図面全体を通して、同様の参照番号は対応する部分を指す。
本実施形態について、単に簡単にするために、Wi−Fi、Bluetooth、およびロングタームエボリューション(LTE)信号を送信および受信することが可能な、モバイル通信デバイスにおいてアンテナを動的に共有することに関して以下で説明する。本実施形態は、他の様々なワイヤレス規格またはプロトコルの信号を送信するために使用されるアンテナを動的に共有するのに等しく適用できることを理解されたい。本開示の完全な理解を与えるために、以下の記述では、特定の構成要素、回路、ソフトウェアおよびプロセスの例などの多数の具体的な詳細について説明する。同じく本実施形態の完全な理解を与えるために、以下の記述では、説明を目的として具体的な名称について説明する。ただし、これらの具体的な詳細は、本実施形態を実行するために必要でなくてもよいことが当業者には明らかであろう。他の場合には、本開示を不明瞭にしないように、よく知られている回路およびデバイスをブロック図の中で示す。本明細書で使用する「結合される」という用語は、直接接続されること、または1つもしくは複数の介在する構成要素または回路を介して接続されることを意味する。本明細書に記載する様々なバスに供給される信号のうちのいずれも、他の信号によって時間多重化され、1つまたは複数の共通バスに供給され得る。さらに、回路要素またはソフトウェアブロック間の相互接続は、バスまたは単一の信号線として示すことができる。バスの各々は代替的に単一の信号線であってもよく、単一の信号線の各々は代替的に複数のバスであってもよく、単一の線またはバスは、構成要素間の通信のための無数の物理または論理機構のうちの任意の1つまたは複数を表してもよい。さらに、以下の説明で様々な信号に割り当てられた論理レベルは、任意のものであり、したがって、必要に応じて変更(たとえば、極性の反転)され得る。たとえば、制御信号のアサートされた(asserted)状態およびアサート停止された(de-asserted)状態は、本実施形態の範囲から逸脱することなく反転され得る。したがって、本実施形態は、本明細書に記載された具体的な例に限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって規定されたすべての実施形態をその範囲内に含む。
図1は、様々なプロトコルを使用してワイヤレス信号を送信および受信するためのアンテナを動的に共有するように構成され得る、ラップトップおよびセルラーフォンなどのワイヤレスデバイス100を示す。ワイヤレスデバイス100は、Wi−Fi機能とBluetooth機能の両方を有することに加えて、たとえば、ロングタームエボリューション(LTE)および/または他の適切なセルラー通信プロトコルを使用して、セルラーデータネットワークにわたってワイヤレスに通信することも可能である。簡単のために図示されていないが、ワイヤレスデバイス100には、タブレットコンピュータ、デスクトップコンピュータ、PDAなどの他のデバイスが含まれ得る。いくつかの実施形態の場合、ワイヤレスデバイス100は、インターネット、LAN、WLAN、および/またはVPNとデータを交換するためにWi−Fi信号を使用することができ、ヘッドセット、プリンタ、スキャナなどのローカルなBT対応デバイスとデータを交換するためにBluetooth信号を使用することができ、他のデバイスとのセルラーフォン通信を実施するためにLTE信号を使用することができる。
図2は、コア論理回路210と、送受信機制御論理回路220と、2つ以上のアンテナ230および240と、アンテナ共有論理回路250とを含むように示されるワイヤレスデバイス100のハイレベル機能ブロック図である。プロセッサおよびメモリ要素などのよく知られている要素を含み得るコア論理回路210は、ワイヤレスデバイス100の一般データ生成機能および処理機能を実行する。送受信機制御論理回路220は、WLAN制御回路221と、Bluetooth制御回路222と、LTE制御回路223とを含み、コア論理回路210に結合され、アンテナ共有論理回路250を介して外部アンテナ230および240に結合される。WLAN制御回路221は、デバイス100のWi−Fi信号の送信および受信を制御するように構成される。