以下の記載は、本質的に単なる例示であり、本教示、適用例、又は用途を限定しようとするものではない。図面全体にわたって、対応する参照番号は同様の又は対応する部分及び特徴を示すことを理解されたい。以下の記載は、全体として、脊椎固定術、静的脊椎安定術(static spinal stabilization)、又は動的脊椎安定術の場合など、損傷組織を修復するために解剖学的構造で使用するためのシステムに関するが、本明細書に記載され請求されるようなシステムは、低侵襲性の整形外科的アライメント又は固定処置など、任意の適切な外科的処置で使用できることが理解されるであろう。したがって、以下に論じることは、本明細書における本教示及び特許請求の範囲を限定しようとするものではないことが理解されるであろう。
図1〜図8を参照すると、多平面骨アンカーシステム10が示される。多平面骨アンカーシステム10は、脊椎固定処置に特に適合されてもよい。しかし、本教示の様々な態様は、他の処置に対する適用例を有してもよい。特定の適用例では、多平面骨アンカーシステム10は、脊椎の後側領域の一つ以上の椎骨又は椎体V(図1)に連結することができる。多平面骨アンカーシステム10は、骨係合部材又は骨締結具12と、係止部材又は係止リング14(図3)と、多平面連結装置又はシステム16(図3)と、チューリップ型のヘッド又はサドル18とを含むことができる。
本明細書でより詳細に後述するように、多平面連結システム16によって、サドル18が複数の面内で骨締結具12に対して移動できるようにすることができる。概して、サドル18は、例示的な脊椎固定処置で複数の骨アンカーシステム10を相互接続するのに使用することができる、接続デバイス又はロッド20を受け入れるように構成することができる(図1)。多平面連結システム16を使用することによって、サドル18を一つ以上の面内で骨締結具12に対して移動させて、複数の骨アンカーシステム10に対する接続ロッド20の接続を容易にすることができる。これに関して、各骨締結具12が、各椎体Vに連結したときに相互にわずかにずれてもよいような形で、患者の椎体Vを向き付けてもよい。サドル18が骨締結具12に対して複数の面内で移動できるようにすることによって、外科医は、骨締結具12の配置とは関係なくサドル18を移動して位置合わせすることができる。しかし、多平面骨アンカーシステム10は、全体として本明細書には、単一の接続ロッド20と共に使用される単一のアセンブリとして例証され記載されるが、外科的処置の間、骨アンカーシステム10及び接続ロッド20の任意の組合せを用いることができることに留意されたい。
例えば、単一レベルの脊椎固定処置では、二つの骨アンカーシステム10が単一の接続ロッド20を受け入れることができる。しかし、多重レベルの脊椎固定処置は、概して、追加の骨アンカーシステム10を要する。それに加えて、多平面骨アンカーシステム10を隣接した椎体Vに連結する必要はなく、より正確には、所望に応じて、隣接した椎体Vを飛び越すように多平面骨アンカーシステム10を位置付けることができる。
図2〜図4を参照すると、骨締結具12は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム10を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具12は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具12は、近位端又はヘッド30(図3及び図4)と、遠位端又はシャンク32(図2)とを含むことができる。図3及び図4を参照すると、ヘッド30は、概してアーチ状であることができ、ドライバー接続機構34及びチャネル36を含むことができる。ドライバー接続機構34は、ペンタローブ、ヘクスローブ、六角、トルクス、フィリップス、プラス、マイナスなど、ドライバーに対する任意の噛合接続インターフェースを備えることができる。したがって、ドライバー接続機構34によって、骨締結具12を解剖学的構造に打ち込むためのトルクを加えられるようにすることができる。
手短に言えば、多平面骨アンカーシステム10と共に使用される特定の器具は、本教示の範囲外であり、本明細書に記載する必要はないことに留意されたい。本教示が関係する限りにおける従来のやり方では、様々な器具を使用して、多平面骨アンカーシステム10を各椎体Vに接続することができる。例示的な器具としては、インディアナ州ワルシャワのバイオメット社(Biomet, Inc.)から市販されている、ポラリス(Polaris)(商標)5.5スパイナルシステムで用いられるもの、又は参照により本明細書に組み込まれている同一出願人による2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0077138号に開示されている器具を挙げることができる。
図3及び図4を引き続き参照すると、チャネル36をヘッド30の周面の周りに画成することができる。チャネル36は、多平面連結システム16の一部分を受け入れて、サドル18が骨締結具12の長手方向軸Lを中心にして回転できるようにすることができる。したがって、チャネル36は第1の支承面36aを画成することができる。骨締結具12はチャネル36を含むものとして本明細書に例証され記載されるが、チャネル36は必ずしも、サドル18が骨締結具12の長手方向軸Lを中心にして回転できる必要はないことに留意されたい。
図2を参照すると、骨締結具12のシャンク32は、複数のねじ山32a及び少なくとも一つの切り溝(cutting flute)32bを含むことができる。少なくとも一つの切り溝32bは、ねじ山32aと協働して解剖学的構造に切り込むことができ、したがって、骨締結具12は予めねじ立てした穴を要しない。骨締結具12は少なくとも一つの切り溝32bを含むものとして本明細書に例証され記載されるが、骨締結具12は必ずしも任意の切り溝(予めねじ立てした穴を要する)を含まなくてもよく、又は所望に応じて、複数の切り溝を含むことができることに留意されたい。
図3及び図4を参照すると、係止リング14を骨締結具12のヘッド30の周りに位置付けることができる。本明細書で後述するように、係止リング14は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具12及び多平面連結システム16のうちの少なくとも一つをサドル18に係止することができる。係止リング14は、概して、円筒状であることができ、高さHを有することができる。高さHは、接続ロッド20をサドル18に連結することによって、係止リング14を骨締結具12のヘッド30上に押し付けることができるように、サドル18の受入れ面88よりも上まで延びるようにサイズ決めすることができる。図4を参照すると、係止リング14は、近位端40、遠位端42、支承面44、スロット46、及びボア48を含むことができる。
近位端40は環状の突出部40aを含むことができる。図3を参照すると、突出部40aは、係止リング14の直径DIよりも大きな直径Dpを有することができる。突出部40aのより大きな直径Dpは、係止リング14が骨締結具12のヘッド30を中心にして移動又は回転できるようにサイズ決めすることができる。図3〜図5を参照すると、遠位端42は、リング又はフランジ42aと、少なくとも一つの切欠き43とを含むことができる。フランジ42aは、係止リング14の外表面の周りに形成することができ、本明細書で詳細に後述するように、係止リング14をサドル18内で保定することができる。少なくとも一つの切欠き43は、係止リング14の周面の一部分に沿って形成することができ、多平面連結システム16と協働するようにサイズ決めすることができる。
一例では、係止リング14は、係止リング14の対向面に位置付けることができる、二つの切欠き43を含むことができる。この例では、図5に最も良く示されるように、切欠き43は、合同とすることができる第1の曲線状の陥凹部43a、第2の曲線状の陥凹部43b、及び第3の曲線状の陥凹部43cを含むことができる。切欠き43は、係止リング14の長手方向軸を中心にして、概して、対称であることができる。第1の曲線状の陥凹部43a及び第3の曲線状の陥凹部43cは、遠位端42からフランジ42aまで形成することができる。第2の曲線状の陥凹部43bは、遠位端42からフランジ42aに隣接した位置まで形成することができる。それに加えて、第2の曲線状の陥凹部43bは、第1の曲線状の陥凹部43a及び第3の曲線状の陥凹部43cそれぞれと関連付けられる半径よりも大きくすることができる半径を有することができる。
図3及び図4を参照すると、支承面44を係止リング14の内表面に形成することができる。一例では、支承面44は、係止リング14の遠位端42で突出部40aの内表面に沿って形成することができる。支承面44は、突出部40aの周面から延在することができる、概して凹面状の領域を含むことができる。支承面44は、係止リング14が骨締結具12に対して移動又は関節運動することができるように、ヘッド30の一部分に接触することができる。支承面44はまた、本明細書で後述するように、係止リング14が多平面連結システム16に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。
図4を参照すると、係止リング14はまた、スロット46を含むことができる。スロット46は、突出部40a、近位側40、及び遠位端42を通って延在することができる。スロット46は、係止リング14を骨締結具12のヘッド30の周りに連結できるようにすることができる。スロット46は任意であり、係止リング14は係止リング14の周面に関して連続的であり得ることに留意されたい。
図3を参照すると、ボア48を、係止リング14の中心軸を中心にして配設することができる。ボア48は、突出部40a、近位端40、及び遠位端42を通って延在することができる。突出部40aにおけるボア48の第1の直径D1は、係止リング14の遠位端42におけるボア48の第2の直径D2よりも大幅に小さくすることができる。支承面44は、ボア48の周りに形成することができ、ボア48を第1の直径D1から第2の直径D2まで遷移させることができる。ボア48によって、ドライバーが骨締結具12のヘッド30に形成されたドライバー接続機構34とインターフェース接続できるようになる。
一例では、多平面連結システム16はリング50を含むことができる。リング50は、図3に示されるように、骨締結具12のヘッド30の周りに配設して、骨締結具12がサドル18に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。リング50は、環状であることができ、図6及び図7に示されるように、サドル18内に嵌合するようにサイズ決めして、骨締結具12がサドル18に対して関節運動できるようにすることができる。図4を参照すると、リング50は、ボア52及び少なくとも一つのウィング54を含むことができる。ボア52は、リング50を骨締結具12のチャネル36に連結できるようにサイズ決めすることができるが、図3に最も良く示されるように、リング50が骨締結具12のヘッド30よりも上に転位するのを防ぐようにサイズ決めすることもできる。
図4及び図5を参照すると、少なくとも一つのウィング54はリング50の周面から外向きに延在することができる。この例では、リング50は二つのウィング54を含むことができる。ウィング54は、リング50の対向面から外向きに延在することができる。ウィング54は、サドル18と協働して、骨締結具12がサドル18に対して移動又は関節運動できるようにすることができる(図7)。ウィング54は、第1のアーチ状の表面54aと、第2のアーチ状の表面54bと、第3のアーチ状の表面54cと、第4のアーチ状の表面54dと、第5のアーチ状の表面54eと、第6のアーチ状の表面54fとを含むことができる。本明細書に記載され例証されるウィング54の形状は単なる例示であって、ウィング54は、楕円形、円形、角丸正方形、角丸長方形など、骨締結具12がサドル18に対して回転できるようにする、任意の形状を有することができることに留意されたい。
第1のアーチ状の表面54aは第4のアーチ状の表面54dと対向することができ、第2のアーチ状の表面54bは第5のアーチ状の表面54eと対向することができ、第3のアーチ状の表面54cは第6のアーチ状の表面54fと対向することができる。概して、第2のアーチ状の表面54b及び第5のアーチ状の表面54eは、第1のアーチ状の表面54a、第4のアーチ状の表面54d、第3のアーチ状の表面54c、及び第6のアーチ状の表面54fの間に位置付けることができる。第1のアーチ状の表面54a、第2のアーチ状の表面54b、及び第3のアーチ状の表面54cはそれぞれ、第1の曲線状の陥凹部43a、第2の曲線状の陥凹部43b、第3の曲線状の陥凹部43cのうちの一つに接触することができ、それによって、図5に最も良く示されるように、係止リング14がリング50に対して移動又は関節運動できるようになる。第4のアーチ状の表面54d、第5のアーチ状の表面54e、及び第6のアーチ状の表面54fは、サドル18と協働して、図6及び図7に示されるように、骨締結具12がサドル18に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。
図4及び図6〜図8を参照すると、サドル18は、第1の部分又は底部分60と、第2の部分又は上部分62とを含むことができる。上部分62は、底部分60に対して移動又は並進することができる(図8)。図4及び図6〜図8を参照すると、底部分60は、第1の端部又は近位端64と、第2の端部又は遠位端66と、ボア68と、支承面70とを含むことができる。近位端64は、概して、長方形であることができ、丸角を含むことができる。近位端64は上部分62に連結することができる(図8)。近位端64は、少なくとも一つのレール64aを画成することができる。概して、上部分62は、少なくとも一つのレール64aに沿って移動又は並進することができる(図8)。一例では、近位端64は、底部分60の対向面に位置付けることができる、二つのレール64aを画成することができる。後述するように、係止リング14の直径Dpは、底部分60に対する上部分62の並進を規定又は制限することができる。近位端64は、遠位端66へと先細状であることができる。
サドル18が骨締結具12に連結されるとき、遠位端66は骨締結具12のシャンク32に隣接していることができる。図3に最も良く示されるように、遠位端66は、内表面にリップ又は停止部66aを画成することができる。この例では、停止部66aは底部分60のボア68内へと延在することができる。停止部66aはボア68の周面の周りに延在することができ、サドル18に対する骨締結具12の運動又は関節運動を制限することができる。
ボア68は、底部分60を通って画成することができる。ボア68は、リング50、係止リング14、及び骨締結具12を中に受け入れるようにサイズ決めすることができる。図3を参照すると、ボア68は支承面68a及び側壁68bを含むことができる。支承面68aは、係止リング14のフランジ42aを受け入れ、係止リング14をサドル18に連結するように構成することができる。換言すれば、係止リング14のフランジ42aは、底部分60の支承面68aと協働して、係止リング14がサドル18から外れて転位するのを防ぐことができる。ボア68の側壁68bは支承面70の一部分を含むことができる。
支承面70は、ボア68の周面の周りに画成することができる。一例では、支承面70は、停止部66aの一部分70aに、且つボア68の側壁68bの一部分70bに形成することができる。支承面70は、概して、リング50と協働して、図7に最も良く示されるように、リング50がサドル18の底部分60内で移動又は関節運動できるように形作ることができる。リング50と底部分60との間の相対運動によって、骨締結具12の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして、骨締結具12を枢動させる又は骨締結具12に角度をもたせるようにすることができる。
図3、図4、及び図8を参照すると、上部分62が底部分60に対して移動できるようにして、サドル18の上部分62を底部分60の近位端64のレール64aに連結することができる。上部分62は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム10によって画成される長手方向軸L2に対して対称であることができる(図8)。上部分62は、第1の端部又は近位端76と、第2の端部又は遠位端78とを含むことができる。一例では、近位端76は、第1のアーム80及び第2のアーム82を含むことができる。第1のアーム80及び第2のアーム82は、遠位端78から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム80及び第2のアーム82はそれぞれ、噛合部分84及びキャビティ86を含むことができる。
噛合部分84は、締結機構を受け入れて、接続ロッド20をサドル18に連結するように構成することができる。例えば、噛合部分84は、第1のアーム80及び第2のアーム82それぞれの内表面80b、82bに形成することができる、複数のねじ山を備えることができる。この例では、噛合部分84は、止めねじ22に形成されたねじ山を係合して、接続ロッド20をサドル18に連結することができる(図3)。しかし、近位端76は、キー付き部分、歯など、接続ロッド20をサドル18に連結するための任意の適切な構成を有することができることに留意されたい。
キャビティ86は、第1のアーム80及び第2のアーム82の各内表面80b、82bに画成することができる。キャビティ86は、上部分62がサドル18の底部分60に対して移動又は関節運動するための遊びを提供することができる。これに関して、キャビティ86は、上部分62が係止リング14の一部分の上を移動できるように画成することができ、それによって、底部分60に対する上部分62の運動範囲を提供することができる。したがって、係止リング14とキャビティ86との間の接触は、底部分60に対する上部分62の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるが、他の技術を使用して、底部分60に対する上部分62の移動若しくは並進を停止又は制限することができる。
図4を参照すると、上部分62の遠位端78は、概して長方形であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面90と、中央のボア92とを含むことができる。受入れ面88は、接続ロッド20の一部分を受け入れることができる。一例では、受入れ面88は、サドル18のU字形を形成する、概してアーチ状の凹面状表面を備えることができるが、受入れ面88は、正方形などの任意の所望の形状を備えることができる。
底面90は、少なくとも一つ以上のガイド90aを含むことができる。この例では、底面90は二つのガイド90aを含むことができる。ガイド90aは、上部分62を底部分60に滑動可能に連結することができる。これに関して、各ガイド90aは、レール64aのそれぞれ一つと協働して、サドル18の上部分62がサドル18の底部分60に対して移動又は並進できるようにすることができる(図8)。概して、各ガイド90aはC字形を含むことができ、各レール64aをガイド90a内に受け入れることができる。しかし、上部分62が底部分60に対して移動又は並進できるようにするのに、任意の適切な形状を使用できることを理解されたい。
中央のボア92は、遠位端78を通して受入れ面88から底面90まで画成することができる。概して、中央のボア92は、骨締結具12を受け入れるようにサイズ決めすることができ、多平面連結システム16と協働して、骨締結具12が所望の面内で移動できるようにすることができる。
図2及び図3を参照すると、接続ロッド20は、サドル18の受入れ面88内に受け入れることができる。接続ロッド20は、止めねじ22などの適切な機械的締結具を介して、サドル18に連結することができる。例示的な接続ロッド20及び止めねじ22は、インディアナ州ワルシャワのバイオメット社(Biomet, Inc.)から市販されている、ポラリス(Polaris)(商標)5.5スパイナルシステムで用いられる接続ロッド及び止めねじ、又は上記で参照により本明細書に組み込まれている同一出願人による2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0077138号に開示されている接続要素にかなり類似したものとすることができる。接続ロッド20及び止めねじ22は一般に知られているものであり得るので、接続ロッド20及び止めねじ22については、本明細書では詳細に後述しない。
しかし、手短に言えば、接続ロッド20は、細長い中実のシリンダを含むことができる。接続ロッド20はまた、脊椎の自然な曲率に相当し得るわずかな曲率を含むことができる。典型的には、接続ロッド20は、椎体Vを相互に固定するのに十分な剛性を有する、適切な生体適合性材料で構成することができる。止めねじ22は、サドル18の近位端76の噛合部分84に形成されたねじ山を噛合して係合することができる、ねじ山を含むことができる。
図4〜図8を参照すると、多平面骨アンカーシステム10を組み立てるために、リング50を骨締結具12のチャネル36の周りに位置付けることができる(図5)。次に、サドル18の底部分60をリング50の周りに位置付けることができる(図6及び図7)。係止リング14を上部分62に連結することができる。次に、サドル18の上部分62をサドル18の底部分60に連結することができる(図8)。次に、係止リング14を骨締結具12のヘッド30に連結することができる。
一旦、組み立てられると、リング50は底部分60と協働して、骨締結具12が骨締結具12の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができる(図6及び図7)。係止リング14は、骨締結具12のヘッド30と協働して、骨締結具12が骨締結具12のヘッド30を中心にしてサドル18に対して移動又は関節運動できるようにすることができる(図5)。サドル18の上部分62は、底部分60と協働して、サドル18の上部分62がサドル18の底部分60に対して移動又は並進できるようにすることができる(図8)。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム10は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。多平面骨アンカーシステム10が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム10を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
多平面連結システム16を介して骨締結具12をサドル18に連結した状態で、対象の椎体Vに隣接した皮膚Sを通して外科的アクセスを行うことができる(図1)。特定の外科的アクセスの方策は本出願の範囲外であるが、例えば、インディアナ州ワルシャワのバイオメット社(Biomet, Inc.)から市販されている、ポラリス(Polaris)(商標)5.5スパイナルシステムで使用されるような低侵襲性外科的処置、又は上記で参照により本明細書に組み込まれている同一出願人による2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0077138号に開示されている低侵襲性外科的処置によって、外科的アクセスを得ることができる。
次に、一つ以上の多平面骨アンカーシステム10を、骨締結具12を介して個々の椎体Vに連結することができる(図1)。上記で参照により本明細書に組み込まれている同一出願人による2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0077138号に開示されているものなど、様々な技術を使用して、多平面骨アンカーシステム10を解剖学的構造に連結することができる。一例では、各骨締結具12がヘッド30に画成されたドライバー接続機構34を含む場合、適切な器具をドライバー接続機構34に連結して、従来のやり方で骨締結具12を解剖学的構造に打ち込むことができる。一旦、多平面骨アンカーシステム10が解剖学的構造に連結されると、接続ロッド20を多平面骨アンカーシステム10それぞれのサドル18に挿入することができる。概して、接続ロッド20は、接続ロッド20がサドル18の遠位端78の受入れ面88に乗るようにして挿入することができる(図2)。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム10のサドル18内に位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル18の各噛合部分84に連結することができる(図3)。止めねじ22を連結することで、係止リング14に力を加えて、骨締結具12をサドル18に対して固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。これに関して、係止リング14は、骨締結具12のヘッド30に力を加えることができ、それによってリング50に対して力を提供することができる。それに加えて、係止リング14はリング50に対して直接力を加えることができる。リング50に対する力を次に、サドル18の底部分60に加えて、それによってサドル18に対する骨締結具12の位置を固定することができる。
次に図9〜図11を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム100を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム100は、図1〜図8を参照して記載した多平面骨アンカーシステム10に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム10と多平面骨アンカーシステム100との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム100は、骨締結具102と、多平面連結装置又はシステム104と、サドル106とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム100は係止リング14を含まないものとして本明細書に記載され例証されるが、所望に応じて、適切な係止リング14を多平面骨アンカーシステム100と共に用いることができることに留意されたい。
図9〜図11を引き続き参照すると、骨締結具102は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム100を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具102は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具102は、ヘッド108及びシャンク32を含むことができる。ヘッド108は、概して、アーチ状であることができ、ドライバー接続機構34及びチャネル108aを含むことができる。
チャネル108aは、概してヘッド108とシャンク32との間に、ヘッド108の周面の周りに画成することができる。チャネル108aは、多平面連結システム104の一部分を受け入れて、サドル106が骨締結具102の長手方向軸Lを中心にして回転できるようにすることができる(図10)。したがって、チャネル108aは第1の支承面を画成することができる。骨締結具102はチャネル108aを含むものとして本明細書に例証され記載されるが、チャネル108aは必ずしも、サドル106が骨締結具102の長手方向軸Lを中心にして回転できるようにしなくてもよいことに留意されたい。
一例では、図9〜図11を引き続き参照すると、多平面連結システム104は、接続アーム110と支承部材又はリング112とを含むことができる。接続アーム110及びリング112は、骨締結具102と協働して、骨締結具102がサドル106に対して移動できるようにすることができる。接続アーム110は、骨締結具102のヘッド108の周りに配設して、図11に示されるように、骨締結具102がサドル106に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。この例では、接続アーム110は環状であることができ、サドル106に連結することができる。接続アーム110はボア114を含むことができる。ボア114は、接続アーム110の中心軸Cを中心にして形成することができる。図11に最も良く示されるように、ボア114は、噛合部分114aと、陥凹部114bと、連結部分114cと、テーパー部分114dとを含むことができる。
噛合部分114aは、接続アーム110をサドル106に連結することができる。噛合部分114aは、サドル106が接続アーム110に対して移動又は並進できるようにして構成することができることに留意されたい。例えば、噛合部分114aは、サドル106の一部分を滑動可能に受け入れることができる接続アーム110の一部分を通って形成される、対向するガイド又はスロットを備えることができる。しかし、ダブテール、レールなど、任意の適切な方法又は構成を使用して、サドル106を接続アーム110に滑動可能に連結できることに留意されたい。
陥凹部114bは、噛合部分114aと少なくとも一つの連結部分114cとの間に画成することができる。概して、陥凹部114bはアーチ状であることができ、一例では、半球状であることができる。陥凹部114bは、少なくとも、骨締結具102のヘッド108が接続アーム110内でその接続アームに対して回転するための遊びを提供することができる。これに関して、陥凹部114bは、少なくとも骨締結具102の長手方向軸Lを中心にして回転できるようにサイズ決めすることができ、所望に応じて、接続アーム110が骨締結具102のヘッド108に対して回転できるようにサイズ決めすることもできる。
連結部分114cは、陥凹部114bとテーパー部分114dとの間に画成することができる。一例では、連結部分114cは、接続アーム110の周面の周りに画成されるチャネルを備えることができる。概して、連結部分114cは、本明細書で後述するように、骨締結具102を接続アーム110に可動又は回転可能に連結することができる、リング112を受け入れるように構成することができる。
テーパー部分114dは、ボア114の最遠位端に画成することができる。テーパー部分114dは、サドル106に対する骨締結具102の角移動のための遊びを提供することができる。これに関して、テーパー部分114dはボア114の周面の周りに形成することができ、骨締結具102のシャンク32は、テーパー部分114dに接触して、接続アーム110に対する骨締結具の角移動を制限することができる。したがって、テーパー部分114dは、サドル106に対する骨締結具102の角移動に対する停止部又は限界を提供することができる。
図10及び図11を参照すると、リング112は、骨締結具102のヘッド108のチャネル108aに連結することができ、ボア114と協働して、骨締結具102が接続アーム110に対して移動又は回転できるようにすることができる。一例では、リング112は概して、C字形の本体を含むことができ、スロット112aを有することができる。リング112は、ヘッド108のチャネル108a内に少なくとも部分的に受け入れることができる。概して、リング112は、骨締結具102のチャネル108a内にスナップ嵌めすることができる。一例では、リング112は、リング112が骨締結具102のヘッド108の周りから離れるのを防ぐため、ヘッド108のチャネル108aの外径よりも大きくすることができる内径を有することができる。しかし、リング112はO字形などの連続的な環状体を有することができ、この場合、リング112をシャンク32の上にねじ留めしてチャネル36に入れることができる。
図10を参照すると、リング112は少なくとも一つのウィング116を含むことができる。少なくとも一つのウィング116は、リング112の本体から外向きに延在して、ボア114の連結部分114cを係合することができる。この例では、リング112は、接続アーム110のボア114の連結部分114c内にそれぞれ受け入れ、その連結部分に滑動可能に連結することができる、二つのウィング116を含むことができる。ウィング116は、連結部分114cと協働して骨締結具102が接続アーム110を中心にして回転できるようにすることができる、支承面を備えることができる。したがって、ウィング116は、楕円形、球状、丸角、環状、角丸正方形、角丸長方形など、ウィング116がボア114の連結部分114c内で移動又は滑動できるようにすることができる、任意の形状を有することができる。ウィング116はまた、接続アーム110が骨締結具102に対して移動又は枢動できるようにすることができる、少なくとも一つのテーパー面116aを含むことができる。この例では、ウィング116は、連結部分114cと協働して接続アーム110が骨締結具102のヘッド108を中心にして移動又は枢動できるようにすることができる、二つの対向するテーパー面116aを含むことができる。
図9〜図11を参照すると、サドル106は、接続アーム110を介して多平面連結システム104に連結することができる。概して、サドル106は、サドル106が多平面連結システム104及び骨締結具102に対して移動又は並進できるようにして、接続アーム110に連結することができる。サドル106は、実質的にU字形であることができ、多平面骨アンカーシステム100によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる。一例では、サドル106は、第1の端部又は近位端120と、第2の端部又は遠位端122とを含むことができる。一例では、近位端120は、第1のアーム124及び第2のアーム126を含むことができる。第1のアーム124及び第2のアーム126は、遠位端122から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム124及び第2のアーム126はそれぞれ、噛合部分84を含むことができる。
図10及び図11を参照すると、遠位端122は概して、長方形であることができ、受入れ面88(図10)と、少なくとも一つのレール122a(図11)と、中央のボア92(図11)とを含むことができる。一例では、遠位端122は二つのレール122aを含むことができる。概して、レール122aは、ボア92の対向面に形成することができ、ボア92から外向きに延在することができる。レール122aは、サドル106を接続アーム110に滑動可能に連結することができる。これに関して、各レール122aは、噛合部分114aのガイド又はスロットのそれぞれ一つと協働して、サドル106が接続アーム110及び骨締結具102に対して移動又は並進できるようにすることができる。しかし、ダブテールアセンブリなど、任意の適切な機構を使用して、サドル106が接続アーム110に対して移動又は並進できるようにすることができることを理解されたい。さらに、所望に応じて、遠位端122は一つのレール122aのみを含むことができる。また、所望に応じて、サドル106が噛合部分114aを含むことができ、レール122aを接続アーム110に形成して、サドル106と接続アーム110との間の相対運動を可能にすることができることを理解されたい。
図10及び図11を参照すると、多平面骨アンカーシステム100を組み立てるために、リング112を骨締結具102のチャネル108aに連結することができる。次に、リング112のウィング116が接続アーム110の連結部分114c内に受け入れられるようにして、接続アーム110をリング112に連結することができる。サドル106は、レール122aが接続アーム110の噛合部分114aに滑動可能に連結されるようにして位置付けることができる。
一旦、組み立てられると、接続アーム110はリング112と協働して、骨締結具102が骨締結具102の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面が提供される。それに加えて、ウィング116のテーパー面116aは、接続アーム110の連結部分114cと協働して、接続アーム110が骨締結具102のヘッド108を中心にして骨締結具102に対して移動又は枢動できるようにすることができ、それによって第2の運動面が提供される。サドル106もまた、接続アーム110と協働して、サドル106が接続アーム110に対して移動又は並進できるようにすることができ、それによって第3の運動面を提供することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム100は少なくとも三つの運動面又は運動度を有することができる。多平面骨アンカーシステム100が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム100を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム100の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム100の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム100が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム104及びサドル106を骨締結具102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム100に連結することができる。
