図において様々な実施形態に共通な構造的および/または機能的要素は、同じ参照記号を有する場合があることに留意すべきである。したがって別段の指定がない限り、これらの要素は同一の構造的な特性、寸法上の特性、および材料特性を有する。
以下で述べられる本発明の説明において「上流側」および「下流側」という用語は、当該の流体すなわち冷媒流体または空気の流れの、移動の方向を指す。
図1は全体の設計に従って示される、本発明の第1の変形形態による空調ループ1の概略図である。
空調ループ1は閉ループであり、その内部を冷媒流体が循環する。冷媒流体は、R744という名称でよく知られている二酸化炭素などの超臨界流体とすることができる。しかし冷媒流体は、ハイドロフルオロカーボンなどの亜臨界流体、例えばR134aという名称でよく知られている冷媒流体、または環境影響が少ない冷媒流体、例えばR1234yfという名称でよく知られている冷媒流体とすることもできる。
空調ループ1は、高圧での冷媒流体と、低圧での同じ冷媒流体との間の熱交換によって空調ループ1の性能を改善することが可能な内部交換器(図示せず)を備えることができる。冷媒流体がR744などの超臨界流体である場合は、空調ループ1内に内部交換器を配置することが特に有利である。亜臨界流体の場合は、空調ループ1内に内部交換器があるかどうかは任意選択である。
空調ループ1内では、冷媒流体は圧縮機2によって循環させられ、これは例えば電気モータによって駆動され、具体的には圧縮機2の外被の内側に一体化される。圧縮機2の機能は冷媒流体の圧力を高めることであり、かつそれに対応して温度を上昇させることである。
圧縮機2は、低圧で低温での冷媒流体がそれ通って圧縮機1に流入する、入口を備える。冷媒流体は、圧縮機1の入口における冷媒流体の状態と比べて高い圧力および高い温度の状態で、出口を通って圧縮機2をから流出する。
空調ループ1は、空調ループ1の様々な動作モードを管理することを可能にする制御手段5を備える。制御手段5は、複数の互いに異なる構成部分によって構成される。
空調ループ1の代替実施形態によれば、制御手段5は専ら、例えば第1の遮断手段6および第2の遮断手段7によって構成される。第1の遮断手段6および第2の遮断手段7は、冷媒流体の流れのすべてまたは一部を許容および/または排除することを可能にする。
本発明によれば圧縮機2からの出口は、第1の遮断手段6に接続される。第1の遮断手段6は二方弁であることが好ましい。さらに第1の遮断手段6は、外部熱用交換器9に接続される。外部熱用交換器9は車両の前面に配置されることが有利である。
外部熱用交換器9は、冷媒流体と、本発明による空調ループ1がその中に設置された車内の外側を流れる外部空気の流れ10との間の、熱交換を達成することを可能にする。
外部熱用交換器9は、外部空気の流れ10によって通過される前面を呈する。1つの典型的な実施形態によれば外部熱用交換器9は、少なくとも1つの第1の流路11と、1つの第2の流路12とを備える。
第1の流路11は、第2の流路12より、外部熱用交換器9の前面の大きな比率を占めることが好ましい。具体的には、第1の流路11は外部熱用交換器9の前面の約2/3を占め、第2の流路12は外部熱用交換器9の前面の約1/3を占める。
さらに、外部熱用交換器9は第1の膨張手段14に接続される。第1の膨張手段14は、その断面が冷媒流体の通過のために確定された、較正されたオリフィス14であることが好ましい。代替として第1の膨張手段14はまた、温度自動膨張弁14とすることができ、さらには電気的または電子的に制御された膨張弁14とすることができる。
第1の膨張手段14は、さらに蒸発器15に接続される。蒸発器15は冷媒流体と、車内の内側に拡散されることを目的とする内部空気の流れ16との間の熱の交換器である。内部空気の流れ16は、車内の温度状態調節を確実にすることを可能にする。
蒸発器15からの出口は圧縮機2の入口に直接に、あるいは温度条件に従ってまたは空調ループ1の動作モードに従って、冷媒流体の循環しない部分を貯蔵すること可能にする貯蔵装置17を用いて接続される。
さらに本発明の第1の変形形態によれば、圧縮機2からの出口と、第1の遮断手段6との間に第1の接続点18が設けられる。空調ループ1は、第1の接続点18のレベルにおいて「T字」部分を形成する。第1の接続点18は、内部熱用交換器19に接続される。
内部熱用交換器19は熱交換器であり、その機能は内部空気の流れ16と冷媒流体の間の熱交換をもたらすことである。より具体的には内部熱用交換器19は、「暖房」と呼ばれる少なくとも1つのモードにおいて実施される車内を暖房する機能に専用である。
