JP2014515022A - 細胞増殖抑制剤としての非対称に置換されたアントラピリダゾン誘導体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンの新規の非対称に置換された誘導体、および腫瘍細胞、特に、多剤耐性(MDR)を有する細胞に対して活性を示す細胞増殖抑制剤としてのその使用に関する。特に、本発明は、一般式(I)によって表される2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンの誘導体に関する。
【選択図】化1

Description

本発明は、2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンの新規の非対称に置換された誘導体、および腫瘍細胞、特に、多剤耐性(MDR)を有する細胞に対する活性を示す細胞増殖抑制剤としてのその使用に関する。特に、本発明は、アントラピリダゾン誘導体としてさらに命名される、一般式(I)によって表される2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンの誘導体に関する。
アントラキノンの合成誘導体および類似体は、有益な細胞増殖抑制剤群である。この種類の開発された化合物のうち、国際一般名称(INN)の下、ミトキサントロンとして知られている1,4−ジヒドロキシ−5,8−ビス[2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エチルアミノ]−9,10−アントラセノジオン(anthracenodione)は、抗腫瘍薬剤として臨床に用いられている。しかしながら、表現型に関する腫瘍細胞の多剤交差耐性(多剤耐性−MDR)の出現は、ミトキサントロンを含む化学的および機能的に関係のないものでさえも、抗腫瘍薬剤の治療効果を消失させる。
MDRの現象は、細胞増殖抑制剤等の生体異物を細胞から輸出し、したがって、細胞中の薬物の治療濃度を維持するのを妨げる膜タンパク質をコードする遺伝子の過剰発現に依存する。そのような糖タンパク質タイプのタンパク質の3つの群が発見されており、それらの中MDR−1(いわゆるP−gp)、BCRPタンパク質、およびMRPタンパク質群がある。これらのタンパク質は、それらと相互作用する細胞増殖抑制剤に対するそれらの基質の範囲によって異なる。しかしながら、この範囲は非常に広く、多くの構造群の抗腫瘍細胞増殖抑制剤を含む。
多剤耐性の現象は、アントラキノン群薬剤も含まれる、耐性細胞に対して活性であり得る新規の細胞増殖抑制剤の探索の必要性を促す。これらの化合物の設計のための異なる戦略が開発されている(非特許文献1を参照)。最も有望な戦略は、MDRの現象に関与するタンパク質の不良な基質である化合物の設計に関する。この戦略は、薬剤選択性を改善し、副作用を軽減する最良の機会を与える。しかしながら、MDRタンパク質の非常に幅広い基質範囲を考慮すると、これらの研究の効果は、今までのところ十分ではない。5−フルオロウラシル等の代謝拮抗物質は、天然代謝産物のウラシルとのそれらの構造的類似性のため、生体異物を輸出するMDRポンプによって認識できないことが見出されている。わずかなその他の抗腫瘍薬のみが、MDRポンプに対するむしろ不良な基質であるとして示されている。ある重要な例外は、タキソールであるが、これはMDR−1ポンプ基質であるが、MRPポンプ基質ではなく、したがって、このポンプの過剰発現を有する腫瘍細胞に対する活性を示す。
重要な細胞増殖抑制剤の群のうち、アントラキノンの類似体および誘導体は、いずれもまだ薬物耐性腫瘍の治療のために臨床診療に導入されていない。
現在のところ、合成されたミトキサントロン類似体および誘導体の中で、耐性細胞に関して幾つかの活性が、アントラキノン部分に縮合されるさらなる複素環式環を有する化合物を示す。それらは、発色団系に縮合されるピラゾール環(非特許文献2を参照)、ピリジン環(非特許文献3を参照)、ピリダゾン環(非特許文献4を参照)、ピリミジン環(非特許文献5を参照)、またはピリダゾン環、すなわち、アントラピリダゾン誘導体(非特許文献6を参照)を有する化合物である。
非特許文献7に記載されるアントラピリダゾン系の中で、ジメチルアミノエチルまたはピペリジンエチル部分を有する、2位および6位で非対称に二置換された誘導体が示される。また、2位でジメチルアミノエチル基と非対称に置換された化合物および6位でピペリジンエチル基と非対称に置換された化合物が記載されている。これらの誘導体の幾つかは、ネズミ白血病L1210細胞およびヒトK562等の選択された腫瘍細胞に対して幾つかのインビトロ細胞毒性を示したが、ヒト白血病K562/DXの多剤耐性の亜株に対しては低い活性を示した。固形腫瘍の細胞に対するこれらの化合物の活性におけるデータはない。
Dzieduszyckaらの刊行物であるPolish J.Chem.,81,535,2007(非特許文献8)では、さらなる環を形成するイミダゾールまたはフタラジン系との五環式アントラピリダゾン類似体の合成が、記載されているが、化合物を得る生物学的特性におけるデータは示されていない。
非対称に置換されたアントラピリダゾン誘導体である本発明による新規化合物は、多剤耐性腫瘍細胞に対して有意な細胞毒性活性を示す。初めて、アントラピリダゾン類似体および誘導体の中で、この活性は、それらがMDRを輸出するタンパク質の不良な基質であるという事実から生じることを見出した。上述のように、これは、細胞から細胞増殖抑制剤を輸出するポンプの活性に対する拮抗作用の有益な機構である。このようなアントラピリダゾン誘導体、特に、非対称に置換された誘導体の活性は、今まで示されていない。

