JP2014517811A - 可塑剤としてのコハク酸エステル混合物 - Google Patents
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Abstract
Description
一実施形態において、この組成物は、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチレートおよび/またはポリアルキルメタクリレートから選択されたポリマーを有している。
1. ガスクロマトグラフィー分析(GC)による異性体測定を介した3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールの含有量測定
ガスクロマトグラフィー(GC)による、本発明によるエステルの製造に使用された混合物の3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールが分岐鎖状ノニルアルコール(=イソノナノール)に占める含有量の測定は、Hewlet Packardの自動GC装置"HP 5896"により、AgilentのDB−FFAPカラム(長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚0.25μm)およびフレームイオン化検出器を使用して、以下の基礎条件にて行なわれた:
GC炉温度:145℃
噴射温度:250℃
検出温度:250℃
総経過時間:50分
キャリアガス:ヘリウム(1bar)
分流:100ml/min
噴射量:0.2μl
双方の異性体に対するGC信号の対応付けは、当該比較物質との経過時間比較に基づいて行なわれた。
製造されたエステルのGCによる純度測定は、Agilent Technologiesの自動GC装置"6890N"により、J&W ScientificのDB−5−カラム(長さ:20m、内径:0.25mm、膜厚0.25μm)およびフレームイオン化検出器を使用して、以下の基礎条件にて行なわれる:
炉スタート温度:150℃
炉最終温度:350℃
(1)加熱速度 150〜300℃:10K/min
(2)等温:10分、300℃時
(3)加熱速度 300〜350℃:25K/min
総経過時間:27分
噴射ブロック入り口温度:300℃
分割比:200:1
分流:121.1ml/min
総流量:124.6ml/min
キャリアガス:ヘリウム
噴射量:3マイクロリットル
検出温度:350℃
燃焼ガス:水素
水素流量:40ml/min
空気流量:440ml/min
メイクアップガス:ヘリウム
メイクアップガス流量:45ml/min
得られたガスクロマトグラムの評価は、存在する比較物質に対して、マニュアル方式で行なわれる。純度の表示は面積%で行なわれる。目標物質の最終含有量が99.4%を上回る高さであるために、それぞれの試料物質へのキャリブレーション・エラーによって予測される誤差は僅かである。
製造されたエステルの色数の測定は、DIN EN ISO 6271−2に準拠して行なわれた。
製造されたエステルの密度の測定は、DIN 51757−方法4に準拠し、振動密度計によって行なわれる。
製造されたエステルの酸価の測定は、DIN EN ISO 2114に準拠して行なわれた。
製造されたエステルの含水量の測定は、DIN 51777 Teil 1(直接法)に準拠して行なわれた。
製造されたエステルの固有粘度(せん断速度)の測定は、Z3測定システム(DIN 25mm)を備えたPhysia MCR 101(Anton−Paar社)を使用し、ローテーションモードで以下の方法によって行なわれた:
エステルと測定システムは、先ず、20℃に調温され、続いて、以下の点が制御された:
1. 60sにわたり100s−1の予備せん断。この場合、測定値は記録されなかった(場合により発生するチキソトロープ効果のレベリングおよび温度分布の向上のため)。
2. それぞれ5sの測定点持続時間を有する20ステップの対数列に分割された、500s−1で始まり、0.1s−1で終わる周波数下降ランプ(ニュートン挙動の検証)。
すべてのエステルはニュートン流動挙動を示した。粘度値の表示は、例示的に、せん断速度1s−1にて行なわれた。
製造されたエステルの200℃時の質量損失の測定は、"HB43S"型のハロゲン乾燥機(Mettler社)を用いて行なわれた。以下の測定パラメータに設定した:
温度勾配:200℃一定
測定値記録:30s
測定時間:10min
試料量:5g
測定には、アルミ製使い捨てシャーレ(Mettler社)とHS 1ファイバーフィルタ(ガラスフリースMettler社)が使用された。計量器のレベリングとゼロ補整を行なった後、試料(5g)がファイバーフィルタ上に均等に分散されて、測定が開始された。いずれの試料についても、二重測定が実施され、測定値が平均化された。10分後の最後の測定値が"200℃にて10分後の質量損失"と称される。
融解エンタルピーおよびガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(DSC)により、DIN 51007(温度範囲−100℃〜+200℃)に準拠し、加熱速度10K/min時の最初の昇温曲線から行なわれる。熱流曲線の反転点がガラス転移温度として評価される。融解エンタルピーの測定は、ピーク面積(単数/複数)の積分によって行なわれる。
熱重量分析測定(TGA)の実施は、DIN 51006(温度範囲:25℃〜310℃)に準拠し、加熱速度10K/minにて行なわれた。
PVCプラスチゾルの粘度測定は、Physica MCR 101(Anton−Paar社)によって実施され、その際、ローテーションモードと測定システム"Z3"(DIN 25mm)が使用された。
プラスチゾルは、先ず、配合タンク中で、マニュアル方式により、へらを用いて均質化され、続いて、測定システムに装入され、25℃の定温にて測定が行なわれた。測定の間、以下の点が制御された:
1. 60sの時間にわたり100s−1の予備せん断。この場合、測定値は記録されなかった(場合により発生するチキソトロープ効果のレベリングのため)。
2. それぞれ5sの測定点持続時間を有する30ステップの対数列に分割された、200s−1で始まり、0.1s−1で終わる周波数下降ランプ。
測定は、通例(別段の記載が行なわれていない限り)、(25℃にて)24時間にわたる貯蔵保管/熟成の後に実施された。
プラスチゾルのゲル化挙動の検査は、せん断応力制御されて運転された、プレート−プレート測定システム(PP25)を備えたPhysica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。最善の温度分布を達成すべく、付加的な調温フードが装置に接続された。
