JP2014527538A - Eddnおよび/またはedmnを製造する方法 - Google Patents

Eddnおよび/またはedmnを製造する方法 Download PDF

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Abstract

FA、HCNおよびEDAの反応によりEDDNおよび/またはEDMNを製造する方法であって、該反応は水の存在下で行われ、水は、該反応が行われた後、蒸留塔内で該反応混合物から除去されるように構成した方法において、蒸留は、蒸留塔内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する、または水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在下で実施されることを特徴とする方法。

Description

本出願は、参照をもって2011年8月13日に提出された米国仮出願第61/529293号を含む。
本発明は、FA、HCNおよびEDAの反応によりEDDNおよび/またはEDMNを製造する方法であって、該反応は水の存在下で行われ、水は、該反応が行われた後、反応混合物から蒸留によって除去されるように構成した方法に関する。本発明は、さらに、EDDNないしEDMNを触媒の存在下で水素と反応させることによりTETAおよび/またはDETAを製造する方法であって、EDDNないしEDMNの製造後、蒸留によって水の除去が実施されることを特徴とする方法に関する。本発明のさらなる対象は、本発明によって得られたDETAないしTETAからのエポキシ樹脂、アミドまたはポリアミドの製造である。
国際公開第2008/104579号および該国際公開第2008/104579号に挙げられた従来の技術には、多様なEDDNないしEDMN製造法が挙げられている。
国際公開第2008/104579号において、EDDNは、EDAとホルムアルデヒド(FA)および青酸(HCN)との反応によって製造され、その際、EDAとFAとHCNとのモル比は1:1.5:1.5〜1:2:2[モル:モル:モル]である。
製造は、a)EDAがFACHと反応させられる(その際、EDAとFACHとのモルは1:1.5〜1:2である)、またはb)EDDNは、エチレンジアミン−ホルムアルデヒド付加化合物(EDFA)と青酸との反応によって製造される(その際、EDFAとHCNとのモル比は1:1.5〜1:2である)、またはc)EDAが、ホルムアルデヒドと青酸からなる混合物と反応させられる(その際、EDAとFAとHCNとのモル比は1:1.5:1.5〜1:2:2である)、またはd)EDAが同時にホルムアルデヒドおよびHCNと反応させられる(その際、EDAとFAとHCNとのモル比は1:1.5:1.5〜1:2:2である)ことによって行うことが可能である。
これらの反応は、好ましくは、10〜90℃の温度、かつ、標準圧力からやや高い圧力までに及ぶ圧力にて実施される旨開示されている。好ましい反応器としては、管型反応器または攪拌槽カスケードが記載されている。生じた反応生成物の精製は、好ましくは、蒸留によって行われ、その際、第1段階において、先ず、低沸点物質、たとえば青酸が分離され、第2の蒸留ステップにおいて、水が分離される。残存しているアミノニトリル混合物は、なお、好ましくは少なくとも10質量%の残留水分含有率を有していてよい。
ところで、本発明の範囲において、EDDNないしEDMNの水溶液は不安定であり、水の存在下で、望ましくない副生成物を生ずることが見いだされた。さらに、これらの副生成物形成は温度が高まるといっそう増強されることが認識された。形成された副生成物は、目標生成物の選択率および収率を低下させるだけでなく、後続する反応、たとえばEDDNないしEDMNの水素化によってTETAないしDETAを得る反応においても望ましくない変色を招来することがある。
本発明の範囲において、さらに、水素化触媒は水の存在下で耐久寿命が低下するとのことも見いだされた。
本発明の課題は、高い収率、反応率および選択率による大規模工業的なEDDNおよび/またはEDMN製造を可能にするEDDNおよび/またはEDMN製造方法を提供することであった。望ましくない副生成物の割合とくにEDDNおよび/またはEDMNの分解生成物の割合を従来の技術に比較して低下させることが意図された。さらに、二次反応、たとえば水素化によってTETAないしDETAを得る反応において生成物変色を低減させると共に、水素化触媒の耐久寿命の延長を可能にするEDDNないしEDMNを提供することが意図された。
上記課題は、FA、HCNおよびEDAの反応によりEDDNおよび/またはEDMNを製造する方法であって、該反応は水の存在下で行われ、水は、該反応が行われた後、蒸留塔内で該反応混合物から除去されるように構成した方法において、蒸留は、蒸留塔内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する、または水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在下で実施されることを特徴とする方法によって解決される。
EDDNおよび/またはEDMNは、水の存在における、FA、HCNおよびEDAの反応によって製造される。
EDA
EDAは、EDC(二塩化エチレン)法に準拠し、水相での二塩化エチレン(EDC)とアンモニアの反応によって製造可能である。この方法に関する詳細は、たとえば、ウルマン百科事典に述べられている(Artikel"Amines, aliphatic"in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Karsten Eller, Erhard Henkes, Roland Rossbacher and Hartmut Hoke, Published Online : 15 JUN 2000, DOI : 10.1002/14356007.a02_001, Seite 33)。
もう一つのEDA製造方法は、モノエタノールアミン(MEOA)とアンモニアの触媒反応である(Artikel"Amines, aliphatic"in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Karsten Eller, Erhard Henkes, Roland Rossbacher and Hartmut Hoke, Published Online : 15 JUN 2000, DOI : 10.1002/14356007.a02_001, Seite 33 oder Hans−Jurgen Arpe, Industrielle Organische Chemie, 6.Auflage(2007), Wiley VCH, 2007)。
EDAは、アミノアセトニトリル(AAN)の水素化によっても得られ、その際、AANは、青酸、ホルムアルデヒド(FA)およびアンモニアの反応によって製造可能である。AANの水素化によってEDAを得る方法は、たとえば、国際公開第2008/104583号に開示されている。
好ましくは、EDAは、その遊離塩基の形で使用されるが、場合により、塩、たとえばEDAの二塩酸塩も出発原料として使用可能である。
本方法に使用されるEDAの純度は、好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、なかんずく特に好ましくは99質量%以上、とりわけ好ましくは99.5質量%以上である。
FA
さらに別の出発原料としてホルムアルデヒドが使用される。
ホルムアルデヒドは、取引上一般に入手可能な化学物質である。
好ましくは、ホルムアルデヒドは30〜50%水溶液として使用される。
HCN
さらに、青酸がEDDNおよび/またはEDMNの製造に使用される。
青酸も、同じく、取引上一般に入手可能な化学物質である。
青酸は、基本的に3種の異なった方法で、大規模工業的に製造可能である。第1の方法によれば、青酸は、酸素およびアンモニアによるメタンのアンモキシデーション(Andrussow法)によって得られる。第2の方法によれば、青酸は、メタンおよびアンモニアから、酸素の非存在下でアンモ脱水素によって得られる。最後に、青酸は、ホルムアミドの脱水によって大規模工業的に製造可能である。
これらの方法で製造された青酸には、通例、配管の詰まりを生じ得る青酸の自己触媒重合を防止するために、酸安定剤、たとえばSO2、硫酸、リン酸または有機酸、たとえば酢酸が添加される。
青酸は、液体もしくは気体状、純粋な形または水溶液として使用可能である。
好ましくは、青酸は、50〜95質量%の、特に好ましくは、75〜90質量%の水溶液として使用される。
青酸は、好ましくは、90質量%以上の純度で使用される。
好ましくは、安定剤を含まないHCNが使用される。
安定化されたHCNが使用される場合、当該安定剤は有機酸とくに酢酸であるのが好ましい。
好ましい実施形態において、EDDN製造は、基本的に、シアノ塩、たとえばKCNなしで実施される。

EDA、HCNおよびFAの反応は、好ましくは、水の存在下で行われる。
EDA、HCNおよびFAの反応に際しては、一般に、使用されたホルムアルデヒド1モル当たり、1モルの水が発生する。
ただし、水は、たとえば出発原料をそれらの水溶液の形で使用することにより、付加的に供給されてもよい。特に、上述したように、一般にFAおよび/またはHCNは、EDDNないしEDMNの製造に、水溶液として使用される。
水量は、一般に、使用されるEDA1モル当たり、1〜50モル、好ましくは2〜40モル、特に好ましくは3〜30モルである。
HCN、EDAおよびFAの反応が断熱反応器中−つまり、基本的に冷却されずに、反応温度が反応熱の放出によって上昇する反応器中−で行われる場合には、EDAは、断熱反応器に導入される前、かつ、その他の出発原料、たとえばFACHないしHCNまたはFAと混合される前に、水と混合されるのが好ましい。というのも、EDAと水を混合する場合、通例、水性EDA流れの温度は、形成される水和物の発熱によって上昇するからである。EDAが反応器に流入する前に、このEDA水和熱を除去することによって、断熱反応器中の温度上昇を減少させることが可能である。
EDAと水を混合するための装置としては、静的ミキサー、乱流導管、ポンプまたは熱交換器が適している。
水和熱を除去するために、水とEDAは、好ましくは水とEDAとのモル比1:1〜6:1で混合される。
HCN、EDAおよびFAの反応が、発生する反応熱を除去することのできる反応器中、たとえば外部熱交換器を備えたループ型反応器中で行われる場合には、ふつうFAおよびHCNの水溶液の使用によって方法工程に持ち込まれる水以外に、付加的な水はいっさい供給されないのが好ましい。
有機溶媒
EDA、HCNおよびFAの反応は、好ましくは、有機溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒としては、好ましくは、脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族の炭化水素、アルコールおよびエーテルからなる群から選択されたものが使用される。
有機溶媒は後続するEDDNおよび/またはEDMNの水素化条件下で耐性を有しているのが特に好ましい。
さらに、後続するEDDNないしEDMNの精製に際して、通常の冷却水を凝縮に使用可能とすべく、有機溶媒は、50〜500mbarの圧力にて、20〜50℃で凝縮可能であるのが好ましい。
さらに、反応生成物の精製中、後続する水分離に際して、100℃を下回る塔底部温度を設定可能とすべく、有機溶媒は十分に低い沸点を有しているのが好ましい。
好ましい有機溶媒は、たとえば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、N−メチルモルホリン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレン、アニソール、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、ジイソブチルエーテル、軽ベンジン、ベンジン、ベンゼン、ジグリム、テトラヒドロフラン、2−および3−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)およびシクロヘキサノール、またはこれらの化合物の混合物である。特に好ましい溶媒は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、N−メチルモルホリン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレン、アニソール、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、ジイソブチルエーテル、軽ベンジン、ベンジン(ベンゼン)、ジグリムおよびMeTHF、またはこれらの化合物の混合物である。
有機溶媒の量は、一般に、使用されるEDA1kg当たり、0.1〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。
特に好ましい方法態様において、FA、EDAおよびHCNの反応に際し、特に以下に述べる水の蒸留除去の条件下で、水とEDDNないしEDMNとの間の沸点を有する有機溶媒が使用される。以下に述べるように、この範囲に沸点を有する有機溶媒は、FA、HCNおよびEDAの反応に際して得られる反応生成物からの特に効率的な水の分離を可能にする。水とEDDNまたはEDMNとの間の沸点を有する特に好ましい溶媒は、トルエン、N−メチルモルホリン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレン、アニソール、n−オクタン、n−ノナン、ジイソブチルエーテルおよびジグリム、またはそれらの混合物である。
上記の有機溶媒のいくつかは、水との間に低沸点共沸混合物を形成することができる。低沸点共沸混合物は、p−x線図において、蒸気圧が最大値時の物質混合物に等しい。この混合物の沸点は、T−x線図において、最小値を有し、関与する純物質のそれを下回っている。
水とEDDNまたはEDMNとの間の沸点を有すると共に、水との間に低沸点共沸混合物を形成する特に好ましい有機溶媒は、トルエン、N−メチルモルホリン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレン、アニソール、n−オクタン、n−ノナン、ジイソブチルエーテルおよびジグリム、またはそれらの混合物である。
水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する有機溶媒が、水との間に低沸点共沸混合物を形成する場合には、さらに、有機溶媒は、特に、以下に述べる精製ステップの条件下で、ミシビリティーギャップないし難水溶性を有しているのが好ましい。これにより、その後の水と有機溶媒との分離が容易化される。好ましくは、この種の有機溶媒の溶解度は、1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、なかんずく好ましくは0.1質量%以下である。とりわけトルエンはこの種の有機溶媒として好ましい。
さらに別の好ましい実施形態において、FA、EDAおよびHCNの反応に際し、特に以下に述べる水の蒸留分離の条件下で、水の沸点を下回る沸点を有すると共に、水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒が使用される。
水の沸点を下回る沸点を有すると共に、水との間に低沸点共沸混合物を形成する特に好ましい溶媒は、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、軽ベンジン、ベンジン(ベンゼン)またはそれらの混合物である。この種の溶媒は、凝縮器にゾルの使用を回避することができるような高さの凝縮温度を達成すべく、標準条件下で好ましくは少なくとも50℃の沸点、特に好ましくは少なくとも60℃の沸点を有する必要があろう。
さらに、水の沸点を下回る沸点を有すると共に、水との間に低沸点共沸混合物を形成する、使用される溶媒は、FA、HCNおよびEDAの反応に際して占めている条件下または後続する精製条件下で、低い水溶性または水とのミシビリティーギャップを有しているのが好ましい。これにより、その後の水と有機溶媒との分離が容易になる。好ましくは、この種の有機溶媒の水への溶解度は、1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下、なかんずく好ましくは0.1質量%以下である。
なかんずく特に好ましい実施形態において、EDDNおよび/またはEDMNを得るための、EDA、FAおよびHCNの反応は、溶媒としてのトルエンの存在下で実施され、後続する、TETAおよび/またはDETAを得るためのEDDNおよび/またはEDMNの水素化は、THFの存在下で実施される。以下に述べるように、これにより、方法工程への有機溶媒の返送を可能とする、特に効率的な溶媒連結システムをつくり出すことができる。さらに、後続する水素化中におけるTHFの存在は、特に水素化が懸濁方式で実施される場合、使用される懸濁触媒の凝集傾向を低下させることができる旨認識された。
したがって、本発明の特に好ましい実施形態は、FA、HCNおよびEDAからのEDDNおよび/またはEDMNの製造は、溶媒としてのトルエンの存在下で行われ、懸濁方式による水素化は、THFの存在下で実施されることを特徴とする、触媒の存在における水素によるEDDNおよび/またはEDMNの水素化によるTETAおよび/またはDETAの製造に関する。
特に、THFはEDDNおよび/またはEDMNの製造後に供給され、EDDNおよび/またはEDMNの製造後に、吸着剤、好ましくは固体の酸性吸着剤によるEDDNないしEDMNの処理がTHFの存在下で行われるのが好ましい。
FA+HCN+EDAの反応(一般)
水の存在下で、EDA、HCNおよびFAを反応させる方法は、たとえば、その開示内容が明文を以って本願明細書に引証される国際特許第2008/104579号に開示されている。
国際特許第2008/104579号の教示によれば、FA、HCNおよびEDAの反応は該文献に開示された選択肢a)〜d)に準拠して実施可能であり、その際、出発原料は、通例、EDDNおよび/またはEDMNからなる混合物に転換される。
製造は、たとえば、
a)HCNおよびEDAが先ず反応させられて、FACHが得られ、これがその後にEDAと反応させられる、または
b)EDDNは、エチレンジアミン−ホルムアルデヒド付加化合物(EDFA)と青酸との反応によって、または、EDMNは、エチレンジアミン−モノホルムアルデヒド付加化合物(EDMFA)と青酸との反応によって製造される(この場合、EDFAないしEDMFAはEDAとFAとの反応によって得ることができる)、または
c)EDAは、ホルムアルデヒドと青酸からなる混合物と反応させられる、または
d)EDAは、同時に、ホルムアルデヒドおよびHCNと反応させられる
ことによって行うことができる。
国際特許第2008/104579号に開示された選択肢a)〜d)は、好ましくは、10〜90℃、特に30〜70℃の温度にて実施される。反応は標準圧力にて、または場合により高圧(過圧)でも実施可能である。好ましくは、選択肢a)〜d)は管型反応器または攪拌槽カスケードで実施される。好ましくは、FA、HCNおよびEDAの反応は、連続方式としても実施可能であり、特に大規模工業的方法として実施可能である。相応した方法パラメータ(たとえば、出発原料、温度、溶媒または圧力)の選択に応じ、反応生成物中のEDMNの割合が変化して、EDMNが副生成物としてではなく、第2の主反応生成物として生ずるように方法を制御することが可能である。
