JP2014532407A - がんにおけるbraf変異を検出する方法 - Google Patents

がんにおけるbraf変異を検出する方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、BRAF V600E変異についての対立遺伝子特異的PCRアッセイに関する。フォワードプライマーは以下の配列:AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA;G GTG ATTTTG GTCTAG CTACAG A;AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA;またはG GTG ATTTTG GTCTAG CTACCG Aのうちの1つを含み、リバースプライマーはGTA ACTC AG C AG C ATCTC AG G Gを含む。該アッセイはヘアリー細胞白血病の診断における使用に適している。

Description

関連出願
本願は、2011年10月24日に出願された米国仮特許出願第61/550,504号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
発明の開示
本開示は、BRAF変異の検出ならびにBRAF変異を利用してがんを診断するための方法およびキットに関する。
開示の背景
体内の異常な細胞の制御されていない成長により、良性腫瘍または悪性腫瘍のいずれかが形成される可能性がある。これらの異常に増殖している細胞が悪性である場合、それらはがんと診断される。がんの悪性度は、退形成(分化細胞が、あまり分化していない、またはより幹細胞様の表現型に後戻りすること)、侵襲性、および転移(ある組織もしくは器官、または体の一部から別の隣接していない組織、器官または体の一部にがん性細胞が拡散すること)によって特徴づけられる。がんは多くの一般的な特徴を共有するが、多くの場合、がんの根本的原因に対して調整された処置が最も上首尾である。
ヘアリー細胞白血病(HCL)は、異常なBリンパ球の蓄積を特徴とする慢性血液系悪性腫瘍である。HCLは、最初は、組織球性白血病(histiocytic leukemia)、悪性細網症、またはリンパ系骨髄線維症(lymphoid myelofibrosis)と記載されていた。この疾患は、白血病性細網内皮症と正式に命名され、その一般的な名称は、顕微鏡下での悪性B細胞の「毛様の」外観に由来する。
HCLは、この疾患かのように見える可能性がある他のリンパ系悪性腫瘍(例えば、ヘアリー細胞バリアント;脾辺縁帯リンパ腫、脾びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫、脾性白血病/リンパ腫 分類不能、慢性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、他の低悪性度リンパ腫、および全身性肥満細胞症)と区別することが不可欠である。HCLの診断は、現在、光学顕微鏡法、フローサイトメトリーおよび免疫組織学的検査と併せた身体的検査、全血球計算(cbc)、末梢血スメアおよび骨髄生検を含めた方法体系の組合せに基づいている。しかし、これらの検査のいずれでも、全ての場合にHCLを正確に診断することはできない。
したがって、全てのがん、特にヘアリー細胞白血病の発生および進行の間に調節不全になり得る遺伝子およびタンパク質を同定すること、ならびにこれらの遺伝子およびタンパク質を、疾患の発生および進行ならびに治療的処置の有効性についてのバイオマーカーとして利用することには利益がある。
開示の要旨
ヘアリー細胞白血病(HCL)は、独特の臨床病理学的実体である。HCLは、プリン類似体を用いた処置に良好に応答するが、HCLは他のHCL様障害(例えば、脾辺縁帯リンパ腫およびHCLバリアント)と識別するのが難しい。BRAF V600E変異が、HCLにおける疾患を定義する遺伝的事象として同定された。第1の態様では、本開示は、核酸を含有する試料、例えば、非限定的な例として全血の試料を使用した、遺伝的性質に基づくHCLの診断方法のための新規の単純かつ安価な試験を提供する。該方法では、高感度対立遺伝子特異的ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)定性アッセイによってBRAF−V600Eを検出する。いくつかの実施形態では、アッセイの後にアガロースゲル電気泳動を行い得る。これらの方法を用いて、調査した113の白血病性HCL試料のうち113においてBRAF−V600Eが検出された。これらの試料のいくつかは、わずか0.2%の白血病細胞を含有し、これは、この方法が非常に高感度であり、有意な数のがん細胞(例えば白血病細胞)が有効であることを必要としないことを実証している。したがって、この方法は初期段階のがんまたは寛解に入っているがんを検出するために有効である。
BRAF−V600Eは、疾患経過の間の異なる時点において、治療後の時点にさえも検出され、これにより、HCL病理発生および白血病性クローンの維持におけるこの変異の中心的な役割が実証される。逆に、111の非HCL慢性B細胞新生物は、75のHCL様障害を含め、BRAF−V600Eについて一様に陰性であった。分子アッセイは、がんにおける、特にHCLにおける診断の正確度を改善するための有力なツールである。
別の態様では、本開示は、一部において、それを必要とする被験体においてヘアリー細胞白血病を診断する方法を提供する。一実施形態では、該方法は、被験体から生物学的試料を得るステップと、試料におけるBRAF変異の存在または非存在を評価するステップとを含み、BRAF変異が存在することにより、被験体がヘアリー細胞白血病に罹患していることが示される。
いくつかの場合には、該方法は、生物学的試料におけるBRAF変異の存在、非存在、または量を、がんに罹患していないまたはその症状に煩わされていない被験体由来の生物学的試料において決定されたBRAF変異の存在、非存在、または量と比較するステップをさらに含み得る。他の実施形態では、該方法を用いて、ヘアリーがん細胞と非がん細胞を区別することができる。
別の態様では、本開示は、(a)被験体由来の生物学的試料から少なくとも1つのDNA分子を抽出するステップと、(b)該DNA分子を、配列5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)を含むリバースプライマーと、以下の配列:
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5)、
のうちの1つを含むフォワードプライマーの組合せを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅するステップであって、増幅産物がBRAFにおける変異を含むステップと、必要に応じて(c)ステップ(b)の増幅産物を対照または野生型のBRAFの増幅産物と比較するステップと、(d)被験体におけるBRAFの変異の存在または非存在を決定するステップと、(e)変異が存在する場合に、被験体ががんを有すると診断または同定するステップとを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、野生型BRAF核酸分子(配列番号9のアミノ酸残基600に対応する位置または配列番号8の1859〜1861位に対応するコドンにおいて変異体ではないBRAF核酸分子)の存在下で該方法を実施する。
この方法の別の実施形態では、対照または野生型のBRAFの増幅産物を配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)のいずれかを含むフォワードプライマーと5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)の配列を含むリバースプライマーの組合せを使用して増幅する。対照または野生型のBRAFの増幅産物は、配列番号8の1860位にチミン(T)ヌクレオチドを含む。その代わりに、またはそれに加えて、対照または野生型のBRAFの増幅産物は、配列番号9のアミノ酸残基600においてバリン(ValまたはV)残基をコードする。
ヒトBRAF遺伝子における変異は、配列番号8の1860位におけるチミン(T)ヌクレオチドからアデニン(A)への置換である。ヒトBRAF遺伝子における変異は、結果として生じるアミノ酸配列における変異であって、配列番号9のアミノ酸残基600においてバリン(ValまたはV)残基がグルタミン酸(GluまたはE)に置換される変異、すなわちV600E置換をコードする。このBRAF変異は、本明細書では、「BRAF V600E」変異とも称される。
本開示されている方法のいくつかの実施形態では、増幅または検出されたDNA分子はゲノムDNAである。他の実施形態では、増幅または検出された分子はcDNAである。例示的なcDNAはBRAFをコードするRNAまたはmRNAから生成したcDNAである。
いくつかの実施形態では、生物学的試料は組織試料または体液である。組織試料の非限定的な例としては、これだけに限定されないが、骨髄および脾臓が挙げられる。体液の非限定的な例としては、これだけに限定されないが、末梢血が挙げられる。
いくつかの場合には、被験体はがんと診断される可能性があるが、他の場合では、被験体はがんと診断されない可能性がある。いくつかの実施形態では、本開示の方法は診断プロセスまたは予後判定プロセスにおいて使用されるので、被験体はがんを有するが診断されていない。被験体は、これだけに限定されないが、乳児、幼児、小児、未成年者、成人、年配者、および高齢者を含めた任意の年齢の被験体であってよい。
