JP2014524254A - 発酵ブロス処理にとって有用な、塩化水素酸を用いた沈殿によるカルボン酸のそれらのマグネシウム塩からの回収 - Google Patents

発酵ブロス処理にとって有用な、塩化水素酸を用いた沈殿によるカルボン酸のそれらのマグネシウム塩からの回収 Download PDF

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Abstract

本発明は、コハク酸を調製する為の方法であって、コハク酸マグネシウムを用意する工程;該コハク酸マグネシウムを塩化水素(HCl)によって酸性化し、それによってコハク酸及び塩化マグネシウム(MgCl2)を含む溶液を得る工程;任意的に、濃厚化工程、これにおいてコハク酸及びMgCl2を含む該溶液が濃厚化される;コハク酸及びMgCl2を含む該溶液からコハク酸を沈殿し、それによってコハク酸沈殿物及びMgCl2溶液を得る工程;を含む前記方法を提供する。本発明者らは、コハク酸のマグネシウム塩へのHClの添加及び次の該溶液からのコハク酸の沈殿が、コハク酸マグネシウム溶液からのコハク酸の非常に効率的な分離をもたらすことを発見した。
【選択図】なし

Description

本発明は、コハク酸を調製する為の方法に向けられている。
コハク酸は、微生物による炭水化物の発酵により製造されうる。コハク酸が該微生物により排出されるところの発酵プロセスは、pHの低下を結果する。そのようなpHの低下は、該微生物の代謝プロセスを損ないうるので、pHを中和する為に、該発酵媒体中に塩基を添加することが一般的なプラクティスである。結果として、該発酵媒体中に生成されたコハク酸は典型的には、コハク酸塩の形で存在する。
コハク酸塩の形で発酵プロセスからコハク酸を得ることの不利な点は、1又はそれより多くの追加の工程が、該塩からコハク酸を分離する為に、すなわち該塩をコハク酸に転化しそして次にコハク酸を分離する為に、要求されることである。これは典型的には、コハク酸及び/又はコハク酸塩の損失をもたらし、及びすなわち、全体の発酵及び全体のプロセス収率における減少をもたらす。
そのような工程のさらなる不利な点は、これらが典型的には、相当な塩の廃棄物をもたらすことである。例えば、該分離工程は、廃棄物として硫酸塩を結果する、硫酸を用いたコハク酸塩の酸性化をしばしば含む。
発酵プロセスにおいて得られたコハク酸塩が、該塩からコハク酸を分離する為に酸/塩分離に付される発酵プロセスの例が、韓国特許出願公開第2010122773号明細書である。この文献は、発酵溶液からコハク酸を分離し及び精製する為の方法を記載する。最初に、コハク酸カルシウム沈殿物が、発酵により又は発酵後に発酵された溶液に塩基を添加することにより得られる。次に、塩化水素酸及び/又は硝酸が該沈殿物に添加されて、結晶のコハク酸及び塩化カルシウムを形成する。
韓国特許出願公開第2010122773号明細書の不利な点は、それが、固形サクシネート沈殿物の形成を要求することである。これは、該発酵溶液中の固形バイオマスからのサクシネートの分離を複雑にしうる。さらに、該サクシネート沈殿物の固体形態は、次の酸性化工程を複雑にしうる。追加の工程が、それが酸性化されうる前に、該サクシネート沈殿物を処理する為に要求されうる。
さらに、韓国特許出願公開第2010122773号明細書は、該結晶コハク酸と一緒に生成される上清が、400〜800℃の温度での水和領域で処理されて、塩化水素酸又は硝酸及び水酸化カルシウムを生成する工程を記載する。そのような反応は、J.L. Bischoff (“The generation of HCl in the system CaCl2-H2O: Vapor-liquid relations from 380-500°C”, Geochimica et Cosmochimica Acta, Vol.60, No. 1, p7-17, 1996)によってより詳細に記載されており、及び、250〜800 barの高圧で行われる。該反応の間の水の存在が、Mg(OH)2の直接の形成をもたらす。
韓国特許出願公開第2010122773号明細書の方法の不利な点は、それが相当な塩の廃棄物をもたらしうることである。該上清を上記で記載されたとおりに処理する場合でさえ、韓国特許出願公開第2010122773号明細書において記載されるとおりの状況下で、水酸化カルシウムの転化が不完全であることの故に、相当な量の塩廃棄物がなお残るであろう。
韓国特許出願公開第2010122773号明細書の方法のさらなる不利な点は、それが、該上清を処理するための高価な高圧装置及び高温を要求することである。
本発明の目的は、適切な転化収率でコハク酸が塩溶液から分離される分離工程を提供することである。
本発明のさらなる目的は、塩廃棄物の無い又は実質的に無い方法を提供することである。
これらの目的の少なくとも一つが、コハク酸を調製する為の方法であって、
