JP2014515651A - 肩関節プロテーゼ - Google Patents

Abstract

本開示は、切除された上腕骨へプロテーゼを固定するための固定装置を備えるステム無し肩関節プロテーゼに関する。固定装置は、ベース部１１、３１、３２と定着手段１２、１２’とを備え、ベース部１１、３１、３２は、上腕骨の切除平面に当接するようになっている遠位面と上腕骨頭を保持するための近位面とを有する。定着手段は１２、１２’ は、ベース部１１、３１、３２の遠位面に接続され、プロテーゼを上腕骨へ固定するようになっている。定着手段１２、１２’は、中心軸Ｃを形成し、定着手段１２、１２’はベース部１１、３１、３２から突出する複数の突起物１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃを備え、各突起物１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃは、内側端Ｉと外側端Ｏとの間に延びる。突起物１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃは、中心軸Ｃの周りに自由中央空間Ｆを形成する。

Description

本開示は、ステム無し肩関節プロテーゼに関する。

概して、ステム無し肩関節プロテーゼ（stemless shoulder prosthesis）は、切除された上腕骨へプロテーゼを固定するための骨幹端固定装置（metaphysial fixation device）を備える。固定装置は、ベース部と定着手段とを備え、上腕骨頭は、例えばテーパーまたはスクリュー接続によってベース部へ固定される。

ステム付き肩関節プロテーゼ（stemmed shoulder prosthesis）とも呼ばれるステムを有する肩関節プロテーゼとは異なり、ステム無し肩関節プロテーゼは、上腕骨幹部の上腕骨の管（canal）を使用しない。言い換えると、ステム無し肩関節プロテーゼは、上腕骨の管における固定に依存せず、従って、上腕骨の管の中へ深く延びる定着手段は設置されない。これは、プロテーゼを挿入するために上腕骨の管を準備する必要がなく、従って骨が保存されると言う利点を生む。

欧州特許第１４６７６８１号には、固定をほとんど上腕骨端部に限定しつつ、骨内部に固定するための短い中央ステムに依存する肩関節内プロテーゼが開示される。リブまたはフィンは、専らねじり保護として説明されており、固定は短いテーパー状のステムによって得られる。

本開示は、具体的に設計された固定装置を有するステム無し肩関節プロテーゼに関する。特に、具体的なベース部設計及び定着手段の組合せ体について説明する。

本開示によれば、ベース部は、上腕骨の切除平面に当接するための遠位面と、上腕骨頭を支えるための近位面とを有する。定着手段は、ベース部の遠位面に接続され、プロテーゼを骨へ固定するようになっている。定着手段は、中心軸を形成し、ベース部から突出する複数の突起物を備え、各突起物は、内側端と外側端との間に延びる。突起物は、中心軸の周りに自由中央空間を形成する。

言い換えると、突起物は、自由中央空間の周りに配設され、自由中央空間は、突起物またはステム形の定着手段を備えない。プロテーゼが埋植された状態のとき、上腕骨の骨物質は、自由中央空間へ浸透して、骨におけるプロテーゼの定着に寄与する。

本文脈において、「内側端」及び「外側端」と言う用語は、「内側端」が対応する「外側端」より中心軸から小さい距離を持つものとして解釈されるものとする。突起物は、半径方向に限らず延びることができ、周方向の延在要素を持つこと、湾曲すること、または線形に非半径方向へ延びることができる。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、突起物の内側端は自由中央空間を形成する。内側端は、例えば、突起物の半径方向内側終点または縁である。または、突起物の半径方向内側区分を上記の意味の内側端と解釈できる。特に、中心軸の最も近くに配置される突起物の部分は自由中央空間を形成する。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、定着手段は、複数の突起物のみを備えることができる。ただし、必要であれば、プロテーゼを定着するための付加的手段を設置することができる。

特に、中心軸及び／または突起物は、ベース部の遠位面に概ね直角に延びるかまたは突出する。これに加えて、またはその代わりに、突起物は、中心軸に概ね平行に延びるかまたは突出する。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、自由中央空間は、ベース部の遠位面から遠位方向へ広がる円錐形を有する。また、中心軸に沿ってベース部の遠位面から遠位方向へ見るとき、突起物の内側端が相互から分散するように、自由中央空間を設計することも可能である。テーパー状の自由中央空間は、上腕骨へのプロテーゼの固定を容易にする。

