JP2014523995A - レーザ点火プラグおよびレーザ点火プラグのクリーニング法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、特に内燃機関用のレーザ点火プラグ(100)であって、燃焼室窓(106)を備え、該燃焼室窓(106)を通じて、レーザ放射線(L)が、当該レーザ点火プラグ(100)の内室(I)から外室(A)へ放射可能であり、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記外室(A)の範囲でレーザ放射線(L)のビーム路(S)を少なくとも部分的に取り囲むコンポーネント(120a,120b)を有するレーザ点火プラグに関する。本発明の構成では、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記コンポーネント(120a,120b)の範囲に少なくとも1つの通路(122)を有し、該通路(122)が、少なくとも2つの開口区分(122a,122b)を有していて、該開口区分(122a,122b)の間での流体連通を可能にしており、第1の開口区分(122a)は前記燃焼室窓(106)の外側表面(106a)の範囲に配置されており、第2の開口区分(122b)は当該レーザ点火プラグ(100)、特に前記コンポーネント(120a,120b)の半径方向外側の範囲に配置されている。

Description

背景技術
本発明は、特に内燃機関用のレーザ点火プラグであって、燃焼室窓を備え、該燃焼室窓を通じてレーザ放射線が、レーザ点火プラグの内室から外室へ放射可能であり、レーザ点火プラグが、前記外室の範囲でレーザ放射線のビーム路を少なくとも部分的に取り囲むコンポーネントを有する形式のレーザ点火プラグに関する。
本発明はさらに、このような形式のレーザ点火プラグのためのクリーニング法に関する。
発明の開示
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のレーザ点火プラグを改良して、特にレーザ点火プラグの燃焼室窓の効率良いクリーニングが可能となるようなレーザ点火プラグを提供することである。さらに本発明の課題は、このようなレーザ点火プラグをクリーニングするために適した方法を提供することである。
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた形式のレーザ点火プラグにおいて、当該レーザ点火プラグが、前記コンポーネントの範囲に少なくとも1つの通路を有し、該通路が、少なくとも2つの開口区分を有していて、該開口区分の間での流体連通を可能にしており、第1の開口区分は前記燃焼室窓の外側表面の範囲に配置されており、第2の開口区分は当該レーザ点火プラグ、特に前記コンポーネントの半径方向外側の範囲に配置されていることにより解決される。
本発明における通路は、流体、たとえばクリーニング溶液またはこれに類するものによる燃焼室窓の外側表面の効率良い洗浄を可能にするので特に有利である。さらに、本発明における通路は、レーザ点火プラグのクリーニングしたい範囲へのクリーニング流体の的確な導入を可能にするので有利である。
本発明の有利な実施態様では、前記通路の、前記第1の開口区分の範囲に配置された少なくとも1つの第1の長さ区分の長手方向軸線が、ほぼ前記燃焼室窓の外側表面の半径方向内側に位置する範囲に向けられている。これにより、前記通路の第2の開口区分の空間的な配置とは無関係に、燃焼室窓の光学的にアクティブな範囲へのクリーニング流体の的確な導入が可能となる。すなわち、第1の長さ区分の長手方向軸線、特にその向きにより、有利には、前記通路を通じて導入されたクリーニング流体の流れ方向を規定するか、もしくは該流れ方向に影響を与えることができる。
さらに別の特に有利な実施態様では、前記第1の長さ区分の長手方向軸線は、該長手方向軸線と前記燃焼室窓の外側表面との交点が、当該レーザ点火プラグの光軸に対して、前記外側表面の範囲におけるレーザ放射線の放射線横断面の少なくとも約20%、有利には少なくとも約40%である間隔を有するように位置調整されている。この配置構成では、本出願人の実験の結果、燃焼室窓の外側表面の、レーザ点火プラグにより提供されたレーザ放射線が外室へ向かって通過する表面範囲における特に効率良いクリーニングが可能となる。