Bluetooth制御回路222は、デバイス100のBluetooth信号の送信および受信を制御するように構成される。LTE制御回路223は、デバイス100のLTE信号または他のセルラー信号の送信および受信を制御するように構成される。コア論理回路210、WLAN制御回路221、Bluetooth制御回路222、および/またはLTE制御回路223内の様々な構成要素(簡単のために図示せず)は、たとえば、アナログ論理回路、デジタル論理回路、プロセッサ(たとえば、CPU、DSP、マイクロコントローラなど)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または以上の任意の組合せを使用することを含めて、様々な方法で実装され得る。本開示では、制御論理回路220には、デジタル処理回路だけでなく、アナログ(たとえば、RF)処理回路が含まれ得る。
本実施形態によれば、アンテナ共有論理回路250は、WLAN制御回路221、Bluetooth制御回路222、およびLTE制御回路223をアンテナ230および/または240に選択的に結合することができる。いくつかの実施形態の場合、WLAN制御回路221、Bluetooth制御回路222、またはLTE制御回路223のうちの1つが、データを送信または受信していないとき、アンテナ共有論理回路250は、たとえば、他の2つの制御回路の各々が専用アンテナ(以下でより詳細に説明する)に効果的に結合されるように、他の2つの制御回路が使用するためのアンテナ230および240をプロビジョニングする。さらに、WLAN制御回路221、Bluetooth制御回路222、および/またはLTE制御回路223は、図2には別の構成要素として示すが、同じ集積回路(IC)チップ上に実装され得る。他の実施形態の場合、WLAN制御回路221、Bluetooth制御回路222、および/またはLTE制御回路223は、同じチップ上の1つまたは複数の構成要素を共有することができる。いくつかの実施形態の場合、コア論理回路210、送受信機制御論理回路220、およびアンテナ共有論理回路250はすべて、同じICチップ上に実装され得る。
デバイス100の通常の送信動作中、コア論理回路210は、Wi−Fiプロトコルに従って送信用データをWLAN制御回路221に提供し、Bluetoothプロトコルに従って送信用データをBluetooth制御回路222に提供し、LTEプロトコルに従って送信用データをLTE制御回路223に提供する。より具体的には、いくつかの実施形態の場合、WLAN制御回路221は、(たとえば、よく知られているWi−Fiプロトコルに従って)第1のアンテナによってブロードキャストされ得るWi−Fi信号を生成するために、コア論理回路210から受け取ったデータを使用する。同様に、Bluetooth制御回路222は、(たとえば、よく知られているBluetoothプロトコルに従って)第1のアンテナによってブロードキャストされ得るBluetooth信号を生成するために、コア論理回路210から受け取ったデータを使用する。いくつかの実施形態の場合、信号スプリッタ/コンバイナ回路(簡単のために図2に示さず)は、たとえば、図3Aに関して以下でより詳細に説明するように、第1のアンテナを介して同時にWi−Fi信号およびBluetooth信号を送信するために使用され得る。LTE制御回路223は、(たとえば、よく知られているLTEプロトコルに従って)第2のアンテナによってブロードキャストされ得るLTE信号を生成するために、コア論理回路210によって提供されたデータを使用する。
LTE制御回路223は、典型的には、セルラー通信を扱い、(たとえば、いかなる呼も受信または送信しないとき)規則的なアイドル時間周期を経験し得る。したがって、アンテナ共有論理回路250は、そのようなアイドル時間中に第2のアンテナを使用しないままにするのではなく、LTE回路223がデータを送信または受信しないとき、Bluetooth信号またはWi−Fi信号のいずれかを第2のアンテナに選択的に関連付け(たとえば、結合し)得る。このようにして、アンテナ共有論理回路250は、基本的に、LTEのアイドル時間中にWLAN制御回路221およびBluetooth制御回路222の各々のために専用アンテナについて調停し、それにより、ワイヤレスデバイス100は、別々のアンテナを使用してBluetooth信号およびWi−Fi信号を他のデバイスと通信することができる。