次に図12〜図14を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム200を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム200は、図9〜図11を参照して記載した多平面骨アンカーシステム100に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム100と多平面骨アンカーシステム200との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム200は、骨締結具102と、多平面連結装置又はシステム204と、サドル206とを含むことができる。
図12〜図14を参照すると、多平面連結システム204は、接続アーム210と、少なくとも一つのプラグ215と、保定リング216とを含むことができる。接続アーム210は、骨締結具102と協働して、骨締結具102がサドル206に対して移動できるようにすることができる。接続アーム210は、骨締結具102のヘッド108の周りに配設して、骨締結具102がサドル206に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。この例では、接続アーム210は環状であることができ、サドル206に連結することができる。接続アーム210は、少なくとも一つの連結機構213及びボア214を含むことができる。少なくとも一つの連結機構213は、二つの連結機構213を含むことができる。この例では、連結機構213は、接続アーム210のボア214と対向する面を通して画成することができる、ボアを備えることができる。ボア214は、接続アーム210の中心軸Cを中心にして形成することができる。図14に最も良く示されるように、ボア214は、噛合部分214aと、連結部分114cと、テーパー部分114dとを含むことができる。
噛合部分214aは、保定リング216と協働して、接続アーム210をサドル206に連結することができる。概して、噛合部分214aは、サドル206が保定リング216を介して接続アームに対して移動できるようにして構成することができる。この例では、噛合部分214aは、保定リング216の一部分を滑動可能に受け入れることができる接続アーム210の一部分を通して形成される、対向するガイド又はスロットを備えることができる。しかし、ダブテール、レールなど、任意の適切な方法又は構成を使用して、サドル206を接続アーム210に可動に連結できることに留意されたい。
図13を参照すると、一例では、少なくとも一つのプラグ215aは二つのプラグ215aを含むことができる。プラグ215aは、ボア214の連結部分114cを係合することができる。この例では、プラグ215aはそれぞれ、接続アーム210のボア214の連結部分114c内に受け入れ、その連結部分に滑動可能に連結することができる。プラグ215aは、連結部分114cと協働して骨締結具102が接続アーム210を中心にして回転できるようにすることができる、支承面を備えることができる。したがって、プラグ215aは、楕円形、球状、丸角、環状、角丸正方形、角丸長方形など、プラグ215aがボア114の連結部分114c内で移動又は滑動できるようにすることができる、任意の形状を有することができる。一例では、プラグ215aはそれぞれ、プラグ215aを接続アーム210内にスナップ嵌め又はプレス嵌めできるようにすることができる、切欠き(若しくは類似の機構)215bを含むことができる。しかし、所望に応じて、プラグ215aを接続アーム210と一体的に形成することができることを理解されたい。プラグ215aは、連結部分114cと協働して、接続アーム210が骨締結具102のヘッド108を中心にして移動又は枢動できるようにすることができる。
図14に最も良く示されるように、保定リング216は、サドル206を接続アーム210に連結することができる。これに関して、保定リング216は、第1の端部又は近位端218と、第2の端部又は遠位端220とを含むことができる。近位端218は、後述するように、サドル206の一部分に連結することができ、遠位端220は、接続アーム210の噛合部分214aに連結することができる。保定リング216は、連続的な中断されない周面を含んでも含まなくてもよい、環状リングなどの任意の適切な構造を備えることができる。この例では、保定リング216はC字形のリングを含むことができるが、保定リング216は、長方形の構造、正方形の構造など、非環状構造を含むこともできることを理解されたい。
保定リング216の近位端218は、近位端218をサドル206に連結することができる、突出部218aを含むことができる。遠位端220も、遠位端220を噛合部分214aに連結することができる、突出部220aを含むことができる。図14に最も良く示されるように、遠位端220の突出部220aは陥凹部220bも含むことができる。陥凹部220bは、骨締結具102のヘッド108が、保定リング216に接触することなく接続アーム210を中心にして回転できるようにすることができる。
サドル206は、保定リング216を介して接続アーム210に連結することができる。概して、サドル206は、サドル206が多平面連結システム204及び骨締結具102に対して移動又は回転できるようにして、接続アーム210に連結することができる。サドル206は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム200によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる(図14)。一例では、サドル206は、第1の端部又は近位端120と、第2の端部又は遠位端224とを含むことができる。
図14を参照すると、遠位端224は、概して、環状であることができ、受入れ面88と、少なくとも一つのチャネル224aと、中央のボア92とを含むことができる。この例では、遠位端224は二つのチャネル224aを含むことができる。概して、チャネル224aは、ボア92の対向面に形成することができる。チャネル224aは、サドル206を接続アーム210に連結することができる。これに関して、チャネル224aは、保定リング216の遠位端220の突出部220aを受け入れて、サドル206を接続アーム210及び骨締結具102に連結することができる。
図13及び図14を参照すると、多平面骨アンカーシステム200を組み立てるために、保定リング216をサドル206のチャネル224aに連結することができる。保定リング216がサドル206に連結された状態で、保定リング216の突出部220aが接続アーム210の噛合部分214a内に嵌合するようにして、保定リング216の遠位端220を接続アーム210に押し込むことができる。次に、接続アーム210を骨締結具102の上に位置付けることができ、プラグ215aが接続アーム210の連結機構213を通して受け入れられるようにして、プラグ215aを接続アーム210に連結することができる。
一旦、組み立てられると、接続アーム210はプラグ215aと協働して、骨締結具102が骨締結具102の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面が提供される。それに加えて、プラグ215aは、接続アーム210の連結部分114cと協働して、接続アーム210が骨締結具102のヘッド108を中心にして骨締結具102に対して移動又は枢動できるようにすることができ、それによって第2の運動面が提供される。サドル206もまた、保定リング216を介して接続アーム210と協働して、サドル206が接続アーム210に対して移動又は回転できるようにすることができ、それによって第3の運動面を提供することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム200は少なくとも三つの運動面又は運動度を有することができる。多平面骨アンカーシステム200が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム200を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム200の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム100の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム200の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム200が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム204及びサドル206を骨締結具102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム200に連結することができる。
次に図15〜図17を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム300を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム300は、図1〜図9を参照して記載した多平面骨アンカーシステム10に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム300と多平面骨アンカーシステム10との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム300は、骨締結具302と、係止リング304と、多平面連結装置又はシステム306と、サドル307とを含むことができる。
図15及び図16を参照すると、骨締結具302は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム300を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具302は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具302は、近位端又はヘッド308と、遠位端又はシャンク32とを含むことができる。ヘッド308は、シャフト308bを介してシャンク32に連結される、概してアーチ状又は半球状の部分308aを含むことができる。半球部分308aはドライバー接続機構34を含むことができる。多平面骨アンカーシステム300が組み立てられるとき、半球部分308aは係止リング304に連結することができる。シャフト308bは、概して円筒状であることができ、半球部分308aから遠位側に延在することができる。シャフト308bは、多平面連結システム306の一部分を受け入れて、多平面連結システム306を骨締結具302に連結することができる。
図17に最も良く示されるように、係止リング304は、骨締結具302のヘッド308の周りに位置付けることができる。係止リング304は、本明細書で後述するように、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具302を多平面連結システム306に対して連結又は係止することができる。係止リング304は、概して円筒状であることができ、高さH3を有することができる。高さH3は、接続ロッド20をサドル307に連結することによって、係止リング304を骨締結具302のヘッド308に押し付けることができるようにして、サドル307の受入れ面88の上まで、又はその受入れ面にほぼ等しいところまで延在するようにサイズ決めすることができる。この例では、図16に示されるように、係止リング304は、係止リング304を骨締結具302のヘッド308の周りに位置付けるのを容易にすることができる、切欠き304aを含むことができる。しかし、係止リング304は連続的な中断されない円筒状体を有することができるので、切欠き304aは任意であり得ることを理解されたい。それに加えて、係止リング304は、近位端310、遠位端312、フランジ314、及びボア316を含むことができる。
多平面骨アンカーシステム300が組み立てられるとき、近位端310はサドル307の受入れ面88の上まで延在することができる。接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム300に連結されると、近位端310は接続ロッド20の少なくとも一部分に接触することができる。係止リング304が骨締結具302に連結されると、遠位端312は骨締結具302のヘッド308の半球部分308aに連結することができる。遠位端312は、少なくとも一つの切欠き又は陥凹部312aを含むことができる。一例では、遠位端312は二つの陥凹部312a、312bを含むことができる。陥凹部312a及び312bは、多平面連結システム306の一部分のための遊びを提供することができる。任意に、陥凹部312a及び312bは、図1〜図9を参照して検討したように、骨締結具302が骨締結具302のヘッド308を中心にして移動又は枢動できるようにすることができる。
フランジ314は、近位端310と遠位端312との間に形成することができ、係止リング304の外周面の周りで外向きに延在することができる。フランジ314は、多平面連結システム306の一部分と協働して、係止リング304を多平面連結システム306内で連結又は保定することができる。
ボア316は、係止リング304の中心軸を中心にして配設することができる。ボア316は、近位端310から遠位端312まで延在することができる。ボア316は、近位端310又はその付近に形成される第1の皿穴316aと、遠位端312又はその付近に形成される第2の皿穴316bとを含むことができる。第1の皿穴316aは、接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム300に連結されるとき、接続ロッド20の一部分を少なくとも部分的に受け入れるように構成することができる。第2の皿穴316bは、骨締結具302のヘッド308に滑動可能に連結することができる、支承面を備えることができる。概して、第2の皿穴316bは、ヘッド308が係止リング304に対して移動、回転、及び/又は枢動できるようにすることができる。
多平面連結システム306は、接続アーム320及びリング322を含むことができる。接続アーム320は、骨締結具302と協働して、骨締結具302がサドル307に対して移動できるようにすることができる。多平面連結システム306は、接続アーム320及びリング322を含むものとして本明細書に記載され例証されるが、多平面連結システム306は、所望に応じて、リングのみ又は接続アームのみを含むことができることに留意されたい。この例では、接続アーム320は、一緒に組み立てたときに(図17)ボア320aを有する実質的に連続的な環状体又は円筒状体を形成するように協働することができる、第1の半殻324及び第2の半殻326を有することができる。第1の半殻324及び第2の半殻326はそれぞれ、フランジ328と、チャネル330と、少なくとも一つの噛合機構332と、停止部334と、リング保定部分336と、係止リング保定部分338とを含むことができる。概して、フランジ328及びチャネル330はそれぞれ、第1の半殻324及び第2の半殻326それぞれの外表面に形成することができ、停止部334、リング連結部分336、及び係止リング保定部分338は、第1の半殻324及び第2の半殻326の内表面に形成することができる。
図16を参照すると、フランジ328は、第1の半殻324及び第2の半殻326の近位端324a、326aに画成することができる。フランジ328は、第1の半殻324及び第2の半殻326の本体よりも小さい直径を有することができる。フランジ328は、チャネル330と協働して、サドル307の一部分を接続アーム320に連結することができる。チャネル330はフランジ328に隣接して画成することができる。チャネル330は、フランジ328よりも小さくすることができる直径を有することができる。上述したように、フランジ328及びチャネル330は協働して、サドル307の一部分を接続アーム320に回転可能に連結することができる。
図16を引き続き参照すると、少なくとも一つの噛合機構332は、第1の半殻324及び第2の半殻326を共に連結することができる。一例では、少なくとも一つの噛合機構332は二つの噛合機構332を含むことができるが、任意の数の噛合機構を用いて第1の半殻324を第2の半殻326に連結できることを理解されたい。例えば、第1の半殻324の噛合部分332aはプラグを備えることができ、第2の半殻326の噛合部分332bは受け部を備えることができる。接着剤、機械的締結具、溶接など、任意の適切な技術を使用して、第1の半殻324を第2の半殻326に連結することができるので、プラグ及び受け部の使用は単なる例示であることに留意されたい。第1の半殻324及び第2の半殻326が噛合部分332を介して一緒に連結されると、第1の半殻324及び第2の半殻326はボア320aを画成することができる。停止部334、リング連結部分336、及び係止リング連結部分338は、全体として、ボア320a内に画成することができる。
停止部334は、第1の半殻324及び第2の半殻326の遠位端324b、326b又はそれらの付近に形成することができる、テーパー部分を含むことができる。停止部334は、接続アーム320に対する骨締結具302の運動範囲を制限する役割を果たすことができる。リング連結部分336は、近位端324a、326aと遠位端324b、326bとの間に画成することができる。一例では、リング連結部分336はボア336aを含むことができる。リング連結部分336のボア336aは、本明細書でさらに詳細に後述するように、リング322の一部分を受け入れて、リング322を接続アーム320に連結することができる。
係止リング保定部分338は、第1の半殻324及び第2の半殻326のリング連結部分336の近位端324a、326aの間に画成することができる。係止リング保定部分338は支承面338aを含むことができる。支承面338aは、第1の半殻324が第2の半殻326に連結されたとき、支承面338aがボア320aの周りで円周方向に延在することができるようにして、第1の半殻324及び第2の半殻326の内部の周りで半径方向に画成することができる。支承面338aは、係止リング304のフランジ314の少なくとも一部分を受け入れて、係止リング304を接続アーム320に連結するように構成することができる。
リング322は、リング連結部分336を介して接続アーム320に連結することができる。リング322は、骨締結具302のヘッド308の周りに配設して、骨締結具302がサドル307に対して移動又は回転できるようにすることができる。リング322は、環状であることができ、接続アーム320が骨締結具302と共にサドル307に対して移動又は回転できるように、接続アーム320内に嵌合するようにサイズ決めすることができる。リング322は、ボア340及び少なくとも一つのウィング342を含むことができる。ボア340は、リング322を骨締結具302のシャフト308bの周りに連結できるようにサイズ決めすることができるが、リング322が骨締結具302のヘッド308の半球部分308a上に転位するのを防ぐようにサイズ決めすることもできる。
少なくとも一つのウィング342は、リング322の周面から外向きに延在することができる。この例では、少なくとも一つのウィング342は二つのウィング342を含むことができる。ウィング342は、リング322の概して対向する面から外向きに延在することができる。ウィング342は、概して円筒状の形状であることができ、リング連結部分336のボア336aに連結されるか、又はそのボア内に受け入れられるようにサイズ決めすることができる。ウィング342は、楕円形、円形、角丸正方形、角丸長方形など、骨締結具302を接続アーム320に連結できるようにする任意の形状を有することができるので、本明細書に記載され例証されるウィング342の形状は単なる例示であることに留意されたい。ウィング342は、接続アーム320が骨締結具302と共にサドル307に対して回転できるようにして、リング322を接続アーム320に連結することができる。
図16及び図17を参照すると、サドル307は、接続アーム320を介して多平面連結システム306に連結することができる。概して、接続アーム320がサドル307に対して移動又は回転できるようにして、且つサドル307が多平面連結システム306及び骨締結具302に対して移動又は並進できるようにして、サドル307を接続アーム320に連結することができる。
サドル307は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム300によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる(図17)。サドル307は、第1の部分又は底部分350と、第2の部分又は上部分352とを含むことができる。上部分352は底部分350に対して移動又は並進することができる。
これに関して、図16及び図17を参照すると、サドル307の底部分350は、概して環状又は円筒状の形状であることができ、近位端354、遠位端356、及びボア358を備えることができる。底部分350はまた、所望に応じて、底部分350を接続アーム320に連結するのを容易にすることができる、切欠き350aを含むことができる。スナップ嵌め、プレス嵌めなどの他の技術によって、底部分350を接続アーム320に連結することができるので、切欠き350aは任意であることに留意されたい。近位端354はサドル307の上部分352に連結することができ、遠位端356は接続アーム320に連結することができる。ボア358は、係止リング304の近位端310の少なくとも一部分が貫通できるようにサイズ決めすることができる。後述するように、ボア358は、接続アーム320が底部分350に連結されるとき、接続アーム320の一部分を中に受け入れるように構成することもできる。
一例では、底部分350の近位端354は、サドル307の上部分352と協働してサドル307が接続アーム320に対して移動又は並進できるようにすることができる、少なくとも一つのレール360を画成することができる。この例では、近位端354は、ボア358の概して対向する面に配設することができる、二つのレール360a、360bを画成することができる。一例では、レール360a、360bは、多平面骨アンカーシステム300の長手方向軸Lに、概して垂直な面に沿って延在することができるが、レール360a、360bは、任意の所望の面内又は複数の面内で延在することができることを理解されたい。レール360a、360bによって、サドル307が底部分350の近位端354に沿って移動、並進、又は滑動できるようにすることができる。
底部分350の遠位端356はリップ356aを画成することができる。リップ356aは、底部分350の周面の周りに延在することができる。リップ356aは、ボア358内へと突出することができ、底部分350の遠位端356を接続アーム320に連結することができる。これに関して、リップ356aは、接続アーム320のフランジ328に連結されるように構成することができる。リップ356aとフランジ328との係合によって、本明細書でさらに後述するように、接続アーム320が骨締結具302と共に少なくともサドル307の上部分352に対して移動又は回転できるようにすることができる。
サドル307の上部分352は、上部分352が底部分350に対して移動できるようにして、底部分350の近位端354のレール360a、360bに連結することができる。上部分352は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム300によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる。上部分352は、第1の端部又は近位端76と、第2の端部又は遠位端370とを含むことができる。
図17を参照すると、上部分352の遠位端370は、概して長方形であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面372と、中央のボア374とを含むことができる。底面372は、少なくとも一つ以上のガイド372aを含むことができる。この例では、底面90は二つのガイド372a、372bを含むことができる。ガイド372a、372bは、上部分352を底部分350に滑動可能に連結することができる。この点に関して、各ガイド372a、372bは、レール360a、360bのそれぞれ一つと協働して、サドル307の上部分352がサドル307の底部分350に対して移動又は並進できるようにすることができる。概して、各ガイド372a、372bはダブテール形状を備えることができる。
しかし、上部分352及び底部分350は、相対運動を可能にするレール及びガイドを含むものとして本明細書に例証され記載されるが、モノレールアセンブリ、軸受、カム面など、任意の適切なデバイス又は機構を使用して、上部分352と底部分350との間の相対運動を可能にすることができることを理解されたい。また、所望に応じて、底部分350のレール360a、360bは上部分352のガイド372a、372bと入れ換えることができることを理解されたい。
図15〜図17を参照すると、多平面骨アンカーシステム300を組み立てるために、リング322を骨締結具302のシャフト308bに連結することができる。次に、係止リング304を骨締結具302のヘッド308上に位置付けることができる。次に、接続アーム320の第1の半殻324及び第2の半殻326を、リング322及び係止リング304に連結することができる。次に、接続アーム320がサドル307の底部分350に対して移動又は回転することができるようにして、サドル307の底部分350を接続アーム320に連結することができる。次に、ガイド372a、372bが接続アーム320のガイド372a、372bに可動又は滑動可能に連結されるようにして、サドル307の上部分352を底部分350に連結することができる。底部分350に対する上部分352の移動は、中央のボア374の陥凹部374aと係止リング304との間の接触によって制限できることに留意されたい。
一旦、組み立てられると、接続アーム320は骨締結具302と協働して、骨締結具302が骨締結具302の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面が提供される。サドル307の底部分350も骨締結具302に対して回転することができ、したがって、サドル307の上部分352が骨締結具302に対して回転することができ、それによって第2の運動面が画成される。それに加えて、上部分352もまた、底部分350に対して移動又は並進することができ、それによって第3の運動面を画成することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム300は少なくとも三つの運動度又は運動面を有することができる。多平面骨アンカーシステム300が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム300を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム300の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム300の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム300が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム306及びサドル307を骨締結具302に対して移動、回転、又は並進させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム300に連結することができる。
次に図18〜図20を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム400を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム400は、図9〜図11及び図15〜図17を参照して記載した多平面骨アンカーシステム100、300に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム100、300と多平面骨アンカーシステム400との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム400は、骨締結具102と、係止リング402と、多平面連結装置又はシステム404と、サドル406とを含むことができる。
係止リング402は、骨締結具102のヘッド108の周りに位置付けることができる。係止リング402は、本明細書で後述するように、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具102を多平面連結システム404に対して連結又は係止することができる。図20に最も良く示されるように、係止リング402は、概して円筒状であることができ、高さH4を有することができる。高さH4は、接続ロッド20をサドル406に連結することによって、係止リング402を骨締結具102のヘッド108に押し付けることができるようにして、サドル406の受入れ面88の上まで、又はその受入れ面にほぼ等しいところまで延在するようにサイズ決めすることができる。この例では、図19を参照すると、係止リング402は、係止リング402を骨締結具102のヘッド108の周りに位置付けるのを容易にすることができる、切欠き402aを含むことができる。しかし、係止リング402は連続的な中断されない円筒状体を有することができるので、切欠き402aは任意であり得ることを理解されたい。それに加えて、係止リング402は、近位端408、遠位端410、フランジ412、及びボア414を含むことができる。
多平面骨アンカーシステム400が組み立てられるとき、近位端408はサドル406の受入れ面88の上まで、又はその受入れ面まで延在することができる。接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム400に連結されると、近位端408は接続ロッド20の少なくとも一部分に接触することができる。係止リング402が骨締結具102に連結されると、遠位端410は骨締結具102のヘッド108に連結することができる。フランジ412は、遠位端410又はその付近に形成することができ、係止リング402の外周面の周りで外向きに延在することができる。フランジ412は、多平面連結システム404の一部分と協働して、係止リング402を多平面連結システム404内で連結又は保定することができる。
ボア414は、係止リング402の中心軸を中心にして配設することができる。ボア414は、近位端408から遠位端410まで延在することができる。ボア414は、近位端408又はその付近に形成される第1の皿穴414aと、遠位端410又はその付近に形成される第2の皿穴414bとを含むことができる。第1の皿穴414aは、接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム400に連結されるとき、接続ロッド20の一部分を少なくとも部分的に受け入れるように構成することができる。第2の皿穴414bは、骨締結具102のヘッド108に滑動可能に連結することができる、支承面を備えることができる。概して、第2の皿穴414bは、ヘッド108が係止リング402に対して移動、回転、及び/又は枢動できるようにすることができる。
多平面連結システム404は接続アーム420を含むことができる。接続アーム420は、骨締結具102と協働して、骨締結具102がサドル406に対して移動できるようにすることができる。多平面連結システム404は、接続アーム420のみを含むものとして本明細書に記載され例証されるが、多平面連結システム404は、所望に応じて、リングを含むことができることに留意されたい。この例では、接続アーム420は、切欠き420aを含むことができる、円筒状体を有することができる。切欠き420aは、骨締結具302のヘッド108に対する接続アーム420の連結を容易にすることができる。例えば、切欠き420aは、接続アーム420を骨締結具102のヘッド108の周りにスナップ嵌めできるようにすることができる。しかし、接続アーム420は連続的な中断されない円筒状体を有することができるので、切欠き410aは任意であり得ることに留意されたい。連続的な中断されない円筒状体の場合、接続アーム420を骨締結具102のシャンク32の上にねじ留めして、骨締結具102のヘッド108と係合させることができる。
この例では、接続アーム420は、第1の端部又は近位端422と、第2の端部又は遠位端424と、チャネル426と、ボア428と、連結機構430とをさらに備えることができる。近位端422は、概して、多平面骨アンカーシステム400が組み立てられるときにサドル406の一部分に隣接して位置付けることができる平滑な表面を有することができる。遠位端424は近位端422の反対側に位置付けることができ、概して、遠位端424はテーパー424aを備えることができる。テーパー424aは、非外傷性端部を備えた接続アーム420を提供することができる。
チャネル426は、近位端422と遠位端424との間に画成することができる。チャネル426は、接続アーム420の円筒状体の外周面の周りに延在することができる。チャネル426は、本明細書でより詳細に後述するように、サドル406の一部分を受け入れて、接続アーム420をサドル406に連結することができる。
ボア428は、接続アーム420の中心軸を中心にして画成することができる。ボア428は、係止リング402の少なくとも一部分及び骨締結具102の少なくとも一部分を中に受け入れて、係止リング402及び骨締結具102それぞれを接続アーム420に連結することができる。これに関して、図20を参照すると、ボア428は、係止リング連結部分428a及び骨締結具連結部分428bを含むことができる。一例では、係止リング連結部分428aは、係止リング402のフランジ412を係合するように構成することができる、陥凹部を備えることができる。係止リング402のフランジ412と係止リング連結部分428aとの係合によって、係止リング402を接続アーム420内で連結又は保定することができる。骨締結具連結部分428bは、ボア428の周面の周りに延在することができる、環状又は円周方向の突出部を備えることができる。概して、骨締結具連結部分428bは、骨締結具102のヘッド108に形成されたチャネル108aを係合し、それによって骨締結具102が接続アーム420に対して移動又は回転できるように、サイズ決めすることができる。したがって、骨締結具連結部分428bは、骨締結具102が接続アーム420に対して移動又は回転できるようにすることができる、支承面を備えることができる。
連結機構430は、切欠き420aに隣接して形成することができ、概して、骨締結具102のチャネル108aを係合するように形成することができる。連結機構430とチャネル108aとの係合によって、多平面連結システム404が骨締結具102に対して移動(回転及び枢動)できるようにすることができる。しかし、上述したように、ウィングを備えたリングなど、任意の適切なデバイス又は技術を使用して、多平面連結システム404が骨締結具102に対して移動(回転及び枢動)できるようにすることができるので、連結機構430は任意であり得ることに留意されたい。
サドル406は、接続アーム420を介して多平面連結システム404に連結することができる。概して、接続アーム420がサドル406に対して移動又は回転できるようにして、且つサドル406が多平面連結システム404及び骨締結具102に対して移動又は並進できるようにして、サドル406を接続アーム420に連結することができる。
サドル406は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム400によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる(図20)。サドル406は、第1の部分又は底部分460と、第2の部分又は上部分352と、第3の部分又は中間部分462とを含むことができる。上部分352は、中間部分462に対して移動又は並進することができる。
