESI) m/z: 296 [M−H]−. 1H NMR: δ 0.78−0.93 (m, 2H), 1.05−1.33 (m, 10H), 1.36 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.51−1.72 (m, 7H), 3.92−4.09 (m, 2H), 4.86 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.42 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 8.20 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例36.2−フェネチルオキシエチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.2−フェネチルオキシ酢酸の調製
窒素流下のDMSO(16mL)中のフェネチルアルコール(1.0g、8.18mmol)の撹拌混合物に、NaH(0.39g、16.37mmol)を一度に添加し、混合物を60℃で10分間撹拌した。クロロ酢酸(0.77g、8.18mmol)の添加後、反応混合物を80℃で3時間加熱した。冷却した混合物を次いでH2Oに注ぎ、水相を2.0N HCl溶液でpH1.0に酸性化した。次いで、水相をEtOAc(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水すると、表題化合物(1.11g、75%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (DMSO−d6): δ 2.83 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 3.67 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 4.00 (s, 2H), 7.15 − 7.32 (m, 5H), 12.64 (s, 1H).
ステップ2.2−フェネチルオキシエタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(60mL)中のLiAlH4(0.93g、24.63mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(6mL)中の2−フェネチルオキシ酢酸(1.1g、6.15mmol)を、0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.93mL)、3.0M KOH溶液(0.93mL)およびH2O(3.12mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮した。粗混合物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から60:40)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.69g、68%)が無色の油として得られた。1H NMR (DMSO−d6): δ 2.81 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.40 − 3.44 (m, 2H), 3.45 − 3.51 (m, 2H), 3.60 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 4.55 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.15 − 7.30 (m, 5H).
ステップ3.2−フェネチルオキシエチル 2−ピリジルカーボネートおよび2−フェネチルオキシエチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3.5mL)中の2−フェネチルオキシエタノール(0.35g、2.11mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.025g、0.21mmol)およびジ−2−ピリジルカーボネート(0.54g、2.53mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間放置し、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、橙色の油(0.57g、88%)が、2−フェネチルオキシエチル−2−ピリジルカーボネートおよび2−フェネチルオキシエチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 310[M−Na]+、288[M−H]+.
ステップ4.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(2−フェネチルオキシエトキシ−カルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.15g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.16g、1.25mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の2−フェネチルオキシエチル−2−ピリジルカーボネートおよび2−フェネチルオキシエチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.54g、1.89mmol)を含有する粗異性体混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.38g、94%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 312 [M−H]+; (ESI) m/z: 310 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 2.81 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.55 − 3.66 (m, 4H), 3.93 (dd, J = 3.4, 8.9 Hz, 1H), 4.00 − 4.15 (m, 3H), 6.83 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.14 − 7.32 (m, 5H), 12.20 (s, 1H).
ステップ5.2−フェネチルオキシエチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(35mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(2−フェネチルオキシエトキシ−カルボニルアミノ)−ブタン酸(0.46g、1.18mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.49mL、3.55mmol)、その後TBTU(0.30g、1.42mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.18g、60%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 294 [M−H]+; (ESI) m/z: 292 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.35 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 2.81 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 3.59 (t, 1H), 3.62 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 4.05 − 4.21 (m, 2H), 4.85 (dq, J = 6.3 Hz, 1H), 5.43 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.15 − 7.33 (m, 5H), 8.33 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例37.5−フェニルペンチル−N−[(2R,3S)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート。
ステップ1.5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2.0mL)中の5−フェニルペンタン−1−オール(0.38g、2.34mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.028g、0.23mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.61g、2.80mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.64g、定量的)が、5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:286[M−H]+、308[M−Na]+.
ステップ2.(2S,3R)−2−(5−フェニルペントキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のL−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.538g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.33g、88%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 332 [M−Na]+, 327 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 308 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.08 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.29−1.39 (m, 2H), 1.53−1.63 (m, 4H), 2.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 3.89−3.99 (m, 3H), 4.01−4.11 (m, 1H), 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.13−7.30 (m, 5H), 12.33 (s, 1H).
ステップ3.5−フェニルペンチル−N−[(2R,3S)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2S,3R)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ブタン酸(0.3g、0.89mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.37mL、2.67mmol)、その後TBTU(0.34g、1.06mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.18g、70%)が白色固体として得られた。[α]25 D +21.3 (c 0.1, CHCl3). MS (ESI) m/z: 292 [M−H]+; (ESI) m/z: 290 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.37−1.28 (m, 2H), 1.33 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.64−1.53 (m, 4H), 2.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 4.06−3.93 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.1, 6.4 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.30−7.13 (m, 5H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例38.5−フェニルペンチル−N−[(2R,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2.0mL)中の5−フェニルペンタン−1−オール(0.38g、2.34mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.028g、0.23mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.61g、2.80mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.64g、定量的)が、5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:286[M−H]+、308[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3R)−2−(5−フェニルペントキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−allo−トレオニン(0.10g、0.83mmol)およびNaHCO3(0.11g、1.25mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン1−カルボキシレート(0.36g、1.25mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.23g、89%)が無色の油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 332 [M−Na]+, 327 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 308 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.08 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 1.28−1.39 (m, 2H), 1.59 (t, J = 9.0 Hz, 4H), 2.57 (t, J = 7.7 Hz, 2H), 3.80−4.00 (m, 4H), 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.13−7.22 (m, 3H), 7.22−7.31 (m, 2H), 12.33 (s, 1H).
ステップ3.5−フェニルペンチル−N−[(2R,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(23mL)中の(2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ブタン酸(0.23g、0.74mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.31mL、2.22mmol)、その後TBTU(0.28g、0.88mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.15 g、69%)が白色固体として得られた。[α]25 D +28.23 (c 0.1, CHCl3). MS (ESI) m/z: 292 [M−H]+; (ESI) m/z: 290 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.38−1.27 (m, 2H), 1.47 (d, J = 6.1 Hz, 3H), 1.64−1.53 (m, 4H), 2.59−2.54 (m, 2H), 3.98 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 4.77−4.64 (m, 2H), 7.21−7.13 (m, 3H), 7.31−7.24 (m, 2H), 8.04 (d, J = 7.9 Hz, 1H).
実施例39.ヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.ヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘキシル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3.0mL)中のヘキサン−1−オール(0.3g、2.93mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.03g、0.29mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.76g、3.52mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.58g、90%)が、ヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘキシル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:224[M−H]+、246[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(ヘキソキシカルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.150g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中のヘキシル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘキシル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.45g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.27 g、88%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (DMSO−d6) δ 0.83−0.90 (m, 3H), 1.08 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.21−1.36 (m, 6H), 1.49−1.59 (m, 2H), 3.89−3.99 (m, 3H), 4.01−4.11 (m, 1H), 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 12.30 (br s, 1H).
ステップ3.ヘキシル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソオキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(27mL)中の(2R,3S)−2−(ヘキソキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.27g、1.10mmol)を使用した撹拌混合物に、Et3N(0.46mL、3.31mmol)、その後TBTU(0.42g、1.32mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.18g、73%)が白色固体として得られた。[α]25 D −25.1 (c 0.1, CHCl3). MS (ESI) m/z: 230 [M−H]+; (ESI) m/z: 228 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.38−1.21 (m, 6H), 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.62−1.50 (m, 2H), 4.07−3.93 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.1, 6.4 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.3 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 9.3 Hz, 1H).
実施例40.ヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.ヘプチル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘプチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(3.0mL)中のヘプタン−1−オール(0.3g、2.58mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.03g、0.29mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.67g、3.1mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、黄色い油(0.59g、96%)が、ヘプチル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘプチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:238[M−H]+、260[M−Na]+.
ステップ2.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−(ヘプトキシカルボニルアミノ)−ブタン酸の調製
H2O(3.5mL)中のD−トレオニン(0.15g、1.25mmol)およびNaHCO3(0.158g、1.89mmol)の撹拌混合物に、THF(3.5mL)中のヘプチル−2−ピリジル−カーボネートおよびヘプチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.45g、1.89mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.3g、91%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (t, J = 6.8 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.18−1.36 (m, 8H), 1.46−1.61 (m, 2H), 3.87−4.01 (m, 3H), 4.01−4.14 (m, 1H), 6.67 (d, J = 9.0 Hz, 1H) 12.20 (br s, 1H).
