JP2014532420A - ペピーノモザイクウイルス抵抗性トマト植物 - Google Patents

ペピーノモザイクウイルス抵抗性トマト植物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性を付与する遺伝的決定因子を含むトマト植物(Solanum lycopersicum L.)であって、該抵抗性が、少なくとも、連鎖群(LG)6の物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間、好ましくは位置 33,558,627 bp と 34,505,939 bp の間に位置する QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または連鎖群(LG)7の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間、好ましくは位置 61,387,356 bp と 62,253,846 bp の間に位置する QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または連鎖群(LG)9の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間、好ましくは位置 61,494,664 bp と 62,385,023 bp の間、より好ましくは位置 61,723,339 bp と 62,385,023 bp の間に位置する QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分の存在によって特徴付けられるものである、トマト植物に関する。本発明はまた、その代表的種子が受託番号 NCIMB 41927、NCIMB 41928、NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された、前記遺伝的決定因子を得るための源に関する。本発明はさらに、該植物の種子および後代、ならびにその果実および加工された果実に関する。さらに、本発明は、PepMV 抵抗性を付与する QTL と連鎖する分子マーカーおよびその使用に関する。

Description

本発明は、ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性を付与する遺伝的決定因子(genetic determinant)を含むトマト植物(Solanum lycopersicum L.)に関する。本発明はさらに、PepMV 抵抗性をもたらす遺伝的決定因子の存在を同定するためのマーカーおよびマーカーの使用に関する。本発明はまた、かかる植物の種子および後代、ならびにかかる植物を得るための繁殖材料(propagation material)に関する。さらに、本発明は、育種計画における遺伝資源(germplasm)としての該遺伝的決定因子を含む植物、種子および繁殖材料の使用に関する。
トマトの生産を含む商業的野菜生産は、多くの条件によって影響を受ける。生産者による特定の品種の選択は一つの決定要因であり、達成し得る結果の遺伝的基礎を形成する。さらに、結果に影響を及ぼす多くの外的要因が存在する。気候、土壌、および肥料等の投入資材の使用などの栽培条件が大きな役割を果たす。これに加えて、害虫および病害の存在も、到達し得る総収量に影響を与える。
初期のトマト栽培において、かなり前からトマトにおける多くの病害が認識されている。その間、育種家はこれら非常に多くの病害に対する抵抗性を様々な源から同定し、それらを生産物に導入してきた。それらの例としては、広範囲の野菜および他の作物に感染するタバコモザイクウイルス(TMV); フザリウム・オキシスポルム f.sp. リコペルシクム(Fusarium oxysporum f.sp. lycopersicum)、およびクラドスポリウム・フルブム(Cladosporium fulvum)または“トマト葉かび病”に対する抵抗性が挙げられる。今日では、それらの病害に対する抵抗性は全ての商業的トマト品種においてほぼ標準的なものである。新たな系統または関連する病害が現れれば、新たな抵抗性の源の探索がもう一度始まる。病害および関連している可能性のある形態に対する既存の抵抗性に関する知識は、新たな抵抗性の源を比較的迅速に決定する助けとなる。しかし、いくつかの病害に関して、特に害虫に関しては、高いレベルの抵抗性を有する材料を開発することが非常に困難であるかまたは現在まで不可能なままである。特に、抵抗性メカニズムが非常に複雑であって、相互作用するいくつかの遺伝子に依存している場合、良好なレベルの抵抗性を開発する挑戦は非常に高度なものになり得る。
さらに、既知の病害のいずれとも関連しない完全に新規な病害が出現することもある。これらに関しては、何が抵抗性を発達させ得る最も可能性の高い遺伝資源となり得るかという指標が未だ存在しない。抵抗性メカニズムも不明であり、この事も新たな抵抗性の発達をより複雑にしている。さらなる複雑化要因として、抵抗性の植物を感受性の材料と比較するための良好なバイオアッセイが必要であることも挙げられる。新たな病原体のことがほとんど知られていない場合、まず、該病原体がトマト植物に感染する方法を決定しなければならない。生産者の圃場における条件と相関しないバイオアッセイは、矛盾するかまたは不十分な結果をもたらし得る。試験中における弱すぎる又は強すぎる接種は、実際に抵抗性トマト植物の開発のために用いる有用な材料を生成しない。結局、生産者の条件下において抵抗性が持続するか否かということが究極の試験である。
1999年に、ヨーロッパにおける商業的トマト生産、特に温室におけるトマト生産において新たなウイルスが発生した。このウイルスは非常に速く圃場全体に広がることができ、隣接する生産者は影響を受けやすかった。ほどなくして該ウイルスは、Potex 群に属し、感染性および持続性が高いことを特徴とするペピーノモザイクウイルスとして同定された。
ペピーノモザイクウイルス(PepMV)は、1974年に、南アメリカの作物であり、ペルーを起源とする植物であるペピーノまたはペアメロン(pear melon)(Solanum muricatum)において最初に同定された。その時点では、トマトおよび関連する野生種が感染するが、病徴は示さないと決定された。
該ウイルスがどのようにしてヨーロッパのトマト生産において突如出現し得、その後には例えばカナダおよび米国においても出現し得たのかについてはまだ決定されていない。いくつかの異なる PepMV 遺伝子型が同定および区別されており、それらの中には以下のものがある: ペルー由来のオリジナルの遺伝子型である LP; ヨーロッパの温室由来の EU; チリ由来の CH1 および CH2; ならびに US1 および US2。
商業的トマト作物に存在する PepMV 分離株は、ペピーノ作物から採取される分離株よりもトマトにおいて病原性が高く、該ウイルスが遺伝的に適応していることが示唆される。PepMV は、トマト作物における作業中に行われる普通の活動を介して、非常に容易に機械的に伝播する。したがって、感染した植物は列状に続いて見出されることが非常に多い。道具や布等も該ウイルスを伝染させる能力を数週間の間保持し、PepMV は乾燥した植物素材中に 3ヵ月もの間留まることができる。一度トマト生産現場に感染すると、該ウイルスを除去することは非常に困難である。
PepMV の病徴は多様であり、感染中の植物の段階、植物の品種、植物の生命力、および生育条件に大きく依存する。病徴がほとんど目に見えないこともあるが、主な病徴の発現としては、‘イラクサ様の先端(nettle head)’- 灰色がかった、とがった植物の頂端 -、発育を停止した先端(stunted head)、退緑した(chlorotic)葉または葉のスポット、ならびに果実の不均一な成熟、マーブル模様(marbling)および斑点(blotching)を有する植物が挙げられる。病徴は、秋および冬の間、低光量条件および低温下において最もはっきりとしている。
PepMV によるトマト生産の損失は状況によって大きく変動し得る。重度に感染した作物においては、損失は最大 20% に達し得る。他の病原体、例えばバーティシリウム(Verticilium spp.)の存在も、収量減少に強く影響し得る。
PepMV の非常に容易な伝播のため、厳格な衛生プロトコールが多くの国において、多くの生産者によって行われている。PepMV は感染した種子を介しても伝染し得ると考えられているため、種子生産および種子洗浄のための衛生プロトコールも非常に厳格なものである。
EU 内においては、トマト種子を輸入または取引する際、トマト種子は PepMV を有しないものでなければならない。EU のメンバーには、検査を行ってトマト種子における該ウイルスの非存在を決定することが要求されている。
該ウイルスが商業的栽培に感染した後に該ウイルスを根絶するのは非常に困難であることが判明したため、今日では多くの生産者が、攻撃的な分離株により引き起こされる重い病徴を防ぐために‘干渉効果(cross-protection)’:穏やかな PepMV 分離株の作物への接種に頼っている。しかし、この系はいくつかのリスクをもたらす。特定の穏やかな分離株と特定の攻撃的な分離株の組み合わせは、特にそれらが異なる遺伝子型を起源としている場合、病徴を減弱させずに増強することがある(Hanssen et al, Plant Pathology 59, 13-21 (2010))。特定の地域または特定の時期にどの攻撃的分離株が発生するかは事前に分からないため、有害な可能性のある組み合わせを阻止することはできない。さらに、株の同定がやや困難であるため、どの穏やかな分離株が用いられているかが常に明らかな訳でもない。
ウイルスの遺伝子型を組み合わせる別のリスクは、新たな、よりいっそう壊滅的である可能性のあるウイルス分離株をもたらし得る、株間の遺伝的組換えの可能性である(Hanssen et al., European Journal of Plant Pathology 121, 131-146 (2008); Hasiow-Jaroszewska et al., Acta Biochimica Polonica 57, 385-388 (2010))。
トマトにおける PepMV に対する抵抗性の源の探索は最初から徹底的に行われてきたが、現在まで抵抗性のトマト(Solanum lycopersicum)植物は得られていない。抵抗性の遺伝的構成、およびスクリーニングのためのバイオアッセイは複雑であるため、PepMV 抵抗性を有する栽培トマト材料の報告や通知は全く知られていない。持続的(durable)抵抗性は、栽培トマトと交雑することができない Solanum ochranthum において見出されているにすぎない。
本発明の目的は、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を保有するトマト植物(Solanum lycopersicum L.)を提供することである。
本発明の目的は、トマト植物(Solanum lycopersicum)におけるペピーノモザイクウイルス抵抗性に寄与する QTL を提供することである。
本発明のさらなる目的は、PepMV 抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を同定することができるマーカーを提供することである。