本開示の被験体は、任意の種類または重症度のがんを有してよい。いくつかの実施形態では、がんは原発性がんまたは転移性がんである。さらに、がんは、固形がんまたは液性がん(liquid cancer)である。がんの非限定的な例としては、これだけに限定されないが、副腎皮質性がん、肛門がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳または神経系のがん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、直腸がん(rectral cancer)、結腸直腸がん、子宮体がん、食道がん、ユーイングファミリー腫瘍、眼がん、胆嚢がん、胃腸管カルチノイドがん、胃腸管間質がん、ホジキン病、腸がん、カポジ肉腫、腎がん、大腸がん、喉頭がん、下咽頭がん、喉頭・下咽頭がん、白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、非HCLリンパ系悪性腫瘍(ヘアリー細胞バリアント、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、脾びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫(SDRPSBCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病、低悪性度リンパ腫、全身性肥満細胞症、または脾性リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU))、肝がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺カルチノイド腫瘍、リンパ腫、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、鼻腔がん、副鼻腔がん、鼻腔・副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口腔がん、中咽頭がん、口腔・中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、成人軟部組織肉腫、皮膚がん、皮膚の基底細胞がん、皮膚の扁平上皮細胞がん、皮膚の基底細胞・扁平上皮細胞がん、黒色腫、胃がん、小腸がん、睾丸がん、胸腺がん、甲状腺がん、子宮肉腫、子宮がん、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。
いくつかの場合には、がんはヘアリー細胞白血病(HCL)である。他の場合では、がんは非HCLリンパ系悪性腫瘍である。非HCLリンパ系悪性腫瘍の非限定的な例としては、これだけに限定されないが、ヘアリー細胞バリアント(HCL−v)、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、脾びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫(SDRPSBCL)、脾性白血病/リンパ腫 分類不能(SLLU)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病、低悪性度リンパ腫、全身性肥満細胞症、および脾性リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU)が挙げられる。
本開示には、さらに、生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するためのキットであって、(a)以下の配列:
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5);
のうちの1つを含むフォワードプライマーと、(b)配列5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)を含むリバースプライマーと、(c)本明細書に開示されている様式で生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するための指示とを含むキットが記載されている。いくつかの実施形態では、キットは、配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)のいずれかを含むフォワードプライマーをさらに含む。代替の実施形態では、キットは、上記のフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せを、本明細書に開示されている方法におけるそれらの使用について指示するラベルを有する1つまたは複数の容器内に含んでよい。
さらなる実施形態では、本開示は、生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するためのキットであって、(a)以下の配列:
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5);
のうちの1つを含むフォワードプライマーと、(b)5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)の配列を含むリバースプライマーと、(c)本明細書に記載の方法を実行または実施するための指示とを含むキットを提供する。他の実施形態では、キットは、配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)を含むフォワードプライマーをさらに含む。代替の実施形態では、キットは、上記のフォワードプライマーとリバースプライマーの組合せを、本明細書に開示されている方法におけるそれらの使用について指示するラベルを有する1つまたは複数の容器内に含んでよい。
特に定義されていなければ、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書では、単数形は、文脈により明確に別段の規定がなされない限り、複数形も包含する。本明細書に記載のものと同様または同等である方法および材料を本開示の実施または試験において用いることができるが、適切な方法および材料が下に記載されている。さらに、材料、方法、および実施例は単に例示的なものであり、限定されるものではない。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な記載および特許請求の範囲から明らかである。
図1Aは、代表的なHCL患者由来の、赤血球溶解に供した全血試料のフローサイトメトリードットプロットである。HCL細胞(CD19+/CD25+、図1Bにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は、全ての有核細胞(CD45+、黒色の(枠で囲まれた)事象)の2%に相当する。HCL−v細胞(CD19+/CD25−およびCD19+/CD103+、それぞれ図1Cおよび図1Dにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての細胞の92%に相当する。図1Bは、代表的なHCL患者由来の、赤血球溶解に供した全血試料のフローサイトメトリードットプロットである。HCL細胞(CD19+/CD25+、赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての有核細胞(CD45+、図1Aにおける黒色の(枠で囲まれた)事象)の2%に相当する。HCL−v細胞(CD19+/CD25−およびCD19+/CD103+、それぞれ図1Cおよび図1Dにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての細胞の92%に相当する。図1Cは、代表的なHCL−vの患者由来の精製された末梢血白血病細胞のフローサイトメトリードットプロットである。HCL細胞(CD19+/CD25+、図1Bにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての有核細胞(CD45+、図1Aにおける黒色の(枠で囲まれた)事象)の2%に相当する。HCL−v細胞(CD19+/CD25−およびCD19+/CD103+、それぞれ図1Cおよび図1Dにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての細胞の92%に相当する。図1Dは、代表的なHCL−vの患者由来の精製された末梢血白血病細胞のフローサイトメトリードットプロットである。HCL細胞(CD19+/CD25+、図1Bにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての有核細胞(CD45+、図1Aにおける黒色の(枠で囲まれた)事象)の2%に相当する。HCL−v細胞(CD19+/CD25−およびCD19+/CD103+、それぞれ図1Cおよび図1Dにおける赤色の(枠で囲まれた)事象)は全ての細胞の92%に相当する。 図1Eは、HCL患者13人(処置前12人、処置後の、微小残留疾患−MRDを有する1人)由来の試料の、変異体対立遺伝子について(上のパネル)および野生型対立遺伝子について(下のパネル)の対立遺伝子特異的(AS)PCR後の従来のアガロースゲル電気泳動の写真である。変異体−AS−PCRの分析感度(_0.1%の変異した対立遺伝子)を示すために、変異した対立遺伝子および野生型対立遺伝子の段階希釈物(3.1%〜0%)も含める。全てのHCL試料で変異体BRAF−V600Eバンドが生じた。対照的に、いずれのHCL様試料でも変異体BRAF−V600Eバンドは生じなかった。結果の可視化を容易にするために、HCL症例13のゲルレーンの位置を動かした。図1Fは、HCL様患者16人(SLLU6人、SMZL10人)由来の試料の、変異対立遺伝子について(上のパネル)および野生型対立遺伝子について(下のパネル)のAS−PCR後の従来のアガロースゲル電気泳動の写真である。いずれのHCL様試料でも変異体BRAF−V600Eバンドは生じなかった。野生型バンドが生じなかったSMZL症例30は、この特定の実験では評価不可能であったが(意図的に示している)、反復すると評価可能であることが分かった(すなわち、強力な野生型バンドがもたらされた)。SMZL症例30は、同様にBRAFV600Eについて陰性である(すなわち、変異体バンドが認められない)。結果の可視化を容易にするために、50bpのDNAラダーのゲルレーンの位置を動かした。