ステップ3.ヘプチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−2−(ヘプトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.3g、1.14mmol)を使用した撹拌混合物に、Et3N(0.48mL、3.44mmol)、その後TBTU(0.44g、1.37mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、典型的なカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.10g、37%)が白色固体として得られた。[α]25 D −23.1 (c 0.1, CHCl3). MS (ESI) m/z: 244 [M−H]+; (ESI) m/z: 242 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 1.32−1.20 (m, 8H), 1.34 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.60−1.49 (m, 2H), 4.07−3.93 (m, 2H), 4.84 (dq, J = 6.1, 6.4 Hz, 1H), 5.40 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例41.5−フェニルペンチル−N−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.(2R,3S)−3−ベンジルオキシ−2−[tert−ブトキシカルボニル−(メチル)−アミノ]−ブタン酸の調製。
丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、市販の(2R,3S)−3−ベンジルオキシ−2−(tert−ブトキシカルボニル−アミノ)−ブタン酸を無水THF(15mL)に溶解した。その後、NaH(鉱物油中の60%分散液、0.21g、5.33mmol)を0℃で一度に添加した。反応混合物を同じ温度で10分間撹拌し、次いでMeI(0.95mL、15.22mmol)、続いてDMF(0.75mL)を順次添加した。反応物を0℃で2.0時間、および室温で15時間放置し、次いでH2O(15mL)でクエンチし、EtOAc(30mL)で希釈し、2.0N HCl水溶液の滴下による添加によりpH2に酸性化した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×30mL)で逆抽出した。有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮した。粗混合物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:TBME(60:40)で溶出しながら精製すると、表題化合物(1.1g、67%)が、無色の油として、2つの回転異性体の混合物(2:1比)として得られた。1H NMR(DMSO−d6) δ1.13−1.20(m、6H)、1.36(s、9H、微量回転異性体)、1.41(s、9H、主要回転異性体)、2.84(s、3H、微量回転異性体)、2.87(s、3H、主要回転異性体)、4.13−4.24(m、2H)、4.34−4.40(m、2H)、4.49(d、J=5.5Hz、1H、微量回転異性体)、4.57−4.62(m、2H)、4.71(d、J=5.2Hz、1H、主要回転異性体)、7.23−7.35(m、10H)。
ステップ2.(2R,3S)−2−[tert−ブトキシカルボニル−(メチル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
(2R,3S)−3−ベンジルオキシ−2−[tert−ブトキシカルボニル−(メチル)−アミノ]−ブタン酸(0.5g、1.55mmol)を、無水EtOH(100mL)に溶解した。溶液を、10%Pd/Cカートリッジを備えるH−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量=1.0mL/分、P=1.0バール、T=60℃]。水素化された溶液を乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.35g、96%)が、無色の油として、2つの回転異性体の混合物(1:1.3比)として得られた。1H NMR(DMSO−d6) δ1.06−1.12(m、6H)、1.36(s、9H、微量回転異性体)、1.40(s、9H、主要回転異性体)、2.86(s、3H、微量回転異性体)、2.89(s、3H、主要回転異性体)、4.15−4.27(m、2H)、4.33(m、1H、微量回転異性体)、4.47(d、J=5.3Hz、1H、主要回転異性体)。
ステップ3.[(1R,2S)−1−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロピル]−メチル−アンモニウムトルエン−4−スルホネートの調製。
ハート型フラスコ内で、(2R,3S)−2−[tert−ブトキシカルボニル−(メチル)−アミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.086g、0.37mmol)をp−TsOH(0.073、0.39mmol)と混合し、固体混合物を0℃に冷却した。その後、TFA(2.0mL)を10分にわたり添加し、反応混合物を0℃で15分間反応させた。浴液を30℃未満に維持しながら溶液を回転蒸発させ、得られた油を真空下で1時間放置した。次いで油を無水Et2Oに溶解すると、白色の沈殿物が形成された。溶液をデカンテーションし、固体を数回同じ溶媒で洗浄すると、純粋な生成物(0.11g、定量的)が白色の粘着性の固体として得られた。1H NMR (DMSO−d6) δ 1.25 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 2.29 (s, 3H), 2.60 (s, 3H), 3.73−3.82 (m, 1H), 4.02−4.11 (m, 1H), 7.11 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.48 (d, J = 8.1 Hz, 2H).
ステップ4.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[メチル−(5−フェニルペントキシカルボニル)−アミノ]−ブタン酸の調製
H2O(1.0mL)中の[(1R,2S)−1−カルボキシ−2−ヒドロキシ−プロピル]−メチル−アンモニウムトルエン−4−スルホネート(0.1g、0.33mmol)およびNaHCO3(0.05g、0.65mmol)の撹拌混合物に、THF (1.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン 1−カルボキシレート(0.14g、0.49mmol)を含有する異性体混合物[実施例37、ステップ1に関して調製された]を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、希釈し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.05g、45%)が、無色の粘着性の油として、2つの回転異性体の混合物(比1.5:1)として得られた。1H NMR(DMSO−d6) δ1.07(d、J=6.3Hz、6H)、1.27−1.40(m、4H)、1.51−1.66(m、8H)、2.53−2.60(m、4H)、2.90(s、3H、微量回転異性体)、2.91(s、3H、主要回転異性体)、3.92−4.02(m、4H)、4.16−4.27(m、2H)、4.32(d、J=5.8Hz、1H、微量回転異性体)、4.47(d、J=5.4Hz、1H、主要回転異性体)、7.13−7.31(m、10H)。
ステップ5.5−フェニルペンチル−N−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製。
無水CH2Cl2(5.0mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[メチル−(5−フェニルペントキシカルボニル)−アミノ]−ブタン酸(0.04g、0.14mmol)の撹拌混合物に、窒素雰囲気下で、Et3N(0.06mL、0.41mmol)、その後TBTU(0.05g、0.17mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、カラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から0:100)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.01g、23%)が、無色の油として、2つの回転異性体の混合物(比1:1.5)として得られた。[α]25 D −16.66(c 0.1, CHCl3)。1H NMR(DMSO−d6) δ1.29−1.41(m、10H)、1.53−1.69(m、8H)、2.58(t、J=7.6Hz、4H)、2.93(s、6H)、3.98−4.11(m、4H)、4.77−4.89(m、2H)、5.24−5.33(m、1H、主要回転異性体)、5.35−5.43(m、1H、微量回転異性体)、7.13−7.32(m、10H)。
実施例42.(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート。
ステップ1.(4−シクロヘキシルフェニル)−メタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水Et2O(10mL)中のLiAlH4(2.0M THF溶液、5.3mL、10.53mmol)の撹拌混合物に、無水Et2O(5.0mL)中の市販の4−シクロヘキシル安息香酸(0.5g、2.45mmol)を、0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.45mL)、3.0M KOH溶液(0.45mL)およびH2O(2.0mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.46g、定量的)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (CDCl3): δ 8.05−7.94 (m, 2H), 7.35−7.23 (m, 2H), 4.39 (q, 2H, J = 7.12 Hz), 2.59 (tt, 1H J = 11.41, 3.27 Hz), 1.97−1.73 (m, 5H), 1.53−1.34 (m, 6H).
ステップ2.(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2mL)中の(4−シクロヘキシルフェニル)−メタノール(0.3g、1.58mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.019g、0.16mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.411g、1.90mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、無色の油(0.464g、95%)が、(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 350[M−K]+.
ステップ3.(2R,3S)−2−[(4−シクロヘキシルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.119g、1.0mmol)およびNaHCO3(0.125g、1.49mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.464g、1.49mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.32g、96%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 353 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 334 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.08 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 1.07 − 1.55 (m, 6H), 1.63 − 1.86 (m, 5H), 3.94 (dq, J = 3.6, 9.0 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 3.6, 6.4 Hz, 1H), 5.00 (s, 2H), 6.88 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 7.95 Hz, 2H), 12.54 (s, 1H).
ステップ4.(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−2−[(4−シクロヘキシルフェニル)−メトキシカルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.32g、0.95mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.397mL、2.85mmol)、その後TBTU(0.366g、1.14mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.06g、20%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 316 [M−H]+,335 [M−NH4]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.34 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.07 − 1.55 (m, 6H), 1.63 − 1.86 (m, 5H), 4.86 (dq, J = 6.1, 6.3 Hz, 1H), 5.00 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 5.05 (d, J = 12.2 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.31 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例43.1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート。
ステップ1.1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2.0mL)中の1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メタノール(0.3g、1.97mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.024g、0.20mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.51g、2.36mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、無色の油(0.506g、94%)が、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 312[M−K]+.
ステップ2.(2R,3S)−2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.146g、1.23mmol)およびNaHCO3(0.155g、1.85mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.506g、1.85mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.337g、92%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 315 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 296 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.09 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 3.95 (dd, J = 3.5, 9.0 Hz, 1H), 3.99 − 4.08 (dq, J = 3.5, 6.4 Hz, 1H), 6.01 (s, 2H), 4.95 (s, 2H), 6.78 − 7.00 (m, 3H).
ステップ3.1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−2−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−メトキシカルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.337g、1.13mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.473mL、3.39mmol)、その後TBTU(0.436g、1.36mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.132g、42%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 318 [M−K]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.33 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 4.84 (dq, J = 6.1, 6.3 Hz, 1H), 4.94 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 4.99 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 6.01 (s, 2H), 6.79 − 6.98 (m, 3H), 8.30 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例44.[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート。
ステップ1.[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水THF(10mL)中のLiAlH4(2.0M THF溶液、3.0mL、6.00mmol)の撹拌混合物に、無水THF(10mL)中の市販の4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−安息香酸(0.4g、1.5mmol)を、0℃で滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.23mL)、3.0M KOH溶液(0.23mL)およびH2O(0.77mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.3g、79%)が白色固体として得られた。1H NMR (DMSO−d6): δ 4.56 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 5.25 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.70 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 8.1 Hz, 2H).
ステップ2.2−ピリジル−[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチルカーボネートおよび[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2.0mL)中の4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メタノール(0.3g、1.19mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.015g、0.12mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.309g、1.43mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、無色の油(0.3g、68%)が、2−ピリジル−[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチルカーボネートおよび[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 396[M−Na]+、412[M−K]+.
ステップ3.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メトキシカルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.063g、0.53mmol)およびNaHCO3(0.067g、0.8mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の2−ピリジル−[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチルカーボネートおよび[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.3g、0.8mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物が透明な油(0.21g、定量的)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 415 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 396 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.11 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 3.97 (dd, J = 3.5, 8.9 Hz, 1H), 4.05 − 4.12 (dq, J = 3.5, 6.4 Hz, 1H), 5.13 (s, 2H), 7.00 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.75 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 12.59 (s, 1H).
ステップ4.[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[4−[4−(トリフルオロメチル)−フェニル]−フェニル]−メトキシカルボニルアミノ]−ブタン酸(0.210g、0.53mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.222mL、1.59mmol)、続いてTBTU(0.205g、0.64mmol)を添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.04g、20%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 397 [M−NH4]+, 418 [M−K]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.36 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 4.87 (dq, J = 6.1, 6.3 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.18 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 5.47 (dd, J = 6.1, 9.4 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.41 (d, J = 9.4 Hz, 1H).
実施例45.[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.[4−(3−チエニル)−フェニル]−メタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水THF(6.0mL)中のLiAlH4(2.0M THF溶液、3.92mL、7.84mmol)の撹拌混合物に、無水THF(30mL)中の市販の4−(3−チエニル)−安息香酸(0.4g、1.96mmol)を滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.30mL)、3.0M KOH溶液(0.30mL)およびH2O(1.0mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.222g、65%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (DMSO−d6): δ 4.51 (d, J = 5.75 Hz, 2H), 5.17 (t, J = 5.75 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.52 − 7.57 (m, 1H), 7.63 (dd, J = 2.9, 5.0 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.81 − 7.86 (m, 1H).
ステップ2.2−ピリジル−[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチルカーボネートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(2.0mL)中の[4−(3−チエニル)−フェニル]−メタノール(0.22g、1.16mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.015g、0.12mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.3g、1.39mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、白色固体(0.263g、73%)が、2−ピリジル−[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチルカーボネートおよび[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 334[M−Na]+、350[M−K]+.
