JP2014523490A - 分離されていない電解質セル及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の製造方法、個々の構成要素から構成される分離されていない電解質セル、及び複数の電解質セルから構成される電解装置に関する。

Description

本発明は一態様において、ペルオキソ二硫酸アンモニウム又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の製造方法に関する。
対応する硫酸塩又は硫酸水素塩を含む水溶液の陽極酸化により、アルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩(peroxydisulphate)及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを調製し、陽極液からの晶出によって形成された塩を取得することは、公知である。この方法では、分解電圧は水からの酸素の陽極生成の分解電圧を超えるため、従来使用されている白金陽極上での水の酸素への分解電圧(酸素過電圧)を上昇させる促進剤と称される、従来のチオシアン酸ナトリウム又はチオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩が使用される。
Rossberger(米国特許第3915816(A))は、過硫酸ナトリウムを直接調製する方法を記述する。これに関し、チタンをベースとして白金をコーティングした陽極を有する分離されていない(undivided)セルが電解質セル(electrolytic cell)として記載されている。記述された電流効率は、電圧を上昇させる促進剤の添加に基づいている。
ドイツ連邦共和国特許第2757861号明細書の記載によれば、ナトリウムイオン5〜9質量%、硫酸イオン12〜30質量%、アンモニウムイオン1〜4質量%、ペルオキソ二硫酸イオン6〜30質量%、および特にチオシアネートのような電圧を上昇させる促進剤、の初期含量を有する中性の陽極水溶液を、陰極液としての硫酸溶液を使用しながら少なくとも0.5〜2A/cmの電流密度で電気分解することにより、70〜80%の電流効率でペルオキソ二硫酸ナトリウムが、隔膜によって保護された陰極および白金陽極を備えた電解質セル中で製造される。陽極液からのペルオキソ二硫酸塩の晶出および分離の後、母液は、陰極生成物と混合され、混合物は中和され、かつ再び陽極に供給される。
この方法の欠点は次のとおりである:
1.酸素の発生を減少させるために促進剤の使用が必要であること。
2.上述の高い電流効率を得るために、適切な膜を用いて陽極と陰極とを空間的に分離する必要があること。このために必要な膜は、摩耗に非常に大きな影響を受ける。
3.経済的に受け容れ可能な電流効率を得るため、高い電流密度ひいては高い陽極電位が必要であること。
4.特に工業的目的に受け容れ可能な電流効率および陽極の高い寿命に関連して白金陽極の製造に関連した問題があること。生成物につき最大1g/tの量での過硫酸塩により生じ得る、白金の連続的な腐食を例として挙げることができる。白金のこの腐食は生成物を汚染する影響がある一方、他方では貴重な原料の消費につながり、大事なことをひとつ言い残したが、その結果として製造コストも増大する。
5.本質的に過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムであり低い溶解度積の過硫酸塩の製造は、非常に高い希釈度でのみ可能であること。これは、必要な結晶形成における高いエネルギーの導入を引き起こす。
6.いわゆる転換プロセス(conversion process)を用いる場合、調製される過硫酸塩は過硫酸アンモニウム溶液から再結晶化されなければならないこと。これは、一般に生成物の純度の減少又は不足も招く。
欧州特許第0428171号明細書は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウムを含む、ペルオキソ化合物を製造するためのフィルタープレス型の電解質セルを開示する。この場合、バルブ金属上に熱間静水圧(HIP)処理により付着された白金箔が陽極として使用される。陽極液としては、促進剤および硫酸を含有する、対応する硫酸塩の溶液が使用される。また、この方法も前記の問題を有する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19913820号明細書の方法において、ペルオキソ二硫酸塩は、中性の硫酸アンモニウムを含有する水溶液を陽極酸化することによって製造される。ペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはペルオキソ二硫酸カリウムを製造するため、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを含有し陽極酸化により得られた溶液が、苛性ソーダ液または苛性カリ液と反応される。対応するアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の結晶化および分離の後に、母液は、電気分解の際に発生する陰極液との混合物で再循環される。この場合も、電気分解は、促進剤の存在下に陽極としての白金電極上で行なわれる。
ペルオキソ二硫酸塩は、既に数十年に亘って工業的規模で白金電極での陽極酸化によって得られているにも拘わらず、この方法は、さらに重大な欠点を引き続き有する(上記リストを参照)。酸素過電圧を上昇させかつ電流効率を改善させるために、分極剤とも呼称される促進剤を添加することが常に必要とされている。陽極酸化の際に副生成物として不可避的に生じる上記促進剤の酸化生成物としての毒性物質が陽極排ガス中に到達し、ガス洗浄器中で除去されなければならない。高い電流効率は、さらに陽極液と陰極液の分離を必要とする。通常は全面を白金で被覆された陽極は、常に高い電流密度を必要とする。それによって陽極液量(anolyte volume)、セパレータおよび陰極に高い電流負荷が生じ、その結果として、電解質セルの三次元構造および活性化によって陰極電流密度を減少させる付加的な手段が必要とされる。その上、不安定なペルオキソ二硫酸塩溶液に高い熱負荷が生じる。この負荷を最少化するために、構造対策(construction measure)が取られなければならず、冷却費用がさらに増大する。除熱が限定されるために、電極面積は制限されなければならず、それによってセル単位当たりの設備費用が高くなる。高い電流負荷を克服するために、一般に高い熱伝導特性を有する電極支持材料が付加的に使用されなければならないが、この場合、電極支持材料は今度は腐食に敏感であり、高価である。
P.A. Michaud他は、Electrochemical and Solid State letters, 3(2) 77-79 (2000)において、ホウ素でドープされたダイヤモンド薄層電極を使用しながら硫酸を陽極酸化することによってペルオキソ二硫酸(peroxydisulphuric acid)を製造することを教示している。この刊行物は、この種の電極が白金電極よりも酸素に対してより高い過電圧を有することを教示している。しかし、ホウ素でドープされたダイヤモンド薄層電極がペルオキソ二硫酸アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の工業的製造にも使用することができるか否かを、この刊行物は示唆していない。これに関し、一方では硫酸と、他方で硫酸水素塩、殊に中性硫酸塩とが、陽極酸化の際に極めて異なる挙動を取ることは実際に知られている。ホウ素でドープされたダイヤモンド電極で酸素の過電圧が高められるにも拘わらず、硫酸の陽極酸化と共に主要な副反応は、酸素および付加的にオゾンが発生することにある。