開示の実施の態様の詳細な説明
ヘアリー細胞白血病(HCL)は、成熟B細胞起源の成長が遅いがんである。この疾患は、骨髄、肝臓、脾臓および時にはリンパ節に影響を及ぼす。HCLの患者に認められる症状は様々であり、器官における直接関与、免疫系に対する二次的な影響、および悪性細胞自体からのサイトカインまたはタンパク質の放出のいずれも反映する。
ヘアリー細胞白血病(HCL)は、がんまたは白血病の範囲に入る独特の実体と考えられ、通常、脾腫(通常はリンパ節腫脹を伴わない)、汎血球減少、ならびに「毛様の」外観を有する白血病性のB細胞の骨髄、脾臓および肝臓への浸潤を特徴とする。他の慢性B細胞白血病とは対照的に、HCL細胞は血液中を低い百分率で循環し(Foucar K.ら Hairy cell leukaemia.、Swerdlow Sら編 WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues(第4版)。Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC)、Lyon、France;2008年:188〜190頁)、独特の機能的特徴および遺伝子発現プロファイルを示す(Basso Kら J Exp Med. 2004年;199巻:59〜68頁;Tiacci Eら Nat Rev Cancer. 2006年;6巻:437〜448頁)。
最も一般的に認められる合併症は血液、骨髄および脾臓に影響を与える。血液および骨髄に対する影響は以下の通りである:大多数の患者では血球数がある程度低下し、患者の約40%が全ての血液細胞系の低下または汎血球減少を有する。大きな遡及的シリーズ内の個々の細胞系について調べると、ヘモグロビンが12グラム/dl未満であることによって定義される貧血が患者の最大80%に認められ、患者の約3分の1はヘモグロビンが8.5グラム/dl未満である重度の貧血である。この著しい貧血により、疲労および運動耐容能の低下がもたらされる場合があり、また、多くの場合、これがこの疾患の最初の症状である。貧血の原因は、失血、および時には自己免疫性溶血性貧血による鉄の欠乏を含め、多因子性であり得る。しかし、貧血の一般的な理由は、脾臓内の赤血球の除去、および赤血球産生の減少へ導く骨髄へのヘアリー細胞の浸潤である。血小板減少症は、この疾患の頻繁に起こる合併症であり、患者の最大80%において血小板が100,000/μl未満である。患者の約3分の1で50,000/μl未満である重度の血小板減少症が起こり、その約10%では数値が20,000/μlを下回る。著しい出血は、通常、血小板数の重度の低下でのみ認められる。
患者の70%において脾摘出術後に血小板が正常に戻るので、脾臓は重要な役割を果たすようであり、特に、脾臓が大きい患者において重要である。しかし、脾摘出術後の患者において、骨髄におけるヘアリー細胞の関与に起因して血小板減少症が発生し、時には免疫性血小板減少症が認められる。
白血球減少および好中球減少は、HCLが疑われる1つの一般的な理由であり、重大な感染症である最も重度の合併症の1つに至る。好中球が500/μlを下回る、命に関わる好中球減少が患者のほぼ40%で起こる。この白血球数の抑制は、多くの場合、顆粒球増殖因子を使用することによって改善される。追加的な診断所見は、顕著な単球減少の存在と、その結果として生じる普通でない生物体に対する易罹患性である。
肝腫大は、ヘアリー細胞患者では、はるかに頻度が低く、その機会の約3分の1で肥大が記述され、顕著な肝腫大または肋骨弓下10cmを超えるのはその機会の2%のみである。この肝腫大による疼痛は一般的ではないが、起こり得る。肝臓にはほぼ必ずヘアリー細胞が浸潤し、肝機能の著しい変更または肝酵素の上昇は伴わない。顕著な高ビリルビン血症および肝酵素の上昇(elevated liver enzyme elevation)の発生は起こらないが、それが稀であることにより、感染性の病因が考慮されるべきである。さらに、その後の腹水の関与に起因した門脈圧亢進症が認められ得る。
脾腫は、ヘアリー細胞白血病の患者において診察時に見いだされる典型的な所見の1つである。患者の最大90%が身体的検査のときに脾臓の腫大を有し、患者の20%で肋骨弓下10cmを超える顕著な脾腫が認められる。脾臓の腫大は、早期の満腹、その後の体重減少を引き起こし得、また、有痛性の脾梗塞または脾破裂を伴い得る。
HCLの患者において最も理解されている重要な臨床的問題の1つは、重度の命に関わる普通でない感染症の発生である。これらは一般的な部位の肺および尿路に影響を与えるだけでなく、あまり一般的でない肝臓および中枢神経系への影響もあり得る。患者は、通常は好中球が減少している宿主において認められるもの、例えばStaphylococcus aureusを含む広範囲の感染症を発症し得る。有痛性皮膚病変を伴うPseudomonas aeruginosa帯状疱疹は、通常、患者が化学療法で処置された後にのみ認められる。原因不明の発熱を伴う患者は、常に、重大な感染症を有するものとして処置し、細菌感染、真菌感染、またはウイルス感染について慎重な検索を開始するべきである。
いくつかの他の普通でない合併症が認められ得る。髄膜炎および神経圧迫の症状および徴候を含めた神経性の合併症が報告されているが、常に原因として感染を調査するべきである。リンパ節腫脹は頻度が低く、それが存在する場合、通常は胸部または腹部のリンパ節を包含する。これらはかさがあり、圧迫の症状を引き起こし得る。通常、重度の疼痛を伴う破壊的骨病変が長骨または椎骨に認められ得る。最後に、肺腔もしくは胸膜の内層の関与または腹腔もしくは腹膜の表面の関与により、これらの領域に体液が蓄積し、腹痛および/または息切れの症状を伴い得る。
HCLの処置のために用いられる非常に有効な療法は他の種類の慢性B細胞リンパ球増殖性障害においては有効性がはるかに低いので、正確なHCLの診断が重要である。診断は、現在、形態的所見と免疫表現的所見の組合せに基づいて確立されている。HCLの診断には、ほとんどの場合、血液スメア、骨髄吸引物スメア、骨髄接触調製物(bone marrow touch preparation)および骨髄生検材料が使用される。入手可能であれば、脾臓、肝臓生検材料、また稀にはHCLが関与する他の組織もHCLの診断に使用することができる。さらに、HCLの診断は、通常はHCLと2008年の世界保健機関(World Health Organization)(WHO)による分類のHCL様障害、すなわち、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)および脾性リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU、HCLバリアントHCL−vを含む)(Piris Mら Splenic B−cell lymphoma/leukaemia、unclassificable.、Swerdlow Sら編 WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues(第4版)。Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC);2008年:191〜193頁)の識別を可能にする形態学的基準および免疫表現的基準(Grever MR. Blood. 2010年;115巻:21〜28頁)に依拠する。
HCLの最も問題のある潜在的な症例は、感度が高く、B細胞リンパ腫の中でHCLに特異的であることが以前報告された(Falini Bら Lancet. 2004年;363巻:1869〜1870頁)アネキシン−A1免疫染色を用いて診断することができる(Falini Bら Lancet. 2004年;363巻:1869〜1870頁;Dong HYら Am J Clin Pathol. 2009年;131巻:586〜595頁;Sadik Wら Br J Haematol. 2010年;151巻:207頁)。しかし、アネキシン−A1は骨髄系細胞およびT細胞によっても発現されるので(Falini Bら Lancet. 2004年;363巻:1869〜1870頁)、この免疫組織化学的染色は、HCL細胞の百分率が低い骨髄生検材料では解釈することが難しい場合がある。さらに、アネキシン−A1についての免疫細胞化学検査は、同様に通常HCL細胞に乏しく好中球(neuthrophil)およびT細胞に富む末梢血または希釈骨髄吸引物などの常套的な血液学的試料には容易に適用できない(HCL誘導性骨髄線維症およびその結果のドライタップに起因して)。
過去50年にわたるHCLの診断および処置における注目すべき進歩にもかかわらず、HCLの基礎をなす遺伝子変異(genetic alteration)は、はっきりしないままである(Tiacciら、Nat Rev Cancer 2006年;6巻(6号):437〜48頁)。HCLの分子キャラクタリゼーションに対する主要な障壁は、分析のために利用可能な腫瘍細胞が欠乏していること(頻繁な汎血球減少に起因して)、白血病細胞の増殖指数が非常に低いこと、免疫不全マウスにおいて成長させることができないこと、および真正HCL起源のヒト細胞系が存在しないことであった。
