JP2014522972A5 - - Google Patents

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振動式フローメータ及びゼロチェック方法
本発明は振動式フローメータ及びゼロチェック方法に関するものである。
コリオリ式質量流量計(コリオリ式質量フローメータ)及び振動式デンシトメータの如き振動式導管センサは、流動物質を収容して振動する導管の運動を検出するよう動作するようになっているのが一般的である。質量流量、密度などの如き導管内の物質に関する物性は、導管に接続されている運動トランスデューサから受け取る測定信号を処理することにより求めることができる。物質を充填した振動システムの振動モードは、一般的に、収容している導管及びその導管に収容されている物質の質量、剛性及びダンピング特性を組み合わせたものに影響される。
典型的なコリオリ式質量流量計は、配管又は他の移送システムにインラインで接続されているとともに、システム内のたとえば流体、スラリ、エマルジョンなどの物質を移送する1つ以上の導管を有している。各導管は、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモード及び結合モード含む一組の固有の振動モードを有していると考えることが可能である。コリオリ式の質量流量測定の典型的な用途では、物質が導管を流れている際に、導管が1つ以上の振動モードで励振され、導管の運動が導管の複数の間隔おいた部位で測定される。通常、励振は、導管を周期的に摂動するボイスコイルタイプのドライバの如き電気機械デバイスのようなアクチュエータによって加えられる。複数のトランスデューサの位置において、振動と振動との間の遅延時間又は位相差を測定することによって、質量流量を求めることが可能である。通常、このようなトランスデューサ(又は、ピックオフセンサ)が2つ、1つ以上のフロー導管の応答振動を測定するために通常用いられ、アクチュエータの上流側及び下流側に配置されている。これらの2つのピックオフセンサは電子計装装置に接続されている。電子計装装置は、2つのピックオフセンサからの信号を受け取り、これらの信号を処理してたとえば質量流量測定値などを算出するようになっている。
コリオリ式質量流量計を流れる流れが無い場合、ドライバにより力が加えられると、導管に沿ったすべての部位が、同一の位相で振動するか、又は、修正可能だが初期段階では一定の位相だけ僅かにオフセットされて振動する。物質が流れ始めると、コリオリ力により導管に沿った各部位が異なる位相を有するようになる。導管の流入口側の位相はドライバの位相よりも遅れ、導管の流出口側の位相はドライバの位相よりも進んでいる。導管に結合されているピックオフセンサは導管の運動を表す正弦波信号を発生する。ピックオフセンサから出力される信号を処理してピックオフセンサとピックオフセンサとの間の位相差が求められるようになっている。2つのピックオフセンサ信号間の位相差は導管を流れる物質の質量流量に比例する。
コリオリ質量流量計は、遅延時間の測定値から質量流量を計算するようになっている。遅延時間は、コリオリ効果から生じ、質量流量に正比例している。理想的なコリオリ式質量流量計(流入口から流出口まで完全に対称になって、減衰しないコリオリ式質量流量計)の場合、質量流量を正確に求めるのに必要なことといえば遅延時間を測定することだけである。しかしながら、コリオリ式質量流量計というものは、必然的に非対称なものであって、構造的な減衰及び粘性による減衰を受けてしまう。したがって、流れの無い状態下であっても遅延時間がわずかに生じてしまう場合もある。この遅延時間を測定してその測定結果をコリオリ効果により誘発される遅延時間から減算することにより、ゼロ遅延時間(zero time delay)が求められる。
ゼロ流量時のコリオリ式フローメータの遅延時間が時間の経過とともに変わりうるという問題がある。ゼロ流量時の時差が変わると誤った流量測定値をもたしてしまう恐れがある。
コリオリ式フローメータは、初期校正時、動作時、又はそれらの両方の場合においてゼロ調整を必要とすることが多い。工場でのコリオリ式質量流量計のゼロ調整は、厳密に制御された条件下でコリオリ式質量流量計を所望の既知の流動物質で満たすことと、流動物質がゼロ流量である状態を確立することと、流動物質が液体である場合、たとえば流動物質内に確実に気体が混入しないようにすることにより流体を確実に安定にさせることと、メータ組立体を振動させて複数のサンプリングをすることによりゼロ流量時の時差の値を複数収集することと、ゼロ流量時の時差のアベレージ(又は、他の時差の代表値)を計算することと、コリオリ質量流量計にゼロ流量時の校正された時差(Δt0)を格納することとを含んでいる。
動作時、このゼロ流量時の時差(Δt0)を用いて、コリオリ式フローメータにおいて質量流量測定値が求められるようになっていてもよい。質量流量は次の式で求められる:
Figure 2014522972
用語FCFは、コリオリ式フローメータの物理的特性を表す流れ校正係数のことである。用語(Δt)は、ピックオフ信号とピックオフ信号との間の現時点での時差の測定値のことである。用語(Δt0)は、格納されているゼロ流量時の時差の校正値のことである。また、用語(Δt)は、コリオリ式フローメータの運転中に生成される測定信号のことである。
従来技術では、ゼロ流量時の校正はユーザにより運用環境下で開始されてもよい。従来技術における1つの欠点は、必要な場合であっても必要でない場合であっても、上述のユーザにより開始されるゼロ流量時の校正プロセスが実行されてしまいうるという点にある。前に生成されて格納されているゼロ流量時の時差(Δt0)の値が、信頼できる測定値を生成するのに十分に正確な場合がある。
従来技術における他の欠点は、現場でのゼロ調整時にすべての環境条件を厳密に制御することができない場合もあるという点にある。ゼロ調整される上述のメータ内の流体は、校正のためだけに提供された校正用の流体ではないのが普通である。液状の流動物質内に混入された気体の如き、流体の問題は、時差(Δt)の読み取りを乱し、ゼロ流量時の時差(Δt0)の計算値が真のアベレージを表すものではなくなってしまうという点にある。したがって、上述のメータは、不正確にゼロ調整され、エラーが導入されてしまう恐れがある。
