JP2014524111A - 窓なしイオン化装置 - Google Patents

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Abstract

イオン化装置は、プラズマを発生させるように構成されたプラズマ源を備える。プラズマは光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含む。プラズマ源は、光の少なくとも一部がアパーチャを通過してガス試料に入射するように配置された、アパーチャを含む。イオン化装置はさらに、イオン化領域と、電界を確立するように構成された複数の電極を含むプラズマ偏向装置を備え、電界はプラズマイオンがイオン化領域に入ることを実質的に防止する。
【選択図】図2A

Description

ソフトイオン化および光開裂などの光化学の応用を介して未知のガスの組成の検査を促進するために、電磁エネルギを使用することができる。VUV光子のエネルギ(一般的に6〜124eV)はほとんどの化学種の電子励起およびイオン化エネルギに相応するので、電磁スペクトルの真空紫外(VUV)領域は、これらの応用において特に有用である。真空紫外(VUV)光は一般的に、10〜200ナノメートルの領域の波長を有する光と定義される。
ほとんどの既存のシステムは、例えば共鳴ランプ、周波数逓倍レーザ、またはシンクロトロンを用いて、暴露される領域から離れてVUV光を発生させること、および典型的にはVUV光が窓を通過することにより、この光が関心領域に到達するように試みることを含む。しかし、この波長範囲の窓材および屈折光学は稀であるか存在しないので、VUV光を方向付けあるいは集光させることは往々にして非現実的である。使用される窓は典型的にはこの波長スペクトルの光の大部分を吸収し、かつ反射光学系は、完全にクリーンとは言えない環境では汚染されることがあり得る。加えて、レーザおよびシンクロトロンは極めて高価になることがあり得、かつ大量の電力および空間を必要とすることがあり得る。
いわゆる「窓なし」光イオン化装置(「イオン化装置」)は、光スペクトルのより大きい部分を試料に入射させる。しかし、公知の窓なしイオン化装置では、プラズマの光が通過することが望ましいアパーチャ中を、プラズマの陽イオン(「プラズマイオン」)およびプラズマの電子(「プラズマ電子」)が移動することができる。イオン化領域におけるプラズマイオンの存在は、結果的に試料の分析物イオンとピーク干渉し、最終的に関心対象の分析物イオンの検出の信頼性を低下させ得る。プラズマ電子およびプラズマイオンは、電子衝撃イオン化またはイオン分子電荷移動反応のいずれかを介して、試料の分析物イオンのハードイオン化を制御不能に引き起こすおそれがあり、望ましくない。
したがって、必要とされるのは、VUV光を発生させかつVUV光を関心領域に送達する、より優れたシステムおよび方法である。
代表的実施形態では、イオン化装置は、プラズマを発生させるように構成されたプラズマ源を備える。プラズマは光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含む。プラズマ源は、光の少なくとも一部がアパーチャを通過してガス試料に入射するように配置されたアパーチャを含む。イオン化装置はさらに、イオン化領域と、電界を確立するように構成された複数の電極を含むプラズマ偏向装置とを備え、ここで電界は、プラズマイオンがイオン化領域に入ることを実質的に防止する。
別の代表的実施形態では、試料ガスを励起光に暴露させる方法を開示する。該方法は、光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含むプラズマを発生させるステップと、プラズマからの光の少なくとも一部分を、アパーチャを介してイオン化領域内に通すステップと、ガス試料がイオン化領域を通過するステップと、プラズマイオンがイオン化領域に入ることを実質的に防止するように電界を発生させるステップとを含む。
別の代表的実施形態では、イオン化装置は、入口端および出口端を有し、入口端がガス試料を受け取るように構成されたチャネルと、光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を発生させるように構成されたプラズマ源であって、光の少なくとも一部がアパーチャを通過して、チャネルの出口端から放出されたガス試料に入射するように配置された、アパーチャを含むプラズマ源と、電界を確立してプラズマイオンを誘導するように構成された複数の電極とを備える。電界は、プラズマイオンがアパーチャを通り抜けることを実質的に防止する。イオン化装置は、磁界を確立してプラズマ電子を誘導するように構成された磁石を備える。磁界は、プラズマのプラズマ電子がアパーチャを通り抜けることを実質的に防止し、電界および磁界は直交する。
代表的実施形態は、以下の詳細な説明を添付の図面に照らして読むと、最もよく理解される。様々な特徴は必ずしも一定の縮尺では描かれていないことを強調しておく。実際、寸法は、説明を分かり易くするために、恣意的に拡大または縮小することがある。該当し実際的である場合、同様の参照番号は同様の要素を示す。