内部熱用交換器19は、内部空気の流れ16の方向に従って蒸発器15の下流側に配置されることが有利である。
内部熱用交換器19からの出口は、第2の膨張手段20に接続される。第2の膨張手段20は、その断面が冷媒流体の通過のために確定された、較正されたオリフィス20であることが好ましい。代替として第2の膨張手段20はまた、温度自動膨張弁20とすることができ、さらには電気的または電子的に制御された膨張弁20とすることができる。
第2の膨張手段20は、外部熱用交換器9と第1の膨張手段14の間に配置された第2の接続点21に通じている。空調ループ1は、第2の接続点21のレベルにおいて「T字」部分を形成する。
さらに本発明の第1の変形形態によれば、空調ループ1は第3の接続点22を備える。第3の接続点22は、制御手段5の構成要素である第2の遮断手段7に通じており、第1の遮断手段6と外部交換器9の間に配置される。空調ループ1は、第3の接続点22のレベルにおいて「T字」部分を形成する。
最後に、第2の遮断手段7からの出口は、蒸発器15と圧縮機2の入口の間、具体的には貯蔵装置17の上流側に配置された第4の接続点23に接続される。空調ループ1は、第4の接続点23のレベルにおいて「T字」部分を形成する。
図2から図4は、図1に示される本発明の第1の変形形態の様々な動作モードを示す。慣例により図2から図4において、実線は冷媒流体が循環する空調ループ1の要素または部分を表し、点線は冷媒流体が循環しない空調ループ1の要素または部分を表す。
図2は、内部空気の流れ16の「冷房」と呼ばれるモードによる、図1の空調ループ1の概略図である。これを行うために第1の遮断手段6は開路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体が通過できるようにし、この場合は冷媒流体は圧縮機2の出口から外部熱用交換器9に向かって流れることが許される。
次いで冷媒流体は外部熱用交換器9に流入し、第1の流路11を通過し、次いで第2の流路12を、有利には第1の流路11における流れの方向と反対の流れの方向に通過し、その後に外部熱用交換器9から流出する。冷媒流体は、外部熱用交換器9を流れるのに従って、外部熱用交換器9を通過する外部空気の流れ10に熱量を引き渡す。
さらに「冷房」と呼ばれるモードでは、第2の遮断手段7は閉路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体を阻止し、この場合は冷媒流体は第3の接続点22から圧縮機2に向かって流れることはできない。
冷媒流体は外部熱用交換器9から流出すると、次いで第1の膨張手段14を通過し、それによって冷媒流体の圧力の減少を引き起こす。
結果として冷媒流体は蒸発器15内に進み、次いで蒸発器15には膨張された冷媒流体が流れる。冷媒流体は、蒸発器15を通過する内部空気の流れ16から熱量を吸収する。内部空気の流れ16は、有利なことに蒸発器15を通過するのに従って除湿される。したがって内部の状態調整のために、車内の内側に乾燥され冷却された内部空気の流れ16を拡散することが可能となる。
次いで冷媒流体は蒸発器15から流出し、第4の接続点23を通過し、その後に圧縮機2に、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
図3は、内部空気の流れ16の「暖房」と呼ばれる第1のモードによる、図1の空調ループ1の概略図である。これを行うために第1の遮断手段6は閉路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体を阻止し、この場合は冷媒流体は圧縮機2の出口から第3の接続点22に向かって流れることはできない。したがって冷媒流体は圧縮機2から流出すると、第1の接続点18を通過し、内部熱用交換器19に向かって方向付けられる。
圧縮機2によってもたらされた圧縮によってその温度が上昇された冷媒流体は、内部熱用交換器19を通過し、内部空気の流れ16に熱量を引き渡す。これは内部空気の流れ16の再加熱として、したがって内部の温度の増加として現れる。
冷媒流体は内部熱用交換器19から流出し、第2の膨張手段20に流入し、それによって冷媒流体の圧力の減少を引き起こす。
次いで冷媒流体は外部熱用交換器9内に進む。冷媒流体は第2の流路12を通過し、次いで第1の流路11を、有利には第2の流路12の内側の流れの方向と反対の流れの方向に通過し、その後に外部熱用交換器9から流出する。冷媒流体は、外部熱用交換器9を流れるのに従って、外部熱用交換器9を通過する外部空気の流れ10から熱量を吸収する。
