JP2014525377A - エレベーターロープの揺れを求める方法、コンピューターシステム、及びコンピュータープログラム製品 - Google Patents

エレベーターロープの揺れを求める方法、コンピューターシステム、及びコンピュータープログラム製品 Download PDF

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Abstract

方法が、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求める。本方法は、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの動きの少なくとも1つの測定値を取得することと、動きの測定値に基づくエレベーターロープの境界間の補間に基づいて、エレベーターかごとプーリーとを接続するエレベーターロープの揺れを求めることとを含む。

Description

本発明は、包括的には、エレベーターシステムに関し、より詳細には、エレベーターシステムのエレベーターロープの横揺れを測定することに関する。
通常のエレベーターシステムは、かごと、垂直に延びるエレベーターシャフト内のガイドレールに沿って移動するように拘束されるカウンターウェイトとを含む。かご及びカウンターウェイトは巻上ロープによって互いに連結される。巻上ロープは、エレベーターシャフトの上部(又は底部)にある機械室内に位置するシーブに巻き付けられる。従来のエレベーターシステムでは、シーブは電気モーターによって動かされる。他のエレベーターシステムでは、シーブには動力源がなく、駆動手段は、カウンターウェイトに実装されたリニアモーターである。
ロープ揺れとは、エレベーターシャフト内の巻上ロープ及び/又はつり合ロープの振動を指している。その振動は、ロープ式エレベーターシステムにおいて深刻な問題となる可能性がある。その振動は、例えば、風によって誘発される建物のたわみに起因する振動、及び/又はエレベーターシステムの動作中のロープの振動によって引き起こされる可能性がある。振動の周波数がロープの固有調波に近づくか又は入る場合には、振動による変位が滑動量(displacement)よりも大きくなる可能性がある。そのような状況では、ロープはエレベーターシャフト内の他の装置と絡まるか、又は、エレベーターが移動するにつれて、シーブの溝から外れる可能性がある。エレベーターシステムが複数のロープを使用し、それらのロープが互いに位相が一致することなく振動する場合には、ロープ同士が絡まる可能性があり、エレベーターシステムが損傷を受けるおそれがある。
幾つかの従来の解決策は、ロープに接続された機械式装置を用いて、ロープの変位を推定する。例えば、1つの解決策は、エレベーターシステム内のつり合ロープシーブアセンブリに取り付けられた装置を用いて、或る特定の大きさを超えるロープの揺れを検出する。しかしながら、つり合ロープに取り付けられた機械式装置は、設置及び維持するのが困難である。
別の方法は、ロープの揺れの量を推定及び計算するのに、建物の変位及び固有振動数を用いる。この方法は、一般的であり、ロープの揺れの精密な推定を提供しない場合がある。
したがって、ロープの揺れの推定を、リアルタイムでのロープの揺れの推定に適したものに改善することが必要とされている。
本発明の1つの実施形態は、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求める方法を開示する。本方法は、前記エレベーターシステムの前記動作中の前記エレベーターロープの動きの少なくとも1つの測定値を取得することと、前記動きの前記測定値に基づく前記エレベーターロープの境界間の補間に基づいて、エレベーターかごとプーリーとを接続する前記エレベーターロープの前記揺れを求めることとを含む。
本発明の別の実施形態は、エレベーターシステムにおけるエレベーターかごとプーリーとを接続するエレベーターロープの揺れを求めるコンピュータープログラム製品であって、該コンピュータープログラム製品は、プロセッサを変更する、コンピュータープログラム製品を開示する。本コンピュータープログラム製品は、組み込まれたコンピューター使用可能プログラムコードを含むコンピューター可読記憶媒体を備え、前記プロセッサによって実行される前記プログラムコードは、或る位置(ロケーション)における前記エレベーターロープの動きの測定値と、前記エレベーターシステムのモデル及び前記エレベーターロープの境界間の補間からなる群(グループ)から選択された補助情報とに基づいて、前記エレベーターロープの前記揺れを求める。
本発明の更に別の実施形態は、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求めるコンピューターシステムであって、第1の境界位置(第1の境界ロケーション)及び第2の境界位置(第2の境界ロケーション)における前記エレベーターロープの動きの境界測定値を求め、揺れ位置(揺れロケーション)における前記エレベーターロープの前記動きの揺れ測定値を求め、第1の時点において、前記境界測定値及び前記揺れ測定値に基づく補間によって前記エレベーターロープの前記揺れを求め、第2の時点において、前記境界測定値と、前記揺れ測定値と、前記エレベーターシステムのモデルとに基づく近似によって前記エレベーターロープの前記揺れを求める、ように構成されたプロセッサを備える、コンピューターシステムを開示する。