さらに別の有利な実施態様では、前記通路の少なくとも1つの第2の長さ区分が、約0.5mm〜約4.0mm、特に約1.0mm〜約2.0mmの直径を有する。通路のこのような配置構成は、圧力を加えられているクリーニング流体による燃焼室窓の最適な負荷を可能にし、この場合、クリーニング流体は特に比較的高い衝撃もしくはパルス(高い圧力、高い速度)を伴って燃焼室窓へ入射可能であり、ひいては燃焼室窓をクリーニングする。高い圧力下にあるクリーニング流体による燃焼室窓の負荷の他に、本発明における通路により、有利には、たとえば比較的低い圧力を有するクリーニング流体による濡らしも行なわれ得る。択一的にまたは補足的には、たとえば刷毛または綿棒等を用いて前記通路を通じて機械的なクリーニングを実施することができる。
さらに別の有利な実施態様では、前記通路の、前記第1の開口区分の範囲に配置された第1の長さ区分が、約0.1mm〜約2.0mm、特に約0.2mm〜約1.0mmの直径を有する。
本発明における通路が、たとえばそれぞれ互いに異なる横断面開口もしくは直径を有する種々異なる長さ区分を有する場合、これによって有利には、前記通路を通って流れるクリーニング流体のためのノズル作用を得ることができる。これにより、燃焼室窓に向けられたクリーニング流体流の衝撃に影響を与えることができるので有利である。
さらに別の有利な実施態様では、前記通路が所定の時間にわたって、第1の開口区分と第2の開口区分との間での流体連通が不可能となるように遮断され得るように前記通路が形成されている。たとえば、前記通路は有利には少なくとも所定の区分にわたって雌ねじ山を有していてよい。この場合、この雌ねじ山には、たとえば止めねじがねじ込み可能であり、これにより本発明における前記通路の両開口区分の間での流体連通が遮断される。
特に有利には、前記通路が少なくとも所定の区分にわたって段付き孔として形成されていてよいので、本発明によるレーザ点火プラグの特に廉価な製作が可能となる。しかし、一般に本発明における前記通路は、一層複雑なジオメトリ(幾何学的形状)を有していてもよい。特に前記通路は、必ずしもほぼ円筒形状を有している必要はなく、たとえば1つまたは複数の湾曲させられた長さ区分を有していてもよく、これによりクリーニング流体の方向転換もしくは変向が可能になる。また、たとえば、燃焼室窓に施与したいクリーニング流体が導入可能となる第2の開口区分を、レーザ点火プラグの、燃焼室とは反対の側の軸方向の端範囲に設けることも考えられる。これにより、たとえば内燃機関のシリンダに設けられた取付け穴におけるレーザ点火プラグの取付け状態においてもクリーニング流体が導入可能になる。
さらに別の有利な実施態様では、レーザ点火プラグが、半径方向外側の範囲に、目標システムとの機械的な結合のための固定手段、特に内燃機関のシリンダヘッドに設けられた対応する雌ねじ山にねじ込むための雄ねじ山を有する。本発明のこのような配置構成では、本発明における前記通路の第2の開口区分が特に有利には前記固定手段の範囲に位置しているので、第2の開口区分は目標システムにおけるレーザ点火プラグの取付け位置において閉鎖されている。これにより、レーザ点火プラグがその取付け位置において突入する内燃機関の燃焼室に対して、レーザ点火プラグの半径方向外側に配置された第2の開口区分が、レーザ点火プラグの取付け位置において直接的な接続を有しないことが確保されるので有利である。
択一的または補足的に、前記通路は既に前で説明したように、相応する閉鎖手段、たとえば止めねじによって閉鎖され得る。
さらに別の有利な実施態様では、外室の範囲でレーザ放射線のビーム路を少なくとも部分的に取り囲むコンポーネントが、たとえば絞りおよび/またはプリチャンバ(予燃焼室)として形成されていてよい。両事例において、当該コンポーネントは燃焼室窓の外側表面に対するアクセスを困難にしているので、本発明における前記通路を使用して燃焼室窓をクリーニングすることが特に有利になる。有利には、前記通路が少なくとも部分的に絞りもしくはプリチャンバに組み込まれていてよい。