特に、突起物は、リブ、刃またはフィンとして形成される。

前記突起物は、基本的に平面状または湾曲的にすることができる。要求特性を持つ突起物の形状を得るために、平面部と湾曲部を組み合わせることも可能である。概して、本開示に係るプロテーゼの実施形態の突起物の曲率は一定であるか、または突起物の延在に沿って変動できる。

プロテーゼの特定の実施形態において、中心軸の周りの自由中央空間に定着手段の突起物がない限り、有利であると見なされる場合には、突起物が交差することが考えられる。

プロテーゼの突起物は、全て同様な形状を有することができる。ただし、異なる形状を有する突起物を持つプロテーゼを提供することが好ましい場合がある。

各突起物が中心軸を含む平面を形成することが考えられる。言い換えると、突起物によって形成された平面は交差し、前記平面の交差点が中心軸を形成する。または、その内側端が中心軸に向かって収束しないように突起物または少なくとも１つの突起物を設計することを想定できる。このような設計においては、突起物またはその補外の内側部は、形象的に言うと、中心軸に沿って見るとき、上記の自由中心空間に対して接線方向に延びる。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、各突起物はベース部の遠位面から測定して所定の高さを有し、突起物の高さは、外側端から自由中央空間へ向かって増大するかまたは一定値を維持する。特に、各突起物は、その外側端において最小高さを有する。

プロテーゼに隣接する上腕骨の領域における血液循環を改善するため及び骨結合を促進するために、少なくとも1つの突起は少なくとも１つの開口部を備えることができる。

本開示に係るプロテーゼを上腕骨へ固定するプロセスは、各突起物が少なくとも部分的に切刃として形成された遠位縁を備える場合、容易になる。

本開示に係るプロテーゼの別の実施形態において、少なくとも１対の隣り合う突起物は、ウェブによって接続され、ウェブは、特に突起物の内側端の間に延びる。前記ウェブは、プロテーゼの安定性を増大し、上腕骨へのプロテーゼの効果的固定に寄与する。

上述のように少なくとも１つのウェブを備えるプロテーゼの実施形態において、突起物及びウェブは、ベース部の遠位面から測定して所定の高さを持つことができ、ウェブの高さは突起物の高さより小さい。

少なくとも１つのウェブを備えるプロテーゼの実施形態において、ウェブは、特にウェブの遠位縁に設置される切刃を備える。特に、ウェブの切刃は、隣接する突起物の切刃に合体する。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、ウェブは、例えばプロテーゼに隣接する領域における血液循環を強化して骨結合を促進するために、少なくとも１つの開口部を備える。

本開示に係るプロテーゼの別の実施形態において、突起物の少なくとも１つまたは全ては、その外側端にウィングを備える。特に、ウィングは、中心軸と反対向きの外側面においてベース部と実質的に同一平面に配置される。ウィングは、中心軸に沿って見たときプロテーゼの外輪郭に対して実質的に接線方向へ延びて、ベース部によって形成される平面に平行の断面において突起物にＴ字形を与えることができる。突起物の半径方向外側端のこのＴ字形ウィングの設計は、ウィング部が切除境界部（比較的高い骨密度が期待される部分）の比較的近くに位置するので、優れた安定性及び支持を与えることができる。さらにまたはその代わりに、突起物の少なくとも１つまたは全ての内側端は、突起物の外側端に関連して上に述べたようなウィングを備えることができる。ベース部に平行の断面において、このような突起物はドッグボーン状の形状を持つことができる。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、ベース部は開口部を備え、開口部は、突起物の間に配設される。

本開示に係るプロテーゼの実施形態において、ベース部はプレートを備え、プレートは、必要であれば開口部を備えることができる。

本開示に係るプロテーゼの別の実施形態において、ベース部は、半径方向外側リングと、半径方向内側部と、外側リングと内側部との間に延びる放射状スポークとを備える。ベース部のこのような設計は、骨結合を促進すると同時に優れた安定性を与える。突起物は、放射状スポークから突出できる。半径方向内側部は、環状形状を持つことができる。代表的なものとして、ベース部は車輪状の形状を持つことができる。