したがって、本発明は、ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性を付与する遺伝的決定因子を含むトマト植物(Solanum lycopersicum)であって、該抵抗性が少なくとも以下のものの存在によって特徴付けられるトマト植物を提供する:
- 連鎖群(LG)6 の物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間、好ましくは位置 33,558,627 bp と 34,505,939 bp の間に位置する QTL1 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分(PepMV-resistance-conferring part)、および/または
- LG 7 の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間、好ましくは位置 61,387,356 bp と 62,253,846 bp の間に位置する QTL2 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または
- LG 9 の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間、好ましくは位置 61,494,664 bp と 62,385,023 bp の間、より好ましくは位置 61,723,339 bp と 62,385,023 bp の間に位置する QTL3 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分。
2つ以上の QTL からなる複雑な抵抗性メカニズムの同定は、厳しく且つ難解な過程である。この抵抗性の遺伝的背景の指標は全く知られていなかった。さらに、トマト(S. lycopersicum)のための信頼性のある PepMV スクリーニング方法も公表されていなかった。したがって、本発明の開発におけるさらなる複雑化要因は、生産者の条件とよく関連する結果を生じる、良好かつ信頼性のあるトマトのバイオアッセイを設計するという挑戦であった。
本発明をもたらした研究はさらに、PepMV 抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子が2つ以上の QTL を含むこと、およびそれらの QTL がトマト(Solanum lycopersicum)のゲノムの別々の染色体上に座乗していることを示した。これは抵抗性植物の作出に関するさらなる複雑化要因である。
一つの態様において、PepMV 抵抗性は少なくとも以下のものの存在によって特徴付けられる:
- QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、または
- QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、または
- QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分。
一つの態様において、該抵抗性は、QTL1 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および QTL2 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および QTL3 またはその PepMV-抵抗性を付与する部分の存在によって特徴付けられる。
2つ以上の抵抗性付与 QTL の組み合わせは、ペピーノモザイクウイルスに対するより高いレベルの抵抗性をもたらす。
一つの態様において、本発明は、QTL1、QTL2 および QTL3 のうち1つ以上を含む遺伝的決定因子を保有するトマト(Solanum lycopersicum)植物であって、該遺伝的決定因子がペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を付与するものであり、該 QTL が、その代表的種子が寄託番号 NCIMB 41927、NCIMB 41928、NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託されたトマト植物に含まれている通りのものである、トマト植物に関する。
一つの態様において、前記決定因子は、受託番号 NCIMB 41927 の下に NCIMB に寄託された種子から成長させた植物、および/または受託番号 NCIMB 41928 の下に NCIMB に寄託された種子から成長させた植物、および/または受託番号 NCIMB 42068 の下に NCIMB に寄託された種子から成長させた植物、および/または受託番号 NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された種子から成長させた植物から遺伝子移入される。
本発明の特定の側面において、トマト(Solanum lycopersicum)植物に遺伝子移入される QTL 1、2 および 3 の1つ以上は、その抵抗性を付与する部分からなる。
本明細書において用いる“遺伝子移入(introgression)”とは、交雑および形質が目に見えるようになる第一世代における選抜による、ある遺伝的決定因子を保有していない植物への該遺伝的決定因子の導入を意味する。優性の形質については、該形質を有する植物と該形質を有しない植物との交雑の F1 において選抜を開始することができる。劣性の形質に関しては、F2 がこれに適する。別法として、また多遺伝子性の形質に関しては好ましくは、QTL に連鎖する分子マーカーの支援によって選抜が行われる。マーカー支援選抜は、任意の数の所望の QTL を保有する植物を含む任意の世代または集団において行うことができる。
寄託番号 NCIMB 41927 もしくはその後代種子、または寄託番号 NCIMB 42068 もしくはその後代種子は、LG 6 に座乗する QTL1 および/または LG 7 に座乗する QTL2 をトマト(Solanum lycopersicum)植物に遺伝子移入するための源として好適に用いることができる。NCIMB 41927 および NCIMB 42068 において、QTL1 は配列番号1、および配列番号4、および配列番号5と連鎖しており; QTL2 は配列番号2、および配列番号6、および配列番号7と連鎖している。寄託番号 NCIMB 41928 またはその後代種子は、LG7 に座乗する QTL2 および/または LG9 に座乗する QTL3 を遺伝子移入するための源として用いることができる。NCIMB 41928 において、QTL2 は配列番号2、および配列番号6、および配列番号7と連鎖しており; QTL3 は配列番号3、および配列番号8、および配列番号9と連鎖している。
寄託番号 NCIMB 42069 またはその後代種子は、LG6 に座乗する QTL1、および/または LG7 に座乗する QTL2、および/または LG9 に座乗する QTL3 を遺伝子移入するための源として用いることができる。NCIMB 42069 において、QTL1 は配列番号1、および配列番号4、および配列番号5と連鎖しており; QTL2 は配列番号2、および配列番号6、および配列番号7と連鎖しており; QTL3 は配列番号3、および配列番号8、および配列番号9と連鎖している。
配列番号は表 2 において定義する。
一つの態様において、トマトにおけるペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を付与する本発明の QTL の1つ以上は、ホモ接合型で存在する。本発明の形質に関し、該抵抗性形質を有する植物は、該形質を有しない植物と該形質を有する植物との交雑に由来する子孫の中から、最初の交雑および自殖工程により生じる種子から F2 植物を生育させ、所望の形質を示す植物を選抜することによって、適切に同定することができる。植物の選抜は、バイオアッセイを介して表現型により行うことができ、あるいはマーカー支援選抜により、該形質に寄与する本発明の QTL またはその抵抗性を付与する部分の1つ以上の同定を介して行うことができる。
本発明の1つまたは2つまたは3つ全ての QTL は、劣性の様式で抵抗性を付与する。その結果、対応する表現型形質、即ち PepMV に対する抵抗性も劣性の様式で遺伝する。3つ全ての QTL が劣性の様式で抵抗性を付与する場合、該表現型形質を有し、かつ/または本発明の3つ全ての QTL を有する植物を選抜するために F2 植物の非常に大きな集団を生育させなければならない。あるいは、より低いレベルの抵抗性および/または本発明の QTL の1つまたは2つについて選抜を開始することもできる。該抵抗性を付与する別々の遺伝的決定因子は、中間的様式または優性の様式でも遺伝し得る。表現型形質についての選抜は、中間的遺伝または優性遺伝が含まれる場合にはより容易である。最も高いレベルの抵抗性を得るための、劣性のおよび/または中間的および/または優性の QTL の組み合わせが生じ得る。
選抜は、表現型について、または本発明の前記抵抗性を付与する QTL の存在について行うことができる。選抜は、1つ以上の分子マーカーを用いることによって行うこともできる。分子マーカーの使用は、スクリーニングのためにより小さな集団しか必要とせず、且つ、非常に早い段階において行うことができる。
一つの態様において、本発明のトマト植物は、以下を含む:
- 寄託物 NCIMB 41927 および/または NCIMB 42068 および/または NCIMB 42069 において配列番号1、配列番号4、および配列番号5 (表 2) によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL1 またはその抵抗性を付与する部分、および/または
- 寄託物 NCIMB 41927 および/または NCIMB 41928 および/または NCIMB 42068 および/または NCIMB 42069 において配列番号2、配列番号6、および配列番号7 (表 2) によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL2 またはその抵抗性を付与する部分、および/または
- 寄託物 NCIMB 41928 および/または NCIMB 42069 において配列番号3、配列番号8、および配列番号9 (表 2) によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL3 またはその抵抗性を付与する部分。
一つの態様において、本発明のトマト植物は、QTL1、好ましくは配列番号1、および/または配列番号4、および/または配列番号5 によって特徴付けられる分子マーカーと関連するQTL1; ならびに QTL2、好ましくは配列番号2、および/または配列番号6、および/または配列番号7 によって特徴付けられる分子マーカーと関連するQTL2; ならびに QTL3、好ましくは配列番号3、および/または配列番号8、および/または配列番号9 によって特徴付けられる分子マーカーと関連するQTL3 を含む。かかる本発明の植物の代表的種子は NCIMB 42069 として寄託されている。
