本発明は、ケーブルを導電性接続するためのケーブル接続部品に関する。このケーブル接続部品は、雌ねじを有するユニオンナットと、複数の切れ口を有する心線受容および案内部分とから成る。ここでこのケーブルは少なくとも1つ心線を有しており、心線受容および案内部分内に挿入されている心線終端部の心線絶縁は、雌ねじに一致する雄ねじが備えられた接続体にユニオンナットをねじって嵌める際に、接続体内に配置され且つ心線受容および案内部分内の切れ口内に埋設されている圧接コネクタによって切断され、心線の導体が接触接続される。さらに、本発明は、ケーブル接続装置並びに本発明のケーブル接続部品と機器接続部品ないしはケーブル接合部品とを備えたケーブル接合装置に関する。
DE19951455C1号から、ケーブル接続装置の一部としてのケーブル接続部品が既知である。これによって、多芯ケーブルの心線が容易に、機器接続部品またはケーブル接合部品の接続部材と接合される。ここでは、事前に、個々の心線の心線絶縁を除去する必要はない。DE19951455C1の図6に例として示されたケーブル接続部品では、ケーブルの個々の心線はまずは、しばしばスプライス接続部分またはスプライス接続リングとも称される心線受容および案内部分内に挿入される。次に、心線終端部が折り曲げられ、心線受容および案内部分内の陥入部内に挿入される。この陥入部は、半径方向で向きを変える際に、心線の支持ストッパーとして用いられる。次に、陥入部から突出している心線が切り離され、ユニオンナットが、接続体の対応する雄ねじにねじって嵌められる。接続体へユニオンナットをねじり嵌めする際に、接続体内に配置されている圧接コネクタが心線受容および案内部分5内に設けられている切れ口内に侵入する。ここで、圧接コネクタは、切れ口と交差している個々の心線の心線絶縁を貫通させ、個々の導体を接触接続させる。
基本的にDE29512585U1号およびDE19836662C2号から既知の、このように形成されたケーブル接続または接合装置は、実際には、10年以上にわたって有効であることが証明され、殊に、当出願人によって、商品名QUICKON(R)のもとで、種々の実施形態において広範に販売されている(Phoenix Contact GmbH&Co.KG(Blomberg)のパンフレット「PLUSCON 2011」第8頁および第9頁並びに第92頁および第92頁を参照)。
DE29512585U1号から既知のケーブル接続装置では、ユニオンナットと心線受容および案内部分は、相互に結合されていない2つの個別部分である。強固な接合は許容されない。なぜなら、心線受容および案内部分は、ユニオンナットを接続体にねじって嵌める際に、回転してはいけない、ないしは、回転することができないからである。ユニオンナットと心線受容および案内部分との接合が実現されないので、ユニオンナットを接続体からねじって外した後に接続を解除する際に、まずはケーブルは接続されたないしは接合されたままにしておかれる。なぜなら、接続体の圧接コネクタが、クランプ接続された導体を依然として「引き留めている」からである。従って、ユニオンナットを接続体からねじって外した後に接続を解除するためには、さらに、圧接コネクタによって保持されている導体を付加的に外さなくてはならない。このために、相当な力が投入されなければならない。
DE19951455C1号に記載されているケーブル接続装置では、この問題は次のことによって解決されている。すなわち、心線受容および案内部分が、スリットが入れられた、弾性のある固定リング上に軸方向に固定されていることによって解決されている。ここでこの心線受容および案内部分は、軸方向に固定された箇所で、ユニオンナットに対して相対的に回転可能である。これは次のような利点を有している。すなわち、接続体からユニオンナットをねじって外すのに付随する、ユニオンナットと接続体との間の軸方向の相対的な運動が同時に、スプライス接続部分と接続体との間の相応の軸方向の相対運動を生じさせるという利点を有している。これによって、導体が圧接クランプから抜き出される。
ユニオンナット内の心線受容および案内部分のこのような固定は、上述した利点の他に、殊に、電気ケーブルをケーブル接続部品から再び外すおよび引き抜く際にある程度の欠点も有する。殊に、心線受容および案内部分が、実際には通常であるように、元来の心線案内領域の他にケーブル固定および密閉領域も有している場合には、ケーブル固定および密閉領域の形成およびユニオンナットとのその所望の共働に基づいて、心線受容および案内部分をユニオンナット内に固定することによって、電気的なケーブルをケーブル接続部品から抜き出すのが困難になってしまう、という恐れがある。