測定パラメータ:
モード:温度勾配(温度ランプ)
スタート温度:25℃
最終温度:180℃
加熱/冷却率:5K/min
振動周波数:4〜0.1Hzランプ(対数)
角周波数オメガ:10 1/s
測定点数:63
測定点持続時間:0.5min
自動隙間追従F:0N
測定点持続時間 一定
隙間幅 0.5mm
測定の実施:
測定システム下側プレートに、被測定プラスチゾル組成物が1滴、気泡を生じないように塗布された。測定システムが会合された後、多少のプラスチゾルが測定システムから均等にはみ出す(周囲、約6mm以下)ことができるように注意が払われた。続いて、調温フードが試料上にポジショニングされ、測定が開始された。
温度と相関した、プラスチゾルのいわゆる複素粘度が測定された。ゲル化現象の発生は、複素粘度が突然激しく上昇することによって認識することができた。この粘度上昇の発生が早いほど、当該系のゲル化能は優れている。
得られた測定カーブから、補間法により、各々のプラスチゾルについて、1000Pa*sないし10.000Pa*sの複素粘度が達成される温度が決定された。さらに、タンジェント法により、存在する試料によって達成される最高プラスチゾル粘度が決定され、ならびに、錘の落下によって、最高プラスチゾル粘度が発生開始する温度が決定された。
黄色度指数(Index YD 1925)は検体の黄変の尺度である。色測定はByk−Gardner社の"Spectro Guide"装置で行なわれた。色測定の背景として、白い参照タイルが利用された。以下のパラメータに設定した:
光種別:C/2°
測定回数:3
示度:CIE L*a*b*
測定指数:YD1925
測定自体は、(プラスチゾル・ドクター塗布厚200μm時の効果フォーム−および平滑フォームにつき)試料の異なった3箇所で実施された。3回の測定から得られた値は平均化された。
硬度測定は、DIN 53 505に準拠し、Zwick−Roell社のショア−A−硬度測定機で実施され、測定値はそれぞれ3秒後に読み取られた。各々の検体(たとえば注型品)につき、測定は異なった3箇所で実施され、平均値が形成された。
不透明度の測定はByk Gardner社の"Spectro Guide"装置によって行なわれた。不透明度測定の背景として、白いタイルと黒いタイルが利用された。色測定機のメニューから不透明度測定が選択された。測定自体は試料の異なった3箇所で実施され、自動的に評価された。
コハク酸エステルの製造に使用されたイソノニルアルコールの、3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールの含有量に関する分析
異性体分布の調査は、GCにより、化学分析、第1項に述べた方法を経て行なわれた。結果は第1表に示したとおりである。
カルボン酸エステルの製造
2.1 アジピン酸およびEvonik Oxeno GmbH社のイソノナノールからのアジピン酸ジイソノニル(DINA)の製造(比較試験)
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、アジピン酸(Sigma Aldrich社)730g(5Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)0.44g(アジピン酸を基準として0.06質量%)および、OCTOL法を経て製造されたイソノナノール(Evonik Oxeno GmbH社)1872g(13Mol)が装入され、240℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却されて、10質量%のNaOH水溶液17mlで中和された。続いて、温度180℃、圧力20〜5mbarにて、水蒸気蒸留が実施された。その後、生成物は130℃に冷却され、該温度で、5mbarにて乾燥された。<100℃に冷却された後、生成物は、ろ過助剤を経て濾過された。GCによれば、99.9%を上回るエステル含有量(純度)が結果した。
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、コハク酸(Sigma Aldrich社)826g(7Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)2.07g(コハク酸を基準として0.25質量%)および2−エチルヘキサノール(Sigma Aldrich社)2210g(17Mol)が装入され、220℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却され、10質量%のNaOH水溶液7.5mlで中和された。続いて、生成物は、温度140℃、圧力40mbarにて、窒素の導入によって浄化された。その後、生成物は90℃に冷却され、該温度にて、活性炭(Norit社のCAP Super)11.5g(残存エステル量を基準として0.5%)の添加によって、明度増強された。続いて、生成物は、<90℃にて、ろ過助剤(パーライト)を経て濾過された。GCによれば、99.46%のエステル含有量(純度)が結果した。
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、コハク酸(Sigma Aldrich社)826g(7Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)2.07g(コハク酸を基準として0.25質量%)および、OCTOL法を経て製造されたイソノナノール(Evonik Oxeno GmbH社)2448g(17Mol)が装入され、220℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却されて、10質量%のNaOH水溶液2mlで中和された。続いて、生成物は、温度160℃、圧力40mbarにて、窒素の導入によって浄化された。その後、生成物は90℃に冷却され、該温度にて、活性炭(Norit社のCAP Super)11.5g(残存エステル量を基準として0.5%)の添加によって、明度増強された。続いて、生成物は、<90℃にて、ろ過助剤を経て濾過された。GCによれば、99.84%のエステル含有量(純度)が結果した。
本発明によるコハク酸エステルを含む例示的組成物
以下において、本発明によるコハク酸エステルは、本発明によるエステルの適用幅を具体的に示すため、一般的なPVC組成物中に使用される。以下に挙げる組成物は、当業者により、それぞれの適用領域に存在する固有の加工・使用要件に適合可能であり、ないし適合されなければならない。
64.5質量部 K値60〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえばVESTOLIT B 7021−Ultra)
