JP2014517811A - 可塑剤としてのコハク酸エステル混合物 - Google Patents

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Abstract

アルキル基は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルキル成分を有し、かつ、アルキル基は、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルキル成分を有し、その際、3,5,5−トリメチルヘキシル基の割合は最高5mol%であり、直鎖状n−ノニル基の割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸エステル混合物。

Description

本発明は、コハク酸エステル混合物、該混合物および該混合物を含む組成物の製造方法、ならびに、コハク酸エステル混合物自体の使用または組成物中への該混合物の使用に関する。
ポリ塩化ビニル(PVC)は、経済的に最も重要なポリマーの1つであり、硬質PVCとしても、軟質PVCとしても、さまざまに適用される。
軟質PVCを製造するために、PVCには可塑剤が添加されるが、その際、ほとんどの場合、フタル酸エステルとくにジ−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)およびジイソデシルフタレート(DIDP)が使用される。フタレートの使用に関する既存の規制ならびに今後考えられる法的規制からして、PVC用の可塑剤として適した新たなエステルを見出す必要が迫っている。加えて、PVC可塑剤は目下のところ主として、基本的に原油精製に由来する原料からつくられている。原油埋蔵量に限りがあることを考えれば、別途資源の持続可能な活用が望ましい。とりわけ、この点から考えて、ヒドロキシ化合物(たとえばアルコール)および/またはカルボン酸が可塑剤用原料として考えられる。ただし、その際の問題は、思量可能なほとんどの"再生可能"化合物につき、それらの入手可能性に困難があると共に、品質の点でばらつきがあり、さらに純度が低いことからして、目下もしくは中期的に見て大規模工業的に利用可能な"バイオ原料"の選択に制限があるという点である。
コハク酸は、(たとえばマレイン酸の水素化により)石油化学的に製造可能であると共に、バイオテクノロジーによっても製造可能である。その際、後者にあっては、再生原料を特に有利にコハク酸の確保に使用することができる。コハク酸は自然界の数多くの箇所で、とりわけクエン酸サイクルの代謝産物として、多くの果実および野菜、木材、真菌類、地衣類中に見出される。コハク酸はさらに、アルコール発酵の副産物でもある。一連の嫌気性微生物は、糖およびセルロースからの発酵産物としてコハク酸を形成する。バッチ培養にてグルコースまたはトーモロコシ浸出液から83〜87%の収率でコハク酸をつくり出すルーメンバクテリアActinobacillusおよび非ルーメンバクテリアAnaerobiosperillumは工業的に見て重要である[Rompp Chemielexikon;Onlineausgab;Zugriff 06/20−09]。
米国特許第6355711号(ExxonMobil;1998)には、分岐鎖状のオキソアルコールをベースとした可塑剤の製造が開示されている。フタレート、アジペートおよびトリメリテート以外に、多数のその他のカルボン酸エステルにも言及しており、そのうちの1つとしてコハク酸のエステルにも言及している。ただし、開示されたこれらのアルコール成分は少なくとも50%が、β炭素原子においてメチル分岐を有しており、主成分として、3−メチルオクタノール、7−メチルオクタノールおよび2,6−ジメチルヘプタノールが挙げられている。ただし、β炭素原子におけるこうした高い割合の分岐は、エステル化にも、WM効果にも、等しく不利である。
ドイツ特許第10043545号(Evonik Oxeno;2000)には、その他の適用領域以外に、特にプラスチック用可塑剤としても使用可能なカルボン酸エステルの製造方法が開示されている。とりわけ、コハク酸も脂肪族カルボン酸として挙げられており、イソノナノールは脂肪族アルコールとして挙げられている。ただし、ドイツ特許第10043545号は、特別なノナノール組成物についても、同じく、エステルないしそれによって製造可能なPVC混合物の特別な材料特性についても、なんらの教示を含んでいない。また、これは、再生原料をベースとして製造されるエステルともなんら関係していない。
この点は、米国特許第2015077号ならびに同第2015088号(DuPont;1932)に開示された、脂肪族分岐鎖状一官能価アルコールをベースとして製造される、多官能価カルボン酸のエステル混合物についても同様である。確かに、多官能価カルボン酸の例として、特に、コハク酸も挙げられており、一官能価脂肪族分岐鎖状アルコールの例として、特に、4,6−ジメチル−1−ヘプタノール、4,6−ジメチル−1−オクタノールおよび3−メチル−3−オクタノールが挙げられている。ただし、一方で、前述のこれらのアルコールは純物質として大規模工業的に十分な量で得ることはできず、他方で、3−メチル−3−オクタノールすなわち二級アルコールの場合には、直接エステル基に存在する分岐のせいで、同じく不利な応用技術的効果を前提せざるを得ない。さらに、この混合物も同じく、再生原料をベースとして得られるエステルとなんら関係していない。
可塑剤製造に際する再生原料の使用に関して、欧州特許第1005562号(Michigan State University;1998)は、炭水化物を発酵させてつくられるコハク酸の製造ならびに精製方法を開示している。ただし、該文献開示内容と特定のコハク酸エステルないしPVC可塑剤としてのその使用とには、直接の関連はない。
欧州特許第1849764号および米国特許第2006/0252956号(Michigan State University:2006)は、反応蒸留によるカルボン酸エステルの製造方法に関するものであり、酸成分は、好ましくは、再生原料をベースとして("バイオマス・ベース"で)製造される。ただし、この場合、特に、1〜8個の炭素原子を有する直鎖状および/または"低級アルコール"がエステル化に使用され、とりわけ、エタノールおよび特にクエン酸のエチルエステルに焦点が当てられている。ノニルアルコールの使用は、PVC可塑剤としての特定のコハク酸使用時の利点および/または短所と同様、ほとんど触れられていない。直鎖状短鎖エステルは揮発性を有する一方で、直鎖状エステルは結晶化の傾向を有しており、これは特に組成物中および組成物から製造される製品中において材料特性に不適な影響を及ぼす。
したがって、従来公知のコハク酸エステルは、技術的、経済的、さらに毒性の点で短所を有するだけでなく、エコロジーの点から見ても短所を有している。技術的には、短鎖脂肪族コハク酸エステルの揮発性は、その移動速度と同じく、過大である。加えて、長鎖コハク酸エステル(特に、直鎖状アルコール成分を有するそれ)の場合には、ゲル化が不十分であると共に、ポリマー(特に、ポリ塩化ビニル)および配合添加剤(たとえば、除泡剤、安定剤、粘性添加剤等)との適合性が劣り、これが完成品に濁りをもたらすと共に、発汗を結果して、商業的に有意な使用を不可能とする。経済的には、特に、数多くの公知のコハク酸エステルのアルコール成分(純物質)の獲得に困難がある点が短所である。毒物学的には、特に、第4級炭素原子を有するコハク酸エステルの使用が問題であるが、それは生分解困難であり、したがって、生物濃縮されやすいからである。他方、エコロジー的には、もっぱら化石石油化学成分をベースとするコハク酸エステルは、持続可能性があるものと見なすことはできず、将来性があるものと見なすことも困難である。
したがって、これまで従来の技術によって挙げられてきた上記のコハク酸エステルは、上述した理由のために、工業的に重要な組成物中での有意な使用を可能とするには不適であるかあるいは十分適していないと言うことができる。
そこで、本発明の課題は、公知の従来の技術から出発して、プラスチックたとえばPVC、PVBまたはPAMAのための可塑剤として使用可能であると同時に、上述した技術的、経済的ならびに毒性およびエコロジー上からする問題が生ずることのないもしくはたとえ生ずるとしても極めて低減されたレベルでのみ生ずるにすぎないコハク酸エステルを提供することであった。
上記課題は、アルキル基は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルキル成分を有し、かつ、アルキル基は、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルキル成分を有し、その際、3,5,5−トリメチルヘキシル基の割合は最高5mol%であり、直鎖状n−ノニル基の割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸エステル混合物によって解決される。
驚くべきことに、コハク酸の特別な異性ノニルエステル混合物は、プラスチックとくにPVC用の可塑剤として使用可能であると共に、そうした使用時に、すでに文献から公知のコハク酸エステルに比較して、有利な特性を示すことが見出された。この場合、アルコール成分に関して、特に、高級分岐鎖状アルコール(たとえば、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール)の割合は僅かでしかなく、同時に、直鎖状ノニルアルコールも限定された割合でのみ存在していることが、技術的可用性にとって決定的である。
本発明の実施形態において、コハク酸の割合は、混合物中に再生原料をベースとしたエステルとして存在しているコハク酸の全ての部を基準として、少なくとも10mol%である。
本発明によるエステル混合物の製造に使用される酸成分はコハク酸であり、その際、再生原料をベースとしたコハク酸の割合は、本発明による製造方法において、したがってまた本発明によるエステル混合物中でも、100mol%に達してよい。
コハク酸は、石油化学的に(たとえばマレイン酸の水素化により)製造可能であると共に、バイオテクノロジーによっても製造可能であり、後者にあっては、再生原料を特に有利にコハク酸の獲得に使用することができる。
再生原料を使用して獲得されたコハク酸の割合は、好ましくは、本発明によるエステル混合物の製造に使用されるコハク酸の少なくとも10mol%、特に好ましくは少なくとも30mol%、とりわけ好ましくは少なくとも50mol%、なかんずく特に好ましくは少なくとも70mol%である。
上記実施形態の原料ベースに関して言えば、本発明の独自性は、コハク酸混合物の製造に再生原料を利用する点にある。本発明の趣旨において、再生原料とは、化石資源たとえば石油または石炭をベースとした石油化学原料とは異なり、バイオマスをベースとして発生ないし製造される原料を指すと理解される。"バイオマス"、"バイオベース"または"再生原料をベース"ないし"再生原料から製造"なる表現は、いわゆる"炭素短周期"に由来する、したがって、地質学的累層または化石層の成分ではない、生物由来のいっさいの材料を含んでいる。特に、"再生原料をベースとした"および"再生原料ベースの"なる表現の内実とは、ASTM D6866−08法(14C法)によりコハク酸混合物中ないしコハク酸エステル混合物中に相当割合の炭素同位体14Cが検出可能であることとして理解される。
再生原料の同定ならびに量定は、ASTM法D6866に基づいて行なうことができる。とりわけ、再生原料を特徴付けるのは、石油化学原料とは異なり、その炭素同位体14Cの割合である。炭素同位体14Cの割合および、したがってまた再生原料をベースとした分子の割合も、放射性炭素測定法によって決定可能である。
コハク酸エステルは、総計22個の炭素原子を有しており、そのうち2×9個はアルキル基に由来し、4個はコハク酸に由来している。したがって、バイオベースのコハク酸の割合が100mol%であれば、エステル中の全炭素原子を基準として、4/22=0.1819の割合が結果する。この比率は、アルキル基の当該炭素原子数と共に、したがって、エステル化に使用されるアルコール混合物と共に変動する。アルコール混合物は、その組成を決定するために、常用の分析法(たとえば、ガスクロマトグラフィーおよびそれに続く質量分析法/"GC−MS")により相応して分析することが可能である。同じく、エステル化後にあっても、(エステルが先ず完全に鹸化され、続いて、遊離アルコールが分析されることにより)コハク酸のアルキル基中の炭素原子数を決定することも可能である。この場合には、バイオベースのコハク酸の可能最高限度の割合を介して、エステル混合物中のバイオベースのコハク酸の実際の割合を計算することができる。
この実施形態の特別な、経済的であると同時にエコロジー的な利点は、本発明によるコハク酸エステルの製造に、酸成分の元としての再生原料とアルコール混合物の元としての石油化学原料とを同時的に利用し得る点にあり、これにより、一方で特に廉価な製造と広範な適用可能性が実現可能となり、他方でまた特に"持続可能な"製品がもたらされることになる。
さらに別の実施形態において、少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は、最高5mol%である。
さらに別の実施形態において、混合物は、最高49.5mol%の割合で、カルボキシル基の酸素の後の2番目の炭素原子においてメチル分岐を有する、炭素原子数9個のアルキル基を含んでいる。
さらに別の実施形態において、混合物の沸点は180℃を上回っている。
さらに別の実施形態において、混合物の固有粘度は、せん断レオメトリーにより測定して、せん断速度1/sにて20℃の温度時に最高40mPa*sである。
さらに、製造に使用されるアルコール混合物は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルコール成分を有すると共に、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルコール成分を有し、その際、アルコール混合物中の3,5,5−トリメチルヘキサノールの割合は最高5mol%であり、アルコール混合物中の直鎖状n−ノナノールの割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸エステル混合物が特許請求の範囲に含まれる。
一実施形態において、エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸またはコハク酸誘導体の割合は、少なくとも10mol%である。
一実施形態において、少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は、最高5mol%である。
