JP2014518380A - ループ形状イオン化源 - Google Patents

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Abstract

イオン移動度分光分析計用のループ形状イオン化源について記載される。イオン化源を使用して、イオンに基づいて分子を同定するために、目的の試料由来の分子をイオン化することができる。実装においては、電子イオン化源は、電気接点間でループ形状であるワイヤを含む。ワイヤを使用して、ワイヤおよびイオン化室壁の間に印加された電圧に応答してコロナが形成される。ワイヤと壁の間に充分な電圧が印加されると、コロナが形成できる。ワイヤおよびワイヤが含まれるイオン化室を形成する壁の間の電位差を使って、ワイヤからイオンを引き出すことができる。いくつかの実施形態では、ワイヤを加熱して、コロナ発生に必要な電圧を下げることができる。その後、イオンは、目的の試料由来の分子をイオン化できる。また、ループ形状コロナ源は、質量分析計(MS)にも使用可能である。
【選択図】図1

Description

関連情報の相互参照
本発明は、2011年6月16日出願の米国仮特許出願第61/497,681号の利益を主張し、これは、参照によってその全体が組み込まれる。
本開示は、例えば、イオン移動度分光分析計または質量分析計で使用できるループ形状イオン化源に関する。ある特定の実施形態では、イオンに基づいて分子を同定するために、ループ形状イオン化源を使用して、目的の試料の分子がイオン化される。特定の実施形態では、電子イオン化源は、イオン化室のワイヤと壁の間への電圧の印加に応答してコロナを形成するために使用される、電気接点の間でループ形状になっているワイヤを含む。
イオン移動度分光分析計(IMS)は、目的の試料の分子をイオン化し、分子を同定するためにイオン化源を使用する。分子がイオン化されるとすぐに、IMSは、イオンが検出器に達する時間を測定する。このタイプのIMSは、飛行時間型IMSと呼ばれる。IMSは、イオンの飛行時間を使って、分子を同定することができる。理由は、異なるイオンは、イオンのイオン移動度に基づいて異なる飛行時間を有するためである。
IMSは、分子をイオン化するための放射性線源または電源を含むことができる。例えば、IMSは、分子のイオン化のための放射性ニッケル63(63Ni)線源を含んでもよい。電源を有するIMSは、放電することにより分子をイオン化する。種々の電圧を使用可能であるが、典型的な例では、電源の電圧は、正または負の単一電荷を分子に保持させるのに充分高い電圧である。しかし、断片化および様々な質量対電荷比を生じる可能性がある。
例えば、イオン移動度分光分析計または他の装置で有用なループ形状イオン化源について記載される。イオン化源を使用して、イオンに基づいて分子を同定するために、目的の試料の分子をイオン化することができる。一実施態様では、電子イオン化源は、電気接点の間でループになっているワイヤを含む。ワイヤは、イオン化室の電圧の印加に応答してコロナを形成するのに使用される。充分な電圧がワイヤと壁の間に印加される場合に、コロナが形成できる。ワイヤおよびワイヤを含むイオン化室を形成する壁の間の電位の差を使って、イオンをワイヤから引き出すことができる。いくつかの実施形態では、ワイヤを加熱して、コロナの発生に使用される電圧を下げることができる。その後、イオンは、目的の試料由来の分子をイオン化できる。
一部の実施形態では、本開示は、a)電気伝導可能であり、イオン化室を形成する壁、およびb)ループを形成し、イオン化室に配置されたイオン化源を含み、イオン化源が電気的接続部間に電流を流し、イオン化源および壁の間で電位差を示し、コロナを形成するように構成される分光計を提供する。
ある特定の実施形態では、分光計は、ほぼ大気圧で作動するように構成されたイオン移動度分光計を含む。他の実施形態では、イオン化源は、ループ形状ワイヤの中間点のすぐ近傍でコロナを発生するように構成されたループ形状ワイヤを含む。特定の実施形態では、イオン化源は、セ氏約1000度(例えば、950℃...1000℃...1100℃)でコロナを発生するように構成される。さらなる実施形態では、イオン化源は、白金、ロジウム、ニクロム、イリジウム、タングステン、タンタル、白金−ロジウム合金、白金−ロジウム−イリジウム合金、白金−イリジウム合金、または鉄−クロム−アルミニウム合金、の内の少なくとも1種から形成されたワイヤを含む。他の実施形態では、ワイヤは、電気的接続部の一方から、別の電気的接続部に電気を通すように構成される。一部の実施形態では、イオン化源は、凡そイオン化源のオレンジホット(orange hot)温度でコロナが発生するように構成されている。追加の実施形態では、電流は、交流電流または直流電流を含む。ある特定の実施形態では、ワイヤは、コイルとして形成される。
本開示は、イオン移動度分光分析計を提供し、この分析計は、電気伝導性であり、イオン化源を含むイオン化室の壁と電気絶縁されている2つの電気的接続部間に伸びるループ形状ワイヤを含むイオン化源を含み、イオン化源および壁が、異なる電位に荷電されるように構成され、それにより、ループ形状ワイヤのすぐ近傍で形成されたイオンが壁に向かって引き出される。