ベースの外輪郭は、円形形状を持つことができる。または、ベース部に円形形状とは異なる解剖学的形状を与えることができる。具体的には、実質的に卵形または洋ナシ形の設計をベース部に与えることができる。

特定の実施形態において、中心軸の周りの周方向において、突起物は規則的間隔で配設される。例えば、４つの刃を持つ設計において、刃は、２つの隣り合う刃の間をそれぞれ９０°で配設できる。概して、特に円形ベース部と組み合わせる場合、対称的設計が有利であろう。

或いは、複数の突起物は、周方向に非対照的に配設できる。特に非円形設計のベース部と組み合わせるとき、このような解剖学的設計は切除された上腕骨に与えられた解剖学的処置を使用できる。具体的には、切除平面の下方の骨物質が一定の骨深さまたは骨密度を示さないことを考慮に入れることができる。さらに、このような解剖学的設計は、切除平面の断面が対称形平面を持たないことを考慮に入れることができる。

プロテーゼのための信頼できる支持及び安定性を得るために、このような解剖学的設計における突起物の数及び位置は、上記の解剖学的状況を考慮して選択できる。プロテーゼが主に骨皮質によって支持されるように設計を選択することもしないこともできる。さらに、解剖学的設計は、プロテーゼのための皮質被覆を最大限に大きくできる。

概して、本出願において開示するステム無し肩関節プロテーゼは、全肩関節形成術においても半肩関節形成術においても使用できる。さらに、開示する肩関節プロテーゼは、いわゆる回旋腱板機能不全の患者に使用できる。

さらに、本出願において開示するステム無し肩関節プロテーゼは、ステム付きプロテーゼに比べて全体的利点を与える。すなわち、より多くの骨を保存し、将来の形成術のために上腕骨の管を確保し、かつ手術の時間とコストを減少する。

以下に、本出願において開示するステム無し肩関節プロテーゼのさらなる形態について説明する。

突起物のサイズは、プロテーゼのサイズの増大に伴って増大できる。ただし、１つの形態によれば、ベース部のサイズは一定である。すなわち、異なるサイズのプロテーゼが単一サイズのベース部を備える。これは、円形ベース部を有する対称形設計にも、非円形ベース部を持つ特に卵形または洋ナシ形ベース部設計を持つ解剖学的設計にも応用される。

上述のように、突起物の内側端のいくつかまたは全ては、接続壁を形成するウェブと接続できる。これによって、円周の自由端をもたない自由中央空間を囲繞する閉鎖壁を形成できる。或いは、自由中央空間へ向かって空隙を与えるように、壁を中断できる。具体的には、ウェブを、いくつかの対の隣り合う突起物の間にのみ、特に明白な突起物のグループ内にのみ設置して、別のグループの突起物の間には設置しない。

概して、前記ウェブは、突起物配設体の従ってプロテーゼの定着手段の安定性または剛性を増大できる。

突起物の形状は、例えば、ベース部に平行に延びる底部または近位側と中心軸に対して所定の角度で内側位置から外側位置へ向かって延びる頂部または遠位側を持つ非四辺形または非長方形四辺形である。従って、複数の突起物は、一緒に、矢状の設計を形成し、矢の先端はプロテーゼの中心軸上に在る。突起物の遠位縁がベース部へ向かって外から内へ後退する逆の設計も想定できる。

本開示の別の実施形態についても、従属クレーム、明細書及び図面において記載する。

本開示の独立クレームの範囲に従って上に説明するステム無し肩関節プロテーゼの様々な実施形態及び実施形態において実現される及び／または本開示の従属クレームにおいて記載される特徴は、組み合わせることができる。

本開示のさらなる適用可能な領域は、以下の詳細な説明から明らかになる。詳細な説明及び具体的実施例は例示のためのものであり、決して本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきである。図面は単純化され、概略的である。本発明の理解に必要ない細部は省略する。

以下、本開示についてさらに詳細に説明する。詳細な説明及び添付図面から本開示は完全に理解できる。

本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第１実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第２実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第２実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの第２実施形態を示す。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの別の実施形態の概略図である。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの別の実施形態の概略図である。 本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの別の実施形態の概略図である。