本発明の実施形態が動作する一例のエレベーターシステムの概略図である。 本発明の一実施形態によるエレベーターシステムのモデルの概略図である。 本発明の一実施形態による少なくとも1つの揺れセンサーの位置を求める方法のブロック図である。 本発明の一実施形態による一組の揺れセンサーの数及び位置を求める方法のブロック図である。 エレベーターシャフト内でのセンサーの水平配置の概略図である。 エレベーターシャフト内でのセンサーの水平配置の方法のブロック図である。 ロープの長さの関数としてのエレベーターロープの横振動のグラフである。 ロープの長さの関数としてのエレベーターロープの横振動のグラフである。 本発明の幾つかの実施形態によるエレベーターシステムの動作中におけるエレベーターロープの揺れを求める方法のブロック図である。 本発明の1つの実施形態によるエレベーターロープの実際の揺れを求めるシステム及び方法のブロック図である。 本発明の別の実施形態によるエレベーターロープの実際の揺れを求める方法のブロック図である。 本発明の幾つかの実施形態による図9の近似方法の一実施態様のフローチャートである。 本発明の幾つかの実施形態による図9の近似方法の一実施態様のフローチャートである。 エレベーターロープの異なる点における動きを求めるブロック図である。 本発明の或る実施形態による揺れセンサーの種々の配置のうちの1つの概略図である。 本発明の或る実施形態による揺れセンサーの種々の配置のうちの1つの概略図である。 本発明の或る実施形態による揺れセンサーの種々の配置のうちの1つの概略図である。 本発明の或る実施形態による揺れセンサーの種々の配置のうちの1つの概略図である。
図1は、本発明の1つの実施形態による一例のエレベーターシステム100を示している。このエレベーターシステムは、少なくとも1つのエレベーターロープによってエレベーターシステムの種々の構成要素に接続されたエレベーターかご12を備える。例えば、エレベーターかご及びカウンターウェイト14が、メインロープ16及び17並びにつり合ロープ18によって互いに取り付けられている。エレベーターかご12は、当該技術分野において知られているように、上わく30及び安全機能付き(safety)下わく33を備えることができる。エレベーターシャフト22を通してエレベーターかご12及びカウンターウェイト14を移動させるプーリー20を、エレベーターシャフト22の上部(又は底部)にある機械室(図示せず)に配置することができる。このエレベーターシステムは、つり合プーリー23も備えることができる。エレベーターシャフト22は、前壁29、後壁31、及び一対の側壁32を備える。
エレベーターかご及びカウンターウェイトは、重心を有することができる。この重心は、その点の周りのx方向、y方向、及びz方向におけるモーメントの合計がゼロに等しい点として定義される。換言すれば、かご12又はカウンターウェイト14は、理論的には、重心(x,y,z)の点において支持されてバランスを保たせることができる。なぜならば、この点を取り囲むモーメントの全てが相殺されるからである。メインロープ16及び17は、通常、かごの重心の座標が投影される点において、エレベーターかご12のクロスヘッド30に取り付けられている。メインロープ16及び17は、同様に、カウンターウェイト14の重心の座標が投影される点において、カウンターウェイト14の上部に取り付けられている。
エレベーターシステムの動作中、このシステムの種々の構成要素は、内部及び外部の擾乱、例えば風の力を受けやすく、その結果、構成要素の横の動きが生じる。そのような構成要素の横の動きの結果、測定する必要があるエレベーターロープの揺れが生じる可能性がある。したがって、一組のセンサーが、エレベーターシステム内に配置されて、エレベーターロープの横揺れが求められる。
この一組のセンサーは、境界センサー111及び112、並びに少なくとも1つの揺れセンサー120を含むことができる。例えば、第1の境界センサー111は、エレベーターかごの横の動きの第1の境界位置を測定するように構成され、第2の境界センサー112は、プーリーの横の動きの第2の境界位置を測定するように構成され、揺れセンサー120は、当該揺れセンサーの位置に関連付けられた揺れ位置におけるエレベーターロープの横揺れを感知するように構成されている。
例えば、第1の境界センサーの位置は、第1の境界位置と一致し、第2の境界センサーの位置は、第2の境界位置と一致し、揺れ境界センサーの位置は、揺れ位置と一致する。しかしながら、様々な実施形態では、これらのセンサーは、第1の位置、第2の位置、及び揺れ位置が適切に感知及び/又は測定されるような種々の位置に配置することができる。センサーの実際の位置は、用いられるセンサーのタイプに依存することができる。例えば、境界センサーは、線形位置センサーとすることができ、揺れセンサーは、任意の動きセンサー、例えば、光ビームセンサーとすることができる。
エレベーターシステムの動作中、第1の境界位置、第2の境界位置、及び揺れ位置が求められ、揺れ測定ユニット140に送信される(130)。この揺れ測定ユニットは、例えば、第1の位置、第2の位置、及び揺れ位置を補間することによってエレベーターロープの揺れ150を求める。様々な実施形態は、種々の補間技法、例えば、曲線当てはめ又はBスプライン補間を用いる。
1つの実施形態では、境界センサーが除去され、揺れセンサーのみが用いられて、初期のロープ構成、すなわち、ロープの揺れがないものに対応するロープの中立位置に対するロープの揺れが相対的に求められる。
揺れセンサーの位置の決定
本発明の実施形態は、エレベーターシステムの動作を当該エレベーターシステムのモデルによってシミュレートして、動作によって引き起こされるエレベーターロープの実際の揺れのシミュレーションを求めることができるという認識に基づいている。これらの実施形態は、センサーによって感知されるように構成されたエレベーターシャフト内の点の位置(ロケーション)間の補間を用いてエレベーターロープの推定された揺れを求め、エレベーターロープのこの推定された揺れをエレベーターロープの実際の揺れのシミュレーションと比較することによって、揺れを感知するセンサーの位置を試験することができるという別の認識から得られる。横揺れを有するロープの推定された揺れと実際の揺れとの間の誤差を最適化する点は、エレベーターシステム内にセンサーを位置決めするのに用いることができる。
図2は、エレベーターシステム100のモデル200の一例を示している。このモデル200は、エレベーターシステムのパラメーターに基づいて求められる。当該技術分野において知られている様々なシステムを用いて、エレベーターシステムの動作を当該エレベーターシステムのモデルによってシミュレートし、動作によって引き起こされるエレベーターロープの実際の揺れ230を生成することができる。
エレベーターシステムの動作のシミュレーションは、第1の境界位置211及び第2の境界位置212も生成することができる。なぜならば、エレベーターシステムの構成要素、例えば、エレベーターかご及びプーリーの横の動きは、擾乱の条件に基づいて求めることができるからである。しかしながら、揺れ位置220における動きを感知する揺れセンサーの、最適な配置を求める必要がある。
