JP2014521189A - Maldiイオン源に連結したイオンガイド - Google Patents

Maldiイオン源に連結したイオンガイド Download PDF

Info

Publication number
JP2014521189A
JP2014521189A JP2014517959A JP2014517959A JP2014521189A JP 2014521189 A JP2014521189 A JP 2014521189A JP 2014517959 A JP2014517959 A JP 2014517959A JP 2014517959 A JP2014517959 A JP 2014517959A JP 2014521189 A JP2014521189 A JP 2014521189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion
group
ions
mass spectrometer
guide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014517959A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェイソン・リー・ワイルドグース
スティーブン・デレク・プリングル
ケビン・ジャイルス
ジェファリー・マーク・ブラウン
ポール・マレー
ダニエル・ジェイムズ・ケニー
Original Assignee
マイクロマス ユーケー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by マイクロマス ユーケー リミテッド filed Critical マイクロマス ユーケー リミテッド
Publication of JP2014521189A publication Critical patent/JP2014521189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/161Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission using photoionisation, e.g. by laser
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/061Ion deflecting means, e.g. ion gates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0031Step by step routines describing the use of the apparatus
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/04Arrangements for introducing or extracting samples to be analysed, e.g. vacuum locks; Arrangements for external adjustment of electron- or ion-optical components
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/06Electron- or ion-optical arrangements
    • H01J49/062Ion guides
    • H01J49/065Ion guides having stacked electrodes, e.g. ring stack, plate stack
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/02Details
    • H01J49/10Ion sources; Ion guns
    • H01J49/16Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission
    • H01J49/161Ion sources; Ion guns using surface ionisation, e.g. field-, thermionic- or photo-emission using photoionisation, e.g. by laser
    • H01J49/164Laser desorption/ionisation, e.g. matrix-assisted laser desorption/ionisation [MALDI]

Abstract

イオン源を一回以上作動させることによって、第1のイオングループおよび第2のイオングループを生成するパルスイオン源を開示する。第1および第2のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、イオンガイドを通じて第1および第2のイオングループを同時に伝達させる。