本発明において、QTL1 がトマトゲノムの染色体 6 の物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間に位置しており、分子 SNP マーカーの存在によってこれを同定できることが見出された。この SNP マーカーは、バージョン SL 2.40 のトマト(Solanum lycopersicum)ゲノムの公開物理地図上の 34,456,931 bp に位置しており、配列番号1 (表 2) によって特徴付けられる。QTL1 領域を画定するために用い得るさらなる分子 SNP マーカーは、33,558,627 bp における配列番号4 および 34,505,939 bp における配列番号5 (表 2) によって特徴付けられる。寄託 NCIMB 41927 および NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の植物において、これらの SNP マーカーは、QTL1 と連鎖し、QTL1を示すものであり、それ故、これらの寄託に係る植物における PepMV に対する抵抗性の指標ともなる。
PepMV 抵抗性に寄与する第2の QTL である QTL2 は、染色体 7 の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間に位置している。QTL2 は、バージョン SL 2.40 のトマト(Solanum lycopersicum)ゲノムの公開地図上の物理的位置 61,550,890 bp に位置し、配列番号2 (表 2) によって特徴付けられる SNP マーカーの存在によって同定することができる。QTL2 領域を画定するために用い得るさらなる分子 SNP マーカーは、61,387,356 bp における配列番号6 および 62,253,846 bp における配列番号7 (表 2) によって特徴付けられる。寄託 NCIMB 41927 および NCIMB 41928 および NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の植物において、これらの SNP マーカーは、QTL2 と連鎖し、QTL2 を示すものであり、それ故、これらの寄託に係る植物における PepMV に対する抵抗性の指標ともなる。
PepMV 抵抗性をもたらす第3の QTL である QTL3 は、染色体 9 の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間に位置している。この QTL の存在は、バージョン SL 2.40 のトマト(Solanum lycopersicum)ゲノムの公開物理地図上の 61,603,006 bp に位置する SNP マーカーによって検出することができ、該 SNP マーカーは配列番号3 (表 2) によって特徴付けられるものである。QTL3 領域を画定するために用い得るさらなる分子 SNP マーカーは、61,872,648 bp における配列番号8 および 62,191,735 bp における配列番号9 (表 2) によって特徴付けられる。寄託 NCIMB 41928 および NCIMB 42069 の植物において、これらの SNP マーカーは、QTL3 と連鎖し、QTL3 を示すものであり、それ故、これらの寄託に係る植物における PepMV に対する抵抗性の指標ともなる。
一つの態様において、ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性を付与する遺伝的決定因子を含むトマト植物は、QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分の存在を同定することによって得ることができ、ここで、該 QTL 1 から 3 は以下の通り定義されるものである:
- 連鎖群(LG) 6 の物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間、好ましくは位置 33,558,627 bp と 34,505,939 bp の間 に位置する QTL1;
- LG 7 の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間、好ましくは位置 61,387,356 bp と 62,253,846 bp の間に位置する QTL2;
- LG 9 の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間、好ましくは位置 61,494,664 bp と 62,385,023 bp の間、より好ましくは位置 61,723,339 bp と 62,385,023 bp の間に位置する QTL3。
一つの態様において、本発明は、以下の工程を含む方法によって得られ得るトマト植物に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 41927 または NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物を、該遺伝的決定因子を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) 所望により、F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
c) 該集団から、QTL1 および/または QTL2 を含む植物、または QTL2 および/または QTL3 を含む植物を選抜する工程;
d) 選抜された QTL1 および/または QTL2 を含む植物を、その代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物と交雑するか、または、選抜された QTL2 および/または QTL3 を含む植物を、その代表的種子が NCIMB 41927 または NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物と交雑する工程;
e) 工程 d) において得られた植物を自殖して分離集団を得る工程;
f) QTL1 および QTL2、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL3、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
QTL1 および/または QTL2、または QTL2 および/または QTL3 のいずれかを、該いずれかの QTL を欠くトマト(Solanum lycopersicum)植物へ最初に遺伝子移入し、その後に QTL2 および/または QTL3、または QTL1 および/または QTL2 を導入することができる。その後の選抜は、ペピーノモザイクウイルス抵抗性に関与する該 QTL の1つまたは2つまたは3つについて行う。
さらなる態様において、本発明は、以下の工程を含む方法によって得られ得る、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を保有するトマト植物に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 41927 または NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 42069 として寄託された QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を、該遺伝的決定因子を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行って、さらなる世代の集団を得る工程;
c) 所望により、該集団から QTL 1、2 および 3 のうち1つまたは2つを含む植物を選抜し、次いで QTL 1、2 および 3 のうち残りの QTL を少なくとも含む植物と交雑し、その後、工程 b) を繰り返す工程;
d) QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
さらなる態様において、本発明のトマト植物は、QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第1の親植物を QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第2の親植物と交雑し、所望によりさらなる自殖および/または交雑工程の後に、後続の世代において QTL1 および QTL2、または QTL 1 および QTL3、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜することにより得ることができる。
さらなる態様において、NCIMB 41927 として寄託された種子から生育した植物または NCIMB 42068 として寄託された種子から生育した植物を、NCIMB 41928 として寄託された種子から生育した植物と交雑し、得られた F1 を自殖し、その後 QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む植物の選抜を行う。好ましい側面において、3つ全ての QTL を、好ましくはホモ接合型で含み、ペピーノモザイクウイルスに対して高度に抵抗性であるかまたは免疫がある植物について選抜を行う。
好ましい態様において、本発明は、以下の工程を含む方法によって得られ得るトマト植物に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 42069 として寄託された QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を、該 QTL を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
c) 所望により、該集団から QTL 1、2 および 3 のうち1つまたは2つを含む植物を選抜し、次いで QTL 1、2 および 3 のうちの残りの QTL を少なくとも含む植物と交雑し、その後、工程 b) を繰り返す工程;
d) QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
任意の数の QTL 1、2、および/または 3 を含む、好ましくは QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む、より好ましくは QTL1 および QTL2 および QTL3 の全てをホモ接合型で含む本発明のトマト(Solanum lycopersicum)植物を得るための方法は、当業者に公知の様々な様式で行うことができる。該植物を得るために用いる源としては、QTL1 または QTL2 または QTL3 を含む植物、QTL1 および QTL2、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL3 を含む植物、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物が適する。QTL1 および QTL2 を含む適切な源の代表的種子は寄託番号 NCIMB 41927 または NCIMB 42068 の下に NCIMB に寄託され、QTL2 および QTL3 を含む適切な源の代表的種子は NCIMB 41928 として寄託された。
QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む適切な源の代表的種子は、寄託番号 NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された。