32.3質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.9質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえばDRAPEX 39)
1.3質量部 安定剤(たとえばMARK C/Z 149)
プラスチゾルの製造はKreiss溶解機VDKV30−3(Niemann社)を用いて行なわれた。組成物の液状成分は、固形成分よりも前に、混合容器に秤量して入れられた。この混合物は、軟膏へらを用い、未湿潤粉末がもはや存在しなくなるまで手でよく練り合わされた。次いで、この混合容器は、溶解攪拌機のクランプ装置にセットされた。適切なミキサーディスク(D:50mm)によって、試料は均質化された。均質化の間、真空ポンプを用いて、混合容器内に真空がつくり出された。混合容器内の圧力は、真空計(DVR2、Vakuubrand社)によってチェックされた。10mbarを下回る圧力(絶対)が達成された。
さらに、回転数は、330回転/分から2000回転/分に引き上げられ、温度センサのデジタル表示温度が30℃に達するまで攪拌が行なわれた。こうして、所定のエネルギー供給時、確実にペーストの均質化が達成された。その後、プラスチゾルはさらに10分間、330回転/分の回転数にて攪拌され、脱気された。プラスチゾルの完成後、直ちに25℃に調温された。
シートの製造は、通例、熟成時間24時間(25℃にて)の経過後に行なわれる。シート製造のため、Mathis Labcoater(メーカー:W.Mathis AG社)のロールドクターに1.40mmのドクター隙間が設定された。これはセンサ隙間ゲージによってコントロールされ、場合により再調整された。製造されたプラスチゾルは、フレームに平坦に張設された上質光沢紙(Ultracast Patent;Sappi Ltd.社)にMathis Labcoaterのロールドクターで塗設された。ドクター塗設されたプラスチゾルは2分間Mathis炉中で200℃にてゲル化された。冷却後、シート厚は高速厚さ計(KXL047;Mitutoyo社)により0.01mmの精度で測定された。このシート厚は、上述したドクター隙間にて、あらゆる場合に0.95〜1.05mmであった。厚さの測定は、シートの異なった3箇所で実施された。
61.5質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえばVINNOLITMP6852)
36質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.5質量部(たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした) 熱活性発泡剤
1質量部 酸価亜鉛
プラスチゾルの製造は、実施例3.2に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造は、通例、プラスチゾル熟成時間24時間(25℃にて)の経過後に行なわれる。シート製造のため、Mathis Labcoater(メーカー:W.Mathis AG社)のロールドクターに1.00mmのドクター隙間が設定された。これはセンサ隙間ゲージによってコントロールされ、場合により再調整された。製造されたプラスチゾルは、フレームに平坦に張設された剥離紙(Warren Release Paper−Stripkote HER;Sappi Ltd.社)にMathis Labcoaterのロールドクターで塗設された。次いで、ドクター塗設されたプラスチゾルは30秒間Mathis炉中で200℃にてゲル化された。冷却後、シート厚は高速厚さ計(KXL047;Mitutoyo社)により0.01mmの精度で測定された。このフィル/シート厚は、上述したドクター隙間にて、あらゆる場合に0.74〜0.77mmであった。厚さの測定は、シートの異なった3箇所で実施された。続いて、同じくMathis Labcoaterにより、種々異なった炉内滞留時間(たとえば、60s、90s、120sおよび150s)にて発泡シート(フォーム)が製造された。
35質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえばVESTOLIT P 1352 K)
24.5質量部 実施例2.3による本発明によるコハク酸エステル
35質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
2.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1質量部(たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした) 熱活性発泡剤
1質量部 酸価亜鉛
1質量部 イソプロパノール
プラスチゾルの製造は、実施例3.3に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造は、実施例3.3によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.2に述べたのと同様に行なわれた。
65質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271 PC)
31質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
0.5質量部 安定剤(たとえば、無金属有機安定剤たとえばMark OBS 1100)
1質量部 安定剤(たとえば、無金属有機安定剤たとえばMark OBS 1100)
2質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
0.5質量部 ステアリン酸カルシウム(工程助剤/滑剤として)
ドライブレンドの製造はBrabender遊星運動型ミキサーで行なわれた。この遊星運動型ミキサーの混合容器は、90℃の定温に調温された。遊星運動型ミキサーには、ソフトウェア側で、以下のパラメータに設定した。
プロファイル:回転数 50回転/分;保持時間:9分;上昇時間:1分
回転数 50回転/分;保持時間20分
混練機温度:88℃
測定範囲:2Nm
減衰:3