1つの実施形態は、ニュートンの第2法則に基づいてモデル化を行う。例えば、エレベーターロープは、紐としてモデル化され、エレベーターかご及びカウンターウェイトは、それぞれ剛体230及び250としてモデル化される。このエレベーターシステムのモデルは、以下の式による偏微分方程式(PDE:Partial Differential Equation)によって求められる。
Figure 2014525377
式中、
Figure 2014525377
は、その変数Vに関する関数s(・)の次数iの導関数であり、tは時間であり、yは、例えば慣性系における垂直座標であり、uは、x軸に沿ったロープの横変位であり、ρは、単位長さ当たりのロープの質量であり、Tは、エレベーターロープのタイプ、すなわち、メインロープ、つり合ロープに応じて変化するエレベーターロープの張力であり、cは、単位長さ当たりのエレベーターロープの減衰係数であり、vは、エレベーター/ロープの速度であり、aは、エレベーター/ロープの加速度である。
2つの境界条件
Figure 2014525377
及び
Figure 2014525377
の下で、f(t)は、第1の境界センサー111によって測定された第1の境界位置であり、f(t)は、第2の境界センサー112によって測定された第2の境界位置であり、l(t)は、第1の境界センサーと第2の境界センサーとの間のエレベーターロープ17の長さである。
例えば、エレベーターロープの張力は以下の式に従って求めることができる。
Figure 2014525377
式中、m、mcsはそれぞれエレベーターかご及びプーリー240の質量であり、gは重力加速度、すなわち、g=9.8m/sである。
一実施形態では、偏微分方程式(1)は、以下の式に従って、常微分方程式(ODE:Ordinary Differential Equation)に基づくモデルを得るように離散化される。
Figure 2014525377
式中、q=[q1,...,qN]はラグランジュ座標ベクトルであり、
Figure 2014525377
は時間に関するラグランジュ座標ベクトルの一次導関数及び二次導関数である。Nは振動モードの数である。ラグランジュ変数ベクトルqは以下の式によって横方向変位u(y,t)を定義する。
Figure 2014525377
式中、φ(ξ)は無次元変数ξ=y/lのj次揺れ関数である。
式(2)において、Mは慣性行列であり、(C+G)は遠心行列とコリオリ行列とを組み合わせることによって構成され、(K+H)は剛性行列であり、F(t)は外力のベクトルである。これらの行列及びベクトルの要素は以下の式によって与えられる。
Figure 2014525377
式中、
Figure 2014525377
はその変数に関する関数sの一次導関数であり、表記s(2)(・)はその変数に関する関数sの二次導関数であり、
Figure 2014525377
は区間[v,v]にわたるその変数vに関する関数sの積分である。クロネッカーのデルタは2つの変数からなる関数であり、その関数は、変数が等しい場合には、1であり、そうでない場合には、0である。
式(1)及び式(2)によって与えられるシステムモデルは、システムモデルの2つの例である。異なる理論、例えば、ひも理論の代わりに、はり理論に基づく他のモデルを本発明の実施形態によって使用することができる。
図3は、本発明の一実施形態による、揺れ位置におけるエレベーターロープの横の動きを感知する少なくとも1つの揺れセンサーの位置を求めて、エレベーターロープの横揺れの測定を容易にする方法のブロック図を示している。この方法は、当該技術分野において知られているように、プロセッサ、例えばプロセッサ300を用いて実施される。
エレベーターシステムのモデルによる当該エレベーターシステムの動作のシミュレーション310が、エレベーターシステムの動作中に引き起こされるエレベーターロープの実際の揺れ315を生成する。また、このシミュレーションは、境界位置320、すなわち、第1の境界位置及び第2の境界位置も生成する。揺れ位置330が最初に求められ、推定された揺れ345が、境界位置及び揺れ位置の補間によって求められる。エレベーターロープの実際の揺れ315とエレベーターロープの推定された揺れ345との間の誤差350が最適でない場合(355)、この誤差が最小になる(360)まで、揺れ位置を求めることが繰り返される。1つの実施形態では、誤差は、閾値365未満であるときに最小になる。
誤差を最適化する少なくとも1つの揺れ位置が求められた後、揺れセンサーの位置370は、当該揺れセンサーが揺れ位置においてエレベーターロープの横の動きを感知するように求められる。
1つの実施形態は、エレベーターロープの実際の揺れとエレベーターロープの推定された揺れとの間の誤差が閾値未満となるまで、一組の揺れ位置を反復的に求める。この実施形態は、第1の位置、第2の位置、及び一組の揺れ位置内の位置の補間によってエレベーターロープの推定された揺れを求める。一組の揺れ位置のみを補間することによって相対的なロープの揺れを求めることもできる。
例えば、この実施形態の1つの変形形態は、誤差を最適化する1つの揺れ位置を求める。すなわち、揺れ位置の一組のサイズは1である。最適化の後、誤差が閾値よりも大きい場合、掃引された位置の一組のサイズが、例えば1だけ増加され、誤差は、更新された一組の揺れ位置、例えば、2つの揺れ位置を用いて求められる。この最適化は、一組の揺れ位置が最大数の位置を含むまで、又は誤差が閾値未満になるまで、反復的に繰り返される。
図4Aは、本発明の別の実施形態による、一組の揺れセンサーの数及び位置を求める方法400のブロック図を示している。この方法への入力は、一組の擾乱の条件411、並びに初期数N(0)及び初期の一組の揺れ位置P(0)412である。
例えば、一組の擾乱の条件は、2つの擾乱関数f(t)及びf(t)を含む。揺れセンサーの初期数の一例は1であり、揺れセンサーの初期配置の一例はL/2である。ここで、Lはエレベーターロープ230の長さ235である。
