JP2014525734A - 押出デリバリーシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、押出デリバリーシステムに関する。本発明はまた、そのような押出デリバリーシステムを製造する方法に関する。

Description

技術分野
本発明は、押出デリバリーシステムに関する。本発明はまた、そのような押出デリバリーシステムを製造する方法に関する。
背景および先行技術
デリバリーシステムまたはカプセル化システムは、有効成分を保護するために、様々な産業において使用されている。例えば、食品産業では、しばしば、(i)食品製品に組み込む前の貯蔵の間、(ii)香味料成分を他の食品成分と混合する間、(iii)調理およびベーキングなどの食品加工の間、(iv)輸送および貯蔵の間、ならびに(v)最終消費者による食品製品の作成の間に、香味料を保護するために、特に揮発成分の損失を防ぐために使用される。
同様に、栄養補助食品産業において、しばしば、材料の周りに酸素バリアを提供し、酸素感受性の活物質、例えば、多価不飽和脂肪酸の豊富な魚油など、を保護するために使用される。
芳香産業では、ホームケア製品、例えば柔軟剤など、での使用のために、香料をカプセル化することが知られている。これにより、分解されることなく香料を織物上に被着させ、カプセル化されない場合よりも長い期間にわたって、徐々に放出させることができる。
広範な分野でデリバリーシステムが重要であることから、様々な異なるタイプのデリバリーシステムが存在するのは、驚くべきことでない。当該技術分野において公知の様々なシステムの中でも、押出法は、典型的に、炭水化物カプセル化(マトリックス)材料の使用に依存しており、当該材料を溶融状態にして、有効成分、例えば、酸素感応性油、と組み合わせ、その後、有効成分を保護するガラスを形成するために押出して押出された塊を急冷する。そのような押出法は、通常、「溶融押出法」と呼ばれる。
溶融押出法によって形成された押出デリバリーシステムは、通常、材料、製品、またはカプセル化される成分のためのカプセル化キャリア(マトリックス)を含む。当該マトリックス材料は、しばしば、押出プロセスの間「粘性」または「ゴム状」で、最終製品では「ガラス状」と表現される。マトリックス材料がガラス状態とゴム状態との間を移行する温度は、ガラス転移温度として知られている(本明細書においては、「Tg」と呼ぶ)。マトリックス材料などの材料のTgを測定する手順は、公表文献のMaltodextrin molecular weight distribution influence on the glass transition temperature and viscosity in aqueous solutions F.Avaltroni,P.E.Bouquer and V.Normand,Carbohydrate Polymers,2004,Volume 58,Issue 3,323−334に記載されている。
ガラス状態では、すなわち、Tgより低い温度では、すべての分子並進が停止し、これは、香味料揮発性物質を効果的に捕捉する、ならびに他の化学的事象、例えば酸化など、を防ぐものであることは、当該分野の多くの専門家によって認められている。逆に、Tgより高い温度では、カプセル化される材料がゴム状マトリックスから漏れてしまうため、材料、製品、および成分のカプセル化は効果的でない。
したがって、Tgが高いほど、最終製品は貯蔵に関してより安定である。しかしながら、より高いTgでは、押出条件下において混合物が流動できるように、ならびにカプセル化されるマトリックスおよび材料を緊密に混合できるように、押出機の温度をより高い温度に上げなければならないため、押出条件がより困難となることが知られている。そのような高温は、揮発性材料の損失;マトリックス(カプセル化)成分と活物質との望ましくない反応;増加するエネルギー要件およびその結果としての製造コスト、といった様々な悪影響を有し得る。
カプセル化キャリアは、有効成分の液滴をその中に分散させることができ、次いで様々な形状、例えば、ストランドまたは液滴など、にできるように、加工の初期段階の間、十分に液状である必要がある。他方、適切な時間スケール内において硬化を生じる必要がある。空気中を落ちる粒子は、数秒以内に硬化しなければならないが、その一方で、固体表面上へと押出されたストランドは、何十分もの時間的余裕があり得る。
押出の間の十分に低い粘度と押出後の十分に固体のガラスとの両方に対する必要性の釣り合いを取ることは、特に溶融押出プロセスおよび製造物に関連する問題であり、そのような溶融加工工程を必要としないマトリックスであれば、そのような困難は伴わない。
したがって、高いTgを有するが押出条件下において依然として容易にまたは簡単に加工可能な押出デリバリーシステムを提供することが望ましいであろう。
糖水和物(特にトレハロース)の結晶化は、水を除去することができ、その結果、凍結乾燥によって製造されたカプセル化物のTgを上昇させることできると、Carbohydrate research,2010,345(2),303−308において提案されている。結晶化の際、当該糖は水を吸収し、水を除去し、この水は当該システムの可塑剤であり、したがって、非晶質相のTgが上昇する。しかしながら、当該水和物の結晶化は、水の豊富な領域においてのみ生じる傾向がある。低水分量の溶融物は、結晶化のための移動性を得るためにより高温へと加熱される必要があり、むしろ無水形態において結晶化し得るため、Tgは上昇し得ない。この文献によれば、トレハロース二水和物を形成するために必要な水分量は9.5%、ラフィノース五水和物を形成するために必要な水分量は15.1%とあり、なお、これらのパーセンテージは、水および固体の総質量に対して質量ベースで定義されている。その上、当該文献では、バイオプロテクタントとしての水和結晶を形成する糖の良好な性能は、減じられた水分量または非晶質相のTgの上昇とは関係ないと述べられている。後者の効果は、一時的であり、医薬品または食品成分の予想される貯蔵寿命より短いことが示されている。
粉ミルクは、ラクトースの結晶化を促進する方法において噴霧乾燥することができる(Chiou et al.Drying Technology,26(1),2008,pp.27−38)。あるいは、当該結晶化は、流動床での噴霧乾燥後に粉ミルクにおいて実施されている(Liang et al.Dairy Science Technology,90(2−3),2010,pp.345−353)。結晶化の有益性は、乾燥がより容易であるまたはあまり吸湿性でない、タンパク質またはポリマーがより豊富なマトリックスを生じる点にある。しかしながら、これらの文献では、特にカプセル化技術および押出については何も述べられていない。その上、ラクトースは、Tgが高すぎるため(約100℃)、可塑剤としては好適でない。残っている非晶質部分のTgは、ラクトースが晶出されるため、非常にわずかしか上昇しないまたは全く上昇しない。
したがって、本発明は、これらの問題の1つ以上を解決しようと試みるものである。
国際公開第2010/131207号では、マルトデキストリン、トレハロース、およびダイズレシチンを含むデリバリーシステムについて開示されているが、記載されている方法は、結晶糖を有する本発明のカプセルとは違って、急冷が必然的にガラス状固体に寄与することを意味している。