好ましくは、EDDNとEDMNとの比は、FA、HCNおよびEDAの反応に際し、出発原料のモル比によって−以下に述べるように−影響される。
以下に、方法選択肢a)〜d)のさらなる詳細ならびに、場合により、それぞれの選択肢の好ましい実施形態を説明する。
選択肢a)
EDDNおよび/またはEDMNは、選択肢a)により、HCN、FAおよびEDAから製造可能であり、その際、先ずFAはHCNと反応させられてFACHが得られ、続いて、FACHがEDAと反応させられる。
既述したように、EDAは、基本的に、当業者に公知の方法で製造可能である。
FACH製造
FACHの製造は、たとえば、ウルマン百科事典に述べられている(Artikel"Formaldehyde"in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Gunther Reuss, Walter Disteldorf, Armin Otto Gamer and Albrecht Hilt, Published Online : 15 JUN 2000, DOI : 10.1002/14356007.a11_619, S.28)。これは、たとえば、ホルムアルデヒドと水性青酸との反応によって行うことができる。
ホルムアルデヒドと青酸は、同じく−上述したように−取引上一般に入手可能な化学物質である。
好ましくは、ホルムアルデヒドは、既述したように、30〜50%水溶液として使用可能である。
青酸は、既述したように、気体状でまたは水溶液として使用可能である。
FACHを製造する好ましい態様は、国際特許第2008/104579号に開示されている。それによれば、FACHの製造は、水性ホルムアルデヒドと青酸との反応によって行うことができる。好ましくは、ホルムアルデヒドは30〜50%水溶液として存在し、青酸は、好ましくは、90〜100%の純度で使用される。この反応は、好ましくは水酸化ナトリウムまたはアンモニアによって調整される、好ましくは、pH値5.5にて行われる。反応は、20〜70℃の温度にて、たとえばループ型反応器および/または管型反応器で行うことが可能である。精製された青酸(HCN)に代えて、HCN生ガスも、ホルムアルデヒド水溶液中で、上記の条件下で化学吸着されてFACHとされえる。HCN生ガスは、好ましくは、ホルムアミドの熱分解によって製造され、水以外に、特に、僅かな割合のアンモニアを含んでいる。場合により、得られたFACH水溶液は、たとえば流下膜式蒸発器または薄膜蒸発器による保護的な真空蒸発濃縮により濃縮可能である。好ましくは、50〜80質量%のFACH水溶液への濃縮が行われる。濃縮前に、たとえば酸の添加たとえばリン酸添加または好ましくは硫酸添加による、pH値≦4への、好ましくはpH値≦3へのpH値の低下によってFACH溶液を安定化させるのが有利である。
好ましくは、選択肢a)による方法には、50〜80質量%のFACH水溶液が使用される。
EDAおよびFACHからEDDN/EDMN
一般に、EDAとFACHとの反応に際する、選択肢a)によるEDAとFACHとのモル比は、1:1〜1:2[モル/モル]である。
好ましくは、選択肢a)において、EDAとFACHとのモル比は、約1:1.8〜1:2[モル/モル]、特に約1:2[モル/モル]である。
反応混合物中のEDDN比率を高めようとする場合、EDAとFACHとのモル比は、好ましくは1:1.5〜1:2、特に好ましくは1:1.8〜1:2である。反応混合物中の高いEDDN比率は、EDDNが後続する反応において水素化されてTETAとされる場合に、有利である。
反応混合物中のEDMN比率を高めようとする場合には、EDAとFACHとのモル比は、好ましくは1:1〜1:1.15、特に好ましくは1:1〜1:1.3である。反応混合物中の高いEDMN比率は、EDMNが後続する反応において水素化されてDETAとされる場合に、有利である。
一般に、FACHとEDAとの反応は、既述した一般的な方法条件に基づいて実施可能である。
特に、反応は、上述した有機溶媒のいずれか、とりわけ、好ましいおよび特に好ましいとして挙げられたいずれかの有機溶媒の存在下で実施される。使用される溶媒の量は−上述したように−一般に、使用されるEDA1kg当たり、0.1〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。
後続する水の分離に際して技術的に容易かつ効率的な方法を可能にするトルエンが、特に有利な有機溶媒であることが判明した。
出発原料および、場合により、使用される有機溶媒(単数/複数)および、場合により、水は、反応器に導入される前に混合されても、反応器自体内部で初めて混合されてもよい。FACHは、好ましくは、いずれかの有機溶媒、つまり上述した有機溶媒のいずれか、とりわけトルエンと混合されてFACH含有流れとされるが、その際、新鮮な有機溶媒または後続する精製プロセスから回収される有機溶媒のいずれかが使用可能である。
EDAは、既述したように、後続するFACHとの反応が断熱運転される反応器で行われる場合には、同じく反応器に導入される前に好ましくは水と混合されて水性EDA流れとされる。こうして、水とEDAとの混合時に発生する水和熱は、すでに反応器への導入前に除去可能である。
ただし、出発原料および場合により溶媒を別々にまたは部分的に切り離して導入し、混合は反応器内で、たとえば適切なビルトイン装備を用いて行われることも可能である。
特に好ましい実施形態において、反応が断熱運転される反応器中−つまり、基本的に冷却されずに、反応温度は反応熱の放出によって上昇させられる反応器中−で実施される場合には、断熱温度上昇を限定し得るように、反応混合物には反応器への導入前に有機溶媒が供給される。使用される有機溶媒は、その熱容量に応じて反応熱を吸収して温度上昇の抑止に寄与することにより、温度上昇の制限に貢献する。一般に、供給される溶媒の量が多ければ多いほど、温度上昇をますます強度に制限することが可能である。
好ましくは、有機溶媒は、それが熱を吸収し得るように、冷却されるまたは周囲温度にて供給される。好ましくは、有機溶媒は、10〜50℃、好ましくは15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃にて反応器に導入される。
有機溶媒を使用することにより、以下に述べるように、たとえば溶媒含有反応混合物を減圧に付し、こうして、有機溶媒の少なくとも一部を蒸発させることによって、反応器から流出した後の反応混合物の冷却を促進することも可能である。有機溶媒の付加的な蒸発により、反応混合物から、さらに、熱を奪うことが可能である。
好ましくは、反応混合物は、とりわけ、反応が断熱運転される反応器で実施される場合、反応器の出口または出口後方で冷却される。反応混合物の冷却は、上述したようにかつ以下に詳細に述べるようにして、実施することが可能である。
なかんずく特に好ましい態様において、FACHとEDAの反応は、逆混合の制限された反応器で、20〜120℃の温度にて、僅かな滞留時間で行われる。
したがって、この特に好ましい実施形態は、反応器内滞留時間が300秒以下であることを特徴とする、逆混合の制限された反応器で20〜120℃の温度にて行われるホルムアルデヒドシアノヒドリン(FACH)とエチレンジアミン(EDA)との反応に関する。
このなかんずく特に好ましい実施形態において、FACHとEDAとの反応は逆混合の制限された反応器で実施される。
逆混合の制限された反応器の例は、管型反応器および攪拌槽カスケードである。
特に好ましくは、FACHとEDAの反応は管型反応器("plug flow reactor")で実施される。
管型反応器の高さと直径との比は、好ましくは1:1〜500:1、特に好ましくは2:1〜100:1、とりわけ好ましくは5:1〜50:1である。
管型反応器は、逆混合を防止するビルトイン装備を含んでいてよい。ビルトイン装備は、たとえば、ボール、オリフィス、多孔板または静的ミキサーであってよい。
なかんずく特に好ましくは、管型反応器として空導管が使用される。
反応器の姿勢は重要ではない。垂直であっても水平であってもよく、あるいはスパイラルまたはスリングとして形成されていてもよい。
このなかんずく特に好ましい実施形態において、FACHとEDAとの反応に際する、求められた温度範囲での反応器内滞留時間は、300秒以下、好ましくは200秒以下、特に好ましくは100秒以下、とりわけ好ましくは60秒以下である。
特別な実施形態において、滞留時間は、1〜300秒、特に好ましくは5〜200秒、なかんずく特に好ましくは10〜100秒、とりわけ好ましくは15〜60秒である。
Figure 2014527538
本発明の範囲において、反応器入り口は、FACHとEDAとが接触させられる混合箇所に相当している。
本発明の範囲において、反応器出口は、反応混合物の温度が冷却によって低下される箇所に相当している。
反応器出口における反応混合物の冷却は、以下に述べるように、好ましくは
− 熱交換器による排熱、
− 有機溶媒の供給、または
− フラッシュ蒸発
によって行うことが可能である。
第1のケースにおいて、反応器出口は、反応混合物が冷却のために熱交換器に流入する箇所に相当している。
第2のケースにおいて、反応器出口は、さらなる冷却用有機溶媒が供給される、反応器の出口における最後の混合箇所に相当している。
第3のケースにおいて、反応器出口は、反応混合物がそれによって、以下に述べるように、部分的に蒸発させられる膨張弁に相当している。
したがって、反応器容積は、場合により、反応器入り口(EDAとFACHが接触させられる混合箇所)と反応器出口(たとえば、膨張弁、熱交換器への入り口または冷却用有機溶媒が供給される、反応器の出口における最後の混合箇所)との間に位置している反応器の導管ないし供給管の部分も含んでいる。
なかんずく特に好ましい実施形態において、FACH含有流れと水性EDA流れは反応器の入り口で混合される。混合は、静的ミキサー、適切なビルトイン設備、たとえば充填体とくにラシヒリングによって、または混合箇所およびその後方での乱流の発生によって行うことが可能である。たとえば、乱流の発生は、いずれかの出発原料をその他の出発原料中に噴射ないし射出することによって行うことが可能である。
なかんずく特に好ましい実施形態において、EDAとFACHとの反応は、20〜120℃、好ましくは25〜100℃、特に好ましくは30〜90℃の温度範囲で行われる。
特に好ましくは、EDAとFACHとの反応は、なかんずく特に好ましい実施形態において、断熱条件下つまり反応温度が反応熱の放出によって上昇する条件下で行われる。
なかんずく特に好ましい実施形態において、反応温度は120℃を超えないようにすることが必要であるが、それは、本発明の範囲において、この温度を超えると目標生成物EDDNないしEDMNの分解が高まることが観察されたからである。
反応器内の温度上昇を20〜120℃の温度範囲に制限するには、複数の技術対策、好ましくは
− 出発原料および場合により有機溶媒および場合により水を、反応器への導入前に、10〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃の温度範囲に冷却すること;
− 反応器または反応器の一部に冷却装置を備えること;または
− 反応混合物に有機溶媒を供給すること
の実施が可能である。
上述した1以上の対策を組み合わせて実施することも可能である。
出発原料、ならびに場合により有機溶媒および水は、10〜50℃、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃の温度にて反応器に導入可能である。出発原料の温度がこの好ましい温度範囲を上回っている場合、出発原料を適切な冷却装置、たとえば熱交換器とくに板状熱交換器、多管型熱交換器またはダブルジャケット型熱交換器によって冷却することが可能である。
反応器または反応器の一部は、別法としてまたはさらに加えて、冷却装置を備えていてよい。たとえば、反応器は冷却ジャケットを備えていてよい。また、反応器内部に排熱を可能とする手段、たとえば内部熱交換器が設けられていてもよい。さらにまた、反応器内容物の一部が、熱交換器の配されたループを経てガイドされるようにすることも思量可能である。ただし、補助冷却装置は、通例、装置および製作コストの高まりを意味するが、これらの装置は、反応器内部の温度を特に好ましい実施形態の温度範囲内に保つのにも適している。
さらに別の実施形態において、反応の前または反応中にさらなる有機溶媒を供給して、反応混合物を冷却することが可能である。ただし、有機溶媒の総量は、好ましくは、EDA1kg当たり、50kg、好ましくは30kg、特に好ましくは、EDA1kg当たり、25kgを超えないようにする必要があろう。冷却用有機溶媒は、10〜50℃、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃の温度で反応器に導入されるのが好ましい。
上記の対策の実施により、とりわけ有機溶媒の供給により、流出温度を、50〜120℃、好ましくは60〜110℃、特に好ましくは70〜100℃の範囲内に保つことが可能である。特に好ましいのは、冷却が有機溶媒の供給によると共に冷却ジャケットを介した管型反応器の冷却によっても行われることである。
なかんずく特に好ましい実施形態において、反応混合物は反応器の出口でさらに冷却される。反応混合物の冷却は、たとえば、適切な冷却装置による冷却、さらなる有機溶媒の供給またはフラッシュ蒸発によって行うことが可能である。反応器出口における反応混合物の冷却は以下に詳細に説明する。
選択肢b)
EDFAないしEDMFAからのEDDNおよび/またはEDMNの製造は、選択肢b)によっても行うことが可能であり、この場合、FAはEDAと反応させられてEDFAおよび/またはEDMFAが得られ、これが、続いて、さらにHCNと反応させられてEDDNないしEDMNが得られる。
EDFA/EDMFA製造
選択肢b)によれば、先ずEDAがFAと反応させられてEDFAないしEDMFAが得られる。
好ましい実施形態において、EDAがFAと反応させられてEDFAないしEDMFAとされる前または該反応中には、有機溶媒は供給されない。
FAは、上述したように、好ましくは水溶液の形で使用されるため、反応は、好ましくは、水の存在下で行われる。
EDA(I)がFAと反応させられてEDFA(II)ないしEDMFA(III)が得られる反応は、通例、非常に早く進行するため、一般に触媒は必要とされない。
Figure 2014527538
EDFA(II)は、式上、明瞭性を優先させて、ヘミアミナールとして表されている。EDFAの製造は、通例、1モルのEDAと1モルのホルムアルデヒドから形成される中間生成物EDMFA(III)を経て進行する。
EDAをホルムアルデヒドと反応させてEDFAを得る反応は、一般に、強い発熱反応である。反応エンタルピーは、EDA1モル当たり100〜200kJである。加えてさらに、EDAは水との間で、同じく発熱反応によって、一般に水和物を形成する。水和物形成に際して発生する熱量は、EDA1モル当たり約25kJであり、通例、総じて放出される熱のおよそ20%を表している。
EDAとホルムアルデヒドとのモル比は、1:1.8〜1:2.2、好ましくは1:1.9〜1:2.1、特に好ましくは1:2〜1:2.1である。
反応混合物中のEDFA比率を高めようとする場合、EDAとFAとのモル比は、好ましくは1:1.8〜1:2.2、特に好ましくは1:1.9〜1:2.1である。反応混合物中の高いEDFA比率は、EDFAが後続する反応においてHCNと反応させられてEDDNが得られ、これがさらに水素化されてTETAとされる場合に、有利である。
反応混合物中のEDMFA比率を高めようとする場合、EDAとFAとのモル比は、好ましくは1:0.8〜1:1.5、特に好ましくは1:1〜1:1.3である。反応混合物中の高いEDMFA比率は、EDMFAが後続する反応においてHCNと反応させられてEDMNが得られ、これがさらに水素化されてDETAとされる場合に、有利である。
EDAとFAとの反応に際して遵守される圧力は重大ではなく、一般に、反応器内容物が液状であるだけの高さでありさえすればよい。これは上限がなく、好ましくは1〜10bar、特に好ましくは2〜5barである。
FAとEDAとの反応は、好ましくは、連続的に行われる。
EDAとホルムアルデヒドとの連続反応には、液相反応に適したあらゆる反応器が使用可能である。
好ましくは、選択肢b)による方法は、管型反応器または攪拌槽型反応器またはループ型反応器、とりわけループ型反応器で実施される。
ループ型反応器とは、以下において、反応器内容物が環状にガイドされる反応器として理解されることとする。反応器装入物は、反応器を通過した後、冷却装置、たとえば熱交換器で冷却され、冷却された流れの部分流は反応器に返送され、残りの流れは次の方法段階へ誘導可能である。これは内部循環系または外部循環系であってよい。好ましくは、外部循環系は、冷却装置、たとえば熱交換器とくに板状熱交換器、多管型熱交換器またはダブルジャケット型熱交換器によって冷却可能である。たとえば、EDAの水和時ないしFAとEDAとの反応時に発生する反応熱の除去により、反応器内の温度上昇を良好に制御することが可能である。
ループ型反応器内の滞留時間は、好ましくは5秒〜60分、特に好ましくは30秒〜20分である。
EDFAないしEDMFAを得る反応が、逆混合の生ずるループ型反応器で行われる場合、反応率は、通例、完全ではない。それは、一般に、50〜99%である。
それゆえ、なかんずく特に好ましい実施形態において、ループ型反応器と後置された管型反応器とからなるコンビネーションが反応器として使用される。
これにより、ループ型反応器から流出した後、上述したように、50〜99%の範囲にある反応率をさらに高めることが可能である。
後置された管型反応器は、好ましくは、ループ型反応器の条件下にて、好ましくはループ型反応器と同じ圧力および温度にて運転される。
出発原料は、反応器への導入前に混合されても、反応器自体の内部で初めて混合されてもよい。
たとえば、出発原料および場合により有機溶媒を別々にまたは部分的に切り離して導入し、混合は反応器内部で、たとえば適切なビルトイン装備を用いて行われるようにすることも可能である。
混合装置としては、一般に、静的ミキサー、乱流導管、ポンプまたは熱交換器が適している。
好ましい実施形態において、EDAとFAの混合によって得られた混合物は、ループ型反応器の循環系に導入される。
特に好ましい実施形態において、混合装置は反応器循環系に含まれているため、EDAとFAは別々の導管を経て反応器の循環系に導入され、該循環系において、反応器領域への導入前に、混合装置で混合可能である。
FAとEDAとを反応させてEDFAないしEDMFAを得る反応時の温度は、一般に、0〜100℃である。
特に好ましい実施形態において、EDAとFAとの反応は狭い温度範囲で行われる。
したがって、特に好ましい実施形態は、エチレンジアミン(EDA)をホルムアルデヒドと反応させて、エチレンジアミン−ホルムアルデヒド付加化合物(EDFA)および/またはエチレンジアミン−モノホルムアルデヒド付加化合物(EDMFA)を得る反応であって、FAとEDAとの反応は20〜50℃の範囲の温度で実施されることを特徴とする反応に関する。
20〜50℃のみの好ましい実施形態の温度範囲において、EDFA合成ないしEDMFA合成は、触媒なしでも十分急速に進行する。温度>50℃に際して収率損失を結果する2つの副生成物の形成は、驚くべきことに、この合成温度に際しては副次的なレベルでしか生じない。これらは、HCNとの反応後に確認される化合物IVおよびVである。
Figure 2014527538