DE10329772B4号は、ケーブル接続装置を開示している。上記の点を鑑み、ここでは、意図的にユニオンナット内の心線受容および案内部分の固定が省かれている。クランプおよび接続ユニットのコンタクト部材が、クランプされた導体を依然として「引き留めている」ので、ユニオンナットを接続体からねじって外した後に、接続を解除する際に、ケーブルが依然として接続され続ける、ということから生じる「欠点」は、接続体に、軸方向に、ひいては接続体の雄ねじに対して半径方向に間隔を空けて延在している支持部材が形成されていることによって補償される。ここでこの支持部材は、工具の迫台として用いられ、この迫台によって、スプライス接続部分が接続体から、形成される。心線受容および案内部分での損傷を回避するために、心線受容および案内部分の外側に、みぞが、工具の作用部分として形成されている。
DE10329772B4号から既知のケーブル接続装置では、まずは、接続体での支持部材の形成が付加的な製造コストに結び付いていることが欠点である。さらに、組み込み関係が狭められている場合には、隣接している構成部分またはケーブルが、突出している支持部材に引っかかってしまうことがある。最後に、スプライス接続部分を接続体から持ち上げて出すために、付加的な工具が必要となる。これによって、取り扱いが困難になる。
上述した問題が解消されている、すなわち、一度接続されたケーブルを僅かなコストで再び外すことができる、冒頭に記載したケーブル接続部品は、次の特徴を有する。すなわち、ユニオンナットが第2の雌ねじを有しており、ここで第1の雌ねじのねじピッチg1は、第2の雌ねじのねじピッチg2よりも大きく、心線受容および案内部分は、半径方向に延在するフランジを有している。このフランジの形状は、第2の雌ねじのねじ回旋の輪郭に整合されている、これと共働する。
従って本発明のケーブル接続部品では、ユニオンナットは、異なるピッチを有する2つの雌ねじを有している。ここで粗い方のねじが接続体の雄ねじと共働し、細かい方のねじが心線受容および案内部分のフランジと共働する。これによって、ユニオンナットを、接続体の雄ねじから外す際に、接続体と心線受容および案内部分との間に軸方向の相対的な運動が生じ、これによって、ユニオンナットを外す際に同時に、心線受容および案内部分が接続体から抜き出される。心線受容および案内部分を抜き出すとともに、心線も、圧接コネクタから抜き出される。この際に心線受容および案内部分が、ユニオンナットの回転毎に進む距離は、第1の雌ねじと第2の雌ねじとの間のピッチ差に相応する。
基本的に、心線受容および案内部分において半径方向に突出しているフランジは、360°以上、延在している。従って、フランジ自身が、第2の雌ねじに一致する雄ねじを形成する。心線受容および案内部分のフランジは、接続体での雄ねじとは異なり、心線受容および案内部分上にユニオンナットを固定するためにではなく、ユニオンナットをねじって外す際に、心線受容および案内部分を連れて行くためにだけ用いられるので、このフランジの延在が360°を下回っても、または、半径方向に間隔を空けて相互に配置されている少なくとも2つの部分から形成されていてもよい。
ユニオンナットが、ねじピッチが異なる2つの雌ねじを有していることを述べた。基本的にはここで、ユニオンナットが二条ねじを有し、2つの雌ねじが自身の全長にわたって、または、いずれにせよ自身の長さの大部分で重畳し得る。取り付け時にはここで、まずは、心線受容および案内部分の一部が、ユニオンナット内にねじって入れられる。ここでフランジは、第2の、細かい方の雌ねじ内に案内される。これに続いて、ユニオンナットを接続体の雄ねじにねじって嵌める際に、第1の、粗い方の雌ねじが雄ねじにねじって嵌められ、これと同時に、フランジを備えた心線受容および案内部分がさらに第2の雌ねじ内にねじって入れられる。
ユニオンナット内での二条ねじの上述した形成には、いずれにせよ、ユニオンナットの直径が比較的小さい場合には、比較的高い製造コストがかかるので、本発明の有利な実施形態では、第2の雌ねじはねじり嵌め方向において少なくとも部分的に、接続体の雄ねじに一致する第1の雌ねじの後方に配置される。これは次のことを意味する。すなわち、少なくとも、ねじり嵌め方向における、ユニオンナットの後方領域において、さらに、第2の、より細かい雌ねじが形成されていることを意味する。有利には、ユニオンナットの直径が比較的小さい場合、例えばM8またはM12の円形コネクタの場合には、二条ねじが省かれる。従って、第2の雌ねじは、ねじり嵌め方向において完全に、第1の雌ねじの後方に配置されている。