この方法は、時間TにわたってエレベーターシステムのODEモデル420をシミュレートする。このモデルのシミュレーションによって、時間にわたるエレベーターロープの実際の揺れ430のシミュレーション、すなわち、ロープの揺れu(y,t)が生成される。
補間425が、境界センサーsb、sbの測定値413及び揺れセンサーの測定値415を補間して、ロープの揺れの推定された(「^」)揺れ
Figure 2014525377
435を生成する。この補間は、Bスプライン補間とすることができる。境界センサーの測定値413なしで補間を行って、相対的なロープの揺れを推定することもできる。
シミュレートされた実際の揺れu(y,t)及び推定された揺れ
Figure 2014525377
は、以下の式によって定義される誤差コスト関数を評価する(440)のに用いられる。
Figure 2014525377
式中、Tは、シミュレーションの時間期間である。
幾つかの実施形態は、制約条件の下で誤差の非線形最適化に基づいて揺れ位置を求める。例えば、1つの実施形態は、エレベーターロープの実際の揺れに関して初期の一組の揺れ位置を選択し、この初期の一組内の各位置について別々に求められたエレベーターロープの実際の揺れとエレベーターロープの推定された揺れとの間の誤差を、この初期の一組内の各位置について求める。最小誤差に対応する位置が、揺れ位置として選択される。
別の実施形態は、制約条件の下で非線形最適化アルゴリズムを用いて、式(3)によって与えられた推定誤差を最小にする。この実施形態は、シミュレーションの時間と、第1の境界センサーと第2の境界センサーとの間のエレベーターロープの長さと、誤差と、擾乱の条件の関数とのコスト関数450を定式化し、このコスト関数の結果が最小になるような揺れ位置を求める。例えば、コスト関数は、制約条件
Figure 2014525377
の下で、以下の式となる。
Figure 2014525377
式中、Min(v1,...vn)C(v,...,v)は、変数のベクトル(v,...,v)に関するコスト関数Cの最小値を示す。
最適化450によって、最適な誤差E、並びに関連付けられた揺れ位置及び揺れセンサーの配置P460が生成される。誤差Eは、閾値Thsと比較される(480)。誤差が閾値未満である場合、揺れ位置と、これらの揺れ位置に関連付けられた揺れセンサーの配置P460とが選択される(490)。誤差が閾値よりも大きい場合、この方法は、一組の揺れ位置が最大数の位置を含むまで、又は誤差が閾値未満となるまで、1つ又は複数の揺れ位置を一組の揺れ位置に加え(470)、初期位置を再設定して、この方法を反復的に繰り返す。
揺れセンサーの位置の水平成分の決定
幾つかの実施形態では、揺れセンサーは、平面内のロープの動きを感知するように構成されている。したがって、揺れセンサーの位置の1つの座標、例えば垂直座標のみが求められる。この実施形態の1つの変形形態では、ライン内の動きを感知する離散センサーのアレイが、平面内の感知をシミュレートするのに用いられる。しかしながら、幾つかの他の実施形態は、離散センサーの数を制限する。したがって、それらの実施形態では、揺れセンサーの位置の第2の座標、例えば水平座標が求められる。
図4B及び図4Cは、方法400によって求められた垂直座標を有する揺れセンサーの水平座標を求める一実施形態の一例を示している。この実施形態は、揺れセンサーの数を、ロープの少なくとも一部がロープの揺れに起因して危険ゾーン492に入ったときにのみ動きを感知するそれらの離散センサーに制限することができるという認識に基づいている。危険ゾーンの一例は、エレベーターシャフトの壁475に近いゾーンであり、これは、壁までの距離によって規定することができる。
例えば、エレベーターロープの揺れは、システム200のモデルを用いてシミュレートされ(310)、シミュレーション時間中のロープの揺れの振幅493が求められる。振幅493が、ロープが危険ゾーン492に入っていることを示す場合(494)、ラインを感知する離散揺れセンサーの位置は、垂直座標495がこの方法400によって提供されるとともに、水平座標491が垂直座標における揺れ494に対応するように求められる(496)。この実施形態の1つの変形形態では、危険ゾーン492におけるロープの動きの様々な感知497に対応する揺れゾーン498は、方法499を用いて求められ、離散揺れセンサーは、揺れゾーンに一様に配置される。
図5は、ケーブルの長さの関数としての横振動に関するエレベーターロープの揺れのグラフを示している。エレベーターロープの実際の揺れ510が、シミュレーション中に求められる。異なる揺れ位置についての推定された揺れ520及び530が求められる。グラフから見て取ることができるように、実際の揺れと推定された揺れ520との間の誤差は、実際の揺れと推定された揺れ530との間の誤差よりも小さい、すなわち、より最適である。したがって、推定された揺れ520をもたらす揺れ位置は、揺れセンサーの位置を求めるのに用いられる。
したがって、本発明の幾つかの実施形態によって、1つ又は幾つかの揺れセンサーの位置を最適化することが可能になる。また、幾つかの実施形態によって、エレベーターシステムの動作中にエレベーターロープの揺れを求めるのに必要とされる揺れセンサーの数を最小にすることが可能になる。
揺れの推定
揺れセンサーは、システム100等のエレベーターシステムのエレベーターシャフト内に配置されて、揺れ位置におけるエレベーターロープの横揺れを感知する。エレベーターロープの横揺れの感知は、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求めるのに用いられる。1つの実施形態では、揺れセンサーは、上述した本発明の実施形態に従って求められる揺れ位置を感知するように配置される。別の実施形態では、揺れ位置は任意である。付加的又は代替的に、1つの実施形態では、一組の揺れセンサーが、例えば、エレベーターロープの長さに沿って垂直に、又は水平に、例えば、エレベーターシャフトに対して垂直に配置された一組の揺れ位置を感知するように配置される。
図7は、本発明の幾つかの実施形態によるエレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求める方法を示している。エレベーターシステムは、エレベーターシャフト内に配置された少なくとも1つの揺れセンサーと、例えば、プーリー及びエレベーターかごにそれぞれ配置された第1の境界センサー及び第2の境界センサーとを備えることができる。そのようなエレベーターシステムの例は、図1に示されている。