いくつかの実施形態の場合、LTE制御回路223がLTEデータ(たとえば、LTEアイドル時間の終了を示す)を送信および/または受信し始めるとき、アンテナ共有論理回路250は、LTE信号を第2のアンテナに関連付け、Wi−Fi信号とBluetooth信号の両方を第1のアンテナに関連付けることにより、通常動作を再開することができる。このようにして、第2のアンテナは、LTE制御回路223がLTEデータを送信および/または受信し始めるとき、LTE制御回路223に利用可能にする。
図3Aは、図2のデバイス100の一実施形態であるワイヤレスデバイス300を示す。ワイヤレスデバイス300は、コア論理回路210と、送受信機制御論理回路310と、アンテナ共有論理回路350と、3つのアンテナの組A1〜A3と、BluetoothスイッチSW1と、よく知られている信号スプリッタ/コンバイナ回路320とを含む。アンテナA1〜A3は、よく知られている。図2の送受信機制御論理回路220の一実施形態である送受信機制御論理回路310は、WLAN制御回路221と、Bluetooth制御回路222と、LTE制御回路223と、調停論理回路312とを含むように示される。また、送受信機制御論理回路310は、コア論理回路210に結合されるように示される。信号スプリッタ/コンバイナ回路320を介して第1のアンテナA1に結合されるWLAN制御回路221は、送信動作中にアンテナA1を介してブロードキャストするためにWi−Fi信号WF1を生成するように構成され、受信動作中にWi−Fi信号WF1を受信するように構成される。
スイッチSW1を介して信号スプリッタ/コンバイナ回路320を通して第1のアンテナA1に選択的に結合され、アンテナ共有論理回路350およびスイッチSW1を介して第2のアンテナA2に選択的に結合されるBluetooth制御回路222は、送信動作中にアンテナA1またはアンテナA2を介してブロードキャストするためにBluetooth信号BT1を生成するように構成され、受信動作中にアンテナA1またはアンテナA2のいずれかからBluetooth信号を受信するように構成される。
簡単のために図示されていないが、Bluetooth信号BT1は、適切なBTパワーアンプによって増幅することができ、Wi−Fi信号WF1は、適切なWi−Fiパワーアンプによって増幅することができる。他の実施形態の場合、信号BT1およびWF1用の別個のパワーアンプを省略することができ、スプリッタ/コンバイナ回路320の出力は、第1のアンテナA1に結合される出力部を有する適切なパワーアンプ(簡単のために図示せず)の入力部に提供され得る。
通常の送信動作中、スプリッタ/コンバイナ回路320は、WLAN制御回路221からWi−Fi信号WF1を受信し、Bluetooth制御回路222からBluetooth信号BT1を受信し、よく知られている方法で第1のアンテナA1を介して別のデバイスとワイヤレス通信するために、Wi−Fi信号WF1とBluetooth信号BT1とを合成してWF1/BT1合成信号にする。受信動作中、スプリッタ/コンバイナ回路320は、第1のアンテナA1からWF1/BT1合成信号を受信し、受信したWi−Fi信号WF1がWLAN制御回路221に提供され、受信したBluetooth信号BT1がBluetooth制御回路222に提供されるように、信号をその別個のWLAN成分およびBT成分に分割する。
LTE制御回路223は、アンテナ共有論理回路350を介して第2のアンテナA2に選択的に結合され、第3のアンテナA3に結合される。したがって、本明細書で説明する例示的な実施形態の場合、LTE制御回路223は、第1および第2のLTE信号LT1およびLT2を生成し、それにより、第1の信号LT1は、アンテナ共有論理回路350を介して第2のアンテナA2に選択的に提供され、第2の信号LT2は、第3のアンテナA3に提供される。簡単のために図示されていないが、アンテナA2およびA3の各々は、それぞれのパワーアンプに結合されてもよい。
