JP4067951B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒートポンプ式の車両用空調装置に係り、特に、空調ユニット内における空調空気の圧力損失を低減するのに用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置においては、一般に冷房運転にコンプレッサから吐出された冷媒を、放熱器として機能する車外熱交換器、絞り機構及び蒸発器として機能する車内熱交換器の順に循環させて、再度コンプレッサに戻すことにより、車内熱交換器により導入した外気または内気の導入空気を冷却して冷風の空調空気とすることは周知である。
このような従来の車両用空調装置においては、空調ユニット内において車内熱交換器の下流側にエアミックスダンパを介して設置されたヒータコア(加熱用熱交換器)により導入空気を加熱して暖房を行っている。なお、ヒータコアには車両走行用エンジンの冷却水を導入し、これを熱源として使用している。
【0003】
しかし、上述した従来の車両用空調装置は、エンジン冷却水を熱源として暖房運転を行うため、冬季の朝のように外気温度が低い場合など、エンジン冷却水の温度上昇に時間がかかるため暖房の立ち上がりが悪いという問題がある。また、エンジンのアイドリング時や低負荷時には、充分なエンジン冷却水温度が得られず、即暖性及び暖房能力共に不足する傾向にある。
【0004】
このような問題を解決するため、暖房時の暖房能力不足をコンプレッサにより高温高圧にした冷媒を用いて補うようにしたヒートポンプ式の車両用空調装置が提案されている。すなわち、空調ユニット内に二つの車内熱交換器及びヒータコア(合計3台の熱交換器)を設置し、二つの流量調整弁(絞り機構)の開度調整により種々の形態の運転を可能にするとともに、高温高圧の冷媒が流通する一方の車内熱交換器により空気加熱を補助するように構成されている。(たとえば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開平10−44758号公報(段落番号0021〜0042及び図1〜2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の車両用空調装置においては、空調ユニット内に3台の熱交換器が設置されているため、これを通過して流れる導入空気にとっては大きな抵抗となり、圧力損失の増大が問題となる。このような圧力損失の増大は、送風能力を増すことによってブロワファンが大型化したり、あるいは騒音の増大を招くことが懸念される。
また,空調ユニット内に3台の熱交換器を設置することにより、空調ユニットの大型化が懸念される。
【0007】
また、コンプレッサから吐出された高温高圧のガス冷媒を空調ユニット内の車内熱交換器に直接導入しているため、冷媒温度がエンジン冷却水の温度よりも高くなり、従って、空調ユニットを構成する各種部品の耐熱温度を上げることが必要となる。このような耐熱温度の問題は、コンプレッサ吐出温度の高い冷媒、たとえば近年自然冷媒として注目されている二酸化炭素(CO )において顕著である。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、暖房能力や即暖性を確保し、空調ユニット内を流れる導入空気の圧力損失を低減すると共に、空調ユニットの耐熱温度を低く抑えることができる車両用空調装置の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の車両用空調装置は、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、空調ユニット内に配置されて導入空気と冷媒との間で熱交換を行う車内熱交換器と、外気と冷媒との間で熱交換を行う車外熱交換器と、冷媒を減圧する絞り機構と、運転モードに応じて冷媒流れ方向を選択切換する冷媒流れ方向切換手段とを具備してなる冷媒回路と、車両の駆動装置冷却媒体により導入空気を加熱する加熱用熱交換器を具備してなる駆動装置冷却系とを備え、空調ユニット内の空調空気流れ方向上流側から順に前記車内熱交換器及び前記加熱用熱交換器が設置され、前記コンプレッサにより圧縮されたガス冷媒が前記冷媒回路を循環する冷媒流れ方向を切り換えて車室内の空調を行うように構成されたヒートポンプ式の車両用空調装置であって、
前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の上流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス冷媒と前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第1の冷却媒体−冷媒熱交換器と、前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の下流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を通過した冷媒と前記加熱用熱交換器を通過した前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第2の冷却媒体−冷媒熱交換器とを備え、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記コンプレッサと第1の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する冷媒配管に設けられ、前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器の下流で第1の冷媒流れ方向切換手段を介して分岐し、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に接続された冷媒分岐配管に設けられ、該冷媒分岐配管の前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器との間に他の絞り機構が配設され、前記第2の冷却媒体−熱交換器を、前記車外熱交換器と前記車内熱交換器とを連結する冷媒配管から分岐され、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に第2の冷媒流れ方向切換手段を介して接続された第2の冷媒バイパス流路に設けたことを特徴とするものである。
【0010】
このような車両用空調装置によれば、前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の上流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス冷媒と前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第1の冷却媒体−冷媒熱交換器と、前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の下流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を通過した冷媒と前記加熱用熱交換器を通過した前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第2の冷却媒体−冷媒熱交換器とを備え、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記コンプレッサと第1の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する冷媒配管に設けられ、前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器の下流で第1の冷媒流れ方向切換手段を介して分岐し、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に接続された冷媒分岐配管に設けられ、該冷媒分岐配管の前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器との間に他の絞り機構が配設され、前記第2の冷却媒体−熱交換器を、前記車外熱交換器と前記車内熱交換器とを連結する冷媒配管から分岐され、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に第2の冷媒流れ方向切換手段を介して接続された第2の冷媒バイパス流路に設けたので、空調ユニット内に設置する熱交換器の数を2台とし、導入空気の圧力損失を低減することができる。この場合、第1の冷却媒体−冷媒熱交換器は、冷房及び暖房の両運転モードにおいて駆動装置冷却媒体を加熱して昇温させる放熱器として機能し、第2の冷却媒体−冷媒熱交換機は、暖房運転モードにおける蒸発器として機能する。なお、冷房運転モードにおいては、車外熱交換器が主たる放熱器として機能し、車内熱交換器が蒸発器として機能する。
また、暖房運転モードにおいては、第1の冷却媒体−冷媒熱交換器が放熱器として機能し、第2の冷却媒体−冷媒熱交換器が蒸発器として機能して冷凍サイクルが構成される。そして、放熱器として機能する第1の冷却媒体−冷媒熱交換器において、高温高圧のガス冷媒から吸熱して昇温した駆動装置冷却媒体を加熱用熱交換器に供給することができるので、導入空気をより高温で加熱することが可能になる。
さらに、第2の冷却媒体−冷媒熱交換器を、車外熱交換器と車内熱交換器とを連結する冷媒配管から分岐され、車内熱交換器とコンプレッサとの間を連結する冷媒配管に第2の冷媒流れ方向切換手段を介して接続された第2の冷媒バイパス流路に設けたことにより、一つの絞り機構で冷暖房の冷凍サイクルを構成し、放熱器として機能する車内熱交換器及び加熱用熱交換器の両方で導入空気を二段階に加熱する暖房運転が可能となる。
【0017】
請求項2に記載の車両用空調装置は、請求項1記載のものにおいて、前記コンプレッサと前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器との間を連結する冷媒配管から分岐され、前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記車外熱交換器との間を連結する冷媒配管に接続された第1の冷媒バイパス流路を設け、該第1の冷媒バイパス流路に開閉弁を設けたことを特徴とするものであり、これにより、熱媒体温度の異常時に対応した冷房運転が可能となる。
例えば夏場の登坂走行により車両駆動用冷却媒体の放熱性能が不足している場合に、高温高圧のガス冷媒による車両駆動用冷却媒体の更なる温度上昇を防止することができる。
【0018】
請求項3に記載の車両用空調装置は、請求項1記載のものにおいて、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を、前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記車内熱交換器または前記第2の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する分岐点までの冷媒配管に設けたことを特徴とするものであり、これにより、冷房運転時に第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を高温高圧のガス冷媒が通過しないので、加熱用熱交換器からの放熱を最小限に抑えることができる。また、高温高圧のガス冷媒による車両駆動用冷却媒体の更なる温度上昇を防止することにより車両駆動装置の運転を確保することができる。
【0021】
請求項4に記載の車両用空調装置は、請求項1から3のいずれかに記載のものにおいて、前記冷媒回路が、冷房運転モードにおいて前記車外熱交換器により冷却された冷媒と前記車内熱交換器により気化した冷媒との間で熱交換する内部熱交換器を備えていることを特徴とするものであり、これにより、コンプレッサに吸引されるガス冷媒を内部熱交換器で加熱することができ、冷媒温度の上昇により冷媒密度を増すことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用空調装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図2及び図3は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図2は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図3は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
【0023】
最初に、図2に基づいて車両用空調装置の冷媒回路構成を説明する。
図示の冷媒回路10は、ガス冷媒を圧縮するコンプレッサ11と、空調ユニット30内に設置された車内熱交換器12と、外気導入が容易な車体前端部近傍等に設置された車外熱交換器13と、絞り機構として設けた第1電子膨張弁14Aと、冷媒流れ方向切換手段として設けた三方弁(第1の冷媒流れ方向切換手段)15とを具備し、これらの各機器間が冷媒管路16により連結されて閉回路を構成している。なお、上述した第1電子膨張弁14Aは、車内熱交換器12と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に設けられている。