ステップ3.(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[4−(3−チエニル)−フェニル]−メトキシ−カルボニルアミノ]−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.067g、0.56mmol)およびNaHCO3(0.07g、0.84mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の2−ピリジル−[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチルカーボネートおよび[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.263g、0.84mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.188g、定量的)が白色固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 353 [M−NH4]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ: 1.10 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 3.97 (dd, J = 3.5, 8.9 Hz, 1H), 4.08 (dq, J = 3.5, 6.4 Hz, 1H), 5.07 (s, 2H), 6.96 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.53 − 7.60 (m, 1H), 7.64 (dd, J = 2.9, 5.0 Hz, 1H), 7.72 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.86 − 7.91 (m, 1H), 12.58 (s, 1H).
ステップ4.[4−(3−チエニル)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−3−ヒドロキシ−2−[[4−(3−チエニル)−フェニル]−メトキシ−カルボニルアミノ]−ブタン酸(0.188g、0.56mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.234mL、1.68mmol)、その後TBTU(0.215g、0.67mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.048g、27%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 335 [M−NH4]+, 356 [M−K]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ: 1.35 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 4.87 (dq, J = 6.1, 6.3 Hz, 1H), 5.07 (d, J = 12.45 Hz, 1H), 5.12 (d, J = 12.45 Hz, 1H), 5.46 (dd, J = 6.1, 9.5 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.55 − 7.60 (m, 1H), 7.64 (dd, J = 2.9, 5.1 Hz, 1H), 7.73 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.86 − 7.91 (m, 1H), 8.38 (d, J = 9.5 Hz, 1H).
実施例46.[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート。
ステップ1.エチル4−(シクロヘキソキシ)−ベンゾエートの調製
エチル4−ヒドロキシベンゾエート(1.0g、6.02mmol)およびシクロヘキセン(6.0mL)を互いに混合し、次いで三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート(0.38mL、3.01mmol)を添加した。混合物を、還流下で2時間加熱し、次いでrtに冷却した。EtOAc(20mL)を添加し、溶液を5%NaOH溶液(3x40mL)およびH2O(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4上で脱水し、溶媒を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy/EtOAc(100:0から90:10)で溶出しながら精製すると、表題化合物(1.17g、78%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 249 [M−H]+; 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.29 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.33 − 1.49 (m, 5H), 1.50 − 1.59 (m, 1H), 1.63 − 1.79 (m, 2H), 1.89 − 1.98 (m, 2H), 4.26 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.41 − 4.49 (m, 1H), 7.02 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 8.8 Hz, 2H).
ステップ2.[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メタノールの調製
窒素雰囲気下で、無水THF(6.0mL)中のLiAlH4(2.0M THF溶液、9.42mL、18.84mmol)の撹拌混合物に、無水THF(30mL)中の4−(シクロヘキソキシ)−ベンゾエート(1.17g、4.71mmol)を滴下により添加した。混合物を室温で4時間反応させ、次いで、H2O(0.70mL)、3.0M KOH溶液(0.70mL)およびH2O(1.6mL)を、0℃で非常にゆっくりと添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、濾過して固体残渣を除去し、有機相をNa2SO4上で脱水した。有機溶液を再び濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.57g、59%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。1H NMR (DMSO−d6): δ 1.21 − 1.47 (m, 5H), 1.49 − 1.57 (m, 1H), 1.64 − 1.77 (m, 2H), 1.87 − 1.95 (m, 2H), 4.25 − 4.33 (m, 1H), 4.40 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 5.00 (t, J = 5.7 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 8.5 Hz, 2H).
ステップ3.(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(4.0mL)中の[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メタノール(0.571g、2.77mmol)の撹拌混合物に、DMAP(0.034g、0.28mmol)およびジ−2−ピリジル−カーボネート(0.717g、3.32mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間反応させ、次いでCH2Cl2で希釈し、まず飽和NH4Cl溶液(3.0mL)で、その後飽和NaHCO3溶液(3×3mL)で洗浄した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、無色の油(0.779g、86%)が、(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレートの混合物(比1.8:1)として得られた。異性体の混合物を分離せず、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z: 366[M−K]+.
ステップ4.(2R,3S)−2−[[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メトキシ−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸の調製
H2O(3.0mL)中のD−トレオニン(0.08g、0.67mmol)およびNaHCO3(0.084g、1.0mmol)の撹拌混合物に、THF(3.0mL)中の(4−シクロヘキシルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.327g、1.0mmol)を含有する粗混合物を添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×5mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後EtOAc(3×10mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.214g、91%)が透明な油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 369 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 350 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.08 (d, J = 6.3 Hz, 3H), 1.21 − 1.48 (m, 5H), 1.48 − 1.57 (m, 1H), 1.66 − 1.74 (m, 2H), 1.87 − 1.95 (m, 2H), 3.95 (dd, J = 3.4, 9.0 Hz, 1H), 4.06 (dq, J = 3.4, 6.3 Hz, 1H), 4.29 − 4.36 (m, 1H), 6.84 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.91 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.3 Hz, 2H).
ステップ5.[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メチル−N−[(2S,3R)−2−メチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(30mL)中の(2R,3S)−2−[[4−(シクロヘキソキシ)−フェニル]−メトキシ−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−ブタン酸(0.214g、0.61mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.255mL、1.83mmol)、その後TBTU(0.234g、0.73mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。出発材料の完全変換後、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物をシリカゲル上で吸収させ、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.085g、42%)が白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 372 [M−K]+, 351 [M−NH4]+. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.33 (d, J = 6.5 Hz, 3H), 1.36 − 1.47 (m, 5H), 1.49 − 1.62 (m, 1H), 1.66 − 1.74 (m, 2H), 1.87 − 1.95 (m, 2H), 4.28 − 4.37 (m, 1H), 4.85 (dq, J = 6.3, 6.5 Hz, 1H), 4.96 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 5.01 (d, J = 11.9 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 6.3, 9.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.28 (d, J = 9.5 Hz, 1H).
実施例47.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル 2−(ジベンジルアミノ)−アセテートの調製
EtOH(5.0mL)中のクロロ酢酸エチル(1.0g、8.16mmol)の撹拌溶液に、ジベンジルアミン(2.09g、10.6mmol)を添加し、混合物をマイクロ波反応器内で140℃で20分間加熱した。溶媒の蒸発後、粗生成物をCH2Cl2に溶解し、1.0M KOH溶液およびブラインで洗浄し、次いでNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:EtOAc(98:2)で溶出しながら精製すると、表題化合物(1.85g、80%)が白色固体として得られた。MS(ESI)m/z:284[M−H]+[以前に文献Synthesis, 1985, 9,850−855において報告された1H NMR]。
ステップ2.エチル (2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、−78℃で、無水THF(10ml)中のDIPA(0.3mL、2.12mmol)をn−BuLi(n−ヘキサン中2.5M、0.776mL、1.94mmol)で処理した。30分後、無水THF(10ml)中のエチル 2−(ジベンジルアミノ)−アセテート(0.5g、1.77mmol)の溶液を、カニューレで滴下により添加した。15分後、塩化プロパノイル(0.46mL、5.29mmol)を−78℃で滴下により添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、反応物をH2Oでクエンチし、その後Et2Oを添加した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(98:2)で溶出しながら精製すると、純粋な化合物(0.6g)が、無色の油として、2つの互変異性体の混合物(ケトン:エノール=約85:15)として得られた。MS (ESI) m/z: 340 [M−H]+; (ESI) m/z: 338 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.90 (t, J = 7.24 Hz, 3H), 1.23 (t, J = 7.07 Hz, 3H), 2.53−2.61 (m, 1H), 2.69 (dq, J = 7.23, 18.13 Hz, 1H), 3.72−3.88 (m, 4H), 4.12−4.22 (m, 3H), 7.11−7.47 (m, 10H) (報告されたデータは、主要なケトン互変異性体を指す)。
ステップ3.エチル (2S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、EtOH(90ml)中のエチル (2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエート(1.3g、3.83mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.67g、7.66mmol)を室温で添加した。触媒として10%Pd(OH)2/Cを使用して、混合物をH−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分、P=1.0バール、T=70℃]。溶媒の蒸発後、粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から50:50)で溶出しながら精製すると、表題生成物(2段階にわたり0.546g、55%)が無色の油として得られた。MS (ESI) m/z: 282 [M−Na]+; (ESI) m/z: 258 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.93 (t, J = 7.20 Hz, 3H), 1.20 (t, J = 7.09 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 2.60 (qd, J = 2.16, 7.10 Hz, 2H), 4.07−4.22 (m, 2H), 4.91 (d, J = 8.00 Hz, 1H), 7.51 (d, J = 7.94 Hz, 1H).