本発明の上記課題の別の解決手段として、請求項10に係る方法が記載されている。
別の有利な実施態様は、従属形式の請求項の対象である。
本発明のさらに別の特徴、使用可能性および利点は、以下に図面につき説明する本発明の実施形態から明らかとなる。この場合、記載もしくは図示された全ての特徴は、特許請求の範囲における総括およびその引用とは関係なく、また明細書中での表現もしくは図面中での描写とは関係なく、それ自体単独の形でも、または任意に組み合わされた形でも、本発明の対象を成す。
プリチャンバを有するレーザ点火プラグを備えた内燃機関用のレーザベースの点火システムを示す概略図である。 本発明によるレーザ点火プラグの第1実施形態の、燃焼室寄りの端範囲を示す概略図である。 本発明の別の実施形態を示す部分的な横断面図である。 本発明によるレーザ点火プラグと、このレーザ点火プラグに配置されたクリーニング装置とを示す部分的な横断面図である。 本発明のさらに別の実施形態のレーザ点火プラグの、燃焼室寄りの端区分を示す詳細図である。 本発明による方法の1実施形態を示し簡略化されたフローチャートである。
図1には、内燃機関のレーザベースの点火システムが概略的に図示されている。この点火システムでは、内燃機関のシリンダヘッドの範囲にレーザ点火プラグ100が配置されており、この場合、内燃機関の燃焼室200内には、レーザ点火プラグ100の、燃焼室寄りの端区分が自体公知の形式で突入している。
レーザ点火プラグ100にはこの場合、光ファイバのような導光手段22を介してポンプ放射線が供給される。ポンプ放射線はポンプ光源20により供給される。レーザ点火プラグ100は、たとえば一体型のパッシブQスイッチ固体レーザ102を有していてよい。この固体レーザ102は自体公知の形式で、ポンプ光源20のポンプ光線により負荷されて、エネルギ富含のレーザ点火パルスを発生させる。
固体レーザ102には、発生されたレーザ放射線を、プリチャンバ(予燃焼室)120a内に位置する点火ポイントZPに集束させるための集光光学系104が光学的に後置されている。別の実施形態(たとえば図3参照)では、点火ポイントZPが直接に燃焼室内に位置している。この場合、レーザ点火プラグ100に設けられた内室が、プリチャンバ120aに対して燃焼室窓106によって画成され、この燃焼室窓106を通じて、レーザ放射線Lが放射される。
図2には、本発明の1実施形態によるレーザ点火プラグの、燃焼室寄りの端範囲の詳細図が示されている。
レーザ点火プラグは、図1に示した実施形態と同様にプリチャンバ(予燃焼室)120aを有する。このプリチャンバ120a内には、燃焼室窓106を通じて、プリチャンバ120a内に存在する空気・燃料混合物に点火するためのレーザ放射線Lが入射可能である。
燃焼室窓106の外側表面106aを保護するために、図2に示したレーザ点火プラグは絞り120bを有する。この絞り120bは「ライトパス(light path)」、つまり「光路」もしくは「光路エレメント」とも呼ばれる。絞り120bは、この場合にほぼ円錐台形状に形成されている開口に基づき、一方では、レーザ点火プラグの、図2で見て左側に配置された内側範囲Iからのレーザ放射線Lによるプリチャンバ120aの負荷を可能にし、それと同時に、プリチャンバ120aからの汚染粒子に対する燃焼室窓106の外側表面106aの保護が与えられている。なぜならば、絞り120bが、燃焼室窓106の外側表面106aを少なくとも所定の範囲にわたってシールドするからである。
