本発明によれば、裂傷、骨からの剥離などのよる腱、靭帯などの修復のための外科用インプラントと関連する技術が開示される。本発明は特に、例えば未節骨からの深指屈筋及び/又は中節骨からの浅指屈筋などの裂傷又は剥離屈筋を修復するために採用される。
第1の例示実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態による部品を示す。以下詳細に説明されるが、この全ての部品がそれぞれの外科手順で使用されることは必要ではない。前記部品には、プーリーカテーテル101を含む。これは必要な場合本発明の腱修復装置を、断裂腱の切断部、靭帯切断部又は類似する組織的構造に沿って、1又はそれ以上の組織上の制限を通して(例えば前記指の滑車系を通して)前記修復位置へ案内するために使用され得る。前記部品はさらにフランジ付きカテーテル103を含む。これは必要な場合、断裂腱切断部を前記修復位置へ組織的制限を通して案内するために使用され得る。カテーテル接続装置105は、前記プーリーカテーテル101と前記フランジ付きカテーテル103を端部同士で接続するために使用される(以下詳細に説明される)。前記カテーテル接続装置105は金属性ドエルであり得る。腱ホルダー107は、必要な場合、前記外科的修復手順の間に前記腱を保持するために使用され得る。
1又はそれ以上の腱修復装置109は、2つの腱の切断部を再接続することで修復に影響を及ぼすであろう実際の装置である。それぞれの腱アンカー109は、マルチフィラメントステンレススチールケーブル110を含む。前記ケーブルの1つの端部141から前記ケーブルの中間点143で、ケーブルの個々のフィラメントは単一のケーブル部分144を形成するように通常の方法で巻かれている。直針111が前記ケーブルの前記第1の端部141に付される。端部141から対抗する方向で中間点143から、前記ケーブルの個々のフィラメントが巻き戻されて複数(この場合では7つの)の別々の縫合糸147aから147gが形成される。好ましくはカーブした針114aから114gが、前記7つの別のケーブル部147aから147gの端部に付される。前記中間点143に設けられるフィッティングが前記ケーブル部144が巻き戻されないように維持する。前記フィッティングは、例えばスリーブ149であり得る。本発明の1つの好ましい実施形態では、前記ステンレススチールケーブルは、7つのグループに巻き取られる343の個々のストランドから形成される。従って、スリーブ149から前記第1の端部141へ、前記ケーブルは343の個々のストランドを含み、これが7つの中間的ストランドを形成し、前記中間的ストランドのそれぞれが、それぞれ49フィラメントのより小さい巻かれた7つのストランドからなり、かつこれらの小さいストランドのそれぞれが、それぞれ7つのフィラメントの7つの個々のストランドからなる。スリーブ149の他の方向には、前記7つのそれぞれのストランド147aから147gのそれぞれが、一緒に巻かれた7つのそれらのより小さいストランドを含む(これらのより小さいストランドのそれぞれは、一緒に巻かれた7つの個々のストランドを含む)。
前記腱修復装置109の前記実施形態は、前記装置が広く利用される材料から特に容易に製造されるということから有利である(例えば343ストランドステンレススチール縫合ケーブル及び折り目)。前記材料は、ステンレススチール、コバルトクロム合金、チタン及びその合金、及びニッケル−チタン合金(NiTinol)を含むインプラント可能な金属及び合金類から選択され得る。しかし、前記腱修復装置109は、ポリマー繊維などの他の材料からも形成されることができ、かつ編物、溶接又は成形などの他の方法で組み立てられ得る。例えば、前記装置は、個々のフィラメント、ファイバ(繊維)又は共に溶接された織り糸(ヤーン)から形成され得る。
以下の説明において、これらの違いをより明らかにするために、腱修復装置109の単一端部144はケーブル部分144として参照し、一方ストランド147aから147gは縫合糸として参照する。しかし理解されるべきことは、これらの用語の使用は、それらが異なる材料から作られていることを示すことを意図するものではない、ということである。というのは例えばここで記載される例示実施形態では全ての縫合糸がステンレススチールワイヤから作られているからである。
接続装置112が2つの腱修復装置109を固定するために使用され、これについては以下詳細に説明される。この例示実施形態での接続装置112は、材料、好ましくはステンレススチールなどの変形可能な金属のブロックを含み、2つの端部から端部への貫通穴151、152を持ちその内部直径はケーブル部分144よりもわずかに大きい。以下詳細に説明されるが、腱の再結合手順の終わり近くで、それぞれのケーブル部分144が対抗する方向で前記接続装置112のそれぞれの貫通孔151と152に挿入され、前記接続装置が変形され(即ち、圧壊され)そこにケーブル部分144をロックする。
最後に腱が骨に近すぎる位置で骨から剥がされたり又は切断されて、腱修復装置109を保持する十分な腱の長さがない場合の手順では、ボーンアンカー400又は450が使用されることができる。第1の実施形態で、前記ボーンアンカー400は、ネジ付き遠位端部401を持ち骨内に安全にねじ込むことができる。近位端部403は、小孔402を持ち、ここを縫合糸が通過し得る。以下より詳細に説明されるが、前記縫合糸は前記小孔内で結ばれ得る。又は、近位端部403は、薄壁金属などの変形可能な材料から形成されることができ、それにより前記小孔は圧着具により潰されて縫合糸をその内部に捕捉することができる。第2の実施形態では、前記ボーンアンカー450は、前記近位端455から伸びる1又はそれ以上の縫合糸451、例えば、4つの縫合糸451a、451b、451c、451dを有して製造され得る。前記縫合糸の端は、針452a、452b、452c、452dを有して供される。
腱修復装置、外科器具及び方法は、以下、中間骨レベルで裂けた深指屈筋腱の修復に関連して説明される。しかし理解されるべきことはこれは例示である、ということである。種々の手順の段階が図2Aから2Lに示される。
第1に、分断された腱の近位端部が傷位置からとどく場合には、前記腱ホルダ107により保持するためにそれを前記傷口からゆっくりと取り出す。
腱ホルダ107は、ハンドル201、前記ハンドルの遠位端部にクロスバー203、及び前記クロスバー203から遠位方向に伸びるそれぞれ第1及び第2の針を含む。前記針205及び207はスロット209及び211内で横方向にスライド可能である。特に、前記針の近位端部はストップショルダ213を持ち、かつ前記ストップショルダ213から前記針の近位端部へ走る内部ネジ付き孔を含む。ネジ217は、それぞれの針205、207の近位端部内にねじ込まれて、前記ネジ217の頭部と前記針205、207のストップショルダ213との間の前記クロスバー203を止めてそれぞれの針をそのスロット209、211に沿った任意の位置に固定する。
傷口の外に伸びる腱の長さに依存して、外科医は前記腱を前記腱ホルダ107の前記針205、207の1つ又は両方を貫いて傷の外側に前記腱を保持する。図2Cを参照して、例えば、腱ホルダ107は腱切断部153aを保持している。外科医は好ましくは、腱に切断部端部から約1cmのところを貫く。
しかし腱が傷口から容易に取り出せない場合、及び他の切開部から近づいて前記傷口に持っていく必要がある場合には、前記腱ホルダ107はなお使用され得るが、しかし最初の腱は前記傷口から取り出される必要がある。かかる場合には、前記腱を取り出すために、プーリーカテーテル101及びフランジカテーテル103が使用され得る。特に、プーリーカテーテル101は生体適合性ポリマーから形成された中空プラスチックチューブで、比較的剛性ではあるが曲げられ得るような組成及び/又は壁厚さを持つ。例えば、それは通常の外科用血管カテーテルと同様のフレキシビリティを持ち得る。前記プーリーカテーテルが比較的剛性であることで、前記指の滑車などの狭い組織内通路をそれを押し通すことができる。しかしそのフレキシビリティにより、全体に曲がった通路に沿ってもいくらか曲げられることができる。好ましくは、前記プーリーカテーテルは低摩擦係数の材料から形成され、前記プーリーカテーテルが、前記腱滑車系などの体組織を容易に通過又は回りこむことができるものである。適切な生体適合性ポリマーには、シリコン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポルアリール、フッ化ポリマーのホモポリマー、コポリマー又はそれらのブレンド又はその他の上記の機械的特性に合致する生体適合性ポリマー系が挙げられる。単純なチューブ状構造の他前記プーリーカテーテルの種々の断面がまた使用され得る。例えば固体構造、多重空洞又は前記機械的特性を与える複雑な形状などが使用され得る。前記プーリーカテーテルの表面の摩擦係数は、前記装置を構成するために使用される材料の本来的な性質であってもよく、又は潤滑剤コーティングや長手方向溝などの表面の機械的変性などの表面処理により改善されてもよい。
前記プーリーカテーテル101の具体的な長さ、材料、壁厚さ、内部直径、外部直径及び剛性は、具体的な適用される腱又は靭帯に大きく依存する。もちろん長さは、横断するために必要となるであろう最大長さで示される。内部直径は、前記腱修復装置109のケーブル部分144を容易に適用できる十分な大きさである必要がある。前記外直径は、通過されるべき組織を通過するに十分に小さくなければならない。前記プーリーカテーテルの具体的な材料及び断面形状(例えば壁厚さ)は、前記カテーテルの剛性を主に必要とするものであり、前記のように、狭い通路に押され得るように十分な剛性を与えるが、しかし前記通路内で曲がるように十分なフレキシビリティも与えるように選択されるべきである。中節骨のレベルでの深指屈筋の例示的場合では、前記プーリーカテーテルはシリコーンで形成され、長さ120ミリメートル、壁厚さ0.5mm及び外直径2mmである。50から80(ショアA)のデュロメータを持つシリコーンは前記プーリーカテーテルに使用され得る。
フランジ付きカテーテル103はまた、生体適合性材料、好ましくはポリマーの中空チューブである。しかし、前記フランジ付きカテーテルは好ましくは前記プーリーカテーテルよりも軟質である。前記フランジ付きカテーテルは、前記プーリーカテーテル103の直径とほぼ等しい直径を持つ第1の端部157を持ち、これは以下詳細に説明されるように前記プーリーカテーテルと端部−端部接続され得る。これはまた、フランジ付き端部159を持ち、これは傾きが付けられ本質的に漏斗の形状を持ち、腱切断部の端部を受け入れるものであり、以下詳しく説明される。以下の説明で明確になるが、前記フランジ付きカテーテルは前記プーリーカテーテルと本質的に同じ通路を横切るが、前記プーリーカテーテルは前記フランジ付きカテーテルを、前記フランジ付きカテーテルのフランジ付き部分159内部の前記腱切断部に付された腱修復装置に沿って前記組織経路内にガイド又は引っ張っていく。従って、前記フランジ付きカテーテルは剛性である必要はない。実際に、前記フランジ付きカテーテルは比較的フレキシブルである必要があり、というのはそれは、前記腱修復装置109のケーブル部分144の通過路に対応するために曲がりくねった形状に曲げられる必要があるからである。さらに、フランジ付きカテーテル103の前記フランジ付き部分159は特に容易につぶされることができる必要があり、これは前記腱切断部の周りをつぶし、前記腱切断部と腱修復装置と共に指の滑車などの狭い組織内通路を通すためである。これについては以下詳しく説明される。
フランジ付きカテーテル103は、その目的に即した長さ、壁厚さ、内部直径、外部直径及び材料組成などを有する必要がある。その目的は、腱修復装置109の単一端部144がそれを通過し、組織内通路を通って前記プーリーカテーテルに従うことを可能とすることであり、以下詳しく説明される。従って、フランジ付きカテーテルは狭い端部157と広い端部158を持つ。前記広い端部は、コーン又はフランジ159で終り、前記直針111を、腱修復装置109のケーブル部分144の端部で挿入することを容易にし、同様に前記腱切断部を含むことを容易にする。フランジ付きカテーテル109の狭い端部157は、前記プーリーカテーテルの端部と一致させるために狭い。
フランジ付きカテーテル103はまた、腱滑車システムなどの体組織を通じて及び迂回して通過することが容易になるように、低摩擦係数の材料で形成されることが好ましい。かかる生体適合性ポリマーは、シリコン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアリール、フッ化ポリマーのホモポリマー、コポリマー又はそれらのブレンドから選択され、又は全ての生体適合性システムであって上述の機械的特徴に合致するポリマーシステムであり得る。簡単なチューブ構造以外のフランジ付きカテーテルの種々の断面がまた使用され得る。例えば固体構造、複数内腔構造又は複雑な形状であって、上述の機械的特徴を与え得るものである。フランジ付きカテーテルの摩擦係数は本質的に前記装置の構築に使用される材料の固有のものでもよく、又は潤滑剤コーティングや長手方向溝などの表面の機械的修正などにより改善されてもよい。
中間骨レベルで裂けた深指屈筋腱の場合の例示において、フランジ付きカテーテルはシリコーンで成形され、120ミリメートル長さ、壁厚0.5mm及び外直径2mmである。しかし好ましくは、前記カテーテルのフランジ部分159は、より薄い断面、例えば0.25mm以下の材料から製造されるものであり、これにより前記フランジ付きカテーテルのフランジ部分159が腱切断部に陥入して、それが前記腱切断部を再位置させるために、例えば指の滑車系などの組織内通路を通ってつぶされることを可能とする。例えば20から40デュロメータ(ショアA)を持つ軟質シリコーンがこのフランジ付きカテーテルのために適している。
図2Aを参照すると、使用において、前記腱が縮んでおり、かつ第1の切開部161から第2の切開部(又は傷)160へ取り出される必要がある場合(これは手の腱裂傷では典型的である)、切開部161が、通常は手の平に作られ、そこから腱153が取り出され得る。一方で、近位腱切断部がA2滑車の遠位部である場合には、腱は前記A2滑車の遠位部の切開部から取り出され得る。小指の滑車系が、分かりやすくするために周囲から分離されて図7に示される。これは5つの環状滑車、A1からA5を持ち、3つの靭帯滑車C1、C2及びC3を持つ。滑車系は本発明を不明瞭にしないようにほとんどの他の図では示されていない。
前記プーリーカテーテル101は、裂傷位置での前記傷又は切開部160に通され、ゆっくりと中央部近くA3滑車の下を新たな切開部161へ、前記指の滑車系を通るように押される。ここで、プーリーカテーテル101が中央近くを押す際に抵抗がある場合には、1/2から1cmの切開部(図示されていない)が、指の近位指節間関節の皮膚の皮線と、指の付け根の皮線の間の中央に作られ得る。これは、指のA2滑車とA3滑車の間のレベルである。切開は、プーリーカテーテルが見える屈筋鞘にそってゆっくりと行われる。前記プーリーカテーテルはその後、この切開部を通って引っ張られ前記妨害物又は抵抗物を通過できる。その後、プーリーカテーテルがゆっくりと指の滑車系近くを押されて進み、腱取り出し切開部161まで到達しその近くで取り出される。
次に、図2Bに示されるように、フランジ付きカテーテル103の狭い端部157がプーリーカテーテル101の近位端部へ接続される。前記部品が十分長く及び/又は外科医が十分器用であれば、前記フランジ付きカテーテルの狭い端部は前記プーリーカテーテルの近位端部へ直接挿入され得る。又は、金属ドウェル105又はその他のカテーテル接続器(例えばフック)の形もこの接続を行うために使用され得る。特に、カテーテル接続器105は剛性であり、フランジ付きカテーテル103の狭い端部157は前記カテーテルの1つの端部に挿入され得る。その後、前記カテーテル接続器105の他の端部が、プーリーカテーテル101とフランジ付きカテーテル103とを接続するために、プーリーカテーテル101の近位端部に挿入され緊密摩擦接続され得る。
次に、図2Cを参照して、腱の近位切断部153aが、手のひらの切開部161を通って送られ、約2cmの腱が切開部161の外側へ送られる(近位腱切断部がほんの短い距離でのみ縮み、基節骨のレベルにある場合には、腱はA2滑車の切開部遠位部を通して、又は場合によりA1とA2滑車の間を通して送られる)。好ましくは、フレキシブルバリア165を腱ホルダ107と近位腱切断部153aの下に置き、この技術を行うための作業「テーブル」を作ることである。プーリーカテーテル101とそれに接続されたフランジ付きカテーテル103を用いて、プーリーは切開部160から遠位側に引かれ、フランジ付きカテーテル103を、切開物160と161との間の滑車系へと及びそれを通って引き入れる。フランジ付きカテーテル103の先端端部157が切開部160を通って出ると、フランジ付きカテーテル103は2つの切開部160、161の間を通り、プーリーカテーテル101と接続器105が除去される(図2Cに示される)。
図2Dを参照して、腱修復装置109のケーブル部144の端部の直針111がその後、腱切断部153a内に、腱切断部153aの端部168aから約1cmに配置され、針111が腱切断部153aの切断端168aを通る方向に向けられる。針111は、スリーブ149が切断端168aから約1/2cmとなるまで引っ張られる。腱の曝露部分が少なすぎる場合には、スリーブ149は、切断端168aに近いいずれかの位置に配置され得る。
次に、小さい腱切離を前記腱に施し、前記折り目を腱内に埋め込む。手順のこの時点で腱及び腱修復装置の状態を図2Dに示す。
この位置での腱修復装置109を用いて、腱修復装置の7つの遊離のストランド147aから147gが、腱修復装置109に腱切断部153aを縫合するために使用される。より具体的には、例えば147aと147gの2つの縫合糸が、曲がった針114aと114gを用いて腱に押し通され、お互いを結び合わせて結び目185とする。好ましい実施形態では、前記2つの縫合糸は、ロッククロスステッチ又は十文字パターンを用いて腱153aに縫合される。この例では、前記修復の長さに沿って複数の固定点間に分散され得る。また、張力下で十字縫合することにより、修復される腱は直径を減少させ、これにより滑車系を横切ることを容易にする。縫合糸147a及び147gは、結び目の直端部で切断され結び目を超える余分な材料を除去する。本発明を不明瞭にしないために、前記縫合は、図2Eから2Jを含めてほとんどの図面にはXとして表されている。図2Lなどの適切な寸法の図面、又は明細書中に縫合についていくつかの重要な説明が与えられている図面においてのみ、縫合はより正確に表現されている。
次に、2以上の縫合糸、例えば147bと147fが、曲げられた針114bと114fを用いて腱に縫合され、お互いが結び目187で結ばれる。好ましくは結び目187は、2つの近位リムを持つ十文字ロックステッチである。結び目を結んだ後縫合糸を切断する。本発明の好ましい実施形態では、図2Eに示されるように、第1の結び目185と第2の結び目187が腱切断部153aの長さに沿って異なるレベルで結ばれる。最後に、2つのさらなる縫合糸、例えば147cと147eが同様にして十文字結び目(図示されていない)で腱切断部153aの他の側で結ばれ、余分な糸が切断される。
