JP3733990B2 - 線状体の解析方法および装置ならびに線状体の解析プログラムが格納された記録媒体 - Google Patents

線状体の解析方法および装置ならびに線状体の解析プログラムが格納された記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
この発明は、ワイヤ・ロープを構成する素線に代表されるような長手方向にほぼ一様な断面形状を有し、かつ長さが径に比べて長い線状体を変形させる場合に生じる線状体の各部分の変位および荷重のうち少なくとも一方を算出する方法ならびに装置ならびにこの変位を算出するためのプログラムが格納された記録媒体に関する。
【0002】
【発明の背景】
ワイヤ・ロープは、柔軟性が高くかつ強度が強いのでクレーン等の建設機械、エレベータ、索道などさまざまな分野で利用されている。単純な7本よりのほか複雑に素線が組み合わされるシール形、フィラー形、ウォーリントン・シール形など多くの種類のワイヤ・ロープが利用分野に応じて選択されている。
【0003】
このように利用分野の拡大に伴いワイヤ・ロープに要求される特性が、高強度、耐疲労特性、回転性など細分化されるようになってきた。これらの要求される特性を満足するために従来は、主として経験によりワイヤ・ロープの仕様および製造方法を決定し、さらに仕様現場でのテストを繰り返してきた。
【0004】
しかしながら、このような方法ではワイヤ・ロープでの開発、改良などに時間がかかり、かつコスト・アップとなってしまう。
【0005】
【発明の開示】
この発明は、ワイヤ・ロープを構成する素線に代表されるような長手方向にほぼ一様な断面形状を有し、かつ長さが径に比べて長い線状体が変形する場合のその線状体の特性(変位,荷重,応力,歪みなど)を算出することを目的とする。
【0006】
この発明は、有限要素法を利用している。
【0007】
しかしながら、ワイヤ・ロープに代表される線状体を芯線に巻き付けるような線状体の変形の場合において有限要素法を利用するときには次に示す点を考慮しなければならない。
【0008】
第1に高強度線材など線状体の単線から多本線のより線線形過程であること、第2に線状体の断面内が部分的に塑性域となるので弾塑性変形応答により成形が行われることから有限変形弾塑性有限要素法解析を行う必要があること、第3により線成形過程で部材の大きな回転を伴って幾何学形状が変化することから線状体の変形を伴わない剛体の回転を考慮する必要があること、第4により線成形過程で線状体が伸び、曲げおよびねじり変形を受けることから線状体の引張−圧縮(伸び)変形だけでなく線状体の曲げ変形、ねじり変形についても考慮し、評価すること。
【0009】
一方、従来の有限変形を考慮した有限変形弾塑性有限要素法解析では、適当な時間増分を設定し、その時間当りで線形化した仮想仕事式を解いて増分歪および増分応力を算出し、算出された増分歪および増分応力を決定している。この解析では時間当りの剛体回転量が十分小さい変形過程では近似解を得ることができる。ところが、ワイヤ・ロープに代表される線状体のより線成形過程では変形によって線状体の形状および位置が大きく変わるので、単位時間当りの剛体回転量が変形による時間当りの歪に比べ十分大きくなる。剛体回転に起因する変形速度成分が歪量に混入し、誤差がきわめて大きくなる。
【0010】
このために従来の有限変形弾塑性有限要素法を用いて長さが径に比べて長い線状体の変形後の解析を行うことは困難な場合がある。
【0011】
この発明は、上述した点を考慮してなされたものである。
【0012】
この発明による線状体の解析方法は、長手方向にほぼ一様な断面形状を有し、かつ長さが径に比べて長い線状体をその長さ方向に一定間隔の複数の要素に分け、上記線状体を変形するときの変形後の形状を決定し、決定された形状において上記要素を基準とした局所座標系での接線剛性方程式を上記各要素についてそれぞれ導出し、導出された局所座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式を、上記線状体を基準とした全体座標系での各要素の接線剛性方程式にそれぞれ変換し、変換された上記全体座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式から、上記線状体全体の総体剛性方程式を導出し、導出された上記線状体全体の総体剛性方程式と変形後の上記形状とにもとづいて上記各要素の変位および上記各要素に生じる荷重のうち少なくとも一方を算出することを特徴とする。
【0013】
この発明は上記方法を実施するのに適した装置も提供している。すなわち、長手方向にほぼ一様な断面形状を有し、かつ長さが径に比べて長い線状体を、その長さ方向に一定間隔の複数の要素に分けるように設定する設定手段、上記線状体を変形するときの変形後の形状を決定する形状決定手段、上記形状決定手段によって決定された形状において、上記設定手段によって設定された上記要素を基準とした局所座標系での各要素の接線剛性方程式を上記各要素についてそれぞれ導出する剛性方程式導出手段、上記剛性方程式導出手段によって導出された局所座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式を、上記線状体を基準とした全体座標系での各要素の接線剛性方程式にそれぞれ変換する剛性方程式変換手段、上記剛性方程式変換手段によって変換された上記全体座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式から、上記線状体全体の総体剛性方程式を導出する総体剛性方程式導出手段、ならびに上記総体剛性方程式導出手段によって表された上記線状体全体の総体剛性方程式と上記形状決定手段によって決定された形状とにもとづいて上記各要素の変位および上記各要素に生じる荷重のうち少なくとも一方を算出する算出手段を備えた線状体の解析装置である。