上記2つの境界センサーは、プーリーの横の動きの変位f(t)及びかごの横の動きの変位f(t)をリアルタイムで測定することができる。揺れセンサーは、種々の時点での揺れ位置におけるエレベーターロープの動きを測定することができる。
第2の境界センサーは、オプションであり、代替的な実施形態では除去される。それらの実施形態では、1つの境界センサーのみが、ロープの上部の近く、例えばプーリーに位置決めされ、境界信号f(t)を測定するのに用いられる。他方の境界における変位f(t)は、測定値f(t)から求められる。例えば、変位f(t)は、以下の式に従って求めることができる。
Figure 2014525377
式中、Hは、エレベーターシャフトの高さであり、yは、第2の境界測定値が求められる位置である。位置yは、エレベーターシャフトにおけるエレベーターかごの位置に基づいて求めることができる。
揺れセンサーが、揺れ位置における動きを感知する(710)と、エレベーターロープの揺れ740は、境界センサー750から受信された境界測定値750と、揺れセンサーから受信された揺れ測定値760とに基づく補間720によって求められる。一方、揺れセンサーが横の動きを感知しないとき、エレベーターロープの揺れ740は、境界測定値750と、揺れセンサー760の以前の揺れ測定値とに基づく近似730によって求められる。幾つかの実施形態では、エレベーターロープの揺れを求めることは、エレベーターシステムが動作している間、継続される。
したがって、本発明の幾つかの実施形態によって、揺れセンサーが横の動きを感知しない場合であっても、エレベーターロープの揺れを求めることか可能になる。それゆえに、これらの実施形態によって、エレベーターシステムにおいて用いられる揺れセンサーの数を最小化又は最適化することが可能になる。
図8は、1つの実施形態によるエレベーターロープの実際の揺れを求めるシステム及び方法のブロック図を示している。これらのシステム及び方法は、当該技術分野において知られているように、プロセッサを用いて実施される。この実施形態では、境界センサーは、エレベーターシステムの動作の全ての時点、例えば、第1の時点t810及び第2の時点t+Δt815において、境界位置における横の動きを感知する。しかしながら、揺れセンサーは、第1の時点tにおいて揺れ位置における横の動きを感知するが、第2の時点t+Δtにおいて横の動きを感知しない。
第1の時点tにおいて、揺れロープ845の揺れが、境界センサーの測定値820及び揺れセンサーの測定値825の補間840によって求められる。第2の時点t+Δtにおいて、揺れセンサーの揺れ測定値が近似される(835)。近似835は、時点tにおける揺れセンサーの以前の揺れ測定値825を用いる。様々な実施形態では、近似835は、第1の時点tにおける境界センサーの以前の測定値と、第2の時点t+Δtにおける境界センサーの測定値と、エレベーターシステムのモデル850とのうちの1つ又は組み合わせも用いる。揺れセンサーの揺れ測定値が近似された後、揺れロープの実際の揺れは、上述したように、補間によって求められる。
したがって、本発明の様々な実施形態は、少なくとも1つの位置、例えば、揺れ位置又は境界位置におけるエレベーターロープの動きの測定値と、システムのモデル、境界位置において感知された動き、及び揺れ位置において感知された動きからなる群(グループ)から選択された補助情報とに基づいて、エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求める。
図9に示す別の実施形態では、エレベーターシステムの状態910が、時点t(i)において検討され、揺れセンサーの測定値が受信され(920)、少なくとも1つの揺れセンサーがエレベーターロープの動きを検出した場合(921)、ロープの揺れが、補間に基づいて推定される。補間920は、揺れ位置の感知された動きのみを用いて、動きを感知しなかった揺れセンサーの他方の揺れ位置を近似することができる。例えば、時点t(i)におけるエレベーターロープの揺れは、以下の式に従って求められる。
Figure 2014525377
式中、yは慣性系における垂直座標であり、uは、x軸に沿ったロープの横変位であり、lは、2つの境界位置間のエレベーターロープの長さである。
揺れセンサーのうちのいずれもが、エレベーターロープの動きを検出しない場合(922)、エレベーターロープの揺れは、エレベーターシステム910のモデルに基づいて近似される(930)。揺れセンサーの最新の利用可能な測定値が、モデルによって初期条件として用いられる。同じ動作は、エレベーターシステムの通常の運行中に繰り返される(940)。本発明の様々な実施形態が、エレベーターシステムの種々のモデル及び近似方法を用いる。
図10は、本発明の1つの実施形態による近似方法の一実施態様のフローチャートを示している。2つの時点t(i)及びt(i+1)の間のエレベーターシステムの状態が解析される。ここでは、少なくとも1つの揺れセンサーが動きを検出する。2つの時点t(i)及びt(i+1)の間の全ての時点tについて、揺れセンサーのうちのいずれもが動きを検出しない。1010において、時間間隔[t(i),t(i+1)]の間に、エレベーターシステムの一組のN個の仮定されたモードを有するODEモデルが定式化される。ODEモデルの一例は、式(2)によって与えられる。ステップ1020において、時点t(i)におけるエレベーターロープの動きの最も近時の利用可能な測定値が、エレベーターロープの長さに沿ったN個の異なる点y(j),j=1,...,Nにおける揺れの動きのN個の異なる値を求めるのに用いられる。
1つの実施形態では、これらのN個の点は、例えば、N個の点y(j),j=1,...,Nに対応するN個の揺れ値u(y(j),l(t(i)))1201を用いることによって、エレベーターロープの以前の揺れに基づいて求めることができる。N個の点y(j)は、例えば、図12に示すように、ロープの長さ1202に沿って一様に散在している。別の実施形態では、N個の点y(j),j=1,...,Nは、エレベーターロープの長さに沿ってランダムに選択することができる。