最後に、1つ残された縫合糸147dは切断されるか、(切り取る前に)他の遊離の端部と他の結び目を作るために使用され得る。好ましくは、前記腱切断部と修復装置との固定点が複数あるということである。
本発明の1つの実施形態では、縫合糸は異なる長さであり得る。1対を形成する2つの縫合糸はそれぞれ同じ長さであり、かつそれぞれの対の縫合糸が異なる長さを持つように編成され得る。縫合糸を腱へ縫合する際に、同じ長さの縫合糸の対が腱を縫合糸でお互いに結ぶ。この実施形態は次の点で有利である。即ち、外科医が、手順の際にどの対の縫合糸をお互いに結ぶのかを容易に視覚認識でき、手順を単純化できるようになる、という点である。
図2Fを参照する。腱修復装置109は近位腱切断部153aに安全に固定されており、腱は腱ホルダから外され、ケーブル部分144の端部で直針111がフランジ付きカテーテル103のフランジ部分159内に挿入される。腱修復装置109はフランジ付きカテーテルを通って、腱切断部153a(これは腱修復装置109の後端部に縫合されている)がフランジ付きカテーテル103のフランジ部分159内に達するまで進められる。ケーブル部分144は好ましくは、前記ケーブルが指の滑車系を通るフランジ付きカテーテルと共に指の滑車系に沿って押し進められて、傷160からフランジ付きカテーテル103を押し出すために十分剛性である。ここで、外科医は、フランジ付きカテーテル103を通じて、針111をクランプを用いて掴み、針、ケーブル部分144、フランジ付きカテーテル103及び腱切断部153a(フランジ付きカテーテル103のつぶし可能なフランジ部分159を内部に含む)を、指の滑車系を通って傷160から引き出す。又は、前記針が、フランジ付きカテーテルの遠位端部157から飛び出ている場合、外科医は針111又はケーブル部分144を直接手又はクランプで掴み、針111、ケーブル部分144、フランジ付きカテーテル103及び腱切断部153a(フランジ付きカテーテル103のつぶし可能なフランジ部分159を内部に含む)を指の滑車系を通って傷160から引き出す。なにかの抵抗が認められた場合には、貨車系を通る経路は別の切開部を通して検査され得る。
フランジ付きカテーテル103のフランジ部分159は、指の滑車系を通過するために必要ならば腱切断部の周りでつぶされ得る。
図2Gを参照する。腱切断部153aが傷160に到達すると、フランジ付きカテーテル103は腱修復装置109及び腱切断部1534aから外され、それにより腱修復装置109及び腱切断部153aは傷160を通って曝露される。腱ホルダ107の針205を近位腱切断部153aを渡して置いて腱切断部153aを安定位置に保持する。
図2G及び続く図を参照する。腱切断部の長さは修復の説明を助けるために誇張されている場合がある。しかし理解されるべきことは、腱が最初の傷位置から、又はその近くから取り出されると(図2G)、皮膚の外に出る腱はほとんど又は全くなく、指が開かれた状態(屈曲されていない状態)では特にそうである。実際には、指が屈折されていない場合、外科医は主に皮膚の内部で作業を行うこととなる。しかしいくつかの図面においては、腱の長さは、ここで記載される方法及び装置を説明するために不明瞭となることを避けるために、誇張されている場合がある。さらに、ここで説明される構成にステッチ(縫合)が実質的に関連する図面のいくつかにおいては、ステッチ及び/又は結び目は図面が過剰に複雑となることを避けるために簡単な十文字パターンで表されている。ステッチ又は結び目が説明される構成とより密接に関連する場合の図面には、適切な結び目/ステッチがより正確に表されている。
留意すべきことは、縫合糸、クリンプ、クリンプ接続器及び針の長さは、図において必ずしも寸法通りに描かれているものではない、ということである。
次に図2Hを参照する。非常に類似した手順が遠位腱切断部で実施される。具体的に、遠位腱切断部153bは、近位腱切断部153aに関連して説明した上記の方法と類似の方法で傷160に運ばれる。即ち、適切な曝露が傷160から直接遠位腱切断部を取り出すことができない場合には、1cmの切開部174が遠位指節間関節の折り目の直ぐ遠位に作られ、A5の遠位部分上に切開されて、遠位腱切断部153bがこの新たな切開部を通じて曝露され得る。プーリーカテーテル101が切開部160と174の間に案内され、フランジ付きカテーテル103がプーリーカテーテルの遠位端部内に挿入される。プーリーカテーテル101はその後、フランジ付きカテーテル103と共に押して滑車系を通され、フランジ付きカテーテル103が滑車系を通って配置され、切開部160と174から対抗する端部に伸びるまで引っ張られる(これは図2Hに示される)。次に、他の腱修復装置109が近位腱切断部と関連して上で説明された同じ方法で腱遠位切断部153bに付される。図2Hはこの段階の手順を示す。
図2Iを参照する。遠位腱切断部が次に初めの傷サイト160にプーリーカテーテル101及びフランジ付きカテーテル103を用いて、近位腱切断部153aに関連して上で説明したように案内される。腱ホルダー107の第2の針207が、前記遠位腱切断部153bを通して配置され、近位腱切断部に関連して説明されたように約1cmの腱を暴露することができる。手順のこの段階が図2Iで示される。
次に図2Jを参照する。接続装置112が前記サイトに導入され、及びケーブル部分144の端部で前記直針111が前記接続装置112の孔151、152に通される。より具体的には、近位腱切断部153aに接続される腱修復装置109の直針111が、前記近位から遠位方向に動くように前記孔の1つ151を通され、遠位腱切断部153bに接続される腱修復装置109の直針111が、反対方向に動くように前記孔の他方152に通される。
図2Kを参照する。近位及び遠位腱切断部153a及び153bはそれぞれの腱ホルダー針から外され(及び前記腱ホルダーは除かれる)、さらに引張力により、遠位腱切断部153bを遠位方向に、近位腱切断部153aを近位方向に2つの腱切断部の重なりが約1mmになるまで引っ張る。前記接続装置112は腱端部168aと168bの間の腱内に本質的に埋め込まれる。
その後クリンプ道具113を用いて前記接続装置112をクリンプし、それにより前記接続装置112内の2つの腱修復装置のケーブル部分144を安全に固定する。より具体的には、図2Kを参照して、腱切断部153a、153bはやや折り返されて接続装置112を暴露し、クリンプ道具113を、腱に接触したり損傷を与えないように前記クリンプ接続装置上に置かれ得る。
又は必要な場合には、腱ホルダー107は、腱ホルダー107の前記スロット209、211内で中心方向に2つの針205と207との位置を調節することで腱切断部を移動又は保持でき、それによりこれらをお互いに非常に接近させて針の1つでそれぞれの腱を刺し通すことができる。
接続装置112から伸びるケーブル部分144の余分な長さはその後、できるだけクリンプ接続装置の端部に近いところで切断され廃棄される。かかる引っ張り操作の後、接続装置112は腱内部に引き込まれ、腱端部の折り返しが戻されて、図2Lの示されるように腱端部の優れた相互取り込み(cooptation)となる。図2Lは、腱修復装置を用いて作られた4つの十文字ステッチ185、187、185’及び187’を表す。十文字ステッチは特に効果的であると考えられているが、他のタイプのステッチも同様に使用可能である。望む場合には、1又はそれ以上の6−0ナイロン腱上膜ステッチ183が腱切断部回りに設けられて、腱端部の良好な相互取り込みを確実にして修復の端部を「片付ける」。
図2Mは、接続装置112を修復部位と持ってくること及び前記接続装置を通る縫合糸をねじ切ることに関連して接続装置112を扱う及び操作するために使用され得るクリンプ固定ツールを示す。図2Nは、前記ツールの顎部971の詳細図である。
接続装置112は非常に小さくあり得、したがって、修復される特定の腱又は他の生体構造のサイズに依存して、手動で扱うことが非常に困難である。本明細書で議論される特定の例において、即ち、指の深指屈筋を修復することに関して、接続装置112は、非常に小さく、扱いが困難であり得る。さらに、クリンプ接続装置112は、柔らかく、変形しやすいので、もし、クランプ又は他の従来の外科的ツールで実質的に操作されるなら、それを従来の外科的クランプ等で扱うことによって、外科医は、接続装置を不注意に変形してしまう。したがって、図2M及び図2Nで示されるツール970等のクリンプ固定ツールが役に立つ。図2Mは、ツール970の斜視図であり、図2Nは、ツール970の顎部972の詳細図である。ツール970は、薄板のステンレススチール、チタン又は下記で議論されるようなバネ様特性を有するようなポリマー等の、棒状、ワイヤ状、ロッド状、ダボ状又はいかなる弾性材料の長い形状971で形成され得る。前記細長い材料(以後、ワイヤ)は、ツールの顎部972を形成するために、ワイヤが実質的に会合する、対向端部971a、971bを有する、環状又は卵型を呈して示されるように、ループ971内に形成される。より具体的には、2つの端部971a、971bは互いに交差し、その後ループ971から平行に横方向に伸び、少なくとも部分的にまっすぐにするためにループ971にバイアスをかけているワイヤの弾性は、顎部972を事前に閉じるようにバイアスをかける(即ち、互いに向かうように2つの端部971a及び971bにバイアスをかける)。ループ971は好ましくは、人間の手の中になじんで適合するサイズにされる。例えば、それは、約2インチの長軸及び約1インチの短軸を有する卵型であっても良い。顎部を形成する端部971a、971bの長さは、それが使用されるであろう特定の接続装置112のサイズによって少なくとも部分的に決定されるであろうが、薬0.5インチのオーダーであっても良い。
2つのフィンガーレスト(finger rests)973a、973bは、好ましくはループ971の長さLの中央前後で、互いに反対の関係でループ971に接合される又はそうでなければ取り付けられ得、互いに対向する2つのフィンガーレスト973a、9734bに圧力をかけることによって、顎部972が開く。フィンガーレスト973a、973bは、外科医の手の中でツールの安定性を供するために、十分なサイズの対向する平面のペアを供するようなサイズにされ、形状にされる。それらは、約0.5インチのループ971の長い寸法975bでの長さ及び約0.25インチのループの短い寸法975cでの幅を有し、実質的に矩形又は卵型の形状であり得る。フィンガーレスト973a、973bの外側の反対面はギザギザにされる又はそうでなければ高い摩擦を有するように作られ得る。
図2Oで示される別の実施形態970’において、フィンガーレスト973a’及び973b’は、ループ材料971’内に直接的に統合され得る。
一実施形態において、顎部は、ループ971によって定義される平面に対して横断方向975aにおけるチャンネル974を供するような形状にされ、これは、前述した横断方向975a内のその縦軸で方向付けられた接続装置112を維持するためである。例示的な接続装置112に関連して、チャンネルは、接続装置112の筒状形状に鄭剛するように筒状である。チャンネル974の横断面は、いくつかの異なるサイズのコネクタを受けるのに十分大きいサイズにされ得る。チャンネル974は、最も小さいサイズの接続装置がチャンネル内にある時でさえ、それが、互いに係合することから顎部を保ち(例えば、平らな表面976a、976bは接触しない)、顎部の弾性を有するバイアスが、最も小さいサイズの接続装置をチャンネル内にぴったりと固定するであろうような、形状にされ、サイズにされるべきである。ループ971のスプリング力は、それが変形することなく、この条件で接続装置をきちんと固定するのに十分であるべきである。
チャンネル974の各々の端部での面取り部979は、縫合糸をそれを通して投入し、容易に可視化することに関して、クリンプへの容易なアクセスを供する。
接続装置は、クリンプホルダーへと予め組み込まれて、外科医へと届けられても良い。あるいは、接続装置は、クリンプホルダーとは分離して届けられても良く、外科医は、ココネクタを手で又はクランプ又は他の顎部を有する器具でつかむことができ、その後、2つのフィンガーレスト973a、973bを互いの方向に押し、顎部972を開け、チャンネル972内に接続装置112を配置し、そのあと、フィンガーレスト973a、973bの圧力を放し、顎部972内に接続装置112をロックする。外科医は、それを誤って押しつぶさないように、接続装置をその長手方向の端部でつかむべきであり、また、結果、顎部972内にある外科医の指又はクランプ無しで、チャンネル内にそれを配置することができる。
その後、縫合糸が、前述されたように接続装置内のチャンネルに通される。チャンネル974及び接続装置のはめ合わせ形状は、外科医は、接続装置を介して縫合糸を通そうとする間、コネクタが落ちること、回転すること、偏揺れすること、平行移動すること、またはそうでなければ移動することを妨げる。一度、縫合糸が接続装置112を通ると、外科医は、互いに対向するフィンガーレスト973a、973bを再び押して、顎部を開くことによって、ツール970から接続装置112を放すことができる。接続装置112は、それを通っている縫合糸によって安定的に支持されるであろう。外科医は、その後、所望のけん引力を縫合糸に印加し、上述されたように、クリンピングツールで接続装置をクリンプする。
図3は、本発明の第1の実施形態により実施された実際の腱修復の写真である。第1及び第2の結び目185、187はそれぞれ、近位腱切断部153aで見られる。類似の結び目185’と187’が、遠位腱切断部153bで見られる。4つの腱上皮ステッチ183がまた見られる。
前記1又はそれ以上の皮膚傷は通常のように縫合され、手順は終了する。
前記手順及び装置は、上では、中節骨のレベルで深指屈筋、屈筋腱の裂傷の修復に関連して説明されたが、これは単なる例示的適用である。本発明は、他のタイプの腱、靭帯又はその類似の負荷のかかる軟質組織の再接続するために応用され得る。
第2の例示的実施形態
図4Aから4Dは本発明の原理に基づく他の装置及び手順を示し、これは腱(又は靭帯)が切断分離される状況よりはむしろ骨から切断又は分離した状況で使用され得る。図4Aから4Dに関連して説明される前記装置及び手順はまた、腱又は靭帯が骨から非常に近い部分で切断され、腱修復装置109を切断部に効果的に接続する十分な長さが残されていない状況で使用され得る。
これらのタイプの状況においては、上述の腱修復装置109などの腱修復装置は、十分な長さ、例えば少なくとも2cm(通常は近位腱切断部)を持つ切断部に関連して図2Aから2Hに関連して上で説明された方法がなお使用される。しかし、前記骨や短い腱切断部に関しては、1又はそれ以上のケーブルが、第2の腱修復装置を用いる代わりにボーンアンカー400に直接接続される。
前記ボーンアンカーは、その遠位端で骨に接続され、及び縫合糸又はケーブルがその前記近位端部へ接続され得る全てのボーンアンカーであり得る。適切なボーンアンカーは、例えばPCT国際特許出願国際公開第2008/054814(この内容は参照されて本明細書に援用される)に開示されている。しかしずっと簡単なボーンアンカーもまたここで使用され得る。
図1に示されるような適切なボーンアンカーの単純な実施形態では、ボーンアンカーは骨内にねじ込むためのネジ付き遠位部分401、及びボーンアンカー本体の近位部分に統合的に形成される腱修復装置のケーブルを受け取るための小孔402を持つ。他の実施形態では、ボーンアンカーは、それに統合的に形成され、近位端部から伸びる1又はそれ以上の縫合糸を持つように前製造され得る。
本実施形態での外科手順は、末節骨の非常に近くで裂傷した深指屈筋の障害の例に関連して説明される。しかし理解されるべきことは、この種々の手順は一般的には、骨から切断されたか又は骨に非常に近い部分で分離された全ての腱又は靭帯に関連して使用され得る、ということである。
図4Aからから4Dは、4ストランド修復(即ち、前記修復は2つの腱切断部を通る4つの縫合糸を持つ)を実施するための例示手順を示す。この実施形態は、図1から図2Lで示された修復装置109とは異なる腱修復装置1001を用いる。この腱アンカーは図10Aに示され、より詳細には他の例示的外科手順に関連して以下に説明される。図10Aを参照する。これは2つのストランド又はフィラメント1047a、1047bを持ち、それぞれのストランドはその端部に針を持つ。図示された実施形態では、曲がった針1014aと1014bが前記ストランド1047a、1047bのそれぞれの第1の端部に設けられ、直針1011a、1011bが前記ストランド1047aと1047bの第2の端部に設けられる。前記腱修復装置1001の2つのストランドは、それらの端部中間で固定又はスライド可能なクリンプ1049で一緒にされている。前記クリンプ1049は、最初はクリンプされてなく、前記装置に沿ってスライド可能であり、望ましい場合には前記手順の適切な段階でクリンプされ得る。図10Aに示されるように、腱修復装置1001は、外科医に、前記腱修復装置1001の端部を前記プーリーカテーテル101及び/又はフランジ付きカテーテル103に通す工程を容易にするように端部1001上の縫合糸と直針1011a、1011bを鞘1011内に囲んだ部分が渡され得る。
長い腱切断部501は、本質的に前記第1の実施形態に関連して上で説明したように操作される。特に、図4Aを参照して、腱切断部501は、必要な場合には必要とされる位置で取り出し切開部531を作ることで、取り出され、腱切断部501が暴露され、かつ腱修復装置1001の端部1001bを曲がった針を用いて腱切断部に縫合される。2つの縫合糸1047a、1047bのみであるこの例示的場合には、十文字ステッチが好ましい。7つの縫合糸を持ち図1から2Lの腱修復装置109などの、より多くの縫合糸を持つ腱修復装置を用いる実施形態では、図1から2Lの実施形態に関連して上で説明した方法と全く同じようにして腱修復装置は複数の十文字ステッチ又はその他のステッチを用いて腱切断部に縫合され得る。次にプーリーカテーテル101、フランジ付きカテーテル103及びカテーテル接続装置105(必要な場合)が、上で説明したように、腱修復装置1001と腱切断部501を前記障害傷位置533に戻すように案内する。前記狭い鞘1011は、提供される場合には、前記修復装置1001の端部1001aを前記カテーテルに通すことを容易にする。
その後、遠位腱切断部が調製される間、腱切断部501は腱ホルダー107に置かれる。図4Aは、これらの手順が終了した後の外科サイトの状態を示す。即ち、腱501は腱ホルダー107内にあり、腱修復装置1001が腱に縫合されている。
次に図4Bを参照する。骨503(及び、ある場合には遠位切断部505)に関して、切開部532(初期の傷を含み得る)が作られ、末節骨の503を暴露するために切開される。図1で示されるようにボーンアンカー450などのボーンアンカーは、その後この骨に安全にネジ止めされる。