これらの副生成物は、ホルムアルデヒドとの反応およびカニッツァロ反応によって生ずるギ酸に帰着されると想定される。その発生は有用生成物損失と結びつき、後続するEDFAないしEDMFAの反応においても、収率と選択率の低下を結果するであろう。さらに、N−メチル化された副生成物を主生成物から分離することはなかなか困難であることから、これらは、通例、望ましくない不純物を表している。
FAとEDAとの反応から20〜50℃の温度範囲で製造される生成物は副次成分(IV)および(V)を僅かな割合で有するにすぎないために、EDFAおよび/またはEDMFAの収率を高めることが可能である。
選択肢b)による方法の特に好ましい実施形態において、EDAをFAと反応させてEDFAおよび/またはEDMFAを得る反応時の温度は20〜50℃、好ましくは25〜45℃の範囲にある。
さらに、反応は、上述したように、ループ型反応器にて、特に好ましくは、ループ型反応器と管型反応器からなる上述したコンビネーションにて実施されるのが好ましい。
EDFAないしEDMFAからのEDDN/EDMN
態様b)において、EDFAないしEDMFAは、その製造後、続いてさらにHCNと反応させられて、EDDNないしEDMNが得られる。
好ましくは、EDFAないしEDMFAは、さらなる精製なしに、HCNと反応させられる。
EDFAと青酸(HCN)とのモル比は、好ましくは1:1.8〜1:2.2、特に好ましくは1:1.9〜1:2.0である。
EDMFAと青酸とのモル比は、好ましくは1:1〜1:1.3、特に好ましくは1:1〜1:1.2である。
一般に、EDFAおよび/またはEDMFAとHCNとの反応は、上述した一般的な方法条件に基づいて実施可能である。
とりわけ、EDFAないしEDMFAとHCNとの反応は、上述した有機溶媒のいずれか、特に、好ましいおよび特に好ましいとして挙げられた有機溶媒の存在下で実施される。使用される溶媒の量は−上述したように−使用されたEDA1kg当たり、一般に、0.5〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。特に好ましくは、EDFAないしEDMFAとHCNとの反応も、トルエンの存在下で行われる。
HCNとEDFAないしEDMFAとの反応に際する反応圧力は、通例、重要ではない。好ましくは、出発原料および場合により使用される溶媒が液相で存在する圧力が設定される。それゆえ、圧力は好ましくは1bar〜10bar、特に好ましくは1〜5bar、とりわけ好ましくは1〜3barである。好ましくは、この圧力は、場合により先に行われた、FAをEDAと反応させてEDFAないしEDMFAを得る反応時に設定された圧力に等しい。
EDFAおよび/またはEDMFAおよびHCNおよび場合により使用される有機溶媒(単数/複数)および場合により水は、反応器への導入前に混合されても、反応器自体の内部で初めて混合されてもよい。
反応は、好ましくは、管型反応器または攪拌槽カスケードにより、断熱条件下にて、つまり、基本的に冷却されずに、反応温度は反応熱の放出によって上昇させられる反応器にて行われる。
EDFAないしEDMFAとHCNとの間の反応の発熱により、反応混合物は、一般に、流入温度を上回る温度にて反応器から流出する。
好ましくは、反応混合物は、反応器の出口で冷却される。反応混合物の冷却は、上述したようにかつ以下に詳細に述べるようにして、実施することが可能である。
特に好ましい実施形態において、EDFAないしEDMFAとHCNとの反応は、逆混合の制限された反応器で、20〜120℃の温度にて、短い滞留時間で行われる。
したがって、この特に好ましい実施形態は、逆混合の制限された反応器で、20〜120℃の温度にて行われる、エチレンジアミン−ホルムアルデヒド付加化合物(EDFA)および/またはエチレンジアミン−モノホルムアルデヒド付加化合物(EDMFA)と青酸(HCN)との反応であって、反応器内滞留時間は300秒以下であることを特徴とする反応に関する。
逆混合の制限された反応器の例は、管型反応器および攪拌槽カスケードである。
特に好ましくは、反応は管型反応器("plug flow reactor")で実施される。
管型反応器の高さと直径との比は、好ましくは1:1〜500:1、特に好ましくは2:1〜100:1、とりわけ好ましくは5:1〜50:1である。
管型反応器は、縦方向の逆混合を防止するビルトイン装備を含んでいてよい。ビルトイン装備は、たとえば、ボール、オリフィス、多孔板または静的ミキサーであってよい。
なかんずく特に好ましくは、管型反応器として空導管が使用される。
反応器の姿勢は重要ではない。垂直であっても水平であってもよく、あるいはスパイラルまたはスリングとして形成されていてもよい。
EDFAないしEDMFAをHCNと反応させるための好ましい実施形態において、求められた温度範囲での反応器内滞留時間は、300秒以下、好ましくは200秒以下、特に好ましくは100秒以下、とりわけ好ましくは60秒以下である。
特別な実施形態において、滞留時間は、1〜300秒、特に好ましくは5〜200秒、なかんずく特に好ましくは10〜100秒、とりわけ好ましくは15〜60秒である。
Figure 2014527538
本発明の範囲において、反応器入り口は、EDFAないしEDMFAとHCNとが接触させられる混合箇所に相当している。
本発明の範囲において、反応器出口は、反応混合物の温度が冷却によって低下される箇所に相当している。
反応器出口における反応混合物の冷却は、以下に述べるように、好ましくは
− 熱交換器による排熱、
− 有機溶媒の供給、または
− フラッシュ蒸発
によって行うことが可能である。
第1のケースにおいて、反応器出口は、反応混合物が冷却のために熱交換器に流入する箇所に相当している。
第2のケースにおいて、反応器出口は、さらなる冷却用有機溶媒が供給される、反応器の出口における最後の混合箇所に相当している。
第3のケースにおいて、反応器出口は、反応混合物がその後方で、以下に述べるように、部分的に蒸発させられる膨張弁に相当している。
したがって、反応器容積は、反応器入り口(EDFAないしEDMFAがHCNと接触させられる混合箇所)と反応器出口(たとえば、膨張弁、熱交換器への入り口または冷却用有機溶媒が供給される、反応器の出口における最後の混合箇所)との間に位置している反応器の導管ないし供給管の部分も含んでいる。
特に好ましい実施形態において、EDFA含有ないしFACH含有流れとHCN流れとは、反応器の入り口で混合される。混合は、静的ミキサー、適切なビルトイン設備、たとえば充填体とくにラシヒリングによって、または混合箇所およびその後方での乱流の発生によって行うことが可能である。
この特に好ましい実施形態において、EDFAないしEDMFAとHCNとの反応は、20〜120℃、好ましくは25〜100℃、特に好ましくは30〜90℃の温度範囲で行われる。
特に好ましくは、EDFAないしEDMFAとHCNとの反応は、特に好ましい実施形態において、断熱条件下つまり反応器内の反応温度が反応熱の放出によって上昇させられる条件下で行われる。
好ましい実施形態の範囲において、反応温度は120℃を超えないよう注意することが必要であるが、それは、本発明の範囲において、この温度を超えると目標生成物EDDNないしEDMNの分解が高まることが観察されたからである。
反応器内の温度上昇を制限するには、複数の技術対策、つまり
− 出発原料および場合により有機溶媒および場合により水を、反応器への導入前に、10〜50℃、好ましくは20〜40℃、特に好ましくは25〜35℃の温度範囲に冷却すること;
− 反応器または反応器の一部に冷却装置を備えること;または
− 反応混合物に有機溶媒を供給すること
の実施が可能である。
上述した対策の1以上を組み合わせて実施することも可能である。
出発原料、ならびに場合により有機溶媒および水は、10〜50℃、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃の温度にて反応器に導入可能である。出発原料の温度がこの好ましい温度範囲を上回っている場合、出発原料を適切な冷却装置、たとえば熱交換器とくに板状熱交換器、多管型熱交換器またはダブルジャケット型熱交換器によって冷却することが可能である。
反応器または反応器の一部は、別法としてまたはさらに加えて、冷却装置を備えていてよい。たとえば、反応器は冷却ジャケットを備えていてよい。また、反応器内部に排熱を可能とする手段、たとえば内部熱交換器が設けられていることも可能である。さらにまた、反応器内容物の一部が、熱交換器の配されたループを経てガイドされるようにすることも思量可能である。ただし、補助冷却装置は、通例、装置および製作コストの高まりを意味するが、これらの装置は、反応器内部の温度を特に好ましい実施形態の温度範囲内に保つのにも適している。
さらに別の実施形態において、反応の前または反応中にさらなる有機溶媒を供給することによって、反応混合物を冷却することが可能である。ただし、有機溶媒の総量は、好ましくは、EDA1kg当たり、50kg、好ましくは30kg、特に好ましくは、EDA1kg当たり、25kgを超えないようにする必要があろう。冷却用有機溶媒は、10〜50℃、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃の温度で反応器に導入されるのが好ましい。
EDFAないしEDMFAとHCNとの反応の発熱により、反応混合物は、一般に、流入温度を上回る温度にて反応器から流出する。
上述した対策の実施により、とりわけ有機溶媒の供給により、流出温度を、50〜120℃、好ましくは60〜110℃、特に好ましくは70〜100℃の範囲に保つことが可能である。冷却が有機溶媒の供給と共に冷却ジャケットを介した管型反応器の冷却によっても行われることが特に好ましい。
なかんずく特に好ましい実施形態において、反応混合物は反応器の出口でさらに冷却される。反応混合物の冷却は、たとえば、適切な冷却装置による冷却、さらなる有機溶媒の供給またはフラッシュ蒸発によって行うことが可能である。反応器出口における反応混合物の冷却は以下に詳細に説明する。
選択肢c)
EDDNおよび/またはEDMNは、さらに、選択肢c)に基づき、EDAを、ホルムアルデヒドおよび青酸からなる混合物(GFB)と反応させることによって製造することが可能である。
一般に、EDAと、ホルムアルデヒドおよび青酸からなる混合物との反応は、先に述べた一般的な方法条件に基づいて実施可能である。
とりわけ、反応は、上述した有機溶媒のいずれか、特に、好ましいおよび特に好ましいとして挙げられたいずれかの有機溶媒の存在下で実施される。使用される溶媒の量は−上述したように−使用されたEDA1kg当たり、一般に、0.5〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。
特に好ましくは、反応は、同じく上述したように、水の存在下で実施される。
GFB中のFAと青酸とのモル比は、通例、0.5:1〜〜1.5:1の範囲にある。
EDAとGFBとのモル比は、好ましくは、1:1.5〜1:2[モル/モル]である。好ましくは、EDAとGFBとのモル比は1:1.8〜1:2[モル/モル]である。好ましくは、GFBは、おおよそ等モル量のホルムアルデヒドと青酸との混合によって製造される。
好ましくは、反応混合物は、反応器の出口で冷却される。反応混合物の冷却は、上述したようにかつ以下に詳細に述べるようにして、実施することが可能である。
選択肢d)
EDDNないしEDMNを製造するためのさらに別途の態様は、選択肢d)により、EDAを、同時に(並行して)、ホルムアルデヒドおよび青酸(HCN)と反応させることを本旨としている。
一般に、EDAとホルムアルデヒドおよび青酸(HCN)との同時(並行)反応は、上述した一般的な方法条件に基づいて実施可能である。
EDAとホルムアルデヒドとHCNとのモル比は、通例、1:1.5:1.5〜1:2:2[モル/モル/モル]である。好ましくは、EDAとホルムアルデヒドとHCNとのモル比は、1:1.8:1.8〜1:2:2[モル/モル/モル]である。好ましくは、この実施形態において、これらの3種の出発原料成分は、同時にまたは段階的に、それぞれの出発原料総量を基準として、等しいモル部分量で反応タンクに加えられる。
一般に、EDAとホルムアルデヒドおよび青酸(HCN)との同時(並行)反応は、上述した一般的な方法条件に基づいて実施可能である。
とりわけ、反応は、上述した有機溶媒、特に、好ましいおよび特に好ましいとして挙げられた有機溶媒の存在下で実施される。使用される溶媒の量は−上述したように−使用されたEDA1kg当たり、一般に、0.5〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。
好ましくは、反応混合物は、反応器の出口で冷却される。反応混合物の冷却は、上述したようにかつ以下に詳細に述べるようにして、実施することが可能である。
反応生成物
反応生成物として、上述した方法態様a)〜d)およびそれらの好ましい実施形態において、通例、EDDNとEDMNとの混合物が生ずる。
EDDNとEDMNとの比は、上述したように、一般に、使用された出発原料の比に影響される。
EDDNとEDMNとの質量比は、一般に、30:70〜95:5、好ましくは50:50〜95:5、特に好ましくは75:25〜90:10である。
反応生成物は、場合により、有機溶媒を含んでいることがある。
好ましくは、反応生成物は、上述した、ないし、好ましいおよび特に好ましいとして挙げられた有機溶媒のいずれかを含んでいる。とりわけ、反応生成物はトルエンを含んでいる。
特に好ましくは、反応生成物は、反応生成物を基準として、5〜30質量%、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%、とりわけ好ましくは12〜18質量%のトルエンを含んでいる。とりわけ好ましくは、反応生成物は、トルエン以外に基本的にその他の有機溶媒を含んでいない。
反応生成物は、一般に、FA、HCNおよびEDAの反応時に反応水として生ずるまたは出発原料と一緒にもしくは別個に供給された水を含んでいる。
EDDNないしEDMNの製造に際して生ずる反応生成物は、当業者に公知の方法で、さらに精製可能である。これは、たとえば、非反応出発原料ならびに場合により存在する溶媒からの反応生成物の分離に関する。
EDA、HCNおよびFAの反応からの生成物の冷却
特に好ましい実施形態において、EDA、HCNおよびFAの反応から生じた反応混合物は、反応器からの流出後かつ精製前に、冷却される。したがって、この特に好ましい実施形態は、EDA、HCNおよびFAの反応から生じた反応混合物は反応器からの流出後に冷却されることを特徴とする、水の存在下で反応が行われる、FA、HCNおよびEDAの反応によるEDDNおよび/またはEDMNの製造に関する。
FA、EDAおよびHCNの反応から生じた反応混合物の冷却は、反応の最終段階が断熱運転される反応器とくに管型反応器で実施された場合、特に好ましい。
さらに、冷却後の温度は、20〜70℃、特に好ましくは20〜60℃、とりわけ好ましくは30〜50℃であるのが好ましい。これらの温度範囲への急速な冷却により、望ましくない副生成物、たとえばニトリルの分解生成物をさらに減少させることが可能である。
反応混合物の冷却は、適切な冷却装置、たとえば熱交換器とくに板状、多管型またはダブルジャケット型熱交換器によって行うことが可能である。
また、冷却のために、さらなる有機溶媒が供給されるようにすることも可能である。ただし、上述したように、有機溶媒の総量は、好ましくは、EDA1kg当たり、50kg、好ましくは30kg、特に好ましくはEDA1kg当たり、25kgを超えないようにする必要があろう。冷却用有機溶媒は、10〜50℃、好ましくは15〜40℃、特に好ましくは20〜35℃の温度で反応器に導入されるのが好ましい。
冷却は、なかんずく特に好ましくは、フラッシュ蒸発によって行われる。
そのため、通例、EDDN製造ないしEDMN製造から生じた反応混合物は、EDDNないしEDMN製造が行われる最終反応器の出口部の弁を経て、減圧され低圧容器に送られる。低圧は、好ましくは、反応生成物中の使用された水と、EDDNないしEDMNよりも低沸点の成分との一部が気相に転換され、出発原料、たとえばEDMNないしEDDN、ならびに水の一部、ならびに場合により有機溶媒は液相のままであるように設定される。
フラッシュ蒸発により、水の一部は、反応混合物から保護的な方法で除去される。液状のEDDNないしEDMN含有相は、蒸発熱が奪われることによって冷却される。双方の効果つまり冷却と水濃度の減少により、含有されているEDDNないしEDMNは通例、安定化される。副反応は、これによって、一般に減少させられる。
好ましくは、反応混合物中に存在している水の10〜80質量%、特に好ましくは20〜70質量%、なかんずく特に好ましくは30〜60質量%は、フラッシュ蒸発に際して、蒸発させられて、気相に転換される。
好ましくは、低圧は、1000mbar以下、特に好ましくは300mbar以下、なかんずく特に好ましくは200mbar以下である。
好ましい実施形態において、低圧は、10〜1000mbar、好ましくは50〜300mbar、特に好ましくは100〜200mbarである。
フラッシュ蒸発の後、気体状で存在する成分部分は、好ましくは、冷却器中で部分的に凝縮される。その際、凝縮は、好ましくは、水と場合により使用された溶媒が基本的に完全に凝縮されるようにして実施される。低沸点成分、たとえばアンモニア、HCN、メタノールまたはCO2は、好ましくは凝縮されずに、気体状で除去されるかないし燃焼に供することが可能である。
凝縮された相の再処理は、EDAとHCNおよびFAとの反応が有機溶媒の存在下で実施されたか否か、かつ、如何なる有機溶媒が使用されたかに応じて定めることが可能である。
EDDNないしEDMNの製造に際して有機溶媒が使用されない場合には、凝縮液を以下に述べるカラムK2に供給し、同所で低沸点物質を水から分離することが可能である。また、水を廃棄物処分、たとえば排水処理系に供給することも可能である。
水と混合可能ないし水との間にミシビリティーギャップを有さない有機溶媒が使用される場合、有機溶媒と水からなる凝縮された混合物は、通例、蒸留によって、水の流れと溶媒含有流れとに分離され、その際、溶媒含有流れは、好ましくは、方法工程に返送可能または以下に述べるカラムK1に導入可能である。水の流れは、一般に、水処理系に導入可能である。
好ましい実施形態において、有機溶媒として、水との間にミシビリティーギャップを有するないし基本的に水に不溶な溶媒が使用される場合、凝縮された混合物は、好ましくは、相分離器に供給されて、凝縮された相は、有機溶媒を含んだ相と、水相とに分離されることができる。
水との間にミシビリティーギャップを有するないし基本的に水に不溶な有機溶媒の使用によって、有機溶媒と水との分離は、一般に、付加的な蒸留なしで行うことが可能である。さらに、相分離後の分離された水は、次いで、一般に、精製設備に直接導入可能または、たとえばEDAと水を混合するために、方法工程に返送可能である。
この点で、水相に溶解する溶媒の量が非常に低い(5000ppm未満の)有機溶媒は特に好ましい。そうした例は、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、ヘプタンおよびキシレンである。
相分離後に得られる水相は、また、蒸留装置K2にも導入され、同所で、水は底部生成物として、低沸点有機成分から分離可能である。こうして分離された水は、たとえば溶媒として(たとえばEDA水溶液を製造するために)方法工程に返送可能または精製設備または排水生物処理設備に供給可能である。カラムK2での蒸留に際して頂部を経て分離された有機低沸点物質(たとえば、水よりも低沸点の有機溶媒または水と低沸点共沸混合物を形成する溶媒、HCNまたはトルエン)は、好ましくは、プロセスに返送される。たとえば、有機低沸点物質は、フラッシュ蒸発に後置された凝縮器に供給可能である。
相分離後に得られる有機相は、好ましくは、以下に述べるカラムK1に導入されるまたは有機溶媒としてプロセスに返送される。