コハク酸マグネシウムを用意する工程;
該コハク酸マグネシウムを塩化水素(HCl)によって酸性化し、それによってコハク酸及び塩化マグネシウム(MgCl2)を含む溶液を得る工程;
任意的に、濃厚化工程、これにおいてコハク酸及びMgCl2を含む該溶液が濃厚化される;
コハク酸及びMgCl2を含む溶液からコハク酸を沈殿し、それによってコハク酸沈殿物及びMgCl2溶液を得る工程;及び、
該MgCl2溶液を少なくとも300℃の温度での熱分解工程に付し、それによって該MgCl2を酸化マグネシウム(MgO)及びHClに分解する工程
を含む前記方法によって満たされた。
本発明者らは、マグネシウムに基づくサクシネートから始まり、塩化水素の酸性化剤としての使用、そして酸化マグネシウムを提供する為の熱分解工程に基づく上記工程に基づく方法が、コハク酸マグネシウム溶液からのコハク酸の非常に効率的な分離、高い全体プロセス収率、最適な質量及び水バランス並びに減少された生成物損失を有する方法を作ることを発見した。
特に、コハク酸が、HClにより酸性化された、マグネシウムに基づくサクシネート溶液から、非常に高い効率で沈殿されることが発見された。いずれの理論によりとらわれることを望まないで、本発明者らは、該沈殿の高い効率は、該溶液中のHCl、マグネシウム及びコハク酸の特定の組み合わせにより引き起こされるこれら状況下でのMgCl2の特定の高い塩析効果に起因すると予測する。塩析効果は予測することが一般に困難であるので、本発明の方法において観察される該特定の高い塩析効果は、本発明者らに驚きをもたらした。
すなわち、本発明の方法を用いて、コハク酸沈殿物がコハク酸マグネシウム溶液から高い収率で得られることができ、該溶液は例えば、発酵プロセスにおいて得られる発酵混合物である。さらに、該得られたコハク酸沈殿物は比較的高い純度を有し、というのも、本発明の方法における該沈殿工程は、コハク酸以外の化合物(例えば、多糖類、塩化物、例えばMgCl2及び他の塩など)の多量の沈殿を結果しないからである。特に、該沈殿物は、該沈殿物の乾燥重量に基づき、少なくとも85重量%のコハク酸を含むであろう。
さらに、HCl及びコハク酸マグネシウムについての特定の選択が、上記で記載されたとおりの熱分解工程と組み合わされたときに、塩廃棄物の減少及び/又は改善された全体的なプロセス収率を提供する。
好ましくは、該方法はさらに、
該MgCl2溶液を少なくとも300℃の温度での熱分解工程に付し、それによりMgCl2をMgO及びHClに分解する工程;及び
任意的に、該熱分解工程において形成された該HClを水に溶解し、それによりHCl溶液を得る工程; 及び/又は
任意的に、該MgOを水と接触させ、それにより水酸化マグネシウム (Mg(OH)2)を得、このMg(OH)2が任意的に発酵プロセスにおける使用の為に再利用される工程
をさらに含む。
これらの追加工程の利点は、塩廃棄物の無い又は実質的に無い方法が得られうるということである。該HCl溶液は、本発明の方法の該酸性化工程に再循環されうる。該Mg(OH)2は、該発酵プロセスにおける使用の為に再利用されうる。
本明細書内で用いられるときに、語「サクシネート」は、コハク酸の共役塩基(Suc2-)をいう。コハク酸(H2Suc)は、サクシネートを酸性化することにより得られうる。コハク酸マグネシウムは、コハク酸のマグネシウム塩(MgSuc)をいう。
本明細書内において用いられるときに、語「沈殿する」は、完全に溶解した状態から出発する固形物の形成をいう。コハク酸は、結晶形で又は非晶質形で沈殿されうる。また、本発明の方法に従い沈殿することによって、コハク酸は精製されうる。該コハク酸マグネシウム溶液が、溶解した不純物を含む場合、沈殿は典型的にはそのような不純物からコハク酸を分離する。
本明細書内において用いられるときに、語「沈殿されるべき溶液」は、沈殿に付されることになる溶液をいう。典型的には、この語は、酸性化後に得られるコハク酸及びMgCl2を含む溶液をいい、任意的にはこの溶液が濃厚化工程及び/又は余分のMgCl2が添加される工程に付された後に得られる溶液をいう。しかしながら、第二の又はさらなる沈殿工程の場合、語「沈殿されるべき溶液」は、最後の/直近の沈殿工程の後に得られるMgCl2溶液をいい、任意的にはこの溶液が濃厚化工程及び/又は余分のMgCl2が添加される工程に付された後に得られるMgCl2溶液をいう。そのようなMgCl2溶液はなおコハク酸を含んでよく、これは第二の又はさらなる沈殿工程にそれを付すことによって得られうる。
コハク酸は、20℃で、6.75g/100 g水の溶解度を有する。コハク酸はMgCl2の溶解度よりも相当に低い溶解度を有するので、MgCl2は、該沈殿工程において該溶液からコハク酸と一緒に沈殿しないであろう。
本発明の方法において用意されるコハク酸マグネシウムは、発酵プロセスにおいて得られうる。
