JP2014525236A - 代謝障害、心障害及び免疫関連障害を治療するための方法における新規なペプチド、それを含む組成物及びそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、代謝調節並びに免疫調節特性を示すポリペプチド、それらをコードする核酸、それらを含む組成物、それらの投与を含む、代謝障害及び/又は免疫関連障害を治療するための方法、代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物を調製する際のそれらの使用に関する。
Description
本発明は、代謝調節並びに免疫調節特性を示す新規なペプチドに関する。より具体的には、本発明は、糖尿病及びその病因に関連する代謝パラメータ、並びにメタボリックシンドロームなどの他の代謝障害、並びに免疫関連障害及び心障害を改善することができる新規なペプチドを提供する。本発明はまた、そのペプチドを含む組成物、それらの投与を含む治療方法、及び前記組成物の調製におけるそれらの使用を対象とする。
この節における検討は、本発明に対して「先行技術」と認定される対象に限定されない。したがって、特定の対象がこの議論に含まれることを理由に、このような先行技術の認定を意味するものでも推論されるものでもなく、このような包含を理由に本発明者の利益に反する宣言を意味するものではない。
本出願全体で言及される全ての刊行物は、そこで引用されている全ての参照文献を含めて、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
炭水化物代謝の障害は、多くの形態で起こる。最も一般的な障害は後天的である。糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧性昏睡、及び低血糖などの炭水化物代謝の後天的又は二次的混乱は全て中枢神経系に影響を及ぼす。また、末梢神経疾患の多数の形態及び異型が糖尿病に見られる。炭水化物代謝の残りの障害は、稀な先天性代謝異常(すなわち、遺伝子欠陥)である。
炭水化物代謝の後天的な障害は、米国おいて及び国際的に非常に一般的である。アルコール依存患者及びインスリンで治療される糖尿病患者の間で、低血糖は、神経系疾患、特に急性の精神荒廃、記憶喪失、失見当識、感覚鈍化及び昏睡の一般的な原因である。他の原因による高インスリン血症は稀であるが、膵腫瘍が原因となることがある。
糖尿病(真性糖尿病)は、最も一般的な内分泌性疾患であって、グルコース代謝の異常を特徴とする。本病と関連する異常なグルコース代謝は過血糖(高い血糖レベル)をもたらし、結局、目、腎臓、神経及び血管を含む複数の器官系の合併症を引き起こす。持続的な過血糖又は異常なグルコース耐性の患者は、通常本疾患と診断されるが、最も一般的には、患者は最初に過度の排尿(多尿)及び極度の渇きによる頻繁な水分補給(多飲)を訴える。これらの代表的な初期症状は、過血糖の浸透効果から生じる。
真性糖尿病の発生病理は、膵機能障害、特に膵臓のランゲルハンス島のベータ細胞の機能障害と一般的に関連している。この機能障害は、グルコース調節ペプチドホルモンであるインスリンを生産する、島ベータ細胞の破壊を引き起こし得る。真性糖尿病は、インスリン非依存性若しくはII型に対して、通常インスリン依存性若しくはI型に分類されている。
糖尿病の主な3形態は以下の通りである:
− I型:身体のインスリン生産障害から生じる。治療は、通常、インスリン投与を含む。
− II型:相対的なインスリン欠乏と合わさった、身体が適切にインスリンを用いることができない状態から生じる。II型糖尿病を起こす運命にある多くの人々は、その人の血糖レベルは正常より高いが、II型糖尿病が診断されるほど十分に高くないときに起こる状態である、糖尿病前症の状態で長年を過ごす。
− 妊娠糖尿病:これまでに糖尿病を起こしたことがないが、妊娠中に高い血糖(グルコース)レベルを有する妊婦は、妊娠糖尿病を有すると言われる。妊娠糖尿病は、全ての妊婦の約4%に影響を及ぼす。それは、II型(又は稀にはI型)の発症に先行することがある。
− 糖尿病の他の多くの形は、これらと別に分類される。例には、インスリン分泌の遺伝子欠損による先天性糖尿病、嚢胞性線維症関連の糖尿病、グルココルチコイドの高用量によって誘発されるステロイド糖尿病、及びいくつかの形の単遺伝子性糖尿病が含まれる。
− I型:身体のインスリン生産障害から生じる。治療は、通常、インスリン投与を含む。
− II型:相対的なインスリン欠乏と合わさった、身体が適切にインスリンを用いることができない状態から生じる。II型糖尿病を起こす運命にある多くの人々は、その人の血糖レベルは正常より高いが、II型糖尿病が診断されるほど十分に高くないときに起こる状態である、糖尿病前症の状態で長年を過ごす。
− 妊娠糖尿病:これまでに糖尿病を起こしたことがないが、妊娠中に高い血糖(グルコース)レベルを有する妊婦は、妊娠糖尿病を有すると言われる。妊娠糖尿病は、全ての妊婦の約4%に影響を及ぼす。それは、II型(又は稀にはI型)の発症に先行することがある。
− 糖尿病の他の多くの形は、これらと別に分類される。例には、インスリン分泌の遺伝子欠損による先天性糖尿病、嚢胞性線維症関連の糖尿病、グルココルチコイドの高用量によって誘発されるステロイド糖尿病、及びいくつかの形の単遺伝子性糖尿病が含まれる。
しかしながら、疾患がよりよく理解されるにつれて、この用語は次第に変化した。例えば、インスリン非依存性糖尿病の一部の患者では、疾患はインスリン依存性形に進行するが、他の患者ではインスリン依存性は生じないことが見出されている。
したがって、しばしば島破壊の発生病理機構の観点から患者は分類され、呼称I型は現在、自己免疫性の島発生病理、すなわち、島特異的な自己免疫性の攻撃に起因する糖尿病を指すために用いられ、本明細書ではそのように用いられる。用語のインスリン依存性糖尿病(IDDM)は、明白な症状を呈するのに十分な、膵臓ベータ細胞の自己免疫性破壊が起こっている段階に進行したI型糖尿病を指す。用語の前IDDMは、生検又は自己免疫応答の分析によって検出することができる自己免疫状態を指し、そこにおいて、膵島ベータ細胞は、一部の細胞が破壊を受けることができる程度で特異的自己免疫性攻撃を受けている。しかしながら、前IDDMでは、破壊(存在するとしても)は、インスリンの投与を必要とするのに十分な程度まで進行していない。I型糖尿病の初期段階に、明白な症状が観察されるが一部の島機能が残っている時点が存在することがあるので(「蜜月期間」として知られる)、全てのI型糖尿病がIDDMに分類されるわけではなく、全ての前IDDMが明白な症状なしで現れるわけではない。
インスリン不足に起因する異常代謝と関連する代謝合併症は、多数の器官系に影響を及ぼすことができる。最も一般的な急性代謝合併症は、重度の過血糖(及び浸透圧利尿の結果として生じる循環血液量減少)並びに過剰な遊離脂肪酸放出及びケトン体の生産によって誘発される代謝性アシドーシスを特徴とする、糖尿病性ケトアシドーシスの合併症である。
ケトアシドーシスの急性代謝合併症に加えて、糖尿病患者は、かなりの罹患率及び早発性死亡率を引き起こす一連の後期合併症に罹りやすい。グルコース及び脂質の代謝異常の結果、アテローム性動脈硬化症は一般集団より糖尿病患者において、より広く及びより早期に起こる。この血管病状は、とりわけ、冠動脈疾患、脳卒中及び壊疽を伴う末梢血管疾患をもたらし得る。網膜症は、糖尿病の別の血管合併症である。糖尿病性網膜症は盲目の主要な原因であって、増殖性網膜症として知られる閉塞、出血、動脈瘤形成及び血管新生に進行し得る、網膜毛細管の透過性増加から開始される。
上述されるように、血糖の細心の調節がI型糖尿病の後期合併症の改善に関連付けられ、ベータ細胞機能の保全又は回復が疾患の大部分の病的合併症を低減又は除去することができることを示唆している。
炭水化物代謝の遺伝性の障害は稀である。ピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)複合体の重度の欠陥及びペントース尿症と呼ばれる良性の化学的異常は、非常に少ない患者において報告されている。
低血糖、糖尿病性ケトアシドーシス、及び高浸透圧性昏睡は、全て潜在的に致命的であるが、可能性としては治療可能な状態である。
炭水化物代謝の障害は、一般的に、他の代謝性疾患と関連し、ともにメタボリックシンドロームを形成する。メタボリックシンドロームは、ともに生じたとき、心血管疾患及び糖尿病を発症する危険性を増加させる内科的疾患の組み合わせである。これは、米国において5人に一人に影響を及ぼし、有病率が加齢に伴って増加する。いくつかの研究では、米国での有病率は人口の推定25%であることが示されている。
本出願において、本発明者らは、代謝指標を高める驚くべき能力を実証し、したがって、代謝障害を被っている患者の状態を改善し、該患者における悪化を妨げ、又はこのような障害の発症を遅延させ若しくはこのような障害に有効な予防を与える新規なペプチドを示す。
したがって、本発明の課題は、本発明のペプチドを提供することである。また、本発明は、該ペプチドを含む組成物、並びに治療薬におけるそれらの使用を提供する。
本発明のこれらの使用及び他の使用、並びに本発明の課題は、記載の進行に従って明らかになる。
第一の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む単離されたポリペプチドを提供する。該ポリペプチドはホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、それぞれ、APC2、PRT10又はUZI#1;APC3、PRT9又はUZI#2;及びAPC4、PRT11又はUZI#3と称されることに留意すべきである。
第二の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含むポリペプチドをコードする配列を含む単離された核酸を提供する。本発明のペプチドの断片の非制限的な例はまた、それぞれ配列番号13、14及び15によって示されることに留意すべきである。
さらに、本発明は、配列番号2、配列番号6又は配列番号10のいずれか1つによって示される核酸配列、又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含む核酸構築物を提供する。構築物は、作動可能に連結される調節エレメントを場合によりさらに含む。さらになお、本発明は、本発明に係る核酸構築物を含む発現ベクター、並びに本発明に係る発現ベクターを用いて形質転換又は形質移入された宿主細胞を提供する。
さらに別の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列を含む組成物を提供する。組成物は、場合により、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む。
さらに、特定の実施形態によれば、本発明は、代謝障害、心障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列、並びに薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む。
さらなる態様において、本発明は、代謝障害、心障害及び免疫関連障害の少なくとも1つを治療し、改善し、予防し又はその発症を遅延させるための方法を提供する。該方法は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、それをコードする核酸配列、これらの任意の組み合わせ若しくは混合物又はこれらを含む任意の組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
さらなる態様において、本発明は、組成物の調製における、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列の使用を対象とする。組成物は、代謝障害、心障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延に適している。
さらに別の態様において、本発明は、免疫関連障害、心障害及び代謝障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延に使用するための単離されたポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、配列番号1、配列番号5又は配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む。
本発明はまた、グルコース代謝を亢進し、耐糖能を増加させ、血漿グルカゴンレベルを減少させ、インスリン受容体発現を誘導し、GLUT−4グルコーストランスポーター発現を増加させ、TNFαの血清レベルを減少させ、IL−1βの血清レベルを減少させるための方法を提供する。該方法は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列、それらの任意の組成物若しくは混合物、又はこれらを含む任意の組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
本発明のこれら及び他の態様は、続く図面によって明らかになる。
本明細書において、本発明は、代謝及び免疫関連パラメータの調節特性を演じる新規なペプチドを提供する。したがって、第一の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む単離されたポリペプチドを提供する。
また、用語「ペプチド」は、本明細書において互換的に「タンパク質」又は「ポリペプチド」とも称される場合があり、アミノ酸残基のポリマーを指し、生成物の最小の長さに限定されるものではない。したがって、ペプチド、オリゴペプチド、二量体、多量体等が定義に含まれる。完全長タンパク質とそれらの断片の両方がこの定義に包含される。これらの用語はまた、ポリペプチドの翻訳後の発現修飾を含み、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などが挙げられる。さらに、本発明の目的のため、「ペプチド」又は「タンパク質」は、タンパク質が所望の活性、すなわち、本明細書に記載されている免疫効果及び/又は代謝効果の誘導、すなわち、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の増加、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、及び血清IL−1βの減少を維持する限り、天然配列に対する修飾、例えば、欠失、付加及び置換(天然において一般的に保存される)を含むペプチドを指す。これらの修飾は、部位特異的変異誘発法を介して意図的であってもよく、又はタンパク質を生成する宿主の変異若しくは該タンパク質をコードする核酸のPCR増幅に起因したエラーを介した付加的なものであってもよい。