HCLにおける反復性(recurrent)染色体転座は同定されていない(Foucarら、WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues. 第4版 Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC);2008年:188〜90頁)。遺伝子発現プロファイリング研究により、それらの形態学的外観、接着性、節外部位への選択的ホーミングおよび骨髄線維症などのHCL細胞の示差的な特徴を部分的に正当化する独特の分子サインが明らかになった(Bassoら J Exp Med 2004年;199巻(1号):59〜68頁)。しかし、これらの研究では、いかなる反復性遺伝子変異も正確に示されなかった。同様に、高密度ゲノムワイドSNP遺伝子型決定により、HCLにおける著しく平衡したゲノムプロファイルが示された(Forconiら Br J Haematol 2008年;141巻(5号):622〜30頁)。
正確なHCLの診断に関する1つの解は、遺伝的性質に基づいてHCLを診断するための感度が高く特異的な方法である。最近、BRAFエクソン−15のサンガーシーケンシングにより、BRAF−V600EがHCLを定義する遺伝子病変(HCL症例全てにおいて存在し、他のB細胞新生物には存在しない)であると同定された(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)。しかし、この技法では、クローンヘテロ接合性変異を確実に検出するために≧30%の白血病細胞が必要である。したがって、一般に大部分の患者の血液中に存在する稀なHCL細胞を、常套的な診断設定に適用可能でない、労力を要する手順である細胞選別によって精製しなければならなかった(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年:364巻:2305〜2315頁)。
したがって、本開示は、例えば血液試料におけるHCLの常套的な臨床診断のための感度が高く、容易かつ安価な試験を提供する。いくつかの実施形態では、該試験は、対立遺伝子特異的PCR(AS−PCR)、その後の、例えば従来のアガロースゲル電気泳動によるBRAF−V600Eの検出に基づく。本明細書において提供される実施例では、HCLおよびHCL様障害の大規模コホートにおけるこの試験の診断の正確度が実証される。他の実施形態では、該試験は、公知であり当業者によって実施される定量的またはリアルタイムPCRに基づいてよい。
本開示されている方法により、HCLと繰り返し関連づけられる遺伝子変異としてBRAF V600E変異が同定された。BRAF V600E変異は、i)白血球増加を伴って、または脾腫を伴わずに存在するもの、および治療後に分析されたものを含めたHCL患者の全スペクトルを包含する、症例の100%において存在し、ii)実質的に全ての患者の腫瘍細胞クローン全体に存在し、かつiii)末梢B細胞リンパ腫/白血病の中でHCLに限定されるので、HCLにおける疾患を定義する遺伝的事象として適している。これにより、HCL病理発生におけるBRAF V600E変異が実証される。注目すべきことに、B細胞新生物(通常、種々の遺伝子変異、すなわち転座、欠失、または点変異が非キナーゼ遺伝子に関与する)の中で、HCLは、キナーゼをコードする遺伝子の活性化点変異によってその疾患を定義する遺伝子病変が表される唯一のものである。驚いたことに、HCLにおけるBRAF V600Eの発生頻度は、黒色腫(約50%)(Daviesら Nature 2002年;417巻(6892号):949〜54頁;urtinら N Engl J Med 2005年;353巻(20号):2135〜47頁)、甲状腺乳頭状癌(約40%)(Puxedduら J Clin Endocrinol Metab 2004年;89巻(5号):2414〜20頁)、ランゲルハンス(Langherans)細胞組織球症(57%)(Badalian−Veryら Blood;116巻(11号):1919〜23頁)および種々の固形腫瘍(はるかに低い発生頻度)(Daviesら Nature 2002年;417巻(6892号):949〜54頁;Broseら Cancer Res 2002年;62巻(23号):6997〜7000頁;Tieら Int J Cancer 2011年5月1日;128巻(9号):2075〜84頁)を含めた他のBRAF変異ヒト新生物について以前報告されたものよりもはるかに数が多い。
セリン/トレオニンキナーゼRAFファミリーのメンバーであるBRAFタンパク質は、細胞の生存、増殖および分化の調節において主要な役割を果たすRAS−RAF−MAPKシグナル伝達経路の一部である(KeshetおよびSeger. Methods Mol Biol;661巻:3〜38頁)。BRAF変異により、MEK−ERK経路が構成的に活性化され、それにより、細胞の増殖、生存、および最終的に新形成の形質転換が増強される(WellbrockおよびHurlstone. Biochem Pharmacol;80巻(5号):561〜7頁;Liら Oncol Rep 2009年;22巻(4号):671〜81頁;NiaultおよびBaccarini. Carcinogenesis;31巻(7号):1165〜74頁)。BRAF変異HCL症例の全てで、BRAF活性化セグメント内で起こり、そのキナーゼ活性を構成的な様式で著しく増強するV600Eホスホ模倣物置換(phospho−mimetic substitution)が保持された(Wanら Cell 2004年;116巻(6号):855〜67頁)。
BRAF V600E変異により、いくつかのHCLの免疫表現的特徴、例えばサイクリンD1の低/中程度の発現(CCND1再構成または増幅とは独立して)(Boschら Br J Haematol 1995年;91巻(4号):1025〜30頁;Mirandaら Mod Pathol 2000年;13巻(12号):1308〜14頁)およびp27が存在しないこと(Chilosiら Br J Haematol 2000年;111巻(1号):263〜71頁)が説明される。黒色腫細胞では、V600E BRAFにより、MEK/ERK経路の活性化が導かれ、同時に、サイクリンD1が転写的構成的に発現され、p27が接着非依存的な様式で下方制御される(Rooversら Mol Biol Cell 1999年;10巻(10号):3197〜204頁;Bhattら Oncogene 2005年;24巻(21号):3459〜71頁;Bhattら Oncogene 2007年;26巻(7号):1056〜66頁)。さらに、JUNDを含有するAP1−転写因子複合体のMEK−ERK誘導性活性化(Nicolaouら Blood 2003年;101巻(10号):4033〜41頁)が、HCLマーカーであるCD11cの発現に関係づけられている。
BRAF V600Eが同定された研究では、変異は、分析した47のHCL症例の全てにおいて存在した。研究した合計240の末梢B細胞リンパ腫の中で、BRAF V600EはHCLに制限された。その後の研究(下の「実施例」の節を参照されたい)により、この結果がより多数の患者に拡大された。
本開示は、BRAF V600EなどのBRAF変異をがんの診断用バイオマーカーとして容易に利用することができることを実証する。いくつかの実施形態では、BRAF V600EなどのBRAF変異を診断用バイオマーカーとして容易に利用して、HCLと、いずれもBRAF変異について陽性ではない、同様の臨床的特徴および形態学的特徴を示す他のB細胞リンパ腫、例えば、HCLバリアントおよび脾辺縁帯リンパ腫などを区別することができる。この違いは、インターフェロンまたはプリン類似体に対してHCLは最適に応答するが、HCL様障害は応答しないので、臨床的に決定的に関連する(Grever MR. Blood;115巻(1号):21〜8頁)。HCLバリアントにBRAF変異が存在しないことにより、この実体がHCLとは異なるという見解がさらに支持され、また、それが2008年のWHO分類(Pirisら WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues. 第4版 Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC);2008年)の脾性B細胞リンパ腫/白血病 分類不能のカテゴリーに含まれることが正当化される。
本開示は、一部において、それを必要とする被験体においてヘアリー細胞白血病を診断する方法であって、被験体から生物学的試料を得るステップと、試料におけるBRAF変異の存在または非存在を評価するステップであって、BRAF変異が存在することにより、被験体がヘアリー細胞白血病に罹患していることが示されるステップとを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、該方法は、生物学的試料におけるBRAF変異の存在、非存在、または量を、ヘアリー細胞白血病に罹患しておらずその症状に煩わされてもいない被験体由来の生物学的試料において決定されたBRAF変異の存在、非存在、または量と比較するステップをさらに含み得る。該方法を用いて、ヘアリー細胞白血病細胞と他の形態の悪性リンパ腫を区別することができる。