Description

本発明は、質量分析方法および質量分析計に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2011年7月15日出願の米国仮特許出願第61/508,285号、および2011年7月6日出願の英国特許出願第1111568.0号の優先権および利益を主張する。これらの出願の全体の内容は参照により本明細書に組み入れられる。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)用に構成された質量分析計が公知である。MALDIは、質量分析のためのソフトイオン化技術であり、検体分子をターゲットプレート表面上に準備する。検体分子は、固体の多結晶マトリックスに支持される。標準的には数ナノ秒の期間、レーザー放射のパルスがMALDIサンプルに導かれる。このレーザー放射は、マトリックス分子に強く吸収される。
レーザーエネルギーのパルスによって、照射される領域が急速に加熱される。この加熱により、一定の割合のマトリックス材料が気化して気体材料のプルームとして表面から爆発的に噴出する(脱離)。脱離されたマトリックス内部に埋め込まれた検体イオンが、マトリックスとともに気相に変化する。
マトリックスイオンと検体分子との反応によって、プロトン化/脱プロトン化、またはイオンの除去または追加のいずれかに伴い検体分子がイオン化できる。初期のMALDIプルーム内の分散において、残りの検体イオンの大部分は一価イオンとなる。
レーザー放射の吸収は全ての準位のレーザーフルエンスに起こるが、照射による材料の脱離を得るために必要な閾値エネルギー密度が存在する。
MALDIイメージングは発展中の技術であり、分析するサンプルがサンプルの表面に堆積するマトリックス層を持つ薄い(通常、15μm)組織切片でもよい。サンプルをラスター方式によってスキャンし、この方式では、ラスターパターンに従い間隔をあけた特定の位置または位置範囲にレーザーを発射する。各位置または位置範囲における質量スペクトルを取得し、次に、イオン質量の相対存在量を組織切片のイオンイメージとして表す。
大きなマトリックスアレイを生成することによって、組織切片全体をカバーすることができる(すなわち、イオンイメージング)。または、より小さいアレイを用いることによって、組織内部で異なる範囲を調査することができる(例えば、デプスプロファイリング)。
デプスプロファイリングの目的は、サンプルの初期表面よりも低い深さを持つ組成の差異に関する情報を得ることである。得た情報は、層状構造、例えば、半導体産業で生産されるものの分析に特に有用である。
レーザー脱離イオン化は、サンプル表面からのイオンの除去に依存している。それ故、本質的に破壊的な技術である。レーザー脱離イオン化は、デプスプロファイリングの用途に用いることができる。サンプルのデプスプロファイルは、入射レーザービームプローブによって表面を徐々に侵食して消失するときのスペクトルを連続的に記録することによって得ることができる。所与の質量または時間の関数として電荷比信号に対する質量強度のプロットを、表面よりも低い深さにおける存在量または濃度の差異を直接に反映するものとして生成することができる。
MALDI組織プロファイリングおよびイオンイメージング技術は、タンパク質の空間分布を詳細に調べることを目的とした組織の迅速な直接分析のための有益な手段となってきた。
しかしながら、組織サンプル内部の異なる範囲の各々における質量スペクトルの生成には別々の分析が必要であり、この分析には時間がかかり、機器の収率が低下する。
米国特許公開第2005/0116158号(特許文献1)(マニトバ大学)には、パルスイオン源と質量分析計との間に位置するイオン透過装置またはインターフェースが開示されている。イオン透過装置は、多極ロッドセットを含み、パルスイオン源によって生成されたイオンの空間的拡散およびエネルギー拡散を弱めるための減衰ガスを含有する。開示する配置は、パルスイオン源から放出されたイオンの準連続ビームへの均一化を試みる。パルスの広がりによって、プッシャー領域を形成する電極に電圧を加えた時に、飛行時間型質量分析器のプッシャー領域にイオンが存在する見込みが増大する。仮に、イオンパケットがなおもイオン形成の時間(すなわち、約3ナノ秒のレーザーパルス幅)に相当するサイズである場合には、その結果、プッシャー領域にイオンが存在する見込みは比較的低くなるであろう。
この問題にさまざまな方法で対処すること、すなわち、プッシャー電極に作動させて装置からのイオンパケットの解放のタイミングおよび同期をとることが公知である。その結果、プッシャー電極に電圧を加えた正確な時間に、イオンを常にプッシャー領域に存在させることができる。これが高デューティサイクル(「HDC」)動作モードとなる。
進行波イオン移動度分析計と併せてHDCモードで質量分析計を動作させることによって、プッシャー電極に電圧を加えた時に、対象となる所望の質量範囲内のイオンをプッシャー領域に存在させることが可能になる。その結果、確実なイオンの抽出を目的としてイオンパルスを拡大する必要がない。イオンパケットの解放とプッシャー電極に電圧を加えた時点との間の遅延時間を、例えば、イオン移動度分析計から出るイオンの予期される質量範囲に応じて調整することができる。
米国特許公開第2005/0116158号
改善された質量分析方法および改善された質量分析計の提供が意図される。
本発明の態様に係る質量分析方法は、
パルスイオン源を提供することと、
イオン源を一回以上作動させて第1のイオングループを生成することと、
イオン源を一回以上作動させて異なる第2のイオングループを生成することと、
第1のイオングループおよび第2のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通るように第1のイオングループおよび第2のイオングループの両方を同時に通過させることと、を含む。
第1のイオングループは一つ以上の第1のイオンサブグループを含むことができ、(i)一つ以上の第1のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第1のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
第2のイオングループは一つ以上の第2のイオンサブグループを含むことができ、(i)一つ以上の第2のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第2のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
方法は、イオン源を一回以上作動させて第3のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループおよび第3のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通るように第1のイオングループ、第2のイオングループおよび第3のイオングループを同時に通過させることをさらに含むことができる。
第3のイオングループは一つ以上の第3のイオンサブグループを含むことができ、(i)一つ以上の第3のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第3のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
方法は、イオン源を一回以上作動させて第4のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、および第4のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通るように第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、および第4のイオングループを同時に通過させることをさらに含むことができる。
第4のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第4のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第4のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第4のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
方法は、イオン源を一回以上作動させて第5またはそれ以上のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、第4のイオングループ、第5またはそれ以上のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通るように第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、第4のイオングループ、第5またはそれ以上のイオングループを同時に通過させることをさらに含むことができる。
第5またはそれ以上のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第5またはそれ以上のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第5またはそれ以上のイオンサブグループは互いからの分離を維持し、または(ii)一つ以上の第5またはそれ以上のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
方法は、好ましくは、複数の電極をそれぞれが含む一つ以上のイオンガイドを提供することをさらに含む。
一つ以上のイオンガイドは、好ましくは、
(a)それぞれ、使用時にイオンを通過させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオントンネルイオンガイド、
(b)それぞれ、使用時にイオンを通過させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオンファネルイオンガイドであって、イオンファネルイオンガイド内に形成されたイオンガイド領域の幅または直径が、イオンガイドの軸長に沿って増大または減少する、イオンファネルイオンガイド、
(c)(i)それぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む第1のイオンガイド部であって、その内部に第1のイオン誘導路が形成されている第1のイオンガイド部、および(ii)それぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む第2のイオンガイド部であって、その内部に第2のイオン誘導路が形成されており、第1のイオン誘導路と第2のイオン誘導路との間に径方向の疑似ポテンシャル障壁が形成されている第2のイオンガイド部、を含む結合型イオンガイド、
(d)多極または分割された多極ロッドセット、または
(e)イオンガイドの長手方向軸と平行または直角に配置された複数の平坦電極を含む平坦イオンガイド、の群から選択される。
方法は、好ましくは、一つ以上のイオンガイド内で径方向にイオンを閉じ込めることをさらに含む。
方法は、好ましくは、複数の電極の少なくとも一部にAC電圧またはRF電圧を印加することによって、一つ以上のイオンガイド内で径方向および/または軸方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャルを形成することをさらに含む。
第1のイオングループおよび第2のイオングループの両方、ならびに/あるいは、第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを同時に通過させるステップは、好ましくは、一つ以上のイオンガイド内で第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを通過させることを含む。
第1のイオングループおよび第2のイオングループの両方、ならびに/あるいは、第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを同時に通過させるステップは、好ましくは、一つ以上のイオンガイドの長手方向に沿って複数のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸を移動させることを含む。
方法は、好ましくは、一つ以上の一時的、断続的または恒久的DC電圧を電極に印加することによって、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを互いに分離された状態に保つことをさらに含む。
方法は、好ましくは、第1のイオングループを一つ以上の第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込めることと、第2のイオングループを一つ以上の異なる第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込めることと、ならびに/あるいは、第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを、一つ以上の異なる第3のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第4のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込めることと、をさらに含む。
第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第1のイオングループと、好ましくは、第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第2のイオングループとの混合を防止し、および/または第3のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第4のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループとの混合を防止する。
質量分析計の一部または部分は、一つ以上のイオンガイドを含むことができる。
質量分析計の一部または部分は、一つ以上のイオン移動度分析計または分離器を含むことができる。
質量分析計の一部または部分は、好ましくは、質量分析器の上流に配置される。
一実施形態によれば、第2のイオングループ内のいずれかのイオンがイオン光学部品を通過する前に、第1のイオングループ内の全てのイオンがイオン光学部品を通過する。
別の一実施形態によれば、第1のイオングループ内のいずれかのイオンがイオン光学部品を通過する前に、第2のイオングループ内の全てのイオンがイオン光学部品を通過する。
イオン光学部品は、好ましくは、(i)イオン移動度分析計または分離器(ii)質量分析器(iii)イオンガイド(iv)イオンフラグメンテーションまたは反応装置(v)光解離または光活性化装置、および(vi)イオントラップの群から選択される。
一実施形態によれば、本方法は、イオンイメージング方法を含むことができる。
第1のイオングループは、好ましくは、基板またはサンプルの第1の領域をイオン化した結果生じ、第2のイオングループは、好ましくは、基板またはサンプルの第2の異なる領域をイオン化した結果生じ、第3のイオングループ、第4の群および/または第5の(または、さらなる)群は、好ましくは、基板またはサンプルのさらなる異なる領域を好ましくはイオン化した結果生じる。
方法は、パルスイオン源に対して基板またはサンプルを移動させることをさらに含むことができる。
一実施形態によれば、本方法は、第1のイオングループに関する第1の質量スペクトルデータを得ることと、および/または第2のイオングループに関する第2の質量スペクトルデータを得ることと、および/または第3のイオングループに関する第3の質量スペクトルデータを得ることと、および/または第4のイオングループに関する第4の質量スペクトルデータを得ることと、および/または第5のイオングループに関する第5の質量スペクトルデータを得ることと、を含むことができる。
一実施形態によれば、本方法は、第1の質量スペクトルデータと、(例えば、基板またはサンプル上の)第1の位置とを相関させることと、および/または第2の質量スペクトルデータと、(例えば、基板またはサンプル上の)第2の位置とを相関させることと、および/または第3の質量スペクトルデータと、(例えば、基板またはサンプル上の)第3の位置とを相関させることと、および/または第4の質量スペクトルデータと、(例えば、基板またはサンプル上の)第4の位置とを相関させることと、および/または第5の質量スペクトルデータと、(例えば、基板またはサンプル上の)第5の位置とを相関させることと、を含むことができる。
方法は、サンプルをデプスプロファイリングする方法を含むことができる。
パルスイオン源は、好ましくは、(i)レーザー(ii)サンプルプレートにおいて一つ以上の転がり軸受を放射するための装置(iii)サンプルプレート上のある位置を加熱するための装置(iv)サンプルプレート上のある位置を励起するための圧電装置の群から選択される。
一実施形態によれば、本方法は、
(i)第1のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成することと、
(ii)第2のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成することと、ならびに/あるいは
(iii)第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成することと、を含むことができる。
一実施形態によれば、本方法は、
(i)第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを質量分析することと、および/または
(ii)フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を質量分析することと、を含むことができる。
一実施形態によれば、本方法は、
(i)第1のイオングループを一回以上加熱して、第1のイオングループの脱着を支援することと、および/または
(ii)第2のイオングループを一回以上加熱して、第2のイオングループの脱着を支援することと、および/または
(iii)第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを一回以上加熱して、第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループの脱着を支援することと、を含むことができる。
一実施形態によれば、イオンを加熱するステップは、イオンが通り抜けるイオンガイド領域に加熱ガスを供給することを含むことができる。
一実施形態によれば、本方法は、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループにレーザービームを導いて、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループの脱着を支援することを含むことができる。
本発明の別の態様に従う質量分析計は、
パルスイオン源と、
(i)イオン源を一回以上作動させて第1のイオングループを生成する、
(ii)イオン源を一回以上作動させて異なる第2のイオングループを生成する、および
(iii)第1のイオングループおよび第2のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通るように第1のイオングループおよび第2のイオングループの両方を同時に通過させるように配置および構成された制御システムと、を含む。
