JP2014528445A - 体性幹細胞の非対称分裂を促進するためのcbp/カテニン拮抗剤 - Google Patents

体性幹細胞の非対称分裂を促進するためのcbp/カテニン拮抗剤 Download PDF

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Abstract

加齢または加齢に伴う状態、症状または疾患の治療;毛髪の成長、再成長または色素沈着の促進(または脱毛の予防);真皮細胞におけるアデノシン受容体の発現の増加(毛髪の成長と組み合わせて);美容的治療を含む、皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状(例えば、皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、および活力の喪失)の治療;のための組成物および方法が提供される。該方法は、開示されたCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗組成物を、十分な量で投与することを含み、特にここで、投与は、適切な体性幹細胞集団における対称分裂と比較して、または適切な体性幹細胞集団における対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加するのに十分な量および様式で行われる。【選択図】 図15

Description

特定の態様は、一般的には加齢に関し、より詳細には、加齢および加齢に伴う状態(例えば、皺、色素沈着過剰、乾燥、赤み、亀裂、酒さ、硬度、弾性、厚さ、瘢痕、外観)を治療するための、対称分裂対非対称分裂の調節における、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤(例えば、ICG−001、ならびにそのアルキルおよび脂肪酸エステル誘導体、ならびに本明細書に開示される他の化合物)の使用に関する。さらなる態様は、一般的には、皮膚関連疾患(例えば、創傷、座瘡、日焼けによる損傷、加齢の影響、潜在性感染(例えば、HSV、HPV)、ウイルス排除(表皮および粘膜組織)、潰瘍(糖尿病性およびその他)、熱傷、アトピー性皮膚炎、乾癬;皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、および活力の喪失等を含む加齢性の皮膚状態)の治療における、ならびに/または美容的(皮膚および/若しくは毛髪)目的のための、前記CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の使用に関し、ならびに特定の態様において、毛髪の成長および/若しくは再成長ならびに/または色素沈着の促進、ならびに脱毛(例えば、加齢性の脱毛または色素沈着の喪失)の予防または遅延のための、前記CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の使用に関する。さらなる態様は、真皮細胞、好ましくは毛乳頭細胞中のアデノシン受容体レベルを増加させ、毛髪の成長を促進するための方法に関する。付加的および併用療法の実施形態も包含される。
関連出願への相互参照
本出願は、2011年、10月7日に出願された米国特許仮出願番号第61/545,033号および2011年、11月16日に出願された国際特許出願番号第PCT/US2011/061062号に基づく優先権を主張するものであり、両文献とも参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
非対称的または対称的に分裂するという決定は、正常な幹細胞と癌幹細胞間の、主要な根本的な本質的差異であり得る。CBP/カテニンまたはp300/カテニン駆動型の転写のどちらを利用するか、すなわち対称的または非対称的に分裂するという決定は、胚形成の8細胞段階においてさえ既に重要であり、極めて根本的な事象であると思われる。細胞が潜在能を保持するかまたは分化を開始するかという最終的な決定は、異なる成長因子、サイトカイン、およびホルモンの活性化ならびにそれに続く異なるシグナル伝達複合体およびキナーゼカスケードの活性化、栄養レベル、酸素レベル、遺伝子変異、底質への接着を含む、多数のインプットに依存する。最終的には、これらの多数の経路は統合され、単純な決定点、すなわち、はい/いいえの二分決定へと絞り込まれなければならない。幹細胞/前駆細胞集団中で、差次的なカテニンコアクチベーター使用のバランス(すなわち、カテニン/CBP対カテニン/p300)を薬理学的に操作する方法は公知であるが、細胞がどのようにして、とてつもなく複雑な情報の配列をその環境から読み取り、最終的な0/1の二分決定へと至るのかは、未だ解明されていない。
特定の態様によれば、本明細書に開示されるとおり、CBP媒介性およびp300媒介性のカテニン転写間の平衡は、異なる成長因子、サイトカイン、およびホルモンの活性化ならびにそれに続く異なるシグナル伝達複合体およびキナーゼカスケードの活性化、栄養レベル、酸素レベル、遺伝子変異、底質への接着を含む、多数のインプットを統合することにより、非対称的または対称的に分裂するという決定において主要な役割を果たす。
CBP/カテニン(例えばβおよびγ)拮抗剤は、ヒト内在性幹細胞および/または周囲の細胞機能を制御することにより機能する。動物毒性研究に基づき、および当技術分野で認知される通り、これらの化合物は有効な用量レベルにおいて極めて安全である。加齢および加齢に伴う状態の治療は、長期投与を必要とし得るため、大きな安全域は、医師にとっても患者にとっても、最適である。
特定の態様によれば、加齢および加齢に伴う状態を治療するための、幹細胞の対称分裂対非対称分裂の調節のために、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を使用することが出来る。
特定の態様は、加齢または加齢性疾患またはその少なくとも1つの状態若しくは症状を治療するための方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に、幹細胞集団中の対称分裂を犠牲にして非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含み、ここで加齢または加齢性疾患若しくはその少なくとも1つの症状の治療方法がもたらされる。
さらなる態様は、脱毛の治療方法(例えば、脱毛の予防ならびに/または毛髪の成長若しくは再成長および/若しくは色素沈着の促進(例えば、老齢の対象における))であって、それを必要とする対象に、適切な幹細胞集団中(例えば、毛包または表皮幹細胞)の対称分裂を犠牲にして、対称複製分裂の数を増加させるのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与すること(例えば、局所的にまたは他の方法により)を含む方法を提供し、ここで脱毛の治療方法(例えば、脱毛の予防および/または毛髪の成長の促進;例えば、老齢の対象における)がもたらされる。
さらなる態様は、皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状の治療方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に、皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状を治療するのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含む。
さらなる態様は、開示された方法における使用のための、新規の化合物およびそれらの医薬組成物を含む。
例示となる好ましい態様
特定の態様は、加齢または加齢に伴う状態、症状若しくは疾患の治療方法を提供し、その方法は、加齢に伴う状態、症状または疾患を有する少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞を有する哺乳類対象を特定すること;および前記対象に、CBP/カテニン(例えばCBP/β−カテニン)拮抗剤を、前記少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂と比較して、または前記少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な様式および量で投与すること;を含み、ここで前記組織区画または組織型の前記加齢に伴う状態、症状または疾患は、減少するかまたは改善され、ここで加齢または加齢に伴う状態、症状または疾患の治療方法がもたらされる。ある特定の態様において、少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞は静止状態の体性幹細胞を含み、ここでCBP/β−カテニン拮抗剤の投与は、静止状態の体性幹細胞のCBP/β−カテニン拮抗剤媒介性の活性化により、前記少なくとも1つの組織区画または組織型の体性幹細胞中の対称分裂と比較して、または前記少なくとも1つの組織区画または組織型の体性幹細胞中の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂を促進または加速することを含む。
特定の態様において、体性幹細胞は、ケラチノサイト幹細胞を含む皮膚幹細胞;表皮幹細胞;毛包幹細胞;造血幹細胞;乳線幹細胞;クリプト細胞を含む腸上皮幹細胞;筋衛星細胞、メラノサイト幹細胞、骨芽細胞および軟骨細胞前駆体を含む間葉系幹細胞;内皮幹細胞;脳室上皮または脳室下帯細胞のいずれかを含む神経幹細胞;神経堤幹細胞;嗅覚幹細胞;精巣幹細胞;子宮幹細胞から成る幹細胞群から選択される少なくとも1つを含む。
特定の毛髪成長の態様において、少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞は、皮膚組織区画の毛包幹細胞を含み、ここで増加した毛髪の成長または毛髪の色素沈着が、前記皮膚組織区画または組織型、好ましくは頭皮組織区画または組織型においてもたらされる。ある特定の実施形態において、CBP/β−カテニン拮抗剤は、真皮細胞、好ましくは毛乳頭細胞において、アデノシン受容体の発現を調節するかまたは増加するのに十分な量で存在する。ある特定の実施形態において、アデノシン受容体は、A1、A2A、およびA2Bから選択される少なくとも1つでのものである。ある特定の毛髪の成長の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、真皮細胞、好ましくは毛乳頭細胞において、スルホニル尿素受容体2Bの発現を調節するかまたは増加させるのに十分な量で存在する。
ある特定の毛髪成長の態様は、少なくとも1つの他の毛髪成長促進剤若しくは脱毛予防薬の同時投与または少なくとも1つの他の毛髪成長促進剤若しくは脱毛予防薬による補助治療を含む(例えば、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリド、ビマトプロスト、およびフルリジル(fluridil)を含む抗アンドロゲン受容体遮断薬から成る群から選択される少なくとも1つ)。
開示される方法の、特定の皮膚修復恒常性維持の態様において、少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞は、皮膚組織区画または組織型の皮膚幹細胞を含み、ならびにここで皮膚修復および/または恒常性維持の促進が、前記皮膚組織区画または組織型でもたらされる。特定の態様において、増強された皮膚修復および/または恒常性維持は、皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、活力の喪失、創傷、瘢痕、座瘡、日焼けによる損傷を含む皮膚状態、ウイルス感染(例えば、HSV、HPVへの)に対する易罹患性、糖尿病性潰瘍を含む潰瘍、熱傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、および脱毛または毛髪着色の喪失から成る群から選択される、少なくとも1つの加齢に伴う状態、症状または疾患に関する。ある特定の皮膚修復恒常性維持の態様は、表面組織への創傷において瘢痕を減少させるための、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤による治療を含み、ここで瘢痕は減少する。ある特定の実施形態において、治療は、表皮または真皮の層化を加速させること、および/または創傷への少なくとも1つの細胞型の細胞遊走を増加させることを含む(例えば、ここで前記細胞遊走または細胞増殖の種類は、ケラチノサイト、繊維芽細胞、表皮細胞、真皮細胞、上皮細胞、肥満細胞、好中球、リンパ球、およびマクロファージから成る群から選択される少なくとも1つの細胞を含む)。特定の態様において、治療は、血管またはリンパ管の血管新生を加速させ、および/または創傷でのコラーゲン沈着を増加させる。ある特定の態様は、裂傷、擦過傷、断裂傷、穿刺創、化学熱傷、熱傷、または放射能誘発性の熱傷、切り傷、擦り傷、切開創、水泡、糖尿病性潰瘍、床ずれまたは褥瘡、皮膚移植、および手術創から成る群から選択される少なくとも1つの創傷型の、表面組織への創傷またはその症状を治療することを含む。
特定の態様において、加齢に伴う状態、症状または疾患は、皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、活力の喪失、創傷、瘢痕、座瘡、日焼けによる損傷を含む皮膚状態、潜在性のウイルス感染(例えば、HSV、HPVへの)、糖尿病性潰瘍を含む潰瘍、熱傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、および脱毛または毛髪着色の喪失から成る群から選択される少なくとも1つの状態、症状または疾患を含む。
特定の実施形態において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1の化合物およびその塩、または本明細書に開示される別の化合物の群から選択される少なくとも1つのものである。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書に開示されるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様において、CBP/β−カテニン拮抗剤は、ICG−001または本明細書に開示されるその活性アルキルおよび/若しくは脂肪酸エステル誘導体を含む。
ある特定の態様において、前記CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与は、局所、歯肉、頬側、皮下、および経口投与のうちの少なくとも1つを含む。
ある特定の態様は、少なくとも1つの他の治療薬の同時投与、または少なくとも1つの他の治療薬による補助治療を含む(例えば、抗炎症剤;例えば、ステロイドまたはグルココルチコイステロイドによる)。ある特定の態様において、前記抗炎症剤は、以下から成る群から選択される少なくとも1つの抗炎症剤を含む:短時間作用性β−作用薬、長時間作用性β−作用薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド剤、全身性副腎皮質ステロイド剤、肥満細胞安定剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン類、β−作用薬、アルブテロール、レバルブテロール(levalbuterol)、ピルブテロール、アルホルモテロール(artformoterol)、ホルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作用薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン(methyprednisolone)、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド剤;モンテルカスト、ザフィルルカスト、およびジロートンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン類;イプラトロピウムおよびアルブテロール、フルチカゾンおよびサルメテロール、グルココルチコイドステロイド類、ブデソニドおよびホルモテロールを含む配合剤;ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、およびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン薬;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節薬;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノール酸モフェチル;ならびにそれらの組み合わせ。
ある特定の態様において、1つの追加の治療薬は、以下から成る群から選択される:抗菌薬、抗真菌薬、および抗生物質(例えば、シクロスポリン、ヒアルロン酸、カルメロース、マクロゴール(類)、デキストランおよびヒプロローゼ(hyprolose)、ナトリウムおよびカルシウム、ナトリウムおよびポビドン、ヒプロメロース、カルボマー、アミカシン、ゲンタミシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ゲルダナマイシン、ヘリミシン(herimycin)、ロラカルベフ、エルタペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン/セファロシン(cefalothin)、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェプリム(cefeprime)、テイコプラニン、バンコマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、ナフシリン、ペニシリン、ピペラシリン(peperacillin)、チカルシリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、マフェニド、プロントシル(protosil)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソクサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン(lincoamycin)、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン(platensimycin)、ピラジンアミド、キヌプリスチン/ダルフォプリスチン、リファンピン/リファンピシン、チニダゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール(teronazole)、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、シクロピロックス、フルシトシン、グリセオフルビン、ゲンチアナバイオレット,ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸、ならびにそれらの組み合わせ)、ならびに抗ウイルス薬(例えば、アシクロビル、ドコサノール)。
さらなる態様は、毛髪の成長、再成長または色素沈着の促進方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に、毛髪の成長、再成長、および色素沈着のうちの少なくとも1つを促進するのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含む。ある特定の態様は、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を、体性毛包幹細胞の対称分裂と比較して、または体性毛包幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な様式および量で投与することを含み、ここで毛髪の成長、再成長、および色素沈着のうちの少なくとも1つがもたらされる。特定の実施形態において、CBP/β−カテニン拮抗剤は、真皮細胞(例えば毛乳頭細胞)におけるアデノシン受容体(例えば、A1、A2A、およびA2Bから選択される少なくとも1つ)の発現を調節するかまたは増加するのに十分な量で存在する。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、毛乳頭細胞におけるスルホニル尿素受容体2Bの発現を調節するかまたは増加するのに十分な量で存在する。
毛髪の成長を促進するための、特定の実施形態において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1の化合物およびその塩、または本明細書に開示される別の化合物の群から選択される少なくとも1つのものである。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書に開示されるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書に開示されるその活性アルキルおよび/若しくは脂肪酸エステル誘導体を含む。
ある特定の態様において、CBP/−カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与は、局所、歯肉、頬側、皮下、および経口投与のうちの少なくとも1つを含む。
毛髪成長を促進するためのある特定の実施形態は、少なくとも1つの他の毛髪成長促進剤若しくは脱毛予防薬の同時投与または少なくとも1つの他の毛髪成長促進剤若しくは脱毛予防薬による補助治療を含む(例えば、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリド、ビマトプロスト、およびフルリジル(fluridil)を含む抗アンドロゲン受容体遮断薬から成る群から選択される少なくとも1つ)。ある特定の態様は、少なくとも1つの抗炎症剤の同時投与または少なくとも1つの抗炎症剤による補助治療を含む(例えば、少なくとも1つの抗炎症剤は、以下から成る群から選択される:短時間作用性β−作用薬、長時間作用性β−作用薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド剤、全身性副腎皮質ステロイド剤、肥満細胞安定剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン類、β−作用薬、アルブテロール、レバルブテロール(levalbuterol)、ピルブテロール、アルホルモテロール(artformoterol)、ホルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作用薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン(methyprednisolone)、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド剤;モンテルカスト、ザフィルルカスト、およびジロートンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン類;イプラトロピウムおよびアルブテロール、フルチカゾンおよびサルメテロール、グルココルチコイドステロイド類、ブデソニドおよびホルモテロールを含む配合剤;ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、およびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン薬;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節薬;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノール酸モフェチル;ならびにそれらの組み合わせ。
本発明の更なる態様は、真皮細胞におけるアデノシン受容体の発現を増加させる方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に、真皮細胞、好ましくは毛乳頭細胞において、アデノシン受容体(例えば、A1、A2A、およびA2Bから選択される少なくとも1つである)の発現を増加させるのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含む。この方法のある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、毛乳頭細胞におけるスルホニル尿素受容体2Bの発現を調節するかまたは増加するのに十分な量で存在する。
真皮細胞においてアデノシン受容体の発現を増加させるための特定の実施形態において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1の化合物およびその塩、または本明細書に開示される別の化合物の群から選択される少なくとも1つのものである。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書に開示されるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書に開示されるその活性アルキルおよび/若しくは脂肪酸エステル誘導体を含む。
ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与は、局所、歯肉の、頬側、皮下、および経口投与のうちの少なくとも1つを含む。
さらなる態様は、皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状の治療方法を提供し、その方法は、それを必要とする対象に、皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状を治療するのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含む。この方法のある特定の態様は、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を、体性皮膚細胞の対称分裂と比較して、または体性皮膚幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な様式および量で投与することを含み、ここで皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状の治療がもたらされる。特定の実施形態において、皮膚の状態または疾患は、以下から成る群から選択される少なくとも1つの状態または疾患を含む:創傷、瘢痕、座瘡、日焼けによる損傷、潜在性のウイルス感染症(例えば、HSV、HPVへの)、糖尿病性潰瘍を含む潰瘍、熱傷(日焼け、UVB損傷を含む)、アトピー性皮膚炎、乾癬、ならびに皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、および活力の喪失を含む加齢の影響。
皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状を治療するための特定の実施形態において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1の化合物およびその塩、または本明細書に開示される別の化合物の群から選択される少なくとも1つである。ある特定の態様において、CBP/カテニン拮抗剤(例えば、CBP/β−カテニン)は、本明細書に開示されるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書に開示されるその活性アルキルおよび/若しくは脂肪酸エステル誘導体を含む。
ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与は、局所、歯肉、頬側、皮下、および経口投与のうちの少なくとも1つを含む。
皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状を治療するためのある特定の態様は、少なくとも1つの他の治療薬の同時投与または少なくとも1つの他の治療薬による補助治療を含む(例えば、抗炎症剤;例えば、ステロイドまたはグルココルチコイドステロイド等による)。特定の実施形態において、少なくとも1つの抗炎症剤は、以下から成る群から選択される:短時間作用性β−作用薬、長時間作用性β−作用薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド剤、全身性副腎皮質ステロイド剤、肥満細胞安定剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン類、β−作用薬、アルブテロール、レバルブテロール(levalbuterol)、ピルブテロール、アルホルモテロール(artformoterol)、ホルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作用薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン(methyprednisolone)、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド剤;モンテルカスト、ザフィルルカスト、およびジロートンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン類;イプラトロピウムおよびアルブテロール、フルチカゾンおよびサルメテロール、グルココルチコイドステロイド類、ブデソニドおよびホルモテロールを含む配合剤;ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、およびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン薬;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節薬;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノール酸モフェチル;ならびにそれらの組み合わせ。
皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状の治療方法のさらなる態様において、1つの追加の治療薬は、以下から成る群から選択される:抗菌薬、抗真菌薬、および抗生物質(例えば、シクロスポリン、ヒアルロン酸、カルメロース、マクロゴール(類)、デキストランおよびヒプロローゼ(hyprolose)、ナトリウムおよびカルシウム、ナトリウムおよびポビドン、ヒプロメロース、カルボマー、アミカシン、ゲンタミシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ゲルダナマイシン、ヘリミシン(herimycin)、ロラカルベフ、エルタペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン/セファロシン(cefalothin)、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェプリム(cefeprime)、テイコプラニン、バンコマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、ナフシリン、ペニシリン、ピペラシリン(peperacillin)、チカルシリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、マフェニド、プロントシル(protosil)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフィソクサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン(lincoamycin)、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン(platensimycin)、ピラジンアミド、キヌプリスチン/ダルフォプリスチン、リファンピン/リファンピシン、チニダゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テルコナゾール(teronazole)、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、シクロピロックス、フルシトシン、グリセオフルビン、ゲンチアナバイオレット,ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸、ならびにそれらの組み合わせ)。
皮膚の状態若しくは疾患またはその少なくとも1つの症状の治療方法の特定の態様は、表面組織への創傷において瘢痕を減少させるための創傷の治療を含み、ここで瘢痕は減少し、および/または表皮若しくは真皮の層化が加速する。ある特定の実施形態において、治療は、前記創傷への少なくとも1つの細胞型の細胞遊走を増加させることを含む(例えば、ここで前記細胞遊走または細胞増殖の種類は、ケラチノサイト、繊維芽細胞、表皮細胞、真皮細胞、上皮細胞、肥満細胞、好中球、リンパ球、およびマクロファージから成る群から選択される少なくとも1つの細胞を含む)。特定の実施形態において、治療は、血管若しくはリンパ管の血管新生を加速させ、および/または創傷でのコラーゲン沈着を増加させる。ある特定の態様は、裂傷、擦過傷、断裂傷、穿刺創、化学熱傷、熱傷、または放射能誘発性の熱傷、切り傷、擦り傷、切開創、水泡、糖尿病性潰瘍、床ずれまたは褥瘡、皮膚移植、および手術創から成る群から選択される少なくとも1つの創傷型の、表面組織への創傷またはその症状を治療することを含む。
さらなる態様は、皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状を美容的に治療する方法を含み、その方法は、それを必要とする対象に、皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状を美容的に治療するのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を投与することを含む。この方法のある特定の実施形態は、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を、体性皮膚幹細胞の対称分裂と比較して、または体性皮膚幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な様式および量で投与することを含み、皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状の美容的治療がもたらされる。ある特定の態様は、皺、瘢痕、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化、および活力の喪失から成る群から選択される、少なくとも1つの状態または疾患を治療することを含む。
皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状の美容的治療方法のための特定の実施形態において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、拮抗剤は、表1の化合物およびその塩、または本明細書に開示される別の化合物の群から選択される少なくとも1つのものである。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書に開示されるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書に開示されるその活性アルキルおよび/若しくは脂肪酸エステル誘導体を含む。ある特定の態様において、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与は、局所、歯肉、頬側、皮下、および経口投与のうちの少なくとも1つを含む。特定の態様では、投与は局所的である(例えば、100μMから2mMの間の濃度で)。
特定の態様は、上記に開示された方法のいずれかにおける使用のための、以下の一般式(I):
を含む化合物であって、式中Rは水素またはC1−6アルキル基から選択され、Rは−OHまたは−O(CO)(CHCHから選択され、nは0〜34の値(好ましくは1〜16)を取り、Rが水素である場合はRは−OHであってはならない、化合物;またはその薬理学的に許容される塩を提供する。ある特定の態様において、RはC1―6アルキル基から選択され、Rは−OHまたは−O(CO)(CHCHから選択され、nは0〜34の値(好ましくは0〜14)を取る。ある特定の実施形態において、nは0〜14の値(好ましくは1〜10)を取る。
ある特定の態様において、一般式(I)の化合物は一般式(II):
を有する。特定の態様において、Rは−CHであり、Rは−OHである。ある特定の実施形態では、Rは−CHであり、Rはnが0〜33の値を取る−O(CO)(CHCHから選択される。ある特定の実施形態において、nは0〜14の値(好ましくは1〜10)の値である。ある特定の実施形態において、nは10であり、化合物は4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアートである。
ある特定の態様では、一般式(I)の化合物は、次から選択される:
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート;
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルヘキサノアート;
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート;
4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート;