「暖房」と呼ばれる第1のモードによれば、冷媒流体は外部熱用交換器9内を、「冷房」と呼ばれるモードによる冷媒流体の流れの方向とは反対の方向に流れる。
次いで冷媒流体は第3の接続点22を通過し、第1の遮断装置6が閉路位置に置かれていることにより、そこから第2の遮断手段7に向かって方向付けられる。
第2の遮断手段7は開路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体が通過できるようにし、この場合は冷媒流体は第3の接続点22から第4の接続点23に向かって流れることができ、その後に圧縮機2に、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
図4は、内部空気の流れ16の「暖房」と呼ばれる第2のモードによる、図1の空調ループ1の概略図である。内部空気の流れ16の「暖房」と呼ばれる第2のモードは、「回収」と呼ばれるモードとしても参照される。この種類の動作モードは、例えば外部空気の流れ10の温度により、外部熱用交換器9の使用が不適当になるときに用いられる。この種類の動作モードはまた、例えば内部空気の流れ16を乾燥させ除湿するために用いることができる。この場合のモードは、「除湿」と呼ばれるモードとしても参照される。
これを行うために空調ループ1は、内部空気の流れ16が、蒸発器15および内部熱用交換器19を通過できるように構成される。「暖房」と呼ばれる第2のモードによれば、内部空気の流れ16は車内から流出することになるので有利である。
任意選択として次いで、追加の加熱装置(ここでは図示せず)、例えば電気暖房放熱器によって熱力学サイクルを開始することができる。
有利なことには「暖房」と呼ばれる第1のモードにより空調ループ1の動作を開始し、次いで「暖房」と呼ばれる第2のモードにより空調ループ1を動作させるように制御手段5を構成することができる。
「暖房」と呼ばれる第2のモードは、制御手段5が外部熱用交換器9内の冷媒流体の流れを阻止するという点で、「暖房」と呼ばれる第1のモードと区別される。「暖房」と呼ばれる第2のモードでは、それに従って制御手段5は冷媒流体の循環を阻止する。換言すれば、第1の遮断手段6および第2の遮断手段7は閉路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体を阻止し、この場合は冷媒流体は第1の接続点18、第2の接続点21、および外部熱用交換器9の間を流れることができない。
冷媒流体はそれに従って圧縮機2から流出し、第1の接続点18を通過する。第1の遮断手段6が閉路位置に置かれている結果として、冷媒流体は内部熱用交換器19に向かって方向付けられ、その後に第2の膨張手段20に到達し、それによって冷媒流体の第1の圧力低下を引き起こし、その後に第2の接続点21に到達する。
第2の遮断手段7が閉路位置に置かれている結果として、冷媒流体は第1の膨張手段14に向かって方向付けられ、それによって冷媒流体の第2の圧力低下を引き起こすが、外部熱用交換器9は通過しない。
次いで冷媒流体は蒸発器15内に進み、その内側で冷媒流体は内部空気の流れ16から熱量を受け取る。
本発明によれば「暖房」と呼ばれる第2のモードによる空調ループ1では、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20は直列に配置され、有利なことに一方が他方の直ぐ後に配置される。
したがって具体的に関連するやり方において、「暖房」と呼ばれる第2のモードによる膨張は、「冷房」と呼ばれるモードで第1の膨張手段14によって引き起こされる膨張、または「暖房」と呼ばれる第1のモードで第2の膨張手段20によって引き起こされる膨張より大きい。この種類の構成は、「暖房」と呼ばれる第2のモードが適切に機能することを確実にする。
第1の膨張手段14および第2の膨張手段20は、内部熱用交換器19からの出口と、蒸発器15との間に直列に配置されることが好ましく、第2の接続点21は、第1の膨張手段14と第2の膨張手段20の間に置かれることが有利である。
したがって本発明は、それぞれ「冷房」機能または「暖房」機能のために用いられる、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20の存在から利点をもたらす。それにより「暖房」と呼ばれる第2のモードの機能を確実にするために、「冷房」機能と「暖房」機能とを組み合わせることが可能である。それにより、「暖房」と呼ばれる第2のモードは追加の補助的構成部分を必要としないので、当該の組立体の設計は特に簡潔になる。本発明によれば「暖房」と呼ばれる第2のモードは、空調ループ1内にすでにある構成部分を利用する。