さらなる他の欠点は、現時点のゼロ流量時の時差が正確なのか又は不正確なのかを知ることなくユーザがゼロ調整を実行するという点にある。フローメータが正確なゼロ流量時の時差を有しているときに当該フローメータを再度ゼロ調整すると、ゼロ流量時の時差の新たな値が前の値と同等のもの又はそれよりも不正確なものとなってしまう恐れがある。
従来技術のさらに他の欠点は、新たに求められたゼロ値が正確である(かつ前の値よりも正確である)と仮定することがユーザに委ねられるという点にある。(Δt0)の正確さを評価するため、フローメータユーザは、上述のメータを複数回ゼロ調整し、得られた(Δt0)値を比較することが多い。このことは、厄介で、高価で、時間がかかり、ゼロ調整プロセスの進展を理解するにあたってフローメータユーザに期待を持ち過ぎているという問題がある。
本発明の1つの態様では、振動式フローメータは、少なくとも2つの振動信号を生成する少なくとも2つの振動センサを有するフローメータ組立体と、少なくとも2つの振動信号を受け取り、流動物質について得られる複数の時差測定値を用いて新時差(Δt)を生成し、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあるか否かを判断するメータ電子機器とを備えている。
好ましくは、メータ電子機器は、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合、振動式フローメータのユーザに旧時差(Δt0)の変更の指示の入力を促し、ユーザが変更を選択した場合、旧時差(Δt0)を新時差(Δt)に変更するように構成されている。
好ましくは、メータ電子機器は、新時差(Δt)及び旧時差(Δt0)の一方又は両方をユーザに示すように構成されている。
好ましくは、旧時差(Δt0)は工場で求められるゼロ流量時の値である。
好ましくは、旧時差(Δt0)は運転時に求められるゼロ流量時の値である。
好ましくは、メータ電子機器は、複数の時差測定値が実質的に安定しているか否かを判断し、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ複数の時差測定値が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指示の入力を促すようにさらに構成されている。
好ましくは、メータ電子機器は、流動物質が実質的に安定しているか否かを判断し、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指示の入力を促すようにさらに構成されている。
好ましくは、メータ電子機器は、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値をそれに対応する基準値と比較し、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値がそれに対応する基準値の所定の許容範囲内にある場合、流動物質が実質的に安定していると判断するようにさらに構成されており、ユーザは、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ流動物質が実質的に安定している場合にのみ指示の入力が促される。
本発明の1つの態様では、振動式フローメータのゼロチェック方法は、流動物質について得られる複数の時差測定値を用いて新時差(Δt)を生成することと、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあるか否かを判断することとを含んでいる。
好ましくは、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合、振動フローメータのユーザに旧時差(Δt0)の変更の指示の入力を促すことと、ユーザが変更を選択した場合、旧時差(Δt0)を新時差(Δt)に変更することとをさらに含んでいる。
好ましくは、新時差(Δt)及び旧時差(Δt0)の一方又は両方をユーザに示すことをさらに含んでいる。
好ましくは、旧時差(Δt0)は工場で求められるゼロ流量時の値である。
好ましくは、旧時差(Δt0)は運転時に求められるゼロ流量時の値である。
好ましくは、複数の時差測定値が実質的に安定しているか否かを判断することと、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ複数の時差測定値が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指示の入力を促すこととをさらに含んでいる。
好ましくは、流動物質が実質的に安定しているか否かを判断することと、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指示の入力を促すこととをさらに含んでいる。
好ましくは、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値をそれに対応する基準値と比較することと、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値から選択される1つ以上の値がそれに対応する基準値の所定の許容範囲内にある場合、流動物質が実質的に安定していると判断することとをさらに含んでおり、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザが指示の入力を促される。
同一の参照番号はすべての図面上において同一の部品を表わしている。また、図面の縮尺は必ずしも均一ではない。
メータ組立体とメータ電子機器とを有するコリオリ式フローメータを示す図である。 本発明の実施形態にかかる時差ゼロチェック方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態にかかる超音波式フローメータを示す図である。
図1〜図3及び下記の記載には、本発明の最良のモードを作成及び利用する方法を当業者に教示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化又は省略されている場合もある。当業者にとって明らかなように、これらの実施形態の変形例もまた本発明の技術範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、下記の記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできる。したがって、本発明は、下記の記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。