代表的実施形態に係る質量分析計の簡略概要図を示す。 代表的実施形態に係るイオン化装置の簡略概要図を示す。 代表的実施形態に係るイオン化装置の簡略概要図を示す。 代表的実施形態に係るイオン化装置の断面図を示す。 図3Aに示したイオン化装置の部分拡大図を示す。 代表的実施形態に係るイオン化装置の断面図を示す。 代表的実施形態に係るイオン化装置の部分分解組立部分断面図を示す。 代表的実施形態に係る試料ガスを励起光に暴露させる方法のフローチャートを示す。
以下の詳細な説明では、限定ではなく説明を目的として、本教示に係る実施形態の完全な理解をもたらすために、特定の詳細を開示する代表的実施形態を記載する。しかし、本書に開示する特定の詳細から逸脱する本教示に係る他の実施形態が添付の特許請求の範囲内にとどまることは、本開示から利益を得た当業者には明白である。さらに、代表的実施形態の説明を曖昧にしないために、周知の装置および方法の説明は省くことができる。そのような方法および装置は、明らかに本教示の範囲内である。
光化学の応用のためにガス試料に照射するための効果的な戦略は、試料ガスの流れと結合するのに便利な形状に高密度の光を生成することである。以下に記載するのは、所望の波長の光子(例えば真空紫外(VUV)光)を流動するガス試料に効果的に結合することを可能にする、イオン化装置の代表的実施形態である。
代表的実施形態では、プラズマは構造内で生成され、構造内のアパーチャはイオン化領域内の試料イオンに入射する光子(例えばVUV光子)の窓なし放出を可能にする。アパーチャとイオン化領域との間にプラズマ偏向装置が設けられる。プラズマ偏向装置は、アパーチャとイオン化領域との間の領域に静電界を発生させる偏向電極を含む。電界はアパーチャ中を移動するプラズマの陽イオンを(引力または反発力を介して)偏向させ、これらのイオンがイオン化領域に到達することを実質的に防止する。一実施形態では、プラズマ偏向装置はまた、アパーチャとイオン化領域との間の領域に静磁界を発生させる磁石をも含む。静磁界は、電子がイオン化領域に到達することを実質的に防止する。磁界の大きさは、プラズマ電子の運動に影響を及ぼすのに充分大きいが、比較的大きいプラズマイオンの運動に影響を及ぼすほど大きくない。
磁界は電界に直交するか、あるいは電界と平行に向き付けられる。以下でさらに詳述する通り、磁界が電界に対して直交する場合、アパーチャ中を移動するプラズマ電子は、電界および磁界の両方に直交する方向に、いわゆるEXB(「X」は外積を表す)ドリフト状態に、ドリフトする。磁界の向きは、プラズマ電子がイオン化領域内にドリフトしないように選択される。磁界が電界と平行(または逆平行)に向き付けられる場合、アパーチャ中を移動するプラズマ電子はローレンツ力を受ける。磁界の向きは、プラズマ電子がイオン化領域から遠ざかるように偏向されるように選択される。
別の代表的実施形態では、プラズマは、半径方向内向きに流動ガス状試料に向けられた光子(例えばVUV光子)の窓なし放出を可能にするアパーチャが、キャビティの内面または内壁に沿って方向付けられるように構築された、トロイド状のキャビティ内で生成される。代表的実施形態では、静電界および静磁界はソースガスからプラズマを形成させる。代表的実施形態では、電界および磁界はイオン化装置内のいずれの場所でも直交する。これは、電界ベクトルおよび磁界ベクトルの外積(EXB)の方向にプラズマ電子のドリフトを引き起こす。EXBドリフトの結果として、プラズマ電子の移動は、一点(一般的に旋回中心と呼ばれる)を中心とする比較的高速の円運動と、イオン化装置の形状に従った円運動中のこの点の比較的低速のドリフトとの重ね合わせになる。対照的に、それらの比較的大きい質量および比較的弱い静磁界の選択のため、プラズマイオンはEXBドリフトによって著しく影響されず、むしろ静電界内で軸線方向に加速される。以下でさらに詳述する通り、代表的実施形態に係る静電界および静磁界の向きおよび大きさは、プラズマイオンおよびプラズマ電子がイオン化装置のイオン化領域内に向かうことを防止するのに役立つ。
図1は代表的実施形態に係る質量分析計100の簡略概要図を示す。本教示は種々の異なるタイプの質量分析計に適用することができるので、ブロック図はより一般的な形で描かれている。この説明が進むにつれて認識される通り、代表的実施形態の装置および方法は、質量分析計100に関連して使用することができる。このため、質量分析計100は、代表的実施形態の装置および方法の機能および用途についてより包括的な理解を得るのに有用であるが、これらの機能および用途の限定を意図するものではない。質量分析計100はイオン源101、質量分析器102、および検出器103を含む。イオン源101は、ガス試料(図1には図示せず)をイオン化しかつ質量分析器102にイオンを提供するように構成されたイオン化装置104を含む。イオン化装置104の詳細は、以下で代表的実施形態に従って記載する。質量分析計100の他の構成要素は当業者には公知の装置を含むが、代表的実施形態の説明を曖昧にすることを避けるため、詳細には説明しない。例えば、質量分析器102は、とりわけ四重極型質量分析器、イオントラップ型質量分析器、または飛行時間(TOF)型質量分析器を含むことができる。