本発明の1つ以上の遺伝的決定因子を提供する親が、必ずしも寄託された種子から直接生育させた植物でないことは明らかである。該親は、該種子の後代植物であってもよく、または他の手段によって本発明の QTL の1つまたは2つまたは3つを含む遺伝的決定因子を有すると同定された種子の後代植物であってもよい。
ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性は、自然感染または人工感染、例えば接種によるペピーノモザイクウイルス感染の結果である病徴の軽減または非存在である。病徴の軽減または非存在は、例えば実施例2において試験される通り、本発明の遺伝的決定因子または1つ以上の QTL を有しないトマト(Solanum lycopersicum)植物と比較したものである。
本発明の好ましい側面において、QTL1 のホモ接合型での存在および QTL2 のホモ接合型での存在および QTL3 のホモ接合型での存在は、最も高いレベルの抵抗性または免疫をもたらす。該最も高いレベルの抵抗性または免疫は、劣性の様式で遺伝する。
本発明の抵抗性は、好ましくは免疫である。免疫は、接種または感染後の植物においてウイルス粒子が蓄積しないかまたは有意に蓄積しない抵抗性の系として定義される。免疫は、ウイルス粒子に対する ELISA アッセイによって測定することができ、該アッセイは当業者に周知のものである。免疫は、ELISA アッセイにおいて、低いスコアまたは負のスコアをもたらす。低いスコアまたは負のスコアは、非ウイルス感染植物に匹敵するウイルス力価を示す。免疫は、少なくとも QTL1 および QTL2 および QTL3 のホモ接合型での存在によって適切に付与される。
本発明ははさらに、本明細書に記載のトマト植物の細胞に関する。かかる細胞は、単離された形態であってもよく、完全なトマト植物の部分またはその部分であってもよく、かかる細胞は、その遺伝的構成の中に 本発明のトマト植物を規定する抵抗性の特性をもたらす遺伝情報を有しているため、本発明の細胞を構成する。本発明のトマト植物の各々の細胞は、前記形質の表現型発現をもたらす遺伝情報を保有する。本発明のかかる細胞は、本発明の新たなトマト植物を再生するために用い得る再生可能な細胞であってもよい。
本発明はまた、本明細書に記載の植物の組織に関する。該組織は、本発明のトマト植物を規定する抵抗性の特性をもたらす遺伝情報をその遺伝的構成の中に有する細胞を含む。該組織は、未分化な組織であってもよく、既に分化した組織であってもよい。未分化な組織は、例えば茎頂、葯、花弁、花粉であり、本発明の新たな植物へと成長させる新たな小植物体(plantlet)を得るための微細繁殖において用いることができる。該組織は、本発明の細胞から成長させることもできる。
本発明は、そのさらなる側面において、本明細書に記載の植物の種子に関する。該種子は、本発明のトマト植物の遺伝的形質を示さないが、該種子から植物を生育させた場合にこの植物を本発明の植物にする抵抗性の特性をもたらす遺伝情報を有している。
本発明はまた、本発明の植物、細胞、組織および種子の後代に関する。かかる後代は、それ自体が植物、細胞、組織または種子であり得る。
本明細書において用いる場合、“後代”の用語は、PepMV 抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を含む本発明の植物との交雑に由来する最初の子孫およびすべてのさらなる子孫を意味する。本発明の後代は、PepMV 抵抗性をもたらす形質を保有する本発明の植物とのあらゆる交雑の子孫である。一つの態様において、本発明の後代植物は、ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子を構成する QTL1、QTL2 および QTL3 の1つ以上を保有する。好ましくは、後代は、本明細書において規定する QTL1、QTL2 および QTL3 の2つ以上、より好ましくは QTL1、QTL2 および QTL3 の3つ全てを含む。
後代植物は、好ましくは、少なくともペピーノモザイクウイルスに対するある程度のレベルの抵抗性、特に、高いレベルの抵抗性を示し、とりわけ、ペピーノモザイクウイルスに対する免疫を示す。
“後代”はまた、本発明の PepMV 抵抗性形質をもたらす遺伝的決定因子を保有する植物を包含し、栄養繁殖または増殖(multiplication)によって他の植物または本発明の植物の後代から得られる。
したがって、本発明はさらに、本明細書に記載される植物の種子および有性生殖に適した該植物の部分に関する。かかる部分は、例えば、小胞子、花粉、子房、胚珠、胚嚢および卵細胞からなる群より選択される。さらに、本発明は、栄養生殖に適した該植物の部分、特に、挿し木(cutting)、根、茎、細胞、およびプロトプラストに関する。
本発明は、そのさらなる側面において、本明細書に記載の植物の組織培養を提供する。該組織培養は、再生可能な細胞を含む。かかる組織培養は、葉、花粉、胚、子葉、胚軸、成長点の細胞、根、根端、葯、花、種子および茎に由来するものであり得る。該組織培養は、本発明の遺伝的決定因子を保有する植物へと再生することができる。再生された植物は適切に、ペピーノモザイクウイルス抵抗性の表現型を発現する。
本発明はさらに、雑種種子、ならびに第1の親植物を第2の親植物と交雑し、得られた雑種種子を回収することを含む雑種種子の生産方法であって、前記第1の親植物および/または前記第2の親植物が本明細書に記載の植物である方法に関する。
本発明はまた、本発明の PepMV 抵抗性形質を保有する自殖系統(inbred)および倍加半数体に関する。
一つの態様において、本発明は、PepMV 抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子を保有し、且つ、適切な源からの該形質の原因である遺伝情報の導入によって、あるいは従来の育種、または遺伝子改変(genetic modification)、特にシスジェネシス(cisgenesis)もしくはトランスジェネシス(transgenesis)によって前記決定因子を獲得した本発明のトマト植物に関する。シスジェネシスは、作物自身のまたは性的に適合するドナー植物の(農業)形質をコードする天然の遺伝子による植物の遺伝子改変である。トランスジェネシスは、交雑不能な種の遺伝子または合成遺伝子による植物の遺伝子改変である。
一つの態様において、本発明の遺伝的決定因子を獲得する源は、その代表的サンプルが受託番号 NCIMB 41927、もしくは受託番号 NCIMB 41928、もしくは受託番号 42068 もしくは受託番号 NCIMB 42069 の下に寄託された種子から、または該寄託された種子から、またはその有性または栄養性子孫から、または該遺伝的決定因子を含む別の源から、またはこれらの源の組み合わせから生育した植物によって形成される。
好ましい態様において、本発明は、非遺伝子組換えトマト(Solanum lycopersicum)植物に関する。ペピーノモザイクウイルスに対して抵抗性である本発明の植物を得るための、本発明の QTL1、QTL2 または QTL3 の1つ以上を獲得するための源は、適切には NCIMB 41927 および/または NCIMB 41928 および/または NCIMB 42068 および/または NCIMB 42069 に含まれる QTL 1 および/または 2 および/または 3 を保有するトマト(Solanum lycopersicum)植物、あるいは前記 QTL の1つ以上を保有し、トマト(Solanum lycopersicum)と交雑することができる Solanum属の種の植物である。所望により、関連する種との交雑の後に、胚救出(embryo rescue)や戻し交雑等の手法、または当業者に公知の他の手法を実行して種間交雑の種子を得ることができ、該種子はペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を示す非遺伝子組換えトマト(Solanum lycopersicum)植物のさらなる作出のための源として用いることができる。
本発明はまた、本発明の植物の遺伝資源に関する。該遺伝資源は生物の全ての遺伝する特徴によって構成され、本発明において、少なくとも本発明の形質を包含する。該遺伝資源は、PepMV 抵抗性トマト植物の作出のための育種計画において用いることができる。
本発明はまた、本発明の植物によって生産されるトマト果実に関する。本発明はさらに、本明細書に記載のトマト植物の果実またはその部分を含む食品に関する。本発明はまた、加工された形態の食品に関する。
一つの側面において、本発明は、以下の工程を含む、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 41927 および NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物を、該遺伝的決定因子を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) 所望により、F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
c) 該集団から、QTL1 および/または QTL2 を含む植物、または QTL2 および/または QTL3 を含む植物を選抜する工程;
d) 選抜された QTL1 および/または QTL2 を含む植物を、その代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物と交雑するか、または、選抜された QTL2 および/または QTL3 を含む植物を、その代表的種子が NCIMB 41927 および NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物と交雑する工程;
e) 工程 d) において得られた植物を自殖して分離集団を得る工程;
f) QTL1 および QTL2、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL3、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
本発明はさらに、以下の工程を含む、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 41927 または NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 42069 として寄託された QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を、該遺伝的決定因子を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
c) 所望により、該集団から QTL 1、2 および 3 の1つまたは2つを含む植物を選抜し、次いで QTL 1、2 および 3 のうち残りの QTL を少なくとも含む植物と交雑し、その後、工程 b) を繰り返す工程;
d) QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