欧州特許第1148155号明細書に記述の発明の間に、StennerとLehmannは2001年に既に、ダイヤモンドで被覆され、分離された電解質セルが過硫酸塩の調製に使用され、それにも関わらず、かかる高電流効率を達成するために追加の促進剤が必要でないことを認識していた。この方法の欠点は、既に上述したように、特に敏感なセパレータに起因し、本質的に過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムであり低い溶解度積の過硫酸塩の製造が、非常に高い希釈度でのみ可能であることであり、このことはつまり、溶解限度を下回るということである。そして、これは結晶形成、並びに蒸発及び乾燥の過程での塩の排出(discharge)における高いエネルギーの導入を必要とする。
従って、本発明の目的は、公知方法の欠点を回避するか、公知方法の欠点を少なくとも僅かな程度有するのみとし、過硫酸塩の製造のためにダイヤモンドで被覆され分離されていないセルの使用を可能とする、ペルオキソ二硫酸アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩を製造するための工業的方法を提供することである。特に、本発明の目的は、本発明において示される電気化学的効果に加えて、特にダイヤモンド被覆担体の他の使用から公知である機械的及び摩耗特性をも、上述の懸濁液中の硫酸塩の電気化学的酸化に使用可能になるよう、硫酸塩及び硫酸を含む電解質溶液(electrolyte solution)又は電解質懸濁液への溶解度が低い可能性のある過硫酸塩の製造のための工業的方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本出願は、一連の硫酸アンモニウム、アルカリ金属硫酸塩及び/又は対応する硫酸水素塩からの塩を含む水性電解質を、少なくとも1つの陽極及び陰極を備えた電解質セル内で陽極酸化することを含み、導電性の担体上に配置され3価又は5価の元素でドープされたダイヤモンド層を前記陽極として使用する、ペルオキソ二硫酸アンモニウム又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の製造方法を提供し、前記電解質セルは、前記陽極と前記陰極の間で分離されていない電解質室(electrolyte chamber)を含み、前記水性電解質は、水の酸素への分解電圧を増加させるための促進剤を含まない。
前記陽極酸化に使用され、一連の硫酸アンモニウム、アルカリ金属硫酸塩及び/又は対応する硫酸水素塩からの前記塩としては、あらゆる任意のアルカリ金属硫酸塩又は対応する硫酸水素塩であることができる。しかしながら、本出願との関係で、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸カリウム、及び/又は対応する硫酸水素塩の使用は特に好ましい。
本発明との関係で、「促進剤」又はさらに「分極剤」は、水の酸素への分解電圧を増加させるため、又は電流効率を向上させるため、電気分解を行う時に添加するものとして、当業者に公知の任意の薬剤である。従来技術で使用されるこの種の促進剤の例としては、例えば、チオシアン酸ナトリウム又はチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩である。そのような促進剤は、本発明では使用されない。換言すれば、本発明に従う方法における電解質は0g/lの濃度の促進剤を含む。プロセス中に促進剤を用いないことにより、例えば、典型的に形成された電解ガスに関する浄化の要求が不要となる。
導電性の担体上に配置され、3価又は5価の元素でドープされたダイヤモンド層を含む陽極が、本発明に従う方法で使用される。この特徴の利点は、ダイヤモンド被覆の非常に高い耐摩耗性にある。長期試験は、この電極が12年以上の最低寿命を達成することを示した。
用いられる陽極は、任意の所望の形態とすることができる。
これに関し、当業者に公知の任意の所望の陽極担体材料を用いることができる。本発明における好適な実施形態において、担体材料は、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウム、又はこれらの元素の組み合わせからなる群から選択される。
3価又は5価の元素でドープされたダイヤモンド層が、この担体材料に適用される。ドープされたダイヤモンド層は、n型又はp型の導体である。これに関連して、ホウ素及び/又はリンをドープされたダイヤモンド層が使用されることが好ましい。ドープ量は、例えば、一般にちょうど十分な導電性が達成されるような所望の量に調整される。例えば、ホウ素をドープする場合には、結晶構造中にホウ素を10,000ppm以下含むことができる。
前記ダイヤモンド層は、全域にわたって又は、例えば担体材料の専ら前面又は専ら裏面などの一部分に適用することができる。
ダイヤモンド層の適用のためのプロセスは、当業者に公知である。ダイヤモンド電極の製造は、特に2つの特定のCVD(化学蒸着法)で実施することができる。これらは、マイクロ波プラズマCVD、及びホットワイヤCVDである。両方の場合において、マイクロ波照射によって、又はホットワイヤによって熱的にプラズマに活性化される気相は、メタン、水素及び任意の他の添加物、特にドープ剤のガス状化合物から形成される。
トリメチルボランなどのホウ素化合物を用いて、p型半導体を提供することができる。ドープ剤としてガス状のリン化合物を用いることにより、n型半導体が得られる。結晶シリコン上に、ドープされたダイヤモンド層を析出することによって、特に緻密で気孔のない層が得られ、約1μmの膜厚が通常は十分である。これに関し、ダイヤモンド層は、約0.5〜約5.0μm、好ましくは約0.8〜約2.0μm、特に好ましくは約1.0μmの膜厚で、本発明に従って使用される陽極担体材料に好適に適用される。
結晶性材料上にダイヤモンド層を析出する代わりに、析出は、自己不動態性金属、例えばチタン、タンタル、タングステンまたはニオブ上で行なうこともできる。P. A. Michaudの前記刊行物は、シリコン単結晶上に特に適したホウ素ドープされたダイヤモンド層を製造するために参照される。
本発明に関し、ホウ素ドープされたダイヤモンド層、特に結晶構造中に10,000ppm以下のホウ素がドープされたダイヤモンド層を有する、ニオブ又はチタン担体を含む陽極の使用が特に好ましい。
本発明に従う方法において用いられる陰極は、好ましくは鉛、炭素、スズ、白金、ニッケル、これらの元素の合金、ジルコニウム及び/又は当業者に公知のような耐酸性高品質鋼から形成される。陰極は、3次元的に任意の所望の形状を有することができる。
本発明に従って使用される電解質セルにおいて、電解質室は陽極と陰極との間で分離されておらず、すなわち陽極と陰極との間にセパレータが存在しない。分離されていないセルの使用は、非常に高い固形分濃度を有する電解質溶液の可能性を提供し、その結果として今度は、塩を得る際、原則的に結晶化及び水の蒸発であるエネルギーの消費が、固形分量の増加に直接比例し、少なくとも分離されたセルのそれの25%に著しく低減される。
好ましい実施形態では、本発明に従う方法は、2次元又は3次元セル中で行われる。これに関し、セルは好ましくは平坦状又は管状のセルとして構成される。