ここで、心線受容および案内部分でのフランジの形状は、次のように形成されなければならない。すなわち、一方では、第2の雌ねじのねじ回旋の輪郭に、これが整合するように形成されなければならず、他方では、第1の雌ねじ内への心線受容および案内部分のねじり込みも可能であるように形成されなければならない。心線受容および案内部分とユニオンナットを接合する際には、フランジがまずはじめに、ユニオンナットの第1の雌ねじを通って、その終端部まで回転されなければならない。この場合には、フランジ、ひいては心線受容および案内部分も、第1の雌ねじのねじピッチに相応して軸方向に傾斜する。しかしこの傾斜は、心線受容および案内部分のねじり込みをそれほど阻止しない。フランジが、ユニオンナットの第2の雌ねじに噛み合うと、心線受容および案内部分は自動的に、再び、軸方向に配向される。
心線受容および案内部分とユニオンナットとの接合は、別の実施形態では、次のことによってさらに容易になる。すなわち、第1の雌ねじの直径が、第2の雌ねじの直径よりも大きく、従って、第1の雌ねじの公称直径がフランジの外側直径よりも大きいことによってさらに容易になる。これによって、次の利点が得られる。すなわち、ユニオンナット内への心線受容および案内部分の取り付け時に、フランジが、第1の、粗い方の雌ねじによってねじ止めされる必要がない、という利点が得られる。
2つの雌ねじを形成することによって、接続体の雄ねじからユニオンナットをねじって外す際に、接続体に対して、心線受容および案内部分の軸方向の相対運動が生じ、これによって、心線受容および案内部分が接続体から抜き出されることを述べた。しかし異なるピッチを有する2つの雌ねじの形成は、ユニオンナットをねじって外す際の上述した利点だけではなく、さらに、ユニオンナットをねじって嵌める際、すなわち接続時にも利点を有している。すなわち2つの雌ねじによって、ユニオンナットのねじり嵌め時に、心線受容および案内部分の軸方向運動の減速が生じ、従って、ユニオンナットのねじり嵌め、ひいては圧接コネクタ内への心線の押し込みを、僅かな力で行うことができる。これによって、4つ以上の心線を有するケーブルを、手で接続することもできる。これは、これまで可能ではなかった。
本発明のケーブル接続部品では、有利には、第1の雌ねじ、第2の雌ねじおよびフランジは、心線受容および案内部分に次のように配置および形成されている。すなわち、第1の雌ねじが完全に、接続体の雄ねじからねじって外されたときに、フランジが依然として第2の雌ねじと噛み合っているように、配置および形成されている。このような構成によって、ユニオンナットを接続体からねじって外した後に、ユニオンナットを引き離す際に、既に部分的に抜き出された心線受容および案内部分が自動的に完全に接続体から抜き出される。従って、ユニオンナットを接続体の雄ねじからねじって外した後に、心線受容および案内部分を接続体から、付加的に、別個に引き抜くことが不要になる。
第1の雌ねじおよび第2の雌ねじの上述した寸法は、例えば次のことによって実現される。すなわち、第1の雌ねじの長さl1が、第2の雌ねじの長さl2よりも長く、第2の雌ねじの長さl2が第1の雌ねじの長さl1と第2の雌ねじの長さl2との間の差よりも大きいことによって実現される。有利には、ここで、第1の雌ねじと第2の雌ねじは、同じ数のねじ山ピークを有している。従って上述したサイズ規則によって、容易に次のことが実現される。すなわち、第1の雌ねじが既に完全に接続体の雄ねじからねじって外されているときに、心線受容および案内部分のフランジが依然として、第2の雌ねじと噛み合っていることが実現される。これによって、ユニオンナットを引き離すのと同時に、心線受容部分および案内部分も同時に、接続体から抜き出される。
上述したケーブル接続部品の他に、本発明は、さらに、ケーブルを電気機器に導電性接続するためのケーブル接続装置にも関する。ここでは電気機器は、一般的なもの全てと理解されたい;殊に、用語「電気機器」には、電気部品、電気装置および電気設備も含まれる。電気機器とは例えば、ランプないしはランプ固定具、送風機、ヒーターまたはセンサ/アクチュエーターボックスのことである。