一実施形態において、使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、アルコールのβ炭素原子においてメチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいる。
一実施形態において、使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、2メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいる。
エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、最高15質量%の割合で、炭素原子数9個未満のアルコール成分を有すると共に、最高25質量%の割合で、炭素原子数9個超のアルコール成分を有し、その際同時に、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールの割合は最高5mol%であり、直鎖状n−ノナノールの割合は最高15mol%であり、エステル化に使用されるコハク酸は再生原料ベースで製造された、またはそれ自体が再生原料から得られたことを特徴とする、異性ノニルアルコールおよびコハク酸から製造されたエステル混合物が本発明のさらなる対象である。
本発明のさらなる対象は、本発明による混合物を含む組成物である。
一実施形態において、異性ノニルアルコール・ベースのコハク酸エステルの割合は、少なくとも60質量%、好ましくは少なくとも70質量%、特に好ましくは少なくとも80質量パーセントである。
別の実施形態において、異性ノニルアルコール・ベースのコハク酸エステルの割合は、最高70質量%、好ましくは1〜65質量%、特に好ましくは2〜55質量%、なかんずく特に好ましくは5〜50質量%である。
同じく、本発明の対象は、少なくとも1のPVCホモ−またはコポリマー以外に、PVC100質量部当たり5〜250質量部の本発明によるエステル混合物を含んでいることを特徴とするPVC組成物とくにPVCプラスチゾルである。
同じく、本発明の対象は、本発明によるコハク酸エステルを含む製品、半製品または完成品、床被覆材、壁紙、防水シート、シート/フィルム、異形材、ホース、保護材、接着剤、シール材、絶縁材および被覆材である。
本発明によるコハク酸エステルは、好ましくは再生原料から得られる酸成分つまりコハク酸を有している。ここで、本発明の趣旨における再生原料とは、たとえば農林業生産に由来するあらゆる有機原料である。これは、特に好ましくは、炭水化物とりわけ糖質である。この場合、コハク酸の製造は、たとえば欧州特許第1005562号から公知の類の発酵プロセスを経て行なわれる。これは、製造に使用される生化学的プロセスのエネルギー効率が特に優れているという利点を有している。
特に好ましくは、本発明によるコハク酸エステルは、(たとえばバイオテクノロジーにより)再生原料ベースで製造された酸成分(コハク酸)と石油化学ベースで製造された2アルコール成分(たとえば異性ノニルアルコール)とから構成されている。このことは、こうして、持続可能性と製造時のコスト効率との特段の一体化を実現する形でコハク酸エステルが得られるという利点を有している。
好ましくは、アルコール成分は、たとえば米国特許第2327066号から公知の類のオキソ法を経て得られる。
本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物の組成は、(たとえば、オキソ法の一環として)、触媒(単数/複数)の選択、たとえばオリゴマー化時の反応条件、たとえば部分流のリサイクルによるプロセス制御を介し、ならびに、アルコール生成物流の相応した蒸留および/または抽出による精製によって、変化させることができ、一定の限度内で意図的に調整することが可能である。
本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、特に、炭素原子数9個未満のアルコール成分を、最高15質量%、好ましくは最高14質量%、特に好ましくは最高13質量%、なかんずく好ましくは0〜12質量%の割合で有しており、この場合、さらなる下限は0〜7質量%、5〜9質量%、7〜11質量%である。これは、高揮発性成分の割合が最少化されると共に、本発明によるコハク酸エステルの揮発性全体が低下されるという利点を有する。
さらに、本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、炭素原子数9個超のアルコール成分を、最高25質量%、好ましくは最高23質量%、特に好ましくは最高21質量%、なかんずく好ましくは0〜20質量%の割合で有しており、この場合、さらなる下限は0〜12質量%、6〜15質量%、9〜20質量%である。これは、高分子成分の割合が最少化されると共に、本発明によるコハク酸エステルの固有粘度が低いという利点を有する。
さらに、本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、特に、直鎖状n−ノナノールを、最高15mol%、好ましくは最高14mol%、特に好ましくは最高13mol%、なかんずく好ましくは最高0〜13mol%の割合で有しており、この場合、さらなる下限は2〜12mol%、3〜11mol%、2〜5mol%ならびに4〜10mol%である。これは、PVCおよび配合添加剤との適合性が非常に限定されていると共に高い揮発性を有する、本発明によるコハク酸エステル内部における直鎖状コハク酸エステルの割合が最少化されるという利点を有する。
さらに、本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、特に、アルコールのβ炭素原子においてメチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを、最高49.5mol%、好ましくは最高48mol%、特に好ましくは最高47mol%、なかんずく好ましくは0〜45mol%の割合で有しており、この場合、さらなる下限は0〜18mol%、10〜44mol%、12〜42mol%、14〜41mol%、15〜35mol%ならびに32〜42mol%である。これは、立体障害のせいで緩慢にしかエステル化しないアルコールの割合が低いという利点を有する。
さらに、本発明によるコハク酸エステルの製造に使用されるアルコール混合物は、特に、2メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを、最高49.5mol%、好ましくは最高48mol%、特に好ましくは最高47mol%、なかんずく好ましくは0〜45mol%の割合で有しており、この場合、さらなる下限は5〜44mol%、12〜25mol%、14〜34mol%ならびに36〜44mol%である。これは、固有粘度の高いコハク酸エステルを結果するアルコールの割合が最少化されるという利点を有する。
さらに、本発明によるコハク酸エステルの製造に使用される実験式C817CH2OHの異性ノニルアルコールの混合物は、特に、3,5,5−トリメチルヘキサノールまたは実験式C817CH2OHのその他の三置換されたノニルアルコールとくに第4級C原子を有するそれを、10Mol%未満、好適には5Mol%未満、好ましくは1Mol%未満、なかんずく0〜0.5Mol%、好ましくは0.1Mol%未満、なかんずく0.0001〜0.1Mol%、特に好ましくは0.05Mol%未満、なかんずく0.01〜0.05Mol%の割合で含んでいる。これは、固有粘度の高いコハク酸エステルを結果するアルコールの割合が最少化されるという利点を有する。
混合物中における異性ノニルアルコールの異性体分布は、通例の、当業者によく知られた測定法たとえばNMR分光法、GC−またはGC/MS質量分析により、好ましくはシリル−またはエチルエステルへの転換後、場合により事前の精製ないし分離後、液体クロマトグラフィー(たとえばHPLC)によって求めることができる。
非常に優れた流動性および低い固有粘度は、特に、多重分岐鎖状分子の割合とりわけトリメチル−1−ヘキサノールの割合ができるだけ低く保たれる場合に達成可能である。したがって、本発明によるコハク酸エステルは、アルコール成分としてトリメチル−1−ヘキサノールたとえば3,5,5−トリメチルヘキサノールを含むまたは第4級C原子を有するその他のアルコール成分を含むエステルをごく僅少量でしか含んでいない。特に、本発明によるエステル混合物中において、少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は、最高10質量%、好ましくは最高8質量%、特に好ましくは最高6質量%、なかんずく好ましくは最高5質量%である。
本発明によるコハク酸エステルは、酸成分(コハク酸)とアルコール成分(異性ノニルアルコールの混合物)とから構成されている。できるだけ固有粘度の低いコハク酸エステルを得るために、コハク酸エステルの製造に使用される異性ノニルアルコールの混合物は、特に、最高せん断粘度(20℃時)20mPa*s、好ましくは最高せん断粘度15mPa*s、特に好ましくは最高せん断粘度12mPa*sを有する。
本発明によるコハク酸ジイソノニル混合物ないしコハク酸ジイソノニル自体は、従来の技術から公知のあらゆる方法で製造可能であり、好ましくは以下に述べる方法によって製造可能である。
混合物自体の他に、その製造方法も特許請求の範囲に含まれる。
上述した混合物を製造するための当該方法は、コハク酸またはコハク酸ジメチルエステルを異性C9アルコールの混合物と接触させることを含み、その際、これによって水またはメタノールが脱離され、その際、50%までの化学量論的に過剰な量の異性C9アルコール混合物が使用され、当該反応は、特にチタン酸ブチル、チタン酸ノニルを含む群から選択された触媒の使用下で行なわれる。
本方法の一態様において、エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸またはコハク酸誘導体の割合は、少なくとも10mol%である。
本方法の一態様において、コハク酸は、以下においてイソノナノールと称される異性ノナノールの混合物と、オプショナルに触媒の存在において、水の脱離下でエステル化される。
本方法のさらに別の態様において、コハク酸ジメチルエステルは、異性ノナノールの混合物と、メタノールの脱離下、オプショナルに触媒の使用下で、エステル交換反応し、コハク酸の異性ノニルエステルの混合物を生成する。
本発明による方法の特別な実施形態において、得られたエステル混合物中のn−ノナノールのコハク酸エステルの割合は最高20質量%であり、得られたエステル混合物中の3,5,5−トリメチルヘキサノールのコハク酸エステルの割合は最高10質量%であることを特徴としている。
コハク酸の異性ノニルエステルを製造するための本発明による方法は、一方法態様において、特に、コハク酸またはジアルキルコハク酸エステルとくにコハク酸ジメチルエステルが異性ノナノールの混合物と反応し、その際に、触媒が使用されることを特徴としている。特に好ましくは、コハク酸ないしコハク酸誘導体の反応に際し、化学量論的に50%の過剰量のイソノニルアルコール(単数/複数)が用いられる。触媒としては、たとえば、ブレンステット酸および/またはルイス酸が使用可能であり、なかんずく好ましいのは、硫酸、メチルスルホン酸、チタネートおよびオキサレートの使用である。特に好ましい実施形態において、チタン酸ブチルまたはチタン酸ノニルがエステル化触媒として使用され、その際、チタン酸ノニルの使用がとりわけ好ましく、かつ、エステル交換反応による副生成物の形成が少ないという利点を有している。エステル化の間の反応温度は150〜250℃であり、エステル化の間ずっと、低分子反応生成物たとえば水の連続的分離が行なわれる。エステル化の実施は、連続式または不連続式たとえばバッチ運転方式で行なわれ、特に好ましくは、エステル化は不連続式で行なわれる。反応器としては、(相応した適合化を施した後)、基本的に、従来の技術から公知のあらゆるタイプの反応器が使用可能であり、特に好ましいのは、特に不連続式反応操作の場合において、攪拌槽の使用である。連続式反応操作が行なわれる場合、好ましくは、攪拌槽カスケードおよび/または管型反応装置が使用され、後者が使用される場合には、低分子反応生成物は(たとえば、攪拌槽付き流れ管を蒸留塔と組み合わせるかないし蒸発器の使用により)1以上の別々の方法ステップで取り除かれなければならない。特に好ましい実施形態において、低分子成分(単数/複数)の量的誇張のために助剤が計量添加され、特に好ましくは窒素ガスの計量添加が行なわれる。反応の進行は(DIN EN ISO 2114に準拠した)酸価の測定ならびにガスクロマトグラフィーによって追跡され、その際、酸価<0.1mg KOH/gがコハク酸の完全変換率の達成の尺度と見なされる。反応時間は(反応混合物の沸騰開始の時点から)特に60〜500分、好ましくは70〜400分、特に好ましくは80〜300分、なかんずく好ましくは90〜250分である。エステル化に続いて、使用されたエステル化触媒の分解および/または分離ならびに反応混合物の(たとえば蒸留による)浄化を含む反応混合物の精製が行なわれる。
さらに、コハク酸と塩素化剤たとえば塩化チオニルとの反応によって得られるコハク酸ジクロリドも、ジイソノニルエステル製造用の出発材料として使用可能である。
特に好ましい実施形態において、本発明によるコハク酸エステルの製造用出発物質として、コハク酸および/またはコハク酸メチルエステルおよび(オキソ法に由来する)異性ノニルアルコール混合物が使用される。特に好ましいのは、オキソ法によりブテンをベース、たとえば、いわゆる分解C4精油所留分をベース、として製造される異性ノニルアルコールである。
好ましくは、実験式C817CH2OHの、構造式の異なる少なくとも2ノナノールを有する異性ノナノール混合物が使用されるが、その際、混合物中に存在するノニルアルコールはいずれも、50Mol%、好ましくは少なくとも49.5Mol%、を超える割合を有していない。
本発明による混合物は僅かな揮発性を有するにすぎず、これによって、最終適用時および/または製造工程中における蒸発による可塑剤損失は最少化される。異性体混合物の沸点は、該混合物の組成によっても決定され、その限りで、固有な特徴を表している。その際、本発明によるコハク酸エステルの大気圧下における沸点は、示差走査熱量測定(タンジェント法)により測定して、特に、180℃、好ましくは190℃、特に好ましくは200℃、なかんずく好ましくは210℃を上回っている。