図2Aは、代表的実施形態に係るイオン化装置200の簡略概要図を示す。イオン化装置200は、イオン化装置104と同様にイオン源101内に実現することができる。イオン化装置200は、プラズマ源201、イオン化領域202、およびプラズマ源201とイオン化領域202との間に配置されたプラズマ偏向装置203を備える。以下でさらに詳述する通り、プラズマ偏向装置203は、静電界204を発生させるプラズマイオン偏向電極(図2Aには図示せず)を含む。注目すべきことに、電源(図示せず)がプラズマ偏向電極間に接続され、プラズマ偏向電極間に静電電圧が印加されて静電界が確立される。静電界は、プラズマイオンおよびプラズマ電子をイオン化領域202から遠ざけるように偏向させる(反発させるか引き寄せる)。任意選択的に、静磁界205の源は、プラズマ電子をイオン化領域202から遠ざけるように偏向させるように設けられる。特定の実施形態では、源は永久磁石とすることができ、他の実施形態では、源は電磁石とすることができる。
プラズマ源201からの光は、プラズマ源201の端部206からアパーチャ(図2Aには図示せず)を介して放出され、イオン化領域202内の試料(図示せず)の分析物分子に入射する。光は分析物分子をイオン化し、それらは次いで質量分析計100の質量分析器102に提供される。代表的実施形態では、プラズマ源201は、James E.Cooley、他の「Microplasma Device with Cavity for Vacuum Ultraviolet Irraditation of Gases and Methods of Making and Using the Same」と称する、本願と同一出願人による米国特許出願第12/613,643号に記載されている通りとすることができる。米国特許出願公開第20110109226号として公開されたこの特許出願の開示内容を特に引用することにより、本明細書の一部をなすものとする。
プラズマイオンおよびプラズマ電子は、望ましくないことであるが、プラズマ源201の端部206からアパーチャを介して放出されることができる。上述の通り、プラズマイオンおよびプラズマ電子がイオン化領域202に入ることは望ましくない。代表的実施形態では、端部206から放出されたプラズマイオンは、静電界204によってイオン化領域から遠ざかる方向(図2Aの座標系でy方向)に偏向され、プラズマ電子は静電界204によって反対方向に変向される。
プラズマ源201の端部206でアパーチャから放出されたプラズマイオンおよびプラズマ電子は、準中性プラズマ様環境を形成することがあり得る。プラズマ偏向装置203の偏向電極のごく近傍におけるそのような準中性プラズマ様環境の形成は、静電界204を遮蔽してプラズマイオンに対するその影響を弱めるように働くことができる。プラズマイオンおよびプラズマ電子がプラズマ偏向装置203の偏向電極に印加される静電電位を有効に遮蔽する長さが、偏向電極間の距離未満である場合、プラズマイオンがイオン化領域202に到達するのを防止する静電界204の有用性は、望ましくないほど減少する。
代表的実施形態では、プラズマ偏向装置203内に静電界204が設けられる。プラズマイオンは静電界204によって影響され、イオン化領域から遠ざかるように偏向される。例えば、図2Aに示す静電界204の例示的向きにより、プラズマイオンはy方向に向けられる。プラズマイオンは比較的大きく、静磁界205の大きさは、プラズマイオンの運動が静磁界205によって著しく影響されないように選択される。しかし、プラズマ電子はEXBドリフトにさらされ、図2Aに示す座標系のz方向(すなわちページの平面外)に偏向される。このため、図2Aに示すプラズマ偏向装置203における静電界204および静磁界205の印加は、プラズマイオンおよびプラズマ電子の分離を可能にし、それによってプラズマ源201の端部206における準中性プラズマ様環境の形成を防止し、最終的にプラズマイオンおよびプラズマ電子のイオン化領域202から遠ざかる偏向の改善を可能にする。
図2Bは、別の代表的実施形態に係るイオン化装置200の簡略概要図を示す。イオン化装置200は、イオン化装置104と同様にイオン源101内に実現することができる。イオン化装置200は、プラズマ源201、イオン化領域202、およびプラズマ源とイオン化領域との間に配置されたプラズマ偏向装置203を備える。プラズマ偏向装置203はプラズマイオン偏向電極(図示せず)を含む。以下でさらに詳述する通り、プラズマ偏向装置203は、静電界204を発生させるプラズマイオン偏向電極(図2Bには図示せず)を含む。注目すべきことに、電源(図示せず)がプラズマ偏向電極間に接続され、プラズマ偏向電極間に静電電圧が印加されて静電界が確立される。静電界は、プラズマイオンおよびプラズマ電子をイオン化領域202から遠ざけるように偏向させる。任意選択的に、静磁界205の源は、プラズマ電子をイオン化領域202から遠ざけるように偏向させるように設けられる。特定の実施形態では、源は永久磁石とすることができ、他の実施形態では、源は電磁石とすることができる。
現在記載している実施形態では、静電界204および静磁界205は互いに平行に向き付けられる。静電界204および静磁界205は互いに逆平行に向き付けられるように企図される。
プラズマイオンは静電界204によって影響され、イオン化領域から遠ざかるように(再びy方向に)偏向される。静磁界205に直交する速度成分を有するプラズマ電子は、ローレンツ力(q(E+vXB))の磁気成分(qvXB)にさらされる。ここでvは電子の速度、qは電子の電荷、Eは電界、Bは磁界である。磁気成分はx方向のプラズマ電子の運動を有益に減速させる。最終的に、プラズマ源201の端部206から放出されるプラズマ電子のかなりの部分が、プラズマ偏向装置203によってイオン化領域から遠ざかるように偏向される。このため、図2Bに示すプラズマ偏向装置203における静電界204および静磁界205の印加は、プラズマイオンおよびプラズマ電子の分離を可能にし、それによってプラズマ源201の端部206における準中性プラズマ様環境の形成を防止し、最終的にプラズマイオンおよびプラズマ電子のイオン化領域202から遠ざかる偏向を改善する。