発明の概要
驚くべきことに、下記において定義されるような、結晶性成分および非結晶性成分を含むカプセル化キャリアを含む押出デリバリーシステムは、上記において明らかにした問題の1つ以上に対処することが見出された。したがって、本発明により、
(a)以下を含むカプセル化キャリアと、
i)非晶質状態の場合に30℃未満のTgを有する材料からなる結晶性成分、および
ii)ガラス状態の非晶質成分;
(b)カプセル化された液体有効成分と、
を含む押出デリバリーシステムが提供される。
本発明はさらに、固体デリバリーシステムを形成するために、
(a)(i)30℃未満のTgを有する結晶形成材料および(ii)ガラス形成材料を含む溶融物を形成する工程、
(b)当該溶融物中に有効成分を導入する工程、
(c)溶融物中に有効成分のエマルション、分散液、溶液、または懸濁液を含む溶融混合物を形成する工程、
(d)当該溶融混合物を押出する工程、ならびに
(e)当該押出された溶融物を、当該溶融物の成分(i)の少なくとも一部の結晶化を可能にする条件下において熱処理(テンパリング:tempering)する工程、
を含む、押出デリバリーシステムを製造する方法にも関する。
詳細な説明
本発明の押出デリバリーシステムは、少なくとも1種の結晶性成分およびガラス状態の少なくとも1種の非結晶性成分で形成されたカプセル化キャリアを含む。
当該結晶性成分は、特定の条件下において溶融物を可塑化することができ、好適な条件下での熱処理において結晶を形成する、任意の材料であり得る。好ましくは、当該結晶性成分は、水ではない。より好ましくは、当該結晶性成分は、エリトリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはそれらの混合物から選択される。さらにより好ましくは、当該結晶性成分は、エリトリトール、マンニトール、またはそれらの混合物である。最も好ましくは、当該結晶性成分はエリトリトールである。
結晶性成分を形成する材料が液体状態の場合、当該材料は、その中に存在する溶融物を可塑化することができる有益性を有しており、結果として、当該溶融物のTgおよび粘度を低下させ、より容易な押出を可能にする。当該結晶性成分を形成する材料が、結晶化を生じる条件下において熱処理されると、可塑化効果は失われ、結果、キャリアの非結晶性成分のTgの引き下げも失われる。したがって、溶融物のTgおよび粘度が増加し、それにより、押出デリバリーシステムの硬化がより容易になる。なお、成分(i)を形成する材料の結晶化は決して完全ではなく、どの程度までTgおよび粘度が増加されるかは、実際に結晶化されるキャリアの成分(i)を形成する材料の量の関数である。成分(i)を形成する材料部分が増加される場合、Tgおよび粘度増加の評価は、より重要となるであろう。当業者は、必要とされる安定性を有する固体押出生成物を得るために、Tgおよび粘度の必要な増加に基づいて、成分(i)を形成する材料に必要な結晶化度を決定することができる。
キャリアの結晶性成分を形成する材料は、30℃未満、より好ましくは25℃未満、さらにより好ましくは20℃未満のTgを有していなければならず、最も好ましい実施形態において、そのような材料は、室温で結晶性固体であり得るために、20℃を超える、好ましくは25℃を超える、より好ましくは30℃を超える融点を有する。好ましくは、当該融点は、加工の際に液体であり得るように、200℃を超えない。
さらに、キャリアの結晶性成分を形成する材料は、好ましくは、非晶質成分に対して混和性であり、これら2種の材料から均一な溶融物を形成することができる。
両カプセル化成分の溶融物の粘度は、典型的には、従来の押出されたシステムの粘度より低く、特に液滴の形成に関して、押出プロセスをより容易にするので、有利である。これはさらに、より低温での押出の実施が可能となるので有利であり、高揮発性の化合物、例えば、アセトアルデヒドおよび硫化ジメチルなど、のカプセル化に有益である。
非結晶性成分は、押出製造物におけるガラス状マトリックス成分として現在使用されている任意の材料であり得る。そのような材料は、水溶性のガラス形成成分であり、均一な溶融物を形成するように結晶性成分を形成する材料に対して混和性であり、高いTgを有する。好ましくは、そのような非結晶性成分は、多糖(例えば、アラビアゴム、デンプン、改質デンプン、加水分解デンプン(すなわち、マルトデキストリン)、アルギン酸塩、ペクチン、およびカラゲナン)、タンパク質(例えば、A型またはB型のゼラチン、乳清タンパク質、ダイズタンパク質、およびカゼイン酸ナトリウム)、ならびに高Tgの二糖(30℃を超えるTgを有する二糖、例えば、トレハロース、マルトース、スクロース、およびイソマルトなど)から選択される。
当該炭水化物は、好ましくは、単糖、オリゴ糖、多糖、またはそれらの改質された任意の形態を含む。特に好ましいのは、オリゴ糖、とりわけマルトデキストリンまたはマルトデキストリンの混合物である。市販のマルトデキストリンは、通常、選択されたコーンスターチの加水分解から製造される。結果として得られるマルトデキストリン生成物は、炭水化物オリゴマーの複雑な混合物として得られ、少量の単糖および二糖も含有する。5〜20のデキストロース当量(本明細書において、「DE」と呼ぶ)を有する任意の市販のマルトデキストリンを、好適に使用することができる。しかしながら、10〜20DEを有するマルトデキストリンが好ましい。最も好ましくは、エリトリトールとの組み合わせにおいて使用される場合に良好なTGおよび粘度特性を提供する、16〜20のDEを有するマルトデキストリンが使用される。DEは、本明細書において使用される場合、デキストロースとして計算された生成物中における還元糖のパーセンテージ(乾燥物ベース)を意味する。本発明における使用に好適な市販のマルトデキストリンとしては、Glucidex 19、Glucidex 12、Glucidex 6(Roquette Freres製)、Star Dri 18、Star−Dri 10、Star−Dri 5(Tate and Lyle製)、Maltrin M180、Maltrin M150、Maltrin M100、Maltrin M040(Grain Processing Corporation製)、Morrex 1920、Morrex 1910、Globe 1905(Corn Products International)、Maldex G190、Maldex G120(Syral製)、Dry MD01918I、Dry MD01909I(Cargill製)が挙げられる。他の市販のマルトデキストリン様材料は、米、麦、およびタピオカデンプン、ならびにマルトデキストリンの凝集形態、例えば、Glucidex 6IT、8IT、12IT、および19IT(Roquette Freres製)など、から得た。
二者択一的に、または追加的に、下記において説明されるように好適に高いTg値を示すのであれば、炭水化物が、糖、例えば、単糖、二糖、または三糖など、を含むことは好ましくあり得る。
ただし、当然のことながら、上記において言及された実施形態のいずれかにより、キャリアの結晶性成分を形成する材料の定義に包含される材料は、非晶質成分を形成する材料の定義から除外される。