冷媒流体は、蒸発器15から流出すると、次いで第4の接続点23に到達し、その後に圧縮機2に、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
また図1から図4による空調ループ1は、具体的には第1の遮断手段6および第2の遮断手段7、具体的には二方弁の形の、2つの互いに異なる制御手段5の使用を必要とするだけであることに留意すべきである。
また本発明による空調ループ1の第1の変形形態によれば、空調ループ1は、2つの互いに異なる膨張手段、具体的には第1の膨張手段14および第2の膨張手段20のみを備え、それらは「冷房」と呼ばれるモード、または「暖房」と呼ばれる第1のモードの場合は独立に用いられ、「暖房」と呼ばれる第2のモードの場合は組み合わせて、好ましくは直列に用いられることに留意すべきである。
図5は、本発明による空調ループ1の第2の変形形態の概略図である。図1から図4による空調ループ1との違いは、制御手段5に見出される。図1から図4の場合は制御手段5は数が2つだけであり、それぞれ第1の遮断手段6および第2の遮断手段7であるが、図5による第2の変形形態の制御手段5は、第3の遮断手段24を備える。
第3の遮断手段24は、空調ループ1内に第2の接続点21と第1の膨張手段14の間に配置される。第3の遮断手段24は、例えば二方弁の形をとることが有利である。代替として第3の遮断手段24はさらに、第2の接続点21の代わりにおよびその置き換えとして取り付けられた三方弁の形をとることができる。
第3の遮断手段24は、「暖房」と呼ばれる第1のモードに特に関連がある。実際、第3の遮断手段24は、第1の膨張手段14が較正されたオリフィスであるときは、少量の冷媒流体が蒸発器15に向かって通ることを可能にする。しかし「暖房」と呼ばれる第1のモードによれば、蒸発器15は迂回されることが望ましい。
「暖房」と呼ばれる第1のモードの性能を改善するために、第3の遮断手段24は、第1の膨張手段14および蒸発器15に向かう、冷媒流体の流れのすべてまたは一部を受け入れるおよび/または排除することを可能にする。
「暖房」と呼ばれる第1のモードでの第3の遮断手段24の閉路位置は、本発明による空調ループ1の成績係数を改善することができる。
図6は、本発明による空調ループ1の第3の変形形態の概略図である。図5による空調ループ1との違いは、制御手段5に見出される。図5に示される空調ループ1では、制御手段5は数が3つだけであり、それぞれ第1の遮断手段6、第2の遮断手段7、および第3の遮断手段24であるが、図5による第3の変形形態の制御手段5は、第4の遮断手段25および/または第5の遮断手段26を備える。
第4の遮断手段25は空調ループ1内に、第1の接続点18と内部熱用交換器19の間に配置される。第4の遮断手段25は、例えば二方弁の形をとることが有利である。代替として第4の遮断手段25はさらに、第1の接続点18の代わりにおよびその置き換えとして取り付けられた三方弁の形をとることができる。第4の遮断手段25が三方弁の形をとるときは、単一の制御手段5の形で、第1の遮断手段6と組み合わされることがあり得る。
第4の遮断手段25は、「冷房」と呼ばれるモードに特に関連する。実際、第4の遮断手段25は、内部熱用交換器19および第2の遮断手段20を備える空調ループ1の一部分内の、冷媒流体の流れのすべてまたは一部を受け入れるおよび/または排除することを可能にする。このようにして第4の遮断手段25は、特に第2の遮断手段20が較正されたオリフィスの形をとるときは、内部熱用交換器19を通る、および第2の遮断手段20を通る冷媒流体の寄生的な流れを回避する。
「冷房」と呼ばれるモードにおける第4の遮断手段25の閉路位置は、本発明による空調ループ1の成績係数を改善することができる。
空調ループ1は任意選択で、第2の遮断手段20と第2の接続点21の間に配置された第5の遮断手段26を備える。第5の遮断手段26は、例えば二方弁の形をとることが有利である。代替として第5の遮断手段26はさらに、第2の接続点21の代わりにおよびその置き換えとして取り付けられた三方弁の形をとることができる。第5の遮断手段26が三方弁の形をとるときは、単一の制御手段5の形で、第3の遮断手段24と組み合わされることがあり得る。
第5の遮断手段26は、内部熱用交換器19および第2の膨張手段20を備え、第4の遮断装置25と第5の遮断装置26の間に位置する、空調ループ1の部分を完全に分離することを可能にする。