図１及び２は、異なる視点から見た対称形設計を持つ本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼ１０を示す。

プロテーゼ１０は、接続部１５を備える円形台板１１を備え、接続部１５は人工上腕骨頭（図示せず）をプロテーゼ１０に取り付けられるようにする。僅かにテーパー状の接続部１５の代わりに、上腕骨頭をプロテーゼ１０に確実に接続するために、他の適切な接続手段を使用できる。

台板１１の遠位面は、患者の上腕骨の中にプロテーゼ１０を確実に定着するための定着手段１２を備える。定着手段１２は、台板１１から直角に延びる４つのリブまたは刃１３を備える。刃１３は、基本的に平面的であり、中心軸Ｃの周りで周方向に均等に配分される。すなわち、隣り合う刃１３の間の角度は９０°である。ただし、これより多いまたは少ない刃１３が設けられてもよい。さらに、刃１３の均等な配分は強制的ではない。刃１３は、基本的に半径方向へ延びる。すなわち、各刃１３は、台板１１に直角に延びかつ中心軸Ｃを含む平面を形成する。

隣り合う刃１３の半径方向内側端Ｉは、刃１３に比べて遠位方向に著しく短く延びるウェブ２７によって接続される。ウェブ２７は、突起物のない中心軸Ｃの周りの自由中央空間Ｆの台板１１に隣接する領域を囲繞する。従って、プロテーゼ１０が埋植された状態のとき、上腕骨の物質が空間Ｆの中へ延びて、骨結合を促進する。このプロセスを促進するために、ウェブ２７は、開口部２５’を備え、開口部２５’は、特に、プロテーゼ１０に隣接する領域における血液循環を改善する。特に、開口部２５’は、自由中央空間Ｆに配置された骨物質への及び骨物質からの半径方向の血液循環を可能にする。

同様の理由で、刃１３は、開口部２５を備える。開口部は、周方向において血液循環を改善し、よって骨結合を改善する。さらに、開口部２５、２５’及び空間Ｆを設置することによって、プロテーゼ１０のサイズを最小限に抑え、それによって、インプラントの外科的影響を最小限に抑えると同時に、プロテーゼの骨結合特性を促進する。

刃１３の半径方向外側端Ｏには、基本的に周方向へ延びるウィング１４が設けられる。ウィング１４は、基本的に台板１１の外輪郭と同一平面に配置される。ウィング１４は、刃１３の定着特性を改善し、ウェブ２７と同様、プロテーゼ１０の安定性及び剛性に寄与する。

ウィング１４及び刃１３の遠位縁は、プロテーゼ１０の埋植を容易にする切刃２９を形成する。これに対して、ウェブ２７の遠位縁は、この代表的実施形態においては切刃を備えない。

刃１３は、プロテーゼ１０が側面視において矢じりの形状に類似するような形状を持つ。すなわち、刃１３の遠位縁は、基本的に刃１３の半径方向外側端Ｏへ向かって半径方向において後退する。刃１３の半径方向内側端Ｉの縁は、中心軸Ｃに対して傾斜する。言い換えると、刃１３の半径方向内側縁は、台板１１の遠位面から中心軸Ｃに沿って見たときすなわち近位から遠位へ向かって見たとき、広がる。従って、自由中央空間Ｆは、台板１１へ向かって細くなる円錐形を有する。

図３は、遠位から中心軸Ｃに沿って見たプロテーゼの図である。ウィング１４が刃１４の半径方向外側端にＴ字形を与えることが分かる。図３は、図４に示される断面Ａ−Ａの位置も示す。

図４の断面図は、定着手段１２の定着特性に寄与する突起物が存在しない自由中央空間Ｆの円錐形を示す。さらに、接続部１５への上腕骨頭の確実な接続を容易にするために、接続部１５が孔２８を備えることが分かる。

図５及び６は、プロテーゼ１０の機能要素の相対比率を視覚化したプロテーゼ１０の別の側面図である。当然、これらの比率を変化させて、異なるサイズのプロテーゼのセットを提供しかつ／または患者固有の必要に合せて最適化されたプロテーゼを提供することができる。さらに、ウェブ２７のＵまたはＶ字形遠位縁が刃１３の半径方向内側縁とどのように合体するかが分かる。

