JP2013544093A - ラクツカ・セリオラ由来のナソノビア・リビスニグリバイオタイプ1(Nr:1)への耐性 - Google Patents

ラクツカ・セリオラ由来のナソノビア・リビスニグリバイオタイプ1(Nr:1)への耐性 Download PDF

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Abstract

本発明は、その代表種子がNCIMB受託番号41763の下に寄託された、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性のレタス植物(ラクツカ・サティバ L.)に関する。かかるレタス植物は、レタス植物を、シードロット10G.913569の種子、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物と交雑し、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である植物を、好ましくは交雑のF2子孫において選択することにより、獲得できる。

Description

本発明は、レタスアブラムシ、ナソノビア・リビスニグリ(モズレー)(Nasonovia ribisnigri(Mosley))に対して耐性である、レタス(ラクツカ・サティバ L.(Lactuca sativa L.))に関する。本発明はさらに、同様の耐性を示す、植物の部分、特に、種子および他の繁殖材料(propagation material)、ならびに該植物の子孫(progeny)に関する。
レタスアブラムシ(ナソノビア・リビスニグリ(モズレー)(Nasonovia ribisnigri(Mosley)))は、世界中でレタスに発生する主要な害虫である。この問題は、北西ヨーロッパにおいて70年代にレタス生産にとって深刻になり始め、ヨーロッパ中に急速に広がった。80年代に、該アブラムシはカナダで検出された。その後、この問題は、アメリカ合衆国(カリフォルニアおよびアリゾナ)において報告された。最近になって、レタスアブラムシは、ニュージーランドおよびオーストラリアにおいて見出された。
レタスアブラムシは、あらゆる植物段階のレタス植物にコロニーを作ることができ、好ましくは、より若い葉から食べる。植物上の大量のアブラムシは、植物生長を減少させ、球(head)の形状を変形させることができ、その結果、レタスの球が売り物にならなくなる。レタス球における大量のアブラムシの存在は、小売業者が生産者からレタスを買うのを断る理由になる。幼植物段階において、殺虫剤を用いてレタスアブラムシを防除することは可能である。アブラムシ集団を防除するのに有効ないくつかの製品が報告された。しかしながら、いくつかのアブラムシ集団において、化学物質に対する耐性が報告された。さらに、成熟時には、化学製品はレタスの球の中に侵入することができないので、殺虫剤を用いてアブラムシを防除することはできない。
レタスアブラムシを防除するために最も価値のある戦略の一つは、遺伝的耐性である。広範囲な遺伝子バンクスクリーニングが実施され、いくつかのラクツカ・ビロサ(Lactuca virosa)アクセッションがナソノビア・リビスニグリに対して完全に耐性であることが見出された。しかしながら、ラクツカ・ビロサは、ハーラン(Harlan)の定義によると、ラクツカ属の遺伝資源の第二の遺伝子プールにある。したがって、これらの種間交雑は不稔性であり、耐性をラクツカ・サティバ(L.sativa)に移入するには、橋渡し種(例えば、ラクツカ・セリオラ(L.serriola))の使用が必要であった。遺伝子分析は、ナソノビア・リビスニグリに対する耐性がラクツカ・サティバ背景における単一の優性遺伝子(Nr遺伝子)によって制御されることを示した。
しかしながら、育種家は、レタスアブラムシに耐性のある品種の放出が簡単ではないことを経験した。Nr−耐性遺伝子は、強い多面的効果(pleiotropic effect)を付与する劣性遺伝子に密接に関連することが見出された。かかる植物は、生長の減少、薄い緑色および種子セットにおける稔性の欠如を示した。大きなサイズの子孫および分子マーカーを使用することにより、ライク・ズワーンのレタス育種家は、負の副作用の表現型を伴わずに耐性組換え植物を見出すことが可能となった。
この知見の後、ナソノビアに耐性の品種の放出が益々重要になった。該耐性形質(trait)は、加工工業のため、また生鮮市場のための野外レタス生産にとって主要な必要条件となった。最近になって、ナソノビアへの部分耐性が、一つのラクツカ・セリオラアクセッションPI491093において報告された(Mc Creight, 2008)。
2007年に、ナソノビア・リビスニグリに耐性の品種に感染可能なレタスアブラムシの集団がヨーロッパの4つの地域(フランス、ドイツ、ベルギーおよびオーストリア)で発見された。4つの単離株(フランスから2つ、ドイツから2つ)がさらにNaktuinbouw(オランダ園芸検疫所(Netherlands Inspection Service for Horticulture))で分析され、それらは、新規なナソノビア・リビスニグリ バイオタイプの存在を結論づけた。このバイオタイプは、公式にNr:1と名付けられ、Nr耐性遺伝子を克服することができる。Nr:0バイオタイプは、まだ、Nr遺伝子によって有効に防除することができる。Naktuinbouwはまた、IVT280、Nr:0耐性の供給元が、それらの試験において感受性であることを報告した。
実際問題として、Nr:1バイオタイプによるNr遺伝子の突破(breakthrough)の後、Nr:1バイオタイプに対する耐性を発見する必要があった。