より好ましくは、非結晶性成分は、5〜100の数平均重合度DPnまたは800〜16000Daの数平均分子量Mnを有する、1種以上の水素化されたデンプン加水分解物(本明細書において、「HSH」と呼ぶ)である。
HSHとしては、水素化されたグルコースシロップ、マルチトールシロップ、およびソルビトールシロップが挙げられ、これは、様々な食品において見出される製品群である。HSHは、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、またはジャガイモデンプンの部分的加水分解と、それに続く高圧下における高温での加水分解物の水素化によって製造される。加水分解の条件および加水分解度を変えることにより、結果として得られる生成物中における、様々な単量体性、二量体性、オリゴマー性、およびポリマー性の水素化された糖が相対的に得られる。
水素化された単糖、二糖、オリゴ糖、および多糖は、重合度(DP)または分子量(M)によって特徴付けられる。例えば、水素化された単糖は、1のDPおよび182DaのMを有し、水素化された二糖は、2のDPおよび344DaのMを有する。HSHは、分子量画分の分布を有するので、多くの場合、好適な平均が算出される。好都合な平均化スキームは、数平均である。数平均重合度DPnおよび数平均分子量Mnは、通常のHPLC分析または氷点法(凝固点降下法)(凝固点浸透圧測定法とも呼ばれる)によって特定することができる。
本発明の目的のために、HSHなる用語は、デンプン加水分解による糖生成物の水素化によって生成される任意のポリオールに適用することができる。HSHなる用語は、より一般的には、かなりの量の水素化されたオリゴ糖および多糖を含有するポリオールの広範な群を説明するために使用される。本発明の目的のために、HSHは、5〜100の数平均DPnを有する水素化されたデンプン加水分解物として定義される。より好ましくは、DPnは6〜60である。さらにより好ましくは、DPnは6〜40であり、最も好ましくは6〜20である。HSHは、800〜16000Da、より好ましくは1000〜3500Daの数平均分子量Mnを有し得る。
非結晶性成分は、好ましくは30℃を超える、より好ましくは50℃を超える、さらにより好ましくは100℃を超える、最も好ましくは150℃を超えるTgを有する。そのような非結晶性成分は、通常、少量の水を含有する乾燥粉末として市販されており、したがって、そのような市販製品のTgは、通常、80〜150℃である。そのような高いTgを有する成分は、結晶化の際に結晶性成分の可塑化効果が無くなる場合、非結晶性成分が良好な安定性を有するガラス状マトリックスを形成するので、有利である。上記において言及された高いTg値は、非結晶性成分が、結晶化しなかった結晶形成材料の潜在的残量または他の存在し得る可塑剤、例えば水など、による可塑化効果に適応することができる一方で依然として安定なガラスを形成することもできるので、有利である。
カプセル化キャリアにおいて、結晶性成分を形成する材料の量は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、好ましくは10〜90質量%である。結果、非結晶性成分を形成する材料の量は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、好ましくは10〜90質量%である。これらの領域外では、特定の欠点が生じる。例えば、結晶性成分の濃度が低い場合、結晶化の際のTgの上昇は著しく減じられ、押出をより容易にすることができる粘度低下の恩恵も、当該成分が溶融状態にある場合には、著しく減少する。結晶性成分の濃度が高い場合、カプセル化された材料の周りのガラス状構造の減少または損失が生じるであろう。当該ガラス状構造は、カプセル化された揮発性材料の優れた保持を可能にするので、非常に望ましい。その上、より高い濃度では、結晶化が時期尚早に、すなわち、混合物が所望の形態に成形される前に生じる危険性のために、結晶性成分を形成する材料の融点より高い狭い温度窓内においてしか、押出プロセスを実施することができない。
結晶性成分を形成する材料の量は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、より好ましくは少なくとも30質量%、さらにより好ましくは少なくとも40質量%、最も好ましくは少なくとも50質量%であり、結果、非結晶性成分を形成する材料の量は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、好ましくは70質量%未満、より好ましくは60質量%未満、最も好ましくは50質量%未満である。溶融されたカプセル化材料中でのそのような最小限の量の結晶形成性材料は、結晶化が生じるために必要な時間を短縮する有利な効果を有する。
結晶性成分を形成する材料は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、好ましくは75質量%未満の量において存在し、結果、非結晶性材料の量は、カプセル化材料の総乾燥質量に対して、少なくとも25質量%である。
カプセル化される有効成分は、カプセル化が望まれる単一化合物または組成物、例えば、香味料、香料、医薬品、栄養補助食品、または他の成分など、を示し得る。本発明の別の態様において、カプセル化可能な有効成分は、タンパク質、例えば酵素、である。
好ましくは、当該有効成分は、揮発性または昜動性の、風味付け、賦香、または栄養補助食品の成分もしくは組成物である。
好ましくは、当該有効成分は、疎水性液体であり、有機溶媒には可溶であるが水には極僅かにしか溶解しない。特に好ましくは、本発明によりカプセル化された、風味付け、賦香、または栄養補助食品の成分もしくは組成物は、好ましくは、30[MPa]1/2より小さいHildebrand溶解度パラメータによって特徴付けられる。実際に、大部分の油状液体の水不相溶性は、一般的に25[MPa]1/2未満であるHildebrand溶解度パラメータδによって示すことができ、一方、水の場合は48[MPa]1/2であり、アルカンの場合は15〜16[MPa]1/2である。このパラメータは、分子の凝集エネルギー密度に関連する有用な極性の尺度を提供する。自然発生的な混合が生じるには、混合される分子のδの差が、最小に維持されなければならない。Handbook of Solubility Parameters(ed.A.F.M.Barton,CRC Press,Bocca Raton,1991)には、多くの化学物質のδ値の一覧と、複雑な化学構造のδ値の計算を可能にする推奨される基寄与法が提供されている。
したがって、「香味料または香料化合物もしくは組成物」なる句は、本明細書において使用される場合、天然および合成由来の両方の様々な香味料および香料材料を定義する。単一の化合物および混合物が含まれる。天然抽出物も、押出物中にカプセル化することができ、中でも特に、例えば、柑橘類抽出物、例えば、レモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、またはマンダリンの油など、あるいは香辛料の精油が挙げられる。カプセル化のためのこのクラスにおける特に好ましい活物質は、昜動性で反応性の成分、例えば、ベリーおよび乳製品の香味料など、を含有する香味料組成物である。