具体的には、管形状、即ち好ましくは、ダイヤモンドで被覆されたニオブからなる陽極としての内管と、好ましくは耐酸性高品質鋼からなる陰極としての外管とを含む管状セルの使用は、有利な構造と同時に低い材料コストを意味する。共通の電解質室として環状の間隙を使用することは好ましく、かつ均一で流動損失が低い流れにつながり、そのため電解表面の利用度を高めることが可能となる。このことは、高い電流効率を意味する。このようなセルの生産コストは、いわゆる平坦なセルに比べて低い。
本発明に従う方法の好ましい実施形態では、いくつかの電解質セルは、好ましくは二重管パッケージ(double tube package)又は二次元の形で結合されている。
本発明に従う方法において用いられる電解質は、好ましくは酸性、好ましくは硫酸、又は中性のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態において、電解質は、プロセス中に電解質セルを通って循環して移動する。その結果、過硫酸塩の分解を促進する望ましくないセル内の高い電解質温度が防止される。
さらに好ましい実施形態では、前記方法は、電解質循環から電解質溶液を押し流すこと(sluicing out)を含む。これは、特に、生成されたペルオキソ二硫酸塩を得るために実施することができる。従って、さらに好ましい実施形態は、電解質液(electrolyte liquor)を形成するため、生成されたペルオキソ二硫酸塩が前記電解質溶液から結晶を結晶化及び分離して得られる手順に関し、好ましくは、前記電解質溶液が予め電解質循環から洗い流されたものである。特に生成されたペルオキソ二硫酸塩が予め分離されている場合に、さらに好ましい実施形態は、前記電解質母液(electrolyte mother liquor)を再循環し、前記電解質セル内で酸、硫酸塩及び/又は硫酸水素塩の含有量を増加させることを含む。
本発明によれば、陽極酸化は、好ましくは、50〜1500mA/cm2、より好ましくは約50〜1200mA/cm2の陽極電流密度で行うことができる。特に好ましく使用される電流密度は、60〜975mA/cm2の範囲内である。
本発明に従う方法で使用される前記電解質は、好ましくは約0.5〜650g/lの全固形分を有する。前記(実用的な(working))電解質は、好ましくは約100〜約500g/l、より好ましくは約150〜約450g/l、最も好ましくは250〜400g/lの過硫酸塩を含む。本発明による方法は、このように前記電解質溶液中での特に高い固形分濃度を可能とし、電圧増加剤又は促進剤の添加を不要とし、及びその結果として生じる排ガス及び排水処理を必要とせず、同時にペルオキソ二硫酸塩の調製の間に高電流効率を有する。
前記電解質溶液は、さらに好ましくは電解質溶液1リットル当たり約0.1〜約3.5molの硫酸を含み、より好ましくは電解質溶液1リットル当たり1〜3molの硫酸を含み、最も好ましくは電解質溶液1リットル当たり2.2〜2.8molの硫酸を含む。
要約すると、以下の組成の電解質が、本発明による方法で特に好ましく使用される:電解質1リットル当たり150〜500gの過硫酸塩と、電解質溶液1モル当たり0.1〜3.5molの硫酸である。全固形分は好ましくは0.5g/l〜650g/l、より好ましくは100〜500g/l、最も好ましくは250〜400g/lであり、硫酸塩の含有量はこれに関連して変化する。促進剤の含有量は0g/lである。
本発明はさらに、個々の構成要素から構築される分離されていない電解質セル(electrolytic cell)、いくつかのそのような電解質セルから構築される電解装置(electrolytic device)、及び電解質の酸化のためのそれらの使用に関する。
「電気分解」は、電解質を通る電流によって引き起こされる化学変化を意味すると理解され、それ自身が電極反応及びイオン移動のメカニズムによる電気エネルギーの化学エネルギーへの直接変換(conversion)を表す。確かに工業的に最も重要な電気化学反応は、水酸化ナトリウム溶液及び塩素ガスが形成される塩化ナトリウム溶液の電気分解である。無機過酸化物の調製は、昨今では電解質セル内で大きな工業規模で実施される。
大規模な工業的プロセスにおいては、抽出物(educt)、つまりそれに応じた生成物を高濃度で反応させることが特に望ましい。反応生成物が溶液中にある場合には溶媒を除去しなければならないことから、高い生成物濃度は、最終生成物を作り上げるのを容易にする。高濃度の電解質の電気分解は、電解生成物のその後の作り上げにおけるエネルギーの消費をも、このように低くすることができる。
非常に高い固形分の使用は、それにもかかわらず、電解質の摩耗作用に起因して電解質セルの構成部品に高い要求がなされる。特に、分離された電解質セルにおける陽極室と陰極室での反応生成物の混合を防止する隔膜は、長期間の高濃度での電解プロセスに耐えられない。従って高い固形分では、電気分解は分離されていないセルでのみ行うことができ、そこでは陽極室と陰極室が適切な膜を用いて空間的に分離される必要はない。このように分離されていないセルは、陽極又は陰極で調製された抽出物と生成物のどちらもが、他の特定の電極プロセスによって干渉する態様(interfering manner)で変化しない又は互いに反応しない場合に特に用いられる。
さらに、陽極と陰極の材料は、高い固形分濃度での機械的要求をも満たす必要があり、そのため、非常に耐摩耗性を有する。
電気分解をできるだけ経済的に設計するため、電解質セルは、電気分解が可能な限り最も高い電流密度で行うことができるように構成されなければならない。このことは、陽極と陰極とが良好な電気伝導性を有し、電解質溶液に対して化学的に不活性である場合にのみ可能である。グラファイト又は白金は、陽極材料として従来から使用されている。それにもかかわらず、これらの材料は、高い固形分濃度でそれらが十分な耐摩耗性を有していないという欠点を有する。
機械的に極めて安定かつ不活性である電極の製造は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19911746号に開示されている。これに関し、電極は、化学気相蒸着法(CVD)により適用されたダイヤモンド層である導電性ダイヤモンド層で被覆されている。
本発明の目的は、高い固形分濃度(約650g/リットルまで)及び高い電流密度範囲(約1500mA/cm2まで)での連続的かつ最適化された電解プロセスを可能にする電解質セルを提供することである。電解質セルは、実行される電気化学反応に適合されるべきであると共に、実際のセル本体が破壊されることなく、個々の構成部材が容易に交換可能であるべきである。
驚くべきことに、
(a)少なくとも1つの管状の陰極、
(b)導電性ダイヤモンド層で被覆された導電性の担体を含む、少なくとも1つの棒状又は管状の陽極、
(c)少なくとも1つの注入管(inlet tube)、
(d)少なくとも1つの排出管(outlet tube)、及び
(e)少なくとも1つの分配装置(distributor device):
の構成要素を有する電解質セルによって、上記目的を達成することができた。
好ましくは、電解質室が、内側に位置する陽極と外側に位置する陰極との間の環状の間隙として形成されるよう、前記電解質セルにおいて、好ましくは陽極と陰極とが互いに同心円状に配置されている。この実施形態では、従って陰極の直径は陽極の直径より大きい。
好ましい実施形態では、電解質室は膜又は隔膜(membrane or diaphragm)を含まない。この場合、電解質セルは共通の電解質室を有する、つまり電解質セルは分離されていない。