図1には、メータ組立体10とメータ電子機器20とを備えているコリオリ式フローメータ5が示されている。メータ組立体10は、プロセス物質の質量流量及び密度に対して応答するようになっている。メータ電子機器20は、リード線100によりメータ組立体10と接続され、密度情報、質量流量情報及び温度情報、ならびに本発明に関連しない他の情報を経路26を介して提供するようになっている。コリオリ式フローメータの構成が説明されているが、コリオリ式フローメータによるさらなる測定機能の提供を必要とすることなく、本発明を振動式チューブ濃度計として構成することができることは当業者にとって明らかである。
メータ組立体10は、1対のマニホルド150,150’と、フランジネック110,110’を有するフランジ103,103と、1対の平行なフローチューブ130,130’と、ドライブ機構180と、温度センサ190と、1対の速度センサ170L,170R(すなわち、振動センサ)とを有している。フローチューブ130,130’は2つの実質的に真っ直ぐな流入口脚部131,131’と2つの実質的に真っ直ぐな流出口脚部134,134’とを有している。流入口脚部131,131’及び流出口脚部134,134’は、フローチューブマウント用のブロック120,120’の方向に進むにつれてお互いに近づいていくようになっている。フローチューブ130,130’は、それらの長さ方向に沿って実質的に平行になっており、各フローチューブは、その長さ方向に沿った位置にある2つの対称な部位で曲がっている。ブレースバー140,140’は、軸線W,W’を規定する働きをし、各フローチューブがそれを中心として振動するようになっている。
フローチューブ130,130’の側脚部131,131’、134,134’はフローチューブマウント用ブロック120,120’に固定され、次いで、これらのブロックはマニホルド150,150’に固定されている。このことにより、コリオリ式フローメータのメータ組立体10を通る連続しかつ閉じた物質流路が形成されることになる。
孔102,102’を有するフランジ103及び103’と測定するプロセス物質が移送されるプロセス配管(図示せず)とを流入口端部104及び流出口端部104’を介して接続すると、プロセス物質は、フランジ103内のオリフィス101を通り、フローメータの端部104の中へ流入し、マニホルド150を通り、表面121を有するフローチューブマウント用ブロック120へと流れていく。マニホルド150内では、プロセス物質は、分流し、フローチューブ130,130’を通って流れる。プロセス物質は、フローチューブ130,130’から流出し、マニホルド150’内で合流して1つのストリームとなり、その後、流出口端部104’へと流れていく。この流出口端部104’は、ボルト孔102’を有しているフランジ103’によりプロセス配管(図示せず)に接続されている。
フローチューブ130,130’は、それぞれ、曲げ軸線W−W,W’−W’に対して実質的に同一の質量分布、慣性モーメント及びヤング率を有するように、選択され、フローチューブマウント用ブロック120,120’に適切にマウントされている。これらの曲げ軸線は、ブレースバー140,140’を貫通するようになっている。フローチューブのヤング率が温度とともに変化し、この変化が流量及び密度の計算に影響を与えるので、測温抵抗体(RTD)190がフローチューブ130’に設けられてフローチューブの温度が連続的に測定されるようになっている。フローチューブの温度、すなわち所与の電流値におけるRTDの両端の電圧は、フローチューブを流れる物質の温度によって決まる。RTDの両端に現れる温度依存性電圧は、フローチューブ温度の変化に起因するフローチューブ130,130’の弾性率の変化を補償するためにメータ電子機器20により周知の方法で用いられる。RTDはリード線195によってメータ電子機器20に接続されている。
フローチューブ103及びフローチューブ103’は、曲げ軸線W及び曲げ軸線W’に対してかつフローメータの第一の逆位相曲げモードと呼ばれるモードで、ドライバ180によりお互いに反対方向に向けて振動させられるようになっている。このドライブ機構180は、マグネットがフローチューブ130’にマウントされ反対側のコイルがフローチューブ130にマウントされ、交流電流を流してこれらのフローチューブを振動させるようになっているような複数の周知の構成のうちのいずれか1つの構成を有することができる。メータ電子機器20により、適切なドライブ信号がリード線110を通じてドライバ104へ加えられる。
メータ電子機器20は、RTD温度信号をリード線195を通じて受け取る。左側速度信号及び右側速度信号がそれぞれリード線165L及びリード線165Rに現れる。メータ電子機器20は、ドライブ要素180向けのドライブ信号をリード線185に発生し、チューブ130,130’を振動させる。メータ電子機器20は、左側速度信号及び右側速度信号ならびにRTD信号を処理して、メータ組立体10を流れる物質の質量流量及び密度を計算する。メータ電子機器20は、この情報を、他の情報とともに、経路26を通じて活用手段29へと送る。
実施形態によっては、メータ電子機器20は、少なくとも2つの振動信号を受け取り、流動物質について得られた複数の時差測定値を用いて新時差(Δt)を生成し、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあるか否かを判断し、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合、コリオリフローメータ5のユーザに旧時差(Δt0)の変更の(メータ電子機器20への)指示の入力を促し、ユーザが変更を選択した場合、旧時差(Δt0)を新時差(Δt)に変更するように構成されている場合もある。
したがって、コリオリ式フローメータ5及び/又はメータ電子機器20はゼロチェックを実行することができる。さらに、コリオリ式フローメータ5/メータ電子機器20は、ゼロチェックを実行し、ゼロ校正を実行するようになっていてもよい。ゼロ校正は、強制的なものでもなければ自動的なものでもない。もっと正確にいえば、ゼロ校正は一定の条件下においてのみ許可される。コリオリ式フローメータ5のユーザは、現時点のゼロ流量における時差の値が有効でないことを見出すことなどの条件が満たされた場合、ゼロ校正の実行の(メータ電子機器20への)指示の入力が促される。