本発明につながる研究にて、それらのゲノムにおいて耐性をもたらす遺伝的決定因子(genetic determinant)によって、Nr:1に対して耐性である、新規なレタス植物が開発された。該耐性は、驚くべきことに、ラクツカ・セリオラ(Lactuca serriola)において見出された。ラクツカ・セリオラは、ナソノビア・リビスニグリに対して耐性であることが今まで報告されることはなかった。
本発明はそれゆえ、シードロット(seedlot)10G.913569の種子、その代表種子(representative seed)は寄託受託番号NCIMB41763の下に、NCIMB Ltd,Ferguson Building,Craibstone Estate,Bucksburn,Aberdeen AB21 9YA,UKに、2010年9月29日に寄託された、から生長する植物において見出されるNr:1耐性を有する、レタス(ラクツカ・サティバ)植物を提供する。
一実施形態では、本発明はそれゆえ、ナソノビア・リビスニグリ(ribisingi) バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有するレタス植物(ラクツカ・サティバ L.)であって、その遺伝的決定因子が、種子、その代表サンプルはNCIMB受託番号NCIMB41763の下に寄託された、に存在する、レタス植物に関する。
本発明はまた、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性の源としてのラクツカ・セリオラの使用に関する。耐性をもたらし、そのため耐性の源と考えられる、該遺伝的決定因子は、好ましくは、遺伝子移入により感受性のレタス植物(ラクツカ・サティバ)へ導入される。
本発明はさらに、ラクツカ・セリオラ植物をラクツカ・サティバ植物と交雑することにより獲得できる、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である、ラクツカ・サティバ植物に関する。
それらのさらなる態様によると、本発明は、特許請求される植物の子孫、特許請求される植物の種子および特許請求される植物の部分を提供する。
一実施形態では、本発明は、Nr:1に対して耐性のレタス植物であって、前記耐性は、植物、その代表種子は受託番号NCIMB41763の下に、NCIMBに寄託された、からの遺伝子移入により獲得できる、レタス植物に関する。
一実施形態では、本発明は、Nr:1に対して耐性のレタス植物であって、前記耐性は、植物、その代表種子は受託番号NCIMB41763の下に、NCIMBに寄託された、から遺伝子移入される、レタス植物に関する。本明細書中用いられる「遺伝子移入」とは、交雑および選択によって、Nr:1耐性を担持しない植物中へのNr:1耐性の導入を意味することが意図される。遺伝子移入は、1回の交雑だけに限定されず、該植物が耐性になるために、好ましくは安定に耐性になるために必要な最小限の世代数を包含する。
一実施形態では、本発明は、Nr:1感受性のレタス植物を、植物、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下に、NCIMBに寄託された、と交雑し、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である植物を、好ましくは、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、Nr:1に対して耐性である、レタス植物に関する。
一実施形態では、本発明は、Nr:1に対して耐性であるレタス植物であって、その植物が、レタス植物を、シードロット10G.913569、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物と交雑し、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である植物を、F1を自家受粉した後に獲得される、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、レタス植物に関する。
一実施形態では、本発明は、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有するレタス植物であって、その植物が、シードロット10G.913569の種子、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物を別の植物と交雑し、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である植物を、好ましくは、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、レタス植物を提供する。
一実施形態では、本発明は、感受性のコントロール植物と比べてNr:1に対して耐性であり、かつ、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有するレタス植物であって、その植物が、レタス植物を、シードロット10G.913569の種子、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物と交雑し、Nr:1に対して耐性である植物を、F1を自家受粉した後に獲得される、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、レタス植物を提供する。
寄託された材料のゲノムに存在する耐性形質または遺伝的決定因子は、劣性遺伝と一致する様式で移入され、またそのため、選択は、F1を自家受粉した後に獲得される第二世代(F2)子孫において、適切に行われる。