【0014】
さらにこの発明は、上記方法を実施するためのプログラムが格納された記録媒体も提供している。
【0015】
この発明によると上記線状体を複数の上記要素に分けている。また上記各要素を基準とした局所座標系および上記線状体を基準とした全体座標系を導入している。そして上記局所座標系での各要素の接線剛性方程式を導出し、導出された局所座標系での接線剛性方程式を全体座標系での各要素の接線剛性方程式に変換し、上記線状体全体の総体剛性方程式を導出している。導出された総体剛性方程式から上記要素の変位および荷重のうち少なくとも一方を算出している。このようにして線状体が変形したときの線状体の特性が算出できる。
【0016】
上記局所座標系での各要素の接線剛性方程式を、上記全体座標系での各要素の接線剛性方程式に変換する際には、上記要素の剛体回転と上記各要素の伸び変形、曲げ変形およびねじり変形とを区別することにより、比較的正確な変換が可能となる。
【0017】
上記線状体が徐々に変形する場合には、上記局所座標系での各要素の接線剛性方程式の導出、上記全体座標系での各要素の接線剛性方程式への変換、上記線状体全体の総体剛性方程式の導出および上記各要素の変位の算出処理を、上記線状体が目的形状となるまで繰り返すこととなろう。
【0018】
上記各要素の変位が算出されると算出された各要素の変位にもとづいて上記各要素の応力、歪などを算出することができる。
【0019】
上記局所座標系の原点は、たとえば上記要素の中心にとる。これにより上記変換処理が比較的容易となる。
【0020】
また、要素の中心軸上における両端部および中心部に上記要素の節点を規定することができる。
【0021】
【実施例の説明】
I この実施例による素線の解析の概要
【0022】
この実施例は図1に示すように1本の素線1が用意され、この素線1に荷重が加えられ芯線(図示略)に巻き付けられることによりワイヤ・ロープ(ストランド)が作成される場合に、素線1の各部分に生じる荷重または変位を解析するものである。荷重が加えられたあとの素線1の目的形状は公知の形状解析手法によりあらかじめ分かっている。
【0023】
素線1は、その長手方向にほぼ一様な断面を有し、かつ長さが径に比べて長い線状体である。
【0024】
素線1に荷重が徐々に印加されることにより、素線1が徐々に変形し、目的形状となる。
【0025】
図2は、素線1に荷重が加えられたときの様子を示している。図2においては荷重印加後の素線1が実線で示され、荷重印加前の初期形状の素線1が鎖線で示されている。素線1はその長手方向に一定間隔に複数の要素2に分けられる。図2においては代表的に1つの要素が示されている。
【0026】
ここで、素線1全体を基準とした座標系を全体座標系XYZとし、要素2を基準とした座標系を局所座標系xyzとする。また全体座標系XYZでの要素2の位置を表すベクトルを座標基底ベクトルという。
【0027】
図3は、素線1に荷重が加えられ要素2がよれた状態を示している。
【0028】
要素2は、節点1、節点2および節点3の3つの節点が規定されている。節点1および節点2は要素2の両端面の中央の位置に規定され、節点2は要素2の中央端面の中央に規定される。節点2が局所座標系xyzの原点と一致する。
【0029】
素線1に荷重が加わると素線1がよれるので素線1を構成する要素2もよれる。要素2のよりには、局所座標系xyzでの各軸方向での変位と各軸回りでのねじり角度変位とにもとづくものがある。図3に示す例では、要素2がよれることにより節点2が局所座標系xyzのx方向にu2 だけ変位し、y方向にv2 だけ変位し、z方向にw2 だけ変位している。また、要素2の節点2が局所座標系xyzのx軸の回りにθx2角度変位し、y軸回りにθy2角度変位し、z軸回りにθz2角度変位している。
【0030】
この実施例による素線1の荷重または変位の解析においては有限要素法が利用される。
【0031】
素線1のような線状体の変形を有限要素法を利用して解析する場合には、上述したように有限要素弾塑性解析を行う必要があり、素線1の変形を伴わない剛体回転を考慮する必要があり、かつ素線1の曲げ変形およびねじり変形を考慮する必要がある。
【0032】
剛体回転を考慮した解析をするために、時間増分間当りで大きく変化する幾何学形状を写像の形で表現し、精度よく空間回転運動を取り扱うこととする。これはある座標基底ベクトルを回転変換マトリクスTを用いて、回転変換マトリクスTと増分前の座標基底ベクトルE0の積で表現するものである。この座標表現により任意の増分間で座標基底ベクトル同士の剛体回転を比較的厳密に取り扱うことができる。増分後の座標基底ベクトルをE、増分前の座標基底ベクトルをE0とすると
E=T・E0 …式1
となる。
【0033】