次に図4Cを参照して、この例示的実施形態は、4ストランド修復であり、ボーンアンカー450の2つの縫合糸451c、451d4はボーンアンカーにできるだけ近くで切断する。他の2つの縫合糸451a、451bは前記遠位切断部505に通される。ここで、図4Dを参照して、腱切断部が僅かな重なりを持って一緒にされ、ボーンアンカー450の2つの縫合糸451a、451bが縫合され、前記近位切断部501に結びつける。同様に、腱修復装置1001の端部で近位腱切断部501に縫合された腱修復装置1001は、その後他の端部で遠位切断部505に縫合される。図4Dは、この実施形態による、終了した修復が示す。
もちろん、ボーンアンカー450のストランド数及び腱修復装置1001のストランド数は、より強い修復を与えるために、例えば6、8、10又は望ましい場合には12に増やすことができる。
図4Aから4Dで示されるタイプの腱障害(ここでは短い遠位腱切断部のみが残される(又は全く残されない))はまた、図2Aから2Lで示されるような腱修復装置109及び図1で示されるその他のボーンアンカー400を用いて修復され、前記長い腱切断部501は、図2Aから2Lの第1の実施形態に関連して説明された全く同じ方法で操作され得る。特に、近位腱切断部501は、必要な場合には必要な位置に取り出し切開部を作ることで、取り出され、前記腱切断部501をそこから暴露し、腱修復装置109を腱切断部に接続し、かつプーリーカテーテル101、フランジ付きカテーテル103及びカテーテル接続装置105(必要な場合)を用いて、上で説明されたように前記腱切断部を前記傷サイトへ戻すように案内する。
次に、切開部が作られ、ボーンアンカー400が、本質的に図4Aから4Dに関連して上で説明されたように骨に固定される(但し、それがボーンアンカー450ではなくボーンアンカー400であることを除いて)。
次に、図4Aから4Dの切断部505などの屈筋の遠位切断部が存在する場合には、腱修復装置の針111とケーブル144はこの切断部505を通過し、前記ボーンアンカー400の小孔402内に通される。特に、ケーブル部分144の端部で直針111が、前記短い遠位腱切断部505内に前記腱切断部505の断裂端を通って、かつ前記切断部505がなお骨503に接続されている近くの腱切断部の側面を通過してその後ボーンアンカー400の小孔402に通される。
次に、ケーブル144に、遠位腱切断部505と近位腱切断部501とが1mmの重なりができるまで、近位腱切断部501を遠位方向に引っ張りを適用する。
その後、ケーブル144はボーンアンカー503の小孔へ固定される。これは縫合糸又はケーブルをボーンアンカーの小孔402に結びつけることで実施され得る。1つのより好ましい実施形態では、しかし、ボーンアンカー503の近位端部はクリンプされ、ボーンアンカー400の小孔402を圧潰し、それによりケーブル144をそこに捕捉する。
最後に、本手順は、本質的に図2Aから2L又は4Aから4Dの実施形態に関連して上で説明されたように完了される。
他方で、接続される残留遠位腱切断部が無いか又は実質的に無い場合に、前記近位切断部は、その代わり前記ボーンアンカーを用いる骨に直接接続され得る。好ましくは、腱切断部に接続される腱修復装置のケーブル部分144は、第2の縫合糸又はケーブル509を用いることなく直接ボーンアンカーに接続され、それにより切断部がボーンアンカーを囲みボーンアンカーの回りに骨に接触する。しばしばあることとして、外科医は接続される腱のためのボーンアンカー回りの領域の骨を粗面化したり、対抗する孔又はトンネルを作る。
他の実施形態では、ボーンアンカーから既に伸びている複数のストランド(ストランドの端部の針を持つ)を持つボーンアンカー450のみが使用される。別の腱修復装置109や1001は使用されない。むしろ、ボーンアンカー450から伸びる縫合糸は近位腱切断部に直接縫合される。このタイプの実施形態は、(1)近位腱切断部が大きく引き込まれていなくて、従って遠位切断部近くの切開部分に存在し、他の切開部を通して取り出す必要がなく、かつ(2)遠位腱切断部が修復に含まれない、という傷害に対して最も適切なものである。特に、前記第1の点に関して、近位腱切断部が取り出される必要がある場合には、図4Aから4Dに関連して説明された技術を用いることがより実用的であり得る。より具体的には、近位腱切断部が取り出される必要がある場合には、別の腱修復装置が、前記切断部を取り出す目的で近位腱切断部へ接続される必要があり得る。かかる状況では、前記近位腱切断部をボーンアンカーに既に縫合された腱修復装置に接続する方が、他の縫合糸の組みを追加するよりは容易であろう。
第2の点に関して、遠位腱切断部が存在する場合には、前記近位腱切断部の方に遠位腱切断部を引っ張る力を用いる前記近位切断部から出てくる縫合糸を含むことが好ましい。近位腱切断部が存在しない場合には、かかる力を用いる縫合糸は存在せず、従って遠位腱切断部は、前記2つの腱切断部の前記端部−端部接触を前記腱切断部の治癒の前に滑って離れてしまう恐れがある。
ボーンアンカー実施形態による修復では、遠位端部への負荷は骨とボーンアンカーにより完全に受け止められる。
予備試験では、本発明の原理に基づき実施される腱再接続の破壊強度は約70から100ニュートンであることを示した。従って、本発明の原理に基づく腱及び靭帯修復の結果、従来の治療標準よりもずっと強い修復となる。
さらに、前記手順は現在の標準治療に比べて大きく単純化される。
第3の例示的実施形態
図5は本発明の原理による他の実施形態を示す。図5は、前記腱修復装置109が前記腱切断部に縫合された後の段階で、本発明のこの実施形態による近位腱切断部153aの拡大図である。これは、図2Eで示される段階と本質的に類似するが、しかし縫合を結び目の対で結ぶ以外のステッチで終了する異なる方法を示す。
この実施形態は、外科医が結び目を結ぶ必要がない限り、前記記載の手順よりも簡単な手順を含む。図5に示されるように、腱にステッチした後縫合糸147aから147gの結び目を結ぶよりもむしろ、クリンプ603が前記ステッチに対してそれぞれの縫合糸上を動くだけ動かして進め、その後クリンプ装置でクリンプし前記クリンプを前記縫合糸にロックし、それにより前記ステッチを前記腱にロックする。曲がった針114a−114g及びクリンプ603の具体的な構造により、前記クリンプは縫合糸147a−147g上の前記針の上及び回りを滑らせることができる。これができない場合には、前記針114a−114gは、対応するステッチが前記クリンプが前記縫合糸上に配置され得るように結ばれた後、前記縫合糸147a−147gが切断され得る。この実施形態では、限界は、縫合糸で結び目を結ぶことは必要なく、手順を簡単にする。外科医は、望ましい全てのステッチを作るために縫合糸を使用する自由を持つが、前記端部で結ぶことは必要ではない。
第4の例示的実施形態
図6A及び6Bは、2つの腱修復装置109(又は腱修復装置109とボーンアンカー115)をお互いに接続するためのクリンプ接続装置115の他の例を示す。この実施形態では、前記接続装置701は、2つの平行に長手方向に貫通孔を持つ接続像装置本体711を含む。本体711は、円筒形、長方形又は全ての他の適切な形状であり得る。他の孔717が本体711の、長手方向の貫通孔713、715の方向を横切るように設けられる。ブロック719の形状のピンが前記横切る孔717に適合する。従って、図6Bに示されるように前記ブロックは前記横切る孔717内に挿入され、これはまた長手方向の貫通孔713、715の部分を横方向に通る。図6Bに示される前記ブロック719、前記横方向孔717、長手方向貫通穴713、715、及びケーブル部分144(前記長手方向貫通穴713、715を貫通する)の寸法は、前記横切る孔717内に挿入される場合に前記ブロック719が、前記ブロック719の側壁と前記長手方向孔713、715の側壁との間で長手方向孔713、715内の前記ケーブル部分を圧縮され、それにより前記接続装置701内に前記ケーブル部分を捕捉するように選択される。
従ってこの実施形態では、前記クリンプ接続装置をクリンプ道具で圧壊するよりは、プライア又はクランプタイプの道具で前記ブロック719及び前記接続装置701に作用させ、前記ブロック719を、前記長手貫通孔713、715内に前記ケーブル部分144の抵抗に対抗して前記結合装置701内に押し込み、それにより上で記載にように前記ケーブルを捕捉する。
前記接続装置のこの実施形態のいくつかの利点は、ロックするために必要な力がずっと低いということであり、これは前記ブロック719は塑性変形される必要がないからである。むしろ、この機構は、前記ロックするために前記接続装置701の内側壁に対抗するケーブル部分のくさび止めに依存する。
上の記載に加えて他の多くの縫合技術がある。本発明は、外科医が望ましい全ての縫合技術を使用することを容易にする。他の実施形態では、腱修復装置は、4縫合糸のみ含み、腱修復装置が4よりも多くの縫合糸を持つ場合には、外科医は使用しない縫合糸を切断することを決めることができる。例えば、図1−2Lの腱修復装置の縫合糸の2つ、例えば縫合糸147a及び147gは、図2A−2Lの実施形態に関連して既に説明されたようにクロスステッチを用いて腱を縫合し共に結ばれる。ただし、前記結び目から伸びる縫合糸147aと147gの残る遠位部分はこの時は切断されない。次に他の2つの縫合糸、例えば147b及び147fがまた、図2A−2Lの実施形態に関して説明したように、前記第1の2つの縫合糸及びその結び目とは異なるレベルで腱を縫合する。その後、縫合糸147a及び147bは結び目に結ばれ、縫合糸147gと147fは他の結び目に結ばれる。ここで、縫合糸147a、147g、147b及び147fの遠位端部が切断され得る。他の3つの縫合糸、147c、147d、147eは切断されるか、使用されないか、又は他の結び目を作るために使用され得る。この技術での前記縫合糸の2対の相互依存性は、前記縫合糸が腱から剥がれないことをより大きく保証する。
他の実施形態では、縫合糸の3対がまた、前記第2の2対の縫合糸と共に結び付けられ得る。縫合技術及び縫合糸の結び付ける種々の方法は、実際上無数にある。
第6の例示的実施形態
図8Aは、腱修復装置の他の実施形態を示す。この実施形態は、腱切断部のいずれか又はいずれもが別の切開部から取り出され、傷サイトに戻されるように案内される外科手順に特に適するものであるが、それだけには限定されない。この実施形態は、望む場合に、単一の腱修復装置のみを用いる修復を行うことを可能にするという利点を有する。
この実施形態から分かるように、図1−2L及び4A−4Eで示される実施形態における場合のような、前記アンカーの一方の側に複数の縫合糸を持ち又前記アンカーの他方の側に1つのケーブルを持つものではなく、この腱修復装置は腱修復装置の両方の側901aと801bに複数の縫合糸を持つ。より具体的には、この腱修復装置は、その長手方向に沿って1つ又はそれ以上の中間点で一緒に付された4つの縫合糸947a−974dから形成される。1つの実施形態では、これは製造する際に特に便利であり、前記腱修復装置901は、4つの縫合糸947a−947dを持ち、これらを共に中間で保持する少なくとも1つのクリンプ949を含む。このクリンプは、初めはクリンプされておらず、従ってこれは手順の際には前記縫合糸の長手方向に沿って滑らせることができる。これを、手順のあらゆるところで、前記縫合糸に対する位置をロックするためにクリンプされ得る。いくつかの手順では、全くクリンプされない場合も可能である。
この実施形態では、前記腱修復装置901は、図8Bで示される状態で外科医に渡されることが好ましい。即ち少なくとも1つの側901aが狭い鞘(例えばプラスチックチューブ)に含まれた形で渡され、これにより容易に前記フランジ付きカテーテルに通すことができる。しかし、前記針、縫合糸及びカテーテルの直径及び前記装置の縫合糸の数及び前記フランジ付きカテーテルの材料に依存して、鞘は必要ない場合もあり、又は端部901aの一部のみをカバーするだけの場合もあり得る(針913a−913dの先端部(チップ部分)のみ、など)。この実施形態では、前記鞘911内に置かれるクリンプ949の901a側の縫合糸の端部に付される針913a−913dは、直線形状である必要があり、これにより前記鞘911及び/又は前記カテーテル101、103内に容易に適合させ得る。縫合糸947a−947dの他の端部に付される針は、縫合を容易にするために曲げられていてよい。しかしそれらもまた直線でもよい。
前記外科手順の前半は、図2Aから2Lを通じて示された前記第1の実施形態に関連して上で説明された手順と本質的に同じである。より具体的には、前記手順は、図2Fに示される段階までその実施形態と同じであり、違いは、前記中間クリンプ949の遠位側から伸びる単一ケーブル144の代わりに、ここでは鞘911内に含まれた4つの独立した縫合糸(又はケーブル)があるということである。
前記装置が1つの腱切断部を縫合した後、4つの針と縫合糸を含む鞘911が既に説明したように前記滑車系を通じて前記傷の側へ横切る。次に、前記保護鞘911が除去され;それにより4つの縫合糸947a−947d及び直線針913a−914dが取り出される。
1つの実施形態では、鞘911は、ナイフ又はハサミで切断される。他の実施形態では、前記鞘は手でちぎられ得る。 さらに他の実施形態及び特に前記示された実施形態では、鞘911は、前記鞘の材料内に埋め込まれた糸などのような、一体化されて、前記鞘の少なくとも1つの端部を超えて伸びる「尾(テール)」部分911bを持つ長手方向ストリップ911aを持ち、それによりこの部分は外科医により掴まれて鞘から引き剥がされ、それにより前記腱切断部へ付される針を取り出すことができる。又は、前記ストリップは、前記鞘の全長手方向に走る、弱められた鞘の半径方向部分を含むことができる。前記弱められた部分は、前記鞘の一片であって、前記鞘の残部と一体化されて形成されるが、前記鞘の残部より薄い壁厚さを持つ一片を含み得る。
前記クリンプ949は、前記装置901上での位置をロックするために前記手順のこの段階でクリンプされ得る。例えば、これは、この位置で縫合された腱切断部902aの端部のすぐ近くでクリンプされ得る。
この実施形態を用いる場合、他の腱切断部902bは好ましくは、取り出される必要がなく、前記傷サイトに暴露される。しかし、これを異なる切開部を通して取り出す必要がある場合には、あらゆる適切な技術(腱取り出しための従来技術を含む)を用いて、又は上で説明された前記プーリーカテーテル及びフランジ付きカテーテルを用いて取り出すことができる。例えば、小さい縫合糸が前記腱に一時的に縫合され、前記縫合糸を、前記第1の実施形態に関連して説明されたように前記プーリーカテーテル101及びフランジ付きカテーテル103を用いて前記指の滑車系を通して進めることができる。
全ての場合において、他の腱切断部902bを前記傷に暴露させ、前記2つの切断部902aと902bとを互いに対抗するそれらの端部へ配置され、前記腱修復装置の前記第2の端部901aが前記遠位腱切断部902bへ縫合され得る(これは、前記第1の実施形態に関連して説明された方法と同じである)。前記2つの腱端部902a、902bをお互いに併置することに注意するべきである。というのはこれができない場合には、前記最初の縫合が終わってロックされた後前記腱切断部の端部の相対位置を調節することが難しくなるからである。腱ホルダー107が、既に説明したように、お互いに併置されるように腱端部を保持するために使用され得る。前記縫合糸は既に説明したように前記腱に対にして縫合され得る。前記修復は前記2つの切断部の間を既に説明したように腱上膜縫合をして終了する。
この実施形態は、クリンプ接続装置やクリンプ用道具が必要ないということ、及び部品が少ないという利点を持つ。例えば、1つのみの腱修復装置が手順に含まれ、腱修復装置は図8Aに示されるような両方向に向けられている。
第7の例示実施形態
図9A−9Cは、両方の腱切断部が、2つの切開部の間の組織を通って動かされることで前記修復サイトへ取り出される必要がある場合に修復する場合に特に適した腱修復装置及び技術の他の実施形態を示すが、それに限定されるものではない。図9Aは、この実施形態による前記腱修復装置951を示す。この実施形態では、2つの腱修復装置951が使用され、それぞれは2つのストランド又はフィラメント953aと953bを有し、それぞれのストランドはその端部に針を有する。図示された実施形態では、曲げられた針954が第1の端部に設けられかつ直線針955がそれぞれの端部の第2の端部に設けられる。単一の腱修復装置を含む前記2つのストランドは、他の実施形態に関連して既に説明されたような、スライド可能なクリンプ956によりそれらの中間で結合される。前記クリンプ956は最初はクランプされず、前記装置に沿ってスライドすることができ、望む場合には手順の適切な段階でクランプされ得る。
図9Bに示されるように、それぞれの腱修復装置951−1及び951−2の1つの端部951aがそれぞれの腱切断部961a、961bへ前記端部の2つのストランドを用いて縫合される。それぞれの修復装置の他の端部951bは最初は鞘968内に包まれており、これは図8Aと8Bでの実施形態と類似の実施形態であり、前記鞘は、他の実施形態との関連で上で説明された前記プーリーカテーテル及びフランジ付きカテーテルを用いて指の滑車系などの組織を通過させる目的のためである。しかし図8Aと8Bの実施形態に関連して上で留意したように、前記鞘は必ずしも必要ではない。
次に、前記腱修復装置とそれに縫合された腱切断部が、前記プーリーカテーテルと前記フランジ付きカテーテルを用いて前記修復切開部へ組織を通して引っ張られ得る。この点での腱修復手順の状態が図9Bに示されている。次に図9Cを参照して前記2つの腱切断部961aと961bが一緒にされる。望む場合には、それらは、前記腱切断部961aと961bのそれぞれに1つの針205、207で前記腱ホルダー107を用いて位置を保持され得る。
次に、第1の腱修復装置951−1の前記2つのストランドの自由端部951b(前記第1の腱切断部961aに既に縫合されたものの他の端部951a)が前記第2の腱切断部961bへ、好ましくは前記修復装置951−2の縫合とは異なるレベルで縫合される。同じく、第1の腱修復装置951−2の前記2つのストランドの自由端部951b(前記第1の腱切断部961bに既に縫合されたものの他の端部951a)が前記第1の腱切断部961bへ縫合される。終了した修復が図9Dに示される。前記修復は、望む場合には、既に説明したように腱皮膜縫合を行なって終了することができる。
図8A−8Bの実施形態と同様に、この実施形態は、2つの腱切断部の間を走る4ストランドと、それぞれの腱切断部での異なるレベルでの2つの縫合を与え、非常にしっかりとした修復を与える。
第8の例示的実施形態
図10Aは、本発明の他の実施形態による腱修復装置を示す。この装置1001は、図9Aの装置と本質的に同じであるが、以下詳細に説明するように鞘の一方側で異なる。これらの実施形態では、図1及び2A−2Lに示される前記第1の実施形態と同様に2つの腱修復装置が使用される。しかしこれらの腱修復装置1001の両方とも図8A−8B及び9A−9Bで示されるようにそれぞれの端部に複数のストランドを有する。より具体的には、それぞれの腱修復装置1001は2つの縫合糸1047aと1047bを持つ。前記2つの縫合糸はそれらの中間端部で、クリンプ1049又はスライドスリーブにより一緒にされる。又は前記2つの縫合糸はお互いに独立している。