図2に示したレーザ点火プラグのプリチャンバ120aは、さらにオーバフロー通路120a′を有する。このオーバフロー通路120a′は、プリチャンバ120aと、このプリチャンバ120aを取り囲む室200、たとえば内燃機関の燃焼室200との間での流体連通を可能にする。プリチャンバを備えた慣用のレーザ点火プラグでは、燃焼室窓106、特に外側表面106aのクリーニングが、オーバフロー通路120a′を通じてプリチャンバ120aの内室に洗浄流体もしくはクリーニング流体を導入し、かつこの内室で絞り120bの開口を通じて燃焼室窓106の外側表面106aに衝突させることによってしか行なわれ得ない。これにより、プリチャンバもしくは絞りを有する慣用のレーザ点火プラグのクリーニングは手間がかかり、しかも比較的僅かな効果しか有しない。
したがって、本発明によれば、レーザ点火プラグは少なくとも1つの通路122を有する。この通路122は少なくとも2つの開口区分122a,122bを有していて、両開口区分122a,122bの間での流体連通を可能にする。本発明によれば、通路1222の第1の開口区分122aが、燃焼室窓106の外側表面106aの範囲に配置されており、通路122の第2の開口区分122bが、レーザ点火プラグ100の半径方向外側の範囲、特に絞り120bもしくはプリチャンバ120aの半径方向外側の範囲に配置されている。
これにより、特に有利には、レーザ点火プラグ100の半径方向外側の範囲で外部から通路122内にクリーニング流体が導入され得る。このクリーニング流体は通路122を通じて直接に、燃焼室窓106の、クリーニングしたい表面範囲もしくは外側表面106aに案内される。
すなわち、本発明によるレーザ点火プラグ100のクリーニング時には、外室200もしくはプリチャンバ120aの半径方向外側の範囲から通路122を通じて燃焼室窓106の外側表面106aへクリーニング流体の流体搬送が行われる。外側表面106aから跳ね返ったクリーニング流体は、有利にはオーバフロー通路120a′を通じてレーザ点火プラグもしくはプリチャンバ120aから流出することができる。
別の有利な実施形態では、本発明における通路122が少なくとも2つ設けられている。この場合、少なくとも1つの第1の通路122は燃焼室窓106にクリーニング流体を供給するために使用され得る。それに対して、少なくとも1つの別の通路(図示しない)は、供給されたクリーニング流体をプリチャンバ120aの範囲から外室200へ導出するために使用される。本発明における通路122は、2つよりも多い開口区分を有していてもよく、ひいてはたとえばY字形の分岐(図示しない)等を有していてもよく、この場合、レーザ点火プラグ100の外部から燃焼室窓106の簡単なクリーニングを可能にするためには、上で説明したように、少なくとも2つの開口区分122a,122bが配置されなければならない。
本発明のさらに別の特に有利な実施形態(図5の詳細図参照)では、通路122の、第1の開口区分122aの範囲に配置された少なくとも1つの第1の長さ区分LA1の長手方向軸線が、ほぼ燃焼室窓106の外側表面106aの、半径方向内側に位置する範囲B1に向いているので、クリーニング流体による燃焼室窓106の効率良い洗浄が可能となる。
特に有利な実施形態では、第1の長さ区分LA1の長手方向軸線は、この長手方向軸線と燃焼室窓106の外側表面106aとの交点が、レーザ点火プラグ100の光軸OAに対して所定の間隔Y(図2)を有するように位置調整されている。この間隔Yは、前記外側表面106aの範囲におけるレーザ放射線Lのビーム横断面の少なくとも約20%、有利には少なくとも約40%である。燃焼室窓106をこのように実質的に中心外において洗浄することにより、特に良好なクリーニング作用が得られる。
さらに別の有利な実施形態(図5参照)では、通路122の少なくとも1つの第2の長さ区分LA2が、約0.5mm〜約4.0mm、特に約1.0mm〜約2.0mmの直径Z2を有する。
さらに別の有利な実施形態では、通路122の、第1の開口区分122aの範囲に配置された第1の長さ区分LA1が、約0.1mm〜約2.0mm、特に約0.2mm〜約1.0mmの直径Z1を有する。
図3には、本発明によるレーザ点火プラグのさらに別の実施形態が示されている。この実施形態では、レーザ点火プラグが、プリチャンバ120a(図2)を備えておらず、絞り120bしか備えていない。本発明のこのような変化形においても、燃焼室窓106の外側表面106aをクリーニング流体で洗浄するために少なくとも1つの通路122が設けられていてよい。図3から判るように、絞り120bはレーザ点火プラグのハウジング100′と一体に形成されていてもよい。