【0024】
また、コンプレッサ11と三方弁15との間を連結する冷媒配管16には、後述する駆動装置冷却系40を循環する駆動装置冷却媒体と熱交換する第1熱媒体−冷媒熱交換器(第1の冷却媒体−冷媒熱交換器)41が設置されている。
さらに、三方弁15の一つの接続口から分岐するようにして設けられた冷媒分岐配管16Aは、車内熱交換器12とコンプレッサ11との間を連結する冷媒配管16の途中に、より具体的には、車内熱交換器12とコンプレッサ11の吸入側に設けられているアキュムレータ18との間を連結する冷媒配管16に接続されている。この冷媒分岐配管16Aには、三方弁15側から順に、第2電子膨張弁(他の絞り機構)14Bと第2熱媒体−冷媒熱交換器(第2の冷却媒体−冷媒熱交換器)43とが設けられている。
【0025】
なお、上述した冷媒回路10において、図中の符号17はコンプレッサ11から冷媒と共に流出する潤滑油を分離させて除去するオイルセパレータ、18は液冷媒がコンプレッサ11に吸引されないよう冷媒の気液分離を行うアキュムレータ、19は冷媒の温度及び圧力をそれぞれ検出するPTセンサ、20は冷媒の温度を検出する温度センサ、21は冷媒の圧力を検出する圧力センサである。
【0026】
駆動装置冷却系40は、車両の駆動源を冷却するための駆動装置冷却媒体として、水等の熱媒体(以下、「クーラント」と呼ぶ)を循環させる流路であり、クーラントの流れ方向上流側から第1熱媒体−冷媒熱交換器41、クーラント熱交換器(加熱用熱交換器)42及び第2熱媒体−冷媒熱交換器43の順に配置された熱交換器がクーラント配管44で連結されている。ここで使用するクーラントは、たとえば内燃機関エンジンの冷却、車両走行用電動機の冷却、燃料電池装置の冷却などを行って吸熱し、温度上昇したものである。
【0027】
コンプレッサ11は、たとえば図示しない電動モータ等を駆動源として運転される。このコンプレッサ11では、アキュムレータ18からガス冷媒を吸引して圧縮し、冷媒回路10に送出する。
車内熱交換器12は、空調ユニット30において空調する導入空気、すなわち熱交換器を通過する車室外の空気(外気)または車室内の空気(内気)と熱交換器内部を流れる冷媒との間で熱交換するように構成したものである。この場合、空調ユニット30内には、空調する導入空気の流れ方向において上流側から順に、車内熱交換器12及びクーラント熱交換器42が適当な間隔を設けて直列に配置されている。なお、図2では導入空気の流れ方向における上流側にブロワファン31を設ける構成としたが、車内熱交換器12、クーラント熱交換器42の順に導入空気が熱交換可能な流れを形成する機能をなす配置であれば、これに限られるものではない。
【0028】
上流側の車内熱交換器12は、冷媒回路10を循環する冷媒の流れ方向に応じて、蒸発器(冷房運転時)または必要に応じて放熱器(暖房運転時)として機能する。なお、図示の冷媒回路10では、車内熱交換器12を放熱器として使用する暖房運転は行わない。
また、下流側のクーラント熱交換器42は、クーラントの流れ方向は空調運転モードに係わらず一定であり、クーラントの保有する熱で導入空気を加熱する暖房用の加熱源として機能する。
【0029】
車外熱交換器13は、車両の走行風や図示しないファンにより熱交換器を通過する外気と、熱交換器の内部を流れる冷媒との間で熱交換するように構成したものである。この車外熱交換器13は、冷媒回路10を循環する冷媒の流れをよって、冷房運転モード時の放熱器として機能する。すなわち、この車外熱交換器13は、空調運転モードに応じて、車内熱交換器12が蒸発器として機能する冷房運転時には放熱器として使用され、暖房運転時には冷媒の通過がなく休止状態とされる。
【0030】
第1電子膨張弁14A及び第2電子膨張弁14Bは、いずれも開度調整により冷媒を減圧する機能を有する絞り機構である。
また、第2電子膨張弁14Bについては、ダイヤフラム等を用いて弁前圧力を所定値に保つ機械式膨張弁としてもよい。
なお、この電子膨張弁は、必要に応じて全閉とすることもできるため、冷媒管路16における冷媒の流れを阻止することも可能である。
【0031】
三方弁15は、冷媒管路16の適所に設置されている冷媒流れ方向切換手段である。この三方弁15は、弁操作により空調運転の運転モードに応じた冷媒の流れ方向を選択切換する機能を有している。図示の冷媒回路では、三方弁15の操作を行うことにより、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒が車外熱交換器13へ流れる冷房運転モード(図2参照)と、第2熱媒体−冷媒熱交換器43へ流れる暖房運転モード(図3参照)との選択切換が行われる。
なお、三方弁15については、三つの接続口のうち、図中に黒塗りして示したものが閉じており、また、三方弁に代えて開閉弁を組合せて使用することも可能である。
【0032】
空調ユニット30は、いわゆるHVAC(Heating, Ventilation, and Air-Conditioning)ユニットと呼ばれるものである。この空調ユニット30は、内気及び外気の導入口や各種吹出口を備えたケーシング内に、ブロワファン31、車内熱交換器12、クーラント熱交換器42、エアミックスダンパ32及び図示しない各種ダンパ類(内外気切換ダンパ及び各吹出ダンパ)が設けられている。
このように構成された空調ユニット30では、空調しようとする導入空気(内気または外気)がブロワファン31及び車内熱交換器12を通過して流れ、さらに、エアミックスダンパ32の開度に応じてクーラント熱交換器42を通過して流れる。この過程において、導入空気は車内熱交換器12に供給される冷媒及びクーラント熱交換器42に供給されるクーラントと熱交換して空調空気となり、設定された吹出モードの吹出口より車室内に吹き出すこととなる。
【0033】
以下、上述した構成の冷媒回路10を備えた車両用空調装置について、各空調運転モードの作用を冷媒の流れと共に説明する。
この車両用空調装置には、少なくとも冷房運転モード及び暖房運転モードが設けられている。
【0034】
冷房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図1のフローチャート及び図2の冷媒回路構成図に示すように、最初に第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けないようにするため、エアミックスダンパ32は最大の冷房能力を発揮する全閉位置とする。なお、エアミックスダンパ32の開度調整を行うことにより、導入空気の一部又は全部がクーラント熱交換器42を通過して加熱されるため、空調空気の温度調整及び除湿暖房が可能となる。
【0035】
第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した高温高圧のガス冷媒は、通常冷媒側より温度の低いクーラント側へ放熱して温度が低下した後、三方弁15の設定により車外熱交換器13へ導かれる。この時、冷媒が温度勾配の高いCO であれば、一般的なクーラントの温度(80℃程度)より高温の120℃程度となるため、このガス冷媒を直接空調ユニット30内の熱交換器へ供給することは耐熱温度をかなり高く設定する必要がある。
しかし、このガス冷媒でクーラントを加熱すれば、クーラントが昇温されるものの直接供給する場合ほど温度が高くなることはないので、空調ユニット30の耐熱温度を大幅に変更する必要はない。なお、図中の三方弁15においては、黒塗りして示した接続口が閉じられている。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換によりさらに放熱し、高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0036】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は、第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低圧の液冷媒となる。この液冷媒は車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0037】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通ってアキュムレータ18に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、三方弁15の設定により、コンプレッサ11、直列に配列された二つの放熱器として機能する第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、蒸発器として機能する車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0038】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図1のフローチャート及び図3の冷媒回路構成図に示すように、最初は冷房運転モードと同様に、放熱器として機能する第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この運転モードでは三方弁15の設定が変わり、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した高温高圧のガス冷媒がクーラントに放熱した後、冷媒分岐配管16Aに導かれる。この冷媒は、第2電子膨張弁14Bを通過して減圧された後、第2熱媒体−冷媒熱交換器43においてクーラントから吸熱して気化する。
こうして気化したガス冷媒は、アキュムレータ18に導かれて気液の分離がなされた後、ガス冷媒のみが再度コンプレッサ11に吸引される。
【0039】
すなわち、三方弁15の操作により冷媒が冷媒分岐配管16Aを流れる暖房運転モード時の冷媒回路10においては、第1熱媒体−冷媒熱交換器41が放熱器として機能し、第2熱媒体−冷媒熱交換器43が蒸発器として機能することで、冷凍サイクルが構成されている。
【0040】
この結果、クーラントは第1熱媒体−冷媒熱交換器41で冷媒から吸熱することにより昇温するので、クーラント熱交換器42にはより高温のクーラントが供給される。ちなみに、クーラントがエンジン冷却水の場合は通常80℃程度の温水が供給されるのに対し、コンプレッサ11から供給された高温高圧のガス冷媒は、冷媒の種類にもよるが、たとえ自然冷媒として近年注目されている二酸化炭素(CO )の場合には120℃程度の高温となる。このため、空調ユニット30内を流れる導入空気は、より高温となったクーラントが流れるクーラント熱交換器42を通過して加熱されるので、より高温の温風となって所望の吹出口より車室内へ吹き出される。
【0041】
すなわち、空調装置における暖房能力の最大値を増すことができ、しかも、コンプレッサ11から高温高圧のガス冷媒を直接導入する場合と比較して、空調ユニット30内の耐熱温度を低く設定することができる。また、空調ユニット30内には熱交換器が二台しかないので、3台の熱交換器が直列に配置された従来構造と比較して、導入空気が通過する際の圧力損失は小さくてすみ、空調ユニットの小型化が可能である。。
【0042】
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、三方弁15の設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器(放熱器)41、第2電子膨張弁14B、第2熱媒体−冷媒熱交換器(蒸発器)43、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16及び冷媒分岐配管16Aを循環する。
【0043】
<第2の実施形態>
図4は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図5及び図6は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図5は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図6は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
なお、図4ないし図6においては、上述した第1の実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0044】
さて、この実施形態の冷媒回路10Aでは、上述した第1の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うように構成したものである。
なお、冷媒回路10Aの他の構成については、上述した第1の実施形態(図2及び図3)と同様である。
【0045】
このようにして内部熱交換器22を設けると、冷房運転モード時において、図4及び図5に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。