図3Aは、代表的実施形態に係るイオン化装置300の断面図を示す。イオン化装置300は、イオン化装置104と同様にイオン源101内に実現することができる。イオン化装置300は対称軸301を中心に配置される。入口302が設けられ、分析物分子を含む試料ガス(図示せず)を受け取るように構成される。試料ガスは入口302で対称軸301と平行な方向に向けられる。
導電性であることが有用であるイオン化装置300の様々な構成要素は、ステンレス鋼のような適切な導電性材料から作成される。電気絶縁性であることが要求されるイオン化装置300の様々な構成要素は、高温プラスチック(例えばVespel(登録商標))のような適切な電気絶縁体、または適切な快削性セラミック材(例えばMacor(登録商標)、アルミナ、または窒化ホウ素)から作成される。代表的実施形態の磁石は例証として、当業者には公知の希土類磁石である。
イオン化装置300は、第1プラズマ源303と、任意選択的に第2プラズマ源304とを備える。第1および第2プラズマ源303、304は例証として、上記の引用により本明細書の一部をなすものとする米国特許出願公開第20110109226号に記載されている通りである。注目すべきことに、第2プラズマ源304は第1プラズマ源303に冗長機能をもたらし、その機能についてはこれ以上詳述しない。
イオン化装置300は、プラズマ306からの光が透過するアパーチャ(図3Aには図示せず)に隣接して配置された偏向装置305を備える。プラズマからの光は、イオン化領域307で試料ガスに入射する。イオン化後に、分析物イオンはイオン光学系308によって出口309および質量分析器(図3Aには図示せず)に向かって送られる。上述し、かつ本実施形態に関連して以下でさらに詳述する通り、偏向装置305は、静電界および任意選択的に静磁界を提供するように構成される。静電界は一般的に、以下に記載されている偏向電極間に約10Vから100Vの範囲の電圧差を生成することによって確立される。上述の通り、磁界強度は、プラズマ電子を偏向させるが、プラズマ電子より大きい質量を有するプラズマイオンを偏向させないように選択される。例えば静磁界は約5000ガウスである。
特定の実施形態では、電界は磁界に直交する。このため、プラズマイオンは静電界によって影響され、イオン化領域307から遠ざかるように偏向される。プラズマ電子はEXBドリフトにさらされ、図3Aに示す座標系のz方向(すなわちページの平面外)に偏向される。
他の実施形態では、静電界は静磁界と平行(または逆平行)である。プラズマイオンは静電界によって影響され、イオン化領域307から遠ざかるように偏向される。静磁界に直交する速度成分を有するプラズマ電子はローレンツ力の磁気成分にさらされ、イオン化領域から遠ざかるように偏向される。
図3Bは、図3Aに示したイオン化装置300の拡大部分を示す。注目すべきことに、図3Bは偏向装置305を詳細に示す。偏向装置305は第1偏向電極310および第2偏向電極311を含む。特定の実施形態では、第1および第2偏向電極310、311は、第1プラズマ源303および第2プラズマ源304の両方からのプラズマイオンおよびプラズマ電子を偏向させて、プラズマイオンおよびプラズマ電子がイオン化領域307に到達することを実質的に防止する、電界を生成するように配置される。例示的実施形態では、第1および第2偏向電極310、311は、プラズマイオンおよびプラズマ電子がz方向にイオン化領域307内に移動するのを実質的に逸らすように、x次元に向き付けられたそれぞれの電界を確立する。
偏向装置305は任意選択的に、第1磁石312および第2磁石313を含む。第1および第2磁石312、313は極性が逆であり、半径方向の磁界を生成する。第1および第2磁石312、313は、当業者にとって公知の永久磁石または電磁石を含むことができる。第1および第2偏向電極310、311のように、第1および第2磁石312、313は、第1および第2磁石312、313の各々が第1プラズマ源303および第2プラズマ源304の両方からのプラズマ電子を偏向させるように、対称軸301を中心に環状に配置される。
第1プラズマ源303とイオン化領域307との間に第1アパーチャ314が設けられ、第2プラズマ源304とイオン化領域307との間に第2アパーチャ315が配置される。代表的実施形態では、第1および第2アパーチャ314、315は、幅(図示する座標系のz方向)が約600μmであり、高さ(図示する座標系のx方向)が約250μmである。第1および第2偏向電極310、311は(x方向に)約1.0mmだけ分離され、イオン化領域307は(y−z面内に)約3.0mmの半径を有する。構成要素の絶対寸法およびそれらの間隔は、単なる例証にすぎないことに留意されたい。しかし、寸法の尺度は、イオンおよび電子のイオン化領域307から遠ざかる偏向を確実にするために必要な充分な電磁界強度を適切に確保するように制御される。