用語「単離された」又は「精製された」とは、天然の環境から取り出され、単離される又は分離されるアミノ酸配列などの分子、又はペプチドを指す。したがって、「単離されたペプチド」は精製されたアミノ酸配列である。「実質的に精製された」分子は、天然において会合している他の成分を少なくとも60%含まない、好ましくは少なくとも75%含まない、より好ましくは少なくとも90%含まない。本明細書で使用するとき、用語「精製された」又は「精製すること」はまた、試料から汚染物質を除去することを意味する。
用語「アミノ酸」とは、本明細書で使用するとき、天然に存在するアミノ酸及び合成アミノ酸、並びに天然に存在するアミノ酸と同様に機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸、並びに後に修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、及びO−ホスホセリンである。「アミノ酸類似体」とは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、及びR基に結合したα炭素を有する化合物を指し、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。このような類似体は、修飾R基又は修飾ペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。「アミノ酸模倣体」とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似した形で機能する化学物質を指す。アミノ酸は、本明細書において、IUPAC−IUB生化学命名法委員会によって推奨される、それらの一般的に知られる3文字表記又は1文字表記で呼ぶことができる。
「アミノ酸配列」又は「ペプチド配列」は、ペプチド結合によって接続されたアミノ酸残基がペプチド及びタンパク質の鎖に配置される順序である。配列は、一般的に、遊離アミノ基を含むN末端から遊離カルボキシル基を含むC末端に向かって記載される。アミノ酸配列は、多くの場合、タンパク質の一次構造を表す場合、ペプチド、タンパク質配列と呼ばれるが、しかしながら、用語「アミノ酸配列」又は「ペプチド配列」と「タンパク質」の間を見分ける必要がある。これは、タンパク質が、特定の3次元構造に折り畳まれたアミノ酸配列として定義され、典型的には、リン酸化、アセチル化、グリコシル化、スルフヒドリル結合形成、切断などの翻訳後修飾を受けているからである。
本発明は、特定のペプチドを提供するが、さらにこれらのペプチドの任意の機能的断片を包含することを理解しなければならない。「断片」は、特定領域のアミノ酸配列又はDNA配列の断片を構成する。ペプチド配列の断片は、特定領域よりも短い少なくとも1つのアミノ酸であり、DNA配列の断片は、特定領域よりも短い少なくとも1つの塩基対である。断片は、C末端側若しくはN末端側、又はその両方で切断されていてもよい。アミノ酸断片は、配列番号1の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも27個、又は少なくとも28個のアミノ酸残基、配列番号5の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、少なくとも30個、少なくとも31個、少なくとも32個、少なくとも33個、少なくとも34個、少なくとも35個、少なくとも36個、少なくとも37個、少なくとも38個、少なくとも39個、又は少なくとも40個のアミノ酸残基、及び配列番号9の少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも23個、少なくとも24個、少なくとも24個、少なくとも26個、少なくとも27個、少なくとも28個、少なくとも29個、少なくとも30個、少なくとも31個、少なくとも32個、少なくとも33個、少なくとも34個、少なくとも35個、少なくとも36個、少なくとも37個、少なくとも38個、少なくとも39個、少なくとも40個、少なくとも41個、少なくとも42個、少なくとも43個、少なくとも44個、少なくとも45個、又は少なくとも46個のアミノ酸残基を含んでもよい。
機能的断片の非限定的な例は、それぞれ、配列番号1、5、及び9のペプチドの機能的断片である、配列番号13、14、及び15のペプチドを含む場合がある。より具体的には、配列番号13のペプチドは、配列番号1によって示されるAPC2ペプチドの機能的断片である。別の実施形態において、配列番号14のペプチドは、配列番号5によって示されるAPC3ペプチドの機能的断片である。さらになお、配列番号15のペプチドは、配列番号9によって示されるAPC4ペプチドの機能的断片である。
分子の「類似体」は、同種由来又は異種由来の相同性分子であり得る。少なくとも1つの残基が欠失、挿入又は置換されている場合、類似体又は誘導体のアミノ酸配列は元の配列と異なってもよい。
さらになお、本発明は、本発明のアミノ酸配列の誘導体に関する。本発明のアミノ酸配列の誘導体は、例えば、アミノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基又はカルボキシル基などの官能基が誘導体化されている場合、例えば、それぞれ、グリコシル化、アシル化、アミド化又はエステル化される。グリコシル化された誘導体において、オリゴ糖は、通常、アスパラギン、セリン、スレオニン及び/又はリシンに連結される。アシル化誘導体は、特に、天然に存在する有機酸又は無機酸、例えば、酢酸、リン酸又は硫酸によってアシル化され、アシル化は、それぞれ、特にチロシン又はセリンのN末端のアミノ基、又はヒドロキシ基で起こる。エステルは、天然に存在するアルコールのエステル、例えば、メタノール又はエタノールのエステルである。さらなる誘導体は、塩、特に、薬学的に許容される塩であり、例えば、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩などの金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩若しくは亜鉛塩、又は低級アルキルアミン、例えば、トリエチルアミン、ヒドロキシ−低級アルキルアミン、例えば2−ヒドロキシエチルアミンなどのアンモニア若しくは適切な有機アミンを用いて形成されるアンモニウム塩などである。
用語「挿入」とは、本明細書で使用するとき、本発明の配列へのアミノ酸残基の任意の付加、1〜50個のアミノ酸残基、具体的には20〜1個のアミノ酸残基、より具体的には1〜10個のアミノ酸残基の付加を意味することを理解しなければならない。最も具体的には、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、及び10個のアミノ酸残基である。さらに、本発明のアミノ酸配列は、そのN末端及び/又はC末端で様々な同一又は異なるアミノ酸残基を用いて伸長されてもよい。
アミノ酸の「置換」は、1つのアミノ酸を、類似の構造及び/又は化学的特性を有する別のアミノ酸で置換した結果であり、すなわち、保存的アミノ酸置換である。アミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性、及び/又は両親媒性における類似性に基づいて行うことができる。例えば、非極性(疎水性)アミノ酸には、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン、及びメチオニンが挙げられ;極性中性アミノ酸には、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、及びグルタミンが挙げられ;正に帯電した(塩基性)アミノ酸には、アルギニン、リシン、及びヒスチジンが挙げられ;負に帯電した(酸性)アミノ酸には、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。
アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされた配列における1個のアミノ酸又はごく一部のアミノ酸を変更し、付加し又は欠失させる、アミノ酸、核酸、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質配列への個々の置換、欠失、又は付加は「保存的に修飾された改変」であり、変更がアミノ酸を化学的に類似したアミノ酸を用いた置換をもたらすことを当業者は認識する。機能的に類似したアミノ酸を示す保存的置換表は当該技術分野において周知である。このような保存的に修飾された改変体は、付加的であり、本発明の多型改変体、種間相同体、及び対立遺伝子を排除するものではない。
例えば、置換が行われてもよく、ここで、脂肪族アミノ酸(G、A、I、L、若しくはV)は、その基の別のメンバーで置換されもよく、又は置換は、例えば別の極性残基による1つの極性残基の置換、例えば、リシンによるアルギニンの置換、アスパラギン酸によるグルタミン酸の置換、若しくはアスパラギンによるグルタミンの置換である。以下の8つのグループの各々は、互いに保存的置換である他の代表的なアミノ酸を含む:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);及び
8)システイン(C)、メチオニン(M)。
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);及び
8)システイン(C)、メチオニン(M)。
保存的核酸置換は、上記で定義される保存的アミノ酸置換をもたらす核酸置換である。
本発明のアミノ酸配列の改変体は、配列番号1、5及び9として示されるペプチドのいずれか1つと、それぞれ、アミノ酸レベルで少なくとも80%の配列類似性、しばしば少なくとも85%の配列類似性、90%の配列類似性、又は少なくとも95%、96%、97%、98%、若しくは99%の配列類似性を有してもよい。
本発明は、配列番号1、5及び9として示されるアミノ酸配列のいずれかの機能的断片、誘導体又は類似体に関することが理解される。本明細書で使用するとき、用語「機能的断片」、「機能的誘導体」又は「機能的類似体」とは、定義された機能的アッセイを介して同定される生物学的機能又は活性を有するアミノ酸配列を指す。より具体的には、定義された機能的アッセイは、本発明のペプチドによって影響が及ぼされるパラメータ、すなわち、耐糖能、血漿グルカゴンレベル、インスリン受容体発現、GLUT−4グルコーストランスポーターの発現及びTNFαとIL−1βの血清レベルのいずれかについてのアッセイである。
一実施形態によれば、本発明の単離されたポリペプチドは、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC2、PRT10又はUZI#1とも称される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、ヒトの白血球及び心臓の少なくとも1つにおいて発現される。
「発現」は、本明細書では、mRNA及びポリペプチドへの遺伝子の転写及び/又は翻訳のプロセスとして解釈される。より具体的には、特定の組織又は複数の組織におけるペプチドの発現に言及する場合、該転写産物及び/又はペプチドが機能的である、すなわち、関連する効果を誘導する有意な量で発現されることを意味する。
他の実施形態によれば、本発明の単離されたポリペプチドは、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC3、PRT9又はUZI#2とも称される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、ヒトの脾臓、睾丸、小腸、結腸及び腎臓の少なくとも1つにおいて発現される。
さらなる実施形態によれば、本発明の単離されたポリペプチドは、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC4、PRT11又はUZI#3とも称される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、ヒトの脾臓、睾丸、結腸、小腸、白血球、心臓、胎盤、肝臓、腎臓及び膵臓の少なくとも1つにおいて発現される。
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、ホルモン様分泌ペプチドであってもよい。
以下の実施例によって示されるように、本発明のペプチドは、以下の少なくとも1つを行うことができる:耐糖性を増加させ、血漿グルカゴンレベルを減少させ、インスリン受容体の発現を増加させ、GLUT−4グルコーストランスポーターの発現を増加させ、TNFαの血清レベルを減少させ、及び血清IL−1βを減少させることができる。
一般的に、使用する場合、増加、上昇又は改善なる用語は、例えば、特定の化合物の血清レベルに言及される値、プロセス、現象又は表現型における増加、上昇又は改善の誘導を指す。該増加、上昇又は改善はまた、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、約100%、又はさらにそれ以上であってもよい。
用語「阻害」又は「阻害すること」は、本明細書で使用するとき、プロセス、現象又は表現型を少なくとも約1%〜100%、約5%〜95%、約10%〜90%、約15%〜85%、約20%〜80%、約25%〜75%、約30%〜70%、約35%〜65%、約40%〜60%、又は約45%〜55%の制限、遅延、低下、減少又は低減を意味する。また、プロセス、現象又は表現型の該制限、遅延、低下、減少又は低減はまた、少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は約100%であってもよい。
したがって、特定の実施形態において、本発明のペプチドは、免疫関連障害又は代謝障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延に有効であり得る。
特定の実施形態において、本発明のペプチドは、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はその発症の遅延に効果的である。より具体的には、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかは、異常リポ蛋白血症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL−コレステロール)、肥満症、NIDDM(非インスリン依存性糖尿病)、IGT(耐糖能異常)、血液凝固、血液線維素溶解不良及び高血圧のうちの少なくとも1つであってもよい。