そのような香味料および香料成分のさらなる具体例は、最新文献、例えば、Perfume and Flavour Chemicals,1969,by S.Arctander, Montclair N.J.(USA);Fenaroli′s Handbook of Flavour Ingredients,CRC Press or Synthetic Food Adjuncts by M.B.Jacobs,van Nostrand Co.,Inc.など、において見出すことができる。賦香、風味付け、および/または芳香化消費者製品の、すなわち、香気または味を消費者製品に付与する分野の当業者に周知である。
本発明のデリバリーシステム中にカプセル化することができる酸素感応性の活物質の重要なクラスは、「多価不飽和脂肪酸の豊富な油」であり、本明細書において「PUFAの豊富な油」とも呼ばれる。これらに限定されるわけではないが、任意の様々な由来源、例えば、魚または藻など、の油が挙げられる。これらの油は、様々な方法、例えば分子蒸留、選択された脂肪酸の濃度を増加させることができる方法など、によって富化することもできる。カプセル化に特に好ましい組成物は、多価不飽和脂肪酸およびそれらのエステルを含有する栄養補助食品組成物である。
本デリバリーシステムでの使用のための、PUFAの豊富な特定の油としては、エイコサペンタン酸(EPA)、ドコサヘキサン酸(DHA)、アラキドン酸(ARA)、およびそれらの少なくとも2つの混合物が挙げられる。
カプセル化された成分は、好ましくは、45℃の温度および1気圧の圧力において液体である。
カプセル化された材料は、好ましくは、デリバリーシステムの総質量に対して、約5質量%〜約40質量%の範囲の量において、デリバリーシステム中に存在する。
任意選択の成分として、当該デリバリーシステム中に粘度調整剤が存在していてもよい。調製された粘度は、押出プロセスを補助するために有用である。当該粘度調整剤は、押出プロセスの前または途中のいつでも、有効成分に加えることができる。好適な粘度調整剤の例としては、エチルセルロース(例えば、Dow Chemicals製のEthocel類)、疎水性シリカ、シリコーン油、高粘度トリグリセリド、有機親和性粘土、油溶性ポリマー、高粘度鉱油(パラフィン系およびナフテン系液体炭化水素)、発煙硫酸処理された鉱油および水素化された鉱油、ワセリン、微結晶質ワックス、ならびにパラフィンワックスが挙げられる。好ましくは、エチルセルロース(例えば、Dow Chemicals製のEthocel類)、疎水性シリカ、および有機親和性粘土から選択される。
最も好ましい粘度改質剤は、エチルセルロースであり、というのも、エチルセルロースは、封入される材料とカプセル化キャリアとの間の界面張力を下げて押出プロセスの際に必要なエネルギーを低くする表面活性特性を有するという追加の利点を提供することがわかっているからである。
好ましくは、当該エチルセルロースの分子量は、好ましくは50,000〜2,000,000、より好ましくは75,000〜1,500,000、最も好ましくは100,000〜1,250,000の範囲内である。
好ましくは、改質されたセルロースエーテルの粘度は、Ubbelohde粘度計により、25℃において、80%トルエンおよび20%のエタノールをベースとする5%溶液において測定した場合、50mPa・s〜1,000mPa・s、より好ましくは75mPa・s〜750mPa・s、最も好ましくは100mPa・s〜500mPa・sである。
必要とされる粘度調整剤の量は、粘度調整剤およびカプセル化される材料の性質に依存し、したがって、当業者は、適正な粘度が達成されるように調節することができる。
粘度調整剤の溶解性または分散性を高めるために、1種以上の追加の成分を含ませることは、望ましくあり得る。
任意選択により、ならびに有利には、当該混合物に乳化剤を加えてもよい。これは、油相と溶融物相との間の界面張力を減少させ、結果、液滴形成のためのエネルギーを低下させることがわかっている。さらに、一度形成された液滴を安定化させ得る。当業者に既知の任意の乳化剤を使用することができる。好適な乳化剤の例としては、レシチン、改質レシチン、例えばリゾリン脂質など、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル(CITREM)、モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEM)、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸のスクロースエステル、脂肪酸のクエン酸エステル、OSAデンプン、オクテニルコハク酸加工デンプンナトリウム、アラビアゴム、ならびに、参考文献、例えば、Food Emulsifiers And Their Applications,1997,edited byG.L.Hasenhuettl and R.W.Haitelなど、に列記されているような他の好適な乳化剤が挙げられる。最も好ましい乳化剤は、レシチン、モノグリセリドおよびジグリセリド、CITREM、ならびにDATEMである。
レシチンおよび改質レシチンは、本発明での使用にとって、特に好ましい乳化剤である。好適な例としては、これらに限定されるわけではないが、ダイズレシチン(例えば、Yelkin SS、Archer Daniel Midlands製)およびリゾリン酸(例えば、Verolec HE60、Lasenor製)が挙げられる。
他の任意選択の成分が、カプセル化キャリア中に存在していてもよい。例えば、キャリアの非結晶性成分の特性を変えるために、さらなる可塑剤、例えば水など、が存在していてもよい。当該可塑剤は、好ましくは10%未満、より好ましくは9.5%未満の量において使用される。
同様に、着色されたデリバリーシステムを提供するために、食品グレードの着色剤などの補助剤を、一般的に知られる方法において、本発明の押出可能な混合物に添加することもできる。
所望であれば、特に結晶化フェーズの間に、結晶化が完了するまで造粒物が互いに粘着する危険性を減じるために、押出製造物に固化防止剤を添加してもよい。
押出されたデリバリーシステムは、押出プロセスを使用して得られる任意の形状において提供することができる。そのようなプロセスは、当業者に公知である。例えば、粒子、液滴、繊維、ロッド、またはシートとして、提供することができ、好ましくは、ロッドまたは液滴の形態において提供される。
本発明の別の態様は、本発明によるデリバリーシステムの風味付け成分としての使用に関する。換言すれば、本発明は、風味付け組成物もしくは風味付けされた物品の味覚特性を付加、強化、向上、または変更する方法であって、本発明による少なくともデリバリーシステムの有効量を当該組成物もしくは物品に添加する工程を含む方法に関する。本発明との関連において、「本発明によるデリバリーシステムの使用」は、当該デリバリーシステムを含有する任意の組成物であって、有効成分として香味料産業において有利に用いることができる組成物の使用を包含する。
したがって、別の態様において、本発明は、
i)風味付け成分として、少なくとも1種の本発明によるデリバリーシステム;
ii)香味料キャリアおよび香味料ベースからなる群より選択される少なくとも1種の成分;および