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート;
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルペンタノエート;
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルノナノエート;
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート;
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルトリデカノエート;および
4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート。
さらなる態様は、いずれかの上記化合物の化合物を含有する医薬組成物またはその薬理学的に許容される塩および必要に応じて薬理学的に許容される担体を提供する。特定の態様では、医薬組成物は有効量の化合物を含む。ある特定の態様において、その化合物はCBP/β−カテニン拮抗剤である。特定の態様において、CBP/β−カテニン拮抗剤の有効量は、対象の少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂に比較して、または対象の少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な量である。
幹細胞のバランスのとれた非対称分裂を示す模式図である。理想的には、有糸分裂が始まる際、2つの娘細胞のうちの1つは、幹細胞としてのそのニッチに留まり、他方はまず一時的に増殖し、その後組織恒常性を維持するために分化する。 カテニンコアクチベーター修飾因子の構造を示す図である:(a)ICG−001、および(b)IQ−1。 差次的なコアクチベーター使用のモデルを示す図である。(A)IQ−1は、p300およびカテニン間の相互作用を拮抗し、それにより幹細胞/前駆細胞が、CBP/カテニン駆動型の転写を利用するようにさせる。その結果、対称分裂が増加する。 (B)ICG−001はCBPおよびカテニン間の相互作用を遮断し、それにより、細胞がp300/カテニン駆動型の転写を利用するようにさせる。これにより、分化プロセスの開始に関与する遺伝子の転写が開始する。 差次的なコアクチベーターの動員および遺伝子発現に起因する、4つの可能性のあるプロモーター特異的な結果を描写した図である。CBP/カテニン相互作用がICG−001により拮抗されると、同時活性化のためにCBPのみを利用することが出来る遺伝子(例えば、結腸癌細胞中のサイクリンD1)は下方制御される。許容的な遺伝子(例えば、結腸癌細胞中のc−myc)は、それらのプロモーターにおいて、追加のp300を利用してCBPの損失を補う。p300依存性の遺伝子(例えばEpB2)は、それらのプロモーターへのp300の動員により、転写的に活性となる。いくつかの遺伝子(例えば、サバイビン)は、CBPの放棄および転写の減少後、p300を介してそれらのプロモーターに抑制複合体を動員し、それによりさらに遺伝子発現を停止させる。 ネガティブフィードバックループを示す図である。CBP/カテニン媒介性の遺伝子転写による潜在能の維持が初期設定であり得るが、いくつかのCBP/カテニン制御性遺伝子は、経路のCBP/カテニン部門を停止させる役割を果たすネガティブフィードバックループの一部であり、これによりp300/カテニン部門を介して分化プロセスを開始する。 ビタミンAとD(それらそれぞれの受容体複合体を介した)およびICG−001間の、機構的な重複および差異を表すモデル図である。 アルツハイマー病のマウスモデルにおけるAβ沈着を示す図である。出願者は、通常週齢6週から始まり大脳において大量のAβ沈着を起こす、ADのペンタ−トランスジェニックマウスモデルを利用した。これらのマウスを、2か月間、(A)ICG−001(50mg/kg/日)または(B)生理食塩水のどちらかで処置した。(A)ICG−001治療群の頭頂葉において、Aβ沈着の有意な減少がみられ、それと比較して、(B)生理食塩水の対象治療群では、激しいAβ沈着が見られた。 対象分裂対非対称分裂に関する、正常な体性幹細胞および癌幹細胞間の本質的な差異を示すモデル図である。 臨界平衡を示す図である。加齢プロセスの間、カテニンおよびCBPまたはp300使用間の臨界平衡に影響を与え得る、可能性のある損傷。 幹細胞における二分決定に至る絞込みを示す図である。利用されるシグナル伝達経路または受容体に関わらず、幹細胞が受け取るすべてのインプットを、カテニンのコアクチベーターとして、CBPまたはp300のどちらを使用するかという重要な二分決定に、最終的に「絞り込む」。 ビンクリスチン/デキサメタゾン/L−アスパラギナーゼ(VDL)単独、またはICG−001(CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤)との組み合わせのどちらかによる処置の、第47日目に撮影された、白血病マウスモデルの写真である。 3つの例となるマウスを、8日間の時間経過に渡って撮影した一連の写真である(左側腹部の創傷をペトロラタムで局所的に処置し、右側腹部の創傷をペトロラタムとCBP/カテニン拮抗剤である500μMのLaura8で処置した)。 脱毛症の無毛マウスモデルにおける、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の効果を示す写真である。左側のマウスはワセリンのみで処置し、右側のマウスはワセリン(ペトロラタム)中Laura8(ICG−001のラウリン酸エステル)(CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤)で処置した。 図13に示す無毛マウスモデルの、マウスの皮膚病理におけるCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の効果を示す、一連の写真である。これらの写真は、Laura−8(右側)で処置されたマウスにおいては新しい毛包が形成されたが、ワセリン対照(左側)で処置されたマウスにおいては形成されなかったことを示す。さらに、毛髪成長におけるこの欠陥と関連している核内コリプレッサーの欠陥に因り、毛包の隆起は対称的に増殖して、大きな嚢胞を形成する。CBP/カテニン拮抗剤による処置は、非対称分裂の増加により分化を引き起こし、それにより新たな毛包形成をもたらす。 CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤が阻害する経路を示す模式図である。 毛包およびその形成を示す模式図である。 老齢のマウスを示す写真である。左側のマウスは対照であり、右側のマウスには、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤(本明細書に開示されるLaura−8の局所投与)を、12か月間(月齢6か月から月齢18か月まで)投与した。重要なことに、これは、CBP/カテニン拮抗剤の長期投与は、正常な幹細胞ニッチにおいて非対称分裂を誘導して、正常な幹細胞集団を維持する薬剤から期待されるであろうように、正常な幹細胞ニッチを枯渇させないことが証明される。 本明細書に記載される、ヒトの手術で廃棄された皮膚の処理を示す。すべての化合物は、エラスチンおよびアクアポリン1両方の発現増加を示し、Me−ICG−001は、5μMで、ICG−001またはRAのいずれよりも、より大きな増加を示した。
定義
用語「CBPタンパク質」は、CREBが「cAMP応答要素結合」の略記であるCREB結合タンパク質としても知られるタンパク質を指す。このタンパク質は当該技術で周知であり、たとえば、Takemaruら、J.Cell Biol.149:249−54(2000)および米国特許第6,063,583号を参照のこと。CBPの1〜111はCBPのN末端から特定した、タンパク質CBPの最初の111個のアミノ酸を指す。
用語「p300タンパク質」は、当該技術で周知のタンパク質を指す。たとえば、Gusterson,R.J.ら、J.Biol.Chem.2003、Feb.28;278(9):6838−47;AnおよびRoeder,J.Biol.Chem.2003、Jan.17;278(3):1504−10;Rebel,V.I.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA.2002、Nov.12;99(23):14789−94および米国特許第5,658,784号、ならびに本明細書で引用される参考文献を参照のこと。p300の1〜111はp300のN末端から特定した、タンパク質p300の最初の111個のアミノ酸を指す。
語句「Wnt経路」は、Wntタンパク質(分泌型糖タンパク質)の7回膜貫通型受容体frizzledへの結合によって開始され得るシグナル伝達カスケードを指す。この経路は既知であり、当該技術で性状分析されており、多数の論文および概説における主題である(たとえば、Huelsken and Behrens, J. Cell Sci. 115: 3977−8, 2002; Wodarz et al., Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 14:59−88 (1998); Morin, P. J., Bioessays 21:1021−30 (1999); Moon et al., Science 296:1644−46 (2002); Oving et al., Eur. J. Clin. Invest 32:448−57 (2002); Sakanaka et al., Recent Prog. Horm. Res. 55: 225−36, 2000を参照のこと)。
「Wnt経路の活性」という表現は経路の少なくとも1つの成分の活性を指す。たとえば、Wnt経路の活性は、ある特定の実施形態では、標的化された遺伝子の発現を誘導することにおけるβ−カテニンの活性を指し得る。Wnt経路の多数の成分が当該技術で既知であり、それには、Cerberus(Cer)、FrzB、Dickkopf(DKK)、LRP、ヘテロ三量体Gタンパク質、Dsh、カゼインキナーゼla(CKla)、GSK3β、βTrCP、ACP、アキシン、CBP、p300、β−カテニン、TCF、Froucho等が挙げられるが、これらに限定されない。
「Wnt経路を活性化する」化合物は、Wnt経路を有する系に存在する場合、β−カテニンが誘導する標的遺伝子の発現をもたらす化合物を指す。発現がβ−カテニンによって誘導される多数の標的遺伝子が当該技術で既知であり、それには、コンダクチン、Myc、Twin、サイクリンD1、Nkd、Ubx、En−2、PPARd、Xbra、ID2、Siamois、Xnr3、MMP7、TCF−1、サバイビン等が挙げられるが、これらに限定されない。そのような遺伝子は、「Wnt/β−カテニンの経路が標的とする遺伝子」とも呼ばれ得る。
「Wnt/β−カテニンの経路が標的とする遺伝子の発現を選択的に阻害すること」という表現は、Wnt/β−カテニンの経路が標的とする遺伝子のサブセットの発現を選択的に阻害するが、Wnt/β−カテニンの経路が標的とする他の遺伝子の発現を阻害しないことを指す。いかなる特定のメカニズムにも束縛されることをも望まないが、本発明の発明者らは、遺伝子発現の選択的な阻害は、β−カテニンとその結合相手である可能性のあるものすべてではないが、一部との間の相互作用を妨害することによって達成され得ることを推測する。
I.加齢の状態および加齢関連の状態
本発明の特定の態様は、幹細胞集団において対称分裂を犠牲にして複製型非対称分裂の数を増やすのに使用するためのCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)を含む組成物を提供して、加齢または加齢の状態若しくは疾患、または少なくともその症状の1つを治療することを提供する。
特定の態様によれば、幹細胞が非対称分化か対称分化を経るかについての決定は、成人における決定的な細胞性の決定過程であり、それは組織の維持/恒常性の低下および/または(たとえば、創傷治癒、造血、線維症および骨粗鬆症などで)適正に修復する能力の低下に関連する種々の状態および疾患の根底にあり、一般に加齢に関連する根底にある鍵となる問題である。興味深く、重要なことに、非対称性にまたは対称性に分裂する決定は、正常な体性幹細胞と癌性幹細胞の間での主要で基本的な固有の差異であると思われる。過去10年間にわたる本出願者らの研究室で主に行われた研究(公表されたデータおよび未公表のデータの双方)に基づいて、以下の開示は、対称分裂と非対称分裂の決定的な重要性および幹細胞におけるWnt/カテニンのシグナル伝達カスケードにおける差次的なコアクチベーターの利用(たとえば、CBP対p300)の役割およびそれらをどのように医薬的に操作し得るのかを支持している。
体性幹細胞における対称分裂と非対称分裂
幹細胞は本目的では、休止のままでいる(すなわち、本質的に何もしない)または細胞周期に入って2個の嬢細胞を生じる有糸分裂(すなわち、細胞分裂)を経る能力を有する特定の微細環境にまたは適所に局在する細胞である。理想的には、非対称の均衡が維持され、それによって嬢細胞の一方は幹細胞として適所でそのままでいる一方で、嬢細胞の他方は分化過程を前に進み、「一時的な増幅集団」を提供して組織の恒常性を維持する(図1)。
特定の態様によれば、2個の嬢細胞間での運命の非対称性の均衡は、常に維持されるわけではなく、場合によっては嬢細胞は2個とも幹細胞のままでいるか、または双方とも分化に向かい、それによってその「幹細胞性」を喪失する。この種の対称分裂は、特定の態様によれば、正常な幹細胞集団に有害である。
対称性と非対称性は、本質的には非常に単純な二分決定過程(コンピュータ論理における0/1決定)であるけれども、適所で有糸分裂を経る幹細胞は、その環境(たとえば、酸素レベル、栄養レベル、明暗、すなわち、日周サイクル、増殖因子、接着分子、細胞/細胞の接触等)からの非常に複雑な数々の情報を読み取り、この最終的な二分決定に到達しなければならない。その時の疑問は;適所の幹細胞はどのようにこの厖大な情報を読み取り、それを単純な分子的0/1の決定点に収束させるのだろうか、ということである。出願者の研究室は、対称性と非対称性のこの二分決定に関与する種々のプレーヤーや回路を理解することにおいて十分に進歩してきた。ゲノムの進歩的で化学的なアプローチを介して開発された一連の独特の医薬ツールを利用して、出願者は今や、正常な幹細胞/前駆細胞の集団並びに癌性幹細胞/前駆細胞の集団の双方にてこの二分決定を操作し、調節することができる。
本明細書の知見は、非対称性に分裂するまたは対称性に分裂する決定は、正常な幹細胞と癌性幹細胞の間での基本的な本来の差異であり、さらに、対称分裂と非対称分裂の間の均衡を調節することは加齢を治療する方法を提供することを示している。
医薬ツール
Wntシグナル伝達
出願者の当初の目標は、対称性と非対称性を研究するための医薬ツールを開発することではなく、むしろ、異常なWnt経路の活性化を阻害する方法を見つけることであった。遺伝子、腺腫様多発結腸ポリープ(APC)またはβ−カテニンにおける変異に起因して、結腸癌のおよそ90%ではWntシグナル伝達カスケードが構成的に活性化されている。従って、元々の考えは、この異常なWntシグナルに拮抗することができれば、結腸直腸癌に対する新しい治療戦略を提供し得るというものだった。
Wntシグナル伝達のカスケードは非常に複雑である。Wntシグナル伝達は、発達全体にわたっておよび日々の過程において、たとえば、皮膚や毛髪の維持、腸管の恒常性の維持、造血系幹細胞/前駆細胞の調節、ならびに造血における前駆細胞の分化系列決定(すなわち、一般的な血液の恒常性)等において重要な役割を担っている(1,2)。人体、たとえば、肝臓の代謝回転、神経発生等で生じる他の細胞の置換活性にもWntシグナル伝達が関与する(3〜5)。Wntシグナル伝達が幹細胞の生物学で重要であるという一般的な同意はあるものの、Wntシグナル伝達が、増殖および多能性若しくは多能性の維持、または他方、同一の幹細胞/前駆細胞の分化に重要であるかどうかについては、意見の一致はなく、多くの議論がある。従来のWnt/シグナル伝達(標準的なWntシグナル伝達またはWnt/β−カテニンシグナル伝達と呼ばれる)は、その特徴として、コアタンパク質であるアキシン、APC、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ3)およびCK1−α(カゼインキナーゼ1−α)から成る分解複合体と会合した細胞質β−カテニンの可溶性プールを有する。Wntのリガンドの非存在下では、β−カテニンはこの複合体内でリン酸化され、それによってユビキチン化およびその後のプロテアソーム機構による破壊に対してそれを標的とする(6)。Wnt経路の活性化は、β−カテニンの標的化された破壊に必要とされるAPC/アキシン/GSK3複合体を崩壊させる一連の事象を誘発し、それによって細胞質におけるβ−カテニンの安定化および蓄積を促進する。細胞質におけるこの集積は、未だ全体的には定義されていないメカニズムを介したβ−カテニンの核への移行が伴う。核において、β−カテニンは、Wntシグナル伝達カスケードの従来の定義では、転写因子のTCF/LEFファミリーのメンバーと複合体を形成する。転写上活性のある複合体を生成するために、β−カテニンは、転写コアクチベーター、すなわちcAMP応答要素結合タンパク質(CREB)−結合タンパク質(CBP)またはその密接に関連するホモログ、p300(EIA−結合タンパク質、300−KD)、並びに基本的な転写機構の他の成分を動員し、多くの下流の標的遺伝子の発現をもたらす(7,8)。出願者らの研究も特定のファミリーのメンバーとのCBPの協力はβ−カテニンに限定されないことを実証している。β−カテニンの非存在下では、CBPは他のカテニン様分子(たとえば、γ−カテニン)とも協力し得る(9)。
CBPおよびp300
CBPおよびp300は約300kdの大きなタンパク質である。それらは長い間冗長な役割を有するとみなされ、文献では1つの同一のタンパク質として処理されてきた。最近の研究では、CBPおよびp300は転写の主要指揮者としてのその役割で多数のタンパク質と相互作用することが明らかにされている。その高い相同性にもかかわらず、蓄積している証拠によって、CBPおよびp300は冗長ではなく、試験管内および生体内の双方で明確で独自の役割を有することが示されている(10−12)。マウスにおける標的化変異誘発の研究は、哺乳類の発生が、CBPおよびp300の遺伝子量に極度に感受性であることを実証している。CBPの標的化変異についてヘテロ接合体のマウス(CBP+/−)は、骨格異常を呈することが示され、そのいくつかは、比較的稀な遺伝子疾患であるルビンシュタイン・テイビ症候群(RTS)に似ることが示されている(13)。p300の変異マウスの解析はp300の遺伝子量も発生に重要であることを示した(14)。印象的なことに、CBPヘテロ接合体(CBP+/−)およびp300ヘテロ接合体(p300+/−)のマウス胎児はノックアウト(p300−/−およびCBP−/−)胎児に類似する外脳症の表現型を示す(15)。高い相同性および類似する発現パターンにもかかわらず、CBPおよびp300は遺伝子の調節において独自の明確に異なる役割を担うことが大きく明らかになっている。出願者は最近、TCF/β−カテニンが介在するサバイビンの転写の調節でCBPおよびp300が異なる機能を有することを明らかにした(16,17)。これらの結果は、細胞の増殖、分化および発生におけるCBPおよびp300についての非冗長な役割を明らかにしている他の出版物に一致する(10,14,18,19)。Rebelら(20)は、造血幹細胞(HSC)モデルを用いて、p300ではなくCBPがHSCの自己複製に必須であるが、一方p300は適正な造血分化に決定的であると結論付けた。Ugaiら(21)は、RAが誘導するF9の分化にCBPではなくp300が絶対的に必要とされることを見い出した。
ICG−001
出願者の医薬ツールは、小分子二次構造鋳型化学ライブラリの細胞に基づく前向き化学ゲノムスクリーニングを用いて特定された(22)。遺伝子APCの変異のために、SW480結腸癌細胞はβ−カテニンの核への構成的な移行を示すので、コンセンサスTCF/カテニンルシフェラーゼレポーター構築物TOPFLASHによって評価されるようにWnt/カテニンの高い基本的な転写物を示す。このレポーター系を用いて、出願者は以前、3μMのIC50を有する化合物ICG−001を特定した(図2a)。アフィニティクロマトグラフィ法を利用し、機能獲得/機能喪失戦略を用いて、これら2つのコアクチベーターがアミノ酸レベルではさらに高い相同性を伴って93%まで同一であるにもかかわらず、ICG−001は高い親和性(約1nM)で特異的にコアクチベーターCBPに結合するが、重要なことに密接に関連するp300には結合しないことを確定させ、その後、立証した(22,23)。
出願者は次に、CBPとβ−カテニンの間、およびp300とβ−カテニンの間で結合ドメインをマッピングした。β−カテニンのC末端トランス活性化領域(647〜781)は、CBPおよびp300双方の同じ1〜111のアミノ酸と相互作用した(23)。しかしながら、CBPとβ−カテニンの間の相互作用のみがICG−001によって撹乱され、p300とβ−カテニンの相互作用は撹乱されなかった。その後の結合および等温熱量測定の研究は、ICG−001は選択的に且つ直接、高い親和性((約1nM)でCBPのN末端に結合することを明らかにした。要約すると、出願者のデータは、2つのコアクチベーターの非常に高い相同性にもかかわらず、p300とβ−カテニンの相互作用に影響を及ぼすことなく、CBPとICG−001の間の直接的な会合と、CBPとβ−カテニンの間の相互作用を選択的に撹乱するICG−001の能力を確認した。
ICG−001は、CBPとカテニンの相互作用に関与するCBPのアミノ末端のみを特異的に且つ選択的に遮断することを可能にする独特のツールを提供する。ICG−001がCBPに結合する領域はアミノ末端に限定されているので、この化合物が達成する下流の変化は全体的ではなく、CBPのこの領域が制御する機能に限定されるということになる。比喩はバスケットボールとゴルフボールの間で引き出すことができ、ゴルフボールをバスケットボールの載せると、ゴルフボールが覆う表面積は大きいわけではないので、バスケットボールの残りの部分は影響がないままである。同様に、ICG−001はCBPの非常に小さな領域を遮断し、コアクチベーターの他の領域は影響がないままであり、他の同族の結合相手との相互作用に開かれている。
IQ−1
ICG−001に加えて、mES細胞における多能性の維持に関する大きな化学ライブラリの選抜は、IQ−1と呼ばれる別の化合物の特定を導いた(図2b)。IQ−1はWnt依存性の様式で長期間の培養にてマウスの胚性幹細胞の多能性を維持する。その後、出願者はIQ−1がセリン/スレオニンホスファターゼPP2AのPR72/130サブユニットに結合することを見出した。IQ−1のPR72/130への結合は、未だはっきりしないメカニズムを介してSer89にてコアクチベーターp300のリン酸化の低下をもたらす。出願者はまた、Ser89でのp300のリン酸化がβ−カテニンのp300への結合親和性を高めることも見出した。IQ−1はp300とβ−カテニンとの間の相互作用を低下させ、それによってCBP/βカテニンの相互作用を高める(24)。
図3Aおよび3Bは、Wnt/カテニンのシグナル伝達の背景の範囲内でのICG−001とIQ−1の分子標的およびそれらの相互作用の点を図的記述で示す。手持ちのこれらのツールによって、出願者は、カテニンが介在する転写におけるCBPまたはp300の差次的なコアクチベーターの利用の効果を探索した。CBPおよびp300はβ−カテニン以外の多数の(少なくとも400)相手と相互作用するので(25)、従来の「ノックアウト」または「ノックダウン」の技法を用いて行うには、これは、不可能ではないにしても困難であったであろう。CBPまたはp300の遺伝的欠失は多数の異なる転写因子に影響を及ぼす複雑な結末を有する。このことは、適切に利用されるならば、前向き化学遺伝学研究法の重要性を強調している(22)。
増殖および分化におけるWntシグナル伝達
Wntシグナル伝達は発生全体にわたって重要な役割を担う。ほぼ全員がWnt/カテニンのシグナル伝達は幹細胞の生物学で重要であることに同意するであろうが、Wntシグナル伝達が幹細胞/前駆細胞の増殖および能力(多能性)の維持または分化に重要であるかどうかについての意見の一致はない。Wnt/カテニンのシグナル伝達はES細胞における多能性を維持することが明らかにされ(24,26)、最近、TCF依存性の方式でのカギとなる多能性転写因子Oct4の発現の維持に関するβ−カテニンの決定的な役割が示された(27)。Wnt/カテニンのシグナル伝達はニューロン幹細胞/前駆細胞の増殖を高めることが示されている。
しかしながら、Wnt/カテニンのシグナル伝達はまた、ES細胞の神経分化、神経堤幹細胞における運命決定にも必要とされ、Wnt3は神経幹細胞の維持を阻害することによって神経系列および星状細胞系列への分化を促進することが報告されている(28〜30)。同一細胞種における本質的に同一のWntによるWntシグナル伝達経路の活性化から生じるこれらの多様化し、分岐した応答は、能力の維持と分化の誘導におけるWntシグナル伝達の役割に関して多数の議論を湧き起こしている。それはまた、細胞が受け取る種々の入力をWntシグナル伝達のネットワークがどのように統合して、正しく且つ協調した応答を発揮するのかという疑問を提起する。今日まで、増殖および分化の双方を制御することにおけるWnt/カテニンのシグナル伝達の二又挙動に対する論理的根拠は明らかではない。
Wnt/カテニンのシグナル伝達におけるCBPおよびp300の非冗長な役割
出願者の以前の研究の1つは、ICG−001によって2つのタンパク質CBPとp300の間の相互作用を選択的に阻止することは分化プログラムの開始をもたらすことを明らかにした。このことは、コアクチベーターの差次的な利用という出願者のモデルの開発を導いた(16,24)。そのモデルはWnt/カテニンのシグナル伝達カスケードにおけるコアクチベーター、CBPとp300の明確に異なる役割を強調する(図3Aおよび3B)。モデルの決定的な特徴は、CBPまたはp300のいずれを利用するかの決定がそれぞれ、細胞を導いてそれぞれ増殖/潜在力の維持または分化的転写プログラムのいずれかを開始する最初の決定であるということである。この最初のステップには、他のエピジェネティックな修飾(たとえば、ヒストンのメチル化/脱メチル化およびヒストンのアセチル化/脱アセチル化等)、ならびに一時的に増幅する集団のその後の増殖および/または系列分化決定の双方についての追加の転写因子の動員が続くことに留意のこと(Wend et al. manuscript under revision Cancer Cell, Ma et al Oncogene 2005)。言い換えれば、p300またはCBPのいずれかと組むカテニンの最初のステップは、すべてではなく、究極の目的でもなく、むしろ開始する過程であり、それには、細胞の潜在力、系列および背景に応じた他の内因性タンパク質、コアクチベーター、酵素(たとえば、ヒストン脱アセチル化酵素、DNAメチルトランスフェラーゼ等)および転写因子の関与が続く。このモデルは、CBP/カテニンが介在する転写は幹細胞/前駆細胞の維持および増殖に決定的であるが、p300/カテニンの利用は、分化を開始し、細胞の潜在力を低下させる転写プログラムに介在することを仮定する。
CBP/カテニンまたはp300/カテニンが作動させる転写のいずれを利用するかの決定は、最初の細胞潜在力の決定点でさえ、すでにそれは決定的なので、非常に基礎的な事象であると思われる。最も早い分化事象、従って、哺乳類における最初の非対称分裂は8細胞期にて着床前の胚で生じ、2つの異なる細胞集団、すなわち栄養外胚葉(TE)と内部細胞塊(ICM)を生じる。この時点の前では、あらゆる細胞分裂は対称性であり、本質的に同等で、多能性のままであると思われる。ICM内部の細胞は、3つの胚葉すべての構成要素、ならびに同胚体外の内胚葉および中胚葉に寄与する細胞を生じるので多能性であるとみなされる。他方、TEの外層は胚の組織には寄与しないが、胚体外の外胚葉を生じ、複数の栄養膜細胞型に分化することができる。出願者は、この最も早い、ほぼ間違いなく重要な細胞分裂の時点でさえ、ICMとTEの間での選択はカテニンによる差次的なコアクチベーターの利用によって支配され、すなわち、CBP/カテニンはICMの維持およびOct4の発現に必要とされるが、p300/カテニンの利用はCdx2陽性の栄養外胚葉の形成を開始することを明らかにした(31)。本発明の特定の態様によれば、最初の対称分化と非対称分化で生じるこの基本的な決定過程は、生物の生涯にわたって体性幹細胞系列すべてで存続する。
IQ−1を介してp300とカテニンの間の相互作用を阻止することは、たとえば、マウスES細胞がそのコアクチベーターとしてのCBPを利用することを強いるが、それによってCBP/カテニンが作動させる多能性の維持および長期の増殖を促進し、白血病阻害因子(LIF)の非存在下でさえ、自然の分化を妨げる。同様に、mES細胞におけるp300のノックダウンは培地からLIFを取り出した際、自然の分化を妨げる(31)。p300/カテニンの相互作用を選択的に拮抗した際の同様の結果がヒトES細胞でも得られている(32; Hasegawa K et al accepted Stem Cells Translation Medicine 2011)。CBP/カテニンの相互作用をICG−001によって阻止することは多能性の誘導を妨げることができるが、p300/カテニンの相互作用に選択的に拮抗することは再プログラム化を高めることができる(33:本出願者の未発表データ)。これらの結果はすべて出願者のモデルに一致しており、いくつかのカテニンが転写上調節する遺伝子(たとえば、Oct4、サバイビン)はそのコアクチベーターとしてCBPのみを利用する一方で、他(たとえば、Cdx2)は転写の共活性化にp300を利用するが、さらに他のカテニンが調節する遺伝子のプロモータは寛容であり、生産的な転写についてCBPまたはp300のいずれかを利用することができる(17)。
Wnt標的遺伝子におけるCBP/カテニンの拮抗の効果は高度にプロモータ特異的である。結腸直腸癌細胞をICG−001で処理し、それによってCBP/カテニンの相互作用を撹乱し、次いで、どのタンパク質が特定のプロモータに関連するかを確定するのを可能にする技法であるクロマチン免疫沈降アッセイ(ChIP)を用いて幾つかのWnt/β−カテニンが調節する標的遺伝子のプロモータ領域にてコアクチベーターの占有状態を調べた。サイクリンD1のプロモータでは、出願者はCBPの放棄、メッセージの低下およびp300の動員の無さを認めた(23)。c−mycのプロモータでは、出願者は、CBPの放棄、p300の占有率の上昇と共にメッセージのやや増加を認めたが、サバイビンのプロモータでは、出願者はCBPの放棄を伴ったメッセージの低下も認めた。にもかかわらず興味深いことに、出願者は、サバイビンのプロモータでは、転写抑制に関連する追加のタンパク質を伴ったp300の動員の増加とICG−001処理後のサバイビンのメッセージの対応する低下を見い出した(17)(図4)。要するに、これらの結果は、いくつかのWnt/カテニンが調節する遺伝子(たとえば、サバイビン)は転写についてそのコアクチベーターとしてCBPのみを利用するが、他の遺伝子プロモータは寛容であり、生産的な転写についてCBPまたはp300のいずれかを利用することができることを裏付けている。さらに、転写のコアクチベーターにp300を選択的に利用する他のWnt/カテニンが調節する遺伝子が存在する。この差次的なコアクチベーターの利用の興味深い例は、既知のWnt/TCF/β−カテニンの標的遺伝子である遺伝子EphB2の発現に関する。結腸癌のほぼ90%が異常なWnt/TCF/β−カテニンの高い活性を有するので、結腸癌の病状進行とともにEphB2の発現が高まることになる。しかしながら、EphB2の発現は後期の結腸直腸癌では一般に失われるので、これはこの場合当てはまらない(34)。さらに、欠損のあるAPC腫瘍抑制遺伝子を持つMinマウスにおけるEphB2の撹乱は正常な腺腫ではなく、高度に侵襲性の癌腫を生じる。「難題」と呼ばれていたもの、すなわち、その特徴がWnt/カテニンのシグナル伝達の異常な上昇である疾患である結腸癌におけるWntの直接標的遺伝子の消失は、EphB2の発現がp300/β−カテニン依存性であり、結腸癌の進行とともに、Wnt/カテニンのシグナル伝達に関してコアクチベーターCBPの使用への偏向が高まるという事実によって比較的容易に説明される。ICG−001の使用を介してCBP/カテニンの相互作用を拮抗する事象において、結腸癌細胞はWnt/カテニンのシグナル伝達についてそのコアクチベーターとしてp300を利用することを強いられ、それによってEphB2の発現が高まる(35)。
このモデルに対する追加のレベルの複雑さは、CBP/カテニン部門によって調節される遺伝子発現のカセットのサブセットは潜在力の維持および増殖に決定的であるが(たとえば、Oct4、サバイビン等)、この方式で調節される他の遺伝子(たとえば、hNkdおよびアキシン2)は実際、カスケードのCBP/カテニン部門の負の調節因子であるということである(36,37)。この種の負のフィードバック側は本質的に完全に筋が通っている。CBP/カテニン部門の潜在力および活性化が初期設定経路であると仮定して、発生を進めるには、ある時点で増殖を止め、非対称に分裂する細胞周期を出て分化の過程を開始しなければならない(図5)。興味深いことに、アキシン2の発現は多数の種類の腫瘍にてDNAのメチル化を介してサイレントにされることが多い。
出願者の研究から明らかになった別の特徴は、Wnt/CBP/カテニンまたはWnt/p300/カテニンが介在するシグナル伝達は専らTCF依存性であるわけではないということである。TCF/LEFとは別に、カテニンはβまたはγが核受容体ファミリーのメンバー、Smads、Foxo等を含む多数の転写因子との相手であることも知られている(38−40)。この点で、Wntシグナル伝達用の必須条件機能読み取りとしてのルシフェラーゼレポーター遺伝子を作動させる複数のTCF結合要素を伴ったレポーター構築物であるTopFlashの使用は、正確ではなく、さらに核カテニンの転写上の役割全体を過少評価している。TopFlash活性の非存在下でさえ、TCFが核のカテニンにとって明らかに唯一の転写上の関連する結合相手ではないので、核のβ−カテニンはTCFファミリーのメンバー以外のTF(たとえば、FOXOタンパク質)と相手を組むことを介して転写上活性があり得る。典型として、乳癌におけるWntシグナル伝達の役割に関する我々の知識は完全には程遠いが、その重要性および意義は過去5年間での多数の報告の対象であった(41)。ヒトの乳癌では、Wntシグナル伝達経路の負の調節因子の不活化に関する多数の報告がある。下流の活性化因子であるDisheveled(Dsh)は乳管癌の50%で増幅され、上方調節される(42)。分泌型Wnt阻害因子であるFrizzled関連タンパク質1(FRP1/FRZB)はヒトの乳癌では欠失することが多い。悪性乳癌のおよそ80%で、Frp1の発現は抑制されているか、または存在せず、そのことが乳癌での最も頻繁な変化の1つになっている(43)。アキシンは乳癌におけるヘテロ接合性(LOH)の頻繁な喪失を示し、乳癌では下方調節される(44,45)。双方は標準的なWntシグナル伝達経路の負の調節因子である。Wntシグナル伝達が乳癌で重要な役割を明らかに担うという事実にもかかわらず、乳癌細胞にはTopFlash活性は本質的に存在しない。
この分野を取り巻く、特にβ−カテニンの遺伝的欠失の使用に関する議論に加わるさらに別の課題は、β−カテニンの喪失を転写上少なくとも部分的に代償する他のカテニン(たとえば、γ−カテニン/プラコグロビン)の能力である。β−γの二重ノックアウトマウスでさえ依然としてWntシグナル伝達を示し、それは少なくとも一部の組織/臓器で機能的である(9,46)。さらに、β−カテニンは接着接合部での細胞/細胞の相互作用にて決定的な役割を担っている。従って、β−カテニンの喪失はその転写上の役割および細胞/細胞の相互作用における役割の双方に影響を及ぼし得る。Wnt/カテニンのシグナル伝達に関連する複雑性にさらに付け加えることは、多数の増殖因子(TGFβ、EGF、HGF等)、キナーゼ(たとえば、Src、bcr−abl)および接着分子(たとえば、E−カドヘリン)の不活化を含む、β−カテニンの核への移行を高めることができるWntのシグナル伝達カスケードを越える多数のメカニズム/経路が存在するという事実である(Front Biosci. 2008 May 1;13:3975−85.Microenvironmental regulation of E−cadherin−mediated adherens junctions. Giehl K, Menke A.)。
最後に、核のカテニンは転写にとって明らかに決定的ではあるが、絶対的レベルはそうでもないのかも知れない。むしろ、転写上適格なカテニンの量および2つのコアクチベーター(CBPおよびp300)の限定的な量の間でのその選択または均衡は、対称に分裂するか、または非対称に分裂するかの決定を細胞にて最終的に決定する因子である(35 and Ring A et al Poster presentation ASCO 2011)。
要約すると、選択的医薬ツールICG−001およびIQ−1は出願者の研究にとって掛け替えのないものであることが判明した。本発明の特定の態様によれば、従来の遺伝子ノックアウトまたはノックダウンと併せてこれらのツールを用いて、出願者は、齧歯類およびヒトの双方における多数の幹細胞および前駆細胞にて、CBP/カテニンが介在する転写の上昇は対称分裂と関連するが、p300/カテニンが介在する転写は分化を開始するのに決定的であることを明らかにした。
CBP/カテニンの選択的拮抗剤:天然の類似体はあるのか?