低圧容器でのフラッシュ蒸発後に液相で存在しているEDDN含有ないしEDMN含有反応生成物は、好ましくは、以下に述べるように、蒸留塔K1に供給され、同所で、水はEDDNないしEDMNから除去される。
EDDN製造ないしEDMN製造に際して、EDDNないしEDMN製造条件下で水との間にミシビリティーギャップを有するないし僅かな水溶性しか有していない有機溶媒が使用された場合には、EDDN製造ないしEDMN製造から生じた生成物の減圧が行われた容器内には、通例、2種の液相つまり水性EDDNないしEDMN相と、有機溶媒を含んだ相が形成される。
好ましくは、これら2種の相は、以下に述べるように、別々にまたは一緒に、カラムK1に供給される。さらに、カラムK1は、2種の液相を互いに別々に別個の液体分配器に導く充填体を含んでいるのが好ましい。
冷却後、EDDNないしEDMNの製造に際して生ずる反応生成物は、当業者に公知の方法でさらに精製可能である。これは、たとえば、非反応出発原料ならびに場合により存在する溶媒からの反応生成物の分離に関する。
EDDN製造ないしEDMN製造からの反応生成物の精製
上述したように、EDDNないしEDMNの製造に際して生ずる反応生成物は、当業者に公知の方法でさらに精製可能である。これは、たとえば、非反応出発原料ならびに場合により存在する溶媒からの反応生成物の分離に関する。
好ましくは、EDDN製造ないしEDMN製造からの反応生成物は、先ずi)低沸点物質分離および、続いてのii)水除去、が実施されることによって精製される。
低沸点物質除去
低沸点物質の除去は、好ましくは、ストリッピングによって行われる。したがって、たとえば、EDDN製造ないしEDMN製造からの反応生成物は、たとえばFACHの分解生成物として生じ得る痕跡量の青酸を除去するために、窒素でストリッピング可能である。
ただし、低沸点物質の分離は、蒸留によって行うことも可能である。低沸点物質の分離が蒸留によって行われる場合、蒸留時の滞留時間は、たとえば蒸留が落下膜式蒸発器または薄膜蒸発器で行われることによって、短時間に保たれるのが好ましい。
好ましくは、低沸点物質分離は、上述したように、フラッシュ蒸発によって行われる。フラッシュ蒸発は、低沸点物質分離と反応生成物の冷却とを1つの方法ステップで行うことが可能であるとの利点を有する。
水除去
低沸点物質の除去後の水除去は、好ましくは、蒸留塔K1で行われる。
カラムは、一般に、カラム頂部で水の流れが取り出され、他方、カラム底部ではEDDN含有ないしEDMN含有流れが取り出されるようにして運転される。
EDDNないしEDMN製造からの生成物は、好ましくは、蒸留剤(以下に定義されている)と一緒に、蒸留塔K1の上部領域、好ましくは頂部に供給される。
EDDNないしEDMN製造からの生成物がフラッシュ蒸発によって冷却された場合、および、EDDN製造ないしEDMN製造に際して、EDDNないしEDMN製造条件下で水との間にミシビリティーギャップを有するかないし僅かな水溶性しか有していない有機溶媒が使用された場合、上述したように、EDDN製造ないしEDMN製造から生じた生成物の減圧が行われた容器内に、2種の液相が形成される。この場合、形成される水性EDDNないしEDMN相と、蒸留剤としての有機溶媒とは、互いに別々にカラムK1に供給されるのが好ましい。さらに、カラムK1は、2種の液相を互いに別々の液体分配器に導く充填体を含んでいるのが好ましい。その際、蒸留剤としての有機溶媒をカラムの回収部、好ましくはカラムの下部領域、特に好ましくはカラムの底部に返送するのが好ましい。これは、返送された有機溶媒に含まれているHCNがEDMNと反応させられてEDDNが得られるという利点を有する。これにより、排出されるHCNの量を減少させることが可能である。
好ましくは、蒸留塔K1は分離性能を高めるビルトイン設備を有している。蒸留ビルトイン設備は、たとえば規則充填物として存在していてよく、たとえば薄板積層充填物、たとえばMellapak 250 YまたはMontz Pak、TypB1−250として存在していてよい。また、比表面積の低いまたは高い充填物も存在していてよく、あるいは、金網充填物またはその他の形状の充填物、たとえばMellapak 252 Yを使用することも可能である。これらの蒸留ビルトイン装備の使用に際して有利な点は、たとえばバルブトレイに比較して、圧力損失および比液体ホールドアップが低いことである。ビルトイン設備は単一床または複数の床に配置されていてよい。
理論段数は、一般に、3〜25、好ましくは5〜15である。
カラムK1の頂部圧力は、好ましくは、底部温度が以下に挙げる範囲内にあるように設定される。
底部温度は100℃以下であるのが好ましい。というのも、本発明の範囲において、EDMNないしEDDNは、水の存在下で、温度がこれを上回ると不安定となり、望ましくない副生成物への分解が招来されることが見いだされたからである。好ましくは、底部温度は、100℃未満、特に好ましくは80℃未満、なかんずく特に好ましくは60℃未満に設定される。特に好ましくは、底部温度は、20〜100℃、特に好ましくは30〜80℃、なかんずく特に好ましくは40〜60℃である。
頂部圧力は、好ましくは、10mbar〜1bar、特に好ましくは30mbar〜700mbar、なかんずく特に好ましくは50〜500mbarである。
なかんずく好ましい実施形態において、カラムK1の頂部圧力は、300mbar未満、特に好ましくは100〜200mbar、なかんずく特に好ましくは130〜180mbarである。本発明の範囲において、これらの頂部圧力に際してカラム内に生ずる温度時には、カラムビルトイン設備とくにカラム充填体の沈着物の形成が大幅に減少可能な旨認識された。
本発明によれば、蒸留は、カラム内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有するまたは水と低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在下で、実施される。
したがって、この本発明は、カラム内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有するまたは水と低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在下で蒸留が実施されることを特徴とする、FA、HCNおよびEDAの反応(この場合、反応は水の存在下で行われ、反応後に水は蒸留塔で反応混合物から除去される)によるEDDNおよび/またはEDMNの製造に関する。
カラム内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する、または水と低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒は、以下において、蒸留剤と称される。
好ましい蒸留剤は、水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する、または水と低沸点共沸混合物を形成する冒頭に挙げた有機溶媒である。
なかんずく特に好ましくは、蒸留剤としてトルエンが使用される。
蒸留剤はすでに、FA、HCNおよびEDAの反応の前または反応中に供給されるのが好ましい。上述したように、有機溶媒の量は、一般に、使用されるEDA1kg当たり、0.1〜50kg、好ましくは1〜30kg、特に好ましくは3〜25kgである。
蒸留剤の量は、通例、蒸留塔K1のカラム底部に−上述したように−好ましくは100℃未満、特に好ましくは80℃未満、なかんずく特に好ましくは70℃未満、とりわけ好ましくは60℃の底部温度が生ずるように設定されている必要があろう。好ましくは、底部温度は、20〜100℃、特に好ましくは30〜80℃、なかんずく特に好ましくは40〜60℃の範囲にある。
底部温度は100℃以下であるのが好ましい。というのも、本発明の範囲において、EDMNないしEDDNは、水の存在下で、温度がこれを上回ると不安定となり、望ましくない副生成物への分解が招来されることが見いだされたからである。
蒸留剤が水と低沸点共沸混合物を形成する場合には、蒸留剤の量は共沸混合物が正当な"側"にあるだけの量であることが必要であり、つまり、カラムの頂部に低沸点水性共沸混合物が生じ、カラムの底部には基本的にもはや水は生じないだけの量でなければならない。必要な溶媒量は、当業者により、選択された蒸留剤に応じ、共沸混合物に関する一般に公知の表および参考文献から通例どおりに算定可能である。
カラムK1の頂部圧力は、上述したように、好ましくは10mbar〜1bar、特に好ましくは30mbar〜700mbar、なかんずく特に好ましくは50〜500mbarである。なかんずく好ましい実施形態において、カラムK1の頂部圧力は、300mbar未満、特に好ましくは100〜200mbar、なかんずく特に好ましくは130〜180mbarである。本発明の範囲において、これらの頂部圧力に際してカラム内に生ずる温度時には、カラムビルトイン設備とくにカラム充填体の沈着物の形成が大幅に減少可能な旨認識された。
蒸留塔K1の凝縮器は、一般に、水または水・共沸混合物の主たる部分が当該頂部圧力時に凝縮される温度にて運転される。通例、凝縮器の運転温度は20〜70℃、好ましくは25〜50℃である。
凝縮器内には、一般に、基本的に水または低沸点水・共沸混合物を含んだ凝縮液が生ずる。
カラムK1の凝縮液は、排出可能または方法工程に返送可能である。場合により、凝縮液は、返送ないし排出前に、たとえば蒸留によって水と蒸留剤とに分離することが可能である。たとえば、水の蒸留は、上述したカラムK2で実施可能である。
蒸留剤が水との間にミシビリティーギャップを有する場合には、水と蒸留剤との分離は相分離によっても行うことが可能である。
好ましい実施形態において、カラムK1の頂部の蒸気は、フラッシュ蒸発時に発生する蒸気が凝縮される凝縮器に供給される。つまり、カラムK1およびフラッシュ蒸発から生じた蒸気は共通の凝縮器に送られる。
カラムK1からの反応生成物
カラムK1の底部では、好ましくは、底部生成物として、EDDNないしEDMNを含んだ混合物が引き出される。
EDDN含有ないしEDMN含有混合物は、好ましくは、水の蒸留除去時に使用された蒸留剤を含んでいる。
蒸留剤としてトルエンが使用される場合、カラムK1の底部からのEDDN含有ないしEDMN含有混合物は、好ましくは、生成された底部缶出物を基準として、5〜30質量%のトルエン、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%のトルエン、とりわけ好ましくは12〜18質量%のトルエンを含んでいる。
カラムK1の底部からのEDDN含有ないしEDMN含有混合物は、好ましい実施形態において−従来の技術に述べられた10質量%を上回る量とは相違して−好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1質量%未満の水、なかんずく特に好ましくは0.5質量%未満、とりわけ好ましくは0.3質量%未満の水を含んでいる。
こうして得られたEDDN含有ないしEDMN含有混合物は、直接、後続する水素との反応により、触媒の存在下で、水素化されて、DETAないしTETAをもたらすことが可能である。
吸着剤による処理
さらに別の特に好ましい実施形態において、EDDN含有ないしEDMN含有混合物は、水除去の後、ただし、EDDNないしEDMNを水素化してTETAないしDETAとする前に、EDDN含有ないしEDMN含有混合物を吸着剤で処理することによって精製される。
なかんずく特に好ましい実施形態において、固体の酸性吸着剤による処理が行われる。本発明の範囲において、固体の酸性吸着剤により、後続するDETAないしTETAを得るための水素化における水素化触媒の耐久寿命を延ばすことが可能である旨見出された。加えてさらに、EDDNないしEDMNの水素化に際して発生する、通例、触媒の活性喪失を伴う副生成物アミノエチルピペラジン(AEPIP)の形成を低減させることができる旨見出された。
したがって、このさらに別の特に好ましい実施形態は、
吸着剤が固体の酸性吸着剤であることを特徴とする、
a)FA、HCNおよびEDAの反応(この場合、反応は水の存在下で行われる)と、
b)段階a)で得られた反応混合物から水が除去される段階と、
c)段階b)から得られた混合物が、有機溶媒の存在下で、吸着剤で処理される段階とによるEDDNおよび/またはEDMNの製造に関する。
段階a)
水の存在下で、FA、HCNおよびEDAを反応させる方法(段階a))は上記に説明した。たとえば、反応は上述した選択肢a)〜d)により、特に、好ましいとして述べられた実施形態によって行うことができる。
段階b)
EDDNないしEDMN製造の反応生成物からの水の除去も同じく上記に説明した。
好ましくは、EDDNないしEDMN製造からの反応生成物から、先ず、低沸点物質、たとえばHCNまたはメタノールが、たとえばストリッピングまたはフラッシュ蒸発によって分離され、水を含んだEDDNないしEDMNは続いて蒸留に供給され、その際に水が除去される。なかんずく特に好ましくは、蒸留は、上述したように、蒸留剤(その定義は上記参照)の存在下で行われる。
詳記:注意 段階c)
段階b)から得られたEDDNないしEDMN混合物は、EDDN混合物に含まれている蒸留剤および/または有機溶媒を除いたEDDN混合物を基準として、好ましくは95質量%以上、特に好ましくは97質量%以上、なかんずく特に好ましくは99質量%以上のEDDNおよび/またはEDMNを含んでいる("蒸留剤なしおよび溶媒なし"にて算定)。
上述したように、段階b)から得られた混合物は、好ましくは、水の除去に際して使用された蒸留剤を含んでいる。
蒸留剤としてトルエンが使用された場合、段階b)からのEDDNないしEDMN混合物は、好ましくは5〜30質量%のトルエン、特に好ましくは10〜20質量%のトルエン、なかんずく特に好ましくは12〜18質量%のトルエンを含んでいる。
EDDNとの間にミシビリティーギャップを有していない蒸留剤が使用される場合、段階b)からのEDDNないしEDMN混合物は、好ましくは5〜50質量%のEDDNおよび/またはEDMN、特に好ましくは8〜30質量%のEDDNおよび/またはEDMN、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%のEDDNおよび/またはEDMNを含んでいる。
段階b)から得られたEDDNないしEDMN混合物は、EDDNおよびEDMNを基準として、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1質量%未満、なかんずく特に好ましくは0.5質量%未満の水、とりわけ好ましくは0.3質量%未満の水を含んでいる。
段階c)
特に好ましい実施形態において、段階c)において、段階b)から得られたEDDNないしEDMNは、有機溶媒の存在下で、固体の酸性吸着剤で処理される。
溶媒としては、EDDNないしEDMNの反応に使用可能なあらゆる有機溶媒が適している。上述したように、使用される有機溶媒は、EDDNないしEDMN水素化条件下で安定していることが好ましい。
好ましくは、有機溶媒は、段階b)からのEDDNないしEDMN混合物を吸着剤で処理する前に供給される。
好ましくは、吸着剤で処理される混合物中のEDDNおよび/またはEDMNの濃度が5〜50質量%、特に好ましくは8〜30質量%、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%に達するだけの有機溶媒が供給される。
さらに、EDDNおよび/またはEDMN製造後かつEDDNおよび/またはEDMNを吸着剤で処理する前または処理中に供給される有機溶媒の水含有率は僅かな水含有率を有しているのが好ましい。というのも、僅少量であれ、水の存在は、吸着剤による処理に際し、吸着剤の吸収能を低下させ、後続するEDDNないしEDMNの水素化に際し、望ましくない副反応を招来する極性不純物が持ち込まれることがある旨見いだされたからである。
好ましくは、供給された有機溶媒は1.0質量%未満の水、特に好ましくは、供給された有機溶媒は、0.5質量%未満の水、特に好ましくは0.3質量%未満の水、なかんずく特に好ましくは0.1質量%未満の水、とりわけ好ましくは0.03質量%未満の水を含んでいる。なかんずく特に好ましい実施形態において、有機溶媒としてTHFが供給される。THFを使用する場合、後続する水素化において、特に優れた触媒耐久寿命を達成することが可能であった。後続する水素化が懸濁方式で実施される場合には、THFの使用によって、水素化中の懸濁触媒の凝集傾向を低下させることが可能である。
固体の酸性吸着剤
本発明の範囲において、固体の酸性吸着剤とは、その表面積が大きいことにより水またはその他の分子を物理的または化学的な力によって吸着可能な、水に不溶な多孔質材料が理解される。
酸性吸着剤は、通例、吸着条件下でブレンステット酸またはルイス酸として振舞う官能基を有している。特に、酸性吸着剤は、塩基性度の低い物質に比較して、好ましくは塩基性物質を捕集することができる。
好ましい固体の酸性吸着剤は、酸性金属酸化物、たとえば二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ホウ素(B23)、二酸化ジルコン、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ゼオライト(特にH形)、酸性イオン交換体、およびシリカゲル、たとえばBASF SEのSorbead WS、またはこれらの物質の混合物である。
なかんずく特に好ましい固体の酸性吸着剤は、二酸化ケイ素およびシリカゲルである。
なかんずく特に好ましいのは、たとえば、Hollemann−Wiberg(Lehrbuch der Anorganischen Chemie, 102.Auflage, Verlag Walter der Gruyter, 2007, Seite 962)に述べられているように、ソーダ水ガラス水溶液の酸性化と最初に得られたシリカゾルの乾燥によって製造可能なシリカゲルである。特に好ましいシリカゲルの例は、BASF SEのSorbead WAおよびMerck KGaAのシリカゲルKG 60である。
好ましい実施形態において、固体の酸性吸着剤は、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ホウ素(B23)、二酸化ジルコン、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ゼオライト(特にH形)、酸性イオン交換体およびシリカゲルからなる群から選択された物質である。
本発明の範囲において、固体の酸性吸着剤の特徴は、活性炭も非酸性(塩基性)イオン交換体も含んでいない。
段階b)で得られたEDDNないしEDMN混合物の有機溶媒による処理は、連続的、半連続的または非連続的に行うことが可能である。
処理は、たとえば、吸着剤を、有機溶媒の存在下で、EDDNないしEDMNと接触させることによって、非連続的に行うことができる。処理は、吸着剤を、適切な容器内で、たとえば攪拌によって、被精製混合物中に懸濁させることによって行うことが可能である。
非連続処理時の処理時間は、通例、1分〜48時間、好ましくは5分〜24時間、特に好ましくは1時間〜16時間、とりわけ好ましくは2〜8時間である。
吸着剤の量は、EDDN、EDMNおよび有機溶媒の合計量を基準として、0.1〜25質量%、特に好ましくは0.5〜20質量%、なかんずく特に好ましくは1〜10質量%である。
圧力は、通例、重要ではない。ただし、被精製混合物が液状で存在する圧力を設定するのが好ましい。圧力は、通例、1〜10barである。
処理は、通例、150℃未満、好ましくは100℃未満、特に好ましくは80℃未満、とりわけ好ましくは60℃未満の温度にて行われる。