本発明による混合物は低い固有粘度を有しており、これは、低いペースト粘度がもたらされると同時に、特に優れたペースト流動性ならびに特に優れた加工性がもたらされるため、軟質PVCペーストの製造に特に有利である。本発明によるコハク酸エステルの固有粘度は、同じアルコール成分によって製造可能なフタレートのそれを大幅に下回っている。特に、本発明によるコハク酸エステルの固有粘度は、せん断レオメトリーにより測定して、せん断速度1/sにて20℃の温度時に最高40mPa*s、好ましくは最高35mPa*s、特に好ましくは最高30mPa*s、なかんずく好ましくは最高25mPa*sである。特に、せん断レオメトリー(20℃;せん断速度:1/s)によって測定された固有粘度は、5〜30mPa*s、特に好ましくは7〜28mPa*s、なかんずく好ましくは9〜25mPa*sである。これは、たとえば現下の標準可塑剤ジイソノニルフタレート(固有粘度>70mPa*s)に比較して、組成物中(たとえばPVCペースト中)への使用時に著しく低いペースト粘度を結果すると共に、それによって(たとえば塗布加工に際する)高速機械処理を可能とする顕著な粘度差が存在するかぎりで、特に有利である。
本発明による混合物は、特に好ましくは、無色かつ透明であり、したがって、(着色または非着色)の白色および/または透明のPVC適用(たとえば、トップコート、カレンダーシートなど)への使用に特に適している(ただし、これらに限られるわけではない)。特に、本発明によるコハク酸エステルは、ハーゼン/APHA色数スケールに準拠して測光測定される色数最高50、好ましくは最高45、特に好ましくは最高40、なかんずく好ましくは最高30を有している。特別な実施形態において、ハーゼン/APHA色数スケールに準拠して測光測定された色数は、1〜30、好ましくは2〜25、特に好ましくは3〜20、なかんずく好ましくは4〜15である。これは、非常に低いハーゼン/APHA色数(つまり<20)を有する本発明によるコハク酸エステルは視覚的に高級なアプリケーションへの使用に特に好適であるという利点を有する。この場合、低い色数は、特に、本発明による製造工程ならびにその一部をなす(蒸留による)精製ステップによって実現される。
本発明による方法(蒸留による精製および触媒分離を含む)によって製造された本発明によるコハク酸エステルは、特に複合組成物中におけるエステル交換反応、エステル分解および/または(たとえば安定剤、添加剤等による)副反応を防止すべく、特に好ましくは、低い残存酸含量を有する。特に、本発明によるコハク酸エステルは、DIN EN ISO 2114に準拠して測定された酸価最高1mg KOH/g、好ましくは最高0.5mg KOH/g、特に好ましくは最高0.25mg KOH/g、なかんずく好ましくは最高0.1mg KOH/gを有する。
本発明による方法(蒸留による精製を含む)によって製造された本発明によるコハク酸エステルは、分解反応および/または副反応を防止すべく、特に好ましくは、低い残存湿分含量(含水量)を有する。本発明による方法によって製造された本発明によるコハク酸エステルの、DIN 51777に準拠して測定された含水量は、最高1%、好ましくは最高0.5%、特に好ましくは最高0.1%、なかんずく好ましくは最高0.075%である。
本発明によるコハク酸エステルの純度は、従来の技術に基づき、ガスクロマトグラフィーによって測定可能である。その際、異性体分布があるために、当該ピーク領域のピーク面積全体にわたって積分が行なわれなければならない。本発明による方法(蒸留による精製を含む)によって製造された本発明によるコハク酸エステルの純度は、通例、>98%、好ましくは>98.5%、特に好ましくは>99%、なかんずく好ましくは>99.25%である。これにより、もっぱら明確に同定された物質が(たとえばPVCペースト中への)再加工に使用されることが保証されることになり、これは、特に、毒性ならびに適合/不適合現象(たとえば発汗現象)の判定に際して有利である。
本発明によるコハク酸エステルの特別な構造により、むしろ低密度を有する分子が供される。これは、一方で、たとえばPVC組成物への使用に際し、可塑剤は質量部にて計量添加され、ただし他方で、体積現象たとえば流動性は特にペースト加工にとって高い意義を有することからして、特に有利である。したがって、可塑剤の密度が低いほど、可塑剤は(同時に固有粘度が低ければ)ペースト粘度の低下に貢献することになる。本発明によるコハク酸エステルは、DIN 51757に準拠して測定される20℃における密度に関して、最高0.96g/cm、好ましくは最高0.95g/cm、特に好ましくは最高0.94g/cm、なかんずく好ましくは最高0.93g/cmの値を有する。
従来の技術から公知の、直鎖状アルコールをベースとしたコハク酸エステルに比較して、本発明によるイソノニルエステルは、遥かに低い揮発性を有している。従来の技術から公知の、分岐鎖状アルコールをベースとしたコハク酸エステルと比較しても、本発明によるイソノニルエステルは、優れた加工性と共に、(多くの場合)低い揮発性を有している。従来の技術から公知の、2−エチルヘキサノールをベースとしたコハク酸エステルに比較して、本発明によるイソノニルエステルは、たとえば、トップコートシートからの著しく低い揮発性を示すと共に、プラスチゾルの場合に、時間の経過に応じた粘度増加(増粘率)の抑制、またそれによる耐老化性の向上を実現する。2−エチルヘキサノールをベースとして製造されたコハク酸エステルに比較して緩慢なゲル化により、高温での加工性の延長化が達成されると共に、僅かな量の急速ゲル化剤たとえば安息香酸アルキル、ピロリドン誘導体、シトレート等を混入することにより当面の技術的必要性への適合化が達成される。この場合、24時間後に測定されるショア"A"硬度によって測定された可塑剤効果は、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)のそれよりも僅かに低いだけで、黄色度指数および不透明度は同等である。
従来の技術から公知の、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールをベースとしたコハク酸エステルに比較して、本発明によるイソノニルエステルは、著しく低い固有粘度を有している。プラスチゾル中においても、本発明によるジイソノニルエステルの粘度が低いために、本発明によるエステルは、特にその他のエステルと混合した場合にも、低粘度プラスチゾルの製造に極めて適している。加えて、従来の技術から公知のコハク酸ジ−3,5,5−トリメチルヘキシルに比較して、プラスチック中ないしプラスチック組成物中またはそれらの製造時に、ゲル化ならびに可塑剤効果の向上が達成される。
驚くべきことに、本発明による混合物は、ユーザにとって枢要な特性の点において、対応するフタレートに比較しても、改善された特性たとえば、著しく低い固有粘度およびペースト粘度、特に、高いせん断速度時の増粘率(つまり、ペーストをたとえば2時間、24時間および7日間貯蔵保管した際のペースト粘度の高まり)の抑制、黄色度指数YIの上昇ならびに加工温度(少なくとも160℃)に際する黒変にまで及ぶ最高滞留時間で測定した際の著しく改善された熱安定性を示し、その際、トップコート組成物における、24時間後に測定されるショア"A"硬度によって測定された可塑剤効果ならびに不透明度および黄色度指数は、可塑剤濃度が同じであれば、同一である。
混合物の他、この混合物を含む組成物も特許請求の範囲に含まれる。
一実施形態において、この組成物は、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチレートおよび/またはポリアルキルメタクリレートから選択されたポリマーを有している。
本発明の一実施形態において、本発明による混合物とポリマーとの比(質量部)は、1:25〜25:1である。
本発明のさらに別の実施形態において、本発明によるコハク酸エステル混合物と本発明によるものではないその他の可塑剤との比は、1:10〜10:1である。
本発明による混合物は、単独で、またはその他の可塑剤たとえば急速ゲル化剤との混合物の形で、組成物として、たとえば軟質PVCペースト中に使用される。その使用が他の可塑剤と共同で行なわれる場合、本発明によるコハク酸エステルが当該可塑剤混合物中に占める割合は、少なくとも5質量%、好ましくは少なくとも15質量%、特に好ましくは少なくとも25質量%、なかんずく好ましくは少なくとも30質量%である。これは、本発明によるコハク酸エステルの的確な使用によって、特に、軟質PVCペーストのペースト粘度を的確に低下させることができるという利点を有する。
好ましい実施形態において、使用される可塑剤混合物中に本発明による混合物が占める割合は、少なくとも50質量%、特に好ましくは少なくとも60質量%、なかんずく好ましくは少なくとも70質量%である。これは、本発明によるコハク酸エステルの的確な使用によって、特に、その加工特性たとえばゲル化特性を、その他の可塑剤たとえば急速ゲル化剤の添加によって広い範囲で調節することができる低ペースト粘度を有するPVCペーストの製造が可能であるという利点を有する。
コハク酸のジイソノニルエステルとは異なる化合物(可塑剤)は低分子量であっても高分子量であってもよく、特に、モノマー材料特性を有していても、ポリマー材料特性を有していてもよい。その他のエステルを含む混合物につき、これらは、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、グリセリンエステル、エポキシ化された植物油、部分的にも全面的にもエポキシ化されていてよい飽和または不飽和脂肪酸エステル、二安息香酸グリコール、安息香酸アルキル、アジピン酸ジアルキル、トリメリット酸トリアルキル、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレートまたは1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステル(ここで、アルキル基は4〜13個、好ましくは5、6、7、8、9、10、11または13個の炭素原子を有する)から選択されている。可塑剤は、また、ジアンヒドロヘキシトールエステル、好ましくはカルボン酸のイソソルビドジエステルたとえばn−またはイソ−酪酸、バレリアン酸または2−エチルヘキサン酸またはイソノナン酸であってもよい。
本発明による組成物中に含まれていてよいポリマーは、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシバレリアン酸(PHV)、ポリエステル、デンプン、セルロースおよびセルロース誘導体とくにニトロセルロース(NC)、エチルセルロース(EC)、酢酸セルロース(CA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、ポリビニルブチレート(PVB)およびポリアルキルメタクリレート(PAMA)ならびに上記ポリマーの混合物またはコポリマーである。特に好ましいポリマーは、ポリ塩化ビニル(PVC)である。
本発明による組成物は、特に、本発明によるコハク酸エステルとポリマーとの質量比が1:25〜25:1、好ましくは1:20〜20:1、特に好ましくは1:25〜10:1、なかんずく好ましくは1:22〜5:1であることを特徴としている。
組成物中における本発明によるコハク酸エステルの含有量は、それぞれの用途に基づいている。それは、たとえば、軟質PVCペーストについては、特に、PVC100質量部当たり5〜70質量部、好ましくは7〜65質量部、特に好ましくは9〜60質量部、なかんずく好ましくは10〜58質量部であり、この場合、さらなる下限は、10〜25質量部、20〜35質量部ならびに30〜55質量部である。
ドライブレンドつまり乾燥混合物については、本発明によるコハク酸エステルが組成物中に占める割合は、PVC100質量部当たり10〜65質量部、好ましくは12〜62質量部、特に好ましくは15〜60質量部、なかんずく好ましくは17〜58質量部であり、この場合、さらなる下限は、18〜30質量部、25〜42質量部ならびに32〜56質量部である。
コハク酸エステルと、構造的にそれとは異なる可塑剤とを同時に含む好ましい混合物において、可塑剤とくに安息香酸アルキル、アジピン酸ジアルキル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリメリット酸トリアルキル、二安息香酸グリコール、グリセリンエステル、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノールエステルおよび/または1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルと、コハク酸ジイソノニルとの質量比は、1:10〜10:1、好ましくは1:5〜5:1である。
本発明によるコハク酸エステルを含む本発明による組成物ないし混合物は、ポリマー(単数/複数)および/またはその他の可塑剤ないしエステル以外に、なおその他の成分も含んでいてよい。これらのその他の成分は、特に、顔料、充填剤、溶剤、安定剤、助安定剤(たとえば、エポキシ化された植物油)、レオロジー添加剤、艶消し剤、発泡剤、分解触媒、脱気添加剤、殺カビ剤および難燃剤から選択されている。
同じく、本発明の対象は、本発明によるコハク酸エステルを含む製品、特に、PVCベースの床被覆材、PVCベースの壁被覆材(たとえば壁紙/壁布)ならびにホース、シート、PVCベースの半製品、完成品および防水シートである。上記のこれらの製品は、本発明によるコハク酸エステルが使用されているために、なかんずく特に好適な加工性ないし、使用された本発明によるコハク酸エステル中に再生原料成分が含まれているために、特に改善された環境指標(たとえばCO2排出量)を有する。
好ましい実施形態において、本発明によるシートとは、包装用シート、特に、食品の包装に使用されるシートであり、特に、本発明によるコハク酸エステルの毒物学的に優れた特性が有利に作用する。
混合物の他に、該混合物の使用も特許請求の範囲に含まれる。
さらに別の特別な実施形態において、本発明による混合物を含むシートは、体液(とくに血液または尿)の保管袋の製造に使用され、特に、本発明による混合物の毒物学的に優れた特性が有利に作用する。
さらに別の特別な実施形態において、半製品ないし完成品とは、特にそれらの毒物学的に優れた特性によって卓越した子供用玩具の要素である。子供用玩具の製造に使用される組成物中に本発明による混合物を使用する際には、本発明による混合物を、重金属を含まない安定剤と組み合わせるのが特に好ましい。
さらに別の特別な実施形態において、半製品ないし完成品とは、人または動物の医療看護に使用される製品(たとえば、呼吸マスク、チューブ、カテーテルコネクタ)であり、特に、製品の優れた滅菌性ならびに本発明による混合物の毒物学的に優れた特性が有利に作用する。
本発明による組成物の使用も特許請求の範囲に含まれる。
好ましくは、本発明による組成物は可塑剤として使用される。
一実施形態において、上記組成物は、染料、インキ、接着剤または接着剤成分、塗料、プラスチゾル、保護材および/またはシール材の製造に際し、可塑剤として使用される。
一実施形態において、上記組成物は、染料、インキ、接着剤または接着剤成分、塗料、プラスチゾル、および/またはシール材の製造に際し、溶剤として使用される。