コハク酸マグネシウムは、固形で(例えば結晶形態で)提供されうる。代替的に、コハク酸マグネシウムは、例えば溶液又は懸濁物の一部として、溶解した形にありうる。溶解したコハク酸マグネシウムを含むそのような溶液又は懸濁物は、水性であってよく、及び、特には、発酵プロセスにおいて得られうる。そのような懸濁物の例は、例えば、溶解したコハク酸マグネシウム及び不溶性バイオマスを含む懸濁物、例えば発酵ブロスなど、でありうる。コハク酸マグネシウムが溶解した形で用意される場合、該コハク酸マグネシウム溶液又は懸濁物は、1リットルの溶液又は懸濁物当たり1〜700 g、好ましくは100〜600 g、より好ましくは200〜500gのコハク酸マグネシウムの濃度を有しうる。1リットル当たり最大で500 gのコハク酸マグネシウムの濃度は一般に、該コハク酸マグネシウムの結晶化をもたらさないであろう。
コハク酸マグネシウムが溶液又は懸濁物として用意される場合、酸性化の際にコハク酸の沈殿が起こりうるコハク酸マグネシウム濃度は、HCl濃度による。例えば、高いHCl濃度、例えば20〜30重量%などを有するHCl溶液を用いて該サクシネートを酸性化する場合、コハク酸の沈殿は、比較的低いサクシネート濃度、例えば約1〜10 重量%サクシネートで起こり得る。しかしながら、より低いHCl濃度(例えば10〜20重量%)を用いる場合、より高いサクシネート濃度(例えば10〜50重量%)が、沈殿が起こるために要求されうる。実際的な理由の故に、コハク酸マグネシウム溶液中のコハク酸マグネシウム濃度の上限は、該溶液の合計重量に基づき20重量%でありうる。20重量%より高い濃度は、コハク酸マグネシウムを完全に溶解した形にするために、該溶液が少なくとも75℃の温度を有することを要求する。しかしながら、そのような高い温度は、HClの存在に起因する腐食感受性の点で、装置にとって望ましくない。
酸性化及び沈殿の後にできる限り多くのコハク酸を生じる為に、該酸性化に進むサクシネート濃度は好ましくはできる限り高い。該コハク酸マグネシウムが溶液として用意される場合、該コハク酸マグネシウム濃度の上限は、該コハク酸マグネシウムの溶解度と該装置がHClによる腐食に対してなお十分に耐性である温度によって決定される。該サクシネートが懸濁物として用意される場合、典型的には該懸濁物の撹拌性が該上限を決定する。該サクシネートが固形のケーキとして用意される場合、固液分離及び得られる付着している水が典型的に該上限を決定する。酸性化及び沈殿の後の高いコハク酸収率を支える為に、余分の水の導入は系を希釈するので、HCl濃度は好ましくは経済的に実行可能な限り高い。サクシネート及びHClの上記言及された投入濃度の組み合わせが望ましくは、沈殿工程の間にMgCl2が溶液中に残り且つできる限り多くのコハク酸が沈殿する状況を結果しなければならない。当業者は、該2つの濃度を変えて、所望の結果を得ることができるであろう。例えば、よい結果が、40〜75℃で15〜25重量%のHCl及び20〜50重量%のコハク酸マグネシウム濃度の組み合わせを用いて得られた。
十分に高いコハク酸マグネシウム濃度を有さないコハク酸マグネシウム溶液又は懸濁物が発酵プロセスから得られる場合、例えば蒸発によって、該溶液は濃厚にされうる。
最初に発酵を行いそして次に塩基を添加してコハク酸マグネシウムを形成することと対照的に、本発明の好ましい実施態様において、コハク酸マグネシウムを直接に生成してプロセスをできる限り簡単に維持し及び追加の処理工程を用いることを防ぐ為に、マグネシウムに基づく塩基を中和の為に使用する発酵において該コハク酸マグネシウムが得られる。本発明の方法はさらに、好ましくは、25〜60℃でのコハク酸マグネシウム発酵を含み、これにおいて発酵において塩基を添加した場合に得られるサクシネート溶液が1〜30重量%のコハク酸マグネシウムを含み、その結果、発酵産物としての該コハク酸マグネシウムが直には沈殿しない。発酵の間に該発酵ブロス中でコハク酸マグネシウムを直に沈殿させることは、かなり極端な発酵条件、例えば40重量%超又は50重量%超さえのコハク酸マグネシウム濃度を要求し、これは微生物、発酵収率及び/又は装置にとって望ましくない。発酵後に発酵ブロスからコハク酸マグネシウムを沈殿させる為に、好ましくは別の沈殿工程が適用される。そのような沈殿工程は例えば、上記で説明されたとおりの濃厚化工程又は下記でさらに説明される冷却沈殿である。次に、このようにして得られた沈殿物が、水に溶解されて、コハク酸マグネシウムの水性溶液又は懸濁物を形成しうる。