さらには、腱修復装置1001は、その長さをずっと超えて単一のケーブル又は縫合糸を含み、前記アンカーの対抗する端部のほんの近くで2つの縫合糸に別れる。また、かかる腱修復装置は、その長さをずっと超えて2つのお互いに拗られた縫合糸から形成され、前記拗られた部分を保持する前記拗られた部分のそれぞれの端部でクリンプ956などのクリンプの対抗する端部近くで別れる。図8A−8B及び9A−9Bで示される腱修復装置の実施形態のように、直針1013a、1013bは好ましくは前記装置1001の少なくとも1つの端部1001aに適用され、及び曲げられた針1014a、1014bは他の端部1001bに適用される。示されるように、前記腱修復装置は、縫合糸及び鞘1011内に囲まれた端部1001aの直針1011a、1011bと共に外科医に渡される。腱修復装置のこの実施形態を用いて腱を修復するための手順及び装置は、前記第1及び第2の実施形態に関連してすでに説明されたものに類似する。具体的には、腱切断部の1つ又は両方が、必要な場合には、図1及び2A−2Lで示された本発明の第1の実施形態に関連して説明されたものと全く同じようにして指の滑車系を通じて取り出され得る。ただしこの場合には2つの縫合糸のみが前記腱修復装置1001の一方1001bでそれぞれの腱切断部に縫合される。
この実施形態では、2つの腱修復装置1001−1及び1001−2が使用される。腱修復装置1001−1及び1001−2のいずれかの一方側1001aが、前記腱切断部の1つに縫合される。
図10Bは、どのようにしてこれら2つの修復装置1001を、本発明のこの実施形態によりお互いの回りをループを形成することで修復するために使用することができるかを示す。一般に、1つの腱修復装置1001−1は折り畳まれてループ1091を形成し、前記第1の腱切断部1087aに縫合され、他の腱修復装置1001−2は折り畳まれてループ1092を形成し、かつ他の腱切断部1087b内に、以下詳細に説明されるように前記中間部で結合された前記ループと共に埋め込まれる。
具体的には、前記第1の腱修復装置1001−1の、前記2つの縫合糸1047a、1047b及び一方側1001b上の曲げられた針1014a、1014bが、前記第1の腱切断部1087aに、上の実施形態に関連して説明されたことと基本的に同様にして、前記それぞれの腱切断部の端部から突き出された前記装置の他の端部1001aで縫合される。
次に、図10Bを参照して、前記第1の腱修復装置1001−1の他の端部1001aは、前記切断部を通って同じ切断部内を戻され、前記腱修復装置1001−1が前記腱切断部1087aの端部から突き出るループ1091を形成する。これは、前記2つの縫合糸及び直針1014a、1014bのそれぞれを、前記腱切断部1087aの端部を個々に通して戻し、かつそれらを前記腱切断部の側から引っ張り出すことで実施され得る。前記縫合糸は引っ張られる必要があり、これにより前記ループ1091が、1ミリメートル以下で前記腱切断部1087aの端部から飛び出す。好ましくは、前記縫合糸は引っ張られ、それによりループ1091は全く飛び出さず、本質的に前記腱切断部1087aの物質の内部にある。その後、2つの縫合糸1047a、1047bは、上ですでに説明された実施形態に関連して説明された方法と本質的に同じ方法で腱に縫合される。この時点で、腱修復装置100−1の両方の端部1001a、1001bは前記腱切断部1087aへ縫合され、ループ1091が前記腱切断部の裂傷端部に位置する。
次に、前記第2の腱修復措置1001−2が、前記第1の腱修復装置が前記第1の腱切断部1001aに付されたと本質的に同じ方法で、前記第2の腱切断部1087bへ付される。ただしこの場合、前記腱修復措置1001−2の端部1001aの第1の端部で前記第1の2つの針1013a、1013bが前記腱に縫合される前に、前記他の2つの針1014a及び1014b及び縫合糸1047a、1047bが、前記第1の腱修復装置1001−1により形成されたループを通して、前記第2の腱切断部1087bへ縫合される前に第2のループ1092を形成する。前記第1の腱修復装置1001−1の前記ループ1091が、前記第1の腱切断部1087の物質内である場合には、前記第1の腱切断部の物質は、前記第2の腱修復装置の針及び縫合糸が前記ループを通るために一時的に前記ループを暴露するために適切な引き出し装置を用いて引き出される必要がある。又は、外科医は、単純に前記腱物質を前記第2の腱修復装置1001−2で突き刺して前記ループ1091にアクセスし得る。その後、前記第2の腱修復装置1001−2の前記第2の端部1001bで前記2つの縫合糸と針1014a、1014bが、前記第2の腱切断部へ縫合される。この実施形態は、前記2つの腱切断部間の4ストランド修復のための他の技術を提供する。
第9例示的実施形態
図11A−11Eは、他の実施形態及びそれに使用される関連技術を示す。この技術は、ここで開示される方法及び装置の両方の他の実施形態の構成及び側面のいくつか又は全てに関連して使用され得る。図11Aは、この他の実施形態により装置の斜視図である。特に、この実施形態では、前記フランジ付きカテーテルが、漏斗形状の案内部材1101と置換される。
1つの好ましい実施形態では、漏斗1101は、生体適合性プラスチックなどの生体適合性材料から形成され、比較的剛性であり、容易に潰れない。前記漏斗1101は、小さい開口部1102を1つの端部に有し、大きな開口部を他の端部1103に持つ。漏斗1101は、負荷のない場合には円錐台形状表面を持つが、その全長に沿って切れ目1104があり、それにより前記切れ目に沿って半径方向に弾性的に広げられ、前記円錐台形が変形されて、前記切れ目1104に横方向の隙間を与え、ここを通して腱、靭帯などが前記漏斗内に挿入され得る。又は、広げられて半径方向に隙間を与える限り、前記漏斗はある程度前記切れ目で重なり得る。
前記小さな開口部1102は、腱を通して導入するために使用される解剖学的通路への入口よりも小さい必要があり、前記大きい開口部1103は前記解剖学的通路よりも大きい必要がある。例えば、指の腱の修復に関連して上で説明した本発明の種々の実施形態で、前記小さい開口部は前記指の滑車内に入れることを容易にすることを助けるサイズである必要がある。前記漏斗1101の他の端部での大きい開口部1103は、縫合される腱修復装置と共に腱切断部を容易に受け入れるに十分な大きさである必要がある。ハンドル1197は、前記漏斗1101の側から伸び、外科医により操作を容易にするように与えられている。
図11B−11Dは、前記漏斗1101を用いる外科手順を示す。図11Bを参照して、プーリーカテーテル101が、上で説明したように2つの切開部1112、1113の間の指の滑車系を通じて配置され、腱修復装置1114(これは上で説明した全ての腱修復装置であり得る)が腱切断部1116の近位側の端部へ付されている。さらに、前記腱修復装置1114の先端部1114aが、また上で本質的に説明したように前記プーリーカテーテル101の中を通るが、ただしこの場合にはフランジ付きカテーテル103を使用することはなく、かかる機能は本質的に以下詳細に説明されるように漏斗1101により置き換えられている。
この実施形態で、前記腱修復装置1114の先端部1114aは、前記腱切断部1116の端部が閉じるが前記プーリーカテーテル101のトレイル端部101bに接触しない点まで前記プーリーカテーテル101内を押し通される。次に前記プーリーカテーテル101と腱修復装置1114が、前記プーリーカテーテル101のトレイル端部101bが横切る必要がある前記第1の滑車1121の入口を通過するが、前記腱切断部1116が前記滑車1121への入口近くにあるがまた通過していない点へ指の滑車系を通じて遠位方向に引っ張られる。具体的には、上で留意したように、腱切断部1116の端部は変形されて広げられおり、これを圧縮するための構成を持たずに前記滑車1121に案内し容易に通過させることはできない。上で説明した実施形態では、かかる構成は前記フランジ付きカテーテル103であった。この実施形態では、これは前記漏斗1101である。
従って、図11Cを参照して、漏斗1101は広げられて前記腱切断部1116の上に、前記滑車1121の入口に面する前記漏斗の小さい開口部1102で滑りこませ、及び前記大きい開口部1103を前記滑車への入口から離れるように面する。より具体的には、図11Cに示されるように、外科医は前記漏斗1101を、前記滑車1121の入口に位置させ、前記滑車1121を押し広げ、腱が前記滑車内に入り通過することを容易にする。異なるサイズの漏斗が、組織部分及び/又は異なるサイズの患者の異なるサイズに適合させ、前記滑車の拡張(又は他の組織的構造)を容易にするためのキットの部分として適用され得る。
図11Cに示される位置での前記漏斗を用いて、外科医はその後腱修復装置1114の先端部1114aで前記腱切断部1116の端部を引っ張り、前記漏斗1101と前記滑車1121を通過させる。
明らかであるべきことは、漏斗1101(上の実施形態に関連して開示された前記フランジ付きカテーテル103の前記フランジ部分159と同様に)による問題は、常にではないがしばしば、腱切断部に付された腱修復装置の端部を持つ腱切断部の端部が、前記滑車を通る通路よりも大きくなり滑車内の挿入し通過させることが難しくなる、ということである。前記漏斗(上で説明したフランジ付きカテーテルのフランジ部分159と同様に)は、徐々に前記滑車内に挿入し通過させる前記腱切断部の端部を含む(又はあり得る場合として他の狭い解剖学的組織通路)。この実施形態の漏斗1101はまた、さらに通路を容易にするために前記滑車への入口を広げるように作用する。
フランジ付きカテーテル103を用いる実施形態とは異なり、この実施形態では、即ち1101は前記滑車を通過することはない。これは図11Cで示される位置、前記滑車の入口の直ぐ内側に維持され、一方腱切断部1116は漏斗1101及び滑車1121を摺動して通過する。腱切断部1116の端部が滑車1121を通過すると、漏斗1101を除去する。具体的には腱を滑らせて取り出すように漏斗を広げ得る。又は前記漏斗を切断して除くことができる。図11Dは手順のこの時点を示す。
腱切断部1116が第2の又は続く滑車を通して案内される必要がある場合には、同じ工程が前記第2の滑車に対して本質的に繰り返される。例えば、前記腱が第2の滑車を通過する必要がある場合には、他の切開部が前記滑車の上に作られ(前記指の対応する曲げ部分に)、前記記載の工程を同じ又は異なる漏斗を用いて繰り返され得る。しかし、しばしば漏斗の助け無しでは前記腱が第2の又は続く滑車を通って縮み得る場合などに、最初外科医は、前記腱を前記漏斗を用いずに引っ張る試みを行う必要がある。
本出願が優先権を主張し、参照されることによって本明細書に組み込まれるUS仮特許出願番号61/506,809は、例えば、漏斗及び本明細書で述べられた他の案内部材を使用して、滑車を配置し、従って滑車を介して腱を案内する如何なる切開を配置する、技術を開示する。前記出願の内容は、見出しAppendix Aの元、本明細書に含まれる。
前記腱切断部はその後場合に応じて前記記載の腱修復装置及び/又は技術の全ての1つを用いて、(1)前記遠位腱切断部に直接付され得るか、(2)前記遠位腱切断部に付された他の腱修復装置へ付されるか、又は(3)ボーンアンカーへ付され得る。
図11Eは、前記案内部材に他の実施形態を示す。この実施形態での案内部材1140は、切れ目のある中空円錐台形形状であって、小さい直径端部143と大きい直径端部1144を持ち、円錐台形形状表面の一部分が除かれている。前記除かれた表面の一部分により定められる横開口部1142は、使用を意図する前記具体的な腱、靭帯又はその他の解剖学的構造を容易に挿入することを可能とするために十分広く、しかし前記腱が部材1140から偶然に滑り落ちることがないように十分狭いものであるべきである。従って、好ましくは、前記開口部は前記台形表面の50%未満である。前記開口部は、例えば前記台形表面の約5%−35%であり、1/3であることが好ましい。この実施形態では、前記案内部材1140は、そこに前記腱を挿入するために変形させる必要がないため、好ましくは、実質的に剛性であり、通常の負荷では変形されないものである。これは、ステンレススチールやチタンなどの生体適合性材料から形成され得る。また、ハンドル1198が設けられ、外科医による前記案内部材1140の扱いを容易にする。
この実施形態の前記案内部材1140は、上の実施形態の漏斗1101に関連して上で説明された方法と本質的に同じ方法で使用され得る。ただしこの場合は前記部材1140は前記腱を挿入するために広げられることはない。むしろ前記腱は前記横開口部1142を通って前記部材内部へ容易に置かれ得る。これまでの実施形態同様に、ハンドル1198は、外科医による操作を容易にするために提供され得る。
この実施形態は、前記部材に腱をより容易に挿入できることから有利である。さらに、前記案内部材は剛性であり、従って前記組織のより効果的な拡張を与える。
図11Fは、前記案内部材の他の実施形態を示す。図11Aの実施形態と同様に、この実施形態の案内部材1150は、小さい開口部1152と大きな開口部1153を持つ漏斗である。その全長さに沿って切れ目があり、それにより前記切れ目1154で半径方向に広げられ、弾性的に前記漏斗を変形して、前記切れ目1154で横方向隙間を与え、そこを通って腱、靭帯などが前記漏斗に挿入され得る。
リップ1156が、前記大きい端部に設けられ、前記漏斗が滑車を通って間違って引っ張られないように防止する。小さいハンドル1157は、外科医が前記案内部材1150を掴むための場所を与える。小さいハンドルの使用又はハンドルのないリップのみの使用はそれ自体、外科医が前記案内部材をその長手軸の回りに回転させることを容易にする。特に、回転させることは場合により、前記案内部材の小さい端部1152を前記滑車に導入する際に助けとなる。より長いハンドルは前記案内部材を自由に回転させる場合に邪魔になり得る。というのはより長いハンドルは、例えば患者の手のその他の部分やその他の外科手術器具などの障害物に当たる可能性が高くなる。
さらに他の実施形態では、前記案内部材は、螺旋形状を持つ、前記切れ目に重なる切れ目を持つコーン形状として形成され得る。前記重なりは、相対的に狭く、半径方向の重なりが、負荷がない場合に約5°と90°、好ましくは約70°との間の範囲である。特に、半径方向の重なるが大きすぎると、前記腱が通る必要がある隙間を広げるために十分前記案内部材を広げることが難しくなる。
前記切れ目での重なりを持つ実施形態はいくつかの利点を持つ。第1に、前記重なりは、前記隙間を広げる拡張圧力が除かれる前記案内部材内の前記隙間から前記腱が偶然滑り落ちるということが本質的に不可能となる。第2に、前記重なりは、前記案内部材の半径方向のサイズをある程度調節可能とする。すなわち、前記案内部材の外側壁への内向きの半径方向力を与えることで、前記案内部材の半径は一時的に小さくなり、前記案内部材の小さい開口部を必要に応じて滑車に適合させる助けとなる。逆に、前記案内部材の半径は必要に応じて一時的に大きくされ、前記側壁の隙間を広げることなく(これは、前記隙間を通って前記腱切断部が偶然に前記案内部材から出てしまう恐れがある)前記案内部材の小さい端部での開口部を腱が通過することを可能とする。より具体的には、前記案内部材により前記滑車を通過するように案内される腱切断部が前記案内部材の前記小さい端部での開口部よりも小さい場合には、前記腱修復装置及び腱切断部への引張力はまた、前記案内部材の内部壁への半径方向外向きに力を同時に適用するものである。かかる外向き半径方向の力は、前記案内部材を半径方向に広がらせ、これにより前記小さい端部での開口部の直径を増加させて、前記腱切断部が通過することを可能にする。
図11Gは、案内部材のされたに別の実施形態を示す。この案内部材1160は、図1から2Lの実施形態のフランジ付きカテーテル103及び図11A、11E及び11Fの案内部材のハイブリッドと考えられ得る。特に、フランジ付きカテーテル103のように、案内部材1160は、腱切断部及び修復装置と並んで、滑車系を通るように適合される。それは、腱を保護し、滑車を通る必要がある時にそれを均一に圧迫するのを助け、及び通るのを助けるように滑車への滑らかな表面を示す。しかしながら、図11A、11E及び11Fの案内部材のように、それは、比較的短く、漏斗形状の部材である。
案内部材1160は、その先端部1171でのより小さい穴部1165及びその終端部1172でのより大きい開口部を有する、錐台形状の要素である。前記部材の先端部は、それが挿入されるであろうプーリーカテーテルよりも小さくあるべきであり、終端部はより大きくあるべきである。案内部材1160は、図11A、11E及び11Fと同様に、分割され得、腱及び修復装置は、それに横方向に導入され得る。しかしながら、示された実施形態は分割でなく、腱及び修復装置は、それに縦方向に導入されなければならない。
部材1160の先端約三分の一1161はソリッド(solid)である。終端部1162は、長手方向後方に伸び、ギャップ1168によって分けられた、複数のリーフ1166(この実施形態において4つ)を含む。好ましくは、部材1160は、完全にソリッドな錐台部材及びそれらから出発し、ギャップ1168を形成するように材料を除去する(切断することによって等)ことによって形成される。ギャップ1168は、滑車系及びプーリーカテーテル101よりも直径が大きい、案内部材1160の終端部1162を、その中に含まれる腱切断部を有する滑車系を通り抜ける、より小さい直径へと入れるのを許す役に立つ。
リーフレット及びギャップを有するデザインは、案内部材が滑車を通るためにそれ自身つぶれる時に、実質的に、リーフレット1166が互いに重なるのを防ぎ、したがって、案内部材1160の終端部1162が、できる限り小さい直径につぶれることを許す。ギャップ1168の前部は、好ましくは部材1160が割れることを防ぐのを助けるために、アーチ形の端部1164を形成するように切断される。特に、もしギャップ1168bがある地点で途切れるようにまっすぐ切断される場合、部材1160の変形(滑車系を通るための)は、故意ではなく前方に伸びるような切断を引き起こし得る。前記切断の前端部でのアーチ形の表面は、これが起こることを防ぐ役に立つであろう。
案内部材のテーパは15度であっても良い。ホール1165の外径は、それが挿入されるであろうプーリーカテーテル(又はそれが挿入されるであろう他のカテーテル、例えば、更に下記の別の他の実施形態と関連して議論される拡張カテーテル1301)の内径よりも小さくあるべきであり、後方の開口部がプーリーカテーテルよりも大きいような、後方に直径で拡張するべきである。この方法において、案内部材1160の前部は、プーリーカテーテル101の終端部へと挿入され得、また、ホール1165は、腱切断部よりも小さく、腱切断部は、それを通ることができない。好ましくは、後方の開口部は、実質的に、プーリーカテーテル及び腱切断部よりも大きく、なぜなら、案内部材1160の後方の開口部の目的の少なくとも一部は、修復装置及び腱切断部をその中へと挿入することを用意にすることであるからである。一実施形態において、ホール1165は、直径で約1mmであり、終端部は直径で約8mmである。一実施形態において、案内部材のソリッド部1161の最も広い部分は、系が通されるであろう最も小さい滑車よりも小さく、案内部材のソリッド部1161はくしゃくしゃにする又は潰す必要がない。ふぃーふ1166だけが潰れ、内側に折り畳める。一実施形態において、深指屈筋での使用に関して、ソリッド部の最も大きい(即ち、その後方での)直径は、約4mmである。