急性前骨髄性白血病(APL)は、ビタミンAの誘導体である全トランスレチノイン酸(ATRA)への感受性のために骨髄性白血病の中でも独特である。ATRAによる治療は、RARからNCOR−HDACL複合体を解離し、癌遺伝子の転写因子およびその異常な作用を標的とすることによってDNAの転写と未成熟な白血病前骨髄球の成熟顆粒球への分化を可能にする。他のほとんどの化学療法とは異なって、ATRAは悪性細胞を直接殺傷するのではなく、それらを分化するように誘導する。多数の科学的研究は、結腸癌、前立腺癌、乳癌、膵臓癌および皮膚癌を含む癌の予防におけるビタミンDの考えられる役割も検討している。興味深いことに、ATRAおよびビタミンDは双方とも、それぞれの転写複合体(RAR/RXRおよびVDR/RXR)を介して場合によっては(たとえば、結腸直腸癌細胞)、異常なWntシグナル伝達に拮抗することができる。しかしながら、たとえば、ATRAおよびWntによる遺伝子発現の活性化に対する相乗効果の報告もある(47)。興味深いことに、CBPおよびp300双方のアミノ末端におけるLXXLL配列は、これら、ならびに他の核受容体のシグナル伝達複合体(たとえば、ER、ARおよびPPAR)を動員することができる。これは、カテニン(βおよびγの双方)と相手を組むこれらコアクチベーター(すなわち、CBPおよびp300)の同じ領域であり、CBP/カテニンの拮抗剤(たとえば、ICG−001)もこの領域に結合する。これら核受容体リガンドは、特定のCBP/カテニンの拮抗剤によって、出願者が観察した幹細胞集団に対する同一の分化効果の多数を有する。ビタミンAおよびビタミンDは双方とも発生に必要とされ、成人にて多数の有益な健康効果を有するけれども、双方とも高レベルでは催奇形性である。従って、マウスの発生の我々の研究過程で最も驚くべき知見の1つは、ICG−100によってCBP/カテニンの相互作用に対して選択的に拮抗することが非常に高レベルでさえ、極めて安全であると思われ、明らかに有害効果を有さなかったことである。6週齢にて受胎(約E0.5)から出生(約E20)までの本質的に妊娠の全体にわたって高用量のICG−001(0.5M)によって局所的に処理した母親から生まれたマウスがその同腹仔と比較して正常な体重および大きさを示し、第二世代を繁殖することができたということは、生殖細胞集団に有害効果はなかったという事実を証明している。このことは、実際に調べたあらゆる臓器系(すなわち、脈管系、心臓、肺、CNS、四肢等)で発生に劇的な欠陥を生じる、子宮内でのp300/カテニンの相互作用の選択的拮抗(Kahn、未発表)とは劇的に対照的である。上で考察されたデータに基づいて、出願者はビタミンA(ATRA)およびビタミンDが出願者の低分子のCBP/カテニンの拮抗剤のようにある程度挙動する天然に存在する分子であることを提唱している。それらは、核受容体複合体(すなわち、それぞれRAR/RXRおよびVDR/RXR)を介してCBPに結合することによってCBP/カテニンの相互作用に拮抗することができる。しかしながら、そして非常に重要なことに、幾つかの主な差異がある。CBP/カテニンの拮抗剤は直接的であり(すなわち、それらは直接CBPに結合し、共受容体を必要とせず、共受容体は癌では低下するまたはサイレントになる/失われることが多い)、純粋なCBP/カテニンの拮抗剤である。さらにそれらは確率的な分化(すなわち、非決定的な)を可能にするが、ビタミンAおよびビタミンDは、多分、その系列偏向作動特性を介してCBP/カテニンの相互作用に拮抗した後、高い用量で胚の発生に対して有害な効果を有する(図6)。
CBP/カテニンの拮抗剤の治療応用

結腸直腸癌におけるWntシグナル伝達の重要性は議論の余地がない。従って、ICG−001の治療上の有用性についての出願者の検討は全く当然のことながら、結腸癌で開始した。出願者はこの化合物がサバイビンを下方調節したことを示している。サバイビンは、癌で普遍的に上方調節される第4の転写物であり、カスパーゼ活性化の既知の阻害剤であり、細胞質分裂でも重要である。サバイビンの阻害に続くカスパーゼ活性の上昇は、結腸直腸癌での選択的細胞傷害性で現れるが、正常な結腸上皮細胞では現れない。生体内では、ICG−001は、Minマウスでポリープを軽減するのにおよびヌードマウスの結腸癌のSW620異種移植モデルで腫瘍増殖を低減するのに、その双方で有効である(23)。
本発明の特定の態様によれば、正常な成体の体性/組織性の幹細胞と癌性幹細胞(CSC)の間での類似性は、体性幹細胞の維持を調節するのに関与するシグナル伝達経路(たとえば、Wnt、ヘッジホッグおよびノッチ)もCSCの調節に関与することを示唆している(48〜50)。これら同一の経路の異常な調節は同じ組織における腫瘍性増殖をもたらす。過去数年にわたって、白血病、乳癌、肺癌、脳腫瘍、結腸癌、前立腺癌および膵臓癌における癌性幹細胞の存在に関する証拠が増えている。これらの癌性幹細胞は、体性または組織性の幹細胞に類似するマーカーおよび細胞性挙動を持つ。CSCは再発および転移の原因であると考えられている。腫瘍の中で、大半は薬剤感受性で/分化した細胞で構成され、CSCは一般に腫瘍の中で小さな比率を表すに過ぎない。現在の治療法は、薬剤感受性で/分化した細胞の大半を殺傷するように設計されているが、CSCを殺傷するようには設計されておらず、それは多剤耐性遺伝子によって少なくとも部分的に保護されたままであり、再発および転移をもたらす。最近、種々の型のCSCにおいて、出願者は、ICG−001によってCBPとカテニンの間の相互作用を選択的に阻害することによって、癌性幹細胞が腫瘍細胞集団の大半に似たように表現型上見え、挙動するものに分化するように強要し、それによって標準の既存の治療法にそれらを感作することを実証することができている。本開示の文脈/範囲の中で、出願者は出願者の知見を手短に強調する。
乳癌
上皮特異的抗原/上皮細胞接着分子(ESA/EpCAM)、CD44、ヘキスト色素による排除(サイドポピュレーション、SP)、アルデヒド脱水素酵素の陽性(ALDH)および細胞表面抗原CD24と系列特異的マーカーの非存在を含む種々の表現型マーカーによって特定されている乳癌性幹細胞は、わずか200個の少数で動物にて腫瘍を形成することができ、その後、元々の腫瘍の非均質性を反復する増殖と分化を行う。Wnt、ノッチおよびヘッジホッグを含む幾つかの発生経路は、これら幹細胞の自己複製を調節することが知られている。これらの経路のそれぞれにおける変化が動物モデルにて乳癌を生成することができ、ヒトの乳腺の発癌に関連付けられている。しかしながら、これらの経路を操作する医薬的アプローチは、正常な成熟および分化における異常が見られたノッチ経路の早期の結果によって証拠付けられたように、関連するネットワークの多機能で分岐した性質によって複雑化されている。三重陰性乳癌(ER、PRおよびHer2が陰性)(TNBC)は、再発のリスクと死亡率の高い、臓器への転移の素因が高い、ならびにホルモンおよびHER2受容体に対する標的化した治療選択肢が欠如した特に悪性の亜種である。TNBCは、型通りの「基本」の遺伝子発現パターンによって証拠付けされるように生物学的に識別可能であり、BRCA−1の変異を含む乳癌のほとんどの症例もこの亜種の範囲内に入る。TNBCの分類は、乳腺の管上皮の幹細胞に類似する遺伝子発現パターンによって規定される乳癌の基本的な亜種に密接に近似する。三重(ER、PRおよびHER2)陰性並びにサイトケラチン5/6、EGFRおよびビメンチンの発現によって定義される基底型症例の190人の患者の1回の試験では、Wnt経路の活性化の従来の読み取りであるβ−カテニンの核での蓄積が基底型症例で濃縮されることが分った。さらに、高いレベルのβ−カテニンを示すこれらの症例は予後がより悪く、アフリカ系アメリカ人でさらに頻度が高かった。他の試験も同様に、β−カテニンの核での局在化は三重陰性の患者で一般にさらに共通することを示している。
三重陰性の乳癌細胞株MDA−MB−231は、Wntが調節する細胞表面マーカーCD24の低い発現、さらに別のWntが調節する標的遺伝子CD44の比較的高い発現を示す。この表現型CD44hiCD24loは、乳癌性幹細胞/腫瘍開始細胞集団のように挙動する細胞の亜集団に関係している(51)。興味深いことに、MDA−MB−231細胞にてICG−001によってCBP/カテニンの相互作用に拮抗することは、24時間で細胞表面のCD24の発現を有意に高める一方で、CD44の発現を低下させた。本質的に、ICG−001を用いて、我々は、コアクチベーターp300を利用するようにカテニンを強要し、それによってWnt/CBP/カテニンの標的遺伝子CD44の発現を低下させ、付随してWnt/p300/カテニンの標的遺伝子CD24の発現を高めることができる(上で考察したEphB2の難題に類似する状況)(Ringtら、ポスターでの提示ASCO2011)。さらに、ChIP(クロマチン免疫沈降を用いたヒト転写因子の未知の標的遺伝子の特定、Weinmann AS, Farnham PJ. Methods. 2002 Jan;26(1):37−47.)を用いて、出願者は、ICG−001がCBP/カテニンの相互作用を選択的に阻止することによってCD24のプロモータに対するp300の動員を高めることを明らかにした。ICG−001によるCBP/カテニンの相互作用の阻止は、サイドポピュレーション(SP)およびALDH活性も劇的に低下させ、その双方ともさらに一般的に幹細胞/前駆細胞の集団に相関する。サバイビンのメッセージレベルの低下を越えて、間葉上皮移行(MET)の発生に一致する遺伝子発現特性がある(すなわち、ツイスト、ビメンチンおよびS100A4の発現の低下およびE−カドヘリン発現の上昇)。最近、上皮間葉移行(EMT)をCSCの表現型に相関させる多数の論文がある(52)。EMTは発生および成体で、たとえば、創傷治癒で重要である正常な生理過程であるが、病態生理学的には、腫瘍の転移および臓器線維症(線維症に関する後の議論を参照)に関係する。特定のCBP/カテニンの拮抗剤はこの異常なEMTを生体内で反転することができ(EMTはまた脱毛等における皮膚で重要な役割を担う。J.Dermatol.Sci.2011、Jan;61(1):7−13.Epub.2010、Dec.5;上皮間葉移行(EMT)は形態形成だけでなく、創傷治癒、組織線維症および癌の進行で重要な役割を担う。最近、この過程の調節メカニズムが精巧に解明されている。EMTは、皮膚潰瘍、線維化脱毛症、および有棘細胞癌や黒色腫を含む悪性皮膚癌を治療するための新しい治療剤であり得る。
興味深いことに、出願者はまた、ICG−001によってCBPとカテニンの間の相互作用に拮抗することはERα受容体の再発現およびその後の抗エストロゲン、タモキシフェンへの感作を引き起こすことも明らかにした。これらの結果は、三重陰性乳癌にて、この戦略を臨床的に利用して強要された分化を介して乳癌性幹細胞集団を排除し、エストロゲン受容体の再発現を誘導し、それによって細胞をホルモン感受性にすることができたことを示唆している(Kahn、未発表)。
慢性骨髄性白血病(CML)
BCR−ABL拮抗剤、グリベック/イマチニブ(IM)で治療した慢性段階のCML患者にて今日までに達成された驚くべき臨床的成功にもかかわらず、進行した段階の患者における応答は長続きしないことが多く、患者は例外なく疾患の進行を被ることになる。さらに、IMに対する耐性が年間、患者の2〜4%で発生し、IMの用量の上昇は一般に疾患を制御するには十分ではない。BCR−ABLの低い発現による休止CML幹細胞のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対する非感受性および高いWnt/カテニン転写の特徴である核カテニンレベルの上昇に関連した薬剤耐性白血病細胞クローンの出現を含む、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)耐性に寄与する幾つかのメカニズムが提案されている。興味深いことに、多数のWntシグナル伝達に関連する遺伝子は、CMLで、特に疾患の進行にとともに上方調節される(53)。Wntシグナル伝達カスケードの負の調節因子のエピジェネティックなサイレンス化もCMLを含む白血病に伴うことが多い。最近、出願者は、イマチニブ耐性(IR)のCML集団が休止白血病幹細胞集団と一致する特徴を示し、特定の低分子阻害剤ICG−001がCBPとβおよびγ双方のカテニンとの相互作用を阻害することによって(9)、具体的には試験管内および生体内の双方でIR細胞の分化を誘導することを明らかにしている。具体的には、移植したヒトCMLの高度に免疫不全の(NOD/SCID/IL2rγ−/−)マウスモデルを用いて、出願者は、低分子ICG−001によってCBPとカテニンの間の相互作用を特異的に阻害することによって、薬剤耐性の白血病幹細胞を排除することができることを明らかにした。重要なことに、これは、正常な内因性の造血に対する有害効果なしで(すなわち、正常な造血幹細胞(HSC)を損傷せずに)実施することができる。1治療単位(白血病の移植後13〜41日目から28日間)のCBP/カテニンの拮抗剤とbcl−ablの拮抗剤で治療したマウスは、白血病が本質的に治癒し、白血病を移植しなかったその同腹仔と同じくらい長く生きる(およそ2年)。
本発明の特定の態様によれば、特異的なCBP/カテニンの拮抗剤は、正常な内因性の幹細胞集団に有害効果を及ぼすことなく、強要された分化を介してCSCを排除することができる。
線維症
最も一般的な特発性間質肺炎である特発性肺線維症(IPF)および通常型間質性肺炎(UIP)は、肺の破壊を招く過度の線維芽細胞の増殖および細胞外マトリクスのリモデリングを特徴とする破壊的な進行性疾患である。一様に致命的なこの疾患に対する有効な治療法は現在のところ存在しない。新たなパラダイムは、肺胞上皮細胞の損傷およびIPFの病態形成における無調節の修復についての中心的な役割を提案している。上皮に対する損傷は、線維芽細胞活性化とマトリクス沈着のカスケードを開始すると考えられ、素因のある宿主では、それらは正常な創傷治癒の経過におけるようには解決できない。上皮細胞は過度のアポトーシスを経るが、線維芽細胞はアポトーシスを受けいれにくく、高い生存を示す。ブレオマイシンが誘導する肺損傷のよく調べられたモデルを広範に用いて、肺線維症の病態形成に関与する考えられる経路を検討し、治療方法が探索されている。ヒト疾患の反復発生に関する一部の限定にもかかわらず、IPFで上方調節される多数の経路(たとえば、TGF−βおよびWnt/β−カテニン)はブレオマイシンに続いても上方調節される。BAT−galトランスジェニックマウスを利用して、出願者は、肺におけるWntシグナル伝達の異常な活性化が損傷後誘導されることを明らかにした。ブレオマイシンの鼻内投与は、BAT−galトランスジェニックマウスの気道および肺胞上皮にて顕著なlazZの発現を引き起したが、それは、Wnt/β−カテニン/CBPが作動させる転写の特異的阻害剤であるICG−001によって有意に低下した。ブレオマイシン処理はまた、線維症、ECM沈着およびEMTに特異的に関連する多数の遺伝子(たとえば、S100A4、MMP−7、CTGF、コラーゲンIおよびIII型、フィブロネクチンおよびTGF−β1)の発現を劇的に高めたが、それらの幾つかは既知のWnt/β−カテニンの標的遺伝子である。ICG−001による処理はこれらの遺伝子の発現を対照のレベルまで本質的に低下させた。最近の証拠はブレオマイシン処理の投与に続く線維症におけるEMTの有意な役割を示唆している。マウスにおける生体内でのブレオマイシンが誘導する線維症モデルおよびIPF患者に由来する試験管内での線維芽細胞の双方においてICG−001はS100A4/FSP−1の発現を有意に低下させた。S100A4/FSP−1は、気道のリモデリングによって特徴付けられる疾患の共通する経路を表し得るEMTの特徴であることが示唆されている。特定の態様によれば、METに関連するCBP/β−カテニンの拮抗を介したS100A4/FSP−1発現の低下。さらに、出願者はラットのII型肺上皮細胞を用いて試験管内で、ICG−001がEMTで通常上昇している遺伝子であるα−SMAおよびI型コラーゲンのTGF−β1が誘導する上方調節を妨げることを明らかにした。重要なことに、カテニンの活性化および核への移行のメカニズム(すなわち、WntまたはTGF−β1等)に関わりなく、ICG−001はEMTに関連する異常な転写性のCBP/カテニンの活性に選択的に拮抗することができる。生体内でのICG−001の予備処理は肺線維症の重症度を有意に低下させた。大いに異なって、同じ10日間でのデキサメタゾン(1日当たり1mg/kg)の投与は炎症性の細胞浸潤を有意に低下させたが、間質および肺胞の線維症に影響を及ぼさなかったということは、動物モデルまたは肺の線維増殖性疾患の患者における肺線維症を改善することができなかったコルチコステロイドの以前の報告に一致する。一層さらに重要なことに、ICG−001はマウスのモデルで確立された線維症を反転することができた(54)。
アルツハイマー病
アルツハイマー病(AD)は高齢者における認知症の最も一般的な形態である。AD患者は認知、学習および記憶において漸次の階層的な低下を示す。これらの症状は、小線維β−アミロイド(Aβ)ペプチドで構成される細胞外の老人斑、超リン酸化されたタウを含有する細胞内の神経原線維のもつれおよび神経変性の蓄積と相関している。これら一見したところ無関係な現象をADの進行と連鎖させるよう十分な尽力が向けられてきたが、これらは神経の恒常性と可塑性において一般的に根底にある欠陥の識別可能な発現であり得る。その変異が家族性アルツハイマー病(FAD)の早期発症に関連するプレセニリン−1(PS−1)は、β−カテニンを含むタンパク質のアルマジロファミリーのメンバーと相互作用することが示され、Wntシグナル伝達とADの病理の間で考えられる連鎖を提供している。
しかしながら、β−カテニンの安定性、TCF/β−カテニンのシグナル伝達に対するPS−1変異の効果、およびそれによるADにおける考えられる役割は議論の余地があるままである。出願者は、FADの変異PS−1(L286V)のPC−12細胞への導入がTCF/β−カテニンのシグナル伝達の上昇を引き起こし、神経突起伸長の阻害をもたらすことを示している。ICG−001によるこれら変異細胞の処理は、CBP/β−カテニンが介在する転写を特異的に阻害することによってこれらの細胞における神経分化における欠損および神経突起伸長を救い出す。重要なことに、神経発生の重要なマーカー(すなわち、GAP43)の発現は、未処理の細胞に比べてNGFが誘導する分化の間、ICG−001で処理した変異細胞にて劇的に上昇する。興味深いことに、EpB2の発現は、結腸直腸癌細胞と同様に、ICG−001によりCBPとカテニンの間の相互作用に拮抗することによって再び上昇する。CNSでは、EpB2の発現は軸索ガイダンスと関連する(16)。さらに、最近の研究は、EpB2発現の低下は、グルタミン酸作動性のシナプス欠損に寄与するADの疾患の進行に伴って低下することが見出される(上述の結腸直腸癌に類似する状況)ことを示した。ADのマウスモデルでは、EpB2の発現を高めることは、記憶強化に有益な効果を有した(55)。当初の生体内での研究では、出願者は、変異体APP(695)(スウェーデン(K670N,M671L)、フロリダ(I716V)およびロンドン(V717I))およびPS−1(M146LとL286V)の変異を過剰発現する5種トランスジェニックマウスをICG−001で2ヵ月間(2〜4ヵ月目)処置した。これらのマウスは通常、6週齢で開始してAβの大量の脳での沈着を発生させる。ICG−001処理群(50mg/kg/日で3匹)では、免疫組織化学で判定すると生理食塩水で処理した対照に比べてアミロイド斑形成で有意な低下があった(図7)。
これらの高度に分岐した疾患モデルにおけるCBP/カテニンの相互作用に拮抗することおよび我々が論じていない他(心筋梗塞後、多発性硬化症等を含む)の有効性は非常に心躍るものである。しかしながら、それは、1つの化合物がそのように高度に分岐した組織/臓器および疾患のモデルで有益な治療効果を有し得ることが可能なのだろうかという疑問を提起する。同様に重要なことには、CBP/カテニンの拮抗剤は、複数の種における前臨床評価にて非常に安全であることが判明し、正常な内因性の幹細胞集団に対して明らかな有害効果を有さなかった。
体性および癌性幹細胞における対称分裂と非対称分裂
部分的には上述の結果に基づいて、癌性幹細胞と正常な体性幹細胞に対するCBP/カテニンの拮抗剤の差次的効果(すなわち、強要された分化および排除と明らかな欠失のない分化が高める修復)は、明らかに細胞固有のことであり、CSCと正常な体性幹細胞のCBP/カテニンの拮抗剤による選択的ターゲティングのせいではないという考えが出願者に浮かんだ。特定の態様によれば、従って、出願者は、CBP/カテニンの拮抗剤が癌性幹細胞の固有の特性を利用し、種々の変異(たとえば、p53、PTEN)に起因して非対称分裂を犠牲にして対称分裂の数を増やすが、正常な内因性の幹細胞は優先的に非対称に分裂し、嬢細胞の一方は適所にとどまり、他方は修復過程を含む新しい組織を生成するのに必要とされる一時的な細胞増幅に進むという仮説を立てた。興味深いことに、対称分裂が複製であるかどうか(すなわち、潜在力の同じレベルを維持する)、またはそれらは分化の対称分裂であるかどうか(すなわち、双方の細胞が潜在性ではない状態に進む)の選択はそれぞれ、CSC集団と非CSC幹細胞集団に相関すると思われる。
特定の態様によれば、CBP/カテニンの拮抗剤(たとえば、ICG−001および本明細書で開示されるような他のCBP/カテニンの拮抗剤)は、腫瘍の幹細胞集団で分化的対称分裂を強要し、それによって最終的に腫瘍幹細胞をその適所から欠失させる。際立って対照的に、特定の態様によれば、正常の体性幹細胞の場合、CBP/カテニンの拮抗剤は非対称分裂を可能にし、休止体性幹細胞が修復を増やすのに活性化される必要がある場合、CBP/カテニンの拮抗剤はこの過程を増強するまたは加速することができる(図8、上半分)。この仮説は移植した白血病幹細胞を用いて容易には調べられないので、出願者は、対称細胞分裂と非対称細胞分裂を調べるのに以前利用されている例となる神経新生モデルを調べた。
出願者の低分子Wnt調節因子の胎盤バリアを介した容易な取り込みと浸透を利用して、出願者は、マウスの胎児発生の間に、脳の脳室帯(VZ)における対称分裂と非対称分裂を調べる一連の実験を設計した。時間の分かっている妊娠マウスを種々の時間(1〜3日間)にて、DMSO(ビヒクル対照)、CBP/カテニンの拮抗剤ICG−001またはp300/カテニンの拮抗剤IQ−1で局所的に処置した。以前記載されたプロトコール(56)を用いて、極性関連タンパク質3(Par3)およびDNAの局在をVZにおける有糸分裂細胞で調べた。Par3は対称性に分裂する細胞では対称性に分布し、非対称性に分裂する細胞では非対称性に分布するが、DNAは2種の細胞間で対称性に分布する。蛍光顕微鏡を用いて、対称性にまたは非対称性に分裂している有糸分裂細胞の比率を定量することができた。たとえば、発生の神経新生の間(E13.5〜14.5)DMSOで1日処理した後、出願者は、VZにおける分裂のおよそ21%が非対称性であることを見出した。ICG−001によるCBP/カテニンの相互作用の拮抗は、明らかな効果を有さず、同様におよそ21%の非対称分裂が得られた。際立って対照的に、p300/カテニンの拮抗剤IQ−1による処置、それによってCBP/カテニンの相互作用を高めることにより、非対称分裂の数をおよそ9%に有意に減らした。重要なことに、IQ−1で処理した際のこの非対称分裂の低下は、2倍過剰のICG−001によって対照のレベル(すなわち、約21%)に本質的に戻すことができた。対称分裂と非対称分裂における一層さらなる分岐が、長期の処置の際、見ることができた。たとえば、IQ−1(すなわち、p300/カテニンの相互作用に拮抗してCBPの利用の増加をもたらす)による処置は、対照に比べて非対称分裂を31%から7%に減らした。興味深いことに、正常な神経幹細胞におけるIQ−1によるp300/カテニンの拮抗によって誘導された対称分裂の増加は、VZを犠牲にして脳室下帯(SVZ)での増加によって、およびトランスジェニックTis21レポーターマウスとニューロゲニン2(末端有糸分裂のマーカー)陽性細胞の数によって判定されるような神経新生分化分裂の数によって判定して、対称分化分裂の数の増加を生じた。このレポーターマウスは、神経新生分化分裂を受けた細胞にてTis21プロモータにより推進されるEGFPを発現する。
対称分化分裂でのこの増加は、試験管内でIQ−1がmES細胞および心外膜前駆細胞の双方で対称性の非分化分裂の数を増やすこと(24,57)を考えると初めは驚きだった。後から考えると、このことは、マウスのノックアウトモデルで以前観察された差異(たとえば、LSCに対するHSC集団におけるPTEN)(58)およびそれらはどのように正常な幹細胞集団に影響を及ぼすのか、すなわち、多分対称性の分化分裂の増加による未成熟の枯渇および対称性の非分化分裂のために増加する形質転換した腫瘍幹細胞に対する幹細胞集団の排除に完全に一致する。
CSCと正常な体性幹細胞における対称性複製と対称性分化分裂の分岐についての論理的根拠
上述のデータは、p300/カテニンの転写を犠牲にしたCBP/カテニンの転写の増加が、非対称分裂を犠牲にして対称分裂の数を増やすことを明らかに実証している(試験管内および生体内の双方で)。しかしながら、分化的にまたは非分化的に対称分裂する決定には、細胞にとって固有のおよび外来性の双方の他の追加の情報が関与する。さらに、正常の体性幹細胞では、生体内で対称分裂を強要する試みは、複製、非分化的分裂の数の増加、従って幹細胞プールの増加を優先的に導かないことが多く、むしろ高い対称性の分化的分裂を導き、それによって体性幹細胞集団の未成熟枯渇を招くと思われる。この所見について考えられる論理的根拠はCairnsによって35年を超えて以前に記載された「不死鎖仮説」に戻る。(59)簡単に述べると、幹細胞は有糸分裂を受ける際、元々のコピーされていないDNA鎖を保持し、最終分化に向かっての途をたどり続ける嬢細胞に複数のコピー誤差を含有する複製された鎖を渡そうとする。このようにして、生物の生涯にわたって保持される、適所で長く生きた幹細胞集団のDNA変異の総数は、最少化される。これは、特に高齢の生物における幹細胞集団を保護するための固有の防御メカニズムであり、組織および臓器系の維持および修復の長期の忠実性を可能にすると思われる。際立って対照的に、形質転換した幹細胞は、固有のまたは獲得した変異(たとえば、p53、PTEN、KRAS等)の組み合わせを介してこの本来の安全機能を乗り越え、対称性の非分化的分裂を優先的に経て、それによってDNA変異を運ぶ細胞を伴った幹細胞プールを増やし、それによって時間を経て、ゲノムの安定性および修復と維持の忠実性を低下させる。
しかしながら、正常な組織の幹細胞の対称性の複製分裂に対するこの本来の保護メカニズムは決して絶対確実なものではなく、たとえば、固有のまたは獲得した遺伝的変異、種々の損傷(放射線、感染、食事環境異物等)、慢性の炎症等のような複数の力によって覆されるかも知れず、それによって加齢とともに多数の体性幹細胞集団にて幹細胞の数の増加が認められるようになる。さらに最近、複製と分化(すなわち、潜在力のレベルを維持するまたは潜在力のレベルを低下させる)のための決定過程/点も反転可能であり;人工多能性幹細胞(iPS)、ならびに細胞の形質転換/不死化のもっと以前の研究がこれを最も明瞭に実証している。この可塑性は癌性幹細胞の起源に関する仮説において考慮される必要があり、すなわち、CSCは正常な体性幹細胞自体に対する変異に由来するのか;または変異は前駆細胞をさらに「幹細胞様」の状態に再プログラムするさらに分化した(一時的に増幅する)前駆細胞で生じるのかということである。これらは相互に排他的ではなく、標的CSCへの治療戦略という点では、本質的に単に意味論的な議論にすぎない。
対称性と非対称性および加齢
本発明の特定の態様によれば、我々が加齢するにつれて、我々の生体の恒常性および修復過程の忠実性および効率は低下していく。原則としてこのことは恒常性および修復を作動させるのに必要とされる組織幹細胞集団の減少により得るが、特定の態様によれば、組織幹細胞集団(HSC、皮膚/毛髪等)の減少よりはむしろ、体性幹細胞の数の増加がある。しかしながら、さらなる態様によれば、恒常性および修復の間に再生プールとして役立つこれら幹細胞の「有効性」は加齢とともに低下する。興味深いことに、早期老化および損傷(すなわち、線維症の増加)後の修復の有効性の低下の幾つかのマウスモデルはWntシグナル伝達の上昇を示している(60〜62)。
特定の態様によれば、出願者は、恒常性過程における有効性の低下を伴った幹細胞プールのこの増加を、幹細胞集団(たとえば、体性幹細胞集団)における非対称分裂を犠牲にした対称複製分裂の数の増加から生じると解釈している。さらなる態様によれば、これは加齢に伴う、p300/カテニンの相互作用/転写を犠牲にしたCBP/カテニンの相互作用/転写の上昇から生じる。これはまた、癌、線維症または神経変性を発症するリスクが50歳以降加齢とともに有意に上昇することを示す疫学的データに一致する。特定の態様によれば、幹細胞の対称性と非対称性の分裂における加齢に伴うこの上昇は、遺伝、種々の損傷(感染、環境異物、汚染物質等)、食事/カロリーの摂取/代謝、放射線(UV、X線)を含む種々の因子によって生じ、および/または影響され、組み合わせによってCBP/カテニンおよびp300/カテニンが作動させる転写の間での平衡を偏らせ、CBP/カテニンが作動させる過程の増加および影響を受けた幹細胞集団における対称性と非対称性の分裂の増加をもたらす(図9)。
特定の態様によれば、従って、選択的小分子のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤はこの偏向を正す実質的な有用性を有し、それによって非対称性と対称性の分裂のさらに最適な(若々しい)均衡を提供し;すなわち、幹細胞集団(たとえば、体性幹細胞)にて対称分裂を犠牲にして非対称複製分裂の数の増加を提供し、その際、加齢または加齢の疾患/状態または少なくともその1つの症状を治療する方法が提供される。
特定の態様によれば、小分子のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は加齢過程および/またはその兆候を改善する実質的な有用性を有する。
特定の態様によれば、小分子のCBP/カテニンの拮抗剤は加齢の一般の疾患および状態(たとえば、癌、線維症、神経変性、脱毛、皮膚/組織の変性/分解等)に対する予防法を提供する実質的な有用性を有する。
潜在力を保持するまたは分化を開始する細胞にとっての最終的な決定は、様々な増殖因子、サイトカインおよびホルモンの活性化、様々なシグナル伝達複合体およびキナーゼカスケードのその後の活性化、栄養レベル、酸素レベル、遺伝的変異、基底層への接着等を含む多数の情報に左右される。最終的に、これら複数の経路は統合され、単純な決定点、すなわち、0/1二分決定に帰結されなければならない。特定の態様によれば、CBPが介在するおよびp300が介在するカテニンの転写の間の平衡はこれらシグナルを統合する上で中心的な役割を担う。
特定の態様によれば、癌は、多数の病因的に異なる疾患(すなわち、乳癌は結腸癌とは異なり、白血病とは異なる等)ではなく、カテニン/CBPとカテニン/p300の間、すなわち、潜在力の維持と分化の開始の間、或いは対称分裂と非対称分裂の間での根底にある平衡の異常な調節を導き得る多数の変異(その一部は組織特異的であり得る)(たとえば、bcr/abl、K−Ras、Her2等)の多数の組み合わせに関連する、組織特異的な幹細胞の異常を表す。
我々は、幹細胞/前駆細胞の集団で差次的なカテニンコアクチベーター(すなわち、カテニン/CBPとカテニン/p300)の均衡を薬理学的にどのように操作するのかを知ってはいるが、我々は、細胞が環境から膨大で複雑な情報(たとえば、酸素レベル、栄養レベル、明暗、すなわち、日周サイクル、増殖因子、接着分子、細胞/細胞の接触等)をどのように読み取って最終的な0/1二分決定に到達するのかを理解し始めたばかりである。
特定の態様によれば、図10はCBP/カテニン相互作用とp300/カテニン相互作用の均衡を制御することを介して対称分裂と非対称分裂に対して二分決定を判定することにおいて主な役割を担う種々のキナーゼカスケードを介した情報の「集集」についての出願者のモデルを示す。タンパク質/タンパク質相互作用を調節するキナーゼカスケードの迅速で(ホスファターゼを介した)可逆的な能力は、この重要な二分スイッチを調節する非常に用途の広い、簡易なメカニズムを提供する。興味深いことに、CBPとp300の最初の111アミノ酸残基の中に、20のセリンおよびスレオニンの残基がある。このことは、翻訳後修飾(たとえば、リジンのアセチル化)および差次的なエピジェネティックな修飾因子の動員についての追加の点と併せて、対称分裂と非対称分裂、および自己複製または分化に関連する重要な発現カセットを調節するのに必要とされる微調整に対して十分な機会を提供する。
これらの研究は、様々な深刻な疾患(たとえば、AD、パーキンソン病、MS、肺高血圧症等)におけるこの重要なスイッチの役割を評価するおよび小分子のCBP/カテニンの拮抗剤で薬理学的に介入する前臨床モデル並びにメタボリックシンドロームや加齢のようなさらなる遺伝性の健康問題と併せて、治療の新しい方法を提供する。
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II.脱毛を治療すること、たとえば、発毛および/または再発毛を促進することおよび/または脱毛(および毛髪色素形成の喪失)を防ぐまたは遅らせること
本発明の特定の態様は、発毛および/または再発毛を促進することおよび/または脱毛(たとえば、加齢対象にて)(および毛髪色素形成の喪失)を防ぐまたは遅らせることにおいて使用するためのCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤を含む組成物を提供する。
特定の態様によれば、脱毛を治療すること、たとえば、発毛および/または再発毛を促進することおよび/または脱毛(および毛髪色素形成の喪失)を防ぐまたは遅らせることは、関連する幹細胞集団(たとえば、毛包幹細胞)にて対称分裂を犠牲にして対称複製分裂の数を増やすのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤を、それが必要な対象に投与する(たとえば、局所でまたは他で)ことを含み、脱毛を治療する(たとえば、脱毛を防ぐおよび/または発毛を促進する;(たとえば、加齢対象にて)(および毛髪色素形成の喪失))方法が提供される。
皮膚は生体における最大の臓器である。それは外部環境からの病原体や損傷から動物を保護する。それは、熱や冷気、接触や圧力、および種々の環境変化に反応する神経末端を含有する。それは、体温を調節し、体液を制御するのを助け、液体や水の重要な保存の中心であり、ビタミンDのような分子の合成に重要である。上で言及した生理的機能すべてを超えて、皮膚および毛髪は自己像および自尊心に重要である。
毛周期
ThompsonおよびSisk(全体が参照によって組み入れられるCell Cycle 5:17, 1913−1917, 2006)で手短に概説されたように毛周期は、毛包成長(成長期)、その後の退行(退行期)および休止(休止期)の時期に分けられる。退行期では、毛包の下半分がアポトーシスによって完全に破壊される。休止期に続いて、毛包幹細胞が増殖するように誘導されると毛包の成長期が再開し、その子孫が移動し、毛球を構成する細胞種に分化する。毛包再生について最も広く受け入れられているモデルであるバルジ活性化仮説は、毛包の下部の退行が皮膚乳頭(DP)の間葉細胞を幹細胞適所(バルジ)の近傍にもたらし、DPからの拡散性のシグナルが休止幹細胞に達するのを可能にすると記述している。ソニックヘッジホッグ、WntおよびTGF−βファミリーメンバーを含む多数のシグナル伝達経路が毛包の再生に関連付けられている。
Wntシグナル伝達
Wntシグナル伝達は、当該技術で広く理解されているように(多分幹細胞が介在する過程を介して)毛包循環に関連付けられている。無毛(Hr、以前はhr)遺伝子変異は毛周期を解析するのに特に有用であり、これらのマウスでは最初の被毛の成長は正常であるが、いったん被毛が脱落し、毛包が退行すると、毛包は再生できず、脱毛は永続的になる。ThompsonおよびSisk(同上)は、無毛タンパク質(HR)(核受容体コリプレッサー)が毛周期の間、Wntシグナル伝達を制御する遺伝子発現を調節し、特にHRがWntシグナル伝達の阻害因子であるWiseの発現を抑制し、毛周期に必要とされるWntシグナル伝達のタイミングの制御で役割を担うので、Wntシグナル伝達を促進することによってHRが正しい毛包再生を調節するモデルを支持すると要約している。このモデルに一致して、Beaudoinら(全体が参照によって組み入れられるPNAS 102:14653−14658, 2005)は、前駆角化細胞におけるHRのトランスジェニック発現がHr−/−マウスにおける毛包再生を救済し、毛包の再生に一致してこれらの細胞でWiseがHRによって抑制され、それによってHRが毛包再生に必要とされるWntシグナル伝達の正確なタイミングを調節するモデルでHRとWntの機能を結びつけることを示している。さらに、Lyubimovaら(全体が参照によって組み入れられるThe Journal of Clinical Investigation 120:446−456, 2010)は、マウスの皮膚におけるN−WASPの欠損は重篤な脱毛症を招くことを示し、さらに、N−WASPとWntシグナル伝達の間の関連性を示し、N−WASPが、毛包前駆細胞の分化を調節する、β−カテニン依存性の転写の正の調節因子として作用することを提案している。
正確なメカニズムは未知である
しかしながら、発毛が再開する正確なメカニズムは完全には理解されておらず、複数のシグナル伝達経路が関与する可能性が高い。たとえば、Botchkarevaら(全体が参照によって組み入れられるJournal of Investigative Dermatology doi:10.1038/sj.jid.5700537, 2006;)は、ヒトの成長期毛包の毛母体および外毛根鞘の増殖している角化細胞にてサバイビンが発現され、その発現は退行期の進行とともに低下し、成長期毛包におけるサバイビンの発現はWnt/β−カテニンのシグナル伝達によって制御され、サバイビンの二重機能(増殖を促進し、アポトーシスを妨げる)がHFの周期的挙動を制御する繊細な増殖/アポトーシスの均衡の制御に関与し得る証拠を提供している。Botchkarevaらは、試験管内での微小切開した毛包モデルにて、β−カテニン拮抗剤のICG−001がサバイビンの発現を低下させ、毛髪繊維の伸長も用量依存性に有意に抑えることを示した。
従って、当該技術で十分に理解されているように、Wnt/β−カテニンのシグナル伝達は、発毛および毛包の再循環に必要とされると思われ、Wnt/β−カテニンのシグナル伝達の阻害は、発毛および毛包の再循環を阻害することが示されている。
本発明の特定の態様は驚くべきことに、発毛および/または再発毛を刺激し、および/または脱毛を防ぐ方法を提供し、その方法は、発毛および/または再発毛を刺激し、および/または脱毛を防ぐのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤をそれが必要な対象に投与することを含む。特定の実施形態では、CBP/カテニンの拮抗剤は、皮膚細胞(たとえば、皮膚乳頭細胞)におけるアデノシン受容体の発現を調節するまたは高めるのに十分な量で存在する。特定の態様では、アデノシン受容体はA1、A2AおよびA2B(たとえば、A1および/またはA2)から選択される少なくとも1つである。
方法の特定の実施形態では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、皮膚乳頭細胞にてスルホニルウレア受容体2Bの発現を調節するまたは高めるのに十分な量で存在する。
方法の特定の実施形態では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、表1または本明細書で開示されるその他によって包含される化合物の群から選択される少なくとも1つである。特定の態様では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、表1または本明細書で開示されるその他によって包含される化合物の群から選択される少なくとも1つである。特定の実施形態では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、その活性のあるアルキルおよび/または脂肪酸エステルの誘導体を含む。特定の実施形態では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、ICG−001またはその活性のあるアルキルおよび/または脂肪酸エステルの誘導体を含む。