ある特定の実施形態では、イオン化源は、ループ形状ワイヤを通って交流電流が流れるように構成される。一部の実施形態では、ループ形状ワイヤの直径は、20と80ミクロンの間(20〜80μm)(例えば、20...30...45...55...70...および80ミクロン)である。一部の実施形態では、ループ形状ワイヤは、ワイヤの長さ方向に沿ってコイル状にされるか、または丸められる。さらなる実施形態では、イオン化室は、ほぼ大気圧である。ある特定の実施形態では、ループ形状ワイヤは、白金、ロジウム、ニクロム、イリジウム、タングステン、タンタル、白金−ロジウム合金、白金−ロジウム−イリジウム合金、白金−イリジウム合金、または鉄−クロム−アルミニウム合金の内の少なくとも1種から形成される。特定の実施形態では、イオン化源は、ループ形状ワイヤの長さ方向に沿って、概ねループ形状ワイヤの中間点近傍にコロナを形成するように構成される。
本開示は、イオン移動度分光計を提供し、この分光計は、電気伝導材料で形成され、イオン化室を画定する壁、および壁と電気的に絶縁されている電気接点間でループを形成するワイヤを含み、ワイヤは、ワイヤの長さ方向に沿ってコロナを形成し、目的の試料由来の分子をイオン化するように構成されており、また、壁は、電荷を保持し、コロナから分子の方向にイオンを引き出すように構成される。
一部の実施形態では、ワイヤは、電気接点に隣接するワイヤの末端よりもワイヤの中間点に沿って高温となるように構成される。さらなる実施形態では、ワイヤの直径は、20と80ミクロンの間(20〜80μm)であり、ワイヤの長さは、1から100ミリメートルの間(1〜100mm)の長さである。さらなる実施形態では、イオン移動度分光計は、コロナを発生させるためにワイヤに約0.7アンペアの電流を流すように構成される。特定の実施形態では、ワイヤは、セ氏約1000度(1000℃)でコロナを形成するように構成される。さらなる実施形態では、イオン移動度分光計は、ワイヤを加熱するために、交流または直流の内の少なくとも1種を、ワイヤを通して流すように構成されている。
本開示は、イオン化室、およびイオン化室に配置されたイオン化源を含む分光計を提供し、イオン化源はループ形状であり、イオン化源は電流を流すことができ、イオン化源および壁の間に電位差を形成してコロナを形成できる。
この要約は、単純化した形で一連の概念を伝える目的で提供されており、これに関しては、下記の詳細な説明においてさらに記載される。この要約は、請求された主題の主要な特徴または基本的な特徴を特定することを意図するものでも、請求された主題の範囲を規定する目的として使われることを意図するものでもない。
詳細説明は、付随する図を参照しながら記載される。図で、参照番号の左端の数字(単数または複数)は、参照番号が最初に現れる図の番号を示す。説明および図中の異なる場合での、同じ参照番号の使用は、類似または同じ項目を示す。
ループ形状イオン化源を実装するように構成された分光計の説明図である。 本開示の実施形態による電気系統の模式図である。 本開示による絶縁変圧器の二次側の模式図である。 本開示によるイオン化源を含む分光計から得たプラズマグラムの例である。 ループ形状イオン化源を実装する一実装例における工程を示すフローダイアグラムである。 一実装例におけるループ形状イオン化源の浄化方法を示すフローダイアグラムである。
詳細な説明
図1は、代表的分光計、例えば、目的の試料の分子の電子イオン化を行うイオン移動度分光計(IMS)100の説明図である。IMSは、直流(DC)および/または交流(AC)を使うことができる。いくつかの実施形態では、電流を使って、ワイヤを加熱できる。IMS100は、爆薬および薬剤、例えば、麻薬、毒性産業用化学製品、などの多数の分子を同定できる。
図示したように、IMSは、イオン化室102、および流体連通しているが、ドリフトチェンバーへのイオンの通過を制御できるゲート106により分離されているドリフトチェンバー104を含む。検出器108は、分子の存在下でイオン化源が放電される場合に、形成されるイオンを検出することにより、分子同定できる。
図示したIMS100は、分子をイオン化室102に導入できる吸い込み構造110を含む。例えば、吸い込み構造110は、分子をイオン化室102に引き込むために空気流(気流)などの流体を使用できる。試料をイオン化室102に引き込むための任意の適切な手法が使用可能である。手法の例には、限定されないが、ファン、加圧ガスシステム、ドリフトチェンバーを通してドリフトガスを流すことによって生成される真空、等が含まれる。種々の他の流体を使用して、試料をイオン化室に引き込むことができる。気流を使用することができるが、IMS100は、ほぼ大気圧下で作動する。
IMS100は、分子のイオン化室102への導入を助けるための脱着装置、ヒーター、および/または予備濃縮器、などの他の構造物を含んでもよい。例えば、脱着装置を使って、分子を蒸発、および/または分子をガス相に移行させることができる。