熱損失の発生により、混合容器内の温度は88℃に達した。遊星運動型ミキサーがセルフキャリブレーションを実施した後、固形成分は漏斗を経て混合容器に供給された。プログラムが開始され、粉末混合物は、液状成分が加えられる前に、10分間、混合容器内で攪拌された。液状成分は事前に秤量された。次いで、混合物は、さらに20分間、遊星運動型ミキサー内で攪拌された。プログラムの終了後、完成したドライブレンドが取り出され、室温に置かれた。トルク−時間・ダイヤグラムがソフトウェアを経て評価された。液状成分が加えられた後、顕著なカーブ上昇が観察される。このカーブが再び顕著に下降して初めて、可塑剤吸収が完了する。この2つの点の時間差が可塑剤吸収時間(ドライブレンド時間)である。最高トルクはプラグラムによって自動的に評価される。
圧延シートの製造
圧延シートの製造は、Collin社のカレンダーW150 APで行なわれた。そのため、カレンダーを以下のパラメータに設定した:
ローラ温度:165℃
ローラ隙間:0.5mm
圧延時間:5min
圧延シート製造用5段式プログラム
ローラ温度に達した後、ローラ隙間がキャリブレーションされた。測定開始に当たり、ローラ隙間は0.2mmに設定された。ドライブレンドが秤量され(通例、総質量約160g)、ローラ停止時にローラ隙間に与えられた。プログラムが開始された。ローラは、回転数5回転/分、摩擦20%にて、スタートした。約1分後に可塑化の大部分が完了し、ローラ隙間は0.5mmに拡大された。カレンダーの自動シフトユニットにより3回の均質化が行なわれた。5分後に圧延シートはローラから取り出され、冷却された。
プレスプレートは、Collin社のラボプレスで製造された。事前に製造された圧延シート(上記参照)が、プレスプレートの製造に使用された。圧延シートの側縁は切断機を用いて取り除かれ、続いて、圧延シートは約14.5×14.5cmの大きさのピースに切断された。厚さ1mmのプレスプレート用に、それぞれ2枚の圧延シートピースが、15×15cmの大きさの特殊鋼製のフレーム中にセットされた。ラボプレスを以下のパラメータに設定した:
3相式プログラム:
相1:2プレート165°;プレスプレート圧:5bar;相時間:60秒
相2:2プレート165°;プレスプレート圧:200bar;相時間:120秒
相3:2プレート40°;プレスプレート圧:200bar;相時間:270秒
余分なプレスリップはプレスプレートの製造後に取り除かれた。
48質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
26質量部 実施例2.3による本発明によるコハク酸エステル
2.5質量部 (たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした)熱活性発泡剤
15質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
4質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1.5質量部 分解触媒/K/Znベースの"Kicker"(たとえば、Baerostab KK 48)
1.5質量部 パラフィン系溶剤(たとえば、Isopar J)
1.5質量部 イソプロパノール
プラスチゾルの製造はラボ攪拌器"Eurostar"(F.IKA)によって行なわれた。この攪拌機に、直径50mmの歯付ミキサーディスクが取り付けられた。組成物の液状成分は、固形成分よりも前に、PE混合カップに入れて、計量器(Mettler XS6002S)で秤量された。この混合物は、軟膏へらを用い、未湿潤粉末が存在しなくなるまでよく練り合わされた。次いで、ラボ攪拌器が混合物中に浸漬され、攪拌機の回転数は、15s以内に、0から2000回転/分に引き上げられた。この混合物は、さらに45秒間、2000回転/分の回転数にて均質化され、こうして、すべてのプラスチゾルにつき60sの混合時間が遵守された。プラスチゾルの完成後、直ちに25.0℃に調温された。
少なくとも2時間、最高24時間の貯蔵保管時間の経過後に、プラスチゾルはMathis炉(LTE−TS型)で発泡された。支持体としては、コーティングされた壁紙(Ahlstrom GmbH社)が選択された。プラスチゾルは、ドクターコーティング装置を用い、3つの異なった厚さ(300μm、200μmおよび100μm)で塗布された。それぞれ3つのプラスチゾルが並行して塗布された。これらのプラスチゾルは、3つの異なった温度(200℃、210℃および220℃)にて、滞留時間60秒で発泡された。フォームの冷却後、壁紙はさらなる加工のために裁断された。
18質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
16質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する乳濁液PVC(たとえば、VINNOLIT E 67 ST)
13.5質量部 K値55〜67(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する微細懸濁液PVC(たとえば、VESTOLIT B 6021−Ultra)
25質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.5質量部 (たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした)熱活性発泡剤
3質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
2質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
20質量部 炭酸カルシウムマグネシウム(たとえば、Microdol A 1)
1質量部 分解触媒/K/Znベースの"Kicker"(たとえば、Baerostab KK 48)
プラスチゾルの製造は、実施例3.6に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
壁紙/壁布の製造は、実施例3.6によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
28質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
26質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
37質量部 沈殿無コーティング炭酸カルシウム(たとえば、SOCAL N2R)
4.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
3質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1.5質量部 安定剤(たとえば、Mark B/Z 562)
プラスチゾルの製造は、実施例3.7に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