1030において、これらのN個の異なる値は、時点t(i)における境界センサーの測定値とともに、以下の式によって与えられる線形代数系を解くのに用いられる。
Figure 2014525377
式中、全ての変数は、式(2)において定義されている。
線形代数系の解は、時点t(i)におけるラグランジュ座標のベクトルQ=[q(t(i)),...,q(t(i))]である。ステップ1040において、時点t(i)におけるラグランジュ座標のベクトルが、エレベーターシステムのODEモデルを解くのに初期条件として用いられる。式(2)のODEモデルは、初期条件Qから開始して、境界センサーの測定値f(t)、f(t)を用いて解かれる。エレベーターシステムのODEモデルを解くことによって、間隔[t(i),t(ix+1)]内の全ての時点tにおけるエレベーターロープの揺れu(y,t)の近似1050が生成される。
図11は、本発明の別の実施形態を示している。2つの時点t(i)及びt(i+1)の間のエレベーターシステムの状態が解析される。ここでは、少なくとも1つの揺れセンサーが動きを検出する。2つの時点t(i)及びt(i+1)の間の全ての時点tについて、揺れセンサーのうちのいずれもが動きを検出しない。ステップ1110において、時間間隔[t(i),t(i+1)]の間に、エレベーターシステムの偏微分方程式モデル(PDEモデル)が定式化される。PDEモデルの一例は、式(1)によって与えられている。
ステップ1120において、時点t(i)におけるエレベーターロープの動きの現在の測定値が、以下の式によるPDEモデルの初期条件を求めるのに用いられる。
Figure 2014525377
ステップ1130において、リアルタイムにおける境界センサーの測定値が、以下の式によるPDEモデルの境界条件として用いられる。
Figure 2014525377
ステップ1140において、PDEモデルが、初期条件及び境界条件用いて解かれ、間隔[t(i),t(i+1)]内の全ての時点tにおけるエレベーターロープの揺れu(y,t)u(y,t)の近似1150が生成される。
図13〜図16は、或る実施形態による揺れセンサーの種々の配置を示している。1つの実施形態では、一組の揺れセンサー1302が、図13に示すように、軸Y1310によって概略的に示されたエレベーターシャフトの長さに沿った一組の独立した揺れ位置を感知するように垂直に配置されている。この実施形態は、境界測定値を求める境界センサー1301も備えることができる。
別の実施形態では、揺れセンサーは、図14に示すように、エレベーターシャフト1410内において水平に異なる従属位置1402に配置されている。第1の境界センサー及び第2の境界センサー1401が、例えば、プーリー及びエレベーターかごにそれぞれ配置されている。この実施形態では、エレベーターロープの揺れは、揺れセンサーのうちの1つがエレベーターロープの動きを検出するときの各時点における揺れセンサーの測定値及び境界センサーの測定値を補間することによって推定される。この実施形態では、ロープの揺れは、モデルを用いることなく、揺れセンサーの測定値及び境界センサーの測定値のみに基づいて推定される。
図15の別の実施形態では、第1の境界センサー及び第2の境界センサー1501が、例えば、プーリー240及びエレベーターかご230にそれぞれ配置され、エレベーターロープの揺れ1502が、境界センサーの測定値1501を用いてエレベーターシステムのモデル1503に基づいて求められる。この実施形態では、ロープの揺れは、境界センサーの測定値及びシステムモデルのみに基づいて推定され、揺れセンサーは用いられない。
図16の別の実施形態では、揺れセンサーは、エレベーターシャフト1606内において水平に異なる従属位置1604に配置されている。この実施形態では、エレベーターロープの揺れの揺れは、揺れセンサーのうちの1つがエレベーターロープの動きを検出するときの各時点における揺れセンサーの測定値を補間することによって推定される。この実施形態では、ロープの揺れは、境界センサーに基づかず、揺れセンサーの測定値のみに基づいて推定され、例えば、境界センサーの測定値はゼロと決定され、モデルは用いられない。この実施形態において推定されたロープの揺れは、中立ライン1605に対して相対的である、相対的なロープの揺れである。
本発明の上述の実施形態は数多くの方法のいずれかにおいて実現することができる。例えば、それらの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせを用いて実現することができる。ソフトウェアにおいて実現されるとき、そのソフトウェアコードは、単一のコンピューター内に設けられるにしても、複数のコンピューター間に分散されるにしても、任意の適切なプロセッサ、又はプロセッサの集合体において実行することができる。そのようなプロセッサは集積回路として実現することができ、集積回路構成要素内に1つ又は複数のプロセッサが含まれる。しかしながら、プロセッサは、任意の適切な構成の回路を用いて実現することができる。
さらに、コンピューターは、ラック取付けコンピューター、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、ミニコンピューター又はタブレットコンピューター等の幾つかの形態のうちのいずれかにおいて具現できることは理解されたい。また、コンピューターは、1つ又は複数の入力及び出力デバイスを有することができる。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザーインターフェースを提供するように用いることができる。ユーザーインターフェースを提供するように用いることができる出力デバイスの例は、出力を視覚的に提示するプリンタ又はディスプレイ画面、及び出力を聴覚的に提示するスピーカー又は他の音生成デバイスを含む。ユーザーインターフェースに用いることができる入力デバイスの例は、キーボード、並びにマウス、タッチパッド及びデジタイジングタブレット等のポインティングデバイスを含む。別の例として、コンピューターは、音声認識を通して、又は他の可聴形式において入力情報を受信することができる。