iii)任意選択により少なくとも1種の香味補助剤
を含む風味付け組成物を提供する。
ここで、「香味料キャリア」とは、風味付け成分の官能特性を著しく変更しない範囲において、風味の観点から実質的に中性である材料を意味する。当該キャリアは、液体または固体であり得る。
好適な液体キャリアとしては、例えば、乳化系、すなわち、溶媒および界面活性剤系、または香味料において一般的に使用される溶媒が挙げられる。香味料において一般に使用される溶媒の性質および種類の詳細な説明は、網羅できない。好適な溶媒としては、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ベンジル型アルコール、エタノール、植物油、またはテルペンが挙げられる。
好適な固体キャリアとしては、例えば、吸収性のガムまたはポリマー、あるいはカプセル化材料が挙げられる。そのような材料の例は、壁形成材料および可塑化材料、例えば、単糖、二糖、または三糖など、天然デンプンまたは改質デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、あるいは、さらに参考文献、例えば、H.Scherz,Hydrokolloids:Stabilisatoren,Dickungs− und Geliermittel in Lebensmittel,Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitat,Behr′s Verlag GmbH&Co.,Hamburg,1996に引用されている材料を含み得る。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、例えば、噴霧乾燥、凝集化、押出、コアセルベーションなどの技術を用いて実施され得る。
ここで、「香味料ベース」とは、少なくとも1種の風味付け成分を含む組成物を意味する。
上記風味付け成分は、快楽作用を付与するために、風味付け調製物もしくは組成物において使用される化合物である。換言すれば、風味付け成分と見なされるそのような成分は、単に味を有するだけではなく、好ましい方法または心地よい方法において、組成物の味を付与または変更可能にすることは、当業者によって認識されなければならない。
当該ベース中に存在する風味付け成分の性質およびタイプについてのより詳細な説明は、ここでは記さないが、当業者は、その一般的な知識に基づいて、ならびに意図される使用または用途および所望の官能効果に従って、選択することができる。一般的な用語において、これらの風味付け補助成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素含有もしくは硫黄含有複素環式化合物、および精油といった多岐にわたる化学物質のクラスに属し、ならびに、当該賦香補助成分は、天然または合成由来であってもよい。いずれにしても、これらの補助成分の多くは、参考文献、例えば、S.Arctander,Perfume and Flavor Chemicals,1969,Montclair,New Jersey,USAまたはその新版、あるいは同様の性質の他の文献、ならびに香味料の分野における豊富な特許文献に列記されている。なお、当該補助成分は、様々なタイプの風味付け化合物を、制御放出することが知られている化合物でもあり得る。
「香味料補助剤」とは、ここでは、追加的な有益性、例えば、色、特定の耐光性、化学的安定性など、を付与することができる成分を意味する。風味付けベースにおいて一般に使用される補助剤の性質およびタイプについての詳細な説明は網羅できない。それにもかかわらず、そのような補助剤は、当業者に周知であり、なお、当該成分が当業者に周知である。
本発明による少なくとも1種のデリバリーシステムと少なくとも1種の香味料キャリアとからなる組成物は、本発明による少なくとも1種のデリバリーシステム、少なくとも1種の香味料キャリア、少なくとも1種の香味料ベース、および任意選択による少なくとも1種の香味料補助剤を含む風味付け組成物と同様に、本発明の特定の実施形態を表す。
さらに、本発明によるデリバリーシステムは、有利には、風味付けされた物品の味を積極的に付与するまたは変更するために、当該物品に導入することができる。したがって、さらに別の態様において、本発明は、
i)味付与成分もしくは味変更成分として、上記において定義されたような、本発明による少なくとも1種のデリバリーシステム;および
ii)食用組成物
を含む、風味付けされた物品を提供する。
好適な食用組成物は、例えば、薬学的組成物、栄養補助食品組成物、食材ベース、チューイングガム、またはオーラルケア組成物、例えば、口内洗浄液または歯磨き粉など、であり得る。好ましくは、水を含有するまたは水の存在下において使用される製品を強化するために使用される。実際に、本発明のデリバリーシステムは、好ましくは水溶性である。
有効成分が香味油の場合、有利には、様々な食用組成物、すなわち、食材ベース、飲料、医薬品など、の官能特性を付与または変更するために使用することができる。一般的な方式において、対応する非押出香味料材料の典型的な官能効果を強める。
活物質が、多価不飽和脂肪酸の豊富な油である、またはそのような油を含む栄養補助食品組成物である場合、健康効果が所望される任意の食材ベース中において提供することができる。そのような製品において、本発明のデリバリーシステムのさらなる利点は、多価不飽和脂肪酸の豊富な油の風味を隠すことができる点にあり、導入される食材ベースの風味に対して適合性を有していなくてもよい。
本発明の特定の実施形態により、当該食材ベースは、有利には、飲料、特にインスタントもしくは粉末状飲料(最新のデリバリーシステムを使用して、高揮発性の化合物、例えばアセトアルデヒドなど、を、先行技術の方法よりも高濃度で捕捉することができる)、またはセイボリー食品(最新のデリバリーシステムを使用して、高揮発性化合物、例えば硫化ジメチルなど、を、先行技術の方法よりも高濃度で捕捉することができる)であり得る。
当該食材ベースの典型的な例としては、
・ インスタントもしくは粉末状の紅茶、コーヒー、およびフルーツジュース;
・ 糖菓、乾燥シリアル;
・ 乾燥生地、例えば、ケーキまたはパン用ミックスなど;
・ シーズニングまたは香辛料、例えば、ストック、セイボリーキューブ、ミックス粉など;
・ インスタントもしくは粉末状のスープ、例えば、コンソメスープ、クリームスープ、チキンもしくはビーフスープ、またはトマトもしくはアスパラガススープなど;
・ 炭水化物ベースの製品、例えば、インスタントヌードル、ライス、パスタ、ポテトフレークもしくはポテトフライ、ヌードル、ピザ、トルティーヤ、ラップなど;
・ セイボリー製品、例えば、スナック、ビスケット(例えば、チップスまたはクリスプ)など、または卵製品、ジャガイモ/トルティーヤチップ、電子レンジポップコーン、ナッツ、プレッツェル、餅、煎餅など;
・ ペットまたは動物用食品
が挙げられる。
明瞭化のため、「食材」は、ここでは、食用製品、例えば、食物または飲料、を意味すると言及しておく。したがって、本発明による風味付けされた物品は、所望の食用製品の味および風味プロファイルに対応して、本発明による1種以上のデリバリーシステム、ならびに任意の有益剤を含む。