方法の特定の態様では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の投与は局所投与(例えば、100μMから2mMの間の濃度で)を含む。
方法の特定の態様は、少なくとも1つの他の発毛刺激剤または脱毛予防剤の同時投与またはそれによる補助治療を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの他の発毛刺激剤は、ミノキシジル、フィナステリド、ドタステリド、ビマトプロスト、およびフルリジルを含む抗アンドロゲン受容体遮断剤から成る群から選択される。
方法の特定の実施形態は、少なくとも1つの抗炎症剤の同時投与またはそれによる補助治療を含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの抗炎症剤は、短時間作用型のβ2作動薬、長時間作用型のβ2作動薬、抗コリン作動性薬、コルチコステロイド、全身性コルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン、β2作動薬、アルブテロール、レバルブテロール、ピルブテロール、アートフォルモテロール、フォルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作動性薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド;モンテルカスト、ザフィルカストおよびジレウトンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定化剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン;イプラトロピウムとアルブテロール、フルチカゾンとサルメテロール、グルココルチコイドステロイド、ブデソニドとフォルモテロールを含む併用薬;ヒドロキシジン、ジフェニルドラミン、ロラタジン、セチリジンおよびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン剤;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節剤;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノラテモフェチル;並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される。
追加の態様は、皮膚細胞(たとえば、皮膚乳頭細胞)にてアデノシン受容体の発現を高める方法を提供し、その方法は、皮膚細胞(たとえば、皮膚乳頭細胞)にてアデノシン受容体の発現を高めるのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤をそれが必要な対象に投与することを含む。特定の態様では、アデノシン受容体はA1、A2AおよびA2Bから選択される少なくとも1つのものである。特定の実施形態では、CBP/β−カテニンの拮抗剤は、皮膚乳頭細胞にてスルホニルウレア受容体2Bの発現を調節するまたは高めるのに十分な量で存在する。
特定の態様によれば、p300/カテニンの転写を高め、それによって皮膚/毛包の幹細胞分化を促進する(たとえば、対称性の幹細胞分裂に対して非対称分裂を刺激する)ことによって本質的にWnt/カテニンの調節因子/調整因子である、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、たとえば、皮膚の治癒を加速すること、皮膚の加齢を遅らせることおよび驚くべきことに、発毛および/または再発毛を促進することおよび/または脱毛若しくは色素形成の喪失を防ぐことのような広い範囲の有益な効果を示す。
特定の態様によれば、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、ヒトの内因性の幹細胞および/または周辺細胞の機能を調節することによって機能し(たとえば、修復皮膚を増やしおよび/または発毛を刺激し)、有効な用量レベル極めて安全であり、これは多数の皮膚/毛髪の状態は長期の投与を必要とし得るので、重要な考慮事項である。
現在開示されている発毛および/または再発毛の刺激は、本明細書の上記で要約されたように毛包循環および発毛へのWntシグナル伝達(β−カテニンが介在するシグナル伝達)に対する当該技術において認められている要件のために、おどろくべきである。それは発毛を「調節する」ことに関連付けられているCBP/β−カテニンの拮抗剤は、実際には、毛包循環および発毛を阻害することによって発毛を阻害することにより発毛を調節するであろうことを示す。従って、発毛および/または再増殖を刺激する(および/または色素形成の喪失を防ぐ)現在請求される方法は、それとは反対の広く当該技術において認められている定説を考えると予期されないものである。
出願者は予想外に、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤(ICG−001)によって白血病のマウスモデルを治療する過程で現在請求されている活性を発見したが(以下の実用的実施例1を参照)、そこでは(ミニポンプの挿入のために)マウスを剃毛して2週間以内に、ICG−001を投与された動物は被毛を再生させるが、対照は(放射線および化学療法のために)そうしないことが認められた。このことによって本出願者は発毛に関してCBP/β−カテニンの拮抗剤の追加の考えられる作用を検討するよう導かれた。
特に、実施例4にて本明細書で開示されるように出願者は、遺伝子発現アレイ実験を行ない、それはCBP/カテニンの拮抗剤(ICG−001)による培養細胞の処理がアデノシン受容体(たとえば、結腸上皮アデノシン受容体A2B(ADORA2B)の発現を劇的に高める(約10倍)ことを示した。
さらに、出願者は(全体が参照によって組み入れられるLi et al., Journal of Investigative Dermatology 117:1594−1600, 2001を参照)、ミノキシジルまたはアデノシンによる細胞内カルシウムのレベルの上昇の有意な阻害が、アデノシンA1受容体の拮抗剤である8−シクロペンチル−1,3−ジプロピルキサンチンによる事前処理の結果として認められたが、アデノシンA2受容体の拮抗剤である3,7−ジメチル−1−プロパルギル−キサンチンでは認められないことについて知っていた。さらに、しかしながら、Liら(同上)は、皮膚乳頭細胞(DPC)にて、アデノシンが介在する細胞内Caの上昇(ほとんどA1に関連する)およびアデノシンが介在するVEGFの産生(A1およびA2双方が関連する)の双方がミノキシジル誘導の発毛に重要であることを示している。従って、DPCは複数のアデノシン依存性の経路を有し、この点で、出願者は上方調節されたA2は発毛を助けることが期待されると推論した。従って、出願者は、メカニズムによって束縛されることなく、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤が、たとえば、DPCにおけるアデノシン受容体の発現を調節することによって発毛を刺激し得ると考えた。さらに、出願者は、VEGFはWntが調節する標的でもあり、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤によって上昇することが出願者によっても知られると推論した。
特定の態様によれば、発毛および/または再増殖および/または脱毛の予防または緩和に対して有用性を有するCBP/β−カテニンの拮抗剤は、本明細書の以下の表1の特許および特許出願に記載され、開示されるCBP/カテニンの拮抗剤である。
発毛刺激:併用療法
上記で論じたように、ロゲインの有効成分であるミノキシジルの活性は皮膚乳頭細胞にてアデノシン受容体を介してもたらされる。幾つかのアデノシン受容体は皮膚乳頭細胞で発現される(A1、A2AおよびA2B)(Li M., et al., J. Invest. Dermatol. 117, 1594−1600, 2001)。
遺伝子発現アレイ実験では、出願者は本明細書で、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤(たとえば、ICG−001)による培養細胞の処理が、アデノシン受容体、たとえば、結腸上皮アデノシン受容体A2B(ADORA2B)の発現を劇的に(約10倍)高めることを明らかにした。
従って、特定の実施形態によれば、他の毛髪刺激剤(たとえば、ミノキシジル)と共にCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤を投与することは、頭皮を、たとえば、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤で局所的に治療して、たとえば、アデノシン受容体の発現および/またはミノキシジルが作用する分子標的であると考えられているスルホニルウレア受容体2Bの調節を高めると、発毛および/または再発毛において強い相加的なまたは相乗的な効果を提供する。特定の態様においては、本明細書で開示されるCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は100uMから2mMの濃度で使用され(ised)、ミノキシジルは標準的な市販の溶液(たとえば、5%溶液)として/で使用される(ised)。
治療の方法
一般に、本出願の目的では、用語「治療すること」は、疾患、障害または状態またはその1以上の症状の進行を反転する、緩和する、抑制する、またはそれを予防することを指し、または含み、「治療」および「治療上」は本明細書で定義されるような治療することの行為を指す。
「治療上有効な量」は、疾患、障害または状態またはその1以上の症状の進行を反転する、緩和する、抑制する、またはそれを予防するのに十分である、本明細書で提供される本発明を実践する過程で利用される化合物の量である。
化粧応用および/または治療応用および投与
特に例となる実施形態では、本発明のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、治療組成物が発毛および/または再発毛を刺激し、および/または脱毛を防ぐように化粧組成物および/または治療組成物単独として、または別の化粧剤および/または治療剤と併用して機能し得る。本発明の組成物はそれを必要とする対象に投与することができる組成物を含む。本明細書で使用されるとき、「対象」は生物、好ましくは動物、さらに好ましくは哺乳類、一層さらに好ましくはヒトを指し得る。
特定の実施形態では、組成物製剤は、担体、補助剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、香料および結合剤から成る群から選択される少なくとも1つの添加剤も含み得る。
一般に本明細書で使用されるとき、「薬剤的に許容できる担体」および「担体」は一般に非毒性で不活性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意のタイプ(たとえば、クリーム、およびローション、エマルジョン、ゼリー、デポー製剤)の製剤化補助剤を指す。薬剤的に許容できる担体として役立ち得る物質の非限定例の一部は、たとえば、ラクトース、グルコースおよびスクロースのような糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプンのようなデンプン;セルロース、およびナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースのようなその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座薬ワックスのような賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張の生理食塩水;リンガー液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液であり、ならびにたとえば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムのような他の非毒性で相溶性の滑沢剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤および香料、保存剤および抗酸化剤も、調製者の判断に従って、組成物に存在し得る。
本明細書で記載される薬剤的に許容できる担体、たとえば、ビヒクル、補助剤、賦形剤、または希釈剤は当業者に周知である。通常、薬剤的に許容できる担体は治療剤に対して化学的に不活性であり、使用の条件下では有害な副作用または毒性を有さない。薬剤的に許容できる担体は、ポリマーおよびポリマーマトリクス、ナノ粒子、微小気泡等を含むことができる。
本発明の治療用のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤に加えて、治療組成物はさらに、たとえば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような追加の溶媒、安定化剤および乳化剤のような不活性の希釈剤を含み得る。
投与経路
特定の対象に対する最も好適な投与の手段は、治療される疾患または状態の性質および重症度、または使用される治療の性質、ならびに治療組成物若しくは追加の治療剤の性質に左右される。特定の実施形態では、経口または局所の投与が好まれる。
好ましくは、局所投与が使用される。特定の態様では、皮下投与、全身性、静脈注射または経口等が使用される。
経口投与に好適な製剤は、たとえば、それぞれ所定の量の活性化合物を含有する錠剤、カプセル、カシェ、シロップ、エリキシル、チューインガム、「ロリポップ」型製剤、微小エマルジョン、溶液、懸濁液、トローチ剤、またはゲルを被覆したアンプルのような個別の単位として;粉末または顆粒として;水性または非水性の液体における溶液または懸濁液として;または水中油または油中水のエマルジョンとして提供され得る。
本明細書の実施例で示すように、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤がマウスモデルで試験され、傷害後の皮膚治癒の加速および発毛の促進を実証した。
III.化粧目的を含む皮膚に関連する疾患または状態を治療すること
本発明の特定の態様は、化粧目的(たとえば、加齢対象)を含む皮膚に関連する疾患または状態を治療するのに使用するためのCBP/β−カテニンの拮抗剤を含む組成物を提供する。皮膚に関連する疾患には、創傷、座瘡、日焼け、今のところ治癒法がない特定の皮膚疾患(たとえば、上皮または粘膜組織の潜在的ウイルス感染(たとえば、HSV、HPV))、潰瘍(たとえば、糖尿病)、火傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、および加齢の影響(たとえば、皺、色素過剰、乾燥、赤み、亀裂、酒さ、堅さ、弾性、厚さ、外観)を含むが、これらに限定されない皮膚構造で生じる障害が挙げられる。化粧用途には改善が挙げられ、予防機能は皮膚および毛髪の構造の双方で生じる。
特定の態様によれば、皮膚に関連する疾患または状態を治療することは、関連する幹細胞集団にて対称分裂を犠牲にして対称複製分裂の数を増やすのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤をそれが必要な対象に投与する(たとえば、局所的にまたは他で)ことを含み、皮膚に関連する疾患または状態を治療する方法が提供される。
皮膚は生体における最大の臓器である。それは外部環境からの病原体や損傷から動物を保護する。それは、熱や冷気、接触や圧力、および種々の環境変化に反応する神経末端を含有する。それは、体温を調節し、体液を制御するのを助け、液体や水の重要な保存センターであり、ビタミンDのような分子の合成に重要である。上で言及した生理的機能すべてを超えて、皮膚および毛髪は自己像および自尊心に重要である。
外表皮の健康および外観、ならびに下にある真皮組織および他の組織を改善するために、皮膚のケア(創傷、潰瘍および火傷のケア、座瘡、アトピー性皮膚炎、乾癬、脱毛症、および加齢の影響の治療を含む)は望ましい。傷害により誘発された(たとえば、切断、摩擦(外傷からのまたはレーザーが介在する皮膚剥離)、水疱等)、または外科的に誘発された(たとえば、外科的切開、アストミー等)創傷、潰瘍および火傷、冒された領域を治療し、さらなる皮膚の被害を防ぐ限局性の治療を必要とする。
現在、創傷、潰瘍、火傷および皮膚疾患のための薬物のほとんどは症状の緩和に焦点が置かれ、問題の原因を標的とするものはほとんどないので、当初皮膚幹細胞の非対称分裂を必要とする治癒過程の速度は上がらない。類似の状況が皮膚の改善および発毛の双方に存在する。従って、皮膚のケア並びに創傷、潰瘍、火傷および皮膚疾患の治癒のための新規の治療法および組成物が必要である。
本明細書で開示されるように、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤を用いて皮膚幹細胞の分化を促進することができ、それは、たとえば、皮膚の治癒を加速させ、皮膚の加齢を遅らせることのような広い範囲の有益な効果を示す。
CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、ヒトの内因性の幹細胞および/または周辺細胞の機能を調節することによって機能する。動物の毒性試験に基づいて、および当該技術で認識されるように、これらの化合物は有効な用量レベルで極めて安全である。多数の皮膚/毛髪の状態が長期の投与を必要とし得るので、大きな安全性の範囲は内科医および患者にとって同様に非常に好ましい。特定の態様によれば、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、潜在的ウイルス感染(たとえば、HSV、HPV)を含むが、これらに限定されない今のところ治癒法がない特定の皮膚疾患、潰瘍(糖尿病およびその他)、火傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、光線性角化症、脱毛症等の治療を提供する。
特定の態様は、皮膚の状態または疾患またはその少なくとも1つの症状を治療する方法を提供し、その方法は、皮膚の状態または疾患またはその少なくとも1つの症状を治療するのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤をそれが必要な対象に投与することを含む。特定の態様では、皮膚の状態または疾患は、創傷、瘢痕、座瘡、日焼け、潜在的ウイルス感染(たとえば、HSV、HPV)の治療、糖尿病性潰瘍を含む潰瘍、火傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、および皺、色素過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、堅さの喪失、弾性の喪失、および活気の喪失を含む加齢の影響から成る群から選択される少なくとも1つの状態または疾患を治療することを含む。
方法の特定の実施形態では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、表1または本明細書で開示されるその他によって包含される化合物およびその塩から成る群から選択される少なくとも1つのものである。ある特定の態様では、CBP/β−カテニンの拮抗剤は本明細書で開示されるようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の実施形態では、CBP/β−カテニンの拮抗剤はICG−001または本明細書で開示されるようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。
好ましくは、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の投与は局所投与を含む。
方法の特定の態様は、少なくとも1つの他の治療剤の同時投与またはそれによる補助投与を含む(たとえば、抗炎症剤で同時にまたは補助的に対象を治療する)。特定の態様では、抗炎症剤はステロイドまたはグルココルチコイドステロイドを含む。特定の実施形態では、少なくとも1つの抗炎症剤は、短時間作用型のβ作動薬、長時間作用型のβ作動薬、抗コリン作動性薬、コルチコステロイド、全身性コルチコステロイド、肥満細胞安定化剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン、β作動薬、アルブテロール、レバルブテロール、ピルブテロール、アートフォルモテロール、フォルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作動性薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド;モンテルカスト、ザフィルカストおよびジレウトンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定化剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン;イプラトロピウムとアルブテロール、フルチカゾンとサルメテロール、グルココルチコイドステロイド、ブデソニドとフォルモテロールを含む併用薬;ヒドロキシジン、ジフェニルドラミン、ロラタジン、セチリジンおよびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン剤;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節剤;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノラテモフェチル;並びにそれらの組み合わせから成る群から選択される。
抗ウイルス剤(HSV)の併用には、ヌクレオシド類似体(たとえば、アシクロビルまたはHSVドコサノール(アブレバの有効成分)が含まれ得る。
特定の態様では、追加の治療剤1つは、抗菌剤、抗真菌剤、および抗生剤から成る群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、シクロスポリン、ヒアルロン酸、カルメロース、マクロゴール、デキストランおよびヒプロロース、ナトリウムおよびカリウム、ナトリウムおよびポビドン、ヒプロメロース、カルボマー、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ゲラダマイシン、ケリマイシン、ロラカルベフ、エトラペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン/セファロチン、セファレキシン、セファクロール、セファマンドール、セフォキシチン、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェプリム、テイコプラニン、バノコマイシン、アジトロマイシン、クラリトロマイシン、ジリトロマイシン、エリスロマイシン、ロキシトロマイシン、トロレアンドロマイシン、テリトロマイシン、スペクチノマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、ナフシリン、ペニシリン、ペペラシリン、チカルシリン、バシトラシン、コルスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、マフェニド、プロトシル、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニラミド、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム/スルファメトキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコアマイシン、エタムブトール、フォスフォマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファムピン/リファムピシン、チニダゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビフォナゾール、ブトコナゾール、フェニコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イタコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テロコナゾール、テビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、アニダラフンギン、カソポフンギン、ミカフンギン、シクロピロックス、フルシトシン、グリセロフルビン、ゲンチアンバイオレット、ハロプロギン、トルナフテート、ウンデシレン酸、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
さらに追加の態様は、皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状を化粧上治療する方法を提供し、その方法は、皮膚の状態またはその少なくとも1つの症状を化粧上治療するのに十分な量のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤をそれが必要な対象に投与することを含む。ある特定の態様では、皮膚の状態は、皺、色素過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、堅さの喪失、弾性の喪失、および活気の喪失から成る群から選択される少なくとも1つの状態または疾患を治療することを含む。特定の態様では、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、表1によって包含されるか、またはそれ以外で本明細書で開示される化合物およびその塩から成る群から選択される少なくとも1つのものである。特定の実施形態では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は本明細書で開示されるようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤はICG−001または本明細書で開示されるようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。好ましくは、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の投与は局所投与を含む。
特定の態様は、外表皮の健康および外観、ならびに下にある真皮組織および他の組織を改善するために望ましい、皮膚の障害を治療するためのおよび化粧応用のための皮膚のケア(創傷、潰瘍および火傷のケア、座瘡、アトピー性皮膚炎、光線性角化症、乾癬、および加齢の影響の治療を含む)を高める組成物および方法を提供する。皮膚に関連する疾患には、創傷、座瘡、日焼け、今のところ治癒法がない特定の皮膚疾患(たとえば、上皮または粘膜組織の潜在的ウイルス感染(たとえば、HSV、HPV))、潰瘍(たとえば、糖尿病)、火傷、アトピー性皮膚炎、乾癬、および加齢の影響(たとえば、皺、色素過剰、乾燥、赤み、亀裂、酒さ、堅さ、弾性、厚さ、外観)を含むが、これらに限定されない皮膚構造で生じる障害が挙げられる。
当該技術分野で認められているように、Wntシグナル伝達は、創傷治癒の間で必要とされる。たとえば、Fathkeら(BMC Cell Biology 7:4 doi 10.1186/1471−2121−7−4)はWntシグナル伝達が皮膚の創傷治癒の間、上皮の分化を誘導することを示している。同様に、Gudjonssonら(The Journal of Investigative Dermatology 130:1849−1859, 2010)は病変乾癬皮膚にて標準のWntシグナル伝達が低下することを示している。
特定の態様によれば、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、皮膚/毛包の幹細胞の分化を促進し、それによって、皮膚の治癒を加速すること、皮膚の加齢を遅らせることのような広い範囲の有益な効果を提供する。
特定の態様によれば、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、ヒトの内因性の幹細胞および/または周辺細胞の機能を調節することによって機能し(たとえば、皮膚の修復を高めるように)、有効な用量レベルで極めて安全であり、それは、多数の皮膚/毛髪の状態が長期の投与を必要とし得るので、重要な考慮事項である。
出願者は予想外に、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤(ICG−001)によって白血病のマウスモデルを治療する過程で現在請求されている活性を発見し(以下の実用的実施例1を参照)、マウスを剃毛し、ミニポンプを挿入して2週間以内に、ICG−001を投与された動物の創傷は実質的に改善したが、対照はそうならなかったことが認められた。このことによって本出願者は創傷ケアに関してCBP/β−カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の追加の考えられる作用を検討するよう導かれた。
特定の態様によれば、本明細書で開示されるような皮膚の障害の治療および化粧応用に対して有用性を有するCBP/β−カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、以下の表1の特許および特許出願に記載され、開示されたCBP/β−カテニンの拮抗剤である。
特定の態様は、表1のもののようなCBP/β−カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の局所適用のための製剤を提供する。
治療の方法
用語「治療すること」は、疾患、障害または状態またはその1以上の症状の進行を反転する、緩和する、抑制する、またはそれを予防することを指し、および含み、「治療」および「治療上」は本明細書で定義されるような治療することの行為を指す。
「治療上有効な量」は、疾患、障害または状態またはその1以上の症状の進行を反転する、緩和する、抑制する、またはそれを予防するのに十分である、本明細書で提供される本発明を実践する過程で利用される化合物の量である。
化粧応用および/または治療応用および投与
特に例となる実施形態では、本発明のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤は、治療組成物が創傷関連の疾患または状態の少なくとも1つの症状を防ぐ若しくは緩和する、または適切な創傷治癒を高めるように化粧組成物および/または治療組成物単独として、または別の化粧剤および/または治療剤と併用して機能し得る。本発明の治療組成物はそれを必要とする対象に投与することができる組成物を含む。本明細書で使用されるとき、「対象」は生物、好ましくは動物、さらに好ましくは哺乳類、一層さらに好ましくはヒトを指し得る。
特定の実施形態では、組成物製剤は、担体、補助剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、香料および結合剤から成る群から選択される少なくとも1つの添加剤も含み得る。
本明細書で使用されるとき、「薬剤的に許容できる担体」および「担体」は一般に非毒性で不活性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意のタイプ(たとえば、クリーム、およびローション、エマルジョン、ゼリー、デポー製剤)の製剤化補助剤を指す。薬剤的に許容できる担体として役立ち得る物質の非限定例の一部は、たとえば、ラクトース、グルコースおよびスクロースのような糖類;コーンスターチおよびジャガイモデンプンのようなデンプン;セルロース、およびナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースのようなその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座薬ワックスのような賦形剤;ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張の生理食塩水;リンガー液;エチルアルコール、およびリン酸緩衝液であり、同様に、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムのような他の非毒性で相溶性の潤滑剤、並びに着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤および香料、保存剤および抗酸化剤も、調製者の判断に従って、組成物に存在し得る。
本明細書で記載される薬剤的に許容できる担体、たとえば、ビヒクル、補助剤、賦形剤、または希釈剤は当業者に周知である。通常、薬剤的に許容できる担体は治療剤に対して化学的に不活性であり、使用の条件下では有害な副作用または毒性を有さない。薬剤的に許容できる担体は、ポリマーおよびポリマーマトリクス、ナノ粒子、微小気泡等を含むことができる。
本発明の治療用のCBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤に加えて、治療組成物はさらに、たとえば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフラニルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物のような追加の溶媒、安定化剤および乳化剤のような不活性の希釈剤を含み得る。
投与経路
特定の対象に対する最も好適な投与の手段は、治療される疾患または状態の性質および重症度、または使用される治療の性質、ならびに治療組成物若しくは追加の治療剤の性質に左右される。特定の実施形態では、経口または局所の投与が好まれる。
好ましくは、局所投与が使用される。
経口投与に好適な製剤は、たとえば、それぞれ所定の量の活性化合物を含有する錠剤、カプセル、カシェ、シロップ、エリキシル、チューインガム、「ロリポップ」型製剤、微小エマルジョン、溶液、懸濁液、トローチ剤、またはゲルを被覆したアンプルのような個別の単位として;粉末または顆粒として;水性または非水性の液体における溶液または懸濁液として;または水中油または油中水のエマルジョンとして提供され得る。
本明細書の実施例で示すように、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤がマウスモデルで調べられ、傷害後の皮膚治癒の加速および発毛の促進を実証した。
IV.本明細書で開示する方法において有用なCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の例
本明細書に記載する(老化、加齢に関連する状態または疾患の治療、発毛または脱毛の予防、肌の手入れの)方法の特定の実施形態では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1に含まれる化合物およびその塩の群から選択される少なくとも一つであるか、それ以外で本明細書で開示されるものである。ある特定の態様では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書で開示するようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。ある特定の実施形態では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書で開示するような活性のあるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。
好ましくはCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与形態には、局所および/または経口および/または静脈内および/または筋肉内投与等が含まれる。
方法のある特定の態様は、少なくとも一つの他の治療剤の同時投与またはそれによる補助的治療が含まれる(例えば、対象を抗炎症剤で同時に、または補助的に治療する等)。ある特定の態様では、抗炎症剤にはステロイドまたはグルココルチコイドステロイドが含まれる。特定の実施形態では、少なくとも一つの抗炎症剤は、短時間作用型β−拮抗剤、長時間作用型β−拮抗剤、抗コリン作用薬、コルチコステロイド、全身性コルチコステロイド、肥満細胞安定化薬、ロイコトリエン改変剤、メチルキサンチン、β−拮抗剤、アルブテロール、レバルブテロール、ピルブテロール、アルホルモテロール、ホルモテロール、サルメテロール、イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作用薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド;モンテルカスト、ザフィルルカスト、ジレウトンを含むロイコトリエン改変剤;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定化薬;テオフィリンを含むメチルキサンチン;イプラトロピウムおよびアルブテロール、フルチカゾンおよびサルメテロール、グルココルチコイドステロイド、ブデソニドおよびホルモテロールを含む複合製剤;ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、ヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン剤;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節薬;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノール酸モフェチル;およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
ある特定の態様では、一つの付加的な治療剤は、抗菌剤、抗真菌薬および抗生物質製剤からなる群から選択される。特定の実施形態では、少なくとも一つの付加的な治療剤は、シクロスポリン、ヒアルロン酸、カルメロース、マクロゴール(類)、デキストランおよびヒプロロース(hyprolose)、ナトリウムおよびカルシウム、ナトリウムおよびポビドン、ヒプロメロース、カルボマー、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、ゲルダナマイシン、ヘリマイシン(herimycin)、ロラカルベフ、エルタペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(cefalotin)/セファロチン(cefalothin)、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフロキシム、セフィキシム、セフニジル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェプリム(cefeprime)、テイコプラニン、バンコマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、アズトレオナム、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、ナフシリン、ペニシリン、ピペラシリン(peperacillin)、チカルシリン、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、マフェニド、プロトシル(protosil)、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン(lincoamycin)、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピン(rifampin)/リファンピシン(rifampicin)、チニダゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、ビホナゾール、ブトコナゾール、フェンチコナゾール、イソコナゾール、オキシコナゾール、セルタコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、イサブコナゾール、ラブコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、テロナゾール(teronazole)、テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、ブテナフィン、アニデュラファンギン、カスポファンギン、ミカファンギン、シクロピロックス、フルシトシン、グリセオフルビン、ゲンチアナバイオレット、ハロプロジン、トルナフテート、ウンデシレン酸およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