図に示したように、イオン化源112は、ワイヤの近くでコロナを生成し、分子をイオン化できるワイヤ114を含む。イオン化源は、ワイヤ114に充分に高い電圧が印加される場合は、コロナを生成できる。いくつかの実施形態では、種イオンがワイヤ114に隣接して存在する場合は、コロナが生成される。種イオンは、熱電子効果に基づいて、または光イオン化により形成できる。ワイヤ114は、電気接点、例えば、電気伝導性の2本の支柱(それぞれ、116、118)の間でループ化できるが、ワイヤ114は、また、コイル状フィラメントの形にもできる。支柱116、118は、ワイヤに圧着してもよく、またはワイヤを、別の方法で機械的に支柱に固定してもよい。いくつかの実施形態では、支柱116、118は、ステンレス鋼または他の適切な導電性材料から形成される。とはいえ、支柱は、任意の導電性材料から構成可能である。
図示した実施形態のイオン化源112は、イオン化室102と電気的に絶縁されており、それにより、壁120またはイオン化室102を形成する壁およびイオン化源112の間で電位が存在する。結果として、壁120は、イオン化源112からイオンを引き出し試料の分子をイオン化できる、および/またはゲート106およびドリフトチェンバー104に向けてイオンを引き出すことができる。
支柱116、118を保持するセラミックまたはガラスチューブなどの絶縁体122は、イオン化室102中のイオン化源112を固定し、イオン化室を形成する壁120からイオン化源112を電気的に絶縁できる。イオン化源112および壁120の間の電位は実行条件により変化する可能性があるが、ワイヤの近傍で充分強い電場を使って、イオン、例えば、目的の分子をイオン化するのに使用できる反応イオンを生成できる。
いくつかの実施形態では、ワイヤおよびイオン化室壁の間に印加された電圧がワイヤ近傍に充分強い場を作り出す場合、ワイヤ114は、コロナ、例えば、イオンプラズマを発生する。ワイヤ114の温度ならびに壁120およびイオン化源の間の電位(例えば、電圧差)がプラズマに影響を与える可能性がある。例えば、ワイヤが低温、例えば、1,000℃未満(例えば、25μm直径ワイヤに対し、室温〜500℃)である場合、イオン化源112は、約4,000〜5,000ボルトの範囲の電圧を印加可能である。これらの条件は、直流または交流イオン化源に適用可能である。
イオン化源112は、複数のステップで分子をイオン化できる。イオン化源112は、イオン化室でガスイオンを生成でき、その後、このイオンが目的の分子をイオン化する。ガスの例には、窒素、水蒸気、空気中に含まれる他のガスおよびイオン化室102中の他のガスが含まれる。
ワイヤの物理学的性質が、コロナおよび目的の分子のイオン化に影響を与える場合がある。ワイヤの長さ、直径断面、ループの形、および/またはイオン化源の表面積がコロナに影響を与える場合がある。
例えば、より大きな表面積のワイヤは、類似の長さの小さい直径のワイヤよりもより多くのイオンを形成可能である。さらに、より大きな表面積は、針状イオン化源の場合に比べ、より低い局在化プラズマ密度と関連する可能性がある。より低いプラズマ密度は、高いプラズマ密度イオン化源、例えば、針状イオン化源に比べて、イオン化の増加に繋がる可能性がある。
実施形態では、ワイヤは、1から10ミリメートル(1〜10mm)の長さ、および/または20から80ミクロン(20〜80μm)の直径の範囲である。例えば、イオン化源は、約20〜30μmの範囲の直径のワイヤを含む。いくつかの実施形態では、約25μmの直径のワイヤがイオン化源に含まれる。ワイヤの長さおよび直径は、相互に関連があり、例えば、比較的より大きな直径のワイヤを含むイオン化源は、小さい直径のワイヤの場合よりも短い長さであってよい。これらの範囲は、想定されるイオン化室の大きさ、およびIMS操作上の配置から考えて、卓上型IMS装置に適する。ワイヤがコイルとして形成される場合の実施形態では、ワイヤを、100mmまで長くしてもよい。
また、ワイヤの形がコロナに影響する可能性がある。図示したように、ワイヤは、卵型をしている。他の実施形態では、ワイヤは、他の形状で形成される。形状の例には、限定されないが、直線(例えば、直線組み合わせループ)、丸められたループ、コイル状および先端または頂点のある形状のワイヤが含まれる。
いくつかの実施形態では、生成されるコロナ、および設計上の優先度によって、種々の長さ、直径、材料、表面積、などのワイヤが使われる。より細いワイヤを使って、IMSの全体電気消費量を最低限にできる。さらに、細いワイヤは、大きな直径のワイヤより少ない電力消費でコロナが発生する温度に到達できる。例えば、IMSは、類似の長さと材料の50μm直径ワイヤに比べてより少ない電気量で、20μmワイヤでコロナを発生させる。
いくつかの実施形態では、より大きな直径のワイヤが実装され、類似の長さと材料の小さい直径のワイヤに比べて、形成されるイオンの数、イオン化源の寿命、などが増加する。約50μm程度のより大きな直径のワイヤは、同じ長さと材料の小さい直径のワイヤに比べて、浄化サイクル中、より長い運転期間を持ち、より多くの浄化サイクル数に耐える、などの可能性がある。より大きな直径のワイヤは、コロナを形成する多くの表面積を有し、比較可能な細いワイヤに比べて、全体的な付着物が少なく済む可能性がある。これにより、IMSが、イオン化源112からの混入物を除去するために使用される高温度浄化サイクルの間により多く分析できる可能性がある。