第1および第2アパーチャ314、315は、発生したプラズマからの光による試料ガスの窓なし照射をもたらす。プラズマイオンおよびプラズマ電子は第1および第2アパーチャ314、315を通過し、垂直方向(図3Bの座標系でそれぞれ−y方向およびy方向)に移動することができる。プラズマイオンおよびプラズマ電子が偏向されないと、プラズマイオンおよびプラズマ電子はイオン化領域307に入り、上述の通り試料ガスを汚染する。第1および第2アパーチャ314、315に隣接する領域において、第1および第2偏向電極310、311は、プラズマイオンおよびプラズマ電子をイオン化領域307から遠ざける方向に(すなわち±x方向に)偏向させるために、x方向に静電界を確立するように構成される。有益なことに、第1および第2偏向電極310、311、ならびに第1および第2磁石の組込みを通して、イオン化領域307におけるプラズマイオン電流は、公知のイオン化装置と比較して1000分の1に低減される。
特定の実施形態では、第1および第2磁石312、313は、第1および第2偏向電極310、311間に確立された静電界の方向に対して直交する静磁界を提供するように構成される。このため、図3Bに示す座標系で、静磁界は−y方向になる。−y方向に(すなわち第1プラズマ源303からイオン化領域307に向かって)移動する電子は、EXBドリフトによって−z方向(ページの平面内)に偏向される。同様に、+y方向に(すなわち第2プラズマ源304からイオン化領域307に向かって)移動する電子は、EXBドリフトによって+z方向(ページの平面外)に偏向される。有益なことに、プラズマイオンおよびプラズマ電子はイオン化領域307から遠ざかるように偏向され、試料ガスの汚染が実質的に防止される。有益なことに、第1および第2偏向電極310、311、ならびに第1および第2磁石312、313の組込みを通して、イオン化領域307におけるプラズマイオン電流およびプラズマ電子電流は各々、公知のイオン化装置と比較して1000分の1に低減される。
特定の実施形態では、第1および第2磁石312、313は、第1および第2偏向電極310、311間に確立される静電界の方向と平行(または逆平行)な静磁界を提供するように構成される。このため、図3Bに示す座標系で、静磁界はx方向になる。−y方向に(すなわち第1プラズマ源303からイオン化領域307に向かって)移動する電子は、ローレンツ力の磁気成分によってz方向(ページの平面外)に偏向される。同様に、+y方向に(すなわち第2プラズマ源304からイオン化領域307に向かって)移動する電子は、ローレンツ力の磁気成分によって+z方向(ページの平面内)に偏向される。有益なことに、第1および第2偏向電極310、311、ならびに第1および第2磁石312、313の組込みを通して、イオン化領域307におけるプラズマイオン電流およびプラズマ電子電流は各々、公知のイオン化装置と比較して1000分の1に低減される。
図4Aは、代表的実施形態に係るイオン化装置400の断面図を示す。イオン化装置400は、イオン化装置104と同様にイオン源101内に実現することができる。イオン化装置400は、チャネル402を受容するように構成された筐体401を備える。チャネル402は入口403および出口404を含む。ガス試料405は入口403でもたらされる。導電性であることが有用であるイオン化装置400の様々な構成要素は、ステンレス鋼のような適切な導電性材料から作成される。電気絶縁性であることが要求されるイオン化装置400の様々な構成要素は、高温プラスチック(例えばVespel(登録商標))のような適切な電気絶縁体、または適切な快削性セラミック材(例えばMacor(登録商標)、アルミナ、または窒化ホウ素)から作成される。代表的実施形態の磁石は例証として、当業者には公知の希土類磁石である。
プラズマ406は、チャネル402を実質的に包囲するキャビティ407内で生成される。キャビティ407は、構造体の内壁409’に沿ってアパーチャ408を含む構造体409内に形成される。以下でさらに詳述する通り、内壁409’に沿ったアパーチャ408は、プラズマ406内で生成された光子(例えばVUV光子)がチャネル402の出口404でガス試料405に入射し、かつガス試料405の光イオン化を引き起こすことを可能にする。
プラズマ陽極410はキャビティ407の一端に配置され、プラズマ陰極411はキャビティ407の反対側の端に配置される。外側磁石412が筐体401の凹所413に設けられ、キャビティ407を実質的に包囲する。内側磁石414は、図示する通り、チャネル402を実質的に包囲する。注目すべきことに、外側および内側磁石412、414は極性が逆であり、半径方向の磁界を形成する。外側および内側磁石412、414は、当業者にとって公知の永久磁石または電磁石を含むことができる。代表的実施形態では、外側および内側磁石412、414は、2000ガウスから約10000ガウスの範囲の磁界強度をもたらす。
任意選択的プラズマ電子偏向電極415がチャネル402の出口404付近に配置される。プラズマ電子偏向電極415は、図4Aに示す通りチャネル402の出口404付近を実質的に包囲する。任意選択的プラズマイオン偏向電極416がチャネルの出口404付近に配置され、チャネル402の出口404とプラズマイオン偏向電極416との間にイオン化領域417が形成される。以下でさらに詳述する通り、プラズマ406を生成するために使用される確立された電界および磁界によって、プラズマイオンおよびプラズマ電子はキャビティ407内に閉じ込められるので、プラズマ電子偏向電極415およびプラズマイオン偏向電極416は省くことができる。代表的実施形態では、約30Vから約120Vの範囲の電圧がプラズマ電子偏向電極415とプラズマイオン偏向電極416との間にもたらされ、それらの間に必要不可欠な静電界が確立される。