さらに付加的な態様は、肌の状態または少なくともその一つの状態を美容目的で治療するのに十分な量のCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、肌の状態または少なくともその一つの状態を美容目的で治療する方法を提供する。ある特定の態様では、肌の状態は、皺、色素沈着過剰、赤み、酒さ、乾燥、亀裂、張りの喪失、弾性の喪失、菲薄化および活力の喪失からなる群から選択される少なくとも一つの状態または疾患を治療することを含む。特定の態様ではCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、表1に含まれる化合物およびその塩の群から選択される少なくとも一つであるか、それ以外で本明細書で開示されるものである。ある特定の実施形態では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、本明細書で開示するようなそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。特定の態様では、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、ICG−001または本明細書で開示するような活性のあるそのアルキルおよび/または脂肪酸エステル誘導体を含む。好ましくは、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与形態は、局所投与を含む(例えば、100μMから2mM)。または、本発明の化合物を、ヒトを含む哺乳類に、静脈内投与(例えば、持続点滴または急速静脈内投与)することができる。当技術分野で認知される通り、投与量は、患者の体重および/もしくは年齢、ならびに/または症状の度合いならびに投与経路といった様々な要因を踏まえ、適切に選択される。たとえば、経口投与または静脈内投与は、通常、ヒトの体表面積あたり1〜10000mg/日/mの範囲、好ましくは1〜5000mg/日/mの範囲、さらに好ましくは10〜5000mg/日/mの範囲である。
特定の態様は、老化を治療する組成物および方法を提供する。
特定の態様は、老化の影響(例えば、皺、色素沈着過剰、乾燥、赤み、亀裂、酒さ、張り、弾性、厚さ、外観)を治療する組成物および方法を提供する。
この分野において認識されているように、創傷治癒中にはWntシグナルが必要である。例えばFathkeら(BMC Cell Biology 7:4 doi 10.1186/ 1471−2121−7−4)は、Wntシグナルが皮膚の創傷治癒中に上皮分化を誘導することを示している。同様に、例えばGudjonssonら(The Journal of Investigative Dermatology 130:1849−1859,2010)は、病変乾癬皮膚で基準Wntシグナルが減ずることを示している。
特定の態様によれば、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は皮膚/毛包幹細胞分化を促進し、それが皮膚の治癒等の幅広い有益な効果をもたらし、皮膚の老化を遅らせる。
特定の態様によれば、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤はヒト内因性幹細胞および/または周囲の細胞の機能を調整することにより作用し(例えば、皮膚の修復を促進する)、有効量レベルで極めて安全である。これは皮膚/頭髪の状態は長期に渡る投与を必要とする可能性があるため、これは考慮すべき重要な点である。
出願者らはCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤(ICG−001)で白血病マウスモデルを治療する過程で、ここで請求されている活性を思いがけず発見した(下記の実施例1参照)。ここで、マウスを剃毛し、ミニポンプを挿入した2週間の内に、ICG−001を与えられた動物の傷は著しく治癒したのに対し、コントロールはそうならなかったことが観察された。このことから本出願者らはCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、創傷治療に関する付加的な作用を持っている可能性があると考えた。
特定の態様によれば、本明細書で開示する皮膚疾患の治療および美容用途に有用なCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、下記表1の特許および特許出願において記載、開示されたCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤である。
特定の態様は、表1のもの等の、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の局所使用のための剤形を提供する。
表1 老化および関連する皮膚疾患の治療および美容用途に有用で、発毛および/または再発毛および/または脱毛の緩和の予防に有用で、アデノシン受容体発現を刺激し、本明細書で開示する皮膚疾患の治療および美容用途のためのCBP/β−カテニン拮抗剤の例。この表の特許出願および特許の全ての化合物の属、種、その立体配座およびその合成は、ここで請求されている方法に有用な化合物の例として参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
例となる化合物の属(続き)
米国特許出願公開第2005/0250780号 その表2〜6の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第005/0250780号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の例となる実施形態は、構造(I):
を有する化合物またはその薬剤的に許容できる塩または立体異性体を含み、
式中
R1は−X−R5であり、ここでXは−C(=O)−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−または−SO−であり、R5はアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体であり;
R2は水素または−Y−R6であり、ここでYは直接結合、−NH−、−NHC(=O)−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)NH−または−NHSO2−であり、R6はアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体であり;
R3は−Z−R7であり、ここでZは直接結合、−(CH2)mC(=O)NR8−、−(CH2)kNHC(=O)または−(CH2)kNHC(=O)NR8−であり、R7およびR8は互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体であり、mは1〜4の整数であり、kは1または2であり;
R4は、化合物の残りの部分を表し;
式中、融合二環式化合物の二つの隣接したCH基または隣接するNH基およびCH基はいずれも二重結合を形成してもよい。
さらなる具体的な例となる実施形態として、構造(I)の化合物が挙げられ、式中XはC(C−0)0−であり、R2はH、C1−C6アルキルまたはC7−C11アリールアルキルであり;R3は−−−(CH1−6−N(R’)(R”)であり、式中R’および R”は互いに独立してHまたはC(NH)(NH2)であり;R4はC7−C11アリールアルキルであり;R5はC7−C11アリールアルキルであり、式中R4およびR5は互いに独立して1〜3のハロゲン、1〜3のC1−C3ハロアルキルまたは1〜3のC1−C3アルキルで任意で置換されている。
実施形態化合物のさらなる具体例として構造(I)の化合物が挙げられ、式中Xは−C(C−O)NH−であり、R2はH、C1−C6アルキルまたはC7−C11アリールアルキルであり;R3は
であり、式中RxはH、OHまたはハロであり;R4はC7−C11アリールアルキルであり;R5はC7−C11アリールアルキルであり、式中R2、R4およびR5は互いに独立して1〜3のハロゲン、1〜3のC1−C3ハロアルキルまたは1〜3のC1−C3アルキルで任意で置換されている。
米国特許出願公開第2007/0021431号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2007/0021431号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、構造(I):
を有する化合物またはその薬剤的に許容できる塩または立体異性体が挙げられ、式中Aは−(CHR3)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR4)−、−(C=O)−であり、Dは−(CHR5)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR6)−、−(C=O)−であり、Gは−(XR7)−、−(CHR7)−(NR8)−、−(C=O)−(XR9)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2007/0021431号に定義される通りである。
米国特許出願公開第2007/0021425号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2007/0021425号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、一般式(I):
の構造を有する化合物が挙げられ、式中Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2007/0021425号に定義される通りである。
例となる実施形態では、式中Aは−(CHR)−であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−であり、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中W、X、Yおよびnは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0021425号に定義される通りである。
例となる実施形態では、式中Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−であり、この発明の化合物は以下の式(III):
を有し、式中W、XおよびYは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(但しZがCHの時には、Xは窒素である)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0021425号に定義される通りである。
例となる実施形態では、式中Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−であり、この発明の化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中W、Yおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(Zが窒素の時にはnは0であり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nは0ではない)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0021425号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(VI):
を有し、式中Rはフェニル基;一つ以上の置換基を有する置換フェニル基、ここで一つ以上の置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル(amidazonyl)、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシル基の一つ以上から互いに独立して選択される;ベンジル基;一つ以上の置換基を有する置換ベンジル基、ここで一つ以上の置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシル基の一つ以上から互いに独立して選択される;または窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を有してもよい、8〜11環員を有する二環式アリール基であり;Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール基であり、その化合物のアリール環はハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基を有してもよく;Rは飽和または不飽和C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ペルフルオロC1−6アルキル基であり;X、XおよびXは同一または互いに異なってよく、水素、ヒドロキシルおよびハロゲン化物から互いに独立して選択されてよい。
本発明はまた、一つ以上の式(I)の化合物を含むライブラリーを用いたプロドラッグに関する。プロドラッグは通常、吸収中または吸収後に酵素的および/または化学的加水分解により活性薬物を体内に放出するように作成される。プロドラッグアプローチは、経口生物学的利用能を改善する、またはより水溶性の高い化合物への化学誘導体化により水難溶性薬剤を静脈内投与する効率的な手段である。ヒドロキシル基を含む薬剤の水溶解度を高めるために最もよく使用されるプロドラッグアプローチは、イオン性基;例えば、リン酸基、カルボキシレート基、アルキルアミノ基を含むエステルの生成である(Fleisher et al., Advanced Drug Delivery Reviews, 115−130, 1996; Davis et al., Cancer Res., 7247−7253, 2002, Golik et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1837−1842, 1996)。
ある特定の実施形態では、本発明のプロドラッグは以下の一般式(VII):
−Y−R10 (VI)
を有し、式中(VI)は上述の一般式(VI)であり;YはR、R、R、X、XおよびXから選択される基の酸素、硫黄または窒素であり;
10はリン酸、ヘミコハク酸、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニル、ジメチルアミノ酢酸、アミノ酸またはその塩であり;ここでプロドラッグはホスファターゼまたはカルボキシラーゼの基質となることができ、それにより一般式(VI)を有する化合物に変換される。
米国特許出願公開第2010/0120758号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2010/0120758号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、構造(I):
を有する化合物またはその薬剤的に許容できる塩または立体異性体が挙げられ、式中Aは−(CHR3)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR4)−、−(C=O)−であり、Dは−(CHR5)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR6)−、−(C=O)−であり、Gは−(XR7)−、−(CHR7)−(NR8)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2010/0120758号に定義される通りである。
具体的な例となる実施形態として、単離した立体異性体として、または立体異性体の混合物として、または薬剤的に許容できる塩としての式VI
の化合物が挙げられ、式中、
Raは窒素、酸素または硫黄からなる群から選択される1〜3のヘテロ原子を有してもよい、8〜11環員を有する二環式アリール基であり;
Rbは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール基であり、その化合物のアリール環はハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基を有してもよく;
Rcは飽和または不飽和C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、ペルフルオロC1−C6アルキル基であり;X1、X2およびX3は同一または互いに異なってよく、水素、ヒドロキシルおよびハロゲン化物から互いに独立して選択されてよい。
米国特許出願公開第2010/0240662号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2010/0240662号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、構造(I):
を有する化合物またはその薬剤的に許容できる塩または立体異性体が挙げられ、式中Aは−(CHR3)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR4)−、−(C=O)−であり、Dは−(CHR5)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR6)−、−(C=O)−であり、Gは−(XR7)n−、−(CHR7)−(NR8)−、−(C=O)−(XR9)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8およびR9は同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2010/0240662号に定義される通りである。
例となる実施形態では、式中Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり;式中ZはCHまたはNであり;Gは−XR−または−(C=O)−であり、式中XはCHまたはNであり;Wは−(C=O)NH−、−(C=O)S−、−S(O)−または存在せず;R、R、R、R、R、RおよびRはそれぞれ同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体であり、この発明の化合物は以下の式(IA):
を有し、R、R、R、R、R、RおよびRの具体的な例は、米国特許出願公開第2010/0240662号に定義される通りである。
国際公開第2007/139346号 その表1〜2の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2010/0240662号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中:
Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり;Gは存在しない、−(XR)−、または−(C=O)−であり;Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず;Yは酸素または硫黄であり;XまたはZは互いに独立して窒素またはCHであり;R1、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、以下のものからなる群から互いに独立して選択される:アミノ酸側鎖部分;C1−12アルキルまたはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、硫化物、カルボキシル、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換C1−12アルキル;
1−6アルコキシ;
6−12アリールまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換C6−12アリール;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール−アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換単環式アリールアルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい、8〜10環員を有する二環式アリールアルキル、またはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換二環式アリールアルキル;
窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜14環員を有する三環式アリール−アルキルまたはハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、シアノ、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換二環式アリールアルキル;
アリールC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、C3−6シクロアルキル、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシル、アミド、C1−6アルキルオキシC1−6アシルおよびモルホリニル(morphorlinyl)C1−6アルキルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換アリールC1−4アルキル;
シクロアルキルアルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換シクロアルキルアルキル;および
シクロアルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換シクロアルキル。
ある特定の実施形態では、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、以下のものからなる群から互いに独立して選択される:
Ci−12アルキルまたはアミノ、グアニジノ、C1−4アルキルグアニジノ、ジC1−4アルキルグアニジノ、アミジノ、C1−4アルキルアミジノ、ジC1−4アルキルアミジノ、C1−5アルキルアミノ、ジC1−5アルキルアミノ、硫化物、カルボキシル、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換C^12アルキル;
1−6アルコキシ;シクロアルキルC1−3アルキル;シクロアルキル;
フェニルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換フェニル;
フェニルC2−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、硫化物、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有するフェニルC2−4アルキル;
ナフチルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ナフチル;
ナフチルC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有するナフチルC1−4アルキル;
ベンジルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、トリフルオロC1−4アルキル;。C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ベンジル;
ビスフェニルメチルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ビスフェニルメチル;
ベンジルフェニルアミドまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ベンジルフェニルアミド;
ピリジルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ピリジル;
[50]ピリジルC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ピリジルCアルキル;
ピリミジルC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシル、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ピリミジルC1−4アルキル;
トリアジン−2−イルC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換トリアジン−2−イルC1−4アルキル;
イミダゾリルC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換イミダゾリルC1−4アルキル;
ベンゾチアゾリンC1−4アルキルまたはアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−6アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシルから互いに独立して選択される一つ以上の置換基を有する置換ベンゾチアゾリンC1−4アルキル;
フェノキサジンC1−4アルキル;ベンジルp−トリルエーテル;フェノキシベンジル;N−アミジノピペラジニル−N−C1−4アルキル;キノリンC1−4アルキル;N−アミジノピペラジニル;N−アミジノピペリジニルC1−4アルキル;4−アミノシクロヘキシルC1−2アルキルおよび4−アミノシクロヘキシル。
ある特定の実施形態では、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、式中ZはCHであり、Xは窒素であり、化合物は以下の一般式(II):
を有し、式中R、RおよびRは式(I)で定義した通りである。
ある特定の実施形態では、化合物は以下の一般式(III):
を有する。
ある特定の実施形態では、Eは−(ZR)−であり、Gは存在せず、式中Zは窒素であり、化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中R、R、R、RおよびWは式(I)で定義した通りである。
ある特定の実施形態では、Eは−(ZR)−であり、Gは−(XR)−であり、式中ZおよびXは互いに独立してCHであり、化合物は式(V):
の構造を有し、式中R、R、R、R、RおよびWは式(I)で定義した通りである。
ある特定の実施形態では、化合物は以下の一般式(VI):
を有する。
米国特許出願公開第2004/0072831号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2004/0072831号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中:Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2004/0072831号に定義される通りである。
Aは−(CHR)であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中W、X、Yおよびnは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2004/0072831号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(III):
を有し、式中W、XおよびYは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(但しZがCHの時には、Xは窒素である)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2004/0072831号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中W、Yおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(Zが窒素の時にはnは0であり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nは0ではない)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2004/0072831号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノ−C2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、Cliジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
米国特許出願公開第2007/0043052号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第第2007/0043052号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中:Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2007/0043052号に定義される通りである。
Aは−(CHR)−、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中W、X、Yおよびnは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0043052号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(III)を有し:
式中W、XおよびYは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(但しZがCHの時には、Xは窒素である)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0043052号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中W、Yおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(Zが窒素の時にはnは0であり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nは0ではない)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2007/0043052号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(VI):
を有し、式中Rはフェニル基;一つ以上の置換基を有する置換フェニル基、ここで一つ以上の置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシル基の一つ以上から互いに独立して選択される;ベンジル基;一つ以上の置換基を有する置換ベンジル基、ここで一つ以上の置換基はアミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルおよびヒドロキシル基の一つ以上から互いに独立して選択される;または窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を有してもよい、8〜11環員を有する二環式アリール基であり;Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール基であり、その化合物のアリール環はハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基を有してもよく;Rは飽和または不飽和C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ペルフルオロC1−6アルキル基であり;X、XおよびXは同一または互いに異なってよく、水素、ヒドロキシルおよびハロゲン化物から互いに独立して選択されてよい。
ある特定の実施形態では、プロドラッグは以下の一般式(VII):
(VI)−Y−R10
を有し、式中(VI)は上述の一般式(VI)であり;YはR、R、R、X、XおよびXから選択される基の酸素、硫黄または窒素であり;
10はリン酸、ヘミコハク酸、ヘミリンゴ酸、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニル、ジメチルアミノ酢酸、ジメチルアミノアルキルカルバミン酸、ヒドロキシアルキル、アミノ酸、グリコシル、置換または非置換ピペリジンオキシカルボニルまたはその塩であり;ここでプロドラッグはホスファターゼまたはカルボキシラーゼの基質となることができ、それにより一般式(VI)を有する化合物に変換される。
いくつかの実施形態では、一般式(VII)のR10はアミノ酸基またはホスホ−アミノ酸基ではない。
米国特許出願公開第2005/0059628号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2005/0059628号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中:Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2005/0059628号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、式(I)のR、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノ−C2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
ある特定の実施形態では、Aは−(CHR)−であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−であり、化合物は以下の一般式(II):
を有し、式中R、R、R、R、R、W、Xおよびnは式(I)で定義した通りである。
ある特定の実施形態では、Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−であり、化合物は以下の一般式(III):
を有し、式中R、R、R、R、R、WおよびX は式(I)で定義した通りであり、Zは窒素またはCHである(ZがCHの時には、Xは窒素である)。
ある特定の実施形態では、Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−であり、化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中R、R、R、R、R、W、Xおよびnは式(I)で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであるが、ただしZが窒素である時にはnはゼロであり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nはゼロではない。
ある特定の実施形態では、化合物は以下の一般式(VI):
を有し、式中、Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を有してもよい、8〜11環員を有する二環式アリール基であり、Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール基であり、その化合物のアリール環はハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基を有してもよい。任意で、Rはナフチル、キノリニルまたはイソキノリニル基であり、Rはフェニル、ピリジルまたはピペリジルであり、それらは全て、ハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基で任意で置換されている。ある特定の実施形態では、Rはナフチルであり、Rはフェニルであり、それらはハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基で任意で置換されている。
ある特定の実施形態では、化合物は米国特許出願公開第2005/0059628号に定義される通りの化合物1、3、4および5から選択される。
国際公開第2009/051399号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む国際公開第2009/051399号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中Eは−ZR3−または−(C=O)−であり、式中ZはCHまたはNであり;Wは−(C=O)−、−(C=O)NH−、−(C=O)O−,−(C=O)S−、−S(O)−または結合であり;R、R、R、R4およびRはそれぞれ同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体である。単離した立体異性体または立体異性体の混合物として、またはその薬剤的に許容できる塩として、リバースターンミメティック化合物が存在してもよい。ある特定の実施形態では、式(I)の化合物のRはインダゾリルまたは置換インダゾリルである。R、R、R、RおよびRの具体的な例は、国際公開第2009/051399号に定義される通りである。
EはCHR3である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中Wは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは国際公開第2009/051399号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(III):
を有し、式中R、R、R、X、XおよびXは国際公開第2009/051399号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、本発明のプロドラッグは以下の一般式(IV):
(III)−R (IV)
を有し、式中(III)は上述の式(Ill)であり;R、R、R、X、XおよびXの1つがYを介してRに結合しており;YはR、RまたはRにおいて酸素、硫黄または窒素であり、またはX、XまたはXにおいて酸素であり;R7はヒドロキシアルキル、グリコシル、ホスホリルオキシメチルオキシカルボニル、置換または非置換ピペリジンカルボニルオキシまたはその塩であり;またはY−R7はアミノ酸残基、アミノ酸残基の組み合わせ、リン酸、ヘミリンゴ酸、ヘミコハク酸、ジメチルアミノアルキルカルバミン酸、ジメチルアミノ酢酸またはその塩であり;Rに結合していない時には:R、R、R、X、XおよびXは国際公開第2009/051399号に定義される通りである。
米国特許出願公開第2006/0084655号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2006/0084655号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中:Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2006/0084655号に定義される通りである。
Aは−(CHR)であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中W、X、Yおよびnは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2006/0084655号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(III):
を有し、式中W、XおよびYは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(但しZがCHの時には、Xは窒素である)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2006/0084655号に定義される通りである。
AはC=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中W、Yおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(Zが窒素の時にはnは0であり、ZがCHの時にはXは窒素でありnは0ではない)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2006/0084655号に定義される通りである。