他の実施形態において、本発明のペプチドは、それを必要とする対象において、Th1/Th2、Th3細胞バランスを調節することができる。
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは免疫調節性である。本明細書で使用するとき、用語「調節する」又は「調節すること」、例えば、免疫応答又は状態を調節することは、特定の条件下で対照又は活性若しくは応答の正常若しくはベースラインレベルと比較して、活性若しくは応答の増加又は減少を包含する。また、通常、ペプチド又は応答の活性レベルを増加又は減少させる条件下で活性又は応答のレベルを維持することを包含し得る。
ある特定の実施形態において、本発明のペプチドは、抗炎症性Th2、Th1/Th3応答に向かうTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節することができ、望ましくない不平衡な炎症促進性Th1反応を有する免疫関連障害に特に適用可能である。例えば、このような免疫関連障害は、自己免疫疾患、移植片拒絶病状及び炎症性疾患であってもよい。
本発明は、代謝調節特性を有する新規なペプチドを提供する。したがって、さらに、本発明はまた、本発明によって提供される核酸配列、及び上記アミノ酸配列をコードする核酸配列に関することが理解されなければならない。
したがって、第二の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5又は配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、並びにその任意の断片、誘導体及び類似体を含むポリペプチドをコードする配列を含む単離された核酸分子を提供する。
本明細書で使用するとき、用語「核酸」は、一本鎖又は二本鎖のいずれかであってもよいヌクレオチドのポリマーを指し、それはポリヌクレオチドであり、例えばデオキシリボ核酸(DNA)、適切な場合にはリボ核酸(RNA)である。これらの用語はまた、同等物として、ヌクレオチド類似体から作られたRNA又はDNAの類似体、並びに、記載された実施形態に適用可能である場合、一本鎖(例えば、センス又はアンチセンス)、及び二本鎖ポリヌクレオチドを含むものとして理解されるべきである。本明細書で使用される用語DNAはまた、cDNA、すなわち、逆転写酵素(RNA依存性DNAポリメラーゼ)の作用によってRNA鋳型から生成される相補性又はコピーDNAを包含する。
いくつかの実施形態によれば、本発明の単離された核酸分子は、配列番号2によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号1によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC2、PRT10又はUZI#1とも称される。
他の実施形態によれば、本発明の単離された核酸分子は、配列番号6によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号5によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC3、PRT9又はUZI#2とも称される。
さらなる実施形態によれば、本発明の単離された核酸分子は、配列番号9によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号10によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC4、PRT11又はUZI#3とも称される。
特定の実施形態によれば、さらに、本発明は、遺伝子コードの縮重のためにコドン配列において、配列番号2、6及び10のいずれか1つによって示される核酸分子と異なるだけである単離された核酸分子を提供する。
遺伝子コードの変性により、複数の異なる核酸配列が、本発明のアミノ酸配列をコードするために使用され得ることは明らかである。本発明の核酸配列に含まれるコドンは、任意の特異的な宿主細胞における発現、好ましくは多量の所望のペプチド、最も好ましくは商業的な量の該ペプチドを発現することができる宿主細胞における発現について最適化(コドン最適化)され得ることが理解されなければならない。
用語「コドン最適化」は、様々な宿主の形質転換のための核酸分子の遺伝子又はコード領域を指すとき、DNAによってコードされるポリペプチドを変化させることなしに、宿主生物の典型的なコドン使用を反映する核酸分子の遺伝子又はコード領域におけるコドンの変化を意味する。
さらに、本発明は、本発明によって提供される核酸配列の任意の誘導体、変異体、断片又はホモログを含むことを理解しなければならない。具体的には、本発明の方法、組成物及び使用によって用いることができる核酸配列の類似体又は誘導体は、少なくとも1つの変異、点変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、欠失、挿入又は再配列を含んでもよい。
本発明に係る配列の核酸断片は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも60個、少なくとも70個、少なくとも80個、少なくとも90個、少なくとも100個、少なくとも101個、少なくとも102個、少なくとも103個、少なくとも104個若しくは少なくとも121個、又はさらにはそれ以上の核酸を含んでもよい。
第三の態様において、本発明は、配列番号2、配列番号6若しくは配列番号10のいずれか1つによって示される核酸配列、又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含む核酸構築物を提供する。構築物は、場合により、作動可能に連結された調節エレメントをさらに含む。
「構築物」は、本明細書で使用するとき、宿主のゲノムにDNA断片を組み込むことができるプラスミド、ウイルス、バクテリオファージ、組み込み可能なDNA断片、及び他のビヒクルなどのベクターを包含する。
さらになお、本発明はまた、本発明に係る核酸構築物を含む発現ベクターを提供する。
発現ベクターは、典型的には、所望の遺伝子又はその断片、及び、適切な宿主細胞において認識され、所望の遺伝子の発現をもたらす作動可能に連結された遺伝子調節エレメントを含む自己複製DNA又はRNA構築物である。これらの調節エレメントは、適切な宿主内で発現をもたらすことができる。一般に、遺伝子調節エレメントは、原核生物プロモーターシステム又は真核生物プロモーター発現調節システムを含むことができる。これは、典型的には、転写プロモーター、転写の開始を調節するための任意のオペレーター、RNA発現レベルを上昇させるための転写エンハンサー、適切なリボソーム結合部位をコードする配列、RNAスプライス接合部、転写及び翻訳を終結させる配列などを含む。発現ベクターは、通常、ベクターが宿主細胞から独立して複製することを可能にする複製起点を含む。
ベクターは、適切な制限部位、抗生物質耐性又はベクター含有細胞の選択のための他のマーカーをさらに含んでもよい。プラスミドは、最も一般的に使用されるベクターの形態であるが、同等の機能を果たし、当該技術分野で公知である又は公知となる他の形のベクターが本明細書における使用に適している。例えば、参照により本明細書に組み込まれるPouwelsら、Cloning Vectors:a Laboratory Manual(1985及び付録)、Elsevier、N.Y.;及びRodriguezら(編)、Vectors:a Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses、Buttersworth、Boston、Mass(1988)を参照されたい。
さらなる態様において、本発明は、本発明に係る発現ベクターを用いて形質転換又は形質移入された宿主細胞を対象とする。
「細胞」、「宿主細胞」又は「組換え宿主細胞」は、本明細書において互換的に用いられる用語である。このような用語は、特定の対象の細胞だけでなく、このような細胞の子孫又は潜在的な子孫も指すことが理解される。特定の修飾が変異又は環境の影響のいずれかにより後続世代において生じ得るため、このような子孫は、実際には、親細胞と同一ではない場合があるが、なおも本明細書において使用される用語の範囲内に含まれる。
「宿主細胞」とは、本明細書で使用するとき、裸のDNA、又は組換えDNA技術を用いて構築された発現ベクターを用いて組換え的に形質転換され得る細胞を指す。薬物耐性又は他の選択マーカーは、部分的には、形質転換体の選択を促進するために意図される。さらに、薬物耐性マーカーなどの選択マーカーの存在は、培地における増幅から微生物汚染を防ぐのに有用であり得る。形質転換された宿主細胞のこのような純粋培養物は、生存のために誘導された表現型を要求する条件下で細胞を培養することによって得られる。
本発明の宿主細胞は、本発明のペプチドを発現させるために、本明細書に記載されている発現ベクターを用いて形質転換又は形質移入される。「形質転換」とは、本明細書で使用するとき、細胞の遺伝子型が外因性DNA又はRNAの細胞取り込みの結果として変化するプロセスを指し、例えば、形質転換細胞は、本発明のペプチドの少なくとも1つの組換え形態を発現する。用語「形質移入」は、例えば、核酸を媒介とした遺伝子移入による、裸のDNA又は発現ベクターのレシピエント細胞への導入を意味する。
なお別の態様において、本発明は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列を含む組成物を提供する。組成物は、場合により、薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む。
種々の実施形態において、本発明の組成物に含まれるポリペプチドは、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC2、PRT10又はUZI#1とも称される。
多数の実施形態において、本発明の組成物に含まれるポリペプチドは、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC3、PRT9又はUZI#2とも称される。
さらなる実施形態において、本発明の組成物に含まれるポリペプチドは、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。該ポリペプチドは、ホルモン様タンパク質であり、また、本明細書において、APC4、PRT11又はUZI#3とも称される。
実施例において実証されるように、本発明のペプチド、したがって、これを含む組成物もまた、グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、及びIL−1βの血清レベルの減少のうちの少なくとも1つをもたらすことができる。理解され得るように、本発明のペプチド及び組成物は、抗炎症性及び代謝的に好ましい効果を与える。この効果は、糖尿病及びメタボリックシンドロームに関連する合併症などの免疫関連代謝性疾患の治療又は予防に特に適切であり得る。
本発明のペプチド及び組成物の有益な効果を利用するために、投与に適した組成物が必要とされる。したがって、いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、代謝障害、心障害及び免疫関連障害の少なくとも1つを治療し、改善し、予防し又はその発症を遅延させるための医薬組成物である。
特定の実施形態によれば、本発明の医薬組成物は、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防若しくはその発症の遅延を目的とする。
特定の実施形態において、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかが、異常リポ蛋白血症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL−コレステロール)、肥満症、NIDDM(非インスリン依存性糖尿病)、IGT(耐糖能異常)、血液凝固、血液線維素溶解不良及び高血圧のうちの少なくとも1つを含んでもよいことは留意されるべきである。
より具体的には、本明細書に示されるように、「代謝障害」の一例はメタボリックシンドロームである。メタボリックシンドロームは、以下を含むヒトの代謝危険因子のグループによって特徴付けられる:腹部肥満(腹部内及び腹部周囲の過剰な脂肪組織);アテローム脂質異常症(血中脂質障害−高トリグリセリド、低HDLコレステロール及び高LDLコレステロール−動脈壁においてプラーク蓄積を促進する);血圧上昇;インスリン抵抗性又は耐糖能異常;前血栓状態(例えば、血中の高フィブリノーゲン若しくはプラスミノーゲン活性化因子阻害剤1);及び炎症促進状態(例えば、血中の上昇したC反応性タンパク質)。メタボリックシンドロームの人々は、動脈壁のプラーク蓄積に関連した冠動脈性心疾患及び他の疾患(例えば、脳卒中及び末梢血管疾患)並びに2型糖尿病の危険性が増大した状態にある。
上述したように、メタボリックシンドロームは、併発する場合、心血管疾患及び糖尿病を発症する危険性を増加させる医学的障害の組み合わせである。いくつかの研究によれば、米国における有病率は人口の25%であると推定されることが示されている。本明細書において先に示したように、この症候群には多くの異なる医学的基準があるが、一般的には、以下の異常な医学的パラメータの1つ以上を含み得る:中心性肥満の増大、脂質異常症(例えば、高トリグリセリドレベル及び/又は低HDL−Cレベルにおいて見られる)、高血圧症、高い空腹時血漿グルコース、微量アルブミン尿、及び高hs−CRPレベル。
メタボリックシンドロームの複雑経路の正確なメカニズムはまだ完全には分かっていない。病態生理は非常に複雑であり、部分的に解明されているだけである。ほとんどの患者は高齢であり、肥満であり、座りがちであり、及びある程度のインスリン抵抗性を有する。ストレスもまた要因となり得る。最も重要な因子は、体重、遺伝学、内分泌疾患、例えば、出産可能な年齢の女性では多嚢胞性卵巣症候群、加齢及び座りがちな生活スタイル、すなわち、低い身体的活動と過剰なカロリー摂取である。肥満若しくはインスリン抵抗性がメタボリック症候群の原因であるかどうか、又はそれらがより広範囲にわたる代謝異常の結果であるかどうかについては議論がある。C反応性タンパク質を含む全身性炎症の多数のマーカーはしばしば増加し、フィブリノーゲン、インターロイキン6(IL−6)、腫瘍壊死因子−α(TNF −α)などが挙げられる。中には、飲食物の果糖に起因する尿酸レベルの増加を含む様々な原因を指摘する者もいる。内臓脂肪の増加であるとよく言われ、その後、内臓脂肪の脂肪細胞(adipocyte)(脂肪細胞(fat cell))はTNF−αの血漿レベルを増加させ、多数の他の基質(例えば、アディポネクチン、レジスチン、PAI−1)のレベルを変化させる。TNF−αは、炎症性サイトカインの産生を引き起こすだけでなく、おそらくは、インスリン抵抗性をもたらす場合があるTNF−α受容体との相互作用による細胞シグナル伝達を誘発することも示されている。慢性炎症は、高血圧、アテローム性動脈硬化症及び糖尿病の危険性の増加に寄与する。