図19を参照すると、サドル406の底部分460は、図15〜図17を参照して記載したサドル307の底部分350に実質的に類似し得るので、サドル406の底部分460とサドル307の底部分350との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述する。これに関して、サドル406の底部分460は、サドル307の底部分350とは大幅に異なる幾何学形状を有することができる。例えば、底部分460は、概して八角形であることができるので、底部分460の第1の端部又は近位端354と関連付けられたレール360a、360bは、概して長方形又はダブテールの形状であることができる。概して長方形又はダブテール形状を有することによって、底部分460のレール360a、360bは、底部分350のレール360a、360bよりも大幅に長い長さを有することができる。これによって、サドル406がサドル307よりも長い距離を移動又は並進できるようにすることができる。しかし、所望に応じて、底部分460は、底部分350と同じ形状を有することができることを理解されたい。サドル406の底部分460は、接続アーム420がサドル406に対して移動又は回転できるようにして、接続アーム420に連結することができる。
これに関して、接続アーム420のチャネル426は、環状のリップ356aがチャネル426に収まって接続アーム420をサドル406の底部分460に保定するようにして、底部分460の環状のリップ356aに連結することができる。チャネル426と環状のリップ346aとの間の係合によって、本明細書でさらに後述するように、接続アーム420が骨締結具102と共に少なくともサドル406の上部分352に対して移動又は回転できるようにすることができる。
図20を参照すると、底部分460はまた、係止リング402の少なくとも一部分がボア348を貫通できるようにサイズ決めすることができる、ボア358を含むことができる。それに加えて、上述したように、ボア348は、接続アーム420が底部分460に連結されるとき、接続アーム420の一部分を中に受け入れるように構成することができる。
図20を引き続き参照すると、サドル307の上部分352は、本明細書でより詳細に後述するように、上部分352が底部分460及び中間部分462のうちの少なくとも一つに対して移動することができるようにして、中間部分462に連結することができる。中間部分462は、上部分352と底部分460との間に連結することができる。概して、中間部分462は、上部分352及び底部分460それぞれに対して可動又は並進可能であることができる。中間部分462は、概して八角形の形状であることができる。円筒状、長方形など、任意の適切な形状を使用することができるので、中間部分462の形状は単なる例示であることに留意されたい。中間部分462は、第1の表面又はレール面464と、それに対向する第2の表面又はガイド面466と、ボア468とを含むことができる。ボア468は、中間部分462の中心軸を中心にして画成することができ、底部分460のボア358及び上部分352の中央のボア374と同軸で位置合わせすることができる。ボア468は、係止リング402の一部分が中間部分462を通って延在できるようにサイズ決めすることができる。
レール面464は、少なくとも一つのレール464aを含むことができる。概して、レール面464は、上部分352のガイド372a、372bを可動又は滑動可能に係合するように構成することができる、二つのレール464a、464bを含むことができる。レール464a、464bとガイド372a、372bとの間の係合によって、サドル406の上部分352がサドル406の中間部分462に対して移動又は並進できるようにすることができる。
ガイド面466は、少なくとも一つのガイド466aを含むことができる。概して、ガイド面466は、サドル406の底部分460のレール360a、360bを可動又は滑動可能に係合するように構成することができる、二つのガイド466a、466bを含むことができる。ガイド466a、466bとレール360a、360bとの間の係合によって、サドル406の底部分460がサドル406の中間部分462に対して移動又は並進できるようにすることができる。
しかし、上部分352、中間部分462、及び底部分460は、相対運動を可能にするレール及びガイドを含むものとして本明細書に例証され記載されるが、モノレールアセンブリなど、任意の適切なデバイス又は機構を使用して、上部分352、中間部分462、及び底部分460の間の相対運動を可能にすることができることを理解されたい。また、上部分352及び中間部分462のガイド372a、372b、466a、466bは、所望に応じて、底部分350及び中間部分462のレール360a、360b、464a、464bと入れ換えることができることを理解されたい。
図19及び図20を参照すると、多平面骨アンカーシステム400を組み立てるために、接続アーム420を骨締結具102のチャネル108aに連結することができる。次に、係止リング402を接続アーム420に連結することができる。次に、接続アーム420がサドル406の底部分460に対して移動又は回転できるようにして、サドル406の底部分460を接続アーム420に連結することができる。中間部分462を、サドル406の底部分460のレール360a、360bに連結して、中間部分462が底部分460に対して移動又は並進できるようにすることができる。底部分460に対する中間部分462の移動は、中間部分462のボア468の側壁468aと係止リング402との間の接触によって制限できることに留意されたい(図20)。次に、ガイド372a、372bが接続アーム420のレール464a、464bに滑動可能に連結されるようにして、サドル406の上部分352を中間部分462に連結することができる。中間部分462に対する上部分352の移動は、上部分352のボア374の側壁374bと係止リング402との間の接触によって制限できることに留意されたい(図20)。
一旦、組み立てられると、接続アーム420は骨締結具102と協働して、骨締結具102が骨締結具102の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面が提供される。サドル406の底部分460も骨締結具102に対して回転することができ、したがって、サドル406の上部分352が骨締結具102に対して回転することができ、それによって第2の運動面が画成される。それに加えて、中間部分462は接続アーム420に対して移動又は並進することができ、それによって第3の運動面が画成される。上部分352も中間部分462に対して移動又は並進することができるので、多平面骨アンカーシステム400は第4の運動面を画成することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム400は少なくとも四つの運動度又は運動面を有することができる。多平面骨アンカーシステム400が少なくとも四つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム400を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム400の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム300の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム400の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム400が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム404及びサドル406を骨締結具102に対して移動、回転、又は並進させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム400に連結することができる。
次に図21〜図23を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム500を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム500は、図9〜図15を参照して記載した多平面骨アンカーシステム100、200に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム100、200と多平面骨アンカーシステム500との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム500は、骨締結具102と、係止リング502と、多平面連結装置又はシステム504と、サドル506とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム500は、係止リング502を含むものとして本明細書に記載され例証されているが、多平面骨アンカーシステム500は必ずしも係止リング502を含まなくてもよいことを理解されたい。さらに、多平面骨アンカーシステム500は、所望に応じて、係止リング502の代わりに係止リング14を用いることができる。
係止リング502は、サドル506内に受け入れることができ、多平面連結システム504及びサドル506を協働させて、骨締結具102を所望の角位置へと固定的に連結又は係止することができる(図23)。一例では、図22を参照すると、係止リング502は、生体適合性金属、セラミック、合金、ポリマー、又はそれらの組合せなど、任意の適切な生体適合性材料から形成することができる、連続的な円筒状体を含むことができる。係止リング502は、第1の端部又は近位端507と、第2の端部又は遠位端508と、フランジ509とを含むことができる。それに加えて、係止リング502は、器具が骨締結具102のドライバーインターフェース機構34を係合できるようにすることができる、ボア502aを含むことができる。
係止リング502の近位端507は、接続ロッド20と噛合するように構成された曲率を有することができる、第1の凹面状表面507aを画成することができる。これに関して、係止リング502は、接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム500に連結されるとき、接続ロッド20の一部分を支持することができる。この例では、接続ロッド20を多平面骨アンカーシステム500に連結するために止めねじ22によって加えられる力によって、係止リング502を所望の角位置で骨締結具102に固定的に連結又は係止する力を加えることができる。
係止リング502の遠位端508は、骨締結具102のヘッド108に力を加えて、骨締結具102を所望の角位置で固定的に連結又は係止することができる。図23を参照すると、遠位端508は第2の凹面状表面508aを画成することができる。凹面状表面508aは、係止リング502に力が加えられると、骨締結具102のヘッド108と噛合して、骨締結具102を所望の角位置で固定的に連結又は係止するように構成することができる。
フランジ509は、係止リング502の周面の周りに延在することができ、係止リング502の近位端507と遠位端508との間に位置付けることができる。フランジ509は、係止リング502と一体的に形成することができ、又はオーバーモールディング、接着剤など、任意の適切な製造技術によって、係止リング502の周面に連結することができる。フランジ509は、本明細書でより詳細に後述するように、多平面連結システム504の一部分を係合して、係止リング502を多平面連結システム504に連結するように構成することができる。
図21〜図23を参照すると、多平面連結システム504は、接続アーム510と、少なくとも一つのプラグ538と、保定クリップ514とを含むことができる。一例では、多平面連結システム504は二つのプラグ538を含むことができる。接続アーム510及びプラグ538は、骨締結具102と協働して、骨締結具102がサドル506に対して移動できるようにすることができる。接続アーム510は、骨締結具102のヘッド30の周りに配設して、骨締結具102がサドル506に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。この例では、接続アーム510は、円筒状であることができ、後述するように、保定クリップ514を介してサドル506に連結することができる(図23)。接続アーム510は、第1の端部又は近位端520と、チャネル522と、第2の端部又は遠位端524と、ボア526とを含むことができる。
サドル506が接続アーム510に連結されるとき、近位端520はサドル506内に受け入れることができる(図23)。チャネル522は、近位端520と遠位端524との間に配設することができる。チャネル522は、サドル506内に受け入れることができ、後述するように、サドル506及び保定クリップ514と協働して接続アーム510をサドル506に連結することができる。接続アーム510がサドル506に連結されるとき、遠位端524の大部分はサドル506の外部に配設することができる(図23)。遠位端524は、少なくとも一つのフランジ528を含むことができる。
一例では、図23を引き続き参照すると、遠位端524は二つのフランジ528a、528bを含むことができる。概して、フランジ528は相互に対向して位置付けることができ、図22に示されるように、接続アーム510の遠位端524を超える長さでそれぞれ延在することができる。図23を再び参照すると、フランジ528はそれぞれボア530を含むことができる。ボア530はそれぞれ、本明細書でより詳細に後述するように、プラグ538のうちの一つの一部分を受け入れて、骨締結具102を接続アーム510に連結することができる。一例では、ボア530は、ボア530がボア526と連通するようにして、フランジ528の周面を通って画成することができる。
ボア526は、近位端520から遠位端524まで画成することができる。ボア526は、接続アーム510の中心軸を中心にして形成することができる。ボア526は、多平面骨アンカーシステム500が組み立てられるとき、係止リング502の少なくとも一部分を受け入れることができる。これに関して、図23を参照すると、ボア526は、係止リング連結部分526a、支承部分526b、制限部分526cを含むことができる。
係止リング連結部分526aは、近位端520又はその付近に形成することができる。係止リング連結部分526aは、係止リング502のフランジ509を係合して、係止リング502を接続アーム510に連結するように構成することができる。一例では、係止リング連結部分526aは、係止リング502の外面の輪郭と噛合する輪郭を有するボア526の一部分を備えることができるが、係止リング連結部分526aは、係止リング502を接続アーム510内で保定するように動作可能な任意の所望の構成を有することができることを理解されたい。この例では、係止リング502の近位端507が接続アーム510の近位端520を超えて延在し、それによって接続ロッド20を係止リング502の凹面状表面507a内に受け入れることができるようにして、係止リング連結部分526aを形成することができる。
支承部分526bは、接続アーム510の近位端520に隣接して形成することができる。支承部分526bは、概して凹面状であることができ、骨締結具102の半球状のヘッド30の少なくとも一部分と噛合するように構成することができる。支承部分526bは、骨締結具102が接続アーム510に対して移動、回転、又は関節運動できるようにすることができる。制限部分526cは、接続アーム510の遠位端524に隣接して画成することができる。本明細書では例証しないが、所望に応じて、制限部分526cはテーパーを含むことができる。概して、制限部分526cは、骨締結具102の運動範囲又は関節運動範囲を制限することができる。
図22を参照すると、プラグ538は、接続アーム510と協働して、骨締結具102が骨締結具102の長手方向軸L2を中心にして移動又は回転できるようにすることができる。プラグ538は、骨締結具102を接続アーム510に連結することができる。プラグ538はそれぞれ連結端部540を含むことができる。連結端部540は、プラグ538を接続アーム510に連結することができる。連結端部540は、プラグ538が接続アーム510に連結されるときにアクセス可能であることができる、締結機構540aを含むことができる。締結機構540aは、スロット、切欠き、又は器具によって係合可能な他の機構など、任意の適切な機構を含むことができる。概して、締結機構540aは、ドライバーなどの器具がプラグ538を接続アーム510及び骨締結具12のヘッド30に連結できるようにすることができる。それに加えて、所望に応じて、プラグ538を接続アーム510と一体的に形成することができる。プラグ538は、楕円形、球状、丸角、環状、円筒状、角丸正方形、角丸長方形など、任意の所望の形状を有することができるので、プラグ538の形状は単なる例示であることに留意されたい。それに加えて、本明細書では例証しないが、プラグ538は、所望に応じて、骨締結具102が接続アーム510に対して移動又は枢動できるようにすることができる、一つ以上のテーパー面を含むことができる。
図22及び図23を参照すると、保定クリップ514は、サドル506を接続アーム510に連結することができる。保定クリップ514は、例えばダッチマンクリップ(Dutchman clip)など、実質的にU字形のクリップを含むことができる。ダッチマンクリップは一般的に知られているものであり得るので、保定クリップ514については本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、保定クリップ514は、コネクタ514cを介して一緒に連結することができる、第1のアーム514a及び第2のアーム514bを画成することができる。第1のアーム514a及び第2のアーム514bはそれぞれ、係止タング(locking tang) Tを含むことができる。概して、保定クリップ514を付勢してサドル506及び接続アーム510と係合させることができるように、第1のアーム514a及び第2のアーム514bは可撓性であることができる。後述するように、保定クリップ514は、サドル506の一部分を通して、且つ接続アーム510のチャネル522を通して受け入れて、サドル506を接続アーム510に可動又は回転可能に連結することができる。
サドル506は、第1の端部又は近位端76と、第2の端部又は遠位端550とを含むことができる。遠位端550は、概して円筒状であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面552と、中央のボア554と、少なくとも一つのスロット556とを含むことができる。
図23に最も良く示されるように、底面552はテーパー552aを含むことができる。テーパー552aは、非外傷性端部を備えた底面552を提供することができる。中央のボア554は、サドル506の受入れ面88から底面552まで画成することができる。中央のボア554は、接続アーム510の少なくとも一部分を回転可能に中に受け入れるように構成することができる。したがって、中央のボア554は、接続アーム510がサドル506に対して回転できるようにして、接続アーム510の直径よりもわずかに大きくすることができる直径を有することができる。
少なくとも一つのスロット556は、サドル506の遠位端550の一部分を通って画成することができる。一例では、少なくとも一つのスロット556は二つのスロット556を含むことができる。二つのスロット556は、相互に対向して形成することができ、概して、二つのスロット556間の距離を保定クリップ514のコネクタ514cの長さにほぼ等しくして、離隔させて形成することができる。
スロット556は、サドル506の遠位端550の第1の面550aから第2の面550bまで画成することができる。スロット556は、第1のアーム514a及び第2のアーム514bの長さにほぼ等しくすることができる、第1の面550aから第2の面550bまでの長さを有することができる。スロット556の長さを所与として、保定クリップ514のコネクタ514cは、概して、サドル506の遠位端550の外表面に隣接して配設することができる(図23)。しかし、保定クリップ514がサドル506及び接続アーム510に連結されるとき、コネクタ514cがサドル506内に受け入れられるようにして、サドル506を構成することができることに留意されたい。
スロット556はそれぞれ、遠位端550の第2の面550b付近に形成することができる、タブ556aを含むことができる。タブ556aは、第1のアーム514a及び第2のアーム514bのタングTと協働して、保定クリップ514をサドル506に連結することができる。保定クリップ514をサドル506に連結することによって、接続アーム510もサドル506に連結することができる。
この点に関して、図22及び図23を参照すると、多平面骨アンカーシステム500を組み立てるために、係止リング502をボア526内に位置付け、係止リング502のフランジ509を介して係止リング連結部分526aに連結することができる。係止リング502を接続アーム510に連結した状態で、サドル506の遠位端550を接続アーム510の近位端520上に位置付けることができる。次に、骨締結具102が接続アーム510に対して移動(回転及び枢動)できるようにして、スナップ嵌め、プレス嵌め、又はねじ留めによって、骨締結具102を接続アーム510に連結して、接続アーム510のボア530と係合させることができる。
サドル506の遠位端550が少なくとも接続アーム510の近位端520の周りに位置付けられた状態で、第1のアーム514a及び第2のアーム514bのタングTがスロット556のタブ556aを係合できるようにして、保定クリップ514をスロット556に挿入することができる。第1のアーム514a及び第2のアーム514bは、第1のアーム514a及び第2のアーム514bを接続アーム510のチャネル522内で少なくとも部分的に保定できるようにして、挿入することができる。したがって、保定クリップ514を用いて、接続アーム510及び骨締結具102をサドル506に連結することができる。
一旦、組み立てられると、プラグ538は骨締結具102のチャネル108aと協働して、骨締結具102が骨締結具102の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面が提供される。それに加えて、保定クリップ514によって、接続アーム510がサドル506に対して移動又は回転できるようにすることができ、それによって第2の運動面が画成される。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム500は少なくとも二つの運動面又は運動度を有することができる。多平面骨アンカーシステム500が少なくとも二つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム500を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム500の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム100、200の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム500の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム500が解剖学的構造にしっかりと固定されると、骨締結具102、多平面連結システム504、及び/又はサドル506は、多平面骨アンカーシステム500が固定処置に対する所望のアライメントになるまで、相互に移動又は回転させることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム500に連結することができる。
次に図24〜図26を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム600を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム600は、図18〜図20を参照して記載した多平面骨アンカーシステム400に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム400と多平面骨アンカーシステム600との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム600は、骨締結具102と、係止リング602と、多平面連結装置又はシステム604と、サドル606とを含むことができる。
係止リング602は、骨締結具102のヘッド108の周りに位置付けることができる。係止リング602は、本明細書で後述するように、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具102を多平面連結システム604に対して連結又は係止することができる。図26を参照すると、係止リング602は、概して円筒状であることができ、高さH6を有することができる。高さH6は、接続ロッド20をサドル606に連結することによって、係止リング602を骨締結具102のヘッド108に押し付けることができるようにして、サドル606の受入れ面88の上まで、又はその受入れ面にほぼ等しいところまで延在するようにサイズ決めすることができる。この例では、係止リング602は、係止リング602を骨締結具102のヘッド108の周りに位置付けるのを容易にすることができる、切欠き602aを含むことができる。しかし、係止リング602は連続的な中断されない円筒状体を有することができるので、切欠き602aは任意であり得ることを理解されたい。それに加えて、係止リング602は、近位端408、遠位端610、フランジ412、及びボア414を含むことができる。図25及び図26を参照すると、係止リング602が骨締結具102に連結されるとき、遠位端610は骨締結具102のヘッド108に連結することができる。
多平面連結システム604は接続アーム620を含むことができる。接続アーム620は、骨締結具102と協働して、骨締結具102がサドル606に対して移動できるようにすることができる。多平面連結システム604は、接続アーム620のみを含むものとして本明細書に記載され例証されるが、多平面連結システム604は、所望に応じて、図16に示されるリング322などのリングを含むことができることに留意されたい。この例では、接続アーム620は、切欠き620aを含むことができる、円筒状体を有することができる。切欠き620aは、接続アーム620を骨締結具102のヘッド108に連結するのを容易にすることができる。例えば、切欠き620aは、接続アーム620を骨締結具102のヘッド108の周りにスナップ嵌めできるようにすることができる。しかし、接続アーム620は連続的な中断されない円筒状体を有することができるので、切欠き620aは任意であり得ることに留意されたい。連続的な中断されない円筒状体の場合、接続アーム620を骨締結具102のシャンク32の上にねじ留めして、骨締結具102のヘッド108と係合させることができる。
この例では、接続アーム620は、第1の端部又は近位端622と、第2の端部又は遠位端424と、チャネル426と、ボア428と、連結機構430とをさらに備えることができる。近位端622は、一つ以上の隙間622bによってそれぞれ分離することができる、複数のアーチ状の部材622aを含むことができる。複数のアーチ状の部材622aは、概して、近位端622の周面の周りに形成することができる。複数のアーチ状の部材622aは、チャネル426と協働して接続アーム620をサドル606に連結することができる。一つ以上の隙間622bによって、複数のアーチ状の部材622aをスナップ嵌めしてサドル606と係合させることができるようにして、複数のアーチ状の部材622aを可撓性にすることができる。
概して、図25及び図26を参照すると、サドル606は、接続アーム620がサドル606に対して移動又は回転できるようにして、接続アーム620に連結することができる。サドル606は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム600によって画成される長手方向軸L2に対して対称であることができる。サドル606は、第1の端部又は近位端76と、第2の端部又は遠位端640とを含むことができる。
図25を参照すると、サドル606の遠位端640は、概して長方形であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面644と、ボア646とを含むことができる。図26を参照すると、底面644はリップ644aを含むことができる。リップ644aは、底面644の周囲の周りで底面644から下向きに延在することができる。リップ644aは、ボア646の一部分が複数のアーチ状の部材622aを取り囲んでサドル606を接続アーム620に連結できるようにして、チャネル426内に受け入れられるように構成することができる。これによって、サドル606が接続アーム620に対して移動又は回転できるようにすることもできる。
図25及び図26を参照すると、多平面骨アンカーシステム600を組み立てるために、接続アーム620を骨締結具102のチャネル108aに連結することができる。次に、係止リング602を接続アーム620に連結することができる。次に、接続アーム620がサドル606に対して移動又は回転できるようにして、サドル606の遠位端640を接続アーム620に連結することができる。
一旦、組み立てられると、接続アーム620は骨締結具102と協働して、骨締結具102が骨締結具102の中心軸若しくは長手方向軸を中心にして移動又は回転できるようにすることができ、それによって第1の運動面を提供することができる。サドル606も接続アーム620に対して回転することができ、それによって第2の運動面を画成することができる。それに加えて、サドル606は骨締結具102に対して回転することができ、それによって第3の運動面が画成される。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム600は少なくとも三つの運動度又は運動面を有することができる。多平面骨アンカーシステム600が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム600を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム600の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム400の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム600の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム600が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム604及びサドル606を骨締結具102に対して移動又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム600に連結することができる。
図27を参照すると、多平面骨アンカーシステム300は、骨締結具302、係止リング304、接続アーム320、リング322、及び底部分350を含むものとして、図15〜図17を参照して本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、多平面骨アンカーシステム300'は、多平面骨アンカーシステム400と関連付けられる、骨締結具102、係止リング402、接続アーム420、及び底部分460を含むことができる。この例では、多平面骨アンカーシステム300'は、複数の運動面を提供する一方で、求められる構成要素がより少数であることができ、それは製造のためには望ましいことがある。
更なる一例として、図28〜図30を参照すると、多平面骨アンカーシステム10、100、200、500は、リング50、112、322を有するものとして本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、リング50、112、322の代わりに接続アーム700を用いることができる。接続アーム700は、骨締結具102と協働することができ、少なくとも一つのボア702と少なくとも一つのプラグ704とを含むことができる。接続アーム700はまた、骨締結具102のヘッド108を中に受け入れることができる、貫通孔706を画成することができる。少なくとも一つのプラグ704は、接続アーム700の少なくとも一つのボア702に連結されて、骨締結具102が接続アーム700に対して回転できるようにすることができる。この例では、少なくとも一つのプラグ704は、二つの対向するボア702内に受け入れることができる、二つのプラグ704を含むことができる。プラグ704はそれぞれ、プラグ704に形成された支承面704aが骨締結具102のチャネル108aを中心にして回転できるようにして、ボア702内にプレス嵌めすることができる。
次に図31〜図36を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム800を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム800は、図1〜図8を参照して記載した多平面骨アンカーシステム10に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム10と多平面骨アンカーシステム800との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム800は、骨締結具802と、多平面連結装置又はシステム804(図33)と、サドル806(図31)とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム800は、長手方向軸Lを画成することができ、多平面骨アンカーシステム800は、骨締結具802及びサドル806が複数の面内で長手方向軸Lに対して移動できるようにして、構成することができる。
本明細書でより詳細に後述するように、多平面連結システム804は、サドル806が複数の面内で骨締結具802に対して移動できるようにすることができる。概して、サドル806は、例示的な脊椎固定処置(図1に示されるものに類似)で複数の骨アンカーシステム800を相互接続するのに使用することができる、接続デバイス又はロッド20を受け入れるように構成することができる。多平面連結システム804を使用することによって、サドル806を一つ以上の面内で骨締結具802に対して移動させて、複数の骨アンカーシステム800に対する接続ロッド20の接続を容易にすることができる。これに関して、各骨締結具802が、個々の椎体Vに連結したときに相互にわずかにずれてもよいような形で、患者の椎体Vを向き付けてもよい。サドル806が骨締結具802に対して複数の面内で移動できるようにすることによって、外科医は、骨締結具802の配置とは関係なくサドル806を移動して位置合わせすることができる。しかし、多平面骨アンカーシステム800は、全体として、単一の接続ロッド20と共に使用される単一のアセンブリとして本明細書に例証され記載されるが、外科的処置の間、骨アンカーシステム800及び接続ロッド20の任意の組合せを用いることができることに留意されたい。
例えば、単一レベルの脊椎固定処置では、二つの骨アンカーシステム800が単一の接続ロッド20を受け入れることができる。しかし、多重レベルの脊椎固定処置は、概して、追加の骨アンカーシステム800を要する。それに加えて、多平面骨アンカーシステム800を隣接した椎体Vに連結する必要はなく、より正確には、所望に応じて、隣接した椎体Vを飛び越すように多平面骨アンカーシステム800を位置付けることができる。
図33を参照すると、骨締結具802は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム800を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具802は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性金属、合金、ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具802は、近位端又はヘッド810と、遠位端又はシャンク32とを含むことができる。ヘッド810は、第1の部分又は上側部分812と、第2の部分又は下側部分814とを含むことができる。