一実施形態において、上記組成物は、潤滑油成分として使用される。
一実施形態において、上記組成物は、金属加工時の助剤として使用される。
本発明のさらなる対象は、本発明による混合物ならびに本発明による混合物を含む組成物の使用である。
その際、上記混合物または組成物は、染料、インキ(単数/複数)または塗料にまたは染料、インキまたは塗料として、プラスチゾル(単数/複数)に、接着剤(単数/複数)にまたは接着剤成分(単数/複数)に、シール材に、プラスチックまたはプラスチック成分用の可塑剤にまたは可塑剤として、溶剤として、潤滑油成分としておよび、金属加工時の助剤として使用することができる。
化学分析:
1. ガスクロマトグラフィー分析(GC)による異性体測定を介した3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールの含有量測定
ガスクロマトグラフィー(GC)による、本発明によるエステルの製造に使用された混合物の3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールが分岐鎖状ノニルアルコール(=イソノナノール)に占める含有量の測定は、Hewlet Packardの自動GC装置"HP 5896"により、AgilentのDB−FFAPカラム(長さ:30m、内径:0.25mm、膜厚0.25μm)およびフレームイオン化検出器を使用して、以下の基礎条件にて行なわれた:
GC炉温度:145℃
噴射温度:250℃
検出温度:250℃
総経過時間:50分
キャリアガス:ヘリウム(1bar)
分流:100ml/min
噴射量:0.2μl
双方の異性体に対するGC信号の対応付けは、当該比較物質との経過時間比較に基づいて行なわれた。
2. ガスクロマトグラフィー分析(GC)によるエステル純度の測定
製造されたエステルのGCによる純度測定は、Agilent Technologiesの自動GC装置"6890N"により、J&W ScientificのDB−5−カラム(長さ:20m、内径:0.25mm、膜厚0.25μm)およびフレームイオン化検出器を使用して、以下の基礎条件にて行なわれる:
炉スタート温度:150℃
炉最終温度:350℃
(1)加熱速度 150〜300℃:10K/min
(2)等温:10分、300℃時
(3)加熱速度 300〜350℃:25K/min
総経過時間:27分
噴射ブロック入り口温度:300℃
分割比:200:1
分流:121.1ml/min
総流量:124.6ml/min
キャリアガス:ヘリウム
噴射量:3マイクロリットル
検出温度:350℃
燃焼ガス:水素
水素流量:40ml/min
空気流量:440ml/min
メイクアップガス:ヘリウム
メイクアップガス流量:45ml/min
得られたガスクロマトグラムの評価は、存在する比較物質に対して、マニュアル方式で行なわれる。純度の表示は面積%で行なわれる。目標物質の最終含有量が99.4%を上回る高さであるために、それぞれの試料物質へのキャリブレーション・エラーによって予測される誤差は僅かである。
3. APHA色数の測定
製造されたエステルの色数の測定は、DIN EN ISO 6271−2に準拠して行なわれた。
4. 密度の測定
製造されたエステルの密度の測定は、DIN 51757−方法4に準拠し、振動密度計によって行なわれる。
5. 酸価の測定
製造されたエステルの酸価の測定は、DIN EN ISO 2114に準拠して行なわれた。
6. 含水量の測定
製造されたエステルの含水量の測定は、DIN 51777 Teil 1(直接法)に準拠して行なわれた。
7. カルボン酸エステルの固有粘度の測定
製造されたエステルの固有粘度(せん断速度)の測定は、Z3測定システム(DIN 25mm)を備えたPhysia MCR 101(Anton−Paar社)を使用し、ローテーションモードで以下の方法によって行なわれた:
エステルと測定システムは、先ず、20℃に調温され、続いて、以下の点が制御された:
1. 60sにわたり100s−1の予備せん断。この場合、測定値は記録されなかった(場合により発生するチキソトロープ効果のレベリングおよび温度分布の向上のため)。
2. それぞれ5sの測定点持続時間を有する20ステップの対数列に分割された、500s−1で始まり、0.1s−1で終わる周波数下降ランプ(ニュートン挙動の検証)。
すべてのエステルはニュートン流動挙動を示した。粘度値の表示は、例示的に、せん断速度1s−1にて行なわれた。
8. 200℃にて10分後の質量損失の測定
製造されたエステルの200℃時の質量損失の測定は、"HB43S"型のハロゲン乾燥機(Mettler社)を用いて行なわれた。以下の測定パラメータに設定した:
温度勾配:200℃一定
測定値記録:30s
測定時間:10min
試料量:5g
測定には、アルミ製使い捨てシャーレ(Mettler社)とHS 1ファイバーフィルタ(ガラスフリースMettler社)が使用された。計量器のレベリングとゼロ補整を行なった後、試料(5g)がファイバーフィルタ上に均等に分散されて、測定が開始された。いずれの試料についても、二重測定が実施され、測定値が平均化された。10分後の最後の測定値が"200℃にて10分後の質量損失"と称される。
9. 熱化学分析の実施および評価(DSCおよびTGA)
融解エンタルピーおよびガラス転移温度の測定は、示差走査熱量計(DSC)により、DIN 51007(温度範囲−100℃〜+200℃)に準拠し、加熱速度10K/min時の最初の昇温曲線から行なわれる。熱流曲線の反転点がガラス転移温度として評価される。融解エンタルピーの測定は、ピーク面積(単数/複数)の積分によって行なわれる。
熱重量分析測定(TGA)の実施は、DIN 51006(温度範囲:25℃〜310℃)に準拠し、加熱速度10K/minにて行なわれた。
10. プラスチゾル粘度の測定
PVCプラスチゾルの粘度測定は、Physica MCR 101(Anton−Paar社)によって実施され、その際、ローテーションモードと測定システム"Z3"(DIN 25mm)が使用された。
プラスチゾルは、先ず、配合タンク中で、マニュアル方式により、へらを用いて均質化され、続いて、測定システムに装入され、25℃の定温にて測定が行なわれた。測定の間、以下の点が制御された:
1. 60sの時間にわたり100s−1の予備せん断。この場合、測定値は記録されなかった(場合により発生するチキソトロープ効果のレベリングのため)。
2. それぞれ5sの測定点持続時間を有する30ステップの対数列に分割された、200s−1で始まり、0.1s−1で終わる周波数下降ランプ。
測定は、通例(別段の記載が行なわれていない限り)、(25℃にて)24時間にわたる貯蔵保管/熟成の後に実施された。
11. ゲル化速度の測定
プラスチゾルのゲル化挙動の検査は、せん断応力制御されて運転された、プレート−プレート測定システム(PP25)を備えたPhysica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。最善の温度分布を達成すべく、付加的な調温フードが装置に接続された。
測定パラメータ:
モード:温度勾配(温度ランプ)
スタート温度:25℃
最終温度:180℃
加熱/冷却率:5K/min
振動周波数:4〜0.1Hzランプ(対数)
角周波数オメガ:10 1/s
測定点数:63
測定点持続時間:0.5min
自動隙間追従F:0N
測定点持続時間 一定
隙間幅 0.5mm
測定の実施:
測定システム下側プレートに、被測定プラスチゾル組成物が1滴、気泡を生じないように塗布された。測定システムが会合された後、多少のプラスチゾルが測定システムから均等にはみ出す(周囲、約6mm以下)ことができるように注意が払われた。続いて、調温フードが試料上にポジショニングされ、測定が開始された。
温度と相関した、プラスチゾルのいわゆる複素粘度が測定された。ゲル化現象の発生は、複素粘度が突然激しく上昇することによって認識することができた。この粘度上昇の発生が早いほど、当該系のゲル化能は優れている。
得られた測定カーブから、補間法により、各々のプラスチゾルについて、1000Pa*sないし10.000Pa*sの複素粘度が達成される温度が決定された。さらに、タンジェント法により、存在する試料によって達成される最高プラスチゾル粘度が決定され、ならびに、錘の落下によって、最高プラスチゾル粘度が発生開始する温度が決定された。
12. フォームシートおよびトップコートシートの黄色度指数の測定
黄色度指数(Index YD 1925)は検体の黄変の尺度である。色測定はByk−Gardner社の"Spectro Guide"装置で行なわれた。色測定の背景として、白い参照タイルが利用された。以下のパラメータに設定した:
光種別:C/2°
測定回数:3
示度:CIE L*a*b*
測定指数:YD1925
測定自体は、(プラスチゾル・ドクター塗布厚200μm時の効果フォーム−および平滑フォームにつき)試料の異なった3箇所で実施された。3回の測定から得られた値は平均化された。
13. ショア硬度(可塑剤効果)の測定
硬度測定は、DIN 53 505に準拠し、Zwick−Roell社のショア−A−硬度測定機で実施され、測定値はそれぞれ3秒後に読み取られた。各々の検体(たとえば注型品)につき、測定は異なった3箇所で実施され、平均値が形成された。
14. トップコートシートの不透明度の測定
不透明度の測定はByk Gardner社の"Spectro Guide"装置によって行なわれた。不透明度測定の背景として、白いタイルと黒いタイルが利用された。色測定機のメニューから不透明度測定が選択された。測定自体は試料の異なった3箇所で実施され、自動的に評価された。
実施例1:
コハク酸エステルの製造に使用されたイソノニルアルコールの、3,5,5−トリメチルヘキサノールおよびn−ノナノールの含有量に関する分析
異性体分布の調査は、GCにより、化学分析、第1項に述べた方法を経て行なわれた。結果は第1表に示したとおりである。
Figure 2014517811
実施例2:
カルボン酸エステルの製造
2.1 アジピン酸およびEvonik Oxeno GmbH社のイソノナノールからのアジピン酸ジイソノニル(DINA)の製造(比較試験)
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、アジピン酸(Sigma Aldrich社)730g(5Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)0.44g(アジピン酸を基準として0.06質量%)および、OCTOL法を経て製造されたイソノナノール(Evonik Oxeno GmbH社)1872g(13Mol)が装入され、240℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却されて、10質量%のNaOH水溶液17mlで中和された。続いて、温度180℃、圧力20〜5mbarにて、水蒸気蒸留が実施された。その後、生成物は130℃に冷却され、該温度で、5mbarにて乾燥された。<100℃に冷却された後、生成物は、ろ過助剤を経て濾過された。GCによれば、99.9%を上回るエステル含有量(純度)が結果した。
2.2 コハク酸および2−エチルヘキサノールからのコハク酸ジ−2−エチルヘキシル(D2EHS)の製造(比較試験)
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、コハク酸(Sigma Aldrich社)826g(7Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)2.07g(コハク酸を基準として0.25質量%)および2−エチルヘキサノール(Sigma Aldrich社)2210g(17Mol)が装入され、220℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却され、10質量%のNaOH水溶液7.5mlで中和された。続いて、生成物は、温度140℃、圧力40mbarにて、窒素の導入によって浄化された。その後、生成物は90℃に冷却され、該温度にて、活性炭(Norit社のCAP Super)11.5g(残存エステル量を基準として0.5%)の添加によって、明度増強された。続いて、生成物は、<90℃にて、ろ過助剤(パーライト)を経て濾過された。GCによれば、99.46%のエステル含有量(純度)が結果した。
2.3 コハク酸およびEvonik Oxeno GmbH社のイソノナノールからのコハク酸ジ−イソノニル(DINS)の製造(本発明による)
水分離器、載設式集中冷却器、攪拌器、浸漬管、滴下漏斗および温度計を備えた4L攪拌フラスコに、コハク酸(Sigma Aldrich社)826g(7Mol)、オルトチタン酸テトラブチル(Vertec TNBT,Johnson Matthey Catalysts社)2.07g(コハク酸を基準として0.25質量%)および、OCTOL法を経て製造されたイソノナノール(Evonik Oxeno GmbH社)2448g(17Mol)が装入され、220℃までエステル化された。3時間後、反応は完了していた。その後、180℃、3mbarまで、過剰なアルコールが留去された。続いて、80℃に冷却されて、10質量%のNaOH水溶液2mlで中和された。続いて、生成物は、温度160℃、圧力40mbarにて、窒素の導入によって浄化された。その後、生成物は90℃に冷却され、該温度にて、活性炭(Norit社のCAP Super)11.5g(残存エステル量を基準として0.5%)の添加によって、明度増強された。続いて、生成物は、<90℃にて、ろ過助剤を経て濾過された。GCによれば、99.84%のエステル含有量(純度)が結果した。
実施例2で得られたエステルに関する特徴的な材料パラメータを第2表にまとめる。
Figure 2014517811
実施例3:
本発明によるコハク酸エステルを含む例示的組成物
以下において、本発明によるコハク酸エステルは、本発明によるエステルの適用幅を具体的に示すため、一般的なPVC組成物中に使用される。以下に挙げる組成物は、当業者により、それぞれの適用領域に存在する固有の加工・使用要件に適合可能であり、ないし適合されなければならない。
3.1 透明なトップコート(床被覆材)
64.5質量部 K値60〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえばVESTOLIT B 7021−Ultra)
32.3質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.9質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえばDRAPEX 39)
1.3質量部 安定剤(たとえばMARK C/Z 149)