この冷房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、最初に第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けないようにするため、エアミックスダンパ32は最大の冷房能力を発揮する全閉位置とする。
なお、エアミックスダンパ32の開度調整を行うことにより、導入空気の一部がクーラント熱交換器42を通過して加熱されるため、空調空気の温度調整が可能となる。
【0046】
第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過して放熱した高温高圧のガス冷媒は、三方弁15の設定により車外熱交換器13へ導かれる。なお、図中の三方弁15においては、黒塗りして示した接続口が閉じられている。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換により再度放熱し高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0047】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は比較的温度が高く、内部熱交換器22に導かれて後述する車内熱交換器12で気化してアキュムレータ18で気液分離されたガス冷媒と熱交換する。ここでの熱交換は、高圧冷媒が放熱してコンプレッサ11に吸引される低温低圧のガス冷媒を昇温させる。
内部熱交換器22を通過して温度低下した冷媒は、第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低温低圧の液冷媒となる。この液冷媒は車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0048】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通ってアキュムレータ18に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。そして、コンプレッサ11に吸引されて圧縮されたガス冷媒は、以下同様の経路をたどって冷媒回路10Aを循環する。
【0049】
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、三方弁15の設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
従って、上述した第1の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時における車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
【0050】
さて、本実施形態の冷媒回路10Aにおいて、上述した冷房運転モード以外の空調運転、すなわち暖房運転モードでは実質的に上述した第1の実施形態と同様であり、従って、ここではその冷媒の流れを図6に示し、その詳細な説明は省略する。
なお、暖房運転モードにおける内部熱交換器22は、コンプレッサ11に吸引する前のガス冷媒のみが流れるため、放熱により車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増すという効果は実質的に期待することができない。
【0051】
<第3の実施形態>
図7は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図8ないし図10は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図8は通常の冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図9は熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図10は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
なお、図8ないし図10においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0052】
さて図9においては、この実施形態の冷媒回路10Bは、上述した第1及び第2の実施形態にはない構成として、第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24を備えている。第1の冷媒バイパス流路23は、コンプレッサ11と第1の熱媒体−冷媒熱交換器41との間を連結する冷媒配管16から、より具体的には、コンプレッサ11の下流に設けられているオイルセパレータ17と第1の熱媒体−冷媒熱交換器41との間を連結する冷媒配管16から分岐し、三方弁15と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に接続されたもので、その途中には開閉弁として電磁弁24が設けられている。
【0053】
すなわち、この実施形態の冷媒回路10Bでは、電磁弁24を開閉操作することにより、コンプレッサ11から第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び三方弁15をバイパスして車外熱交換器13へ冷媒を流す冷媒流路を選択的に形成することができるようになっている。
なお、冷媒回路10Bの他の構成については、上述した第1の実施形態(図2及び図3)と同様である。
【0054】
このようにして第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24を設けると、冷房運転モード時において、図7ないし図9に基づいて以下に説明するような運転が可能となる。
さて、この冷媒回路10Bでは、電磁弁24を開閉操作することにより、2種類の冷房運転モードからいずれか一方を選択することができる。
【0055】
冷房運転モードの一つは、図8に冷媒の流れを示した通常の冷房運転モードであり、電磁弁24が閉じられている。このため、第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24が設けられていない第1の実施形態(図2参照)と実質的に同様の回路構成および冷媒の流れとなり、従って、ここでは図面を示すにとどめ、その詳細な説明を省略する。
また、図10に示した暖房運転モードについても、電磁弁24が閉じられているので、第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24が設けられていない第1の実施形態(図3参照)とは実質的に同様の回路構成及び冷媒の流れとなる。従って、ここでは上述した通常の冷房運転モードと同様に図面を示すにとどめ、その詳細な説明を省略する。
【0056】
さて、本実施形態に示した冷媒回路10Bの構成は、熱媒体温度異常時における冷房運転モードを選択して実施できることに特徴がある。
ここで、熱媒体温度の異常時とは、冷房運転時に駆動装置冷却系40から第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ供給されたクーラント(熱媒体)の温度が、
(1)所定値以上の高温となった場合、
(2)コンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒温度より高温となった場合、
(3)コンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒温度より高温で、かつ、温度差が所定値以上の場合、
(4)コンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒温度より低温で、かつ、温度差が所定値以下となった場合、
である。
【0057】
このような熱媒体温度の異常時には、図9に示すように電磁弁24を開き、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒が第1の冷媒バイパス流路23を通って車外熱交換器13へ直接導かれるようにする。この時、三方弁15を操作して第1熱媒体−冷媒熱交換器41と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16を遮断し、かつ、第2電子膨張弁14Bを全閉にするとよい。
なお、三方弁15及び第2電子膨張弁14Bの設定を通常の冷房運転モードと同様にしてもよく、この場合、第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び第2熱媒体−冷媒熱交換器43における冷媒流路としての圧力損失が大きいため、冷媒は主として圧力損失が比較的小さい第1の冷媒バイパス流路23へ流れることとなる。
【0058】
このようにして、熱媒体温度の異常時における冷房運転モードを実施すると、第1熱媒体−冷媒熱交換器41をバイパスして冷媒が流れるため、高温高圧のガス冷媒からクーラントへの放熱がなくなる。従って、クーラントの温度が更に上昇することを防止することができるので、車両駆動装置の運転を確保することができる。
【0059】
このようにして、熱媒体温度異常時の冷房運転モードにおける冷媒は、電磁弁24及び三方弁15の設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0060】
<第4の実施形態>
図11は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図12ないし図14は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、図12は通常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図13は熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図14は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
なお、図11ないし図14においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0061】
さて、この実施形態の冷媒回路10Cでは、上述した第3の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、上述した第2の実施形態で説明したように、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うように構成したものである。
なお、冷媒回路10Aの他の構成については、上述した第3の実施形態(図8ないし図10)と同様である。
【0062】
このようにして内部熱交換器22を設けると、熱媒体温度が異常時の冷房運転モード時において、図11及び図13に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。この冷房運転モードでは、電磁弁24が開とされ、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、第1熱媒体−冷媒熱交換器41をバイパスして車外熱交換器13へ導かれる。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換により再度放熱し、放熱して高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0063】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は比較的温度が高く高圧冷媒であり、この冷媒は内部熱交換器22に導かれ、後述する車内熱交換器12で気化してアキュムレータ18を通過して気液分離されたガス冷媒と熱交換する。ここでの熱交換は、高圧冷媒が放熱してコンプレッサ11に吸引される低温低圧のガス冷媒を昇温させる。
内部熱交換器22を通過して温度低下した冷媒は、第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低温低圧の液冷媒となる。この液冷媒は車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0064】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通ってアキュムレータ18に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。そして、コンプレッサ11に吸引されて圧縮されたガス冷媒は、以下同様の経路をたどって冷媒回路10Aを循環する。
【0065】
このようにして、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒は、電磁弁24及び三方弁15の設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。従って、上述した第3の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時における車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