上側部分812は、接触面815及びドライバー接続機構34を含むことができる。接続ロッド20がサドル806内に受け入れられるとき、接触面815は接続ロッド20に隣接していることができる。本明細書でより詳細に後述するように、一例では、止めねじ22がサドル806に連結されて、接続ロッド20を多平面骨アンカーシステム800に係止すると、接続ロッド20を押しやって、又は押し進めて接触面815と係合させることができる。接触面815と接続ロッド20との間の接触によって、骨締結具802をサドル806に対して摩擦係止することができ、それによって骨締結具802の更なる移動を防ぐ。しかし、骨締結具802が角度をつけるのに応じて、下側部分814も接続ロッド20と接触させることができることに留意されたい。
一例では、接触面815は、ドライバー接続機構34に形成することができ、例えば、ドライバー接続機構34の最近位面812aに沿って形成される、粗面化面又はローレット加工面を含むことができる。接触面815は単なる例示であり、所望に応じて、上側部分812は平滑面を備えることができることに留意されたい。
手短に言えば、多平面骨アンカーシステム10と共に使用される特定の器具は、本教示の範囲外であり、本明細書に記載する必要はないことに留意されたい。本教示が関係する限りにおける従来のやり方では、様々な器具を使用して、多平面骨アンカーシステム10を個々の椎体Vに接続することができる。例示的な器具としては、インディアナ州ワルシャワのバイオメット社(Biomet, Inc.)から市販されている、ポラリス(Polaris)(商標)5.5スパイナルシステムで用いられるもの、又は参照により本明細書に組み込まれる同一出願人による2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0077138号に開示されている器具を挙げることができる。
ヘッド810の下側部分814は、概して、半球状又は円錐状であることができる。下側部分814は支承面814aを提供することができ、その支承面が、本明細書でより詳細に後述するように、多平面連結システム804と協働して、骨締結具802がサドル806内で移動(回転、関節運動)できるようにすることができる。概して、骨締結具802は、長手方向軸Lを中心にして回転することができ、また、本明細書で後述するように、長手方向軸Lに対して単一の面又は複数の面内で枢動することもできる。それに加えて、下側部分814の最近位面は、多平面連結システム804の一部分と協働して、骨締結具802と多平面連結システム804との間の摩擦嵌めを提供することができる。
一例では、多平面連結システム804は接続アーム816を含むことができる。接続アーム816は、生体適合性金属、合金、セラミック、又はポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。接続アーム816は、骨締結具802のヘッド810を中心にして配設して、図32に示されるように、骨締結具802とサドル806との間の相対運動を可能にすることができる。接続アーム816は、サドル806内に嵌合するようにサイズ決めすることができ、また、本明細書でより詳細に後述するように、サドル806の一部分がサドル806の別の部分に対して移動又は並進できるようにすることができる。図33〜図35を参照すると、接続アーム816は、第1の部分又は上側部分820と、第2の部分又は下側部分822と、ボア824とを含むことができる。
上側部分820は、サドル806の一部分内に受け入れられるように形作ることができ、丸角を備えた概して、長方形であることができる。一例では、上側部分820は対向する湾曲形状部821を有することができる。対向する湾曲形状部821は概して、直線の部分821aを含むことができる。本明細書でより詳細に後述するように、直線部分821aはサドル806と協働して、サドル806が接続アーム816の上側部分820に対して移動又は並進できるようにすることができる。対向する湾曲形状部821は、接続アーム816の下側部分822から外向きに突出するか、又はそこから離れる方向に外向きに延在することができ、本明細書でより詳細に後述するように、サドル806の一部分を接続アーム816上で保定するのを支援することができる。図34を参照すると、上側部分820は、少なくとも一つの摩擦面826と、保定面828と、レール829とを含むことができる。
少なくとも一つの摩擦面826は、接続アーム816の外表面に沿ってボア824の対向面に形成することができる。一例では、少なくとも一つの摩擦面826は、第1の板ばね826a及び第2の板ばね826bを備えることができる。少なくとも一つの摩擦面826は、二つの板ばねを備えるものとして本明細書に記載され例証されるが、本明細書でより詳細に後述するように、少なくとも一つの摩擦面826は、接続アーム816及びサドル806の別の部分に対するサドル806の一部分の移動を制御することができる、単一の板ばね、摩擦性コーティング、又は他の干渉を備えることができることに留意されたい。
保定面828は、上側部分820の端部820a付近で上側部分820に形成することができる。保定面828は、骨締結具802を接続アーム816内で保定するリップを形成するように、わずかにボア824内へと延在することができる。概して、保定面828は、ボア824の周面の大部分の周りに延在することができるが、所望に応じて、保定面828をボア824の全周面の周りに形成することができる。さらに、ボア824内へと延在する一つ以上の突起など、任意の適切な機構を使用して骨締結具802を接続アーム816内で保定することができるので、保定面828を使用することは単なる例示であることに留意されたい。
レール829は、対向する湾曲形状部821それぞれの下に形成することができ、サドル806の一部分が接続アーム816に対して移動又は並進するための接触面を提供することができる(図36)。レール829は、下側部分822に隣接して位置付けることができる。
図34及び図35を参照すると、下側部分822は、接続面830と好ましい角度のスロット832とを含むことができる。接続面830は、少なくとも一つの平坦面834と少なくとも一つのリブ836とを備えることができる。少なくとも一つの平坦面834及び少なくとも一つのリブ836は、サドル806の一部分と協働して、サドル806の一部分を接続アーム816に不動に連結することができる。一例では、接続面830は、三つの平坦面834a〜834cと四つのリブ836a〜836dとを備えることができる。平坦面834a〜834cは、概して、下側部分822の外表面の周りでリブ836a〜836dと交互にすることができる。平坦面834a〜834dは、接続アーム816がサドル806の一部分に対して回転するのを防ぐことができる。リブ836a〜836dは、下側部分822のアーチ状の表面に沿って形成することができ、下側部分822の最底面822aから距離Dに位置付けることができる(図35)。リブ836a〜836dは、本明細書でより詳細に後述するように、サドル806の一部分と下側部分822との間の重なり干渉(overlap interference)又はスナップ嵌めを作り出すことができる。しかし、ピン、ねじ山など、任意の適切な機構を用いてサドル806の一部分を下側部分822に連結することができるので、リブ836a〜836dを使用することは単なる例示であることに留意されたい。
好ましい角度のスロット832によって、骨締結具802が、多平面骨アンカーシステム800の長手方向軸Lに対するより大きな角度Aへと関節運動できるようにすることができる。これに関して、図36を参照すると、骨締結具802は、概して、接続アーム816の好ましい角度のスロット832を含まない部分に沿って、長手方向軸Lに対する角度A1へと関節運動することができる。好ましい角度のスロット832の位置で、骨締結具802は、概して、長手方向軸Lに対するより大きな角度Aへと関節運動することができる。一例では、角度A1は、概して、より大きな角度Aよりも小さくすることができ、より大きな角度Aは約15°から約90°の間であることができる。好ましい角度のスロット832は、ボア824と連通することができる、接続アーム816の下側部分822を通って画成されるアーチ状の切欠きを備えることができる。好ましい角度のスロット832のアーチ状の切欠きによって、骨締結具802が長手方向軸Lに対するより大きな角度Aへと移動又は関節運動できるようにすることができる。
一つの好ましい角度のスロット832のみが図面に例証されるが、接続アーム816は、接続アーム816に沿った任意の位置に任意の数の好ましい角度のスロット832を含んで、骨締結具802が任意の選択された方向に関節運動できるようにすることができることに留意されたい。また、好ましい角度のスロット832を形成する切欠きの形状は、長手方向軸Lに対する骨締結具802の関節運動のより大きな角度Aを低減又は増大させるように修正することができる。或いは、所望に応じて、接続アーム816は好ましい角度のスロットを有さないことができる。
図33〜図36を参照すると、一例では、接続アーム816のボア824は、長手方向軸Lに沿って形成することができ、接続アーム816の内表面を通って上側部分820から下側部分822まで延在することができる。ボア824は、骨締結具802を受け入れるようにサイズ決めすることができ、支承面838を含むことができる。支承面838は、骨締結具802が接続アーム816内で関節運動できるようにすることができる。支承面838は、接続アーム816のボア824の一部分の周りに配設することができ、骨締結具802の支承面814aと噛合するように構成される曲線を有することができる。
図31〜図33を参照すると、サドル806は、接続アーム816に連結することができ、接続アーム816に対して移動又は並進することができる。これに関して、サドル806は、第1の部分又は底部分840と、第2の部分又は上部分842とを含むことができる。底部分840は、接続アーム816に不動に連結することができ、上部分842は、底部分840及び接続アーム816に対して移動又は並進することができる(図32)。所望に応じて、底部分840は任意であり得ることに留意されたい。
一例では、図33を参照すると、底部分840は、概して直線状の表面又は平坦面840bによって相互接続することができる、概して対向するアーチ状の表面840aを含むことができる。底部分840の形状は、底部分840を接続アーム816に連結することができるようにして、接続アーム816の形状と協働することができる。底部分840は、第1の端部又は近位端844と、第2の端部又は遠位端846と、ボア848とを含むことができる。
近位端844は、サドル806が接続アーム816に連結されるとき、上部分842に隣接して位置付けることができる。遠位端846は好ましい角度のスロット850を含むことができる。好ましい角度のスロット850は、ボア848と連通するように遠位端846を通して画成することができる。底部分840の好ましい角度のスロット850は、底部分840が接続アーム816に連結されるとき、底部分840の好ましい角度のスロット850が接続アーム816の好ましい角度のスロット832と位置合わせされるようにして、接続アーム816に対して実質的に同じ位置に位置付けることができる。好ましい角度のスロット832と好ましい角度のスロット850との間のアライメントによって、骨締結具802がより大きな角度Aへと移動又は関節運動できるようにすることができる(図36)。
図36を参照すると、一例では、ボア848は、長手方向軸Lに沿って近位端844から遠位端846まで形成することができる。図33を参照すると、ボア848は、接続アーム816の周りに不動に連結されるようにサイズ決めし構成することができる。ボア848は、角丸縁部又は面取り縁部852と、少なくとも一つの溝854と、少なくとも一つの平坦面856とを含むことができる。面取り縁部852は近位端844に形成することができる。面取り縁部852は、底部分840を接続アーム816に連結するための食付き部を提供することができる。面取り縁部852は任意であり得ることに留意されたい。
底部分840の少なくとも一つの溝854及び少なくとも一つの平坦面856は、接続アーム816の少なくとも一つの平坦面834及び少なくとも一つのリブ836と協働して、底部分840を接続アーム816に連結することができる。一例では、ボア848は、四つの溝854a〜854dと三つの平坦面856a〜856cとを含むことができる。溝854a〜854dのそれぞれ一つは、リブ836a〜836dのそれぞれ一つを係合することができる。溝854a〜854dは、溝854a〜854dが平坦面856a〜856cと交互になるようにして、ボア848の周りに位置付けることができる。平坦面856a〜856cは、接続アーム816の平坦面834a〜834cと協働して、接続アーム816と底部分840との間の相対回転に抵抗することができる。
図36を参照すると、サドル806の上部分842は、接続アーム816の湾曲形状部821の周りに配設することができる。上部分842は、接続アーム816に対して移動又は並進することができ、したがって、底部分840に対して移動又は並進することができる。上部分842は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム800によって画成される長手方向軸Lに対して対称であることができる。上部分842は、第1の端部又は近位端860と、第2の端部又は遠位端862とを含むことができる。一例では、図33を参照すると、近位端860は第1のアーム864及び第2のアーム866を含むことができる。第1のアーム864及び第2のアーム866は、遠位端862から上向きに延在して、U字形を画成することができる。第1のアーム864及び第2のアーム866はそれぞれ、噛合部分84と、キャビティ868と、コネクタ機構870とを含むことができる。
図33及び図36を参照すると、キャビティ868は、第1のアーム864及び第2のアーム866の各内表面864a、866aに画成することができる。キャビティ868は、サドル806の底部分840に対する上部分842の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。これに関して、キャビティ868は、上部分842が骨締結具802のヘッド810の上を移動できるように画成することができ、それによって、底部分840に対する上部分842の運動範囲を提供することができる。所望に応じて、骨締結具802のヘッド810とキャビティ868との間の接触が、底部分840に対する上部分842の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるようにして、キャビティ868を構成することができる。さらに、接続アーム816に形成される機構など、他の技術を使用して、底部分840に対する上部分842の移動又は並進を停止若しくは制限することができる。
図33を参照すると、コネクタ機構870は、第1のアーム864及び第2のアーム866の外表面864b、866bに画成することができる。コネクタ機構870によって、多平面骨アンカーシステム800を、ロッド復位機器(rod reduction instruments)などの器械類、又は脊椎固定処置における適切なクロスコネクタデバイスに連結できるようにすることができる。コネクタ機構870は、第1のアーム864及び第2のアーム866それぞれに形成される丸角を備えた三角形の陥凹部を備えるものとして、本明細書には例証されるが、コネクタ機構870は、選択されたクロスコネクタデバイス又は機器と協働するように、任意の選択された形状及び寸法を有することができることに留意されたい。
図33を参照すると、上部分842の遠位端862は、概して長方形であることができ、底部分840の形状と対応する丸角を含むことができる。底部分840の形状は、概して長方形である必要はないが、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。遠位端862は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面872と、少なくとも一つのボア874と、中央のボア876とを含むことができる。
図36を参照すると、遠位端862の底面872は少なくとも一つのガイド878を含むことができる。一例では、遠位端862の底面872は、相互に対向して、且つ個々の受入れ面88に隣接して位置付けることができる二つのガイド878a、878bを含むことができる。ガイド878a、878bは、湾曲面880及びリップ884を有することができる。湾曲面880は、接続アーム816の湾曲形状部821と協働するように形作ることができる。湾曲面880と湾曲形状部821との間の協働によって、上部分842が接続アーム816に対して移動又は並進できるようにすることができる。リップ884は、上部分842を接続アーム816上で保定することができる。リップ884はまた、接続アーム816上のレール829に接触して、接続アーム816に対する上部分842の移動を案内するのを支援することができる。
図36を参照すると、少なくとも一つのボア874は、少なくとも一つのピン886を受け入れて、上部分842と接続アーム816との間の摩擦移動を可能にすることができる。一例では、遠位端862は、二つのボア874a、874bと二つのピン886a、886bとを含むことができる。ボア874a、874bは、遠位端862上に画成することができ、ピン886a、886bを受け入れる通路を画成することができる。概して、ボア874a、874bは、通路が長手方向軸Lを横断して延在するようにして形成することができる。一例では、通路は、受入れ面88に隣接して遠位端862の第1の面864aから遠位端862の第2の面864bまで延在するように、ボア874a、874bによって画成することができる。
ピン886a、886bのそれぞれの一つは、ボア874a、874bのそれぞれの一つに受け入れることができる。ピン886a、886bは、上部分842に対して固定することができる。上部分842が接続アーム816に対して移動するとき、摩擦要素826からの付勢力は上部分842の移動に抵抗することができ、それによって、接続アーム816に対する上部分842の制御された移動を可能にすることができる。これによって、外科医が上部分842を選択された位置に配置できるようにすることができ、ピン886a、886bと接続アーム816との間の摩擦によって、上部分842がその選択された位置に留まることができるようにすることができる。
ピン886a、886bは、細長くすることができ、第1の端部890及び第2の端部892を含むことができる。一例では、ピン886a、886bは均一な断面を有することができるが、ピン886a、886bは、変動する断面を有して、上部分842と接続アーム816との間の摩擦を増加させることができる。ピン886a、886bの断面は、円形であるものとして本明細書に例証されるが、ピン886a、886bは、長円形、長方形、正方形、三角形、台形など、任意の所望の断面を有することができる。ピン886a、886bの第1の端部890及び第2の端部892は、ピン886a、886bの第1の端部890及び第2の端部892の概して全体を上部分842内に収容できるようにすることができる、テーパーを含むことができる。
中央のボア876は、遠位端862を通って受入れ面88から底面872まで画成することができる。概して、中央のボア876は、接続アーム816及び骨締結具802を受け入れるようにサイズ決めすることができる(図36)。
図34を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム800を組み立てるために、骨締結具802が接続アーム816内で保定され、且つその中で関節運動することができるようにして、骨締結具802を、接続アーム816のボア824を通して挿入し、保定面828を貫通させることができる。次に、接続アーム816をサドル806の上部分842に挿入することができる。概して、接続アーム816は、上部分842を通して接続アーム816を挿入するために、接続アーム816の主軸Mを中心にして約90°回転させることができる(図35)。接続アーム816は、接続アーム816の湾曲形状部821及び直線部分821aが上部分842の湾曲面884及び平坦面886と係合されるまで、軸Mを中心にして約90°逆回転させることができる。或いは、接続アーム816がサドル806に連結された後、骨締結具802を接続アーム816のボア824に挿入することができる。
次に、図33を参照すると、ピン886a、886bを、上部分842のボア874a、874bに押し込むことができる。次に、底部分840の溝854a〜854dが接続アーム816のリブ836a〜836dを係合するようにして、底部分840を接続アーム816の周りにスナップ嵌めすることができる。ピン886a、886bは単独で接続アーム816を上部分842内で保定することができるので、底部分840を使用することは単なる例示であることに留意されたい。
一旦、組み立てられると、接続アーム816は、骨締結具802が接続アーム816のボア824内で移動又は回転できるようにすることができる。図36を参照すると、接続アーム816はまた、多平面骨アンカーシステム800の長手方向軸Lに対して、骨締結具802を移動させる又は骨締結具802に角度をもたせることができるようにすることができる。接続アーム816の好ましい角度のスロット832は、底部分840の好ましい角度のスロット850と協働して、骨締結具802がより大きな角度Aへと移動又は関節運動できるようにすることができる。サドル806の上部分842は、選択された位置へと底部分840及び接続アーム816に対して移動又は並進することができる。ピン886a、886bと接続アーム816の摩擦面826との間の摩擦によって、上部分842が、一旦、選択された位置へと移動すると、選択された位置に留まることができるようにすることができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム800は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具802は長手方向軸Lを中心にして回転することができる。骨締結具802はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸Lに対して枢動することができる。サドル806は長手方向軸Lに対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム800が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム800を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム800の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム800の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム800が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム804及びサドル806を骨締結具802に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム800に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム800のサドル806内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル806の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22を連結することによって、骨締結具802のヘッド810に力を加えて、サドル806に対して骨締結具802を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図37〜図39を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム900を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム900は、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面骨アンカーシステム900との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム900は、骨締結具802と、多平面連結装置又はシステム904と、サドル906とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム900は長手方向軸L2を画成することができ、多平面骨アンカーシステム900は、骨締結具902及びサドル906が複数の面内で長手方向軸L2に対して移動できるようにして、構成することができる(図39)。
多平面連結システム904は接続アーム916を含むことができる。接続アーム916は、生体適合性金属、合金、セラミック、又はポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。接続アーム916は、骨締結具802のヘッド810を中心にして配設して、骨締結具802とサドル906との間の相対運動を可能にすることができる。接続アーム916は、サドル906内に嵌合するようにサイズ決めすることができ、また、本明細書でより詳細に後述するように、サドル906の一部分がサドル906の別の部分に対して移動又は並進できるようにすることができる。接続アーム916は、第1の部分又は上側部分920と、第2の部分又は下側部分822と、ボア824とを含むことができる。
上側部分920は、サドル906の一部分内に受け入れられるように形作ることができ、丸角を備えた、概して長方形であることができる。一例では、上側部分820は対向する湾曲形状部821を有することができる。対向する湾曲形状部821は、概して直線の部分821aを含むことができる。本明細書でより詳細に後述するように、直線部分821aはサドル906と協働して、サドル906が接続アーム916の上側部分820に対して移動又は並進できるようにすることができる。上側部分920は、少なくとも一つの摩擦面926と、保定面828と、レール829とを含むことができる。
図37を参照すると、少なくとも一つの摩擦面926は、ボア824の対向面に形成することができる。一例では、少なくとも一つの摩擦面926は、第1の垂直ばね926a及び第2の垂直ばね926bを備えることができる。少なくとも一つの摩擦面926は、二つの垂直ばねを備えるものとして本明細書に記載され例証されるが、本明細書でより詳細に後述するように、少なくとも一つの摩擦面926は、接続アーム916及びサドル906の別の部分に対するサドル906の一部分の移動を制御することができる、単一の垂直ばね、摩擦性コーティング、又は他の干渉を備えることができることに留意されたい。第1の垂直ばね926a及び第2の垂直ばね926bは、サドル906に対して付勢して、サドル906を制御された方式で移動させることができるようにすることができる。
図37〜図39を参照すると、サドル906は、接続アーム916に連結することができ、接続アーム916に対して移動又は並進することができる。これに関して、サドル906は、第1の部分又は底部分840と、第2の部分又は上部分942とを含むことができる。底部分840は、接続アーム916に不動に連結することができ、上部分942は、底部分840及び接続アーム916に対して移動又は並進することができる。上部分942が接続アーム916に対して移動するとき、摩擦要素926からの付勢力は上部分942の移動に抵抗することができ、それによって、接続アーム916に対する上部分942の制御された移動を可能にすることができる。これによって、外科医が上部分942を選択された位置に配置できるようにすることができ、接続アーム916による摩擦によって、上部分942がその選択された位置に留まることができるようにすることができる。上部分942は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム900によって画成される長手方向軸L2に対して対称であることができる。上部分942は、第1の端部又は近位端860と、第2の端部又は遠位端944とを含むことができる。上部分942の遠位端944は、概して長方形であることができ、底部分940の形状と対応する丸角を含むことができる。遠位端944は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面872と、中央のボア876とを含むことができる。
図34を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム900を組み立てるために、骨締結具802が接続アーム916内で保定され、且つその中で関節運動できるようにして、骨締結具802を、接続アーム916のボア824を通して挿入し、保定面828を貫通させることができる。次に、接続アーム916をサドル906の上部分842に挿入することができる。概して、接続アーム916は、上部分942を通して接続アーム916を挿入するために、接続アーム916の主軸を中心にして約90°回転させることができる。接続アーム916は、接続アーム916の湾曲形状部821及び直線部分821aが上部分942の湾曲面884及び平坦面886と係合されるまで、主軸を中心にして約90°逆回転させることができる。或いは、接続アーム916がサドル806に連結された後、骨締結具802を接続アーム916のボア824に挿入することができる。
次に、底部分840の溝854a〜854dが接続アーム916のリブ836a〜836dを係合するようにして、底部分840を接続アーム916の周りにスナップ嵌めすることができる。
一旦、組み立てられると、接続アーム916は、骨締結具802が接続アーム916のボア824内で移動又は回転できるようにすることができる。図39を参照すると、接続アーム916はまた、多平面骨アンカーシステム900の長手方向軸L2に対して、骨締結具802を移動させる又は骨締結具802に角度をもたせることができるようにすることができる。接続アーム916の好ましい角度のスロット832は、底部分840の好ましい角度のスロット850と協働して、骨締結具802がより大きな角度Aへと移動又は関節運動できるようにすることができる。サドル906の上部分942は、選択された位置へと底部分840及び接続アーム916に対して移動又は並進することができる。接続アーム916の摩擦面926からの摩擦によって、上部分942が、一旦、選択された位置へと移動すると、選択された位置に留まることができるようにすることができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム900は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具802は長手方向軸L2を中心にして回転することができる。骨締結具802はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸L2に対して枢動することができる。サドル806は長手方向軸L2に対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム900が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム900を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム900の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム900の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム900が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム904及びサドル906を骨締結具802に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム900に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム900のサドル906内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル906の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル906に連結することによって、骨締結具802のヘッド810に力を加えて、サドル906に対して骨締結具802を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図40及び図41を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム950を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム950は、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面骨アンカーシステム950との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム950は、骨締結具952と、多平面連結装置又はシステム954と、サドル956とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム950は長手方向軸L3を画成することができ、多平面骨アンカーシステム950は、骨締結具952及びサドル956が複数の面内で長手方向軸L3に対して移動できるようにして、構成することができる。多平面骨アンカーシステム950は係止リングを含まないものとして本明細書に記載され例証されるが、所望に応じて、係止リングを多平面骨アンカーシステム950と共に用いることができることに留意されたい。
骨締結具952は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム900を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具952は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性金属、合金、ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具952は、近位端又はヘッド960(図41)と、遠位端又はシャンク32とを含むことができる。ヘッド960は、実質的に球状であることができ、支承面962及びドライバー接続機構34を画成することができる。
支承面962は、骨締結具952のシャンク32に隣接して形成することができる。支承面962は、多平面連結システム954に接触して、長手方向軸L3に対して、骨締結具952を移動させる又は骨締結具952に角度をもたせることができるようにすることができる。支承面962はまた、多平面連結システム954と協働して、骨締結具952がサドル956に対して移動又は回転できるようにすることができ、本明細書でより詳細に後述するように、サドル956が骨締結具952に対して移動できるようにすることもできる。
一例では、多平面連結システム954は、第1のピン966及び第2のピン968を含むことができる。第1のピン966は、サドル956内で第2のピン968に実質的に対向して位置付けることができる。第1のピン966及び第2のピン968は、サドル956が骨締結具952に対して移動するためのレール又はガイドを画成する一方で、骨締結具952がサドル956に対して自由に回転及び関節運動できるようにすることもできる。第1のピン966及び第2のピン968は、骨締結具952をサドル956に連結し、骨締結具952をサドル956内で保定する役割を果たすこともできる。第1のピン966及び第2のピン968は、生体適合性金属など、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。概して、第1のピン966及び第2のピン968はサドル956内にプレス嵌めすることができ、したがって、第1のピン966及び第2のピン968は、サドル956内で画成される第1のピンボア970及び第2のピンボア972の直径に実質的に等しい、又はそれよりもわずかに大きな直径を有することができる。或いは、第1のピン966及び第2のピン968は、溶接、スエージ加工など、任意の適切な技術によってサドル956に連結することができる。それに加えて、多平面連結システム954は、第1のピン966及び第2のピン968を含むものとして本明細書に記載され例証されるが、所望に応じて、一つのピンのみを用いることができることに留意されたい。