ここで、回転変換ベクトルTは、軸性ベクトルをθ、軸性ベクトルθに付随するスピン・マトリクスをSとすると
T=I+(Sinθ/θ)S+(1−Cosθ)/θ2 ・S2 …式2
である。
【0034】
さらに素線1の曲げ変形および伸び変形を考慮するために上述のように要素2ごとに局所座標系xyzを挿入し、素線1の長手方向の伸びとなる変位とねじりを2次式でエルミート補間し、曲げとなる軸方向の変位をそれぞれ5次式でエルミート補間する。
【0035】
要素2の変位のすべてから要素2の曲げおよび伸びの変位と剛体回転による変位とを区別して取り扱うので、比較的正確に局所座標系xyzから全体座標系XYZへの変換を行うことができる。
【0036】
この実施例では、全体座標系XYZおよび局所座標系xyzを規定した上で第1番目に、局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式を導出する。第2番目に、導出された要素2ごとの接線剛性方程式を全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式に変換する。第3番目に、変換された全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式から全体座標系XYZでの総体剛性方程式を算出する。算出された全体座標系XYZでの総体剛性方程式から要素2内に生じる応力および歪みが求められる。
【0037】
第2番目に行われる局所座標系での接線剛性方程式から全体座標系での接線剛性方程式への変換において、素線1の変形を伴わない剛性回転と素線1の曲げ変形および素線1の伸び変形とが後述のように区別されている。この実施例よる解析により有限要素法解析を利用して素線1が変形した場合の解析を比較的正確に実現できることとなる。
【0038】
(1)局所座標系での要素ごとの接線剛性方程式の導出
【0039】
まず、局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式を導出する過程について説明する。
【0040】
素線1に荷重が加えられたときには最小ポテンシャル・エネルギーの定理(境界表面上における条件と同時に、物体内でのつりあいの微分方程式もまた満足する変位から導かれるポテンシャル・エネルギーは、境界表面上で同じ条件を満足する他のどのような変位によるポテンシャル・エネルギーよりも小さくなる)から式3を最小化させることとなる。
【0041】
【数3】
Figure 0003733990
【0042】
式3において左辺はポテンシャル・エネルギー、右辺の第1項はひずみエネルギー、右辺の第2項は物体力による仕事量、右辺の第3項は表面力による仕事量である。また右肩のtは転置マトリクスを表す。
【0043】
この実施例による要素2のポテンシャル・エネルギーは、一般の構成方程式が、応力速度が剛性マトリクスと歪み速度の積に等しいとして表されること、要素2の定義から要素2の外力速率ベクトルが3軸の各軸力、3軸の各モーメントの6成分であり、要素2の変位速率ベクトルが3軸の各軸変位、3軸回りの各ねじれ角の6成分であること、要素2のBマトリクスを使用することを考慮して、式3は、式4のように変形できる。
【0044】
【数4】
Figure 0003733990
【0045】
右肩のeは要素2に関するものであることを表す。
式4においてV*et は,
【0046】
【数5】
Figure 0003733990
【0047】
である。
【0048】
またFは、
【0049】
【数6】
Figure 0003733990
【0050】
である。ここで、mx,myおよび,mzはそれぞれx方向、y方向およびz方向の節点モーメント・ベクトル、nx,nyおよびnzはそれぞれx方向、y方向およびz方向での節点力(モーメントを除く)ベクトルである。
【0051】
要素2のポテンシャル・エネルギーが最小化する条件は、このポテンシャル・エネルギーの歪み速度ベクトルに関しての変分関数が0の値をとることで表されるので、式4は式7のように変形することができる。
【0052】
【数7】
Figure 0003733990
【0053】
BはBマトリクスと呼ばれるもので、DはDマトリクス(弾性状態の要素剛性マトリクスDeまたは塑性状態の要素剛性マトリクスDp)と呼ばれるものである。
【0054】
Keは要素2の剛性マトリクス、δde は要素2の変位ベクトル、δFe は要素2の力を表すベクトルである。
【0055】
この式7は式8のように表すことができる。
【0056】
【数8】
Figure 0003733990
【0057】
この式7(式8)が第1番目に求めるべき局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式である。
【0058】
(2)局所座標系から全体座標系への変換
【0059】
局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式が導出されると、この接線剛性方程式が全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式に変換される。
【0060】
つづいてこの変換について述べる。
【0061】