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、II型糖尿病、I型糖尿病又はいずれかの糖尿病関連の状態の治療、改善、予防又はその発症の遅延に適切である。世界保健機関は、真性糖尿病の3つの主要な形態:1型、2型、及び妊娠性糖尿病(妊娠期間中に発症する)を認識し、これらの形態は、異なる原因と人口分布を有する。一方、最終的に、全ての形態は、高血糖症を予防するのに十分なインスリンを産生することができない膵臓のβ細胞によるものであり、原因は様々である。1型糖尿病は、通常、膵β細胞の自己免疫破壊によるものである。2型糖尿病は、標的組織におけるインスリン抵抗性によって特徴付けられ、これは、異常に高いインスリン量の必要性を引き起こし、β細胞がこの要求を満たすことができない場合に糖尿病を発症する。妊娠性糖尿病は、2型糖尿病に類似し、インスリン抵抗性を伴い、妊娠中のホルモンが、遺伝的にこの状態を発症しやすい女性においてインスリン抵抗性を引き起こすことがある。
疾患が十分に調節されていない場合、糖尿病の急性合併症(低血糖症、ケトアシドーシス又は非ケトン性高浸透圧性昏睡)が発生することがある。深刻な長期合併症には、心血管疾患(2倍の危険性)、慢性腎不全、網膜損傷(失明に至る可能性がある)、神経損傷(いくつかの種類がある)、及びインポテンス及び治癒不良を引き起こす場合がある微小血管損傷が含まれる。特に足の創傷治癒の不良は、切断を必要とする場合がある壊疽をもたらす可能性がある。
また、本発明者らは、血糖の上昇と関連した危険性を認識し、本発明の組成物が、配列番号1及び9として示される配列を含むペプチド、その任意の断片、誘導体若しくは類似体、又はそれをコードする核酸配列、その任意の組み合わせ若しくは混合物又はそれを含む任意の組成物の少なくとも1つを含む実施形態を検討する。
グルコース代謝を亢進し、耐糖能を増加させるこのような組成物は、血清グルコースレベルの低下をもたらす可能性がある。
より具体的には、組成物は、心障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物であってもよい。心障害は、心疾患及び心血管疾患なる用語と互換可能に使用され得る一般的な用語である。心障害は、心臓の正常な機能を阻害する任意の種類の疾患を指す。より具体的には、本明細書において心障害を含む障害としては、限定されないが、冠動脈性心疾患、心筋症、心血管疾患、虚血性心疾患、心不全、高血圧性心疾患、炎症性心疾患及び心臓弁膜症が挙げられる。
他の実施形態によれば、医薬組成物は、それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3の細胞バランスを調節する。
特定の実施形態において、本発明の医薬組成物は、免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする。「免疫関連障害」は、免疫系の活性化又は阻害のいずれかを介して、対象の免疫系と関連している状態、又は適応反応若しくは先天性免疫応答などの対象における免疫応答の特定の成分を標的とすることによって治療され、予防され若しくは診断され得る状態である。
免疫関連障害の例としては、限定されないが、潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸疾患(IBD)、円形脱毛症、狼瘡、強直性脊椎炎、メニエル病、抗リン脂質症候群、混合性の結合組織疾患、自己免疫性アジソン病、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、重症筋無力症、自己免疫性肝炎、尋常性天疱瘡、ベーチェット病、悪性貧血、水疱性類天疱瘡、結節性多発動脈炎、心筋症、多発性軟骨炎、セリアックスプルー皮膚炎、多腺性症候群、慢性疲労症候群(CFIDS)、リウマチ性多発筋痛症、慢性炎症性脱髄性の多発性筋炎及び皮膚筋炎、慢性炎症性多発ニューロパシー、原発性無ガンマグロブリン血症、チャーグ−ストラウス症候群、原発性胆汁性肝硬変、瘢痕性類天疱瘡、乾癬、クレスト症候群、レイノー現象、寒冷凝集素病、ライター症候群、リウマチ熱、円板状狼瘡、関節リウマチ、本態性、混合性クリオグロブリン血症サルコイドーシス、線維筋痛症、強皮症、グレーブス病、シェーグレン症候群、ギラン−バレー、全身硬直症候群、橋本甲状腺炎、高安動脈炎、特発性肺線維症、一時的な動脈炎/巨細胞動脈炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎障害、ブドウ膜炎、インスリン依存性糖尿病(I型)、血管炎、扁平苔癬、及び白斑が挙げられる。本明細書に記載される組成物及び送達システムは、対象に投与して、上記の疾患と関連がある異常な又は望ましくない免疫応答と関連する障害を治療又は予防することができる。
本発明の医薬組成物は、少なくとも1つの追加の治療薬をさらに含んでもよいことが理解される。
いくつかの実施形態によれば、治療薬は、免疫調節剤又は代謝調節剤であってもよい。より具体的には、薬剤は、抗炎症剤又は抗糖尿病剤であってもよい。
用語「代謝調節剤」は、解糖、糖新生、脂肪分解、脂質生成、酸化的リン酸化、エネルギーバランス、代謝シグナル伝達などの代謝過程との関連において、特定の条件下で、対照又は活性若しくは反応の通常レベル若しくはベースラインレベルと比較した、活性又は反応の増加若しくは減少に関する。また、ペプチドの活性化又は反応のレベルを正常に増加又は減少させる条件下で活性又は反応のレベルを維持することも包含することができる。
上述されるように、本発明のペプチドは、驚くべきことに、代謝及び免疫調節効果を発揮するため、本発明は、さらに、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つで示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列、及び薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
語句「医薬組成物」とは、本明細書で使用するとき、生理学的に好適な担体及び賦形剤などの他の化学成分を有する、本明細書に記載されている有効成分の1つ以上の調製物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を促進することである。
本明細書で使用するとき、用語「有効成分」とは、意図された生物学的効果をもたらす要因となる本発明のペプチドを指す。本発明に係るペプチドをコードするポリヌクレオチド(そのままであるか又は組成物の一部である)は、対象に直接投与されてもよいことは理解され、この場合、該ポリヌクレオチドは、標的細胞に、すなわち遺伝子治療によって翻訳される。したがって、語句「有効成分」はまた、このようなポリヌクレオチドを含む。
本明細書で使用するとき、「薬学的に許容される担体」には、任意の及び全ての溶媒、分散媒、被覆剤、抗菌剤及び抗真菌剤などが含まれる。医薬活性物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は当該技術分野において周知である。任意の従来の媒体又は薬剤が有効成分と不適合である場合を除き、治療組成物におけるその使用が意図される。
担体は、他の成分と適合し、患者に有害でないという意味において、薬学的に及び生理学的に許容されるべきである。製剤には、経口、直腸、経鼻、又は非経口(皮下、筋内、静脈内及び皮内を含む)投与に適したものが挙げられる。製剤は、好都合には、単位剤形で示されてもよく、薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製されてもよい。患者において所望の効果を生じさせるのに必要な有効量を含むこのような全ての化合物の性質、利用可能性及び供給源、並びに投与は、当該技術分野において周知であり、本明細書においてさらに説明する必要はない。
本発明の経口剤形に使用し得る賦形剤としては、限定されないが、結合剤、充填剤、崩壊剤、及び潤滑剤が含まれる。医薬組成物及び剤形における使用に適した結合剤としては、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン又は他のデンプン、トラガカントゴム又はゼラチン、天然及び合成ゴム、例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸、他のアルギン酸塩、粉末化トラガカント、グアーガム、セルロース及びその誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、ポリビニルピロリジノン、メチルセルロース、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。
本明細書に開示されている医薬組成物及び剤形における使用に適した充填剤の例としては、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム(例えば、顆粒又は粉末)、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストレート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の医薬組成物及び剤形における結合剤又は充填剤は、典型的には、医薬組成物又は剤形の約50から約90重量パーセントで存在する。
崩壊剤は、水性環境に曝露されたときに崩壊する錠剤を提供するために、本発明の医薬組成物及び経口又は経粘膜剤形において使用することができる。非常に多い崩壊剤を含む錠剤は、保存中に崩壊する可能性があり、一方、非常に少ない崩壊剤を含む錠剤は、所望の速度で又は所望の条件下で崩壊しない可能性がある。
したがって、多すぎ及び少なすぎて有効成分の放出を有害に変化させない十分量の崩壊剤を用いて、本明細書に記載されている医薬組成物及び固体経口剤形を形成しなければならない。使用される崩壊剤の量は、製剤の種類に基づいて変化し、当業者には容易に認識され得る。
本発明の医薬組成物及び経口又は経粘膜剤形に使用することができる崩壊剤としては、限定されないが、寒天、アルギン酸、炭酸カルシウム、プリモゲル、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、トウモロコシ、ジャガイモ又はタピオカデンプン、他のデンプン、アルファ化デンプン、他のデンプン、クレイ、他のアルギン、他のセルロース、ガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明の医薬組成物及び剤形に使用できる潤滑剤としては、限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム又はステロート(Sterote)、鉱物油、軽鉱物油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、ピーナッツ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、及び大豆油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、寒天、及びこれらの混合物が挙げられる。追加の潤滑剤としては、例えば、シロイド(syloid)シリカゲル (AEROSIL 200、Baltimore、Md.のW.R.Grace Co.によって製造されている)、合成シリカの凝固エアロゾル(Plano、Tex.のDegussa Co.によって製造されている)、CAB−O−SIL03(Boston、Mass.のCabot Co.による焼成二酸化ケイ素製品)、及びこれらの混合物を含む。いずれにせよ使用するとき、潤滑剤は、典型的には、これらが組み込まれる医薬組成物又は剤形の約1重量%未満の量で使用される。コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤を用いることもできる。
本発明のペプチドを含む医薬組成物は、非経口投与、すなわち、腹腔内(i.p.)、皮下(s.c.)、筋内(i.m.)及び静脈内(i.v.)、並びに経口及び局所適用に有用である。非経口投与のための組成物は、一般に、許容される担体、好ましくは水性担体に溶解に溶解されたペプチド又はこれらのカクテルの溶液を含む。様々な水性担体を用いることができ、例えば、水、緩衝水、0.4%生理食塩水、0.3%グリシンなどが挙げられる。これらの溶液は無菌であり、一般的には粒子状物質を含まない。組成物は、生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えば、pH調整剤及びpH緩衝剤、毒性調整剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムを含んでもよい。これらの製剤中の本発明のペプチドの濃度は、幅広く変化してもよく、すなわち、約0.01重量%未満、通常は少なくとも約0.1%重量から5重量%程度まで変化してもよく、選択される投与の特定の様式に従って、主に、流体体積、及び粘度に基づいて選択される。
より具体的には、本発明のペプチドを含む注射可能な組成物は、水、生理食塩水、等張食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、クエン酸緩衝生理食塩水などに調製されてもよく、場合により、非毒性界面活性剤と混合してもよい。保存及び使用の通常の条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含んでもよい。注射又は注入に適した医薬剤形は、散剤が滅菌注射用若しくは注入用溶液又は分散物の即時調製に適合した有効成分を含む滅菌水溶液若しくは分散物又は滅菌散剤を含む。好ましくは、最終的な剤形は、製造及び保存の条件下で、滅菌流動性及び安定である。溶液、懸濁液又は分散液の液体担体又はビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、又は液体ポリエチレングリコールなど、植物油、非毒性グリセリルエステル、及びこれらの適した混合物を含む溶媒又は液体分散媒であってもよい。溶液、懸濁液又は分散液の適切な流動性は、例えば、リポソームの形成によって、分散物の場合には必要な粒径の維持によって、又は非毒性界面活性剤の使用によって維持され得る。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。等張剤、例えば、糖、緩衝剤又は塩化ナトリウムを含めてもよい。注射用組成物の長期吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムハイドロゲル及びゼラチンの組成物に含めることによってもたされ得る。溶解性促進剤を添加してもよい。