多くの場合、BRAF変異はBRAF V600E変異であり、配列番号9のアミノ酸残基600位においてバリン(ValまたはV)残基がグルタミン酸(GluまたはE)で置換されている。その代わりに、またはそれに加えて、BRAF変異は、配列番号8の1860位におけるチミン(T)ヌクレオチドからアデニン(A)への置換である。
Homo sapiens v−rafマウス肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログB1、BRAFは以下のmRNA配列(NM_004333、配列番号8)によりコードされる(コード配列は太字であり、アミノ酸残基600のコード配列に下線が引かれ、拡大されている):
Homo sapiens v−rafマウス肉腫ウイルスがん遺伝子ホモログB1、BRAFは以下のアミノ酸配列(NP_004324、配列番号9)によりコードされる(アミノ酸残基600は太字で下線が引かれ、拡大されている):
本開示は、一部において、生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するためのキットであって、BRAF変異に選択的に結合する特異的な結合剤と、本明細書に記載の方法を実行するための指示とを含むキットも提供する。
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、分析物アッセイが望まれる分析物を含有し得るいかなるものも指す。多くの場合、分析物は、BRAFの全部または一部をコードするDNA分子またはcDNA分子などの核酸分子である。試料は、生物学的流体または生物学的組織などの生物学的試料であってよい。生物学的流体の例としては、尿、血液、血漿、血清、唾液、精液、便、痰、脳脊髄液、涙、粘液、羊水などが挙げられる。生物学的組織は、通常は特定の種類の細胞と、それらの細胞間物質が一緒に凝集したものであり、結合組織、上皮組織、筋肉組織および神経組織を含めた、ヒト、動物、植物、細菌、真菌またはウイルスの構造物の構造材料の1つを形成する。生物学的組織の例としては、器官、腫瘍、リンパ節、動脈および個々の細胞(複数可)も挙げられる。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする被験体」とは、細胞増殖性障害を有する被験体、または集団全体と比較して細胞増殖性障害が発生するリスクが上昇している被験体である。いくつかの場合には、それを必要とする被験体はがんを有する。それを必要とする被験体はヘアリー細胞白血病を有する、またはヘアリー細胞白血病に罹患しているという症状を示すこと、あるいは、その代わりに、ヘアリー細胞白血病を有する疑いがあることがより好ましい。「被験体」は哺乳動物を含む。哺乳動物は、例えば、任意の哺乳動物、例えば、ヒト、霊長類、トリ、マウス、ラット、家禽、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヤギ、ラクダ、ヒツジまたはブタであってよい。多くの場合、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用される場合、「正常な細胞」とは、「細胞増殖性障害」の一部に分類することができない細胞である。正常な細胞は、望ましくない状態または疾患の発生をもたらし得る調節されない成長または異常な成長またはその両方がない。いくつかの場合には、正常な細胞は、正常に機能している細胞周期チェックポイント制御機構を保有する。
本明細書で使用される場合、「細胞を接触させること」とは、問題の化合物または他の組成物が細胞と直接接触している、または細胞において所望の生物学的効果を誘導するために十分に近くにある状態を指す。
本明細書で使用される場合、「症状」という用語は、疾患の、疾病の、傷害の、または体が幾分正常でないことの指標と定義される。症状は、その症状を被っている個体によって感じられるまたは気づかれるが、他者は容易に気づくとは限らない。他者とは、非健康管理専門家と定義される。
本明細書で使用される場合、「徴候」という用語も、体が幾分正常でないことまたは異常なことの指標と定義される。しかし、徴候は、医師、看護師、または他の健康管理専門家が調べることまたは検出することができるものであると定義される。
がんは、ほぼ任意の徴候または症状を引き起こす可能性がある疾患の群である。徴候および症状は、がんがどこにあるか、がんのサイズ、およびがんが近くの器官または構造物への影響がどのくらいであるかに左右される。がんが拡散(転移)する場合、症状は体の種々の部分で現れ得る。
がんが成長するにつれ、がんは近くの器官、血管、および神経を圧迫し始める。この圧力により、がんの徴候および症状のいくつかが生じる。がんが脳の特定の部分などの重要な領域にある場合、最小の腫瘍によってさえ初期の症状が引き起こされ得る。
しかし、時には、がんは、がんがかなり大きく成長するまでいかなる症状も引き起こされない場所で始まる。例えば、膵がんは通常は体の外から感じられるのに十分なほど大きくは成長しない。いくつかの膵がんは、近くの神経の周囲に成長し始める(これにより、背痛が引き起こされる)まで症状を引き起こさない。他の膵がんは胆管の周囲に成長し、これにより胆汁の流れが遮断され、黄疸として公知の皮膚の黄変が引き起こされる。膵がんによりこれらの徴候または症状が引き起こされたときには、通常、膵がんは進行期に達している。
がんにより、発熱、疲労、または体重減少などの症状も引き起こされ得る。これは、がん細胞が、体のエネルギー供給物質またはエネルギー放出物質の大半を使い果たし、体の代謝を変化させることに起因する可能性がある。または、がんは、免疫系がこれらの症状を生じるように反応する原因となり得る。
時には、がん細胞は、通常はがんに起因すると考えられない症状を引き起こす物質を血流中に放出する。例えば、膵臓のいくつかのがんは、脚の静脈内に血餅を発生させる物質を放出し得る。いくつかの肺がんでは血中カルシウムレベルに影響を及ぼすホルモン様物質が作られ、これにより神経および筋肉が影響を受け、衰弱およびめまいが引き起こされる。
がんは、がん細胞の種々のサブタイプが存在する場合に起こるいくつかの一般的な徴候または症状を示す。がんを有する大部分の人はその疾患を有する間に体重が減少する。説明できない(故意でない)10ポンド以上の体重減少が、がん、特に膵臓、胃、食道、または肺のがんの最初の徴候であり得る。
発熱はがんでは非常に一般的であるが、進行した疾患においてより頻繁に認められる。がんの患者のほとんど全てが、いつか、発熱を有するが、それは、特に、がんまたはその処置が免疫系に影響を及ぼし、体が感染と闘うことが困難になる場合である。より低頻度で、発熱は、白血病またはリンパ腫を伴うものなどのがんの初期の徴候であり得る。
疲労は、がんの進行の重要な症状であり得る。しかし、疲労は、白血病を伴うものなどのがんにおいて、または、いくつかの結腸がんもしくは胃がんにおいてのようにがんにより継続する失血が引き起こされている場合には初期に起こり得る。
疼痛は、骨がんまたは睾丸がんなどのいくつかのがんでは初期の症状であり得る。しかし、ほとんどの場合、疼痛は進行した疾患の症状である。
皮膚のがんと共に、いくつかの内部がんは、認めることができる皮膚の徴候を引き起こし得る。これらの変化としては、黒ずんで見える皮膚(色素沈着過度)、黄色に見える皮膚(黄疸)、または赤色に見える皮膚(紅斑);そう痒;または過剰な毛髪の成長が挙げられる。
その代わりに、またはそれに加えて、がんのサブタイプは、特定の徴候または症状を示す。排便習慣または膀胱機能の変化によりがんが示される可能性がある。長期にわたる便秘、下痢、または便のサイズの変化は、結腸がんの徴候であり得る。排尿時の疼痛、血尿、または膀胱機能の変化(例えば、排尿の頻度が増えるまたは減ること)は膀胱がんまたは前立腺がんに関連する可能性がある。
皮膚の状態の変化または新しい皮膚の状態の出現によりがんが示される可能性がある。皮膚がんは出血し得、治癒しないびらん様に見える可能性がある。口腔内の長く続くびらんは、特に喫煙する、タバコをかむ、またはしばしばアルコールを飲む患者では、口腔がんであり得る。陰茎または膣のびらんは感染または初期がんのいずれかの徴候であり得る。
普通でない出血または分泌物によりがんが示される可能性がある。普通でない出血は、初期がんまたは進行がんで起こり得る。痰(sputum(痰(phlegm))中の血液は、肺がんの徴候であり得る。血便(または黒ずんだもしくは黒い便)は結腸がんまたは直腸がんの徴候であり得る。子宮頸部または子宮内膜(子宮の内層)のがんにより、膣からの出血が引き起こされ得る。血尿は膀胱がんまたは腎がんの徴候であり得る。乳頭からの血性分泌物は乳がんの徴候であり得る。
乳房または体の他の部分の肥厚またはしこりにより、がんの存在が示される可能性がある。多くのがんは、皮膚、大部分は乳房、精巣、リンパ節(腺)、および体の軟組織における皮膚を通して感じることができる。しこりまたは肥厚は、がんの初期または後期の徴候であり得る。しこりまたは肥厚はいずれも、特に形成が新しいまたはサイズが大きくなった場合にはがんを示す可能性がある。
消化不良または嚥下困難によりがんが示される可能性がある。一般にこれらの症状には他の原因があるが、消化不良または嚥下障害は食道、胃、または咽頭(のど)のがんの徴候であり得る。
疣贅または母斑の最近の変化により、がんが示される可能性がある。色、サイズ、もしくは形状が変化する、またはその明確な境界がなくなる疣贅、母斑、またはそばかすはいずれも、がんの潜在的な発生を示す。例えば、皮膚病変は黒色腫であり得る。
持続する咳または嗄声によりがんが示される可能性がある。治まらない咳は肺がんの徴候であり得る。嗄声は喉頭(larynx(喉頭(voice box)))または甲状腺のがんの徴候であり得る。