図示したように、ワイヤ114は、単一のより線から構成される。いくつかの実施形態では、ワイヤ114は、多重のより線から構成される。それぞれのより線は、設計の優先度に従って、同じ(または、ほぼ同じ)材料または異なる材料から構成される。異なる材料のより線を使って、コロナの特性を調整できる。
ワイヤの化学/材料特性が、コロナに影響する場合がある。いくつかの実施形態では、材料またはワイヤの形成材料は、電気伝導、電気抵抗、高温(例えば、約1000℃以上)維持能力により選択される。例えば、ワイヤ114は、実行条件に応じて500℃〜1,500℃の範囲で動作する。他の例では、ワイヤは、約800℃〜1,200℃で動作する。操作範囲、印加される電圧、および他の操作パラメータは、限定されないが、想定される試料の固有の特性、電力消費、ワイヤ形成材料、イオン化室の大きさに応じて、変化してもよい。
実行時には、ワイヤの操作温度は、ワイヤ形成材料の特性に関係し、例えば、ワイヤは、凡そ材料のわずかにオレンジホットの色〜凡そレッドホット色である材料のオレンジホット温度領域で作動する。いくつかの実施形態では、材料のわずかにオレンジホットの色に関連する温度は、全体電力消費を最小限にするように選択できる。考慮すべき他の特性には、限定されないが、材料の融点、予測される分子の型または電流の周波数が含まれる。ワイヤの材料選択に影響する別の特性には、酸化、付着物、材料浸食、などに対する耐性が含まれる。白金−ロジウム合金が、例えば、高融点と酸化に対する耐性の理由から選択される。
適切なワイヤ材料には、例えば、白金、ロジウム、イリジウム、ニクロム、タングステン、タンタル、鉄−クロム−アルミニウム合金(例えば、カンタル:Sandvik Heating Technology、Hallstahammar Sweden)、それらの組み合わせ(合金を含む)、および類似材料が含まれる。例えば、0.7アンペアの電流が印加されると、50μm直径のループ形状白金ワイヤは、オレンジホット温度(例えば、約1000℃)でコロナを発生する。いくつかの実施形態では、25μm直径の白金ベースワイヤなどのワイヤは、0.35アンペア下のわずかにオレンジホットの温度でコロナを生成できる。
イオン化室102の相対湿度が1〜3パーセントの範囲にある場合は、イオン化源112は、比較的高電圧を使用できる。例えば、イオン化室102の相対湿度が1〜3パーセントの範囲にある場合、1,000ボルトを越える電圧を使用できる。IMSが再循環系中で乾燥剤を使う場合のように、イオン化源112は、イオン化室102の相対湿度がPPMの領域にあると、より低い電圧を使用することができる。一例では、湿度がPPMの領域にある場合、1,000ボルト未満の電圧が使われる。
ワイヤ114は、操作中にコロナを形成するのに充分高温にすべきである一方で、この温度を越えるワイヤの過熱は、ワイヤを劣化させ、使用可能寿命を短くする可能性がある。対照的に、ワイヤの温度が低すぎると、低温ワイヤコロナは電子的手段で安定化可能であるにも関わらず、実質的に一定に維持されることがなくなり、コロナが脈動する可能性がある。IMS100の操作は、これらの問題を避けるように構成できる。
使用に際し、ワイヤの温度および電荷が長さに沿って均一でない場合がある。例えば、ワイヤ114の温度が、支柱の近傍の末端に比べて、ワイヤの中間点(例えば、ループの中央)の近傍でより高い場合がある。この例では、ワイヤ114は、ワイヤのループの中央近傍でコロナを形成する。
上記範囲の適応性は、IMSの電力消費、予測ワイヤ寿命、コロナ発生温度、試料の想定量、ワイヤの構成材料、などの種々の因子に関係する。
イオン化源112は、異なる質量電荷比の種々のイオンを形成できるが、単一正または負電荷を有する分子を含むイオンが、分子の同定用の目的のものである可能性がある。例えば、ドリフトチェンバー104中にある検出器108は、イオンの質量、形状、および電荷の内の1つまたは複数項目に関連するイオンのイオン移動度に基づいて、イオン間で識別できる。
IMSの操作上の構成、および物理的構成がイオン化源112の操作に影響する場合がある。例えば、イオン化源の物理的および/または化学的特性(例えば、ループ形状ワイヤの特性)、ならびに、電圧、電流および電流の周波数は、種々のIMS特性に関連する。特性の例には、限定されないが、イオン化室の大きさ、イオン化源の電流、想定される空気流量またはドリフトガス流量の内の1つまたは複数、が含まれる。他の特性には、予測される試料のイオン化量、イオン化源およびイオン化室を形成する壁間の電圧差またはイオン化の間のイオン化源/コロナ温度、が含まれる。