好ましくは、前記陽極の外面と前記陰極の内面との間の距離が1〜20mmの範囲であり、より好ましくは1〜15mmの範囲であり、さらに好ましくは2〜10mmの範囲であり、最も好ましくは2〜6mmの範囲である。
前記陰極の内径が好ましくは10〜400mmの範囲であり、より好ましくは20〜300mmの範囲であり、さらに好ましくは25〜250mmの範囲である。
好ましい実施形態において、前記陽極と前記陰極とは、互いに独立して20〜120 cmの長さの範囲にあり、より好ましくは25〜75cmの長さである。
前記電解質室の長さは好ましくは少なくとも20cmであり、より好ましくは少なくとも25cmであり、最大で好ましくは120cmであり、さらに好ましくは75cmである。
本発明に従って用いられる陰極は、好ましくは、鉛、炭素、スズ、白金、ニッケル、これらの元素の合金、ジルコニウム及び/又は鉄合金、特に高品質鋼(high-grade steel)、特に耐酸性高品質鋼(acid-resistant high-grade steel)から形成されている。好ましい実施形態において、陰極は、耐酸性高品質鋼製である。
棒状又は筒状、好ましくは管状である陽極の基材は、好ましくはシリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウム、又はこれらの元素の組み合わせである。
陽極担体材料は、陽極基材と同一であっても異なっていてもよい。好ましい実施形態では、陽極基材が導電性の担体として機能する。当業者に公知の任意の所望の導電性材料が導電性の担体として使用されることができる。特に好ましい担体材料は、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウム、又はこれらの元素の組み合わせである。シリコン、チタン、ニオブ、タンタル、タングステン、又はこれらの元素の炭化物が導電性の担体として使用されるのに特に好ましく、より好ましくはニオブ又はチタン、さらに好ましくはニオブである。
導電性ダイヤモンド層がこの担体材料に適用される。ダイヤモンド層は、少なくとも1つの3価又は少なくとも1つの5価の主族又は副族元素(main group or sub-group element)でドープされることができる。ドープされたダイヤモンド層は、それゆえn型の導体又はp型の導体である。これに関連して、ホウ素ドープ及び/又はリンドープされたダイヤモンド層を用いることが好ましい。ドープ量は、一般にちょうど十分な所望の導電性が得られるように調整される。例えば、ホウ素をドープする場合には、結晶構造がホウ素及び/又はリンを10,000ppm以下、好ましくは10ppmから2,000ppm含むことができる。
ダイヤモンド層は、棒状又は管状の陽極の表面全体又は一部分、好ましくは外表面全体に適用することができる。好ましくは、導電性ダイヤモンド層は無孔である。
ダイヤモンド層の適用のためのプロセスは、当業者に公知である。ダイヤモンド電極の製造は、特に2つの特定のCVD法(化学蒸着)によって実施することができる。これらは、マイクロ波プラズマCVD、及びホットワイヤCVDプロセスである。いずれの場合においても、マイクロ波の照射によって又は熱的にホットワイヤによって、メタン、水素及び任意のさらなる添加物、特にドーピング剤のガス状化合物からプラズマに活性化された気相が形成される。
トリメチルボランなどのホウ素化合物を用いて、p型半導体を提供することができる。ドープ剤としてガス状のリン化合物を用いることにより、n型半導体が得られる。結晶シリコン上へのドープされたダイヤモンド層の堆積によって、特に緻密で気孔を含まない層が得られる。これに関連して、ダイヤモンド層は、本発明に従って使用される導電性の担体に対し、約0.5〜5.0μm、好ましくは約0.8〜2.0μm、特に好ましくは約1.0μmの膜厚で好ましく適用される。別の実施形態では、ダイヤモンド層は、本発明に従って使用される導電性の担体に対し、0.5〜35μm、好ましくは5〜25μm、特に好ましくは10〜20μmの膜厚で好ましく適用される。
結晶材料上にダイヤモンド層を堆積する代わりに、例えば、チタン、タンタル、タングステン又はニオブのような自己不動態化金属上に堆積を行うこともできる。シリコン単結晶上に特に適したホウ素ドープされたダイヤモンド層の製造については、P.A. Michaud( Electrochemical and Solid State letters, 3(2) 77-79 (2000))が参照される。
本発明に関して、ホウ素ドープダイヤモンド層、特にホウ素が10,000ppm以下の範囲でドープされたダイヤモンド層を有するニオブ又はチタン担体を含む陽極の使用が特に好ましい。
ダイヤモンド被覆された電極は、非常に高い機械的強度及び耐摩耗性によって際立っている。
好ましくは陽極及び/又は陰極、より好ましくは陽極及び陰極、さらに好ましくは陽極は、分配装置を介して電流源(current source)に接続されている。陽極及び陰極が分配装置を介して電流源に接続されている場合には、それに応じて分配装置が電気的に絶縁されていることが保証されなければならない。いずれの場合も、陽極及び/又は陰極と分配装置との間の良好な電気的接続が確保される。
分配装置はさらに、注入管から電解質室への電解質の均一な供給を保証する。電解質が電解質室を通過した後、反応した電解質(電解生成物)は、上流側に位置する少なくとも1つの分配装置を用いて効果的に回収され、排出管を介して除去される。
本発明に従う分配装置は、互いに独立して、好ましくはシリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウム、又はこれらの元素の組み合わせからなり、特に好ましくはチタンからなる。
好ましくは分配装置は、少なくとも1つの排出管又は注入管との少なくとも1つの接続点、及び陽極との1つの接続点を有する。陽極との接続点は、適切な場合に閉塞されると共に、陽極管又は陽極棒と同一平面で(flush with)終端する中空円筒を形成する。管状陽極の場合、電解質が陽極の内部に入ることができないよう、分配装置の中空円筒が陽極管をしっかりと閉塞することができる。その代わりに、分配装置の陽極に接する接続点は、陽極管内に逃がし(relief)孔を有することができる。これは、分配要素の圧力が高過ぎる場合に、電解質が陽極管内に流れることが可能となることを防止する。
適切な場合に閉じられる分配装置の中空円筒は、陽極の担体材料に取り付けられることができ、又はダイヤモンド被覆された担体に直接取り付けられることもできる。後者の場合、担体及び分配装置は、このように導電性ダイヤモンド層によって互いに分離されている。特に好ましい実施形態では、分配装置は、元に戻せないように(不可逆的に;irreversibly)、特に好ましくは溶接されて陽極に接続されている。このことは、作業が高い電流強度で行われる場合に特に有利である。例えば、陽極及び分配装置は、拡散溶接、電子ビーム溶接又はレーザ溶接により溶接することができる。
分配装置の中空円筒の周囲には半径方向に(radial)穴が配置されている。分配装置は、好ましくは3個、より好ましくは4個、更に好ましくは5個の半径方向に配置された穴を有する。分配装置内の半径方向に配置された穴により、電解質が均一かつ流れによって支援された態様で電解質室へ分配されることができ、さらに電解生成物が電解質室を通過した後に効果的に取り出されることができる。