図７は、多くの点においてプロテーゼ１０と同様のステム無し肩関節プロテーゼ１０’及び接続部１５を介してプロテーゼ１０’に取り付けられる上腕骨頭１７の斜視図である。ただし、プロテーゼ１０と１０’にはいくつかの相違がある。

例えば、プロテーゼ１０’の定着手段１２’の刃１３’を接続するウェブ２７’は、開口部（プロテーゼ１０のウェブ２７の開口部２５’と比較されたい）を備えず、ウェブ２７’は、隣接する刃１３’の切刃２９と合体する切刃２９’を備える。さらに、刃１３’の開口部２５は、刃１３の開口部２５より多少大きい。さらに、定着手段１２’も矢じりの形状に類似するが、刃１３’の遠位縁の傾斜は比較的緩やかであり、遠位縁と刃１３’の半径方向外側端Ｏの縁との間の移行部及び遠位縁と刃１３’の半径方向内側端Ｉの縁との間の移行部は、より円滑である。

別の相違点は、プロテーゼ１０’のベース部の設計に関する。ベース部は、プレート形設計ではなく、内側部３１と外側リング３２とによって形成される。内側部３１とリング３２は、放射状スポーク３３によって接続されて、開口部２５’’を形成する。刃１３’は、スポーク３３から突出する。

この設計は、充分な剛性及び安定性を持つと同時に、骨結合を促進し、プロテーゼ１０と比較して重量が減少する。上記の形態は、それぞれプロテーゼ１０’を中心軸Ｃに沿って近位から及び遠位から見た図である図８及び図９の中心図からも明らかである。

プロテーゼ１０’の側面図を示す図９のその他の図は、プロテーゼ１０’が中心軸Ｃに対して回転対称形であることを強調する。

図１０〜１２は、本開示に係るステム無し肩関節プロテーゼの別の実施形態１０ａ、１０ｂ、１０ｃを概略的に示す。前記の図は、中心軸Ｃに沿って遠位から見た図である。

図１０は、平面的突起物１３ａを持つプロテーゼ１０ａを示す。外挿しても、突起物１３ａは、自由中央空間Ｆの中へ延びない。突起物１３ａによって形成された平面は、中心軸Ｃにおいて交差しない。従って、突起物１３ａの半径方向外側端Ｏ及び半径方向内側端Ｉは、それぞれ上に説明したプロテーゼ１０、１０’の突起物１３、１３’の設計と異なり、放射状線上に乗らない。ただし、実施形態１０、１０’及び１０ａにおいて、及び下に説明する実施形態において、内側端Ｉは外側端Ｏより中心軸Ｃ近くに配置される。形象的に言えば、突起物１３ａは中央空間Ｆを接線方向へ通過する。

図１１は、湾曲突起物１３ｂを持つプロテーゼ１０ｂを示す。ただし、この湾曲によっては、突起物１３ｂの延長の外挿Ｅ（突起物１３ｂの１つの半径方向内側延長の外挿を点線によって示す）は中央空間Ｆの中へ収束しない。突起物１３ｂは、自由中央空間Ｆを接線方向へ通過する。または形象的に言えば、相互に交差することなく自由中央空間Ｆの周りに巻きつく。

図１２は、同様に湾曲突起物１３ｃを備えるプロテーゼ１０ｃを示す。この場合、突起物１３ｃは、その外挿（図示せず）が中心軸Ｃにおいて交差することなく自由中央空間Ｆの中へ収束するような曲率及び位置を持つ。ただし、中心軸Ｃにおいて突起物の外挿が交差するような曲率及び／または位置を持つように突起物１３ｃを作ることが想定できる。

前、後、内側、外側、近位、遠位及び矢状方向など方向及び位置に関する解剖学用語は、全て、上述の構成要素及びインプラントの予定埋植状態に関する。

説明は単に代表的性質に関するものであり、従って、開示される教示の要旨から逸脱しない変更は、本開示の範囲内にある。

１０、１０’、１０ａ、１０ｂ、１０ｃ プロテーゼ
１１ 台板
１２、１２’ 定着手段
１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ リブ、刃
１４ ウィング
１５ 接続部
１７ 上腕骨頭
２５、２５’、２５’’ 開口部
２７、２７’ ウェブ
２８ 孔
２９、２９’ 切刃
３１、３２ リング
３３ スポーク
Ｃ 中心軸
Ｆ 自由中央空間
Ｉ 内側端
Ｏ 外側端
Ｅ 外挿