一つの側面において、本発明は、QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第1の親植物を QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第2の親植物と交雑し、所望によりさらなる自殖および/または交雑工程の後に、後続の世代において QTL1 および QTL2、または QTL 1 および QTL3、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜することによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する。
好ましい側面において、本発明は、以下の工程を含む、トマト植物の作出方法に関する:
a) その代表的種子が NCIMB 42069 として寄託された QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を、該 QTL を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
b) F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
c) 所望により、該集団から QTL 1、2 および 3 のうち1つまたは2つを含む植物を選抜し、次いで QTL 1、2 および 3 のうち残りの QTL を少なくとも含む植物と交雑し、その後、工程 b) を繰り返す工程;
d) QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
本発明はさらに、以下の工程を含む、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物に所望の形質を導入する方法を提供する:
a) その代表的種子が寄託番号 NCIMB 41927 および NCIMB 41928 および NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託されたペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物を、所望の形質を含む第2のトマト植物と交雑して F1 後代を作出する工程;
b) ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性および該所望の形質を含む F1 後代を選抜する工程;
c) 選抜された F1 後代をどちらかの親と交雑して、戻し交雑後代を作出する工程;
d) 該所望の形質およびペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含む戻し交雑後代を選抜する工程; および
e) 所望により、工程 c) および d) を連続して1回以上繰り返して、該所望の形質およびペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含む選抜された第4代以上の戻し交雑後代を作出する工程。本発明は、この方法により作出されるトマト植物、および該植物から得られるトマト果実を包含する。
本発明の遺伝的決定因子を含む植物の選抜は、前記方法のいずれかの交雑または自殖工程の後に行ってもよい。
一つの態様において、該遺伝的決定因子を含む植物は、自殖系統、雑種、倍加半数体または分離集団の植物である。
本発明はさらに、倍加半数体の作成技術を用いてペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす前記遺伝的決定因子を含む倍加半数体系統を作成することによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法を提供する。
本発明はさらに、雑種種子、ならびに、第1の親植物を第2の親植物と交雑し、得られる雑種種子を回収することを含む雑種種子の作成方法であって、前記第1の親植物および/または前記第2の親植物が本明細書に記載の植物である方法に関する。
一つの態様において、本発明は、第1の親トマト植物を第2の親トマト植物と交雑し、得られる雑種トマト種子を回収することを含む雑種トマト植物の作出方法であって、該第1の親トマト植物および/または該第2の親トマト植物がペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子、特に本明細書に記載の遺伝的決定因子を含むものである方法に関する。
本発明はまた、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物を生育させるために、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす遺伝的決定因子をそのゲノム中に含む種子を用いることによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する。該種子は、適切には、その代表的サンプルが寄託番号 NCIMB 41927 または NCIMB 41928 または NCIMB 42068 または NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された種子である。
本発明はまた、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物を生育させ、該植物に種子を生成させ、それらの種子を回収することを含む、種子の生産方法に関する。該種子の生産は、適切には交雑または自殖によって行われる。
一つの態様において、本発明は、組織培養を用いることによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する。本発明はさらに、栄養生殖を用いることによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する。
一つの態様において、本発明は、遺伝子改変方法を用いてペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子をトマト植物に導入することによる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法に関する。遺伝的改変は、交雑不能な種の遺伝子または合成遺伝子を用いる遺伝子組換え(transgenic)改変またはトランスジェネシス、および、作物自身のまたは性的に適合するドナー植物の、(農業)形質をコードする天然の遺伝子を用いるシスジェニック(cisgenic)改変またはシスジェネシスを含む。
本発明はまた、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を含む遺伝資源を用いる、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の開発のための育種方法に関する。遺伝的決定因子を含む前記植物の代表的種子は、寄託番号 NCIMB 41927 および NCIMB 41928 および NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された。
さらなる態様において、本発明は、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を含むトマト植物の作出方法であって、ペピーノモザイクウイルスに対する前記抵抗性を付与する本発明の遺伝的決定因子を含む植物の後代または繁殖材料を、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を別のトマト植物に遺伝子移入するための源として用いる方法に関する。遺伝的決定因子を含む前記植物の代表的種子は、寄託番号 NCIMB 41927 および NCIMB 41928 および NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託された。
本発明は、好ましくは、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を示すトマト植物であって、本明細書に記載の方法のいずれかによって得られ得る植物を提供する。
本発明はまた、本明細書に記載の PepMV 抵抗性トマト植物を生育させ、該植物にトマト果実を生成させ、所望により該果実を収穫することを含む、トマト果実の生産方法に関する。
本明細書において用いる‘(1つの)遺伝的決定因子’および‘(複数の)遺伝的決定因子’の用語は、本明細書に記載される1つまたは複数の QTL、遺伝子、またはアレルを包含する。これらの用語は互換的に用いられる。
一つの側面において、本発明は、トマト(Solanum lycopersicum)のゲノム中に存在する分子 SNP マーカーであって、トマト(Solanum lycopersicum)におけるペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を付与する QTL と遺伝的に連鎖しており、且つ、配列番号1-9のいずれかによって特徴付けられるマーカーに関する。配列番号1-9は、表 2 において定義する。
さらなる側面において、本発明は、トマト(Solanum lycopersicum)植物においてペピーノモザイクウイルス抵抗性を付与する QTL を同定するための、表 2 に定義される配列番号1-9のいずれかによって特徴付けられる分子マーカーの使用に関する。
遺伝的決定因子または QTL は、分子マーカーの使用によって同定することができる。あるいは、遺伝的決定因子または QTL は、遺伝地図上の位置によって、または連鎖群または染色体上の位置の表示(indication)によって同定することができる。遺伝的決定因子または QTL が特定の分子マーカーともはや連鎖していないが、遺伝地図上で定義されるその染色体上の位置が変化していない場合には、この遺伝的決定因子は依然として、該分子マーカーと連鎖していた時と同じものである。従って、それが付与する遺伝的形質も依然として同じものである。
‘遺伝的形質’とは、遺伝的決定因子によって付与される形質または特性である。遺伝的形質は、例えばバイオアッセイを行うことによって、表現型により同定することができる。しかし、表現型アッセイを行うことができない植物の段階も、遺伝的形質をもたらす遺伝情報を保有している。‘形質’または‘表現型形質’は、‘遺伝的形質’の代わりに用いることができる。さらに、劣性形質の場合、ヘテロ接合性の植物も、ホモ接合型で存在する場合に PepMV 抵抗性形質をもたらす遺伝情報を保有している。かかる植物は、抵抗性アレルの源であり、それ自体も本発明の部分である。
分子マーカーが存在しない場合、または遺伝的決定因子とマーカーの間で組換えが起こって該マーカーがもはや予測的でない場合、遺伝的決定因子の等価性(equivalence)は、対立性検定によって決定することができる。対立性検定を行うためには、本発明の既知の決定因子に関してホモ接合であるテスター植物を、その遺伝的決定因子についてホモ接合である被験材料と交雑する。該交雑の F2 において、観察すべき形質についての分離が存在しない場合、該遺伝的決定因子は等価または同一であることが証明される。
1つより多くの遺伝子が特定の形質に関与しており、等価性を決定するために対立性検定を行う場合、該検定を行う当業者は、該検定を適切に機能させるために、関係する全ての遺伝子がホモ接合型で存在することを確かめなければならない。