吸着剤による非連続処理は、不活性ガス雰囲気下、たとえば窒素またはアルゴン下で行うことができる。
処理後、吸着剤は、適切な方法、たとえばろ過、遠心分離または沈降によって、EDDNないしEDMNから分離可能である。
好ましくは、被精製混合物の処理は連続的に行われる。
特に好ましくは、被精製混合物は、吸着剤の1以上の固定床または粉粒体層を経て誘導される。吸着剤は流動床の形で配置されていてもよい。
固定床または粉粒体層は、好ましくは、管または熱交換器内に配置されている。
固定床ないし粉粒体層は、一般に、被精製混合物によって貫流される。
負荷は、吸着剤1kg・1時間当たり、好ましくは0.01〜20、特に好ましくは0.05〜15、なかんずく特に好ましくは0.1〜10kgである。固定床体積および吸着剤粒子のサイズは広い範囲で変動させることができるため、選択された反応条件と方法所与条件とに適合させることが可能である。
ただし、使用される固体の酸性吸着剤の粒子サイズは、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.5〜6、なかんずく特に好ましくは1〜4mmである。というのも、過大な粒子は不適な拡散効果を有し、過小な粒子は吸着器の目詰まりをもたらすことがある旨見出されたからである。粒子は球状であるのが好ましい。
好ましい態様において、吸着剤は、回転式配置された、特に再生式の固定床に配置されており、換言すれば、2つ以上の固定床が交互に貫流されるため、使用されていない固定床は再生可能である。
圧力は、通例、重要ではない。ただし、被精製混合物が液状で存在する圧力を設定するのが好ましい。圧力は、通例、1〜10barである。
処理は、すでに上述したように、通例150℃未満、好ましくは100℃未満、特に好ましくは80℃未満、とりわけ好ましくは60℃未満の温度にて行われる。
吸着剤による連続処理は、不活性ガス雰囲気下、たとえば窒素またはアルゴン下で行うことができる。
必要であれば、連続処理後、吸着剤または吸着剤の一部、たとえば摩耗破片は、適切な方法、たとえばろ過、遠心分離または沈降によって、EDDNないしEDMNから分離可能である。
吸着剤の効果が使用時間が増すにつれて低下する場合、一定の使用時間の経過後に吸着剤を再生する必要がある。
吸着剤の再生は、水による洗浄、好ましくは希釈された水性酸による洗浄によって行うことが可能であり、特に好ましくは、先ず水での洗浄により、続いて、希釈された水性酸による洗浄によって行うことができる。洗浄には、好ましくは、希釈された有機酸、特に好ましくは、酢酸が使用される。
好ましくは、希釈された水性酸中の酸の濃度は10質量%以下である。
好ましくは、吸着剤は、水および/または水性酸による洗浄後、乾燥ガス、たとえば空気または窒素の導入によって乾燥される。好ましくは、乾燥ガスによる乾燥に際し、吸着剤および/またはガスは暖められる。
特に好ましい方法態様において、吸着剤は、乾燥した有機溶媒の導入によって乾燥される。特に好ましいのは、後続する水素化に使用されるのと同じ有機溶媒ないし吸着剤による処理時にすでに存在していたのと同じ有機溶媒である。好ましくは、乾燥した有機溶媒は、1質量%以下の水、特に好ましくは0.5質量%以下の水、なかんずく特に好ましくは0.1質量%以下の水、とりわけ好ましくは0.05質量%以下の水を含んでいる。乾燥した有機溶媒は、吸着剤上方を、液状または蒸気状で誘導可能である。
好ましくは、段階c)からの混合物は、その存在下で吸着剤による処理が実施された有機溶媒および、場合により、好ましくは水除去に際して存在していた蒸留剤と共に、EDDNおよび/またはEDMNを含んでいる。場合により、段階c)から得られた混合物は、なおその他の有機溶媒を含んでいることがある。
段階c)からの混合物の水含有率は、好ましくは、吸着剤による処理前のEDDNないしEDMN混合物の水含有率よりも少ない。というのも、吸着剤は乾燥効果も有しているからである。
好ましくは、段階c)からの混合物の水含有率は、好ましくは0.1質量%以下、特に好ましくは0.03質量%以下である。
段階c)から得られたEDDNないしEDMN混合物は精製可能であり、たとえば、場合により供給された有機溶媒はEDDNないしEDMNから分離可能である。
ただし、好ましくは、c)から得られた混合物は、直接−さらなる精製なしに−水素化に供給される。
水素化は、以下に述べるようにして、実施可能である。
EDDNないしEDMNの水素化によるTETAないしDETAの獲得
EDDNないしEDMNの水素化によるTETAないしDETAの獲得は、一般に、触媒および有機溶媒の存在下で、EDDNないしEDMNを水素と反応させることによって行われる。
EDDNないしEDMNの製造は、好ましくは−上述したように−上述した選択肢a)〜d)により、特に、同所に述べられた好ましい実施形態によって行われる。
さらに、EDDNないしEDMN製造からの反応混合物は、好ましくは、フラッシュ蒸発によって冷却されるのが好ましい。
さらに、EDDNないしEDMN製造からの反応混合物は、好ましくは、上述したように、低沸点物質の除去により、好ましくはフラッシュ蒸発、および、好ましくは蒸留剤の存在における、水を除去するための続いての蒸留によって、精製されるのが好ましい。
さらに、EDDNないしEDMN混合物は、水の除去後、吸着剤、好ましくは上述したように、固体の酸性吸着剤によって処理されるのが好ましい。
好ましくは、水素化に導入される混合物は、EDDNおよび/またはEDMNを含んでいる。
水素化に供給される混合物中のEDDNおよび/またはEDMNの割合は、好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは8〜30質量%、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%である。
好ましくは、水素化に導入される混合物は、吸着剤による処理に際して存在していた有機溶媒を含んでいる。
さらに、水素化に導入される混合物は、好ましくは蒸留による水除去に際して使用された蒸留剤を含んでいる。
水素
TETAないしDETAの製造は、水素の存在下で行われる。
水素は、一般に、工業的に純粋な形で使用される。水素はまた、水素を含有したガスの形つまり他の不活性ガス、たとえば窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素との混合物の形でも使用可能である。水素を含有したガスとして、たとえば、改質装置排ガス、製油所ガスなどを、それらのガスが、使用される水素化触媒にとっての触媒毒、たとえばCOを含んでいない限りで、使用することが可能である。ただし、好ましくは、純水素ないし基本的に純粋な水素、たとえば、水素含有率が99質量%を上回る水素、好ましくは水素含有率が99.9質量%を上回る水素、特に好ましくは水素含有率が99.99質量%を上回る水素、とりわけ好ましくは水素含有率が99.999質量%を上回る水素が使用される。
有機溶媒
TETAないしDETAの製造は、好ましくは、有機溶媒の存在下で行われる。
有機溶媒は、吸着剤による処理に際して存在していたのと同一の溶媒であるのが好ましい。ただし、さらに別の溶媒を添加する、あるいは、吸着剤による処理中に存在していた溶媒を分離して、新たな溶媒を供給することも可能である。有機溶媒としては、EDDNないしEDMNの製造に際して使用可能なあらゆる有機溶媒が使用可能であり、とりわけ、好ましいとして挙げられた有機溶媒を使用することができる。
水素化中の有機溶媒とEDDNないしEDMNとの質量比は、好ましくは0.01:1〜99:1、特に好ましくは0.05:1〜19:1、なかんずく特に好ましくは0.5:1〜9:1である。
ただし、水素化はTHFの存在下で実施されるのがなかんずく特に好ましいが、それはTHF中では特に懸濁方式に際する触媒の凝集傾向を低下させることができるからである。特に好ましくは、水素化は、水素化中のEDDNおよび/またはEDMNの含有率が好ましくは5〜50質量%、特に好ましくは8〜30質量%、なかんずく特に好ましくは10〜20質量%となるだけの量のTHFの存在下で行われる。
さらに、EDDNおよび/またはEDMNの製造は、上述したように、トルエンの存在下で行われるのが好ましい。

EDDNないしEDMNの製造は水の存在下でも行うことが可能である。
ただし、EDDNならびにEDMNはいずれも水の存在下で分解する傾向があることから、さらなる水を供給しないことが好ましい。
好ましくは、EDDNないしEDMNを基準として、3質量%未満、好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満の水、とりわけ好ましくは0.3質量%未満の水を含んだEDDNないしEDMNが使用される。
なかんずく特に好ましくは、EDDNないしEDMNを基準として、0.1質量%未満、好ましくは0.03質量%未満の水を含んだEDDNないしEDMNが使用される。
特に、吸着剤によるEDDNおよび/またはEDMNの処理により、僅かな水含有率を有するEDDNおよび/またはEDMNが得られるのが好ましい。
添加物:塩基性化合物
さらに別の好ましい方法態様において、水素化は、好ましくは適切な溶媒、たとえばアルカノール、たとえばC1−C4−アルカノール、たとえばメタノールまたはエタノール、またはエーテル、たとえば環状エーテル、たとえばTHFまたはジオキサン中で、反応混合物に加えられる塩基性化合物の存在下で行われる。
特に好ましくは、アルカリ性水酸化物またはアルカリ土類水酸化物または希土類金属水酸化物の水溶液、特に好ましくはLiOH、NaOH、KOHおよび/またはCsOH水溶液が加えられる。
好ましくは、アルカリ性水酸化物および/またはアルカリ土類水酸化物の濃度が、被水素化混合物を基準として、0.005〜1質量%、特に好ましくは0.01〜0.5質量%、なかんずく特に好ましくは0.03〜0.1質量%となるだけのアルカリ性水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物が供給される。
ただし、塩基性化合物として、好ましくはアミドおよび/またはアミン、たとえばアンモニアおよびEDAも使用可能である。
この種の塩基性添加物の添加により、水素化に際して、形成される副生成物、たとえばAEPIPの量を減少させることができる。
この種の添加物の好ましい例は、アンモニアおよびエチレンジアミンである。
これらの添加物の量は、EDDN+EDMNモル当たり、0.01〜10モルである。
塩基性添加物は、一般に、非連続的または連続的ならびに水素化前および/または水素化中に供給可能である。
触媒
ニトリル官能基を水素化してアミンにする触媒としては、活性化学種として周期系第8亜族の1以上の元素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)、好ましくはFe,Co,Ni,RuまたはRh、特に好ましくはCoまたはNiを含んだ触媒が使用可能である。
これらのうちには、1以上の活性化学種をそれらの酸素含有化合物の形で含んだいわゆる酸化物触媒および、水素化活性金属とさらに別の成分(好ましくはAl)からなる合金の浸出(活性化)によって得られるいわゆる骨格触媒(ラネー(登録商標)型とも称される;以下ではラネー触媒とも称される)が含まれている。触媒は、さらに、1以上の促進剤を含んでいてよい。
特に好ましい実施形態において、EDDNおよび/またはEDMNの水素化に際し、ラネー触媒、好ましくはラネー・コバルト触媒またはラネー・ニッケル触媒、特に好ましくは、元素Cr,NiまたはFeの少なくともいずれか1つをドープしたラネー・コバルト触媒または、元素Mo,CrまたはFeのいずれかをドープしたラネー・ニッケル触媒が使用される。
触媒は、中実触媒としてまたは皮膜化されて使用可能である。支持体としては、好ましくは、金属酸化物、たとえばAl23、SiO2、ZrO2、TiO2、金属酸化物の混合物または炭素(活性炭、スス、グラファイト)が使用される。
酸化物触媒は、使用前に、反応器の外部または反応器内で、高温にて、水素含有気体流中での金属酸化物の還元によって活性化される。触媒が反応器外で還元される場合には、空気による不都合な酸化を回避し、確実な取り扱いを可能にするために、その後、酸素含有気体流による不活性化または不活性材料への埋封を行うことが可能である。不活性材料としては、有機溶媒、たとえばアルコール、ただしまた水またはアミン、好ましくは反応生成物も使用可能である。活性化に際する例外をなしているのは、たとえば欧州公開第1209146号に開示されているように、水性塩基による浸出によって活性化可能な骨格触媒である。
実施される方法(懸濁水素化、流動層方式、固定床水素化)に応じ、触媒は、粉末、粒状体または固体(好ましくは押出し品またはタブレット)として使用可能である。
特に好ましい固定床触媒は、欧州公開第1742045号に開示された、Mn,Pおよびアルカリ金属(Li,Na,K,Rb,Cs)をドープしたコバルト中実触媒である。この触媒の触媒活性物質は、水素による還元前に、それぞれ酸化物として計算して、55〜98質量%とくに75〜95質量%のコバルト、0.2〜15質量%のリン、0.2〜15質量%のマンガンおよび0.05〜5質量%のアルカリ金属とくにナトリウムからなっている。
その他の適切な触媒は、それらの触媒活性物質が、水素による処理前に、22〜40質量%のZrO2、1〜30質量%の酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、15〜50質量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)(この場合、Ni:Cuのモル比は1を超えている)、15〜50質量%の酸素含有コバルト化合物(CoOとして計算)、0〜10質量%の酸素含有アルミニウム化合物および/またはマンガン化合物(Al23ないしMnO2として計算)を含み、酸素含有モリブデン化合物を含んでいない、欧州公開第963975号に開示された触媒、たとえば、該文献に開示された、33質量%のZr(ZrO2として計算)、28質量%のNi(NiOとして計算)、11質量%のCu(CuOとして計算)および28質量%のCo(CoOとして計算)からなる組成を有する触媒Aである。
さらに、欧州公開第696572号に開示された、それらの触媒活性物質が、水素による処理前に、20〜85質量%のZrO2、1〜30質量%の酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、30〜70質量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)、0.1〜5質量%の酸素含有モリブデン化合物(MoO3として計算)、および0〜10質量%の酸素含有アルミニウム化合物および/またはマンガン化合物(Al23ないしMnO2として計算)を含んだ触媒も適している。たとえば、該文献に具体的に開示された、31.5質量%のZrO2、50質量%のNiO、17質量%のCuOおよび1.5質量%のMoO3からなる組成を有する触媒がその例である。同じく、国際公開第99/44984号に開示された、(a)鉄または鉄をベースとした化合物またはそれらの混合物、(b)Al,Si,Zr,Ti,Vからなる群から選択された2,3,4または5種の元素をベースとした、(a)を基準として、0.001〜0.3質量%の促進剤、(c)アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属をベースとした、(a)を基準として、0〜0.3質量%の化合物、ならびに(d)(a)を基準として0.001〜1質量%のマンガンを含んだ触媒も適している。
懸濁方式には、好ましくは、ラネー触媒が使用される。ラネー触媒の場合、活性触媒は"金属スポンジ"として、二元合金(ニッケル、鉄、コバルトと、アルミニウムまたはケイ素)から酸またはアルカリ液によるパートナーの溶離によって製造される。本来の合金パートナーの残りは、しばしば、相乗的に作用する。
EDDNおよび/またはEDMNの水素化に使用されるラネー触媒は、好ましくは、コバルトまたはニッケル、特に好ましくはコバルトと、アルカリに溶解するさらに別の合金成分とからなる合金から出発して製造される。これらの溶解性合金成分については、好ましくは、アルミニウムが使用されるが、その他の成分、たとえば亜鉛およびケイ素またはそれらの成分の混合物も使用可能である。
ラネー触媒の活性化には、溶解性合金成分が全面的または部分的にアルカリで浸出されるが、そのために、たとえば、水酸化ナトリウム水溶液が使用可能である。触媒は、その後、たとえば水または有機溶媒で洗浄可能である。
触媒中には、単一または複数のその他の元素が促進剤として存在していてよい。促進剤の例は、周期系第IB、第VIBおよび/または第VIII亜族の金属、たとえばクロム、鉄、モリブデン、ニッケル、銅などである。
溶解性成分(一般にアルミニウム)の浸出による触媒の活性化は、反応器自体の内部または反応器への装填前に行うことができる。予備活性化された触媒は空気に対して敏感で、自然発火性を有しており、そのため、通例、水、有機溶媒または後続する水素化に際して存在する物質(溶媒、出発原料、生成物)等の媒体下で保管され、取り扱われるまたは室温にて固体の有機化合物中に埋封される。
好ましい実施形態において、Co/Al合金から、アルカリ金属水酸化物水溶液、たとえば水酸化ナトリウム液による浸出と、それに続く、水による洗浄によって得られた、好ましくは促進剤として元素Fe,NiまたはCrのうちの少なくともいずれか1つを含んでいるラネー・コバルト骨格触媒が使用される。
この種の好ましいラネー・コバルト触媒は、一般に、コバルト以外になお、1〜30質量%のAl、特に2〜12質量%のAl、なかんずく特に3〜6質量%のAl、0〜10質量%のCr、特に0.1〜7質量%のCr、なかんずく特に0.5〜5質量%のCr、とりわけ1.5〜3.5質量%のCr、0〜10質量%のFe、特に0.1〜3質量%のFe、なかんずく特に0.2〜1質量%のFe、および/または0〜10質量%のNi、特に0.1〜7質量%のNi、なかんずく特に0.5〜5質量%のNi、特に1〜4質量%のNiを含んでおり、この場合、質量表示はそれぞれ触媒総質量を基準としている。
水素化に際する触媒としては、たとえば有利には、W.R.Grace & Co.のコバルト骨格触媒"Raney 2724"が使用可能である。この触媒は以下の組成:
Al:2〜6質量%、Co:≧86質量%、Fe:0〜1質量%、Ni:1〜4質量%、Cr:1.5〜3.5質量%
を有している。
再生−一般
EDDNないしEDMNと水素との反応に際して使用される触媒は、場合により、活性および/または選択率の低下が生ずる場合には、当業者に公知の方法により、たとえば国際特許第99/33561号および同所に引証された文献中に開示されているように、再生可能である。
欧州特許第892777号から、失活したラネー触媒を、150〜400℃の温度、0.1〜30MPaの圧力にて、2〜48時間にわたり、水素によって再生させることが知られており、この場合、触媒を、本来の再生前に、系に含まれている溶媒とくにアンモニアで洗浄するのが有利である。
国際特許第2008/104553号には、TETAないしDETAの水素化に使用される触媒は再生可能である旨開示されている。再生には、国際特許第99/33561号に基づく方法が適用されなければならない。
または国際特許第99/33561号はラネー触媒の再生方法を開示している。この場合、先ず、反応溶媒からの触媒の分離が行われ、分離された触媒は、0.01モル/kgを上回る塩基性イオン濃度を有する塩基性水溶液で処理され、該混合物は、1〜10時間にわたり、場合により水素の存在下で、130℃を下回る温度に保たれる。続いて、触媒は、水または塩基性溶液で、洗浄水のpH値が12〜13になるまで洗浄される。