図6に示される空調ループ1の第3の変形形態は追加的な違いを示す。実際、暖房、換気、および/または空調設備は、少なくとも1つの密閉手段27を含み、その機能は内部熱用交換器19内の内部空気の流れ16の通過を防止することである。図6に示される典型的な実施形態によれば、密閉手段27は、内部空気の流れ16の方向に応じて、内部熱用交換器19の上流側および/または下流側に取り付けることができる。
例としてこの種類の密閉手段27は、回転軸上に関節をなす制御ダンパ28の形をとる。この種類の制御ダンパ28はしたがって、制御ダンパ28が内部熱用交換器19を通る内部空気の流れ16の循環を阻止する第1の極限位置と、内部空気の流れ16が、内部熱用交換器19を通る内部空気の流れ16による全く妨げられないアクセスをもたらす第2の極限位置とを選ぶことができる。もちろん制御ダンパ28は、第1の極限位置と第2の極限位置の間を含むすべての中間位置を選ぶことができる。
図7は、本発明による空調ループ1の第4の変形形態の概略図である。本発明による空調ループ1の第4の変形形態は、前述の代替の変形形態と比べていくつかの違いを含む。
図1から図6に関連して述べられた空調ループ1の代替実施形態では、内部熱用交換器19は、「暖房」と呼ばれる第1のモードによる実行時、および「暖房」と呼ばれる第2のモードによる実行時には冷媒流体によって通過され、一方、空調ループ1が「冷房」と呼ばれるモードにより実行されるときは迂回される。この種類の構成は、制御手段5を作動することによって得られる。
図7による空調ループ1の第4の変形形態によれば、どの動作モード、具体的には「冷房」と呼ばれるモード、「暖房」と呼ばれる第1のモードおよび「暖房」と呼ばれる第2のモードおよび「冷房」と呼ばれるモードであるかに関わらず、内部熱用交換器19は冷媒流体によって通過される。
さらに代替実施形態によれば、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20は、冷媒流体の流れが密閉されたやり方で閉じるように構成されるので有利である。それにより第1の膨張手段14および第2の膨張手段20は、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20がその中に配置された空調ループ1の部分内の冷媒流体の流れを、特定のコマンドに従って防止することからなる補助的機能を呈する。
「冷房」と呼ばれるモードでは、冷媒流体は圧縮機2によって循環させられ、次いで内部熱用交換器19を通過する。空調ループ1の第4の変形形態の「冷房」と呼ばれるモードでは、第1の遮断手段6は開路位置に置かれ、言い換えれば冷媒流体が通過できるようにし、この場合は冷媒流体は、内部熱用交換器19から外部熱用交換器9に向かって流れることができる。次いで冷媒流体は、外部熱用交換器9内に進み、第1の流路11を通過し、次いで第2の流路12を、有利には第1の流路11における流れの方向と反対の流れの方向に通過し、その後に外部熱用交換器9から流出する。
冷媒流体は、外部熱用交換器9から流出すると、第1の膨張手段14を通過し、それによって冷媒流体の圧力の減少を引き起こす。
結果として冷媒流体は蒸発器15内に進む。冷媒流体は、蒸発器15を通過する内部空気の流れ16から熱量を吸収する。内部空気の流れ16は、有利なことに蒸発器15を通過するのに従って除湿される。したがって内部の状態調整のために、車内の内側に乾燥され冷却された内部空気の流れ16を拡散することが可能となる。
次いで冷媒流体は蒸発器15から流出し、圧縮機2に向かって、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
空調ループ1の第4の変形形態の「冷房」と呼ばれるモードでは、第1の遮断手段6は開路位置に置かれ、第2の遮断手段7は閉路位置に置かれ、第1の膨張手段14は膨張を生じ、第2の膨張手段20は、それが配置された空調ループ1の部分を密閉されたやり方で閉じる。第2の膨張手段20が配置された空調ループ1の部分の閉鎖は、その結果内部熱用交換器19からの出口と外部熱用交換器9の間の冷媒流体のすべての流れを阻止する。