米国特許出願公開第2008/0009500号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2008/0009500号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中Aは−(C=O)−CHR3−または−(C=O)であり、BはN−R5−または−CHR6−であり、Dは−(C=O)−(CHR7)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR8)−または(C=O)であり、Gは−(XR9)n−、−(CHR10)−(NR6)−,−(C=O)−(XR12)−、−(または存在せず)−、−(C=O)−、X−(C=O)−R13、X−(C=O)−NR13R14、X−(SO)−R13またはX−(C=O)−OR13であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−、−CHR14、(C=O)−(NR15)−、置換または非置換オキサジアゾール、置換または非置換トリアゾールトリアゾール、置換または非置換チアジアゾール、置換または非置換4、5ジヒドロオキサゾール、置換または非置換4、5ジヒドロチアゾール、置換または非置換4、5ジヒドロイミダゾールまたは存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9 R10、R11、R12、R13、R14およびR15は同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体、塩およびプロドラッグ、薬剤的に許容できる担体から選択される。
ある特定の実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルまたはメチルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
ある特定の態様では、Aは−(CHR3)−(C=O)であり、Bは−(NR4)−であり、Dは(C=O)−であり、Eは−(ZR6)−であり、Gは−(C=O)−(XR9)−であり、化合物は以下の一般式(III):
を有し、式中Zは窒素またはCHであり、ZがCHである時、Xは窒素である。
ある特定の態様では、Aは−O−CHR3−であり、Bは−NR4−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR6)−であり、Giは−(XR−であり、化合物は以下の式(IV):
を有し、式中R1、R2、R4、R6、R7、R8 W、Xおよびnは上で定義した通りであり、YはC=O、−(C=O)−O−、−(C=O)−NR8、−SO2−または存在せず、Zは窒素またはCHである(Zが窒素である時にはnはゼロであり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nはゼロではない)。
ある特定の実施形態では、Aは−(C=O)であり、Bは−(CHR6)−はであり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR8)−であり、Gは−(NH)−または−(CH2)−であり、Wは置換または非置換オキサジアゾール、置換または非置換トリアゾール、置換または非置換チアジアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロオキサゾール、置換または非置換4,5ジヒドロチアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロイミダゾールである時、化合物は以下の式(V):
を有し、式中Kは窒素、酸素または硫黄であり、Lは窒素、酸素、−(CH)−または−(CH2)−であり、Jは窒素、酸素または硫黄であり、Zは窒素またはCHであり、R1、R2、R6、R8、R13はアミノ酸側鎖部分から選択される。
特定の実施形態は、一般式(VI):
を有する化合物を提供し、式中BはN−(CHR2)−、−(NR2)−であり、Eは−(CHR3)−であり、Vは−(XR4)−または存在せず、Wは−(C=O)−(XR5R6)、−(SO)−、置換または非置換オキサジアゾール、置換または非置換トリアゾール、置換または非置換チアジアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロオキサゾール、置換または非置換4,5ジヒドロチアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロイミダゾールであり、Xは互いに独立して窒素、酸素またはCHであり、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体、塩およびプロドラッグから選択される。ある特定の態様では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14およびR15は、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジン、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルまたはメチルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
Bは−(CH)−(CH3)であり、Eは−(CH)−(CH3)であり、Vは−(XR4)−または存在せず、Wは置換または非置換オキサジアゾール、置換または非置換トリアゾール、置換または非置換チアジアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロオキサゾール、置換または非置換4,5ジヒドロチアゾール、置換または非置換4,5ジヒドロイミダゾールであり、Xは互いに独立して窒素またはCHである、ある特定の態様では、化合物は以下の一般式(VII):
を有し、式中Kは窒素、酸素または硫黄であり、Lは窒素、酸素、−(CH)−または−(CH2)−であり、Jは窒素、酸素または硫黄であり、R5は、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリル、ヒドロキシルまたはメチルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
さらなる化合物には2008/0009500中の化合物1−2217からなる群から選択されるものが含まれる。
米国特許出願公開第2010/0222303号 その表3〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許出願公開第2010/0222303号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、構造:
を有する化合物またはその薬剤的に許容できる塩または立体異性体が挙げられ、
式中Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素、硫黄または−NH−であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択され、米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり;Eは−ZR−または−(C=O)−であり、式中ZはCHまたはNであり;Gは−XR−または−(C=O)−であり、式中XはCHまたはNであり;Wは−(C=O)NH−、−(C=O)O−、−(C=O)S−、−(SO)−または存在せず;R、R、R、R、R、Rおよび Rはそれぞれ同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはアミノ酸側鎖誘導体である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(IA):
を有し、式中R、R、R、R、R、RおよびRの具体的な例は米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
Aは−(CHR)であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(II):
を有し、式中W、X、Yおよびnは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の式(III):
を有し、式中W、XおよびYは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(但しZがCHの時には、Xは窒素である)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−である実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中W、Yおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであり(Zが窒素の時にはnは0であり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nは0ではない)、R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−CHR−であり、Gは−XR−であり、式中XはCHまたはNである実施形態では、化合物は式(IVA):
の構造を有し、式中R、R、R、RおよびRは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
XはNである、式(IVA)の化合物の実施形態では、化合物は式(IVA):
の構造を有し、式中R、R、R、R、Rは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りである。
ある特定の実施形態では、この発明の化合物は以下の一般式(VI):
を有し、式中R、R、Rは米国特許出願公開第2010/0222303号に定義される通りであり、X、XおよびXは同一または互いに異なり、水素、ヒドロキシルおよびハロゲン化物から互いに独立して選択されてよい。
米国特許第6,413,963 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許第6,413,963号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中YはCH(R)−A−N(R)−、−A−N(R)−CH(R’)−、−A−N(R)−C(=O)−、−A−C(=O)−N(R)−、−A−CH(R)−O−および−A−CH(R)−N(R’)−から選択され;Aは−(CHR’)−であり;Bは−(CHR”)−であり;n=0、1または2であり;m=1、2または3であり;二環式の環上の二つの隣接したCH基または隣接するNH基およびCH基はいずれも二重結合を形成してもよく;式中R’、R”、R、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−CH(R)−A−N(R)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I’):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−A−N(R)−CH(R’)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I”):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R’、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−A−N(R)−C(=O)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I”’):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−A−C(=O)−N(R)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I””):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−A−CH(R)−O−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I””’):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
Yは−A−CH(R)−N(R’)−である実施形態では、この発明の化合物は以下の構造(I”””):
を有し、式中AおよびBは上で定義した通りであり、R’、R、R、RおよびRは米国特許第6,413,963号に定義される通りである。
米国特許第7,531,320号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許第7,531,320号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中Aは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してそのアミノ酸側鎖部分、アミノ酸側鎖部分の誘導体、または分子の残りの部分およびその立体異性体から選択される。
ある特定の実施形態では、式(I)のR、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシまたはニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルC1−4アルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
ある特定の実施形態では、Aは−(CHR)−であり、Bは−(C=O)−であり、Dは−(CHR)−であり、Eは−(C=O)−であり、Gは−(XR−であり、化合物は以下の一般式(II):
を有し、式中R、R、R、R、R、W、Xおよびnは式(I)で定義した通りである。
ある特定の実施形態では、Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−であり、化合物は以下の一般式(III):
を有し、式中R、R、R、R、R、WおよびXは式(I)で定義した通りであり、Zは窒素またはCHである(ZがCHの時には、Xは窒素である)。
ある特定の実施形態では、Aは−(C=O)−であり、Bは−(CHR)−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは(XR−であり、化合物は以下の一般式(IV):
を有し、式中R、R、R、R、R、W、Xおよびnは式(I)で定義した通りであり、Zは窒素またはCHであるが、ただしZが窒素である時にはnはゼロであり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nはゼロではない。
ある特定の実施形態では、化合物は以下の一般式(VI):
を有し、式中、Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜3のヘテロ原子を有してもよい、8〜11環員を有する二環式アリール基であり、Rは窒素、酸素または硫黄から選択される1〜2のヘテロ原子を有してもよい5〜7環員を有する単環式アリール基であり、その化合物のアリール環はハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基を有してもよい。任意で、Rはナフチル、キノリニルまたはイソキノリニル基であり、Rはフェニル、ピリジルまたはピペリジルであり、それらは全て、ハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基で任意で置換されている。ある特定の実施形態では、Rはナフチルであり、Rはフェニルであり、それらはハロゲン化物、ヒドロキシ、シアノ、低級アルキルおよび低級アルコキシ基からなる群から選択される一つ以上の置換基で任意で置換されている。
ある特定の実施形態では、化合物は米国特許第6,413,963号に定義される通りの化合物1、3、4および5から選択される。
米国特許第7,563,825号 その表1〜5の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む米国特許第7,563,825号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
具体的な例となる実施形態として、式(I):
を有する化合物が挙げられ、式中Aは−(C=O)−(CHR)−であり、Bは−N−R−であり、Dは−(CHR)−または−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−または−(C=O)−であり、Gは−(XR−、−(CHR)−(NR)−、−(C=O)−(XR)−または−(C=O)−であり、Wは−Y(C=O)−、−(C=O)NH−、−(SO)−または存在せず、Yは酸素または硫黄であり、XおよびZは互いに独立して窒素またはCHであり、n=0または1であり;R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは同一または互いに異なり、互いに独立してアミノ酸側鎖部分またはその誘導体、分子の残りの部分、リンカーおよび固相担体、その立体異性体から選択される。より具体的には、R、R、R、R、R、R、R、RおよびRは、アミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジンC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシ、フェニル、置換フェニル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ベンジル、置換ベンジル(ここでベンジル上の置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−3アルキル、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ナフチル、置換ナフチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ビスフェニルメチル、置換ビスフェニルメチル(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジル、置換ピリジル、(ここで置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリジルC1−4アルキル、置換ピリジルC1−4アルキル(ここでピリジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、ピリミジルC1−4アルキル、置換ピリミジルC1−4アルキル(ここでピリミジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、トリアジン−2−イル−C1−4アルキル、置換トリアジン−2−イル−C1−4アルキル(ここでトリアジン置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾC1−4アルキル、置換イミダゾールC1−4アルキル(ここでイミダゾール置換基は、アミノ、アミジノ、グアニジノ、ヒドラジノ、アミダゾニル、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、ペルフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、スルフリルまたはヒドロキシルの一つ以上から互いに独立して選択される)、イミダゾリニルCアルキル、N−アミジノピペラジニル−N−C0−4アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、N−アミジノピペリジニルC1−4アルキルおよび4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルからなる群から互いに独立して選択される。
一つの実施形態では、EのR、R、RおよびGのR、RおよびRは同一または互いに異なり、化合物の残りの部分を表し、RのA、BのRまたはDのRはアミノ酸側鎖部分またはその誘導体から選択される。本明細書で「化合物の残りの部分」という語は、R、R、R、R、R、Rおよび/またはRの位置でα−へリックスミメティック構造に共有結合している任意の部分、薬剤、化合物、担体、分子、リンカー、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質のことを指す。この語は、米国特許第7,563,825号に定義される通りでの、アミノ酸側鎖部分およびその誘導体も含む。
Aは−(C=O)−CHR−であり、Bは−N−R−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Gは−(C=O)−(XR)−である実施形態では、本発明で使用するα−へリックスミメティック化合物は以下の一般式(III):
を有し、式中R、R、R、R、R、WおよびXは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHである(ZがCHの時には、Xは窒素である)。好ましい実施形態では、R、R、R、Rは化合物の残りの部分を表し、Rはアミノ酸側鎖部分から選択される。Aは−O−CHR−であり、Bは−NR−であり、Dは−(C=O)−であり、Eは−(ZR)−であり、Giは(XR−であるより具体的な実施形態では、本発明で使用するα−へリックスミメティック化合物は以下の式(IV):
を有し、式中R、R、R、R、R、W、Xおよびnは上で定義した通りであり、Zは窒素またはCHである(Zが窒素である時にはnはゼロであり、ZがCHの時にはXは窒素であり、nはゼロではない)。好ましい実施形態では、R、R、RおよびRは化合物の残りの部分を表し、Rはアミノ酸側鎖部分から選択される。この場合、ZおよびXがそれぞれCHである時、RまたはRはアミノ酸側鎖部分から選択されてもよい。
国際公開第2010/128685号 その表の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む国際公開第2010/128685号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(1)以下の一般式(I):
を有する化合物であって、
式中、は単結合または二重結合であり;
Aは−CHR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
Eは結合、−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
Bは存在しないかまたはGおよびYと共に形成された任意で置換されている単環式環であり;
Dは存在しないかまたはYと共に形成された任意で置換されているスピロ環であり;
ただし
BおよびDは両方は存在せず;
Bが存在する時には、GおよびYは互いに独立して炭素原子または窒素原子であり、
Dが存在する時には、Yは炭素原子であり、Gは−NR−、−O−、−CHR−または−C(R−であり、
BおよびDが両方とも存在しない時には、GおよびYは同一または互いに異なり、それぞれ−NR−、−O−、−CHR−または−C(R−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり、
Eが結合の時には、Dは存在せず、Bは任意で置換されている単環式環であり、GおよびYは互いに独立して炭素原子または窒素原子であり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
は結合または任意で置換されているアルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
ただし、
Dが存在せず、Eは結合であり、Bはベンゼンであり、Rは−W21−W22−Rb−R20であり、式中W21は−(CO)−であり、W22は−NH−であり、Rbは結合である時には、R20は任意で置換されているフェニルであってはならない;
またはその薬剤的に許容できる塩。
(2)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず、
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されている3、4、5、6または7員の飽和または不飽和単環式環である。
(3)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず、
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されている4、5、6または7員の飽和または不飽和複素環であり、ヘテロ原子はS、NおよびOから選択され、ヘテロ原子の数は1〜3の整数である。
(4)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず;
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されている5または6員の飽和または不飽和複素環であり、ヘテロ原子はS、NおよびOから選択され、ヘテロ原子の数は1〜3の整数である。
(5)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているスピロ環であり;
Gは−NR6’−、−CHR−、−C(R−または−O−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり、
6’は任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルである。
(6)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているC3−8シクロアルカンであり;
Gは−NR6’−、−CHR−、−C(R−または−O−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり、
6’は任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルである。
(7)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず、
GおよびYの少なくとも一つは−NR6’−、−CHR−、−C(R−または−O−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり、
6’は任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルである。
(8)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−、または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルである。
(9)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−または−O−であり、
式中
6’は任意で置換されている低級アルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアリールであり;
Yは−CHR−または−C(R−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルである。
(10)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−または−O−であり
式中
6’は任意で置換されている低級アルキルまたは任意で置換されているアルケニルであり;
Yは−CHR−または−C(R−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルである。
(11)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、任意で置換されている低級アルキル、任意で置換されている低級アルケニルまたは任意で置換されている低級アルキニルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルである。
(12)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または任意で置換されている低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルである。
(13)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルである。
(14)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルであり、
は水素またはアルキルである。
(15)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または低級アルキルであり、
は水素または低級アルキルである。
(16)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−O−または−NR−であり、
式中
は水素または低級アルキルである。
(17)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず、Bは任意で置換されている単環式環であり、Eは結合である。
(18)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素またはC1−4アルキル基である。
(19)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素である。
(20)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず;
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されているシクロプロパン、任意で置換されているシクロブタン、任意で置換されているシクロペンタン、任意で置換されているシクロヘキサン、任意で置換されているシクロヘプタン、任意で置換されているピロリジン、任意で置換されているピラゾール、任意で置換されているシクロプロペン、任意で置換されているシクロブテン、任意で置換されているシクロペンテン、任意で置換されているシクロヘキセン、任意で置換されているシクロヘプテン、任意で置換されているシクロペンタジエン、任意で置換されているジヒドロ−ピロール、任意で置換されているピロール、任意で置換されているジヒドロ−ピラゾール、任意で置換されているイミダゾール、任意で置換されているチオフェン、任意で置換されているチアゾール、任意で置換されているイソチアゾール、任意で置換されているチアジアゾール、任意で置換されているフラン、任意で置換されているオキサゾール、任意で置換されているイソオキサゾール、任意で置換されているオキサジアゾール、任意で置換されているベンゼン、任意で置換されているピリジン、任意で置換されているピリダジン、任意で置換されているピリミジン、任意で置換されているピラジンおよび任意で置換されているトリアジンから選択される。
(21)上述の(1)〜(4)および(11)〜(20)のいずれか一つに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在し、−R、−OR、−COR、−COOR、−CONR、−NR、−SR、−SO、−SONR、−SO −NHC(NHR)NRおよびハロゲンからなる群から選択される化学部分の一つ以上で任意で置換されており、
式中
およびRは水素原子、任意で置換されている、環式または非環式アルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキルおよびヘテロアリールアルキルから互いに独立して選択される。
(22)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているシクロアルカンである。
(23)上述の(22)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているC3−8シクロアルカンである。
(24)上述の(22)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているC3−6シクロアルカンである。
(25)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(26)上述の(23)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(27)上述の(25)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
10は水素、任意で置換されているメチル、任意で置換されているエチル、任意で置換されているプロピル、任意で置換されているイソプロピル、任意で置換されているイソブチル、任意で置換されているシクロヘキシル、任意で置換されているベンズヒドリル、任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフラニル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフラニル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
上述の化合物であって、ここで、式(I)において、
10は水素、任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフラニル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフラニル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(29)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(30)上述の(29)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は−O−または−NH−であり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(31)上述の(29)および(30)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
20は任意で置換されているメチル、任意で置換されているエチル、任意で置換されているプロピル、任意で置換されているブチル、任意で置換されているイソプロピル、任意で置換されているイソブチル、任意で置換されているシクロヘキシル、任意で置換されているベンズヒドリル、任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフラニル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフラニル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニル、任意で置換されているベンゾジオキソリルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(32)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(33)上述の(32)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(34)上述の(32)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
70は水素、任意で置換されているメチル、任意で置換されているエチル、任意で置換されているプロピル、任意で置換されているブチル、任意で置換されているイソプロピル、任意で置換されているイソブチル、任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフラニル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフラニル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(35)上述の(33)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
70は水素、任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフラニル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフラニル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(36)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず;
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されている4、5、6または7員の飽和または不飽和複素環であり、ヘテロ原子はS、NおよびOから選択され、ヘテロ原子の数は1〜3の整数であり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(37)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているC3−8シクロアルカンであり;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(38)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(39)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または任意で置換されている低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルであり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(40)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Dは存在せず、Eは結合であり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(41)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または任意で置換されている低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルである。
(42)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Bは存在せず;
Dは任意で置換されているC3−8シクロアルカンであり;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
EはCHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または任意で置換されている低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルであり;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(43)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびDは両方とも存在せず;
Gは−NR6’−、−CHR6’−、−C(R6’−、または−O−であり、
式中
6’はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されている環式または非環式低級アルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
EはCHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素または任意で置換されている低級アルキルであり、
は水素、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニル;
は−Ra−R10であり、