壁紙/壁布の製造は、実施例3.7によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
55質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT P 1430 K70)
33質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
8質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
1.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1.5質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1質量部 安定剤(たとえば、MARK B/Z 561)
プラスチゾルの製造は、実施例3.8に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
防水シートの製造は、実施例3.8によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
65質量部K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
31.5質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
2質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1質量部 安定剤(たとえば、MARK B/Z 561)
0.5質量部 ステアリン酸カルシウム
ドライブレンドの製造は、実施例3.9に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造は、実施例3.9によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
65質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
20質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
12.5質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Omya EXH1−OM)
1.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
0.5質量部 安定剤(たとえば、Baerostab MC 8763−1 CP)
0.5質量部 脂肪酸エステルをベースとした滑剤(たとえば、Loxiol G 40)
ドライブレンドの製造は、実施例3.10に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造は、実施例3.10によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
46.5質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
29質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
23質量部 炭酸カルシウム(たとえば、OMYA BSH)
1.5質量部 安定剤(たとえば、Baeropan MC KA 83/5)
ドライブレンドの製造は、実施例3.11に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造は、実施例3.11によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
43質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
21質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
34質量部 炭酸カルシウム(たとえば、OMYA BSH)
2質量部 安定剤(たとえば、Baeropan MC KA 83/5)
ドライブレンドの製造は、実施例3.12に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造は、実施例3.12によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
32質量部K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、VESTOLIT E7031)
41質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
21.5質量部 コーティングされた炭酸カルシウム(たとえば、SOCAL 312)
2質量部 (白色)細粒石灰/生石灰(たとえば、PRECAL 30S)
1質量部 定着剤(たとえば、Nouribond 323;Air Products社)
0.5質量部 酸化亜鉛(たとえば、活性酸化亜鉛)
2質量部 沸点>180℃の脂肪族溶剤(たとえば、Shellsol D70)
プラスチゾルの製造は、実施例3.13に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
PVCトップコート組成物(プラスチゾル)へのコハク酸ジイソノニルエステル(コハク酸ジイソノニル)の使用−トップコートプラスチゾルの製造
以下の組成物は、たとえば、(多層)PVC床被覆材の製造に使用される類の透明トップコート被膜層に本発明によるコハク酸エステルを使用するためのものである。プラスチゾルの製造は、実施例3.1に従い、ただし配合を相異させて行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(3)から看取されよう。
Vestolit B 7021−Ultra:K値70(DIN EN ISO 1628−2に準拠して測定)を有する微細懸濁液PVC(ホモポリマー)
VESTINOL(登録商標)9:ジイソノニル(オルト)フタレート(DINP)、可塑剤;Evonik Oxeno GmbH社
Drapex 39:エポキシ化された大豆油;軟化作用を有する助安定剤;Chemtura/Galata Chemicals社
Mark CZ 149:カルシウム/亜鉛・安定剤;Chemtura/Galata Chemicals社