滅菌注射用組成物は、種々の他の成分、例えば、上記で列挙されたものとともに、適切な溶媒中で所望の量の本発明のペプチドを組み込み、その後、必要に応じて、滅菌、例えば濾過滅菌によって調製され得る。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌散剤の場合において、調製方法は、有効成分の粉末プラス予め滅菌濾過した溶液中に存在する任意の付加的な所望の成分を得る真空乾燥及び凍結乾燥技術を含む。任意の適切な滅菌プロセスを用いてもよく、例えば、濾過滅菌、例えば0.22ミクロンフィルター又はナノ濾過、ガンマ線又は電子線滅菌が挙げられる。
様々な実施形態において、最終溶液は、pHが約4〜約9、約5〜約7、約5.5〜約6.5、又は約6になるように調整される。組成物のpHは、薬学的に許容される酸、塩基又は緩衝液を用いて調整されてもよい。
さらになお、本発明の組成物は、用量あたり所定量の各有効成分を含む単位剤形で提供されてもよい。このような単位は、本発明のペプチドの0.1〜100mg/Kg体重を提供するように適合されてもよい。具体的には、0.1〜10mg/Kg、5〜15mg/Kg、10〜30mg/Kg、25〜50mg/Kg、40〜80mg/Kg又は60〜100mg/Kgのいずれかである。より具体的には、前記有効用量は、約0.01〜約100mg/Kgペプチド、約0.1〜約90mg/Kg、約0.3〜約8mg/Kg、約0.4〜約70mg/Kg、約0.5〜約60mg/Kg、約0.7〜約50mg/Kg、約0.8〜約40mg/Kg、約0.9〜約30mg/Kg、約1〜約20mg/Kg、具体的には約1〜約10mg/Kgである。このような用量は、単回投与又は多数回の個別の用量において提供することができる。最終的な用量は、当然に、治療される条件、投与経路、並びに患者の年齢、体重及び状態に基づき、医師の裁量である。
上述したように、非経口経路に加えて、本発明の組成物は、任意の他の適した経路による投与、例えば、経口(口腔又は舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下若しくは経皮を含む)又は膣経路による投与に適合されてもよい。このような製剤は、製薬の当該技術分野において知られている任意の方法によって、例えば、有効成分と担体(単数若しくは複数)又は賦形剤(単数若しくは複数)を会合させることによって調製されてもよい。
経口投与に適合された医薬製剤は、カプセル剤又は錠剤、散剤又は顆粒、水性若しくは非水性液体の溶液又は懸濁液、食用泡又はホイップ、或いは水中油型液体エマルジョン又は油中水型液体エマルジョンなどの個別の単位として提供されてもよい。
経皮投与に適合された医薬製剤は、長期間、レシピエントの表皮と密接に接触して保持させることを意図した個別のパッチとして提供されてもよい。
局所投与に適合された医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾル又は油として処方されてもよい。
眼又は他の外部組織、例えば口及び皮膚への適用のために、製剤は、好ましくは局所軟膏又はクリームとして適用される。軟膏に処方される場合、有効成分は、パラフィン又は水混和性軟膏基剤のいずれかとともに用いられてもよい。或いは、有効成分は、水中油型クリーム基剤又は油中水型基剤とともにクリームに処方されてもよい。
眼への局所投与に適合された医薬製剤は、有効成分が適切な担体、特に水性溶媒に溶解又は懸濁している点眼剤を含む。
口腔内の局所投与に適合された医薬製剤は、舐剤、トローチ剤及び洗口剤を含む。
皮膚への局所投与に適合した医薬製剤は、本発明のペプチドを含む軟膏、クリーム、懸濁液、ペースト、ローション、粉末、溶液、油、カプセル化されたゲル、リポソーム、該ペプチドを含む任意のナノ粒子、又は該ペプチドを含む噴霧可能なエアロゾル若しくは蒸気を含む。従来の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などを必要とし又は望んでもよい。用語「局所的に適用される」又は「局所的に投与される」とは、軟膏(ointment)、クリーム、皮膚軟化剤、香油、ローション、溶液、軟膏(salve)、軟膏(unguent)、又は他の任意の医薬形態が、例えば、糖尿病関連皮膚障害などの治療される状態の1つ以上の症状である、若しくは症状であった、症状によって影響を受けた、若しくは症状を示す、又は症状を示した患者の皮膚のその部分の皮膚の一部又は全体に適用されることを意味する。
特定の実施形態において、皮膚障害、具体的には糖尿病に関連した皮膚潰瘍の治療のための本発明のペプチドの投与は、局所包帯によるものであってもよい。用語「包帯」とは、典型的には、布、織物、合成膜、ガーゼなどから構成される、創傷又は手術部位用の被覆を意味する。これは、通常、皮膚の領域を覆うポリマー含有マトリックスである。包帯は、皮膚と密接に接触してもよく又は密接に接触しなくてもよい。これは、例えば、布若しくはガーゼであってもよく、又は皮膚上に塗布若しくは噴霧されるポリマー溶液であってもよく、該ポリマーは、溶媒が蒸発し及び/又はポリマーが架橋する場合には皮膚上で固化する。また、包帯は、ゲル、典型的には架橋されたハイドロゲルを含み、これらは、主に、創傷、手術部位などを覆い、保護することが意図される。
直腸投与に適合された医薬製剤は、坐剤又は浣腸剤として提供されてもよい。
担体が固体である経鼻投与に適合された医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末を含み、嗅ぎ薬を取り入れるように、すなわち、鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻腔を介して急速に吸入することによって投与される。鼻スプレー又は点鼻剤として投与するための、担体が液体である適切な製剤は、有効成分の水性溶液又は油性溶液を含む。
吸入による投与に適合された医薬製剤は、様々な種類の定量加圧型エアロゾル、噴霧器又は吸入器によって生成され得る微粒子ダスト又はミストを含む。
膣内投与に適合された医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム又はスプレー製剤として提供することができる。
好ましい単位用量製剤は、本明細書において記載されるように、有効成分の毎日、週2回、毎週、数週間ごと若しくは毎月の投薬量又はサブ投薬量、又はその適切な画分を含むものである。
特に上述した成分に加えて、製剤はまた、対象とする製剤のタイプを考慮して、当該技術分野において慣行の他の薬物を含んでもよく、例えば、経口投与に適した製剤は香味剤を含んでもよいことは理解されなければならない。
さらなる態様において、本発明は、代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つを治療し、改善し、予防し又はその発症を遅延させるための方法を提供する。該方法は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、それをコードする核酸配列、それらの任意の組み合わせ若しくは混合物、又はそれらを含む任意の組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
用語「治療すること」及び「改善すること」は、本明細書及び特許請求の範囲で使用するとき、病理学的障害を有する患者における疾患活動性の1つ以上の臨床的指標を向上させることを意味する。「治療」とは、治療的処置を指す。治療を必要とする対象は、代謝障害又は炎症性疾患を患っている哺乳動物対象である。「患者」又は「それを必要とする対象」とは、このような苦痛を防止し、克服し又は遅延させるために、本発明のペプチド又は本発明の任意の医薬組成物の投与が望ましい任意の哺乳動物を意味する。本発明のペプチド及び組成物はまた、障害の発症を遅延させるために投与させてもよく、すなわち、本発明のペプチド及び組成物は、障害の臨床徴候が処置しない場合よりも遅れて出現するように、障害の悪化を延期させ又はその進行を遅らせる。
「予防的(preventive)処置」又は「予防的(prophylactic)治療」を提供するということは、何かに、特に状態又は疾患に対して防御し又は防ぐために保護的な方法で働いている。
これらの治療目標を達成させるために、本発明の組成物又はペプチドの治療有効量が、前記疾患を患っている対象に投与されなければならない。用語「有効量」又は「十分な量」とは、選択された結果を達成するのに必要な量を意味する。「有効治療量」は、予防又は治療目的、投与経路及び患者の一般的な状態(年齢、性別、体重、及び医師に知られている他の考察)と組み合わせて、疾患の重症度によって決定される。
本明細書で使用するとき、用語「障害」とは、正常な機能が妨害されている状態を指す。「疾患」とは、影響を受けたヒト又は該ヒトと接触している者に対して、不快感、機能障害、又は苦痛の原因となる身体又は心の何らかの異常な状態である。時として、この用語は、幅広く使用され、損傷、身体的障害、症候群、症状、逸脱行動、並びに構造及び機能の非定型変形を含み、一方、他の文脈では、これらは、識別可能なカテゴリーと考えることができる。用語「疾患」、「障害」、「状態」及び「病気」は、本明細書において同等に使用されていることに留意されたい。
本発明は、それを必要とする対象又は患者の治療に関する。「患者」又は「それを必要とする対象」とは、上述の状態によって影響が及ぼされ得て、及び本明細書に記載されている治療方法が望まれる任意の生物を意味し、ヒト、家畜及び非家畜の哺乳動物を含む、例えば、イヌ及びネコの対象、ウシ、サル、ウマ及びマウスの対象、げっ歯類、家禽、水産養殖、魚、外来種の観賞魚が挙げられる。これは、治療対象は、また、任意の爬虫類又は動物園の動物であってもよいことが理解されるべきである。より具体的には、本発明の方法及び組成物は、哺乳動物を対象としている。「哺乳動物対象」とは、提案された治療が望まれる任意の哺乳動物を意味し、例えば、ヒト、ウマ、イヌ、及びネコの対象、最も具体的にはヒトが挙げられる。特に非ヒト対象の場合において、本発明の方法は、注射、飲料水、飼料、噴霧、経口強制投与を介した投与、及びそれを必要とする対象の消化管への直接投与を用いて行われてもよいことに留意すべきである。さらに、特にヒト被験体の場合には、患者への本発明の組成物の投与は、自己投与と他の者による患者への投与の両方を含むことに留意すべきである。
用語「治療有効量」とは、研究者、獣医師、医師又は他の臨床医によって求められている、組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する薬物又は医薬品の量を意味することが意図される。
本発明の方法の一実施形態によれば、投与されるポリペプチドは、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
本発明の方法の別の実施形態によれば、投与されるポリペプチドは、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
本発明の方法のなお別の実施形態によれば、投与されるポリペプチドは、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
特定の実施形態において、本発明の方法は、以下の少なくとも1つをもたらす:グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFアルファの血清レベルの減少、及びIL−1βの血清レベルの減少。
投与されるペプチドの正味の効果は、抗炎症及び抗糖尿病である。
実際に、本発明の方法は、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はこれらの発症の遅延に特に適していてもよい。
特定の実施形態において、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかは、異常リポ蛋白血症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL−コレステロール)、肥満、NIDDM(非インスリン依存性糖尿病)、IGT(耐糖能異常)、血液凝固、血液線維素溶解不良及び高血圧の少なくとも1つであってもよいことに留意すべきである。
より具体的には、本発明の方法は、II型糖尿病、I型糖尿病又は任意の糖尿病に関連した状態の治療、改善、予防又はこれらの発症の遅延に適切してもよい。
一実施形態において、本発明の方法は、配列番号1及び9として示される配列、その任意の断片、誘導体若しくは類似体を含むペプチド、又はそれをコードする核酸配列、それらの任意の組成物若しくは混合物、又はそれらを含む任意の組成物のうちの少なくとも1つの治療有効量の投与を含む。この方法は、グルコース代謝の亢進、及び耐糖能の増加に有効であり、血清グルコースレベルの低下をもたらし得る。
これらのペプチドは、本明細書においてAPC2及びAPC4とも称され、心臓組織によって発現されることが本発明によって示されたことに留意すべきである。さらに、本発明のペプチドは、グルコースレベルを下方制御することが示された。心臓発作後の予後不良に関連する主要な危険因子の1つは高グルコースレベルであるため、本発明のペプチドの使用は心臓発作後の保護を可能にしてもよい。したがって、より具体的な実施形態において、本発明は、心障害、具体的には心臓発作の治療、改善、予防又はその発症に遅延に適してもよい方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本方法は、それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3の細胞バランスを調節する。
したがって、この方法は、免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延に適切であってもよい。