食材または飲料の成分の性質およびタイプについて、ここでは、より詳細な説明は記さない。当業者は、その一般的な知識に基づいて、ならびに当該製品の性質に従って、それらを選択することができる。
様々な前述の物品または組成物中に組み込むことができる本発明によるデリバリーシステムの割合は、広範な値に及ぶ。これらの値は、風味付けされる物品の性質および所望の官能効果、ならびに、本発明のデリバリーシステムが風味付け補助成分と混合されている場合には所定のベース中の補助成分の性質、当該技術分野において一般的に使用される溶媒または添加剤の性質に依存する。
風味付け組成物の場合、本発明の化合物の典型的な濃度は、導入される風味付け組成物の質量に対して、0.05質量%〜30質量%、より好ましくは0.1質量%〜20質量%、最も好ましくは0.1質量%〜10質量%である。これらの化合物が風味付けされた物品に導入される場合、前述より低い濃度、例えば、0.5ppm〜300質量ppm、より好ましくは5ppm〜75ppm、最も好ましくは8〜50ppmでよく、この場合、パーセンテージは、物品の質量に対するものである。
本発明のデリバリーシステムは、押出によって製造される。当該デリバリーシステムは、以前から知られる「湿式押出」または「乾式混合」(「フラッシュフロー」とも呼ばれる)技術により典型的に使用される任意の最新の押出機を使用して形成することができ、後者は、元来、主に固体塊の溶融物を押出機へ給送する必要があり、前者は、好適な溶媒中におけるカプセル化材料の前溶液から結果として得られる主に液体溶融物を押出す必要がある。
押出法とは、ここでは、典型的には、カプセル化成分を形成する成分、カプセル化される材料、上記において言及したような任意のさらなる任意選択の成分を、溶融物エマルションの形態において、強制的にダイ、ニードル、またはスプレーノズルを通過させ、次いで固化させることにより、カプセル化材料が分散されている固体生成物を形成する方法を意味する。「溶融物エマルション」なる用語は、分散相として粒子、好ましくは疎水性粒子、が分散されている連続相としての液体マトリックスを指す。
結晶性および非結晶性成分は、任意の好適な方法により混合することができる。例えば、特別な設備を用いないで、ホッパーにおいて溶融物として単に予備混合してもよい。あるいは、典型的な押出機において直接溶融させることもできる。
当該溶融物は、当該技術分野において公知の任意の方法において形成することができる。これは、カプセル化成分を、例えば一軸または二軸押出機において、均一な溶融物の形成を可能にする温度に加熱する工程を含む。代替例は、カプセル化成分を溶媒、好ましくは水に溶解させ、続いて蒸発によりこの溶媒の一部または全てを除去する方法である。
当該方法の第二工程において、有効成分が当該溶融物に導入される。そのような導入は、当該技術分野において公知の任意の方法を用いて行うことができる。典型的には、当該有効成分は、溶融状態の溶融物と混合することができる。あるいは、最初に、溶融物をカプセル化材料成分により製造し、固化させ、次いで、例えば当該固化された溶融物にメッキまたは噴霧することによって、当該固化された溶融物に有効成分を加えることができる。有効成分が、固化された溶融物に加えられる場合、当該固化された溶融物は、有効成分の添加の後、当該方法の第三工程において溶融物エマルションを形成するために、再び溶融されなければならない。
溶融物エマルションを形成する工程も、当該技術分野において公知の任意の方法を用いて実施することができる。当該溶融物エマルションは、有効成分(封入された分散相)の液滴が、溶融状態のカプセル化キャリア(カプセル化連続相)内に分散されているという事実によって特徴付けられる。
本明細書において使用される場合、「粒子」なる用語は、固体粒子および液滴の両方を意味する。
工程d)において、押出された製造物は、押出プロセスを使用して得られる任意の形状、特に顆粒、粉末、およびシート、に成形することができる。典型的には、顆粒なる用語は、粒子、液滴、繊維、およびロッドを包含し、好ましくは、ロッドまたは液滴の形態において提供される。押出は、当業者に公知の任意の好適な手段によって実施することができる。例えば、押出製造物は、塑性状態のまま細断してもよく(溶融造粒又は湿式造粒技術)、または押出固体を形成するために液体溶媒中において冷却してもよく、形状およびサイズは、磨砕または微粉砕などの前の押出パラメータの関数として調節することができる。
所望であれば、ダイオリフィス自体に、カッターナイフまたは任意の他の切断装置を備えることもできる。あるいは、当該切断装置を、ダイオリフィスの下流に別個に提供することもできる。
当該方法の次の工程は、結晶形成成分を結晶化させるために、当該押出生成物を熱処理する工程である。そのような結晶化を生じる条件は、好ましくは、結晶化のための熱力学的駆動力を提供するために、当該結晶形成材料の融点より十分に低く、ならびに結晶化を可能にするのに十分な分子移動度を付与するために、残りの非晶質部分のガラス転移温度より十分に高い範囲における熱処理である。
そのような熱処理は、顆粒を懸濁させるために、例えばスチールベルトまたは流動床を使用して行うことができる。任意選択により、熱処理の一部を、溶融物エマルションがまだ押出機中に存在する間に行うこともできる。この方法では、結晶化は、押出機中において開始され得るが、押出を妨げる程は生じない。
任意選択により、最初に、結晶核を形成するために、低温(溶融混合物のガラス転移温度以下)で当該顆粒を熱処理し、次に、結晶の成長を促進するために高温で熱処理することもできる。
任意選択により、当該顆粒を、剪断、超音波処理、または圧力変調に曝露する、核形成剤と混合する、または結晶化を促進することが知られている任意の他の方法によって処理することができる。
当該方法の熱処理工程は、十分に高いTgが得られ粘度が増加するように、溶融物の成分(i)のかなりの部分が結晶化されるまで継続される。結晶化に必要なレベルは、デリバリーシステムの所望の安定性に応じて、簡単な実験に基づいて決定される。
本発明の方法の特定の一態様は、固体デリバリーシステムを形成するために、
(a)(i)30℃未満のTgを有する結晶形成成分および(ii)ガラス形成性成分を含む溶融物を形成する工程;
(b)当該溶融物を急冷して、ガラス質の低温固体を形成する工程;
(c)当該固体塊を粉砕して微粉末を形成する工程;
(d)当該粉末上に有効成分をメッキする工程;
(e)加熱して、当該溶融物中における有効成分のエマルション、分散液、溶液、または懸濁液を含む溶融混合物を形成する工程;
(f)当該溶融物を押出する工程;および
(g)当該押出製造物を、当該溶融物の結晶形成成分(成分(i))の少なくとも一部の結晶化を可能にする条件下において熱処理する工程;
を含む、押出デリバリーシステムを製造する方法である。
より詳細には、有効成分がタンパク質、例えば酵素、の場合、好ましくは、後者の特定の方法が使用される。
実施例
ここで、以下の実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。
実施例1
押出デリバリーシステムの調製
本発明による押出デリバリーシステムを、第1表に一覧される成分を有するように調製した。
第1表
Figure 2014525734
(1)Cargili Inc.