案内部材は、可撓性である薄膜材料から作られ得、それは、滑車系を通り、その中に含まれる腱切断部を押しつぶすために、それ自身くしゃくしゃにすることができるが、力が解放されたときに、その元の形状に戻る性質を有する。一実施形態において、案内部材は、0.02mm厚さのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムから形成される。もし、案内部材が分割されているなら、腱は、如何なる時において、横方向でそれに挿入され得る。しかしながら、もしそれが分割されていないなら、示される実施形態のように、その時、修復装置及び腱切断部は、修復装置のプーリーカテーテルへの挿入の前に又はそれと同時に、案内部材1160へと挿入されなければならない。
案内部材1160は、図1から2Lのフランジ付きカテーテル103と同様に使用され、即ち、それは、修復装置及び腱切断部と共に滑車系に通される。具体的に、プーリーカテーテルが滑車系を通って所定の位置にあり、修復装置が前述されたように腱切断部に取り付けられた後、案内部材1160の先端部1171は、プーリーカテーテル101の近接端部に挿入される。次に、修復装置は、案内部材1160の後方の開口部へと長手方向に挿入され、案内部材1160を通って、プーリーカテーテル101へと、腱切断部の端部が、案内部材1160の中にあるまで、前進される。外科医は、その後、図2Aから2Lの手順と関連して実質的に述べられたように、滑車系を通じて、集h区装置、プーリーカテーテル、案内部材及び腱切断部(折り畳み式の案内部材1160内に含まれる)を引っ張ることができる。案内部材1160は、指の滑車系を通るために必要とされるように、腱切断部の周りで潰れ、腱切断部を押しつぶすであろう。
外科医の休息は、その後、本明細書で議論されたすべての方法で達成され得る。
第10例示的実施形態
本発明はこれまで、2つの腱切断部及び/又は1つの腱切断部を骨に直接接続することに関連して説明されてきたが、当業者に理解されるべきことは、これはまた腱移植片を使用する修復に関連して適用され得るものであるということである。かかる状況において、前記腱移植片の1つの端部は1つの腱切断部に接続され、かつ前記腱移植片の他の端部は上で説明した装置及び技術を用いて他の腱切断部又は直接骨のいずれかに接続される。前記腱移植片は、患者の足などの患者の身体の他の部分から取り出されるか、又は同種移植片であり得る。
本発明の他の側面によれば、癒着バリアとして機能する薄壁チューブが前記修復位置の腱上に置かれ、前記腱が前記指滑車系を通って滑動することを容易にする。より具体的には、傷害を受けた腱、靭帯又はその他の長い組織部が治癒すると、前記修復の位置の回りに瘢痕組織が形成される。治癒過程の間、前記瘢痕組織は前記腱の前記滑車系からの事由な動きを妨げ得る。かかる瘢痕組織を除去するためにさらなる外科手術が必要となり場合がある。
前記腱が前記滑車系から自由に動くことを容易にするために、前記修復位置が薄壁チューブの形状の癒着バリアで囲まれ得る。前記癒着バリアは、図12Aに示されるような薄壁チューブ1201を含み得る。図12Bは、2つの腱切断部が移植片の介在なく再接続される腱修復に関連して使用される接着バリアの1つの実施形態を示す。示されるように、前記チューブ1201は、前記修復が実施される前に裂傷腱切断部1203aの1つの端部にすべらせて覆い、前記修復の間は邪魔にならないように滑らせることが可能である。その後、図12Cを参照して、修復が終了した後は、前記チューブ1201は、前記修復された腱に沿って前記修復位置1204(縫合、腱修復装置御及び両方の腱切断部1203a、1203bを含む)へ滑らされ得る。好ましくは前記チューブ1201は、この時点で前記腱に少なくとも1つのステッチ1221で縫合され、好ましくは前記チューブのそれぞれの端部で少なくとも1つのステッチ1221で縫合される。
前記チューブは、治癒が前記腱の外側向きではなく(この場合は瘢痕組織が前記腱が前記滑車系を通る自由な動きを邪魔し得る)、前記腱の長さに沿って起こる(前記チューブ内)ことを可能とするバリアを与える。前記チューブはまた、前記チューブ内で前記修復された組織の通路を最終的に与え得る構造を支持するための前記チューブ直径の外側に成長させるための案内を与え得る。前記チューブの外部及び内部表面は潤滑性で低摩擦係数を持つ必要があり、それにより(内部の腱と共に)前記滑車系を通って自由にスライドでき、かつ前記チューブを治癒の後に取り出され得る。
前記チューブの壁厚さは、修復される組織に最小の嵩張りを与えるようにできるだけ薄くする必要がある。しかし、前記チューブの最善の壁厚さは、前記修復の外科的応用に依存し、修復される組織に比較して比例して薄くされるべきである。前記チューブの長さ及び直径は、もちろん、前記具体的な修復に主に規制され得る。さらに、前記チューブは生体的不活性材料から形成される必要があり、例えば、TeflonTM、PET、PTEF及びEPTFEなどのフルオロポリマー系又はシリコーンポリマー系から選択される。好ましくは前記チューブは、腱を健康に保つために流体が流通して交換可能となるように多孔性である。これは穴又は他の開口部を有し、流体移動を容易にする。好ましくは前記穴は組織がそこを通って内殖させないように十分小さいものである。これはまた、潤滑剤でコーティングされて、前記滑車系(又は他の解剖学的制限)を通って摺動することを容易にする。前記腱の治癒の期間の指の受動運動はまた、前記チューブ内の穴を通って回りの組織への全ての腱の瘢痕組織接着を予防する。
前記チューブは、前記修復位置を覆うに十分な長さである必要がある。移植片を用いる修復の場合には、前記移植片の長さ、アクセスの容易性及びその他のファクタにより、単一の長いチューブが、移植片の両方の端部を覆うために使用され、又は2つの分離した短いチューブが使用され得る。
前記チューブは、治療の期間、数週間から数ヶ月の間置かれたままである。治療期間の最後に、前記チューブの1つの端部の近くに1又はそれ以上の小さい切開部を作り前記チューブを外科医が前記チューブを切断して前記切開部から引っ張り出すことで除去され得る。他の実施形態では、前記チューブは時間が経てば簡単に溶解される生体吸収材料(前記生体吸収材料が接着又は吸収される際に局所組織反応を促進しない限り)で形成される。生体吸収材料の例は、クロスリンクヒアルロン酸又はその他の生体不活性ポリマーである。なお他の実施形態では、前記接着バリアは、その全長さに沿って切り目を持って提供され得る。これによりそれを除去する際に切断を必要とせず、切り目を簡単に広げて腱から除去することができる。かかる実施形態はまた、前記修復が完了した後に前記接着バリアを広げてそれを滑らせて前記腱を覆う選択を容易にし、それにより前記修復の前に腱切断部の端部の上を長手方向に摺動させ、前記修復が終了した後それを前記修復位置の上に摺動する必要を除去する。これは、前記修復位置が長いか及び/又は前記修復手順の際に前記接着バリアを摺動させておく十分な前記腱切断部の長さがない場合に利点となり得る。
第11例示的実施形態
図13A−13C及び14A−14Cは、さらなる実施形態とそこで使用される関連技術を示し、前記技術はここで開示される方法及び装置のその他の実施形態の多くの構成及び側面の全てに関連して使用され得るものである。図13Aはこの実施形態例による、一体型拡張カテーテルの1つの実施形態の斜視図を示す。図13Bはこの実施形態による、多数個型拡張カテーテルの1つの実施形態の斜視図を示す。前記拡張カテーテルは、前記長い組織部(例えば腱)が通って引っ張られる必要がある通路に適合しかつ拡張するように設計される。以下詳細に説明するように、これは本質的に、上の図1及び2A−2Lに関連して説明された前記第1の実施形態の前記プーリーカテーテル101と同じように使用されて同じ機能を奏するものである。しかしこれはまた、前記通路を広げるために供される。図13Cは、前記通路を拡張するための前記拡張カテーテルに関連して使用され得る案内部材の斜視図である。特に、以下詳細に説明するように、これは本質的に、前記滑車系を通って前記拡張カテーテルを挿入するための案内ワイヤとして作用し得る。しかし、前記案内部材は、大部分の応用では必要ないものであり得る、と考えられる。
前記拡張カテーテル1301は空洞を有する細長いチューブを含む。前記チューブは、一連のステップの直径を持つ長い部分1302、1303、1304、1305を持ち、それぞれは続くその前の部分よりも大きい。図示された実施形態では、4つのステップの使用が例示のみの目的で示される。いかなる数のステップでも可能である。前記異なる直径の部分の外部直径及び数は、前記解剖学的通路のサイズ、及び前記拡張カテーテル1301が通る開口部のサイズの関数として決定されるべきである。以下の説明では、手の断裂腱を例として続ける。前記最小直径の部分は、通過されるべき考えられる最小の手のサイズの滑車系の直径よりも小さい必要があり、それにより前記最小の部分があらゆる滑車系を比較的容易に通過することができるからである。それぞれのより大きい直径部分は、前記腱切断部を通過するための準備において、ゆっくりとかつ勾配付きのステップ様式で前記滑車系をより大きいサイズに拡張するように設計されるべきである。前記拡張カテーテルの最後の最大直径の部分は、考えられる最大の手のサイズの滑車系を合理的に拡張され得る最大の直径と少なくとも同じ大きさであるべきである。
以下の説明から理解されるように、1つの例示的技術によると、特定の患者の滑車系を通過させるために必要な直径よりも大きい直径を持つ全ての部分は前記滑車系を容易に通過され得ない。従って、前記拡張カテーテルの最大直径部分は実質的にあらゆる直径であり得る。指の滑車系に腱を通過させるために使用するために適合された1つの実施形態では、前記拡張カテーテルの種々の部分は、最小直径が約10フレンチ(French)から最大直径が約18フレンチの範囲である。1つの実施形態では、、これは、9の部分、10F、11F、12F、13F、14F、15F、16F、17F及び18F直径で達成され得る。それぞれの部分は約10cmの長さを持つ。
1つの実施形態では、図13Aに示されるように、拡張カテーテルは一体型である。前記外科手順の前又はその間に、外科医が、より小さい直径の部分のいくつかが必要な直径よりも明らかに小さいこと、及び/又はより大きい直径の部分のいくつかが必要な直径よりも大きいことが分かった場合には、外科医は使用に先立って又は前記手順の間にそれらを容易に切断することができる。従って、多数の異なる解剖学的通路で使用できかつ多数の異なるサイズの患者に使用され得る単一の拡張カテーテルが提供され、これにより前記拡張カテーテルの異なる形の数を製造する必要性を減らすことができる。
図13Bに示されるような他の拡張カテーテル1310の実施形態では、それぞれの直径部分1311、1312、1314などがお互いから分離され得る。例えば、1つの簡単な実施形態では、それぞれのカテーテル部分はネック部1315をその近位長手方向端部近くに持ち、このサイズは、次のより小さい直径の部分の遠位端部と締まりばめで合うようにされている。好ましくは、前記ネックダウン部分は、次のより小さい部分の遠位端部内に適合するようにサイズ付けされ、前記種々の部分の長手方向端部のエッジが前記拡張カテーテル1310の外側へ暴露され得ない。
前記プーリーカテーテル101と同様に、前記拡張カテーテルは好ましくは生体適合性の低摩擦材料から形成されており、壁は、前記滑車系を押して通過させかつ前記滑車をその自然なサイズに対して拡張(開放維持)させる目的を果たすことができるように全体のカテーテルが十分剛性となるように十分な厚さを持ち、さらに壁は、通過する必要がある解剖学的通路内の曲線に十分従うように柔らかくかつ弾性である。例えば、これは通常の外科用血管カテーテルと類似のフレキシビリティを持ち得る。前記部分の全ての内部直径は、前記拡張カテーテルと共に使用される腱修復装置を容易に収容できる十分な大きさを持つべきである。
なお他の実施形態では、前記拡張カテーテルは異なる直径の離散的な部分を持つ必要はなく、その全長さにわたり傾斜付けられていてよい。部分化された実施形態と同様に、明らかにカテーテルの全ての部分が外科医に必要ではなく、挿入される前に切断され得る。また挿入された後、前記拡張カテーテルが解剖学的通路に置かれた後に必要でない部分が切断され得る。
図13Cは、1つの選択的な案内部材1320を示す。示されるように、前記案内部材は、前記拡張カテーテルの最小直径内の空洞の内部直径よりも小さい外部直径を持つ細長い部材を含み、それにより前記拡張カテーテルは前記案内部材の上を容易に通過する。言い換えると、前記拡張カテーテルの空洞の全体が前記案内部材1320を通過させて収容するために十分なサイズと形状を持つということである。前記案内部材1320にはカニューレ状であってよい。又はそれは固体(例えば本質的に案内ワイヤ)であってよい。前記案内部材は、相対的に剛性であって、これを前記滑車系をねじれることなく押して通過させることができ、かつさらにここで開示される技術を用いて通過されるべき解剖学的通路の曲線に沿うことができるに十分フレキシブルであるべきである。前記案内部材の外部直径は実質的に、通過されるべき解剖学的通路よりも小さくあるべきである。
大部分の実用的な実施形態では、前記案内部材及び拡張カテーテルは共に円筒形状である。しかし、円筒形状断面は必ずしも必要ではなく、前記案内部材及び拡張カテーテルが通過されるべき具体的な解剖学的通路に依存して、その他の断面形状も好ましい場合がある。用語「直径」は、この出願では非限定的に使用され、断面が必ず円筒形状であることを意味するものではない。
好ましくは、前記拡張カテーテルの異なる直径の部分のそれぞれは、通過されるべき解剖学的通路の全長さを個々に横切り、かつ外科医が容易にそれにアクセスするためにそれぞれの端部で十分に突き出るために十分な長さである。具体的には、さらに以下詳細に説明するように、前記拡張カテーテルが前記関連する解剖学的通路を通された後、前記通路に通過適合する最大の部分よりも大きい他の全ての部分は切断されて除去され得る。人の手では、10cmで十分である。
前記拡張カテーテル(及び選択的な案内部材)は、前記滑車系を拡張するために使用され、前記腱切断部が前記滑車系を拘束されることなく通過することができることを確実に保証する。前記案内部材及び前記拡張カテーテルの両方は、生体適合性ポリマーから形成された中空チューブであり、及び/又は壁厚さは曲げられるが滑車系を押し通すために十分な剛性を持つ。前記拡張カテーテル及び案内部材の相対的に剛性であることは、これを前記指の滑車系などの狭い解剖学的通路に押し込むことを可能とする。しかし、そのフレキシビリティにより、ある程度曲がることが可能となり曲がった通路全体を収容することを可能とする。好ましくは、前記拡張カテーテルは、低摩擦係数を持つ材料から形成され、前記拡張カテーテルが前記腱滑車系などの身体組織及びその回りを容易に通過することを可能とする。適切な生体適合性ポリマーには、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアリール、フルオロポリマーのホモポリマー、コポリマー及びブレンド、又は上の機械的特徴を満たすその他の全ての生体適合性ポリマー系(この装置のために、例えば他の拡張カテーテルで通常使用されるDOW社のPELLETHANETM熱可塑性ポリウレタンエラストマー (TPU)が挙げられる)が含まれる。
必要とされる前記拡張カテーテルの表面の低摩擦係数は、前記装置を構成するために使用される材料本来のものでもよく、又は潤滑剤コーティングなどの表面処理又は長手方向の溝などの表面を機械的に変性することで強化され得る。
前記拡張カテーテルの具体的な長さ、材料、壁厚さ、内部直径、外部直径及び剛性は、それが使用される具体的な腱又は靭帯に依存する。
前記内部直径は、前記腱修復装置のケーブル部分と直針を容易に収容し得る十分な大きさを有するべきである。前記拡張カテーテルの具体的な材料及び断面形状(例えば壁厚)は、前記カテーテルの剛性に影響し、上で留意したように、それを狭い通路を押し通すことができるために十分な剛性を持ち、かつ前記通路の曲がりを収容するために曲げられるに十分フレキシブルであるべきである。中節骨のレベルで深指屈筋の例示的場合には、前記プーリーカテーテルは、シリコーンで、長さ120mm、壁厚0.5mm及び外部直径2mmで形成され得る。50−90のデュロメータ(ショアA)を持つ生体適合性エラストマーが、前記拡張カテーテルのために使用され得る。
図1のプーリーカテーテル101と同様に、前記拡張カテーテル(前記案内部材を伴うか伴わない)は、ここで説明された腱修復装置及び関連する装置の事実上全てを使用し、及びここで説明された外科技術の事実上全てと関連して、腱又はその他の修復と関連して使用され得る。
図14A−14Gは、断裂腱を再接続する例示的外科手順での種々の段階を示す。前記腱切断部が引きこまれており、第1の切開部から第2の切開部へ取り出される必要があり場合(これは手の腱切断では通常である)、図示されているように最初に切開部1361が作られ(通常は手の平)、ここから近位腱切断部1370が取り出され得る。他方、前記近位腱切断部がA2滑車に対して遠位である場合、前記腱は前記A2滑車の直ぐ遠位の切開部を通して暴露され得る。最初に図14Aを参照して、案内部材が使用される場合には、前記案内部材1320は前記断裂位置で前記傷又は切開部1360内を通され、かつゆっくりと前記指の滑車系を通って前記A3滑車の下の他の切開部1361の近い方に押される。前記プーリーカテーテルが近い方に押し通せないなどの妨害に遭遇する場合には、1/2から1cmの切開部(図示されていない)が、指の近位指節間間節の皮膚の皮線と前記指の付け根の皮線との間の中間に作られる。これは、指の前記A2滑車と前記A3滑車の間のレベルである。前記切開部は、前記滑車が見えるまで屈筋鞘へゆっくりと実施される。前記滑車カテーテル1301はその後、この切開部を通して引っ張られ前記障害物又は抵抗を通過できる。前記案内部材1320は、使用される場合には、前記滑車系を通して通過させ、かつ両方の端部から突出させるために十分長いものであるべきである。前記案内部材が、前記望ましい長さより実質的に長い場合には、それを挿入する前又はその後のいずれかに適切な長さに切断され得る。
図14Bを参照して、前記案内部材1320が配置されると、前記拡張カテーテル1301(又は1310)は、遠位から近位へ作用する前記案内部材1320の上を滑らせて前記滑車を通過させる。具体的には、前記最小の直径部分1302が、前記案内部材1320の上を滑り、前記案内部材の上を押されて、他の切開部があるところまで前記滑車系を通過する。前記案内部材1320がない実施形態では、前記拡張カテーテル1301の最小の直径部分は、前記案内部材について上で説明されたように前記滑車系に容易に挿入される。