電解質は、好ましくは電解質セルに供給され、特に好ましくは注入管を介して分配装置に供給される。電解生成物は、好ましくは排出管を介し、特に好ましくは電解生成物が分配装置内に回収された後に、電解質セルから取り出される。
好ましい実施形態では、電解質又は電解生成物が陰極から出ることができないよう、分配装置は管状陰極をしっかりと閉塞するように構成されている。
分配装置は、互いに独立していくつかの役割(task)を実行する。
・電解質が陽極内部に入らないような管状陽極のシール、又は陽極室内の逃がし孔による圧力調整、及び/又は
・電流源と、陽極及び/又は陰極との電気的接続、及び/又は
・流れによって支援された態様による電解質室内の電解質の均一な分配(交換面積の全体にわたる最適な水圧分布(hydraulic distribution))、及び/又は
・電解質室からの電解生成物の効果的な除去、及び/又は
・管状陰極のシール、及び/又は
・流れ損失の低減。
陽極、陰極、分配装置、注入管及び排出管の構成要素は、当業者に公知の対応する組立装置によって電解質セルに組み立てることができる。
陽極、陰極、分配装置、注入管及び排出管のモジュール構造により、個々の構成要素は様々な材料で形成されることができ、損傷した場合には個々に交換又は置き換わることができる。本発明に従うダイヤモンド陽極、及びより安価な材料から製造される他の構成要素は、構造が非常にコンパクトな電解質セルを与えるよう、簡単な方法で互いにうまく結合される。
管状の電解質セルは、高い強度と同時に材料の使用率が低いことによってもさらに際立っている。例えば、電解質が研磨的に作用することに起因して時間と共に摩耗する部品は個別に交換することができ、材料の経済的な使用がこの点においても保証される。管状の電解質セルにおいて、電解質が流れによって支援された態様で電解質室に流入し、その結果として流体損失が回避され、材料の電気化学的交換のために表面が最適に使用されることができる。高い固形分濃度と高い電流密度範囲での連続的かつ均一な電解プロセスは、電極材料及び電極配置によって可能である。
本発明のさらなる態様は、少なくとも2つの本発明に従う電解質セルを備え、電解質が連続して各電解質セルを通って流れ、電解質セルが並列に接続されて電気化学的に運転される電解装置である。設備能力は従って柔軟であり、無制限に実施することができる。
本発明に従う電解質セル又は本発明に従う電解装置は、電解質の酸化に特に適している。上述したように、陽極又は陰極で調製され又は反応される電解質生成物(electrolyte product)及び電解生成物(electrolytic product)のどちらもが、他の特定の電極プロセスによって干渉する態様(interfering manner)で変化しない又は互いに反応しない場合、分離されていない電解質セルは電解質の酸化に特に適している。
本発明に従う電解質セルは、50〜1,500mA/cm2、好ましくは50〜1,200mA/cm2、より好ましくは60〜975mA/cm2の電流密度で動作させることができ、従って、大規模な工業的かつ経済的なプロセスを可能とする。
さらに、本発明に従う電解質セル/電解装置は、0.5〜650g/lの間、好ましくは100〜500 g/l、より好ましくは150〜450 g/l、さらにより好ましくは250〜400 g/lの非常に高い固形分で使用することができる。
本発明に従う電解質セル/電解装置は、硫酸塩をペルオキソ二硫酸塩に陽極酸化するために特に適している。
本発明に従う電解質セル/電解装置は、特にペルオキソ二硫酸塩の製造のためのものであることがわかった。
対応する硫酸塩又は硫酸水素塩を含む水溶液の陽極酸化により、アルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩及びペルオキソ二硫酸アンモニウムを調製し、陽極液からの晶出によって形成された塩を取得することは、公知である。このプロセスでは、分解電圧は水からの酸素の陽極生成の分解電圧を超えるため、従来使用されている白金陽極上での水の酸素への分解電圧(酸素過電圧)を上昇させる促進剤又は分極剤と称される、従来のチオシアン酸ナトリウム又はチオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩が使用される。
Rossberger(米国特許第3915816(A))は、過硫酸ナトリウムを直接調製する方法を記述する。これに関し、チタンをベースとして白金をコーティングした陽極を有する分離されていないセルが電解質セルとして記載されている。記述された電流効率は、電圧を上昇させる促進剤の添加に基づいている。
ドイツ連邦共和国特許第2757861号明細書の記載によれば、ナトリウムイオン5〜9質量%、硫酸イオン12〜30質量%、アンモニウムイオン1〜4質量%、ペルオキソ二硫酸塩イオン6〜30質量%および特にチオシアネートのような電圧を上昇させる促進剤、の初期含量を有する中性の陽極水溶液を、陰極液としての硫酸溶液を使用しながら少なくとも0.5〜2A/cmの電流密度で電気分解することにより、70〜80%の電流効率を有するペルオキソ二硫酸ナトリウムが、隔膜によって保護された陰極および白金陽極を備えた電解質セル中で製造される。陽極液からのペルオキソ二硫酸塩の晶出および分離の後、母液は、陰極生成物と混合され、混合物は中和され、かつ再び陽極に供給される。
この方法の欠点は次のとおりである:
1.酸素の発生を減少させるために促進剤の使用が必要であること。
2.上述の高い電流効率を得るために、適切な膜を用いて陽極と陰極とを空間的に分離する必要があること。このために必要な膜は、摩耗に非常に大きな影響を受ける。
3.経済的に受け容れ可能な電流効率を得るため、高い電流密度ひいては高い陽極電位が必要であること。
4.特に工業的目的に受け容れ可能な電流効率および陽極の高い寿命に関連して白金陽極の製造に関連した問題があること。生成物につき最大1g/tの量での過硫酸塩により生じ得る、白金の連続的な腐食を例として挙げることができる。白金のこの腐食は生成物を汚染する影響がある一方、他方では貴重な原料の消費につながり、大事なことをひとつ言い残したが、その結果として製造コストも増大する。
5.本質的に過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムであり低い溶解度積の過硫酸塩の製造は、非常に高い希釈度でのみ可能であること。これは、必要な結晶形成における高いエネルギーの導入を引き起こす。
6.いわゆる転換プロセスを用いる場合、調製される過硫酸塩は過硫酸アンモニウム溶液から再結晶化されなければならないこと。これは、一般に生成物の純度の減少又は不足も招く。
欧州特許第0428171号明細書は、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびペルオキソ二硫酸カリウムを含む、ペルオキソ化合物を製造するためのフィルタープレス型の電解質セルを開示する。この場合、バルブ金属上に熱間静水圧処理により付着された白金箔が陽極として使用される。陽極液としては、促進剤および硫酸を含有する、対応する硫酸塩の溶液が使用される。また、この方法も前記の問題を有する。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19913820号明細書の方法において、ペルオキソ二硫酸塩は、中性の硫酸アンモニウムを含有する水溶液を陽極酸化することによって製造される。ペルオキソ二硫酸ナトリウムまたはペルオキソ二硫酸カリウムを製造するため、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを含有し陽極酸化により得られた溶液が、苛性ソーダ液または苛性カリ液と反応される。対応するアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の結晶化および分離の後に、母液は、電気分解の際に発生する陰極液との混合物で再循環される。この場合も、電気分解は、促進剤の存在下に陽極としての白金電極上で行なわれる。