いうまでもなく、ゼロチェックの実行後、ユーザにはゼロ校正を実行する選択肢が与えられる。ユーザは、ゼロチェックのみを実行するが、ゼロ校正は実行したくない場合もある。ユーザは、コリオリ式フローメータ5の適正な動作を点検し及び/又は流動物質の状態を点検するためにゼロチェックを実行するようにしてもよい。
図2には、本発明の実施形態にかかる時差ゼロチェック方法(time difference zero check method)を示すフローチャート200である。ステップ201では、時差ゼロチェックプロセスが開始される。時差ゼロチェックプロセスは、振動式フローメータのゼロ流量時における時差(Δt0)のチェックを実行することが可能である。ゼロ流量時の時差(Δt0)が無効である場合、振動式質量フローメータにより生成されるいかなる質量流量測定値も不正確なものとなる。振動式フローメータとは、たとえば流量測定及び質量流量測定の如き流れについての測定を行うために応答振動を生成するメータであってもよい。たとえば、振動式フローメータは、超音波式フローメータであってもよいし又はコリオリ式フローメータであってもよい。
実施形態によっては、ゼロチェックがユーザによって開始されるようになっていてもよい。それに代えて、ゼロチェックが他の故障プロセス又は検証ルーチンによって開始されるようになっていてもよい。ゼロチェックは、所定の時間の終了時に自立的に開始されるようになっていてもよい。開始するための事象又は要因は他にも考えられており、それらもまた本明細書の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。
実施形態によっては、ゼロチェックプロセスを適正に設定し、開始するための指示がユーザに提示されるようになっている場合もある。これらの指示は、プロセス流体を正常動作条件下でフローメータの温度が安定するまでフローメータに流すことを指示するものであってもよい。これらの指示は、フローメータが流体で完全に満たすことを指示するものであってもよい。これらの指示は、フローメータの両側の弁を閉めてフローメータの内部の流体を閉じ込め、流れを発生不能とすることを指示するものであってもよい。これらの指示は、上述のステップが実行された後、ユーザにゼロチェックの指示の入力の選択を最後に指示するものであってもよい。
ステップ202では、複数の時差測定値から新たなかつ代表的な時差(Δt)が生成される。複数の時差測定値が、フローメータ内の既知の流動物質を用いて流れの無い状態で取得される。前もって決められている数の複数の時差測定値が取得されるようになっていてもよい。必要な時差測定値の数には下限はないが、重要なことは、時差測定値の数が多ければ多いほど安定性も増していき、用いられる振動式フローメータをより正確に表す時差を求めることが可能となるということである。
新たなかつ代表的な時差(Δt)はいかなる適切な方法で求められてもよい。たとえば、複数の時差測定値を数学的に又は統計的に適切に処理することによって新たなかつ代表な時差(Δt)を求めることができる。一実施形態では、新たなかつ代表的な時差(Δt)は、累積されている時差測定値のアベレージ又は平均値(average or mean)である。それに加えて、複数の時差測定値の標準偏差(S)が計算されるようになっていてもよい。しかしながら、新たなかつ代表値な時差(Δt)を求めるプロセスは他にも考えられており、それらもまた本明細書の範囲又は請求項の範囲に含まれる。
以上のようにして得られた新時差(Δt)は、さらなる処理又は利用のためにたとえば一時的に格納されるようになっていてもよい。新時差(Δt)は、検証記録の一部として記録されるようになっていてもよい。新時差(Δt)は、ユーザに対して表示されるか又は他の方法で送信されるようになっていてもよい。
流体の安定性を効果的に評価するために、正常動作状態下で得られた測定の結果及び/又は値から基準が求められてもよい。流体の安定性を評価するために、再ゼロ操作の一部として得られる新たな値を再ゼロ処理中に上述の基準の変数値と比較するようにしてもよい。
それに加えて、新時差(Δt)を求めるために時差測定値が収集されている間、他の測定結果又は測定値を累積するようにしてもよい。累積される値には、たとえばドライブパワー、ドライブ利得、流体密度、流体温度及び/又は流体圧力が含まれうる。フローメータの他の値も考えられているが、それらも本明細書の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。後述のように、これらのさらなる値のうちの1つ以上を用いて流体の安定性を求めるようにしてもよい。実施形態によっては、測定結果又は測定値が周期的にサンプリングされる場合もある。実施形態によっては、測定結果又は測定値が移動平均に加えられるようになっている場合もある。いうまでもなく、実施形態によっては、代表値がサンプリングされた値の平均値である場合もある。次いで、これらの代表値は安定性試験中の比較のために用いられる。
ステップ203では、フローメータシステムの安定性が検証されてもよい。システムの安定性の検証は、時差測定値が安定しているか否かを判断することを含んでいてもよい。たとえば、時差測定値の一部が過度に変動している場合、フローメータシステムはゼロチェックプロセスを実行することができるほど十分には安定していない場合もある。新時差(Δt)の安定性は複数の時差測定値を処理することにより求められてもよい。新時差(Δt)がゼロ流量時の時差を検証するという目的にかないうるほど安定していない場合もある。
それに代えて(又はそれに加えて)、ステップ203では、流動流体物質(fluid flow material)の安定性が検証されてもよい。実施形態によっては、ドライブパワー、ドライブ利得、流体温度、流体圧力及び流体密度の測定値を、単独で又はさまざまに組み合わせて、流体の相対的安定性を求めるために用いられてもよい。これらの要因又は測定値に、所定範囲内にあって流動物質を分析する目的にかないうるほど実質的に安定しているか否かを判断するための処理がなされてもよい。