そのようなコンピューターは、企業ネットワーク又はインターネット等の、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワークを含む、任意の適切な形態の1つ又は複数のネットワークによって相互連結することができる。そのようなネットワークは、任意の適切な技術に基づくことができ、任意の適切なプロトコルに従って動作することができ、無線ネットワーク、有線ネットワーク又は光ファイバネットワークを含むことができる。
また、本明細書において概説される種々の方法又はプロセスは、種々のオペレーティングシステム又はプラットフォームのいずれか1つを利用する1つ又は複数のプロセッサ上で実行可能であるソフトウェアとしてコード化することができる。さらに、そのようなソフトウェアは、幾つかの適切なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール若しくはスクリプト記述ツールのいずれかを用いて書くことができ、フレームワーク又は仮想機械上で実行される実行可能機械語コード又は中間コードとしてコンパイルすることもできる。例えば、本発明の幾つかの実施形態は、MATLAB−SIMULIMKを使用する。
この点において、本発明は、コンピューター可読記憶媒体又は複数のコンピューター可読媒体、例えば、コンピューターメモリ、コンパクトディスク(CD:Compact Discs)、光ディスク、デジタルビデオディスク(DVD:Digital Video Disks)、磁気テープ及びフラッシュメモリとして具現することができる。代替的に、又はそれに加えて、本発明は、伝搬する信号等の、コンピューター可読記憶媒体以外のコンピューター可読媒体として具現することができる。
用語「プログラム」又は「ソフトウェア」は、本明細書において、コンピューター又は他のプロセッサをプログラミングし、上記で論じられたような本発明の種々の態様を実施するのに用いることができる任意のタイプのコンピューターコード又は一組のコンピューター実行可能命令を指すように、一般的な意味において用いられる。
コンピューター実行可能命令は、1つ又は複数のコンピューター又は他のデバイスによって実行されるプログラムモジュールのような、数多くの形をとることができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント及びデータ構造を含む。通常、プログラムモジュールの機能は、種々の実施形態において望ましいように、組み合わせることができるか、又は分散させることができる。
また、本発明の実施形態は方法として具現することができ、その一例が提供されてきた。その方法の一部として実行される動作は、任意の適切な方法において順序化することができる。したがって、例示的な実施形態において順次の動作として示される場合であっても、例示されるのとは異なる順序において動作が実行される実施形態を構成することもでき、異なる順序は、幾つかの動作を同時に実行することを含む場合もある。
請求項要素を変更するのに特許請求の範囲において「第1の」、「第2の」のような序数の用語を使用することは、それだけで、或る請求項要素が別の請求項要素よりも優先度が高いこと、優位であること、若しくは上位にあることを、又は方法の動作が実行される時間的な順序を暗示するのではなく、請求項要素を区別するのに、或る特定の名称を有する1つの請求項要素を(序数用語を使用することは別にして)同じ名称を有する別の要素から区別するラベルとして単に使用される。
例えば、第1の境界センサーの位置は、第1の境界位置と一致し、第2の境界センサーの位置は、第2の境界位置と一致し、揺れセンサーの位置は、揺れ位置と一致する。しかしながら、様々な実施形態では、これらのセンサーは、第1の位置、第2の位置、及び揺れ位置が適切に感知及び/又は測定されるような種々の位置に配置することができる。センサーの実際の位置は、用いられるセンサーのタイプに依存することができる。例えば、境界センサーは、線形位置センサーとすることができ、揺れセンサーは、任意の動きセンサー、例えば、光ビームセンサーとすることができる。
揺れセンサーが、揺れ位置における動きを感知する(710)と、エレベーターロープの揺れ740は、境界センサーから受信された境界測定値750と、揺れセンサーから受信された揺れ測定値760とに基づく補間720によって求められる。一方、揺れセンサーが横の動きを感知しないとき、エレベーターロープの揺れ740は、境界測定値750と、揺れセンサー760の以前の揺れ測定値とに基づく近似730によって求められる。幾つかの実施形態では、エレベーターロープの揺れを求めることは、エレベーターシステムが動作している間、継続される。
図9に示す別の実施形態では、エレベーターシステムの状態910が、時点t(i)において検討され、揺れセンサーの測定値が受信され(920)、少なくとも1つの揺れセンサーがエレベーターロープの動きを検出した場合(921)、ロープの揺れが、補間に基づいて推定される。補間950は、揺れ位置の感知された動きのみを用いて、動きを感知しなかった揺れセンサーの他方の揺れ位置を近似することができる。例えば、時点t(i)におけるエレベーターロープの揺れは、以下の式に従って求められる。
線形代数系の解は、時点t(i)におけるラグランジュ座標のベクトルQ=[q(t(i)),...,q(t(i))]である。ステップ1040において、時点t(i)におけるラグランジュ座標のベクトルが、エレベーターシステムのODEモデルを解くのに初期条件として用いられる。式(2)のODEモデルは、初期条件Qから開始して、境界センサーの測定値f(t)、f(t)を用いて解かれる。エレベーターシステムのODEモデルを解くことによって、間隔[t(i),t(+1)]内の全ての時点tにおけるエレベーターロープの揺れu(y,t)の近似1050が生成される。
ステップ1140において、PDEモデルが、初期条件及び境界条件用いて解かれ、間隔[t(i),t(i+1)]内の全ての時点tにおけるエレベーターロープの揺れu(y,t)の近似1150が生成される。

Claims (20)

  1. エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求める方法であって、