いずれの場合でも、前記拡張カテーテルの前記最小直径部分が前記環状リングを拡大するために約10mm前後に摺動される。その後次の大きいカテーテル部分が引っ張られて通りかつ同様に摺動される。これは、前記拡張カテーテルのそれぞれの長手部分について、外科医が、前記滑車系の環状リングが前記腱切断部の通過を可能とするように十分に拡大されたと判断するまで続けられる。一般には、これは、ほとんどの手にとっては約14、16又は18フレンチ直径であろう。この最大の適合カテーテルサイズは、2つの外科傷1360、1361の間に中心がある。この例では、部分1304は、前記滑車系を通過する最大の部分である。
図14Cを参照して、前記拡張カテーテル1301が配置されると、前記案内部材は、使用された場合には除去され得る。
図14Dを参照して、この時点で、前記滑車系を横切る1つ以外の前記拡張カテーテルの全ての部分が除去され得る。すでに留意したように、前記拡張カテーテルが一体型である場合には、前記拡張カテーテルのその他の直径部分は切断され得る。一方で、前記拡張カテーテルが複数の分離可能な部分を含む場合には、その他の部分は容易に引き抜くことができる。さらに、外科医はまた、必要以上に長い場合には残りの部分を切断することができる。
この時点で、前記腱切断部を再接続する外科手順は、前記プーリーカテーテルではなくて前記拡張カテーテルに通された腱切断部と前記腱修復装置を用いて、本明細書ですでに説明された全ての実施形態と本質的に同様に実施され得る。
従って例えば、図14Eを参照して、フレキシブルバリア1376が、縫合修復のために作業「テーブル」を作るために前記腱ホルダーの下に置かれ、さらに腱ホルダーは、縫合のために前記腱切断部を保持するために前記腱切断部に刺し通すために使用され得る。次に、腱修復装置(ここですでに説明された全ての腱修復装置であり得る)が前記腱切断部1370の端部に接続される。図14A−14Gは、針1402、1403をその端部に持つ単一縫合糸1401が前記修復を実施するために使用される1つの実施形態を示す。この実施形態では、1つの針が曲げられ他の直針か、又は両方の針が直線である又は曲げられ得る。実際に、修復は、前記縫合糸の1つの端部のみを用いて実施され得るが;しかしそれぞれの端部に針を持つことが有利であり、縫合がずっと迅速に実施され得る。というのは外科医は縫合糸の両方の端部から縫合することができるからである。いずれにしても、前記縫合は糸は、前記針を用いて前記近位腱切断部に縫合される。変形十文字ステッチ技術は、図15に関連して以下より詳細に説明されるが、ロックステッチであることから特に有利である。
前記腱修復装置1350が前記近位腱切断部1370に安全に固定されると、前記腱切断部は、使用されていた場合に前記腱ホルダーから外される。次に、縫合糸1350の遊離の端部1350a、1350bは、前記拡張カテーテル1301をずっと通され他の端部から取り出される(これは前記プーリーカテーテル101に関連してすでに説明された方法と本質的に同じである)。ステンレススチール縫合糸は、通常前記拡張カテーテル部分を押し通されるに十分な剛性を有する。実際に、前記腱修復装置のこれまでの実施形態に関連して上で説明したようなマルチフィラメントステンレススチール縫合糸は、強くて、あるにしても形状記憶がほとんどなく結び目の保持性が非常に良いという点で特に適してる。1例示的縫合糸はマルチフィラメントステンレススチール4−0(MFSS)縫合糸であり、これはFort Wayne Metals of Fort Wayne、IN、USAから入手できる。前記MFSSは、49本の0.023”直径316Lステンレススチールワイヤを含む。お互い巻きつけられた7本のワイヤの7組があり、それぞれの組はお互いに巻きつけられた7本のワイヤを含む。
どのタイプの縫合糸を使用する場合でも、それは、前記拡張カテーテル13010を通す前に前記拡張カテーテルの前記内部直径よりも小さい直径のロッド内の前記縫合糸の端部上の前記針の少なくとも先端部に留めておくことが好ましい。このことは、前記針が、前記拡張カテーテル1301の空洞の側に突き刺さり動かなくなることを防止する。1つの実施形態では、前記ロッドは、小さい、二つの空洞を持つチューブであり、かつそれぞれの針1351、1352が前記空洞の1つの挿入されている。前記空洞は、針1351、1352がそれぞれの空洞に摩擦適合で適合するサイズである。又は、前記ロッドは剛体(即ち、空洞を持つ中空構造ではない)であり、十分軟質材料でできており、前記針で穴を開けることができ、それによりピンクッションのように針を前記ロッドの端部内に押し込むことができる。図14Eはさらに他の実施形態を示し、チューブ1368が単一の空洞を持ち、そのサイズは針1351、1352の両方を一緒に摩擦適合で入れることできるサイズである。前記チューブは前記針の先端部を入れるだけの長さでよく、前記針が適切な摩擦適合をする十分な長さを与えるだけでよく、それにより前記チューブは針から落下することはない。
他の実施形態では、針の1つが曲げられている場合、前記針は縫合の後切断され得る。かつ露出した縫合糸端部をチューブ1368内に、前記縫合糸の他の端部にある針と共に挿入され得る。さらに他の実施形態では、前記縫合糸の1つの端部のみ前記拡張カテーテル1301を通過させることができる。従って、前記縫合糸の他の端部は、曲げられた針であって縫合の後に切断される針を持つか又は針を全く持たない。
なお図14Fはなお他の可能な実施形態を示す。この実施形態では、図14Eのチューブ1368はずっと長いチューブ又はロッドに置換されている。チューブ又はロッド1380は、前記拡張カテーテルを遠位から近位方向へ通過し、前記拡張カテーテルの両方の端部から伸びるために十分な長さである。縫合糸1350(又は他の腱修復装置)が腱スタブ1370へ縫合された後、針1351、1352が前記端部1380の近位に面する端部1380a内に挿入され、それにより外科医が前記拡張カテーテル1301の遠位端部から突き出る前記チューブ又はロッドの遠位に面する端部1380bを掴み、前記縫合/腱修復装置1350を、押して通すよりも前記拡張カテーテルを通して引っ張ることを可能とする。この実施形態は、これにより、前記拡張カテーテルを押し通す十分な剛性を持たないナイロン縫合糸などの他のタイプの縫合糸が、修復に使用することができる、という点で有利である。又は、短いチューブ、ロッド、ブロック又は前記針が一時的に固定(即ち、突き刺し、接着、テーピングなど)され得る全てのものが、前記拡張カテーテルを通して前記縫合糸を引っ張るために前記拡張カテーテル内に適合する十分薄い全ての細長い部材(例えば、他の縫合糸、狭い外科器具)に接続され得る。
さらに、前記腱修復装置/縫合糸1350が前記拡張カテーテルを通されその遠位端部1301aから伸ばされた後、前記腱切断部1370自体が前記拡張カテーテル内を通過するために十分小さい場合には、それは前記拡張カテーテル1301の近位端部1301内に引っ張られ、その後前記拡張カテーテル1301、腱修復装置/縫合糸1350及び腱切断部1370が前記滑車系を引っ張られて通過され得る(これは図1の前記プーリーカテーテル101に関連して上で説明された1つのユニットとして)。
しかしながら、図14Gを参照して、最もあり得る腱切断部1370は、縫合によるその変形及び過剰な嵩張りのために容易に拡張カテーテル1301内に適合されない。かかる場合には、腱修復装置1350の先端部が、前記腱切断部1370の端部が、前記拡張カテーテル1301の端部1301bの近くで触れない点へ拡張カテーテル1301を通して押されるか又は引っ張られる(図14Gで示される)。
次に、拡張カテーテル1301、腱修復装置1350及び腱切断部1370が1ユニットとして、前記滑車系を通して、拡張カテーテル13010の端部1301bが前記端部腱切断部1370と共に横切る必要がある前記第1の滑車1321の入口を通過した点で前記滑車1321の入口に近い点へ引っ張られる(図14Gに示される)。これは、前記既存の切開部が前記滑車入口の近くにない場合には前記滑車の端部近くにさらに切開部1333を作る必要がある。実際には、明らかとなるように、かかる追加の切開は、横切る必要のあるそれぞれ別の滑車について必要となり得る。図11Eの1140などの漏斗が、前記漏斗の小さい端部1143を滑車1121への入口のやや内側に位置させ、かつ大きな端部1144を前記滑車への入口、から遠ざかるように面するように位置させる。
図14Gで示される位置での漏斗1140により、外科医はその後腱修復装置1350及び拡張カテーテル1301の先端部を引っ張り、前記腱切断部1370の端部を前記漏斗1140及び滑車1321内へ引っ張り通過させる。
前記漏斗1140は、前記腱切断部1370の端部を含み、前記滑車1370内への挿入及び通通過を徐々に容易に実施する。腱切断部1370は、漏斗1140を滑って通過し、滑車1321を通過する。腱切断部1370の端部が滑車1321を通過すると、漏斗1140は除去される(図14Gに示される)。
拡張カテーテル1301は、その表面にmmマーカが付され、前記腱が隠れたカテーテルと共に滑車を通過する際に隠れたブロックの精確な位置を決める助けとなる。特に、切開部分の皮膚での特定のmmマークは指を通して腱を引っ張る前に注意を与える。抵抗に遭遇する場合には、前記皮膚の同じ位置で前記mmマークが注意を与える。前記ブロックされる精確な位置が2つの観察されたマークの間の距離を決定し、患者の皮膚表面の等価な距離を測定することで計算される。
前記腱切断部1370が、第2又は続く滑車の通過うぃ案内する必要がある場合、漏斗1140を用いる同じ手順が、前記第2又は続く滑車について繰り返される。
引きこまれた遠位腱切断部があり、前記滑車系の異なる部分を反対方向に通過させる必要がある場合には、前記説明された技術及び装置を用いて、逆方向に作用させて実施することができる。
前記腱切断部1370はその後、場合により上で説明された技術を用いて、(1)他の切断部と接続され、直接腱切断部を合わせる、(2)他の切断部に接続された他の腱修復装置に接続され、腱切断部を合わせる又は(3)ボーンアンカーへ接続される。具体的には、2つの腱切断部を断裂条件に合わせて一緒にし、前記遠位腱切断部から伸びる針及び縫合糸が前記遠位腱切断部を縫合する。腱ホルダーが、腱切断部を一緒にして保持することを助けるために使用でき、腱ホルダーの針の位置をその中心に調節することで、針の対の1つでお互いの腱切断部を突き通すことができるほどそれらをお互いに非常に接近させる。前記針及び縫合糸は、すでに遠位腱切断部に接続されかつそこから伸びている場合には、前記修復の強度を二重にするために近位腱切断部を縫合することができる。また変形十文字ステッチが使用され得る。
図15は図14A−14Gの例示的修復手順で使用される変形十文字修復ステッチを示す。前記縫合糸の直線部分及び結び目のいくつかの沿って与えられた図15の数字1−14は、縫合手順の時系列を示すための助けとなる。点線は、縫合糸が腱材料の内部にあることを示し、実線は縫合糸が腱の表面にあることを示す。
経時的に、(1)前記第1の縫合糸1350が示される変形十文字ステッチを用いて前記近位腱切断部1370を縫合し(ステップ1−3)、(2)第2の縫合糸1380がまた示される変形十文字ステッチを用いて前記遠位腱切断部1390を縫合し(ステップ4−6)、(3)前記2つの腱切断部を一緒にし(腱ホルダーが、腱切断部を一緒にして保持することを助けるために使用でき、腱ホルダーの針の位置をその中心に調節することで、針又は針の組の1つでお互いの腱切断部を突き通すことができるほどそれらをお互いに非常に接近させる)、前記第1の縫合糸がその後他の変形十文字ステッチを用いて前記遠位腱切断部を縫合し(ステップ7−9)、(4)前記第1の縫合糸の2つの端部を共に結んで結び目を作り(ステップ10)、(5)前記第2の縫合糸が他の変形十文字ステッチで前記近位腱切断部を縫合し(ステップ11−13)、かつ(6)前記第2の縫合糸の2つの端部を共に結んで結び目を作る(ステップ14)。最後に、変形十文字ステッチの図示を曖昧にしないように図15には示されていないが、1つ又はそれ以上の腱上膜縫合(6−0EthibondTMを用いる)を修復接合部の回りに適用することができる。
図16は腱ホルダーの他の実施形態の斜視図である。この実施形態では、腱ホルダー807は、ハンドル801と前記ハンドル801の遠位端部でクロスバー803を含む。この実施形態では、前記クロスバーは締め具812(本質的には、その長さのそれぞれの半分812a、812b上にそれぞれ反対方向のネジ山を持つネジである)を、腕部816a、816b上の2つの回転可能な取り付け点813、814の間に持つ。ノブが、前記締め具の少なくとも1つの端部に付されており外科医が前記締め具を回転させることを可能にする。針ホルダーブロック815がそれぞれの半分812a、812b上にネジ山付きで設けられている。従って、前記締め具812が1つの方向に回転すると、2つの針ホルダーブロック815は中心に向かってお互いに近づく(即ち、それらは締め具812上をお互いに近づくように動く)。締め具812が他の方向へ回転すると、2つの針ホルダーブロック815はクロスバー803上でお互いから横へ離れるように動く。前記締め具の丁度中間にある前記締め具812のネジ付きされていないより大きい直径を持つ円筒部分821が、2つの針ホルダーブロック815がお互いが当たることを防止するために設けられ得る。支持ブロック822は、前記ネジ付きされていない円筒部分821を回転可能に保持し、前記締め具812をその2つの端部の中間で保持する。
それぞれの針ブロックは異なる構成で異なるいくつかの針を保持することができる。特に、それぞれの針ブロック815は、針ホルダー823を受けるための横向き方向ネジ付き穴825を含む。前記針ホルダー826は、前記横向きネジ付き穴への適合ネジ山を持つネジ受け826と、前記ネジ826を前記針ブロック815の前記横向き穴825へ相互に回転させるための遠位端部でヘッド827を含む。1又はそれ以上の針828は、腱を保持するために前記ネジ826の遠位端部から伸びる。針の異なる数及び構成を持つ異なる針ホルダーが、異なる外科手術条件に合わせて提供され得る。
それぞれの針ブロック815はさらに、針又はK−ワイヤが挿入可能な1又はそれ以上の追加の穴818を含む。前記種々の穴818は、異なる角度に向けられ、前記針又はK−ワイヤが前記ブロックから伸びる角度について複数の選択を与えることができる。具体的には、本発明の装置及び技術が、断裂された場合ではなく骨から切断された腱又は靭帯を再接続するために使用される場合、前記ブロックの1つが、前記腱切断部ではなく前記骨を前記腱ホルダーに接続するために使用され得る。その後前記腱ホルダーは、前記腱切断部を前記骨に近づけることができる。例えば、1又はそれ以上のK−ワイヤが、前記ブロック816の1つの1つ又はそれ以上の穴818に通され、切断された腱切断部が再接続される前記骨内に突き刺す(例えば図4A−4Dに関連して上で説明した技術を用いることで)。その他のブロック816の針が前記腱切断部を突き刺し、前記締め具を回転させて前記腱切断部と前記骨を接近させる。
使用に際しては、前記腱切断部を前記針で突き刺す前にお互いの望ましい空間配置となるように前記締め具を回転させて前記針を位置付けることができる。又は、再接合されるべき2つの腱切断部は、前記針の1つ(又は複数の針)で突き刺され、その後前記締め具を回転させて前記針ブロックをお互いに中心方向へ動かして前記腱を隣接接触させる。
安定化バー831が、前記腱ホルダーと共に使用するために提供され得る。これは外科手術の前又は間に針828の先端内に突き刺され得る。安定化バー831は円筒形状であり、比較的軟質円筒状材料からなり、前記針が比較的容易に刺し通され、部分的により硬い材料の第2の環状体832で包まれ、前記軟質内部材料832が前記針をその中刺し通すためにアクセスできる隙間834を持つ。外側材料833がより硬いほど前記針で突き刺すことが難しくなり、従って前記針が前記安定化バーを貫通して再び暴露することを防止する。又は、前記安定化バーは、二軸押出工程などによる2つの異なる硬さの材料を持つ一体型で形成されてもよい。
外科手術の前又は間に、前記安定化バー831はいくつかの機能を奏することができる。第1に、それは針の先端を保護し、外科手術者が偶然に前記針で自分自身又はその他の物を刺すことを防止する。第2に、それは針を纏めて長方形状構造とし、これにより針が偶然に形状が曲がってしますことを防止する。最後に手術の間、前記腱切断部が偶然に針から外れてしまうことを防止することができる。
第12例示的実施形態
図17Aは、各々の端部で湾曲した針1702、1703を有する単一の縫合糸1701を含む修復装置1400の別の特定の実施形態を示す。修復装置は、1つまたは両方の針を使用して、腱切断部に縫合され得る。もし、他の実施形態と関連して実質的に前述されたように、カテーテル1301、1310又は103のいずれのカテーテル等の、カテーテルへと押し込まれる又は押し通され得るなら、縫合糸1701は、前述されたように、十分な合成を有するステンレススチールの縫合糸であっても良い。前述された実施形態と関連して再び述べられるように、湾曲した針は、しばしば、直針よりも好ましくあり、なぜなら、それは、それらを縫合するのが、より容易になり得るからである。また、前述された実施形態と同様に、直針は、より容易にカテーテルへと押し込む又は押し通るという利点を有する。湾曲した針は、如何なる実施形態において、修復装置の両方の端部で使用され得るが、1つの縫合糸を有する現在の実施形態は、両方の端部での湾曲した針に特に適切である。特に、腱の切断部の1つに縫合された縫合糸が、他の腱の切断部に縫合されていない手順の1つを仮定すると、その場合、湾曲された針は、修復装置1400の両方の端部に配置され得る。これは、一つの腱切断部に縫合する後には、針が最早必要とされないであろうからであり、したがって、修復装置が第1の腱切断部に縫合される後で、それがカテーテル1301、1310、103に押し込まれる又は押し通される前に、切断され得る。
この修復装置は、本明細書で上述された他の実施形態と関連して前述された如何なる方法における大部分で、一手順で使用され得る。例えば、2つの係る装置1700は、対向する腱切断部に取り付けられ得、その後、前述されたような隣接する2つの切断部で、接続装置112等のクリンプ接続装置を使用して、互いに接続され得る。
1つの例示的な手順において、修復装置は、腱に縫合され、修復装置の両方の端部が、腱切断部の前部から広がり、自由端の両方が同時にカテーテルを通る。したがって、4つの縫合糸が、接続装置112を通るであろう(即ち、一方向における第1の修復装置の縫合の2つの端部及び他の方向での第2の修復装置の2つの端部)。接続装置112は、図1で示される例示的な接続装置112における貫通穴151、152等の2つの貫通穴を有していても良く、各々の貫通穴は、2つの縫合糸がそれを通して受け入れるのに十分大きい。あるいは、接続装置は、4つの縫合糸全てを同時に通して受け入れるための単一の大きい貫通穴を有していても良い。また別の実施形態において、接続装置は、各々の縫合に関して1つである、4つの貫通穴を有していていも良い。