まず節点と要素2内部の関係づけをし、次に各要素の節点と素線1全体とを関係づけることにより局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式を全体座標系での要素2ごとの接線剛性方程式に変換する。
【0062】
▲1▼節点と要素内部との関連づけ
【0063】
Bマトリクスならびに弾性状態の要素剛性マトリクスDeおよび塑性状態の要素剛性マトリクスDpを算出する。
【0064】
Bマトリクスの算出は次にようにして行われる。
【0065】
まず要素2の長手方向の伸びとなる変位とねじりを2次式で補間するための内挿関数を式9で定義する。
【0066】
【数9】
Figure 0003733990
【0067】
また、要素2の曲げとなる軸方向に垂直する2方向の変位を5次式で補間するための内挿関数を式10で定義する。
【0068】
【数10】
Figure 0003733990
【0069】
式9および式10においてξは、式11で表される。ただし、xは要素2内部の任意の位置座標、Lは要素2の長さである。
【0070】
【数11】
Figure 0003733990
【0071】
つづいて、要素2内部の任意の座標におけるx方向の変位uおよびねじり角 が式9および式10を参照して式12によって算出される。
【数12】
Figure 0003733990
【0072】
ただし、μ1 eは節点1におけるx方向の変位であり、θx1 e 節点1におけるねじり角、θex 2 は節点2におけるねじり角、θx3 e は節点3におけるねじり角である。
【0073】
また、要素2内部の任意の座標におけるy方向の変位およびz方向の変位が式9および式10を参照して式13および式14によって算出される。
【0074】
【数13】
Figure 0003733990
【0075】
【数14】
Figure 0003733990
【0076】
図3からわかるように要素2内部の任意の座標におけるy方向のねじり角θy およびz方向のねじり角θz は微少であるため、それらについては省略している。
【0077】
式10から式12において、伸び変形および曲げ変形(μ1 e,μ2 e,μ3 e,υ1e,υ2 e,υ3 e,ω1 e,ω2 e,ω3 e)ならびにねじり変形(θx1 e ,θx2 e ,θx3 e ,θy1 e ,θy2 e ,θy3 e ,θz1 e ,θz2 e ,θz3 e )を考慮してx方向の変位μe およびy方向の変位υe ならびにz方向の変位をωe 算出するので比較的正確に、局所座標系xyzにおける接線剛性方程式から全体座標系XYZにおける接線剛性方程式への変換ができる。
【0078】
一方、局所座標系における歪みと変位との関係は次のように関係づけられる。
【0079】
軸方向の引っ張り変形による歪みεxtは、式15によって表される。
【0080】
【数15】
Figure 0003733990
【0081】
軸方向のねじり変形による歪みKx は、式16によって表される。
【0082】
【数16】
Figure 0003733990
【0083】
軸を含んだ平面内の曲げ変形曲率Ky およびKz は、xoz平面では式17によって表され、xoy平面では式18によって表される。
【0084】
【数17】
Figure 0003733990
【0085】
【数18】
Figure 0003733990
【0086】
ここで、
【0087】
【数19】
Figure 0003733990
【0088】
【数20】
Figure 0003733990
とおく。
【0089】
また、次式を算出する。
【0090】
【数21】
Figure 0003733990
【0091】
【数22】
Figure 0003733990
【0092】
【数23】
Figure 0003733990
【0093】
【数24】
Figure 0003733990
【0094】
【数25】
Figure 0003733990
【0095】
ところで、軸方向の引っ張り歪みεx は、式26によって表される。
【0096】
【数26】
Figure 0003733990
【0097】
また軸方向のねじり変形によるせん断歪みγは、式27によって表される。
【0098】
【数27】
Figure 0003733990
【0099】
式26と式27に式12から式25の各式を代入して整理すると、式28を得る。
【0100】
【数28】
Figure 0003733990
【0101】
この式28は式29のように表すことができる。
【0102】
【数29】
Figure 0003733990
【0103】
式28および式29を参照してBマトリクスは式30のように表されることとなる。
【0104】
【数30】
Figure 0003733990
【0105】
つぎに弾性状態の要素剛性マトリクスDeおよび塑性状態の要素剛性マトリクスDpを算出する。
【0106】
まず伸び変位による剛性マトリクスKt を算出する。
【0107】
応力は、軸方向歪みと縦弾性マトリクスとの積に等しいので、要素2の断面積をSo とすると剛性マトリクスKtは式31によって表される。
【0108】
【数31】
Figure 0003733990
【0109】
次にxoy平面の曲げ変位による剛性マトリクスKbzを算出する。
【0110】
要素2のz軸に関する断面2次モーメントをJz、縦弾性係数をEとすると剛性マトリクスKbzは式32によって表される。