プラズマイオン偏向電極416に隣接してイオン抽出光学系418が設けられる。イオン化されたガス試料419が、イオン化装置400の出口420でもたらされる。質量分析計100において、出口420は質量分析器102に接続される。代表的実施形態では、イオン化領域417および質量分析器102からのイオンの移動を確実にするために、イオン抽出光学系の間に適切な電圧差が維持される。
イオン化装置400は、本教示の軸線方向を画定する対称軸421を中心に配置される。下記のように、プラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間に軸線方向に静電電圧差が確立される。外側および内側磁石412、414によって、図4Aに矢印422で示す通り、半径方向内向きに(すなわち軸線方向に直交して)磁界が確立される。
入口ポート(図4Aには図示せず)がキャビティ407に接続され、プラズマ406を発生させるためのソースガス(図示せず)を受け取るように構成される。一部の実施形態では、ソースガスは希ガス、例えばクリプトン、ネオン、アルゴン、またはヘリウムを含む。一部の実施形態では、ソースガスは水素を含む。ソースガスは、ガス試料405に対するイオン化装置400の所望の出力光子波長に対応するガス混合物またはガス組成として選択することができる。ソースガスの適切な選択を通して、プラズマ406の種々の発光波長を選択することができる。例えばヘリウム(He)は58.43nmに共鳴発光線を有し、21.22eVのエネルギを持つ光子を放出する一方、クリプトン(Kr)は116.49nmおよび123.58nmに線を有し、10.64eVおよび10.03eVの対応する光子エネルギを持つ。このようにして発光波長を所望の用途に適切に一致させることができる。このため、フラグメンテーションを減らして大きい分子をイオン化するために、比較的低エネルギの光子を使用することができる。代替的に、分子フラグメンテーションのために比較的高エネルギの光子を使用することができ、あるいは他の化合物をイオン化することなく特定の化合物を選択的にイオン化するように、光子エネルギを選択することができる。
プラズマ陽極410およびプラズマ陰極411はエネルギ源(図示せず)に接続される。エネルギ源は、プラズマを発生させかつ維持するために、RFまたはマイクロ波のような適切な周波数のDC電圧、パルス電圧、または振動信号の形で、エネルギをソースガスにもたらすように構成される。
代表的実施形態では、キャビティ407は例証としてトロイドである。動作中、プラズマ406を発生させるためにソースガスが入口ポート(図4Aには図示せず)に供給される。静電電圧、DC電圧、パルス電圧、および/または適切な周波数(例えばRFまたはマイクロ波)の振動電圧のいずれかが、プラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間に送達される。結果的に生じる電界は、実質的にキャビティ407内に閉じ込められたプラズマ406内に放電を維持する。キャビティ407の内壁409’に沿ったアパーチャ408は、チャネル402の入口403と出口404との間に圧力差を維持することができるように、プラズマ406からのソースガスの流動を制限しながら、半径方向内向きの窓なし光(例えばVUV)放出を可能にする。さらに、軸線方向に確立された電界は、プラズマ406のプラズマイオンをキャビティ407内(すなわちプラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間)に閉じ込めるのを助ける。
磁界は半径方向内向きになる(すなわち、矢印422で示される通り、対称軸421に直交する)。静電界および静磁界のこの直交配向はEXBドリフトを生成し、プラズマ406の電子の移動は、旋回中心周りの比較的高速の円運動と、EXB方向(すなわち、矢印423で示される通り、対称軸421を中心とする回転方向)のこの点の比較的低速のドリフトとの重ね合わせになる。少し表現を変えると、プラズマ406のプラズマ電子の運動は、対称軸421を中心に円弧状の略一定速度の方位角運動となる。磁界は、対称軸421を中心とするEXBドリフト軌道上のプラズマ406の電子を捕捉する。プラズマ電子はキャビティ407内に導入されたソースガスをイオン化し、プラズマ406を維持するのを助ける。プラズマ電子によって生成されたプラズマイオンは、比較的弱い磁界によって著しく影響されず、むしろプラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間の軸線方向静電気力によって加速され、プラズマ406をさらに維持する。
以下でさらに詳述する通り、プラズマの生成に加えて、プラズマ陽極410およびプラズマ陰極411は、プラズマイオンおよびプラズマ電子をキャビティ407に閉じ込め、プラズマイオンおよびプラズマ電子がアパーチャ408を介してイオン化領域417内に移動するのを実質的に防止するのに役立つ。同様に、プラズマの生成に加えて、内側および外側磁石414、412は、電子をキャビティに閉じ込め、プラズマ電子がアパーチャを介してイオン化領域内に移動するのを実質的に防止するのに役立つ。このため、プラズマ陽極410およびプラズマ陰極411は内側および外側磁石414、412と共に、代表的実施形態に係る偏向装置として機能する。