E.Borowski et al.,Acta Biochim.Polon.52,609,2005 H.Showalter et al.,Anti−Cancer Drug Design 1,73,1986 P.Krapcho et al.,J.Med.Chem.,37,823,1994 C.Gandolfii,J.Med.Chem.38,526,1995 B.Stefanska et al,J.Med.Chem.36,38,1993 B.Stefanska et al.,Bioorg.Med.Chem.,11,561,2003 Bioorg.Med.Chem.,11,561,2003 Polish J.Chem.,81,535,2007
本発明は、式(I)
によって表される非対称に置換されたアントラピリダゾン誘導体であって、
式中、
Xは、酸素または窒素原子であり、
Xが酸素原子であるとき、アントラピリダゾンは、式(IA)

によって表され、
式中、3つの置換基R、R、またはRのうちの1つは水素原子であるが、残りの2つは、水素原子ではない場合、以下の意味を有し、
は、(CH−OHまたは−(CH−N(R)−Rであり、
式中、
q=2または3であり、
およびRは同一であり、C−Cアルキルを意味するか、
または
およびRは、2位でそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペラジン、ピペリジン、またはモルホリン環等のさらなる窒素または酸素原子を任意に含有する6員環式環を形成し、
は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
式中、
m=0、1、2、または3であり、
n=0または1であり、
p=0、1、または2であり、
Yは、−C(O)−または−N(R)−であり、
は、H、−OH、またはフェニルであり、
は、水素原子またはC−Cアルキルであり、
は、水素原子または−NH−(CH−N(R)−R部分であり、
式中、
r=1、2、または3であり、
およびRは、同じであるかまたは異なり、独立して、H、C−Cアルキル、またはC−Cアルキルで置換されるフェニルであり、
但し、
が−(CHN(CH(q=2およびR=R=CH)であるとき、Rは、−(CHN(CHでも−NHでもなく(m≠0、n≠1、R≠H、およびR≠H)、
Xが窒素原子であるとき、式(I)中の、
は、Hであり、
が窒素原子に結合し、一緒になって、式(a)または(b)によって表される基を形成し、
およびR10は、同じであり、−(CHN(CHであり、
およびR11は、同じであり、−(CHN(CHCHであり、
したがって、アントラピリダゾンは、式(IB)または(IC)を有する、誘導体、
ならびにそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
式(I)のアントラピリダゾン誘導体は、異なる輸出ポンプMDR−1、BCRP、およびMRPの過剰発現を有する標準的な細胞株、ならびに患者の異なる組織および臓器から得られる幅広い範囲の耐性細胞株を含む、多剤耐性(MDR)の腫瘍細胞に対して有意な細胞増殖抑制剤活性を示す。
本発明によるアントラピリダゾン誘導体は、MDR耐性の腫瘍細胞に対する活性を示す可能性がある薬剤である。
そのため、本発明は、腫瘍細胞、特に、多剤耐性のものに対する活性を示す薬剤として使用される、式(I)のアントラピリダゾン誘導体をさらに提供する。
特に、本発明は、これまで使用された化学療法剤、特に、アントラサイクリンおよびミトキサントロンのようなアントラキノン系に対する耐性が構築されている、腫瘍性疾患のそのような腫瘍患者における治療において薬剤として使用される、式(I)のアントラピリダゾン誘導体を提供する。
本発明は、P−gp、BCRP、およびMRP等の輸出タンパク質の過剰発現による耐性を含む、これまでに使用された化学療法剤に対する耐性を有する腫瘍性疾患に罹患している患者の治療において、他の化学療法剤と一緒に使用するための薬剤として、式(I)のアントラピリダゾン誘導体をさらに提供する。アントラピリダゾン誘導体は、特に、P−gpおよびBCRPタンパク質の過剰発現を有する腫瘍細胞に対する活性があるが、MRPタンパク質の過剰発現を有する腫瘍細胞に対する活性は低い。この場合、MRPタンパク質の過剰発現によって腫瘍細胞に対する活性があるアントラピリダゾン誘導体およびタキソールとの併用療法は、有利であるように思われる。ある薬学的製剤においてアントラピリダゾンとタキソイド類の組み合わせは、幅広い範囲の耐性、ならびにMRPタンパク質の過剰発現による耐性とともに、腫瘍細胞に対する細胞増殖抑制作用を示すことを可能にする。
アントラピリダゾン誘導体(I)自体を患者に投与することは可能であるが、概して、それらは、所与の臨床例に適している経路によって、薬学的製剤の形態で使用され得る。
したがって、本発明の他の態様は、薬学的に許容される担体および/または補助物質と一緒に治療上有効量の式(I)のアントラピリダゾンを活性物質として含む薬学的製剤である。
本発明のもう1つの態様は、患者の治療方法であって、治療上有効量の式(I)のアントラピリダゾンを、そのような治療を必要とする個人に投与することを含む。