本発明の方法は酸性化工程をさらに含み、これにおいて該コハク酸マグネシウムがHClにより酸性化され、それによりコハク酸及びMgCl2を含む溶液を得る。本発明者らは、HClが、他の酸、例えばH2SO4など、よりも酸性化剤として好ましいことを発見した。第一に、HClの使用は、効率的な沈殿、例えば上記で記載された有利な塩析効果など、を提供する。特に、MgCl2の存在がコハク酸の溶解度を減少し、これが該酸のより効率的な沈殿を結果する。さらに、コハク酸マグネシウムのHClとの反応が、特にMgSO4を含む他のマグネシウム塩と比較して及びコハク酸それ自体と比較しても、比較的高い溶解度を有する塩(MgCl2)を結果する。酸性化により得られる塩の高い溶解度が望ましく、というのもできる限り少ない該塩が、該沈殿工程において沈殿すべきだからである。それ故に、沈殿されるべき該溶液中のコハク酸の最大濃度は部分的には、該酸性化工程において得られる該塩の溶解度によって決定される。すなわち、該塩が高い溶解度を有する場合、該塩の沈殿無く、高いコハク酸濃度が得られることができ、これが効率的なコハク酸沈殿を結果する。
酸性化は典型的には、過剰のHClを用いて行われる。過剰は好ましくは少なく、その結果、沈殿後に得られる該MgCl2溶液が高度に酸性ではなく、これは、そのような溶液をさらに処理する点において望ましくなくありうる。例えば、用いられる該過剰のHClは、沈殿後の該得られるMgCl2溶液が、1又はそれより高いpH、例えば約1.5のpHなど、を有するようなものでありうる。当業者は、反応化学量論に基づき、そのような1又はそれより高いpHのための最大の許容可能な過剰をどのように計算したらよいかを知っている。十分に完全な酸性化を得る為に、該得られるMgCl2溶液は好ましくは、4より低いpH、より好ましくは3より低いpHを有する。
HCl酸性化は、コハク酸マグネシウムをHClと接触させることにより、例えば(固体の形態、溶液又は懸濁物の)コハク酸マグネシウムをHCl水性溶液と接触させることにより又はコハク酸マグネシウムの溶液又は懸濁物をHClガスと接触させることにより、行われうる。
もしHCl溶液が該酸性化工程において用いられるならば、それは好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%のHClを含む。そのような濃度が、コハク酸マグネシウムを酸性化するのに十分である。上記言及された塩析効果の故に、高いHCl濃度が望ましい。HClの低い沸点及びHCl/H2O共沸混合物の故に、HCl溶液中のHCl濃度は典型的には、特には大気圧でHCl 溶液を用いる場合に、40%より高くない。好ましくは、HCl濃度は、該HCl溶液の合計重量に基づき、15〜25重量%の濃度で用いられる。それにもかかわらず、最大で100%のHCl濃度が用いられてもよく、この場合、HCl溶液は典型的には、増加した圧力(例えば大気圧超)及び任意的に低い温度(例えば20℃未満)の下で用いられる。
HClガスが用いられる場合、HClガスは、それをサクシネート溶液又は懸濁物と接触させることにより接触されうる。特に、HClガスは、該溶液又は懸濁物を通じて吹き込まれうる。HClガスが用いられる場合、該HClは熱分解工程、例えば下記でさらに記載されるもの、に由来しうる。
好ましくは、酸性化は75℃又はそれより低い温度で行われる。より高い温度では、装置を厳しい条件に適合させることが非経済的になる。水の凝固点の点で、酸性化は典型的には0℃より高い温度で行われる。20℃より高い温度が、冷却する機械の使用を回避する為に好まれうる。40℃若しくはそれより高い温度、又は60℃若しくはそれより高い温度さえがさらにより好ましく、というのもより多くのコハク酸マグネシウムがこれらのより高い温度で溶解されうるからである。コハク酸マグネシウム溶液又は懸濁物の温度は典型的には、該酸性化が行われる温度によって決定され、及び、当該温度に一致する。
本発明の方法は濃厚化工程を含んでよく、これにおいてHClによる酸性化後に得られた溶液が濃厚化される。該溶液中のコハク酸のより高い濃度が、コハク酸沈殿の効率を増すであろう。該濃厚化工程は、蒸発により行われうる。該濃厚化工程において、該溶液中に存在する水の全量の10〜90%が除去されうる。しかしながら、好ましくは、該濃厚化の結果としてMgCl2は沈殿されない。それ故に、酸性化後に得られる該溶液は好ましくは、MgCl2の飽和点と等しい又は当該飽和点より低いMgCl2濃度に濃厚化される。
本発明の方法はさらに、該酸性化工程において得られた該溶液から又は、もし存在するなら、上記言及された濃厚化工程において得られた該溶液から、コハク酸を沈殿することを含む。この工程は、(第一の)沈殿工程と呼ばれうる。沈殿は、当技術分野で既知の任意の沈殿方法により、例えば反応的沈殿により、又は、沈殿されるべき該溶液を冷却し、濃厚化し、蒸発することにより、又は、沈殿される該溶液に逆溶剤を添加することにより、行われうる。
沈殿は好ましくは、コハク酸マグネシウムをHClにより酸性化することによって確立される。この種の沈殿は、反応的沈殿と呼ばれうる。反応的沈殿において、沈殿は、酸性化の間に起こる。その結果、該コハク酸マグネシウムの酸性化及びこのようにして得られたコハク酸の沈殿が、一つの工程として行われる。従って、本発明の方法は、任意的に(上記で記載されたとおりの)発酵プロセスにおいて得られたコハク酸マグネシウムを用意する工程及び該コハク酸マグネシウムをHCl (例えばHCl水性溶液)により酸性化し、それにより、コハク酸沈殿物及びMgCl2溶液を得る工程を含む。該沈殿工程がこのようにして実際に、該MgCl2溶液中に存在する該コハク酸沈殿物を有する懸濁物を結果することが注目される。