図4には、本発明における通路122を備えた本発明によるレーザ点火プラグ100が示されている。通路122は、レーザ点火プラグ100もしくはその燃焼室窓106のクリーニングのためのその適性に基づき、「すすぎ通路」とも呼ばれる。さらに、レーザ点火プラグ100の燃焼室寄りの端範囲を取り囲むように配置されたクリーニング装置300が設けられている。クリーニング装置300は、クリーニング流体を供給するための流入部Zを有し、クリーニング流体はこの流入部Zを介して環状溝Rに導入される。クリーニング装置300は、レーザ点火プラグ100に機械的に結合可能であり、この場合、環状溝Rと本発明におけるすすぎ通路122との間にも流体連通が形成され得る(図4参照)。これにより、クリーニング装置300に供給されたクリーニング流体は、流入部Zから環状溝Rを介してすすぎ通路122内に流入し、ひいては燃焼室窓106の外側表面にまで到達することができる。
図4に示した配置構成では、プリチャンバからクリーニング装置300の流出部Aに通じたオーバフロー通路によって、燃焼室窓106に施与されたクリーニング流体の環流が行なわれ得る。使用された流体は、濾過され、新たに加圧され、そして再び流入部Zに供給され得るので、有利にはクリーニング流体の循環が生ぜしめられる。
クリーニング装置300は、クリーニング流体の温度調節のための手段、特に加熱装置を有していてもよい。これにより、クリーニング時間が短縮され得る。加熱装置は有利には、クリーニング装置300のハンドリング時の燃焼を回避するために、クリーニング流体がその沸点に達するまでは加熱されないか、または最大でも約50℃の設定可能な限界値にまでしか加熱されないように構成されていてよい。
図5には、既に述べたように、本発明によるレーザ点火プラグ100の燃焼室寄りの端範囲の詳細図が示されている。本発明における通路122の第1の長さ区分LA1は、図5から判るように、この第1の長さ区分LA1がほぼ、燃焼室窓106の外側表面106aの半径方向内側の中央範囲に向けられるように位置調整されている。これにより、クリーニング流体による燃焼室窓106の光学的にアクティブな外側表面106aの精密な洗浄が可能になる。第1の長さ区分LA1が、通路122の軸方向で第1の長さ区分LA1に続いている少なくとも1つの別の第2の長さ区分LA2よりも小さな直径を有する限りは、自体公知の形式で、通路122を流通する流体のためのノズル作用を生ぜしめることができる。これにより、燃焼室窓106へ流入するクリーニング流体の速度に影響を与えることができる。本実施形態では、第1の長さ区分LA1が第1の直径Z1を有し、第2の長さ区分LA2が第2の直径Z2>Z1を有する。図5に示した通路122の配置構成は、有利には段付き孔として形成され得る。これにより、本発明によるレーザ点火プラグもしくはそのハウジング100′の特に好都合な製作が可能になる。
通路122の外側の開口もしくは外側の開口区分122bが、雄ねじ山108の範囲に配置されていると特に有利である。この雄ねじ山108によって、レーザ点火プラグ100をシリンダヘッドにねじ込むことができる。これにより、通路122が周辺環境に対してシールされていると同時に、レーザ点火プラグ100がシリンダヘッド内にねじ込まれていることが確保されているので有利である。
これに対して択一的または補足的に、通路122に雌ねじ山122cが設けられていてもよい。その場合、この雌ねじ山122c内には、通路122をシールするために止めねじがねじ込み可能である。
通路122または少なくともその燃焼室窓106寄りの端区分もしくはその長手方向軸線L1の角度αは、別の実施形態では、相応する長手方向軸線と燃焼室窓106の外側表面106aとの交点が、レーザ点火プラグ100の光軸OAもしくはビーム路Sに対して所定の間隔Yをとるように設定されていると有利である。この場合、間隔Yは外側表面106aの範囲におけるレーザ放射線Lのビーム横断面の少なくとも約20%(図5における符号S′参照)、有利には少なくとも約40%である。これにより、特に効率良いクリーニングが与えられている。