DNA−BS−121複合体の分子モデルを示す。 ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較した、選択されたアントラピリダゾン誘導体の実験的に決定された基質特性。シクロスポリンA(MDR−1ポンプ阻害剤)の存在下で、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL60/VINCに対するインビトロの活性を示す。 ドキソルビシンおよびモトキサトロン(Motoxantrone)と比較した、選択されたアントラピリダゾン誘導体の実験的に決定された基質特性。D−L−ブチオニン−(S,R)−スルホキシミン(BSO)、MRPポンプ阻害剤の存在下で、ヒト前骨髄球性白血病HL60/DXに対するインビトロの活性を示す。 分子モデリング法によって決定されるMDR−1タンパク質に対する化合物BS−121の基質特性を示す。
本発明の一態様では、2,6−二置換アントラピリダゾン誘導体は、式(IA)
を有し、
式中、
は、−(CHN(CHであり、
は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
式中、
m=0、1、2、または3であり、
n=0、1であり、
p=0、1、2であり、
Yは、−N(R)−であり、
は、水素原子または−OHであり、
は、水素原子またはC−Cアルキルであり、
は、水素原子である。
本発明の別の好ましい実施形態では、2,6−二置換アントラピリダゾン誘導体は、式(IA)を有し、式中、
は、−(CH−N(R)−Rであり、
式中、
q=2または3であり、
およびRは、2位でそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペラジン、ピペリジン、またはモルホリン環等のさらなる窒素または酸素原子を最終的に含有する6員環式環を形成し、
は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
式中、
m=0、1、2、または3であり、
n=0、1であり、
p=0、1、2であり、
Yは、−N(R)−であり、
は、水素原子または−OHであり、
は、水素原子または−CHであり、
は、水素原子である。
本発明の別の好ましい実施形態では、5−一置換アントラピリダゾン誘導体は、式(IA)を有し、式中、
は、水素原子であり、
は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
式中、
m=0、1、2、または3であり、
n=0または1であり、
p=0、1、または2であり、
Yは、−N(R)−であり、
は、水素原子または−OHであり、
は、水素原子または−CHであり、
は、水素原子である。
本発明のさらに好ましい実施形態では、2,5−二置換アントラピリダゾン誘導体は、式(IA)を有し、式中、
は、−(CHN(CHであり、
は、水素原子であり、
は、水素原子または−NH−(CH−N(R)−Rであり、
式中、
r=2であり、
およびRは、同じであるかまたは異なり、独立して、水素原子、C−Cアルキル、またはC−Cフェニルである。
本発明による以下の有利な化合物は、式(IB)および(IC)によって表されるイミダゾールまたはフタラジン環を含有する五環式アントラピリダゾン誘導体であり、
本発明による以下の有利な化合物は、式(IB)および(IC)によって表されるイミダゾールまたはフタラジン環を含有する五環式アントラピリダゾン誘導体であり、
式中、
およびR10は、同じであり、−(CHN(CHを表し、
およびR11は、同じであり、−(CHN(CHCHを表す。
特に活性なアントラピリダゾン誘導体は、式(I)の化合物であり、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(メチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−154)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(アミノエチル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−121)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−メチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−7)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(エチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−180)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−20)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アセチルアミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−13)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(アセチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−14)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[(2−ジエチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−155)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−ベンジルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−8)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(2−アミノエチルアミノ)エタノロ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−165)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(N,N−ジメチルアセトアミド)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−12)、