第1のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第1のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第1のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第1のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
第2のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第2のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第2のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第2のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
一実施形態によれば、制御システムは、イオン源を一回以上作動させて第3のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループおよび第3のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、イオンが質量分析計の一部または部分を通るように、そして第1のイオングループ、第2のイオングループおよび第3のイオングループを同時に通過させるように配置および構成される。
第3のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第3のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第3のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第3のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
一実施形態によれば、制御システムは、イオン源を一回以上作動させて第4のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、および第4のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、イオンが質量分析計の一部または部分を通るように、そして第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、および第4のイオングループを同時に通過させるように配置および構成される。
第4のイオングループは、好ましくは、一つ以上の第4のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第4のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第4のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
一実施形態によれば、制御システムは、イオン源を一回以上作動させて第5のイオングループを生成し、第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、第4のイオングループおよび第5のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、イオンが質量分析計の一部または部分を通るように、そして第1のイオングループ、第2のイオングループ、第3のイオングループ、第4のイオングループおよび第5のイオングループを同時に通過させるように配置および構成される。
第5のイオングループが一つ以上の第5のイオンサブグループを含み、(i)一つ以上の第5のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれるか、あるいは(ii)一つ以上の第5のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合される。
質量分析計は、好ましくは、複数の電極をそれぞれが含む一つ以上のイオンガイドをさらに含む。
一つ以上のイオンガイドは、好ましくは、
(a)それぞれ、使用時にイオンを通過させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオントンネルイオンガイド、
(b)それぞれ、使用時にイオンを通過させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオンファネルイオンガイドであって、イオンファネルイオンガイド内に形成されたイオンガイド領域の幅または直径が、イオンガイドの軸長に沿って増大または減少する、イオンファネルイオンガイド、
(c)(i)それぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む第1のイオンガイド部であって、その内部に第1のイオン誘導路が形成されている第1のイオンガイド部、および(ii)それぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む第2のイオンガイド部であって、その内部に第2のイオン誘導路が形成されており、第1のイオン誘導路と第2のイオン誘導路との間に径方向の疑似ポテンシャル障壁が形成されている第2のイオンガイド部、を含む結合型イオンガイド、
(d)多極または分割された多極ロッドセット、または
(e)イオンガイドの長手方向軸と平行または直角に配置された複数の平坦電極を含む平坦イオンガイド、の群から選択される。
一つ以上のイオンガイドは、好ましくは、一つ以上のイオンガイド内で径方向にイオンを閉じ込めるように配置および構成される。
質量分析計は、好ましくは、複数の電極の少なくとも一部にAC電圧またはRF電圧を印加することによって、一つ以上のイオンガイド内で径方向および/または軸方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャルを形成するように配置および構成された装置をさらに含む。
一つ以上のイオンガイドは、好ましくは、第1のイオングループおよび第2のイオングループの両方、場合によってさらに、第3のイオングループ、第4の群および/または第5の(または、さらなる)群を同時に通過させるように配置および構成される。
質量分析計は、好ましくは、一つ以上のイオンガイドの長手方向に沿って複数のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸を移動させるように配置および構成された装置をさらに含む。
質量分析計は、好ましくは、一つ以上の一時的、断続的または恒久的DC電圧を電極に印加することによって、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを互いに分離された状態に保つように配置および構成された装置をさらに含む。
質量分析計は、好ましくは、第1のイオングループを一つ以上の第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込め、第2のイオングループを一つ以上の異なる第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込め、および/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを、一つ以上の異なる第3のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第4のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸により軸方向に閉じ込めるように配置および構成された装置をさらに含む。
第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第1のイオングループと、好ましくは、第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第2のイオングループとの混合を防止し、および/または第3のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第4のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸内の第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループとの混合を防止する。
質量分析計の一部または部分は、好ましくは、一つ以上のイオンガイドを含む。
質量分析計の一部または部分は、好ましくは、一つ以上のイオン移動度分析計または分離器を含む。
質量分析計の一部または部分は、好ましくは、質量分析器の上流に配置される。
一実施形態によれば、第2のイオングループ内のいずれかのイオンがイオン光学部品を通過する前に、第1のイオングループ内の全てのイオンがイオン光学部品を通過する。
別の一実施形態によれば、第1のイオングループ内のいずれかのイオンがイオン光学部品を通過する前に、第2のイオングループ内の全てのイオンがイオン光学部品を通過する。
イオン光学部品は、好ましくは、(i)イオン移動度分析計または分離器(ii)質量分析器(iii)イオンガイド(iv)イオンフラグメンテーションまたは反応装置(v)光解離または光活性化装置、および(vi)イオントラップ、の群から選択される。
制御システムは、好ましくは、イオンイメージング方法を実行するように配置および構成される。
一実施形態によれば、第1のイオングループは、基板またはサンプルの第1の領域をイオン化した結果生じ、第2のイオングループは、基板またはサンプルの第2の異なる領域をイオン化した結果生じる。第3のイオングループ、第4の群および/または第5の(または、さらなる)群は、好ましくは、基板またはサンプルの他の領域をイオン化した結果生じる。
質量分析計は、好ましくは、パルスイオン源に対して基板またはサンプルを移動させるように配置および構成された装置をさらに含む。
制御システムは、好ましくは、第1のイオングループに関する第1の質量スペクトルデータを得る、および/または第2のイオングループに関する第2の質量スペクトルデータを得る、および/または第3のイオングループに関する第3の質量スペクトルデータを得る、および/または第4のイオングループに関する第4の質量スペクトルデータを得る、および/または第5のイオングループに関する第5の質量スペクトルデータを得るようにさらに配置および構成される。
制御システムは、好ましくは、第1の質量スペクトルデータと、(例えば、サンプルまたは基板上の)第1の位置とを相関させる、および/または第2の質量スペクトルデータと、(例えば、サンプルまたは基板上の)第2の位置とを相関させる、および/または第3の質量スペクトルデータと、(例えば、サンプルまたは基板上の)第3の位置とを相関させる、および/または第4の質量スペクトルデータと、(例えば、サンプルまたは基板上の)第4の位置とを相関させる、および/または相関させる、および/または第5の質量スペクトルデータと、(例えば、サンプルまたは基板上の)第5の位置とを相関させるようにさらに配置および構成される。
制御システムは、好ましくは、サンプルをデプスプロファイリングする方法を実行するように配置および構成される。
パルスイオン源は、好ましくは、(i)レーザー(ii)サンプルプレートにおいて一つ以上の転がり軸受を放射するための装置(iii)サンプルプレート上のある位置を加熱するための装置(iv)サンプルプレート上のある位置を励起するための圧電装置、の群から選択される。
制御システムは、好ましくは、
(i)第1のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成する、および/または
(ii)第2のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成する、および/または
(iii)第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを一回以上断片化、反応、光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生を生成するようにさらに配置および構成される。
質量分析計は、好ましくは、
(i)第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループの質量分析、および/または
(ii)フラグメントイオンの第1の発生および/または第2の発生および/または第3の発生および/またはその後の発生の質量分析を実行するように配置および構成された質量分析器をさらに含む。
質量分析計は、好ましくは、
(i)第1のイオングループを一回以上加熱して、第1のイオングループの脱着を支援するための加熱装置、
(ii)第2のイオングループを一回以上加熱して、第2のイオングループの脱着を支援するための加熱装置、および/または
(iii)第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループを一回以上加熱して、第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループの脱着を支援するための加熱装置をさらに含む。
質量分析計は、好ましくは、イオンに加熱ガスを供給するための装置をさらに含む。
質量分析計は、好ましくは、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループにレーザービームを導いて、第1のイオングループおよび/または第2のイオングループおよび/または第3のイオングループおよび/または第4のイオングループおよび/または第5のイオングループの脱着を支援するように配置および構成された装置をさらに含む。
有利には、好ましい実施形態によって、イオンイメージングおよび/またはデプスプロファイリングの用途における有意な改善が可能になる。なぜならば、好ましい実施形態では、イオンパケットを互いに分離した状態に保ちつつ、複数のレーザーショットからのイオンを、質量分析計を通るように急速かつ同時に通過させ、同時に、別々のイオンパケットの完全性を保持することが可能であり、それによって、収集率が有意に増大するからである。
好ましい実施形態では、好ましくは、より効率的なマトリックスイメージングおよび/またはプロファイリングの実行が可能になる。
好ましい実施形態は、特にMALDI技術に限らない、改善されたおよび/またはより順応性のある装置を含む。
本発明の態様に係る質量分析方法は、検体を含有する表面を提供するステップと、表面上の第1の座標にエネルギーを与えて第1のイオンセットを生成するステップと、表面上の第2の座標にエネルギーを与えて第2のイオンセットを生成するステップと、を含む。第1のイオンセットおよび第2のイオンセットの両方は同時に存在するが、質量分析計の全体または内部において一時的に分離して存在する。
好ましくは、第1のイオンセットおよび第2のイオンセットは、分離手段または分離装置を用いて分離される。これらは、イオン閉じ込め装置、例えば、RFイオン閉じ込め装置、または、イオンガイド手段、例えば、イオンガイドまたはイオンガイド装置を含むことができる。第1のイオンセットおよび第2のイオンセットは、一時的なDC電圧、一つ以上の不変のDC電圧および/または一つ以上の断続的なDC電圧によって分離することができる。
一部の実施形態では、パルスエネルギー源を用いてエネルギーが与えられる。第1のイオンセットは、第1の座標におけるエネルギーの2つ以上のパルスから生成することができる。第1の座標におけるエネルギーの各パルスから生成されたイオンは、互いから分離することができる。第1の座標におけるエネルギーの一つ以上のパルスから生成されたイオンと、第1の座標におけるエネルギーの一つ以上のさらなるパルスから生成されたイオンとを分離することによって、少なくとも2つの第1のイオンセットを提供する。
方法は、少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの一つの内部において分析よりも前にイオンを断片化することをさらに含むことができる。方法は、実質的に断片化されたセット、例えば、少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの一番目のセットを分析し、および/または実質的に断片化されていないセット、例えば、少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの二番目のセットを分析することをさらに含むことができる。
エネルギーは、例えば、窒素レーザー、Nd:YAGレーザー、COレーザー、Er:YAGレーザー、紫外線レーザー、および赤外線レーザーを含む群のレーザーによって提供することができる。レーザーは、例えば、1〜10Hz、10〜100Hz、100〜1000Hz、1000〜10000Hz、10000〜100000Hzの範囲から選択されたパルス周波数を含むことができる。
あるいは、エネルギーは、サンプルプレートの背部における(レーザースプレーにあるような)レーザーの放射、サンプルプレートにおける転がり軸受の放射、サンプルプレートにおける特定のスポットの加熱、サンプルプレートにおけるスポットの圧電励起の一つ以上によって提供することができる。
分析されるサンプルの表面は、例えば、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸、の群を含むマトリックスをさらに含むことができる。
分離手段は衝突ガスを包含することができ、および/または分離手段によって分離されたイオンを、例えば、分離手段内に加熱した衝突ガスを提供することによって熱源にさらすことができる。また、熱源は放射熱源を含むことができる。
方法は、レーザーを照射して分離手段内でのイオンの脱着を促進することをさらに含むことができる。エネルギーは、例えば、第1の経路に沿って放射されるか導かれるレーザーを含むことができる。例えば、分離手段は第1の経路の少なくとも一部を囲む。
方法は、電界非対称性イオン移動度分光分析(「FAIMS」)および/またはイオン移動度分光分析(「IMS」)の実行、四重極を用いたイオン閉じ込め装置の下流での分離および/またはフィルタリングをさらに含むことができる。方法は、例えば、イオン閉じ込め装置の下流での衝突セルを用いたイオンの断片化、および/または例えば、異なる座標へのエネルギーの提供が可能になるようなエネルギー源に対する表面の移動をさらに含むことができる。方法は、スペクトルと第1の座標または第2の座標とを相関させることをさらに含むことができる。
本発明の別の態様は、先に記述した方法を実行するように配置および構成された装置を提供する。
本発明のさらなる態様は、質量分析用装置、例えば、質量分析計を提供し、当該装置または質量分析計は、サンプルを受け取るための基板と、エネルギーを基板上の第1の座標または第2の座標に選択的に与えてイオンを生成するエネルギー源と、使用時に第1のイオンセットおよび第2のイオンセットが装置または質量分析計に同時に存在するときに、装置または質量分析計の全体または内部において、第1の座標において生成された第1のイオンセットと第2の座標において生成された第2のイオンセットとを分離するように配置された分離手段と、を含む。
分離手段は、イオン閉じ込め装置、イオンガイド、ガイド手段またはガイド装置を含むことができる。分離手段は、一時的な、断続的なもしくは不変のDC電圧を電極に印加するのに用いるイオントンネル、一時的な、断続的なもしくは不変のDC電圧を電極に印加するのに用いるイオンファネル、一時的な、断続的なもしくは不変のDC電圧を電極に印加するのに用いる一対のサンドイッチプレート、一時的な、断続的なもしくは不変のDC電圧を電極に印加するのに用いる分割された多極、または断続的なもしくは不変のDC電圧をロッドに印加するのに用いる多極、を含む群から選択することができる。分離手段は、一つ以上の一時的なDC電圧、一つ以上の不変のDC電圧および/または一つ以上の断続的なDC電圧を含むか、それらを生成、誘起または提供するように構成することができる。