反応的沈殿は、コハク酸の即時の沈殿が起こることができるように酸性化工程における条件を選択することによって行われうる。当業者は、そのような条件をどのように確立したらよいかを知っているであろう。特に、該コハク酸マグネシウム濃度が、HClによる該酸性化が、コハク酸の飽和点よりも高いコハク酸濃度を結果するように選択されうる。
該沈殿工程は、沈殿されるべき該溶液、例えば該酸性化工程において形成された溶液又はもし存在するならば該濃厚化工程において得られた溶液、を冷却することによっても行われうる。この種の沈殿は、冷却沈殿と呼ばれうる。冷却工程は、沈殿される該溶液が最初に、実質的に全てのMgCl2及びコハク酸が溶解される温度に加熱されることを要しうる。沈殿されるべき該溶液が、該溶液中のコハク酸の核生成温度より高い温度から、該溶液中のコハク酸の核生成温度より低い温度に冷却されうる。該核生成温度は、固形物、特には沈殿物が形成される最も高い温度である。この温度はとりわけ、MgCl2の濃度、コハク酸及び他の成分の存在に依存する。それ故に、該核生成温度についての一つの温度値を与えることは可能でない。しかしながら、一般に、沈殿されるべき該溶液は、少なくとも35℃の温度から30℃より低い温度に、好ましくは少なくとも40℃から25℃より低い温度に冷却される。より高い温度差が、コハク酸沈殿物の収率を増すことを可能にする。冷却沈殿の場合、冷却前のコハク酸濃度は好ましくは、経済的に実行可能なかぎり該溶解度に近い。コハク酸濃度は、コハク酸の飽和点と等しくてよく、又は、コハク酸の飽和点よりも最大で5 g/L、好ましくは最大で10 g/L低くてよい。
さらに、沈殿は、好ましくは蒸発によって、コハク酸及びMgCl2を含む該溶液を濃厚化することにより確立されうる。コハク酸及びMgCl2を含む該溶液の溶媒の一部の蒸発が、コハク酸のより高い濃度及びより強力な塩析効果を結果し、これが沈殿を増す。
さらに、沈殿は、沈殿されるべき該溶液に逆溶剤を添加することにより確立されうる。逆溶剤の例は、アルコール、エーテル及びケトンである。
好ましくは、沈殿後に得られる該MgCl2溶液が、第二の及び/又はさらなる沈殿工程に付されてよく、それによって追加のコハク酸沈殿物及び第二の及び/又はさらなるMgCl2溶液を形成する。該第二の又はさらなる沈殿工程は、前の沈殿工程において得られたMgCl2溶液中に残る該コハク酸の少なくとも一部を回収する為に行われうる。この場合、本発明のこの前の沈殿工程は、第一の沈殿工程と呼ばれうる。本発明の該第一の沈殿において得られた該MgCl2溶液は少量のコハク酸をなお含みうる。このコハク酸の少なくとも一部を回収する為に、第二の沈殿工程が行われうる。そのような第二の沈殿工程は、該第一の沈殿工程と同様の条件下で行われてよく、該沈殿工程の前に行われる濃厚化工程及び/又はMgCl2の添加を含みうる。
すなわち、好ましい実施態様において、本発明の方法は第一の沈殿反応を含み、これは反応的沈殿工程であり、その後この工程において得られた該MgCl2溶液が冷却及び/又は蒸発工程に付される。該冷却及び/又は蒸発工程がさらなる沈殿工程であり、これにおいて追加のコハク酸が沈殿され及びコハク酸損失及びプロセス収率がこのようにして改善される。
いずれの沈殿工程の前に、塩化マグネシウムが、沈殿されるべき該溶液に又は該HCl溶液に添加されうる。沈殿されるべき該溶液は、酸性化におけるコハク酸マグネシウムを含む該溶液(例えば反応的沈殿の場合)又は、酸性化工程において得られるとおりの、コハク酸及び塩化マグネシウムを含む該溶液でありうる。そのような添加された塩化マグネシウムは塩析効果を増し、それによりコハク酸の沈殿を増強しうる。
本発明の方法におけるさらに重要な工程は、
該MgCl2溶液を少なくとも300℃の温度での熱分解工程に付し、それにより該MgCl2をMgO及びHClに分解する工程、
を含む。
好ましくは、本発明の方法はさらに、
該熱分解工程において形成された該HClを水に溶解し、それによりHCl溶液を得ること;及び
該MgOを水と接触させ、それによりMg(OH)2を得ること
を含む。
上記で記載されたとおり、これらの追加工程の利点は、塩廃棄物を有さない又は実質的に有さない方法が得られうることである。
本発明において用いられる熱分解は、該MgCl2溶液をスプレーして熱ガスの流と接触させることにより行われうる。該熱ガスの温度は、下記で記載されるとおり、該熱分解が行われる温度と等しい。