択一的には、範囲122aにおける通路122の外縁部と燃焼室窓106との交点と、光軸OAもしくはビーム路Sとの間の間隔が、外側表面106aにおけるレーザビーム半径に相当するか、または少なくともその約75%となるような大きさに設定されていてよい(図5における符号Y′参照)。
クリーニング流体は、本発明によれば、有利にはホースまたはランスを用いて導入され得る。このランスは、直接にまたはフランジを介してすすぎ通路122の雌ねじ山にねじ込むことができる。その後に、既に説明したように、クリーニング流体はレーザ点火プラグもしくはそのプリチャンバから「光路エレメント」120bもしくはオーバフロー通路120a′を介して流出することができる。
少なくとも2つの互いに異なる横断面を備えた通路122の構成では、外部から通路122に導入されるランスの使用時に、ランスが燃焼室窓106と接触してしまう程深く通路122に導入されないことが確保され得るので有利である。さらに、これによって、ランスの位置の正確な固定も得られる。
少なくとも1つの本発明における通路122を用いた使用のためのクリーニング流体としては、たとえば弱い水性の酸、たとえば酢酸の水溶液、特に30%の酢酸溶液が規定されていてよい。クリーニング流体は択一的には水(HO)中に希釈された、約10%〜約80%、有利には約15%〜約50%の酢酸(C)を含有することもできる。
特にオイルアッシュ、たとえば硫酸カルシウム−(無水物)もしくはリン酸カルシウム化合物を溶解することができるのであれば、レーザ点火プラグもしくは燃焼室窓106自体に作用しない程に弱いか、または希釈されている全ての別の水性の酸も挙げられる。
図6には、本発明による方法の1実施形態を示す簡略化されたフローチャートが示されている。第1のステップ400において、外部から通路122(図1)内にランス(図示しない)が導入され、これにより通路122にクリーニング流体が供給される。
これに続く第2のステップ410において、クリーニング流体は加圧下にランスから通路122内に噴入され、最終的に燃焼室窓106にまで噴入され、そして絞り120b(図5)に設けられた円錐状の開口もしくはオーバフロー通路120a′を通じてレーザ点火プラグ100もしくはプリチャンバ120aの内室I′から導出される。
さらに別の実施形態では、プラグを腐食から保護するために、有利にはステップ410に続いて少なくとも1つの別のステップを行うことができる。この場合、たとえば中性の液体、たとえば純粋な水、スピリタス(エタノール)、イソプロパノールを用いた後すすぎが行われる。残分なしに蒸発する、速乾性の液体が有利である。

Claims (11)

  1. 特に内燃機関用のレーザ点火プラグ(100)であって、燃焼室窓(106)を備え、該燃焼室窓(106)を通じて、レーザ放射線(L)が、当該レーザ点火プラグ(100)の内室(I)から外室(A)へ放射可能であり、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記外室(A)の範囲でレーザ放射線(L)のビーム路(S)を少なくとも部分的に取り囲むコンポーネント(120a,120b)を有するレーザ点火プラグにおいて、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記コンポーネント(120a,120b)の範囲に少なくとも1つの通路(122)を有し、該通路(122)が、少なくとも2つの開口区分(122a,122b)を有していて、該開口区分(122a,122b)の間での流体連通を可能にしており、第1の開口区分(122a)は前記燃焼室窓(106)の外側表面(106a)の範囲に配置されており、第2の開口区分(122b)は当該レーザ点火プラグ(100)、特に前記コンポーネント(120a,120b)の半径方向外側の範囲に配置されていることを特徴とするレーザ点火プラグ(100)。