イオン化装置400の直交する電界および磁界の相対的向きは、プラズマ406を生成しかつ維持するように機能するだけでなく、プラズマ406の電子およびイオンをキャビティ407内に実質的に閉じ込めるように機能する。アパーチャ408には窓が無いので、イオンおよび電子がアパーチャ408を介して、イオン化領域417内およびチャネル402内に漏出する可能性がある。そのようなイオンおよび電子は試料ガス/イオンを汚染し、最終的に質量分析計100による測定が不正確になるおそれがある。有益なことに、上述の通り、プラズマ406のイオンはプラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間の電界によって強力に誘導され、アパーチャ408から出て行くことが実質的に防止される。プラズマ406の電子は、対称軸を中心に回転するEXBドリフトに閉じ込められ、同様にアパーチャ408を介して出て行くことが実質的に防止される。
図4Bは、図4Aに示したイオン化装置400の部分分解組立部分断面図を示す。イオン化装置400は、チャネル402を受容するように構成された筐体401を備える。筐体401およびチャネル402はステンレス鋼のような導電性材料を含む。
ガス試料405は入口403に提供される。プラズマ406は、チャネル402を実質的に包囲する構造体409のキャビティ407内で生成される。構造体409は例証として、キャビティ407における電界が軸線方向(すなわち対称軸421と平行)になることを確実にするように、プラズマイオンおよびプラズマ電子を偏向させるために発生させた電界からかつイオン抽出光学系418からキャビティ407を分離する、電気絶縁体(例えば高温プラスチックまたは適切な快削性セラミック材)である。内壁409’に沿ったアパーチャ408は、プラズマ406内に生成された光子(例えばVUV光子)がチャネル402の出口404でガス試料405に入射し、かつガス試料405の光イオン化を引き起こすことを可能にする。
図4Bに示す通り、キャビティ407は例証としてトロイドである。動作中、キャビティ407内でプラズマを発生させるためにソースガスが入口ポート(図4Bには図示せず)に供給される。静電電圧、DC電圧、パルス電圧、および/または適切な周波数(例えばRFまたはマイクロ波)の振動電圧のいずれかが、プラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間に送達される。結果的に生じる電界は、実質的にキャビティ407内部に閉じ込められたプラズマ406内の放電を維持する。キャビティ407のアパーチャ408は、チャネル402の入口403と出口404との間に圧力差を維持することができるように、プラズマ406からのソースガスの流動を制限しながら、半径方向内向き(矢印422の方向)の窓なし光(例えばVUV)放出を可能にする。さらに、軸線方向に確立された電界は、プラズマ406のプラズマイオンをキャビティ407内(すなわちプラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間)に閉じ込めるのを助ける。
磁界は半径方向内向きになる(すなわち、矢印422で示される通り、対称軸421に直交する)。静電界および静磁界のこの直交配向はEXBドリフトを生成し、プラズマ406の電子の移動は、旋回中心周りの比較的高速の円運動と、EXB方向(すなわち、矢印423で示される通り、対称軸421を中心とする回転方向)のこの点の比較的低速のドリフトとの重ね合わせになる。少し表現を変えると、プラズマ406のプラズマ電子の運動は、対称軸421を中心に円弧状の略一定速度の方位角運動となる。磁界は、対称軸421を中心とするEXBドリフト軌道上のプラズマ406の電子を捕捉する。プラズマ電子はキャビティ407内に導入されたソースガスをイオン化し、プラズマ406を維持するのを助ける。プラズマ電子によって生成されたプラズマイオンは、比較的弱い磁界によって著しく影響されず、むしろプラズマ陽極410とプラズマ陰極411との間の軸線方向静電気力によって加速され、プラズマ406をさらに維持する。
任意選択的プラズマ電子偏向電極415がチャネル402の出口404付近に配置される。プラズマ電子偏向電極415は、図4Bに示す通りチャネル402の出口404付近を実質的に包囲する。任意選択的プラズマイオン偏向電極416がチャネル402の出口404付近に配置され、チャネル402の出口404とプラズマイオン偏向電極416との間にイオン化領域417が形成される。上述の通り、プラズマ406を生成するために使用される確立された電界および磁界によって、プラズマイオンおよびプラズマ電子はキャビティ407内に閉じ込められるので、プラズマ電子偏向電極415およびプラズマイオン偏向電極416は省くことができる。
図5は、代表的実施形態に係る試料ガスを励起光に暴露する方法500のフローチャートを示す。方法500は、図1〜図4Bに関連して説明した代表的実施形態に係るイオン化装置を使用して実現することができる。501で、該方法は、光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含むプラズマを発生させるステップを含む。502で、該方法は、プラズマからの光の少なくとも一部分を、アパーチャを介してイオン化領域に通すステップを含む。503で、該方法は、ガス試料がイオン化領域を通過するステップを含む。504で、該方法は、プラズマイオンがイオン化領域に入るのを実質的に防止するように、電界を発生させるステップを含む。