なお、通常の冷房運転モードから熱媒体温度異常時の冷房運転モードに切り換える条件については、上述した第3の実施形態と同様である。
【0066】
また、本実施形態の冷媒回路10Cにおいて、上述した熱媒体温度異常時の冷房運転モード以外の空調運転、すなわち通常時の冷房運転モード及び暖房運転モードでは実質的に上述した第3の実施形態と同様であり、従って、ここではその冷媒の流れを図12及び図14に示し、その詳細な説明は省略する。
【0067】
<第5の実施形態>
図15は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図16は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図17は暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
この実施形態の冷媒回路10Dは、上述した第1の実施形態と第1熱媒体−冷媒熱交換器41の設置位置が異なっている。すなわち、この実施形態では、第1熱媒体−冷媒熱交換器41が、三方弁15と第2電子膨張弁14Bとの間を連結する冷媒分岐配管16Aに設けられている。
なお、他の構成については、上述した第1の実施形態と同様である。
【0068】
このような冷媒回路10Dとすれば、図16の冷房運転モード時には、三方弁15の設定により、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過することなく車外熱交換器13へ導かれる。
このため、クーラント熱交換器42を経由して循環するクーラントに対し、クーラントより高温のガス冷媒から放熱して温度上昇させることがないので、空調ユニット30内に設置されたクーラント熱交換器42の温度上昇は抑制される。この結果、クーラント熱交換器42からの放熱量が抑制されるので、車内熱交換器12を通過して冷風となった空調空気の加熱による温度上昇を最小限に抑えて冷房効率を増すことができる。すなわち、車内熱交換器12を通過して冷風となった空調空気は、エアミックスダンパ42を全閉にしても放熱源となるクーラント熱交換器42からの加熱を受けて温度上昇するので、この温度上昇を抑制することで冷房効率が向上する。
【0069】
このようにして、冷房運転モードにおける冷媒は、三方弁15の設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0070】
また、暖房運転モード時については、三方弁15の設定を変えることにより、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過する。この場合、三方弁15と第1熱媒体−冷媒熱交換器41との通過順序は逆になるが、実質的には第1の実施形態と同様の順序で冷媒が循環することとなる。従って、ここでは図17に冷媒回路構成及び冷媒の流れを示すにとどめ、その詳細な説明は省略する。
【0071】
<第6の実施形態>
図18は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図19は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図20は暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
この実施形態の冷媒回路10Eは、上述した第5の実施形態に第2の実施形態で説明したのと同様の内部熱交換器22を追加して設けたものである。なお、他の構成については、上述した第5の実施形態と同様である。
【0072】
このような冷媒回路10Eとすれば、図19の冷房運転モード時には、内部熱交換器22の作用により車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
なお、暖房運転モード時においては、内部熱交換器22の作用は期待できず、実質的な冷媒の流れは上述した第1の実施形態や第5の実施形態と同様になるので、ここでは図20に回路構成及び冷媒の流れを示すにとどめ、その詳細な説明は省略する。
【0073】
<第7の実施形態>
図21は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図22は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図23は暖房運転モードにおける冷媒の流れ、図24はホットキープ運転モードにおける冷媒の流れである。
【0074】
さて、この実施形態の冷媒回路10Fでは、上述した第1の実施形態と第2熱媒体−冷媒熱交換器42の設置位置が異なっている。
この冷媒回路10Fには、車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16から分岐し、車内熱交換器12とコンプレッサ11との間を連結する冷媒配管16に三方弁(第2の冷媒流れ方向切換手段)15Aを介して接続された第2の冷媒バイパス流路25を設けてある。そして、第2熱媒体−冷媒熱交換器43は、上述した第2の冷媒バイパス流路25に設置されている。
【0075】
また、車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16には、上述した第2の冷媒バイパス流路25の分岐点より車内熱交換器13側に、逆止弁26が設けられている。この逆止弁26は、車外熱交換器13から車内熱交換器12へ向かう方向の流れを許容し、これとは逆向きの流れを阻止する機能を有するものである。
なお、他の冷媒回路の構成については、上述した第1の実施形態と同様であるから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0076】
このような構成の冷媒回路10Fでは、冷房運転モード時において、図21及び図22に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。この冷房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過し、ガス冷媒からクーラントに放熱した後、三方弁15の設定により車外熱交換器13へ導かれる。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換によりさらに放熱し高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0077】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は、逆止弁26を通過した後、さらに第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低圧の液冷媒となる。この液冷媒は車内熱交換器12に流れ込んで導入空気と熱交換し、導入空気から吸熱して冷却する。この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0078】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通って三方弁15Aに導かれる。そして、この三方弁15Aの設定により、第2熱媒体−冷媒熱交換器43が設けられた第2の冷媒バイパス流路25を通過することなくアキュムレータ18に導かれ、ここで気液の分離がなされる。そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒のみがコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15,15Aの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0079】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図21のフローチャート及び図23の冷媒回路構成図に示すように、最初は冷房運転モードと同様に第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この運転モードでは三方弁15の設定が変わり、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した高温高圧のガス冷媒がクーラントに放熱した後、冷媒分岐配管16Aに導かれる。この冷媒は、冷媒分岐配管16A及び冷媒配管16を通過して車内熱交換器12に導かれ、ここで放熱して導入空気を加熱する。従って、この場合の車内熱交換器12は、放熱器として機能している。
【0080】
この結果、導入空気は最初の加熱を受けて昇温し、クーラント熱交換器42へ向けて流れる。一方、冷媒は車内熱交換器12で放熱して高圧冷媒となり、第1電子膨張弁14Aを通過する際に減圧されて低圧の液冷媒となる。
この液冷媒は、三方弁15Aの設定及び逆止弁26の存在により、第2の冷媒バイパス流路25へ導かれて第2熱媒体−冷媒熱交換器43を通過する。こうして第2熱媒体−冷媒熱交換器43を通過する際には、クーラント熱交換器42で導入空気を加熱したクーラントと熱交換して吸熱するので、液冷媒が気化してガス冷媒となる。そして、このガス冷媒は、アキュムレータ18に導かれて気液の分離がなされた後、ガス冷媒のみが再度コンプレッサ11に吸引される。
【0081】
すなわち、空調ユニット30内においては、直列に配置された車内熱交換器12及びクーラント熱交換器42の二つの熱交換器により、導入空気を二段階に加熱するように構成されているので、導入空気の圧力損失を小さく抑え、しかも大きな暖房能力を得ることができる。
また、冷媒回路10Fにおいては、上述した第1の実施形態とは異なり、一つの絞り機構により、具体的には一つの電子膨張弁14Aのみで冷房運転モード及び暖房運転モードに対応することが可能になる。
【0082】
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15,15Aの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車内熱交換器12、第1電子膨張弁14A、第2熱媒体−冷媒熱交換器43、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16及び冷媒分岐配管16Aを循環する。
【0083】
また、この実施形態の冷媒回路10Fでは、暖房運転開始の初期に実施するホットキープ運転モードが可能になる。この運転モードは、図21のフローチャート及び図24の冷媒回路構成図に示すように、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、最初に第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した後、三方弁15の設定により冷媒分岐配管16Aに導かれ、さらに、冷媒配管16及び三方弁15Aを経由してアキュムレータ18導かれる。この結果、ガス冷媒は車内熱交換器12、電子膨張弁14A及び第2熱媒体−冷媒熱交換器43をバイパスし、コンプレッサ11に再度吸引されて冷媒回路を循環することとなる。
【0084】
このようなホットキープ運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮されたガス冷媒が、第1熱媒体−冷媒熱交換器41で比較的小さな放熱をするのみで冷媒回路を循環する。このため、比較的小さな温度低下をしたガス冷媒がアキュムレータ18を通過し、比較的小さな圧力低下したガス冷媒が再度コンプレッサ11に吸入されるようになる
【0085】
従って、実質的な冷媒循環量も増加して熱交換能力が短時間で向上する。換言すれば、実質的な冷媒循環量が増加した分だけ熱交換の仕事量も増加するので、適当な時間だけホットキープ運転モードを実施した後に上述した通常の暖房運転モードに切り換えれば、短時間のうちに充分な暖房能力が得られる暖房運転が可能になる。すなわち、暖房運転時における立ち上がり時間を短縮することができる。
【0086】
<第8の実施形態>
図25は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図26は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。なお、図25及び図26においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0087】
この実施形態の冷媒回路10Gは、上述した第7の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、上述した第2の実施形態と同様のものであり、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うようにしたものである。なお、冷媒回路10Gの他の構成については、上述した第7の実施形態(図22)と同様である。