特定の具体的な実施形態において、本発明のペプチドは、抗炎症性Th2応答に向かってTh1/Th2、Th3の細胞バランスを調節することができる。Th1/Th3応答は、望ましくない、不平衡な炎症促進性Th1応答を有する免疫関連障害において特に利用可能であってもよい。例えば、このような免疫関連障害は、自己免疫疾患、移植片拒絶病状及び炎症性疾患であってもよい。
一実施形態において、本発明の方法は、少なくとも1つの追加の治療薬を投与する工程をさらに含む。
追加の治療薬は、NSAID及びステロイド剤、又は任意の抗糖尿病薬を含む任意の抗炎症剤であってもよい。
さらなる態様において、本発明は、組成物の調製における、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列の使用を対象とする。組成物は、代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延に適している。
様々な実施形態によれば、組成物の調製に使用されるポリペプチドは、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
多数の実施形態によれば、組成物の調製に使用されるポリペプチドは、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
いくつかの実施形態によれば、組成物の調製に使用されるポリペプチドは、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む。
実施例によって実証されるように、本発明のペプチドを用いて調製された組成物は、以下の少なくとも1つをもたらすことができる:グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体の発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少及びIL−1βの血清レベルの減少。
特定の実施形態によれば、本発明のポリペプチドを用いて調製される組成物は、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする。
特定の実施形態において、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかは、異常リポ蛋白血症(高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDL−コレステロール)、肥満症、NIDDM(非インスリン依存性糖尿病)、IGT(耐糖能異常)、血液凝固、血液線維素溶解不良及び高血圧の少なくとも1つであってもよい。
特定の実施形態において、本発明のポリペプチドを用いて調製される組成物は、II型糖尿病、I型糖尿病又はいずれかの糖尿病関連の状態の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする。
したがって、多数の実施形態において、本発明の使用は、使用されるペプチドの少なくとも1つが、配列番号1及び9(それぞれ、ペプチドAPC2及びAPC4)として示されるアミノ酸配列、その任意の断片、誘導体又は類似体を含んでもよく、或いはそれをコードする核酸配列、その任意の組み合わせ若しくは混合物、又はそれを含む任意の組成物は、組成物の調製に用いられることに従って意図される。グルコース代謝を亢進し、耐糖能を増加させるこの組成物は、血清グルコースレベルの低下をもたらし得る。本発明はさらに、本発明のペプチドのいずれかの機能的断片の使用を包含することに留意すべきである。機能的断片の非限定的な例は、それぞれ、配列番号1、5及び9のペプチドの機能的断片である、配列番号13、14及び15のペプチドを含んでもよい。
より具体的には、本発明の使用に従って調製された組成物は、いくつかの実施形態によれば、心障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物として有効であり得る。
他の実施形態において、本発明のポリペプチドを用いて調製される組成物は、それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節する。
一実施形態によれば、本発明のポリペプチドを用いて調製される組成物は、免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延のためである。
特定の具体的な実施形態において、本発明のペプチドは、抗炎症促進性のTh2、Th1/Th3応答に向かってTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節することができ、望ましくない不平衡な炎症促進性Th1反応を有する免疫関連障害に特に適用可能である。例えば、このような免疫関連障害は、自己免疫疾患、移植片拒絶病状及び炎症性疾患であってもよい。
様々な実施形態によれば、本発明のポリペプチドを用いて調製される組成物は、少なくとも1つの追加の治療薬をさらに含む。
さらに別の態様において、本発明は、免疫関連障害及び代謝障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延に使用するための単離されたポリペプチドを提供する。ポリペプチドは、配列番号1、配列番号5又は配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む。
本発明はまた、グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体の発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、IL−1βの血清レベルの減少のうちの少なくとも1つのための方法を提供し、該方法は、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、それをコードする核酸配列、その任意の組み合わせ若しくは混合物又はそれを含む任意の組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む。
具体的な実施形態において、本方法は、グルコース代謝の亢進を目的とする。
別の実施形態において、本方法は、耐糖能の増加を目的とする。
さらに別の実施形態において、本方法は、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加を目的とする。
さらに別の実施形態において、本方法は、TNFαの血清レベルの減少を目的とする。
なお別の実施形態において、本方法は、IL−1βの血清レベルの減少を目的とする。
開示及び記載されるように、本発明は、本明細書に開示されている特定の実施例、方法の工程、及び組成物に限定されず、これは、このような方法の工程及び組成物が幾分変化してもよいためであることは理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することだけを目的として使用され、限定することを意図しておらず、これは、本発明の範囲が添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるからであることも理解されるべきである。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、その内容が明らかに別の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
本明細書並びに以下の実施例及び特許請求の範囲の全体において、文脈上特に必要がない限り、用語「含む(comprise)」、並びに「含む(comprises)」及び「含むこと(comprising)」などの変形は、表示される整数若しくは段階又は整数若しくは段階の群が含まれることを意味するが、他のいかなる整数若しくは段階又は整数若しくは段階の群の排除も意味するものではないことが理解される。
以下の実施例は、本発明の態様の実施において、発明者らによって使用される技術を代表するものである。これらの技術は、本発明の実施のための好ましい実施形態の例であるが、当業者は、本開示を考慮して、本発明の精神及び意図された範囲から逸脱することなく、多数の修飾を加えることができることを認識することを理解するべきである。
材料
D(−)マンニトール(Prod:291484B、BDH Laboratory Supplies)
PCR装置(MyCycle、BioRad、CA、USA)
TNF−α及びIL−1β ELISA(BioPlex Pro−マウス糖尿病キット カタログ番号:171−F7001M、及びマウスTh1/Th2キット カタログ番号:171−F7001M、BioRad、CA、USA)
グルコメーター(Accucheck、Roche)
RNA−Save(カタログ番号:01−891−1B、Biological Industries、Israel)
RNeasyミニキット(カタログ番号:74106、Qiagen)RT−PCR用EZ−第一鎖cDNA合成キット(カタログ番号:20−800−50、Biological Industries、Israel)
GoTaqグリーンマスターミックス(カタログ番号M7122、Promega)
PBS(カタログ番号02−023−5A、Biological Industries)
Maxisorp 96ウェルプレート(カタログ番号442404、NUNC、F96 Maxisorp)
TW−20(カタログ番号0777−1L、Amresco)
BSA(カタログ番号160069、MP Biomedicals)
ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート抗体(カタログ番号7074、Cell signaling)
TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、セイヨウワサビペルオキシダーゼ基質、カタログ番号ES001−500ML、Millipore)
H2SO4(カタログ番号5552540、Frutarom)
D(−)マンニトール(Prod:291484B、BDH Laboratory Supplies)
PCR装置(MyCycle、BioRad、CA、USA)
TNF−α及びIL−1β ELISA(BioPlex Pro−マウス糖尿病キット カタログ番号:171−F7001M、及びマウスTh1/Th2キット カタログ番号:171−F7001M、BioRad、CA、USA)
グルコメーター(Accucheck、Roche)
RNA−Save(カタログ番号:01−891−1B、Biological Industries、Israel)
RNeasyミニキット(カタログ番号:74106、Qiagen)RT−PCR用EZ−第一鎖cDNA合成キット(カタログ番号:20−800−50、Biological Industries、Israel)
GoTaqグリーンマスターミックス(カタログ番号M7122、Promega)
PBS(カタログ番号02−023−5A、Biological Industries)
Maxisorp 96ウェルプレート(カタログ番号442404、NUNC、F96 Maxisorp)
TW−20(カタログ番号0777−1L、Amresco)
BSA(カタログ番号160069、MP Biomedicals)
ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート抗体(カタログ番号7074、Cell signaling)
TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、セイヨウワサビペルオキシダーゼ基質、カタログ番号ES001−500ML、Millipore)
H2SO4(カタログ番号5552540、Frutarom)
方法
分子生物学の一般方法
分子生物学分野の多数の方法は当業者に周知であるため、本明細書において詳述されない。このような方法には、PCR、cDNAの発現、ヒト細胞のトランスフェクションなどが含まれる。このような方法を記載している教科書は、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、ISBN:0879693096;F.M.Ausubel(1988)Current Protocols in Molecular Biology、ISBN:047150338X、John Wiley & Sons,Inc.である。さらに、例えばウエスタンブロットのような多数の免疫学的技術は、当業者に周知であるため、それぞれの場合に本明細書で詳細に記載されていない。例えば、Harlow及びLane(1988)Antibodies:a laboratory manual、Cold Spring Harbor Laboratoryを参照されたい。
分子生物学の一般方法
分子生物学分野の多数の方法は当業者に周知であるため、本明細書において詳述されない。このような方法には、PCR、cDNAの発現、ヒト細胞のトランスフェクションなどが含まれる。このような方法を記載している教科書は、例えば、Sambrookら(1989)Molecular Cloning、A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、ISBN:0879693096;F.M.Ausubel(1988)Current Protocols in Molecular Biology、ISBN:047150338X、John Wiley & Sons,Inc.である。さらに、例えばウエスタンブロットのような多数の免疫学的技術は、当業者に周知であるため、それぞれの場合に本明細書で詳細に記載されていない。例えば、Harlow及びLane(1988)Antibodies:a laboratory manual、Cold Spring Harbor Laboratoryを参照されたい。
動物及び処置計画
(実験あたり)20匹の7週齢C57B1/6雄性マウスをHarlan Biotech(Jerusalem,Israel)から購入した。全てのマウスは、会社の施設における動物施設の部屋に維持された。マウスは、標準的な実験室用の固形飼料及び水を自由に与え、12時間の明/暗サイクルで飼育された。全ての動物実験は、実験動物の管理と使用のための動物実験のための特定の承認権限を有するイスラエル省庁のガイドラインに従って実施された。
(実験あたり)20匹の7週齢C57B1/6雄性マウスをHarlan Biotech(Jerusalem,Israel)から購入した。全てのマウスは、会社の施設における動物施設の部屋に維持された。マウスは、標準的な実験室用の固形飼料及び水を自由に与え、12時間の明/暗サイクルで飼育された。全ての動物実験は、実験動物の管理と使用のための動物実験のための特定の承認権限を有するイスラエル省庁のガイドラインに従って実施された。