発酵プロセスからのコハク酸マグネシウムの酸/塩分離における熱分解の組み合わせは、出願人の知る限り、以前に記載されていない。本発明者らは、MgCl2が、(例えば約800℃以上で分解し始めるCaCl2と対照的に)比較的低い温度での熱加水分解により熱分解されうることを理解した。これは有利であり、というのも該形成されたMgOは、例えば発酵においてそれが有効に用いられうる十分に高い反応性をなお有するであろうからである。
熱分解を行うための適切な装置は当技術分野で知られている。熱分解は、ロースター、例えばスプレーロースター又は流動床ロースターを用いて行われうる。そのような装置は、例えば、SMS Siemagで入手されうる。スプレーロースターの使用が好ましい。スプレーロースターは(流動床ロースターと比べても)低いエネルギーコストを有し、というのもそれは(以下で記載されるとおり)比較的低い温度を要求するからである。さらに、スプレーロースターは、反応性MgO粒子を製造することが発見され、これは発酵における中和剤としての使用に非常に適している。
好ましくは、熱分解は、少なくとも300℃の温度で行われ、これは、MgCl2が分解する最低温度である。 好ましくは、熱分解は少なくとも350℃、例えば350〜450℃の温度で行われる。エネルギーコストの故に、該温度は、好ましくは1000℃より低く、より好ましくは800℃より低い。例えば、熱分解が行われる温度は、350〜600℃又は300〜400℃でありうる。加えて、該熱分解工程にとって高すぎる温度を用いることは望ましくなく、というのもそれは該形成されたMgOの反応性を減少し、その結果それは発酵における中和剤としての使用により適さないからである。
本発明において適用されるとおりの熱分解は好ましくは、0.1〜10 barの圧力で行われる。高められた圧力の使用は、凝縮することができないHClによる腐食の増加したリスクの故に、望ましくない。最も好ましくは、熱分解は、特にはロースターを用いる場合、不必要なエネルギーコスト及び高価な高圧装置の必要性を回避する為に、大気圧で行われる。
酸化マグネシウム(MgO)は、該熱分解の産物の一つであり、及び、典型的には粉末の形で得られる。該酸化マグネシウムは好ましくは、例えば該MgOを水でクエンチすることによって水を水和され、それによって水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)懸濁物を形成する。そのような水酸化マグネシウム懸濁物は好ましくは、該発酵プロセスにおける使用の為に再利用される。例えば、該Mg(OH)2は、発酵プロセスにおける中和剤として使用されうる。この場合、該Mg(OH)2が最初に水によって洗浄されて、塩化物イオンを、典型的には1000 ppm未満の含有割合へと、除去する。塩化物イオンの存在は望ましくなく、というのもそれらは、発酵容器に添加された場合に腐食問題を引き起こしうるからである。Mg(OH)2は水における低い溶解度を有するので、そのような洗浄工程は典型的には、Mg(OH)2の相当な量の損失を結果しないであろう。代替的に、該Mg(OH)2は最初に炭酸マグネシウム(MgCO3)へと転化され、次にこれが発酵プロセスにおいて中和剤として使用される。これらの2つの工程の組み合わせもまた適用されてよく、これにおいて該Mg(OH)2の一部が洗浄され及び再使用され、並びに、第二の部分がMgCO3へと転化されそして次に該プロセスにおいて再使用される。該MgOの一部は、該発酵において直接にさえ用いられてもよい。
該熱分解において得られた該HClは、水に溶解されてよく、それによってHCl水性溶液を形成しうる。好ましくは、該熱分解工程において得られた該HClは、それを本発明の方法における酸性化工程において、例えばHClガスとして又はHCl水性溶液として、使用することによって、再利用される。
上記で言及されたとおり、本発明の方法において提供されたコハク酸マグネシウムは、発酵プロセスにおいて得られうる。そのような発酵プロセスにおいて、炭水化物源が典型的には、微生物の手段によって発酵されて、コハク酸を形成する。次に、マグネシウム塩基が中和剤として発酵の間に添加されて、コハク酸のマグネシウム塩を提供する。適切なマグネシウム塩基の例は、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO3)及び重炭酸マグネシウム(Mg(HCO3)2)である。Mg(OH)2の塩基として使用の利点は、この化合物が本発明の方法により提供されうることである。MgCO3の使用もまた望ましく、及び、本発明の方法において得られるMg(OH)2を転化することにより容易に得られうる。さらに、MgCO3又はMg(OH)2の使用が望ましく、というのも水酸化物及び炭酸塩は、本発明の方法の塩析効果に対して悪影響を有さないと予測されるからである(中和後に残るいずれのカーボネートも、該溶液を気体のCO2として離れうる)。