イオン化源の電圧の大きさは、ドリフトガス、圧力、ワイヤ温度および/またはワイヤ直径に応じて調整可能である。ドリフトガスとして希ガスが使用される場合、より低い電圧を使用可能であり、一方、空気および水蒸気含有空気を使用する場合には、より高い電圧が使用される。より低い電圧は、低減された大気圧の場合に使用可能である。例えば、より高い電圧は、より高い標高でIMSを操作する場合に比べて、海水面の標高で使用される。
試料を吸い込み口に導入する場合、ゲートがドリフトチェンバー中へイオンの侵入を可能とする場合、ある事象の発生時、などのケースでは、IMS100は、イオン化源112への電流を周期的なパルスにすることができる。いくつかの実施形態では、イオン化源は、正電荷(ポジティブモード)、負電荷(ネガティブモード)を持つか、またはIMSの電場の極性に応じて、ポジティブモードおよびネガティブモードの間を切り替えることができる。イオン化源および/または壁120は、約20ミリ秒、10ミリ秒、またはさらに短い間隔で、ポジティブモードおよびネガティブモードの間を切り替えることができる−しかし、他の種々のタイミングの筋書きも考えられる。
ゲート106は、イオン化室からドリフトチェンバー104へのイオンの通過を制御するように構成される。ゲートは、例えば、ワイヤメッシュを含み、それを介してIMSが電荷を作用させるBradbury Nielsonゲートであってもよい。例えば、コンピュータ制御下のコントローラは、電荷をゲート106に渡し、いつ、どのイオンをドリフトチェンバー104内へ入れることが可能かを制御する。ゲート106は、ゲート106上に反発電荷を適用することによりイオンの侵入を制御する。ゲート106は、反発電荷がなくなると、ドリフトチェンバー104へイオンを通過させる。
ゲート106の解放、および/または閉止は、コロナが発生する時間、またはその後一定期間に基づいて、タイミングを定めることができる。例えば、電荷がゲート106に適用されて、イオンがドリフトチェンバー104に入るのを防ぐ前に、ゲート106が開かれ、ある範囲のイオンがドリフトチェンバー104内に入ることを可能とする。
一連の電極124a〜d、例えば、焦点リングおよび/またはガードグリッド126がドリフトチェンバー104中に含まれ、検出器108(例えば、帯電プレート)の方向にイオンの焦点を合わせる、および/または検出器108の方向にイオンを向かわせる。いくつかの実施形態では、電極124a〜dは、リング形状で、ドリフトチェンバー104の長さ方向に沿って配置される。
IMS100には、目的の分子の同定を支援/促進するための種々の部品を含めることができる。例えば、IMS100は、検量体および/またはドーパントを含むように構成された1つまたは複数のセルを含む。ドーパントは、分子単独の場合より容易に同定される分子と一緒にイオンを形成するのに使用される。
いくつかの実施形態では、IMS100は、コンピュータ制御下で作動する。例えば、プロセッサは、IMSと一緒に設けられ、またはIMS中に含まれ、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定論理回路)、マニュアル処理、またはこれらの組み合わせを使って、本明細書記載のIMSの部品および機能を制御する。本明細書で使用される用語の「機能」、「サービス」、および「論理」は、通常、IMS100の制御と連携して使われる、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアの組み合わせを表す。ソフトウェア実装の場合に、プロセッサ(例えば、単独CPUまたは複数CPU)上で実行される場合、モジュール、機能、または論理は、指定されたタスクを実行するプログラムコードを表す。プログラムコードは、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能メモリー装置(例えば、メモリーおよび/または1つまたは複数の有形メディア)、などに保存できる。本明細書で記載される構造、機能、手法、および技術は、種々のプロセッサを有する色々な市販計算プラットホーム上に実装できる。
プロセッサは、形成材料または採用された処理メカニズムにより限定されない。例えば、プロセッサは、半導体(単数または複数)および/またはトランジスタ(例えば、電子集積回路(IC))から構成できる。
メモリーは、プロセッサ内に包含可能である。メモリー106は、データ、例えば、IMS操作用命令のプログラム、データ、などを保存可能である。単一のメモリー装置を使用できるが、例えば、ランダムアクセスメモリー(RAM)、ハードディスクメモリー、リムーバブル・メディアメモリー、外部メモリー、および他のタイプのコンピュータ可読保存メディア、などの各種タイプおよびメモリーの組み合わせ(例えば、有形メモリー)を採用可能である。
さらなる実施形態では、種々の分析装置が、本明細書記載の構造、技術、手法、などを利用可能である。従って、IMS装置が本明細書を通して記載されるが、種々の分析装置が記載された技術、手法、構造、などを利用できる。これらの装置は、限定された機能を持つように(例えば、シンデバイス)、または豊富な機能を持つように(例えば、シックデバイス)構成できる。従って、装置の機能は、装置のソフトウェアまたはハードウェア資源、例えば、処理能力、メモリー(例えば、データ保存能力)、分析能力、などに関係しうる。例えば、コロナ源は、質量分析計(MS)などのイオン化プロセスに関連した他の型の分光光度法でも使用可能である。