ステップ4.エチル(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、窒素雰囲気下、THF/EtOHの1:1混合物(5.0mL)中のエチル (2S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエート(0.39g、1.5mmol)の撹拌溶液に、NaBH4(0.022g、0.58mmol)を0℃で添加した。反応物を1時間の期間にわたり室温に温め、次いでH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をAcOEtに溶解し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。Teledyne ISCO装置を使用して、Cy:AcOEt(100:0から80:20)で溶出しながらクロマトグラフィー精製すると、表題化合物(0.2g、53%)が、無色の油として、ジアステレオ異性体(anti:syn=8:2)の混合物として得られた。MS (ESI) m/z: 284 [M−Na]+; (ESI) m/z: 320 [M−CH3COO]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.87 (t, J = 7.37 Hz, 3H), 1.19 (t, J = 7.07 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 1.41−1.59 (m, 2H), 3.50−3.60 (m, 1H), 3.93 (dd, J = 6.13, 8.52 Hz, 1H), 3.99−4.17 (m, 2H), 4.87 (d, J = 5.57 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 8.51 Hz, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ5.(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸の調製
35mlのマイクロ波バイアル内で、エチル(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.2g、0.81mmol)を含有するジアステレオマー混合物を、6.0M HCl溶液(15mL)に溶解し、130℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮すると、黄色固体の粗生成物が、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 134 [M−H]+; (ESI) m/z: 132 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.92 (t, J = 7.36 Hz, 3H), 1.42−1.64 (m, 2H), 3.80 (ddd, J = 3.25, 5.80, 11.72 Hz, 1H), 3.86 (d, J = 3.02 Hz, 1H), 4.36 (s, 1H), 8.26 (s, 3H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ6.(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(0.107g、0.81mmol)ならびにNaHCO3(0.102g、1.21mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(2.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.346g、1.21mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.155g、60%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 324[M−H]+; (ESI) m/z: 322 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (t, J = 7.41 Hz, 3H), 1.27−1.50 (m, 4H), 1.51−1.67 (m, 4H), 2.57 (t, J = 7.69 Hz, 2H), 3.52−3.66 (m, 1H), 3.93 (t, J = 6.63 Hz, 3H), 4.83 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.73 Hz, 1H), 7.13−7.22 (m, 3H), 7.22−7.30 (m, 2H), 12.35 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ7.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20.0mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.155g、0.48mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.2mL、1.44mmol)、その後TBTU(0.185g、0.58mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(100:0から80:20)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.075g、57%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS(ESI)m/z:323[M−NH4]+;(ESI)m/z:304[M−H]−。1H NMR (DMSO−d6) δ 0.90 (t, J = 7.41 Hz, 3H), 1.26−1.38 (m, 2H), 1.58 (p, J = 7.71, 8.27 Hz, 4H), 1.67−1.90 (m, 2H), 2.57 (t, J = 7.65 Hz, 2H), 3.98 (t, J = 6.60 Hz, 2H), 4.51 (td, J = 4.28, 6.84 Hz, 1H), 4.69 (dd, J = 4.32, 8.12 Hz, 1H), 7.09−7.32 (m, 5H), 8.06 (d, J = 8.09 Hz, 1H).
実施例48.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から5に関しては、実施例47を参照されたい。
ステップ6.(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の(2R*,3R*)および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(0.108g、0.81mmol)ならびにNaHCO3(0.204g、2.43mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(2.0mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.37g、1.22mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.206g、74%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 361 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 342 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.87 (t, J = 7.38 Hz, 3H), 1.36−1.55 (m, 2H), 3.55− 3.69 (m, 1H), 3.94−4.05 (m, 1H), 4.73−4.99 (m, 1H), 5.08 (s, 2H), 7.29− 7.54 (m, 6H), 7.57− 7.77 (m, 4H), 11.38− 13.49 (m, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ7.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(25.0mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシカルボニルアミノ]−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシカルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.193g、0.56mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.235mL、1.69mmol)、その後TBTU(0.217g、0.67mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.089g、57%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 343 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 324 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.92 (t, J = 7.38 Hz, 3H), 1.68−1.94 (m, 2H), 4.49−4.60 (m, 1H), 4.76 (dd, J = 4.32, 8.08 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 7.33−7.42 (m, 1H), 7.42−7.53 (m, 4H), 7.62−7.76 (m, 4H), 8.25 (d, J = 8.09 Hz, 1H).
実施例49.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル(2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエートの調製
EtOH(30mL)中のエチル(2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエート[実施例47、ステップ1に関して調製された](0.6g、1.76mmol)の撹拌溶液に、H2O(8.0mL)中のNH4Cl(1.89g、35.29mmol)の溶液を室温で添加した。次いで、NaBH4(0.667g、17.6mmol)を少しずつ添加した。最後の添加から1時間後、反応物をH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をH2OおよびCH2Cl2で吸収させ、20%NH4OH水溶液でpHを9に補正した。抽出後、有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、表題化合物(2段階にわたり0.33g、55%)が、無色の油として、純粋なsynジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 342 [M−H]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.75 (t, J = 7.38 Hz, 3H), 1.26 (t, J = 7.11 Hz, 3H), 1.30−1.52 (m, 2H), 3.14 (d, J = 6.88 Hz, 1H), 3.67 (d, J = 14.07 Hz, 2H), 3.85 (tt, J = 4.61, 7.61 Hz, 1H), 4.08 (d, J = 14.02 Hz, 2H), 4.11−4.25 (m, 2H), 4.66 (d, J = 4.59 Hz, 1H), 7.20−7.27 (m, 2H), 7.28−7.41 (m, 8H).
ステップ2.エチル(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、エチル(2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.165g、0.48mmol)をEtOH(12mL)に溶解し、触媒として10%Pd/Cを使用して、H−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分;P=1.0バール、T=70℃]。溶媒の蒸発後、表題化合物が黄色い油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:162[M−H]+.
ステップ3.(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸の調製
35mlのマイクロ波バイアル内で、エチル(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタノエート(0.078g、0.48mmol)を6.0M HCl水溶液(7.0mL)に溶解し、130℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた黄色固体を、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:134[M−H]+;(ESI)m/z:132[M−H]−。
ステップ4.(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(0.068g、0.51mmol)およびNaHCO3(0.128g、1.53mmol)の撹拌混合物に、THF(2.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.218g、0.77mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(3段階にわたり0.076g、46%)がオフホワイトの固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 324 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 322 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.85 (t, J = 7.38 Hz, 3H), 1.28−1.49 (m, 4H), 1.50−1.68 (m, 4H), 2.58 (t, J = 7.67 Hz, 2H), 3.79 (td, J = 2.93, 6.83 Hz, 1H), 3.97 (t, J = 6.60 Hz, 2H), 3.99−4.11 (m, 1H), 6.63 (d, J = 9.23 Hz, 1H), 7.12−7.32 (m, 5H).
ステップ5.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(10mL)中の(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.07g、0.22mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.091mL、0.65mmol)、その後TBTU(0.083g、0.26mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から70:30)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.043g、65%)が、白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 323 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 304 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.89 (t, J = 7.43 Hz, 3H), 1.27−1.41 (m, 2H), 1.45− 1.64 (m, 4H), 1.64− 1.95 (m, 2H), 2.58 (t, J = 7.66 Hz, 2H), 4.01 (t, J = 6.49 Hz, 2H), 4.60 (dt, J = 6.08, 8.01 Hz, 1H), 5.45 (dd, J = 6.02, 9.42 Hz, 1H), 7.05− 7.38 (m, 5H), 8.23 (d, J = 9.41 Hz, 1H).
実施例50.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から3に関しては、実施例49を参照されたい。
ステップ4.(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ペンタン酸(0.068g、0.51mmol)およびNaHCO3(0.128g、1.53mmol)の撹拌混合物に、THF(2.0mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.233g、0.77mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(3段階にわたり0.164g、93%)がオフホワイトの固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 361 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 342 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.85 (t, J = 7.38 Hz, 3H), 1.42 (p, J = 7.31 Hz, 2H), 3.81 (td, J = 3.02, 6.87 Hz, 1H), 4.07 (dd, J = 3.04, 9.23 Hz, 1H), 4.66 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 6.92 (d, J = 9.21 Hz, 1H), 7.28− 7.56 (m, 5H), 7.59−7.78 (m, 4H), 12.59 (s, 1H).
ステップ5.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−エチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20.0mL)中の(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.15g、0.44mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.183mL、1.31mmol)、その後TBTU(0.168g、0.52mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(100:0から70:30)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.054g、38%)が、白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 343 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 324 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.88 (t, J = 7.41 Hz, 3H), 1.56−1.88 (m, 2H), 4.61 (dt, J = 6.07, 8.06 Hz, 1H), 5.11 (d, J = 12.92 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 12.92 Hz, 1H), 5.49 (dd, J = 5.97, 9.45 Hz, 1H), 7.29−7.57 (m, 5H), 7.60−7.78 (m, 4H), 8.41 (d, J = 9.41 Hz, 1H).
実施例51.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル (2R*)−2−(ジベンジルアミノ)−4−メチル−3−オキソ−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、−78℃で、無水THF(40ml)中のDIPA(1.6ml、9.3mmol)をn−BuLi(n−ヘキサン中2.5M、3.4mL、8.5mmol)で処理した。30分後、無水THF(40ml)中のエチル 2−(ジベンジルアミノ)−アセテート[実施例47、ステップ1に記載のように調製された](2.2g、7.8mmol)の溶液を、カニューレで滴下により添加した。15分後、2−メチル−プロパノイルクロリド(2.4mL、23.3mmol)を−78℃で滴下により添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、反応物をH2Oでクエンチし、その後Et2Oを添加した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(98:2)で溶出しながら精製すると、粗化合物(3.2g)が、無色の油として、2つの互変異性体の混合物(ケトン:エノール=約65:35)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。ケトン異性体: MS (ESI) m/z: 354 [M−H]+; (ESI) m/z: 352 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (d, J = 6.73 Hz, 3H), 0.91 (d, J = 7.01 Hz, 3H), 1.22 (t, J = 7.11 Hz, 3H), 2.99 (hept, J = 6.90 Hz, 1H), 3.78 (d, J = 14.11 Hz, 2H), 3.84 (d, J = 14.13 Hz, 2H), 4.10 − 4.24 (m, 2H), 4.29 (s, 1H), 7.17 − 7.48 (m, 10H). エノール異性体: MS (ESI) m/z: 354 [M−H]+; (ESI) m/z: 352 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.48 (s, 3H), 0.50 (s, 3H), 1.43 (t, J = 7.09 Hz, 3H), 3.16 − 3.28 (m, 1H), 3.90 (d, J = 12.66 Hz, 2H), 3.96 (d, J = 12.66 Hz, 2H), 4.38 (q, J = 7.08 Hz, 2H), 7.10 − 7.46 (m, 10H), 12.32 (s, 1H).
ステップ2.エチル(2R*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−4−メチル−3−オキソ−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、EtOH(60ml)中のエチル (2R*)−2−(ジベンジルアミノ)−4−メチル−3−オキソ−ペンタノエート(1.0g、2.83mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(1.24g、5.67mmol)を室温で添加した。触媒として10%Pd(OH)2/Cを使用して、混合物をH−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分、P=1.0バール、T=70℃]。溶媒の蒸発後、粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から50:50)で溶出しながら精製すると、表題生成物(2段階にわたり0.58g、75%)が無色の油として得られた。MS (ESI) m/z: 274 [M−H]+; (ESI) m/z: 272 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6): δ 1.02 (d, J = 6.87 Hz, 6H), 1.19 (t, J = 7.11 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 2.95 (p, J = 6.87 Hz, 1H), 3.99 − 4.29 (m, 2H), 5.05 (d, J = 8.16 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.14 Hz, 1H).