任意の適切なRFスイッチとすることができるBluetoothスイッチSW1は、Bluetooth制御回路222に結合される第1のポートと、スプリッタ/コンバイナ回路320に結合される第2のポートと、アンテナ共有論理回路350に結合される第3のポートと、アンテナ選択信号ANT_SELを受信する制御入力部とを含む。選択信号ANT_SELは、スイッチSW1がBluetooth制御回路222をコンバイナ/スプリッタ回路320またはアンテナ共有論理回路350のいずれかに結合させるかどうかを決定する。たとえば、スイッチSW1が(たとえば、ANT_SELのアサートされた状態に応答して)第1の状態であるとき、スイッチSW1は、通常の送信動作中にBluetooth制御回路222から出力されるBT信号がコンバイナ/スプリッタ回路320にルーティングされ、その後、アンテナA1を介してブロードキャストするためにWF1と合成されるように、また、通常の受信動作中にアンテナA1から受信されコンバイナ/スプリッタ回路320によって分割されるBT信号がBluetooth制御回路222にルーティングされるように、Bluetooth制御回路222をコンバイナ/スプリッタ回路320に接続させる。反対に、スイッチSW1が(たとえば、ANT_SELのアサート停止された状態に応答して)第2の状態であるとき、スイッチSW1は、送信動作中にBluetooth制御回路222から出力されるBT信号がアンテナ共有論理回路350にルーティングされ、その後、アンテナA2を介してブロードキャストするように、また、受信動作中にアンテナ共有論理回路350を介してアンテナA2から受信されるBT信号がBluetooth制御回路222にルーティングされるように、Bluetooth制御回路222をアンテナ共有論理回路350に接続させる。
アンテナ共有論理回路350は、アンテナA1〜A2と送受信機制御論理回路310との間に結合される。図示する特定の実施形態では、アンテナ共有論理回路350は、スイッチSW1を介してBluetooth制御回路222に選択的に結合される第1のポートを含み、LTE制御回路223に結合される第2のポートを含み、第2のアンテナA2に結合される第3のポートを含み、選択信号ANT_SELを受信する制御入力部を含む。「LTEアンテナ共有」モードまたは「LTEパススルー」モードのいずれかにおいて動作するようにアンテナ共有論理回路350(およびスイッチSW1)を設定することができる選択信号ANT_SELは、調停論理回路312によって生成され得る。いくつかの実施形態の場合、アンテナ共有論理回路350およびスイッチSW1は、Bluetooth信号を第1のアンテナA1または第2のアンテナA2のいずれかに選択的にルーティングする切替論理回路を形成する。
LTE制御回路223、Bluetooth制御回路222、およびWLAN制御回路221に結合されるポートを含む調停論理回路312は、LTE制御回路223とBluetooth制御回路222との間で第2のアンテナA2へのアクセスについて調停するように構成される。いくつかの実施形態の場合、調停論理回路312は、LTE送信スケジュールおよび/または受信スケジュールを示すスケジューリング情報を受信することができ、それに応じて、LTE信号LT1が使用されていないアイドル時間を判定することができる。スケジューリング情報は、ワイヤレス通信事業者またはデバイス製造業者の仕様に応じてプリプログラムされ得るか、またはLTE制御回路223によって提供され得る。一実施形態の場合、調停論理回路312は、LTE信号に関するスケジューリング情報を記憶するルックアップテーブルを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態の場合、調停論理回路312は、別のモバイル通信デバイスに情報を送信し、および/または別のモバイル通信デバイスから情報を受信するのを開始または停止しようとしているとき、LTE制御回路223から通知を受け取ることができる。