ELISA一般プロトコル
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)は、容易に分析される酵素に結合させた抗体又は抗原を用いて、抗体の特異性を簡単な酵素アッセイの感度と組み合わせる。ELISAは、抗原又は抗体濃度の有用な測定を提供することができる。ELISAは、5段階手法である:1)PBSに希釈した抗原でマイクロタイタープレートウェルを被覆し、4Cで一晩インキュベートし、洗浄する;2)偽陽性結果を防止するためにPBS中のBSA/FCSで全ての未結合部位をブロックし、1時間インキュベートし、洗浄する;3)抗体をウェルに加え、1時間インキュベートし、洗浄する;4)酵素にコンジュゲートさせた抗ヒトIgGを加え、1時間インキュベートし、洗浄する;5)基質を酵素と反応させて着色した生成物を生成する、したがって陽性反応を示す。
酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)は、容易に分析される酵素に結合させた抗体又は抗原を用いて、抗体の特異性を簡単な酵素アッセイの感度と組み合わせる。ELISAは、抗原又は抗体濃度の有用な測定を提供することができる。ELISAは、5段階手法である:1)PBSに希釈した抗原でマイクロタイタープレートウェルを被覆し、4Cで一晩インキュベートし、洗浄する;2)偽陽性結果を防止するためにPBS中のBSA/FCSで全ての未結合部位をブロックし、1時間インキュベートし、洗浄する;3)抗体をウェルに加え、1時間インキュベートし、洗浄する;4)酵素にコンジュゲートさせた抗ヒトIgGを加え、1時間インキュベートし、洗浄する;5)基質を酵素と反応させて着色した生成物を生成する、したがって陽性反応を示す。
FACSプロトコル
細胞を洗浄し、氷冷PBS、10%FCS、1%アジ化ナトリウムで1〜5×106細胞/mlの濃度に懸濁液を調節した。0.1〜10μg/mlの一次標識抗体を加えた。必要に応じて、3%BSA/PBSで希釈溶液を作製した。少なくとも30分間、室温又は4℃にて懸濁液をインキュベートし、次に、400gで5分間の遠心分離によって細胞を3回洗浄し、500μl〜1mlの氷冷PBS、10%FCS、1%アジ化ナトリウムに再懸濁した。フローサイトメーターで細胞を分析した。
細胞を洗浄し、氷冷PBS、10%FCS、1%アジ化ナトリウムで1〜5×106細胞/mlの濃度に懸濁液を調節した。0.1〜10μg/mlの一次標識抗体を加えた。必要に応じて、3%BSA/PBSで希釈溶液を作製した。少なくとも30分間、室温又は4℃にて懸濁液をインキュベートし、次に、400gで5分間の遠心分離によって細胞を3回洗浄し、500μl〜1mlの氷冷PBS、10%FCS、1%アジ化ナトリウムに再懸濁した。フローサイトメーターで細胞を分析した。
ELISA手順:
2000pg/ml〜31pg/mlの較正曲線は、PBS中の標準タンパク質の連続希釈液によって調製された。37℃の浴槽で試料を速やかに解凍した。Maxisorp 96ウェルプレートに各血液試料(希釈なし)の70μlの2点複製、及び標準試料の70μlの3点複製を装填し、4℃において一晩、振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。ブロッキングのため、300μlのブロッキング緩衝液(PBS中で5%BSA)を各ウェルに装填し、室温にて1時間、振とうさせながらプレートをインキュベートした。続いて、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。検出のため、希釈液(PBS中の0.05%TW−20、0.1%BSA)に特異抗体を1:250に希釈した。各ウェルに100μlの検出抗体を装填し、室温にて2時間、振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート抗体を希釈剤で1:200に希釈した。各ウェルに100μlのHRPコンジュゲートを加え、30分間、室温にて振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で5回プレートを洗浄した。発色のため、各ウェルに100μlのTMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、セイヨウワサビペルオキシダーゼ基質)を加え、青色が発色するまでインキュベートした。発色を停止させるために、50μlの2N H2SO4を加えた。マイクロプレートリーダーで、吸光度を450nmで決定した。
2000pg/ml〜31pg/mlの較正曲線は、PBS中の標準タンパク質の連続希釈液によって調製された。37℃の浴槽で試料を速やかに解凍した。Maxisorp 96ウェルプレートに各血液試料(希釈なし)の70μlの2点複製、及び標準試料の70μlの3点複製を装填し、4℃において一晩、振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。ブロッキングのため、300μlのブロッキング緩衝液(PBS中で5%BSA)を各ウェルに装填し、室温にて1時間、振とうさせながらプレートをインキュベートした。続いて、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。検出のため、希釈液(PBS中の0.05%TW−20、0.1%BSA)に特異抗体を1:250に希釈した。各ウェルに100μlの検出抗体を装填し、室温にて2時間、振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で4回プレートを洗浄した。ヤギ抗ウサギHRPコンジュゲート抗体を希釈剤で1:200に希釈した。各ウェルに100μlのHRPコンジュゲートを加え、30分間、室温にて振とうさせながらインキュベートした。次に、液体を除去し、マルチピペットを用いて、PBS中の300μlの0.05%TW−20で5回プレートを洗浄した。発色のため、各ウェルに100μlのTMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、セイヨウワサビペルオキシダーゼ基質)を加え、青色が発色するまでインキュベートした。発色を停止させるために、50μlの2N H2SO4を加えた。マイクロプレートリーダーで、吸光度を450nmで決定した。
耐糖能試験
実験の終了(2週間)時に、耐糖能試験(GTT)を行った。試験の投与前に、マウスを一晩、飢餓状態にした。グルコース(2g/Kg体重)を腹腔内(i.p.)に注射し、血中グルコースレベルを0分、15分、30分、60分、90分及び120分の時間点で測定した。血中グルコースは、標準的なグルコメーターを用いて、標準的な尾静脈血をサンプリングすることによって決定された。
実験の終了(2週間)時に、耐糖能試験(GTT)を行った。試験の投与前に、マウスを一晩、飢餓状態にした。グルコース(2g/Kg体重)を腹腔内(i.p.)に注射し、血中グルコースレベルを0分、15分、30分、60分、90分及び120分の時間点で測定した。血中グルコースは、標準的なグルコメーターを用いて、標準的な尾静脈血をサンプリングすることによって決定された。
血漿グルカゴンアッセイ
マウス尾静脈を穿刺し、標準的なグルコメーターを用いて血液グルコースをアッセイした。
マウス尾静脈を穿刺し、標準的なグルコメーターを用いて血液グルコースをアッセイした。
インスリン受容体及びGLUT−4 PCR分析
マウスを屠殺し、解剖した。15〜20mgの適切な組織を取り出し、RNAセーブにおいて安定化させた。RNeasyミニキットを用いて組織からRNAを抽出した。22G針及びシリンジを用いて均質化を行った。RT−PCR用のEZ−第一鎖cDNA合成キットを用いてRNAからcDNAを調製した。試料のPCRを、適切なプライマーを用いてGoTaqグリーンマスターミックスを用いて行った(40サイクル、アニーリング温度:62℃)。
マウスを屠殺し、解剖した。15〜20mgの適切な組織を取り出し、RNAセーブにおいて安定化させた。RNeasyミニキットを用いて組織からRNAを抽出した。22G針及びシリンジを用いて均質化を行った。RT−PCR用のEZ−第一鎖cDNA合成キットを用いてRNAからcDNAを調製した。試料のPCRを、適切なプライマーを用いてGoTaqグリーンマスターミックスを用いて行った(40サイクル、アニーリング温度:62℃)。
血清TNFα及びIL−1βアッセイ
各マウスから血液を採取し、1.5mlバイアルに別々に回収した。室温にて30分〜1時間後に、凝固した血液を4℃にて15分間、300Gで遠心分離した。新しい1.5mlバイアルに上清を回収し、再度、15分間、300Gで遠心分離した。新しい1.5mlバイアルに上清を回収し、後の分析のために−70℃にて凍結した。分析の準備ができたときに、血液バイアルを迅速に室温の水浴中で解凍し、次に、4℃にて、10分間、13,000Gで遠心分離した。平底黒色プレートを用いてBio−Plex Proアッセイの指示マニュアルに従って試料を分析した。
各マウスから血液を採取し、1.5mlバイアルに別々に回収した。室温にて30分〜1時間後に、凝固した血液を4℃にて15分間、300Gで遠心分離した。新しい1.5mlバイアルに上清を回収し、再度、15分間、300Gで遠心分離した。新しい1.5mlバイアルに上清を回収し、後の分析のために−70℃にて凍結した。分析の準備ができたときに、血液バイアルを迅速に室温の水浴中で解凍し、次に、4℃にて、10分間、13,000Gで遠心分離した。平底黒色プレートを用いてBio−Plex Proアッセイの指示マニュアルに従って試料を分析した。
逆転写酵素PCR(RT−PCR)
単離された新規タンパク質の発現パターンを確立するために、種々の組織においてRT−PCR分析を行った。適用されたPCR条件は、95℃で2分間、続いて、95℃で45秒間、59℃で45秒間及び72℃で5分間の40サイクル、さらに72℃で5分間の最終サイクルであった。
単離された新規タンパク質の発現パターンを確立するために、種々の組織においてRT−PCR分析を行った。適用されたPCR条件は、95℃で2分間、続いて、95℃で45秒間、59℃で45秒間及び72℃で5分間の40サイクル、さらに72℃で5分間の最終サイクルであった。
(例1)
APC−2 cDNAの単離
ペプチドAPC−2(配列番号1として示される配列を有する)をコードする配列番号2として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号3及び4として示されるプライマーを用いて増幅された。
APC−2 cDNAの単離
ペプチドAPC−2(配列番号1として示される配列を有する)をコードする配列番号2として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号3及び4として示されるプライマーを用いて増幅された。
本明細書においてUzi−1とも称されるAPC−2ペプチドに関して、p=0.760である最大切断部位確率は、アミノ酸の17と18位の間で決定された。
PCR産物を配列決定した。PCR産物をアガロースゲル上で分析し、Cyber Green(Invitrogen)を用いて染色した。PCR産物の強度をBioRad ChemiDocアナライザーを用いて評価した。結果は、APC−2がヒト心臓及びリンパ球において発現することを実証した。
(例2)
APC−2は耐糖能を改善する
雄性C57B1/6マウスを5匹ずつの4群に分けた。対照群(グループI)には、5%マンニトールIV(200μL、週3回)を与えた。グループIIは、APC2(0.25mg/Kgの体重)の用量を週3回与えた。グループIIIは、APC2(1.5mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。グループIVは、APC2(15mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。マウスを2週間処理した。
APC−2は耐糖能を改善する
雄性C57B1/6マウスを5匹ずつの4群に分けた。対照群(グループI)には、5%マンニトールIV(200μL、週3回)を与えた。グループIIは、APC2(0.25mg/Kgの体重)の用量を週3回与えた。グループIIIは、APC2(1.5mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。グループIVは、APC2(15mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。マウスを2週間処理した。
実験の終了時に、方法の項に記載したように、耐糖能(GTT)を施した。GTTの結果を図1に示す。明らかに分かるように、APC−2は、用量依存的に耐糖能を改善し、最適な応答は1.5mg/Kg体重のAPC用量について観察された。
(例3)
APC−2は血漿グルカゴンを低下する
GTTに加えて、方法の項に記載したように、マウスの血漿グルカゴンレベルをアッセイした。血漿グルカゴンレベルは、図2に示すように、APC−2によって用量依存的に減少した。
APC−2は血漿グルカゴンを低下する
GTTに加えて、方法の項に記載したように、マウスの血漿グルカゴンレベルをアッセイした。血漿グルカゴンレベルは、図2に示すように、APC−2によって用量依存的に減少した。
(例4)
APC−2は脾細胞におけるインスリン受容体及びGLUT−4発現を増加させる
実験の最終時に、マウスを屠殺し、異なるマウス群から脾細胞を回収し、HPRT(対照)、インスリン受容体及びGLUT4のRNAレベルをアッセイした。これらのノザンブロット分析の結果を図3A〜3Cに示す。図示されるように、インスリン受容体とGLUT4の両方が、APC−2で処理されたマウスにおいて用量依存的に上方制御され、最大誘導は1.5mg/Kg体重で処置したマウスにおいて観察された。
APC−2は脾細胞におけるインスリン受容体及びGLUT−4発現を増加させる
実験の最終時に、マウスを屠殺し、異なるマウス群から脾細胞を回収し、HPRT(対照)、インスリン受容体及びGLUT4のRNAレベルをアッセイした。これらのノザンブロット分析の結果を図3A〜3Cに示す。図示されるように、インスリン受容体とGLUT4の両方が、APC−2で処理されたマウスにおいて用量依存的に上方制御され、最大誘導は1.5mg/Kg体重で処置したマウスにおいて観察された。