(2)Lab9101、供給元:Roquette−Freres(フランス)
(3)Yelkin(登録商標) SS、供給元:Archer Daniels Midland Company
エリトリトールおよび水素化デンプン加水分解物粉末をスチールパンにおいて混合した。当該混合物をストーブ上に置いて、溶融するまで撹拌しながら加熱した。閉じ込められた気泡を除去するために真空を適用した。十分な加熱、混合、および真空処理の後、当該混合物は、透明な単一相の液体状態となった。リモネンおよびレシチンの溶液を、130℃において当該溶融物に加え、ハンドミキサー(Ika Werks Inc.、T25 Ultra Turrax)により、およそ30分間混合し分散させた。次いで、結果として得られる溶融物エマルションを、キャピラリーレオメーター(Malvern Instruments Ltd.、RH2000)の円筒に移した。当該溶融物エマルションを、130℃において、50mm/分のピストン速度で、500μmのダイを通して押出した。押出物を、およそ10cm下の室温(25℃)の金属シート上に受け取った。この段階では、当該押出物は、まだ可塑化されている比較的低粘度の半透明溶融物エマルションの液滴の形態であった。次いで、金属シートを60℃のオーブンに5分間入れた。取り出すと、当該押出物は、顕著により白く、より不透明であった。さらに、当該押出物をヘラで金属シートから取り外すと、当該押出物は、粒子が互いに粘着したり融合したりすることなくバイアル瓶に収集することができるほど十分に固体化していた。
実施例2
実施例1で調製した押出デリバリーシステムの分析
粘度
エリトリトール/HSH共溶融物の二次試料(押出前)を、回転式レオメーター(TA Instruments、AR2000)を使用して特徴付けした。130℃における粘度は129mPa・sであり、これは、押出プロセスにおいて使用される従来の溶融物と比べて低い。粘度は、押出製造物を冷却する間も測定し、68℃で4.8×103mPa・sに到達するまで、滑らかにそして連続的な傾斜で増加することを見出した。この増加が、結晶化が生じることを示しているわけではないことに当業者は同意するであろう。代わりに、当該増加は、あらゆる液体の冷却の際の自由体積の減少によって典型的に予想されるものであり、例えば、VFTまたはWLF方程式を使用して、モデル化することができる。68℃未満において、当該溶融物は、部分的に結晶化した。これは、当該材料が、急速に、白色不透明の外観を呈し、レオメーターの限界を超えたWLF挙動から逸脱する粘度を有することから明かであった。
熱量測定
実施例1において製造したカプセル化物も、熱量計(TA Instruments、Q200)を使用して調べた。最初の加熱スキャンは、44.95℃の中点および0.11J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。したがって、当該カプセル化物は、驚くべきことに、そのような低い溶融粘度を有するカプセル化キャリアにしては高いTgを有している。さらに、ΔCp値は低く、これは、当該材料の一部のみがガラス状態にあり、他の部分は結晶状態であることを示している。
別の実験において、エリトリトールを完全に再溶融させるために当該カプセル化物を140℃に加熱し、熱量計の最大冷却速度において−70℃まで急冷した。そのような高速の冷却では、エリトリトールは結晶化する時間が無く、したがって、溶融物をまだ存分に可塑化していた。第二の加熱スキャンは、−37.25℃において0.76J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。したがって、エリトリトールがカプセル化物を存分に可塑化している場合、Tgははるかに低かった。第一および第二熱量測定実験を比較することにより、熱処理工程または結晶化工程が、押出物のTgを82℃上昇させていることが明かである。
リモネンの濃度
実施例1のカプセル化物粒子内のリモネンの濃度を、TD−LF−NMRにより測定したところ、8.95%であった。したがって、カプセル化効率は89.5%であった。
実施例3
押出デリバリーシステムの調製
120gのエリトリトール(Origin Cargill Inc.)および80gの水素化デンプン加水分解物(Lab9101、Roquette−Freres製(フランス))粉末を、スチールパンにおいて混合した。当該混合物を160℃のオーブンに入れ、溶融物を得た。十分に加熱および混合した後、当該混合物は、透明な単一相液体の形態となった。当該溶融物を加圧可能な容器に移し、30psiの窒素によるヘッド圧下において22ゲージ針を通して顆粒化した。溶融物を、液体窒素で満たした500mLのメスシリンダーに滴下してガラス化した。液体窒素をデカントした後、得られたガラス状ビーズを、冷却しながら、IKA Werks A11ミルで粉砕して、微粉末を製造した。当該粉末を、容器に収集し、−80℃の冷蔵庫に入れて、残存する液体窒素すべてを蒸発させた。
一度乾燥させ、ヘラで混合し、3.9gの冷リモネンを71.2gのガラス状エリトリトール/HSH粉末上にメッキした。この混合物を、5℃に調節したキャピラリーレオメーター(Malvern Instruments Ltd.、RH2000)の円筒中に分配した。機器が1kNの垂直力を示すまでピストンを押し込んだ。この工程の目標は、当該粉末を脱気し圧縮することであり、当該粉末は、依然としてガラス状態のままであった。この段階では、ダイ付近の圧力変換器は0MPaを示し、おそらくこれは、粒子摩擦が、垂直力から圧力への変換を無効にしているためであろう。次いで、当該ピストンを止めて、当該粉末混合物が5℃まで温まる時間(およそ5分)を取った。この温度は、ガラス転移温度より高く、したがって、ガラス状粉末は、過飽和状態の粘性液体へと変わった。当該ピストンを10mm/分で押し込み、圧力ゲージの増加を読み取った。垂直力が効率的に圧力増加へと変換されるのが観察され、これは、当該混合物がこの段階で液体状態であることを示していた。当該溶融物を、直径1mmのゼロ長ダイを通して押出して、柔軟なストランドを形成させた。室温(25℃)の金属シート上に受け取ったおよそ3分後、当該ストランドは硬かった。当該材料を金属シートから取り外すと、脆性破壊によって崩壊した。当該カプセル化物は、十分に固体化しており、そのため、粒子が粘着または融合することなく、ガラス製のバイアル瓶中に保存することができた。
実施例4
実施例3で調製した押出デリバリーシステムの分析
熱量測定
実施例3において製造したカプセル化物を、熱量計(TA Instruments、Q200)を使用して調べた。最初の加熱スキャンは、25.4℃の開始、35.4℃の中点、および0.11J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。結果、当該カプセル化物は、驚くべきことに、5℃で押出されたカプセル化キャリアのわりには高いTgを有していた。さらに、ΔCp値は低く、これは、当該材料の一部のみがガラス状態にあり、他の部分は結晶状態であったことを示している。
エリトリトールを完全に再溶融するためにカプセル化物を140℃に加熱し、熱量計の最大冷却速度において−70℃まで急冷した。そのような高速の冷却では、エリトリトールは結晶化する時間が無く、したがって、溶融物をまだ存分に可塑化していた。第二の加熱スキャンは、−33.9℃において0.73J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。したがって、エリトリトールがカプセル化物を存分に可塑化している場合、Tgははるかに低かった。結晶化工程は、押出物のTgを、完全に溶融している混合物と比較して、69℃上昇させた。
リモネンの濃度
実施例3のカプセル化物粒子内のリモネンの濃度を、TD−LF−NMRにより測定したところ、4.58%であった。したがって、カプセル化効率は88.9%であった。
実施例5
押出デリバリーシステムの調製
100gのエリトリトール(Origin Cargill Inc.)および100gの水素化デンプン加水分解物(Lab9101、Roquette−Freres製(フランス))粉末を、スチールパンにおいて混合した。当該混合物を、160℃のオーブンに入れ、溶融させた。十分な加熱および混合の後、当該混合物は、透明な単一相液体の状態となった。当該溶融物を加圧可能な容器に移し、30psiの窒素によるヘッド圧下において22ゲージ針を通して顆粒化した。溶融物を、液体窒素で満たした500mLのメスシリンダーに滴下してガラス化した。液体窒素をデカントした後、得られたガラス状ビーズを、冷却しながら、IKA Werks A11ミルで粉砕して、微粉末を製造した。当該粉末を、容器に収集し、−80℃の冷蔵庫に入れて、残存する液体窒素すべてを蒸発させた。