図17Bは、2つの縫合糸1711、1712及び2つの湾曲した針1715、1716(装置1710の各々の端部で1つ)を含む修復装置1710のまた別の実施形態を示す。より具体的には、両方の縫合糸の第1の端部が、1つの針1715に取り付けられ、両方の縫合糸の他方の端部が、別の針1716に取り付けられている。この実施形態は、それが1つの代わりに2つの縫合糸を有しているので、それがより強い修復強さを有することを除いて、図17Aの実施形態にまったく類似しているが、同様の可撓性を維持する。この方法において、8つの別々の縫合糸が、互いに2つの腱切断部に接続し、クリンプ接続装置を通り、非常に強い修復を提供する。前述されたように、クリンプ接続装置は、全ての8つの縫合糸を受け入れるための、1つの大きい貫通穴を有していても良い。
一実施形態において、縫合糸の全長は、鞘内に入れられ得る。しかしながら、示された実施形態において、収縮包装チューブの携帯の2つの短い鞘1717、1718は、例えば、針1715、1716に隣接する反対端近くだけ、2つの縫合糸1711、1712を入れる。縫合糸の反対端を介在する縫合糸1711、1712の長さの大部分は、入れられないままである。鞘1717、1718は、少なくとも2つの機能を果たす。第1に、それは、クリンプ接続装置を通ると共にカテーテルを通る縫合糸の通過を単純化する、なぜなら、それは、両方の縫合糸の端部を一緒に固定し、したがって、両方の縫合糸は、カテーテル及び/又はクリンプ接続装置を同時に通ることができる。さらに、それは、縫合糸の端部を、針が切断される後に、解けること又はほつれることから保つ。一方で、係る鞘はまた、図17Aの単一の糸の実施形態に包含され得る。
図18Aから図18Hは、修復装置の腱切断部への非常に強い取り付けを供し、縫合糸の両方の端部が、腱切断部の端部から伸びるであろう、本質的に1つの縫合糸(又は縫合の目的のために、本質的に1つとして作用する2つの縫合糸)を有する図14及び15で示されるような修復装置で特に役に立つ、別の縫合技術を示す。この縫合技術は、腱の引っ張り応力下で、腱から縫合糸の引き抜きを防ぐであろう。
図18Aを参照すると、外科医は、裂傷の各々の側で腱1801の0.5cmを先ず露出するべきである。これは、近接する滑車から近接端部を引っ張る必要があり得る。遠位の腱は、遠位の関節を移動することによって届けられ得る。適切なマーキング道具、メチレンブルー又はマーキングペン等を使用して、外科医は、腱切断部上に、縫合のための視覚的参照としての使用のために、7つものマーク1802、1803、1804、1805、1806、1807、1808を作り得る。外科医の好みに依存して、マークのいくつかは、除去されても良い(例えば、1805、1807、なぜなら、他のマーク、例えば1804、1808は、十分に近く、それらは、同様に、それらのマークに関する参照として使用され得るから)。ある外科医は、全くマークを使用しないことを好み得る。図18Aは、1つの切断部だけを示すが、これは、両方の腱切断部で実行されるべきである。
これより図18Bを参照して、手のひらよりも後面(posterios surface)により近い腱1801の長手方向軸に垂直の縫合1810の第1のパスを作り(入口ポイント及び出口ポイントに関する参照として、2つの最後尾のマーク1802、1808を使用して)、腱1801を通る縫合糸を引っ張り、そして縫合糸の端部(図示しない)は互いに均等である。
次に、図18Cを参照して、縫合糸1810の一方の端部を取り、前記縫合糸を腱に交差し、針(図示しない)を腱を通じておおよそマーキングされたポイント1804に置き、再度腱の長軸に正確に垂直にし、それを貫通する。縫合糸の他方の端部を取り、腱を交差し、針は、大よそマーク1808で、しかし好ましくは、縫合糸の他方の端部よりも、切断端部1801から更に約1mmで、腱に入る。マーク1808は、マーク1802よりも、切断端部1801aから更に約1mm離れて作られ得る。あるいは、もしマーク1802及びマーク1808が腱の長さに沿って均等に作られるなら、外科医は、その代りに、マーク1808よりも切断端部1801から約1mm更に離れて腱に入れる。縫合糸の端部をきつく引っ張る。
次に、図18Dを参照して、縫合糸の2つの端部の各々を、各々、ポイント1805及びポイント1807で、後方で腱へと通し、腱の切断端部から後方に通す。人は、切断端部の中央にできる限り近い、腱1801の端部1801aで、即ち、マーク1806の近くで、退出するように試みるべきである。また、留意すべきことは、出口ポイント1804、1806よりも切断端部1801aにわずかにより近い、ポイント1805、1807で腱に再び入ることが、縫合をロックすることを防ぐのに役に立つということである。本質的に、もし修復装置がクリンプ接続装置を通ることができない湾曲した針を有しているなら、針は、縫合糸の端部のこのポイントで切断され得る。言い換えると、針は、縫合糸がクリンプを通過される後のいつでも切断されても良い。
次に、上述されたステップのすべてが、別の修復装置の縫合糸1820を用いて、別の腱切断部1821上で繰り返されるべきである。
次に、図18Eを参照して、縫合糸1810、1820の一方の両方の端部を、一の方向でクリンプ接続装置1812に通す。その後、好ましくは、クリンプ接続装置の経路内のスペースを増大させるために、例えばそれらを外側にバイアスをかけることによって、その経路の外側にそれらの縫合糸を固定した状態で、他の方向でクリンプ接続装置1812を通る他方の縫合糸の両方の端部を通す。
これより図18Fを参照して、外科医から離れたあるポイントで、修復の外側に、第1の腱外側(epitendonous)縫合1825を設置し、結ぶ。この腱外側縫合は、裁量の回転を制御するであろう。後で用いるために、腱周りの全ての経路での縫合を達成するときに、腱外側縫合長さを残しておくことが望ましい。
次に、図18Gで示されるように腱を回転させながら、修復の強度を最大化するために、確実に、できる限り等しく各々の方向に各々の縫合糸に張力をかけるよう、縫合糸1810及び1820を反対側の方向に引っ張る。この回転配向は、クリンピング道具1830は、クリンプを平坦にするために、前後方向の角度よりもむしろ横方向の角度から入ってくることができるであろう。如何なる追加の腱端部はが、この時に切り取られても良い。クリンピング道具1830を用いて10秒間クリンプし、クリンプ1812の適切な変形を確実にする。
最後に、図18Hを参照して、修復の掌側面を横切る腱外側縫合1825を完了し、腱構成内のクリンプ1812を隠す。外科医は、クリンプの各々の側で及び腱の中心軸で連続的な縫合又はいくつかの中断された縫合を使用しても良い。
後壁の腱外側縫合は任意であり、外見に依存する。後壁における腱外側縫合は、修復部位に対する血液の供給を妨害し得、もし完全にくっつけたなら、検査によると、強度が増大しない。
上述されたように修復が完了した後、外科医は、5又は6の可動域で腱を取って、滑車を通じた良好な動作を確保するべきである。元々の切断に近接する小さい横切断が、滑車を見るために必要とされ得る。
第13例示的実施形態
前述されたように、本明細書で開示された1つ以上の修復装置は、骨折の修復又は他の目的、例えば、(a)拡大した舟状月状骨ギャップを含む舟状月状靱帯修復(Scapholunate Ligament Repair)、(b)手関節における他の関節、(c)中手指節(MP)関節、(d)親指及び指(fingers)、(e)掌側板、(f)癒着の付属物(adjunct to fusions)、(g)PIP及びDIP(遠位及び近位指節間)関節及び(h)手首及び手における骨折の低減、での骨癒着を含んで、一緒に骨癒着のために使用され得る。
図19は、図1及び図4B〜4Dで示されるボーンアンカー400及び/又は450等のボーンアンカーの2つ及びクリンプ接続装置112等の1つのクリンプ接続装置を使用する手における骨修復を示す。各々のボーンアンカーは、各々、そこから伸びる1つの縫合糸1903、1904を有する。具体的には、1つのボーンアンカー、例えばアンカー400は、各々の骨1901、1902(又は骨断片)に埋め込まれ、各々のボーンアンカーから伸びる(複数の)縫合糸1905は、図2J〜2L又は18E〜18Gに関連して実質的に上述されたように、接続装置112へと通ってクリンプされる。より具体的には、2つのボーンアンカー400から伸びる縫合糸が反対方向に接続装置112に通り、骨が互いに接触するまで、けん引力が反対方向に印加される。その後、接続装置112は、2つの骨が恒久的に接触状態となるようにクリンプされ得る。
もし、統合されている骨が解剖学的に拘束されるなら、それらは、修復装置の力の下、互いに関連して折り重ならず、その後、図19のSLRで示されるように、結合されたボーンアンカー400のペアは、骨1901、1902の一方の側だけに配置され得る。しかしながら、骨の一方の側だけの接続装置112によって結合された1つのペアのボーンアンカー400によって拘束されたとき、もし、骨が互いに関連して折り重なる(又は互いに関連して如何なる自由度で移動する)なら、その時、接続装置112によって結合された1つ以上の追加ペアのボーンアンカーが、追加的な位置で骨を結合するために使用され得る。例えば、図19において、舟状骨及び月状骨が、骨の頂部に沿って通る縫合糸を有して単一の接続装置によって結合された手の甲(又はひら)側から、骨に埋め込まれた2つのボーンアンカーによって結合される。縫合糸上の力によって、2つの骨が互いに関連して折り重ならないよう保証するために、別のペアのボーンアンカーが、底部(又は背部)側から2つの骨に埋め込まれ得、それら2つのボーンアンカー間を通る縫合糸は、骨の背部側に沿って通り、骨の手のひら側に沿って通る縫合糸の力を相殺する。
図20を参照して、尺骨又は腓骨等の骨折した筒状の骨の修復のために、3つのペアのボーンアンカー(接続装置112によって接続された各々のペアの縫合糸2002)が、修復を達成するよう、骨2000の長手軸の周りを回転方向に120度の間隔で配置されて示される。他の数のボーンアンカーのペアも可能である。
図21に示されるような、更に別の実施形態において、3つ以上のボーンアンカー400が、修復を達成するように、2つ以上の縫合糸2001によって結合され得る。各々のボーンアンカーは、示されるように、別々の骨(又は骨断片)2002、2003、2004で埋め込まれ得る。さらに、単一の縫合糸2005が、3つのボーンアンカー400の小穴に通され得、単一の縫合糸の2つの端部が、また示されるように、反対方向に接続装置112に通され得る。しかしながら、別の手順において、2つ以上のボーンアンカー400が、単一の骨断片に埋め込まれ、1つ以上の他の骨(または骨断片)に第3の又はそれ以上のボーンアンカーに接続され得る。事実上、如何なる組み合わせのボーンアンカー、接続装置及び縫合糸が、修復を達成するために使用され得る。例えば、別々の縫合糸が、別々の接続装置112ではあるものの、互いにボーンアンカーの別々のサブセットに結合するように使用され得る。
図22は、本発明の原理を使用して、骨折2202で2つのピース2201a、2201bで骨折した骨2201の例示的な修復を示す。この例において、1つのアンカー400は、1つの骨断片2201aに埋め込まれ得、単一の縫合糸2203が、示されるように骨2201の周りを巻きつき得、その反対側の端部2203a、2203bは、反対方向で接続装置112を通り得る。
図22で示される修復は、図23で説明されるように、例えば2つのアンカー400、1つのクリンプ112、及び1つの縫合糸2203を用いて、また別の方法でなされ得る。第2のアンカー400は、縫合糸が第2のアンカーの小穴を通る点において、縫合糸2203の経路をより良好に制御し、縫合糸2203が、時間に亘って、第2のボーンアンカーの少なくとも位置から離れて動かないということを保証する。
図24で示されるように、別の実施形態によると、同様の修復は、接続装置112が完全に取り除かれてなされ得る。具体的には、ボーンアンカー400は、骨断片2201aの1つに埋め込まれ、1つの縫合糸2203が骨2201に巻きつき、その反対側の端部2203a、2203bは、ボーンアンカー400の小穴に返されて通される。小穴ピンが、小穴ないの縫合糸2203の2つ端部2203a、2203bをロックするために、ロック位置に配置される。またさらに、縫合糸220の経路を良好に制御し、縫合糸が時間に亘って位置から抜け出さないであろうことを保証するために、第2のアンカー400(図24にファントムで示される)が、第2の骨断片2201bに埋め込まれ得、縫合糸2203が、アンカーの小穴に通され得る。
本明細書で上述された舟状月状骨修復等のいくつかの修復は、周囲組織による骨の視野の妨害により、特に手のひらから、実行するのが困難であり得る。より具体的には、市やの妨害がある修復において、ボーンアンカーを、骨内の予め掘られた貫通穴へと挿入することは、特に困難であり得る。舟状月状靱帯修復において、舟状骨及び月状骨は、一緒に結合される(例えば、これがこれらの2つの骨の自然な状況でなくても)。本発明の技術を使用して、上述されたように互いに関連して骨の折り重なりを防ぐために、骨の背面側及び月状骨側の両方でアンカーを埋め込み、相互接続することが好ましい。
図25、26、27及び28A〜28Lは、係る困難を克服するための手順及び関連装置を示す。本発明は、通常の舟状月状骨癒着と関連して述べられるであろう。しかしながら、これは、単に例示的であり、技術及び装置は、多くの他の骨癒着オヨ帯他の修復に適用可能であることが理解されるべきである。
簡潔に、図25に示されるドリルガイド2501は、互いにかつ(複数の)骨に対する正確な関係でボーンアンカーを受けるための2つ(以上の)貫通穴を掘るために供される。ドリルガイドを使用して、2つ以上の貫通穴が骨に及び完全に骨を通って掘られ、各々の貫通穴は、各々の端部で開いており、1つまたは2つのアンカー、即ち、貫通穴の1つの端部で1つ、例えば、骨の背面側で1つのアンカー、骨の手のひら側で1つのアンカー、又は各々の側で1つ、を受け得る。骨に完全に穴を開けることによって、手のひら側で1つのボーンアンカー及び背面側で別のアンカーに関して、各々の貫通穴が使用され得、したがって、いくつかの場合において骨に掘るのに必要な貫通穴の数を半分にカットする。容易に視覚化されるよう、妨害している組織を十分に越えて、貫通穴の両方の端部から伸びるように(stand proud of the bone)、図26に示される、十分な長さのピン2525が、各々の貫通穴へと、骨を完全に通って挿入される。ピンは、横たわって適合するような、しかしながら、貫通穴内でスライド可能なような直径のサイズにされる(例えば、それらは、ドリルビットと同じ公称直径を有する)。ピンは、ピンの長さの主要部の直径よりも、より小さい直径を有する、少なくともそれらの端部の1つから長手方向に伸びる棒部2526を含む。
図27で挿入道具2507の端部上に取り付けられて示されるボーンアンカー2505は、それらの遠心端で棒部2526に係合するはめ合わせ凹部2515を有する。見受けられるように、ピン上の棒部を受ける遠位凹部2525に加え、前述されたようなボーンアンカーと相互接続するために使用されるであろう縫合糸2517を保有するボーンアンカー内に2つの平行の貫通穴2513、2514がある。
一度ピン2525が所定の位置にあると、外科医は、如何なる他の組織と同様に骨から伸びているピンの端部(そこから伸びている棒部2526を有する)を容易に見ることができる。外科医は、その後、アンカー2505の遠位凹部2516を棒部2526を覆って挿入することによって、ボーンアンカー2505をピンへとドッキングさせる。外科医は、その後、貫通穴を介してアンカー2505及びピン2525を下向きに力を印加するために、ボーンアンカーの先端が貫通穴内にあるまで、挿入道具2507を押し下げることができる、ピンは、ボーンアンカーを直接貫通穴へと案内している。その後、ボーンアンカー2505は、挿入道具2507を使用して骨へとねじ込まれる。ピン2525は、その後、骨の別の側から、骨から引き抜くことができる。
本発明は、舟状月状骨修復に特に良好に適合される。なぜなら、(1)アンカーは通常、骨の手のひら側及び背面側の両方上に埋め込まれる必要があるであろう、(2)骨の両側は、手の背面側及び手のひら側上の対向している切開を介して利用可能になされ得る、及び(3)一方の側、背面側は、障害組織によりナビゲートが非常に困難である、他方の側、手のひら側と比較して比較的障害のない、からである。
図28A−28Lは、手順を示す。明確性のために、図中Dは、骨の背面側を示し、Vは、手のひら側を示す。さらに、通常、ボーンアンカーは、埋め込みに先立って、縫合糸を有して予め組み込まれている。しかしながら、本発明を混乱させないように、縫合糸は、図28A〜28Lから除外される。
図28Aを参照して、手での修復のタイプに関して特別に設計されたドリルガイド2501は、互いに相対的に正確な角度及び位置で、舟状骨2520及び月状骨2522へと開けられなければならない、2つのドリル穴に関するガイド穴2502a及び2502bを有して供される。本発明の基本様態を述べる単純化のために、示されるドリルガイド2501は、2つの平行するドリルガイド穴2502a及び2502bを有する。しかしながら、いくつかの舟状月状骨癒着は、骨の1又は両側に3つ以上のアンカーを必要とし得る。さらに、それらの貫通穴の全てが、互いに平行である必要はない。
ともかく、一実施形態において、ドリルガイド2501の底部側2503は、それが、セミロック係合において、骨表面の一致する補完的な外形に正確に合致しているドリルガイド2501の底部の外形を有して、骨に直接配置され得るように、使用される意図のために、補助的に、骨2520、2522の表面の形状に成形される。ドリルガイド2501は、勿論、骨の表面について、単に外され得るが、骨上に押し付けられるときに、それは、ジグソーパズルのピースのように、補完的に合っている外形により、骨を横方向にロックするであろう。これは、上で言及されたような合理的にテンプレート化しやすい、患者間で形状及び/又はサイズがあまりにも大きく異なる多くの骨のような、いくつかの骨と関連してだけ可能であろう。しかしながら、舟状及び月状骨は、人口の大部分に亘って比較的均一であり、わずか3つのサイズのドリルガイド(異なるサイズの患者に関して)が、人口の非常に大きい大半に関して十分であるはずである。
図28Aで示されるようなプロセスの第1のステップによると、切開が手の背面側及び手のひら側の両方上でなされた後、ドリルガイド2501は、舟状及び月状骨2520及び2522、各々、の背面側のはめ合う外形に対する、ドリルガイド2501の底部側2503の外形を有する背面側上の骨に亘って位置される。適切なドリルビットが、その後、ドリルガイド上のドリルガイド穴2502a及び2502bの各々を介して挿入され、骨へと及び骨を介して完全に穴を開けるために使用される。
図28Bを参照して、各々の穴2530、2531が開けられる後、ピン2525が穴へと、及び完全に骨を通って挿入され、ピンは、骨の両側上から伸びる。ガイド棒2526を有するピンの側が、先ず挿入され、ガイド棒を有するピンの端部は、骨の手のひら側から伸びるであろう。図28Cは、ピン2525が挿入された後の状況を示す。