さらに、IMS100を制御するプロセッサは、種々の異なるネットワークと通信するよう構成できる。例えば、ネットワークは、インターネット、携帯電話ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、ワイヤレスネットワーク、公衆電話網、イントラネット、などを含んでもよい。
図2は、本開示による実施形態で使用される電気系統200の模式図である。AC電気系統200が例示されているが、DC電気系統も実装可能である。DC系が意図される場合、システム200中に整流器が含まれてもよい。
図示したように、ループ形状のワイヤ114は、高電圧電源202に電気的に結合される。抵抗器204は、高電圧電源202およびワイヤ114の間に挿入される。抵抗器204は、ワイヤ114への電流の流れを制限し、ワイヤを保護する。
高周波数発生器206が含まれ、ワイヤ114を流れる電流の周波数を発信する。例えば、高周波数発生器206は、ワイヤ114を流れる電流の周波数を10キロヘルツ(10kHz)〜3メガヘルツ(3MHz)の間で変えることができるが、他の周波数も考慮されている。いくつかの実施形態では、ACの周波数は、変圧器構造などの種々の設計上の考察に基づいて選択される。ワイヤに適用される熱の量は、その抵抗および直径に対して、それを流れる電流に依存する。絶縁変圧器208の一次側は、低電圧電源210により供給される高周波数発生器206により駆動され、一方、絶縁変圧器208の高電流二次側は、また、高電圧電源に接続されている。
図3は、絶縁変圧器208などの絶縁変圧器の二次側が、その変圧器に結合して、イオン源の操作を提供するDCおよびAC高電圧電源を有する場合の一般的な回路図である。この実施形態では、高周波数電流がワイヤコロナ源の温度を制御し、DC高電圧はイオン化領域内のイオンの軌道を制御でき、さらに、AC高電圧は、ワイヤイオン源により生成されるイオンの数の追加制御を提供する。
図4は、本開示によるループ形状イオン化源を利用したIMSから生成されるプラズマグラムの例である。ループ形状イオン化源を備えるIMSは、針状イオン化源と類似のタイミングスケジュールで操作できるが、形成および検出されるイオンの数は、針状イオン化源より大きい可能性がある。
図5は、ループ形状イオン化源を実装して、分子または目的の分子をイオン化する実装例の手順500を示す。
図6は、ループ形状イオン化源上の付着物を除去可能な浄化方法600を示す。
代表的手続き
以下の考察は、前に記載したIMS100部品、技術、手法、およびモジュールを利用して実行できる手続きについて記載している。手続きの各態様は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせ中に実装できる。手続きは、1つまたは複数の装置(例えば、分光計または部品)で行う操作を特定する一連のブロックとして示され、それぞれのブロックにより操作を行うために示された順番に必ずしも限定されない。下記の考察の一部では、図1のIMS100、図2の電気系統200に対する参照が行われる。
図5は、ループ形状イオン化源を実装し、分子または目的の分子をイオン化する実装例の手続き500を示す。分子は、目的の試料に含まれる分子のイオン化から生ずるイオンを検出することにより同定できる。いくつかの実施形態では、手続き500はコンピュータ制御下で行われる。
目的の試料由来の分子は、ループ形状イオン化源を含むイオン化室に導入される(ブロック502)。検出を可能にする充分な数の分子を集める予備濃縮器を使って分子を集めることができる。予備濃縮の間、予備濃縮器は、集団または塊としてそれらを放出する前の期間に分子を集める。さらに、ヒーターを使って、気化または分子をガス相に移行させ、イオン化を促進できる。
さらに、分子は、何の材料がイオン化室102へ入るかを判断するように構成される膜を通って通過できる。例えば、膜を使って、イオン化室102の湿度を最小限にする一方で、目的の試料由来の分子を通過させる。
任意選択で、目的の分子と同時にドーパントが導入できる。例えば、毒性産業用化学製品および窒素化合物の同定を支援するために、2,4−ペンタンジオンが導入される。目的の分子(例えば、爆薬、麻薬、など)の予測される組成に基づいて、種々のドーパントが使用できる。
任意選択で、ループ形状イオン化源は、加熱される(ブロック504)。例えば、ワイヤに交流を通し、ワイヤを所定の操作温度に加熱する。例えば、白金ワイヤは、約1000℃で操作できる(例えば、白金がオレンジホットの場合)。ワイヤの温度および条件は、上に示したように、種々の因子および/または条件に依存する可能性がある。