一つの実施態様において、該発酵プロセスは、精製工程を含んでよく、これにおいて、発酵の間に得られるコハク酸マグネシウムが、該発酵ブロスから結晶化され、これが次に、水に溶解されて、水性溶液を形成してよく、これは典型的には、該発酵ブロスよりも高いサクシネート濃度を有する。そのような精製工程は、コハク酸マグネシウムの高濃度に起因して、より高い収率が該第一の沈殿工程において得られうるという利点を有しうる。
しかしながら、上記で記載されたとおり、該コハク酸マグネシウムは好ましくは、該マグネシウム塩基が中和剤として添加されるときに、溶解した形のままである。これは、該コハク酸マグネシウムが、ポンプ送り可能であり且つ該酸性化工程において直接に用いられうるという利点を有する。さらに、該酸性化工程は、該コハク酸マグネシウムが溶解した形にある場合に、制御することが容易である。特に、該マグネシウム塩基を添加した後に得られるコハク酸マグネシウム溶液又は懸濁物中に存在するコハク酸マグネシウムは、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%のコハク酸マグネシウムを溶解した形で含む。少量の固形物(最大で10重量%)はなお、上記で記載された悪影響をもたらさないものでありうる。
該結晶化は、少なくとも一つの濃厚化工程、例えば水蒸発工程、冷却工程、シーディング工程、分離工程、洗浄工程及び再結晶工程など、を含みうる。濃厚化は、別の工程として又は結晶化(例えば蒸発的結晶化)と一緒に行われうる。
本発明が、以下の実施例によってさらに説明される。
コハク酸マグネシウム沈殿
水酸化マグネシウム(99 g)が、888gの水中の200 gコハク酸の溶液に室温で添加され、そして、完全な溶解(視覚的な観察による)まで加熱された。
コハク酸沈殿
333 gの量のHCl水性溶液 (37重量%)が、実施例1において調製されたコハク酸マグネシウム溶液に添加された。このようにして得られた混合物の温度が当初62℃であった。該混合物が、20℃に冷却され、そして沈殿物が形成された。冷却の間、該混合物の溶液及び沈殿物の試料が、62、52、40、31及び20℃で採られた。試料の組成及び形成された沈殿物の合計量が決定された。
該試料が、該溶液からだけ採られた(サンプリングの為に、スターラーが数秒間停止され、そして、結晶が沈んだ後に、試料が上清から採られた)。溶液中のマグネシウム及びコハク酸が分析され、そして、g/g水として表された。生成した結晶の量が、当初コハク酸質量と溶液中に残るコハク酸の質量との間の差として計算された。
結果が表1に示される。
Figure 2014524254
さらに、冷却工程の間に形成された182 gの沈殿物中のコハク酸の量が決定され、これは94.4重量%であり、172 gに相当する。沈殿物の残りは主に水(4.4重量%)及び塩化マグネシウムから成った。これらの結果は、85 %超のコハク酸の合計回収率に相当する。
この実施例は、沈殿の間に、コハク酸の大部分が沈殿し、一方で実質的に全てのマグネシウムイオンが溶液中に残ることを示す。HClによる酸性化及び次の結晶化が、コハク酸マグネシウム溶液からのコハク酸の非常に効率的な分離を結果することが結論付けられうる。
濃厚化後の沈殿
実施例1において調製されたとおりのコハク酸マグネシウム溶液に、HClの水性溶液 (37重量%)が添加され、それにより、2.1重量%のコハク酸及び12.6重量%のMgCl2を含む500 gの溶液を得た(100 g水当り14.8 gのMgCl2濃度に相当する)。次に、該溶液が、水蒸発により濃厚化され、それにより5.3重量%コハク酸及び31.7重量%塩化マグネシウムを含む199 gの溶液を得た(100 g水当り50.2g のMgCl2濃度に相当する、これは、20℃で55 g/100 g 水である、水中でのMgCl2の飽和点に近い)。該溶液の当初の及び最後の値が、表2にまとめられる。
Figure 2014524254
次に、該溶液が115℃から20℃に冷却された。沈殿が、82℃で始まり、そして20℃まで続いた。沈殿物が、標準的な重力フィルターを用いたろ過によって該溶液から分離された。沈殿物及び溶液の組成が表3に示される。
Figure 2014524254
ろ液中に存在するコハク酸が、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて決定され、0.22重量%であった。該ろ液中に存在しないコハク酸全てが該沈殿物中に存在すると仮定すると、0.22重量%の値は、90%超の沈殿物中のコハク酸収率に相当するだろう。

Claims (17)

  1. コハク酸を調製する為の方法であって、
    コハク酸マグネシウムを用意する工程;
    該コハク酸マグネシウムを塩化水素(HCl)によって酸性化し、それによってコハク酸及び塩化マグネシウム(MgCl2)を含む溶液を得る工程;
    任意的に、濃厚化工程、これにおいてコハク酸及びMgCl2を含む該溶液が濃厚化される;
    コハク酸及びMgCl2を含む該溶液からコハク酸を沈殿し、それによってコハク酸沈殿物及びMgCl2溶液を得る工程;