【0111】
【数32】
Figure 0003733990
【0112】
次にxoz平面の曲げ変位による剛性マトリクスKbyを算出する。
【0113】
要素2のy軸に関する断面2次モーメントをJyとすると剛性マトリクスKbyは式33によって表される。
【0114】
【数33】
Figure 0003733990
【0115】
さらにねじり変位による剛性マトリクスKtor を算出する。
【0116】
せん断応力は、せん断歪みと横弾性係数の内積によって求められるので式34によって剛性マトリクスKtorが表される。ただし、KはSant−Venantのねじり定数、Gは横弾性係数である。
【0117】
【数34】
Figure 0003733990
【0118】
式31から式34において積分は数値積分によって行われ、この結果定数係数となる。さらに数値積分により得られた定数係数は、省略されるのが一般的であることを考慮すると、弾性状態の要素剛性マトリクスDeは、式31、式32、式33および式34の剛性マトリクスKt ,Kbz,KbyおよびKtor を用いて式35のように得られる。
【0119】
【数35】
Figure 0003733990
【0120】
また塑性の要素剛性マトリクスDpは、式36から得られる。ただし、fは塑性ポテンシャルである。
【0121】
【数36】
Figure 0003733990
【0122】
ここで、塑性ポテンシャルfはLevy−Misesの条件にもとづき一般化応力{N1 ,Mx ,My ,Mz }と一般化歪み{εx ,θx ,Ky ,Kz によって表すと式37のようになる。ただし、Wco,i (iはx,yまたはz)が単純荷重の降伏条件から求められる弾塑性断面係数、Eはヤング率(縦弾性係数)、Hは加工硬化率、γは弾性区域と塑性区域の面積の割合を示している。
【0123】
【数37】
Figure 0003733990
【0124】
▲2▼各要素の節点と素線全体との関係づけ
【0125】
上述のようにして節点と要素内部について関係づけられると次に各要素の節点と素線全体との関係づけが行われる。
【0126】
応力による仕事量は座標系に依存しないから、この実施例においても局所座標系xyzおよび全体座標系XYZにかかわらず要素2に対する仕事量は同じである。このことから式38が成立する。ここで、右肩のgは全体座標系を示している。
【0127】
【数38】
Figure 0003733990
【0128】
式38においてFは、一般化応力であり、式39に示すようにx方向,y方向およびz方向の軸力とx軸、y軸およびz軸まわりのモーメントの6つの成分から構成されている。
【0129】
【数39】
Figure 0003733990
【0130】
素線1がよれる場合には、素線1がよれたことにより要素2に荷重が加わり要素2自体が変形することにより要素2が変形するだけでなく、要素2の変形を伴わずに要素2の回転および並進(剛性変位)が行われる。
【0131】
したがって、局所座標系xyzでの要素ごとの接線剛性方程式を全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式に変換する場合には、要素2の剛性変位を考慮する必要がある。
【0132】
この剛性変位を考慮すると、局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性方程式の変位ベクトルと全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式の変位ベクトルとの関係は、式40によって表すことができる。
【0133】
【数40】
Figure 0003733990
【0134】
式40から局所座標系xyzでの要素2ごとの接線剛性マトリクスKe と全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性マトリクスKT とは式41によって関係づけられる。
【0135】
【数41】
Figure 0003733990
【0136】
式41において、Aは式42によって、Hは式43によって、Mは式44によって、Gは式45によって、Qは式46から式48によってそれぞれ表される。
【0137】
【数42】
Figure 0003733990
【0138】
ただし,Iは恒等変換マトリクス,Eは基底座標ベクトル,X1 e,X2 eおよびX3 eは局所座標系における節点1,2および3のx座標、Spin は行回転ベクトルである。
【0139】
【数43】
Figure 0003733990
【0140】
ただし,T1 e,T2 eおよびT3 eは要素2についての節点1,2および3の回転変換マトリクスである。
【0141】
【数44】
Figure 0003733990
【0142】
【数45】
Figure 0003733990
【0143】
【数46】
Figure 0003733990
【0144】
【数47】
Figure 0003733990
【0145】
【数48】
Figure 0003733990
【0146】
以上のようにして得られた式38、式40および式41を式8に代入し、整理すると式49に示すように全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式が得られる。
【0147】