サドル956は、第1のピン966及び第2のピン968に沿って、骨締結具952に対して移動又は並進することができる。サドル956は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム950によって画成される長手方向軸L3に対して対称であることができる(図40)。サドル956は、第1の端部又は近位端974と、第2の端部又は遠位端976とを含むことができる。一例では、近位端974は第1のアーム978及び第2のアーム980を含むことができる。第1のアーム978及び第2のアーム980は、遠位端976から上向きに延在して、U字形を画成することができる。第1のアーム978及び第2のアーム980はそれぞれ、噛合部分84と、キャビティ982と、コネクタ機構870とを含むことができる。
キャビティ982は、第1のアーム978及び第2のアーム980の各内表面978a、980aに画成することができる。キャビティ982は、骨締結具952に対するサドル956の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。これに関して、キャビティ982は、サドル956が骨締結具952のヘッド960の上を移動できるように構成することができ、それによって、骨締結具952に対するサドル956の運動範囲を提供することができる。したがって、骨締結具952のヘッド960とキャビティ982との間の接触は、骨締結具952に対するサドル956の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるが、第1のピン966及び/又は第2のピン968上に形成される機構など、他の技術を使用して、骨締結具952に対するサドル956の移動又は並進を停止若しくは制限することができる。
図40を参照すると、サドル956の遠位端976は、概して長方形であることができ、丸角を含むことができる。サドル956の遠位端976の形状は、概して長方形である必要はないが、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。遠位端976は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面984と、中央のボア986とを含むことができる。底面984は、第1のピンボア970及び第2のピンボア972を含むことができる。第1のピンボア970及び第2のピンボア972は、サドル956の実質的に対向面に画成することができ、長手方向軸L3を実質的に横断する軸に沿って延在することができる。一例では、第1のピンボア970及び第2のピンボア972は、サドル956の第1の面956aからサドル956の第2の面956bまで延在するように画成することができる。第1のピンボア970及び第2のピンボア972は、第1のピン966及び第2のピン968をサドル956内にプレス嵌めすることができ、但しサドル956が第1のピン966及び第2のピン968上で骨締結具952に対して移動又は並進できるように、第1のピン966及び第2のピン968の直径に実質的に等しい、又はそれよりも小さな直径を有することができる。一例では、第1のピンボア970及び第2のピンボア972は、第1のピンボア970の長さにわたって開いた周囲(open periphery)を有することができる。第1のピンボア970及び第2のピンボア972の開いた周囲によって、骨締結具952が第1のピン966及び第2のピン968に接触して、第1のピン966及び第2のピン968の周りで移動する一方で、第1のピン966及び第2のピン968が骨締結具952をサドル956内で保定できるようにすることができる。
中央のボア986は、遠位端976を通って受入れ面88から底面984まで画成することができる。概して、中央のボア986は、骨締結具952を受け入れ、骨締結具952が中央のボア986を中心にして移動、回転、又は関節運動できるようにサイズ決めすることができる。
図40及び図41を引き続き参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム950を組み立てるために、骨締結具952を、サドル956の中央のボア986を通して挿入することができる。次に、第1のピン966及び第2のピン968を第1のピンボア970及び第2のピンボア972に押し込んで、骨締結具952をサドル956内で保定することができる。第1のピン966及び第2のピン968は、骨締結具952が長手方向軸L3を中心にして移動、回転、及び関節運動できるようにすることができ、サドル956が骨締結具952に対して移動又は並進できるようにすることができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム950は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具952は長手方向軸L3を中心にして回転することができる。骨締結具952はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸L3に対して枢動することができる。サドル956は長手方向軸L3に対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム950が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム950を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム950の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム950の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具952が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル956を骨締結具952に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム950に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム950のサドル956内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル956の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル956に連結することによって、骨締結具952のヘッド960に力を加えて、サドル956に対して骨締結具952を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図42〜図45を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1000を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1000は、図1〜図8を参照して記載した多平面骨アンカーシステム10に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム10と多平面骨アンカーシステム1000との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1000は、骨締結具1002と、係止リング1004と、サドル1006とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1000は長手方向軸L4を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1000は、骨締結具1002及びサドル1006が複数の面内で長手方向軸L4に対して移動できるようにして、構成することができる。
図42〜図45を引き続き参照すると、骨締結具1002は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム1000を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具1002は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具1002は、近位端又はヘッド1008(図44及び図45)と、遠位端又はシャンク32(図45)とを含むことができる。図43〜図45を参照すると、ヘッド1008は、概して球状であることができ、ドライバー接続機構34を含むことができる。
図43〜図45を参照すると、係止リング1004は、骨締結具1002のヘッド1008の周りに位置付け、サドル1006に連結することができる。係止リング1004は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具1002をサドル1006に対して係止することができる。図43を参照すると、係止リング1004は、概して円筒状であることができ、高さH1を有することができる。高さH1は、接続ロッド20をサドル1006に連結することによって、係止リング1004を骨締結具1002のヘッド1008に押し付けることができるようにして、図42に示されるように、サドル1006の受入れ面88の上まで延在するようにサイズ決めすることができる。図43〜図45を参照すると、係止リング1004は、近位端1010、遠位端1012、支承面1014、及びボア1016を含むことができる。
図43を参照すると、近位端1010は、一つ以上の突出部又は歯1018を含むことができる。歯1018は、近位端1010の最近位面1010aに沿って形成することができる。歯1018は、接続ロッド20を係合して、接続ロッド20をサドル1006に連結するのを支援することができる。遠位端1012は少なくとも一つのタブ1020を含むことができる。一例では、図45を参照すると、少なくとも一つのタブ1020は、二つのタブ1020a、1020bを含むことができる。タブ1020a、1020bは、遠位端1012から延在することができ、係止リング1004の周面の周りで相互に約180°間隔を空けることができる。タブ1020a、1020bは、サドル1006の一部分を係合して係止リング1004をサドル1006に連結することができる、係止タブ1021を含むことができる。タブ1020a、1020bは、サドル1006の一部分をサドル1006の別の部分に連結することもできる。
支承面1014は、ボア1016の一部分に沿って、係止リング1004の遠位端1012に隣接して形成することができる。一例では、支承面1014は、骨締結具1002のヘッド1008が係止リング1004に対して移動、回転、及び関節運動できるように構成することができる、ボア1016の周りに画成されるアーチ状のリングを備えることができる。
図43〜図45を参照すると、ボア1016は、係止リング1004の中心軸を中心にして配設することができる。ボア1016は、近位端1010から遠位端1012まで延在することができる。支承面1014はボア1016の周りに形成することができる。ボア1016によって、ドライバーが骨締結具1002のヘッド1008に形成されたドライバー接続機構34とインターフェース接続できるようにすることができる。
図42〜図45を参照すると、サドル1006は、第1の部分又は底部分1022と、第2の部分又は上部分1024とを含むことができる。上部分1024は底部分1022に対して移動又は並進することができる。図43を参照すると、底部分1022は、第1の端部又は近位端1026と、第2の端部又は遠位端1028と、ボア1030とを含むことができる。
近位端1026は、概して長方形であることができ、丸角を含むことができる。近位端1026は上部分1024に連結することができる(図42)。近位端1026は少なくとも一つのレール1032を画成することができる。概して、上部分1024は、少なくとも一つのレール1032に沿って移動又は並進することができる。一例では、近位端1026は、ボア1030の対向面に位置付けることができる、二つのレール1032a、1032bを画成することができる。後述するように、係止リング1004は、底部分1022に対する上部分1024の並進を規定又は制限することができる。
図44及び図45を参照すると、遠位端1028は好ましい角度のスロット1034を含むことができる。好ましい角度のスロット1034は、遠位端1028の少なくとも一方の面を通って形成することができ、ボア1030と連通することができる。好ましい角度のスロット1034は、任意の所望の位置で底部分1022を通って画成することができる。図44を参照すると、好ましい角度のスロット1034は、骨締結具1002が長手方向軸L4に対してより大きな角度A2へと関節運動できるようにすることができる。これに関して、骨締結具1002は、底部分1022の好ましい角度のスロット1034を含まない範囲において、長手方向軸L4に対する角度A3へと関節運動することができる。角度A3はより大きな角度A2よりも小さくすることができる。或いは、所望に応じて、遠位端1028は好ましい角度のスロットを有さないことができる。
図45を参照すると、ボア1030は、底部分1022を通って近位端1026から遠位端1028まで画成することができる。ボア1030は、係止リング1004及び骨締結具1002を中に受け入れるようにサイズ決めすることができる。ボア1030は、支承面1036及び少なくとも一つの溝1038を含むことができる。支承面1036は、骨締結具1002のヘッド1008に接触して、骨締結具1002が底部分1022に対して移動、回転、又は関節運動できるようにするように、構成することができる。したがって、支承面1036は概してアーチ状であることができる。少なくとも一つの溝1038は、ボア1030の側壁に形成することができ、少なくとも一つのタブ1020と噛合することができる。一例では、少なくとも一つの溝1038は、二つの溝1038a、1038bを含むことができる。溝1038a、1038bは、ボア1030の周面の周りで相互に約180°間隔を空けることができる。タブ1020a、1020bのそれぞれ一つは、溝1038a、1038bのそれぞれ一つを係合して、係止リング1004をサドル1006にしっかりと固定すると共に、底部分1022を上部分1024にしっかりと固定することができる。
図42を参照すると、上部分1024が底部分1022に対して移動できるようにして、サドル1006の上部分1024を底部分1022の近位端1026の少なくとも一つのレール1032に連結することができる。上部分1024は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム1000によって画成される長手方向軸L4に対して対称であることができる。図43を参照すると、上部分1024は、第1の端部又は近位端1040と、第2の端部又は遠位端1042とを含むことができる。一例では、近位端1040は第1のアーム1044及び第2のアーム1046を含むことができる。第1のアーム1044及び第2のアーム1046は、遠位端1042から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム1044及び第2のアーム1046はそれぞれ、噛合部分84を含むことができる。
図43を参照すると、上部分1024の遠位端1042は、概して長方形であることができ、受入れ面88と、少なくとも一つのガイド1050と、アセンブリスロット1052と、アセンブリアパーチャ1054と、中央のボア1056とを含むことができる。遠位端1042の形状は、概して長方形である必要はなく、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。少なくとも一つのガイド1050は、少なくとも一つのレール1032と協働して、上部分1024が底部分1022に対して移動できるようにすることができる。一例では、少なくとも一つのガイド1050は二つのガイド1050a、1050bを含むことができる。ガイド1050a、1050bは、上部分1024がレール1032a、1032bに沿って移動することを可能にして、上部分1024が底部分1022に対して移動又は並進できるようにすることができる。一方、ガイド1050a、1050b及びレール1032a、1032bは、ダブテール構成(図42)を備えるものとして本明細書に例証されるが、任意のタイプの構成を使用して、上部分1024が底部分1022に対して移動できるようにすることができることに留意されたい。
図44を参照すると、アセンブリスロット1052は、アセンブリアパーチャ1054から上部分1024の対向面1024aまで画成することができる。アセンブリスロット1052は、本明細書で後述するように、上部分1024が底部分1022を通り越して上部分1024を底部分1022に連結することができるようにサイズ決めすることができる。一つのアセンブリスロット1052が本明細書に記載され例証されるが、一つを超えるアセンブリスロット1052を遠位端1042に画成することができることに留意されたい。
アセンブリアパーチャ1054は、上部分1024の側壁1024bを通って画成することができる。アセンブリアパーチャ1054は、アセンブリスロット1052の幅よりも狭くすることができる、幅を有することができる。概して、アセンブリアパーチャ1054の幅は、上部分1024が骨締結具1002のヘッド1008を通り越すことができるようにサイズ決めすることができるが、係止リング1004がサドル1006内に組み立てられるとき、係止リング1004に接触して、上部分1024及び底部分1022の分解を防ぐことができる。後述するように、アセンブリアパーチャ1054は、アセンブリスロット1052と協働して、上部分1024を底部分1022に連結できるようにすることができる。
中央のボア1056は、遠位端1042を通って受入れ面88からガイド1050a、1050bまで画成することができる。概して、中央のボア1056は、骨締結具1002及び係止リング1004のタブ1020a、1020bを受け入れるようにサイズ決めすることができる。
図42〜図45を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1000を組み立てるために、骨締結具1002を、サドル1006の底部分1022のボア1030を通して挿入することができる。最初に、骨締結具1002を、ボア1030の支承面1036によって画成されるポケット内に収めることができる(図44)。次に、係止リング1004を、サドル1006の上部分1024の中央のボア1056に挿入することができ、遠位端1042から中央のボア1056に押し込むことができる。係止リング1004が上部分1024内に位置付けられた状態で、上部分1024を底部分1022にかぶせて、レール1032a、1032bが溝1050a、1050bを係合することができる。一例では、アセンブリスロット1052が最初に底部分1022に接触するようにして、上部分1024をアセンブリスロット1052の方向に底部分1022にかぶせることができる。アセンブリスロット1052は、上部分1024が骨締結具1002のヘッド1008を通り越すことができるようにサイズ決めすることができる。一旦、上部分1024が底部分1022上に組み立てられると、係止リング1004のタブ1020a、1020bが底部分1022の溝1050a、1050bを係合するまで、係止リング1004を押し下げることができる(図45)。
組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1000は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。これに関して、骨締結具1002は、長手方向軸L4を中心にして移動又は回転することができ、長手方向軸L4に対して移動又は関節運動することもできる。上部分1024は、長手方向軸L4を横断する方向に底部分1022に対して移動又は並進することができる。多平面骨アンカーシステム1000が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1000を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1000の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1000の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具1002が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル1006を骨締結具1002に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1000に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1000のサドル1006内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1006の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1006に連結することによって、骨締結具1002のヘッド1008に力を加えて、サドル1006に対して骨締結具1002を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図46〜図49を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1100を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1100は、図1〜図8を参照して記載した多平面骨アンカーシステム10に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム10と多平面骨アンカーシステム1100との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1100は、骨締結具1102と、係止リング1104と、多平面連結装置又はシステム1106と、サドル1108とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1100は長手方向軸L5を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1100は、骨締結具1102及びサドル1108が複数の面内で長手方向軸L5に対して移動できるようにして、構成することができる。
図46及び図47を参照すると、骨締結具1102は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム1100を解剖学的構造に連結するように構成することができる。骨締結具1102は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具1102は、近位端又はヘッド1110(図47)と、遠位端又はシャンク32(図46)とを含むことができる。図47を参照すると、ヘッド1110は、概して球状であることができ、ドライバー接続機構34を含むことができる。
図47〜図49を参照すると、係止リング1104は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに位置付けることができる。本明細書で後述するように、係止リング1104は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具1102及び多平面連結システム1106のうちの少なくとも一つをサドル1108に対して係止することができる。係止リング1104は、概して円筒状であることができ、高さH4を有することができる。高さH4は、接続ロッド20をサドル1108に連結することによって、係止リング1104を骨締結具1102のヘッド1110に押し付けることができるようにして、サドル1108の受入れ面88の上まで延在するようにサイズ決めすることができる(図46)。図47を参照すると、係止リング1104は、近位端1112、遠位端1114、及びボア1116を含むことができる。
接続ロッド20がサドル1108に連結されるとき、近位端1112は接続ロッド20に当たることができる。近位端1112は、スロット1118及び複数の歯1119を含むことができる。スロット1118によって、器具が係止リング1104を係合して、係止リング1104をサドル1108内で移動できるようにすることができる。後述するように、サドル1108内での係止リング1104の移動によって、ユーザが、骨締結具1102がより大きな角度へと関節運動するための位置を選択できるようにすることができる。歯1119は、接続ロッド20を係合するか又は接続ロッド20に食い込んで、接続ロッド20をサドル1108に連結するのを支援することができる。
遠位端1114は、カラー1120及び好ましいタブ1122を含むことができる。カラー1120は、係止リング1104の周面の周りに延在することができ、サドル1108の一部分に接触して、サドル1108のその一部分を接続アーム1130に連結するのを支援することができる。図49に示されるように、好ましいタブ1122は、接続アーム1130に画成される好ましいスロット1124と噛合するように調節することができる。好ましいタブ1122と好ましいスロット1124との係合によって、係止リング1104が接続アーム1130と協調して移動できるようにすることができる。係止リング1104及び接続アーム1130の協働した移動によって、本明細書で後述するように、ユーザが係止リング1104を移動させて、接続アーム1130に画成される好ましい角度のスロット1126の位置を調整できるようにすることができる。
図49を参照すると、ボア1116は、近位端1112から遠位端1114まで画成することができる。ボア1116によって、多平面骨アンカーシステム1100が組み立てられるとき、機器がドライバー接続機構34を係合できるようにすることができる。器具が係止リング1104を係合して、骨締結具1102を解剖学的構造に連結することができるので、ドライバー接続機構34を使用することは単なる例示であることに留意されたい。ボア1116は支承面1128を含むことができる。支承面1128は、概して、遠位端1114に隣接して形成することができる。支承面1128は、骨締結具1102の球状のヘッド1110を滑動可能に係合するように、アーチ状であって、概して凹面状であることができる。支承面1128はまた、本明細書で後述するように、係止リング1104が多平面連結システム1106に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。
一例では、図47を参照すると、多平面連結システム1106は接続アーム1130を含むことができる。接続アーム1130は、図48に示されるように、骨締結具1102のヘッド1110の周りに配設して、骨締結具1102がサドル1108に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。接続アーム1130は、環状であることができ、サドル1108の一部分及び係止リング1104を受け入れるようにサイズ決めすることができる。図47及び図49を参照すると、接続アーム1130は、好ましいスロット1124(図49)と、好ましい角度のスロット1126と、ボア1132とを含むことができる。
図49を参照すると、好ましいスロット1124は、好ましい角度のスロット1126付近に画成することができる。好ましいスロット1124は、好ましいタブ1122を受け入れて、操作者が好ましい角度のスロット1126の位置を制御できるように構成することができる。好ましい角度のスロット1126は、骨締結具1102が長手方向軸L5に対してより大きな角度A4へと関節運動できるようにすることができる。一例では、好ましい角度のスロット1126は、ボア1132と連通して骨締結具1102がより大きな角度A4へと関節運動できるようにすることができる、接続アーム1130の一部分にある切欠きを備えることができる。これに関して、骨締結具1102は、接続アーム1130の好ましい角度のスロット1126を含まない範囲において、長手方向軸L5に対する角度A5へと関節運動することができる。角度A5はより大きな角度A4よりも小さくすることができる。
図48を参照すると、ボア1132は、第1の部分1134及び第2の部分1136を有することができる。第1の部分1134は、サドル1108の一部分を接続アーム1130に連結するための、リップ1138及び陥凹部1140を含むことができる。リップ1138は、接続アーム1130の最近位端1130aに隣接して形成することができる。リップ1138は、サドル1108の一部分と協働して、サドル1108を接続アーム1130に連結することができる。陥凹部1140は、サドル1108の一部分、係止リング1104の一部分、及び骨締結具1102のヘッド1110を受け入れるようにサイズ決めすることができる。
ボア1132の第2の部分1136は、骨締結具1102のヘッド1110を受け入れるようにサイズ決めすることができる。第2の部分1136は支承面1136aを含むことができる。支承面1136aは、骨締結具1102のヘッド1110に接触して、骨締結具1102が接続アーム1130に対して移動、回転、又は関節運動できるようにすることができる。
図47を参照すると、サドル1108は、第1の部分又は底部分1142と、第2の部分又は上部分1144とを含むことができる。上部分1144は、底部分1142に対して移動又は並進することができる。底部分1142は、第1の端部又は近位端1146と、第2の端部又は遠位端1148と、ボア1150とを含むことができる。ボア1150は底部分1142を通って画成することができる。ボア1150は、係止リング1104を中に受け入れるようにサイズ決めすることができる(図48)。
近位端1146は、少なくとも一つのレール1152を画成することができる。一例では、近位端1146は、底部分1142の実質的に対向する面に位置付けることができる、二つのレール1152a、1152bを含むことができる。概して、上部分1144は、レール1152a、1152bに沿って移動又は並進することができる。
遠位端1148は、少なくとも一つの係止タブ1154を含むことができる。一例では、遠位端1148は、底部分1142の周面の周りで間隔を空けることができる、四つの係止タブ1154a〜1154dを含むことができる。係止タブ1154a〜1154dは、底部分1142を接続アーム1130に連結するために接続アーム1130のリップ1138を係合することができる、縁部1156を含むことができる(図48及び図49)。
図47及び図48を参照すると、サドル1108の上部分1144は、上部分1144が底部分1142に対して移動できるようにして、底部分1142の近位端1146のレール1152a、1152bに連結することができる。上部分1144は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム1100によって画成される長手方向軸L5に対して対称であることができる(図46)。上部分1144は、第1の端部又は近位端76と、第2の端部又は遠位端1160とを含むことができる。
図47を参照すると、上部分1144の遠位端1160は、概して長方形であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面1162と、中央のボア1164とを含むことができる。遠位端1160の形状は概して長方形である必要はなく、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。中央のボア1164は、遠位端1160を通って受入れ面88から底面1162まで画成することができる。概して、中央のボア1164は、係止リング1104を受け入れるようにサイズ決めすることができる(図48)。
図47及び図48を参照すると、底面1162は少なくとも一つ以上のガイド1166を含むことができる。この例では、底面1162は二つのガイド1166a、1166bを含むことができる。ガイド1166a、1166bは、上部分1144を底部分1142に滑動可能に連結することができる。これに関して、各ガイド1166a、1166bは、レール1152a、1152bのそれぞれ一つと協働して、サドル1108の上部分1144がサドル1108の底部分1142に対して移動又は並進できるようにすることができる。概して、ガイド1166a、1166bは、レール1152a、1152bと協働して、ダブテールの関係を作り出すことができる。しかし、任意の適切な関係又は技術を使用して、上部分1144が底部分1142に対して移動又は並進できるようにすることができることを理解されたい。
それに加えて、係止リング1104は、底部分1142に対する上部分1144の並進を規定又は制限することができることに留意されたい。これに関して、図49を参照すると、キャビティ86は、サドル1108の上部分1144の第1のアーム80及び第2のアーム82の各内表面80b、82bに画成することができる。キャビティ86は、サドル1108の底部分1142に対する上部分1144の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。概して、キャビティ86は、上部分1144が係止リング1104の一部分の上を移動できるように画成することができ、それによって、底部分1142に対する上部分1144の運動範囲を提供することができる。したがって、係止リング1104とキャビティ86との間の接触は、底部分1142に対する上部分1144の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるが、他の技術を使用して、底部分1142に対する上部分1144の移動又は並進を停止若しくは制限することができる。
図47を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1100を組み立てるために、骨締結具1102を接続アーム1130のボア1132を通して挿入することができる。次に、係止リング1104が、底部分1142に挿入されると共に、係止タブ1154a〜1154bの縁部1156が接続アーム1130のリップ1138を係合するように、好ましいタブ1122が接続アーム1130の好ましいスロット1124を係合するようにして位置付けられた状態で、サドル1108の底部分1142を接続アーム1130内にスナップ嵌めすることができる(図48)。上部分1144のガイド1162a、1162bを底部分1142のレール1152a、1152bにかぶせて、上部分1144を底部分1142に連結することができる。
組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1100は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。これに関して、骨締結具1102は、長手方向軸L5を中心にして移動又は回転することができ、長手方向軸L5に対して移動又は関節運動することもできる。上部分1144は、長手方向軸L5を横断する方向に底部分1142に対して移動又は並進することができる。多平面骨アンカーシステム1100が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1100を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1100の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1100の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具1102が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル1108を骨締結具1102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1100に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1100のサドル1108内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1108の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1108に連結することによって、係止リング1104に力を加えて、サドル1108に対して骨締結具1102を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図50〜図53を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1200を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1200は、図46〜図49を参照して記載した多平面骨アンカーシステム1100に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム1100と多平面骨アンカーシステム1200との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1200は、骨締結具1102と、係止リング1204と、多平面連結装置又はシステム1206と、サドル1208とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1200は長手方向軸L6を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1200は、骨締結具1102及びサドル1208が複数の面内で長手方向軸L6に対して移動できるようにして、構成することができる。