触媒の再生は、本来の反応器中(in situ)または触媒を取り出して(ex situ)実施することができる。固定床方式では、好ましくは、in situで再生される。
または懸濁方式では、同じく、好ましくはin situで再生される。
またはその際、一般に、触媒全体が再生される。
または再生は、通例、短時間の設備停止中に行われる。
液体アンモニアと水素による再生
特に好ましい実施形態において、ラネー触媒は、ラネー触媒が液体アンモニアと水素によって処理され再生される。その際、再生はシンプルな技術的手段によって可能とされる必要があろう。さらに、触媒再生による設備停止時間を低減するために、再生はできるだけ短い時間で行われる必要があろう。さらに、再生は、使用された触媒の活性を可能な限り完全に回復することを可能にする必要があろう。
またはしたがって、この特に好ましい実施形態は、EDDNないしEDMNと水素との反応に際して使用されるラネー触媒を、触媒を水含有率が5質量%未満の液体アンモニアと分圧が0.1〜40MPaの水素によって50〜200℃の温度にて少なくとも0.1時間にわたって処理することにより、再生する方法に関する。
この好ましい実施形態において、上述したドープ・ラネー触媒および非ドープ・ラネー触媒が再生される。
または特に好ましくは、EDDNないしEDMNと水素との反応に際して使用される類のラネー触媒が使用される。
または特に好ましくは、この好ましい実施形態によって、ラネー・コバルト触媒が再生される。
再生のために、ラネー触媒はアンモニアで処理される。
または使用されるアンモニアは、この特に好ましい実施形態において、5質量%未満、好ましくは3質量%未満、なかんずく特に好ましくは1質量%未満の水を含んでいる。こうした"無水"アンモニアは、取引上一般に入手可能な製品である。
再生は、EDDNないしEDMNを水素化してTETAないしDETAを得るために使用することのできる、下記および上記に述べたあらゆる反応器で行うことが可能である。たとえば、水素化は、攪拌槽型反応器、ジェットループ型反応器、ジェットノズル型反応器、気泡塔反応器、管型反応器、さらにまた多管型反応器ないしこの種の同一または異なった反応器のカスケードでも実施可能である。水素化は連続的または非連続的に行うことが可能である。
非連続方式の場合、好ましくは、反応器は、アンモニアによる処理前に、先ずそのために、たとえば反応器内容物を反応器から、たとえばポンピングまたは排出によって除去することによってドレンされる。反応器のドレンはできる限り完全でなければならないであろう。好ましくは、80質量%を上回る、特に好ましくは90質量%を上回る、なかんずく特に好ましくは95質量%を上回る反応器内容物が排出またはポンプアウトされる必要があろう。
連続方式の場合、好ましくは、出発原料の供給は中断され、それに代えて液体アンモニアが供給される。
または連続方式の場合、液体アンモニアは、反応器内部の凝縮反応、たとえばEDAからAEPIPへの凝縮に由来していてもよい。
液体アンモニアによる触媒の処理は、この特に好ましい実施形態において、50〜350℃、好ましくは150〜300℃、特に好ましくは200〜250℃の温度にて行われる。
または処理時間は、好ましくは0.1〜100時間、好ましくは0.1〜10時間、とりわけ好ましくは0.5〜5時間である。
またはアンモニアの供給量と触媒との質量比は、好ましくは1:1〜1000:1、特に好ましくは50:1〜200:1である。
またはさらに、アンモニアによる処理の間、アンモニアは、たとえばポンプ循環によって、または好ましくは攪拌によって循環されるのが好ましい。
アンモニアによる触媒の処理は、特に好ましい実施形態において、水素の存在下で行われる。アンモニアによる処理時の水素分圧は、好ましくは1〜400bar、特に好ましくは5〜300barである。
または特に好ましい実施形態において、液体アンモニア中のアニオンの濃度は、0.01モル/kg未満、なかんずく特に好ましくは0.0099モル/kg未満、とりわけ好ましくは0.005モル/kg未満である。
アンモニアによる処理後、アンモニアは触媒から分離可能である。これは、たとえば、反応器のドレンおよび/またはアンモニア供給の停止によって行われる。
液体アンモニアによるラネー触媒の処理前および処理後、ラネー触媒は1回以上、有機溶媒および/または水で洗浄可能である。
ただし、アンモニアの分離後ないしアンモニア供給の停止後の有機溶媒および/または水による触媒の処理は、絶対に必要というわけではない。というのも、アンモニアは後続する水素化の過程で障害とはならず、連続的に反応器から排出され得るからである。
水素化時の反応条件
TETAないしDETAの製造は、一般に、水素化触媒および有機溶媒の存在におけるEDDNないしEDMNと水素との反応によって行われる。
温度は、一般に、60〜150℃、好ましくは80〜140℃、とりわけ100〜130℃である。
水素化時に占める圧力は、一般に、5〜400bar、好ましくは60〜325bar、特に好ましくは100〜280bar、とりわけ好ましくは170〜240barである。
特に好ましい実施形態において、ラネー触媒を使用する際の水素化時の圧力は170〜240barであるが、それはこの圧力範囲においてAEPIPの形成を減少させることができるからである。AEPIPの形成は触媒の失活を促進し得る。
したがって、この特に好ましい実施形態は、触媒としてラネー型の触媒が使用され、水素化時の圧力は170〜240barであることを特徴とする、触媒の存在におけるEDDNおよび/またはEDMNと水素との反応によるTETAおよび/またはDETAの製造に関する。
好ましい実施形態において、EDDNないしアミノニトリル混合物を含んだEDDNは、EDDNおよび場合によりアミノニトリル混合物のその他の成分が水素化時に水素と反応する率を上回ることのない水素化率で供給される。
EDDNからTETAへの水素化に際しては、一般に、EDDN1モル当たり、少なくとも4モルの水素が必要である。
EDMNからDETAへの水素化に際しては、一般に、EDMN1モル当たり、少なくとも2モルの水素が必要である。
反応器
触媒の存在におけるEDDNないしEDMNと水素との反応は、触媒作用に適した通例の反応容器で、固定床方式、流動層方式、懸濁方式にて、連続的、半連続的または非連続的に実施可能である。水素化の実施には、EDDNないしEDMNおよび触媒と水素との接触が加圧下で可能な反応容器が適している。
懸濁方式による水素化は、攪拌槽型反応器、ジェットループ型反応器、ジェットノズル型反応器、気泡塔反応器ないしこれらの同一または異なった反応器のカスケードで実施可能である。
固定床触媒での水素化は、好ましくは、1以上の管型反応器で、ただしまた多管型反応器でも行われる。
ニトリル基の水素化は、通例、除去されなければならない熱の放出下で生ずる。熱除去は、取り付けられた熱伝達面、冷却ジャケットまたは反応器を包囲する周回回路に設けられた外部熱交換器によって行うことができる。水素化反応器ないし水素化反応器カスケードは直通運転可能である。また、別法として、反応器生成物の一部が、好ましくは事前の循環流精製なしに、反応器入り口に返送される循環運転方式も可能である。
または特に、循環流は、外部の熱交換器により、容易かつ安価な方法で冷却され、こうして、反応熱を除去することが可能である。
または反応器は断熱運転されてもよい。反応器が断熱運転される場合、反応混合物の温度上昇は、流入系の冷却によって、または"冷"有機溶媒の供給によって抑止することが可能である。
またはこの場合、反応器自体は冷却される必要がないために、シンプルかつ低コストの構造型式の実現が可能である。別途方式を表しているのは、冷却式の多管型反応器(固定床の場合のみ)である。また、双方の方式のコンビネーションも思量可能である。この場合、固定床反応器が懸濁反応器に後置されるのが好ましい。
触媒の配置
触媒は、固定床に配置(固定床方式)されていても反応混合物中に懸濁(懸濁方式)されていてもよい。
懸濁方式
特に好ましい実施形態において、触媒は、被水素化反応混合物中に懸濁されている。
選択された溶媒中における水素化触媒の沈降速度は、触媒が十分に懸濁維持され得るように、低くなければならない。
したがって、使用される触媒の粒子サイズは、懸濁方式の場合、好ましくは0.1〜500μm、とりわけ1〜100μmである。
EDDNないしEDMNの水素化が懸濁方式で連続的に実施される場合には、EDDNないしEDMNは、好ましくは、連続的に反応器に供給され、かつ、反応器から連続的に、水素化生成物TETAないしDETAを含んだ流れが取り出される。
非連続式懸濁方式では、EDDNないしEDMNは、場合により有機溶媒と共に装入される。
非連続式懸濁方式に際する触媒の量は、総反応混合物を基準として、好ましくは1〜60質量%、特に好ましくは5〜40質量%、なかんずく特に好ましくは20〜30質量%である。
反応器内滞留時間は、非連続式懸濁方式の場合、好ましくは0.1〜6時間、特に好ましくは0.5〜2時間である。
反応器内滞留時間は、連続式懸濁方式の場合、好ましくは0.1〜6時間、特に好ましくは0.5〜2時間である。
触媒負荷は、連続式懸濁方式の場合、触媒1kg・1時間当たり、好ましくは0.1〜10kg、好ましくは0.5〜5kgEDDN+EDMNである。
特に好ましい実施形態において、触媒負荷は、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、好ましくは10−6〜10−4kgEDDN+EDMNであり、その際、触媒表面積はBET法に準拠して決定される(DIN66131)。特に好ましくは、触媒負荷は、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、0.25・10−5〜5・10−5kgEDDN+EDMN、なかんずく特に好ましくは触媒表面積1m・1時間当たり、0.5・10−5〜2・10−5kgEDDN+EDMNである。
したがって、この特に好ましい実施形態は、触媒負荷が、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、好ましくは10−6〜10−4kgEDDN+EDMNである(その際、触媒表面積はBET法に準拠して決定される)ことを特徴とする、懸濁液中の触媒の存在におけるEDDNおよび/またはEDMNと水素との反応によるTETAおよび/またはDETAの製造に関する。
反応が攪拌槽型反応器により懸濁方式で実施される場合には、攪拌器を介した消費電力は、好ましくは0.1〜100KW/mである。
使用済みの触媒は、ろ過、遠心分離またはクロスフローろ過によって分離可能である。その際、摩耗および/または失活による当初の触媒量の損失を新鮮な触媒の補給によって補償することが必要なことがある。
固定床方式
さらに別の、それほど好ましくない実施形態において、触媒は触媒固定床に配置されている。
固定床反応器、たとえば管型反応器または多管型反応器による連続水素化に際する触媒負荷は、触媒1kg・1時間当たり、好ましくは0.1〜10kg、好ましくは0.5〜5kgEDDN+EDMNである。
特に好ましい実施形態において、触媒負荷は、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、好ましくは10−6〜10−4kgEDDN+EDMNであり、その際、触媒表面積はBET法に準拠して決定される(DIN66131)。特に好ましくは、触媒負荷は、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、0.25・10−5〜5・10−5kgEDDN+EDMN、なかんずく特に好ましくは触媒表面積1m・1時間当たり、0.5・10−5〜2・10−5kgEDDN+EDMNである。
したがって、この特に好ましい実施形態は、触媒負荷が、触媒表面積を基準として、触媒表面積1m・1時間当たり、好ましくは10−6〜10−4kgEDDN+EDMNである(この場合、触媒表面積はBET法に準拠して決定される)ことを特徴とする、固定床の触媒の存在におけるEDDNおよび/またはEDMNと水素との反応によるTETAおよび/またはDETAの製造に関する。
固定床触媒の場合、該触媒には、一般に、上向流運転方式または下降流運転方式でEDDNないしEDMNが負荷される。
反応生成物
水素化から生ずる反応生成物は、通例、副生成物として、沸点の高いないし低いその他の有機物質、たとえばメチルアミン、AEPIP、PIPまたはTEPAまたは、水素化の前または水素化中に供給された塩基性化合物ないし添加物、たとえばアルカリ金属水酸化物、アルコラート、アミド、アミンおよびアンモニアも含んでいる。水素化生成物は、さらに、好ましくは、水素化中に存在していた有機溶媒、好ましくは、吸着剤による処理時にも存在していた有機溶媒とりわけTHFを含んでいる。
反応生成物は、さらに、好ましくは蒸留剤、とりわけ、好ましくはEDDNないしEDMN製造後の水の蒸留除去に際して使用されたトルエンを含んでいる。
反応生成物は、一般に、なお僅かな量の水も含んでいる。
通例、水素化からの生成物中に含まれている水量は、EDDNないしEDMN製造および好ましくは精製の実施に由来する量に相当している。
精製精製(一般)
水素化に続いて、水素化からの生成物は、場合により、さらに精製精製される。
触媒は、当業者に公知の方法で、分離可能である。
通例、触媒の分離後に、水素化中に存在していた水素が分離される。
水素の分離
水素の分離は、好ましくは、水素化が実施された圧力を、水素は気体状をなしているが、反応生成物中のその他の成分は液相で存在している圧力値にまで引き下げることによって行われる。好ましくは、反応生成物は、タンク内で、好ましくは60〜325bar、特に好ましくは100〜280bar、なかんずく特に好ましくは170〜240barの水素化圧力から、5〜50barの圧力にまで減圧される。タンクの頂部では、水素および、場合により、アンモニア、ならびに蒸発した僅かな量の低沸点物質、たとえばTHFが得られる。水素および、場合により、アンモニアは、EDDNないしEDMNの水素化に返送可能である。たとえば、THFは、完全に凝縮されて、回収可能である。別法として、THFは、高沸点溶媒、たとえばトルエンまたはTETAによる排気洗浄によって回収可能である。
有機溶媒の分離
反応生成物中に存在している有機溶媒も、一般に、同じく蒸留によって分離される。
特に、主生成物(TETAないしDETA)は、一緒にまたは個別に、当業者に公知の方法で、反応生成物から分離/単離することが可能である。双方の主生成物が、たとえば蒸留によって、一緒に分離される場合、続いて、2種の個別生成物に単離することが可能である。こうして、最後に純粋なTETAまたは純粋なDETAが得られる。その他の不純物、副生成物またはその他のエチレンアミン、たとえばTEPAまたはPIPも、同じく、当業者に公知の方法で、それぞれの生成物から分離可能である。場合により、TETAも、形成された僅かな量のジアミノエチルピペラジンまたはピペラジニル−エチル−エチレンジアミンと共に分離可能である。
EDDNの水素化から生じた水素化生成物の精製は、好ましくは、蒸留によって行われる。
THF分離
水素化生成物がTHFを含んでいる場合には、このTHFを方法工程に返送するのが好ましい。とりわけ、水素化に際して存在していたTHFを吸着剤によるEDDN処理および/またはEDMN処理に再使用するのが好ましい。
ただし、この場合、THFはほぼ無水で返送される必要がある。というのも、僅少量であれ、水の存在は、吸着剤による処理に際し、吸着剤の吸収能を低下させ、EDDNないしEDMNの水素化に際して、望ましくない副反応を招来する極性不純物が持ち込まれることがある旨見いだされたからである。ただし、THFと水は、低沸点共沸混合物を形成する。
水素化生成物がTHFを含んでいる場合、水とTHFの分離は、たとえば、2段加圧蒸留として行うことができる。
特に好ましい実施形態において、THFの分離は、THFおよび触媒の存在下で、EDDNないしEDMNと水素との反応に際して生ずる、TETAないしDETA、水ならびに、場合により、TETAないしDETAよりも沸点の高いおよび低い有機化合物を含んだ反応生成物を分離する方法であって、
i)該反応生成物は、水素の分離後に、蒸留塔DK1に供給されて、同所で、場合により、TETAないしDETAよりも沸点の低いさらにその他の有機化合物を含んだTHF/水・共沸混合物が頂部を経て分離され、かつ、同所で、TETAないしDETAを含んだ底部生成物が分離され、
ii)上記の段階i)から得られた底部生成物は蒸留塔DK2に導入されて、THFが頂部を経て分離され、該カラムの底部から、TETAないしDETAを含んだ流れが取り出され、
iii)カラムDK1の頂部から取り出された段階i)から得られた流れは凝縮され、該凝縮液または該凝縮液の一部に、基本的に水と混合不能な有機溶媒が、相崩壊が生ずるような量で供給され、こうして得られた混合物は相分離器で分離され、その際、THFおよび基本的に水と混合不能な有機溶媒を含んで形成される有機相はカラムDK1に返送され、水相は排出される
ことを特徴とする方法によって行われる。
特に好ましい実施形態において、先ず、水素が反応生成物から分離される。
水素の分離は、上述したように、水素化が実施された圧力を、水素は気体状をなしているが、反応生成物中のその他の成分は液相で存在している圧力にまで引き下げることによって行われる。好ましくは、反応生成物は、タンク内で、好ましくは60〜325bar、特に好ましくは100〜280bar、なかんずく特に好ましくは170〜240barの水素化圧力から、5〜50barの圧力にまで減圧される。タンクの頂部では、水素および、場合により、アンモニア、ならびに蒸発した僅かな量の低沸点物質、たとえばTHFが得られる。水素および、場合により、アンモニアは、EDDNないしEDMNの水素化に返送可能である。THFは、完全に凝縮されて、回収可能である。別法として、THFは、高沸点溶媒、たとえばトルエンまたはTETAによる排気洗浄によって回収可能である。
特に好ましい実施形態において、水素が分離された後、反応生成物はカラムDK1に供給される。
そのため、好ましくは、減圧後に液状を維持する反応生成物成分は、カラムDK1に誘導される。
蒸留塔の正確な運転条件は、使用されるカラムの分離性能に応じ、当業者により、蒸留塔に導入される成分の既知の蒸気圧力と気化特性に基づいて、従来の計算法に準拠して通例どおりに算定可能である。
カラムは、好ましくは、プレート塔として構成されている。
プレート塔には、カラムの内部に、物質交換が行われる棚段が配されている。種々相異した棚段タイプの例は、多孔板、トンネル、デュアルフロー、泡鐘またはバルブである。
カラムは、好ましくは、回収部と精留部を有している。ただし、カラムは回収部のみを有していてもよい。
理論段数は、一般に、5〜30、好ましくは10〜20である。
カラムの圧力は、好ましくは、底部温度が100〜250℃の範囲にあるように選択される。
好ましくは、頂部圧力は1〜30bar、特に好ましくは3〜25barである。
通例、凝縮器の運転温度は30〜70℃、好ましくは35〜50℃である。
一般に、低沸点物質、たとえばアンモニアまたはメチルアミンは、凝縮されずに、気体状流れとして排出される。この流れは、爾後、燃焼に供給される。
凝縮器内には、凝縮液として、主として、水とTHFからなる分離された共沸混合物が生ずる。
特に好ましい実施形態において、凝縮液または凝縮液の一部には、基本的に水と混合不能であって、カラムDK1の蒸留条件下で形成されてカラムの頂部から取り出されるTHF/水・共沸混合物よりも高沸点を有する有機溶媒が供給される。
基本的に水と混合不能な有機溶媒としては、本発明の範囲において、その中に500質量ppm未満の水しか溶解し得ない有機溶媒が理解される。