ステップ3.エチル(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、窒素雰囲気下、THF/EtOHの1:1混合物(6.0mL)中のエチル(2R*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−4−メチル−3−オキソ−ペンタノエート(0.58g、2.13mmol)の撹拌溶液に、NaBH4(0.021g、0.53mmol)を0℃で添加した。反応物を2.0時間の期間にわたり室温に温め、次いでH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をAcOEtに溶解し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。Teledyne ISCO装置を使用して、Cy:AcOEt(100:0から70:30)で溶出しながらクロマトグラフィー精製すると、表題化合物(0.28g、48%)が、無色の油として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られた。MS (ESI) m/z: 298 [M−Na]+; (ESI) m/z: 334 [M−CH3COO]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.80 (d, J = 6.73 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.78 Hz, 3H), 1.18 (t, J = 7.08 Hz, 3H), 1.37 (s, 9H), 1.67 − 1.87 (m, 1H), 3.40 (q, J = 5.82 Hz, 1H), 3.95 − 4.05 (m, 1H), 4.03 − 4.12 (m, 2H), 4.84 (d, J = 5.99 Hz, 1H), 6.98 (d, J = 8.76 Hz, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ4.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸の調製
35mlのマイクロ波バイアル内で、エチル (2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエート(0.1g、0.36mmol)を含有するジアステレオマー混合物を、6.0M HCl溶液(15mL)に溶解し、130℃で1分間撹拌した。反応混合物をEt2O(3×10ml)で抽出し、水相を減圧下で濃縮すると、白色の粗固体(0.15g)が得られた。得られたジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)を、それ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 148 [M−H]+; (ESI) m/z: 146 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.91 (dd, J = 6.56, 10.18 Hz, 6H), 1.92 (p, J = 7.10 Hz, 1H), 3.42 (d, J = 8.47 Hz, 1H), 3.79 − 3.99 (m, 1H), 5.71 (s, 1H), 7.69 − 8.64 (m, 3H), 13.54 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)[Tetrahedron 2001, 57, 8267−8276もまた参照されたい]。
ステップ5.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.058g、0.4mmol)ならびにNaHCO3(0.035g、0.4mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(2.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.38g、1.4mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.079g、59%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 338 [M−H]+; (ESI) m/z: 336 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.81 (d, J = 6.69 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.77 Hz, 3H), 1.32 (tt, J = 5.81, 9.52 Hz, 2H), 1.57 (td, J = 4.08, 8.39 Hz, 4H), 1.70 − 1.84 (m, 1H), 2.56 (t, J = 7.71 Hz, 2H), 3.40 (t, J = 6.09 Hz, 1H), 3.93 (t, J = 6.61 Hz, 2H), 3.96 − 4.04 (m, 1H), 4.84 (s, 1H), 7.12 − 7.21 (m, 4H), 7.27 (t, J = 7.49 Hz, 2H), 12.00 − 12.96 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ6.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(10.0mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.076g、0.24mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.2mL、1.44mmol)、その後TBTU(0.091g、0.28mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(100:0から80:20)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.041g、56%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 337 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 318 [M−H]−.1H NMR (DMSO−d6) δ 0.87 (d, J = 6.75 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.55 Hz, 3H), 1.27 − 1.43 (m, 2H), 1.49 − 1.69 (m, 4H), 1.87 − 2.08 (m, 1H), 2.57 (t, J = 7.67 Hz, 2H), 3.99 (t, J = 6.59 Hz, 2H), 4.22 (dd, J = 4.39, 9.13 Hz, 1H), 4.73 (dd, J = 4.40, 8.18 Hz, 1H), 7.10 − 7.35 (m, 5H), 8.06 (d, J = 8.16 Hz, 1H).
実施例52.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から4に関しては、実施例51を参照されたい。
ステップ5.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(2.0mL)中の2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.05g、0.34mmol)ならびにNaHCO3(0.03g、0.34mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(2.0mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.45g、1.48mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.06 g、50%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 358 [M−H]+; (ESI) m/z: 356 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.82 (d, J = 6.55 Hz, 3H), 0.88 (d, J = 6.92 Hz, 3H), 1.62 − 1.79 (m, 1H), 3.17 (dd, J = 2.87, 9.15 Hz, 1H), 3.51 (d, J = 9.16 Hz, 1H), 5.05 (s, 2H), 7.32 − 7.41 (m, 1H), 7.41 − 7.52 (m, 4H), 7.66 (td, J = 1.74, 6.70, 7.42 Hz, 4H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ6.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(7.0mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.059g、0.17mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.07mL、0.5mmol)、その後TBTU(0.065g、0.2mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から80:20)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.01g、17%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 357 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 338 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.89 (d, J = 6.79 Hz, 3H), 0.97 (d, J = 6.57 Hz, 3H), 1.81 − 2.12 (m, 1H), 4.26 (dd, J = 4.38, 9.11 Hz, 1H), 4.80 (dd, J = 4.39, 8.16 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 7.29 − 7.54 (m, 5H), 7.63 − 7.77 (m, 4H), 8.26 (d, J = 8.21 Hz, 1H).
実施例53.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル(2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエートの調製
EtOH(90mL)中のエチル(2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−オキソ−ペンタノエート[実施例47、ステップ1に関して調製された](2.76g、7.8mmol)の撹拌溶液に、H2O(23mL)中のNH4Cl(8.34g、156mmol)の溶液を室温で添加した。次いで、NaBH4(2.95g、78mmol)を少しずつ添加した。最後の添加から1時間後、反応物をH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をH2OおよびCH2Cl2で吸収させ、20%NH4OH水溶液でpHを9に補正した。抽出後、有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、表題化合物(2段階にわたり1.33 g、48%)が、無色の油として、純粋なsynジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 356 [M−H]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.66 (d, J = 6.69 Hz, 3H), 0.71 (d, J = 6.68 Hz, 3H), 1.26 (t, J = 7.09 Hz, 3H), 1.66 (h, J = 6.63 Hz, 1H), 3.24 (d, J = 7.12 Hz, 1H), 3.63 (d, J = 13.94 Hz, 2H), 3.63 (m, 1H) 4.06 (d, J = 14.06 Hz, 2H), 4.10 − 4.27 (m, 2H), 4.61 (d, J = 4.60 Hz, 1H), 7.15 − 7.45 (m, 10H).
ステップ2.エチル (2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、エチル(2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエート(1.24g、3.5mmol)をEtOH(75mL)に溶解し、触媒として10%Pd/Cを使用して、H−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分;P=1.0バール、T=70℃]。溶媒の蒸発後、表題化合物(0.57g、定量的)が黄色い油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 176 [M−H]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.83 (d, J = 6.72 Hz, 3H), 0.90 (d, J = 6.69 Hz, 3H), 1.19 (t, J = 7.10 Hz, 3H), 1.64 − 1.80 (m, 1H), 3.29 (dd, J = 3.36, 8.06 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 3.37 Hz, 1H), 4.08 (qd, J = 0.99, 7.13 Hz, 2H).
ステップ3.(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸の調製
35mlのマイクロ波バイアル内で、エチル(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタノエート(0.232g、1.33mmol)を6.0M HCl水溶液(25mL)に溶解し、130℃で1時間撹拌した。反応混合物をEt2O(3×15mL)で抽出し、水相を減圧下で濃縮すると、白色固体(0.23g、81%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 148 [M−H]+; (ESI) m/z: 146 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.87 (d, J = 6.64 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.50 Hz, 3H), 1.74 (tq, J = 5.79, 6.46, 11.64 Hz, 1H), 3.51 − 3.60 (m, 1H), 3.92 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 8.12 (s, 3H), 13.72 (s, 1H) [Tetrahedron 2001, 57, 8267−8276もまた参照されたい]。
ステップ4.(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(6.0mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.152g、1.04mmol)およびNaHCO3(0.088g、1.05mmol)の撹拌混合物に、THF(6.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.96g、1.21mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.145g、41%)が黄色固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 338 [M−H]+; (ESI) m/z: 336 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.80 (d, J = 6.63 Hz, 3H), 0.93 (d, J = 6.49 Hz, 3H), 1.28 − 1.41 (m, 2H), 1.50 − 1.69 (m, 4H), 1.81 − 1.91 (m, 1H), 2.57 (d, J = 7.67 Hz, 2H), 3.47 (d, J = 8.36 Hz, 1H), 3.89 − 3.99 (m, 2H), 4.15 (dd, J = 2.83, 9.47 Hz, 1H), 4.58 (s, 1H), 6.64 (d, J = 9.43 Hz, 1H), 7.10 − 7.32 (m, 5H), 12.43 (s, 1H).
ステップ5.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20mL)中の(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.14g、0.43mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.18mL、1.3mmol)、その後TBTU(0.17g、0.55mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(100:0から80:20)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.052g、40%)が、白色固体として、純粋なsynジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 337 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 318 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.75 (d, J = 6.57 Hz, 3H), 0.96 (d, J = 6.51 Hz, 3H), 1.25 − 1.39 (m, 2H), 1.52 − 1.65 (m, 4H), 2.03 (dt, J = 6.53, 10.83 Hz, 1H), 2.57 (t, J = 7.67 Hz, 2H), 4.01 (t, J = 6.58 Hz, 2H), 4.24 (dd, J = 5.92, 10.84 Hz, 1H), 5.44 (dd, J = 5.92, 9.53 Hz, 1H), 7.13 − 7.34 (m, 5H), 8.27 (d, J = 9.52 Hz, 1H).
実施例54.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から3に関しては、実施例53を参照されたい。
ステップ4.(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(5.0mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.156g、1.06mmol)およびNaHCO3(0.09g、1.06mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(5.0mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(1.4g、4.6mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.196g、52%)が黄色固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 375 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 356 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.82 (d, J = 6.66 Hz, 3H), 0.92 (d, J = 6.39 Hz, 3H), 1.54 − 1.70 (m, 1H), 3.51 (t, J = 8.38 Hz, 1H), 4.20 (dd, J = 2.88, 9.42 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 8.86 Hz, 1H), 5.11 (s, 2H), 6.94 (d, J = 9.44 Hz, 1H), 7.37 (t, J = 6.55 Hz, 1H), 7.44 − 7.52 (m, 4H), 7.63 − 7.75 (m, 4H), 12.57 (s, 1H).