貯蔵保管時間24時間(25℃)経過後のコハク酸ジイソノニルを含むトップコートプラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例4で製造されたプラスチゾルの粘度測定は、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用い、化学分析、第11項に述べた手順によって行なわれた。結果は、下記の表(4)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
実施例4で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例4で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(5)に示したとおりである。
ショア硬度(ショアA)の測定による注型品に関する軟化作用ないし可塑剤効果の測定
ショア硬度は検体の柔軟さの尺度である。一定の測定時間内に、標準化された針が検体中に侵入し得る深度が深いほど、測定値は低いものになる。最も効果の高い可塑剤は、同一可塑剤量で、最も低いショア硬度値を結果する。実際に、組成物/調合物は一定のショア硬度に調整ないし最適化されることが多いため、非常に効果的な可塑剤であれば、組成物への添加に際し一定の割合を節約することが可能であり、これは加工コストの低下を意味することになる。
ショア硬度を測定するために、実施例4によって製造されたプラスチゾルが、直径42mmの真鍮製の円形の注入型に注入された(注入秤量:20.0g)。次いで、注入型内のプラスチゾルは空気循環乾燥器中で30分間200℃にてゲル化され、冷却後に取り出され、測定前に少なくとも24時間、乾燥器中(25℃)に貯蔵保管された。ディスクの厚さは約12mmであった。硬度測定の結果は第6表に示したとおりである。
トップコートシートの不透明度、黄色度指数および発汗挙動の測定
トップコートシートの製造は、実施例4のプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
透明度は、透明度が高い(=不透明度が低い)場合にのみ最適な全体像の達成が可能となるために、床被覆材分野におけるPVCトップコートの重要な品質判定基準である。PVCトップコートシートの透明度は、また、シート製造に使用される配合成分の適合性の尺度として、とりわけ、PVC母材と可塑剤との適合性評価の尺度としても適当である。高い透明度(=低い不透明度)は、通例、良好な適合性を意味する。不透明度の測定は、化学分析、第14項に述べたように、実施例8で製造されたトップコートシートを使用して行なわれた。
黄色度指数はもう1つの重要な品質判定基準である。トップコートの黄変はフロア装飾の大幅な視覚的印象悪化を招来し得るために、PVCトップコートの場合には、通例、非常に低い黄色度指数しか許容されることができない。黄変は、一方で配合成分により(同じくその副生成物および分解生成物によっても)引き起こされることがあるだけでなく、他方で製造工程中および/またはトップコートないし床被覆材の使用中の(たとえば熱酸化)分解によっても生ずることがある。黄色度指数の測定は、化学分析、第12項に述べたように、実施例8で製造されたトップコートシートを使用して行なわれた。
トップコートシートの熱安定性の測定
熱安定性検査は、特にこの問題のために開発されたフレーム構造を使用し、Mathisサーモテスター(LTE−TS型;Mathis AG社)の近傍/内部で行なわれた。この場合、テストフレームは、先ず、炉領域内に完全に進入させられ、その後に一定の送りによって、炉から押し出され、こうして、試料ストリップに滞留時間の異なる(=温度負荷の異なる)領域が生じさせられる。テストストリップ製造のベースとしては、実施例8で製造されたシートが使用された。試料は、先ず、裁断機を用いて裁断された。その際、シートの幅が20cmになるよう、シートの側方端縁が切り取られた。続いて、それぞれ2枚のストリップ(20*2cm)が裁断された。これらのストリップは、熱安定性を測定するため、上述したフレームのレールに直列に配置され、金属クランプと接着テープで固定され、こうして、約40cmの全長が形成された。フレームの最も外側に位置する4本のレールには、試料の配置は行なわれなかった(炉領域内の不均一な温度分布の排除)。Mathisサーモテスター(LTE−TS型、Mathis AG社)を以下のパラメータに設定した:
温度:200℃
テストフレームの送り間隔:28mm
間隔時間:1分
ファン回転数:1800回転/分
Byk色測定機(Spectro Guide 45/0、Byk.Gardner社)を用いて、黄色度指数Y(Index D1925)を含めたL*a*b*が求められた。最適な測定結果を得るため、光種別C/2°が設定され、試料観察機の使用が行なわれた。こうして、熱安定性テストストリップは、送り(28mm)のたびに測定された。測定値は、白いタイルを背景として、測定された。すでにシートの製造直後に生じていた黄変(第8表、参照)はゼロ値として使用され、つまり、求められた値から引かれた。
PVCトップコート組成物(プラスチゾル)への他の可塑剤との同時使用によるコハク酸ジイソノニルエステル(コハク酸ジイソノニル)の使用−トップコートプラスチゾルの製造
実施例4〜9で述べたように、本発明による組成物、調合物ないしそれらから製造可能な半製品の一定の材料パラメータの適合化は、本発明によるコハク酸エステルとその他の可塑剤との組み合わせによって可能である。以下の実施例は、こうした可塑剤組み合わせの利点を詳細に説明しようとするものである。プラスチゾルの製造は、実施例3.1に従い、ただし、配合を相異させて行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(10)から看取されよう。
Unimoll AGF:グリセリンアセテート混合物;可塑剤;Lanxess AG
Grinstedt’s Soft’n Safe:オクタデカン酸−12−(アセチルオキシ)−2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピルエステル;ひまし油をベースとして製造されたグリセリントリエステル;可塑剤;Danisco A/S社
イソソルビドジイソノニルエステル:ドイツ公開第102007006442A1に準拠して製造されたラボ製品、実施例2
貯蔵保管時間24時間(25℃にて)の経過後のコハク酸ジノニルとその他の可塑剤を含むトップコートプラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例10で製造されたプラスチゾルの粘度測定は、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用い、化学分析、第11項に述べた手順で行なわれた。結果は、下記の表(11)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