一度乾燥させ、ヘラで混合し、5gの冷アセトアルデヒド(−80℃)を95.0gのガラス状エリトリトール/HSH粉末上にメッキした。この混合物を、15℃に調節したキャピラリーレオメーター(Malvern Instruments Ltd.、RH2000)の円筒中に分配した。機器が1kNの垂直力を示すまでピストンを押し込んだ。この工程の目標は、当該粉末を脱気し圧縮することであり、当該粉末は、依然としてガラス状態のままであった。この段階では、ダイ付近の圧力変換器は0MPaを示し、おそらくこれは、粒子摩擦が、垂直力から圧力への変換を無効にしているためであろう。次いで、当該ピストンを止めて、当該粉末混合物が15℃まで温まる時間(およそ5分)を取った。この温度は、ガラス転移温度より高いおよそ45℃であり、したがって、ガラス状粉末は、過飽和状態の粘性液体へと変わった。微細なアセトアルデヒド/粉末の分散液を温める目的は、個々のカプセル化キャリア粒子に移動性を与えることであり、それにより、融合し、結果、液滴の形態においてアセトアルデヒドを捕捉する。当該ピストンを2mm/分で押し込み、圧力ゲージの増加を読み取った。垂直力が効率的に圧力増加へと変換されるのが観察され、これは、当該混合物がこの段階で液体状態であることを示していた。当該溶融物を、直径1mmのゼロ長ダイを通して押出し、柔軟なストランドを形成した。室温(25℃)の金属シート上に受け取ったおよそ3分後、当該ストランドは硬かった。当該材料を金属シートから取り外すと、脆性破壊によって崩壊した。当該カプセル化物は、十分に固体化しており、そのため、粒子が粘着または融合することなく、ガラス製のバイアル瓶中に保存することができた。
実施例6
実施例5で調製した押出デリバリーシステムの分析
熱量測定
実施例5において製造したカプセル化物を、熱量計(TA Instruments、Q200)を使用して調べた。最初の加熱スキャンは、28.8℃の開始、45.1℃の中点、および0.31J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。結果、当該カプセル化物は、驚くべきことに、15℃で押出されたカプセル化キャリアのわりには高いTgを有していた。さらに、ΔCp値は低く、これは、当該材料の一部のみがガラス状態にあり、他の部分は結晶状態であったことを示している。
エリトリトールを完全に再溶融するためにカプセル化物を140℃に加熱し、熱量計の最大冷却速度において−70℃まで急冷した。そのような高速の冷却では、エリトリトールは結晶化する時間が無く、したがって、溶融物をまだ存分に可塑化していた。第二の加熱スキャンは、−38.4℃において0.64J/(g℃)のΔCpによる、熱流における屈曲(すなわち、ガラス転移)を示した。したがって、エリトリトールがカプセル化物を存分に可塑化している場合、Tgははるかに低かった。結晶化工程は、押出物のTgを、完全に溶融している混合物と比較して、67℃上昇させた。
アセトアルデヒドの濃度
実施例5のカプセル化物粒子内でのアセトアルデヒドの濃度は、当該カプセル化物を水に溶解させて2,4−ジニトロフェニルヒドラジンで誘導化した後に、逆相HPLCを使用して測定した。濃度は3.4%であった。したがって、カプセル化効率は68%であった。
当該カプセル化物の密封度は、TGAによって評価した。揮発物の十分な濃度が、アセトアルデヒドの沸点を十分に上回る30℃で維持された。ガラス転移域(30〜50℃)内において消失が生じ、エリトリトール結晶の溶融を伴いTgを超えて続いた。
実施例7
飲料の調製
第2表に従って飲料を調製した。
第2表
Figure 2014525734
(1)Firmenich製(スイス ジュネーブ)(レファレンス 596407 MEII)
(2)実施例5において調製した
飲料は、18人の訓練を受けていない官能試験員によって評価した。試料は、目隠しして、バランスのとれた順で提示した。官能試験員には、どの飲料がより新鮮または瑞々しい味を感じさせたかを選択してもらった。18人すべての官能試験員が、試料1を選択した。

Claims (15)

  1. (a)以下のi)およびii)を含むカプセル化キャリアと、
    i)非晶質状態の場合に30℃未満のTgを有する材料からなる結晶性成分、および
    ii)ガラス状態の非晶質成分;
    (b)カプセル化された液体有効成分と、
    を含む、押出デリバリーシステム。
  2. 前記結晶性成分が、エリトリトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、またはそれらの混合物である、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  3. 前記結晶性成分がエリトリトールである、請求項2に記載のデリバリーシステム。
  4. 前記有効成分が、45℃の温度および1気圧の圧力において液体である、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  5. 前記非結晶性成分が30℃を超えるTgを有する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  6. 前記非結晶性成分が、多糖、タンパク質、および30℃を超えるTgを有する二糖から選択される、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  7. 前記非結晶性成分が、5〜100の数平均重合度(DPn)または800〜16000Daの数平均分子量(Mn)を有する、1種以上の水素化されたデンプン加水分解物である、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  8. 前記結晶性成分(成分(i))が、成分(i)および(ii)の総乾燥質量に対して10〜90質量%の量において存在する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  9. 前記結晶性成分(成分(i))が、成分(i)および(ii)の総乾燥質量に対して少なくとも30質量%の量において存在する、請求項8に記載のデリバリーシステム。
  10. さらに乳化剤を含む、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  11. 前記乳化剤が、レシチン、変性レシチン、脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリド、脂肪酸のスクロースエステル、脂肪酸のクエン酸エステル、オクテニルコハク酸無水物(OSA)デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、アラビアゴム、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル(CITREM)、およびモノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル(DATEM)である、請求項9に記載のデリバリーシステム。
  12. 前記カプセル化相が、押出デリバリーシステムの総質量に対して5〜40質量%に相当する、請求項1に記載のデリバリーシステム。
  13. 固体デリバリーシステムを形成するために、
    (a)(i)30℃未満のTgを有する結晶形成材料および(ii)ガラス形成材料を含む溶融物を形成する工程と、
    (b)該溶融物中に有効成分を導入する工程と、
    (c)該溶融物中に該有効成分のエマルション、分散液、溶液、または懸濁液を含む溶融混合物を形成する工程と、
    (d)該溶融混合物を押出する工程と、
    (e)該押出溶融物を、該溶融物の成分(i)の少なくとも一部の結晶化を可能にする条件下においてテンパリング処理する工程と、
    を含む、押出デリバリーシステムを製造する方法。
  14. i)風味付け成分として、請求項1に記載の少なくとも1種のデリバリーシステムと、
    ii)香味料キャリアおよび香味料ベースからなる群より選択される少なくとも1種の成分と、
    iii)任意選択により少なくとも1種の香味補助剤と、
    を含む風味付け組成物。
  15. i)味付与成分もしくは味変更成分として、上記において定義されたような、本発明による少なくとも1種のデリバリーシステムと、
    ii)食用組成物と、
    を含む、風味付けされた物品。
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