「暖房」と呼ばれる第1のモードでは冷媒流体は、圧縮機2によって循環させられ、次いで内部熱用交換器19を通過する。空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第1のモードでは、第1の遮断手段6は閉路位置に置かれ、言い換えれば阻止位置に置かれる。次いで冷媒流体は第2の膨張手段20を通過し、それによって冷媒流体の圧力の減少を引き起こす。次いで冷媒流体は外部熱用交換器9内に進む。空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第1のモードでは、第1の遮断手段6は閉路位置に置かれ、第2の遮断手段7は開路位置に置かれる。冷媒流体は、内部熱用交換器19から流出すると、圧縮機2に向かって、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第1のモードでは、第1の遮断手段6は閉路位置に置かれ、第2の遮断手段7は開路位置に置かれ、第1の膨張手段14は、それが配置された空調ループ1の部分を、密閉されたやり方で閉じる。第1の膨張手段14が配置された空調ループ1の部分の閉鎖は、その結果第2の膨張手段20と蒸発器15の間の冷媒流体のすべての流れを阻止する。
空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第2のモードでは、冷媒流体は圧縮機2によって循環させられ、内部熱用交換器19を通過する。次いで冷媒流体は第2の膨張手段20を通過し、冷媒流体の圧力の第1の減少を引き起こし、次いで第1の膨張手段14を通過し、冷媒流体の圧力の第2の減少を引き起こす。最後に冷媒流体は、蒸発器15内に進み、圧縮機2に向かって、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第2のモードでは、第1の遮断手段6および第2の遮断手段7は閉路位置に置かれる。さらに第1の遮断手段14は、空調ループ1内において第2の遮断手段20の後に直接に直列となる。
さらに第4の変形形態による空調ループ1は、「暖房」と呼ばれる第3のモードにより構成することができるという利点を示す。
「暖房」と呼ばれる第3のモードは、外部熱用交換器9内と、蒸発器15内とにおいて並列に冷媒流体の流れを可能にするように、空調ループ1が構成されるものである。それに従って冷媒流体は、第2の接続点21のレベルにおいて2つの流れに分離される。この種類の構成は、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20の制御手段5の適当なコマンドによって可能となる。
空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第3のモードでは、冷媒流体は圧縮機2によって循環させられ、内部熱用交換器19を通過する。次いで冷媒流体は第2の膨張手段20を通過し、それによって冷媒流体の圧力の第1の減少を引き起こす。
第2の接続点21では冷媒流体は、外部熱用交換器9を通過する冷媒流体の第1の部分と、第1の膨張手段14に向かって移動する冷媒流体の第2の部分とに分離され、第2の部分はそれによって冷媒流体の圧力の第2の減少を引き起こし、その後に冷媒流体は蒸発器15を通過し、第4の接続点23に到達する。
冷媒流体の第1の部分は、外部熱用交換器9および第2の遮断手段7を通過し、その後に第4の接続点23に到達する。
次いで冷媒流体の第1の部分および冷媒流体の第2の部分は、第4の接続点23のレベルにおいて結合され、その後に圧縮機2に、有利には貯蔵装置17を通過した後に戻る。
「暖房」と呼ばれる第3のモードでは、第1の遮断手段6は閉路位置に置かれ、第2の遮断手段7は開路位置に置かれ、第1の膨張手段14および第2の膨張手段20は流体の通過を可能にし、冷媒流体の膨張をもたらす。この種類の動作モードでは第1の膨張手段14は、最小の膨張を行うように最大限に開かれることが好ましい。
空調ループ1の第4の変形形態の「暖房」と呼ばれる第3のモードでは、次いで外部熱用交換器9および蒸発器15は並列に機能する。
上記の説明では、1つの構成部分の他に対する位置を識別するために、「直接に(directly)」または「直ぐに(immediately)」という用語を用いている。これらの用語は、第1の構成部分は第2の構成部分に隣接する、またはそれらは場合によっては例えば導管または管の形をとる、具体的には可撓性または剛性の、冷媒流体の輸送手段のみによって互いに接続されるという意味において理解されなければならない。換言すれば第1の構成部分は第2の構成部分に、空調ループ1内で動作する熱力学サイクルの点から不活性な手段によって接続される。
本発明はもちろん上述の実施形態に限定されず、例示のためにのみ述べられたものである。本発明は様々な改変形態、変更形態、および本発明の関連において当業者によって想定され得る種類の他の変形形態、特に、個別にまたは関連して採用することができる上述の様々な動作モードのすべての組み合わせを包含するものである。