例1〜4によって示された結果は、グルコース代謝に関連した障害を治療するための本発明のAPC−2ペプチドを使用することの実現可能性を明確に実証する。
(例5)
APC−3 cDNAの単離
ペプチドAPC−3(配列番号5として示される配列を有する)をコードする配列番号6として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号7及び8として示されるプライマーを用いて増幅された。
APC−3 cDNAの単離
ペプチドAPC−3(配列番号5として示される配列を有する)をコードする配列番号6として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号7及び8として示されるプライマーを用いて増幅された。
本明細書においてUzi−2とも称されるAPC−3ペプチドに関して、p=0.544である最大切断部位確率は、アミノ酸の18と19位の間で決定された。
PCR産物を配列決定した。PCR産物をアガロースゲル上で分析し、Cyber Green(Invitrogen)を用いて染色した。PCR産物の強度をBioRad ChemiDocアナライザーを用いて評価した。結果は、APC−3がヒトの脾臓、睾丸、小腸、結腸及び腎臓において発現することを実証した。
(例6)
APC−3はTNFα及びIL−1βを低下させる
雄性C57B1/6マウスを5匹ずつの4群に分けた。対照群(グループI)には、5%マンニトールIV(200μL、週3回)を与えた。グループIIは、APC3(0.25mg/Kgの体重)の用量を週3回与えた。グループIIIは、APC3(1.5mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。グループIVは、APC3(15mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。マウスを2週間処理した。
APC−3はTNFα及びIL−1βを低下させる
雄性C57B1/6マウスを5匹ずつの4群に分けた。対照群(グループI)には、5%マンニトールIV(200μL、週3回)を与えた。グループIIは、APC3(0.25mg/Kgの体重)の用量を週3回与えた。グループIIIは、APC3(1.5mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。グループIVは、APC3(15mg/Kg体重)の用量を週3回与えた。マウスを2週間処理した。
実験の終了時に、TNFα及びIL−1βをマウス血漿において測定し、その結果をそれぞれ図4A及び4Bに示す。明らかに分かるように、APC−3は、用量依存的に両方の炎症性サイトカインレベルを減少させ、最適な応答は1.5mg/Kg体重のAP3用量について観察された。
したがって、APC3は、炎症促進性サイトカンを下方制御することができ(血清IL−1β及びTNF−αの観察された減少において明らかである)、よって、自己免疫疾患及び特に糖尿病の治療に用いることができる。これは、高いIL−1βが糖尿病と関連していることが周知なためである。
(例7)
APC−4 cDNAの単離
ペプチドAPC−4(配列番号9として示される配列を有する)をコードする配列番号10として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号11及び12として示されるプライマーを用いて増幅された。
APC−4 cDNAの単離
ペプチドAPC−4(配列番号9として示される配列を有する)をコードする配列番号10として示される配列を有するcDNAは、Clonetechから購入したヒトcDNAライブラリー、並びに配列番号11及び12として示されるプライマーを用いて増幅された。
本明細書においてUzi−3とも称されるAPC−4ペプチドに関して、p=0.731である最大切断部位確率は、アミノ酸の20と21位の間で決定された。
PCR産物を配列決定した。PCR産物をアガロースゲル上で分析し、Cyber Green(Invitrogen)を用いて染色した。PCR産物の強度をBioRad ChemiDocアナライザーを用いて評価した。結果は、APC−4がヒトの脾臓、睾丸、結腸、小腸、白血球、心臓、胎盤、肝臓、腎臓及び膵臓において発現することを実証した。
Claims (49)
- 配列番号1、配列番号5又は配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む単離されたポリペプチド。
- 配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
- 配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
- 配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項1に記載の単離されたポリペプチド。
- 配列番号1、配列番号5又は9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、並びにその任意の断片、誘導体及び類似体を含むポリペプチドをコードする配列を含む単離された核酸分子。
- 配列番号2によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号1によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号6によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号5によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の単離された核酸分子。
- 配列番号9によって示される核酸配列又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含み、配列番号10によって示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、請求項5に記載の単離された核酸分子。
- 場合により作動可能に連結された調節エレメントをさらに含む、配列番号2、配列番号6又は配列番号10のいずれか1つによって示される核酸配列、又はその任意の誘導体、変異体、断片若しくはホモログを含む核酸構築物。
- 請求項9に記載の核酸構築物を含む発現ベクター。
- 請求項10に記載の発現ベクターを用いて形質転換又は形質移入された宿主細胞。
- 場合により薬学的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤をさらに含む、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列を含む組成物。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項12に記載の組成物。
- 前記ポリペプチドが、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項12に記載の組成物。
- 前記ポリペプチドが、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項12に記載の組成物。
- グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、及びIL−1βの血清レベルの減少のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項12から15までのいずれか一項に記載の組成物。
- 代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物である、請求項16に記載の組成物。
- メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項17に記載の医薬組成物。
- II型糖尿病、I型糖尿病又は任意の糖尿病関連状態の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項17に記載の医薬組成物。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1及び9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列を含み、前記グルコース代謝の亢進及び耐糖能の増加が血清グルコースレベルの低下をもたらす、請求項16に記載の組成物。
- 心障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物である、請求項20に記載の組成物。
- それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節する、請求項17に記載の医薬組成物。
- 免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項22に記載の医薬組成物。
- 少なくとも1つの追加の治療薬をさらに含む、請求項17に記載の医薬組成物。
- 配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、それをコードする核酸配列、これらの任意の組み合わせ若しくは混合物又はこれらを含む任意の組成物の治療有効量をそれを必要とする対象に投与する工程を含む、代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つを治療し、改善し、予防し又はその発症を遅延させるための方法。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項25に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項25に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項25に記載の方法。
- グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、及びIL−1βの血清レベルの減少のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項25から28までのいずれか一項に記載の方法。
- メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項25から29までのいずれか一項に記載の方法。
- II型糖尿病、I型糖尿病又は任意の糖尿病関連状態の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項25から29までのいずれか一項に記載の方法。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1及び9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列を含み、前記グルコース代謝の亢進及び耐糖能の増加が血清グルコースレベルの低下をもたらす、請求項29に記載の方法。
- 心障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項32に記載の方法。
- それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節する、請求項25から29までのいずれか一項に記載の方法。
- 免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項34に記載の方法。
- 少なくとも1つの追加の治療薬を投与する工程をさらに含む、請求項25から35までのいずれか一項に記載の方法。
- 代謝障害及び免疫関連障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延のための組成物の調製における、配列番号1、配列番号5若しくは配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む少なくとも1つの単離されたポリペプチド、又はそれをコードする核酸配列の使用。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項37に記載の使用。
- 前記ポリペプチドが、配列番号5によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項37に記載の使用。
- 前記ポリペプチドが、配列番号9によって示されるアミノ酸配列、又はその任意の断片、誘導体若しくは類似体を含む、請求項37に記載の使用。
- 前記組成物が、グルコース代謝の亢進、耐糖能の増加、血漿グルカゴンレベルの減少、インスリン受容体発現の誘導、GLUT−4グルコーストランスポーター発現の増加、TNFαの血清レベルの減少、及びIL−1βの血清レベルの減少のうちの少なくとも1つをもたらす、請求項37から40までのいずれか一項に記載の使用。
- 前記組成物が、メタボリックシンドローム、又はそれを含む状態のいずれかの治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項41に記載の使用。
- 前記組成物が、II型糖尿病、I型糖尿病又は任意の糖尿病関連状態の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項41に記載の使用。
- 前記ポリペプチドが、配列番号1及び9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列を含み、前記グルコース代謝の亢進及び耐糖能の増加が血清グルコースレベルの低下をもたらす、請求項41に記載の使用。
- 前記組成物が、心障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延のための医薬組成物である、請求項44に記載の使用。
- 前記組成物が、それを必要とする対象におけるTh1/Th2、Th3細胞バランスを調節する、請求項41に記載の使用。
- 前記組成物が、免疫関連障害の治療、改善、予防又はその発症の遅延を目的とする、請求項46に記載の使用。
- 前記組成物が、少なくとも1つの追加の治療薬をさらに含む、請求項37に記載の使用。
- 配列番号1、配列番号5又は配列番号9のいずれか1つによって示されるアミノ酸配列、及びその任意の断片、誘導体又は類似体を含む、免疫関連障害及び代謝障害の少なくとも1つの治療、改善、予防又はその発症の遅延に使用するための単離されたポリペプチド。
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