イオン閉じ込め装置、イオンガイド、ガイド手段またはガイド装置は、RFイオン閉じ込め装置、イオンガイド、ガイド手段またはガイド装置を含むことができる。装置は、四重極マスフィルター、FAIMS装置、IMS装置、および/またはイオン閉じ込め装置の下流における衝突セル、イオンガイド、ガイド手段、もしくはガイド装置をさらに含むことができる。
基板は、エネルギー源に対して移動可能であり、例えば、第1の座標および/または第2の座標へのエネルギーの提供が可能になる。
エネルギー源はパルスエネルギー源を含むことができ、例えば、第1のイオンセットは、第1の座標におけるエネルギーの2つ以上のパルスから生成することができ、および/または第2のイオンセットは、第2の座標におけるエネルギーの2つ以上のパルスから生成することができる。エネルギー源は、例えば、窒素レーザー、Nd:YAGレーザー、COレーザー、Er:YAGレーザー、紫外線レーザー、および赤外線レーザーを含む群のレーザーを含むことができる。レーザーは、例えば、1〜10Hz、10〜100Hz、100〜1000Hz、1000〜10000Hz、10000〜100000Hzの範囲から選択された周波数でパルスするように設計することができる。エネルギー源は、サンプルプレートの背部におけるレーザーの放射、サンプルプレートにおける転がり軸受の放射、サンプルプレートにおける特定のスポットの加熱、またはサンプルプレートにおけるスポットの圧電励起の一つ以上によって提供することができる。
分離手段は、第1の座標におけるエネルギー源の各パルスから生成されたイオンを互いから分離し、および/または第1の座標におけるエネルギーの一つ以上のパルスから生成されたイオンを互いから分離し、例えば、少なくとも2つの第1のイオンセットを提供するように配置することができる。
装置は、例えば、少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの一つの少なくとも一部を、分析よりも前に断片化するための断片化手段、および/または例えば、少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの一番目の、実質的に断片化されたセットを分析し、および/または少なくとも2つの第1のイオンセットのうちの二番目の、実質的に断片化されていないセットを分析するための質量分析器をさらに含むことができる。
基板は、例えば、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸の群を含むマトリックスをさらに含むことができる。
分離手段は衝突ガスを包含することができ、および/または分離手段によって分離されたイオンを熱源にさらすことができる。例えば、熱源は、分離手段内に加熱した衝突ガスを含むことができ、および/または熱源は放射熱源を含むことができる。
装置は、分離手段内でのイオンの脱着を促進するように配置されたレーザーをさらに含むことができる。
エネルギー源は、使用時に第1の軸に沿って導かれるレーザービーム含むことができる。分離手段は、第1の軸の少なくとも一部を囲むことができる。
装置は、スペクトルと第1の座標または第2の座標とを記憶および相関させる能力がある記憶手段をさらに含むことができる。
イオンガイド装置は、進行波ガイドまたはガイド装置を含むことができ、および/または使用時にその一部分に沿って移動するDC電位を生成するように配置または構成することができる。イオンガイドを形成する電極の全部ではないが大部分は、AC電圧源またはRF電圧源に接続することができる。結果生じたACまたはRF電界は、疑似ポテンシャル井戸を形成することによって、イオンガイド内で径方向にイオンを閉じ込めるように構成することができる。AC電圧源またはRF電圧源は、必ずしもそうではないが、正弦波形を出力することができ、一部の一実施形態によれば、非正弦RF波形、例えば、方形波を提供できる。好ましくは、電極の少なくとも一部は、DCおよびAC電圧源の両方、またはRF電圧源に接続される。
DC電位の繰り返しパターンを、イオンガイドの長手方向に沿って重ねて印加することによって、例えば、周期波形を形成することができる。波形によって、イオンを一定速度での移動が必要な方向にイオンガイドに沿って進行させることができる。一部の実施形態では、ガスが存在し、そのガスの粘性抵抗によってイオン運動が弱められることがある。イオンは、それ故、進行波形と同じ速度で前方に流されることがあり、そして、それらの質量に関係なく実質的に同じ速度でイオンガイドから出ることがある。
イオンガイドは、好ましくは、複数のセグメントを含む。イオンガイドは、好ましくは軸方向に分割され、この分割により、独立した一時的なDC電位を、好ましくは、各セグメントに独立して印加することができる。好ましくは、DC進行波電位をACまたはRFに加えて重ねて印加し、セグメントに印加することができる任意の一定電圧または内在するDCオフセット電圧を径方向に閉じ込める。種々のセグメントに保持されるDC電位は、好ましくは、軸方向に移動するDC電位波を生成するように一時的に変化する。
時間内の任意の瞬間に、特定の方向にイオンを押すまたは引き込むようにセグメント間で変化するDC電圧勾配を生じさせることができる。DC電圧勾配がイオンガイドに沿って変化すると、イオンもそれに従い移動する。
各セグメントに印加されるDC電圧を個々にプログラムすることによって、必要とされる波形を形成することができる。各セグメントに印加される個々のDC電圧は、好ましくは、同期して変化するようにプログラムされる。これにより、波形を保持したままイオンを移動する必要がある方向にシフトする。
各セグメントに印加されるDC電圧は、連続的にまたは一連の段階において変化するようにプログラムできる。各セグメントに印加されるDC電圧のシーケンスは、一定間隔または漸次増大もしくは減少し得るように一定の間隔で繰り返すことができる。
イオンガイドまたはガイド装置の好ましい構成および/または特徴は、米国特許第6812453号に開示されており、その全体の内容は参照により本明細書に組み入れられる。当業者は、本開示に鑑みて利点を提供するであろう、本開示に開示されるイオンガイドの特徴の相乗的な組み合わせを容易に理解する。
好ましくは、イオンガイド装置は、第1の複数の電極を備える第1のイオンガイドおよび/または第2の複数の電極を備える第2のイオンガイドを含み、および/またはイオンガイド装置の長手方向に沿った一つ以上の地点、例えば、第1のイオンガイドの第1のイオン誘導路と第2のイオンガイドの第2のイオン誘導路との間の地点に、一つ以上の障壁、例えば、疑似ポテンシャル障壁を形成するように配置および構成された第1の装置、および/または第1のイオンガイドの第1のイオン誘導路からのイオンを、例えば、一つ以上の障壁または疑似ポテンシャル障壁を超えてイオンを誘導することによって、第2のイオンガイドの第2のイオン誘導路に移動するように配置および構成された第2の装置、を含む。
一部の実施形態では、第1および第2のイオンガイドの一つまたは両方の各電極は、使用時にイオンを通過させる少なくとも一つの開口を含み、および/またはイオン誘導路がイオンガイドに沿ってその内部に形成される。
イオンは、一つ以上の径方向または長手方向の障壁、例えば、第1のイオンガイドと第2のイオンガイドとの間に配置された疑似ポテンシャル障壁を超えて、径方向に、すなわち、速度の非ゼロ径方向成分を持つように移動することができる。第1および第2のイオンガイドの少なくとも一部分、および/または第1および第2のイオン誘導路の少なくとも一部分は、互いに実質的に平行である。イオンは、第1のイオンガイドから第2のイオンガイド、および/または第2のイオンガイドから第1のイオンガイドに一回以上移動することができる。イオンは、例えば、2つ以上のイオンガイドの間を行ったり来たり繰り返し移ることができる。
一部の実施形態では、第1の複数の電極は一つ以上の第1のロッドセットを含み、例えば、第1のイオン誘導路は、第1のイオンガイドに沿って、すなわちその内部に形成される。また、第2の複数の電極は一つ以上の第2のロッドセットを含むことができ、例えば、第2の異なるイオン誘導路は、第2のイオン誘導路に沿って、すなわちその内部に形成される。一部の実施形態では、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、一つ以上の軸方向に分割されたロッドセットイオンガイドを含む。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、一つ以上の分割された四重極、六重極もしくは八重極イオンガイド、または、4つ以上に分割されたロッドセットを含むことができる。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、(i)ほぼまたは実質的に円形の断面(ii)ほぼまたは実質的に双曲線の表面(iii)弓状または部分的に円形の断面(iv)ほぼまたは実質的に長方形の断面、および(v)ほぼまたは実質的に正方形の断面、の群から選択される断面を有する複数の電極を含むことができる。
第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、一つ以上の第1のロッドセットおよび/または一つ以上の第2のロッドセットの周囲に配列された複数の環状電極を好ましくは含むまたはさらに含む。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、例えば、4〜30個またはそれ以上の数のロッド電極を含むことができる。隣接または近接するロッド電極は、逆位相のAC電圧またはRF電圧に保持されることができる。
一部の一実施形態によれば、第1の複数の電極は、使用時にイオンが移動する平面内に配置される。例えば、第1のイオン誘導路は、第1のイオンガイドに沿って、すなわちその内部に形成される。第2の複数の電極は、使用時にイオンが移動する平面内に配置することができる。例えば、第2の異なるイオン誘導路は、第2のイオン誘導路に沿って、すなわちその内部に形成される。
一部の実施形態では、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、平板電極、メッシュ電極、または曲面電極の積層スタックまたはアレイを含み、平板電極、メッシュ電極、または曲面電極の積層スタックまたはアレイは、2つ以上、例えば、複数の平坦電極、平板電極、メッシュまたは曲面電極を含むことができる。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、2つ以上、例えば、複数の軸方向セグメントを含むように軸方向に分割することができる。例えば、軸方向セグメントにおける第1の複数の電極の少なくとも一部、および/または軸方向セグメントにおける第2の複数の電極の少なくとも一部は、使用時に同じDC電圧に保持される。
第1の装置は、第1のイオン誘導路と第2のイオン誘導路との間のイオンガイド装置の長手方向に沿った一つ以上の地点に、一つ以上の径方向、長手方向または非軸方向の疑似ポテンシャル障壁を形成するように配置および構成することができる。第2の装置は、径方向に、速度の非ゼロ径方向成分と速度の軸方向成分とを持つイオンを第1のイオン誘導路から第2のイオン誘導路に移動するように配置および構成することができる。例えば、速度の径方向成分に対する速度の軸方向成分の速度の比が、0.1対10である。
一部の実施形態では、第1のイオンガイドと第2のイオンガイドとは、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、互いに接合、結合、重複または開通している。イオンは、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部にわたって、第1のイオンガイドまたは第1のイオン誘導路と、第2のイオンガイドまたは第2のイオン誘導路との間を径方向に移動することができる。一つ以上の径方向または長手方向の疑似ポテンシャル障壁は、使用時に第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部に沿って、第1のイオンガイドまたは第1のイオン誘導路と、第2のイオンガイドまたは第2のイオン誘導路とを分離するように形成することができる。第1の疑似ポテンシャル谷または場は、第1のイオンガイド内部に形成することができ、第2の疑似ポテンシャル谷または場は、第第2のイオンガイド内部に形成することができる。例えば、疑似ポテンシャル障壁は、第1の疑似ポテンシャル谷と第2の疑似ポテンシャル谷とを分離する。イオンは、第1の疑似ポテンシャル谷または第2の疑似ポテンシャル谷のいずれかによって、イオンガイド装置内で径方向に閉じ込めることができる。少なくとも一部のイオンは、疑似ポテンシャル障壁を超えるように誘導するか、移動することができる。第1のイオンガイドと第2のイオンガイドとの重複または開通の程度は、一定でもよいし、第1および第2のイオンガイドの長手方向に沿って変動、増大、減少してもよいし、段階的もしくは直線的に増大または段階的もしくは直線的に減少してもよい。
一部の実施形態では、第1の複数の電極の一つ以上は、動作モードでは第1の電位または電圧に保持され、および/または第2の複数の電極の一つ以上は、動作モードでは第1の電位または電圧とは異なり得る第2の電位または電圧に保持される。動作モードでは、第1の複数の電極の一つ以上と第2の複数の電極の一つ以上との間の電位差を保持することができる。第1の複数の電極、または第1の複数の電極の少なくとも一部を、使用時に実質的に同じ第1のDC電圧に保持することができ、第2の複数の電極、または第2の複数の電極の少なくとも一部を、使用時に実質的に同じ第2のDC電圧に保持することができ、および/または第1の複数の電極および/または第2の複数の電極の少なくとも一部を、実質的に同じDCまたはDCバイアス電圧に保持してもよいし、実質的に異なるDCまたはDCバイアス電圧に保持してもよい。
第1のイオンガイドは、第1の中心長手方向軸を含むことができ、第2のイオンガイドは、好ましくは、第2の中心長手方向軸を含むことができる。例えば、第1の中心長手方向軸は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸と実質的に平行であり、第1の中心長手方向軸は、記第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸と同一線上または同軸上になく、および/または第1の中心長手方向軸は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸と一定の距離だけ間隔をあけた位置、または等距離を保って配置されてもよい。第1の中心長手方向軸は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸のミラーイメージでもよいし、および/または第1の中心長手方向軸は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸と平行および/または並んで実質的に追跡、追従、ミラー配置または伸長することができる。第1の中心長手方向軸は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部において、第2の中心長手方向軸に向かって収束してもよいし、第2の軸から離れて発散してもよく、および/または第1の中心長手方向軸および第2の中心長手方向軸は、X形状またはY形状のカップラーまたはスプリッターイオン誘導路を形成することができる。第1のイオンガイドと第2のイオンガイドとの間に一つ以上のクロスオーバー領域、セクションまたは接合部を配置することができる。例えば、第1のイオンガイドから第2のイオンガイド内に少なくとも一部のイオンを移動するか、移動するように誘導し、および/または第2のイオンガイドから第1のイオンガイド内に少なくとも一部のイオンを移動することができる。
イオンガイド装置は、第1の複数の電極および/または第2の複数の電極の少なくとも一部に第1のAC電圧またはRF電圧を印加する第1のAC電圧源またはRF電圧源をさらに含むことができる。第1のAC電圧またはRF電圧の振幅は、50Vより小さいピークピーク値、1000Vより大きいピークピーク値、または例えば、それらの間が任意の50V間隔である任意の振幅でもよい。第1のAC電圧またはRF電圧の周波数は、100kHzより小さな値、10.0MHzより大きな値、または例えば、それらの間が100kHz、500kHz、またはおおよその任意の間隔である任意の周波数でもよい。
第1のAC電圧源またはRF電圧源は、第1の複数の電極のうち隣接または近接する電極に、逆位相の第1のAC電圧またはRF電圧を供給するように構成され得る、および/または第1のAC電圧源またはRF電圧源は、第2の複数の電極のうち隣接または近接する電極に、逆位相の第1のAC電圧またはRF電圧を供給するように構成され得る、および/または第1のAC電圧またはRF電圧が、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内で径方向にイオンを閉じ込めるように作用する一つ以上の径方向の疑似ポテンシャル井戸を生成できる。
一実施形態によれば、イオンガイド装置は、第1のAC電圧またはRF電圧の振幅を、漸次増大、漸次減少、漸次変動、スキャン、直線的に増大、直線的に減少、漸進的、段階的、もしくは他の方法で増大、または漸進的、段階的、もしくは他の方法で減少するように配置および構成された第3の装置をさらに含む。
イオンガイド装置は、例えば、第1の複数の電極および/または第2の複数の電極の少なくとも一部に第2のAC電圧またはRF電圧を印加する第2のAC電圧源またはRF電圧源をさらに含むことができる。第1のAC電圧またはRF電圧の振幅は、50Vより小さいピークピーク値、1000Vより大きいピークピーク値、または例えば、それらの間が任意の50V間隔である任意の振幅でもよい。第2のAC電圧またはRF電圧の周波数は、100kHzより小さな値、10.0MHzより大きな値、または例えば、それらの間が100kHz、500kHz、またはおおよその任意の間隔である任意の周波数でもよい。
第2のAC電圧源またはRF電圧源は、第1の複数の電極のうち隣接または近接する電極に、逆位相の第2のAC電圧またはRF電圧を供給するように構成され得る、および/または第2のAC電圧源またはRF電圧源は、第2の複数の電極のうち隣接または近接する電極に、逆位相の第2のAC電圧またはRF電圧を供給するように構成され得る、および/または第2のAC電圧またはRF電圧が、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内で径方向にイオンを閉じ込めるように作用する一つ以上の径方向の疑似ポテンシャル井戸を生成できる。
イオンガイド装置は、第2のAC電圧またはRF電圧の振幅を、漸次増大、漸次減少、漸次変動、スキャン、直線的に増大、直線的に減少、漸進的、段階的、もしくは他の方法で増大、または漸進的、段階的、もしくは他の方法で減少するように配置および構成された第4の装置をさらに含む。