遺伝地図は、それを構築する方法によって異なり得る。当業者は、遺伝地図を比較および結合する方法を知っており、それにより遺伝地図間の差異を除去または最小化することができる。したがって、1つの遺伝地図からの情報を、別の遺伝地図へ移動または変換することができる。本明細書において用いる位置は、2011年1月のリリース SL2.40 のトマトゲノムの公開物理地図(http://solgenomics.net/genomes/Solanum_lycopersicum/genome_data.pl)に基づく物理的位置である。
本発明の遺伝的決定因子に基づくペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性は、1種以上の既知の PepMV 遺伝子型に対する抵抗性を含む。既知の遺伝子型としては、当業者に公知の LP、EU、CH1、CH2、US1 および US2 が挙げられる。ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性はさらに、現時点では未だ同定されていない PepMV 遺伝子型に対する抵抗性を含み得る。未だ同定されていない PepMV 遺伝子型は、現在植物に感染しているが、未だペピーノモザイクウイルスに属するものとして特徴決定されていない遺伝子型であり得る。それは、既存の株から発生した新規の PepMV 遺伝子型であってもよく、ペピーノモザイクウイルスとしても分類される別の遺伝子型であってもよい。
寄託
ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす本発明の遺伝的決定因子を含むトマト(Solanum lycopersicum) 11R.412000 および 11R.446400 の種子を、2012年1月13日に、それぞれ受託番号 NCIMB 41927 および NCIMB 41928 の下に NCIMB Ltd(Ferguson Building、Craibstone Estate、Bucksburn、Aberdeen AB21 9YA、UK)に寄託した。
ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす QTL1 および QTL2 を含むトマト(Solanum lycopersicum) 12R.4211014 の種子、およびペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をもたらす QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む本発明の遺伝的決定因子を含むトマト(Solanum lycopersicum) T 12R.107 の種子を、2012年10月10日に、それぞれ受託番号 NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB Ltd(Ferguson Building、Craibstone Estate、Bucksburn、Aberdeen AB21 9YA、UK)に寄託した。
該寄託した種子は、植物品種の保護を得るために必要な DUS 基準を満たしておらず、そのため、植物品種とはみなされない可能性がある。
以下の実施例において、本発明をさらに説明する。
実施例 1
本発明のトマト植物の作出
本発明をもたらした研究において、ペピーノモザイクウイルス抵抗性についてのバイオアッセイ(実施例 2 を参照)を行うことにより、出願人の遺伝資源の中からペピーノモザイクウイルスに対して免疫があるソラナム・ペルビアナム(S. peruvianum)植物を同定した。免疫レベルの抵抗性を、連続的バイオアッセイによって繰り返し確認した。様々な研究において多くの目録(accession)がスクリーニングされたが、ソラナム・ペルビアナムにおける免疫を有するかまたは高度に抵抗性の植物について先行する報告はなされていなかったため、ソラナム・ペルビアナムにおける免疫の同定は非常に驚くべきものであった。
該バイオアッセイにおいて、PepMV に対する免疫を含む他のソラナム・ペルビアナム植物は同定されなかった。該単一の免疫性植物は自家不和合性であったため、自殖種子を得ることができなかった。PepMV に対する免疫の遺伝は複雑であることが予想されたため、別のソラナム・ペルビアナム植物との交雑ならびにその後の自殖および抵抗性についての選抜は、該免疫を維持するためにはリスクの大きすぎるアプローチであると考えられた。したがって、該植物は、挿し木によって栄養的にのみ繁殖および維持を行った。
自家不和合性の免疫性ソラナム・ペルビアナム源(source)植物を、トマト(Solanum lycopersicum)の系統と交雑した。胚救出を行って、この種間交雑の F1 子孫を得た。該 F1 をペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性についてスクリーニングしたが、該集団は感受性であることが判明した。
該 F1 もやはり自家不和合性であった。そこで、様々な F1 植物の交雑を行って、さらなる進展のために用い得る F2 集団を得た。
多数の F2 植物を、各植物につき 10 個体の挿し木を作成して同一の遺伝子型を得ることにより、PepMV 抵抗性について反復して試験した。該 PepMV 抵抗性試験によって、わずか2つの高度抵抗性の F2 植物が同定された。しかし、それらの植物における抵抗性のレベルは依然として、元のソラナム・ペルビアナム源(source)植物のレベルよりも低かった。
栽培型のトマトにより近づけるため、該高度抵抗性の植物をトマト(Solanum lycopersicum)の系統と戻し交雑し、再度胚救出を行って BC1 集団を得た。該 BC1 を自殖し、そこからおよそ 15 個の BC1S1 集団を得た。実施例 2 に記載される通りに、各々の集団から 75〜150個体の植物を PepMV に対して高度に抵抗性の植物についてスクリーニングした。
良好なレベルの抵抗性について最終的に7個体の BC1S1 植物を選抜し、これらの植物について BC2 を作成した。この BC2 世代を得るために、胚救出を行う必要があった。該 BC2 を再度自殖し、さらなるスクリーニングおよび選抜のために、ここから 166 個の BC2S1 ファミリーを得た。これらのファミリーの各々から 150 個体の植物を抵抗性についてスクリーニングした。実施例 2 に記載される通り、各スクリーニングは2つの工程からなる。あるファミリーがかなりの数の抵抗性植物を含むと考えられた場合には、より強い、希釈の程度の小さい接種材料(inoculum)を用いてスクリーニングを再度繰り返す必要があった。かかる方法により、最も高い抵抗性を同定することができる。
各々の戻し交雑および自殖工程の後、高度抵抗性の植物を同定し、且つ高いレベルの抵抗性を確認するために、バイオアッセイを行った。
最初の世代の間に、PepMV 抵抗性は植物の矮性成長(dwarf growth)と強く連鎖していることが判明した。この副次的作用は、抵抗性の源からのリンケージドラッグ(linkage drag)の結果であると思われた。矮性成長は明らかにネガティブな特徴であるため、このリンケージドラッグにより、該抵抗性は育種における直接使用には適用できないものとなった。また、該植物は弱いことが見てとれ、それらを長期間維持することが困難となったため、該リンケージドラッグによりバイオアッセイの実施は困難なものとなった。選抜された矮性植物から種子を得ることは、さらにいっそう複雑なものであることが判明した。
さらに、該抵抗性の遺伝的構成は非常に複雑であることが明らかとなった。トマトにおける PepMV に対する抵抗性の探索は長期間にわたって進行中であるが、これまでのところ、該ウイルスに対する高いレベルの抵抗性を有する栽培型トマト(S. lycopersicum)植物への言及はなされていない。したがって、この広範囲に広がったウイルスに対する高い抵抗性レベルを栽培型トマトに導入することの実現可能性の課題は依然として、解決する必要のあるものであった。困難なバイオアッセイと相まって、該抵抗性の遺伝的背景の複雑性は、トマト(Solanum lycopersicum)にとって非常に重要な高レベルの抵抗性または免疫を含む所望の後代植物を同定することを非常に困難なものにした。
そこで、まず該抵抗性の遺伝的構成を明らかにするため、実施例 3 に記載される QTL マッピングを行った。その後、表現型のスクリーニングと組み合わせて、BC2 世代から開始してマーカー支援戻し交雑および選抜を行い、要求される高レベルの抵抗性をもたらす植物を検出した。矮性成長は、染色体 6 上の QTL である QTL1 と連鎖することが明らかとなった。
3 つの QTL のマーカーを用いることにより、BC2S1 において、十分に高いレベルの抵抗性を有し、各々が該 QTL のうち2つをホモ接合型で含み、且つ、矮性成長をもたらす染色体 6 上のリンケージドラッグをもはや有しない2つのファミリーを作出することができた。これらの系統の種子を、NCIMB 41927 および NCIMB 41928 として寄託した。
上述のさらなる戻し交雑、スクリーニングおよび選抜により、進展した BC4S1 集団が得られた。これらの集団の1つから、2 つの QTL、即ち QTL1 および QTL2 をホモ接合型で含む別の植物を選抜し、NCIMB 42068 として寄託した。
該 BC4S1 集団は、QTL1 および QTL2 および QTL3 をホモ接合型で有し、高レベルの抵抗性または免疫を有するトマト(S. lycopersicum)植物をさらに含んでいた。3つ全ての QTL をホモ接合型で含むこれらの植物の後代を、NCIMB 42069 として寄託した。
実施例 2
ペピーノモザイクウイルス抵抗性についてのバイオアッセイ
ペピーノモザイクウイルスには非常に攻撃的な遺伝子型が存在するが、その挙動および病徴発現は予測不可能な場合がある。したがって、十分な反復を伴う非常に徹底したアッセイを行って生産者の条件における良好な能力を確保することが、抵抗性植物の作出にとって極めて重要である。
試験する植物から、いくつかの挿し木を作成し、同じ遺伝子型のいくつかの植物に対してアッセイを行う。このアプローチは、‘エスケープ’、即ち何らかの理由で抵抗性であると同定されるが、この推定された抵抗性が単に環境によるものであって該植物が抵抗性をもたらす遺伝的決定因子を含むためではない植物の選抜を防止する。したがって、最適な方法で抵抗性を決定するための反復は、バイオアッセイの結果を信頼性の高いものにする同一の遺伝子型の集団を共に形成する挿し木によって形成される。
バイオアッセイを行うための接種材料を、感染したトマトの葉から得る。接種材料を例えば 300 倍に希釈した比較的低いウイルス力価を有する接種材料を用いてバイオアッセイを開始する。次いで、当該技術分野において公知の標準的な方法によって機械的接種を行う。このレベルにおいて PepMV に対する表現型抵抗性(phenotypic resistance)を示す植物を選抜する。それらは、PepMV 抵抗性をもたらす1つ以上の QTL を含む遺伝的決定因子を含む。
表現型抵抗性を有する植物は、好ましくは、バイオアッセイにおいていかなる PepMV 病徴をも示さない植物である。栄養性の植物部分の病徴は多様であり、‘イラクサ様の先端’(灰色がかった、とがった植物の頂端)、発育を停止した先端、歪んだ葉(distorted leaf)、退緑した葉、モザイク、斑点(mottling)、または葉のスポットを含む。スクリーニングされた植物はまた、バイオアッセイの中に含める感受性対照と比較して減少した感受性を示し得、それらの植物は一定レベルの抵抗性を有すると考えられる。感受性対照は、例えば、当該技術分野においてこれまでに知られているトマト品種のいずれかから選択し得る。減少した感受性を示すが、抵抗性または高度抵抗性または免疫性ではない植物は、QTL1 および QTL2 および QTL3 をホモ接合型で含んでいない。