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
AのRは−Rc−R70であり、
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
式(I)のさらなる実施形態では、その化合物は式(Ia)
を含み、式中
は単結合または二重結合であり;
Aは−CHR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
BはGおよびYと共に形成された任意で置換されている単環式環であり;
GおよびYは互いに独立して炭素原子または窒素原子であり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されているアルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルである。
式(I)のさらなる別の実施形態では、その化合物は式(Ib)
を含み、式中、Aは−CHR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
Dは任意で置換されているスピロ環であり、
Gは−NR−、−O−、−CHR−または−C(R−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されているアルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルである。
式(I)のさらなる別の実施形態では、その化合物は式(Ic)
を含み、式中、Aは−CHR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
Eは−CHR−、−O−または−NR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり、
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
Gは−NR−、−O−、−CHR−またはC(R−であり、
式中
はそれぞれ互いに独立して、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキルまたは任意で置換されているヘテロアリールアルキルであり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されているアルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素または任意で置換されているアルキルである。
式(I)のさらなる別の実施形態では、その化合物は式(Id)
を含み、式中、は単結合または二重結合であり;
Aは−CHR−であり、
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
Bは任意で置換されている単環式環であり;
Gは炭素原子または窒素原子であり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり、
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり、
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり、
Rbは結合または任意で置換されているアルキレンであり、
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
ただし、
Bはベンゼンであり、Rは−W21−W22−Rb−R20であり;式中W21は−(CO)−であり;W22は−NH−であり;Rbが結合の時には、R20は任意で置換されているフェニルであってはならない。
国際公開第2010/044485号 その表の化合物の例、請求されている化合物を含み、開示されているそれぞれの合成を含む国際公開第2010/044485号の全ての化合物の属、種およびその立体配座は、ここで出願者に請求されている方法において使用する化合物の例として、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
(1)以下の一般式(I):
を有する化合物であって、
式中Aは−(CHR)−であり;
式中
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキル、任意で置換されているヘテロシクロアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
BおよびEは同一または互いに異なり、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択されるか
または破線で示す任意で置換されているスピロ環を形成し;
Gは−NH−、−NR−、−O−、−CH−、−CHR−またはC(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキル、任意で置換されているシクロアルキルアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニル、任意で置換されているアルキニル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリール、任意で置換されているシクロアルキルまたは任意で置換されているヘテロシクロアルキルであり;
は水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルまたは任意で置換されているアルキニルであり;
ただし、
1)Rbが任意で置換されている低級アルキレンの時には、W22は−O−または−NH−でなければならず、
2)EおよびBが水素の時には、Rは水素でなければならず、
3)Gが−NH−、−CH−、−CHR−または−NR−の時には、BおよびEは水素であってはならず、
4)Gが−O−であり、BおよびEが水素であり、Rが水素である時には、Rは8−キノリルメチルであってはならない;
またはその薬剤的に許容できる塩。
(2)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびEは同一または互いに異なり、水素、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択されるか、または任意で置換されている3、4、5、6または7員の不飽和単環式環を形成し、形成されたスピロ環が複素環の時、ヘテロ原子はS、NおよびOから選択され、ヘテロ原子の数は1である。
(3)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
BおよびEは同一または互いに異なり、水素および任意で置換されているアルキルから互いに独立して選択されるか、または任意で置換されている3、4、5、6または7員の不飽和単環式環を形成し、形成されたスピロ環が複素環の時、ヘテロ原子はS、NおよびOから選択され、ヘテロ原子の数は1である。
(4)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−またはC(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択される。
(5)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−O−である。
(6)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−O−であり、
BおよびEは水素である。
(7)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素である。
(8)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Aは−(CHR)−であり;
式中
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているアリールアルキルである。
(9)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキルまたは任意で置換されているシクロアルキルアルキルである。
(10)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(11)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Aは−(CHR)−であり;
式中
は任意で置換されているアルキルまたは任意で置換されているアリールアルキルであり;
は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリールアルキル、任意で置換されているヘテロアリールアルキルまたは任意で置換されているシクロアルキルアルキルであり;
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアリール、任意で置換されているヘテロアリールである。
(12)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(13)上述の(12)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
10は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(14)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(15)上述の(14)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
20は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(16)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(17)上述の(1)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(18)上述の(17)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
70は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(19)上述の(2)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(20)上述の(2)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(21)上述の(2)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(22)上述の(2)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−または−C(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(23)上述の(2)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−または−C(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は水素である。
(24)上述の(3)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリルであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(25)上述の(3)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(26)上述の(3)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(27)上述の(3)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−または−C(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(28)上述の(3)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−または−C(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は水素である。
(29)上述の(5)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリルであり
は水素またはC1−4低級アルキル基から選択される。
(30)上述の(5)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(31)上述の(5)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(32)上述の(5)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素である。
(33)上述の(6)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリルであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(34)上述の(6)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(35)上述の(6)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素およびC1−4低級アルキル基から選択される。
(36)上述の(6)に記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は水素である。
(37)上述の(2)、(3)および(5)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は−W21−W22−Rb−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
はで水素およびC1−4低級アルキル基から選択され;
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(38)上述の(2)、(3)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
Gは−NR−、−O−、−CH−または−C(R−であり;
式中
はそれぞれ同一または互いに異なり、任意で置換されているアルキル、任意で置換されているアルケニルおよび任意で置換されているアルキニルから互いに独立して選択され;
は−Ra−R10であり;
式中
Raは任意で置換されている低級アルキレンであり、
10は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり、
は−W21−W22−R−R20であり;
式中
21は−(CO)−または−(SO)−であり;
22は結合、−O−、−NH−または任意で置換されている低級アルキレンであり;
Rbは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり;
20は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールであり;
は水素であり;
AのRは−Rc−R70であり
式中
Rcは結合または任意で置換されている低級アルキレンであり、
70は任意で置換されているアリールまたは任意で置換されているヘテロアリールである。
(39)上述の(19)、(24)および(38)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
10は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(40)上述の(20)、(25)および(38)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
20は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(41)上述の(21)、(26)および(38)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
70は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
(42)上述の(37)および(38)のいずれかに記載の化合物であって、ここで、式(I)において、
10は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルであり;
20は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルであり;
70は任意で置換されているビフェニル、任意で置換されているフェニル、任意で置換されているピリジル、任意で置換されているピリミジル、任意で置換されているピリダジニル、任意で置換されているピラジニル、任意で置換されているトリアジニル、任意で置換されているピロリル、任意で置換されているチエニル、任意で置換されているフリル、任意で置換されているチアゾリル、任意で置換されているオキサゾリル、任意で置換されているイミダゾリル、任意で置換されているナフチル、任意で置換されているテトラヒドロナフチル、任意で置換されているキノリニル、任意で置換されているイソキノリニル、任意で置換されているキナゾリニル、任意で置換されているキノキサリニル、任意で置換されているシンノリニル、任意で置換されているナフチリジニル、任意で置換されているベンゾトリアジニル、任意で置換されているピリドピリミジニル、任意で置換されているピリドピラジニル、任意で置換されているピリドピリダジニル、任意で置換されているピリドトリアジニル、任意で置換されているインデニル、任意で置換されているベンゾフリル、任意で置換されているベンゾチエニル、任意で置換されているインドリル、任意で置換されているインダゾリル、任意で置換されているベンゾオキサゾリル、任意で置換されているベンゾイミダゾリル、任意で置換されているベンゾチアゾリル、任意で置換されているベンゾチアジアゾリル、任意で置換されているフロピリジニル、任意で置換されているチエノピリジニル、任意で置換されているピロロピリジニル、任意で置換されているオキサゾロピリジニル、任意で置換されているチアゾロピリジニルまたは任意で置換されているイミダゾピリジニルである。
さらなる化合物の例
特定の例となる態様では、CBP/β−カテニン拮抗剤(例えば、表1のもの)には、ICG−001および発毛促進活性を有するその塩(例えば、生理学的に許容できる塩)および誘導体が含まれる。
特定の態様では、有用なCBP/β−カテニン拮抗剤(例えば、表1のもの)には、ヒドロキシベンジル基とエステル化した脂肪酸基(例えば、ラウリルエステル)が含まれ、例えば、以下の好ましい例となる化合物の属:
と類似している。
特定の態様では、脂肪酸エステルは表2の脂肪酸の一つに由来するものである。
好ましい態様では、表1の化合物のエステルはラウリルエステル(例えば、ICG−001のラウリン酸エステル(laura−8)):
を含む。
特定の態様では、表1の有用なCBP/β−カテニン拮抗剤のアルキル誘導体は以下:
のように使用され、式中RはC1−C6アルキルから選択され、式中環上の隣接する部分(ここでは例となる二環式部分)は、表1の化合物で例示されたこの位置での任意の置換でありうる。好ましい態様では、Rは−CHである。特定の態様では、Rは以下の立体配座:
を有する。
特定の態様では、表1の有用なCBP/β−カテニン拮抗剤のアルキル 誘導体は、例えばヒドロキシベンジル基とエステル化した脂肪酸(例えば、ラウリルエステル)基が含まれ、下記の例となる化合物:
のようなものであり、式中、RはC1−C6アルキルから選択される。好ましい態様では、Rは−CHである。特定の態様では、Rは以下の立体配座:
を有する。
特定の態様では、脂肪酸エステルは表2の脂肪酸の一つに由来するものである。好ましい態様では、ラウリルエステルが用いられる。
表2
表2は本明細書で記載される方法を使用して対応出発化合物を反応、処理させることで得られる、本発明の化合物の例を示す。
表‐2
好ましくは、CBP/カテニン(たとえば、CBP/β−カテニン)の拮抗剤の投与は、局所投与(たとえば、100μMから2mM)を含む。または、本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳類に静脈内投与(たとえば、持続点滴または急速静脈内投与)することもできる。当技術分野で認知される通り、投与量は、患者の体重および/もしくは年齢、ならびに/または症状の度合いならびに投与経路といった様々な要因を踏まえ、適切に選択される。たとえば、経口投与または静脈内投与は、通常、ヒトの体表面積あたり1〜10000mg/日/mの範囲、好ましくは1〜5000mg/日/mの範囲、さらに好ましくは10〜5000mg/日/mの範囲である。
プロドラッグ
本発明はまた、一つ以上の式(I)の化合物を含むライブラリーを用いたプロドラッグに関する。プロドラッグは通常、吸収中または吸収後に酵素的および/または化学的加水分解により活性薬物を体内に放出するように作成されている。プロドラッグアプローチは、局所、経口等の生物学的利用能を改善する、またはより水溶性の高い化合物への化学誘導体化により水難溶性薬剤を静脈内投与する効率的な手段である。ヒドロキシル基を含む薬剤の水溶解度を高めるために最もよく使用されるプロドラッグアプローチは、イオン性基;例えば、リン酸基、カルボキシレート基、アルキルアミノ基を含むエステルの生成である(Fleisher et al., Advanced Drug Delivery Reviews, 115−130, 1996; Davis et al., Cancer Res., 7247−7253, 2002, Golik et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 1837−1842, 1996)。
本発明の化合物のある特定の実施形態では、本発明のプロドラッグはホスファターゼ、カルボキシラーゼまたは他の酵素の基質となることができる。
本発明に有用な化合物のスクリーニングアッセイ
本発明の付加的な態様によれば、本発明に有用な化合物を得るための化合物ライブラリーのスクリーニングを日常的で容易にするために、ハイスループットアッセイを利用することができる。
β−カテニン:CBP相互作用の阻害剤。まず、β−カテニン:CBP相互作用の低分子阻害剤を同定する様々な方法がこの分野において十分記載されており、例えば、本明細書の表1に挙げた特許および特許出願において詳細に検討されているため、ここでは繰り返さない。
幹細胞において非対称性分裂と対称性分裂に影響を与える化合物の一次スクリーニング。In vitro。表皮幹細胞は、分子概日時計の状態に基づいて活性化される能力において不均一であるという研究に基づき、この幹細胞プールの非対称性分裂の活性化因子をスクリーニングするアッセイを本発明に有用な化合物を特定するために利用する。より詳細には、(Janisch P. et al. Nature 2011)は、Per1/2遺伝子を高レベルで発現する、CD34を発現するバルジ幹細胞の集団は休止状態から細胞を抜け出させる活性化および刺激に、より反応しやすいことを示した。転写因子ARNtファミリーの一つである転写因子BMAL1は、分子パートナー時計(molecular partner clock)と共に、Per1およびPer2を含む主要な概日遺伝子の発現を誘導する。BMAL1欠損マウスは、肌の早期老化を含む早期老化表現型を示す。
従って、表皮幹細胞の非対称性分裂を誘導する化合物を選択するためのハイスループットスクリーニングは、Per/ルシフェラーゼレポーター遺伝子をトランスフェクトしたヒト角化細胞により提供される。ヒトPer/lucプロモーターを安定的にトランスフェクトした角化細胞をin vitroで増殖させた後、96または384ウェルプレートのいずれかに播種し、ルシフェラーゼの発現が増加した化合物の化合物集団でスクリーニングする。化合物で24時間処理した後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ基質で処理し、続いてハイスループットプレートリーダー(例えばHP Topcount)でルシフェラーゼ活性を測定する。有望な化合物は二次スクリーニング(例えば、下記参照)することができる。
幹細胞において非対称性分裂と対称性分裂に影響を与える化合物の二次スクリーニング。Ex Vivo(ヒト皮膚アッセイ)。Varani J et al Experimental and Molecular Pathology,2004に基づく培養条件およびアッセイ。
さらなる態様によれば、ヒト皮膚(例えば、美容整形手術の外科廃棄物)を入手し、皮下脂肪層を手作業で切り落とす(例えば、外科用メスを用いて)。次に皮膚を約2mm角の小断片に切断し、6ウェルプレートに入れる。1%P/Sを含む1mlの角化細胞培地(Gibco10724−011)を各ウェルに加える。培地に浸した表皮は上に向けて置く。翌日(上記培地で一晩培養)、皮膚断片を、調べる化合物をそれぞれ含む新しいウェルに移す。培養中の約24時間および48時間の皮膚サンプルを、対象遺伝子(例えば、Per1、2)のRNA単離およびqRT−PCR分析のため取り出す。皮膚断片のいくつかは一日おきに新しい培地の入ったウェルに移す(そして化合物での処理を続ける。ex vivoでの約7日の培養後に終濃度20uM/ウェルのBrduを加え、増殖の評価をする。ex vivoでの皮膚の培養約9日目に、皮膚断片を組織学的検査、免疫組織化学的検査(例えば、Per1、2の染色)およびBrdU染色のために回収し、増殖の評価をする。有望な化合物は三次スクリーニング(例えば、下記参照)に供することができる。
幹細胞において非対称性分裂と対称性分裂に影響を与える化合物の三次スクリーニング。In Vivo。非対称性細胞分裂は幹細胞ニッチの重要な制御因子である。この過程中に、進化的に保存された一連のタンパク質(例えば、線虫(C. elegans)からショウジョウバエ(Drosophila)そして、ヒトまでおよぶ)が有糸分裂の間に娘細胞に非対称的に分配される。これらにはPar複合体のタンパク質、例えば、哺乳動物のPar3(ショウジョウバエのBazooka)、Par6および非定型プロテインキナーゼC(aPKC)ならびに転写制御因子(例えば、Notchシグナルの負の制御因子であるnumb)が含まれる。この過程はまた、表皮幹細胞ニッチにおける非対称性分裂の制御においても重要である(Williams S et al Nature 2011)。従って、特定の態様によれば、in vivoアッセイとして、表皮幹細胞ニッチにおける有糸分裂中のこれらのタンパク質の非対称性分配を調べるものであることができる。
例えば、Bultjeら(Bultje R Neuron 63, 189−202,2009)は、神経発生中の非対称性分裂を評価するために、脳室帯(vz)における非対称性分配を測定する分析方法を記載している。基本的に、この方法では動物を(成体または子宮内)設定期間中化合物で(経口、皮下、静脈内または局所的に)化合物で処置し、次に動物を屠殺し、(例えば、免疫組織化学的検査により)有糸分裂細胞におけるPar3分配と(例えば、DAPI染色を用いて)DNA分配を調べる。Par3は対称性分裂中には二つの娘細胞間に均等に分配され、非対称性分化中には不均等に(基本的には全てが一つの娘細胞に)分配される。出願者は、このアッセイを用いて、妊娠マウスへの局所または経口投与後、CBP/カテニン拮抗剤ICG−001は、担体コントロールと比較して非対称性分裂の数に影響を与えないことを示した。しかし、p300/カテニンシグナル伝達を阻害してCBP/カテニンシグナル伝達を増強するp300/カテニン拮抗剤IQ−1は、非対称性分裂の数を減少させ、対称性分裂の数を増加させる。重要なことには、本明細書でより詳細に論じられているように、過剰なICG−001処理によりIQ−1により引き起こされた非対称性分裂の欠損が補正されており、増加した対称性(すなわち、CBP/カテニン依存性)分裂の再平衡化をICG−001のようなCBP/カテニン拮抗剤を使用して補正できることが確認された。
実施例1
(CBP/β−カテニン拮抗剤は、白血病マウスモデルにおいて、毛髪の成長を促進し、創傷治癒を増加することを示した。)
概説
本明細書に記載される特定の態様によれば、CBP/β−カテニン拮抗剤は、毛髪の成長促進および/または脱毛の予防において、驚くべきことに、かなりの有用性を有する。出願者らは、薬剤耐性白血病細胞を標準的化学療法による治療に対して感作する、CBP/β−カテニン拮抗剤の能力を試験した。この実験は、CBP/β−カテニン拮抗剤が、白血病マウスモデルにおいて毛髪の成長を促進するという、思いがけない結果をもたらした。さらに驚くべき結果は、実験におけるマウスの皮膚創傷においてみられた。
材料および方法
NOD/SCIDIL2Rγ−/−マウスを剃毛し、亜致死的に放射線を照射し、その後、動物あたり50,000個の細胞を静脈注射した。白血病の動物を、血漿レベルの安定を確実にするために皮下浸透圧ポンプにより送達される、ビンクリスチン/デキサメタゾン/L−アスパラギナーゼ(VDL)およびICG−001(50mg/kg/d)の組み合あわせの腹腔内投与により、VDLのみの投与を対照群として、20日間処置した。動物を、生存、毛髪成長、および創傷治癒について、定期的に検査した。
結果
図1において、驚くべき結果を見ることが出来る。2週間以内に、腹腔内投与されたICG−001(50mg/kg/d)は、予め剃毛した領域全体を覆う大量の毛髪の成長をもたらしたが、VDLのみの治療群においてはそうではなかった。さらに、ポンプを挿入している間に誘発された創傷は、ICG−001で治療したマウスにおいて、VDLのみの対照群と比較して、より速く治癒することが分かった。
結論
毛髪の成長促進および治癒速度の増加という、この実験で発見された驚くべき結果により、出願者らは、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の、正常なマウスおよび無毛マウスモデルにおける治癒増進能力(実施例2)および無毛マウスモデルにおける毛髪成長促進能力(実施例3)を試験するに至った。
実施例2
(CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、正常マウスおよび無毛マウスモデルの両方において、創傷治癒を促進することを示した)
正常マウスモデル(完全な毛髪成長および正常な毛皮を有する)および無毛マウスモデルにおいて、CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の、負傷した皮膚の修復を加速させる能力について試験した。簡単に説明すると、第0日目、各動物の背部、臀部の2か所に皮膚傷害を与えた。各皮膚傷害の箇所を、ワセリン(ペトロラタム)(ビヒクル)またはワセリン中Laura−8でのどちらか500μMで、1日1回、8日間処置した。図2に示す通り、両動物モデルにおいて、Laura−8(ICG−001の誘導体)は、8日間の時間経過に渡り、皮膚の治癒プロセスを有意に加速させた。
実施例3
(CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、無毛マウスモデルにおいて、毛髪成長の促進を示した)
無毛マウスモデルにおいて、CBP/β−カテニン拮抗剤の、毛髪の成長を促進する能力を試験した。簡単に説明すると、ワセリンジェルまたはLaura−8のどちらかで、16日間動物を処置した。さらに、各動物からの皮膚試料を採取し、毛包形成について調査した。
図3に示す通り、この無毛マウスモデルにおいて、Laura−8で治療した動物は、ワセリンで治療したものよりも、有意な毛髪の成長を示した。図4は、上述の試験された動物由来の皮膚試料の皮膚病理を示す。この図は、Laura−8で治療したマウスにおいて実質的な新毛包の形成があるが、ワセリンで治療したマウスにはないことを示す。
実施例4
(CBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、アデノシン受容体の発現を劇的に増加させた)
概説
ロゲイン(Rogaine)中の有効成分であるミノキシジルの活性は毛乳頭細胞中のアデノシン受容体により媒介される。いくつかのアデノシン受容体は毛乳頭細胞で発現する(A1、A2AおよびA2B(Li M., J. Invest. Dermatol. 117, 1594−1600, 2001))。出願者らは、CBP/カテニン拮抗剤の、アデノシン受容体の発現を上方制御する能力を試験した。
結果
出願者らは遺伝子発現アレイの実験を行い、培養中の細胞の、CBP/カテニン拮抗剤(例えばICG−001;10uM)による処理が、アデノシン受容体、例えば結腸上皮のアデノシン受容体A2B(ADORA2B)を、劇的に(約10X)増加することを実証した。
従って、特定の実施形態によれば、別の発毛促進剤(例えば、ミノキシジル)と併せたCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与が、頭皮を治療する際、毛髪の成長および/または再成長において強力な追加的効果または相乗効果を提供する;例えば、局所的なCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤の投与により、例えば、アデノシン受容体の発現および/または、ミノキシジルがそれを介して作用する分子標的であると考えられているスルホニル尿素受容体2Bの調節を高める。
実施例5
(RAと比較した、ICG−001およびメチル化されたICG−001のアッセイ)
特定の態様によれば、Me−ICG−001は、本発明に対して、多大な有用性を有する。
方法。Ex Vivoのヒト皮膚アッセイ培養条件は、Varani J.らによる文献、Experimental and Molecular Pathology, 2004に基づいた。
簡単に説明すると、ヒト皮膚(外科手術プロセス由来の手術廃棄物)を得、外科用メスで、皮下層の脂肪を手作業で取り除いた。次いで皮膚を約2mm四方の小断片に切断し、6ウェルプレート中に置いた。1mlのケラチノサイト培地(ギブコ社(Gibco)、10724−011)を、1%P/S(ペンストレップ抗生物質)とともに、各ウェルに添加した。表皮を、培地中に上向きに浸した。翌日(上述の培地中で一晩培養)、5uMのICG−001、5uMのメチル化されたICG−001または1ug/mlのレチノイン酸(RA)のどちらかを入れた新しいウェルに、皮膚断片を移した。24時間後、培養液中の皮膚試料を、RNA単離ならびに目的の遺伝子(例えばエラスチン(皮膚外観および柔軟性(例えば、皺)に関連する遺伝子)および水分補給に関わるアクアポリン1)のqRT−PCR分析のために取り除いた。
結果。図18は、本明細書に記載される、ヒトの手術で廃棄された皮膚の治療を示す。すべての化合物が、エラスチンおよびアクアポリン1両方の発現増加を示し、Me−ICG−001は、5uMにて、ICG−001またはRAのいずれよりも、より大きな増加を示した。
実施例6
(例となる補助療法)
特定の態様によれば、本明細書に開示されるCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、限定されないが、以下の例となる組成物および/または方法のうちの、少なくとも1つと併せた使用を含む、補助療法における使用において、多大な有用性を有する:
少なくとも1つの他の毛髪成長促進剤と併せた使用は、以下から成る群から選択される少なくとも1つである:ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリド、ビマトプロスト、およびフルリジル(fluridil)を含む抗アンドロゲン受容体遮断薬。特定の態様においては、本明細書で開示されるCBP/カテニン(例えば、CBP/β−カテニン)拮抗剤は、100uMから2mMの濃度で使用され、ミノキシジルは、標準的な市販の溶液(例えば、5%溶液)として/で使用される。
少なくとも1つの抗炎症剤と併せた使用は、以下から成る群から選択される:短時間作用性β−作用薬、長時間作用性β−作用薬、抗コリン作用薬、コルチコステロイド剤、全身性副腎皮質ステロイド剤、肥満細胞安定剤、ロイコトリエン修飾因子、メチルキサンチン類、β−作用薬、アルブテロール、レバルブテロール(levalbuterol)、ピルブテロール、アルホルモテロール(artformoterol)、ホルモテロール、サルメテロール;イプラトロピウムおよびチオトロピウムを含む抗コリン作用薬;ベクロメタゾン、ブデソニド、フルニソリド、フルチカゾン、モメタゾン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン(methyprednisolone)、プレドニゾロン、プレドニゾンを含むコルチコステロイド剤;モンテルカスト、ザフィルルカスト、およびジロートンを含むロイコトリエン修飾因子;クロモリンおよびネドクロミルを含む肥満細胞安定剤;テオフィリンを含むメチルキサンチン類;イプラトロピウムおよびアルブテロール、フルチカゾンおよびサルメテロール、グルココルチコイドステロイド類、ブデソニドおよびホルモテロールを含む配合剤;ヒドロキシジン、ジフェンヒドラミン、ロラタジン、セチリジン、およびヒドロコルチゾンを含む抗ヒスタミン薬;タクロリムスおよびピメクロリムスを含む免疫系調節薬;シクロスポリン;アザチオプリン;ミコフェノール酸モフェチル;ならびにそれらの組み合わせ。
吸収性被覆材。Medipore(スリーエム社(3M));Silon Dual−Dress 04P(登録商標)Multi−Function Wound Dressing&Silon Dual−Dress 20F(登録商標)Multi−Function Wound Dressing(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));Aquacel Hydrofiber CombiDERM(コンバテック社(ConvaTec));Absorptive Border(ダーマライト社(DermaRite));MULTIPAD、SOFSORB(デロイヤル社(DeRoyal));IODOFLEX(ヘルスポイント社(HEALTHPOINT));TIELLE(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));CURITY ABD、TELFAMAX、TENDERSORB ABD(ケンドール社(Kendall));Mepore(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care);EXU−DRY、Primapore(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
アルギネート類。AlgiCell(デュメックス・メディカル社(Dumex Medical));AlgiDERM(バード社(Bard));AlgiSite M(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew,Inc.)創傷管理部門);Askina Sorg(スイスアメリカンプロダクト社(Swiss−American));CarraSorb H、CarraGinate with Acemannan gel(キャリントン社(Carrington));CURASORB、CURASORB Zinc(ケンドール/タイコ社(Kendall / Tyco));Dermacea(シャーウッド−デイビス&ゲック社(Sherwood − Davis & Geck));DermaGinate、DermaGinate AG(ダーマライト社(DermaRite));FyBron(ビー・ブラウン社(B. Braun));Gentell(ジェンティール社(Gentell));Hyperion Advanced Alginate Dressing(ハイぺリオンメディカル社(Hyperion Medical, Inc.));KALTOSTAT(種々の提示)(コンバテック社(ConvaTec));KALGINATE、Algidex(種々の提示)(デロイヤル社(DeRoyal));Maxorb(メッドライン社(Medline));Melgisorb(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));PolyMem(フェリス・エムエフジー(Ferris Mfg.));Restore CalciCare(ホリスター社(Hollister));SILVERCELL(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Sorbalgon(ハーマン・コンコ社(Harmann−Conco Inc.));SORBSAN(ミランベルテック社(Mylan Bertek));SeaSorb(コロプラスト社(Coloplast Corp.));Tegagen HG、Tegagen HI(3Mヘルスケア社(3M Health Care))。