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造はKreiss溶解機VDKV30−3(Niemann社)を用いて行なわれた。組成物の液状成分は、固形成分よりも前に、混合容器に秤量して入れられた。この混合物は、軟膏へらを用い、未湿潤粉末がもはや存在しなくなるまで手でよく練り合わされた。次いで、この混合容器は、溶解攪拌機のクランプ装置にセットされた。適切なミキサーディスク(D:50mm)によって、試料は均質化された。均質化の間、真空ポンプを用いて、混合容器内に真空がつくり出された。混合容器内の圧力は、真空計(DVR2、Vakuubrand社)によってチェックされた。10mbarを下回る圧力(絶対)が達成された。
さらに、回転数は、330回転/分から2000回転/分に引き上げられ、温度センサのデジタル表示温度が30℃に達するまで攪拌が行なわれた。こうして、所定のエネルギー供給時、確実にペーストの均質化が達成された。その後、プラスチゾルはさらに10分間、330回転/分の回転数にて攪拌され、脱気された。プラスチゾルの完成後、直ちに25℃に調温された。
シートの製造
シートの製造は、通例、熟成時間24時間(25℃にて)の経過後に行なわれる。シート製造のため、Mathis Labcoater(メーカー:W.Mathis AG社)のロールドクターに1.40mmのドクター隙間が設定された。これはセンサ隙間ゲージによってコントロールされ、場合により再調整された。製造されたプラスチゾルは、フレームに平坦に張設された上質光沢紙(Ultracast Patent;Sappi Ltd.社)にMathis Labcoaterのロールドクターで塗設された。ドクター塗設されたプラスチゾルは2分間Mathis炉中で200℃にてゲル化された。冷却後、シート厚は高速厚さ計(KXL047;Mitutoyo社)により0.01mmの精度で測定された。このシート厚は、上述したドクター隙間にて、あらゆる場合に0.95〜1.05mmであった。厚さの測定は、シートの異なった3箇所で実施された。
3.2 裏面フォーム(床被覆材)
61.5質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえばVINNOLITMP6852)
36質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.5質量部(たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした) 熱活性発泡剤
1質量部 酸価亜鉛
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.2に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造
シートの製造は、通例、プラスチゾル熟成時間24時間(25℃にて)の経過後に行なわれる。シート製造のため、Mathis Labcoater(メーカー:W.Mathis AG社)のロールドクターに1.00mmのドクター隙間が設定された。これはセンサ隙間ゲージによってコントロールされ、場合により再調整された。製造されたプラスチゾルは、フレームに平坦に張設された剥離紙(Warren Release Paper−Stripkote HER;Sappi Ltd.社)にMathis Labcoaterのロールドクターで塗設された。次いで、ドクター塗設されたプラスチゾルは30秒間Mathis炉中で200℃にてゲル化された。冷却後、シート厚は高速厚さ計(KXL047;Mitutoyo社)により0.01mmの精度で測定された。このフィル/シート厚は、上述したドクター隙間にて、あらゆる場合に0.74〜0.77mmであった。厚さの測定は、シートの異なった3箇所で実施された。続いて、同じくMathis Labcoaterにより、種々異なった炉内滞留時間(たとえば、60s、90s、120sおよび150s)にて発泡シート(フォーム)が製造された。
3.3 コーティング用フォーム被膜層(床被覆材)
35質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえばVESTOLIT P 1352 K)
24.5質量部 実施例2.3による本発明によるコハク酸エステル
35質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
2.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1質量部(たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした) 熱活性発泡剤
1質量部 酸価亜鉛
1質量部 イソプロパノール
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.3に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造
シートの製造は、実施例3.3によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.2に述べたのと同様に行なわれた。
3.4 カレンダー仕上げ床被覆材(ドライブレンド)
65質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271 PC)
31質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
0.5質量部 安定剤(たとえば、無金属有機安定剤たとえばMark OBS 1100)
1質量部 安定剤(たとえば、無金属有機安定剤たとえばMark OBS 1100)
2質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
0.5質量部 ステアリン酸カルシウム(工程助剤/滑剤として)
ドライブレンドの製造
ドライブレンドの製造はBrabender遊星運動型ミキサーで行なわれた。この遊星運動型ミキサーの混合容器は、90℃の定温に調温された。遊星運動型ミキサーには、ソフトウェア側で、以下のパラメータに設定した。
回転数プログラム:有り
プロファイル:回転数 50回転/分;保持時間:9分;上昇時間:1分
回転数 50回転/分;保持時間20分
混練機温度:88℃
測定範囲:2Nm
減衰:3
熱損失の発生により、混合容器内の温度は88℃に達した。遊星運動型ミキサーがセルフキャリブレーションを実施した後、固形成分は漏斗を経て混合容器に供給された。プログラムが開始され、粉末混合物は、液状成分が加えられる前に、10分間、混合容器内で攪拌された。液状成分は事前に秤量された。次いで、混合物は、さらに20分間、遊星運動型ミキサー内で攪拌された。プログラムの終了後、完成したドライブレンドが取り出され、室温に置かれた。トルク−時間・ダイヤグラムがソフトウェアを経て評価された。液状成分が加えられた後、顕著なカーブ上昇が観察される。このカーブが再び顕著に下降して初めて、可塑剤吸収が完了する。この2つの点の時間差が可塑剤吸収時間(ドライブレンド時間)である。最高トルクはプラグラムによって自動的に評価される。
ドライブレンドの加工
圧延シートの製造
圧延シートの製造は、Collin社のカレンダーW150 APで行なわれた。そのため、カレンダーを以下のパラメータに設定した:
ローラ温度:165℃
ローラ隙間:0.5mm
圧延時間:5min
圧延シート製造用5段式プログラム
ローラ温度に達した後、ローラ隙間がキャリブレーションされた。測定開始に当たり、ローラ隙間は0.2mmに設定された。ドライブレンドが秤量され(通例、総質量約160g)、ローラ停止時にローラ隙間に与えられた。プログラムが開始された。ローラは、回転数5回転/分、摩擦20%にて、スタートした。約1分後に可塑化の大部分が完了し、ローラ隙間は0.5mmに拡大された。カレンダーの自動シフトユニットにより3回の均質化が行なわれた。5分後に圧延シートはローラから取り出され、冷却された。
プレスプレートの製造
プレスプレートは、Collin社のラボプレスで製造された。事前に製造された圧延シート(上記参照)が、プレスプレートの製造に使用された。圧延シートの側縁は切断機を用いて取り除かれ、続いて、圧延シートは約14.5×14.5cmの大きさのピースに切断された。厚さ1mmのプレスプレート用に、それぞれ2枚の圧延シートピースが、15×15cmの大きさの特殊鋼製のフレーム中にセットされた。ラボプレスを以下のパラメータに設定した:
3相式プログラム:
相1:2プレート165°;プレスプレート圧:5bar;相時間:60秒
相2:2プレート165°;プレスプレート圧:200bar;相時間:120秒
相3:2プレート40°;プレスプレート圧:200bar;相時間:270秒
余分なプレスリップはプレスプレートの製造後に取り除かれた。
3.5 壁紙/壁布組成物・Boucleフォーム(効果フォーム)
48質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
26質量部 実施例2.3による本発明によるコハク酸エステル
2.5質量部 (たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした)熱活性発泡剤
15質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
4質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1.5質量部 分解触媒/K/Znベースの"Kicker"(たとえば、Baerostab KK 48)
1.5質量部 パラフィン系溶剤(たとえば、Isopar J)
1.5質量部 イソプロパノール
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造はラボ攪拌器"Eurostar"(F.IKA)によって行なわれた。この攪拌機に、直径50mmの歯付ミキサーディスクが取り付けられた。組成物の液状成分は、固形成分よりも前に、PE混合カップに入れて、計量器(Mettler XS6002S)で秤量された。この混合物は、軟膏へらを用い、未湿潤粉末が存在しなくなるまでよく練り合わされた。次いで、ラボ攪拌器が混合物中に浸漬され、攪拌機の回転数は、15s以内に、0から2000回転/分に引き上げられた。この混合物は、さらに45秒間、2000回転/分の回転数にて均質化され、こうして、すべてのプラスチゾルにつき60sの混合時間が遵守された。プラスチゾルの完成後、直ちに25.0℃に調温された。
プラスチゾルの加工/壁紙フォームの製造
少なくとも2時間、最高24時間の貯蔵保管時間の経過後に、プラスチゾルはMathis炉(LTE−TS型)で発泡された。支持体としては、コーティングされた壁紙(Ahlstrom GmbH社)が選択された。プラスチゾルは、ドクターコーティング装置を用い、3つの異なった厚さ(300μm、200μmおよび100μm)で塗布された。それぞれ3つのプラスチゾルが並行して塗布された。これらのプラスチゾルは、3つの異なった温度(200℃、210℃および220℃)にて、滞留時間60秒で発泡された。フォームの冷却後、壁紙はさらなる加工のために裁断された。
3.6 壁紙/壁布組成物・平滑フォーム
18質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
16質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する乳濁液PVC(たとえば、VINNOLIT E 67 ST)
13.5質量部 K値55〜67(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する微細懸濁液PVC(たとえば、VESTOLIT B 6021−Ultra)
25質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
1.5質量部 (たとえば、アゾジカルボンアミドをベースとした)熱活性発泡剤
3質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
2質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
20質量部 炭酸カルシウムマグネシウム(たとえば、Microdol A 1)
1質量部 分解触媒/K/Znベースの"Kicker"(たとえば、Baerostab KK 48)
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.6に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造
壁紙/壁布の製造は、実施例3.6によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
3.7 壁紙/壁布組成物・Kompakt−Matt
28質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT E 7012 S)
26質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
37質量部 沈殿無コーティング炭酸カルシウム(たとえば、SOCAL N2R)
4.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
3質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1.5質量部 安定剤(たとえば、Mark B/Z 562)
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.7に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造
壁紙/壁布の製造は、実施例3.7によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.5に述べたのと同様に行なわれた。
3.8 PVC防水シート・コーティング材
55質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有するPVC(たとえば、VESTOLIT P 1430 K70)
33質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
8質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Calcilit 8 G)
1.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