使用時に、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一つ以上のセクションまたは部分にわたってまたはそれに沿って、軸方向および/または径方向の非ゼロDC電圧勾配を保持することができる。一実施形態によれば、イオンガイド装置は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部またはイオン誘導路に沿った上流および/または下流、またはその周囲に、イオンを運ぶまたは誘導するための装置をさらに含む。装置は、第1の複数の電極および/または第2の複数の電極の少なくとも一部に、もう一つの一時的なDC電圧もしくは電位またはDC電圧もしくは電位波形を印加することによって、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの軸長の少なくとも一部に沿って、少なくとも一部のイオンを下流および/または上流に押し進める装置を含むことができる。装置は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドを形成する電極に2つ以上の位相シフトしたAC電圧またはRF電圧を印加することによって、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの軸長の少なくとも一部に沿って、少なくとも一部のイオンを下流および/または上流に押し進めるように配置および構成された装置を含むことができる。装置は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドを形成する電極に一つ以上のDC電圧を印加することによって、軸方向および/または径方向のDC電圧勾配を作り出すか、形成するように配置および構成された装置を含むことができる。この電圧勾配は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの軸長の少なくとも一部に沿って、少なくとも一部のイオンを下流および/または上流に誘導するまたは運ぶ効果を有する。
イオンガイド装置は、一つ以上の一時的なDC電圧もしくは電位またはDC電圧もしくは電位波形の振幅、高さまたは深さを、漸次増大、漸次減少、漸次変動、スキャン、直線的に増大、直線的に減少、漸進的、段階的、もしくは他の方法で増大、または漸進的、段階的、もしくは他の方法で減少するように配置および構成された第5の装置をさらに含むことができる。
イオンガイド装置は、好ましくは、一つ以上の一時的なDC電圧もしくは電位またはDC電圧もしくは電位波形を電極に印加する速度または率を、漸次増大、漸次減少、漸次変動、スキャン、直線的に増大、直線的に減少、漸進的、段階的、もしくは他の方法で増大、または漸進的、段階的、もしくは他の方法で減少するように配置および構成された第6の装置をさらに含む。
一実施形態によれば、イオンガイド装置は、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの長手方向の少なくとも一部またはイオン誘導路に沿って、一定の非ゼロDC電圧勾配を保持するように配置された手段をさらに含む。
第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、任意の特定の期間に、イオンの少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個または20個の別々のパケットを、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内に閉じ込め、および/または分離するように、イオンビームまたはイオングループを受け取り、イオンビームまたはイオングループを変換または分割するように配置および構成されてもよい。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内に形成される別々の軸方向ポテンシャル井戸に各イオンパケットが閉じ込められ、および/または分離される構成でもよい。
一実施形態によれば(a)第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一つ以上の部分が、イオン移動度分析計または分離器部分、セクションまたは段を含むことができる。イオン移動度分析計または分離器部分、セクションまたは段におけるイオンの移動度に従ってイオンを時間的に分離する(b)第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一つ以上の部分が、FAIMS部分、セクションまたは段を含むことができる。FAIMS部分、セクションまたは段における電界強度に対するイオンの移動度の変化率に従ってイオンを時間的に分離する(c)使用時に、緩衝ガスを第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一つ以上のセクション内に供給する(d)動作モード下で、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一部または領域内における気体分子との相互作用によって、断片化されることなく、衝突で冷却されるようにイオンを配置する(e)動作モード下で、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一部または領域内における気体分子との相互作用によって加熱されるようにイオンを配置する(f)動作モード下で、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一部または領域内における気体分子との相互作用によって断片化されるようにイオンを配置する(g)動作モード下で、第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内における気体分子との相互作用によって開裂するまたは少なくとも部分的に開裂するようにイオンを配置する、および/または(h)第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドの一部または領域内で軸方向にイオンを捕獲する。
第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、衝突装置、フラグメンテーション装置または反応装置をさらに含むことができる。動作モード下で、(i)衝突誘起解離(「CID」)(ii)表面誘起解離(「SID」)(iii)電子移動解離(「ETD」)(iv)電子捕獲解離(「ECD」)(v)電子衝突または電子衝撃解離(vi)光誘起解離(「PID」)(vii)レーザー誘起解離(viii)赤外線誘起解離(ix)紫外線誘起解離(x)熱解離または温度解離(xi)電場誘起解離(xii)磁場誘起解離(xiii)酵素消化または酵素分解解離(xiv)イオン−イオン反応解離(xv)イオン−分子反応解離(xvi)イオン−原子反応解離(xvii)イオン−準安定イオン反応解離(xviii)イオン−準安定分子反応解離(xix)イオン−準安定原子反応解離、および(xx)電子イオン化解離(「EID」)、の実行によって第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイド内で断片化されるようにイオンを配置する。
本発明の別の態様によれば、コンピュータにより実行可能な命令を記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。第1の複数の電極を含む第1のイオンガイドおよび第2の複数の電極を含む第2のイオンガイドを含むイオンガイド装置を含む質量分析計の制御システムによって命令が実行可能なように構成される。制御システムは(i)第1のイオン誘導路と第2のイオン誘導路との間のイオンガイド装置の長手方向に沿った一つ以上の地点に、一つ以上の疑似ポテンシャル障壁を形成することと、(ii)一つ以上の疑似ポテンシャル障壁を超えるようにイオンを誘導することによって、第1のイオン誘導路から第2のイオン誘導路にイオンを移動させることとを実行する。コンピュータ読み取り可能な媒体は、好ましくは、(i)ROM(ii)EAROM(iii)EPROM(iv)EEPROM(v)フラッシュメモリ、および(vi)光ディスクの群から選択される。
本発明の別の選択的な特徴として、イオンガイド装置は、並列に結合された2つ以上のイオンガイドを含むことができる。並列に結合された2つ以上のイオンガイドは、第1のイオンガイドおよび第2のイオンガイドを含むことができる。第1のイオンガイドおよび/または第2のイオンガイドは、(i)使用時にイオンを通過させる少なくとも一つの開口を有する複数の電極を含むイオントンネルイオンガイド(ii)複数のロッド電極を含むロッドセットイオンガイド、および/または(iii)使用時に通常イオンが移動する平面内に配置される複数の平板電極を含む積層平板イオンガイド、の群から選択される。
実施形態は、イオンガイド装置がハイブリッドな構成を含み、例えば、一方のイオンガイドがイオントンネルを含み、他方のイオンガイドがロッドセットイオンガイドまたは積層平板イオンガイドを含むことができることを考慮している。
イオンガイド装置の好ましい構成および/または特徴は、国際公開第2009/037483号に記述されており、その全体の内容は参照により本明細書に組み入れられる。当業者は、本開示を考慮して利点を提供するであろう、本開示に開示されるイオンガイドの特徴の相乗的な組み合わせを容易に理解する。
一実施形態によれば、質量分析計は、
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源(viii)電子衝撃(「EI」)イオン源(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源(x)電界イオン化(「FI」)イオン源(xi)電界脱離(「FD」)イオン源(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源(xvi)ニッケル63放射性イオン源(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化イオン源(xviii)サーモスプレーイオン源(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源、および(xx)グロー放電(「GD」)イオン源、の群から選択されるイオン源、
(b)一つ以上の連続イオン源またはパルスイオン源、
(c)一つ以上のイオンガイド、
(d)一つ以上のイオン移動度分離装置および/または一つ以上の電界非対称性イオン移動度分光装置、
(e)一つ以上のイオントラップ、または一つ以上のイオン捕獲領域、
(f)(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーション装置(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーション装置(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーション装置(iv)電子捕獲解離(「ECD」)フラグメンテーション装置(v)電子衝突または電子衝撃解離フラグメンテーション装置(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーション装置(vii)レーザー誘起解離フラグメンテーション装置(viii)赤外線誘起解離装置(ix)紫外線誘起解離装置(x)ノズル・スキマー・インターフェース・フラグメンテーション装置(xi)インソースフラグメンテーション装置(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーション装置(xiii)熱源または温度源フラグメンテーション装置(xiv)電場誘起フラグメンテーション装置(xv)磁場誘起フラグメンテーション装置(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーション装置(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション装置(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション装置(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション装置(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション装置(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション装置(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション装置(xxiii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−イオン反応装置(xxiv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−分子反応装置(xxv)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−原子反応装置(xxvi)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定イオン反応装置(xxvii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定分子反応装置(xxviii)イオンの反応により付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定原子反応装置、および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーション装置、の群から選択される一つ以上の衝突セル、フラグメンテーションセルまたは反応セル、
(g)(i)四重極質量分析器(ii)2次元またはリニア四重極質量分析器(iii)ポール型または3次元四重極質量分析器(iv)ペニングトラップ型質量分析器(v)イオントラップ型質量分析器(vi)磁場型質量分析器(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析器(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析器(ix)静電またはオービトラップ型質量分析器(x)フーリエ変換静電またはオービトラップ型質量分析器(xi)フーリエ変換質量分析器(xii)飛行時間型質量分析器(xiii)直交加速飛行時間型質量分析器、および(xiv)線形加速飛行時間型質量分析器、の群から選択される質量分析器、
(h)一つ以上のエネルギー分析器または静電エネルギー分析器、
(i)一つ以上のイオン検出器、
(j)(i)四重極マスフィルター(ii)2次元またはリニア四重極イオントラップ(iii)ポール型または3次元四重極イオントラップ(iv)ペニング型イオントラップ(v)イオントラップ(vi)磁場型マスフィルター(vii)飛行時間型マスフィルター、および(viii)ウィーンフィルタ、の群から選択される一つ以上のマスフィルター、
(k)イオンをパルス状にする装置またはイオンゲート、および/または
(l)ほぼ連続的なイオンビームをパルス状のイオンビームに変換する装置、をさらに含むことができる。
質量分析計は、以下のいずれかをさらに含むことができる。
(i)C型トラップならびに外側樽状電極および同心の内側紡錘状電極を含むオービトラップ(RTM)質量分析器。第1の動作モード下で、イオンはC型トラップに移動し、その後、オービトラップ(RTM)質量分析器内に注入される。第2の動作モード下で、イオンはC型トラップに移動し、その後、衝突セルまたは電子移動解離デバイスに移動し、少なくとも一部のイオンはフラグメントイオンに断片化され、その後、C型トラップに移動し、続いて、オービトラップ(RTM)質量分析器内に注入される。
(ii)使用時にそれぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む積層リングイオンガイド。電極同士の間隔がイオン経路の長手方向に沿って増大する。イオンガイドの上流部分における電極の開口は第1の直径を有し、イオンガイドの下流部分における電極の開口は、第1の直径よりも短い第2の直径を有する。使用時に逆位相のAC電圧またはRF電圧が連続した電極に印加される。
本発明の種々の実施形態を、以下の添付図面を参照する単なる例えばここに記述する。
レーザービームによって照射されるMALDIサンプルの公知の配置を示す図である。 3段イオンガイドの構成を示す図である。 レーザーパルスがレンズを通ってターゲットサンプルプレートに導かれる実施形態を示す図である。 サンプルプレートとRFイオンガイドとの間に開口を含む例を示す図である。 代替的な実施形態を示す略図である。 さらなる実施形態を示す図である。 レーザー光軸から離れる方にイオンを引き込むように、六重極RFイオンガイドが斜めに取り付けられた実施形態を示す図である。 3部分に分かれた六重極イオンガイドを用いた実施形態を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、分割された六重極の例を示す図である。 本発明の一実施形態に係る、剪断されたRFイオンファネルの断面を示す図である。 図10に示すような剪断されたイオンファネル内の電極を示す平面図である。 直径が段階的に構成された剪断されたRFイオンファネルの断面を示す図である。 対称性を有するRFイオンファネルの断面を示す図である。 サンプルターゲットプレートと平行に延びる積層平板形状を示す図である。 サンプルターゲットプレートと平行に延びる六重極イオンガイドを示す図である。 サンプルターゲットプレートと平行に延びる六重極イオンガイドを示す図である。
最初に公知の配置を記述する。図1に、レーザービーム101によって照射されるMALDIサンプルを示す。レーザービーム101の入射角に応じて、材料102から生じるプルームの有力な放出方向が決定される。
サンプルプレートに隣接するRFイオンガイド105を示す。示すように、イオンガイド105は、加速方向104および閉じ込め軸105を有して配置される。示すRFイオンガイド105は、標準的なMALDI質量分析計と同様にサンプル103に隣接して位置付けられる。
レーザービーム101の照射の結果形成されるプルーム102およびその中の検体イオンは、入射レーザービーム101に向かう方向に拡散する傾向がある。これは、MALDIサンプルおよび結晶性マトリックスの不均一な表面トポグラフィーに起因する。例えば、P.AksouhらのRapid Commun.Mass Spectrometry,9(1995)515を参照されたい。
MALDIプルーム102内に形成されたイオンは、分析器内に移動させる必要がある。この移動のために、サンプルターゲットの極めて近くに電極を位置付ける必要がある。しかしながら、高真空MALDI機器では、サンプルプレート104と直角のイオン加速を可能にするために、静電レンズもイオン光軸に沿って配置することが要求されるが、この配置によって、レーザー光を同じ経路に沿って位置付ける能力が妨げられる。結果として、従来のMALDI質量分析計のレーザー入射は、サンプルプレートに対して垂直の非ゼロ入射角となる。
中間圧力のMALDIでは、六重極105イオンガイドを用いてイオンを移動させることができる。RF装置では、直角照射のために特別に設計されたレーザー光を位置付ける実現性が妨げられる。さらに、RFレンズでは、MALDIサンプルプレートの近くにレンズの最終的な焦点を合わせる実現性が制限される。同様の制約は大気圧MALDI機器類にもあてはまる。
図2に、3段イオンガイドを含む本発明の実施形態を示す。この図には、ターゲットプレート201、初期の開口が大きなリングスタック202、開口が短いリングスタック204および開口が短いイオンガイド205をと接合する開口が大きなリングスタック203を示す。接合した要素にRF電圧およびDC電圧を印加する。接合した要素内部において大きな開口から短い開口にイオン雲が流れる方向も指し示す。
図3に、レーザーパルス302がレンズ308を通ってターゲットサンプルプレート305に導かれる好ましい実施形態を示す。ここでは、ダイクロイックミラー303を用いて、その後レーザー光軸から離れる方に導かれるイオンビーム309を生成する。サンプルプレート305が、カメラ307によってレーザーミラーを通して写される。