本実施形態によれば、調停論理回路312は、デバイス300のアンテナリソースを最大化するために、Bluetooth制御回路222(またはそうでない場合、WLAN制御回路221)の第2のアンテナA2へのアクセスを許可する機会としてLTEアイドル時間を使用することができる。調停論理回路312は、これらのLTEアイドル時間中にBluetoothの送信/受信の経過を監視し、それに応じて、(たとえば、現在のBT動作の全部または一部が完了した後)LTE制御回路223に再びアンテナA2へのアクセスを選択的に許可することができる。いくつかの実施形態の場合、調停論理回路312は、LTEまたはBluetoothが第2のアンテナA2を使用しているかどうかに応じて、BTおよび/またはLTEの送信/受信(Tx/Rx)チェーンにおける1つまたは複数の設定値(たとえば、ゲインテーブル、較正値など)を調整するために使用することもできる。一実施形態の場合、調停論理回路312は、アンテナ調停に応じてWLAN Tx/Rxチェーンの1つまたは複数の設定値を調整することもできる。
上述のように、調停論理回路312によって生成される選択信号ANT_SELは、(たとえば、LTEアイドル時間があるかどうかに応じて)「LTEアンテナ共有」モードまたは「LTEパススルー」モードのいずれかにおいて動作するようにアンテナ共有論理回路350を設定するために使用することができる。選択信号ANT_SELが、LTEパススルーモードを示す第1の(たとえば、アサートされた)状態であるとき、スイッチSW1は、Bluetooth制御回路222をスプリッタ/コンバイナ回路320に結合させ、Bluetooth制御回路222をアンテナ共有論理回路350から切断し、それにより、Wi−Fi信号WF1と合成させ、その後、第1のアンテナA1からワイヤレスでブロードキャストするために、BT1信号をBluetooth制御回路222からスプリッタ/コンバイナ回路320にルーティングする。また、ANT_SELのアサートされた状態により、アンテナ共有論理回路350は、第1のLTE信号LT1を第2のアンテナA2にルーティングすることになる(たとえば、一方で、第2のLTE信号LT2は、LTE制御回路223から第3のアンテナA3に直接提供される)。より具体的には、パススルーモードでは、第1のアンテナA1は、信号スプリッタ/コンバイナ回路320を介してBluetooth信号BT1およびWi−Fi信号WF1の通信を扱い、第2のアンテナA2は、第1のLTE信号LT1の通信を扱い、第3のアンテナA3は、第2のLTE信号LT2の通信を扱う。したがって、パススルーモードでは、Bluetooth信号BT1もWi−Fi信号WF1も、第1のアンテナA1を使用し、LT1信号は、専用アンテナとして第2のアンテナA2を使用し、第2のLTE信号LT2は、専用アンテナとして第3のアンテナA3を使用する。
選択信号ANT_SELが、アンテナ共有モードを示す第2の(たとえば、アサート停止された)状態であるとき、スイッチSW1は、Bluetooth制御回路222をスプリッタ/コンバイナ回路320から切断し、Bluetooth制御回路222をアンテナ共有論理回路350に結合させ、それにより、BT1信号をBluetooth制御回路222からアンテナ共有論理回路350にルーティングする。また、ANT_SELのアサート停止された状態により、アンテナ共有論理回路350は、Bluetooth信号BT1を第2のアンテナA2に結合させることになり、それにより、(たとえば、LT1信号ではなく)Bluetooth信号BT1を第2のアンテナA2に効果的にルーティングする。より具体的には、アンテナ共有モードでは、第1のアンテナA1は、Wi−Fi信号WF1の通信を扱い、第2のアンテナA2は、Bluetooth信号BT1の通信を扱い、第3のアンテナA3は、第2のLTE信号LT2の通信を扱う。したがって、アンテナ共有モードでは、Wi−Fi信号WF1は、専用アンテナとして第1のアンテナA1を使用し、Bluetooth信号BT1は、専用アンテナとして第2のアンテナA2を使用し、第2のLTE信号LT2は、専用アンテナとして第3のアンテナA3を使用する。このようにして、第2のアンテナA2(通常、LTE信号LT1を扱う)は、Wi−Fi信号WF1およびBluetooth信号BT1が別個のアンテナA1およびA2をそれぞれ使用することができるように、Bluetooth信号BT1へ調停される。いくつかの実施形態の場合、ANT_SELのアサート停止された状態は、LTE制御回路223をアンテナ共有論理回路350から切断するために、および/またはLT1チェーンと関連するLTE回路構成要素を電源切断するために使用することもできる。