基本的に水と混合不能な好ましい有機溶媒は、トルエン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナンなどである。
特に好ましくは、基本的に水と混合不能であって、かつ、EDDN製造時ないしEDMN製造時の好ましい溶媒でもある有機溶媒が使用される。
なかんずく特に好ましくはトルエンが使用されるが、それはこれがすでに好ましくはEDDN製造時ないしEDMN製造時に使用されるからである。
基本的に水と混合不能な有機溶媒の供給量は、一般に、相崩壊が生じて、相が通例の技術的対策、たとえば相分離槽内での分離によって分離可能なように選択される。
供給される、基本的に水と混合不能な有機溶媒と凝縮液との質量比は、好ましくは0.1:1〜10:1、特に好ましくは0.5:1〜5:1、なかんずく特に好ましくは0.8:1〜2:1である。
こうして得られた、凝縮液と、基本的に水と混合不能な有機溶媒との混合物は、好ましくは、相分離器に誘導されて、同所で、水相と、THFと基本的に水と混合不能な溶媒とを含んだ相とに分離される。
好ましくは、THFと基本的に水と混合不能な溶媒とを含んだ相は、カラムDK1の上部域、好ましくはカラムDK1の頂部に返送される。
好ましくは、THFと基本的に水と混合不能な有機溶媒とを含んだ相全体は、カラムDK1の上部域に返送される。
基本的に水と混合不能な有機溶媒の添加によるカラム頂部での水の分離および、続いての相分離によって、僅少量の水しか含んでいない底部生成物を得ることができる。好ましくは、底部生成物は、1質量%未満、特に好ましくは1000質量ppm未満、とりわけ好ましくは200質量ppm未満の水を含んでいる。
カラムDK1から得られる底部生成物は、さらに、TETAないしDETA、THF、基本的に水と混合不能な溶媒、および場合により、さらにその他の(脱水および相分離に由来する)有機溶媒ならびに一般に有機副生成物、たとえばPIP、AEPIPおよびTEPAを含んでいる。
特に好ましい実施形態において、カラムDK1から得られた底部生成物は蒸留塔DK2に誘導され、同所において、THFは頂部を経て分離され、カラムの底部からは、TETAないしDETAならびに基本的に水と混合不能な溶媒および場合により付加的なトルエンを含んだ流れが取り出される。
蒸留塔の正確な運転条件は、使用されるカラムの分離性能に応じ、当業者により、蒸留塔に導入される成分の既知の蒸気圧力と気化特性に基づいて、従来の計算法に準拠して通例どおりに算定可能である。
カラムは、好ましくは、プレート塔として構成されている。
プレート塔には、カラムの内部に、物質交換が行われる棚段が配されている。種々相異した棚段タイプの例は、多孔板、トンネル、デュアルフロー、泡鐘またはバルブである。
カラムは、好ましくは、回収部のみを有している。
理論段数は、一般に、5〜30、好ましくは10〜20である。
頂部圧力は、特に好ましくは、200mbar〜5bar、とりわけ好ましくは500mbar〜2barである。
カラム底部には、好ましくは、THFの蒸発温度を上回る温度が設定されるため、THFは、基本的に完全に、気体相に移行する。特に好ましくは、100〜250℃の範囲の温度がカラム底部に設定される。
蒸留塔DK2の凝縮器は、通例、THFの大半が当該頂部圧力にて凝縮される温度で運転される。通例、凝縮器の運転温度は、30〜70℃、好ましくは35〜50℃である。
凝縮器には、基本的にTHFを含んだ凝縮液が生ずる。好ましくは、このTHFは、200質量ppm未満、特に好ましくは100質量ppm未満の水しか含んでいないために、反応生成物の精製またはEDDNないしEDMN製造への返送に特に適している。したがって、EDDNないしEDMN水素化とEDDNないしEDMN製造との間に、所要の有機溶媒の量を減少させる連結システムをつくり出すことができる。
場合により、カラムDK2の頂部の凝縮液は、THFの他に、なお、基本的に水と混合不能な痕跡量の有機溶媒も含んでいることがある。それにもかかわらず、凝縮液は、先に述べたように、EDDN精製ないしEDMN精製に返送可能であるが、それはこの溶媒がまた、上述したように、この段階における好ましい有機溶媒だからである。ただし、好ましくは、凝縮液中の基本的に水と混合不能な有機溶媒の量は、カラム頂部に、80〜150℃、好ましくは100〜130℃の温度で運転される予備凝縮器を前置することによって、減少させられる。別法として、カラムDK2の精留部の段数を引き上げおよび/または凝縮液の一部を還流としてカラムに供することが可能である。ただし、カラムDK2への流入系を冷却しおよび/または水と混合不能な僅かな量の有機溶媒しか気体相に移行しないようにカラムDK2の底部温度を設定することにより、頂部蒸留物中の基本的に水と混合不能な有機溶媒の割合を減少させることも可能である。
カラムDK2の底部には、通例、TETAないしDETA、トルエン、ならびに一般に副生成物AEPIP、PIPおよびTEPAを含んだ底部生成物が生ずる。
さらに別の特に好ましい実施形態において、2段加圧蒸留により、または特に好ましい実施形態に基づきカラムDK2の頂部で得られるTHFは、方法工程に返送される前、とりわけ、吸着段階に返送される前に、分子篩でさらに脱水される。好ましくは、分子篩は4Aよりも小さい孔径を有するために、水とアンモニアのみが捕集され、その他のアミン、たとえばメチルアミンおよびエチルアミンは捕集されない。これにより、水を分離するための吸着剤としての分子篩の吸収能は高められる。
底部生成物の精製
この底部生成物は従来の方法でさらに精製されて、個々の成分に分離可能である。
好ましい実施形態において、カラムDK2から得られた底部生成物はカラムDK3に誘導され、同所において、主としてトルエンおよび/または基本的に水と混合不能な溶媒を含んだ流れが頂部から取り出されると共に、底部生成物として、主としてTETAないしDETA、AEPIPならびに一般に副生成物PIP、AEPIPならびにTEPAを含んだ流れが取り出される。
蒸留塔の正確な運転条件は、使用されるカラムの分離性能に応じ、当業者により、蒸留塔に導入される成分の既知の蒸気圧力と気化特性に基づいて、従来の計算法に準拠して通例どおりに算定可能である。
好ましくは、蒸留塔は分離性能を高めるビルトイン設備を有している。蒸留ビルトイン設備は、たとえば規則充填物として存在していてよく、たとえば薄板積層充填物、たとえばMellapak 250 YまたはMontz Pak、TypB1−250として存在していてよい。また、比表面積の低いまたは高い充填物も存在していてよく、あるいは、金網充填物またはその他の形状の充填物、たとえばMellapak 252 Yを使用することも可能である。これらの蒸留ビルトイン装備の使用に際して有利な点は、たとえばバルブトレイに比較して、圧力損失および比液体ホールドアップが低いことである。ビルトイン設備は単一床または複数の床に配置されていてよい。
カラムは、好ましくは、回収部と精留部を有している。
カラムDK2から得られた底部生成物は、好ましくは、(下から数えて)蒸留塔の理論段数の30%〜90%の空間領域に供給され、特に好ましくは、蒸留塔の理論段数の50%〜80%の空間領域に供給される。たとえば、供給は理論段数の中央やや上方で行うことが可能である。最適な流入箇所は、当業者により、通例の計算ツールで算定することが可能である。
理論段数は、一般に、3〜25、好ましくは5〜15である。
特に好ましくは、カラム底部の温度は100〜250℃の範囲に設定される。
頂部圧力は、好ましくは、10mbar〜1bar、特に好ましくは30mbar〜500mbarである。蒸留塔の凝縮器は、通例、トルエンおよび/または基本的に水と混合不能な溶媒の大半が当該頂部圧力にて凝縮される温度で運転される。通例、凝縮器の運転温度は、30〜70℃、好ましくは35〜50℃である。
凝縮器には、基本的にTHFおよび/または基本的に水と混合不能な有機溶媒を含んだ凝縮液が生ずる。こうして得られたトルエンおよび/または基本的に水と混合不能な有機溶媒は、プロセス−たとえばカラムDK1から得られた凝縮液にそれが供給されるプロセス−に返送可能である。ただし、トルエンおよび/または基本的に水と混合不能な有機溶媒は、たとえばフラッシュ蒸発前に、EDDN精製ないしEDMN精製に供給することも可能である。こうして、経済的な連結システムを達成することが可能である。
カラムDK3の底部には、通例、TETAないしDETA、ならびに一般に副生成物AEPIP、PIPおよびTEPAを含んだ流れが生ずる。
この底部生成物は従来の方法でさらに精製されて、個々の成分に分離可能である。
好ましい実施形態において、カラムDK3から得られた底部生成物はカラムDK4に誘導されて、同所において、頂部では、PIP、AEPIPおよびDETAからなる混合物が得られ、底部には、ペンタミン、たとえばTEPAおよびその他の高沸点物質からなる混合物が生じ、側方引き出しとして99質量%を上回る純度のTETA流れが取り出される。
蒸留塔の正確な運転条件は、使用されるカラムの分離性能に応じ、当業者により、蒸留塔に導入される成分の既知の蒸気圧力と気化特性に基づいて、従来の計算法に準拠して通例どおりに算定可能である。
好ましくは、蒸留塔は分離性能を高めるビルトイン設備を有している。蒸留ビルトイン設備は、たとえば規則充填物として存在していてよく、たとえば薄板積層充填物、たとえばMellapak 250 YまたはMontz Pak、TypB1−250として存在していてよい。また、比表面積の低いまたは高い充填物も存在していてよく、あるいは、金網充填物またはその他の形状の充填物、たとえばMellapak 252 Yを使用することも可能である。これらの蒸留ビルトイン装備の使用に際して有利な点は、たとえばバルブトレイに比較して、圧力損失および比液体ホールドアップが低いことである。ビルトイン設備は、単一床または複数の床に配置されていてよい。
カラムは、好ましくは、回収部と精留部を有している。
カラムDK3から得られた底部生成物は、好ましくは、(下から数えて)蒸留塔の理論段数の30%〜90%の空間領域に供給され、特に好ましくは、蒸留塔の理論段数の50%〜80%の空間領域に供給される。たとえば、供給は理論段数の中央やや上方で行うことが可能である。最適な流入箇所は、当業者により、通例の計算ツールで算定することが可能である。
理論段数は、一般に、5〜30、好ましくは10〜20である。
頂部圧力は、特に好ましくは1mbar〜400mbar、とりわけ好ましくは5mbar〜300mbarである。
カラム底部には、好ましくは、トルエンの蒸発温度を上回る温度が設定されるため、トルエンは基本的に完全に気体相に移行する。
特に好ましくは、カラム底部の温度は、150〜250℃に設定される。
蒸留塔の凝縮器は、通例、好ましくは30〜70℃、特に好ましくは35〜50℃にて運転される。
凝縮器には、基本的にDETA、PIPおよびAEPIPの混合物を含んだ凝縮液が生ずる。
凝縮液の一部は、還流として、カラムDK4に返送可能である。好ましくは、凝縮液の5〜40質量%、特に好ましくは10〜25質量%が、還流として、カラムDK4に返送される。
カラムDK4の底部には、通例、基本的に、ペンタアミン、たとえばTEPAおよびその他の高沸点物質からなる混合物を含んだ流れが生ずる。
側方流れとしてTETAが取り出される。側方流れは、好ましくは、カラムDK4からの底部流れの送り管の下方、好ましくは、(下から数えて)蒸留塔の理論段数の10%〜60%の領域、特に好ましくは15〜35%の領域で取り出される。側方引き出しは、99質量%を上回る、特に好ましくは99.5質量%を上回るTETAを含んでいる。
本発明による方法ならびに好ましい実施形態によって製造されたTETAないしDETAは、通例、高品質を有しており、したがって、特に、さらなる反応、たとえばエポキシ樹脂製造のためのエポキシ化合物との反応ないし、アミドないしポリアミド製造のための酸との反応に適している。
それゆえ、第1段階でTETAおよび/またはDETAが本発明によって製造され、こうして得られたTETAないしDETAが第2段階でエポキシ樹脂、アミドまたはポリアミドに転換されることを特徴とする、エポキシ樹脂またはアミドまたはポリアミドの製造も本発明のさらなる対象である。
添付図面には、本発明の好ましい実施形態が表されている。
図1には、EDA(1)およびFACH(5)からのEDDNないしEDMNの製造が表されている。 図2には、FA(1)、EDA(2)およびHCN(5)からのEDDNないしEDMNの製造が表されている。 図3には、EDDNないしEDMNからのTETAないしDETAの製造が表されている。 図4には、EDDNないしEDMNからのTETAないしDETAの製造と、続く精製が表されている。
図1には、EDA(1)およびFACH(5)からのEDDNないしEDMNの製造が表されている。好ましい方法パラメータは、上述した説明から看取されよう。先ず、EDA(1)は、ミキサー(I)中で水(2)と混合されて、水性EDA流れ(3)とされる。EDAと水との混合により水和熱が放出され、この水和熱は熱交換器(II)で除去される。FACH含有流れ(5)はトルエン(6)と混合される。トルエン含有FACH流れは、EDA水溶液(3)の混入箇所で該水溶液と混合されて、断熱運転される管型反応器(III)に誘導される。管型反応器(III)の出口で、流出する反応混合物(7)は膨張弁にて減圧される。水、トルエンおよび低沸点化合物を含んで形成される気体状の相(8)は凝縮器(V)で凝縮される。非凝縮成分(9)、たとえばアンモニア、HCN、メタノールまたはCO2は方法工程から排出される。凝縮器(V)で凝縮された凝縮液(10)は相分離容器(VI)に導入されて、水相(14)とトルエン含有相(11)とに分離される。
相分離容器(VI)で分離された水相(14)は、たとえば、ミキサー(I)中でEDA水溶液を製造するために、方法工程に返送される、または排水生物処理設備(不図示である)に誘導することができる。水相(14)はカラムK2(VIII)にも誘導され、同所で、水は底部生成物(16)として、低沸点物質(15)から分離される。低沸点物質(15)、たとえば水よりも沸点の低い溶媒または低沸点の水・共沸混合物またはHCNは直接、凝縮器(V)に誘導され、同所で、フラッシュ蒸発から生じた気体状の相も凝縮される。非凝縮成分は、流れ(9)として方法工程から排出される。
トルエン含有相(11)は有機溶媒として方法工程に返送されて、FACH製造から生じたFACH含有流れと混合される。場合により、トルエンの損失は、トルエン補充系によって補充可能である。ただし、トルエン含有相(11)は、好ましくは、フラッシュ容器(IV)からの液相(12)と共にカラムK1(VII)に誘導される。
フラッシュ蒸発時に液状のままであった相(12)はフラッシュ容器(フラッシュタンク)(IV)から、同じく、場合によりトルエン含有相(11)と共に、カラムK1(VII)の頂部に誘導されて、水が除去される。
カラムK1(VII)では、気体状の、基本的に水性頂部生成物が取り出され、該生成物は直接、凝縮器(V)に誘導されて、相分離容器(VI)に導入される。相分離容器において、上述したように、形成される水相(14)は排出されて、ミキサー(I)に導かれうる、またはカラムK2(VIII)に供給可能である。カラムK1の底部(17)では、EDDNないしEDMNおよびトルエンからなる混合物が取り出される。
トルエンとEDDNないしEDMNからなる混合物(17)は、THF(18)で希釈され、吸着器(IX)で吸着剤、好ましくは、固体の酸性吸着剤で処理される。吸着器から、EDDNおよび/またはEDMNとトルエンおよびTHFからなり、なお僅かな量の水を含んだ混合物(20)が得られる。EDDNないしEDMN混合物は水素化に導入することが可能であり、同所で、EDDNないしEDMNは水素化されてTETAないしDETAが得られる。
図2には、FA(1)、EDA(2)およびHCN(5)からのEDDNないしEDMNの製造が表されており、この場合、先ず、FA(1)とEDA(2)とが反応させられてEDFAおよび/またはEDMFA(4)が得られ、これが、次いで、HCN(5)と反応させられてEDDNないしEDMNが得られる。
好ましい方法パラメータは、上述した説明から看取されよう。先ず、FA(1)はEDA(2)と共に、ループ型反応器(I)の循環系に混入される。ループ型反応器において、FA(1)はEDA(2)と反応させられて、EDFAおよび/またはEDMFAが得られる。ループ型反応器の反応器内容物の一部は排出されて(3)、管型反応器(II)に導かれる。管型反応器(II)からの生成物(4)は、管型反応器(III)の入り口の混合箇所で、HCN(5)およびトルエン(6)と混合されて、管型反応器(III)を通過させられる。
管型反応器(III)の出口で、流出する反応混合物(7)は、膨張弁で減圧される。形成される、主として水とトルエンを含んだ気体状の相(8)は凝縮器(V)で凝縮される。非凝縮成分(9)、たとえばアンモニア、HCN、メタノールまたはCO2は方法工程から排出される。凝縮器(V)で凝縮された凝縮液(10)は相分離容器(VI)に導入されて、水相(14)とトルエン含有相(11)とに分離される。
相分離容器(VI)で分離された水相(14)は、たとえば、ミキサー(I)中でEDA水溶液を製造するために方法工程に返送されうる、または排水生物処理設備(不図示である)に誘導することができる。水相(14)はカラムK2(VIII)にも誘導可能であり、同所で、水は底部生成物(16)として、低沸点物質(15)から分離される。低沸点物質(15)、たとえば水よりも沸点の低い溶媒または低沸点の水・共沸混合物またはHCNは直接、凝縮器(V)に誘導される。非凝縮成分は、流れ(9)として方法工程から排出される。
トルエン含有相(11)は有機溶媒として方法工程に返送されて、EDFA製造から生じたEDFA含有流れと混合される。場合により、トルエンの損失は、トルエン補充系によって補充可能である。ただし、トルエン含有相(11)は、フラッシュ容器(IV)からの液相(12)と共に、カラムK1(VII)にも誘導可能である。
フラッシュ蒸発時に液状のままであった相(12)はフラッシュ容器(フラッシュタンク)(IV)から、同じく、場合によりトルエン含有相(11)と共に、カラムK1(VII)の頂部に誘導されて、水が除去される。
カラムK1(VII)では、気体状の、基本的に水性頂部生成物は直接、凝縮器(V)に誘導されて、相分離容器(VI)に導入され、同所において、水相(14)は、上述したように排出されて、ミキサー(I)に導かれうる、またはカラムK2(VIII)に供給可能である。
カラムK1の底部(17)では、EDDNないしEDMNおよびトルエンからなる混合物が得られる。トルエンとEDDNないしEDMNからなる混合物(17)は、THF(18)で希釈され、吸着器(IX)で吸着剤、好ましくは、固体の酸性吸着剤で処理される。吸着器から、EDDNおよび/またはEDMNとトルエンおよびTHFからなり、なお僅かな量の水を含んだ混合物が得られる。EDDNないしEDMN混合物は水素化に導入することが可能であり、同所で、EDDNないしEDMNは水素化されてTETAないしDETAが得られる。
図3には、EDDNないしEDMNからのTETAないしDETAの製造が表されている。
好ましい方法パラメータは、上述した説明から看取されよう。
FA、HCNおよびEDAの反応により、説明中に挙げた選択肢a)〜d)のいずれか1つに基づいて製造可能であって、好ましくは、i)たとえばストリッピング、フラッシュ蒸発または蒸留による低沸点物質の分離、およびii)好ましくは、水分離の条件下で水とEDDNないしEDMNとの間の沸点を有する、または水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在における水の蒸留除去、によって精製されたEDDNないしEDMNは、図3において、"未精製"のEDDNと称される。この種の"未精製"のEDDNないしEDMNはTHF(18)と混合され、吸着器により、吸着剤、好ましくは、固体の酸性吸着剤で処理される。吸着器を離れる流れ(1)は水素化反応器(I)に導入され、同所で、吸着によって"精製"されたEDDNないしEDMNは、水素(2)の存在下で水素化され、TETAないしDETAが得られる。