好ましくは、ミラー303の組み合わせを用いてレーザーヘッド(図示せず)からサンプルターゲットプレート305にレーザーパルス302を導くMALDI MSのための質量分析計が提供される。光学レンズ308が、レーザー放射の焦点をレーザーターゲットプレート305に合わせる。RFガイド310が、MALDIプルーム内に生成されたイオンを収集および誘導するように配置される。RFガイド310は、好ましくは、入射レーザーパルス302の光軸から離れる方に経路301に沿ってイオンを導くように構成される。レーザービームは、好ましくは、ターゲットサンプルプレート305の表面と直角に導かれる。
RFガイドは、好ましくは、3つの分離領域を含む。第1の領域は、環状電極311の第1の開口が大きなスタック。これは、各一連のリングに印加されたRF電圧がそのすぐ隣に隣接するものと逆位相になるように配置されている。第2の領域は、RFガイドに接合した大きいかつ短い開口を含む第2の領域304。これは、各一連のリングに印加されたRF電圧がそのすぐ隣に隣接するものと逆位相になるように両方のイオンガイドが配置されており、2つのイオンガイド領域を分離する径方向の疑似ポテンシャル障壁を超えてイオンを運ぶように、2つのイオンガイドの間にDC電位が印加される。第3の領域312は、好ましくは、各一連のリングに印加されたRF電圧がそのすぐ隣に隣接するものと逆位相になるように配置された開口が短いRFガイドを用いて構成される。
DCオフセット電圧が、好ましくは、2つの結合型イオンガイドの間に保持される。イオンガイドは、好ましくは、入射レーザービームの光軸から離れる方にイオンビームを導く。
DC電位差またはDCパルス方形波が、好ましくは、イオンガイドの長手方向に沿って連続的に印加され、イオンガイドに沿ってイオンを伝播するメカニズムを提供する。
特に好ましい一実施形態によれば、パルスDC方形波または他のDC電圧は、個々の座標においてレーザーの一つ以上のパルスから形成されたイオンを収集して閉じ込め、そのイオンと次のパケットのイオンとの分離を維持する一つの単一パケットとしてイオンを質量分析計に移動させるように構成することができる。
DC方形波は、好ましくは、レーザーの選択された一つ以上のパルスによって、イオンセットを、装置を通して機器の質量分析部内に押す。好ましい実施形態では、質量分析計内の各イオンパケットを、ターゲットプレートまたはサンプルにおける別々のスポットからのものとして識別することが可能である。
一実施形態によれば、2個のイオンパケットを同じスポットから生成することができる。各パケットは、ターゲット上の同じ座標において一つ以上のパルスから生成されたイオンを包含することができる。2個のパケットは両方共に、イオン閉じ込め手段を通って移動することができ、第1のイオンセットは、イオン閉じ込め装置に続いて衝突セルを一直線に通り抜けた。イオンは、パケット内においてイオンフラグメンテーションがほとんどまたは全く発生しない程度に十分に低いエネルギーによって衝突セルを通って進ませることができる。第2のイオンセットも、イオン閉じ込め装置を通り抜けて衝突セルに入ることができる。しかしながら、この場合には、全て、ほとんど、または相当な数のイオンが断片化して娘イオンを生じるようなより高いエネルギーによって初めてイオンは衝突セルを通り抜けることができる。これらのイオンパケットの両方は、次に、分析のために分析器を通り抜けて質量スペクトルを生成することができる。これによって、サンプルプレート上の同じ座標におけるイオンから、親イオンおよび娘イオンの質量スペクトルを得ることが可能になる。
イオン閉じ込め装置内に2個のパケットが形成されると、サンプルプレートは次の座標に移動することができる。この次の座標において再度レーザーをパルスして一対のイオンを形成することができる。これらのイオンを前回のイオンセットと同様に分離して前回の座標と同じように2個のパケットを形成することができる。
好ましい実施形態では、イオン閉じ込め手段はRFイオン閉じ込め装置を含む。
好ましい実施形態では、第1の座標から形成されたイオンと、第2の座標から形成されたイオンとは一時的なDC電圧によって分離される。
さほど好適ではない実施形態では、第1の座標から形成されたイオンと、第2の座標から形成されたイオンとは一つ以上の不変のDC電圧によって分離される。
さほど好適ではない実施形態では、第1の座標から形成されたイオンと、第2の座標から形成されたイオンとは一つ以上の断続的なDC電圧によって分離される。
さほど好適ではない実施形態では、イオンをパルスエネルギー源によって形成することができる。本発明の一つの実施形態では、第1の座標におけるエネルギーの2つ以上のパルスが、一つのパケット内で分離される。
本発明の別の実施形態では、第1の座標においてエネルギーの各パルスから生成されたイオンが、互いに分離される。
最も好ましい実施形態では、パルスエネルギー源は、窒素レーザー、Nd:YAGレーザー、COレーザー、Er:YAGレーザー、紫外線レーザー、および赤外線レーザーを含む群のレーザーである。
レーザーは、例えば、1〜10Hz、10〜100Hz、100〜1000Hz、1000〜10000Hz、10000〜100000Hzの範囲から選択されたパルス周波数を有することができる。
さほど好適ではない実施形態では、エネルギーは、サンプルプレートの背部におけるレーザーの放射、サンプルプレートにおける転がり軸受の放射、サンプルプレートにおける特定のスポットの加熱、またはサンプルプレートにおけるスポットの圧電励起によって提供することができる。
好ましくは、表面は、サンプルの脱離およびイオン化を促進するマトリックスも含むことができる。マトリックスは、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシケイ皮酸、α−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸、ピコリン酸、3−ヒドロキシピコリン酸を含む群から形成されてもよい。
一実施形態によれば、イオン閉じ込め装置は衝突ガスを包含することができる。衝突ガスを用いてレーザーパルスによって生成されたイオン冷却することができる。この冷却により、質量分析計の全体においてイオンをより容易に取り扱うことが可能になる。さほど好適ではない実施形態では、イオン閉じ込め装置内において任意の断片化を実行することができる。
一実施形態によれば、イオン閉じ込め装置内で分離したイオンパケットを熱源にさらすことによって、イオンの脱着を促進することができる。好ましい実施形態では、熱源は、イオン閉じ込め装置内の加熱された衝突ガスでもよい。さほど好適ではない実施形態では、熱源は放射熱源を含む。本発明のさらなる実施形態では、レーザーを提供してイオン閉じ込め装置内でのイオンの脱着を促進することができる。
好ましい実施形態では、エネルギー源を第1の経路にまたはそれに沿って提供することができ、イオン閉じ込め装置がその第1の経路の少なくとも一部を囲む。
先に記述した本発明の種々の実施形態ではサンプル表面と垂直のエネルギー源を示したが、エネルギー源をサンプル表面に対して斜めに傾けて位置させる他のさほど好適ではない実施形態も考慮される。
好ましい一実施形態によれば、エネルギー源は、好ましくは、各レーザーパルスからの最適イオン化をもたらすように垂直に配置される。さらに、垂直のエネルギー源によって、座標は最適精度においてエネルギー源からのエネルギーを受ける。それでもなお、本発明のさほど好適ではない実施形態では、エネルギー源がサンプルにエネルギーを提供できる限りは、サンプル表面に対して任意の角度でエネルギー源を傾けて配置することが考慮される。さほど好適ではない実施形態では、エネルギー源の経路とサンプル表面との角度は、70°〜90°、50°〜70°、30°〜50°および10°〜30°の範囲でもよい。
一つの実施形態では、FAIMS分離装置をイオン閉じ込め装置の下流に提供することができる。
一つの実施形態では、IMS分離装置をイオン閉じ込め装置の下流に提供することができる。
一つの実施形態では、マスフィルターをイオン閉じ込め装置の下流に提供することができる。一つの好ましい実施形態では、これは四重極ロッドセットでもよい。
好ましい実施形態では、イオンフラグメンテーションは、イオン閉じ込め装置の下流における衝突セルにおいて実行できる。
好ましい実施形態では、一つの座標からイオンを収集した時点で、異なる座標へのエネルギーの提供が可能になるように、エネルギー源に対して表面を移動することができる。
好ましくは、各座標におけるイオンパケットから生成されたスペクトルを、イオンが生成されたサンプル表面上の座標と相関させることができる。
図4に、図3のサンプルプレートとRFイオンガイドとの間に開口401が提供された実施形態を示す。この開口に伴う差動排気によって2つの異なる圧力域を形成することが可能になる。
図5に、RFロッドセット501、502を用いてレーザー光軸周囲のイオンを誘導するのに必要な疑似ポテンシャル井戸を生成する、さほど好適ではない実施形態の略図を示す。結合型イオンガイドロッドセットに印加されたRF電圧およびDC電圧も指し示す。この実施形態では、連続的または断続的なDC電界をイオンガイドに沿って印加することによって、装置を通るようにイオンを押すことができる。イオンガイド502の後にイオン分離装置を配置して、パケットにおいて連続したパケット同士の結合を避ける要求に応じて、各パルスまたはパルス群からのイオンを収集することができる。
図6に、2個のロッドセット構成を示す。第1の構成601は連続的なロッドを用いて結合型イオンガイドを形成する。一方、第2の構成602は、より短いユニットに分割されたロッドセットを示す。この構成では、DC電圧または移動パルスを各段に印加することができる。分割されたロッドセット構成は、図3を参照して先に記述した実施形態と同じ方法でイオンパケットを分離するように構成することができる。ロッドが連続的である場合には、図5を参照して先に記述した手法を用いることができる。
図7に、レーザー光軸から離れる方にイオンを引き込むように、六重極RFガイド701が斜めに取り付けられた構成を示す。一つの実施形態では、六重極は、それに沿って保持される連続的または断続的なDC電圧または電圧勾配を有し、装置を通るようにイオンを進ませることができる。六重極701の後にイオントンネルを提供してイオンを収集することができる。一つの実施形態では、イオントンネル内でイオンを受け取り、別々のパケットに維持することができる。イオンの別々のパケットは、好ましくは、イオントンネルの電極に印加された一時的なまたは断続的なDC電圧によって好ましくは分離される。
図8に、3部分における六重極イオンガイドを含む実施形態を示す。最初のロッドセット801は、サンプルターゲットプレートと直角に位置し、入射レーザー経路と同軸上に位置する。六重極802の主要部分は、好ましくは、斜めに取り付けられる。第3の部分803は、好ましくは、第1のイオンガイド801と平行に取り付けられる。この実施形態では、イオンガイドを、図7を参照して先に記述した実施形態と同様に配置することができる。
図9に、六重極の主要部分を、DC電圧または移動パルスを各段に印加することができるようにより短いユニットに分割した部分901の例を示す。この構成により、装置内の要素に一時的なDC電圧を印加することが可能になり、イオンガイド内部での分離が可能になる。
図10に、中心穴を持つ剪断されたRFイオンファネル1001の断面を示す。この穴によって、イオン電流を光軸から離れる方に引き込みつつ、レーザー放射をサンプルターゲット表面に直角に導くことが可能になる。一時的な、断続的なまたは連続的なDC電界をイオンファネルに沿って印加することによって、図3を参照して先に記述したのと同じ方法でイオンガイドを通るようにイオンを進ませることができる。
図11に、例えば、図10に示す剪断されたイオンファネル内の電極の平面図を示す。この図は、円形形状の開口1101またはスロット形状の開口1102を用いた(A〜Hの印を付けた)異なる断面を示す。
図12に、直径が段階的に構成された中心穴を持つ剪断されたRFイオンファネル1201の断面を示す。この穴によって、イオン電流を光軸から離れる方に引き込みつつ、レーザー放射をサンプルターゲット表面に直角に導くことが可能になる。
図13に、軸外の穴を持つ対称性を有するRFイオンファネル1301の断面を示す。この穴によって、イオン電流を光軸から離れる方に引き込みつつ、レーザー放射をサンプルターゲット表面に直角に導くことが可能になる。
図14に、サンプルターゲットプレートと平行に延びる積層平板形状を示す。好ましくは、RF電圧に重ねて印加されたDCまたは移動するDCパルスとともに、極性が反対のRF電圧を一連のプレート1401に印加する。
好ましくは、閉じ込めプレート1402および1403にDC電圧を印加する。一時的な、断続的なまたは連続的なDC電界をイオンガイドに沿って印加することによって、図3を参照して先に記述した実施形態と同じ方法でイオンガイドを通るようにイオンを進ませることができる。
図15に、サンプルターゲットプレートと平行に延びる六重極イオンガイド1501を示す。より低い2本のロッドの部分によって、DC電圧を有する引き出し電極1502が、サンプルからのイオンをRF閉じ込めに引き込むことが可能になる。この実施形態では、連続的または断続的なDC電界をイオンガイドに沿って印加することによって、装置を通るようにイオンを押すことができる。好ましくは、イオンガイドの後にイオン分離装置を提供して、パケットにおいて連続したパケット同士の結合を避ける要求に応じて、各パルスまたはパルス群からのイオンを収集することができる。
図16に、サンプルターゲットプレートと平行に延びる六重極イオンガイドを示す。より低い2本のロッドガイドの部分の存在によって、4本のロッドがターゲットサンプル表面の方により低く位置して4本のL状のロッド1601を形成し、中心ロッドからの2つの延長部がL状のロッドの間を降下してT状のロッド1602を形成することが可能になる。この実施形態では、連続的または断続的なDC電界をイオンガイドに沿って印加することによって、装置を通るようにイオンを押すことができる。イオンガイドの後にイオン分離装置を配置して、パケットにおいて連続したパケット同士の結合を避ける要求に応じて、各パルスまたはパルス群からのイオンを収集することができる。
レーザー光源は、355nmの波長において500ピコ秒〜10ナノ秒の期間パルスレーザー光を生成する固体状態のNd:YAGを含むことができる。代替的な固体レーザー光源は、例えば、Nd:YLFもしくはNd:YVO4レーザーを用いることができ、またはガスレーザー、例えば、窒素レーザーも、266〜360nmの範囲の紫外線波長、または1〜4μmの範囲の赤外線波長を生成するのに用いることができる。
レーザーパルスそれ自体は、最終的に光線を集める要素の前に配置される多くのビームステアリングミラーからの反射によってか、50〜300μm、好ましくは、150μmのコア径を持つ光学繊維を連結することによって伝達させることができる。ビーム変換光学素子(回折光学素子もしくは屈折光学素子、および/または微小機械を調整可能な光学素子)をビーム経路内に備えることにより、伝播するレーザービームの空間強度プロフィールを変換することができる。
閉じ込めRFの容積内の不活性ガスが、好ましくは、ガイド内に閉じ込められたイオンの径方向の運動エネルギーを低減し、衝突による冷却効果によってイオンの内部エネルギーを低減する働きをする。ガスの流れる方向とイオンの流れる軌道とが反対方向であるため、イオンが流れる軌道に生成されるまたはそれに沿う中性種のレーザー光のスクリーニングを促進し、ガイドに沿うイオンの移動を促進することができる。
本発明の範囲から逸することなく、上に論述した特定の実施形態に種々の変形を為し得ることが当業者に明らかである。レーザー光軸から離れる方向へのイオンビームの偏向は、RF閉じ込めイオンガイドの形状の多くの変形により助長されることがある。
好ましい実施形態では、存在するDC電圧を結合型イオンガイドの一つ、二つまたは三つのセクションに沿ってRF電圧に重ねて印加したが、より好ましくは、ガイドに沿って伝播する進行波パルスを用いて、イオンガイドに沿うイオンの移動を促進することができる。
別の好ましい実施形態では、一対のRFガイドロッド(図5)の代わりに接合したリングスタックを用いることができる。言い換えると、これらは電気的に絶縁した分割部(図6)から構成することができ、イオンガイドに沿って伝播するDC電圧または進行波パルスをRF電圧に重ねて印加することが可能になる。
さらなる実施形態では、RFガイドを斜めに剪断してターゲットサンプルプレートと直角の軸から逸れた方向におけるイオンビームを閉じ込めることができる(図7)。これらは、入射レーザービームと平行に取り付けられた2つのセクション間に備えさせることができる(図8)。また、これは、入射レーザービームに対して鋭角または直角に方向付けることができる。
角度付けたイオンガイドを電気的に絶縁した分割部に構成することによって(図9)、ガイドに沿って伝播するDC電圧または進行波パルスをRF電圧に重ねて印加することが可能になる。
別の実施形態では、サンプルターゲットプレートに入射レーザーパルスを直角に通過させるのに好適な中心穴を持つ剪断した円錐形イオンファネルを利用するであろう(図10)。ガイドに沿って伝播するDC電圧または進行波パルスによって、サンプルターゲットプレートからイオンガイドの出口にイオンを通過させる。イオンガイドは、円形形状、スロットまたは他の好適な形状に作ることができる(図11)。
剪断した円錐形ファネルを、群を成す電極ごとに構成することもできる(図12)。
中心軸から離れて位置付けられた穴を備えた円筒状の対称の円錐形イオンファネル(図13)を備えることによって、レーザーパルスがサンプルターゲットプレートに直角に入射して、中心軸から離れる方にイオンのプルームを生成することが可能になる。RFによって生成された疑似ポテンシャル井戸が、イオンの初期形成地点から離れるイオンファネルの中心軸に向かう方にイオンを引き込む。
さらなる一実施形態によれば、平板電極の組をサンプルターゲットプレートと平行に一列にスタックし、2つの平行プレートの間に挟むことができる(図14)。好ましくは、閉じ込めRF電位を反転位相においてスタック内の各一連の一組のプレートの間に印加して一つの軸内に閉じ込め場を生成し、一方、スタックを挟む2つのプレート間にDC電位を印加してRF閉じ込めと直角にイオンを閉じ込める。挟みプレート内の開口によって、レーザーをサンプルターゲットプレートに直角に導くことが可能になる。生成されたイオンは、ガイド内に引き込まれ、イオンガイドの軸に沿って伝播される。
同様に、RF閉じ込めロッド形状、例えば、サンプルターゲットプレートと平行に位置付けられた六重極では、より下方の電極を折って、開口を持つ、DC電位を印加することができる電極を収容することができる(図15)。この構成により、直角に入射するレーザーパルスから生成されたイオンを、RFイオンガイドの閉じ込め容積内に引き込むことができる。ここでもまた、イオンガイドを電気的に絶縁した分割部に構成することによって、ガイドに沿って伝播するDC電圧または進行波パルスをRF電圧に重ねて印加してイオンガイドに沿ってイオンを運ぶことが可能になる。
これに対する変化では、折ったロッドの端部に、RFガイド軸と直角に延長ロッドを備えさせ、ターゲットサンプルプレートに向かうように降下させることによって、L状のロッドを形成することができる(図16)。ロッドに、サンプルターゲットプレートからのさらなるイオンガイドを形成するロッドを接続して、T状のロッドを形成する。この構成では、閉じ込めRFがサンプルターゲットプレートの方に延長し、イオンガイドの主軸にイオンを誘導する。
前述の特徴および/または添付図面に示す特徴の任意の数の組み合わせが、先行技術に勝る明確な利点を提供し、それ故、本明細書に記述する本発明の範囲内にあることを当業者は理解する。
301・・・経路、
302・・・入射レーザーパルス、
303・・・ダイクロイックミラー、
305・・・ターゲットサンプルプレート、
307・・・カメラ、
308・・・光学レンズ、
310・・・RFガイド。