このようなケーブル接続装置は、上述したケーブル接続部品の他にさらに、機器接続部品を有している。これは、第1の雌ねじに一致する雄ねじを備えた接続体を有している。接続体内には、クランプおよび接続ユニットが配置されている。これは圧接コネクタと接続部材を有している。圧接コネクタは、ここで、ケーブル接続部品の側に配置されており、接続部材はケーブル接続部品の側と反対の側に配置されている。通常、これは、一体的に形成された金属部分であり、これは、一方の側で圧接コネクタとして形成されており、他方の側で接続部材として形成されている。接続部材は、同様に、有利には、ピンコンタクトまたはソケットコンタクトとして形成され得る。
最終に、本発明は、ケーブル接合装置にも関する。これは、2つのケーブルを導電性に接合するためのものである。しばしば線路接合部とも称されるこのようなケーブル接合装置は、本発明のケーブル接続部品の他に、ケーブル接合部品も有している。このケーブル接合部品は、ユニオンナットの第1の雌ねじに一致する雄ねじを備えた接続体と、クランプおよび接続ユニットとを有する。このクランプおよび接続ユニットは、圧接コネクタと接続部材とを備えている。機器接続部品のクランプおよび接続ユニットと同様に、ケーブル接合部品のクランプおよび接続ユニットでも、圧接コネクタはケーブル接続部品の方を向いている側に配置されており、接続部材は対向する側に配置されている。
第2のケーブルの心線を接続するために用いられる接続部材に対しては、基本的に、従来技術から公知の接続技術、例えば、ねじ止め接続またはばね力クランプ接続が使用される。しかし有利には、接続部材も圧接コネクタとして形成されており、これによって、ケーブル接続部品のクランプおよび接続ユニット内に複数の金属部分が形成される。この金属部分は、両側で圧接コネクタとして形成されている。この場合には、接続体は第2の雄ねじを有している。従って、接続体の第2の側にも、第2のケーブル接続部品のユニオンナットがねじって嵌められ、これによって、心線受容および案内部分が接続体内に挿入される。
詳細には、本発明のケーブル接続部品、ケーブル接続装置およびケーブル接合装置を様々にデザインすること、および、発展させることができる。これに関しては、個々の請求項および有利な実施例の説明を、図面と共に参照されたい。
図1には、本発明のケーブル接続部品1が示されている。ここで、このケーブル接続部品1は、第1の雌ねじ2を有するユニオンナット3と、複数の切れ口4を有する心線受容および案内部分5とから成る。図1には、縦断面で示されたユニオンナット3と、心線受容および案内部分5とが、相互に接続されていない状態で示されているが、図3は、雄ねじ6を有する接続体7と、組み合わされたケーブル接続部品1とを示している。ここでこの雄ねじ6は、ユニオンナット3の第1の雌ねじ2と一致するように構成されており、これによって、ユニオンナット3が第1の雌ねじ2でもって、接続体7の雄ねじ6にねじって嵌められる。
多芯(ここでは図示されていない)ケーブルを、接続体7に導電性接続するために、まずは、ケーブルが、ケーブル接続部品1内に挿入される。これはケーブルの終端部を、ユニオンナット3内の後方開口部8を通じて、心線受容および案内部分5内に入れることによって行われる。これは、個々の心線終端部が、ユニオンナット3と反対側の端面で、心線受容および案内部分5から突出するまで行われる。次に、個々の心線終端部が外側に巻き付けられ、陥入部9内に押し付けられる。この陥入部は、心線終端部に対する支持ストッパーとして用いられる。これによって、心線終端部は、切れ口4と交差するので、ユニオンナット3を接続体7にねじり嵌める際に、心線終端部の切り込みと、これに続く、接続体7内に配置されている圧接コネクタ10による個々の心線の導体の接触接続が生じる。圧接コネクタ10は、ここで、心線受容および案内部分5内に形成されている、端面側が開放された切れ口4内でスライドする。これによって、切れ口と交差して、外側へ巻き付けられた心線終端部が、圧接コネクタ10によって確実に接触接続することが保証される。
殊に図1から、図1で断面図で示されているユニオンナット3に基づいて読み取れるように、ユニオンナット3は、第1の雌ねじ2の他に、第2の雌ねじ11を有している。これは、ねじり嵌め方向Aにおいて、接続体7の雄ねじ6に一致する第1の雌ねじ2の後方に配置されている。第1の雌ねじ2と第2の雌ねじ11は、異なるねじピッチを有しており、第1の雌ねじ2のねじピッチg1は、第2の雌ねじ11のねじピッチg2よりも大きい。図示された有利な実施例では、第1の雌ねじ2のねじピッチg1は、第2の雌ねじ11のねじピッチg2の2倍よりも大きい。