ペルオキソ二硫酸塩は、既に数十年に亘って工業的規模で白金電極での陽極酸化によって得られているにも拘わらず、この方法は、さらに重大な欠点を引き続き有する(上記リストを参照)。酸素の過電圧を上昇させかつ電流効率を改善させるために、分極剤とも呼称される促進剤を添加することが常に必要とされている。陽極酸化の際に副生成物として不可避的に生じる上記促進剤の酸化生成物としての毒性物質が陽極排ガス中に到達し、ガス洗浄器中で除去されなければならない。高い電流効率は、さらに陽極液と陰極液の分離を必要とする。通常は全面を白金で被覆された陽極は、常に高い電流密度を必要とする。それによって陽極液量、セパレータおよび陰極に高い電流負荷が生じ、その結果として、電解質セルの三次元構造および活性化によって陰極電流密度を減少させる付加的な手段が必要とされる。その上、不安定なペルオキソ二硫酸塩溶液に高い熱負荷が生じる。この負荷を最少化するために、構造対策が取られなければならず、冷却費用がさらに増大する。除熱が限定されるために、電極面積は制限されなければならず、それによってセル単位当たりの設備費用が高くなる。高い電流負荷を克服するために、一般に高い熱伝導特性を有する電極支持材料が付加的に使用されなければならないが、この場合、電極支持材料は今度は腐食に敏感であり、高価である。
P.A. Michaud他は、Electrochemical and Solid State letters, 3(2) 77-79 (2000)において、ホウ素でドープされたダイヤモンド薄層電極を使用しながら硫酸を陽極酸化することによってペルオキソ二硫酸を製造することを教示している。この刊行物は、この種の電極が白金電極よりも酸素に対してより高い過電圧を有することを教示している。しかし、ホウ素でドープされたダイヤモンド薄層電極がペルオキソ二硫酸アンモニウムおよびアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の工業的製造にも使用することができるか否かは、この刊行物は示唆していない。これに関し、一方では硫酸と、他方で硫酸水素塩、殊に中性硫酸塩とが、陽極酸化の際に極めて異なる挙動を取ることは実際に知られている。ホウ素でドープされたダイヤモンド電極で酸素の過電圧が高められるにも拘わらず、硫酸の陽極酸化と共に主要な副反応は、酸素および付加的にオゾンが発生することにある。
欧州特許第1148155号明細書に記述の発明の間に、StennerとLehmannは2001年に既に、ダイヤモンドで被覆され、分離された電解質セルが過硫酸塩の調製に使用され、それにも関わらず、かかる高電流効率を達成するために追加の促進剤が必要でないことを認識していた。この方法の欠点は、既に上述したように、特に敏感なセパレータに起因し、本質的に過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムであり低い溶解度積の過硫酸塩の製造が、非常に高い希釈度でのみ可能であることであり、このことはつまり、溶解限度を下回るということである。そして、これは結晶形成、並びに蒸発及び乾燥の過程での塩の排出における高いエネルギーの導入を必要とする。
陽極酸化に使用され、一連の硫酸アンモニウム、アルカリ金属硫酸塩及び/又は対応する硫酸水素塩からの塩としては、あらゆる任意のアルカリ金属硫酸塩又は対応する硫酸水素塩であることができる。しかしながら、本出願との関係で、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸カリウム、及び/又は対応する硫酸水素塩の使用は特に好ましい。
本発明に従って使用される電解質セルにおいて、電解質室は陽極と陰極との間で分離されておらず、すなわち陽極と陰極との間にセパレータが存在しない。分離されていないセルの使用は、非常に高い固形分濃度を有する電解質溶液の可能性を提供し、その結果として今度は、塩を得る際、原則的に結晶化及び水の蒸発であるエネルギーの消費が、固形分量の増加に直接比例し、少なくとも分離されたセルのそれの25%に著しく低減される。促進剤の使用は又、本発明によれば必須ではない。
本発明との関係で、「促進剤」は、水の酸素への分解電圧を増加させるため、又は電流効率を向上させるため、電気分解を行う時に添加するものとして、当業者に公知の任意の薬剤である。従来技術で使用されるこの種の促進剤の例としては、例えば、チオシアン酸ナトリウム又はチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩である。
使用される電解質は、好ましくは酸性、好ましくは硫酸、又は中性のpHを有する。
電解質は、プロセス中に電解質セルを通って循環して移動することができる。その結果、過硫酸塩の分解を促進する望ましくないセル内の高い電解質温度が防止される。
電解質循環から電解質溶液を押し流すことは、生成されたペルオキソ二硫酸塩を得るために実施される。電解質液を形成するため、生成されたペルオキソ二硫酸塩は、電解質溶液から結晶を結晶化及び分離して得られる。
電気分解の最初では、使用される電解質は、好ましくは約0.5〜650g/lの全固形分を有する。反応の最初では、電解質は、好ましくは約100〜約500g/l、より好ましくは約150〜約450g/l、最も好ましくは250〜400g/lの過硫酸塩を含む。本発明に従う電解質セル/装置の使用は、前記電解質溶液中での特に高い固形分濃度を可能とし、電圧増加剤又は促進剤の添加を不要とし、及びその結果として生じる排ガス及び排水処理を必要とせず、同時にペルオキソ二硫酸塩の調製の間に高電流効率を有する。
電解質溶液は、さらに好ましくは電解質溶液1リットル当たり約0.1〜約3.5molの硫酸を含み、より好ましくは電解質溶液1リットル当たり1〜3molの硫酸を含み、最も好ましくは電解質溶液1リットル当たり2.2〜2.8molの硫酸を含む。
要約すると、以下の組成の電解質が、本発明による方法で特に好ましく使用される:初期の電解質1リットル当たり150〜500gの硫酸塩と、電解質溶液1リットル当たり0.1〜3.5molの硫酸である。全固形分は好ましくは約0. g/l 5〜650g/l、より好ましくは100〜500g/l、最も好ましくは250〜400g/lである。促進剤の含有量は0g/lである。
チオシアン酸塩(rhodanide)(促進剤)を含む又は含まない異なるセルタイプの電流効率の比較。 Pt/HIP、及びダイヤモンド電極における電流/電圧。 Pt/HIP、及びダイヤモンド電極における電流/収率 。 本発明に従う電解質セルの平面図。 本発明に従う電解質セルの断面図。 本発明に従う電解質セルの個々の構成要素。 分配装置
図3は、本発明に従う電解質セルの可能な実施形態を示す。
このモデルの断面が図4に図示されている。電解質が注入管(1)を通って分配装置(2a)内に入り、そこから流れによって支援された態様で電解質室(3)に供給される。電解質室(3)は、陽極(4)の外面と、陰極(5)の内面との間の環状の間隙により形成されている。電解生成物は、分配装置(2b)により回収され、流出管(6)内に移送される。シール(7)は、注入管及び排出管、と陰極の内面との間の電解質室を閉塞する。