さもなければ妨害している組織により可視化が困難になり得る、ピンのホールへのナビゲーションを単純化するために、1つ以上のピンが、所定の場所に静止しているドリルガイドを有して、ホールへと挿入され得る。ドリルガイドは、所定の位置に残され得、互いに平行する2つ以上のドリルガイド穴に関して、ピンを貫通穴に挿入するためのガイドとして使用され得る。この実施形態において、ドリルガイド2501内の2つのガイド穴2502a、2502bは互いに平行であり、両方のピン2525が、それら2つのガイド穴を通って、骨内の貫通穴へと、挿入され得る。しかしながら、他のドリルガイドにおいて、もし如何なるドリルガイド穴が別のドリルガイド穴に平行でないなら、ドリルガイド内の非平行のピンは、ピンを曲げることなく引き抜かれることからドリルガイドを防ぐであろうから、その場合、ドリルガイドは、ピンが非平行貫通穴に挿入される前に、除去されるべきである。
とにかく、次に、図28Dで示されるように、手が、手のひら側にアクセスするためにひっくり返される。(1)可視性を改善するため、(2)ボーンアンカーが導入される場合に、組織をつまむことや捕獲することを防ぐために、及び(3)一般的に手術部位をきれいにするために、外科医は、手のひら側上のピンの周りのいくつかの組織を取り除く。
次に、図27及び28Eを参照して、外科医は、その後、貫通穴2530の1つへとねじ込むために、ボーンアンカー2505を準備する。一実施形態において、ボーンアンカーは、移植道具2507上に予め組み込まれて、ボーンアンカーないに予め組み込まれた縫合糸を有して、届けられる。図27で最善に見受けられるように、ボーンアンカー2505の遠位端は穴が開けられ、ガイドピン(図27には示されない)の端部上で棒部2526を受けるための凹部2515を形成する。アンカー2505の近位端は、挿入道具2507の先端2506を受けるための近接する貫通穴2509を含む、先端2506及び近接する貫通穴2509は、はめ合うように形成され、道具2507は、骨へとねじ込むために、その長手方向軸周りでアンカー2505を回転させるために、回され得る。
ピン2526は、骨及び周囲組織(図不示)から伸びているので、外科医は、棒2526上のボーンアンカー2505の配置のために、ピン2525及び棒2526を容易に見ることができる。一方で、外科医は、ピン2526上のボーンアンカー2505をドッキングするために、ピン2525の棒2526上方及び上でボーンアンカー2505の遠位開口部2515を挿入する。
これより図28を参照して、この地点で、外科医は、ピン2525に骨2520の背面側から出る力を与えるために、挿入道具2507で押し下げ、アンカー2505がピンによって貫通穴2530へと導かれる。ボーンアンカー2505の遠位端における凹部2515及びピン2525の端部上の棒部2526は、はめ合うような形状にされ得(ボーンアンカーの近位貫通穴2509及び道具2507の先端2506であるように)、道具2507によるボーンアンカー2505のねじりによってまた、ピン2525はねじられ、外科医は、貫通穴2530を通るピン2525の前進を容易にするユニットとして、道具、アンカー及びピンをねじることができる。ボーンアンカー2505の遠位端が骨2530に到達するとき、外科医は、ボーンアンカーの近位端が、図28Gに最善が示されるように、骨表面と同一平面になるまで、貫通穴2530へとボーンアンカー2505をねじ込む。
図28Hを参照して、手順は、アンカーが、その先端が骨の表面と同一平面になって、骨2532へとねじ込まれるまで、アンカー2505及びピン2525を前進させることによって、別のピン2525及び貫通穴2531に関して繰り返される。
図28Iを参照して、手は、再びひっくり返され、骨の背面側へのアクセスを供する。
図28Jを参照して、第1のピン2525は、背面側から、貫通穴の1つ、例えば2530から引き抜かれる。図28Kを参照して、別のボーンアンカー2505が、上述されたような挿入道具2507を使用して、露出された貫通穴2530の背面側へとねじ込まれる。背面側には、穴の視野を妨害している組織がずっと少なく、穴は、ピンが除去される後でさえ、背面側から容易に可視化されるはずである。それにしても、とにかく、もし外科医がピンを抜き、同時にボーンアンカーをねじ込み(いずれのアンカーをねじ込む前に、全てのピンを引き抜くこととは対照的に)、容易に可視的である、残っているピンの助けによって、外科医は、位置確認、したがって、ピンを最早含んでいない貫通穴を見つけることを、することができる。
手順は、他の貫通穴2531に関して繰り返され、各々の貫通穴2530、2531は、2つのボーンアンカー2505を、貫通穴の各々の端部で1つ含む。
ボーンアンカーが埋め込まれ、手順はその後、前述されたように、背面側上の種々のボーンアンカー間の1つ以上の縫合糸及び手のひら側上のボーンアンカー間の1つ以上の縫合糸を通ることによって達成され得る。
結論
予備試験で、本発明の原理により実施された腱再接続の破壊強度は約70−100ニュートンであった。従って本発明の原理による腱及び靭帯修復は、従来の標準に治療に比較してずっと強いものである。さらに、前記手順は従来の治療に比較してずっと簡単化されている。
本発明は、安全、簡単及びより強い腱、靭帯などの修復を提供する。予備試験では破壊強度は100Nを超えることが観察された。
理解されるべきことは、ここで種々の実施形態に関連して説明された腱修復装置の種々の部品を形成する縫合糸/ケーブルの数は例示にすぎないということ、かつより少ない又は多い縫合糸/ケーブルの数が、修復の望ましい強度、修復される具体的な組織、腱修復装置が製造される材料の強さその他のファクタなどにより提供され得る、ということである。
種々の実施形態の使用についての説明が手の屈筋腱に限定されていたが、理解されるべきことは、多くの軟組織修復がここで説明された装置の一部又は全部を用いることで実行され得る、ということである。かかる解剖学的組織の例には、身体の腱及び靭帯、同様にその他の複数の点で固定することを必要とする構造を含む。
本発明のかかる説明された具体的な実施形態に基づき、当業者は、種々の変更、修正及び改良を容易に想到するであろう。本開示により明らかとなるかかる変更、修正及び改良はここで明記されていなくても本開示の一部であることが意図され、かつそれらは本発明の本質及び範囲に含まれるものであることが意図されている。従って、前記説明は例示の方法でのみなされたものであり、なんらを限定するものではない。本発明は以下の特許請求の範囲で既定され、かつその均等な範囲にのみ限定されるものである。
付録A
小さい切開を小さく横断することを参照して、手のひら及び指ないの滑車系及び屈筋腱の体表解剖学
序論
Verdanは、屈筋腱修復のための中横断切開を利用し、Bunnelは、中軸切開を使用した(Verdan)(Boyes, Surgery of the Hand).1967年に、Brunerは、指及び手のひらの掌側面上のジグザグ切開を述べ、屈筋腱及び滑車系の容易な露出を供した(Bruner, Zig−zag volar−digital incision 1967)。この伸長性の切開は、屈筋筋外科手術に関する手外科医間の幅広い人気及び指の掌側面上の他の手順を獲得し、未だ今日一般的に使用されている。しかしながら、指の長さに沿って伸びる皮膚弁を用いた伸長性の切開を必要とする。
指及び親指の滑車系の詳細な構造及び機能は、十分に描かれてきた(Doyle)。これらの伸長性の切開が使用されるとき、滑車の幅広い露出がある(Bruner)。より小さい伸長性の切開を使用し、切開量を制限するために、下層構造の体表解剖学の幅広い知識が不可欠である。我々は、腱及び滑車体表解剖学を描くために、多くの死体解剖及び測定を行った。この書類において、我々は、指の皮線の下層構造に対する関係を述べ、滑車系の全体性を維持しながら、この体表解剖学を、屈筋腱系内の特定の構造を正確に露出することができる小さい横切開に関連付ける。
近年、多くの領域における外科医が、小さい侵襲的なアプローチへと向けて、大きい切開及び伸長性の露出を立ち去っている。これは、多くの場合において観血手術を完全に失わせる、関節鏡検査及び内視鏡検査の分野の発達につながっている。低減されたら疾病率、腫れ、出血及びより早い回復が、十分に立証され、臨床経験がこれらの便益を生んでいる。手外科術の分野において、内視鏡技術が、橈尺関節、手根中手骨関節及び手根管減圧術に適用されている(Vasiliadis)。
我々は、8の死人の手において、8つの手のひら及び32の指を解剖した。手のひら及び指の皮線が、切開前にメチレンブルーを用いてマーキングされた。各々の皮膚の皮線の2mm一片が、所定の位置に保持され、一方、手のひらの皮膚、指の皮膚及び皮下の組織が、屈筋腱鞘に至るまで除去された。すべての滑車を注意して保護した。
ミリメータ定規を使用して、各々の滑車の近位及び遠位域(distal extent)の距離を、より多くの位指皮線に関連して測定され、記録された。A−1滑車の近位端の予測された位置が、Fioriniの方法によって測定された。A1の近位及び遠位縁、及びA2滑車の近位端が、このポイントから測定され、記録された。A−2の遠位端及びC1滑車の近位及び遠位端及びA−3滑車の近位端が、手掌−近位指皮線に関連して記録された。A3の遠位縁及びA4の近位端及び遠位端及びA−5の近位端が、中指皮線に関連して測定された。最後に、A5の遠位縁及び遠位指節骨の骨幹端の近位端が、遠位指皮線から測定された。
FDS腱の切開の位置及びカンペル交差の近位及び遠位域が、滑車系に関連して測定され、FDS及びFDP腱の挿入の位置として記録された。測定は、指の中心長手方向軸に沿っておこなれた。
我々は、各々の滑車の厚さ又は強さを測定するために、定量的な又は組織学的な方法を使用しなかあったが、各々の滑車が、観察され、脆弱性、穏健性又は強靭性の評価を与えた。
各々の滑車の近位及び遠位位置を使用することによって、指の横切開の位置が、戦略的に計画され、切開は、輪状の滑車間の屈筋鞘の露出を供するであろう。指のサイズの変動を除去するために、これらの横断“小切開”の位置は、1つの手掌又は指皮線から、次の皮線までの距離のパーセンテージとして表現された。
最後に、我々は、屈筋腱系内の特定の部位を露出するための小切開を計画するためのガイドとして役に立つ距離を提供するために、距離を解析した。
結果
滑車厚さ:
一般的に、A−1、A−2及びA−4は強く、完全であった。A−1滑車は、しばしば、2つ又は3つの断片に分けられた。これらは1つのユニットとして機能することから、それらは1つとして測定された。断片は、時々、A−1及びA−2滑車間の存在し、壊れやすく、A−1の2つ又は1つの壊れやすい遠位断片間の分離物として評価され得、その場合、それは、A−1の一部として測定された。A−3及びA−5ははいつも存在するが、しばしば狭く、薄い。
C−1は通常よく開発されたが、1つのより厚い塊及び1つ以上の薄い塊を含み、それは、通常、A−2滑車の遠位域に近接して、約1mm生じている。C−2及びC−3は、さらにより薄く、いくつかの例において、切開が困難であった。
筋膜バンド(Fascial Bands):
手のひら内の腱を横切る筋膜バンドがあった、A−1に近位して3〜4mm。これらは、手のひらの筋膜から生じ、大抵の場合、遠位の手掌皮線の直接下にある。それらは、滑車を守らないが、滑車として機能し得る。
体表解剖学及び滑車の位置:
滑車の近位域及び遠位域の両方が記録された。距離は、FioriniによるA−1の近位域の予測される位置から、手のひら内で測定された。手掌−指皮線、近位指皮線及び遠位指皮線からの、全てのの残りの距離が、基節骨、中節骨及び末節骨内で記録された。各々の滑車に関する平均が各々の指に関して計算された。手のサイズに関して補正するために、前記距離はまた、1つの皮線から次の皮線までの距離のパーセントとして表現された。
FDSの交差及びカンペル交差の位置:
FDS組織は、全ての例及び指に亘って一貫性があった。FDSの交差は、A2の近位端で起こった。カンペル交差の近位及び遠位域は、一貫して、各々、A2の遠位端及びA3の近位端で見受けられた。
腱挿入:
我々は、我々の8つの例に亘って、全ての指において、FDP及びFDSの両方に関して一貫した挿入を言及した。FDSは、A4滑車の下に、中節骨の中部3分の1へと挿入された。FDPは、末節骨の前部及び中部3分の1へと挿入された。
切開を作るための解剖学的セーフゾーン:
重要な滑車の品位を妨害しない小さい横切開の配置を許す、6つのキーとなる測定がある。これらは:
1−A−1及びA−2滑車の近位起始部
2−C−1滑車の近位及び遠位域
3−A−4滑車の近位及び遠位域
4−カンペル交差の位置及びFDS腱の分裂
5−FDSの中節骨への挿入の領域
6−末節骨の骨幹端及びFDPの末節骨への挿入の位置
である。
我々の結果に基づいて、A−1、A−2、A−3、A−4及びA−5滑車の品位を維持するセーフ切開ゾーンの図を作図している。
臨床応用及び小切開
腱及び滑車及び皮線系の体表解剖学は、腱手術に関する切開のためのガイドを供するために使用され得る。これらの構造の指皮線に対する関係は、切開を計画し、その下にある構造を容易に位置付けるために提案されている。我々は、この体表解剖学を使用して、滑車系を通る腱の経路同様に、屈筋腱の修復を計画することを提案する。
体表解剖学はまた、腱の1つのスリップ(slip)の切除のため、又はもし、例えば、腱がこの領域内でひっかかるなら、カンペル交差を露出するために、修復のためのFDSの中節骨への挿入を確実に位置付けるために必須である。この理由のために、腱のの2つの腱スリップへの分割のポイント及び滑車に関連するカンペル交差の位置の体表解剖学が測定されてきた。
FDSの1つのスリップの切除は、A−1及びA−2滑車領域における摩擦を低減する方法として推奨されてきた。これはまた、FDPがFDS腱内の分岐を通るときに、FDPが横断する狭い管を潜在的に避ける。我々は、この組織の正確な位置を述べ、FDSの1つのスリップが、たとえ小さい横切開でさえ、切除され得る。
スリップを除去するために、それは、A−4滑車の近位域で、この滑車に対して深くで、FDSの遠位挿入で、露出され得る。それは、遠位端で分岐され得、その後、カンペル交差は、C−1滑車の下で、A−2滑車及びA−3間の近位指皮線にちょうど近接して分岐され得る。スリップはその後、A−1及びA−2間の小さい横切開を通って送られ、最後に送られ、スリップは、FDS近位の残りから、手のひら内のA−1の近位起始部へと切除される。
これらの測定に基づき、我々は、我々がRule of Thirdsと呼ぶ、屈筋系に近づき、重要な構造を傷つけないガイドを練習した。なぜなら、それは主として、手のひら及び指内の種々の距離を3分の1に分けることを、及び安全な3分の1で切開を作ることを伴う。より具体的には、手のひら及び指内の安全な切開は、次のルールによりなされ得る。
ブルーゾーンが切開に関する安全でない領域を示す、下記図Aを参照して、A1及びA2滑車間の遠位手掌内で切開を行うための安全なゾーンは、手掌の指皮線113と指117のA−1滑車の近位域との間の距離の3分の1で、手掌の指皮線113の近位にある領域である。より具体的には、手掌の指皮線113と指117の近位皮線107との間の距離がAであるなら、そのとき、A1滑車の近位端は、手掌の指皮線の近位、同じ距離Aに位置される。一方、手掌の指皮線113の近くで、Aの3分の1内である領域115内に切開を行うことは安全でなく、そこは、A2滑車が存在するからである。
基節骨内のA2及びA3滑車間の切開に関して、安全なゾーンは、手掌の指皮線113と、指の近位皮線107との間の距離の遠位3分の2である。その距離の近位3分の1、109は安全でなく、それはA2滑車を含むからである。
中節骨において、近位指皮線107と遠位指皮線103との間の距離の近位3分の1が、A3及びA4滑車間の切開を行うために安全であり、近位指皮線107と遠位指皮線103との間の同じ距離の遠位3分の1は、A4及びA5滑車間の切開を行うために安全nである。近位指皮線107と遠位指皮線103との間の距離の真ん中3分の1は切開に関して安全でなく、それは、A4滑車を含むためである。
最後に、末節骨において、切開のための安全なゾーンは、遠位指皮線103と指111の端部との間の距離の遠位3分の2である。遠位指皮線103と指111の端部との間の距離の近位3分の1である領域101は、A5滑車及びDIP関節に占有され、安全でない。
議論
屈筋系の組織の知識は、全ての下層構造の容易な位置付けを許す。これが、小さい横切開又は他の比較的控えめな切開を許し、手術での切開量及び露出を制限し得る。
我々は、Wilhelmi及びFioriniによって述べられるようなA−1の近位域を測定した。2つの独立した研究において、Wilihelmi及びFiorninは、近位指皮線とPIP指皮線との間の距離が、A−1滑車の近位縁に対する近位指皮線とお暗示距離であるということを実証した。これが、この滑車の位置付けを容易及び信頼性あるものにする。実用的観点から、前記の違いがたった2から4mmまでであるので、この領域における小横切開は、滑車起始に十分近く、それを容易い露出するであろう。
滑車位置が、同様に他の位置において2から4mmまでで変動することがわかったが、A−1、A−2、A−3及びA−4の領域は一貫しており、これらは図で示されるように、rule of thirdsを守るために最も重要であるので、臨床状況において薬に立つことがわかる。
A−1とA−2滑車間の離別は、区別され得る又は識別するには不明瞭でありかつ困難であり得る。以前の研究は、例の95%がA1とA2との間で離別がないということを示す。我々は、“我々の”例において、そうであることがわかった。その場合において、我々は、2つの滑車の間に離別があった例に基づいて、A−1の終端及びA−2の開始を、A−1の開始と手掌の指皮線との間の距離の3分の1であると判断する。
我々は、いくつかの例において、A−1滑車に近位である腱を横切る筋膜バンドを見つけた。これらの筋膜バンドは、A−1滑車に対する入口に対して、アクセスを妨害し得(Fiorini)、機能的に滑車として機能し得る。
Fiorini JHS 3月、2011
Fiorini bibio no’s 6, 7, 8, 10, 12, 13。
本出願は、その開示内容が参照されて完全に本明細書に組み込まれる、2010年2月12日に出願された仮特許出願番号61/304,003号の通常の出願である、2010年3月3日に出願された米国非仮特許出願番号12/716,724号の一部継続として優先権の主張を行うものであり、その開示内容は参照されて完全に本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2011年6月6日に出願された仮特許出願番号61/493,702号、2011年7月7日に出願された仮特許出願番号61/505,348号、2011年7月13日に出願された仮特許出願番号61/506,819号、2011年9月16日に出願された仮特許出願番号61/535,648号に基づく優先権の主張を行うものであい、これら各々の開示内容は参照されて完全に本明細書に組み込まれる。