【0088】
このようにして内部熱交換器22を設けると、冷房運転モード時においては、基本的に上述した第7の実施形態と同様の経路をたどって冷媒が循環する。
そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
【0089】
このようにして、冷房運転モード時の冷媒は、二つの三方弁15,15Aの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16及び冷媒分岐配管16Aを循環する。従って、上述した第7の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時における車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大で冷房能力を向上させることができる。
【0090】
なお、この実施形態における暖房運転モード時及びホットキープ運転モード時については、上述した冷房運転モード時とは異なり、内部熱交換器22の存在により特別な作用効果を得られないので、ここではその説明を省略する。
【0091】
<第9の実施形態>
図27は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図28は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図27及び図28においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0092】
さて、この実施形態の冷媒回路10Hは、上述した第8及び第9の実施形態にはない構成として、第2の実施形態で説明した第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24を備えている。第1の冷媒バイパス流路23は、コンプレッサ11と第1の熱媒体−冷媒熱交換器41との間を連結する冷媒配管16から、より具体的には、コンプレッサ11の下流に設けられているオイルセパレータ17と第1の熱媒体−冷媒熱交換器41との間を連結する冷媒配管16から分岐し、三方弁15と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に接続されたもので、その途中には開閉弁として電磁弁24が設けられている。
【0093】
すなわち、この実施形態の冷媒回路10Hでは、電磁弁24を開閉操作することにより、コンプレッサ11から第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び三方弁15をバイパスして車外熱交換器13へ冷媒を流す冷媒流路を選択的に形成することができるようになっている。
なお、冷媒回路10Hの他の構成については、上述した第8の実施形態(図21及び図22)と同様である。
【0094】
このようにして第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24を設けると、冷房運転モード時において、電磁弁24を開閉操作することにより、2種類の冷房運転モードからいずれか一方を選択することができる。
冷房運転モードの一方は、電磁弁24を閉じる通常の冷房運転モードである。この冷房運転モードは、電磁弁24が閉じられているため、実質的に第1の冷媒バイパス流路23及び電磁弁24のない冷媒回路(図22に示して説明した第8の実施形態の冷房運転モード)と同じであるから、ここでは冷媒の流れの図示及びその詳細な説明は省略する。また、暖房運転モード及びホットキープ運転モードについても、電磁弁24が閉じられているため、上述した第8の実施形態(図23及び図24)と実質的に同じであり、従って、ここでは冷媒の流れの図示及びその詳細な説明は省略する。
【0095】
他方の冷房運転モードは、電磁弁24を開いた場合であり、第3の実施形態で説明した熱媒体温度が異常時の冷房運転モードである。
このような熱媒体温度の異常時には、図28に示すように、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒が第1の冷媒バイパス流路23を通って車外熱交換器13へ直接導かれるようにする。この結果、第1熱媒体−冷媒熱交換器41をバイパスして冷媒が流れるため、高温高圧のガス冷媒からクーラントへの放熱量が減少し、従って、クーラント熱交換器42を循環して流れるクーラントの温度がコンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒温度と同等またはより高くなるのを防止することができるので、空調ユニット30の耐熱温度は低く抑えられる。
【0096】
このようにして、熱媒体温度異常時の冷房運転モードにおける冷媒は、電磁弁24及び三方弁15の設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0097】
<第10の実施形態>
図29は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図30は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図29及び図30においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0098】
この実施形態の冷媒回路10Iは、上述した第9の実施形態に第2の実施形態と同様の内部熱交換器22を設けたものである。この構成では、内部熱交換器22の作用により、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
なお、この実施形態における暖房運転モード時及びホットキープ運転モード時については、上述した熱媒体温度が異常時の冷房運転モード時とは異なり、内部熱交換器22の存在により特別な作用効果を得られないので、ここではその説明を省略する。
【0099】
<第11の実施形態>
図31は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図32は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図31及び図32においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0100】
この実施形態の冷媒回路10Jは、上述した第7ないし第10の実施形態の構成と比較して、第1熱媒体−冷媒熱交換器41の位置が異なっている。
この場合の第1熱媒体−冷媒熱交換器41は、暖房運転モード専用として使用されるものであり、三方弁15と第2電子膨張弁14Bとの間を連結している冷媒分岐配管16Aに設けられている。
【0101】
このような構成の冷媒回路10Jとすれば、図32の暖房運転モード時には、三方弁15,15Aの設定により、コンプレッサ11で圧縮された冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過してクーラントに放熱する。この冷媒は、冷媒分岐配管16A及び冷媒配管16を通って車内熱交換器12へ導かれ、空調ユニット30内を流れる導入空気と熱交換して放熱(加熱)する。従って、この場合の車内熱交換器12は、放熱器として機能している。
この結果、ガス冷媒は放熱して高圧冷媒となり、第1電子膨張弁14Aを通過することで減圧される。一方、冷媒により最初の加熱を受けた導入空気は、昇温して下流側のクーラント熱交換器42へ流れる。クーラント熱交換器42を通過する導入空気は、第1熱媒体−冷媒熱交換器41で昇温したクーラントにより二度目の加熱がなされ、高温の温風となって車室内へ吹き出す。
【0102】
第1電子膨張弁14Aで減圧された液冷媒は、第2熱媒体−冷媒熱交換器43へ導かれてクーラントから吸熱するので、気化して低圧のガス冷媒となる。従って、この場合の第2熱媒体−冷媒熱交換器43は、冷凍サイクルにおける蒸発器として機能している。なお、第2熱媒体−冷媒熱交換器43において冷媒に放熱するクーラントは、クーラント熱交換器42において導入空気を加熱したものが使用される。
このようにして気化した低温低圧のガス冷媒は、三方弁15Aを通過してアキュムレータ18に導かれ、気液の分離がなされた後に再度コンプレッサ11に吸引されて同様の経路を循環する。
【0103】
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15,15Aの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車内熱交換器12、第1電子膨張弁14A、第2熱媒体−冷媒熱交換器43、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16及び冷媒分岐配管16Aを循環する。
【0104】
また、冷房運転モード及びホットキープ運転モード時の冷媒は、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過しないこと以外、上述した第7の実施形態(図22及び図24参照)と同様の経路を流れることになるので、ここでは図示及びその詳細な説明は省略する。このように、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過しない冷媒の流れが可能になると、車両駆動装置冷却媒体の温度異常上昇を未然に防止することができる。
【0105】
<第12の実施形態>
図33は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図34は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図33及び図34においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0106】
この実施形態の冷媒回路10Kは、上述した第11の実施形態に第2の実施形態と同様の内部熱交換器22を設けたものである。この構成では、内部熱交換器22の作用により、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
なお、この実施形態における暖房運転モード時及びホットキープ運転モード時については、上述した冷房運転モード時とは異なり、内部熱交換器22の存在により特別な作用効果を得られないので、ここではその説明を省略する。
【0107】
<第13の実施形態>
図35は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図36は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図37は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
【0108】
さて、この実施形態の冷媒回路10Lは、上述した各実施形態と比較して、第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び第2熱媒体−冷媒熱交換器43の設置位置が異なっている。
第1熱媒体−冷媒熱交換器41は、コンプレッサ11と三方弁(第3の冷媒流れ方向切換手段)15Bとの間を連結する冷媒配管16に設けられている。
第2熱媒体−冷媒熱交換器43は、車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16に設けた三方弁(第4の冷媒流路切換手段)15Cで分岐し、車内熱交換器12とコンプレッサ11との間を連結する冷媒配管16に接続される第3の冷媒バイパス流路27に設けられている。
【0109】
三方弁15Bは、二つの接続口がコンプレッサ11と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に接続され、残る一つの接続口には第4の冷媒バイパス流路28が接続されている。この第4の冷媒バイパス流路28は、車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16に接続されている。
車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16には、車外熱交換器13側から順に、逆止弁26、第4の冷媒バイパス流路28が接続された合流点、第1電子膨張弁14A及び三方弁(第4の冷媒バイパス流路切換手段)15Cが存在している。
なお、逆止弁26は、車外熱交換器13から車内熱交換器12へ向かう冷媒の流れを許容し、これとは逆向きの流れを阻止する機能を有するものである。
【0110】
この結果、第4の冷媒バイパス流路28は、三方弁15Bの設定により、車外熱交換器13及び逆止弁26をバイパスした冷媒を冷媒回路16に合流させるようにした冷媒配管となる。また、第3の冷媒バイパス流路27についても、三方弁15Cの設定により、冷媒が第2熱媒体−冷媒熱交換器43を通過するか否かの選択切換がなされる。