好ましくは高レベルの抵抗性を有し、病徴を示さなかった選抜された植物から1つ以上の挿し木を作成し、若い植物段階から再開する。この方法においても、最も信頼性の高いバイオアッセイを得るための反復として用いる同一の遺伝子型が存在する。接種材料を例えば 30 倍に希釈した高いウイルス力価を有する接種材料を、選抜された植物に再接種する。この方法により、PepMV 抵抗性をもたらす最良の遺伝的決定因子を含む最も強い植物が同定される。最も高いレベルの抵抗性または免疫は、好ましくはホモ接合型の QTL1 および QTL2 および QTL3 の存在によって達成される。
広範なバイオアッセイの必須部分として、ELISA アッセイを行い、選抜された植物が病徴を有しないことのみならず、該植物中においてウイルスが増殖しないことをも決定する。ウイルスの蓄積は、最終的には病徴または植物の衰弱をもたらし、したがって、かかる植物は、永続的な(durable)抵抗性の源として有用ではない。したがって、選抜された植物が真にウイルスを含まないことを ELISA アッセイによって確認することが必須である。ELISA アッセイを行ってウイルスの存在を決定することは、当業者に公知の標準的な方法である。
ELISA 試験において 0.1 未満の吸収を有する、スコア <0.1 の植物を、本発明の抵抗性植物として確認する。これらの植物は、非接種対照と同等の吸収を有する。例えば 30 倍希釈された高濃度の接種材料を用いて、非接種対照と同等の吸収である 0.1 未満の吸収を有する植物は、高度抵抗性または免疫として特徴付けられる抵抗性メカニズムを有する。
より低い濃度の接種材料、例えば 300 倍希釈した接種材料を用いた場合に ELISA 試験において 0.1 未満の吸収を有する抵抗性植物を選抜し、戻し交雑して、次のサイクルを開始する。生育期間中、様々な接種材料濃度を用いて病徴観察および ELISA 試験を継続し、植物が永続的な抵抗性を有することを確認する。
若い植物のバイオアッセイ中においては、多くの条件下においてウイルスの病徴がみられない。これらの場合、ELISA アッセイは、減少した感受性を有するか、または抵抗性もしくは高度抵抗性もしくは免疫性である植物の、この段階における選抜のための唯一の基礎となる。ELISA アッセイは、好ましくは、挿し木の接種の少なくとも 14 日後または少なくとも 18 日後または少なくとも 21 日後に行い、または所望によりトマト植物の生育期間中のより長い期間の後に行ってもよい。
ペピーノモザイクウイルスの性質および抵抗性の複雑さのため、バイオアッセイにおいて用いるのに最適な接種材料の濃度は変動し得る。最適な濃度は、接種材料を得るための源として用いる植物中に存在するウイルスの強さおよび濃度によって異なる。最適な濃度は、試験する植物中に存在する QTL の数にも依存する。例えば、本発明の QTL のうち1つまたは2つのみを有する植物の選抜のためには、より低い濃度の接種材料を用いるべきである。接種のための接種材料の希釈は、3 倍、30 倍、300 倍、3000 倍、30,000 倍、またはバイオアッセイを行う条件に適すると認められる他のいずれかの濃度であり得る。ELISA アッセイにおいて、感受性対照と抵抗性植物との間でウイルス力価の明確な差を測定できる場合、濃度は適切である。
抵抗性植物と感受性対照植物を常に基準として含めて、用いる接種材料の濃度がバイオアッセイにおいて用いるのに適切であるかどうかをチェックすることが必須である。PepMV バイオアッセイの信頼性の本質は、第2の接種材料がより高い濃度を有する少なくとも2つの異なる接種材料濃度を続けて含めること; 抵抗性の存在の確認のために、多数の同一の遺伝子型を、好ましくは挿し木によって、用いること; および、ウイルスの減少もしくはウイルスの非存在、または非接種対照植物と同等の吸収を ELISA アッセイにより確認して、減少した感受性、または抵抗性もしくは高い抵抗性もしくは免疫を有する植物を選抜することにある。
Figure 2014532420
該表から、示される BC2S1 ファミリーは抵抗性の植物(<0.1)と感受性の植物(>1.0)に分離することになる。BC2S1 ファミリーのいずれも、この段階では3つ全ての QTL をホモ接合型で有しておらず、抵抗性の分離が依然として観察される。この段階において最も強い植物を選抜し、続いて 30 倍希釈した接種材料を接種する。しかし、この段階において、3つ全ての QTL をホモ接合型で有する植物は存在しなかった。バイオアッセイにおいて抵抗性の植物が同定されたが、結果としては、ELISA による確認の後、該植物のいずれもこの段階では高度抵抗性または免疫性であるとは確認されなかった。
さらなる進展の後、QTL1 および QTL2 および QTL3 をホモ接合型で含む BC4S1 トマト(S. lycopersicum)植物を作出することができた。これらのトマト植物は、PepMV 抵抗性についてのバイオアッセイにおいて高度抵抗性または免疫性であった。これらの植物はさらに、ELISA 試験において非接種対照と同等の 0.1 未満の吸収を有した。
実施例 3
QTL マッピングおよびマーカー作成
実施例 1 から得られた 184 個体の BC1S1 植物からなる大きな集団を、ペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性をマッピングするために用いた。1巡目において 880 個の SNP マーカーを解析し、追加の 559 個の SNP マーカーを2巡目に含めた。これらの SNP マーカーのうち 281 個が1巡目において多型であり、2巡目においては 387 個の多型 SNP を追加することができ、その結果、184 個体の BC1S1 植物に対して PepMV 抵抗性についての QTL 解析を行うために用いた合計 671 個のマーカーを得ることができた。
注目すべきことに、抵抗性に寄与した 3 つの QTL は 3 つの別々の染色体上に位置し、座乗していた。該 QTL と最も密接に相関していた分子 SNP マーカーを表 2 に示す。
QTL の位置決定のため、公に利用可能なトマト(Solanum lycopersicum)ゲノムのマップ SL2.40 を本明細書において言及する全ての位置の基準として用いた。
変動の 8.8% を説明する第1の QTL は、5.34 の LOD スコアを有し、染色体 6 上に位置していた。該 QTL の位置は、物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間、好ましくは位置 33,558,627 bp と 34,505,939 bp の間であると決定された。BC1S1 集団およびそれに続く後代において、この QTL は、その配列が表 2 において配列番号1として見出される、位置 34,456,931の SNP マーカーと最も密接に連鎖していた。好ましい QTL 領域の境界は、配列番号4および配列番号5の存在によって同定した。
変動の 12.1% を説明し、7.12 の LOD スコアを有する第2の QTL は、染色体 7 上の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間、好ましくは位置 61,387,356 bp と 62,253,846 bp の間に位置することが同定された。BC1S1 集団およびこの集団から作成した後代において、QTL2 は、位置 61,550,890 の SNP と連鎖していた。該分子 SNP マーカーの配列は、表 2 において配列番号2として見出される。好ましい QTL 領域の境界は、配列番号6および配列番号7の存在によって同定した。
第3の QTL は、変動の 19.7% を説明した。この QTL の LOD スコアは 11.03 であった。QTL3 は、染色体 9 上の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間、好ましくは位置 61,494,664 bp と 62,385,023 bp の間、より好ましくは位置 61,723,339 と 62,385,023 の間に位置している。QTL3 は、BC1S1 およびそれに続く後代において、位置 61,603,006 の分子 SNP マーカーと連鎖している。配列は表 2 において見出される。QTL3 は、配列番号8および配列番号9の SNP マーカーの存在によってさらに定義される。
配列番号1は、染色体 6 のフォワード鎖上の位置 34,456,931 におけるヌクレオチド A (野生型) から G への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号2は、染色体 7 のフォワード鎖上の位置 61,550,890 におけるヌクレオチド C (野生型) から G への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号3は、染色体 9 のフォワード鎖上の位置 61,603,006 におけるヌクレオチド C (野生型) から T への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号4は、染色体 6 のフォワード鎖上の位置 33,558,627 におけるヌクレオチド T (野生型) から C への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号5は、染色体 6 のフォワード鎖上の位置 34,505,939 におけるヌクレオチド C (野生型) から T への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号6は、染色体 7 のフォワード鎖上の位置 61,387,356 におけるヌクレオチド T (野生型) から C への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号7は、染色体 7 のフォワード鎖上の位置 62,253,846 におけるヌクレオチド C (野生型) から A への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号8は、染色体 9 のフォワード鎖上の位置 61,872,648 におけるヌクレオチド C (野生型) から T への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
配列番号9は、染色体 9 のフォワード鎖上の位置 62,191,735 におけるヌクレオチド G (野生型) から C への SNP の存在を含む。該位置は、表 2 に示すヌクレオチド配列における16番目の位置(太字)として表すこともできる。
Figure 2014532420
該 SNP 配列は、NCIMB 41927 (QTL1 および QTL2)、NCIMB 42068 (QTL 1 および QTL2)、NCIMB 41928 (QTL2 および QTL3)、NCIMB 42069 (QTL1 および QTL2 および QTL3) において、それぞれの QTL と連鎖している。該 SNP 配列は、前記寄託に係る植物における PepMV 抵抗性の分子マーカーとして用いることができる。