一実施形態では、ドライブパワー、ドライブ利得及び測定密度を解析して流体の安定性が求められる。空気泡又は気泡が液体に混入しているような多相流では、空隙率が変わるにつれて流体密度及びドライブパワーが変わってしまうため、流体が不安定になりすぎてゼロチェックプロセスには用いられないことが示されている。ドライブパワー/ドライブ利得及び測定密度が流動物質について所定範囲の外にある場合、流動物質はゼロチェックプロセスの目的にかなうほど安定ではないと判断される。
流体の安定性には、流体が安定した組成を有していることが含まれうる。流体の安定性には、流体が安定した密度を有していることが含まれうる。流体の安定性には、流体が安定した圧力を有していることが含まれうる。流体の安定性には、流体が安定した温度を有していることが含まれうる。流体の安定性には、流体が単一の相からなっていることが含まれうる。流体の安定性には、流体が複数の相を有しているものの、流体の成分の割合が安定していることが含まれうる。
流動物質が安定性を欠如していることは、流動物質の安定性のチェックの値、測定値及び/又は結果を格納することを含むいかなる適切な方法で示されるようになっていてもよい。それに加えて、流動物質が安定性を欠如していることはユーザに通知されるようになっていてもよい。流動物質の安定性の欠如には、フローメータ内で流れの発生、多相流流動物質(multiphase fluid flow material)の存在、容認できない流体温度、容認できない流体圧力及び/又は容認できない流体密度のうちの1つ以上が含まれる。さらなる安定性の要因/問題も考えられており、それらもまた本明細書の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。
ステップ204では、新時差(Δt)が、現時点で格納されている(すなわち、旧)ゼロ流量時の時差(Δt0)と比較される。実施形態によっては、比較には、複数の時差測定値の平均値及び標準分布を旧時差(Δt0)と比較することが含まれる。新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合、旧時差(Δt0)はもはや有効でないと判断され、当該方法はステップ205へ進む。しかし、新時差(Δt)が所定範囲内にある場合、旧時差(Δt0)はまだ有効であり、当該方法はステップ207へ分岐する。したがって、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)と実質的に同等である場合、当該方法はステップ207へ分岐し、振動式フローメータのゼロ流量時の校正値は前の時差校正値からはあまり変わっていない。
所定範囲はいかなる方法で決められてもよい。一実施形態では、所定範囲とは、旧時差(Δt0)の上限及び下限を含む所定の許容範囲のことであってもよい。
他の実施形態では、所定範囲とは、旧時差(Δt0)から形成される信頼区間のことであってもよい。たとえば、雑音についてはよく知られており、どのような電子信号にも存在するものと考えられている。雑音は不規則に分布すると仮定することができる。したがって、所定範囲の一実施形態では、所定範囲は、実質的に、旧時差(Δt0)から雑音の量(n)を引いて上側境界とし、旧時差(Δt0)に雑音の量(n)を足して下側境界としたものである。このことは、雑音(n)が実質的に不規則に分布するという仮定に基づくものである。したがって、データの真のアベレージ、すなわち新時差(Δt)は次の式で求めることができる:
Figure 2014522972
この式により95%の信頼区間を得ることが可能となる。用語「new Δt」は複数の時差測定値から得られる代表的な新時差のことである。用語「S」は、ステップ202で得られる複数の時差測定値の標準偏差の如き標準偏差である。用語「n」は、サンプル数、すなわち複数の時差測定値の測定値数である。
新時差(Δt)が所定範囲内にある場合、新時差(Δt)は旧時差(Δt0)から実質的に変わっていないと判断される。しかしながら、新時差(Δt)が所定範囲外にある場合、新時差(Δt)は旧時差(Δt0)とは十分に異なると判断される。したがって、旧時差(Δt0)は、測定値を求めるために用いることができるほど十分に正確なものではもはやないと判断することができる。
95%の信頼区間は例示のみを意図したものである。信頼区間はいかなる所望の範囲であってもよい。いうまでもなく、他の信頼区間が用いられてもよく、それらもまた本明細書の範囲及び特許請求の範囲に含まれる。
旧時差(Δt0)と新時差(Δt)との比較は、どのような比較であってもよい。一実施形態では、新時差(Δt)を旧時差(Δt0)と比較するにあたって、t−検定が用いられてもよい。一般論としては、t−検定は、検定統計量がt分布を有した統計的な検定である。複数の時差測定値から新時差(Δt)を求める場合、t−検定はアベレージの変化をテストしてもよい。t−検定は次の式を用いて計算されうる:
Figure 2014522972
得られる(t)は、新時差(Δt)と旧時差(Δt0)との間の関係(すなわち、差又はオフセット)を表わす実数である。用語「Δt0」は旧時差を表している。用語「stab」は、用いられるフローメータの所定のゼロ安定値を表しており、この所定のゼロ安定値はモデル特有のものであってもよく、及び/又は、サイズ特有のものであってもよい。用語「S」は標準偏差を表している。用語「n」はサンプル数を表している。
t>2の場合、又はt<−2の場合、新Δtの分布は、「stab」により与えられる範囲外にある。この例では、「2,−2」の範囲は95%の信頼限界を示している。
それに代えて、旧時差(Δt0)と新時差(Δt)と比較は、Fテストであってもよい。F−テストは、検定統計量がF分布を有した統計的な検定である。
比較は、旧時差(Δt0)が工場で求められるゼロ流量時の値である比較であってもよい。ここで、工場で求められる値とは、たとえば個々のメータが注意深く制御された条件下のテストスタンドで校正により得られる値のことである。新時差(Δt)が旧時差(Δt0)と著しく異なっている、たとえばt−検定により不合格となった場合、ソフトウェアによるフラグ、視覚的な表示情報又はこのことを示す他の情報を生成して、フローメータを再度ゼロ調整すべきではないことをユーザに知らせるようにしてもよい。