実施例10で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例10で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間、25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(12)に示したとおりである。
トップコート検体の吸水率および洗脱挙動の測定
吸水率と洗脱挙動は、PVC床被覆材の品質判定に際する2つの重要な基準である。PVC床が比較的多量の水を吸収する場合には、それにより、一方でその材料特性が変化すると共に、他方で視覚的印象も変化する(たとえば混濁)。したがって、高い吸水率は、通例、望ましくない。洗脱挙動は、(たとえば、床被覆材または屋根葺き材の)使用条件下における配合成分の持久性にとっての付加的な基準である。これは、特に、安定剤、可塑剤および/またはそれらの成分に当てはまる。というのも、PVC床材中のこれらの配合成分の濃度低下は、材料特性を劣化させるだけでなく、また、床被覆材の耐用寿命も大幅に低下させるからである。それゆえ、特に、床表面被膜層(たとえば、透明トップコート)において、吸水率と洗脱挙動は特に重要である。
ショア硬度(ショアA)の測定による注型品の軟化作用ないし可塑剤効果の測定
注型品の製造は、実施例10に従って製造されたプラスチゾルを用いたことを除き、実施例7に述べた手順で行なわれた。ショア硬度の測定は、化学分析、第14項(上記、参照)に述べた手順に従って行なわれた。硬度測定の結果は、以下の表(14)に示したとおりである。
トップコートシートの不透明度、黄色度指数および発汗挙動の測定
トップコートシートの製造は、実施例10によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
不透明度の測定は、化学分析、第15項(上記、参照)に述べた手順に従って行なわれた。
トップコートシートの黄色度指数の測定は、化学分析、第13項(上記、参照)に述べた手順で行なわれた。
発汗挙動の判定は、実施例8に述べた方法により、第7表に挙げた採点基準を使用して行なわれた。
効果フォームに使用するための填剤入りの着色膨張性/発泡性PVCプラスチゾルの製造
以下、効果フォーム(特別な表面構造を有するフォーム)の製造に適した、充填剤および顔料を含む熱膨張性PVCプラスチゾルを例として、本発明によるプラスチゾルの利点を具体的に述べることとする。これらのフォームは、繊維分野から公知の外観パターンによって、しばしば、"ブークレ(Boucle)フォーム"とも称される。この場合、以下に挙げたプラスチゾルは、たとえば、壁被覆材の製造に使用される熱膨張性プラスチゾルを表している。とりわけ、以下に挙げた本発明によるプラスチゾルは、たとえば、PVC壁紙/壁布に使用されるフォーム被膜層を表している。
これらのプラスチゾルの製造は、配合を相異させたことを除き、実施例3.5と同様に行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(16)から看取されよう。
Vestolit E 7012 S:K値67(DIN EN ISO 1628−2に準拠して測定)を有する乳濁液PVC(ホモポリマー);Vestolit GmbH社
Unicell D200A:アゾジカルボンアミド;熱活性発泡剤;Tramaco GmbH社
Calibrite−OG:炭酸カルシウム;充填剤;OMYA AG社
KRONOS 2220:AlおよびSiで安定化されたルチル顔料(TiO2);白色顔料;Kronos Worldwide Inc.社
Baerostab KK 48−1:カリウム/亜鉛−"Kicker";熱発泡剤用の分解触媒;発泡剤の物質固有分解温度を低下させる;同時に安定作用も有する;Baelocher GmbH社
Isopar J:イソパラフィン、プラスチゾル粘度を低下させるための助溶剤;Moller Chemie社
イソプロパノール:プラスチゾル粘度を低下させるための助溶媒ならびに発泡構造を改善するための添加剤(Brenntag AG社)
貯蔵保管時間24時間(25℃にて)の経過後の、実施例10による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例16で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、化学分析、第11項(上記、参照)に述べたのと同様、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用いて行なわれた。結果は、下記の表(17)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
実施例16による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例16で製造された填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間、25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記、参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(18)に示したとおりである。
実施例16による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルからの効果フォームの製造および判定
効果フォーム壁紙・壁布の製造は、実施例16によって製造されたプラスチゾルを使用し、実施例3.5に述べた手順に従って実施されたが、その際、プラスチゾルは、加工前に、2時間25℃にて貯蔵保管された。
黄色度指数の検査は、ゲル化した試料につき、化学分析、第13項に述べたように行なわれた(上記、参照)。
膨張挙動の判定に際しては、DINP試料が比較標準として用いられる。したがって、正常な膨張挙動(="O.K.")とはDINP試料の挙動に等しい。
表面品質ないし表面構造の判定に際しては、とりわけ、表面構造の一様性ないし規則性が評価される。個々の効果要素の寸法膨張も共に評価に組み入れられる。
加えてさらに、配合成分の滲出ないし移動に関する裏面の判定(紙)が組み込まれる。表面構造の判定の基礎とされる採点基準は以下の表(19)に述べたとおりである。