上に列挙されている徴候および症状はがんで認められるより一般的なものであるが、それよりも一般的ではなくここに列挙されていない他の徴候および症状が多く存在する。しかし、当技術分野で認められているがんの徴候および症状の全てが本開示により意図され、包含される。
当業者は、本明細書で考察されている公知の技法または等価の技法の詳細な記載について一般的な参考テキストを参照することができる。これらのテキストとしては、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley and Sons, Inc.(2005年);Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual(第3版)、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、New York(2000年);Coliganら、Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons、N.Y.;Ennaら、Current Protocols in Pharmacology、John Wiley & Sons、N.Y.;Finglら、The Pharmacological Basis of Therapeutics(1975年)、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版(1990年)が挙げられる。これらのテキストは、当然、本開示の態様を行うまたは用いるためにも参照することができる。
本開示の他の特徴および利点は、種々の実施例から明らかである。提供される実施例は、本開示の実施において有用な種々の構成成分および方法体系を例示している。本実施例は本開示を制限しない。
(実施例1)
材料および方法
以下の実施例では本明細書に記載の以下の方法を利用した。
腫瘍試料
全て検出可能な疾患を有する、治療前94人および治療後19人を含めたHCL患者113人を研究した。治療後の、フローサイトメトリー的に完全寛解の状態にある(白血病細胞が≦0.1%)HCL患者11人、他のB細胞新生物を有する患者111人(SMZL60人;HCL−v11人を含めたSLLU15人;慢性リンパ性白血病−CLL31人;分類不能CD5−陰性成熟B細胞新生物5人)および健康な血液ドナー9人についても調査した。
HCL患者23人および非HCL患者38人由来の試料については以前に報告されていた(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)。HCLおよび非HCL腫瘍の診断はWHO−2008分類に従った(Foucar K.ら Hairy cell leukaemia.、Swerdlow Sら編 WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues(第4版)。Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC)、Lyon、France;2008年:188〜190頁;Piris Mら Splenic B−cell lymphoma/leukaemia、unclassificable.、Swerdlow Sら編 WHO classification of tumours of haematopoietic and lymphoid tissues(第4版)。Lyon: International Agency for Research on Cancer (IARC);2008年:191〜193頁)。患者からその試料材料を分析するための同意を口頭または書面で得た。
HCL試料は大部分が(n=93)末梢血(または末梢血で希釈した骨髄吸引物)に相当した。HCL試料は、74症例では処置前(その中で情報が入手可能な70症例中42症例で白血病細胞が<30%であった)、11症例では処置後、フローサイトメトリー的に完全寛解の状態で、および8症例では、処置後、フローサイトメトリーで最大13%の残留白血病細胞が検出された状態で(そのうちの5人で白血病細胞がわずか0.2%〜2%であった)取得した。残りのHCL試料は、14症例では凍結骨髄生検材料(全て白血病細胞≧30%;処置前12症例および処置後2症例)であり、17症例では末梢血からMACSで精製した白血病細胞(≧90%)(処置前8症例、処置後9症例)であった。非HCL腫瘍試料は、90症例で末梢血または骨髄吸引物に相当し(白血病細胞の範囲:2%〜97%;情報が入手可能な試料80症例中67症例で白血病細胞が≧30%であった)、21症例で新鮮なまたは凍結した脾摘出術検体であった(全てSMZL、情報が入手可能な15症例全てで腫瘍細胞が≧30%であった)。白血病細胞の百分率は分析試料中に存在する全ての有核細胞の割合として報告されている。
DNA抽出
ゲノムDNAを抽出するために、全血試料(患者由来)およびバフィコート(健康なドナー由来)についてはQIAamp DNA blood Midi kit(Qiagen)を使用し、MACSで精製した白血病細胞および凍結骨髄切片についてはPuregene core kit A(Qiagen)を使用した。抽出したゲノムDNAを、ヌクレアーゼを含まない水に溶出または再懸濁させた。
定性的対立遺伝子特異的PCR増幅(AS−PCR)
V600E交換をもたらすBRAFエクソン−15におけるT→Aトランスバージョンを検出するために、2つのAS−PCR反応を開発し、それぞれが同じリバースプライマー(5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’)(配列番号1)を共有し、対立遺伝子特異的フォワードプライマーは異なった。後者は、以下の通り、その3’末端が変異した塩基(A)または野生型塩基(T)のいずれかと相補的であるように設計した:
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2、変異した塩基が太字になっている)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3、変異した塩基が太字になっている)、
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4、変異した塩基が太字になっている)、
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5、変異した塩基が太字になっている)、
5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6、野生型塩基が太字になっている)、および
5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7、野生型塩基が太字になっている)。
所与の臨床試料における変異体−AS−PCRで陰性の結果が得られた場合、変異が存在しないと結論づける前に、野生型BRAF対立遺伝子(臨床試料に常に混入している正常な細胞に由来するもの、ならびに変異していないまたはヘテロ接合性に変異した腫瘍細胞に由来するもの)の増幅能力(amplifiability)について、陽性対照と同じ試料において野生型AS−PCRを実施することが必須である。
最近抽出したゲノムDNA(ヌクレアーゼを含まない水に溶出または再懸濁させ、Qubit fluorometer−InvitrogenでQuant−iT BR Assayによって数量化した)100ナノグラムを各反応において0.5UのPlatinum Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)、1×緩衝液、1mMのMgCl、200nMのdNTP、100nMのフォワードプライマー(配列番号2または3または4または5または6または7)および100nMのリバースプライマー(配列番号1)(新鮮な一定分量由来)を使用し、最終反応容積25μlで増幅した。サイクリング条件(94℃で2分間の最初の変性ステップの後)は、94℃で30分間、59℃で30分間、72℃で20分間を40サイクル、その後に72℃で5分間の最後の伸長であった。
プライマーはMWG−Eurofinsから購入し、PCRは、全ての試料についてVeriti 96−well Thermal Cycler(Applied Biosystem)で実施し、サイクリングプログラムと蓋加熱を同時に開始した(蓋を予め加熱した場合、アッセイの性能が悪くなることが特に言及されたため)。大きな試料のサブセットについては、別のサイクラー(Eppendorf Master Cycler)で、Veriti 96−well Thermal Cyclerと同じPCR条件および計器設定を用いてPCRを繰り返し、同じ結果を得た。
各PCR産物10マイクロリットルを、2%アガロースゲルによる電気泳動に供し、臭化エチジウムよりもより感度が高い色素であるGelRed(Biotium)を用いて染色した。UVトランスイルミネーター(Carestream Health Inc.)を備えたKodak Gel Logic 100 Imaging System計器を使用して画像を取得した。