【数49】
Figure 0003733990
【0148】
(3)総体剛性方程式の算出
【0149】
式49に示すように全体座標系XYZでの要素2ごとの接線剛性方程式が得られると素線1のすべての要素2について節点ごとに重ね合わされ、荷重が加えられた後の素線1についての総体剛性方程式が算出される。この総体剛性方程式を式50に示す。
【0150】
【数50】
Figure 0003733990
【0151】
式50において、変位増分ベクトルδPまたは総体節点荷重ベクトルδQのうち一方は、荷重が加えられた後の素線1の形状解析によってあらかじめ分かるので、この総体剛性方程式から変位増分ベクトルδPまたは総体節点荷重ベクトルδQのうち未知のものを算出できる。
【0152】
上述した方法を,1回から数100 回以上繰り返すことにより初期形状から目的形状となるまでの素線の解析を行なうことができる。
【0153】
II 素線1のより工程での処理
【0154】
(1)線状体の解析装置
【0155】
図4は、線状体の解析装置の外観を、図5は、その電気的構成の概要をそれぞれ示している。
【0156】
線状体の解析装置のはコンピュータ10を含む。コンピュータ10はCRT表示装置(または液晶(LC)ディスプレイ・パネル)11、プリンタ12および入力装置(キーボード13Aやマウス13B)が接続されている。コンピュータ10の内部にはFDドライブ14、CD−ROMドライブ15およびHDユニット16が設けられている。FDドライブ14はFD19へのデータの書込みおよびFD19からのデータの読出しを行う。CD−ROMドライブ15はCD−ROM18からのデータの読出しを行う。HDユニット16はハードディスク(図示略)へのデータの書込みおよびハードディスクからのデータの読出しを行う。コンピュータ10はさらに内部メモリ(半導体メモリなど)17を含む。
【0157】
キーボード13Aには素線1の解析のためのデータを入力するためのキー群が設けられている。
【0158】
CD−ROM18には素線1の解析のためのプログラムおよびデータが格納されている。
【0159】
(2)線状体の解析処理
【0160】
図6は、より線機の一部を示す概略図である。
【0161】
素線1はフライヤー20に巻かれている。素線1の一端が鏡板21に形成されている開口22を通してフォーミング・ダイ23に固定されている。
【0162】
鏡板21が回転することにより、フライヤー20に巻かれている素線1はフライヤー20から押し出され、素線1はフォーミング・ダイ23に巻取られ徐々にワイヤ・ロープが生成されていく。
【0163】
図7および図8は1ピッチ分のワイヤ・ロープの生成過程をグラフに表したものである。図7は三次元的に表したもので、図8は図7の投影図である。
【0164】
これらの図においては素線1の1区画が上述した要素2に対応する。
【0165】
またこれらの図においてはA点で示すフォーミング・ダイ23の下端部の素線1の部分がA点に該当し、B点で示す鏡板21の開口22の素線1の部分がB点に該当する。
【0166】
上述のように,鏡板21が所定角度回転すると、開口22の位置にある素線1の部分はB1点に移動する。さらに鏡板21が所定角度回転すると、開口22の位置にある素線1の部分はB2点に移動する。鏡板21の所定角度ごとの回転が繰り返されることにより、上述ように素線1はフォーミング・ダイ23に1ピッチ巻取られる。フォーミング・ダイ23に素線1が1ピッチ巻取られたときには、開口22の位置にある素線1の部分はBn点に移動している。
【0167】
図9および図10は、3ピッチ分のワイヤ・ロープの生成過程をグラフに表したものである。図9は3次元的に表したもので、図10は図9の投影図である。
【0168】
図6から図8において説明したように1ピッチ分のワイヤ・ロープの生成過程が繰り返されることによりワイヤ・ロープが生成されていく。
【0169】
ピッチごとに素線1に加わる荷重が変化する場合には、数ピッチ分解析する必要がある。ピッチごとに素線1に加わる荷重が変化しなければ1ピッチ分の解析を行えば十分である。
【0170】
図11から図13はワイヤ・ロープの解析処理の手順を示すフローチャートである。図11は素線の各部分における変位または荷重を算出する前に行われるプリ処理を示し、図12は素線の各部分における変位または荷重を実際に算出する処理を示し、図13は変位または荷重が算出された後の処理を示している。
【0171】
図11を参照して、まず計算制御パラメータの読み取りとその計算が行われる(ステップ31)。この処理には、素線1をいくつの要素2に分けるかを表す要素数の設定(要素数はオペレータによって決められる)、要素2の節点数、自由度数、繰り返し計算回数などの算出がある。
【0172】
つぎに素線1の幾何学上のデータが読み取られる(ステップ32)。幾何学上のデータには素線1をよることによりワイヤ・ロープを生成するときにはそのワイヤ・ロープおよびストランドの径、素線1の径、素線1の本数、よりピッチ、より方向、ワイヤ・ロープの長さなどがある。
【0173】
つづいて、素線1の材料定数が読み取られる(ステップ33)。この材料定数には、縦弾性定数、横弾性定数、ポアソン比、降伏応力、降伏荷重が印加されたときの張力、硬化勾配などがある。
【0174】