実施例 4
抵抗性の導入
依然として QTL1 および QTL2 および QTL3 をホモ接合型で含んでいる、T 12R.107 の自殖した植物を、本発明の抵抗性を付与する QTL のいずれも保有しないトマト植物と交雑した。該交雑から得られた F1 は、本発明の3つ全ての QTL をヘテロ接合の状態で有していた。該 F1 集団は十分な抵抗性レベルが期待できなかったため、PepMV 抵抗性についての表現型による試験は行わなかった。また、ヘテロ接合性の QTL は全て次の F2 世代において分離するため、該 F1 における選抜はこの形質と関連しないものである。
該 F1 を自殖し、250 個の F2 種子を播種した。理論上は、64 個体の植物のうち 1 個体が本発明の3つ全ての QTL をホモ接合型で有すると期待される。実生段階において、表 2 に記載の9つ全ての SNP マーカーを用いてマーカー解析を行った。抵抗性遺伝子と該マーカーとの間の可能性のある組換え体がこの段階で選抜されないことを確かめるために、9つ全てのマーカーを使用した。
幸いにも、該 F2 実生から、マーカー解析によって、QTL1 および QTL2 および QTL3 をホモ接合型で含む3つの植物を同定することができ、該植物を選抜し、さらなる育種のために維持した。
該選抜された植物の抵抗性を確認するために、挿し木を作成し、実施例 2 に従うバイオアッセイを行った。3000 倍希釈した接種材料を用いる1巡目の接種の後、病徴は全く観察されなかった。2巡目においては接種材料を 300 倍に希釈し、やはりペピーノモザイクウイルスの病徴は全く見出されなかった。感受性対照として、雑種品種である Mecano を用い、該品種は初期の植物段階において明らかな葉の病徴を示した。
選抜された植物においてウイルスが蓄積していなかったことを確認するため、再度、実施例 2 に記載されるアッセイに続いて、2巡目の接種において感受性対照に病徴が生じた後、選抜された植物に対して ELISA 試験を行った。該 ELISA アッセイにより、免疫性の源と同程度の吸収が示され、したがって、選抜された植物におけるウイルス蓄積は無視できることが確認された。着果期を含む該植物の生育期間中において、ELISA アッセイを繰り返し行い、該植物が生殖段階においても抵抗性のままであることを確認した。

Claims (18)

  1. QTL1、QTL2 および QTL3 のうち1つ以上を含む遺伝的決定因子を保有するトマト植物(Solanum lycopersicum L.)であって、該遺伝的決定因子がペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を付与するものであり、該 QTL が、その代表的種子が寄託番号 NCIMB 41927、NCIMB 41928、NCIMB 42068 および NCIMB 42069 の下に NCIMB に寄託されたトマト植物に含まれている通りのものである、トマト植物。
  2. ペピーノモザイクウイルス(PepMV)に対する抵抗性を付与する遺伝的決定因子を含むトマト植物(Solanum lycopersicum L.)であって、該遺伝的決定因子が以下を含むものである、トマト植物:
    - 連鎖群(LG)6 の物理的位置 32,363,349 bp と 34,505,939 bp の間、好ましくは位置 33,558,627 bp と 34,505,939 bp の間に位置する QTL1、またはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または
    - 連鎖群(LG)7 の物理的位置 60,667,821 bp と 62,460,220 bp の間、好ましくは位置 61,387,356 bp と 62,253,846 bp の間に位置する QTL2、またはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および/または
    - 連鎖群(LG)9 の物理的位置 60,998,420 bp と 62,512,587 bp の間、好ましくは位置 61,494,664 bp と 62,385,023 の間、より好ましくは位置 61,723,339 bp と 62,385,023 bp の間に位置する QTL3、またはその PepMV-抵抗性を付与する部分。
  3. 遺伝的決定因子が以下を含むものである、請求項1または2に記載のトマト植物:
    - QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、または
    - QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、または
    - QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分および QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分。
  4. 遺伝的決定因子が QTL1 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および QTL2 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分、および QTL3 もしくはその PepMV-抵抗性を付与する部分を含むものである、請求項1〜3のいずれかに記載のトマト植物。
  5. 以下の工程を含む方法によって得られ得る、請求項1〜4のいずれかに記載のトマト植物:
    a) その代表的種子が NCIMB 41927 または NCIMB 42068 として寄託された QTL1 および QTL2 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 41928 として寄託された QTL2 および QTL3 を含む植物、またはその代表的種子が NCIMB 42069 として寄託された QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を、該遺伝的決定因子を含まない植物と交雑して F1 集団を得る工程;
    b) 該 F1 の植物の1巡以上の自殖および/または交雑を行ってさらなる世代の集団を得る工程;
    c) 所望により、該集団から QTL 1、2 および 3 のうち1つまたは2つを含む植物を選抜し、次いで QTL 1、2 および 3 のうち残りの QTL を少なくとも含む植物と交雑し、その後、工程 b) を繰り返す工程;
    d) QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜する工程。
  6. QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第1の親植物を QTL1 および/または QTL2 および/または QTL3 を含む第2の親植物と交雑し、所望によりさらなる自殖および/または交雑工程の後に、後続の世代において QTL1 および QTL2、または QTL 1 および QTL3、または QTL2 および QTL3、または QTL1 および QTL2 および QTL3 を含む植物を選抜することにより得られ得る、請求項1〜4のいずれかに記載のトマト植物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のトマト植物の種子であって、該種子から生育させ得る植物が請求項2に記載の QTL 1-3 のうち1つ以上を含む、種子。
  8. 請求項7に記載の種子であって、該種子から生育させ得る植物がペピーノモザイクウイルスに対して抵抗性である、種子。
  9. 請求項2に記載の QTL 1-3 のうち1つ以上を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のトマト植物の後代または請求項7または8に記載のトマト種子の後代。
  10. ペピーノモザイクウイルスに対して抵抗性である、請求項9に記載の後代。
  11. 請求項1〜6、9および10のいずれかに記載の植物を生産するため、又は請求項7または8に記載の種子を生産するために適した繁殖材料であって、該繁殖材料が有性生殖に適しており、特に小胞子、花粉、子房、胚珠、胚嚢および卵細胞から選択されるものであるか、または栄養生殖に適しており、特に挿し木、根、茎、細胞、プロトプラストから選択されるものであるか、または再生可能な細胞の組織培養に適しており、特に葉、花粉、胚、子葉、胚軸、成長点の細胞、根、根端、葯、花、種子および茎から選択されるものであり、且つ、該繁殖材料から生産される植物が請求項2に記載の QTL 1-3 のうち1つ以上を含む、繁殖材料。
  12. 請求項11に記載の繁殖材料であって、該繁殖材料から生産される植物がペピーノモザイクウイルスに対して抵抗性である、繁殖材料。
  13. 以下を含む、請求項1〜6、9および10のいずれかに記載のトマト植物、請求項7または8に記載の種子、または請求項11または12に記載の繁殖材料:
    - 寄託物 NCIMB 41927 および/または NCIMB 42068 および/または NCIMB 42069 において配列番号1、配列番号4および配列番号5によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL1 またはその抵抗性を付与する部分、および/または
    - 寄託物 NCIMB 41927 および/または NCIMB 41928 および/または NCIMB 42068 および/または NCIMB 42069 において配列番号2、配列番号6および配列番号7によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL2 またはその抵抗性を付与する部分、および/または
    - 寄託物 NCIMB 41928 および/または NCIMB 42069 において配列番号3、配列番号8および配列番号9によって特徴付けられる分子マーカーと連鎖している QTL3 またはその抵抗性を付与する部分。
  14. 請求項1〜6、9、10または13のいずれかに記載の植物のトマト果実。
  15. 請求項14に記載のトマト果実またはその部分を、所望により加工された形態で含む食品。
  16. 請求項1〜6、9、10または13のいずれかに記載の植物、または請求項7または8の種子からもしくは請求項11または12に記載の繁殖材料から生産される植物の、ペピーノモザイクウイルス抵抗性トマト植物の作出のための育種計画における遺伝資源としての使用。
  17. トマト(Solanum lycopersicum)におけるペピーノモザイクウイルスに対する抵抗性を付与する QTL と遺伝的に連鎖しており、配列番号1-9のいずれかによって特徴付けられる、トマト(Solanum lycopersicum)ゲノム中に存在する分子マーカー、好ましくは分子 SNP マーカーであって、該 QTL が好ましくは請求項2に記載されるものである、分子マーカー。
  18. トマト(Solanum lycopersicum)植物においてペピーノモザイクウイルス抵抗性を付与する QTL を同定するための、請求項17に記載のマーカーの使用。
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