1.5質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1質量部 安定剤(たとえば、MARK B/Z 561)
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.8に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
シートの製造
防水シートの製造は、実施例3.8によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
3.9 PVC屋根葺き材
65質量部K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
31.5質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
2質量部 (助)安定剤としてのエポキシ化された大豆油(たとえば、DRAPEX 39)
1質量部 安定剤(たとえば、MARK B/Z 561)
0.5質量部 ステアリン酸カルシウム
ドライブレンドの製造
ドライブレンドの製造は、実施例3.9に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造
プレスプレートの製造は、実施例3.9によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
3.10 PVCホース用組成物(填剤入り)
65質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
20質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
12.5質量部 炭酸カルシウム(たとえば、Omya EXH1−OM)
1.5質量部 二酸化チタン(たとえば、Kronos 2220)
0.5質量部 安定剤(たとえば、Baerostab MC 8763−1 CP)
0.5質量部 脂肪酸エステルをベースとした滑剤(たとえば、Loxiol G 40)
ドライブレンドの製造
ドライブレンドの製造は、実施例3.10に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造
プレスプレートの製造は、実施例3.10によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
3.11 ケーブル被覆材
46.5質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
29質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
23質量部 炭酸カルシウム(たとえば、OMYA BSH)
1.5質量部 安定剤(たとえば、Baeropan MC KA 83/5)
ドライブレンドの製造
ドライブレンドの製造は、実施例3.11に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造
プレスプレートの製造は、実施例3.11によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
3.12 ケーブル絶縁材
43質量部 K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、SolVin 271PC)
21質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
34質量部 炭酸カルシウム(たとえば、OMYA BSH)
2質量部 安定剤(たとえば、Baeropan MC KA 83/5)
ドライブレンドの製造
ドライブレンドの製造は、実施例3.12に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
プレスプレートの製造
プレスプレートの製造は、実施例3.12によって製造されたドライブレンドを使用したことを除き、実施例3.4に述べたのと同様に行なわれた。
3.13 保護材(UBS)
32質量部K値65〜75(DIN EN ISO 1628−2に準拠)を有する懸濁液PVC(たとえば、VESTOLIT E7031)
41質量部 実施例2.3による本発明のコハク酸エステル
21.5質量部 コーティングされた炭酸カルシウム(たとえば、SOCAL 312)
2質量部 (白色)細粒石灰/生石灰(たとえば、PRECAL 30S)
1質量部 定着剤(たとえば、Nouribond 323;Air Products社)
0.5質量部 酸化亜鉛(たとえば、活性酸化亜鉛)
2質量部 沸点>180℃の脂肪族溶剤(たとえば、Shellsol D70)
プラスチゾルの製造
プラスチゾルの製造は、実施例3.13に挙げた組成物を使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
以下において、本発明によるコハク酸エステルは選択されたPVC組成物中に使用され、得られる利点を詳細に示すため、材料特性、加工特性および製品特性に関して広範に検査される。その際、以下に示した組成物は同じく一般に得られたものであり、当業者により、それぞれの適用領域に存在する固有の加工・使用要件に適合化可能であり、ないし適合化されなければならない。
実施例4:
PVCトップコート組成物(プラスチゾル)へのコハク酸ジイソノニルエステル(コハク酸ジイソノニル)の使用−トップコートプラスチゾルの製造
以下の組成物は、たとえば、(多層)PVC床被覆材の製造に使用される類の透明トップコート被膜層に本発明によるコハク酸エステルを使用するためのものである。プラスチゾルの製造は、実施例3.1に従い、ただし配合を相異させて行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(3)から看取されよう。
第3表:PVCトップコート組成物
[すべての表示はphr(=PVC100質量部当たりの質量部)で行なわれている]
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
使用された物質を以下に詳細に述べる:
Vestolit B 7021−Ultra:K値70(DIN EN ISO 1628−2に準拠して測定)を有する微細懸濁液PVC(ホモポリマー)
VESTINOL(登録商標)9:ジイソノニル(オルト)フタレート(DINP)、可塑剤;Evonik Oxeno GmbH社
Drapex 39:エポキシ化された大豆油;軟化作用を有する助安定剤;Chemtura/Galata Chemicals社
Mark CZ 149:カルシウム/亜鉛・安定剤;Chemtura/Galata Chemicals社
実施例5:
貯蔵保管時間24時間(25℃)経過後のコハク酸ジイソノニルを含むトップコートプラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例4で製造されたプラスチゾルの粘度測定は、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用い、化学分析、第11項に述べた手順によって行なわれた。結果は、下記の表(4)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
第4表:25℃にて24時間貯蔵保管した後の実施例4のプラスチゾルのせん断粘度
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
n.bb.=測定不可
DINP標準プラスチゾル(1)に比較して、他のすべてのプラスチゾルは、著しく低いせん断粘度を有しており、本発明によるプラスチゾル(4)のそれは予測どおり、コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)をベースとした類似のプラスチゾルのそれよりもやや高い。したがって、非常に低いプラスチゾル粘度を有し、それにより、公知のDINPプラスチゾルよりも著しく優れた加工性を有する、本発明によるプラスチゾルが提供されることとなる。アジピン酸イソノニルをベースとした同じく公知のプラスチゾルに比較して、再生原料からの容易な入手可能性ならびにアジピン酸に比較したコハク酸の価格上の利点を本発明によるプラスチゾルの長所として挙げることができる。さらに、著しく低いプラスチゾル粘度により、当業者は、相応した配合適合化を通じて、可塑剤総量を著しく低減することが可能である。
実施例6:
実施例4で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例4で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(5)に示したとおりである。
第5表:実施例4によって製造されたPVCトップコートプラスチゾルの、ゲル化曲線(粘度曲線)から判定されたゲル化挙動の頂点
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるプラスチゾルのゲル化の経過は、DINP標準プラスチゾルのそれよりも著しく緩慢であり、アジピン酸ジ(イソノニル)をベースとしたプラスチゾルのそれとほぼ同一である。コハク酸ジ(2−エチルヘキシル)をベースとしたプラスチゾルはそれらの中間の位置を占めている。他方で、緩慢なゲル化は、高温時にもなお、固化することなく、プラスチゾルの可逆的な成形加工が可能であることを意味している。DINP標準プラスチゾルに比較したゲル化速度の不足は、必要に応じ、当業者により、その他の可塑剤とくに急速ゲル化可塑剤(たとえば、C4またはC5エステル鎖を有したテレフタレートないしC5〜C13エステル基を有したベンゾエート)の添加によって容易に補償可能である。
実施例7:
ショア硬度(ショアA)の測定による注型品に関する軟化作用ないし可塑剤効果の測定
ショア硬度は検体の柔軟さの尺度である。一定の測定時間内に、標準化された針が検体中に侵入し得る深度が深いほど、測定値は低いものになる。最も効果の高い可塑剤は、同一可塑剤量で、最も低いショア硬度値を結果する。実際に、組成物/調合物は一定のショア硬度に調整ないし最適化されることが多いため、非常に効果的な可塑剤であれば、組成物への添加に際し一定の割合を節約することが可能であり、これは加工コストの低下を意味することになる。
ショア硬度を測定するために、実施例4によって製造されたプラスチゾルが、直径42mmの真鍮製の円形の注入型に注入された(注入秤量:20.0g)。次いで、注入型内のプラスチゾルは空気循環乾燥器中で30分間200℃にてゲル化され、冷却後に取り出され、測定前に少なくとも24時間、乾燥器中(25℃)に貯蔵保管された。ディスクの厚さは約12mmであった。硬度測定の結果は第6表に示したとおりである。
第6表:本発明によるコハク酸ジイソノニルを含むトップコートプラスチゾル(実施例4)から製造された(実施例7による)注型品のショアA硬度
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジ(イソノニル)は、(可塑剤量を基準として)、公知のDINP(=標準可塑剤)と同じ可塑剤効果を有している。したがって、著しく低い固有粘度を有すると同時に、DINP標準と同等な軟化作用を有し、しかもフタレートを含有せず、再生原料をベースとして製造可能な、本発明によるエステルが提供されることとなる。
実施例8:
トップコートシートの不透明度、黄色度指数および発汗挙動の測定
トップコートシートの製造は、実施例4のプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
透明度は、透明度が高い(=不透明度が低い)場合にのみ最適な全体像の達成が可能となるために、床被覆材分野におけるPVCトップコートの重要な品質判定基準である。PVCトップコートシートの透明度は、また、シート製造に使用される配合成分の適合性の尺度として、とりわけ、PVC母材と可塑剤との適合性評価の尺度としても適当である。高い透明度(=低い不透明度)は、通例、良好な適合性を意味する。不透明度の測定は、化学分析、第14項に述べたように、実施例8で製造されたトップコートシートを使用して行なわれた。
黄色度指数はもう1つの重要な品質判定基準である。トップコートの黄変はフロア装飾の大幅な視覚的印象悪化を招来し得るために、PVCトップコートの場合には、通例、非常に低い黄色度指数しか許容されることができない。黄変は、一方で配合成分により(同じくその副生成物および分解生成物によっても)引き起こされることがあるだけでなく、他方で製造工程中および/またはトップコートないし床被覆材の使用中の(たとえば熱酸化)分解によっても生ずることがある。黄色度指数の測定は、化学分析、第12項に述べたように、実施例8で製造されたトップコートシートを使用して行なわれた。
トップコートシートの発汗挙動の判定は、ゲル化した系における使用された可塑剤とその他の配合成分の持久性に関する帰納的推定を可能にするものである。(たとえば、シート表面における潤滑膜および/小滴の形成という形をとって現れることのある)配合成分の強度の移動は、視覚的かつ美的のみならず、数多くの実際的短所も招来する。たとえば、粘着性の高まりにより、もはや取り去ることのできないもしくは少なくとも完全には取り去ることのできない塵や汚れの付着が生じ、こうして、非常に短期間のうちに不適な外観が生ずる。加えて、表面の感触が大幅に損なわれ、さらに滑りやすさの危険が高まる。さらに、固定用接着剤との相互作用によって、床被覆材の不測の剥離が生ずる。発汗挙動の判定には、第7表に挙げた採点基準が使用される。発汗とは、通例、いわゆる"ノックアウト"基準であることから、評価に際しては僅かな採点区分だけで十分である。シートは評価期間中、25℃にて貯蔵保管される。
第7表:トップコートシートの発汗挙動評価のための評価基準
Figure 2014517811
表面判定および裏面判定の結果は第8表に示したとおりである。
第8表:実施例8によるゲル化したトップコートシートの表面および裏面判定の結果
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
不透明度および黄色度指数につき、本発明によるプラスチゾルをベースとして製造されたシートは、DINP標準(1)に比較して、顕著な利点を有している。他方、適合性(発汗挙動)は、DINPに比して僅かに劣っている。DINP標準プラスチゾルに比較した適合性の僅かな不足は、必要に応じ、当業者によりまたも、その他の可塑剤とくに急速ゲル化可塑剤(たとえば、C4またはC5エステル鎖を有したテレフタレートないしC5〜C13エステル基を有したベンゾエート)の添加によって、または加工条件の適合化(たとえば、ゲル化温度の引き上げ)によって容易に補償可能である。