    該MgCl2溶液を少なくとも300℃の温度での熱分解工程に付し、それによって該MgCl2を酸化マグネシウム(MgO)及びHClに分解する工程、
    を含む前記方法。
  2. 該熱分解工程において形成された該HClを水に溶解し、それによりHCl溶液を得ること; 及び
    該MgOを水と接触させ、それにより水酸化マグネシウム (Mg(OH)2)を得、このMg(OH)2が任意的に発酵プロセスにおける使用の為に再利用されること
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 該熱分解がスプレーロースターを用いて行なわれる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該熱分解が0.1〜10 barの圧力で行なわれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 該熱分解が300〜450度の温度で行なわれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 該熱分解が、該MgCl2溶液をスプレーして、熱ガスの流と接触させることにより行なわれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. Mg(OH)2が炭酸マグネシウム(MgCO3)に転化され、これが次に発酵プロセスにおいて中和剤として用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 該コハク酸マグネシウムの酸性化及びこのようにして形成されたコハク酸の沈殿が、1つの工程において又は1つの工程として行なわれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 該MgCl2溶液又は濃厚化されたMgCl2溶液が第2の沈殿工程に付されて、第1の沈殿工程において得られた該MgCl2溶液中に残るコハク酸の少なくとも一部を回収する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該第2の沈殿が、好ましくは少なくとも30℃の温度から25℃未満の温度へ、該MgCl2溶液を冷却し及び/又は濃厚化することにより行なわれる、請求項9に記載の方法。
  11. 該第2の沈殿の前に、追加のMgCl2が該MgCl2溶液に添加される、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 濃厚化する工程を含み、これにおいて、コハク酸及びMgCl2を含む該溶液が、コハク酸の飽和点と等しい又はコハク酸の飽和点よりも最大で5 g/L低い、好ましくは最大で10 g/L低いコハク酸濃度に濃厚化される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. コハク酸マグネシウムがHCl溶液により酸性化され、該溶液が好ましくは少なくとも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、さらにより好ましくは少なくとも20重量%のHClを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. コハク酸マグネシウムが、発酵プロセスにおいて得られた水性溶液の一部として又は水性懸濁物の一部として、溶解した形で用意される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 該水性溶液又は水性懸濁物が、該溶液又は懸濁物の全重量に基づき少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%のコハク酸マグネシウムを含み、且つ、コハク酸及びMgCl2を含む該溶液が、コハク酸を含む該溶液の全重量に基づき少なくとも5重量%、好ましくは少なくとも10重量%含む、請求項14に記載の方法。
  16. 該コハク酸マグネシウムが発酵プロセスにおいて得られ、該プロセスが精製工程を含み、これにおいてコハク酸マグネシウムが、発酵ブロスから結晶化され、そして次に、任意的に水に溶解されて水性溶液を形成する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 該コハク酸マグネシウムが発酵プロセスにおいて溶解した形で得られ、該プロセスが精製工程を含み、これにおいてコハク酸がマグネシウム塩基を添加することにより中和され、この工程の間にコハク酸マグネシウムが溶解した形のままである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
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