ホモ接合性にBRAF変異した甲状腺癌細胞系8505C(DMSZ−German Collection of Microorganisms and Cell Cultures)由来のゲノムDNAの変異体−AS−PCR段階希釈物(各100ng)を、同等分量のBRAF野生型試料(健康なドナー由来のバフィコート)由来のゲノムDNAと混合し、希釈していない細胞試料がそれぞれ100%のBRAF−V600E変異対立遺伝子および100%のBRAF野生型対立遺伝子を有すると設定することにより、AS−PCRアッセイの分析感度を、≧0.1%の変異体BRAF−V600E対立遺伝子(図1)であると推定した。段階希釈のために使用した試料のゲノムDNA数量化を、Qubit fluorometer(Invitrogen)で高度に正確かつDNA特異的なQuant−iT BR Assayを用いて5連で実施した。8505C細胞のゲノムDNAを、ホモ接合性/半接合性BRAF−V600E変異を有することが予め分かっている(Tiacci Eら N Engl J Med 2011年;364巻:2305〜2315頁)HCL患者由来のMACSで精製した(>99%)初代白血病細胞のゲノムDNAで交換した場合、同じ分析感度(≧0.1%の変異対立遺伝子)が確認された。効率的かつ高感度のBRAF−V600E変異対立遺伝子の増幅を正に制御するために、上記のものなどの段階的なゲノムDNA希釈物を臨床試料と一緒に変異体−AS−PCRに含めるべきである。
(実施例2)
HCLを診断するためのBRAF V600Eの使用
まず、AS−PCRの分析感度を、BRAF野生型試料由来のDNAを含むBRAF−V600Eホモ接合性試料由来のDNAの段階希釈物において評価し、検出下限を0.1%の変異対立遺伝子であることを確立し(図1)、これはクローンヘテロ接合性BRAF−V600E変異を有する二倍体腫瘍細胞0.2%に対応する。
次いで、HCL患者113人(処置前94人;処置後の、残留するまたは再発した疾患を有する19人)由来の試料を分析した。サンガーシーケンシングによってBRAFV600Eを有することが予め分かっていた23の試料(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)を含め、113の試料の全てが陽性と試験された(診断感度100%)(表1および図1)。注目すべきことに、新しく報告されたHCLの90症例の中で、20症例(処置前15症例、処置後5症例)では白血病細胞がわずか0.2%〜5%であり、9症例は疾患の発症後の異なる時点で分析した(1〜26年にわたる)。
これらの所見により、該試験の優れた分析感度および診断感度が実証される。これらの所見により、実質的に全てのHCL症例においてBRAF−V600Eが疾患経過にわたって起こり、持続するという以前の報告(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)も確認され、拡張され、これにより、BRAF−V600EがHCLにおける重要な病理発生事象を表し、したがって新しい治療標的を表すという見解がさらに支持される。実際に、従来の治療後の部分寛解または再発時にBRAF−V600Eが持続していることにより、この状況において活性なBRAF阻害剤を使用することについての理論的根拠が確立される(Flaherty KTら N Engl J Med. 2010年;363巻:809〜819頁)。該試験は、治療後の微小残留疾患(MRD)を評価するための新しいツール(免疫組織化学検査、フローサイトメトリーおよび免疫グロブリン遺伝子再構成解析(Noel P. Leuk Lymphoma. 2011年;52巻 補遺2:62〜64頁;Tallman MS. Leuk Lymphoma. 2011年;52巻 補遺2:65〜68頁)に加えて)としての役割も果たし得るが、HCLにおけるMRDの臨床的関連性は不明のままである(Tallman MS. Leuk Lymphoma. 2011年;52巻 補遺2:65〜68頁)。
この試験の診断特異度を、健康なドナー9人および治療後のフローサイトメトリー的に完全寛解の状態にある(≦0.1%の白血病細胞)HCL患者11人由来の血液試料を分析することによって評価し、全てが陰性と試験された(表1および図1)。非HCL慢性B細胞新生物の患者111人においても特異度を評価した。いくつかのB細胞腫瘍ではBRAF−V600Eが存在しないことまたはめったに出現しないことはすでに報告されているので(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁;Case Mら Cancer Res. 2008年;68巻:6803〜6809頁;Gustafsson Bら Leukemia. 2005年;19巻:310〜312頁;Davidsson Jら Leukemia. 2008年;22巻:1619〜1621頁;Lee JWら Br J Cancer. 2003年;89巻:1958〜1960頁;Chapman MAら Nature. 2011年;471巻:467〜472頁)、この研究は、稀でありこれまで十分に調査されていないHCL様障害に焦点を合わせた。したがって、111症例の中で、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)および脾性B細胞リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU)の患者75人を含めた。そのうちの61人は以前には報告されていなかった(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)。注目すべきことに、111症例の全てが陰性と試験され(表1および図1)、これにより、該アッセイの診断特異度が100%であることが示され、さらに、より大きな患者のシリーズにおいてHCL様障害ではBRAF−V600Eが存在しないことが確認された。33のHCL様症例では新生細胞が≧40%であったこと、およびこの試験により0.1%の変異対立遺伝子を検出することができることを考えると、これらのデータは、HCL様障害ではBRAF−V600Eが変異したサブクローンが少数存在する(試料の≧40%に相当する全白血病性集団の0.5%まで)とすることに対して反対であると主張する。これにより、B細胞リンパ腫および白血病の中で、BRAF−V600EはHCLを定義する遺伝子病変であるという概念がさらに支持される(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)。集合的に、95のHCL様障害(SMZLおよびSLLU、後者は19のHCLバリアントを含む)を分析し、それらのいずれにおいてもBRAF−V600Eが見いだされなかったが(Tiacci Eら N Engl J Med. 2011年;364巻:2305〜2315頁)、より大きな症例数を調査した場合に、この変異がこれらおよび他のB細胞新生物において稀に見いだされる場合がある可能性を排除することはできない。
この診断試験は、血液中の腫瘍量(一般にはHCLで起こるような)または骨髄中の腫瘍量が少ない患者に対して特に有用である。この状況では、この診断試験は、B細胞マーカー(例えば、PAX5)を用いて技術的要求が厳しい2重染色を実施するのでない限り解釈することが難しい場合がある(骨髄系細胞およびT細胞によるアネキシン−A1発現に起因して)アネキシン−A1免疫染色よりも優れているようである。ゲルに基づくAS−PCRは、最近記載された、より多くの(10%)白血病細胞を含有するより少ないHCL試料(n=48)に適用されるHRMA(高解像度融解解析(High−Resolution−Melting Analysis))に基づくPCR(Boyd EMら Br J Haematol. 2011年9月13日、[印刷物より前の電子公開物(Epub ahead of print)])よりも相当に感度が高い。注目すべきことに、この試験により、<10%のHCL細胞を有する血液試料の全てにおいてBRAF−V600Eが検出され(78の試料のうち31;治療前23;治療後8)また、この試験には、高解像度融解解析(HRMA)のために必要な費用のかかる器械使用が必要ない。
本開示の感度が高く、単純であり、信頼できる方法により、BRAF−V600EがHCLにおいて一定して存在すること(Boyd EMら Br J Haematol. 2011年9月13日、[印刷物より前の電子公開物])およびHCL様障害には存在しないことが確認され、これにより、HCLおよびHCL様障害の診断の正確度を改善するためのすでに利用可能な診断用器具が追加される。
本明細書における文書の引用は、いずれも関連性のある先行技術であるという容認を反映するものと解釈されるべきではない。さらに、それらの引用は、関連性のある開示の検索の指標ではない。文書の日付(複数可)または内容に関する記載は全て、入手可能な情報に基づき、それらの的確さまたは正確さに関する容認ではない。
特許、特許出願および刊行物を含めた、本明細書において引用された全ての参考文献は、前に具体的に組み込まれているかどうかに関わらず、これによってそれらの全体が参照により組み込まれる。
ここで本発明の主題が十分に記載され、本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、また、過度な実験を伴わずに、広範囲の等価なパラメータ、濃度および条件で本発明を実施することができることが当業者には理解されよう。
本開示はその特定の実施形態に関連して記載されているが、さらに改変することができることが理解されよう。本出願は、一般に、本開示の原理に従う本開示のいかなる変形、使用または適応も包含し、本開示からのそのような逸脱を、本開示が関係する技術分野の範囲内の公知または通例の実施の範囲内に入るものとして、および上文に記載されている本質的な特徴に適用することができるものとして含めるものとする。

Claims (22)

  1. 生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するためのキットであって、
    (a)以下の配列:
    5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、