2−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−{[2−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−123)、
2−(2−モルホリノエチル)−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−4)、
2−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−3)、
2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]−シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−5)、
2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−ジメチルアミノ)エチルアミノ−2H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−167)、
2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−17)、
6−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−18)、
6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−10)、
6−(2−ブチルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−9)、
6−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]アミノ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−131)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−15)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−169)、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(2−アミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−170)、
[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[(2−ベンジロアミノ)エチルアミノ]−2−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−171)、
ビス−2,6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,6−ジヒドロ−5H−ベンゾ[h]インダゾロ[5,4,3−def]シンノリン−5−オン(C−163)、および
2,7−ビス−[2−(ジエチロアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロベンゾ[h]フタラジノ[7,8,1−def]シンノリン−3,6−ジオン(CP−4)を含む群から選択される。
薬理学的特性については、式(I)の最も好ましいアントラピリダゾン誘導体は、
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(メチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−154)および2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(アミノエチル)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−121)である。
本発明の得られた活性なアントラピリダゾン誘導体の構造は、下表中に要約される。
表1.式(IA)のアントラピリダゾン誘導体
表2.縮合された複素環式環を含むアントラピリダゾン誘導体
本発明による式(I)のアントラピリダゾン誘導体は、概して、参照文献に記載される方法に従って合成することができる。
2位および6位で置換された四環式アントラピリダゾン誘導体は、式(I)によって表され、式中、XはOであり、置換基RおよびRの意味は、式(IA)と同じであり、スキーム1に従って、Bioorg.Med.Chem.,11,561,2003に記載される様式で合成され得る。
スキーム1
1−クロロ−4−メチルアントラキノンの酸化によって得られた4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸(2)は、それぞれの酸塩化物に変換され、2位で、アルキルアミノ基で置換されたアントラピリダゾン誘導体(3)にアルキルヒドラジンで環化される。次に、ピリジンまたは中性溶媒中のアミンとの反応において誘導体(3)は、6位で置換される。