それに代えて、比較は、現場で求められる(すなわち、運転時に得られる)旧ゼロ流量値との比較であってもよい。この状況では、旧時差(Δt0)は、使用されるフローメータが運転可能な状態に設置されている間に実行されるゼロ流量テストを含み、新時差(Δt)もなんらかの運転環境に設置されている間に実行される。工場での校正値からの差のテストが不合格であった場合、その結果はさまざまな異なる方法で対処されてもよい。たとえば、現時点のゼロ運転(zero operation)と前のゼロ運転との間での密度の変化は、確実なものであり、流体の変更が期待される。このようにデータを追跡することによって、プロセス条件の変化に関してユーザに警告を与え、ゼロ流量時の時差校正値への変更を説明するのを助ける。したがって、ユーザは、フローメータを再ゼロ調整するか(再ゼロ調整しないか)について情報に基づいた判断をすることができる。
工場で求められるゼロ流量値は、運転時に求められるゼロ流量値よりも信頼性のある値である可能性が高い。旧時差(Δt0)の変更は、旧時差(Δt0)が工場で求められたゼロ流量値である場合にはより重大でかつ危険を伴う変更である可能性が高い。したがって、実施形態によっては、旧時差(Δt0)が工場で求められたゼロ流量値であることを示す情報がユーザに提供されるようになっていてもよい。
また実施形態によっては、工場で求められるゼロ流量値の所定範囲が、運転時に求められるゼロ流量値の所定範囲とは異なっている場合もある。それに代えて、工場で求められるゼロ流量値に対する所定範囲が、運転時に求められるゼロ流量値に対するものと同一であってもよい。
また実施形態によっては、工場で求められるゼロ流量値は、永久に格納され、旧時差(Δt0)がゼロチェックプロセスにより1回以上変更された後でさえ入手可能となっている場合もある。したがって実施形態によっては、ステップ204で実行される比較が、旧時差(Δt0)(すなわち、現時点の運転時に求められたゼロ流量値)及び工場で求められたゼロ流量値の両方と新時差(Δt)を比較することである場合もある。次いで、変更についての判断は、これらの2つの値との比較に基づいてなされる。この実施形態の変更の決定には、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲の外にあるとともに、工場で求められたゼロ流量値の所定範囲の外にあることが必要とされる。いうまでもなく、2つの所定範囲が同一のものであってもよいし異なるものであってもよい。
ステップ205では、旧時差(Δt0)がもはや有効でないと判断されており、ユーザは、旧時差(Δt0)を新時差(Δt)に変更することをユーザが希望するか否かについて(メータ電子機器20への)指示の入力が促される。
ステップ206では、ユーザが変更を選択した場合、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の代わりに格納される。したがって、ゼロ流量時の時差校正値が更新されることになる。旧時差の変更がうまくいったということを示す情報が生成されるようになっていてもよい。
ユーザが変更を選択しなければ、新時差(Δt)は使用されないことになる。しかしながら、旧時差(Δt0)がもはや正確でなく有効でもないことがユーザに知らせられる。
ステップ207では、新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあり、旧時差(Δt0)が依然として有効であると判断される。したがって、旧時差(Δt0)は保持され、新時差(Δt)は使用されない。旧時差(Δt0)の検証がうまくいったことを示す情報(indication)が生成されるようになっていてもよい。実施形態によっては、この情報は、旧時差(Δt0)が依然として有効であることをゼロチェック分析結果が示しているということをユーザに示す情報を含んでいる場合もある。実施形態によっては、この情報は、新たなゼロ校正が必要ではない(又は、望ましくない)ことをゼロチェック分析結果が示していることをユーザに示す情報を含んでいる場合もある。このことは、旧時差(Δt0)が依然として有効か否かをユーザが見出すことができるという点で有利である。ユーザは、旧時差(Δt0)が依然として有効であるか否かを見出すことができ、旧時差(Δt0)を新時差(Δt)と自動的に変更する必要がない。ユーザは、旧時差(Δt0)が依然として正確で有用であるという検証のみを望んでいる場合もある。
かかるゼロチェック方法により、ユーザは、現時点で格納されかつ用いられているゼロ流量時の時差校正値(Δt0)を検証することができるようになる。かかるゼロチェック方法により、ユーザは、自動的に校正値(Δt0)を変更することを必要とすることなく、現時点で格納されかつ用いられているゼロ流量時の時差校正値(Δt0)を有効にすることができるようになる。かかるゼロチェック方法により、ユーザは、現時点で格納されかつ用いられているゼロ流量時の時差校正値(Δt0)を有効にし、時差測定値及び/又は流動物質が安定しているか否かを判断し、容認することができない条件下での時差の生成及び変更を防止することができるようになる。
かかるゼロチェック方法により、ゼロ校正が必要か否かが判断される。かかるゼロチェック方法により、ゼロ校正が可能か否かが判断される。かかるゼロチェック方法により、ゼロ校正を正確にかつ確実に行うことができるか否かが判断される。
かかるゼロチェック方法により、現時点で格納されかつ用いられている(すなわち、旧)時差(Δt0)が正確か否かが判断される場合もある。かかるゼロチェック方法により、旧時差(Δt0)が容認可能であるか又は旧時差(Δt0)が変更されるべきかを示す情報が生成される。
かかるゼロチェック方法により、新たに得られた時差測定値が新たなゼロ流量時の時差校正値を生成するために十分に安定しているか否かが判断される。かかるゼロチェック方法により、流動物質が新たなゼロ流量時の時差校正値を生成するのに十分に安定しているか否かが判断される。
かかるゼロチェック方法により、ユーザは、新たに得られた時差測定値及び流動物質が安定している場合、現時点で格納されかつ用いられている旧時差(Δt0)を新たな値に変更するか否かの選択肢が与えられる。