ステップ5.(4−フェニルフェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(25mL)中の(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4−メチル−2−[(4−フェニルフェニル)−メトキシカルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.193g、0.54mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.23mL、1.65mmol)、その後TBTU(0.21g、0.65mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.041g、22%)が、白色固体として、純粋なsynジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 357 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 338 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.76 (d, J = 6.58 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.50 Hz, 3H), 1.93 − 2.13 (m, 1H), 4.25 (dd, J = 5.93, 10.87 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 5.48 (dd, J = 5.90, 9.49 Hz, 1H), 7.34 − 7.52 (m, 5H), 7.61 − 7.70 (m, 4H), 8.46 (d, J = 9.48 Hz, 1H).
実施例55.(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から4に関しては、実施例51を参照されたい。
ステップ5.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−[(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸の調製
H2O(4.0mL)中の(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.16g、1.08mmol)ならびにNaHCO3(0.23g、2.7mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(4.0mL)中の(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−ピリジルカーボネートおよび(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.93g、2.98mmol))を含有する異性体混合物[実施例25、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、主に表題化合物からなる粗生成物(0.117g)が、未反応出発材料と共に、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=8:2)として得られた。粗混合物を、それ以上精製を行わずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:388[M−NH4]+;(ESI)m/z:364[M−H]−.
ステップ6.(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペンチル)−N−[(2R*,3R*)−2−イソプロピル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(15mL)中の(2R*,3R*)−2−[(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸および(2R*,3S*)−2−[(1,1−ジメチル−5−フェニル−ペントキシ)−カルボニルアミノ]−3−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン酸(0.11g、0.30mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.126mL、0.9mmol)、その後TBTU(0.116g、0.36mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(100:0から80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.019g、18%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 365 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 346 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (d, J = 6.66 Hz, 3H), 0.95 (d, J = 6.54 Hz, 3H), 1.27 − 1.35 (m, 2H), 1.36 (s, 6H), 1.55 (p, J = 7.56 Hz, 2H), 1.66 − 1.85 (m, 2H), 1.96 (dt, J = 6.52, 8.91 Hz, 1H), 2.57 (t, J = 7.71 Hz, 2H), 4.17 (dd, J = 4.40, 9.09 Hz, 1H), 4.69 (dd, J = 4.40, 8.33 Hz, 1H), 7.11 − 7.33 (m, 5H), 7.81 (d, J = 8.32 Hz, 1H).
実施例56.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル (2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、アルゴン雰囲気下、−78℃で、無水THF(10ml)中のDIPA(0.29mL、2.12mmol)の溶液をn−BuLi(n−ヘキサン中2.5M、0.776mL、1.94mmol)で処理した。30分後、無水THF(10ml)中のエチル2−(ジベンジルアミノ)−アセテート[実施例47、ステップ1に記載のように調製された](0.5g、1.77mmol)の溶液を、カニューレで滴下により添加した。15分後、トリメチルアセチルクロリド(0.53mL、3.53mmol)を−78℃で滴下により添加し、混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、反応物をH2Oでクエンチし、その後Et2Oを添加した。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(98:2)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.492g、76%)が無色の油として得られた。MS (ESI) m/z: 368 [M−H]+; (ESI) m/z: 366 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.93 (s, 9H), 1.16 − 1.25 (m, 3H), 3.79 (d, J = 13.97 Hz, 2H), 3.98 (d, J = 13.96 Hz, 2H), 4.07 − 4.25 (m, 2H), 4.60 (s, 1H), 7.20 − 7.41 (m, 10H).
ステップ2.エチル (2S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、EtOH(150ml)中の(2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタノエート(2.5g、6.8mmol)の溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.96g、13.6mmol)を室温で添加した。得られた溶液を2つの一定量に分割し、触媒として10%Pd(OH)2/Cを使用して、それぞれをH−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分、P=1.0バール、T=70℃]。一定量を合わせ、溶媒の蒸発後、粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から50:50)で溶出しながら精製すると、表題生成物(1.24g、64%)が無色の油として得られた。MS (ESI) m/z: 286 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 1.15 (s, 9H), 1.18 (t, J = 7.10 Hz, 3H), 1.39 (s, 9H), 4.12 (q, J = 7.09 Hz, 2H), 5.32 (d, J = 8.75 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 8.72 Hz, 1H).
ステップ3.エチル (2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエートの調製
丸底フラスコ内で、窒素雰囲気下、THF/EtOHの1:1混合物(26mL)中の(2S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタノエート(1.19g、4.12mmol)の撹拌溶液に、NaBH4(0.058.5g、1.55mmol)を0℃で添加した。反応物を1時間の期間にわたり室温に温め、次いでH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をAcOEtに溶解し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。Teledyne ISCO装置を使用して、Cy:AcOEt(70:30)で溶出しながらクロマトグラフィー精製すると、表題化合物(0.995g、83%)が、無色の油として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=9:1)として得られた。MS (ESI) m/z: 312 [M−Na]+; (ESI) m/z: 348 [M−CH3COO]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (s, 9H), 1.17 (t, J = 7.03 Hz, 3H), 1.36 (s, 9H), 3.37 (t, J = 6.39 Hz, 1H), 4.03 (q, J = 7.05 Hz, 2H), 4.08 − 4.17 (m, 1H), 5.01 (d, J = 5.94 Hz, 1H), 7.15 (d, J = 8.75 Hz, 1H).
ステップ4.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸の調製
丸底フラスコ内で、(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−(tert−ブトキシ−カルボニルアミノ)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエート(0.4g、1.38mmol)を含有するジアステレオマー混合物を、6.0M HCl溶液(30mL)に溶解した。得られた溶液を2つの等しい一定量に分割し、130℃で1時間撹拌した。全ての部分を合わせ、反応混合物をEt2O(3×20mL)で抽出した。水相を減圧下で濃縮すると、黄色固体の粗生成物が、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=9:1)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:162[M−H]+;(ESI)m/z:160[M−H]−。
ステップ5.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(5.0mL)中の(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸(0.23g、1.38mmol)ならびにNaHCO3(0.118g、1.4mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(5.0mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.57g、2.0mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.34g、70%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=9:1)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 352 [M−H]+; (ESI) m/z: 350 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.87 (s, 9H), 1.27 − 1.41 (m, 2H), 1.57 (q, J = 7.46 Hz, 4H), 2.57 (t, J = 7.70 Hz, 2H), 3.36 (t, J = 7.52 Hz, 2H, under water signal), 3.85 − 4.15 (m, 3H), 7.13 − 7.32 (m, 5H), 7.32 (d, J = 8.56 Hz, 1H), 11.91 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ6.5−フェニルペンチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(40mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(5−フェニルペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.325g、0.92mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.38mL、2.77mmol)(0.2mL、1.44mmol)、その後TBTU(0.356g、1.11mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から70:30)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.165g、54%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 351 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 332 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.94 (s, 9H), 1.29 − 1.39 (m, 2H), 1.52 − 1.65 (m, 4H), 2.58 (t, J = 7.65 Hz, 2H), 4.01 (t, J = 6.59 Hz, 2H), 4.33 (d, J = 4.66 Hz, 1H), 4.76 (dd, J = 4.65, 8.16 Hz, 1H), 7.11 − 7.36 (m, 5H), 8.05 (d, J = 8.15 Hz, 1H).
実施例57.(4−フェニル−フェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から3に関しては、実施例56を参照されたい。
ステップ4.(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−[(4−フェニル−フェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(7.0mL)中の(2R*,3R*)−および(2R*,3S*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸(0.288g、1.78mmol)ならびにNaHCO3(0.15g、1.8mmol)を含有する撹拌ジアステレオマー混合物に、THF(7.0mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.82g、2.68mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×10mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(2段階にわたり0.21g、32%)が、オフホワイトの固体として、ジアステレオ異性体混合物(anti:syn=9:1)として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 410 [M−K]+; (ESI) m/z: 370 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.88 (s, 9H), 3.40 (d, J = 7.37 Hz, 1H), 4.09 − 4.18 (m, 1H), 5.08 (s, 2H), 5.08 (s, broad, 1H), 7.33 − 7.53 (m, 5H), 7.60 (d, J = 8.97 Hz, 1H), 7.63 − 7.72 (m, 4H), 12.21 (s, 1H)(報告されたデータは、主要なantiジアステレオ異性体を指す)。
ステップ5.(4−フェニル−フェニル)−メチル−N−[(2R*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(25mL)中の(2R*,3R*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−[(4−フェニル−フェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸および(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−[(4−フェニル−フェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.203g、0.55mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.23mL、1.65mmol)、その後TBTU(0.21g、0.66mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.063g、58%)が、白色固体として、純粋なantiジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 371 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 352 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.95 (s, 9H), 4.37 (d, J = 4.64 Hz, 1H), 4.83 (dd, J = 4.65, 8.16 Hz, 1H), 5.14 (s, 2H), 7.32 − 7.56 (m, 5H), 7.60 − 7.75 (m, 4H), 8.25 (d, J = 8.12 Hz, 1H).
実施例58.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1.エチル (2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエートの調製
EtOH(22mL)中のエチルエチル(2S*)−2−(ジベンジルアミノ)−4,4−ジメチル−3−オキソ−ペンタノエート[実施例47、ステップ1に関して調製された](0.637g、1.73mmol)の撹拌溶液に、H2O(7.0mL)中のNH4Cl(1.86g、34.7mmol)の溶液を室温で添加した。次いで、NaBH4(0.656g、17.3mmol)を少しずつ添加した。最後の添加から1時間後、反応物をH2Oでクエンチし、溶媒を蒸発させた。粗混合物をH2OおよびCH2Cl2で吸収させ、20%NH4OH水溶液でpHを9に補正した。抽出後、有機相をNa2SO4上で脱水し、濾過し、真空下で濃縮すると、粗生成物が油として得られた。Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10)で溶出しながら精製すると、表題化合物(0.55g、86%)が、無色の油として、純粋なsynジアステレオ異性体として得られた。MS (ESI) m/z: 370 [M−H]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.63 (s, 9H), 1.31 (t, J = 7.10 Hz, 3H), 3.18 (d, J = 9.26 Hz, 1H), 3.39 (d, J = 13.54 Hz, 2H), 3.63 (d, J = 8.98 Hz, 1H), 3.92 (d, J = 13.53 Hz, 2H), 4.10 − 4.31 (m, 2H), 4.35 (s, 1H), 7.20 − 7.47 (m, 10H).