抗菌剤。3M Tegaderm Ag Mesh(スリーエム社(3M));Amerigel(種々の提示)(アメルクス・ヘルスケア社(Amerx Health Care Corp));Anasept(アナカパ社(Anacapa));Silverlon(アルジェンタム・メディカル・エルエルシー(Argentum Medical LLC));Di−Dak−Sol(センチュリー・ファーマシューティカル社(Century Pharmaceuticals));Contreet(種々の提示)(コロプラスト社(Coloplast Corp.));Aquacel Ag(コンバテック社(ConvaTec));SilverDerm7(ダーマライト社(DermaRite));Algidex(デロイヤル社(DeRoyal));ColActive Ag(ハーマン・コンコ社(Hartmann−Conco Inc.));Hydrofera Blue(ハイドロフェラ社(Hydrofera Inc.));Actisorb(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Kerlix AMD、Curity AMD、Excilon AMD、TELFA AMD(ケンドール/タイコ社(Kendall / Tyco));Arglase(種々の提示)、Maxorb Extra Ag、Optifoam AG、SilvaSorb(種々の提示)、XCell AM(メッドライン社(Medline));SelectSilver(ミリケン社(Milliken Company));Acticoat 3、Acticoat 7、Acticoat Moisture Control、IODOFLEX、IODOSORB(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));Silver Seal(X−Static社/ノーブル・バイオマテリアル社(Noble Biomaterials))。
洗浄剤。3M Cavilon(スリーエム社(3M));Wound Wash Saline(バリラックス・ラブ社(Blairex Labs));Clinical Care、Techni−Care(ケアテック社(Care−Tech));Puri−Clens、Sea−Clens(コロプラスト社(Coloplast));Optipore Sponge、SAF−Clens、Shur−Clens(コンバテック社(ConvaTec));Clean‘N Moist、Repair Wound Cleanser(ダージャ・ラボラトリー社(Darja Laboratories Inc.));DermaKlenz(ダーマライト社(DermaRite));Dermagran(ダーマサイエンス社(Derma Sciences));ALLCLENZ(ヘルスポイント社(HEALTHPOINT));Restore(ホリスター社(Hollister));Hyperion Wound Cleanser(ハイぺリオンメディカル社(Hyperion Medical, Inc.));DEBRISAN(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Constant−Clens(ケンドール社(Kendall));Skin Tegrity(メッドライン社(Medline));MPM、MPM Antimicrobial(MPM);Elta Dermal(スイスアメリカンプロダクト社(スイスアメリカンプロダクト社(Swiss−American Products.))。
閉合デバイス(Closure Device)。WoundTek’s S.T.A.R.デバイス(ウンドテック社(WoundTek, Inc.));DP Woundcare Dressing(ディーピー・ウンドケア社(DP Wound Care));Dermabond(ジョンソン・アンド・ジョンソン/エチコン社(JnJ / Ethicon)、www.dermabond.com):DermaClose RC(ウンドケア・テクノロジー社(Woundcare Technologies))。
コラーゲン。Medifil、Skin Temp(バイオコア社(BioCore));BGC マトリックス(ブレナン社(Brennen));WOUN’DRESS(コロプラスト・スウィーン(Coloplast Sween));Collagen/AG(ダーマライト社(DermaRite));ColActive Ag(ハーマン・コンコ社(Harmann−Conco Inc.));FIBRACOL plus Collagen Prisma、Promogran Prisma(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Mepore Pro(メンリッケ社(Molnlycke));Stimulen(サウスウェスト社(Southwest));Primatrix(ティーイーアイ・バイオサイエンス社(TEI Biosciences));hyCURE、hyCURE Smart Gel(ヒムドグループ(The Hymed Group));CellerateRx(ウンドケア・イノベーション社(Wound Care Innovations))。
圧迫被覆剤(脚用)。3M Coban 2 layer(スリーエム社(3M));ArtAssist(エーシーアイ・メディカル社(ACI Medical));Gelocast Unna Boot、Artiflex、Comprilan,Tricofix(ビーエスエヌ社(BSN));CIRCULON、DuoDERM SCB、Setopress、SurePress、UNNA−FLEX(コンバテック社(ConvaTec));Primer、Unna−Pak(グレンウッド社)Glenwood,Inc.));4−Layer Compression(ハーマン・コンコ社(Hartmann−Conco));DYNA−FLEX(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));TENDERWRAP(ケンドール社(Kendall));Profore、Profore LF、Profore Lite(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
複合被覆剤。Tegaderm Trasparent Dressing with Absorbent Pad(スリーエム社(3M));Silon Dual−Dress 04P(登録商標)Multi−Function Wound Dressing&Silon Dual−Dress 20F(登録商標)Multi−Function Wound Dressing(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));Coverlet(ビーエスエヌ社(BSN));COVADERM(デロイヤル社(DeRoyal));TELFA,VENTEX(ケンドール社(Kendall));StrataSorb(メッドライン社(Medline));Alldress(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));MPM(エムピーエム社(MPM));Viasorb(シャーウッド−デイビス&ゲック社(Sherwood−Davis & Geck));AIRSTRIP、Coverlet、CovRSite Plus、Cutifilm、OpSite Plus、OpSite Post−Op(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));Centurion SorbaView(Tri−State Hospital Supply)。
接触層。Tegapore(スリーエム社(3M));Silon−TSR(登録商標)Temporary Skin Replacement(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));DERMANET(デロイヤル社(DeRoyal));TELFA CLEAR(ケンドール社(Kendall));Mepitel(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care))Profore Wound Contact Layer(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));N−TERFACE(ウィンフィールド・ラボラトリー社(Winfield Laboratories))。
酵素創傷清拭剤。Accuzyme、Panafil、Collagenase(ヘルスポイント社(HEALTHPOINT));Ethezyme(商標)830 パパイン尿素創傷清拭軟膏剤(エセックス社(Ethex));Ethezyme(商標)パパイン−尿素創傷清拭軟膏軟膏(エセックス社(Ethex));Kovia軟膏剤、Ziox軟膏剤(ストラタス・ファーマシューティカル社(Stratus Pharmaceutical);Gladase(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
充填剤(創傷用)。AcryDerm Strands(アクリメッド社(AcryMed));DermAssist(アシステック社(AssisTec));Cutinova Cavity(バイヤードルフ−ユブスト社(Beiersdorf−Jobst));Humatrix Microclysmic Gel(ケアテック社(Care−Tech));Mesalt(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));MULTIDEX(デロイヤル社(DeRoyal));PolyWic(フェリス・エムエフジー(Ferris Mfg.));BIAFINE(メディックス社)Medix))。
フォーム被覆材(Foam Dressing)。3M Foam Dressing(非粘着性)、3M Foam Adhesive Dressing(スリーエム社(3M));Vigi−FOAM(バード社(Bard))、FLEXZAN(バーテック/ダウ・ヒッカム社(Bertek Dow Hickam));Silon Dual−Dress 20F(登録商標)Multi−Function Wound Dressing(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));Lyofoam、Lyofoam A、Lyofoam C、Lyofoam Extra、Lyofoam T(コンバテック社(ConvaTec));POLYDERM(デロイヤル社(DeRoyal));PolyMem(フェリス・エムエフジー(Ferris Mfg.));Hydrofera Blue(ハイドロフェラ・エルエルシー(Hydrofera LLC));BIOPATCH(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));CURAFOAM(ケンドール社(Kendall));Mepilex、Mepilex Border、Mitraflex、Mitraflex Plus(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));Allevyn Adhesive、Allevyn Cavity、Allevyn Dressing、Allevyn Island、Allevyn Tracheostomy、Allevyn Sacral(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
親水コロイド。Tegasorb、Tegasorb THIN(スリーエム社(3M));Hydrocol(バーテック社(Bertek(ダウ・ヒッカム社(Dow Hickam))));BGC マトリックス(ブレナン社(Brennen));Comfeel(複数提示)(コロプラスト社(Coloplast));DuoDERM CGF、DuoDERM(複数提示)、SignaDRESS Sterile(コンバテック社(ConvaTec));DermaFilm HD、DermaFilm Thin(ダーマライト社(DermaRite));Restore(複数提示)(ホリスター社(Hollister));NU−DERM(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Ultec(ケンドール社(Kendall));ExuDERM(複数提示)(メッドライン社(Medline));RepliCare(複数提示)、Cutinova Hydro、Cutinova Thin(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
親水ファイバー(Hydrofiber)。AQUACEL(コンバテック社(ConvaTec))。
ヒドロゲル。Tegagel(スリーエム社(3M));Amerigel局所軟膏(アメルクス・ヘルスケア社(Amerx Health Care));Bard Absorption Dressing、Biolex、Iamin(バードメディカル社(Bard Medical));CarraSorb、Carrasyn、DIAB GEL(キャリントン・ラボラトリー社(Carrington Laboratories);Woun‘Dres、Purilon(コロプラスト社(Coloplast));DuoDERM、SAF−Gel(コンバテック社(ConvaTec));Repair Hydrogel((ダージャ・ラボラトリー社(Darja Laboratories Inc.)));DermaSyn(ダーマライト社(DermaRite));Dermagran(ダーマサイエンス社(Derma Sciences)、Inc.);CURASOL(ヘルスポイント社(HEALTHPOINT));Restore(ホリスター社(Hollister Inc.));NU−GEL(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));CURAFIL(ケンドール社(Kendall));SkinTegrity(Medline);Hypergel、Normlgel(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care))、MPM(エムピーエム・メディカル社(MPM Medical、Inc.));Iamin(プロサイト社(ProCyte));PanoPlex(セージ・ラボラトリー社(Sage Laboratories));IntraSite、SoloSite(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));Elta Dermal(スイスアメリカンプロダクト社(Swiss−American Products, Inc.))。
ヒドロゲル浸透ガーゼ。DermAssist(アシステック・メディカル社(AssisTec Medical, Inc.);Biolex(バード社(Bard));CarraGauze(キャリントン社(Carrington));ClearSite(コンメッド社(Conmed Corp.));DermaGauze(ダーマライト社(DermaRite));Dermagran(ダーマサイエンス社(Derma Sciences));Gentell(ジェンティール社(Gentell));CURASOL(ヘルスポイント社(HEALTHPOINT));Restore(ホリスター社(Hollister));Hyperion Hydrophilic Wound Dressings(ハイぺリオンメディカル社(Hyperion Medical, Inc.));INTEGRA−GEL(インテグリティ・メディカルデバイス社(Integrity Medical Devices, Inc.));CURAFIL(ケンドール社(Kendall));SkinTegrity(メッドライン社(Medline Industries));Normlgel Impregnated Gauze(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));MPM Conductive Gel Pad, MPM GelPad(エムピーエム社(MPM));PanoGauze(Sage);SoloSite Gel Conformable(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));Elta Dermal(スイスアメリカンプロダクト社(Swiss−American Products, Inc.))。
ヒドロゲルシート。Tegagel(スリーエム社(3M));Vigilon(バード社(Bard));ClearSite(Conmed Corporation);AQUASORB(デロイヤル社(DeRoyal));FLEXDERM(Bertek (Dow Hickam));NU−GEL(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));CURAGEL(ケンドール社(Kendall));Derma−Gel(メッドライン社(Medline Industries));FlexiGel(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
測定デバイス。(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));Tru−Area Determination(NTL)。
種々のデバイス。EPIFLO−Transdermal sustained delivery of oxygen(Ogenix www.ogenix.net);Circulator Boot(サーキュレータ・ブート社(Circulator Boot Corporation)www.circulatorboot.com)。
陰圧創傷療法。Engenex(ボーリンガー・ウンドシステムズ、エルエルシー(Boehringer Wound Systems、LLC)www.boehringerwound.com);Prospera PRO−I(メディカ−レンツ社(Medica−Rents、Inc.)、www.medicarents.com);V.A.C.(種々のモデル) (KCI、www.kci1.com);Versatile 1、V1STA(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));Invia(メデラ社(Medela))。
臭気吸収材。CarboFlex、LyoFoam C(コンバテック社(ConvaTec));Odor Absorbing Dressing(Dumex)。
瘢痕治療剤および化粧品。Oleeva(各種)、Silon(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));Mepiform(メンリッケ社(Molnlycke));Cica−Care(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew));各種(地域薬局)。
スキンケア
創傷を有する患者または皮膚損傷の危険がある患者のための、いくつかの例となるカテゴリーとしては:抗真菌薬、抗炎症剤、バリア剤、保湿剤、および密閉剤が挙げられる。
代用皮膚。Dermagraft、Transcyte(アドバンスド・バイオヒーリング社(Advanced Biohealing));Hyalofil−F、Hyalofil−R(コンバテック社(ConvaTec));Integra(種々の提示)(インテグラ・ライフサイエンス社(Integra LifeSciences));Alloderm(ライフセル社(Lifecell));Biobrane(ミランベルテック社(Mylan Bertek));Apligraf(オルガノジェネシス社(Organogenesis));Primatrix(ティーイーアイ・バイオサイエンス社(TEI Biosciences))。
組織工学/成長因子類。Apligraf(オルガノジェネシス社(Organogenesis)、http://www.apligraf.com);Dermagraft、Transcyte(アドバンスド・バイオヒーリング社(Advanced Biohealing)、http://www.advancedbiohealing.com);GRAFTJACKET(登録商標)Regenerative Tissue Matrix Ulcer Repair(ライトメディカルテクノロジー社(Wright Medical Technologies, Inc.)、http://www.wmt.com/graftjacket/);GRAFTJACKET(登録商標)XPRESS Flowable Soft−Tissue Scaffold(ライトメディカルテクノロジー社(Wright Medical Technologies, Inc.)、http://www.wmt.com);Oasis(ヘルスポイント社(Healthpoint)、http://www.healthpoint.com);Orcel(オーテックインターナショナル社(Ortec International、Inc.)、http://ortecinternational.com);Regranex(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson)、www.regranex.com)。
透明フィルム類。Tegaderm HP、Tegaderm(スリーエム社(3M));Silon−TSR(登録商標)Temporary Skin Replacement(バイオメッドサイエンス社(Bio Med Sciences));CarraFilm(キャリントン社(Carrington));DermaView(ダーマライト社(DermaRite));TRANSEAL(デロイヤル社(DeRoyal));BIOCLUSIVE MVP、BIOCLUSIVE(ジョンソン・アンド・ジョンソン社(Johnson & Johnson));Blisterfilm、POLYSKIN II、POLYSKIN M.R.(ケンドール社(Kendall));SureSite(メッドライン社(Medline Industries));Mefilm(メンリッケヘルスケア社(Molnlycke Health Care));ProCyte(プロサイト社(ProCyte));OpSite FLEXIGRID、OpSite、UniFlex(スミス・アンド・ネフュー社(Smith & Nephew))。
実施例7
(4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート)
特定の態様によれば、4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテートは、以下のように合成した:
ピリジン(1ml)中の、(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミド60mg(0.106mmol)の溶液に、無水酢酸1ml(10.579mmol)を加え、その混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、10%のクエン酸(10ml)で3回洗い、塩水(10ml)で洗った。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をBuchiシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製し(クロロホルム:メタノール=99:1から98:2)、表題化合物を39.3mg(61%)得た。
実施例8
(4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルヘキサノアート)
特定の態様によれば、4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルヘキサノアートは、以下のように合成した:
乾燥THF(2ml)中の、(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミド60mg(0.106mmol)の溶液に、ヘキサノイルクロリド44μl(0.319mmol)、次いでトリエチルアミン45μl(0.319mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、水(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)、水(10ml)および塩水(10ml)で洗った。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をBuchiシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製し(クロロホルム:メタノール=99:1から98:2)、表題化合物を46.6mg(66%)得た。
実施例9
(4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート)
特定の態様によれば、4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアートは、以下のように合成した:
乾燥THF(2ml)中の、(6S,9S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミド60mg(0.106mmol)の溶液に、ドデカノイルクロリド76μl(0.319mmol)、次いでトリエチルアミン45μl(0.319mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、水(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)、水(10ml)および塩水(10ml)で洗った。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をBuchiシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製し(クロロホルム:メタノール=99:1から98:2)、表題化合物を61.6mg(78%)得た。
実施例10
(4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート)
特定の態様によれば、4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート)は、以下のように合成した:
乾燥THF(2ml)中の、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミド60mg(0.106mmol)の溶液に、パルミトイルクロリド97μl(0.319mmol)、次いでトリエチルアミン45μl(0.319mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、水(10ml)、飽和炭酸水素ナトリウム(10ml)、水(10ml)および塩水(10ml)で洗った。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をBuchiシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製し(クロロホルム:メタノール=99:1から98:2)、表題化合物を57.7mg(68%)得た。
実施例11
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート)
特定の態様によれば、4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテートは、上記実施例7と同様に合成した。
ピリジン(1ml)中の、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミド60mg(0.106mmol)の溶液に、無水酢酸1ml(10.579mmol)を加え、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(10ml)で希釈し、10%クエン酸(10ml)で3回洗い、塩水(10ml)で洗った。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をBuchiシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけて精製し(クロロホルム:メタノール=99:1から98:2)、表題化合物を得た。
実施例12
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルペンタノエート)
特定の態様によれば、4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルペンタノエートは、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミドの溶液で始め、ヘキサノイルクロリドの代わりにペンタノイルクロリドを使って表題化合物を得たという点以外は、上記実施例8と同様に合成した。
実施例13
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルノナノエート)
特定の態様によれば、4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルノナノエートは、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミドの溶液で始め、ヘキサノイルクロリドの代わりにナナノイル(nananoyl)を使い、表題化合物を得たという点以外は、上記実施例8と同様に合成した。
実施例14
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート)
特定の態様によれば、4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアートは、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミドの溶液で始め、ドデカノイルクロリドと反応させて表題化合物を得たという点以外は、上記実施例9と同様に合成した。
実施例15
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルトリデカノエート)
特定の態様によれば、4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルトリデカノエートは、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミドの溶液で始め、ドデカノイルクロリドと反応させて表題化合物を得たという点以外は、上記実施例9と同様に合成した。
実施例16
(4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート)
特定の態様によれば、44−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテートは、(6S)−N−ベンジル−6−(4−ヒドロキシベンジル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−1−カルボキサミドの溶液で始め、ドデカノイルクロリドと反応させて表題化合物を得たという点以外は、上記実施例10と同様に合成した。
参照による組み込み
本明細書において参照される、および/または出願データシートに列挙される、上述の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献のすべては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書の図面および詳細な説明は、制限としてではなく、例示説明とみなされ、本発明を、開示される特定の形態および実施例にに限定することを意図してはいないということが、理解されるべきである。それとは逆に、本発明は、以下の特許請求の範囲により定義される通り、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者に明白な、いかなるさらなる修正、変更、再配置、置き換え、代替、設計の選択、および実施形態をも含む。従って、以下の特許請求の範囲が、すべてのそのような更なる修正、変更、再配置、置き換え、代替、設計の選択、および実施形態を包含するものと解釈されることが意図される。
前述の実施形態は、異なる他の構成要素内に含まれる、または異なる他の構成要素と関連する、異なる構成要素を描写している。そのような描写された構成は、単に例となるものであり、実際に同じ機能性を達成する多くの他の構成を実施することが出来るということが理解される。概念的な意味において、同一の機能性を達成する、構成要素のいかなる配置も、所望の機能性が達成されるように、事実上「関連」している。従って、特定の機能性を達成するために組み合わされた、本明細書のいかなる2つの構成要素も、構成または仲介する要素に関わりなく、所望の機能性が達成されるように、互いに「関連している」とみなすことが出来る。同様に、そのように関連している、いかなる2つの構成要素も、所望の機能性を達成するために、互いに「機能的に連結している」、または「機能的に結合している」とみなすことが出来る。
本発明の特定の実施形態を示し、記載したが、本明細書における教示に基づき、本発明およびそのより広い態様から逸脱することなく、変更および修正を実施することが出来、従って、添付される特許請求の範囲が、すべてのそのような変更および修正を、本発明の真の精神および範囲内であるように、その範囲内に包含するということが、当業者には明白であろう。さらに、本発明が、添付される特許請求の範囲によってのみ定義されるということが、理解される。一般的に、本明細書において、および特に添付される特許請求の範囲(例えば、添付される特許請求の範囲の本体)において使用される用語は、一般的に「開かれた(open)」用語を意図することが、当業者には理解されるであろう(例えば、「含む(including)」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである等)。導入される請求項の記載の特定の番号が意図される場合、そのような意図は請求項において明確に記載され、そのような記載が存在しない場合は、そのような意図は存在しない、ということが、当業者にはさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付される特許請求の範囲は、請求項の記述を導入するために、「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」という導入句の使用を含み得る。しかしながら、そのような句の使用は、同一の請求項が導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載の導入が、そのように導入された請求項の記載を含むいずれかの特定の請求項を、ただ1つのそのような記載を含む本発明に制限する、ということを意味すると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、典型的に「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味するものと解釈されるべきである);請求項の記載を導入するために使用されるの定冠詞の使用に関しても同様である。さらに、導入された請求項記載の特定の番号が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、そのような記載が典型的に、少なくとも記載された番号を意味する、と解釈されるべきであることを、理解するであろう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載」の単なる記載は、典型的に、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。
従って、本発明は添付される特許請求の範囲によって以外は、限定されない。

Claims (13)

  1. 下記一般式(I):
    を有する化合物であって、式中Rは水素またはC1−6アルキル基から選択され、Rは−OHまたは−O(CO)(CHCHから選択され、ここにおいて、nは0から34の値を取り、Rが水素である場合、Rは−OHであってはならない、化合物;またはその薬理学的に許容される塩。
  2. がC1−6アルキル基から選択され、Rは−OHまたは−O(CO)(CHCHから選択され、ここにおいて、nは0〜34の値を取る請求項1に記載の化合物。
  3. nが0〜14の値を取る、請求項2に記載の化合物。
  4. 一般式(II):
    を有する化合物である、請求項2に記載の化合物。
  5. が−CHであり、Rが−OHである、請求項4に記載の化合物。
  6. が−CHであり、Rは、nが0〜34の値を取る−O(CO)(CHCHから選択される、請求項4に記載の化合物。
  7. nが0〜14の値を取る、請求項6に記載の化合物。
  8. nが10であり;前記化合物が4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアートである、請求項7に記載の化合物。
  9. 下記からなる群から選択される請求項1に記載の化合物:
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート;
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルヘキサノアート;
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート;
    4−(((6S,9S)−1−(ベンジルカルバモイル)−9−メチル−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート;
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルアセテート;
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルペンタノエート;
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルノナノエート;
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルドデカノアート;
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルトリデカノエート;および
    4−(((6S)−1−(ベンジルカルバモイル)−8−(ナフタレン−1−イルメチル)−4,7−ジオキソオクタヒドロ−1H−ピラジノ[1,2−a]ピリミジン−6−イル)メチル)フェニルパルミテート。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含有する医薬組成物またはその薬理学的に許容される塩および必要に応じて薬理学的に許容される担体。
  11. 有効量の化合物を含有する、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 前記化合物がCBP/β−カテニン拮抗剤である、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. 前記CBP/β−カテニン拮抗剤の有効量が、対象の少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂に比較して、または対象の少なくとも1つの組織区画または組織型のための体性幹細胞の対称分裂を犠牲にして、非対称複製分裂の数を増加させるのに十分な量である、請求項12に記載の医薬組成物。
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