本書に代表的実施形態を開示したが、本教示に従う多くの変形例が可能であり、かつ添付する特許請求の範囲内であることを、当業者は理解する。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除き、限定されない。

Claims (20)

  1. 光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含むプラズマを発生させるように構成されたプラズマ源であって、光の少なくとも一部がアパーチャを通過しかつガス試料に入射するように配置されたアパーチャを含むプラズマ源と、
    イオン化領域と、
    電界を確立するように構成された複数の電極を含むプラズマ偏向装置であって、前記プラズマイオンが前記イオン化領域に入るのを前記電界が実質的に防止するようにしたプラズマ偏向装置と
    を備えるイオン化装置。
  2. 前記プラズマ偏向装置がさらに、磁界を確立するように構成された磁石を含み、前記プラズマの電子が前記イオン化領域に入るのを前記磁界が実質的に防止する、請求項1に記載のイオン化装置。
  3. 前記電界および前記磁界が実質的に直交する、請求項2に記載のイオン化装置。
  4. 前記電界および前記磁界が実質的に平行である、請求項2に記載のイオン化装置。
  5. 前記電界および前記磁界が実質的に逆平行である、請求項2に記載のイオン化装置。
  6. 前記電界が軸線方向に向き付けられ、かつ前記磁界が半径方向に向き付けられた、請求項2に記載のイオン化装置。
  7. 前記電界および前記磁界が半径方向に向き付けられた、請求項2に記載のイオン化装置。
  8. 質量分析器と、検出器と、イオン源とを備えた質量分析計であって、前記イオン源が請求項1に記載のイオン化装置を含む、質量分析計。
  9. 試料ガスを励起光に暴露させる方法であって、
    光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を含むプラズマを発生させるステップと、
    前記プラズマからの前記光の少なくとも一部分を、アパーチャを介してイオン化領域に通すステップと、
    ガス試料がイオン化領域を通過するステップと、
    前記プラズマイオンが前記イオン化領域に入るのを実質的に防止するように電界を発生させるステップと
    を含む方法。
  10. 前記プラズマ電子が前記イオン化領域に入るのを実質的に防止するように磁界を発生させるステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記電界および前記磁界が実質的に直交する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記電界および前記磁界が実質的に平行である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記電界および前記磁界が実質的に逆平行である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記電界が軸線方向に向き付けられ、かつ前記磁界が半径方向に向き付けられた、請求項10に記載の方法。
  15. 入口端および出口端を有し、前記入口端がガス試料を受け取るように構成されて成るチャネルと、
    光、プラズマイオン、およびプラズマ電子を発生するように構成されたプラズマ源であって、前記光の少なくとも一部がアパーチャを通過しかつ前記チャネルの前記出口端から放出された前記ガス試料に入射するように配置されたアパーチャを含むプラズマ源と、
    電界を確立して前記プラズマイオンを誘導するように構成された複数の電極であって、前記プラズマイオンが前記アパーチャから出るのを前記電界が実質的に防止するようにした複数の電極と、
    磁界を確立して前記プラズマ電子を誘導するように構成された磁石であって、前記プラズマ電子が前記アパーチャから出るのを前記磁界が実質的に防止し、かつ前記電界および前記磁界が直交するようにした磁石と
    を備えたイオン化装置。
  16. 前記磁石が、前記プラズマ源を実質的に包囲する外側磁石と、前記チャネルを実質的に包囲する内側磁石とを含む、請求項15に記載のイオン化装置。
  17. 前記電界が軸線方向に向き付けられ、かつ前記磁界が半径方向に向き付けられた、請求項15に記載のイオン化装置。
  18. 前記アパーチャと前記チャネルとの間に配置され、前記アパーチャを通過したプラズマイオンを引き寄せるかあるいは反発するように構成された、プラズマイオン偏向電極をさらに備える、請求項15に記載のイオン化装置。
  19. 前記アパーチャと前記チャネルとの間に配置され、前記アパーチャを通過したプラズマ電子を引き寄せるかあるいは反発するように構成された、プラズマ電子偏向電極をさらに備える、請求項15に記載のイオン化装置。
  20. 質量分析器と、検出器と、イオン源とを備えた質量分析計であって、前記イオン源が請求項15に記載のイオン化装置を含む、質量分析計。
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