さらに、要素2の分割および節点のナンバリングが行われる(ステップ34)。この処理により素線1に通しの節点が付加される。またこの処理において、要素座標の設定および初期局所座標系の設定も行われる。
【0175】
そして、変形荷重、変位、応力および歪みが初期化され(ステップ35)、何度の計算ステップで計算を終了するかが設定される(ステップ36)。例えば図7に示す例ではn回の計算ステップで素線1が目的形状となり計算が終了する。
【0176】
以上でプリ処理については終了する。このプリ処理が終了するとメイン処理に移行する。
【0177】
図12に示す1回のメイン処理によって図7に示す素線1の先端部B0がB1の位置に移動し、2回目のメイン処理によってB1の位置に移動した素線1の先端部がB2の位置に移動する。メイン処理がn回繰り返されることにより素線1は目的形状となり、メイン処理が終了する。
【0178】
まず第1回目の変形による素線1の目的形状が定められる(例えば図7に示す例では素線1の先端部B0がB1の位置になるように素線1の各要素2の節点の変位、荷重が計算される)(ステップ41,素線1の変位制御/荷重制御による境界条件の設定)。
【0179】
つづいて、局所座標系における要素2ごとの接線剛性マトリクスKe が,すべての要素2について、上述の通り算出される(ステップ42)。
【0180】
局所座標系における要素2ごとの接線剛性マトリクスKe が算出されると、上述のように全体座標系における要素2ごとの接線剛性マトリクスKT に変換される(ステップ43)。
【0181】
全体座標系における要素2ごとの接線剛性マトリクスKT に変換されると、上述したように素線1についての総体剛性方程式が算出され、この総体剛性方程式にもとづいて変位増分および荷重増分が計算される(ステップ44,45)。
【0182】
ステップ44および45において計算された変位増分および荷重増分の値は、理論上吊り合わないのでそれらが吊り合うように、残余力(節点力と実際の外力との差)による変位増分の補正計算が行われる(ステップ46)。
【0183】
この補正計算の値が収束するかどうかが判断される(ステップ47)。補正の計算値が収束しなければプリ処理(図11)からやり直され、要素数などが変更される。
【0184】
補正の計算値が収束すると、要素2の弾塑性状態の判別が行なわれる(ステップ48)。降伏荷重から弾塑性状態を判別し、塑性域に入る要素2が多すぎる場合は変位増分を少なくしてステップ41からやり直される。
【0185】
つづいて、素線1の初期の形状からどれだけ変位したかが累積変位として算出され、かつ変形後の節点座標が計算される(ステップ49)。
【0186】
節点2の位置から節点1および3の位置を計算し、その間の位置については補間することにより、変形後の局所座標系の計算が行われる(ステップ50)。この計算値を用いて、次回のメイン処理において全体座標系における要素2ごとの接線剛性方程式を算出するために回転テンソルTが計算される(ステップ51)。
【0187】
さらにステップ44および45で算出された変位増分および荷重増分にもとづいて要素2の任意の部分における応力と歪みが計算される(ステップ52)。
【0188】
素線1が最終的な目標の形状になったか(荷重過程が終了したか)が判断され(ステップ53)、素線1が目的形状となっていなければ(ステップ53でNO)、節点変位と節点荷重が更新され(ステップ54)、ステップ41から処理が繰り返される。
【0189】
素線1が目的形状となっていると(ステップ53でYES)、ポスト処理に移行する(ステップ55)。
【0190】
図13を参照して、ポスト処理では計算データの結果がファイルとして内部メモリ17に記憶され、かつプリンタ12によって印刷される(ステップ61)。
【0191】
また得られた画像データにもとづいてよられた素線1の内部応力状態を表す画像が表示装置11に表示される(ステップ62)。オペレータがこの表示を見ることにより素線1の内部の荷重の状態が視覚で認識できるようになる。
【0192】
図14は上述した線状体の解析方法によって、素線1をよることにより得られたワイヤ・ロープの特性を得る場合の入力データ示している。
【0193】
図15は、図14に示すような入力データにより得られる素線1の各要素の全体座標系での節点での座標位置を表し、図16はワイヤ・ロープに生じる残留応力を表している。図15および図16に示すデータがプリントされることとなる(図13ステップ61)。
【0194】
図17(A)から図21(C)はこの実施例による線状体の解析方法を用いて得られるデータにもとづいてワイヤ・ロープの残留応力の状態を示すものである。これらの図においてすべて(A)は、より戻し係数が0の状態を示すものであり、(B)はより戻し係数が0.83の場合であり、(C)はより戻し係数が1.0の場合である。
【0195】
図17(A),(B)および(C)は荷重が加えられている状態でのワイヤ・ロープをその長手方向に見たときの残留軸応力を示している。
【0196】
また、図18(A),(B)および(C)は荷重が加えられている状態でのワイヤ・ロープをその長手方向に見たときの残留せん断応力を示している
【0197】
さらに、図19(A),(B)および(C)は荷重が加えらている状態でのワイヤ・ロープをその長手方向に見たときの残留相当応力を示している。
【0198】