Claims (70)

  1. パルスイオン源を提供すること、
    前記イオン源を一回以上作動させ第1のイオングループを生成すること、
    前記イオン源を一回以上作動させ第2の異なるイオングループを生成すること、
    前記第1および第2のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を介して前記第1のイオングループおよび前記第2のイオングループの両方を同時に伝達することとを含む質量分析方法。
  2. 前記第1のイオングループが一つ以上の第1のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第1のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第1のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合してもよい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2のイオングループが一つ以上の第2のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第2のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第2のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合してもよい、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記イオン源を一回以上作動させて第3のイオングループを生成し、前記第1、第2および第3のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分を通じて前記第1、第2および第3のイオングループを同時に伝達させることをさらに含む、請求項1、2または3に記載の方法。
  5. 前記第3のイオングループが一つ以上の第3のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第3のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第3のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合してもよい、請求項4に記載の方法。
  6. 前記イオン源を一回以上作動させて第4のイオングループを生成し、前記第1、第2、第3および第4のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分を通じて前記第1、第2、第3および第4のイオングループを同時に伝達させることをさらに含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記第4のイオングループが一つ以上の第4のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第4のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第4のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合してもよい、請求項6に記載の方法。
  8. 前記イオン源を一回以上作動させて第5のイオングループを生成し、前記第1、第2、第3、第4および第5のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分を通じて前記第1、第2、第3、第4および第5のイオングループを同時に伝達させることをさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記第5のイオングループが一つ以上の第5のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第5のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第5のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合してもよい、請求項8に記載の方法。
  10. それぞれが複数の電極を含む一つ以上のイオンガイドを提供することをさらに含み、前記一つ以上のイオンガイドが、
    (a)それぞれが使用時にイオンを伝達する少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオントンネルイオンガイド、
    (b)それぞれが使用時にイオンを伝達する少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオンファネルイオンガイドであって、前記イオンファネルイオンガイド内に形成されたイオンガイド領域の幅または直径が、前記イオンガイドの軸長に沿って増減する、イオンファネルイオンガイド、
    (c)(i)それぞれがイオンを伝達させる開口を有する複数の電極を含む第1のイオンガイド部であって、その内部に第1のイオン誘導路が形成されている第1のイオンガイド部、および(ii)それぞれがイオンを通過させる開口を有する複数の電極を含む第2のイオンガイド部であって、その内部に第2のイオン誘導路が形成されており、前記第1のイオン誘導路と前記第2のイオン誘導路との間に径方向の疑似ポテンシャル障壁が形成されている第2のイオンガイド部を含む結合型イオンガイド、
    (d)多極または分割された多極ロッドセット、
    (e)前記イオンガイドの長手方向軸と平行または直角に配置された複数の平坦電極を含む平坦イオンガイドから成るグループより選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記一つ以上のイオンガイド内で半径方向にイオンを閉じ込めることをさらに含む、請求項10記載の方法。
  12. 前記一つ以上のイオンガイド内で半径方向および/または軸方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャルを形成するために、前記複数の電極の少なくとも一部にACまたはRF電圧を印加することさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記第1および第2のイオングループの両方ならびに/あるいは前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを同時に伝達させるステップが、前記一つ以上のイオンガイド内で前記第1および第2のイオングループおよび/または第3および/または第4および/または第5のイオングループを伝達させることを含む、請求項10、11または12に記載の方法。
  14. 前記第1および第2のイオングループの両方、ならびに/あるいは前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを同時に伝達させるステップが、前記一つ以上のイオンガイドの長さに沿って複数のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸を移動させることを含む、請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記第1および第2のイオングループおよび/または第3および/または第4および/または第5のイオングループを互いに分離された状態に保つために、一つ以上の過渡的、断続的または恒久的DC電圧を前記電極に印加することさらに含む、請求項10〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記第1のイオングループを一つ以上の第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込めること、および/または前記第2のイオングループを一つ以上の異なる第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込めること、および/または前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを一つ以上の異なる第3および/または第4および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込めることとをさらに含む、請求項1〜15いずれかに記載の方法。
  17. 前記第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第1のイオングループは前記第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第2のイオングループに混合出来ず、および/または前記第3および/または第4および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第3および/または第4および/または第5のイオングループに混合出来ない、請求項16に記載の方法。
  18. 前記質量分析計の前記一部または部分が一つ以上のイオンガイドを含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記質量分析計の前記一部または部分が一つ以上のイオン移動度分析計または分離器を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記質量分析計の前記一部または部分が質量分析器の上流に配置される、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記第2のイオングループ内のいずれかのイオンをイオン光学部品に伝達させる前に、前記第1のイオングループ内の全ての前記イオンを前記イオン光学部品に伝達させる、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記第1のイオングループ内のいずれかのイオンをイオン光学部品に伝達させる前に、前記第2のイオングループ内の全ての前記イオンを前記イオン光学部品に伝達させる、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  23. 前記イオン光学部品が、(i)イオン移動度分析計または分離器、(ii)質量分析器、(iii)イオンガイド、(iv)イオン分裂または反応装置、(v)光解離または光活性化装置、および(vi)イオントラップから成るグループより選択される、請求項21または22に記載の方法。
  24. イオンイメージング方法を含む、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記第1のイオングループが基板またはサンプルの第1の領域のイオン化によって生じ、前記第2のイオングループが基板またはサンプルの第2の異なる領域のイオン化によって生じる、請求項24に記載の方法。
  26. 前記パルスイオン源に対して基板またはサンプルを移動させることをさらに含む、請求項24または25に記載の方法。
  27. 前記第1のイオングループに関する第1の質量スペクトルデータを得ること、および/または前記第2のイオングループに関する第2の質量スペクトルデータを得ること、および/または前記第3のイオングループに関する第3の質量スペクトルデータを得ること、および/または前記第4のイオングループに関する第4の質量スペクトルデータを得ること、および/または前記第5のイオングループに関する第5の質量スペクトルデータを得ることとをさらに含む、請求項24、25または26に記載の方法。
  28. 前記第1の質量スペクトルデータと第1の位置とを相関させること、および/または前記第2の質量スペクトルデータと第2の位置とを相関させること、および/または前記第3の質量スペクトルデータと第3の位置とを相関させること、および/または前記第4の質量スペクトルデータと第4の位置とを相関させること、および/または前記第5の質量スペクトルデータと第5の位置とを相関させることとをさらに含む、請求項27記載の方法。
  29. サンプルをデプスプロファイリングする方法を含む、請求項1〜28のいずれかに記載の方法。
  30. 前記パルスイオン源が、(i)レーザー、(ii)サンプルプレートにおいて一つ以上の転がり軸受を発射するための装置、(iii)サンプルプレート上のある位置を加熱するための装置、および(iv)サンプルプレート上のある位置を励起するための圧電装置から成るグループより選択される、請求項1〜29のいずれかに記載の方法。
  31. (i)前記第1のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させて、第1および/または第2および/または第3および/または次世代フラグメントイオンを生成すること、および/または
    (ii)前記第2のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/または次世代フラグメントイオンを生成すること、および/または
    (iii)前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させることによって、フラグメントイオンの第1のおよび/または第2のおよび/または第3のおよび/またはそれに続く生成フラグメントイオンを生成することとをさらに含む、請求項1〜30のいずれかに記載の方法。
  32. (i)前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループの質量分析、および/または
    (ii)第1および/または第2および/または第3および/またはそれに続く生成フラグメントイオンの質量分析をさらに含む、請求項1〜31のいずれかに記載の方法。
  33. (i)前記第1のイオングループを一回以上加熱して、前記第1のイオングループの脱着を支援すること、および/または
    (ii)前記第2のイオングループを一回以上加熱して、前記第2のイオングループの脱着を支援すること、および/または
    (iii)前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを一回以上加熱して、前記第3および/または第4および/または第5のイオングループの脱着を支援することとをさらに含む、請求項1〜32のいずれかに記載の方法。
  34. 前記イオンを加熱するステップが、前記イオンが通り抜けるイオンガイド領域に加熱ガスを供給することを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループの脱着を支援するために、前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループにレーザービームを導くことをさらに含む、請求項1〜34のいずれかに記載の方法。
  36. パルスイオン源と
    (i)前記イオン源を一回以上作動させて第1のイオングループを生成し、
    (ii)前記イオン源を一回以上作動させて異なる第2のイオングループを生成し、
    (iii)前記第1および第2のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、質量分析計の一部または部分を通じて前記第1のイオングループおよび前記第2のイオングループの両方を同時に伝達させるように配置および構成される制御システムとを含む質量分析計。
  37. 前記第1のイオングループが一つ以上の第1のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第1のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第1のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合されてもよい、請求項36に記載の質量分析計。
  38. 前記第2のイオングループが一つ以上の第2のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第2のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第2のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合されてもよい、請求項36または37に記載の質量分析計。
  39. 前記制御システムが前記イオン源を一回以上作動させて第3のイオングループを生成し、前記第1、第2および第3のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分を通じて前記第1、第2および第3のイオングループを同時に伝達させるようにさらに配置および構成される、請求項36、37または38に記載の質量分析計。
  40. 前記第3のイオングループが一つ以上の第3のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第3のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第3のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合されてもよい、請求項39に記載の質量分析計。
  41. 前記制御システムが前記イオン源を一回以上作動させて第4のイオングループを生成し、前記第1、第2、第3および第4のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分通じて前記第1、第2、第3および第4のイオングループを同時に伝達させるようにさらに配置および構成される、請求項39または40に記載の質量分析計。
  42. 前記第4のイオングループが一つ以上の第4のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第4のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第4のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合されてもよい、請求項41に記載の方法。
  43. 前記制御システムが前記イオン源を一回以上作動させて第5のイオングループを生成し、前記第1、第2、第3、第4および第5のイオングループを互いに分離した状態に保ちつつ、前記質量分析計の前記一部または部分を通じて前記第1、第2、第3、第4および第5のイオングループを同時に伝達させるようにさらに配置および構成される、請求項41または42に記載の質量分析計。
  44. 前記第5のイオングループが一つ以上の第5のイオンサブグループから成り、(i)前記一つ以上の第5のイオンサブグループが互いに分離された状態に保たれる、あるいは(ii)前記一つ以上の第5のイオンサブグループの少なくとも一部が、互いに分離された状態に保たれない、および/または結合されてもよい、請求項43に記載の質量分析計。
  45. 複数の電極をそれぞれが含む一つ以上のイオンガイドをさらに含み、前記一つ以上のイオンガイドが、
    (a)それぞれが使用時にイオンを伝達させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオントンネルイオンガイド、
    (b)それぞれが使用時にイオンを伝達させる少なくとも一つ以上の開口を含む複数の電極を含むイオンファネルイオンガイドであって、前記イオンファネルイオンガイド内に形成されたイオンガイド領域の幅または直径が、前記イオンガイドの軸長に沿って増減する、イオンファネルイオンガイド、
    (c)(i)それぞれがイオンを伝達させる開口を有する複数の電極を含む第1のイオンガイド部であって、その内部に第1のイオン誘導路が形成されている第1のイオンガイド部、および(ii)それぞれがイオンを伝達させる開口を有する複数の電極を含む第2のイオンガイド部であって、その内部に第2のイオン誘導路が形成されており、前記第1のイオン誘導路と前記第2のイオン誘導路との間に半径方向の疑似ポテンシャル障壁が形成されている第2のイオンガイド部を含む結合型イオンガイド、
    (d)多極または分割された多極ロッドセット、
    (e)前記イオンガイドの長手方向軸と平行または直角に配置された複数の平坦電極を含む平坦イオンガイドから成るグループより選択される、請求項36〜44のいずれかに記載の質量分析計。
  46. 前記一つ以上のイオンガイドが、前記一つ以上のイオンガイド内で半径方向にイオンを閉じ込めるように配置および構成される、請求項45に記載の質量分析計。
  47. 前記一つ以上のイオンガイド内で半径方向および/または軸方向にイオンを閉じ込めるように作用する疑似ポテンシャルを形成するために、前記複数の電極の少なくとも一部にACまたはRF電圧を印加するように配置および構成された装置をさらに含む、請求項45または46に記載の質量分析計。
  48. 前記一つ以上のイオンガイドが、前記第1および第2のイオングループの両方を同時に伝達させるように配置および構成される、請求項45、46または47に記載の質量分析計。
  49. 前記一つ以上のイオンガイドの長さに沿って複数のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸を移動させるよう配置および構成された装置をさらに含む、請求項45〜48のいずれかに記載の質量分析計。
  50. 前記第1および第2のイオングループおよび/または第3および/または第4および/または第5のイオングループを互いに分離された状態に保つために、一つ以上の過渡的、断続的または恒久的DC電圧を前記電極に印加するように配置および構成された装置をさらに含む、請求項45〜49のいずれかに記載の質量分析計。
  51. 前記第1のイオングループを一つ以上の第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込め、および/または前記第2のイオングループを一つ以上の異なる第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込め、および/または前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを、一つ以上の異なる第3および/または第4および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸に軸方向に閉じ込めるように配置および構成された装置をさらに含む、請求項36〜50のいずれかに記載の質量分析計。
  52. 前記第1のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第1のイオングループは、前記第2のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第2のイオングループと混合出来ず、および/または前記第3および/または第4および/または第5のDCおよび/または疑似ポテンシャル井戸の前記第3および/または第4および/または第5のイオングループと混合出来ない、請求項51に記載の質量分析計。
  53. 前記質量分析計の前記一部または部分が一つ以上のイオンガイドを含む、請求項36〜52いずれかに記載の質量分析計。
  54. 前記質量分析計の前記一部または部分が一つ以上のイオン移動度分析計または分離器を含む、請求項36〜53のいずれかに記載の質量分析計。
  55. 前記質量分析計の前記一部または部分が質量分析器の上流に配置される、請求項36〜54いずれかに記載の質量分析計。
  56. 前記第2のイオングループ内のいずれかのイオンをイオン光学部品に伝達させる前に、前記第1のイオングループの全ての前記イオンを前記イオン光学部品に伝達させる、請求項36〜55のいずれかに記載の質量分析計。
  57. 前記第1のイオングループのいずれかのイオンをイオン光学部品に伝達させる前に、前記第2のイオングループの全ての前記イオンを前記イオン光学部品に伝達させる、請求項36〜55のいずれかに記載の質量分析計。
  58. 前記イオン光学部品は、(i)イオン移動度分析計または分離器、(ii)質量分析器、(iii)イオンガイド、(iv)イオンフラグメンテーションまたは反応装置、(v)光解離または光活性化装置、および(vi)イオントラップから成るグループより選択される、請求項56または57に記載の質量分析計。
  59. 前記制御システムがイオンイメージング方法を行うように配置および構成される、請求項36〜58のいずれかに記載の質量分析計。
  60. 前記第1のイオングループが基板またはサンプルの第1の領域のイオン化により生じ、前記第2のイオングループが基板またはサンプルの第2の異なる領域のイオン化により生じる、請求項59に記載の質量分析計。
  61. 前記パルスイオン源に対して基板またはサンプルを移動させるように配置および構成された装置をさらに含む、請求項59または60に記載の質量分析計。
  62. 前記制御システムが、前記第1のイオングループに関する第1の質量スペクトルデータを得る、および/または前記第2のイオングループに関する第2の質量スペクトルデータを得る、および/または前記第3のイオングループに関する第3の質量スペクトルデータを得る、および/または前記第4のイオングループに関する第4の質量スペクトルデータを得る、および/または前記第5のイオングループに関する第5の質量スペクトルデータを得るようにさらに配置および構成される、請求項36〜61いずれかに記載の質量分析計。
  63. 前記制御システムが、前記第1の質量スペクトルデータと第1の位置とを相関させる、および/または前記第2の質量スペクトルデータと第2の位置とを相関させる、および/または前記第3の質量スペクトルデータと第3の位置とを相関させる、および/または前記第4の質量スペクトルデータと第4の位置とを相関させる、および/または相関させる、および/または前記第5の質量スペクトルデータと第5の位置とを相関させるようにさらに配置および構成される、請求項62に記載の質量分析計。
  64. 前記制御システムがサンプルをデプスプロファイリングする方法を行うように配置および構成される、請求項36〜53のいずれかに記載の質量分析計。
  65. 前記パルスイオン源が、(i)レーザー、(ii)サンプルプレートにおいて一つ以上の転がり軸受を発射するための装置、(iii)サンプルプレート上のある位置を加熱するための装置、(iv)サンプルプレート上のある位置を励起するための圧電装置から成るグループより選択される、請求項36〜64のいずれかに記載の質量分析計。
  66. 前記制御システムが、
    (i)前記第1のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させて、第1および/または第2および/または第3および/またはそれに続く生成フラグメントイオンを生成し、および/または
    (ii)前記第2のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させて、第1および/または第2および/または第3および/またはそれに続く生成フラグメントイオンを生成し、および/または
    (iii)前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを一回以上断片化および/または反応および/または光解離および/または光活性化させて、第1および/または第2および/または第3および/またはそれに続く生成フラグメントイオンを生成するようにさらに配置および構成される、請求項36〜65のいずれかに記載の質量分析計。
  67. (i)前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループを質量分析し、および/または
    (ii)第1および/または第2および/または第3および/またはそれに続く生成フラグメントイオンを質量分析するように配置および構成された質量分析器をさらに含む、請求項36〜66のいずれかに記載の質量分析計。
  68. (i)前記第1のイオングループを一回以上加熱して、前記第1のイオングループの脱着を支援するための加熱装置と、
    (ii)前記第2のイオングループを一回以上加熱して、前記第2のイオングループの脱着を支援するための加熱装置と、および/または
    (iii)前記第3および/または第4および/または第5のイオングループを一回以上加熱して、前記第3および/または第4および/または第5のイオングループの脱着を支援するための加熱装置とをさらに含む、請求項36〜67のいずれかに記載の質量分析計。
  69. 前記イオンに加熱したガスを供給するための装置をさらに含む、請求項68に記載の質量分析計。
  70. 前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループの脱着を支援するために、前記第1および/または第2および/または第3および/または第4および/または第5のイオングループにレーザービームを導びくように配置および構成された装置をさらに含む、請求項36〜69のいずれかに記載の質量分析計。
JP2014517959A 2011-07-06 2012-07-06 Maldiイオン源に連結したイオンガイド Pending JP2014521189A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB201111568A GB201111568D0 (en) 2011-07-06 2011-07-06 Apparatus and method of mass spectrometry
GB1111568.0 2011-07-06
US201161508285P 2011-07-15 2011-07-15
US61/508,285 2011-07-15
PCT/GB2012/051607 WO2013005058A1 (en) 2011-07-06 2012-07-06 Ion guide coupled to maldi ion source

