JP2014530955A - 懸濁重合からの低残留溶媒ポリアミドイミド粉末 - Google Patents
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Abstract
Description
本特許出願は、対応する仮特許出願第61/551,353号(表題「Low Residual Solvent Polyamideimide Powder from Suspension Polymerization」、2011年10月25日出願)に対して優先権を主張し、かつこれを参照により加入する。
本発明の実施態様は、ポリアミドイミドの分野に関し;より詳細には、本発明の実施態様は重合のためのポリアミドイミドを製造することに関する。
ポリアミドイミド(PAI)ポリマーは、それらの優れた温度耐性及び高強度のために多くの高性能コーティング応用に使用される。コーティングの製造のために都合の良い形態でのポリアミドイミドポリマーの合成への主な経路は、ジイソシアネート、しばしば4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)をトリメリット酸無水物(TMA)と反応させることである。このプロセスにおいて、PAIポリマーは典型的には、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)、及びN−エチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒中で合成される。例えば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;及び特許文献6を参照のこと。この合成経路で達成される典型的なポリマー固体レベルは35〜45%であり、これは最終使用コーティング応用に依存して希釈剤でさらに希釈され得る。
都合よく単離及び乾燥され得るポリアミドイミド樹脂の細かいスラリーを生成するための方法が開示される。生成物はジアルキルアミド溶媒又は他の毒性物質を全く含まない。
これらの環境改善及び他の利点を達成するために、PAIの合成が、適切な条件下での懸濁重合及び環境的により安全でより低い毒性の溶媒の選択的使用により達成され得るということが今や予想外に見出された。本明細書に記載される方法の一実施態様において、低毒性低沸点溶媒の選択、試験及び使用によりスラリー又は固体樹脂の形成を最適化するために使用された特定の合成条件下で、コーティング応用に適したポリアミドイミド樹脂を生成するための段階的イオン重合が提供される。これらの溶媒の例は、アセトン、酢酸エチル、炭酸プロピレン、及び炭酸ジメチルである。PAIを製造するための合成方法は、4,4’−メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)のトリメリット酸無水物(TMA)との反応を含む。
2. 低VOC又はゼロVOCの低沸点溶媒を、本明細書に記載されるイオン性懸濁重合合成において使用する。
3. 本明細書に記載されるイオン性懸濁重合方法を使用して、VOC、HAP、及びアルキルアミド類を最終樹脂中に含まない低残留溶媒PAI得られる。
4. 本明細書に記載されるイオン性懸濁重合方法により、PAI樹脂を製造するためのより短い工程所要時間が可能となる。
5. 本明細書に記載されるイオン性懸濁重合方法は、達成される分子量を制御することができる。
6. 所望の粒径を達成するために低せん断プロセスが使用される。
7. 200μm又はそれ以下の減少した粒径が達成され、そして最少の凝集又はゲル形成が起こる。
8. PAI樹脂スラリーは噴霧乾燥に適している。
9. 本明細書に記載されるイオン性懸濁重合方法は、PAI樹脂の形成のための末端基の改変を可能にする。
10. 本明細書に記載されるイオン性懸濁重合方法は、上記の特徴を達成するために、添加剤又は分散剤の添加を必要とすることなく使用される。
MDI 562.41グラム(g)及びTMA 428.8gを5L丸底フラスコに入れた。627.17g o−キシレン及び314.77gアセトンを入れた。反応混合物を4時間80℃に加熱し、1当量のCO2を放出させた。次いで反応混合物を90〜95℃に加熱し、そして還流を維持した。反応系全体が粘性になるにつれてアセトンを添加し、そして還流温度は低下した。反応は80%Tで完了したと判断した(20時間)。水11.6gを加え、そしてイソシアネートの吸収度が消失するまで反応混合物を保持した。生成物スラリー(約23%固体)を濾過し、そして乾燥し、Ohaus Moisture Balanceを200℃で使用して804.2gを収率90%(95.44%固体)を得た。
555.62g MDI、428.96g TMA、506.8g o−キシレン及び225.93g アセトンを76℃に4時間加熱し;材料は約2時間(t=0)で完全に溶解した。反応系全体が粘性になるにつれてアセトンを追加した。Tmax=82℃を記録し、そして65〜69℃の温度を反応の大部分で維持した。%T=82%になるまで転換を継続した(27時間)。28.51gメタノールを加え、そしてイソシアネートが無くなるまで反応混合物を保持した。材料を濾過し、そして乾燥して494.4g(収率62.9%)を得た。