図4には、EDDNないしEDMNからのTETAないしDETAの製造と、続く精製が表されている。
好ましい方法パラメータは、上述した説明から看取されよう。
EDDNないしEDMNは、FA、HCNおよびEDAの反応により、説明中に挙げた選択肢a)〜d)のいずれか1つに基づいて製造可能である。精製は、好ましくは、i)たとえばストリッピング、フラッシュ蒸発または蒸留による低沸点物質の分離、およびii)好ましくは、水分離の条件下で水とEDDNないしEDMNとの間の沸点を有する、または水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在における水の除去、によって行われる。
脱水されたEDDNは、好ましくは、THFと混合され、吸着剤、好ましくは、固体の酸性吸着剤で処理される。EDDNないしEDMNとTHFの混合物(1)は、水素化反応器(I)により、供給された水素(2)の存在下で水素化されて、TETAないしDETAが得られる。水素化から生じた反応生成物(3)は、フラッシュ容器(II)に導かれて減圧される。気体状の成分(4)たとえば水素、THF、HCN、メタノールまたはメチルアミンの部分は方法工程から排出可能または部分的または全面的に回収可能である。
減圧後、液状のままであった相(5)は、回収部および精留部を有するカラムK1に誘導される。該カラムの頂部で、低沸点THF/水・共沸混合物(6)が取り出されて、凝縮される。凝縮された流れは、相分離容器で、トルエン(7)と混合される。相分離容器では、水相(8)および、カラムK1に返送されるTHF/トルエン・相(9)が形成される。
カラムK1の底部から、TETA、DETA、THF、トルエンならびに有機化合物、たとえばPIP,AEPIPおよびTEPAを含んだ流れ(10)が取り出される。
この流れ(10)はカラムK2に導かれ、同所で、THFが頂部生成物(11)として取り出される。このTHF(11)は直接に方法工程、好ましくは、吸着剤によるEDDNないしEDMNの処理に返送可能である。吸着器段階への導入前に、THF(11)は、水をさらに除去するために、分子篩と接触させることが可能である。
カラムK2の底部では、TETA、DETA、トルエンならびに有機化合物、たとえばPIP,AEPIPおよびTEPAを含んだ流れ(12)が取り出される。
この流れ(12)はカラムK3に導入され、同所で、トルエン(13)が頂部から取り出される。取り出されたトルエン(13)は、THFの脱水のため、導管(7)を経て相分離容器に導かれ、同所でそれはカラムK1からの凝縮液(6)と合流される。取り出されたトルエン(13)は、また、導管(14)を経て方法工程から排出可能または好ましくはEDDNおよび/またはEDMN製造に際する溶媒としても使用可能である。
カラムK3の底部生成物(16)は、TETA、DETA、トルエンならびに有機化合物、たとえばPIP,AEPIPおよびTEPAを含んでいる。この混合物は、カラムK4により、さらに分離可能である。たとえば、低沸点物質、たとえばPIP,AEPIPおよびDETAは頂部を経て取り出され(17)、TETAは側方取り出し(18)として引き出すことが可能である。高沸点物質、たとえばTEPAは底部(19)から取り出し可能である。頂部流れないし底部流れは、後続する蒸留段階において、それらの個別成分に分離可能である。
略語
エチレンジアミン(EDA)
エチレンジアミン−ホルムアルデヒド−ビス付加化合物(EDFA)
エチレンジアミン−ホルムアルデヒド−モノ付加化合物(EDMFA)
エチレンジアミンジアセトトリル(EDDN)
エチレンジアミンモノアセトニトリル(EDMN)
ジエチレントリアミン(DETA)
トリエチレンテトラアミン(TETA)
テトラエチレンペンタミン(TEPA)
ホルムアルデヒド(FA)
ホルムアルデヒドシアノヒドリン(FACH)
ピペラジン(PIP)
アミノエチルピペラジン(AEPIP)
ホルムアルデヒドおよび青酸からなる混合物(GFB)
2−および3−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)
アミノアセトニトリル(AAN)
実施例:
分析評価
ホルムアルデヒドシアノヒドリン(FACH)−および青酸−反応率は、フォルハルト滴定(遊離シアニドの測定)とリービッヒ滴定(結合されたシアニドの測定)によって求められた。双方の方法に際し、滴定は硝酸銀で行われた。有用生成物の収率は、それぞれ純物質として存在する反応生成物ないし比較物質により、定量HPLC分析(固定相:3×アトランティスT3、5μ、4.6×250mm、水;移動相:0.5g/Lアンモニウムホルメートを含む50容量%の水、50容量%のアセトニトリル)によって求められた。α−アミノニトリル類、エチレンジアミンジアセトニトリル(EDDN)、エチレンジアミンモノアセトニトリル(EDMN)、ビスシアノメチルイミダゾリン(BCMI)およびエチレンジアミントリアセトニトリル(EDTriN)の総和が有用生成物と称される。Hazen(APHA)−およびIod−色数(Rompp, Lexikon Chemie, 10.Auflage, G.Thieme Verlag, 1997, Seiten 1285 bis 1286)の決定に際し、それぞれ、反応生成物の水性部が、場合により相分離後に測定された。
実施例1
a)粗EDDNの製造
先ず、ホルムアルデヒドとHCNが、以下に述べるようにして、反応させられてFACHが得られ、これが、続いて、EDAと反応させられて、EDDNないしEDMNが得られる。
以下に述べる反応時のEDA:ホルムアルデヒド:青酸のモル比は1:2.03:1.98であった。
FACHの製造:
700g/hのホルムアルデヒド(水中30質量%)と205g/hのHCN(水中90質量%)が、容積138Lの循環式反応器と容積19mLの後置された管型反応器とからなる装置を通して誘導された。循環式反応器中のpH値は、28g/hのNaOH(水中0.4質量%)の添加によって、不断に5.5に保たれた。循環式反応器内のポンプ循環量は48kg/hであった。循環式反応器内の温度は30℃に設定された。圧力は3.2barであった。反応器の出口では37℃が測定された。
EDDNないしEDMNの製造:
こうして製造されたFACH(流れ5、水中約42質量%、密度約950g/L)は、直接、207g/hのエチレンジアミン(流れ4、純粋)および1.2kg/hのトルエンないし有機相(流れ6)と共に、容積18mLの管型反応器IIIを通して誘導された(装置の構造と、流れおよび装置の符号表示は図1に同じ)。管型反応器の出口での温度は93℃、圧力は1.5barであった。
EDDNないしEDMNのフラッシュ蒸発
管型反応器IIIからの生成物(流れ7)は、直接、フラッシュ容器IVに導かれて0.2barに減圧された。その際、49℃への冷却が生じた。蒸気(流れ8)は凝縮器Vに送られ、液状部(流れ12)は蒸留塔VIIの頂部に送られた。カラムVIIは、960mmの充填物Montz A3−500(直径42mm)を含んでいた。
EDDNないしEDMNの蒸留
充填物の高さは約4の理論分離段数に相当している。カラム頂部では、温度52℃が測定された。カラムVIIの蒸気(流れ13)も同じく凝縮器Vで凝縮された。その際、凝縮液(流れ10)は、分離器VIで分離されて、水相(流れ14)と有機相(流れ11)とに分けられた。水相(流れ14)の量は657g/hであった。これは完全に排出された。有機相のうち、総じて4.2kg/h(流れ11)は返送された。そのうち1.2kg/h(流れ21)は、管型反応器IIIの冷却に再利用され、残りは水分離のためにカラムVIIの頂部に返送された。トルエン損失は純粋なトルエンの補充によって補償された。カラムVIIの底部には74℃の温度が設定され、558g/hの量(流れ17)が取り出された。
粗EDDN(流れ17)は、有用生成物標準にて、84.9質量%のEDDN、3.9質量%のEDMN、10.8質量%のBCMlおよび0.4質量%のEDTriNの含有率を有していた。
水含有率は0.9質量%であった。
実施例2:
EDDNの水素化によるトリエチレンテトラミン(TETA)の製造
一般的な製造規定
EDDNの連続水素化は、バッフル板と6パドル式ミキサーを備えた270mLのミニプラントオーククレーブで実施された。そのために、ラネー・コバルト触媒(Ra−Co 2724、Fa.Grace, Lot.8852)水性懸濁液10g(乾燥触媒5g相当)が装入され、200mlの無水THFによる洗浄によって洗い流された。次いで、懸濁された触媒に、連続的に、15Nl/hの水素が計量添加されて、オートクレーブは反応温度および圧力にもたらされた。次いで、1時間当たり34gの15%粗EDDN溶液が、THF/トルエン80/20(質量%/質量%)中に送り込まれた。懸濁触媒は、焼結合金製のフィルタエレメントにより、反応器内で捕集された。水素化は、120℃、120barにて、溶媒としての2−メチルテトラヒドロフラン中で行われた。
反応生成物の分析評価は内部標準を備えたGCによって行われた。
カラム:RTZ−5Amine、30m、0.32mm、1.5μm
ガスクロマトグラフ:HP5890、オートサンプラー付き
温度プログラム:60℃−5min等温−15℃/min−280℃
内部標準:DEGDME(ジエチレングリコールジメチルエーテル)
a)実施例1からのEDDNの水素化:
実施例1から得られたEDDNが一般的な製造規定に基づいて水素化された。
使用されたEDDNの水含有率は0.9質量%であった。
25時間にわたって、触媒の緩慢な失活が行われた。その際、TETAの収率は82.9%から81.8%に低下し、他方、AEPIPの収率は3.0%から3.9%に上昇した。
b)水含有率10質量%のEDDNの水素化(比較実施例)
一般的な製造規定に基づき、10質量%の水含有率を有するEDDNが水素化される。国際特許第2008/104582号第14ページ第6〜7行の記載によれば、EDDNの少なくとも10質量%の残留水含有率は好ましい。
この場合、25時間にわたって、触媒の急速な失活が行われた。その際、TETAの収率は81.5%から71.9%に低下し、他方、AEPIPの収率は6.5%から12.1%に上昇した。
これらの試験は、高い水含有率はTETA収率の急速な低下を結果することを示している。長い反応時間にわたって高い収率を保持するには、D1(少なくとも10質量%の水含有率)とは反対に、本発明によれば、できるだけ低い水含有率が招来されなければならない。これは、本発明により、蒸留に際する特定の溶媒の使用によって達成可能である。
シッフ塩基(EDFA)合成:
700g/hのホルムアルデヒド(流れ1、水中30質量%)および209g/hのエチレンジアミン(流れ2、純粋)が、容積138mLのループ型反応器Iを通して誘導された。ループ型反応器のポンプ循環量は15kg/h、温度は45℃に設定され、圧力は1.6barであった。ループ型反応器内容物の一部(流れ3)は連続的に排出されて、後置された、容積19mLの管型反応器IIを通して誘導された。
反応器生成物は分析評価されずに、直接さらに反応させられた(実施例1)。
EDFAおよびHCNからのEDDN製造:
製造されたシッフ塩基(流れ4、909g/h、水中約46質量%、45℃に温度調節、密度約900g/L)は、205g/hのHCN(流れ5、水中約90質量%)および1.1kg/hのトルエンないし有機相(流れ6)と共に、容積16mLの管型反応器IIIを通して誘導された。反応器出口における温度は75℃、圧力は1.5barであった。管型反応器III内の滞留時間は23秒であった(装置および流れの符号表記は図2と同様に行われている)。
反応器生成物は分析評価されずに、反応直後に以下のように精製された:
管型反応器IIIからの生成物(流れ7)は、フラッシュ容器IVに向けて0.15barに減圧された。その際、流れは43℃に冷却された。蒸気(流れ8)は凝縮器Vに送られ、液状部分(流れ12)は蒸留塔VIIの頂部に送られた。カラムVIIは、960mmの充填物Montz A3−500(直径42mm)を含んでいた。充填物の高さは約4の理論分離段数に相当している。カラム頂部では、温度41℃が測定された。カラムVIIの蒸気(流れ13)も同じく凝縮器Vで凝縮された。その際、凝縮液(流れ10)は、分離器VIで分離されて、水相(流れ14)と有機相(流れ11)とに分けられた。水相(流れ14)の量は635g/hであった。これは完全に排出された。有機相のうち、総じて3.9kg/h(流れ11)は返送された。そのうち1.1kg/h(流れ21)は、管型反応器IIIの冷却に再利用され、残りは水分離のためにカラムVIIの頂部に返送された。トルエン損失は純粋なトルエンの補充によって補償された。カラムVIIの底部には69℃の温度が設定され、542g/hの量(流れ17)が取り出された。
使用されたエチレンジアミンにつき、上記のすべての段階を経て、以下の収率が得られた:11.2%EDMN、79.5%EDDN、7.9%BCMl、0.5%EDTriN、有用生成物の総収率99.1%。
底部生成物(流れ17)は以下の組成を有していた:10.56質量%トルエン、7.13質量%EDMN、70.50質量%EDDN、7.65質量%BCMl、0.56質量%EDTriNおよび0.11質量%水。Iod色数として38.1が測定された。
1 EDA、 2 水、 3 水性EDA流れ、 4 EDFAおよび/またはEDMFA、 5 FACH、 6 トルエン、 7 反応混合物、 8 気体状の相、 9 非凝縮成分、 10 凝縮液、 11 トルエン含有相、 12 液相、 13 トルエン、 14 水相、 15 低沸点物質、 16 底部生成物、 17 トルエンとEDDNないしEDMNからなる混合物、 18 THF、 19 底部、 20 EDDNおよび/またはEDMNとトルエンおよびTHFからなり、なお僅かな量の水を含んだ混合物

Claims (20)

  1. FA、HCNおよびEDAの反応によりEDDNおよび/またはEDMNを製造する方法であって、該反応が水の存在下で行われ、該反応が行われた後、水が蒸留塔内で該反応混合物から除去される前記方法において、蒸留は、蒸留塔内を占める蒸留圧力時に水とEDDNおよび/またはEDMNとの間の沸点を有する有機溶媒または水との間に低沸点共沸混合物を形成する有機溶媒の存在下で実施されることを特徴とする方法。
  2. 前記有機溶媒は水との間にミシビリティーギャップを形成することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶媒中の水の溶解度は1質量%を下回ることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機溶媒は、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、N−メチルモルホリン、o−キシレン、m−キシレンまたはp−キシレン、アニソール、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、ジイソブチルエーテル、軽ベンジン、ベンジン(ベンゼン)、ジグリム、2−メチル−THFの群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記有機溶媒はトルエンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記蒸留塔内の頂部圧力は300mbar以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記蒸留塔内の頂部圧力は100〜200mbarであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記蒸留装置の底部の温度は80℃未満であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記蒸留装置の底部の温度は70℃未満であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. EDDNないしEDMNの製造を、
    a)先ず、HCNとEDAとを反応させてFACHを得て、これを続いてEDAと反応させるか、または
    b)EDDNを、エチレンジアミン−ホルムアルデヒド付加化合物(EDFA)またはエチレンジアミン−モノホルムアルデヒド付加化合物(EDMFA)(ここで、EDFAないしEDMFAは、EDAとFAとの反応によって得ることができる)と青酸との反応によって製造するか、または
    c)EDAを、ホルムアルデヒドと青酸からなる混合物と反応させるか、または
    d)EDAを同時にホルムアルデヒドおよびHCNと反応させるか、
    によって行うことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. EDDN製造を有機溶媒の存在下で行うことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記有機溶媒はトルエンであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 水除去が行われる前に、FA、HCNおよびEDAの反応から生ずる反応生成物を冷却することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記冷却をフラッシュ蒸発によって行い、フラッシュ蒸発後の液状相を蒸留塔に導入することを特徴とする、請求項13に記載の方法。
  15. フラッシュ蒸発後に気体状で存在する成分を凝縮させて、相分離器に導入し、同所で、水は、水との間にミシビリティーギャップを有する有機溶媒から分離されることを特徴とする、請求項2〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. FA、HCNおよびEDAの反応後、反応混合物を、直接、後処理なしに、蒸留塔に導入し、同所で、水が除去されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 水の除去後、EDDNおよび/またはEDMN含有底部生成物の水含有率は0.5質量%未満であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 水の除去後、EDDNおよび/またはEDMN含有底部生成物にさらなる有機溶媒を供給し、続いて、固体の酸性吸着剤による処理を行うことを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. TETAおよび/またはDETAを製造する方法であって、第1段階において、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法に基づいてEDDNないしEDMNを製造し、第2段階において、第1段階で得られたEDDNおよび/またはEDMNを触媒の存在下で水素と反応させる前記方法。
  20. エポキシ樹脂、アミドまたはポリアミドを製造する方法であって、第1段階において、請求項19に記載の方法に基づいてTETAおよび/またはDETAを製造し、第2段階において、こうして得られたTETAおよび/またはDETAを反応させてエポキシ樹脂、アミドまたはポリアミドを得ることを特徴とする方法。
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