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014521189A true JP2014521189A (ja) 2014-08-25

Family

ID=44544321

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014517959A Pending JP2014521189A (ja) 2011-07-06 2012-07-06 Maldiイオン源に連結したイオンガイド

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9136098B2 (ja)
EP (1) EP2729958A1 (ja)
JP (1) JP2014521189A (ja)
CA (1) CA2840146A1 (ja)
GB (2) GB201111568D0 (ja)
WO (1) WO2013005058A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016135810A1 (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置
JP2020198317A (ja) * 2020-09-02 2020-12-10 株式会社日立ハイテク イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0424426D0 (en) 2004-11-04 2004-12-08 Micromass Ltd Mass spectrometer
GB201111569D0 (en) * 2011-07-06 2011-08-24 Micromass Ltd Apparatus and method of mass spectrometry
US9466473B2 (en) 2013-03-13 2016-10-11 Micromass Uk Limited Coaxial ion guide
US10497551B2 (en) 2013-12-24 2019-12-03 Micromass Uk Limited Storage ring for fast processes
JP6213259B2 (ja) * 2014-01-24 2017-10-18 株式会社島津製作所 Maldiイオン源
EP3127139A4 (en) * 2014-04-02 2017-11-01 The Board of Trustees of The Leland Stanford Junior University An apparatus and method for sub-micrometer elemental image analysis by mass spectrometry
GB2583311B (en) * 2015-02-23 2021-01-27 Hitachi High Tech Corp Ion guide and mass spectrometer using same
EP3926340A1 (en) 2015-04-23 2021-12-22 Micromass UK Limited Separating ions in an ion trap
GB201517068D0 (en) * 2015-09-28 2015-11-11 Micromass Ltd Ion guide
GB201613988D0 (en) 2016-08-16 2016-09-28 Micromass Uk Ltd And Leco Corp Mass analyser having extended flight path
GB2567794B (en) 2017-05-05 2023-03-08 Micromass Ltd Multi-reflecting time-of-flight mass spectrometers
GB2563571B (en) 2017-05-26 2023-05-24 Micromass Ltd Time of flight mass analyser with spatial focussing
WO2019030477A1 (en) 2017-08-06 2019-02-14 Anatoly Verenchikov ACCELERATOR FOR MASS SPECTROMETERS WITH MULTIPASSES
US11081332B2 (en) * 2017-08-06 2021-08-03 Micromass Uk Limited Ion guide within pulsed converters
EP3662503A1 (en) 2017-08-06 2020-06-10 Micromass UK Limited Ion injection into multi-pass mass spectrometers
US11295944B2 (en) 2017-08-06 2022-04-05 Micromass Uk Limited Printed circuit ion mirror with compensation
US11239067B2 (en) 2017-08-06 2022-02-01 Micromass Uk Limited Ion mirror for multi-reflecting mass spectrometers
WO2019030475A1 (en) 2017-08-06 2019-02-14 Anatoly Verenchikov MASS SPECTROMETER WITH MULTIPASSAGE
US11049712B2 (en) 2017-08-06 2021-06-29 Micromass Uk Limited Fields for multi-reflecting TOF MS
GB201806507D0 (en) 2018-04-20 2018-06-06 Verenchikov Anatoly Gridless ion mirrors with smooth fields
GB201807605D0 (en) 2018-05-10 2018-06-27 Micromass Ltd Multi-reflecting time of flight mass analyser
GB201807626D0 (en) 2018-05-10 2018-06-27 Micromass Ltd Multi-reflecting time of flight mass analyser
GB201808530D0 (en) 2018-05-24 2018-07-11 Verenchikov Anatoly TOF MS detection system with improved dynamic range
GB201810573D0 (en) 2018-06-28 2018-08-15 Verenchikov Anatoly Multi-pass mass spectrometer with improved duty cycle
US11087968B2 (en) * 2018-12-14 2021-08-10 Thermo Finnigan Llc. Traveling wave multipole
GB201901411D0 (en) 2019-02-01 2019-03-20 Micromass Ltd Electrode assembly for mass spectrometer

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521083A (ja) * 2005-12-22 2009-05-28 シマヅ リサーチ ラボラトリー(ヨーロッパ)リミティド 動的圧力イオン源を用いる質量分析計
WO2010113210A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 株式会社島津製作所 質量分析装置
JP2010541125A (ja) * 2007-09-21 2010-12-24 マイクロマス・ユーケイ・リミテッド イオンガイド装置、イオン誘導方法、及び、質量分析方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4442354A (en) * 1982-01-22 1984-04-10 Atom Sciences, Inc. Sputter initiated resonance ionization spectrometry
US5808300A (en) 1996-05-10 1998-09-15 Board Of Regents, The University Of Texas System Method and apparatus for imaging biological samples with MALDI MS
US6331702B1 (en) 1999-01-25 2001-12-18 University Of Manitoba Spectrometer provided with pulsed ion source and transmission device to damp ion motion and method of use
DE10112386B4 (de) 2001-03-15 2007-08-02 Bruker Daltonik Gmbh Flugzeitmassenspektrometer mit Multiplex-Betrieb
CA2391140C (en) 2001-06-25 2008-10-07 Micromass Limited Mass spectrometer
JP3752458B2 (ja) * 2002-02-18 2006-03-08 株式会社日立ハイテクノロジーズ 質量分析装置
DE60316070T2 (de) * 2002-05-30 2008-06-05 Micromass Uk Ltd. Massenspektrometer
US6800846B2 (en) 2002-05-30 2004-10-05 Micromass Uk Limited Mass spectrometer
US6639217B1 (en) 2002-12-20 2003-10-28 Agilent Technologies, Inc. In-line matrix assisted laser desorption/ionization mass spectrometry (MALDI-MS) systems and methods of use
US6953928B2 (en) 2003-10-31 2005-10-11 Applera Corporation Ion source and methods for MALDI mass spectrometry
DE102005044307B4 (de) * 2005-09-16 2008-04-17 Bruker Daltonik Gmbh Ionisierung desorbierter Moleküle
US7663100B2 (en) 2007-05-01 2010-02-16 Virgin Instruments Corporation Reversed geometry MALDI TOF
JP2012529058A (ja) 2009-06-03 2012-11-15 ウエイン・ステート・ユニバーシテイ レーザースプレーイオン化を用いる質量分析

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009521083A (ja) * 2005-12-22 2009-05-28 シマヅ リサーチ ラボラトリー(ヨーロッパ)リミティド 動的圧力イオン源を用いる質量分析計
JP2010541125A (ja) * 2007-09-21 2010-12-24 マイクロマス・ユーケイ・リミテッド イオンガイド装置、イオン誘導方法、及び、質量分析方法
WO2010113210A1 (ja) * 2009-03-31 2010-10-07 株式会社島津製作所 質量分析装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016135810A1 (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置
JPWO2016135810A1 (ja) * 2015-02-23 2017-11-02 株式会社日立ハイテクノロジーズ イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置
GB2550739A (en) * 2015-02-23 2017-11-29 Hitachi High Tech Corp ION guide and mass spectrometer using same
US10204773B2 (en) 2015-02-23 2019-02-12 Hitachi High-Technologies Corporation Ion guide and mass spectrometer using same
US10424472B2 (en) 2015-02-23 2019-09-24 Hitachi High-Technologies Corporation Ion guide and mass spectrometer using same
GB2550739B (en) * 2015-02-23 2020-09-02 Hitachi High-Tech Corp Ion guide and mass spectrometer using same
JP2020198317A (ja) * 2020-09-02 2020-12-10 株式会社日立ハイテク イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置
JP7073459B2 (ja) 2020-09-02 2022-05-23 株式会社日立ハイテク イオンガイド及びそれを用いた質量分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
GB201212099D0 (en) 2012-08-22
GB201111568D0 (en) 2011-08-24
US20140191123A1 (en) 2014-07-10
EP2729958A1 (en) 2014-05-14
CA2840146A1 (en) 2013-01-10
WO2013005058A1 (en) 2013-01-10
GB2493602A (en) 2013-02-13
GB2493602B (en) 2016-04-06
US9136098B2 (en) 2015-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9318308B2 (en) MALDI imaging and ion source
US9136098B2 (en) Ion guide coupled to MALDI ion source
US6953928B2 (en) Ion source and methods for MALDI mass spectrometry
CA2442248C (en) Charged particle trapping in near-surface potential wells
JP6124416B2 (ja) 質量分析計におけるタンパク質及びペプチドの光解離
JP4766549B2 (ja) レーザー照射質量分析装置
US20180366313A1 (en) Imaging mass spectrometer
US20050092912A1 (en) Method and system for mass spectroscopy
JP2018522211A (ja) オーバーサンプル型飛行時間質量分析
US20200203142A1 (en) Quadrupole devices
US11508567B2 (en) Methods and apparatus for ion fragmentation in a mass spectrometer
US11201048B2 (en) Quadrupole devices
JP2011175897A (ja) 質量分析装置
GB2541004A (en) Second ion source for lockmass calibration of matrix assisted laser desorption ionisation mass spectrometer

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160817

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161116

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170509