好ましい実施形態では、分配装置が電解質室のシールを同時に引き受けるよう、分配装置(2)が構成されることができる。
図5は、本発明に従う電解質セルの個々の構成要素を示す。番号付けは図4と同様である。電解質セルをシールし、及び組立てるための更なる構成要素が図5に示されているが、番号付けはされていない。これらの構成要素は当業者に公知であり、必要に応じて交換することができる。
図6は、分配装置(2)の拡大表示である。分配装置は、排出管又は注入管との接続点(21)と、陽極(4)との接続点(22)とを有する。陽極との接続点は、陽極管又は陽極棒(4)と同一平面で(flush with)終端する中空円筒を形成する。
半径方向に配置された穴(23)が分配装置の中空円筒の周囲に配置されている。分配装置内の半径方向に配置された穴(23)により、電解質が電解質室内に均一に供給されることができ、電解質室を通った後に効果的に取出されることができる。分配装置は、好ましくは3個、より好ましくは4個、更に好ましくは5個の半径方向に配置された穴を有する。
様々なペルオキソ二硫酸塩の調製が以下の機構に従って行われる。
・ペルオキソ二硫酸ナトリウム:
陽極反応:2SO4 2- → S2O8 2- + 2e-
陰極反応: H+ + 2e- → H2
結晶化: 2Na+ + S2O8 2- Na2S2O8
全体:Na2SO4 + H2SO4 → Na2S2O8+ H2
・ペルオキソ二硫酸アンモニウム:
陽極反応:2SO4 2- → S2O8 2- + 2e-
陰極反応: H+ + 2e- → H2
結晶化: 2NH4 + + S2O8 2- (NH4)2S2O8
全体:(NH4)2 SO4 + H2SO4 → Na2S2O8+ H2
・ペルオキソ二硫酸カリウム:
陽極反応:2SO4 2- → S2O8 2- + 2e-
陰極反応: H+ + 2e- → H2
結晶化: 2K+ + S2O8 2- K2S2O8
全体:K2SO4 + H2SO4 → K2S2O8+ H2
本発明に従うペルオキソ二硫酸ナトリウムの調製が以下に例として記載される。
ホウ素ドープされ、ダイヤモンドで被覆されたニオブ陽極(本発明に従うダイヤモンド陽極)を含む、一方では二次元セルが、他方では三次元セルがこのために使用された。
・電解質の出発組成
温度: 25℃
硫酸含有量: 300g/l
硫酸ナトリウム含有量:240 g/l
過硫酸ナトリウム含有量:0 g/l
使用されたセルタイプにおける有効(active)陽極面積:
- 白金チタン陽極と管状セル: 1280 cm2
- ダイヤモンド-ニオブ陽極と管状セル: 1280 cm2
- ダイヤモンド-ニオブ陽極と平坦状セル: 1250 cm2
陰極材料:耐酸性高品質鋼: 1.4539
システムの溶解限度(過硫酸ナトリウム) 約65〜80 g/l
・電流密度:
電解質は、循環されるに従って(図1及び図2を参照)濃縮された。
結果:
過硫酸ナトリウム含有量を変化させた関数としての電流効率の経過(図1)から、促進剤を添加しなくとも、このセルに適した約100g/lから約350g/lの運転範囲全体にわたり、使用されたダイヤモンド陽極は、添加された促進剤を有する従来の白金被覆チタン陽極について知られているよりも有意に高い電流効率を達成することが明らかにわかる。
対応する促進剤の添加と共に白金陽極を用いた場合(比較例)、及び本発明に従って使用され、ホウ素ドープされたダイヤモンド陽極の場合であって、いずれの場合も分離されていない電解質セル(図2a+2b)に組み込まれた場合、ペルオキソ二硫酸ナトリウムの調製における電流密度の関数としての電流効率の経過から、100〜1,500 mA/cm2の電流密度で75%以上の電流効率を得ることができる。
しかしながら、一方でこの実験はまた、促進剤としてチオシアン酸ナトリウム溶液を添加したにもかかわらず、Pt箔で被覆された従来のチタン陽極は、この運転範囲内でたかだか60〜65 %の電流効率を達成したことを示す。一方、促進剤を添加しないと、わずか約35%の電流効率が達成され、これは本発明が裏付ける。
要約すれば、電圧上昇剤を添加しなくても、ダイヤモンド被覆されたニオブ陽極の電流効率は、電圧上昇剤を添加した従来の白金-チタン陽極を有するセルよりも約10%高く、さらに、電圧上昇剤を添加しない従来の白金-チタン陽極を有するセルよりも約40%高いことが確認される。
ダイヤモンド被覆された陽極における電圧降下は、白金-チタン陽極を有する同等のセルに比べて約0.9ボルト高い。さらに、促進剤を添加せずに本発明に従って使用されるダイヤモンド電極の電流効率は、電解質中のペルオキソ二硫酸ナトリウムの総含有量の増加に伴って徐々にしか減少しないことがわかり、−例えば約65%以上の電流効率の実験条件下で、約400〜650 g/lのペルオキソ二硫酸ナトリウム含有量を有する電解質溶液が得られる。
一方、従来の白金陽極と共に電解質中に促進剤を使用した場合、実際に約50%の電流効率で、同等に高い約300g/lの濃度のペルオキソ二硫酸塩が得られるに過ぎない。
硫酸カリウムからのカリウムイオンを有する類似のシステムについての無作為な研究は、同様に良好な結果を生じた。
本発明に従う方法は、陽極液及び陰極液の空間的な分離をせず、及び促進剤を使用することなく、と同時に、促進剤を添加せずに分離されていない電解質セル内で高い電流効率、過硫酸濃度及び固体濃度で、工業的に取り扱いが容易な電流密度を用いて高い変換で行うことができることは、当業者にとって驚くべきことである。
本発明の研究の過程において、高い電流効率でのペルオキソ二硫酸アンモニウム及び本質的にはアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の調製はまた、3価又は5価元素がドープされたダイヤモンド薄膜電極が陽極として使用される分離されていないセル内で結果的に可能であることが判明した。驚くべきことに、セルはまた、本質的にペルオキソ二硫酸塩の含有量である非常に高い固形分で経済的に適切に使用することができ、と同時に、促進剤の使用を完全に省略することができ、高電流密度で電気分解を行うことができる。特に設備及び資本コストに関してさらなる利点をもたらす。
要約:
分離されていないセルの使用は、非常に高い固形分濃度を有する電解質溶液の可能性を提供し、その結果として今度は、塩を得る際、原則的に結晶化及び水の蒸発であるエネルギーの消費が、固形分量の増加に直接比例し、少なくとも分離されたセルのそれの25%に著しく低減される。
促進剤の使用を不要にし、従って、電解ガスに要求される浄化手段を不要とするにもかかわらず、洗い流された電解質溶液中に高い変換及び高い過硫酸濃度が得られる。
作動電流密度は、同様に高い生産量を有する白金陽極と比較して顕著に低減することができ、その結果として、システムに発生する抵抗損失を少なくし、従って冷却の費用が減少し、電解質セル及び陰極の設計の自由度が増加する。
同時に、電流効率を増加させることができ、従って電流密度を増加させて生産量を増加させることができる。
ダイヤモンド被覆された陽極の優れた耐摩耗性により、構造において同様に構築されたPt陽極と比較して常に高い流量を使用することができる。

Claims (38)

  1. 硫酸アンモニウム、アルカリ金属硫酸塩及び/又は対応する硫酸水素塩から選択される塩を含む水性電解質を、少なくとも1つの陽極及び陰極を備えた電解質セル内で陽極酸化することを含み、導電性の担体上に配置され3価又は5価の元素でドープされたダイヤモンド層を前記陽極として使用する、ペルオキソ二硫酸アンモニウム又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の製造方法であって、