    前記エレベーターシステムの前記動作中の前記エレベーターロープの動きの少なくとも1つの測定値を取得することと、
    前記動きの前記測定値に基づく前記エレベーターロープの境界間の補間を用いて、エレベーターかごとプーリーとを接続する前記エレベーターロープの前記揺れを求めることと、
    を含む、エレベーターロープの揺れを求める方法。
  2. 前記動きの前記測定値及び前記エレベーターシステムのモデルに基づいて、前記エレベーターロープの前記揺れを近似すること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記測定値は、揺れ位置における前記エレベーターロープの前記動きの揺れ測定値であり、前記求めることは、
    境界測定値及び前記揺れ測定値に基づいて、前記補間を用いて前記揺れを求めること、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記境界測定値は、第1の境界測定値及び第2の境界測定値を含み、
    第1の境界センサーから第1の境界測定値を受信することと、
    前記第1の境界測定値に基づいて第2の境界測定値を求めることと、
    を更に含む、請求項3に記載の方法。
  5. 或る位置における前記動きを前記感知することに基づいて、該位置における前記動きの前記測定値を求めること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 或る位置における前記動きを前記感知することに基づいて、別の位置における前記動きの前記測定値を求めること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  7. 以前の測定値に基づいて前記測定値を近似すること、
    を更に含む、請求項6に記載の方法。
  8. 以前の測定値と、境界測定値、以前の境界測定値、及び前記エレベーターシステムのモデルのうちの少なくとも1つとに基づいて、前記測定値を近似すること、
    を更に含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記境界測定値及び前記揺れ測定値に基づく近似によって前記エレベーターロープの前記揺れを補間すること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記エレベーターシステムのモデルに基づいて、前記エレベーターロープの前記揺れを補間すること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  11. エレベーターシャフトに対して水平に配置された複数の揺れセンサーによって前記動きを前記感知することに基づいて、或る位置における前記動きの前記測定値を求めること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記エレベーターシステムのモデルに基づいて、前記測定値を初期条件として用いて前記エレベーターロープの前記揺れを近似すること、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記モデルは、常微分方程式によって定義され、
    前記初期条件から開始して前記常微分方程式を解くこと、
    を更に含む、請求項12に記載の方法。
  14. 以下の式に従って前記常微分方程式を求めること、
    を更に含み、
    Figure 2014525377
    式中、q=[q,...,q]は、ラグランジュ座標ベクトルであり、
    Figure 2014525377
    は、時間に関する前記ラグランジュ座標ベクトルの1次導関数及び2次導関数であり、Nは、振動モードの数であり、Mは、慣性行列であり、Cは、遠心行列であり、Gは、コリオリ行列であり、(K+H)は、剛性行列であり、F(t)は、外力のベクトルである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記モデルは、偏微分方程式によって定義され、
    前記初期条件から開始して前記偏微分方程式を解くこと、
    を更に含む、請求項12に記載の方法。
  16. エレベーターシステムにおけるエレベーターかごとプーリーとを接続するエレベーターロープの揺れを求めるコンピュータープログラム製品であって、
    該コンピュータープログラム製品は、プロセッサを変更し、
    組み込まれたコンピューター使用可能プログラムコードを含むコンピューター可読記憶媒体を備え、前記プロセッサによって実行される前記プログラムコードは、或る位置における前記エレベーターロープの動きの測定値と、前記エレベーターシステムのモデル及び前記エレベーターロープの境界間の補間からなる群から選択された補助情報とに基づいて、前記エレベーターロープの前記揺れを求める、
    エレベーターロープの揺れを求めるコンピュータープログラム製品。
  17. 前記プログラムコードは、前記エレベーターシステムの前記モデルに基づいて、前記エレベーターロープの前記揺れを求める、請求項16に記載のコンピュータープログラム製品。
  18. エレベーターシステムの動作中のエレベーターロープの揺れを求めるコンピューターシステムであって、
    前記コンピューターシステムは、プロセッサを備え、
    前記プロセッサは、
    第1の境界位置及び第2の境界位置における前記エレベーターロープの動きの境界測定値を求め、
    揺れ位置における前記エレベーターロープの前記動きの揺れ測定値を求め、
    第1の時点において、前記境界測定値及び前記揺れ測定値に基づく補間によって前記エレベーターロープの前記揺れを求め、
    第2の時点において、前記エレベーターシステムのモデルに基づく近似によって前記エレベーターロープの前記揺れを求める、
    エレベーターロープの揺れを求めるコンピューターシステム。
  19. 前記モデルは、常微分方程式によって定義される、請求項18に記載のコンピューターシステム。
  20. 前記モデルは、偏微分方程式によって定義される、請求項18に記載のコンピューターシステム。
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