    5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、
    5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、
    5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5);
    のうちの1つを含むフォワードプライマーと、
    (b)5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)
    の配列を含むリバースプライマーと、
    (c)該生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するための指示と
    を含むキット。
  2. 配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)のいずれかを含むフォワードプライマーをさらに含む、請求項1に記載のキット。
  3. 方法であって、
    (a)被験体由来の生物学的試料から少なくとも1つのDNA分子を抽出するステップと(b);
    (b)該DNA分子を、以下の配列:
    5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、
    5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、
    5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、
    5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5)、
    のうちの1つを含むフォワードプライマーと5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)の配列を含むリバースプライマーとの組合せを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅するステップであって、増幅産物がBRAFにおける変異を含むステップと、
    (c)ステップ(b)の増幅産物を対照または野生型のBRAFの増幅産物と比較するステップと、
    (d)該被験体において前記BRAFにおける該変異の存在または非存在を決定するステップと、
    (e)該変異が存在する場合に、該被験体ががんを有すると診断するステップと
    を含む、方法。
  4. 前記対照または野生型のBRAFの増幅産物を、配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)のいずれかを含むフォワードプライマーと5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)の配列を含むリバースプライマーとの組合せを使用して増幅する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記対照または野生型のBRAFの増幅産物が配列番号8の1860位にチミン(T)ヌクレオチドを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記対照または野生型のBRAFの増幅産物が配列番号9のアミノ酸残基600においてバリン(ValまたはV)残基をコードする、請求項3に記載の方法。
  7. 前記DNA分子がゲノムDNAまたはcDNAである、請求項3に記載の方法。
  8. 前記cDNA分子がmRNAから生成される、請求項7に記載の方法。
  9. ヒトBRAF遺伝子における変異が、配列番号8の1860位におけるチミン(T)ヌクレオチドからアデニン(A)への置換である、請求項3に記載の方法。
  10. ヒトBRAF遺伝子における前記変異が、配列番号9のアミノ酸残基600においてバリン(ValまたはV)残基がグルタミン酸(GluまたはE)で置換される、結果として生じるアミノ酸配列における変異をコードする、請求項3または6に記載の方法。
  11. 前記生物学的試料が組織試料または体液である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記組織試料が骨髄または脾臓である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記骨髄が末梢血で希釈した骨髄吸引物である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記体液が全血または末梢血である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記がんが原発性がんまたは転移性がんである、請求項1に記載の方法。
  16. 前記がんが固形がんまたは液性がんである、請求項1または15に記載の方法。
  17. 前記がんが、副腎皮質性がん、肛門がん、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳または神経系のがん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮体がん、食道がん、ユーイングファミリー腫瘍、眼がん、胆嚢がん、胃腸管カルチノイドがん、胃腸管間質がん、ホジキン病、腸がん、カポジ肉腫、腎がん、大腸がん、喉頭がん、下咽頭がん、喉頭・下咽頭がん、白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、ヘアリー細胞白血病(HCL)、非HCLリンパ系悪性腫瘍(ヘアリー細胞バリアント、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、脾びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫(SDRPSBCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病、低悪性度リンパ腫、全身性肥満細胞症、または脾性リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU))、肝がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、肺カルチノイド腫瘍、リンパ腫、皮膚のリンパ腫、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、鼻腔がん、副鼻腔がん、鼻腔・副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、口腔がん、中咽頭がん、口腔・中咽頭がん、骨肉腫、卵巣がん、膵がん、陰茎がん、下垂体腫瘍、前立腺がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、成人軟部組織肉腫、皮膚がん、皮膚の基底細胞がん、皮膚の扁平上皮細胞がん、皮膚の基底細胞・扁平上皮細胞がん、黒色腫、胃がん、小腸がん、睾丸がん、胸腺がん、甲状腺がん、子宮肉腫、子宮がん、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、およびウィルムス腫瘍からなる群から選択される、請求項1または15に記載の方法。
  18. 前記がんがヘアリー細胞白血病(HCL)である、請求項1または15に記載の方法。
  19. 前記がんが非HCLリンパ系悪性腫瘍である、請求項1または15に記載の方法。
  20. 前記非HCLリンパ系悪性腫瘍がヘアリー細胞バリアント(HCL−v)、脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、脾びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫(SDRPSBCL)、前リンパ球性白血病、低悪性度リンパ腫、全身性肥満細胞症、または脾性リンパ腫/白血病 分類不能(SLLU)である、請求項19に記載の方法。
  21. 生物学的試料におけるBRAF変異の存在を検出するためのキットであって、
    (a)以下の配列:
    5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号2)、5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGA−3’(配列番号3)、5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号4)、5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACCGA−3’(配列番号5);
    のうちの1つを含むフォワードプライマーと、
    (b)5’−GTAACTCAGCAGCATCTCAGGG−3’(配列番号1)の配列を含むリバースプライマーと、
    (c)請求項3から20までのいずれか一項に記載の方法を実行するための指示と
    を含むキット。
  22. 配列5’−AGGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号6)または配列5’−GGTGATTTTGGTCTAGCTACAGT−3’(配列番号7)のいずれかを含むフォワードプライマーをさらに含む、請求項21に記載のキット。
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