    前記電解質セルは、前記陽極と前記陰極の間で分離されていない電解質室を含み、前記水性電解質は、水の酸素への分解電圧を増加させるための促進剤を含まないことを特徴とするペルオキソ二硫酸アンモニウム又はアルカリ金属ペルオキソ二硫酸塩の製造方法。
  2. 前記アルカリ金属硫酸塩及び/又は対応する硫酸水素塩は、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸カリウム、及び/又は対応する硫酸水素塩から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記陽極の担体の材料は、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. ホウ素及び/又はリンが好ましくは結晶構造中に10,000ppm以下ドープされた前記ダイヤモンド層が使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の方法。
  5. 前記ダイヤモンド層は、約0.5〜約5.0μm、好ましくは約0.8〜約2.0μm、特に好ましくは約1.0μmの膜厚を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の方法。
  6. 前記陽極として、ニオブ又はチタン担体上に、ホウ素がドープされたダイヤモンド層が使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
  7. 前記陰極は、鉛、炭素、スズ、白金、ニッケル、これらの元素の合金、ジルコニウム及び/又は耐酸性高品質鋼から形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の方法。
  8. 前記電解質セルとして、2次元又は3次元のセル、好ましくは平坦状又は管状のセルを使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の方法。
  9. いくつかの電解質セルが、好ましくは二重管パッケージ又は二次元の形状で結合されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の方法。
  10. 前記電解質は、酸性又は中性のpHを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の方法。
  11. 前記電解質は、プロセス中に前記電解質セルを通って循環して移動することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記電解質の循環から電解質溶液を押し流すことを含む請求項11に記載の方法。
  13. 生成される前記ペルオキソ二硫酸塩が、電解質母液を形成するために前記電解質溶液から結晶を結晶化及び分離して得られる過程を含む請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記電解質母液を再循環し、前記電解質セル内で酸、硫酸塩及び/又は硫酸水素塩の含有量を増加させることを含む請求項13に記載の方法。
  15. 前記陽極酸化が、約50〜約1500mA/cm2、好ましくは約250〜約1350mA/m2、より好ましくは約400〜約1200mA/cm2の陽極電流密度で行われることを特徴とする請求項1〜14のいずれか記載の方法。
  16. 前記電解質は、約0.5〜約650g/lの全固形分を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか記載の方法。
  17. 前記電解質は、約100〜約500g/lの過硫酸塩を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか記載の方法。
  18. 前記電解質は、電解質溶液1リットル当たり約0.1〜約3.5molの硫酸を含むことを特徴とする請求項1〜17のいずれか記載の方法。
  19. (a)少なくとも1つの管状の陰極、
    (b)導電性ダイヤモンド層で被覆された導電性の担体を含む、少なくとも1つの棒状又は管状の陽極、
    (c)少なくとも1つの注入管、
    (d)少なくとも1つの排出管、及び
    (e)少なくとも2つの分配装置:
    の構成要素を有する電解質セル。
  20. 電解質室が、内側に位置する陽極と、外側に位置する陰極との間の環状の間隙として形成されている請求項19に記載の電解質セル。
  21. 前記電解質室は、隔膜の無い共通の電解質室を有する請求項19又は20に記載の電解質セル。
  22. 前記陽極の外面と前記陰極の内面との間の距離が1〜20mmの範囲である請求項19〜21のいずれかに記載の電解質セル。
  23. 前記陰極の内径が10〜400mmの範囲である請求項19〜22のいずれかに記載の電解質セル。
  24. 前記陽極と前記陰極とは、互いに独立して20〜120 cmの長さの範囲にある請求項19〜23のいずれかに記載の電解質セル。
  25. 前記担体は、シリコン、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、モリブデン、タングステン、これらの元素の炭化物及び/又はアルミニウム、又はこれらの元素の組み合わせからなる群から選択される請求項19〜24のいずれかに記載の電解質セル。
  26. 前記ダイヤモンド層は、少なくとも1つの3価又は少なくとも1つの5価の主族又は副族元素、特にホウ素及び/又はリンをドープされている請求項19〜25のいずれかに記載の電解質セル。
  27. 前記陰極は、鉛、炭素、スズ、白金、ニッケル、これらの元素の合金、ジルコニウム及び/又は鉄合金、特に耐酸性高品質鋼から形成されている請求項19〜26のいずれかに記載の電解質セル。
  28. 前記電解質は、前記注入管を介して前記電解質セルに供給される請求項19〜27のいずれかに記載の電解質セル。
  29. 前記電解生成物は、前記排出管を介して前記電解質セルから取り出される請求項19〜28のいずれかに記載の電解質セル。
  30. 前記分配装置は、前記電解質室内に電解質を分配する請求項19〜29のいずれかに記載の電解質セル。
  31. 前記陽極は、前記分配装置を介して電流源に接続されている請求項19〜30のいずれかに記載の電解質セル。
  32. 前記電解質セルの前記構成要素は、個別に交換可能である請求項19〜31のいずれかに記載の電解質セル。
  33. 前記分配装置は、前記陽極に元に戻せないように接続されている請求項19〜32のいずれかに記載の電解質セル。
  34. 請求項19〜33のいずれかに記載の電解質セルを少なくとも2つ有する電解装置であって、前記電解質は、前記電解質セルを連続して流れ、かつ前記電解質セルが電気化学的に並列に接続されている電解装置。
  35. 請求項19〜33のいずれかに記載の電解質セル、又は請求項34に記載の電解装置の使用であって、電解質の酸化のための使用。
  36. 電流密度が50〜1500mA/cm2の範囲である請求項35に記載の使用。
  37. 前記電解質は、150〜850g/lの固形分を有する請求項35又は36に記載の使用。
  38. ペルオキソ二硫酸塩の製造のための請求項36又は37に記載の使用。
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