また、図20(A),(B)および(C)はワイヤ・ロープに加えられた荷重が除荷された場合の残留軸応力を示している。
【0199】
さらに図21(A),(B)および(C)はワイヤ・ロープに加えられた荷重が除荷された場合の残留せん断応力を示している。
【0200】
図20(A)から図21(C)においてはそれぞれ、(A)および(B)はワイヤ・ロープをその長手方向から見ている状態を示しているが、(C)は残留応力の状態を分かりやすくするためにあえて(A)および(B)の方向とは異なる方向から見ている状態を示している。
【0201】
図20(A)および(B)に示す図が図14から図16に示すデータにもとづいて得られる。図20(A)および(B)を除く図17(A)から図21(C)に示す図も同様にして容易に得ることができる。ここでは、図20(A)およひ(B)を除く図17(A)から図21(C)に示す図を得るためのデータは煩雑となるのを回避するため省略している。
【図面の簡単な説明】
【図1】素線が変形する様子を示している。
【図2】局所座標系と全体座標系との関係を示している。
【図3】要素を取り出して示している。
【図4】素線の解析装置の外観を示している。
【図5】素線の解析装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】ワイヤ・ロープの生成過程を示している。
【図7】素線が変形する様子を示している。
【図8】図7の投影図である。
【図9】素線が変形する様子を示している。
【図10】図9の投影図である。
【図11】素線の解析処理手順を示すフローチャートである。
【図12】素線の解析処理手順を示すフローチャートである。
【図13】素線の解析処理手順を示すフローチャートである。
【図14】ワイヤ・ロープ解析の入力データを示している。
【図15】ワイヤ・ロープ解析の出力データを表している。
【図16】ワイヤ・ロープ解析の出力データを表している。
【図17】(A)から(C)はワイヤ・ロープに荷重を加えた場合にワイヤ・ロープの各部分に生じる残留軸応力を示している。
【図18】(A)から(C)はワイヤ・ロープに荷重を加えた場合にワイヤ・ロープの各部分に生じる残留せん断応力を表している。
【図19】(A)から(C)はワイヤ・ロープに加えられた荷重を除荷した場合の残留相当応力を示している。
【図20】(A)から(C)はワイヤ・ロープに加えられた荷重を除荷した場合の残留軸応力を表している。
【図21】(A)から(C)はワイヤ・ロープに加えられた荷重を除荷した場合の残留せん断応力を表している。
【符号の説明】
1 素線
2 要素
10 コンピュータ
11 表示装置
15 CD−ROMドライブ
17 内部メモリ
18 CD−ROM

Claims (4)

  1. 長手方向にほぼ一様な断面形状を有し,かつ長さが径に比べて長い線状体を,その長さ方向に一定間隔の複数の要素に分けるように設定する設定手段,
    上記線状体を変形するときの変形後の形状を決定する形状決定手段,
    上記形状決定手段によって決定された形状において,上記設定手段によって設定された上記要素を基準とした局所座標系での各要素の接線剛性方程式を上記各要素についてそれぞれ導出する剛性方程式導出手段,
    上記剛性方程式導出手段によって導出された局所座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式を,上記線状体を基準とした全体座標系での各要素の接線剛性方程式にそれぞれ変換する剛性方程式変換手段,
    上記剛性方程式変換手段によって変換された上記全体座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式から,上記線状体全体の総体剛性方程式を導出する総体剛性方程式導出手段,ならびに
    上記総体剛性方程式導出手段によって表された上記線状体全体の総体剛性方程式と上記形状決定手段によって決定された形状とにもとづいて上記各要素の変位および上記各要素に生じる荷重のうち少なくとも一方を算出する算出手段を備え,
    上記剛性方程式変換手段が,上記局所座標系での各要素のそれぞれの接線剛性方程式から上記全体座標系での各要素の接線剛性方程式への変換を,上記要素の剛体回転と上記要素のねじり変形および曲げ変形とをそれぞれ区別して行なうものであり,
    上記算出手段が,算出した上記変位および上記荷重の少なくとも一方にもとづいてさらに上記各要素の応力および歪の少なくとも一方を算出するものである,
    線状体の解析装置。
  2. 上記剛性方程式導出手段による上記局所座標系での各要素の接線剛性方程式の導出,上記剛性方程式変換手段による上記全体座標系での各要素の接線剛性方程式への変換,上記総体剛性方程式導出手段による上記線状体全体の総体剛性方程式の導出ならびに上記算出手段による上記変位および上記荷重の少なくとも一方の算出処理を,上記線状体が目的形状となるまで繰り返すように制御する手段をさらに備えた請求項1に記載の線状体の解析装置。
  3. 上記要素の中心が上記局所座標系の原点である,請求項1に記載の線状体の解析装置。
  4. 上記要素の節点は,要素の中心軸上における両端部および中心部である,請求項1に記載の線状体の解析装置。
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