ステップ2.エチル (2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエートの調製
梨型フラスコ内で、エチル(2S*,3R*)−2−(ジベンジルアミノ)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエート(2.0g、5.6mmol)をEtOH(110mL)に溶解し、触媒として10%Pd/Cを使用して、H−Cube(登録商標)水素化装置フロー反応器に通過させた[流量:1.0mL/分;P=1.0バール、T=70℃]。溶媒の蒸発後、表題化合物(0.74g、70%)が黄色い油として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 190 [M−H]+. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.90 (s, 9H), 1.20 (t, J = 7.11 Hz, 3H), 3.35 (d, J = 2.95 Hz, 1H), 3.44 (d, J = 2.92 Hz, 1H), 4.05 − 4.13 (m, 2H).
ステップ3.(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸の調製
丸底フラスコ内で、エチル (2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタノエート(0.596g、3.7mmol)を6.0M HCl溶液(70mL)に溶解した。得られた溶液を2つの等しい一定量に分割し、130℃で1時間撹拌した。全ての部分を合わせ、反応混合物をEt2O(3×50ml)で抽出した。水相を減圧下で濃縮し、得られた黄色固体の粗生成物(0.675g、93%)を、それ以上精製せずに次の反応に使用した。MS (ESI) m/z: 162 [M−H]+; (ESI) m/z: 160 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.91 (s, 9H), 3.66 (d, J = 3.24 Hz, 1H), 3.89 (s, 1H), 5.95 (d, J = 6.39 Hz, 1H), 7.92 (s, 3H), 13.88 (s, 1H).
ステップ4.(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(5−フェニル−ペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸の調製
H2O(15mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4.4−ジメチル−ペンタン酸(0.36g、2.24mmol)およびNaHCO3(0.188g、2.24mmol)の撹拌混合物に、THF(15mL)中の5−フェニル−ペンチル−2−ピリジル−カーボネートおよび5−フェニル−ペンチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(1.95g、6.84mmol)を含有する異性体混合物[実施例32、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×40mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×40mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.346g、44%)がオフホワイトの固体として得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS (ESI) m/z: 352 [M−H]+; (ESI) m/z: 350 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.86 (s, 9H), 1.33 (tt, J = 5.95, 9.00 Hz, 2H), 1.57 (ddt, J = 3.93, 6.59, 10.94 Hz, 4H), 2.57 (t, J = 7.70 Hz, 2H), 3.59 (s, 1H), 3.87 − 4.03 (m, 2H), 4.12 − 4.21 (m, 1H), 6.25 (d, J = 9.37 Hz, 1H), 7.10 − 7.32 (m, 5H), 11.55 (s, 1H).
ステップ5.5−フェニルペンチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート の調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(45mL)中の(2R*,3S*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−(5−フェニル−ペントキシ−カルボニルアミノ)−ペンタン酸(0.346g、0.98mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.41mL、2.95mmol)、その後TBTU(0.38g、1.20mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から70:30)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.125g、38%)が、白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 351 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 332 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.93 (s, 9H), 1.34 (h, J = 6.37, 7.16 Hz, 2H), 1.53 − 1.65 (m, 4H), 2.57 (t, J = 7.69 Hz, 2H), 4.02 (q, J = 6.25 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 6.24 Hz, 1H), 5.56 (dd, J = 6.32, 8.47 Hz, 1H), 7.07 − 7.34 (m, 5H), 8.38 (d, J = 8.48 Hz, 1H).
実施例59.(4−フェニル−フェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメート
ステップ1から3に関しては、実施例58を参照されたい。
ステップ4.(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−[(4−フェニル−フェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸の調製
H2O(15mL)中の(2S*,3R*)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−ペンタン酸(0.353g、2.19mmol)およびNaHCO3(0.184g、0.84mmol)の撹拌混合物に、THF(15mL)中の(4−フェニルフェニル)−メチル−2−ピリジルカーボネートおよび(4−フェニルフェニル)−メチル−2−オキソピリジン−1−カルボキシレート(0.815g、2.2mmol)を含有する異性体混合物[実施例17、ステップ1に関して調製された]を室温で添加した。室温で15時間後、粗混合物を回転蒸発させて有機物を除去し、その後Et2O(3×20mL)で抽出した。水相を2.0M HCl溶液でpH2〜3に酸性化し、その後AcOEt(3×20mL)で抽出した。有機画分をNa2SO4上で脱水し、濾過し、乾燥するまで濃縮すると、表題化合物(0.181g、21%)が得られ、これをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。MS(ESI)m/z:410[M−K]+;(ESI)m/z:370[M−H]−。
ステップ5.(4−フェニル−フェニル)−メチル−N−[(2S*,3R*)−2−tert−ブチル−4−オキソ−オキセタン−3−イル]−カルバメートの調製
窒素雰囲気下で、無水CH2Cl2(20mL)中の(2S*,3R*)−3−ヒドロキシ−4,4−ジメチル−2−[(4−フェニル−フェニル)−メトキシ−カルボニルアミノ]−ペンタン酸(0.18g、0.48mmol)の撹拌混合物に、Et3N(0.203mL、1.45mmol)、その後TBTU(0.186g、0.6mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で1時間、および室温で15時間撹拌した。次いで、有機物を減圧下で除去し、得られた粗生成物を、Teledyne ISCO装置を使用したカラムクロマトグラフィーにより、Cy:AcOEt(90:10から80:20)で溶出しながら精製すると、純粋な表題化合物(0.011g、6%)が、白色固体として得られた。MS (ESI) m/z: 371 [M−NH4]+; (ESI) m/z: 352 [M−H]−. 1H NMR (DMSO−d6) δ 0.93 (s, 9H), 4.38 (d, J = 6.24 Hz, 1H), 5.15 (d, J = 2.85 Hz, 2H), 5.61 (dd, J = 6.18, 8.50 Hz, 1H), 7.23 − 7.81 (m, 9H), 8.58 (d, J = 8.48 Hz, 1H).
実施例60−マウスにおけるカラギーナン誘発性炎症反応に対する化合物6の効果
ここでの結果は、化合物6の抗炎症活性およびその薬理学的機構を示す。NAAAは、先天的免疫細胞において主に発現し、これは炎症におけるこの酵素の役割を示唆している。以前の研究では、NAAA阻害剤が、核内受容体PPAR−アルファを介したPEAシグナル伝達の増加により、マウスにおいて強い抗炎症効果をもたらすことが示されている(Solorzano C, et al (2009) Proc Natl Acad Sci U S A. 106:20966−71を参照されたい)。
方法は、以下を含む:カラギーナン(1%)を、Swissアルビノマウスの左後足に注入した。浮腫容積測定装置(plethysmomether)を使用して、足浮腫を測定した。皮膚痛覚過敏(熱的)を、足底試験により評価した(Hargreaves K, et al(1988), Pain 32: 77−88を参照されたい)。化合物6を局所投与した。データを、複数の比較のためANOVAに続くボンフェローニ試験により分析した。
この実施例、および図3〜6は、急性炎症のカラギーナンモデルにおいて、化合物6が顕著な抗炎症および抗痛覚過敏効果を生成することを示している。他のNAAA阻害剤に関して以前に示されたように、これらの効果は、PPAR−アルファにより媒介される。
実施例61−皮膚の完全性に対する効果:ステロイドとの比較
ここでの結果は、皮膚の完全性に対する化合物6の反復局所投与の効果を示す。
この実験は、皮膚の完全性に対する、化合物6またはデキサメタゾンによる反復(14日間)局所投薬の効果を評価するものであった。
結果は、デキサメタゾン等のステロイドの反復局所投与が皮膚萎縮をもたらすことを示したが、これは、これらの薬剤の治療上の使用に対する大きな制限である(Schoepe et al (2006), Exp Dermatol 15: 406−420を参照されたい)。また、結果は、PPAR−アルファ活性化因子が、表皮に対するグルココルチコイドの有害事象に対抗することを示している(Demerjian et al, (2009), Exp Dermatol 18: 643−649を参照されたい)。