  2. 前記通路(122)の、前記第1の開口区分(122a)の範囲に配置された少なくとも1つの第1の長さ区分(LA1)の長手方向軸線が、ほぼ前記燃焼室窓(106)の外側表面(106a)の半径方向内側に位置する範囲(B1)に向けられている、請求項1記載のレーザ点火プラグ(100)。
  3. 前記第1の長さ区分(LA1)の長手方向軸線は、該長手方向軸線と前記燃焼室窓(106)の外側表面(106a)との交点が、当該レーザ点火プラグ(100)の光軸(OA)に対して、前記外側表面(106a)の範囲におけるレーザ放射線(L)のビーム横断面の少なくとも約20%、有利には少なくとも約40%である間隔(Y)を有するように位置調整されている、請求項2記載のレーザ点火プラグ(100)。
  4. 前記通路(122)の少なくとも1つの第2の長さ区分(LA2)が、約0.5mm〜約4.0mm、特に約1.0mm〜約2.0mmの直径(Z2)を有する、請求項1から3までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  5. 前記通路(122)の、前記第1の開口区分(122a)の範囲に配置された第1の長さ区分(LA1)が、約0.1mm〜約2.0mm、特に約0.2mm〜約1.0mmの直径(Z1)を有する、請求項1から4までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  6. 前記通路(122)は少なくとも所定の区分にわたって、特に止めねじを収容するための雌ねじ山(122c)を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  7. 前記通路(122)は少なくとも所定の区分にわたって段付き孔として形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  8. 当該レーザ点火プラグ(100)は、半径方向外側の範囲に、目標システムとの機械的な結合のための固定手段(108)、特に雄ねじ山(108)を有し、該固定手段(108)の範囲に前記第2の開口区分(122b)が位置している、請求項1から7までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  9. 前記コンポーネント(120a,120b)は絞りおよび/またはプリチャンバである、請求項1から8までのいずれか1項記載のレーザ点火プラグ(100)。
  10. 特に内燃機関用のレーザ点火プラグ(100)であって、燃焼室窓(106)を備え、該燃焼室窓(106)を通じて、レーザ放射線(L)が、当該レーザ点火プラグ(100)の内室(I)から外室(A)へ放射可能であり、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記外室(A)の範囲でレーザ放射線(L)のビーム路(S)を少なくとも部分的に取り囲むコンポーネント(120a,120b)を有するレーザ点火プラグ(100)をクリーニングする方法において、当該レーザ点火プラグ(100)が、前記コンポーネント(120a,120b)の範囲に少なくとも1つの通路(122)を有し、該通路(122)が、少なくとも2つの開口区分(122a,122b)を有していて、該開口区分(122a,122b)の間での流体連通を可能にしており、第1の開口区分(122a)は前記燃焼室窓(106)の外側表面(106a)の範囲に配置されており、第2の開口区分(122b)は当該レーザ点火プラグ(100)、特に前記コンポーネント(120a,120b)の半径方向外側の範囲に配置されており、前記第2の開口区分(122b)にクリーニング流体および/または超音波を導入することを特徴とする、レーザ点火プラグをクリーニングする方法。
  11. クリーニング流体および/または超音波を供給するために、ランスを少なくとも部分的に前記第2の開口区分(122b)に導入する、請求項10記載の方法。
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