なお、他の冷媒回路の構成及び駆動装置冷却系40から供給されるクーラントの流れについては、冷媒分岐配管16Aがないことを除いて上述した第1の実施形態と実質的に同様であるから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0111】
このような冷媒回路10Lでは、冷房運転モード時において、図35及び図36に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。この冷房運転モードでは、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過し、ガス冷媒からクーラントへ放熱した後、三方弁15Bの設定により車外熱交換器13へ導かれる。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換によりさらに放熱し高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0112】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は、逆止弁26を通過した後、さらに第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低圧の液冷媒となる。この液冷媒は三方弁15Cを通過して車内熱交換器12に流れ込み、導入空気と熱交換することで導入空気から吸熱して冷却する。
この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0113】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通ってアキュムレータ18へ導かれる。この時、三方弁15Cの設定により、第2熱媒体−冷媒熱交換器43及び第3の冷媒バイパス流路27を冷媒が流れるようなことはない。
アキュムレータ18に導かれたガス冷媒は、ここで気液の分離がなされた後、液分を分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15B,15Cの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0114】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図21のフローチャート及び図37の冷媒回路構成図に示すように、最初は冷房運転モードと同様に第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
この運転モードでは冷房時と三方弁15Bの設定が変わり、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した高温高圧のガス冷媒がクーラントに放熱した後、高圧冷媒となって車外熱交換器13及び逆止弁26をバイパスする第4の冷媒バイパス流路28に導かれる。この高圧冷媒は、冷媒配管16及び第1電子膨張弁14Aを通過して減圧された後、三方弁15Cの設定により車内熱交換器12をバイパスして第2熱媒体−冷媒熱交換器43に導かれ、ここでクーラントから吸熱することによりて気化してガス冷媒となる。
【0115】
このガス冷媒はアキュムレータ18に導かれ、気液の分離がなされた後、液分を分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15B,15Cの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、第1電子膨張弁14A、第2熱媒体−冷媒熱交換器43、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
従って、この場合は第1熱媒体−冷媒熱交換器41が冷凍サイクルの放熱器として機能し、第2熱媒体−冷媒熱交換器43が蒸発器として機能している。
【0116】
この結果、高温高圧のガス冷媒から吸熱して昇温したクーラントがクーラント熱交換器42に導入されるため、駆動装置冷却系40から導入したクーラントでそのまま導入空気を加熱する場合と比較して、より大きな暖房能力を得ることができる。また、運転開始初期におけるクーラントの昇温時間についても、高温高圧のガス冷媒に加熱される分短縮されるので、暖房能力の即暖性も向上する。なお、この場合の車内熱交換器12は休止状態となる。
【0117】
<第14の実施形態>
図38は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図39は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図38及び図39においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0118】
この実施形態の冷媒回路10Mは、上述した第13の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、上述した第2の実施形態と同様のものであり、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うようにしたものである。なお、冷媒回路10Mの他の構成については、上述した第13の実施形態(図36)と同様である。
【0119】
このようにして内部熱交換器22を設けると、冷房運転モード時においては、基本的に上述した第13の実施形態と同様の経路をたどって冷媒が循環する。
そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
【0120】
このようにして、冷房運転モード時の冷媒は、二つの三方弁15B,15Cの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。従って、上述した第13の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時において、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
【0121】
なお、この実施形態における暖房運転モード時については、上述した冷房運転モード時と同様の効果が得られるので、ここではその説明を省略する。
【0122】
<第15の実施形態>
図40は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図41は熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れである。
【0123】
さて、この実施形態の冷媒回路10Nは、上述した第13の実施形態にはない第5の冷媒バイパス流路23A及び開閉弁として設けた電磁弁24Aを備えている。
第5の冷媒バイパス流路23Aは、コンプレッサ11と第1熱媒体−冷媒熱交換器41との間を連結する冷媒配管16から分岐され、三方弁15Bと車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に接続されている。そして、第5の冷媒バイパス流路23Aの途中には、電磁弁24Aが設けられている。
【0124】
すなわち、この実施形態の冷媒回路10Nでは、電磁弁24Aを開閉操作することにより、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒が、第1熱媒体−冷媒熱交換器41及び三方弁15Bをバイパスして直接車外熱交換器13へ流れる冷媒流路を選択的に形成することができるようになる。
なお、冷媒回路10Nの他の構成については、上述した第13の実施形態と同様である。
【0125】
このような構成の冷媒回路10Nとすれば、電磁弁24Aの開閉操作により、2種類の冷房運転モードからいずれか一方を選択することができる。
なお、電磁弁24Aを閉とした通常の冷房運転モード及び暖房運転モードは、実質的に上述した第13の実施形態で説明したものと同様の冷媒の流れとなるので、ここでは図示及びその詳細な説明は省略する。
【0126】
さて、電磁弁24Aを開とした熱媒体温度が異常時の冷房運転モードは、図41に示すように、コンプレッサ11から吐出された高温高圧のガス冷媒が第5の冷媒バイパス流路23Aを通って車外熱交換器13へ直接導かれるようにする。この結果、第1熱媒体−冷媒熱交換器41をバイパスして冷媒が流れるため、高温高圧のガス冷媒からクーラントへの放熱がなく、従って、クーラント熱交換器42を循環して流れるクーラントの温度が、通常のクーラント温度より高くなるか、あるいはコンプレッサ11から吐出される高温高圧のガス冷媒温度と同等の高温まで昇温するのを防止することができるので、空調ユニット30の耐熱温度は低く抑えられる。また、クーラント温度の更なる上昇を防止することができ、車両用駆動装置の性能を確保することができる。
【0127】
このようにして、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒は、電磁弁24A及び三方弁15B,15Cの設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
【0128】
<第16の実施形態>
図42は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図43は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、通常の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図42及び図43においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0129】
この実施形態の冷媒回路10Pは、上述した第15の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、上述した第2の実施形態と同様のものであり、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うようにしたものである。なお、冷媒回路10Pの他の構成については、上述した第15の実施形態と同様である。
【0130】
このようにして内部熱交換器22を設けると、図43に示した通常の冷房運転モード時(電磁弁24Aが閉)においては、基本的に上述した第13の実施形態(図36参照)と同様の経路をたどって冷媒が循環する。
そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
【0131】
このようにして、通常時における冷房運転モード時の冷媒は、二つの三方弁15B,15C及び電磁弁24Aの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。従って、上述した第15の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時において、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
【0132】
なお、この実施形態における暖房運転モード時についても、上述した冷房運転モード時と同様の作用効果を得られるので、ここではその説明を省略する。
【0133】
<第17の実施形態>
図44は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図45は冷房運転モードにおける冷媒の流れ、図46は暖房運転モードにおける冷媒の流れである。
【0134】
さて、この実施形態の冷媒回路10Qは、上述した第13の実施形態と比較して、第1熱媒体−冷媒熱交換器41の設置位置が異なっている。
第1熱媒体−冷媒熱交換器41は、コンプレッサ11と車外熱交換器13との間を連結する冷媒配管16に設けられた三方弁(第5の冷媒流れ方向切換手段)15Dから分岐された第6のバイパス流路29に設けられている。この第6のバイパス流路29は、車外熱交換器13及び逆止弁26をバイパスし、車外熱交換器13と車内熱交換器12との間を連結する冷媒配管16に連結されている。なお、三方弁15Dから分岐した第6のバイパス流路29は、逆止弁26と第1電子膨張弁14Aとの間で冷媒配管16に合流している。
なお、他の冷媒回路の構成及び駆動装置冷却系40から供給されるクーラントの流れについては、上述した第13の実施形態と実質的に同様であるから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0135】
このような冷媒回路10Qでは、冷房運転モード時において、図45及び図46に基づいて以下に説明するような機能を発揮する。この冷房運転モードでは、三方弁15Dの設定により、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒が第1熱媒体−冷媒熱交換器41を設けた第6のバイパス流路29を通過することなしに、直接車外熱交換器13へ導かれる。
車外熱交換器13に流れ込んだ高温高圧のガス冷媒は、外気との熱交換により放熱し高圧冷媒となる。すなわち、この場合の車外熱交換器13は、放熱器として機能している。