コーティングされた紙の裏面の判定は、ゲル化した系における使用された可塑剤とその他の組成物成分との持続性の帰納的推定を可能にするものである。組成物成分の強度な移動は、視覚的かつ美的のみならず、数多くの実際的短所も招来する。たとえば、粘着性の高まりにより、もはや取り去ることのできないもしくは少なくとも完全には取り去ることのできない塵や汚れの付着が生じ、こうして、非常に短期間で不適な外観が生ずる。さらに、組成物成分の移動は、通例、印刷適性ないし印刷の保ちに非常に不適に作用する。さらに、固定用接着剤(たとえば壁紙接着剤)との相互作用によって、壁被覆材の不測の剥離が生ずることがある。
Claims (21)
- アルキル基は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルキル成分を有し、かつ、アルキル基は、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルキル成分を有し、その際、3,5,5−トリメチルヘキシル基の割合は最高5mol%であり、直鎖状n−ノニル基の割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸(Bersteinsaeure)エステル混合物。
- コハク酸(Bersteinsaeure)の割合は、前記混合物中に再生原料をベースとしたエステルとして存在しているコハク酸の全ての部を基準として、少なくとも10mol%であることを特徴とする、請求項1に記載の混合物。
- 少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は最高5mol%であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の混合物。
- 最高49.5mol%の割合で、カルボキシル基の酸素の後の2番目の炭素原子において1メチル分岐を有する、炭素原子数9個のアルキル基を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合物。
- 沸点は180℃を上回っていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合物。
- 固有粘度は、せん断レオメトリーにより測定して、せん断速度1/sにて20℃の温度時に最高40mPa・sであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合物。
- 製造に使用されるアルコール混合物は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルコール成分を有すると共に、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルコール成分を有し、その際、前記アルコール混合物中の3,5,5−トリメチルヘキサノールの割合は最高5mol%であり、前記アルコール混合物中の直鎖状n−ノナノールの割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸エステル混合物。
- エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸(Bersteinsaeure)またはコハク酸(Bersteinsaeure)誘導体の割合は、少なくとも10mol%であることを特徴とする、請求項7に記載の混合物。
- 少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は、最高5mol%であることを特徴とする、請求項7または8のいずれか1項に記載の混合物。
- 使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、アルコールのβ炭素原子において1メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の混合物。
- 使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、2メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の混合物。
- コハク酸またはコハク酸誘導体を異性アルコール混合物と接触させることを含み、これによって水またはメタノールが脱離され、その際、50%までの化学量論的に過剰な量のアルコール混合物が使用され、反応は、チタン酸ブチル、チタン酸ノニルを含む群から選択された触媒の使用下で行なわれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合物を製造する方法。
- エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸(Bersteinsaeure)またはコハク酸(Bersteinsaeure)誘導体の割合は、少なくとも10mol%である、請求項12に記載の方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む組成物。
- さらに、安息香酸アルキル、アジピン酸ジアルキル、グリセリンエステル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリメリット酸トリアルキル、二安息香酸グリコール、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノイルエステルおよび/または1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルからなる群から選択された少なくとも1の可塑剤を含む、請求項14に記載の組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物の、可塑剤としての使用。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む成形部材。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む床被覆材。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む壁被覆材。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む保護材、シール材または接着剤。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含むシートまたは防水シート。
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