一実施形態では、本発明はさらに、Nr:1に対して耐性であるレタス植物であって、前記植物が前記形質に関してホモ接合体であり、また、前記形質に関してホモ接合体である前記植物が、前記形質に関してホモ接合体であるテスター植物と交雑される場合、前記交雑から生じる第一世代の子孫の植物が、Nr:1に対する耐性について1:0の分離を示す、レタス植物に関する。
一実施形態では、前記第一世代の子孫の前記植物が自家受粉される場合、生ずる第二世代の子孫の植物は、Nr:1に対する耐性について1:0の分離を示す。一実施形態では、テスター植物は、NCIMB受託番号41763の下に、NCIMBに寄託された種子から生長したレタス植物である。
一実施形態では、テスター植物は、NCIMB受託番号41763の下に、NCIMBに寄託された種子から生長した植物、またはNr:1に対して耐性である前記植物の子孫である。
一実施形態では、本発明のレタス植物は、ネガティブな多面的効果を本質的には示さない。
本発明はさらに、本発明のレタス植物の種子に関し、また、有性生殖に適した植物の他の部分、すなわち繁殖材料に関する。かかる部分は、例えば、小胞子(microspore)、花粉(pollen)、子房(ovary)、胚珠(ovule)、胚のう(embryo sac)および卵細胞(egg cell)からなる群から選択される。
一実施形態では、レタス植物の種子であって、該種子から生長するレタス植物は、そのゲノムにおける、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子の存在の結果として、Nr:1に対して耐性であって、その決定因子がNCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、種子が提供される。
一実施形態では、有性生殖に適した、本発明の植物の繁殖材料、特に、小胞子、花粉、子房、胚珠、胚のうおよび卵細胞であって、該繁殖材料は、NCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質(genetic trait)を担持する、繁殖材料が提供される。さらに、本発明は、無性生殖(vegetative reproduction)に適した植物の部分、特に、本発明のレタス植物の挿し木、根、茎、細胞、プロトプラスト、および組織培養物に関する。組織培養物は再生可能な細胞を含む。かかる組織培養物は、葉、花粉、胚、子葉(cotyledon)、胚軸、分裂組織細胞、根、根端(root tip)、葯、花、種子および茎に由来しうる。
一実施形態では、無性生殖に適した、本発明の植物の植物部分、特に、挿し木、根、茎、細胞、プロトプラスト、および組織培養物であって、該繁殖材料は、NCIMB受託番号41763を有する種子に見出される、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質を担持する、植物部分が提供される。
本発明はまた、本発明のレタス植物の子孫に関する。かかる子孫は、本発明の植物またはその子孫植物の有性生殖または無性生殖によって生産され得る。
再生された子孫植物は、その代表種子(representative seed)がNCIMB受託番号NCIMB41763の下に寄託された植物と同一の、Nr:1に対する耐性のための遺伝的基盤(genetic basis)を有する。このことは、該遺伝的基盤がホモ接合体である場合に、かかる子孫が本発明のレタス植物について主張されるのと同じ特徴を有することを意味する。該遺伝的基盤がヘテロ接合体で存在する場合、該子孫は本発明の植物において存在するNr:1に対する耐性を示さないが、Nr:1耐性の原因となる対立遺伝子を含有し、それゆえ、まだなおNr:1耐性の源である。
一実施形態では、本発明の植物または種子の子孫であって、その子孫が、そのゲノムにおける、NCIMB受託番号41763を有する種子において存在する、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質の存在の結果として、Nr:1に対して耐性である、植物または種子の子孫が提供される。
この他に、該植物は、既に存在するNr:1耐性に加えて、一以上の他の特徴において修飾されていてもよい。かかる付加的な修飾は、例えば、変異誘発によって、または導入遺伝子での形質転換よってもたらされる。あるいは、Nr:1耐性以外の特徴における修飾は、Nr:1耐性を異なる背景において導入することによって導入され得る。最初の場合、耐性植物をオリジナル植物としてとらえ、修飾する。後者の場合、該耐性を別の植物、特に感受性の植物に移入する。さらなる育種(breeding)を介して、他の特徴の修飾も起こりうる。
本明細書中で用いられる、「子孫(progeny)」なる用語は、Nr:1耐性である本発明の植物との交雑由来の子孫(offspring)または第1世代および全てのさらなる子孫(descendant)を意味することが意図される。本発明の子孫は、特に、NCIMB受託番号41763で寄託された種子のゲノムに存在する遺伝的決定因子によりもたらされる、Nr:1耐性を担持する本発明の植物との任意の交雑の子孫である。好ましくは、子孫植物もまた、耐性である。
「子孫」は、また、無性繁殖(vegetative propagation)または増殖(multiplication)によって本発明の他の植物から得られた本発明のNr:1耐性を担持する植物を包含する。