実施例9:
トップコートシートの熱安定性の測定
熱安定性検査は、特にこの問題のために開発されたフレーム構造を使用し、Mathisサーモテスター(LTE−TS型;Mathis AG社)の近傍/内部で行なわれた。この場合、テストフレームは、先ず、炉領域内に完全に進入させられ、その後に一定の送りによって、炉から押し出され、こうして、試料ストリップに滞留時間の異なる(=温度負荷の異なる)領域が生じさせられる。テストストリップ製造のベースとしては、実施例8で製造されたシートが使用された。試料は、先ず、裁断機を用いて裁断された。その際、シートの幅が20cmになるよう、シートの側方端縁が切り取られた。続いて、それぞれ2枚のストリップ(20*2cm)が裁断された。これらのストリップは、熱安定性を測定するため、上述したフレームのレールに直列に配置され、金属クランプと接着テープで固定され、こうして、約40cmの全長が形成された。フレームの最も外側に位置する4本のレールには、試料の配置は行なわれなかった(炉領域内の不均一な温度分布の排除)。Mathisサーモテスター(LTE−TS型、Mathis AG社)を以下のパラメータに設定した:
温度:200℃
テストフレームの送り間隔:28mm
間隔時間:1分
ファン回転数:1800回転/分
温度調整後、フレームはサーモテスターのガイドに嵌合されて、測定が開始された。
Byk色測定機(Spectro Guide 45/0、Byk.Gardner社)を用いて、黄色度指数Y(Index D1925)を含めたL*a*b*が求められた。最適な測定結果を得るため、光種別C/2°が設定され、試料観察機の使用が行なわれた。こうして、熱安定性テストストリップは、送り(28mm)のたびに測定された。測定値は、白いタイルを背景として、測定された。すでにシートの製造直後に生じていた黄変(第8表、参照)はゼロ値として使用され、つまり、求められた値から引かれた。
第9表:実施例8で製造されたトップコートシートの、200℃にて異なった熱負荷時間後の黄色度指数
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるプラスチゾルをベースとして製造されたシートは、驚くべきことに、DINP標準試料(1)と比較しても、また、アジピン酸ジ(イソノニル)試料(2)と比較しても、著しく優れた熱安定性を有している。したがって、温度変動ならびに炉内滞留時間の延長に対して、従来の技術から知られているよりも著しく高い耐性を有する、透明なPVCシートが提供されることとなる。
実施例10:
PVCトップコート組成物(プラスチゾル)への他の可塑剤との同時使用によるコハク酸ジイソノニルエステル(コハク酸ジイソノニル)の使用−トップコートプラスチゾルの製造
実施例4〜9で述べたように、本発明による組成物、調合物ないしそれらから製造可能な半製品の一定の材料パラメータの適合化は、本発明によるコハク酸エステルとその他の可塑剤との組み合わせによって可能である。以下の実施例は、こうした可塑剤組み合わせの利点を詳細に説明しようとするものである。プラスチゾルの製造は、実施例3.1に従い、ただし、配合を相異させて行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(10)から看取されよう。
第10表:組み合わされた可塑剤を有するPVCトップコート組成物
[すべての表示はphr(=PVC100質量部当たりの質量部)で行なわれている]
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
先行実施例に挙げられていない限りの使用された物質を以下に詳細に説明する:
Unimoll AGF:グリセリンアセテート混合物;可塑剤;Lanxess AG
Grinstedt’s Soft’n Safe:オクタデカン酸−12−(アセチルオキシ)−2,3−ビス(アセチルオキシ)プロピルエステル;ひまし油をベースとして製造されたグリセリントリエステル;可塑剤;Danisco A/S社
イソソルビドジイソノニルエステル:ドイツ公開第102007006442A1に準拠して製造されたラボ製品、実施例2
実施例11:
貯蔵保管時間24時間(25℃にて)の経過後のコハク酸ジノニルとその他の可塑剤を含むトップコートプラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例10で製造されたプラスチゾルの粘度測定は、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用い、化学分析、第11項に述べた手順で行なわれた。結果は、下記の表(11)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
第11表:25℃にて24時間の貯蔵保管経過後の実施例10によるプラスチゾルのせん断粘度
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルのみを含む本発明によるプラスチゾル((2)〜(4))のプラスチゾル粘度はすべて、DINP標準プラスチゾル(1)によって達成される値を大幅に下回っており、しかも、可塑剤量が有意に低減(約20%)された場合にもそうである。このことは、特に、本発明によるこれらのプラスチゾルは、数多くの重要な塗設法(たとえば、ドクター塗布)に際して、より速やかに塗布可能であることを意味している。本発明によるコハク酸ジイソノニルとその他の可塑剤を組み合わせたケース((5)〜(8))にあっても、大部分の場合(同じく、可塑剤総量を20%低減させても)、DINP標準プラスチゾルの場合よりも著しく低いプラスチゾル粘度が維持される。ただ、本発明によるコハク酸ジイソノニルとグリセリンエステルGrinstedt’s Soft’n Safeとからなる混合物(7)が、DINP標準プラスチゾルに比較して(やや)高いプラスチゾル粘度を示しているにすぎない。したがって、公知のDINP標準に比較して有意に改善された加工性を有すると共に、とりわけ、数多くの重要な塗設法に際して、著しく高い加工速度を可能とする、本発明によるプラスチゾルが提供されることとなる。
実施例12:
実施例10で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例10で製造されたPVCトップコートプラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間、25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(12)に示したとおりである。
第12表:実施例10によって製造されたPVCトップコートプラスチゾルの、ゲル化曲線(粘度曲線)から判定されたゲル化挙動の頂点
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルは単独では、プラスチゾル中の可塑剤濃度が著しく低い(DINP標準プラスチゾル(1)に比較して−20%)場合に初めて、DINPと類似したゲル化を結果する。その際、類似した当初速度は達成されるが(4)、爾後のゲル化の推移、ただしとりわけ、ゲル化しきった状態で達成可能な最高プラスチゾル粘度は、DINP標準プラスチゾルのそれを著しく下回っている。ただし、本発明によるコハク酸イソノニルとその他の可塑剤とからなる組み合わせは、こうした差を容易に補うことができ、若干のケース((6)および(7))にあっては、より速やかなゲル化と、ゲル化しきった状態での、より高い最高粘度の達成さえも結果する。したがって、なかんずく、本発明によるコハク酸エステル可塑剤と、グリセリンエステルを基礎としたその他の可塑剤とからなる組み合わせは、とりわけDINP標準プラスチゾルに比較して、プラスチゾル中の総可塑剤濃度の大幅な減少(と共に、それによる著しく高い経済性)を達成することができ、しかもその際同時に、オルトフタレート無しに、極めて高い割合の可塑剤を、再生原料をベースとして製造することができるため、特に有利であると思われる。
実施例13:
トップコート検体の吸水率および洗脱挙動の測定
吸水率と洗脱挙動は、PVC床被覆材の品質判定に際する2つの重要な基準である。PVC床が比較的多量の水を吸収する場合には、それにより、一方でその材料特性が変化すると共に、他方で視覚的印象も変化する(たとえば混濁)。したがって、高い吸水率は、通例、望ましくない。洗脱挙動は、(たとえば、床被覆材または屋根葺き材の)使用条件下における配合成分の持久性にとっての付加的な基準である。これは、特に、安定剤、可塑剤および/またはそれらの成分に当てはまる。というのも、PVC床材中のこれらの配合成分の濃度低下は、材料特性を劣化させるだけでなく、また、床被覆材の耐用寿命も大幅に低下させるからである。それゆえ、特に、床表面被膜層(たとえば、透明トップコート)において、吸水率と洗脱挙動は特に重要である。
耐水性を測定するために、ゲル化された1mmポリマーフィルム(Mathis炉でのゲル化条件:200℃/2min)が使用された。検体として、フィルムから直径3cmの円盤が切り抜かれた。水中放置前に、これらの円盤検体は24時間、乾燥剤(KC−Trockenperlen)を備えた乾燥器中に25℃にて貯蔵保管された。当初重量(初期秤量)は、化学天秤で正確に0.1mgと秤量された。円盤検体は、次いで、VE水を満たした振動浴(Typ:WNB(40l);メーカー:Memmert社)中に、30℃にて24時間、適切な試料ホルダーを用いて水面下に置かれ、連続的に振動に付された。水中放置終了後、これらの円盤検体は水浴から取り出され、乾燥されて、秤量された(24時間後の重量)。秤量された円盤検体は新たに水浴中に置かれ、7日後に、乾燥した状態で、新たに秤量された(7日後の重量)。第2回の秤量後、円盤検体は再び24時間、乾燥剤(KC−Trockenperlen)を備えた乾燥器中に25℃にて貯蔵保管され、続いて、再度秤量された(最終秤量=乾燥後の重量)。重量変化は百分率にて計算され、第13表に示されている。
第13表:実施例13によって製造されたトップコート検体で測定された吸水率および洗脱挙動
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルを含む検体は、基本的に、DINP標準と類似した吸水率ないし類似の洗脱挙動を有しており、2つのケースにおいてのみ僅かな効果が現れる。本発明によるコハク酸ジイソノニルとイソソルビドエステルとからなる組み合わせは特に低い吸水率を有すると同時に、支持体への水の結合も洗脱も示すことがなく、これは特に有利であると評価することができる。
実施例14:
ショア硬度(ショアA)の測定による注型品の軟化作用ないし可塑剤効果の測定
注型品の製造は、実施例10に従って製造されたプラスチゾルを用いたことを除き、実施例7に述べた手順で行なわれた。ショア硬度の測定は、化学分析、第14項(上記、参照)に述べた手順に従って行なわれた。硬度測定の結果は、以下の表(14)に示したとおりである。
第14表:コハク酸ジイソノニルとその他の可塑剤を含むトップコートプラスチゾル(実施例10)から製造された注型品のショアA硬度
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルは、単独で使用される場合((2)〜(4))には、可塑剤量が10%減少された場合(3)でさえも、DINPと同様な軟化作用を有している。ただし、可塑剤総量が20%減少された場合には、グリセリンエステルおよびイソソルビドエステルとの可塑剤組み合わせの使用によっても、DINPレベルへの引き上げは容易に行なえるわけではない。当業者には、こうした問題に対処する一方法として、急速にゲル化する(いわゆる急速ゲル化剤)たとえば安息香酸エステル、クエン酸エステル、アルキルスルホン酸エステル等を含む可塑剤の使用が薦められる。
実施例15:
トップコートシートの不透明度、黄色度指数および発汗挙動の測定
トップコートシートの製造は、実施例10によって製造されたプラスチゾルを使用したことを除き、実施例3.1に述べたのと同様に行なわれた。
不透明度の測定は、化学分析、第15項(上記、参照)に述べた手順に従って行なわれた。
トップコートシートの黄色度指数の測定は、化学分析、第13項(上記、参照)に述べた手順で行なわれた。
発汗挙動の判定は、実施例8に述べた方法により、第7表に挙げた採点基準を使用して行なわれた。
表面判定および裏面判定の結果は第15表に示したとおりである。
第15表:実施例15によるゲル化したトップコートシートの表面判定および裏面判定の結果
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルが単独で使用される場合((2)〜(4))には、不透明度/透明度に関しても、黄色度数に関しても、DINP標準(1)の場合と同様な値が達成される。本発明によるコハク酸ジイソノニルとその他の可塑剤とからなる組み合わせの場合には、黄色度指数の高まりと同時に、透明度の低下が生ずる。ただし、この場合、これらの試料は、とりわけ可塑剤総量がDINP試料に比較して大幅に低減されていることから、なお受容可能な範囲内にある。発汗挙動に関しては、本発明によるコハク酸ジイソノニルとUnimoll AGFとからなる組み合わせを除いて、すべての試料は受容可能な性能を有している。不透明度ならびに発汗挙動の双方に関する軽度な短所は、当業者により、加工技術的対策および/または配合技術的対策たとえば(使用された本発明によるコハク酸ジイソノニルに比較して速やかにゲル化する)僅少量の可塑剤の添加によって、容易に補償可能である。
実施例16:
効果フォームに使用するための填剤入りの着色膨張性/発泡性PVCプラスチゾルの製造
以下、効果フォーム(特別な表面構造を有するフォーム)の製造に適した、充填剤および顔料を含む熱膨張性PVCプラスチゾルを例として、本発明によるプラスチゾルの利点を具体的に述べることとする。これらのフォームは、繊維分野から公知の外観パターンによって、しばしば、"ブークレ(Boucle)フォーム"とも称される。この場合、以下に挙げたプラスチゾルは、たとえば、壁被覆材の製造に使用される熱膨張性プラスチゾルを表している。とりわけ、以下に挙げた本発明によるプラスチゾルは、たとえば、PVC壁紙/壁布に使用されるフォーム被膜層を表している。
これらのプラスチゾルの製造は、配合を相異させたことを除き、実施例3.5と同様に行なわれた。さまざまなプラスチゾルの成分の使用された質量は以下の表(16)から看取されよう。
第16表:実施例10による填剤入りの着色膨張性PVCプラスチゾルの組成
[すべての表示はphr(=PVC100質量部当たりの質量部)で行なわれている]
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
先行実施例に挙げられていない限りの使用された物質を以下に詳細に説明する:
Vestolit E 7012 S:K値67(DIN EN ISO 1628−2に準拠して測定)を有する乳濁液PVC(ホモポリマー);Vestolit GmbH社
Unicell D200A:アゾジカルボンアミド;熱活性発泡剤;Tramaco GmbH社
Calibrite−OG:炭酸カルシウム;充填剤;OMYA AG社
KRONOS 2220:AlおよびSiで安定化されたルチル顔料(TiO2);白色顔料;Kronos Worldwide Inc.社
Baerostab KK 48−1:カリウム/亜鉛−"Kicker";熱発泡剤用の分解触媒;発泡剤の物質固有分解温度を低下させる;同時に安定作用も有する;Baelocher GmbH社
Isopar J:イソパラフィン、プラスチゾル粘度を低下させるための助溶剤;Moller Chemie社
イソプロパノール:プラスチゾル粘度を低下させるための助溶媒ならびに発泡構造を改善するための添加剤(Brenntag AG社)
実施例17:
貯蔵保管時間24時間(25℃にて)の経過後の、実施例10による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのプラスチゾル粘度の測定
実施例16で製造されたプラスチゾルの粘度の測定は、化学分析、第11項(上記、参照)に述べたのと同様、レオメーターPhysica MCR 101(Paar−Physica社)を用いて行なわれた。結果は、下記の表(17)に、例示的に、せん断速度100/s、10/s、1/sおよび0.1/sについて示したとおりである。
第17表:25℃にて24時間貯蔵保管した後の、実施例16によるプラスチゾルのせん断粘度
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
本発明によるコハク酸ジイソノニルを含むすべてのプラスチゾルは、せん断速度10*s−1を超えると、DINPプラスチゾル(=標準)よりも著しく低いせん断粘度を有する。この場合、純粋なコハク酸ジイソノニルの使用も、可塑剤組み合わせの使用も、いずれも共に有利である。特に、約20%低減した可塑剤量((1)に比較した(4))でさえもなお著しく低いプラスチゾル粘度を結果する点に注目しなければならない。したがって、DINPに比較して、著しく低い量の可塑剤の使用が可能であると想定することができる。それゆえ、目下の標準(DINP)に比較して、著しく向上した加工性を有すると共に、特に、著しく高い加工速度を可能にし、同時に、可塑剤量の顕著な低減を実現可能な本発明によるプラスチゾルが提供されることとなる。
実施例18:
実施例16による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのゲル化挙動の測定
実施例16で製造された填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルのゲル化挙動の検査は、プラスチゾルを24時間、25℃にて貯蔵保管した後、化学分析、第12項(上記、参照)に述べたように、Physica MCR 101を用い振動モードにて行なわれた。結果は下記の表(18)に示したとおりである。
第18表:実施例16によって製造された填剤入りの着色膨張性プラスチゾルのゲル化曲線(粘度曲線)から判定されたゲル化挙動の頂点
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
可塑剤量が同じ場合((2)と(1)との比較時)、本発明によるコハク酸可塑剤のゲル化速度はDINP標準の速度を著しく下回っており、ないし、本発明によるコハク酸可塑剤のゲル化温度はDINP標準のゲル化温度を著しく上回っている。しかしながら、一連の可塑剤濃度系列((2)〜(4))は、ゲル化速度ないしゲル化温度は、すでにプラスチゾル粘度(実施例17、参照)からその旨容易に思量可能なように、可塑剤含有量の低減化によって、顕著にDINP標準の方向にずらすことができることを明白に示している。発泡かつゲル化した状態において達成可能な最高プラスチゾル粘度も、DINPプラスチゾルの方向に顕著に移動する。その他の可塑剤との組み合わせ((5)〜(8))により、DINP標準によって達成された値を問題なく再調整することができ、しかもその際、なお約20%の可塑剤総量の低減化が可能である。したがって、可塑剤量が著しく低減されても、DINP標準から知られている優れたゲル化特性を示すと同時に、オルトフタレート無含有ないし無含有であってよい、本発明によるプラスチゾルが提供されることとなる。
実施例19:
実施例16による填剤入りの着色熱膨張性プラスチゾルからの効果フォームの製造および判定
効果フォーム壁紙・壁布の製造は、実施例16によって製造されたプラスチゾルを使用し、実施例3.5に述べた手順に従って実施されたが、その際、プラスチゾルは、加工前に、2時間25℃にて貯蔵保管された。
黄色度指数の検査は、ゲル化した試料につき、化学分析、第13項に述べたように行なわれた(上記、参照)。
膨張挙動の判定に際しては、DINP試料が比較標準として用いられる。したがって、正常な膨張挙動(="O.K.")とはDINP試料の挙動に等しい。
表面品質ないし表面構造の判定に際しては、とりわけ、表面構造の一様性ないし規則性が評価される。個々の効果要素の寸法膨張も共に評価に組み入れられる。
加えてさらに、配合成分の滲出ないし移動に関する裏面の判定(紙)が組み込まれる。表面構造の判定の基礎とされる採点基準は以下の表(19)に述べたとおりである。
第19表:効果フォームの表面品質を判定するための評価基準
Figure 2014517811
壁紙裏面の判定(移動)の基礎とされる採点基準は以下の表(20)に述べたとおりである。
第20表:効果フォームの裏面判定のための評価基準
Figure 2014517811
効果フォーム(つまり、特別な/特に際立った表面構造が付されることとなるフォーム)の表面構造は、基本的に、製造に使用されるプラスチゾルの成分と加工特性によって決定される。これについては、特に、プラスチゾル粘度、(たとえば、せん断速度の関数としてのプラスチゾル粘度曲線を経て特徴づけられる)プラスチゾルの流れ挙動、(とりわけ、気泡のサイズおよび分布にとって決定的である)プラスチゾルのゲル化挙動、使用された可塑剤が発泡剤の分解に及ぼす影響(いわゆる"Auto−Kick効果")、ならびに、発泡剤(単数/複数)および分解触媒(単数/複数)の選択と組み合わせ、を挙げることができる。これらは、基本的に、使用物質とくに使用される可塑剤の選択によって影響され、したがって、その選択によって意図的に制御することが可能である。
コーティングされた紙の裏面の判定は、ゲル化した系における使用された可塑剤とその他の組成物成分との持続性の帰納的推定を可能にするものである。組成物成分の強度な移動は、視覚的かつ美的のみならず、数多くの実際的短所も招来する。たとえば、粘着性の高まりにより、もはや取り去ることのできないもしくは少なくとも完全には取り去ることのできない塵や汚れの付着が生じ、こうして、非常に短期間で不適な外観が生ずる。さらに、組成物成分の移動は、通例、印刷適性ないし印刷の保ちに非常に不適に作用する。さらに、固定用接着剤(たとえば壁紙接着剤)との相互作用によって、壁被覆材の不測の剥離が生ずることがある。
熱膨張性プラスチゾルの判定に際し、黄色度指数は二重の観点からして重要である。それは、一方で、発泡剤の分解度(=非分解状態で黄色)を表示すると共に、他方で、熱安定性の尺度でもある(熱負荷の結果としての変色)。
表面判定および裏面判定の結果は第17表に示したとおりである。
第21表:実施例19によるゲル化した効果フォームの表面判定および裏面判定の結果
Figure 2014517811
**=比較実施例
*=本発明による
すべての試料の膨張挙動は、DINP標準試料(1)のそれと同等である。試料の黄色度指数も類似のレベルにあるが、プラスチゾル中の使用可塑剤濃度および使用された付加的可塑剤に応じて、一定の変動幅が生ずる。Unimoll AGFを含む2つのプラスチゾルは、Unimoll AGF自体がすでにはっきり認められる黄褐色の色調を有している限りで、一定の短所を有している。表面品質についてはなお、配合最適化に関する可能性が認められるが、この場合、品質は使用される助可塑剤に明らかに依存している。すべてのケースにおいて、壁紙への組成物成分の移動は見出されない。全体として、本発明によるコハク酸イソノニルと一定のグリセリンエステルとからなる組み合わせ(7)が最良の結果を示し、DINP標準と同等な結果をもたらしている。したがって、著しく高い可塑剤効果(つまり、著しく低い可塑剤量)と大幅に向上した加工性を有すると共に、目下の標準DINPと同等な品質を有する効果フォームの製造を可能とし、その際、同時に、一定割合の使用可塑剤を(オプショナルに)再生原料ベースとし、かつ、(オプショナルに)オルトフタレート無含有組成物も実現可能なプラスチゾルが提供されることとなる。

Claims (21)

  1. アルキル基は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルキル成分を有し、かつ、アルキル基は、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルキル成分を有し、その際、3,5,5−トリメチルヘキシル基の割合は最高5mol%であり、直鎖状n−ノニル基の割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸(Bersteinsaeure)エステル混合物。
  2. コハク酸(Bersteinsaeure)の割合は、前記混合物中に再生原料をベースとしたエステルとして存在しているコハク酸の全ての部を基準として、少なくとも10mol%であることを特徴とする、請求項1に記載の混合物。
  3. 少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は最高5mol%であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の混合物。
  4. 最高49.5mol%の割合で、カルボキシル基の酸素の後の2番目の炭素原子において1メチル分岐を有する、炭素原子数9個のアルキル基を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合物。
  5. 沸点は180℃を上回っていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の混合物。
  6. 固有粘度は、せん断レオメトリーにより測定して、せん断速度1/sにて20℃の温度時に最高40mPa・sであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の混合物。
  7. 製造に使用されるアルコール混合物は、最高15質量%の割合で、C原子数9個未満のアルコール成分を有すると共に、最高25質量%の割合で、C原子数9個超のアルコール成分を有し、その際、前記アルコール混合物中の3,5,5−トリメチルヘキサノールの割合は最高5mol%であり、前記アルコール混合物中の直鎖状n−ノナノールの割合は最高15mol%であることを特徴とするコハク酸エステル混合物。
  8. エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸(Bersteinsaeure)またはコハク酸(Bersteinsaeure)誘導体の割合は、少なくとも10mol%であることを特徴とする、請求項7に記載の混合物。
  9. 少なくとも1つの3,5,5−トリメチルヘキシル基を含むコハク酸エステルの割合は、最高5mol%であることを特徴とする、請求項7または8のいずれか1項に記載の混合物。
  10. 使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、アルコールのβ炭素原子において1メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の混合物。
  11. 使用されるアルコール混合物は、最高49.5mol%の割合で、2メチル分岐を有する、炭素原子数9個の異性アルコールを含んでいることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の混合物。
  12. コハク酸またはコハク酸誘導体を異性アルコール混合物と接触させることを含み、これによって水またはメタノールが脱離され、その際、50%までの化学量論的に過剰な量のアルコール混合物が使用され、反応は、チタン酸ブチル、チタン酸ノニルを含む群から選択された触媒の使用下で行なわれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合物を製造する方法。
  13. エステルの製造に使用される、再生原料をベースとしたコハク酸(Bersteinsaeure)またはコハク酸(Bersteinsaeure)誘導体の割合は、少なくとも10mol%である、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む組成物。
  15. さらに、安息香酸アルキル、アジピン酸ジアルキル、グリセリンエステル、クエン酸トリアルキルエステル、アシル化されたクエン酸トリアルキルエステル、トリメリット酸トリアルキル、二安息香酸グリコール、ジアルキルテレフタレート、ジアルキルフタレート、イソソルビドのジアルカノイルエステルおよび/または1,2−、1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のジアルキルエステルからなる群から選択された少なくとも1の可塑剤を含む、請求項14に記載の組成物。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物の、可塑剤としての使用。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む成形部材。
  18. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む床被覆材。
  19. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む壁被覆材。
  20. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含む保護材、シール材または接着剤。
  21. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の混合物を含むシートまたは防水シート。
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