旧時差(Δt0)の変更は、フローメータの測定値を追跡調査する妨げとなる恐れがある。旧時差(Δt0)の変更は、フローメータの校正値を追跡調査する妨げとなる恐れがある。有効な旧時差(Δt0)を変更してしまうと、生成される質量流量測定値が変わってしまう恐れがある。流動物質が変更されていない場合、有効な旧時差(Δt0)を変更してしまうと、生成される質量流量測定値を変えてしまう恐れがある。したがって、必要な場合にのみ旧時差(Δt0)を変更することが望ましい。
図3には、本発明の実施形態にかかる超音波式フローメータ300が示されている。超音波式フローメータ300は、生成された信号が上述のコリオリ式フローメータ5の場合と同じように処理される振動式フローメータである。超音波式フローメータ300は、流動物質で満たされているフロー導管を振動させることに代えて、音波を流動物質を通して直接送信し、当該流動物質を伝搬してくる音波を受信するようになっている。
超音波式フローメータ300は、フローメータ組立体310と結合されているメータ電子機器320を備えている。フローメータ組立体310は、導管301と、第一の変換器303と、第二の変換器305とを有している。導管301は、流動状態の流体又は静止状態の流体を収容しており、当該流体には、気体、液体、又は気体、液体及び/もしくは固体の混合物が含まれている。メータ電子機器320は、振動信号を生成し、この振動信号を変換器303,305へ送るようになっている。変換器303,305は、音波発信機及び音波センサの両方として働きうる振動センサである。変換器303,305は、超音波を含む振動信号(すなわち、図中の信号1及び信号2)に応じて、流動物質内に音波を生成することができる。変換器303,305は直接導管301を振動するわけではない。それに加えて、変換器303,305は流動物質内に存在する音波を受け取り、受け取った音波/振動波を表す電子振動信号(electronic vibrational signals)を生成することができる。メータ電子機器320は、これらの生成された振動信号を変換器303,305から受け取り、それらから流量測定値を求める。物理的に間隔をおいて位置する部位で生じて同時に受け取られるコリオリ式フローメータ5の時差とは対照的に、送信され受信され音波については、流動物質を通る通過時間(transit time)である時差の値(Δt)を求めるための処理を加えることができる。
変換器303と変換器305との間の信号パスは、導管301及びその中の流れに対して直角ではなくある角度を有して横切るようになっている。したがって、導管301に流れが存在する場合、おおむね流れと共に進む信号はおおむね流れとは逆に進む信号とは通過時間が異なってくる。通過時間の差、すなわち差Δtを用いて流れの流速を求めることができる。
流れが存在しない場合、両方向の信号の通過時間は等しくなるはずである。しかしながら、固有の差、たとえば異なる許容差、及び/又は異なる電気インピーダンス、表面積、配線長さもしくは変換器物質成分に起因して、信号1及び信号2の通過時間が等しくない場合もある。したがって、ゼロ流量時の時差校正値Δt0を求めて格納してもよい。このゼロ流量時の時差校正値Δt0は、2つの信号のうちの1つに加えて又はそれから引くことにより、流れの存在しない状態下の信号1及び信号2の通過時間を実質的に同じものとすることができる。また、校正値Δt0は、流動状態下において、超音波式フローメータ300の成分の固有の差/オフセットを補償するためにさらに用いられてもよい。
先に記載のコリオリ式フローメータと同様に、このゼロ流量時の校正値は、「Δt0」と表わされ、超音波式フローメータ300の寿命の経過につれて変わる又は変動する場合もある。したがって、上述のゼロチェック方法を超音波式フローメータ300に用いることができる。フローチャート200のステップ301〜207のうちの任意の又は全てのステップを超音波式フローメータ300に適用してもよい。
所望ならば、上述の実施形態のうちのいずれかの実施形態にかかる振動式フローメータ及び方法が複数の利点を備えるようになっていてもよい。かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、ゼロチェックプロセスを開始することができるようになる。かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、フローメータにより用いられているゼロ流量時の時差値が依然として有効であることを確認するためにゼロチェックプロセスを開始することができるようになる。かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、フローメータにより用いられているゼロ流量時の時差値が有効か無効かを示す情報を得るためにゼロチェックプロセスを開始することができるようになる。
かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、ゼロチェックプロセスを開始して、必ずしもメータを再度ゼロ調整することを必要とすることなく、フローメータにより用いられているゼロ流量時の時差値が有効であるということを確認することができるようになる。
かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、ゼロチェックプロセスを開始し、時差測定値が安定している又は不安定であることを示す情報を受け取ることができるようになる。かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、ゼロチェックプロセスを開始し、流動物質が安定している又は不安定であることを示す情報を受け取ることができるようになる。かかる振動式フローメータ及び方法により、ユーザは、時差測定値又は流動物質のいずれかが不安定な場合にはユーザにフローメータを再度ゼロ調整させないゼロチェックプロセスを開始することができるようになる。
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅するものではない。もっと正確にいえば、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成要素をさまざまに組み合わせて又は除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲及び教示範囲に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術範囲及び教示範に含まれるさらなる実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的に又は部分的に組み合わせてもよい。したがって、本発明の技術範囲は請求項によって決まる。