【0136】
車外熱交換器13で放熱した冷媒は、逆止弁26を通過した後、さらに第1電子膨張弁14Aを通過することにより減圧されて低圧の液冷媒となる。この液冷媒は三方弁15Cを通過して車内熱交換器12に流れ込み、導入空気と熱交換しすることで導入空気から吸熱して冷却する。
この結果、液冷媒は気化して低温低圧のガス冷媒となり、また、冷却された導入空気は温度が低下して冷風となる。すなわち、この場合の車内熱交換器12は、蒸発器として機能している。
【0137】
車内熱交換器12で気化した低温低圧のガス冷媒は、冷媒配管16を通ってアキュムレータ18へ導かれる。この時、三方弁15Cの設定により、第2熱媒体−冷媒熱交換器43及び第3の冷媒バイパス流路27を冷媒が流れるようなことはない。
アキュムレータ18に導かれたガス冷媒は、ここで気液の分離がなされた後、液分を分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
【0138】
このようにして、冷房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15D,15Cの設定により、コンプレッサ11、車外熱交換器13、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
従って、冷房運転モード時においては、第1熱媒体−冷媒熱交換器41で高温高圧のガス冷媒によるクーラントの加熱が行われないので、クーラント熱交換器42へ供給されるクーラントの温度上昇を防止できる。このため、車内熱交換器12で冷却された導入空気の冷風が、クーラント熱交換器42の放熱により温度上昇するのを最小限に抑えることができ、冷房効率の向上に有効である。また、クーラント温度の更なる上昇を防止することができ、車両用駆動装置の性能を確保することができる。
【0139】
暖房運転モードにおいて、コンプレッサ11で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、図44のフローチャート及び図46の冷媒回路構成図に示すように、三方弁15Dの設定により第6のバイパス流路29の設けられている第1熱媒体−冷媒熱交換器41へ導かれる。この時、空調ユニット30内を流れる導入空気がクーラント熱交換器42を通過して加熱を受けるようにするため、エアミックスダンパ32は全開位置とする。
【0140】
この結果、第1熱媒体−冷媒熱交換器41を通過した高温高圧のガス冷媒がクーラントに放熱し高圧冷媒となって冷媒流路16に流入する。この高圧冷媒は、冷媒配管16及び第1電子膨張弁14Aを通過して減圧された後、三方弁15Cの設定により車内熱交換器12をバイパスして第2熱媒体−冷媒熱交換器43に導かれ、ここでクーラントから吸熱することにより気化してガス冷媒となる。
【0141】
このガス冷媒はアキュムレータ18に導かれ、気液の分離がなされた後、液分を分離除去された低温低圧のガス冷媒がコンプレッサ11に吸引され、以下同様の経路をたどって循環する。
このようにして、暖房運転モードの冷媒は、二つの三方弁15D,15Cの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、第1電子膨張弁14A、第2熱媒体−冷媒熱交換器43、アキュムレータ18の順に流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。
従って、この場合は第1熱媒体−冷媒熱交換器41が冷凍サイクルの放熱器として機能し、第2熱媒体−冷媒熱交換器43が蒸発器として機能している。
【0142】
この結果、高温高圧のガス冷媒から吸熱して昇温したクーラントがクーラント熱交換器42に導入されるため、駆動装置冷却系40から導入したクーラントでそのまま導入空気を加熱する場合と比較して、より大きな暖房能力を得ることができる。また、運転開始初期におけるクーラントの昇温時間についても、高温高圧のガス冷媒に加熱される分短縮されるので、暖房能力の即暖性も向上する。なお、この場合の車内熱交換器12は休止状態となる。
【0143】
<第18の実施形態>
図47は、本実施形態の車両用空調装置を構成する冷媒回路(冷凍サイクル)において冷媒の流れを示すフローチャート、図48は車両用空調装置の冷媒回路を示す構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
なお、図47及び図48においては、上述した各実施形態と同様の構成部品には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0144】
この実施形態の冷媒回路10Rは、上述した第17の実施形態にはない内部熱交換器22を備えている。この内部熱交換器22は、上述した第2の実施形態と同様のものであり、コンプレッサ11に吸入されるガス冷媒と、車外熱交換器13と第1電子膨張弁14Aとの間を連結する冷媒配管16を流れる冷媒との間で、熱交換を行うようにしたものである。
なお、冷媒回路10Rの他の構成については、上述した第17の実施形態(図45)と同様である。
【0145】
このようにして内部熱交換器22を設けると、冷房運転モード時においては、基本的に上述した第13の実施形態と同様の経路をたどって冷媒が循環する。
そして、液分が分離除去された低温低圧のガス冷媒が内部熱交換器22を通過する際に加熱を受け、一方で高圧冷媒が冷却され、車内熱交換器12の入口冷媒エンタルピを低下させる。これにより、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力が向上する。
【0146】
このようにして、冷房運転モード時の冷媒は、二つの三方弁15B,15Cの設定により、コンプレッサ11、第1熱媒体−冷媒熱交換器41、車外熱交換器13、内部熱交換器22、第1電子膨張弁14A、車内熱交換器12、アキュムレータ18及び内部熱交換器22の順に状態変化を繰り返しながら流れ、再度コンプレッサ11に吸引されるという順序で冷媒配管16を循環する。従って、上述した第13の実施形態にはなかった内部熱交換器22を追加して設けたことにより、冷房運転モード時において車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力を向上させることができる。
【0147】
なお、この実施形態における暖房運転モード時についても、上述した冷房運転モード時と同様、内部熱交換器22の存在により特別な作用効果を得られるので、ここではその説明を省略する。
【0148】
ところで、本発明の構成は上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
【0149】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置によれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載の発明によれば、空調ユニットの外側に設置され、コンプレッサから吐出された高温高圧のガス冷媒と駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第1の冷却媒体−冷媒熱交換器と、同じく空調ユニットの外側に設置され、第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を通過した冷媒と加熱用熱交換器を通過した駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第2の冷却媒体−冷媒熱交換器とを具備して構成したので、空調ユニット内に設置する熱交換器の数を2台とした空調運転が可能となり、導入空気の圧力損失を低減することができる。このため、従来の3台設置と比較して空調ユニット内を流れる導入空気の圧力損失を低減することができるので、空調ユニットの小型化や低騒音化に大きな効果を奏する。
【0150】
そして、暖房運転時においては、第1の冷却媒体−冷媒熱交換器が放熱器として機能し、第2の冷却媒体−冷媒熱交換器が蒸発器として機能して冷凍サイクルが構成され、そして、放熱器として機能する第1の冷却媒体−冷媒熱交換器においては、高温高圧のガス冷媒から吸熱して昇温した駆動装置冷却媒体を加熱用熱交換器に供給することができるので、導入空気をより高温で加熱することが可能になって暖房能力の向上に有効である。
また、高温高圧のガス冷媒による駆動装置冷却媒体の加熱は、暖房運転の開始直後における駆動装置冷却媒体の温度上昇を促進するので、短時間で有効な暖房能力が得られる即暖性の向上にも有効である。
さらに、高温高圧のガス冷媒をコンプレッサから直接空調ユニット内の熱交換器へ供給して導入空気を加熱する場合と比較し、加熱側のガス冷媒より被加熱側となる駆動装置冷却媒体の温度が低くなるので、空調ユニットの耐熱温度を低く設定することができる。
【0154】
さらに、第2の冷却媒体−冷媒熱交換器を、車外熱交換器と車内熱交換器とを連結する冷媒配管から分岐され、車内熱交換器とコンプレッサとの間を連結する冷媒配管に第2の冷媒流れ方向切換手段を介して接続された第2の冷媒バイパス流路に設けたので、一つの絞り機構で冷暖房の冷凍サイクルを構成でき、コスト面で有利になる。また、車内熱交換器及び加熱用熱交換器の両方で導入空気を加熱する暖房運転が可能になるので、暖房能力を向上させることができる。
【0155】
請求項2記載の発明によれば、コンプレッサと第1の冷却媒体−冷媒熱交換器との間を連結する冷媒配管から分岐され、第1の冷媒流れ方向切換手段と車外熱交換器との間を連結する冷媒配管に接続された第1の冷媒バイパス流路を設け、該第1の冷媒バイパス流路に開閉弁を設けたので、熱媒体温度の異常時に対応した冷房運転が可能となり、加熱用熱交換器へ流れる駆動装置冷却媒体の温度上昇を抑制することができる。このため、冷媒温度異常時に備えて、空調ユニットの耐熱温度を高く設定する必要はなくなる。また、クーラント温度の更なる上昇を防止することができ、車両用駆動装置の性能を確保することができる。
【0156】
請求項3記載の発明によれば、第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を、第1の冷媒流れ方向切換手段と車内熱交換器または第2の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する分岐点までの冷媒配管に設けたので、冷房運転時に第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を高温高圧のガス冷媒が通過しない運転が可能となる。このため、加熱用熱交換器からの放熱を最小限に抑え、冷房運転の効率を向上させることができる。また、クーラント温度の更なる上昇を防止することができ、車両用駆動装置の性能を確保することができる。
【0158】
請求項4記載の発明によれば、冷媒回路が、冷房運転モードにおいて車外熱交換器により冷却された冷媒と車内熱交換器により気化した冷媒との間で熱交換する内部熱交換器を備えているので、コンプレッサに吸引されるガス冷媒を内部熱交換器で加熱することができ、車内熱交換器12におけるエンタルピ差を増大し、コンプレッサ吸入冷媒の温度上昇により冷媒密度が低下することによる冷媒循環量の低下に打ち勝ち、冷房能力の向上に大きな効果を奏する。