さらに、アンテナ共有モード中、調停論理回路312は、たとえば、BTチェーンに関連する較正設定値および/またはゲインテーブルの調整を相応に行うことができるように、第2のアンテナA2へのアクセスが許可されたことをBluetooth制御回路222に警告することができる。同様に、アンテナ共有モード中、調停論理回路312は、たとえば、(たとえば、コンバイナ/スプリッタ回路320内で、Wi−Fi信号WF1が信号BT1と合成されていない現在の状況を反映するために)WLANチェーンに関連する較正設定値および/またはゲインテーブルの調整を相応に行うことができるように、Bluetoothの第2のアンテナA2へのアクセスが許可されたことをWLAN制御回路221に警告することができる。
他の実施形態の場合、デバイス300は、Bluetooth信号通信用にどのRFチェーンを使用すべきかをBluetooth制御回路222が選択することを可能にする別の論理回路を有する、追加のBluetooth RF出力ピンを含むことができる。たとえば、図3Bは、ワイヤレスデバイス100の別の実施形態であるワイヤレスデバイス301を示す。ワイヤレスデバイス301は、後述のように、BluetoothスイッチSW1を省略することを可能にする、第2のBluetooth信号BT2を扱うための追加のポートをBluetooth制御回路222が含むように構成されることを除いて、図3Aのワイヤレスデバイス300と同様である。たとえば、LTEパススルーモード中、Bluetooth制御回路222は、第1のポートに、コンバイナ/スプリッタ回路320を介してBT1信号を第1のアンテナA1と通信させるようにでき、BT信号がアンテナ共有論理回路350に提供されないように第2のポートを無効にすることができる。次いで、アンテナ共有モード中、Bluetooth制御回路222は、BT信号がコンバイナ/スプリッタ回路320を介して第1のアンテナA1に提供されないように、かつ第1のアンテナA1から受け取られないように第1のポートを無効にすることができ、BT信号がアンテナ共有論理回路350を介してBT2として第2のアンテナA2に提供されるように第2のポートを有効にすることができる。
図3A〜図3Bの例示的な実施形態は、Bluetooth制御回路222を第2のアンテナA2に選択的に結合させるように構成されるアンテナ共有論理回路350を示すが、別の実施形態では、アンテナ共有論理回路350は、WLAN制御回路221を第2のアンテナA2に選択的に結合させるように構成され得ることに留意されたい。図3Cに示す代替構成302は、第2のアンテナA2を再びLT1チェーンに急にまたは早期に切り替えることから生じるWLANパケット損失が対応するBluetoothパケット損失よりも好ましいアプリケーション(たとえば、Bluetooth信号を介して送信されるオーディオデータがWLAN信号を介して送信される非オーディオデータよりも優先度が高いと考えられるアプリケーション)に使用され得る。
さらに、LTE制御回路223は、2つのアンテナA2およびA3に結合されるように示されるが、別の実施形態では、LTE制御回路223は、単に単一のアンテナ(たとえば、第2のアンテナA2)に結合され得る。さらに別の実施形態では、LTE制御回路223は、任意のタイプのセルラー通信プロトコル(たとえば、EDGE、UMTS、WiMaxなど)の制御回路を含むことができる。
図4Aは、図3Aに示すアンテナ共有論理回路350の一実施形態であるアンテナ共有論理回路400を示す。アンテナ共有論理回路400は、第2のスイッチSW2として示される。BT1信号に結合される第1のポートと、第1のLTE信号LT1に結合される第2のポートと、アンテナ選択信号ANT_SELを受け取る制御入力部と、第2のアンテナA2に結合される第3のポートとを含むスイッチSW2は、アンテナ選択信号ANT_SELに応答してBluetooth信号BT1または第1のLTE信号LT1のいずれかを第2のアンテナA2に選択的に結合させる。スイッチSW2は、任意の適切なRFスイッチとすることができる。いくつかの実施形態の場合、スイッチSW2は、(たとえば、図4Aに示すように)2:1マルチプレクサとして実装され得る。