コロナが生成される(ブロック506)。充分な高電位が印加され、ループ形状イオン化源が、ループ形状イオン化源に隣接するイオンプラズマを形成するのに充分な高電圧に達する場合、コロナが形成できる(ブロック508)。ワイヤが凡そ室温である場合、約4,000ボルトの電圧差で、ワイヤの近くでコロナを生成できる。コロナ発生は、熱電子効果を介して、または光イオン化から生成できる種イオンの存在と関連する可能性がある。
目的の分子のイオン化(ブロック510)は、種々の方法で生じうる。例えば、イオン化源は、プラズマ中で生成されるイオンを使って多様な多段プロセスを介して分子をイオン化できる。
いくつかの実施形態では、反応イオンは、コロナにより生成される(ブロック512)。反応イオンは、目的の分子をイオン化する(ブロック514)。例えば、イオン化源は、ワイヤ114の近傍にイオンを形成し、その後、そのイオンは、引き出され目的の分子をイオン化する。反応イオンは、イオン化ガス(例えば、窒素および空気中のガス)およびイオン化室の他のガス、例えば、水、などであってもよい。目的の分子の断片化が起こりうるが、イオン化は、制御されて、「ソフト」イオン化が生じ、それにより、単一電荷、例えば、+1または−1電荷を持つ分子の方が選択されて、分子の断片化を最小限にできる。
目的の分子由来の分子は、イオンのドリフトチェンバーへの通過をゲートで制御される(ブロック516)。例えば、ゲート106用のコントローラは、一時的にゲートの電荷を無くしイオンのドリフトチェンバー106への侵入を可能とする。いくつかの実施形態では、ゲート106を使って、いつ、どのイオンのドリフトチェンバーへの侵入を許可するかを制御する。いくつかの実施形態では、ドリフトチェンバー中の電極で形成された電場は、イオンを検出器の方に引き出し、一方、ドリフトガスは、通常、逆方向に流れる。
イオンが、例えば、検出器108と接触すると、イオンが検出される(ブロック518)。例えば、IMS100は、ゲート106が開かれてから、イオンが検出器108に達するまでに要する時間を計測する。この飛行時間は、基になる分子に関連付けることができる。
イオンのイオン移動度を使って、イオンに関連付けられる分子が同定される(ブロック520)。例えば、コンピュータを使って、検出器の出力を既知のイオンのプラズマグラムのライブラリーと比較できる。
1つまたは複数の分析が完了するとすぐに、イオン化源は汚染される可能性がある。例えば、低温イオン化源、例えば、それほど加熱されていないイオン化源を有するIMSは、燃焼残渣で汚染される可能性がある。残渣、例えば、目的の試料およびイオン化室中の他の物質からの有機沈着物は、イオン化源の表面を汚染する可能性がある。イオン化源は、その表面上に充分な蓄積が存在するとすぐに、性能が劣化する可能性がある。
図6は、ループ形状イオン源上の付着物を除去できる浄化方法600を示す。例えば、方法600を使って、例えば、操作中それほど加熱されていない室温条件で操作されているイオン化源が、浄化される。浄化方法600を使って、例えば、ワイヤの表面上の有機沈着物および他の表面混入物を除去できる。定期的に(ある間隔で)および/またはある事象の発生時、例えば、低パフォーマンスが検出される、イオン化源の温度を上げるのにより多くの電流が使われる、などの場合、IMSは、この浄化方法600を開始できる。
ループ形状ワイヤに電流を通す(ブロック602)。いくつかの実施形態では、イオン化源は、標準的操作に比べて、より大きな電流をワイヤに通すが、電圧は、正常な操作の間に使用した値とほぼ同様である。電流を増やし、熱応力により起こりうるワイヤの損傷を最小限にし、ワイヤ全体の均等加熱を確実にする、などが可能となる。
浄化領域までワイヤ温度を上げる(ブロック604)。例えば、イオン化源112は、ワイヤ温度を500℃〜1,500℃の正常な操作温度を超えて上昇させてもよい。いくつかの実施形態では、ワイヤ温度は、1500℃超に上げられ、一方で、ワイヤの融点(例えば、白金では1768℃)未満に安全に保持され、損傷が避けられる。より小さい直径のワイヤは、さらに加熱され、通常、1秒未満の短時間内に冷却され、その結果として、数秒間未満の短時間の浄化方法を可能とする。
混入物はワイヤから炭化される(ブロック606)。ワイヤの温度は、所定の時間の間またはある事象の発生まで、浄化温度で保持される。例えば、ワイヤの温度を上げるために使用されている電流量の低下が発生する場合、浄化は停止できる。これは表面混入物がワイヤから炭化したことを示す可能性がある。
その後、ワイヤは、操作温度または室温まで冷却されることができる。引き続き、IMSは、能動的にまたは受動的にイオン化源をその操作温度または室温に冷却できる。
本発明は、構造的特徴、および/または方法論的行為に特有の表現で記載されているが、添付の請求項で規定される本発明は、記載された特定の特徴または行為に必ずしも限定されないことは、理解されよう。むしろ、特定の特徴および行為は、請求発明を実施する形態の例として開示されている。

Claims (23)

  1. 分光計であって、
    a)電気伝導可能であり、イオン化室を形成する壁、および
    b)ループ形状であり、前記イオン化室に配置されているイオン化源であって、前記イオン化源が電気的接続部間で電流を流し、前記イオン化源および前記壁の間で電位差を示し、コロナを形成するように構成されるイオン化源、