また、暖房時においても同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第1の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図2】 第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図3】 第1の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図4】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第2の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図5】 第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図6】 第2の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図7】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第3の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図8】 第3の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、通常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図9】 第3の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図10】 第3の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図11】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第4の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図12】 第4の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、通常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図13】 第4の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図14】 第4の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図15】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第5の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図16】 第5の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図17】 第5の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図18】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第6の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図19】 第6の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図20】 第6の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図21】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第7の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図22】 第7の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図23】 第7の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図24】 第7の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、ホットキープ運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図25】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第8の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図26】 第8の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図27】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第9の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図28】 第9の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図29】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第10の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図30】 第10の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、熱媒体温度が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図31】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第11の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図32】 第11の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図33】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第12の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図34】 第6の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図35】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第13の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図36】 第13の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図37】 第13の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図38】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第14の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図39】 第14の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図40】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第15の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図41】 第15の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、熱媒体が異常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図42】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第16の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図43】 第16の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、通常時の冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図44】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第17の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図45】 第17の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図46】 第17の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、暖房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【図47】 本発明に係る車両用空調装置を構成する第18の実施形態の冷媒回路において、冷媒の流れを示すフローチャートである。
【図48】 第18の実施形態に係る冷媒回路の構成図で、冷房運転モードにおける冷媒の流れを示している。
【符号の説明】
10,10A〜N,P〜R 冷媒回路
11 コンプレッサ
12 車内熱交換器
13 車外熱交換器
14A 第1電子膨張弁(絞り機構)
14B 第2電子膨張弁(他の絞り機構)
15 三方弁(第1の流れ方向切換手段)
15A 三方弁(第2の流れ方向切換手段)
15B 三方弁(第3の流れ方向切換手段)
15C 三方弁(第4の流れ方向切換手段)
15D 三方弁(第5の流れ方向切換手段)
16 冷媒配管
16A 冷媒分岐配管
22 内部熱交換器
23 第1の冷媒バイパス流路
23A 第5の冷媒バイパス流路
24,24A 電磁弁(開閉弁)
25 第2の冷媒バイパス流路
26 逆止弁
27 第3の冷媒バイパス流路
28 第4の冷媒バイパス流路
29 第6の冷媒バイパス流路
30 空調ユニット
40 駆動装置冷媒系
41 第1の冷却媒体−冷媒熱交換器(第1熱媒体−冷媒熱交換器)
42 クーラント熱交換器(加熱用熱交換器)
43 第2の冷却媒体−冷媒熱交換器(第2熱媒体−冷媒熱交換器)

Claims (4)

  1. ガス冷媒を圧縮するコンプレッサと、空調ユニット内に配置されて導入空気と冷媒との間で熱交換を行う車内熱交換器と、外気と冷媒との間で熱交換を行う車外熱交換器と、冷媒を減圧する絞り機構と、運転モードに応じて冷媒流れ方向を選択切換する冷媒流れ方向切換手段とを具備してなる冷媒回路と、
    車両の駆動装置冷却媒体により導入空気を加熱する加熱用熱交換器を具備してなる駆動装置冷却系とを備え、
    空調ユニット内の空調空気流れ方向上流側から順に前記車内熱交換器及び前記加熱用熱交換器が設置され、
    前記コンプレッサにより圧縮されたガス冷媒が前記冷媒回路を循環する冷媒流れ方向を切り換えて車室内の空調を行うように構成されたヒートポンプ式の車両用空調装置であって、
    前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の上流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記コンプレッサから吐出された高温高圧のガス冷媒と前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第1の冷却媒体−冷媒熱交換器と、
    前記駆動装置冷却媒体の流れ方向において前記加熱用熱交換器の下流側でかつ前記空調ユニットの外側に設置され、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を通過した冷媒と前記加熱用熱交換器を通過した前記駆動装置冷却媒体との間で熱交換を行う第2の冷却媒体−冷媒熱交換器とを備え、
    前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記コンプレッサと第1の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する冷媒配管に設けられ、
    前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器が、前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器の下流で第1の冷媒流れ方向切換手段を介して分岐し、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に接続された冷媒分岐配管に設けられ、該冷媒分岐配管の前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記第2の冷却媒体−冷媒熱交換器との間に他の絞り機構が配設され、
    前記第2の冷却媒体−熱交換器を、前記車外熱交換器と前記車内熱交換器とを連結する冷媒配管から分岐され、前記車内熱交換器と前記コンプレッサとの間を連結する冷媒配管に第2の冷媒流れ方向切換手段を介して接続された第2の冷媒バイパス流路に設けたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記コンプレッサと前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器との間を連結する冷媒配管から分岐され、前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記車外熱交換器との間を連結する冷媒配管に接続された第1の冷媒バイパス流路を設け、該第1の冷媒バイパス流路に開閉弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記第1の冷却媒体−冷媒熱交換器を、前記第1の冷媒流れ方向切換手段と前記車内熱交換器または前記第2の冷媒流れ方向切換手段との間を連結する分岐点までの冷媒配管に設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  4. 前記冷媒回路が、冷房運転モードにおいて前記車外熱交換器により冷却された冷媒と前記車内熱交換器により気化した冷媒との間で熱交換する内部熱交換器を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用空調装置。
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