一実施形態では、本発明は、Nr:1に対して耐性であり、かつ、常套的な育種、または遺伝子改変、特に、シス発生(cisgenesis)もしくはトランス発生(transgenesis)のいずれかによって、適した源からの、形質の原因となる遺伝情報(すなわち遺伝的決定因子)の導入により、前記形質を獲得した、本発明の形質を担持するレタス植物に関する。シス発生は、作物植物自体または生殖的に適合性の(sexually compatible)ドナー植物からの(農業)形質をコードする天然の遺伝子による植物の遺伝子改変である。トランス発生は、非交雑可能種からの遺伝子または合成遺伝子による植物の遺伝子改変である。
一実施形態では、遺伝情報または決定因子が獲得される源は、寄託された種子から生長した植物またはそれら由来の有性または無性生殖子孫によって形成される。
本発明は、さらに、雑種種子(hybrid seed)、および第一の親植物を第二の親植物と交雑し、その結果得られた雑種種子を収穫することを含む、雑種種子の生産方法に関する。該雑種種子が本発明のNr:1耐性を発現するためには、親植物の少なくとも1つは、Nr:1耐性に関してホモ接合体である必要があるが、他の特徴については、必ずしも同型であるとは限らない。
本発明は、また、本発明の植物の遺伝資源(germplasm)に関する。遺伝資源は、生物の全ての遺伝形質によって構成され、本発明によれば、少なくとも、本発明の形質、すなわちNr:1に対する耐性をもたらす遺伝形質を包含する。
本発明はさらに、Nr:1に対して耐性であるレタス植物の細胞に関する。かかるレタス植物の各細胞は、前記形質の表現型発現を導く遺伝情報または遺伝的決定因子を担持する。細胞は個々の細胞であってもよいし、レタス植物あるいはレタス植物部分の部分であってもよい。
本発明はさらに、特許請求されるNr:1耐性レタス植物の球に関する。
一実施形態では、本発明は、請求項1〜5のいずれか一項において特許請求されるレタス植物の球であって、そのレタス植物が、そのゲノムにおける、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子の存在の結果として、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性であり、その決定因子はNCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、レタス植物の球を提供する。
本発明は、さらに、Nr:1耐性レタスの球またはその部分を含む食品に関する。特に、該食品は、レタス植物の葉またはその部分を含む。該食品は、例えば、本発明のレタス植物の葉を含むサラダまたはサラダ混合物である。
本明細書において、「Nr:1耐性」なる用語は、ホモ接合体状態においてナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対してもはや感受性ではない植物を誘導する遺伝情報(特に、遺伝子(単数)、遺伝子(複数)、遺伝子座(単数)、遺伝子座(複数)、対立遺伝子(単数)または対立遺伝子(複数))であって、その耐性が、その代表種子が受託番号NCIMB41763の下に寄託された植物のゲノムにおいて、特に、その寄託された種子から生長した植物において見出される、遺伝情報を有することを意味することが意図される。本発明の植物のゲノムに存在する遺伝的決定因子は、NCIMB受託番号41763を有する寄託された種子から生長した植物における耐性の原因である遺伝的決定因子と、同一または類似である。
「遺伝的決定因子(genetic determinant)」なる用語は、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)への耐性の表現型発現をもたらし、それゆえ耐性表現型の基礎となる、任意の遺伝子(単数)、遺伝子座(単数)もしくは対立遺伝子(単数)、または遺伝子(複数)、遺伝子座(複数)もしくは対立遺伝子(複数)のセットを意味することが意図される。
本発明は、さらに、下記の実施例において説明される。
幼植物試験のプロトコール
植物がNr:1に対して耐性であるかどうかを試験するために、下記の試験が実施される。
種子を培養土ブロックに播く。一系統(line)あたり20個体の植物を評価した。播種の2週間後、幼植物の頂部にNr:1バイオタイプのアブラムシを撒くことによって、該植物が接種される。接種の1週間後、試験をスコア付けする。第2および最終のスコア付けは、接種の2週間後に行う。
ナソノビア・リビスニグリ単離株
この実施例で用いられたNr:1単離株は、Nr:0耐性品種Estelle(Nunhems):サンプル279において、ケーニンゲン(Koeningen)(ドイツ)から2007年にサンプリングされた。該アブラムシ単離株は、Kitare品種(Nr:0耐性品種,ライク・ズワーン)において維持される。
感受性のレタスへのNr:1耐性の導入
雌性植物として用いる感受性のレタス品種ラクツカ・サティバと雄性植物として用いるラクツカ・セリオラとの交雑が実施された。F1種子が播かれ、F2世代が獲得された。この後、150個のF2種子を播き、繁殖させ、150種のF3系統を生成した。これらから、100種のF3系統をNr:0およびNr:1試験に含めた。