Claims (15)

1. 切除された上腕骨へプロテーゼを固定するための固定装置を備えるステム無し肩関節プロテーゼであって、
   前記固定装置が、ベース部（１１、３１、３２）と定着手段（１２、１２’）とを備え、前記ベース部（１１、３１、３２）が前記上腕骨の切除平面に当接するようになっている遠位面と上腕骨頭（１７）を保持するための近位面とを有し、前記定着手段（１２、１２’）が、前記ベース部（１１、３１、３２）の前記遠位面に接続され、かつ前記プロテーゼを前記上腕骨へ固定するようになっており、
   前記定着手段（１２、１２’）が中心軸（Ｃ）を形成し、
   前記定着手段（１２、１２’）が前記ベース部（１１、３１、３２）から突出する複数の突起物（１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ）を備え、各突起物（１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ）が内側端（Ｉ）と外側端（Ｅ）との間に延び、前記突起物（１３、１３’）が前記中心軸Ｃの周りに自由中央空間（Ｆ）を形成する、ステム無し肩関節プロテーゼ。
2. 前記突起物の前記内側端（Ｉ）が前記自由中央空間（Ｆ）を形成する、請求項１に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
3. 前記自由中央空間（Ｆ）が前記ベース部（１１、３１、３２）の前記遠位面から広がる円錐形を有し、かつ／または前記突起物（１３、１３’）の前記内側端（Ｉ）が相互に分散する、請求項１または２に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
4. 前記突起物（１３、１３’、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ）がリブ、刃またはフィンとして形成される、請求項１または３のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
5. 各突起物（１３、１３’）が前記ベース部（１１、３１、３２）の前記近位面から測定して所定の高さを有し、前記突起物（１３、１３’）の前記高さが、前記外側端（Ｏ）から前記自由中央空間（Ｆ）へ向かって増大するかまたは一定であり、特に、各突起物（１３）がその外側端（Ｏ）において最小高さを有する、請求項１〜４のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
6. 少なくとも１つの突起物（１３、１３’）が少なくとも１つの開口部（２５）を備える、請求項１〜５のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
7. 各突起物（１３、１３’）が少なくとも部分的に切刃（２９）として形成される遠位縁を備える、請求項１〜６のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
8. 少なくとも１対の隣り合う突起物（１３、１３’）がウェブ（２７、２７’）によって接続され、該ウェブ（２７、２７’）が前記突起物（１３、１３’）の内側端（Ｉ）の間に延びる、請求項１〜７のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
9. 前記突起物（１３、１３’）及び前記ウェブ（２７、２７’）が前記ベース部（１１、３１、３２）の前記遠位面から測定して所定の高さを有し、前記ウェブ（２７、２７’）の前記高さが前記突起物（１３、１３’）の前記高さより小さい、請求項８に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
10. 前記ウェブ（２７、２７’）が切刃（２９’）を備え、かつ前記ウェブ（２７、２７’）の前記切刃（２９’）が前記隣り合う突起物（１３、１３’）の切刃（２９）に合体する、請求項８または９に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
11. 前記ウェブ（２７、２７’）が少なくとも１つの開口部（２５’）を備える、請求項８〜１０のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
12. 前記突起物（１３、１３’）がその外側端（Ｏ）にウィング（１４）を備える、請求項１〜１１のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
13. 前記ベース部（３１、３２）が開口部（２５”’）を有し、前記開口部（２５”’）が前記突起物（１３’）の間に配設される、請求項１〜１２のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
14. 前記ベース部（１１）がプレートを備える、請求項１〜１３のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。
15. 前記ベース部が半径方向外側のリング（３２）と、半径方向内側部（３１）と、前記外側のリング（３２）と前記内側部（３１）との間に延びる放射状スポークとを備える、請求項１〜１４のいずれか１項に記載のステム無し肩関節プロテーゼ。

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