図51〜図53を参照すると、係止リング1204は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに位置付けることができる。本明細書で後述するように、係止リング1204は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具1102及び多平面連結システム1206のうちの少なくとも一つをサドル1208に対して係止することができる。係止リング1204は、概して円筒状であることができ、高さH6を有することができる。高さH6は、接続ロッド20をサドル1208に連結することによって、係止リング1204を骨締結具1102のヘッド1110に押し付けることができるようにして、サドル1208の受入れ面88の上まで延在するようにサイズ決めすることができる。図51を参照すると、係止リング1204は、近位端1205、遠位端1114、及びボア1116を含むことができる。接続ロッド20がサドル1208に連結されるとき、近位端1205は接続ロッド20に当たることができる。近位端1205はスロット1118を含むことができる。本明細書では例証しないが、所望に応じて、係止リング1204は近位端1205に沿って形成された歯を含むことができる。
一例では、多平面連結システム1206は接続アーム1210を含むことができる。接続アーム1210は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに配設して、骨締結具1102がサドル1208に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。接続アーム1210は、環状であることができ、サドル1208の一部分及び係止リング1104を受け入れるようにサイズ決めすることができる(図52)。図51を参照すると、接続アーム1210は、好ましいスロット1124と、好ましい角度のスロット1126と、ボア1212とを含むことができる。
図52を参照すると、ボア1212は、第1の部分1214及び第2の部分1136を有することができる。第1の部分1214は、サドル1208の一部分を接続アーム1210に連結するための、複数のねじ山1216及び陥凹部1217を含むことができる。ねじ山1216は、接続アーム1210の最近位端1210aに隣接して形成することができ、接続アーム1210の周面の周りに延在することができる。ねじ山1216は、サドル1208の一部分と協働して、サドル1208を接続アーム1210に連結することができる。
図51〜図53を参照すると、サドル1208は、第1の部分又は底部分1218と、第2の部分又は上部分1144とを含むことができる。上部分1144は、底部分1218に対して移動又は並進することができる。図51を参照すると、底部分1218は、第1の端部又は近位端1146と、第2の端部又は遠位端1220と、ボア1150とを含むことができる。
遠位端1220は、底部分1218の外側の周りに形成される複数のねじ山1222を含むことができる。複数のねじ山1222は、近位端1146から遠位端1220まで延在することができ、図52及び図53に示されるように、接続アーム1210のねじ山1216を係合して底部分1218を接続アームに連結することができる。
図51を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1200を組み立てるために、骨締結具1102を接続アーム1210のボア1132を通して挿入することができる。次に、係止リング1204が底部分1218に組み合わされ、好ましいタブ1122が接続アーム1210の好ましいスロット1124と位置合わせされた状態で、サドル1208の底部分1218のねじ山1222を接続アーム1210のねじ山1216にねじ込んで、底部分1218を接続アーム1210に連結することができる(図52)。上部分1144のガイド1162a、1162bを底部分1218のレール1152a、1152bにかぶせて、上部分1144を底部分1218に連結することができる(図53)。
組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1200は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。これに関して、骨締結具1102は、長手方向軸L6を中心にして移動又は回転することができ、長手方向軸L6に対して移動又は関節運動することもできる。上部分1144は、長手方向軸L6を横断する方向に底部分1218に対して移動又は並進することができる。多平面骨アンカーシステム1200が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1200を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1200の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム1100の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1200の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具1102が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル1208を骨締結具1102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1200に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1200のサドル1208内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1208の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1208に連結することによって、係止リング1104に力を加えて、サドル1208に対して骨締結具1102を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図54〜図57を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1300を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1300は、図46〜図49を参照して記載した多平面骨アンカーシステム1100に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム1100と多平面骨アンカーシステム1300との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1300は、骨締結具1102と、係止リング1304と、多平面連結装置又はシステム1306と、サドル1308と、連結デバイス1310とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1300は長手方向軸L7を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1300は、骨締結具1102及びサドル1308が複数の面内で長手方向軸L7に対して移動できるようにして、構成することができる。
図55〜図57を参照すると、係止リング1304は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに位置付けることができる。本明細書で後述するように、係止リング1304は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具1302及び多平面連結システム1306のうちの少なくとも一つをサドル1308に対して係止することができる。係止リング1304は、概して円筒状であることができ、高さH6を有することができる。高さH6は、接続ロッド20をサドル1308に連結することによって、係止リング1304を骨締結具1102のヘッド1110に押し付けることができるようにして、サドル1308の受入れ面88の上まで延在するようにサイズ決めすることができる(図54)。図55を参照すると、係止リング1304は、近位端1311、遠位端1312、及びボア1116を含むことができる。
接続ロッド20がサドル1308に連結されるとき、近位端1311は接続ロッド20に当たることができる。近位端1311は複数の歯1311aを含むことができる。歯1311aは、接続ロッド20を係合するか又は接続ロッド20に食い込んで、接続ロッド20をサドル1308に連結するのを支援することができる。歯1311aは任意であることに留意されたい。
遠位端1312はカラー1314を含むことができる。カラー1314は、係止リング1304の周面の周りに延在することができ、係止リング1304の最遠位面1304aの上にある距離を空けて位置付けることができる。カラー1314は、接続アーム1316及びサドル1308の一部分と接触することができる。カラー1314は少なくとも一つの平坦面1315を含むことができる。
少なくとも一つの平坦面1315は、接続アーム1316に接触して、係止リング1304を接続アーム1316に連結するのを支援することができる。一例では、少なくとも一つの平坦面1315は、係止リング1304のカラー1314の周囲の周りで間隔を空けることができる、三つの平坦面1315a〜1315cを含むことができる。平坦面1315a〜1315cは、本明細書でさらに後述するように、接続アーム1316と協働して、ユーザが係止リング1304及び接続アーム1316を操作して好ましい角度を選択できるようにすることができる。本明細書では例証しないが、係止リング1304は、多平面骨アンカーシステム1100に関して記載するような好ましい角度のスロットと噛合する、好ましい角度のタブを含むことができることに留意されたい。
図55〜図57を参照すると、多平面連結システム1306は接続アーム1316を含むことができる。接続アーム1316は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに配設して、骨締結具1102がサドル1308に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。接続アーム1316は、環状であることができ、サドル1308の一部分及び係止リング1304を受け入れるようにサイズ決めすることができる。図55を参照すると、接続アーム1316は、ボア1318及び環状の陥凹部1320を含むことができる。環状の陥凹部1320は、サドル1308の一部分及び連結デバイス1310を受け入れて、サドル1308のその一部分を接続アーム1316に連結することができる。
ボア1318は、座ぐり部分(counterbored portion)1322及び支承面1324を有することができる。座ぐり部分1322は、接続アーム1316の最近位端1316a付近に形成することができる。座ぐり部分1322は、係止リング1304のカラー1314を受け入れることができる。座ぐり部分1322は、少なくとも一つの平坦面1323を含むことができる。一例では、座ぐり部分1322は、係止リング1304の平坦面1315a〜1315cと協働して係止リング1304を接続アーム1316に連結することができる、三つの平坦面1323a〜1323cを含むことができる。支承面1324は、骨締結具1102のヘッド1110に接触して、骨締結具1102が接続アーム1316に対して移動、回転、又は関節運動できるようにすることができる。
図54〜図57を参照すると、サドル1308は、第1の部分又は底部分1326と、第2の部分又は上部分1144とを含むことができる。上部分1144は、底部分1326に対して移動又は並進することができる。図55を参照すると、底部分1326は、第1の端部又は近位端1146と、第2の端部又は遠位端1328と、ボア1330とを含むことができる。
遠位端1328は、少なくとも一つの連結ボア1332及び連結陥凹部1334を含むことができる。一例では、少なくとも一つの連結ボア1332は、図57に最も良く示されるように、二つの連結ボア1332a、1332bを含むことができる。連結ボア1332a、1332bは、連結デバイス1310を受け入れて、接続アーム1316を底部分1326に連結することができる。連結ボア1332a、1332bは、相互に実質的に対向して位置付けることができ、実質的に長手方向軸L7を横断する方向に延在することができる。連結ボア1332a、1332bそれぞれの一部分は、接続アーム1316の環状の陥凹部1320によって画成することができる。図55及び図56を参照すると、連結陥凹部1334は、遠位端1328の一部分を通って形成することができ、概して細長くすることができる。連結陥凹部1334は、連結ボア1332a、1332bの間に位置付けることができる。連結陥凹部1334は、連結デバイス1310の一部分を受け入れて、連結デバイス1310が底部分1326の表面と実質的に面一であることができるようにすることができる(図54)。
ボア1330は底部分1326を通って画成することができる。ボア1330は、係止リング1304の一部分及び接続アーム1316を中に受け入れるようにサイズ決めすることができる(図56)。ボア1330は、近位端1146における第1の直径と、遠位端1328における第2の直径とを有することができる。直径は、そこを通して係止リング1304を受け入れるようにサイズ決めすることができ、一方で直径は、骨締結具1102、係止リング1304、及び接続アーム1316を受け入れるようにサイズ決めすることができる。
図55を参照すると、連結デバイス1310は、連結ボア1332a、1332b及び連結陥凹部1334を通して受け入れることができる。一例では、連結デバイス1310は、ダッチマンクリップなどのクリップを含むことができるが、ピン、接着剤、機械的締結具など、任意の適切なデバイス又は技術を使用して、接続アーム1316を底部分1326に連結することができる。連結デバイス1310は、第1のアーム1336及び対向する第2のアーム1338を備えた、実質的にU字形であることができる。第1のアーム1336は、本体1340を介して第2のアーム1338に連結することができる。第1のアーム1336及び第2のアーム1338は、所望に応じて、底部分1326の一部分を係合して連結デバイス1310をサドル1308の底部分1326内でさらにしっかりと固定することができる、最遠位端のフランジを含むことができる。第1のアーム1336及び第2のアーム1338はそれぞれ、本体1340が連結陥凹部1334内に受け入れられると共にその連結陥凹部と接触するまで、連結ボア1332a、1332bのそれぞれ一つを通して受け入れることができる(図54)。
図55を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1300を組み立てるために、骨締結具1102を接続アーム1316のボア1318を通して挿入することができる。次に、接続アーム1316が底部分1326のボア1330内に受け入れられるようにして、係止リング1304が骨締結具1102のヘッド1110の上に位置付けられた状態で、サドル1308の底部分1326を接続アーム1316の上に位置付けることができる。上部分1144のガイド1162a、1162bを底部分1326のレール1152a、1152bにかぶせて、上部分1144を底部分1326に連結することができる。次に、連結デバイス1310の本体1340が連結陥凹部1334内に受け入れられるまで、連結デバイス1310を連結ボア1332a、1332bを通して挿入することができる(図54)。
組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1300は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。これに関して、骨締結具1102は、長手方向軸L7を中心にして移動又は回転することができ、長手方向軸L7に対して移動又は関節運動することもできる。上部分1144は、長手方向軸L7を横断する方向に底部分1326に対して移動又は並進することができる。多平面骨アンカーシステム1300が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1300を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1300の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1300の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具1102が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル1308を骨締結具1102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1300に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1300のサドル1308内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1308の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1308に連結することによって、係止リング1304に力を加えて、サドル1308に対して骨締結具1102を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図58〜図63を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1400を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1400は、図46〜図49を参照して記載した多平面骨アンカーシステム1100に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム1100と多平面骨アンカーシステム1400との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1400は、骨締結具1102と、係止リング1404と、多平面連結装置又はシステム1406と、サドル1408とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1400は長手方向軸L8を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1400は、骨締結具1102及びサドル1408が複数の面内で長手方向軸L8に対して移動することができるようにして、構成することができる(図58)。
図59〜図61を参照すると、係止リング1404は、骨締結具1102のヘッド1110の周りに位置付けることができる。本明細書で後述するように、係止リング1404は、接続ロッド20によって加えられる力によって、骨締結具1102及び多平面連結システム1406のうちの少なくとも一つをサドル1408に対して係止することができる。係止リング1404は、概して円筒状であることができ、高さH8を有することができる。高さH8は、接続ロッド20をサドル1408に連結することによって、係止リング1404を骨締結具1102のヘッド1110に押し付けることができるようにして、サドル1408の受入れ面88の上まで延在するようにサイズ決めすることができる(図58)。係止リング1404は、本明細書でより詳細に後述するように、サドル1408の一部分に接触してサドル1408の運動を制限することができる。図59を参照すると、係止リング1404は、近位端1412、遠位端1414、スロット1416、少なくとも一つのウィング1418、及びボア1420を含むことができる。
接続ロッド20がサドル1408に連結されるとき、近位端1412は接続ロッド20に当たることができる。遠位端1414は、骨締結具1102のヘッド1110に隣接し、且つそのヘッドと接触することができる。スロット1416は、近位端1412から遠位端1414まで延在することができる。スロット1416によって係止リング1404が屈曲することができる。少なくとも一つのウィング1418は、サドル1408の一部分を係合することができる。一例では、少なくとも一つのウィング1418は、二つのウィング1418a、1418bを含むことができる。ウィング1418a、1418bは、係止リング1404の周面の周りで約180°間隔を空けて位置付けることができる。ウィング1418a、1418bはそれぞれ、基部1422及びアーム1424を含むことができる。基部1422はアーム1424を係止リング1404に連結することができる。基部1422は、近位端1412と遠位端1414との間に連結することができ、アーム1424は、遠位端1414によって画成される面又はその下にあるように、基部1422から延在することができる。アーム1424は、曲線部分1424bに対向する平坦部分1424aを有することができる。
平坦部分1424aは、図61に示されるように、ウィング1418a、1418bが接続アーム1430と接触し、且つサドル1408の一部分内にある状態で保つ助けとすることができる。図62を参照すると、本明細書でさらに後述するように、曲線部分1424bは、係止リング1404が接続アーム1430及びサドル1408に対して移動又は関節運動できるようにすることができ、それによって、骨締結具1102が接続アーム1430及びサドル1408に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。
図59を参照すると、ボア1420は、近位端1412から遠位端1414まで画成することができる。ボア1420によって、多平面骨アンカーシステム1400が組み立てられるとき、機器がドライバー接続機構34を係合できるようにすることができる。ボア1420は支承面1426を含むことができる。支承面1426は、概して、遠位端1414に隣接して形成することができる。支承面1426は、骨締結具1102の球状のヘッド1110を滑動可能に係合するように、アーチ状であって概して凹面状であることができる(図61)。
一例では、図59を参照すると、多平面連結システム1406は接続アーム1430を含むことができる。接続アーム1430は、図63に示されるように、骨締結具1102のヘッド1110の周りに配設して、骨締結具1102がサドル1408に対して移動又は関節運動できるようにすることができる。接続アーム1430は、環状であることができ、サドル1408の一部分内に受け入れられるようにサイズ決めすることができる。図59を参照すると、接続アーム1430は、少なくとも一つのポケット1432及びボア1434を含むことができる。
少なくとも一つのポケット1432は、接続アーム1430の最近位端1430aに画成することができる。一例では、少なくとも一つのポケット1432は、二つのポケット1432a、1432bを含むことができる。ポケット1432a、1432bは、接続アーム1430の周面の周りで約180°間隔を空けて位置付けることができる。ポケット1432a、1432bは、ウィング1418a、1418bのそれぞれの一つを受け入れるようにサイズ決めすることができる。ポケット1432a、1432bはそれぞれ、接続アーム1430の周面の周りに約5°〜約25°延在する、切欠きを画成することができる。ポケット1432a、1432bは、ウィング1418a、1418bのアーム1425を受け入れるようにサイズ決めされた深さを有することができる。深さは、本明細書で後述するように、係止リング1404が接続アーム1430に対して移動、枢動、又は回転できるようにサイズ決めすることもできる。
ボア1434は、接続アーム1430を通って画成することができ、面取り面1436及び支承面1438を有することができる。面取り面1436は、係止リング1404が移動するための遊びを提供することができる。支承面1438は面取り面1436に隣接して画成することができる。支承面1438は、概して凹面状であることができる。支承面1438は、骨締結具1102のヘッド1110に接触して、骨締結具1102が接続アーム1430に対して移動、回転、又は関節運動できるようにすることができる。
図58〜図61を参照すると、サドル1408は、第1の部分又は底部分1440と、第2の部分又は上部分1442とを含むことができる。上部分1442は底部分1440に対して移動又は並進することができる。図59を参照すると、底部分1440は、第1の端部又は近位端1444と、第2の端部又は遠位端1446と、ボア1448とを含むことができる。近位端1444は、概して長方形であることができ、丸角を含むことができる。近位端1444の形状は単なる例示であり、近位端1444は、概して正方形、円筒状、長円形など、任意の選択された形状を有することができることに留意されたい。近位端1444は上部分1442に連結することができる(図60)。近位端1444は少なくとも一つのレール1452を画成することができる。概して、上部分1442は、少なくとも一つのレール1452に沿って移動又は並進することができる。一例では、近位端1444は、底部分1440の対向面に位置付けることができる、二つのレール1452a、1452bを画成することができる。後述するように、係止リング1404の高さH8及び/又は直径は、底部分1440に対する上部分1442の並進を規定又は制限することができる。遠位端1446は、サドル1408が骨締結具1102に連結されるとき、骨締結具1102のシャンク32に隣接することができる。ボア1448は、近位端1444から遠位端1446まで画成することができる。
ボア1448は、接続アーム1430及び骨締結具1102を中に受け入れるようにサイズ決めすることができる。図59及び図61を参照すると、ボア1448は、少なくとも一つの溝1454と、支承面1456と、テーパー面1458とを含むことができる。少なくとも一つの溝1454は、底部分1440の最近位面1444aの下に画成することができる。一例では、少なくとも一つの溝1454は二つの溝1454a、1454bを含むことができる。二つの溝1454a、1454bはそれぞれ、ボア1448の周面の周りで約90°延在することができ、ボア1448の周りで相互に約180°間隔を空けて位置付けることができる。溝1454a、1454bは、係止リング1404のウィング1418a、1418bを受け入れて、係止リング1404が接続アーム1430及び底部分1440に対して移動、回転、又は枢動できるようにすることができる。
支承面1456は、接続アーム1430を受け入れるように構成することができ、接続アーム1430が底部分1440に対して移動、回転、又は枢動できるようにすることができる。図61に最も良く示されるように、テーパー面1458は、接続アーム1430及びサドル1408に対する骨締結具1102の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。
図59及び図60を参照すると、上部分1442が底部分1440に対して移動できるようにして、サドル1408の上部分1442を底部分1440の近位端1444のレール1452a、1452bに連結することができる。上部分1442は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム1400によって画成される長手方向軸L8に対して対称であることができる(図58)。上部分1442は、第1の端部又は近位端1460と、第2の端部又は遠位端1462とを含むことができる。一例では、近位端1460は第1のアーム1464及び第2のアーム1466を含むことができる。第1のアーム1464及び第2のアーム1466は、遠位端1462から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム1464及び第2のアーム1466はそれぞれ、噛合部分84、キャビティ86、及びコネクタ機構1468を含むことができる。
コネクタ機構1468は、第1のアーム1464及び第2のアーム1466の外表面1464a、1466aに画成することができる。コネクタ機構1468によって、多平面骨アンカーシステム1400を、ロッド整復機器などの器械類、又は脊椎固定処置における適切なクロスコネクタデバイスに連結できるようにすることができる。コネクタ機構1468は、第1のアーム1464及び第2のアーム1466それぞれに形成される三角形の陥凹部を備えるものとして、本明細書には例証されるが、コネクタ機構1468は、選択されたクロスコネクタデバイス又は機器と協働するように、任意の選択された形状及び寸法を有することができることに留意されたい。
係止リング1404は、底部分1440に対する上部分1442の並進を規定又は制限することができることに留意されたい。これに関して、キャビティ86は、サドル1408の上部分1442の第1のアーム1464及び第2のアーム1466の各内表面1464b、1466bに画成することができる。キャビティ86は、サドル1408の底部分1440に対する上部分1442の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。概して、キャビティ86は、上部分1442が係止リング1404の一部分の上を移動できるように画成することができ、それによって、底部分1440に対する上部分1442の運動範囲を提供することができる。したがって、係止リング1404とキャビティ86との間の接触は、底部分1440に対する上部分1442の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるが、他の技術を使用して、底部分1440に対する上部分1442の移動又は並進を停止若しくは制限することができる。
図59を参照すると、上部分1442の遠位端1462は、概して長方形であることができ、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面1470と、中央のボア1472とを含むことができる。遠位端1442の形状は、概して長方形である必要はなく、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。中央のボア1472は、遠位端1462を通って受入れ面88から底面1470まで画成することができる。
底面1470は少なくとも一つ以上のガイド1474を含むことができる。この例では、底面1470は二つのガイド1474a、1474bを含むことができる。ガイド1474a、1474bは、上部分1442を底部分1440に滑動可能に連結することができる。これに関して、各ガイド1474a、1474bは、レール1452a、1452bのそれぞれ一つと協働して、サドル1408の上部分1442がサドル1408の底部分1440に対して移動又は並進できるようにすることができる(図60)。概して、各ガイド1474a、1474bはC字形を含むことができ、各レール1452a、1452bは、個々のガイド1474a、1474bの中央に受け入れることができる。しかし、任意の適切な形状を使用して、上部分1442が底部分1440に対して移動又は並進できるようにすることができることを理解されたい。
図59を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1400を組み立てるために、骨締結具1102が接続アーム1430内に設置されるまで、骨締結具1102を接続アーム1430のボア1434を通して挿入することができる。次に、骨締結具1102及び接続アーム1430をサドル1408の底部分1440に挿入することができる。係止リング1404は、上部分1442の中央のボア1472に挿入することができる。上部分1442のレール1452a、1452bは、底部分1440のガイド1452a、1452bにかぶせることができる(図60)。次に、ウィング1418a、1418bが、底部分1440の溝1454a、1454b及び接続アーム1430のポケット1432a、1432bの中に受け入れられるまで、係止リング1404を押し下げ、圧縮することができる(図61)。
組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1400は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。骨締結具1102は、長手方向軸L8を中心にして移動又は回転することができ、長手方向軸L8に対して移動又は関節運動することもできる。これに関して、図62及び図63を参照すると、多平面骨アンカーシステム1400によって、骨締結具1102が、長手方向軸L8に対する第1の好ましい角度A6(図61)並びに第2の好ましい角度A7(図62及び図63)へと関節運動できるようにすることができる。第2の好ましい角度A7は、第2の好ましい角度A6よりも大きくすることができる。第1の好ましい角度A6は、接続アーム1430に対する骨締結具1102の関節運動によって画成することができる(図61)。第2の好ましい角度A7は、底部分1440内での接続アーム1430の関節運動によって画成することができる(図62及び図63)。所望に応じて、多平面骨アンカーシステム1400は必ずしも、一つ以上の好ましい角度を含まなくてもよいことに留意されたい。
これに関して、係止リング1404のウィング1418a、1418bは、底部分1440内での接続アーム1430の関節運動を防ぐことができる。しかし、ウィング1418a、1418bに垂直な面内では、接続アーム1430は底部分1440に対して自由に関節運動することができる。面内でこのように接続アーム1430が底部分1440内において関節運動することによって、第2の好ましい角度A7を画成することができる。それに加えて、係止リング1404はサドル1408内で移動することができるので、操作者が、係止リング1404を所望の位置へと移動させて、第2の好ましい角度A5のための位置を選択できるようにすることができる。
上部分1442もまた、長手方向軸L8を横断する方向に底部分1440に対して移動又は並進することができる。多平面骨アンカーシステム1400が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1400を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1400の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1400の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、骨締結具1102が解剖学的構造にしっかりと固定されると、サドル1408を骨締結具1102に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1400に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1400のサドル1408内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1408の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1408に連結することによって、係止リング1404に力を加えて、サドル1408に対して骨締結具1102を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図64〜図71を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bを接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1500a、1500bは、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面骨アンカーシステム1500a、1500bとの間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1500a、1500bは、骨締結具802と、多平面連結装置又はシステム1504a、1504bと、サドル1506とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1500は長手方向軸L9を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1500は、骨締結具802及びサドル1506が複数の面内で長手方向軸L9に対して移動することができるようにして、構成することができる。