    を含む分光計。
  2. 前記分光計が、ほぼ大気圧で動作するように構成されたイオン移動度分光計を含む、請求項1に記載の分光計。
  3. 前記イオン化源が、ループ形状ワイヤの中間点のほぼ近傍でコロナを発生するように構成された前記ループ形状ワイヤを含む、請求項2に記載の分光計。
  4. 前記イオン化源が、セ氏約1000度(1000℃)でコロナを発生するように構成されている、請求項2に記載の分光計。
  5. 前記イオン化源が、白金、ロジウム、ニクロム、イリジウム、タングステン、タンタル、白金−ロジウム合金、白金−ロジウム−イリジウム合金、白金−イリジウム合金、または鉄−クロム−アルミニウム合金、の内の少なくとも1種から形成されたワイヤを含む、請求項2に記載の分光計。
  6. 前記ワイヤが、1つの前記電気的接続部から別の前記電気的接続部に電気を通すように構成されている、請求項2に記載の分光計。
  7. 前記イオン化源が、前記イオン化源の凡そオレンジホット(orange hot)温度でコロナを発生するように構成される、請求項2に記載の分光計。
  8. 前記電流が、交流電流または直流電流を含む、請求項1に記載の分光計。
  9. 前記ワイヤがコイルとして形成されている、請求項1に記載の分光計。
  10. イオン移動度分光計であって、
    イオン化源が、電気伝導性であり、前記イオン化源を含むイオン化室の壁と電気的に絶縁されている2つの電気的接続部間に伸びるループ形状ワイヤを含み、
    前記イオン化源および前記壁が異なる電位に荷電されるように構成され、それにより、前記ループ形状ワイヤ近傍で形成されたイオンが前記壁方向に引き出される、
    イオン移動度分光計。
  11. 前記イオン化源が、前記ループ形状ワイヤ中に交流電流を通すように構成されている、請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  12. 前記ループ形状ワイヤの直径が、20から80ミクロンの間(20〜80μm)である、請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  13. 前記ループ形状ワイヤが、前記ワイヤの長さ方向に沿ってコイル状であるか、または丸められている、請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  14. 前記イオン化室がほぼ大気圧である、請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  15. 前記ループ形状ワイヤが、白金、ロジウム、ニクロム、イリジウム、タングステン、タンタル、白金−ロジウム合金、白金−ロジウム−イリジウム合金、白金−イリジウム合金、または鉄−クロム−アルミニウム合金、の内の少なくとも1種から形成されている請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  16. 前記イオン化源が、通常、前記ループ形状ワイヤの長さ方向に沿って、前記ループ形状ワイヤの中間点近傍でコロナを形成するように構成される、請求項10に記載のイオン移動度分光計。
  17. イオン移動度分光計であって、
    a)電気伝導材料で形成され、イオン化室を画定する壁、および
    b)前記壁と電気的に絶縁されている電気接点間でループを形成するワイヤ、
    を含み、
    前記ワイヤがワイヤの長さ方向に沿ってコロナを形成し、目的の試料由来の分子をイオン化するように構成され、前記壁が電荷を保持し、前記コロナから前記分子の方向にイオンを引き出すように構成されている、イオン移動度分光計。
  18. 前記ワイヤが、前記ワイヤの中間点に沿って、前記電気接点近くの前記ワイヤの末端より高温になるように構成されている、請求項17に記載のイオン移動度分光計。
  19. 前記ワイヤの直径が、20から80ミクロンの間(20〜80μm)であり、前記ワイヤの長さが、1から100ミリメートルの間(1〜100mm)の長さである、請求項17に記載のイオン移動度分光計。
  20. 前記ワイヤに約0.7アンペアの電流を印加し、前記コロナを発生させるように構成される、請求項17に記載のイオン移動度分光計。
  21. 前記ワイヤが、セ氏約1000度(1000℃)で前記コロナを形成するように構成される、請求項17に記載のイオン移動度分光計。
  22. 交流または直流の内の少なくとも1種を前記ワイヤに流し、前記ワイヤを加熱するように構成される、請求項17に記載のイオン移動度分光計。
  23. 分光計であって、
    a)イオン化室、および
    b)前記イオン化室に配置されたイオン化源、
    を含み、
    前記イオン化源がループ形状であり、前記イオン化源が電流を流すことができ、前記イオン化源と壁の間に電位差を形成してコロナを形成できる、
    分光計。
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