いくつかの実施形態では、LTE信号LT1およびLT2は、Bluetooth信号BT1(およびWi−Fi信号WF1)とは異なる周波数でブロードキャストされ得る。たとえば、大部分のBluetooth信号は、2.4〜2.48GHz周波数バンドで動作するが、LTE信号は、典型的には、約2.5GHzで動作する。したがって、LTE信号をブロードキャストするために使用されるアンテナは、Bluetooth信号をブロードキャストするために使用されるアンテナとはわずかに異なる周波数に同調し得る。この差を補償するために、いくつかの実施形態では、同調回路が提供される。
たとえば、図4Bは、図3Aのアンテナ共有論理回路350の別の実施形態であるアンテナ共有論理回路401を示す。アンテナ共有論理回路401は、図4Aのアンテナ共有論理回路400のすべての構成要素と、第2のアンテナA2を選択的に同調させるために使用され得るチューナー回路430の追加分とを含む。より具体的には、チューナー回路430は、動作モード(たとえば、パススルーまたはアンテナ共有)に応じて、第2のアンテナA2の共振周波数を調整する。たとえば、アンテナ共有論理回路400がパススルーモードで動作するとき、アンテナA2は、LT1信号をブロードキャストおよび/または受信すべきである。同調回路430は、アクティブでないか、または第2のアンテナA2を単に孤立させることがある(またはそうでない場合、同調回路430は、第2のアンテナA2を2.5GHzで動作するように設定することができる)。しかしながら、アンテナ共有論理回路400がアンテナ共有モードで動作するとき、第2のアンテナA2は、Bluetooth信号BT1を送信および/または受信すべきである。このシナリオでは、同調回路430は、Bluetooth周波数レンジ(たとえば、2.4GHzと2.48GHzとの間)で動作するようにアクティブ化され、第2のアンテナA2を同調させることができる。Bluetooth/Wi−FiおよびLTE信号の周波数レンジが互いに極めて近いので、大部分のアプリケーションでは、同調回路430は、Bluetooth信号BT1をブロードキャストする、および/または受信する第2のアンテナの機能に顕著な影響を及ぼすことなく省略され得ることに留意されたい。他の実施形態の場合、同調回路430は、2つ以上の異なるセルラー共存フィルタ(cellular co-existence filter)間で選択することができ、そのような実施形態の場合、Bluetooth制御回路222は、LTEおよびセルラーの周波数バンド内の信号を拒絶しながら、2.48GHzの周波数を有する信号を通過させる第1のフィルタを使用することができ、LTE制御回路223は、BTおよびWi−Fiの周波数バンド内の信号を拒絶しながら、2.5GHzの周波数を有する信号を通過させる第2のフィルタを使用することができる。
図5は、通常の(パススルー)モードからアンテナ共有モードに切り替える際のワイヤレスデバイス300の例示的な動作を示すフローチャート500である。502において、WLAN制御回路221もBluetooth制御回路222も、第1のアンテナA1に結合され、第1のアンテナA1とデータを通信する。次いで、504において、アンテナ共有論理回路350は、LTE制御回路223がアイドル状態であるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、アンテナ共有論理回路350は、LTE制御回路223がアクティブか、またはアイドル状態であるかどうかを示すアンテナ選択信号ANT_SELを受け取る。アンテナ選択信号ANT_SELは、たとえば、LTE制御回路223によって提供され得る。そうでない場合、アンテナ選択信号ANT_SELは、ルックアップテーブルに記憶されたLTEスケジューリング情報から生成され得る。上述のように、いくつかの実施形態の場合、LTEスケジューリング情報は、デバイス300内のセルラー構成要素(たとえば、LTE制御回路223)によって提供され得る。