一例では、図65及び図69を参照すると、多平面連結システム1504a、1504bは接続アーム1516a、1516bを含むことができる。接続アーム1516a、1516bは、生体適合性金属、合金、セラミック、又はポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。接続アーム1516a、1516bは、骨締結具802のヘッド810の周りに配設して、骨締結具802とサドル806との間の相対運動を可能にすることができる。接続アーム1516a、1516bは、サドル1506内に嵌合するようにサイズ決めすることができ、また、本明細書でより詳細に後述するように、サドル1506の一部分がサドル1506の別の部分に対して移動又は並進できるようにすることができる。接続アーム1516a、1516bは、第1の部分又は上側部分1520と、第2の部分又は下側部分1522a、1522bと、ボア824とを含むことができる。
上側部分1520は、サドル1506の一部分内に受け入れられるように形作ることができ、丸角を備えた、概して長方形であることができる。一例では、上側部分1520は対向する湾曲形状部821を有することができる。対向する湾曲形状部821は、概して直線の部分821aを含むことができる。直線部分821aはサドル1506と協働して、サドル806が接続アーム1516a、1516bの上側部分1520に対して移動又は並進できるようにすることができる。上側部分1520は、図67及び図71に示されるようなレール829を含むことができる。
図65及び図69を参照すると、下側部分1522a、1522bはそれぞれ、接続面830と、好ましい角度のスロット1532a又は好ましい角度のスロット1532bとを含むことができる。好ましい角度のスロット1532a、1532bそれぞれによって、骨締結具802が、多平面骨アンカーシステム800の長手方向軸L9に対するより大きな角度A8へと関節運動できるようにすることができる。これに関して、図67及び図70を参照すると、骨締結具802は、概して、接続アーム1516a、1516bの好ましい角度のスロット1532a、1532bを含まない部分に沿って、長手方向軸L9に対する角度A9へと関節運動することができる。好ましい角度のスロット1532a、1532bの位置で、骨締結具802は、概して、長手方向軸L9に対するより大きな角度A8へと関節運動することができる。一例では、角度A9はより大きな角度A8よりも小さくすることができ、より大きな角度A8は約15°から約90°の間であることができる。好ましい角度のスロット1532a、1532bは、ボア824と連通することができる、接続アーム1516a、1516bの下側部分1522を通って画成されるアーチ状の切欠きを備えることができる。好ましい角度のスロット1532a、1532bのアーチ状の切欠きによって、骨締結具802が長手方向軸L9に対するより大きな角度A8へと移動又は関節運動できるようにすることができる。
一例では、図64〜図67に示されるように、骨締結具802が頭尾方向により大きな角度A8へと関節運動できるように、好ましい角度のスロット1532aを画成することができる。別の例では、図68〜図71に示されるように、骨締結具802が内外方向により大きな角度A8へと関節運動できるように、好ましい角度のスロット1532bを画成することができる。
さらに、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bに対して一つの好ましい角度のスロット1532a、1532bのみが図面に例証されるが、接続アーム1516a、1516bは、接続アーム1516a、1516bに沿った任意の位置に任意の数の好ましい角度のスロット1532を含んで、骨締結具802が任意の選択された方向に関節運動できるようにすることができることに留意されたい。また、好ましい角度のスロット1532を形成する切欠きの形状は、長手方向軸L9に対する骨締結具802の関節運動のより大きな角度A8を低減又は増大させるように修正することができることに留意されたい。それに加えて、所望に応じて、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bは必ずしも、一つ以上の好ましい角度のスロットを含まなくてもよいことに留意されたい。
図65及び図69を参照すると、サドル1506は、接続アーム1516a、1516bに連結することができ、接続アーム1516a、1516bに対して移動又は並進することができる。これに関して、サドル1506は、第1の部分又は底部分1538と、第2の部分又は上部分1542とを含むことができる。底部分1538は、接続アーム1516a、1516bに不動に連結することができ、上部分1542は、底部分1538及び接続アーム1516a、1516bに対して移動又は並進することができる。一例では、底部分1538は、概して直線状の表面又は平坦面840bによって相互接続することができる、概して対向するアーチ状の表面840aを含むことができる。任意の適切な幾何学形状を用いて、上部分1542が底部分1538に対して移動又は並進できるようにすることができることに留意されたい。底部分1538の形状は、接続アーム1516a、1516bの形状と相関することができる。底部分1538は、第1の端部又は近位端844と、第2の端部又は遠位端1540と、ボア848とを含むことができる。
遠位端1540は、好ましい角度のスロット1541a、1541bを含むことができる。好ましい角度のスロット1541a、1541bは、ボア848と連通するように、遠位端1540を通って画成することができる。一例では、図64〜図67に示されるように、骨締結具802が頭尾方向により大きな角度A8へと関節運動できるように、好ましい角度のスロット1541aを画成することができる。別の例では、図68〜図71に示されるように、骨締結具802が内外方向により大きな角度A8へと関節運動できるように、好ましい角度のスロット1541bを画成することができる。底部分1538の好ましい角度のスロット1541a、1541bは、底部分1538が接続アーム1516a、1516bに連結されるとき、底部分1538の好ましい角度のスロット1541a、1541bのそれぞれ一つが接続アーム1516a、1516bの好ましい角度のスロット1532a、1532bのそれぞれ一つと位置合わせされるようにして、接続アーム1516a、1516bに対して実質的に同じ位置に位置付けることができる。好ましい角度のスロット1532a、1532bと好ましい角度のスロット1541a、1541bとの間のアライメントによって、骨締結具802がより大きな角度A8へと移動又は関節運動できるようにすることができる。
図67及び図71を参照すると、サドル1506の上部分1542は、接続アーム1516a、1516bの湾曲形状部821の周りに配設することができる。上部分1542は、接続アーム1516a、1516bに対して移動又は並進することができ、したがって、底部分1538に対して移動又は並進することができる。上部分1542は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bによって画成される長手方向軸L9に対して対称であることができる(図64及び図68)。図65及び図69を参照すると、上部分1542は、第1の端部又は近位端1544と、第2の端部又は遠位端1546とを含むことができる。一例では、近位端1544は第1のアーム1548及び第2のアーム1550を含むことができる。第1のアーム1548及び第2のアーム1550は、遠位端1546から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム1548及び第2のアーム1550はそれぞれ、噛合部分84、キャビティ868(図67及び図71)、並びにコネクタ機構1552を含むことができる。
図65及び図69を参照すると、コネクタ機構1552は、第1のアーム1548及び第2のアーム1550の外表面1548a、1550aに画成することができる。コネクタ機構1552によって、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bを、ロッド整復機器などの器械類、又は脊椎固定処置における適切なクロスコネクタデバイスに連結できるようにすることができる。コネクタ機構1552は、第1のアーム1548及び第2のアーム1550それぞれに形成される陥凹部を備えるものとして、本明細書には例証されるが、コネクタ機構1552は、選択されたクロスコネクタデバイス又は機器と協働するように、任意の選択された形状及び寸法を有することができることに留意されたい。
図65及び図69を参照すると、上部分1542の遠位端1546は、概して長方形であることができ、底部分1538の形状と対応する丸角を含むことができる。遠位端1546の形状は概して長方形である必要はなく、それよりもむしろ、概して正方形、円筒状、長円形などであることができることに留意されたい。遠位端1546は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面872と、中央のボア876とを含むことができる。
図65及び図69を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1500a、1500bを組み立てるために、骨締結具802が接続アーム1516a、1516b内で保定され、且つそれらのアーム内で関節運動できるようにして、骨締結具802を接続アーム1516a、1516bのボア824に挿入することができる。次に、接続アーム1516a、1516bをサドル1506の上部分1542に挿入することができる。概して、接続アーム1516a、1516bは、上部分1542を通して接続アーム1516a、1516bを挿入するために、接続アーム1516a、1516bの主軸M1を中心にして約90°回転させることができる。接続アーム1516a、1516bは、接続アーム1516a、1516bの湾曲形状部821及び直線部分821aが、上部分1542の湾曲形状部880及び直線形状部882と係合されるまで、軸M1を中心にして約90°逆回転させることができる。次に、底部分1538を接続アーム1516a、1516bに連結することができる。
多平面骨アンカーシステム1500a、1500bは様々な方法にしたがって組み立てることができるので、この組立て技術は単なる例示であることに留意されたい。例えば、接続アーム1516a、1516bをサドル1506に挿入することができ、次に骨締結具802を接続アーム1516a、1516bに挿入することができる。次に、底部分1538を接続アーム1516a、1516bに連結することができる。
一旦、組み立てられると、接続アーム1516a、1516bは、骨締結具802が接続アーム1516a、1516bのボア824内で移動又は回転できるようにすることができる。接続アーム1516a、1516bはまた、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bの長手方向軸L9に対して、骨締結具802を移動させる又は骨締結具802に角度をもたせることができるようにすることができる。
一例では、接続アーム1516aの好ましい角度のスロット1532aは、底部分1538の好ましい角度のスロット1540aと協働して、骨締結具802が頭尾方向により大きな角度A8へと移動又は関節運動できるようにすることができる。別の例では、接続アーム1516bの好ましい角度のスロット1532bは、底部分1538の好ましい角度のスロット1540bと協働して、骨締結具802が内外方向により大きな角度A8へと移動又は関節運動できるようにすることができる。どちらかの例において、サドル1506の上部分1542は、選択された位置へと底部分1538及び接続アーム1516a、1516bに対して移動又は並進することができる。
したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bは、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具802は長手方向軸L9を中心にして回転することができる。骨締結具802はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸L9に対して枢動することができる。サドル1506は長手方向軸L9に対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム1500a、1500bが少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bを必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1500a、1500bの外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bの外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム1500a、1500bが解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム1504及びサドル1506を骨締結具802に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1500に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1500a、1500bのサドル1506内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1506の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22をサドル1506に連結することによって、骨締結具802のヘッド810に力を加えて、サドル1506に対して骨締結具802を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図72〜図75を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1554を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1554は、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面骨アンカーシステム1554との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1554は、骨締結具1555と、多平面連結装置又はシステム1556と、サドル1557とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1554は長手方向軸L12を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1554は、骨締結具1555及びサドル1557が複数の面内で長手方向軸L12に対して移動できるようにして、構成することができる。
図72及び図73を参照すると、骨締結具1555は、解剖学的構造を係合して、多平面骨アンカーシステム1554を解剖学的構造を連結するように構成することができる。骨締結具1555は、チタン、ステンレス鋼、生体適合性金属、合金、ポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。骨締結具1555は、近位端又はヘッド1558(図73)と、遠位端又はシャンク32とを含むことができる。一例では、ヘッド1558は、多平面骨アンカーシステム800のヘッド810よりも大きくすることができ、より大きなヘッド1558をサドル1557に連結し、そのサドル内に受け入れることができる。また、シャンク32は任意の所望の長さ又はねじ山を有することができるので、本明細書で例証されるシャンク32は単なる例示であることに留意されたい。図73を参照すると、ヘッド1558は、第1の部分又は上側部分1559と、第2の部分又は下側部分814とを含むことができる。
上側部分1559は、接触面815及びドライバー接続機構1559aを含むことができる。ドライバー接続機構1559aは、ペンタローブ、ヘクスローブ、六角、トルクス、フィリップス、プラス、マイナスなど、ドライバーに対するあらゆる噛合接続インターフェースを備えることができる。一例では、ドライバー接続機構1559aはペンタローブを備えることができ、接触面815はドライバー接続機構1559a上に形成することができる。
図73を引き続き参照すると、一例では、多平面連結システム1556は接続アーム1560を含むことができる。接続アーム1560は、生体適合性金属、合金、又はポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。接続アーム1560は、骨締結具1555のヘッド1558の周りに配設して、骨締結具1555とサドル1557との間の相対運動を可能にすることができる。接続アーム1560は、サドル1557内に嵌合するようにサイズ決めすることができ、また、本明細書でより詳細に後述するように、サドル1557の一部分がサドル1557の別の部分に対して移動又は並進できるようにすることができる。接続アーム1560は、第1の部分又は上側部分1561と、第2の部分又は下側部分1562と、ボア824と、少なくとも一つのスロット1563とを含むことができる。
上側部分1561は、サドル1557の一部分内に受け入れられるように形作ることができ、丸角を備えた、概して長方形であることができる。一例では、上側部分1561は対向する湾曲形状部821を有することができる。対向する湾曲形状部821は、概して直線の部分821aを含むことができる。直線部分821aはサドル1557と協働して、サドル1557が接続アーム1560の上側部分1561に対して移動又は並進できるようにすることができる。上側部分1561は、図75に示されるようなレール829を含むことができる。
図73を参照すると、下側部分1562は接続面1564を含むことができる。接続面1564は、少なくとも一つの平坦面1565と、少なくとも一つのリブ1566とを含むことができる。少なくとも一つの平坦面1565及び少なくとも一つのリブ1566は、サドル1557の一部分と協働して、サドル1557のその一部分を接続アーム1560に不動に連結することができる。一例では、接続面1564は、二つの平坦面1565a、1565b及び二つのリブ1566a、1566bを含むことができる。平坦面1565a、1565bは、接続アーム1560の周囲の周りで相互に実質的に対向することができる。平坦面1565a、1565bは、接続アーム1560がサドル1557の一部分に対して回転するのを防ぐことができる。リブ1566a、1566bは、下側部分1562のアーチ状の表面に沿って形成することができ、概して、下側部分1562の最底面1562aからある距離を空けて位置付けることができる(図74)。リブ1566a、1566bは、本明細書でより詳細に後述するように、サドル1557の一部分と下側部分1562との間の重なり干渉又はスナップ嵌めを作り出すことができる。
図73を参照すると、少なくとも一つのスロット1563は、上側部分1561及び下側部分1562を通して画成することができる。少なくとも一つのスロット1563によって、接続アーム1560が拡張して骨締結具1555を受容できるようにすることができる。これに関して、少なくとも一つのスロット1563によって、より大きなサイズの接続アーム1560及びサドル1557の使用を要することなく、接続アーム1560が拡張して、骨締結具1555のヘッド1558など、骨締結具のより大きなサイズのヘッドを受容できるようにすることができる。それに加えて、本明細書でより詳細に後述するように、少なくとも一つのスロット1563によって、接続アーム1560が底部装填位置(bottom loading position)からサドル1557内で保定された後、接続アーム1560が拡張して骨締結具1555を受容できるようにすることができる。骨締結具1555のヘッド1558が接触するようにして凍結し、接続アーム1560が拡張してヘッド1558を受容するように加熱するなど、任意の適切な技術を使用して、骨締結具1555を底部装填位置からサドル1557に連結することができる。
図73及び図74を参照すると、サドル1557は、接続アーム1560に連結することができ、接続アーム1560に対して移動又は並進することができる。これに関して、サドル1557は、第1の部分又は底部分1567と、第2の部分又は上部分1568とを含むことができる。底部分1567は、接続アーム1560に不動に連結することができ、上部分1568は、底部分1567及び接続アーム1560に対して移動又は並進することができる。
一例では、図73を参照すると、底部分1567は、概して直線状の表面又は平坦面840bによって相互接続することができる、対向する概してアーチ状の表面840aを含むことができる。底部分1567を接続アーム1560に連結できるようにして、底部分1567の形状は接続アーム1560の形状と協働することができる。底部分1567は、第1の端部又は近位端844と、第2の端部又は遠位端846と、ボア1567aとを含むことができる。
図74を参照すると、ボア1567aは、長手方向軸L12に沿って近位端844から遠位端846まで形成することができる。ボア1567aは、接続アーム1560の周りに不動に連結されるようにサイズ決めし構成することができる。図73を参照すると、ボア1567aは、面取り縁部852と、少なくとも一つの溝1569とを含むことができる。
少なくとも一つの溝1569は、接続アーム1560の少なくとも一つのリブ1565と協働して、底部分1567を接続アーム1560に連結することができる(図74)。一例では、ボア1567aは二つの溝1569a、1569bを含むことができる。溝1569a、1569bのそれぞれ一つは、リブ1566a、1566bのそれぞれ一つを係合することができる。概して、溝1569a、1569bは、リブ1566a、1566bを溝1569a、1569b内にスナップ嵌めして、底部分1567を接続アーム1560と連結できるように、構成することができる。
図75を参照すると、サドル1557の上部分1568は、接続アーム1560の湾曲形状部821の周りに配設することができる。上部分1568は、接続アーム1560に対して移動又は並進することができ、したがって、底部分1567に対して移動又は並進することができる。図72を参照すると、上部分1568は、実質的にU字形であると共に、多平面骨アンカーシステム1554によって画成される長手方向軸L12に対して対称であることができる。上部分1568は、第1の端部又は近位端1570と、第2の端部又は遠位端1571とを含むことができる。一例では、図73を参照すると、近位端1570は第1のアーム1572及び第2のアーム1573を含むことができる。第1のアーム1572及び第2のアーム1573は、遠位端1571から上向きに延在してU字形を画成することができる。第1のアーム1572及び第2のアーム1573はそれぞれ、噛合部分84、キャビティ1574、及びコネクタ機構1575を含むことができる。
図73及び図74を参照すると、キャビティ1574は、第1のアーム1572及び第2のアーム1573の各内表面1572a、1573aに画成することができる。キャビティ1574は、サドル1557の底部分1567に対する上部分1568の移動又は関節運動のための遊びを提供することができる。これに関して、キャビティ1574は、上部分1568が骨締結具1555のヘッド1558の上を移動できるように画成することができ、それによって、底部分1567に対する上部分1568の運動範囲を提供することができる。したがって、骨締結具1555のヘッド1558及び/又は接続アーム1560とキャビティ1574との間の接触は、底部分1567に対する上部分1568の移動又は並進を制限する停止部として作用することができるが、接続アーム1560上に形成された機構など、他の技術を使用して、底部分1567に対する上部分1568の移動又は並進を停止若しくは制限することができる。それに加えて、キャビティ1574は、接続アーム1560が拡張して、骨締結具1555のより大きな直径のヘッド1558を受容できるように、サイズ決めすることができる。
図73を参照すると、コネクタ機構1575は、第1のアーム1572及び第2のアーム1573の外表面1572b、1573bに画成することができる。コネクタ機構1575によって、多平面骨アンカーシステム1554を、ロッド整復機器などの器械類、又は脊椎固定処置における適切なクロスコネクタデバイスに連結できるようにすることができる。コネクタ機構1575は、第1のアーム1572及び第2のアーム1573それぞれに形成される丸角を備えた矩形の陥凹部を備えるものとして、本明細書には例証されるが、コネクタ機構1575は、選択されたクロスコネクタデバイス又は機器と協働するように、任意の選択された形状及び寸法を有することができることに留意されたい。
図73を引き続き参照すると、上部分1568の遠位端1571は、概して長方形であることができ、底部分1567の形状と対応する丸角を含むことができる。遠位端1571は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面1574と、中央のボア876とを含むことができる。
図75を参照すると、底面1574は少なくとも一つのガイド1577を含むことができる。一例では、底面1574は、相互に対向して位置付けることができる、二つのガイド1577a、1577bを含むことができる。ガイド1577a、1577bは、上部分1568が接続アーム1560に対して移動又は並進できるようにすることができる。ガイド1577a、1577bは、上部分1568を接続アーム1560上で保定することができ、接続アーム1560の湾曲形状部821と噛合するように構成することができる。ガイド1577a、1577bそれぞれの端部は、レール829に接触して、接続アーム1560に対する上部分1568の移動を案内することができる。
図73を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1554を組み立てるために、接続アーム1560をサドル1557の中央のボア876に挿入することができる。概して、接続アーム1560は、上部分1568を通して接続アーム1560を挿入するために、接続アーム1560の主軸を中心にして約90°回転させることができる。接続アーム1560は、湾曲形状部821が上部分1568のガイド1577a、1577bと係合されるまで、主軸を中心にして約90°逆回転させることができる。次に、骨締結具1555を、接続アーム1560のボア824を通して挿入することができる。接続アーム1560の少なくとも一つのスロット1563、及びキャビティ1574のサイズによって、接続アーム1560を拡張して骨締結具1555のヘッド1558を受容できるようにすることができる。次に、底部分1567を接続アーム1560に連結することができる。
一旦、組み立てられると、図72〜図74を参照すると、接続アーム1560は、骨締結具1555が接続アーム1560のボア824内で移動又は回転できるようにすることができる。接続アーム1560はまた、多平面骨アンカーシステム1554の長手方向軸L12に対して、骨締結具1555を移動させる又は骨締結具1555に角度をもたせることができるようにすることができる。サドル1557の上部分1568は、選択された位置へと底部分1567及び接続アーム1569に対して移動又は並進することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1554は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具1555は長手方向軸L12を中心にして回転することができる。骨締結具1555はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸L12に対して枢動することができる。サドル1557は長手方向軸L12に対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム1554が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1554を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1554の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1554の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム1554が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム1556及びサドル1557を骨締結具1555に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1554に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1554のサドル1557内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1557の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22を連結することによって、骨締結具1555のヘッド1558に力を加えて、サドル1557に対して骨締結具1555を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図76〜図80を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1580を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1580は、図72〜図75を参照して記載した多平面骨アンカーシステム1554に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム1554と多平面骨アンカーシステム1580との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1580は、骨締結具1555と、多平面連結装置又はシステム1581と、サドル1557とを含むことができる。多平面骨アンカーシステム1580は長手方向軸L13を画成することができ、多平面骨アンカーシステム1580は、骨締結具1555及びサドル1557が複数の面内で長手方向軸L13に対して移動できるようにして、構成することができる。
図77を参照すると、一例では、多平面連結システム1581は接続アーム1583を含むことができる。接続アーム1583は、生体適合性金属、合金、又はポリマーなど、任意の適切な生体適合性材料で構成することができる。接続アーム1583は、骨締結具1555のヘッド1558の周りに配設して、骨締結具1555とサドル1557との間の相対運動を可能にすることができる。接続アーム1583は、サドル1557内に嵌合するようにサイズ決めすることができ、また、本明細書でより詳細に後述するように、サドル1557の一部分がサドル1557の別の部分に対して移動又は並進できるようにすることができる。接続アーム1583は、第1の部分又は上側部分1561と、第2の部分又は下側部分1584と、ボア824と、少なくとも一つのスロット1563とを含むことができる。
図77及び図78を参照すると、下側部分1584は、接続面1564と、少なくとも一つの好ましい角度のスロット1585とを含むことができる。一例では、好ましい角度のスロット1585は、二つの好ましい角度のスロット1585a、1585bを含むことができる。好ましい角度のスロット1585a、1585bによって、骨締結具1555が、多平面骨アンカーシステム1580の長手方向軸L13に対するより大きな角度A13へと関節運動できるようにすることができる。これに関して、図79を参照すると、骨締結具1555は、概して、接続アーム1583の好ましい角度のスロット1585a、1585bを含まない部分に沿って、長手方向軸L13に対する角度A14へと関節運動することができる。図80を参照すると、好ましい角度のスロット1585a、1585bの位置で、骨締結具1555は、概して、長手方向軸L13に対するより大きな角度A13へと関節運動することができる。一例では、角度A14はより大きな角度A13よりも小さくすることができ、より大きな角度A13は約15°から90°の間であることができる。好ましい角度のスロット1585a、1585bは、ボア824と連通することができる、接続アーム1583の下側部分1584を通って画成されるアーチ状の切欠きを備えることができる。好ましい角度のスロット1585a、1585bのアーチ状の切欠きによって、骨締結具1555が長手方向軸L13に対してより大きな角度A13へと移動又は関節運動できるようにすることができる。
二つの好ましい角度のスロット1585a、1585bが図面に例証されるが、接続アーム1583は、接続アーム1583に沿った任意の位置に任意の数の好ましい角度のスロット1585を含んで、骨締結具1555が任意の選択された方向に関節運動できるようにすることができることに留意されたい。また、好ましい角度のスロット1585a、1585bを形成する切欠きの形状は、長手方向軸L13に対する骨締結具1555の関節運動のより大きな角度A13を低減又は増大させるように修正することができることに留意されたい。
図77を参照すると、一つの例示的な方法にしたがって多平面骨アンカーシステム1580を組み立てるために、接続アーム1583をサドル1557の中央のボア876に挿入することができる。概して、接続アーム1583は、上部分1568を通して接続アーム1583を挿入するために、接続アーム1583の主軸を中心にして約90°回転させることができる。接続アーム1583は、湾曲形状部821が上部分1568のガイド1557a、1557bと係合されるまで、主軸を中心にして約90°逆回転させることができる。次に、骨締結具1555を、接続アーム1583のボア824を通して挿入することができる。接続アーム1583の少なくとも一つのスロット1563、及びキャビティ1574のサイズによって、接続アーム1583を拡張して骨締結具1555のヘッド1558を受容できるようにすることができる。次に、底部分1567を接続アーム1560に連結することができる。
一旦、組み立てられると、図77、図79、及び図80を参照すると、接続アーム1583は、骨締結具1555が接続アーム1583のボア824内で移動又は回転できるようにすることができる。接続アーム1583はまた、多平面骨アンカーシステム1580の長手方向軸L13に対して、骨締結具1555を移動させる又は骨締結具1555に角度をもたせることができるようにすることができる。接続アーム1583の好ましい角度のスロット1585は、骨締結具1555がより大きな角度A13へと移動又は関節運動できるようにすることができる。サドル1557の上部分1568は、選択された位置へと底部分1567及び接続アーム1583に対して移動又は並進することができる。したがって、組み立てられると、多平面骨アンカーシステム1580は、少なくとも三つの移動度を有することができ、又は少なくとも三つの面内で可動し得る。例えば、骨締結具1555は長手方向軸L13を中心にして回転することができる。骨締結具1555はまた、少なくとも第1の方向及び第2の方向に、長手方向軸L13に対して枢動することができる。サドル1557は長手方向軸L13に対して並進することができる。多平面骨アンカーシステム1580が少なくとも三つの面内で移動できるようにすることによって、外科医は、多平面骨アンカーシステム1580を必要に応じて患者の解剖学的構造に合致するように操作することができる。