F3系統09D.857022は2008年に耐性であると見出され(試験08D.846において)、その結果は2009年に確認された(試験09D.846において)。試験08D.846から、3種の耐性植物が選択された。このF3系統もNr:0に対して試験され、この系統は罹病性反応(susceptible reaction)を示した。該3種の耐性F3植物から生じる3種のF4系統(09D.861266、09D.861267および09D.861268)が、次いで、試験09D.841においてNr:1に対して試験され、該3種の系統は耐性の挙動を示した。09D.861266から、4種のF5植物が選択された。それら4種のF5系統(09D.873417、09D.873418、09D.873419および09D.873420)は、次いで、試験09D.846に含められ、それらの全てが耐性反応を示した。系統09D.874317から、10種の植物がこの試験から選択された。該10種のF6系統が10D.831において試験され、全ての系統が耐性であると検出された。該10種の系統をバルクとして、種子寄託、10G.913569のためのシードロットを獲得した。
Nr:1耐性ラクツカ・サティバ10G.913569植物(本明細書において「ドナー」と呼ぶ)を用いて、感受性レタス品種にNr:1耐性を遺伝子移入した。
該ドナーを栽培感受性レタス品種に交雑した。種々のレタス型に属する栽培品種が用いられた。獲得されたF1は自家受粉された。次いで、異なるF2集団を上述のNr:1耐病性試験に供した。該試験の最後に、さらなる展開のため、Nr:1耐性植物が選択された。

Claims (11)

  1. ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有するレタス植物(ラクツカ・サティバ L.)であって、その遺伝的決定因子が、その代表サンプルがNCIMB受託番号41763の下に寄託された種子、に存在する、レタス植物。
  2. ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有する、請求項1に記載のレタス植物であって、その植物が、シードロット10G.913569の種子、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物を別の植物と交雑し、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性である植物を、好ましくは、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、レタス植物。
  3. 感受性のコントロール植物と比べてNr:1に対して耐性であり、かつ、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子をそのゲノムに有する、請求項1または2に記載のレタス植物であって、その植物が、レタス植物を、シードロット10G.913569の種子、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下にNCIMBに寄託された、から生長する植物と交雑し、Nr:1に対して耐性である植物を、F1を自家受粉した後に獲得される、交雑のF2子孫において、選択することにより獲得できる、レタス植物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレタス植物の種子であって、該種子から生長するレタス植物は、そのゲノムにおける、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子の存在の結果として、Nr:1に対して耐性であって、その決定因子がNCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、種子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の植物または種子の子孫であって、その子孫が、そのゲノムにおける、NCIMB受託番号41763を有する種子において存在する、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質の存在の結果として、Nr:1に対して耐性である、植物の子孫または種子。
  6. 有性生殖に適した、請求項1〜5のいずれか一項に記載の植物の繁殖材料、特に、小胞子、花粉、子房、胚珠、胚のうおよび卵細胞であって、該繁殖材料は、NCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質を担持する、繁殖材料。
  7. 無性生殖に適した、請求項1〜5のいずれか一項に記載の植物の植物部分、特に、挿し木、根、茎、細胞、プロトプラスト、および組織培養物であって、該繁殖材料は、NCIMB受託番号41763を有する種子に見出される、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝形質を担持する、植物部分。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレタス植物の球であって、そのレタス植物が、そのゲノムにおける、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性を付与する遺伝的決定因子の存在の結果として、ナソノビア・リビスニグリ バイオタイプ1(Nr:1)に対して耐性であり、その決定因子はNCIMB受託番号41763を有する種子に存在する、レタス植物の球。
  9. 請求項8に記載のレタスの球またはその部分を含む食品。
  10. 部分が葉またはその部分である、請求項8に記載の食品。
  11. ナソノビア・リビスニグリ・バイオタイプ1(Nr:1)に対する耐性をナソノビア・リビスニグリ・バイオタイプ1(Nr:1)に感受性である植物に付与するための育種における、ラクツカ・サティバ10G.913569、その代表種子はNCIMB受託番号41763の下に寄託された、の使用。
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