LTE制御回路223がLTE信号LT1およびLT2を送信および/または受信している(たとえば、アンテナ選択信号ANT_SELがアサートされる)とき、506において、アンテナ共有論理回路350は、LT1信号を第2のアンテナA2に関連付け続ける。反対に、LTE制御回路223がアイドル状態である(たとえば、アンテナ選択信号ANT_SELがアサート停止される)場合、アンテナ共有論理回路350は、508において、LTE制御回路223を第2のアンテナA2から切断し、510において、Bluetooth制御回路222を第2のアンテナA2に結合する。いくつかの実施形態の場合、LTE制御回路223は、アンテナ選択信号のアサート停止に応答してパワーダウンされ得る。BluetoothスイッチSW1は、512において、Bluetooth制御回路222を第1のアンテナA1から切断する。このようにして、アンテナ共有論理回路350は、514において、第1のアンテナA1を介したWi−Fi信号WF1の通信と同時に第2のアンテナA2を介したBluetooth信号BT1の通信を可能にする。
図6は、アンテナ共有モードから通常の(パススルー)モードに切り替える際のワイヤレスデバイス300の例示的な動作を示すフローチャート600である。602において、WLAN制御回路221もBluetooth制御回路222も、第1および第2のアンテナA1およびA2を介して、Wi−Fi信号WF1およびBluetooth信号BT1を同時に通信する。次いで、604において、調停論理回路312は、LTE制御回路223がアクティブであるかどうかを判定する。いくつかの実施形態では、アンテナ共有論理回路350は、LTE制御回路223がアクティブか、またはアイドル状態であるかどうかを示すアンテナ選択信号ANT_SELを受け取る。アンテナ選択信号ANT_SELは、上述のように、たとえば、LTE制御回路223によって提供され得る。そうでない場合、アンテナ選択信号ANT_SELは、LTE制御回路223のスケジューリング情報を記憶するルックアップテーブルから決定され得る。
LTE制御回路223がLTE信号LT1およびLT2を送信および/または受信していない(たとえば、アンテナ選択信号ANT_SELがアサート停止される)とき、606において、アンテナ共有論理回路350は、BT1信号を第2のアンテナA2に関連付け続ける。一方、LTE制御回路223がアクティブである(たとえば、アンテナ選択信号ANT_SELがアサートされる)場合、アンテナ共有論理回路350は、608において、Bluetooth制御回路222を第2のアンテナA2から切断し、610において、LTE制御回路223を第2のアンテナA2に結合する。BluetoothスイッチSW1は、614において、Wi−Fi信号WF1およびBluetooth信号BT1を第1のアンテナA1を介して通信できるようにする一方で、LTE信号LT1およびLT2が第2および第3のアンテナA2およびA3を介してそれぞれ通信されるように、612において、Bluetooth制御回路222を再び第1のアンテナA1に結合する。
上記に、特にWi−Fi、Bluetooth、およびLTEの信号の送信に関する実施形態について説明してきたが、図5および図6で説明する方法は、同様に、Wi−Fi、Bluetooth、および/またはLTEの信号の受信に適用される。別の実施形態では、WLAN制御回路221(Bluetooth制御回路222ではなく)は、アンテナ共有モード(たとえば、一方、第1のLTE信号LT1に関連するアイドル時間がある)中に、第1のアンテナA1から選択的に切断され、第2のアンテナA2に結合され得る。さらに、代替的に、LTE制御回路223は、他のセルラーデータプロトコル(たとえば、EDGE、UMTS、WiMaxなど)に従ってデータを送信および受信することができる。
上記の明細書の中で、本発明の実施形態はその特定の例示の実施形態を参照して説明されている。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載したように、様々な修正および変更が本開示のより広い趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で解釈されるべきである。