固定処置における多平面骨アンカーシステム1580の外科的挿入及び使用は、固定処置における多平面骨アンカーシステム10の外科的挿入及び挿入に類似したものであることができるので、多平面骨アンカーシステム1580の外科的挿入及び使用については、本明細書では詳細に後述しない。しかし、手短に言えば、一旦、多平面骨アンカーシステム1580が解剖学的構造にしっかりと固定されると、多平面連結システム1581及びサドル1557を骨締結具1555に対して移動、枢動、又は回転させて、固定処置に対する所望のアライメントにすることができる。一旦、位置合わせされると、接続ロッド20を所望の数の多平面骨アンカーシステム1580に挿入することができる。
接続ロッド20が多平面骨アンカーシステム1580のサドル1557内で位置付けられた状態で、止めねじ22を各サドル1557の各噛合部分84に連結することができる。止めねじ22を連結することによって、骨締結具1555のヘッド1558に力を加えて、サドル1557に対して骨締結具1555を固定的に連結するか、又はその位置を係止することができる。
次に図81〜図84を参照すると、一例では、横方向コネクタ1600を、多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580のうち任意の一つと共に用いることができ、接続ロッド20に連結して、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。例示的な処置では、横方向コネクタ1600を使用して、多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580のうちの一つを、横方向に間隔を空けた接続ロッド20に接続することができる。概して、横方向コネクタ1600は、接続ロッド20の長手方向軸を横断する方向に、接続ロッド20それぞれに連結することができる。横方向コネクタ1600は、本体1602及びアーム1604を含むことができる。横方向コネクタ1600は、生体適合性金属又はポリマーなど、適切な生体適合性材料で構成することができる。
図82〜図84を参照すると、本体1602は、主要部分1605と少なくとも一つの並進アセンブリ1608とを含むことができる。主要部分1605は、実質的に線形且つ円筒状であることができる。少なくとも一つの並進アセンブリ1608は主要部分1605に連結することができる。
並進アセンブリ1608は、円筒状のハウジング1610と係止デバイス1612とを含むことができる。円筒状のハウジング1610は、所望に応じて主要部分1605と一体的に形成することができ、又は溶接などの適切な後処理ステップで主要部分1605に連結することができる。図84を参照すると、円筒状のハウジング1610は、クロスボア1614及び係止ボア1616を画成することができる。クロスボア1614は、アーム1604の一部分を受け入れるようにサイズ決めすることができる。係止ボア1616は、係止デバイス1612を受け入れるように構成することができ、クロスボア1614の軸を横断する軸に沿って延在することができる。一例では、係止ボア1616は、係止デバイス1612と関連付けられる複数のねじ山1612aを係合することができる、複数のねじ山1616aを含むことができる。
係止デバイス1612は、係止ボア1616の複数のねじ山1616aと噛合することができる、複数のねじ山1612aを含むことができる。一例では、係止デバイス1612は、アーム1604を本体1602に係止することができる、止めねじを備えることができる。
アーム1604は、ロッド1618及びフック1620を含むことができる。アーム1604は、環状の断面を有するロッド1618を含むものとして本明細書に記載され例証されるが、ロッド1618は、正方形など、任意の形状を有することができることに留意されたい。この例では、ロッド1618は、クロスボア1614に滑動可能に受け入れられるように構成することができ、円筒状であることができる。後述するように、ロッド1618は、横方向コネクタ1600が様々な患者の解剖学的構造に適合できるようにするため、本体1602に対して可動し得る。ロッド1618は、係止デバイス1612によって加えられる圧力によって、本体1602に連結することができる。
フック1620はロッド1618に連結することができ、一例では、フック1620はロッド1618と一体的に形成することができる。或いは、フック1620は、適切な後処理ステップでロッド1618に連結することができる。フック1620は、C字形のキャビティ1622及び連結デバイス1624を含むことができる。C字形のキャビティ1622は、接続ロッド20を受け入れるように構成することができる。連結デバイス1624は、接続ロッド20をC字形のキャビティ1622に連結することができる。一例では、図84を参照すると、連結デバイス1624は、ねじ付きボア1624bと螺合可能に係合することができる、止めねじ1624aを備えることができる。止めねじ1624aをねじ付きボア1624b内で前進させることによって、横方向コネクタ1600を接続ロッド20に連結することができる。
図81及び図84を参照すると、横方向コネクタ1600は、アーム1604をクロスボア1614に挿入することによって組み立てることができる。次に、係止デバイス1612を締め付けて、アーム1604を本体1602にしっかりと固定することができる。次に、例示的な多平面骨アンカーシステム800と接続ロッド20との間に掛かるように、横方向コネクタ1600を位置付けることができる。止めねじ1624aを締め付けることによって、アーム1604のフック1620を接続ロッド20に連結することができ、止めねじ22を締め付けることによって、アーム1604を例示的な多平面骨アンカーシステム800に連結することができる。
患者の解剖学的構造により、横方向コネクタ1600が短すぎるか又は長すぎる場合、アーム1604をクロスボア1614内で移動又は並進させて、横方向コネクタ1600を接続ロッド20に連結できるようにすることができる。例えば、並進アセンブリ1608の係止デバイス1612を緩めて、アーム1604をクロスボア1614内の所望の位置へと移動させて、横方向コネクタ1600の長さを延長するか、又は横方向コネクタ1600の長さを低減することができる。これによって、横方向コネクタ1600を様々な異なるサイズの患者で使用できるようにすることができる。
次に図85及び図86を参照すると、一例では、ドミノコネクタ1650を、多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580のうち任意の一つと共に用いることができ、一つ以上の接続ロッド20に連結して、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。例示的な処置では、ドミノコネクタ1650を使用して、接続ロッド20を有する、二つの垂直に延在する多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580に剛性を与えることができる。概して、ドミノコネクタ1650は、接続ロッド20の長手方向軸を横断する方向に、接続ロッド20それぞれに連結することができる。
ドミノコネクタ1650は、可動な本体1652と少なくとも一つのコネクタ1654とを含むことができる。ドミノコネクタ1650は、生体適合性金属又はポリマーなど、適切な生体適合性材料で構成することができる。一例では、ドミノコネクタ1650は、可動な本体1652の両端1652a、1652bに位置付けられる二つのコネクタ1654a、1654bを含むことができる。
可動な本体1652は、第1の部分1656及び第2の部分1658を含むことができる。第1の部分1656はクロスボア1660を画成することができる(図86)。クロスボア1660は、第2の部分1658が第1の部分1656に対して移動又は並進できるようにして、第2の部分1658を受け入れることができる。第2の部分1658は、所望に応じて、接続が分離されることなく第2の部分1658が第1の部分1656に対して移動又は並進できるようにすることができる、停止部を含むことができることに留意されたい。或いは、機械的締結具又は他の技術を使用して、第1の部分1656を第2の部分1658に対して可動にしっかりと固定することができる。第1の部分1656に対する第2の部分1658の移動によって、患者の特定の解剖学的構造に応じてドミノの長さを内外方向に増加又は減少できるようにすることができる。ドミノコネクタ1650はまた、所望に応じて、頭尾方向に並進することができるように構成することができることに留意されたい。
図85及び図86を引き続き参照すると、コネクタ1654a、1654bは、接続ロッド20のそれぞれ一つに連結することができる。コネクタ1654a、1654bはそれぞれ、貫通孔1662及び係止ボア1664を含むことができる。貫通孔1662は、接続ロッド20を受け入れるようにサイズ決めすることができ、係止ボア1664を横断する方向に延在することができる。係止ボア1664は、止めねじなどの適切な係止デバイスを受け入れて、ドミノコネクタ1650を接続ロッド20に連結するように構成することができる、ねじ山1664aを含むことができる。
ドミノコネクタ1650は、接続ロッド20をコネクタ1654aの貫通孔1662を通して挿入し、次に接続ロッド20をコネクタ1654bの貫通穴1662を通して挿入することによって、組み立てることができる。次に、第2の部分1658を第1の部分1656に滑り込ませることができる。第2の部分1658は第1の部分1656に対して可動又は滑動可能であるので、ドミノコネクタ1650の長さは、処置中にサイズ決めして、特定の患者の解剖学的構造に対応させることができる。
次に図87及び図88を参照すると、一例では、多平面骨アンカーシステム1700を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面骨アンカーシステム1700は、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面骨アンカーシステム1700との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面骨アンカーシステム1700は、骨締結具1702及びサドル1704を含むことができる。
一例では、骨締結具1702は、C字形のフック部分1706と基部1708とを有する骨フックを備えることができる。C字形のフック部分1706を解剖学的構造に嵌入して、C字形のフック部分1706を解剖学的構造にしっかりと固定することができる。C字形のフック部分1706と解剖学的構造との係合を容易にするために、C字形のフック部分1706は先細状の先端1706aを含むことができる。C字形のフック部分1706は、基部1708よりも下に位置付けることができる。
基部1708は、C字形のフック部分1706をサドル1704に連結することができる。基部1708は、第1の端部1710及び第2の端部1712を有することができる。第1の端部1710はC字形のフック部分1706に連結することができる。第2の端部1712は基部1708に連結することができる。第1の端部1710は第2の端部1712に対して角度を成すことができるが、第1の端部1710は必ずしも第2の端部1712に対して角度を成さなくてもよい。第2の端部1712は少なくとも一つのレール1714を含むことができる。少なくとも一つのレール1714は、サドル1704と協働して、サドル1704が骨締結具1702に対して移動又は並進できるようにすることができる。
サドル1704は、実質的にU字形であると共に、サドル1704によって画成される長手方向軸L10に対して対称であることができる(図88)。サドル1704は、第1の端部又は近位端1716と、第2の端部又は遠位端1718とを含むことができる。一例では、近位端1716は第1のアーム1720及び第2のアーム1722を含むことができる。第1のアーム1720及び第2のアーム1722は、遠位端1718から上向きに延在して、U字形を画成することができる。第1のアーム1720及び第2のアーム1722はそれぞれ、噛合部分84及びコネクタ機構870を含むことができる。
図87及び図88を参照すると、サドル1704の遠位端1718は、概して長方形であることができる。遠位端1718は、概して正方形、円筒状、長円形など、任意の所望の形状を有することができることに留意されたい。遠位端1718は、第1の表面又は受入れ面88と、第2の表面又は底面1724とを含むことができる。底面1724は、少なくとも一つのガイド1726を含むことができる。少なくとも一つのガイド1726は、少なくとも一つのレール1714に連結されて、サドル1704が骨締結具1702に対して移動又は並進できるようにすることができる。骨締結具1702に対するサドル1704の移動又は並進は、必ずしも単一方向に限定されなくてもよく、それよりもむしろ、複数のレール及びガイドを用いて、複数の面に沿って移動又は並進できるようにすることができることに留意されたい。
多平面骨アンカーシステム1700を組み立てるために、少なくとも一つのガイド1726が少なくとも一つのレール1714を係合するようにして、サドル1704を基部1708にかぶせることができる。次に、多平面骨アンカーシステム1700を解剖学的構造に連結するために、解剖学的構造に対して提供されるアクセスを用いて、C字形のフック部分1706を解剖学的構造に嵌入して、多平面骨アンカーシステム1700を解剖学的構造にしっかりと固定することができる。次に、サドル1704をC字形のフック部分1706に対して移動又は並進させて、接続ロッド20を受け入れるための選択された位置にすることができる。一旦、接続ロッド20がサドル1704内に受け入れられると、止めねじ22を第1のアーム1720及び第2のアーム1722の噛合部分84に挿入して、接続ロッド20を多平面骨アンカーシステム1700に連結することができる。
次に図89〜図92を参照すると、一例では、多平面後頭部プレート座部(multiplanar occipital plate seat)1750を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。多平面後頭部プレート座部1750は、図31〜図36を参照して記載した多平面骨アンカーシステム800に類似したものであり得るので、多平面骨アンカーシステム800と多平面後頭部プレート座部1750との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。多平面後頭部プレート座部1750は、サドル1754を含むことができる。
サドル1754は、第1の部分又は底部分1756と、第2の部分又は上部分1758とを含むことができる。上部分1758は、本明細書でより詳細に後述するように、底部分1756に対して移動又は並進することができる。一例では、底部分1756は、第1の端部又は近位端1760と、第2の端部又は遠位端1762と、ピン1764とを含むことができる。近位端1760は上部分1758に連結することができる。近位端1760は少なくとも一つのレール1766を含むことができる。一例では、近位端1760は二つのレール1766a、1766bを含むことができる。レール1766a、1766bは、レール1766a、1766bが約180°間隔を空けるようにして、底部分1756の対向面に位置付けることができる。レール1766a、1766bはT字形であることができるが、任意の形状を用いることができる。遠位端1762は、丸角を備えた、概して長方形であることができ、実質的に平面であることができる。
ピン1764は、底部分1756から延在して、サドル1754を例示的な骨プレートPに連結することができる。ピン1764は、概して正方形であることができるが、ピン1764は、サドル1754を骨プレートPに連結するための任意の選択された形状を有することができる。
サドル1754の上部分1758は、実質的にU字形であると共に、多平面後頭部プレート座部1750によって画成される長手方向軸L11に対して対称であることができる(図89)。上部分1758は、第1の端部又は近位端1767と、第2の端部又は遠位端1768とを含むことができる。一例では、近位端1767は、第1のアーム1770及び第2のアーム1772を含むことができる。第1のアーム1770及び第2のアーム1772は、遠位端1768から上向きに延在して、U字形を画成することができる。第1のアーム1770及び第2のアーム1772はそれぞれ、噛合部分84を含むことができる。
上部分1758の遠位端1768は、概して長方形であることができ、底部分1756の形状と対応する丸角を含むことができる。遠位端1768は、第1の表面又は受入れ面88とガイド1774とを含むことができる。
ガイド1774は、底部分1756のレール1766a、1766bと噛合するように構成することができる。一例では、ガイド1774はT字形を備えることができるが、レール1766a、1766bに合う任意の適切な形状を用いることができる。ガイド1774とレール1766a、1766bとの係合によって、上部分1758が底部分1756に対して移動又は並進できるようにすることができる。
多平面後頭部プレート座部1750を組み立てるために、ガイド1774がレール1766a、1766bを係合するようにして、上部分1758を底部分1756にかぶせることができる。次に、底部分1756のピン1764を骨プレートPに連結して、サドル1704を骨プレートPに連結することができる。一旦、骨プレートPが解剖学的構造内で位置付けられると、上部分1758を底部分1756に対して移動させて、接続ロッド20を受け入れるための選択された位置にすることができる。接続ロッド20が第1のアーム1770と第2のアーム1772との間に挿入された状態で、止めねじ22を挿入して、接続ロッド20を多平面後頭部プレート座部1750に連結することができる。
したがって、脊椎固定又は癒合処置の場合など、多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580を使用して、解剖学的構造の損傷組織を修復することができる。骨締結具12、102、302、802、952、1002、1102、1555、及び/又はサドル18、106、206、308、406、506、606、806、906、956、1006、1106、1108、1308、1408、1506、1557を複数の面内で、但し制御された方式で移動できるようにされる。それに加えて、骨締結具12、102、302、802、952、1002、1102、1555、及び/又はサドル18、106、206、308、406、506、606、806、906、956、1006、1106、1108、1308、1408、1506、1557の位置を操作する能力によって、多平面骨アンカーシステム10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500a、1500b、1554、1580を様々な異なる解剖学的構造と共に使用できるようにすることができる。
特定の例について本明細書に記載し図面に例証してきたが、本教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができると共に、等価物をそれらの要素に対して置き換えられることが、当業者には理解されるであろう。さらに、様々な例と例との間の特徴、要素、及び/又は機能の混合並びに整合が、本明細書で明示的に検討されているので、別の形で上述していない限り、一つの例の特徴、要素、及び/又は機能を適宜別の例に組み込むことができることが、本教示から当業者には認識されるであろう。さらに、本教示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況又は材料を本教示に適合させるために多数の修正を行うことができる。したがって、本教示は、図面によって例証され本明細書に記載される特定の例に限定されず、本教示の範囲は、上述の記載の範囲内にあるあらゆる実施形態を含むものとする。
例えば、多平面骨アンカーシステム1000は、レール1032a、1032bを備えた底部分1022及びガイド1050a、1050bを備えた上部分1024を有するサドル1006を含むものとして、図42〜図45を参照して本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、図93及び図94を参照すると、サドル1800は、第1の部分又は上部分1802と、第2の部分又は中間部分1804と、第3の部分又は底部分1806とを含むことができる。上部分1802はレール1808a、1808bを含むことができる。レール1808a、1808bは、中間部分1804の天面1804aに画成されるガイド1810a、1810bを滑動可能に係合することができる。中間部分1804の底面1804bは、底部分1806の天面1806aに形成されるガイド1814a、1814bを係合することができる、レール1812a、1812bを含むことができる。したがって、サドル1800は、ラインに沿った、又は二次元面内での並進を可能にすることができる、二つのダブテール接続を有することができる。レール1808a、1808b、1812a、1812bは、サドル1800によって画成される長手方向軸に対して任意の角度で向き付けて、任意の面内での並進を可能にすることができることに留意されたい。
これに関して、単一のダブテールに沿った並進(例えば、レール1808a、1808b及びガイド1810a、1810b、又はレール1812a、1812b及びガイド1814a、1814bに沿った移動)によって、並進ラインに沿った移動が可能になる。両方のダブテールに沿った並進(例えば、レール1808a、1808b及びガイド1810a、1810b、並びにレール1812a、1812b及びガイド1814a、1814bに沿った移動)によって、二次元の並進面に沿った移動が可能になる。任意の適切な接続機構を使用して、面に沿った並進ができるようにすることができるので、ダブテール接続の使用は単なる例示であることに留意されたい。
別の例では、多平面骨アンカーシステム1000は、レール1032a、1032bを備えた底部分1022及びガイド1050a、1050bを備えた上部分1024を有するサドル1006を含むものとして、図42〜図45を参照して本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、図95〜図97を参照すると、サドル1850は、第1の部分又は上部分1852と、第2の部分又は中間部分1854と、第3の部分又は底部分1856とを含むことができる。上部分1852は、第1のアークに沿って形成することができる、レール1858a、1858bを含むことができる。レール1858a、1858bは、中間部分1854の天面1854aに画成されるガイド1860a、1860bを滑動可能に係合することができる。ガイド1860a、1860bも第1のアークに沿って形成することができる。
中間部分1854の底面1854bも、第2のアークに沿って形成することができる、レール1862a、1862bを含むことができる。レール1862a、1862bは、底部分1856の天面1856aに形成されるガイド1864a、1864bを係合することができる。ガイド1864a、1864bも第2のアークに沿って形成することができる(図99)。
第1のアーク及び第2のアークは、任意の選択された非ゼロの角度で相互に向き付けて、サドル1850の三次元移動を可能にすることができる。それに加えて、第1のアーク及び第2のアークが十分に大きい場合、移動が平面運動に近付くことができることに留意されたい。さらに、任意の適切な接続機構を使用して、面に沿った並進を可能にすることができるので、ダブテール接続を使用することは単なる例示であることに留意されたい。それに加えて、一つのアークのみを使用することができ、又はアーク及び線形のダブテール接続を使用することができるので、二つのアークを使用することは単なる例示であることに留意されたい。
様々な例のうち別のものでは、多平面骨アンカーシステム1000は、骨締結具1002に対して並進可能な接続ロッド20を受け入れるU字形の上部分1024を含むものとして、図42〜図45を参照して本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、図98及び図99を参照すると、サドル1900は、底部分1904に対して可動な第1の部分又は上部分1902を含むことができる。上部分1902は、第1の半片1906と、第2の半片1908と、係止デバイス1910とを含むことができる。第1の半片1906は、第1の端部1914と、第2の端部1916と、開口部1918とを含むことができる。第1の端部1914は係止デバイス1910に連結することができる。第2の端部1916は、上部分1902が底部分1904に対して移動できるようにすることができる、少なくとも一つのガイド1920を含むことができる。開口部1918は、半円形であると共に、接続ロッド20の一部分を受け入れるように構成することができる(図99)。開口部1918は、第1の端部1914と第2の端部1916との間に位置付けることができる。
第2の半片1908は、第1の端部1922と、第2の端部1924と、開口部1926とを含むことができる。第1の端部1922は係止デバイス1910に連結することができる。第2の端部1924は、上部分1902が底部分1904に対して移動できるようにすることができる、少なくとも一つのガイド1928を含むことができる。開口部1926は、半円形であると共に、接続ロッド20の一部分を受け入れるように構成することができる(図99)。開口部1926は、第1の端部1922と第2の端部1924との間に位置付けることができる。
係止デバイス1910は、U字形であることができ、第1の半片1906の第1の端部1914及び第2の半片1908の第1の端部1922の上に位置付け可能であることができる。係止デバイス1910を第1の半片1906及び第2の半片1908の上に位置付けて、接続ロッド20を開口部1918、1926内で保定することができる(図99)。
底部分1904は、第1の半片1906及び第2の半片1908の両方が底部分1904に対して移動又は並進できるようにすることができる、少なくとも一つのレール1930を含むことができる。底部分1904はまた、所望に応じて、サドル1900に対して移動、回転、及び/又は関節運動することができる骨締結具1932を、底部分を通して受け入れることができる。
使用の際、骨締結具1932を介して底部分1904を解剖学的構造に連結することができる。次に、第1の半片1906及び第2の半片1908を、底部分1904と滑動可能に係合することができる。第1の半片1906及び第2の半片1908は、接続ロッド20を中心にして滑動させることができる。一旦、接続ロッド20が開口部1918、1926内に受け入れられると、係止デバイス1910を第1の半片1906及び第2の半片1908の上に位置付けて、接続ロッド20をサドル1900にしっかりと固定することができる。
別の例では、図100及び図101を参照すると、サドル1950を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。サドル1950は、図98及び図99を参照して記載したサドル1900に類似したものであり得るので、サドル1900とサドル1950との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。サドル1950は、底部分1954に対して可動な第1の部分又は上部分1952を含むことができる。上部分1952は、第2の半片1908及び係止デバイス1910を含むことができる。
底部分1954は、アーム1956及び少なくとも一つのレール1957を含むことができる(図100)。アーム1956は開口部1958及びレッジ1960を含むことができる。開口部1958は、半円形であると共に、接続ロッド20の一部分を受け入れるように構成することができる。レッジ1960は、係止デバイス1910の一部分を支持して、接続ロッド20をサドル1950に連結することができる。底部分1904はまた、所望に応じて、サドル1950に対して移動、回転、及び/又は関節運動することができる骨締結具1962を、底部分を通して受け入れることができる。
使用の際、骨締結具1962を介して底部分1954を解剖学的構造にしっかりと固定することができる。次に、第2の半片1908を、底部分1954と滑動可能に係合することができる。第2の半片1908は、接続ロッド20を中心にして滑動させることができる。一旦、接続ロッド20が開口部1926、1958内に受け入れられると、係止デバイス1910をアーム1956及び第2の半片1908の上に位置付けて、接続ロッド20をサドル1950にしっかりと固定することができる(図101)。
様々な例のうち別のものでは、図102及び図103を参照すると、サドル2000を接続ロッド20と共に用いて解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。サドル2000は、図98及び図99を参照して記載したサドル1900に類似したものであり得るので、サドル1900とサドル2000との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。サドル2000は、底部分1904に対して可動な第1の部分又は上部分2002を含むことができる。
上部分2002は、第1の半片2006と、第2の半片2008と、係止デバイス1910とを含むことができる。第1の半片2006は、第1の端部1914と、第2の端部1916と、開口部2010とを含むことができる。開口部2010は、半円形であると共に、接続ロッド20の一部分を受け入れるように細長くすることができる(図103)。細長い開口部2010によって、接続ロッド20がほぼ内外方向に移動できるようにすることができる。開口部2010は、第1の端部1914と第2の端部1916との間に位置付けることができる。
第2の半片2008は、第1の端部1922と、第2の端部1924と、開口部2012とを含むことができる。開口部2012は、半円形であると共に、接続ロッド20の一部分を受け入れるように細長くすることができる(図103)。細長い開口部2012によって、接続ロッド20が内外方向に移動できるようにすることができる。開口部2012は、第1の端部1922と第2の端部1924との間に位置付けることができる。
使用の際、骨締結具1932を介して底部分1904を解剖学的構造にしっかりと固定することができる。次に、第1の半片1906及び第2の半片1908を、底部分1904と滑動可能に係合することができる。第1の半片1906及び第2の半片1908は、接続ロッド20を中心にして滑動させることができる。一旦、接続ロッド20が開口部2010、2012内に受け入れられると、係止デバイス1910を第1の半片1906及び第2の半片1908の上に位置付けて、接続ロッド20をサドル2000にしっかりと固定する一方で、接続ロッド20が内外方向に移動できるようにすることができる(図103)。
別の例では、図104及び図105を参照すると、サドル2020を接続ロッド20と共に用いて、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。サドル2020は、図98及び図99を参照して記載したサドル1900に類似したものであり得るので、サドル1900とサドル2020との間の違いについてのみ、本明細書で詳細に後述することとし、同じ又は類似の構成要素を指すのに同じ参照番号を使用するものとする。サドル2020は、底部分1904に対して可動な第1の部分又は上部分2022を含むことができる。
図104を参照すると、上部分2022は、第1の半片2026と、第2の半片2028と、係止デバイス1910とを含むことができる。第1の半片2026は、第1の端部1914と、第2の端部1916と、開口部2030とを含むことができる。開口部2030は、接続ロッド20の一部分を受け入れるように楔形であることができる。楔形の開口部2030によって、開口部2030が様々な直径の接続ロッド20を受容できるようにすることができる(図105)。開口部2030は、第1の端部1914と第2の端部1916との間に位置付けることができる。
図104を参照すると、第2の半片2028は、第1の端部1922と、第2の端部1924と、開口部2032とを含むことができる。開口部2032は、接続ロッド20の一部分を受け入れる楔形であることができる。楔形の開口部2032によって、開口部2032が様々な直径の接続ロッド20を受容できるようにすることができる(図105)。開口部2032は、第1の端部1914と第2の端部1916との間に位置付けることができる。
使用の際、骨締結具1932を介して底部分1904を解剖学的構造にしっかりと固定することができる。次に、第1の半片1906及び第2の半片1908を、底部分1904と滑動可能に係合することができる。第1の半片1906及び第2の半片1908は、接続ロッド20を中心にして滑動させることができる。一旦、接続ロッド20が開口部2030、2032内に受け入れられると、係止デバイス1910を第1の半片1906及び第2の半片1908の上に位置付けて、接続ロッド20をサドル2020にしっかりと固定することができる(図105)。
それに加えて、多平面骨アンカーシステム1000は、レール1032a、1032bを備えた底部分1022及びガイド1050a、1050bを備えた上部分1024を有するサドル1006を含むものとして、図42〜図45を参照して本明細書に記載してきたが、当業者であれば、本開示はその最も広範な態様において、多少異なるように構築されてもよいことを認識するであろう。これに関して、図106及び図107を参照すると、サドル2050は、第1の部分又は上部分2052と、第2の部分又は底部分2054とを含むことができる。上部分2052はガイド2052a、2052bを含むことができる。ガイド2052a、2052bは、底部分2054の天面2054cに画成されるレール2054a、2054bを滑動可能に係合することができる。
底部分2054は、レール2054a、2054bと、少なくとも一つのマーキング2056とを含むことができる(図107)。上述したように、レール2054a、2054bは、ガイド2052a、2052bと協働して、上部分2052が底部分2054に対して移動又は並進できるようにすることができる。図107を参照すると、少なくとも一つのマーキング2056は、底部分2054に対する上部分2052の並進が存在すること、又はその量の視覚的インジケータを、操作者に提供することができる。
したがって、使用の際、適切な骨締結具を介して底部分2054が解剖学的構造に連結された状態で、操作者は、少なくとも一つのマーキング2056の読取値に基づいて選択された量、上部分2052を移動又は並進させることができる。
様々な例の別のものでは、並進する締結具3000を、骨プレートBなどのプレートと共に使用して、解剖学的構造の損傷部分を修復することができる。一例では、図108及び図109を参照すると、並進する締結具3000は、ヘッド3002及びシャンク3004を含むことができる。図109を参照すると、ヘッド3002は少なくとも一つのT字形のレール3006を含むことができる。T字形のレール3006は、シャンク3004に画成されるポケット3008内に受け入れることができる。一つ以上のピン3010を、T字形のレール3006とポケット3008との間に挿入することができる。一つ以上のピン3010は、ヘッド3002がシャンク3004から分解されるのを防ぐ一方で、ヘッド3002がシャンク3004に対して移動できるようにすることができる。任意の幾何学形状を用いて、ヘッド3002がシャンク3004に対して移動できるようにすることができるので、T字形のレール3006及びポケット3008を使用することは単なる例示である。さらに、用いられる幾何学形状によって、ヘッド3002が、ライン、面、アーク、二次元の経路、三次元の経路内で、シャンク3004に対して移動できるようにすることができる。ヘッド3002とシャンク3004との間の移動によって、並進する締結具3000が、頚部プレートと共に使用されるときなど、固定処置で使用されるときに、圧縮を提供できるようにすることができる(図108)。
可撓性材料、形状記憶材料、ばねなどの使用など、任意の適切な技術によって並進を達成することができるので、本明細書で記載される並進技術は単なる例示であることに留意されたい。さらに、本明細書で記載する並進技術を、上部装填式(top-loading)の骨ねじ、支柱付きの骨ねじ、密閉式の骨ねじ、多軸の骨ねじ、一平面(uniplanar)の骨ねじ、固定のねじなどに適用することができるので、本明細書に記載され例証される並進技術を組み込んだ様々なシステムは単なる例示である。