殊に、図2の2つの図面から明らかであるように、第2の雌ねじ11は、心線受容および案内部分5に形成された、半径方向に延在するフランジ12と共働する。このフランジ12の横断面形状は、第2の雌ねじ11のねじの回旋の輪郭に整合されている。ユニオンナット3のねじり外し時および接続体7へのねじり嵌め時に、第1の雌ねじ2は雄ねじ6と共働し、第2の雌ねじ11はフランジ12と共働する。これによって、接続体7からユニオンナット3をねじって外す際に、軸方向の相対運動が、ユニオンナット3と接続体7との間でのみ生じるのではなく、心線受容および案内部5と接続体7との間にも生じる。これは、図2aと図2bを比較することによって明らかになる。従って、ユニオンナット3のねじり外し時に、心線受容および案内部5は自動的に、接続体7から抜き出され、これによって心線終端部も圧接コネクタ10から抜き出される。
第1の雌ねじ2を有するユニオンナット3が、完全に、接続体7の雄ねじ6から外れると、図2bに示されているように、ユニオンナット3が引き離されることによって、同時に、心線受容および案内部分5が接続体7から抜き出される。これは、第1の雌ねじ2の長さl1と、第2の雌ねじ11の長さl2と、心線受容および案内部分5でのフランジ12の位置とが次のように選択されることによって実現される。すなわち、第1の雌ねじ2が完全に雄ねじ6からねじり外された場合にも(図2b)、フランジ12が依然として第2の雌ねじ11と噛み合っているように選択されることによって実現される。
第1の雌ねじ2と第2の雌ねじ11とが同じ数のねじ山ピークを有している、本発明のケーブル接続部品1の図2に示された実施例では、第1の雌ねじ2の長さl1は、第2の雌ねじ11の長さl2の長さの2倍以上であり、フランジ12は心線受容および案内部分5に次のように配置されている。すなわち、第1の雌ねじ2の長さl1と第2の雌ねじ11の長さl2との間の差が、第2の雌ねじ11の長さl2よりも小さくなるように配置されている。
ユニオンナット3内の第2の雌ねじ11の形成は、ユニオンナット3のねじり外し時にだけ、上述した利点、すなわち、自動的に心線受容および案内部分5も接続体7から抜き出されるという利点を有するのではなく、接続体7へのケーブルの接続をより僅かな力で行うことができる、という利点を有する。すなわち、接続体7の雄ねじ6をユニオンナット3にねじって嵌める際に、第2の、より細かい雌ねじ11によって、接続体7内での心線受容および案内部分5の軸方向運動が減速される。第2の雌ねじ11のねじピッチg2が第1の雌ねじ2よりも小さいことによって、接続体7内での心線受容および案内部分5の軸方向運動は、ユニオンナット3の1回転あたり、第1の雌ねじ2のねじピッチg1よりも小さい。従って、ユニオンナット3の各回転によって、心線受容および案内部分5内に配置されている心線終端部は、僅かな区間だけ、接続体7内の圧接コネクタ10内に押し込まれる。これによって、接続時の力の投入が、4つ以上の心線を有するケーブルも手で接続可能である程度に僅かになる。
図1および図2から見て取れるように、心線受容および案内部分5は、陥入部9に対向する側に、ケーブル固定および密閉領域13を有している。この領域は、環状に配置されている多数のブレード14と、これらのブレード14の内部に配置されている密閉部15とから成る。ブレード14は、ユニオンナット3のねじり嵌め時に、ユニオンナット3の内側に設けられている傾斜部16とともに、いわゆるPGねじの様式で作用する。従って、ユニオンナット3を接続体7にねじり嵌める際に、ブレード14が密閉部15に押し付けられる。これによって、挿入されるケーブルのシーリングもケーブル固定も同時に行われる。
図2〜図4に示されたケーブル接続装置17は、ケーブル接続部品1と機器接続部品18とから成る。ケーブル接続部品1は、ここでユニオンナット3と心線受容および案内部分5とを有している。機器接続部品18は、接続体7と接続体7内に配置されているクランプおよび接続ユニット19とから成る。このクランプおよび接続ユニット19は、接続されるべき心線の数に相応する数の金属部分20を有する。個々の金属部分20はここで、ケーブル接続部品1の方を向いている側で、圧接コネクタ10として形成されており、ケーブル接続部品1の側と反対の側で接続部材21として形成されている。この接続部材21には、電気的な線路が例えばはんだ付けによって接続される。
図示された、ケーブル接続装置17の実施例では、機器接続部品18は壁ブッシングとして形成されており、従って、接続体7は、ケーブル接続部品1の側と反対の側に、さらに、第2の雄ねじ22を有している。このような場合に機器接続部品18は容易に、この雄ねじ22によって、ケーシング壁部内の相応するねじ内に、ねじって嵌められ、ナットによって固定される。