53.03g MDI、41.15g TMA及び219.0g アセトンを、磁気撹拌を備えた丸底フラスコに入れた。材料を入れながら加熱を開始し、そしてそれが入れられるときに(約35℃で)CO2が非常に激しく放出されることに留意する。全てのTMAが溶解し、そして透明な淡黄色溶液が55℃にて25分で得られた。沈殿物が約1時間で観察され、そしてFTIRは1.5時間で>60%Tを示した。アセトンを激しく還流させながら反応器はまだ大気に開放されていた。ベントを閉じ、そして頻繁に通気しながら反応器を80℃に加熱した。80℃で時折通気しながら3.5時間後には%T=87.5%であり、そしてサンプリング以外は通気を中止した。所望の転換(>95%T)に24時間で到達した。イソシアネートを除去し/末端基をキャップするために2.9g DMEAを入れた。得られたスラリーを室温で噴霧乾燥し、次いで対流式オーブンで110℃にて2時間乾燥し、92.77%固体(200℃)粉末70.49gを得、収率87%を得た。
41.15gトリメリット酸無水物及び53.03gメチレン ジフェニルイソシアネートを219gアセトンに入れた。反応混合物をCO2を排気しながら、還流するまでゆっくりと加熱した。1当量のCO2が無くなった後(9.3g、2271cm-1でのFTIR %T 1.5時間後>60%)、温度を80℃に上げてベントを閉じた。反応混合物を、定期的に通気しながら2271cm-1で%Tが>95%になるまで(10時間)80℃に維持した。転換が所望のレベルに達すると、2.9gジメチルエタノールアミンを加え、そして 2271cm-1での%Tがベースラインに達するまで反応混合物を保持した。得られたスラリーを噴霧乾燥して収量70.5gの粉末(92.8%固体)を得た。
600mL Parr反応器中に、145.8gアセトン、38.5gメチレンジフェニルジイソシアネート、及び29.84gトリメリット酸無水物を入れ、次いでこの系を密封して撹拌した。21℃の発熱を伴ってこの系を30分間の35℃で保持し、系は内温54℃で8psiの最初の圧力表示を示した。次いで反応器の内温を5℃の増分で90℃まで3.5時間かけて上げた。この期間の間、内音が増加するにつれて圧力は一定した増加を示し、55℃で10psiから90℃で36psiになった。次いで反応器の内温を105℃にして6時間保持した。この時間の間、反応器の圧力は、56psiで6時間の反応で、安全のために40psiへと排気して圧力を下げるまで一定した上昇を示した。この排気後の5時間にわたって、系を再び68psiの圧力に上げて、その後反応器を冷却し、そして大気状態に通気した。11時間の総反応時間で、78.3%(FTIRによる)のイソシアネートの転換を生じた。得られた生成物は非常に黒く凝集しており、圧力、温度又はその両方が、達成しようとする所望のPAI特徴には高すぎたことを示唆していた。
600mL Parr反応器中に以下の試薬を入れた:145.2gアセトン、38.7gメチレンジフェニルジイソシアネート、及び29.8gトリメリット酸無水物。次いで系を密封した後、加熱及び撹拌した。表2に示される最初の発熱以外は系を18時間の間65℃に保持し、圧力の表示は観察されなかった。サンプルを採取し、そしてFTIRはイソシアネートの36.15%転換を示した。次いで反応器の内温を80℃に上昇させて23時間保持した。23時間保持したうちの9時間でサンプルを採取し、そしてイソシアネートの転換は59.8%に増加した。系は48時間の反応全体を通して20psi未満の圧力にとどまっていた。最終分析はイソシアネートの84.2%転換を示した。イソシアネートを加水分解して完了させるために、13.04g脱イオン水をスラリーに加え、これを7時間70℃に加熱し、その後転換は90.8%加水分解になった。得られた粉末は残留溶媒をほとんど示さず;90.16%の固体%であったが、キャラクタリゼーションのためにNMPに再溶解した場合、粘度はDVIIIで23℃にて初期の1424cps→EEEEとなった。
Claims (12)
- 低沸点化合物である非プロトン性溶媒を使用すること;
懸濁重合を使用すること;
高圧処理を使用すること;及び
高温処理を使用して、スラリー、固体又は半固体の形態のポリアミドイミド樹脂を生じること
を含む、ポリアミドイミドの製造方法。 - 低沸点溶媒の含有量が、前記方法において全溶媒含有量の約80〜約100%で使用される、請求項1に記載の方法。
- 生じたポリアミドイミド樹脂が、懸濁重合により約10%未満の残留低沸点溶媒を含有する、請求項1に記載の方法。
- 低沸点溶媒が、アセトン、酢酸エチル、炭酸ジメチル、又は炭酸プロピレンである、請求項1に記載の方法。
- 溶媒がアセトンである、請求項1に記載の方法。
- 懸濁重合方法がイオン性懸濁重合である、請求項1に記載の方法。
- 反応温度が約56℃〜約140℃である、請求項1に記載の方法。
- 圧力が約0〜約120psigである、請求項1に記載の方法。
- 生じたポリアミドが約200ミクロン又はそれ以下の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 生じたポリアミドが約150ミクロン又はそれ以下の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
- 得られたスラリーが噴霧乾燥される、請求項1に記載の方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法のポリアミドイミド生成物。
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