Claims (16)

  1. 少なくとも2つの振動信号を生成する少なくとも2つの振動センサ(170L及び170R,303及び305)を有するフローメータ組立体(10,310)と、
    前記少なくとも2つの振動信号を受け取り、流動物質について得られた複数の時差測定値を用いて新時差(Δt)を生成し、該新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあるか否かを判断するメータ電子機器(20,320)とを備えており、
    前記メータ電子機器(20,320)は、前記複数の時差測定値が実質的に安定しているか否かを判断するように構成されている、振動式フローメータ(5,300)。
  2. 前記メータ電子機器(20,320)が、前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合に、前記振動式フローメータ(5,300)のユーザに前記旧時差(Δt0)の変更の指令の入力を促し、前記ユーザが変更を選択すると、前記旧時差(Δt0)を前記新時差(Δt)に変更するように構成されている、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  3. 前記メータ電子機器(20,320)が、前記新時差(Δt)及び前記旧時差(Δt0)の一方又は両方をユーザに示すように構成されている、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  4. 前記旧時差(Δt0)が工場で求められたゼロ流量時の値である、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  5. 前記旧時差(Δt0)が運転時に求められたゼロ流量時の値である、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  6. 前記メータ電子機器(20,320)は、前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記複数の時差測定値が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指令の入力を促すように構成されている、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  7. 前記メータ電子機器(20,320)は、前記流動物質が実質的に安定しているか否かを判断し、前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザ指示の入力を促すように構成されている、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  8. 前記メータ電子機器(20,320)が、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値をそれに対応する基準値と比較し、前記ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値が前記対応する基準値の所定の許容範囲内にある場合、前記流動物質が実質的に安定していると判断するように構成されており、
    前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザ指示の入力を促ように構成されている、請求項1に記載の振動式フローメータ(5,300)。
  9. 振動式フローメータのゼロチェック方法であって、
    流動物質について得られる複数の時差測定値を用いて新時差(Δt)を生成することと、
    前記新時差(Δt)が旧時差(Δt0)の所定範囲内にあるか否かを判断することと
    前記複数の時差測定値が実質的に安定しているか否かを判断することと、
    を含む、ゼロチェック方法。
  10. 前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合、前記振動フローメータのユーザに前記旧時差(Δt0)の変更の指示の入力を促すことと、前記ユーザが変更を選択すると、前記旧時差(Δt0)を前記新時差(Δt)に変更することとをさらに含む、請求項9に記載のゼロチェック方法。
  11. 前記新時差(Δt)及び前記旧時差(Δt0)の一方又は両方をユーザに示すことをさらに含む、請求項9に記載のゼロチェック方法。
  12. 前記旧時差(Δt0)が工場で求められたゼロ流量時の値である、請求項9のゼロチェック方法。
  13. 前記旧時差(Δt0)が運転時に求められたゼロ流量時の値である、請求項9に記載のゼロチェック方法。
  14. 前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記複数の時差測定値が実質的に安定している場合にのみ、ユーザ指示の入力を促すこととをさらに含む、請求項9に記載のゼロチェック方法。
  15. 前記流動物質が実質的に安定しているか否かを判断することと、前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザ指示の入力を促すこととをさらに含む、請求項9に記載のゼロチェック方法。
  16. 前記流動物質が実質的に安定しているか否かを判断することが、ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値をそれに対応する基準値と比較することと、前記ドライブパワー値、ドライブ利得値、流動物質圧力値、流動物質温度値及び流動物質密度値のうちから選択される1つ以上の値が前記対応する基準値の所定の許容範囲内にある場合、前記流動物質が実質的に安定していると判断することとをさらに含んでおり、
    前記新時差(Δt)が前記旧時差(Δt0)の所定範囲内にない場合であってかつ前記流動物質が実質的に安定している場合にのみ、ユーザに指示の入力を促、請求項9に記載のゼロチェック方法。
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