方法は、以下を含んでいた。CD1マウスの両耳に、薬物またはビヒクルを14日間局所投与した。マイクロメータを使用することにより耳の厚さを測定した。組織病理学的分析を、厚さ5mmのヘマトキシリン−エオシンで染色したホルマリン固定パラフィン包埋耳切片に対し行った。各耳の処置領域にわたる12の異なるサンプリングから、標準的な形態学的方法で表皮の厚さを測定した。データを、複数の比較のためANOVAに続くボンフェローニ試験により分析した。化合物6(1および30%)の反復投与(14日間)は、耳の厚さの減少として測定される皮膚の完全性に影響を与えなかった。耳の組織病理学的および形態学的分析は、細胞構造の変化を示さなかった。結果は、皮膚の厚さの顕著な減少により示唆されるように、デキサメタゾンの反復投与が皮膚萎縮をもたらしたことを示している。組織病理学的および形態学的分析では、デキサメタゾン誘発性皮膚萎縮が、表皮の厚さの減少;多層円柱上皮から単層への、表皮細胞構築の損失;およびケラチン生成細胞の形態学的変化(微小化および扁平化)に関連することが明らかであった。
これらの結果は、化合物6が、皮膚の完全性の崩壊(皮膚萎縮)に関して、ある特定のステロイドが示す長期使用に対する制限を示さないことを示している。これは予想外の結果であり、皮膚関連障害の処置における大幅な進歩である。
実施例62−マウスにおけるDNFB誘発性皮膚炎
ここでの結果は、DNFB皮膚炎における化合物6の効果を示す。
ここでの結果は、耳浮腫(炎症)の増加に対する効果を示す。
この実験は、接触皮膚炎のDNFBモデルにおける化合物6の有効性を決定するものであった。この実験はまた、化合物6をある特定の参照化合物と比較した。
この実験は、以下を含むいくつかの基準を試験した。NAAA阻害剤は、PEA分解を防止し、PPARαのPEA活性化を回復することにより、顕著な抗炎症効果を発揮することが示されている(Solorzano C, et al (2009) Proc Natl Acad Sci U S A. 106:20966−71を参照されたい)。PEAは、人間および動物の皮膚炎において保護効果を有することが示されている(Petrosino et al, (2010), Allergy, 65:698−711を参照されたい)。PPARα欠損マウスは、野生型マウスよりも、接触アレルゲンに対しより感受性であることが示されている(Dubrac et al, (2011), EurJ Immunol, 41:1−12)。
方法は、以下を含んでいた。Buckley and Nijkamp (1994) , Am J Respir Crit Care Med 149:400−7により説明されるように、2−4ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)を使用して、マウスに皮膚炎を生成した。連続2日間0.5%DNFB溶液を剃毛した胴体に塗布して、マウスを感作した。8日目に、耳に0.2%DNFB溶液を負荷した。マイクロメータを使用することにより耳の厚さを測定した。60分の期間当たりの症状発現の数として、引っかきを評価した。データを、ANOVAに続くボンフェローニ試験により分析した。関連情報に関して、Hargreaves K, et al(1988), Pain 32: 77−88もまた参照されたい。
ここでの結果は、化合物6が、確立されたDNFB誘発性耳浮腫を逆転させること(治療効果)を示している。反復投薬プロトコルにおいて、化合物6は、0.01〜1%の用量範囲において効果的である。完全有効性は、投与から3日後に観察される。化合物6の有効性はまた、単回投薬プロトコルにおいても見られた。完全有効性は、10〜30%の用量で観察される。化合物6は、DNFB誘発性増加耳浮腫を防止する(予防効果)。反復投薬プロトコルを使用した(DNFB負荷の8日前)。有効性は、0.1〜1%の用量で完全である。
また、ここでの結果は、DNFB誘発性皮膚炎における化合物6の免疫反応に対する効果を示す。
この実験は、化合物6の有効性プロファイルを、一般に皮膚炎に関連する免疫学的変化に拡大する。
この研究は、アトピー性皮膚炎が、T細胞が支配的な炎症に主に起因する免疫反応の異常調節を特徴とすることを示している(Leung et al;(2004), J.Clinical Investigation, 113:651−657を参照されたい)。この研究は、DNFBが、T細胞を活性化する化学ハプテンであることを示している(Heylings et al, (1996) Toxicology. 109: 57−65)。また、この研究は、化合物6が、DNFB誘発性浮腫に効果的であることを示している。
方法は、以下を含む。前述のように、2−4ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)でマウスにおける皮膚炎を誘発した。IL−4、IL−5、IFN−g、およびIgE 血液レベルを、免疫測定法により決定した。単回処置プロトコルを使用して、化合物6の効果を試験した。データを、複数の比較のためANOVAに続くボンフェローニ試験により分析した。
ここでの結果は、化合物6の局所投与が、DNFB皮膚炎における悪化した免疫反応を正常化することを示している。また、ここでの結果は、化合物6の単回投与が、1%から30%の用量範囲において完全有効性を提供することを示している。ここでの結果は、化合物6の効果が、ステロイドの効果よりも優れていることを示している。また、化合物6の効果は、PPAR−αでのPEAおよびOEAシグナル伝達の正常化により媒介される。
DNFB皮膚炎における化合物6の効果−痒み−引っかきサイクルの遮断
この実験は、化合物6の有効性プロファイルを、皮膚炎に関連した引っかきに拡張する。
痒み−引っかきサイクルは、アトピー性皮膚炎および他の皮膚炎に関連した一般的な医学的問題である。引っかきが悪化すると、皮膚損傷をもたらし、ひいては病原体が感染および症状の拡大を引き起こす好適な環境を形成する可能性がある。痒み−引っかきサイクルの遮断に利用可能なものは、非常に限られている。
この実験は、化合物6が他の皮膚炎関連効果に対し効果的であることを示す。
方法は、以下を含む。前述のように、DNFBによりマウスにおける痒みを誘発した。48/80モデル(マスト細胞脱顆粒の誘導因子)で、追加的な試験を行った。48/80を皮下投与した(1kg当たり30mg)。データを、複数の比較のためANOVAに続くボンフェローニ試験により分析した。化合物6の単回用量の局所投与は、マウスにおける痒み(引っかきとして評価)を防止した。DNFBモデルにおいて、化合物6は、0.001%までの低い用量で効果的である。完全な効果は、1〜3%で観察される。
マスト細胞脱顆粒の48/80モデルにおいて、化合物6は、0.01%までの低い用量で効果的であり、効果は1%で最大である。DNFBモデルにおいて、化合物6は、確立された症状に対し(治療効果)、または症状発現の防止に対し(予防効果)非常に効果的である。また、この実験は、薬理学的効果が、反復投与プロトコルにより最大化されたことを示しているが、単回投薬後でも有効性が観察され、化合物が負荷用量アプローチに好適であることを示している。さらに、マウスにおけるDFNBは、アトピー性皮膚炎患者において観察されているような免疫反応の異常調節を引き起こす。ここでの結果は、化合物6が、DNFB投与後の免疫学的プロファイルを安定化することができることを示している。この効果は、治療有効性のさらなる指標である。
ここでの結果は、化合物6が、DNFB刺激または48/80誘発性マスト細胞脱顆粒に起因する引っかきを低減することができることを示している。これは、主として難治性の症状における有効性を示唆している。ここでの実験プロトコルにおいて、化合物6の有効性は、参照薬物の有効性に匹敵した、またはそれより優れていた。したがって、化合物6は、アトピー性皮膚炎、および痒みに関連した他の皮膚炎を処置するための有望な化合物である。
本明細書において列挙される全ての参考文献の内容は、参照することにより、全ての目的においてその全体が本明細書に組み込まれる。
実施例62−h−NAAAの阻害
ヒトNAAA(h−NAAA)タンパク質調製
Optiplate 96ウェルブラックプレートにおいて、200μLの全反応体積でアッセイを行った。NAAAタンパク質調製物(4μg)を、3.0mM DTT、0.1%Triton X−100、0.05%BSA、150mM NaClを含有する100mMクエン酸/リン酸緩衝液(pH4.5)中の様々な濃度の試験化合物またはビヒクル対照(5%DMSO)と共に、10分間プレインキュベートした。N−(4−メチル−2−オキソ−クロメン−7−イル)−ヘキサデカンアミドを基質(5.0μM)として使用し、反応を37℃で30分間継続した。試料における蛍光性を、Perkin Elmer Envisionプレートリーダにおいて、360nmの励起波長および460nmの発光を使用して定量した。IC50値は、標準勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software Inc.、CA−USA)を使用して、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析により計算した。
UPLC/MS h−NAAAアッセイ
NAAAタンパク質調製物(10μg)を、100mM NaH2PO4、100mM Tri Sodium Citrate Dehydrate、0.1% Triton−X 100、3mM DTT、pH4.5中の様々な濃度の試験化合物またはビヒクル対照と共に、37℃で30分間プレインキュベートした。次いで2つの試料を、50μM C17:1 10−cis−ヘプタデセノイルエタノールアミド(Avanti Polar Lipids、Alabaster、AL−USA)と共に、37℃で30分間インキュベートした。内部標準として1nmolのヘプタデカン酸(NuChek Prep、Elysian、MN−USA)を含有する0.2mL の冷メタノールの添加により、反応を停止させた。次いで、試料をUPLC/MSにより分析した。ヘプタデセン酸およびヘプタデカン酸を、Acquity UPLC BEH C18カラム(長さ50mm、内径2.1mm、細孔径1.7μm、Waters)上で、0.5mL/分で1.5分間、共に0.25%酢酸および5mM酢酸アンモニウムを含有する95%メタノールおよび5%水の溶媒混合物で定組成溶離した。カラム温度は40℃であった。エレクトロスプレーイオン化はネガティブモードであり、キャピラリ電圧は2.7kVであり、コーン電圧は45Vであり、抽出器電圧は3Vであった。源温度は150℃、脱溶媒和温度は400℃であった。乾燥ガスとして、N2を100L/時間のコーン流量および800℃の脱溶媒和流量で使用した。[M−H]−イオンを、選択イオン監視モードで監視した(m/z値:ヘプタデセン酸267.37、ヘプタデカン酸269.37)。較正曲線は、市販のヘプタデセン酸(NuCheck Prep)を使用して生成した。NAAA活性の阻害は、ビヒクル対照と比較した試料中のヘプタデセン酸の低減として計算した。IC50値は、標準勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software Inc.、CA−USA)を使用して、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析により計算した。
蛍光性 h−NAAAアッセイ
Optiplate 96ウェルブラックプレートにおいて、200μLの全反応体積でアッセイを行った。NAAAタンパク質調製物(4.0μg)を、3.0mM DTT、0.1%Triton X−100、0.05%BSA、150mM NaClを含有する100mMクエン酸/リン酸緩衝液(pH4.5)中の様々な濃度の試験化合物またはビヒクル対照(5%DMSO)と共に、10分間プレインキュベートした。N−(4−メチル−2−オキソ−クロメン−7−イル)−ヘキサデカンアミドを基質(5.0μM)として使用し、反応を37℃で30分間継続した。次いで試料を、Perkin Elmer Envisionプレートリーダにおいて、360nmの励起波長および460nmの発光を使用して読み出した。IC50値は、標準勾配曲線フィッティングを適用するGraphPad Prism 5(GraphPad Software Inc.、CA−USA)を使用して、log[濃度]/阻害曲線の非線形回帰分析により計算した。
上記発明は、明確な理解のために図および例を用いてある程度詳細に説明されているが、当業者には、添付の特許請求の範囲内で、ある特定の変更および修正がなされてもよいことが理解される。さらに、本明細書に記載の各参考文献は、各参考文献が個々に参照により組み込まれるのと同等に、参照によりその全体が組み込まれる。本出願と本明細書に記載の参考文献との間に矛盾が存在する場合、本出願が優先されるものとする。