同様の様式において、式(I)によって表され、式中、XがOである、2位および5位で二置換された四環式アントラピリダゾン誘導体が合成され、、RおよびRの意味は、式(IA)に記載されるものと同じであり、下のスキーム2に例示される通りである。
スキーム2
式(IB)のアントラキノンの五環式インダゾロ誘導体は、式中、RおよびR10が同一であり、以下のスキーム3に従って、4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸(2)から合成される。室温での、アルキロアミノ−ヒドラジン誘導体との環化は、アルキルアミノ基によって2位で置換されたアントラピリダゾン誘導体を生じる。次に、高温での、高沸点の非プロトン性溶媒中のジアルキルアミノエチルヒドラジンとの(3)の反応において、発色団で縮合されたピラゾール環が得られる。
スキーム3
式(IC)のフタラジン−アントラキノン誘導体は、式中、RおよびR11が同じであり、以下のスキーム4に示される通りに、Polish J.Chem.81,535,2007に記載される方法に従って得られ得る。基質9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1−アントラセノ−1,4−ジカルボン酸(5)は、その酸塩化物に変換され、モル過剰のジアルキルアミノエチルヒドラジンで環化される。
スキーム4
式(I)のアントラピリダゾン誘導体は、互変異性体または光学異性体として存在し得る。これらの化合物のすべての異性体および互変異性体は、本発明の範囲内に含まれる。個々の光学異性体または互変異性体は、酵素的切断のキラルHPLCのような当該技術分野において公知の方法によって得ることができるか、または立体選択的な合成の方法を用いることによって得られ得る。
式(I)のアントラピリダゾン誘導体は、酸を用いて薬学的に許容される塩を容易に形成する。「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される無機物または有機酸から得られる塩を意味する。好適な酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、エチレンジカルボン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。シュウ酸等の他の酸は、薬学的に許容されないが、本発明による化合物の調製のプロセスおよびそれらの精製において有用であり得る。
式(I)のアントラピリダゾン誘導体の特に好ましい塩は、塩酸塩である。
式(I)のアントラピリダゾン誘導体は、他の化学療法への耐性が診断されている場合の腫瘍性疾患に罹患している患者の治療において、単独でまたは治療上有効量の他の化学療法剤と組み合わせた療法において使用することができる。
本発明の意味における「治療」は、疾患の進行またはその回復またはその臨床症状のうちの少なくとも1つを抑制、軽減、または遅延させることを意味する疾患の阻害を含む。
活性物質の「治療上有効量」は、患者の状態、障害、または疾患を治癒するために患者に与えられる、治癒するのに十分な、化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、使用される特定の化合物、投与経路、疾患のタイプおよびその進行、療法への個人の応答、ならびに治療される人物の年齢、体重、病状、および感受性に応じて異なる場合があり、医師の知識および臨床試験に基づいて医師により構築され得る。
1日用量は、1日1回、単一単位用量として、または決められた時間間隔で毎日数回の用量に分割して、患者に投与され得る。
式(I)のアントラピリダゾンの治療上の1日用量は、1日1回、単一単位用量として、または決められた時間間隔で毎日数回の用量、例えば、1日2回、3回、4回、もしくはそれ以上に分割して、患者に投与され得る。
活性物質に加えて、薬学的調製物は、活性物質によるそれら自体の薬理作用および副作用を有さない、所与の薬学的形態に適している薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含有し得る。
本発明による薬学的組み合わせは、全身投与用、例えば、錠剤、カプセル剤、フィルムコート錠、腸溶性錠剤等の経口用に許容される薬学的形態で、非経口用、例えば、溶液、懸濁液、もしくは即席の再構成用の凍結乾燥物等に許容される形態で、または局所投与用の形態で製剤化され得る。担体および賦形剤の選択および量は、薬剤の投与の形態および経路によって異なる。適切な薬物形態は、任意の薬学的担体、溶剤、充填剤、および他の賦形剤を用いて、当業者に公知の技術を用いて製剤化され得る。
経口投与用の薬学的調製物は、特に、カプセル剤の形態であり得る。この場合、活性物質は、担体と混合され、ゼラチンカプセルは、得られた組成物で充填される。カプセル充填は、油液、懸濁液、または乳剤の形態である。適切な担体には、例えば、ヒマシ油、ココナッツ油、オリーブ油、ヤシ油、コーン油、ピーナッツ油、脂肪酸の合成および天然トリグリセリド、不飽和中鎖脂肪酸、改変長鎖脂肪酸、グリコールエステル、ポリエチレングリコール等が含まれる。適切な賦形剤は、例えば、レシチン、モノおよびジグリセリド、ならびにポリオキシエチレンソルビタンエステル等の界面活性剤である。
カプセル剤は、その調製用のゼラチンシェルの組成物とは異なる、軟および硬ゼラチンカプセル剤であり得る。軟カプセル剤の場合のゼラチンシェルには、グリセロール、ソルビトール等の可塑剤、安息香酸およびその塩、アルキルヒドロキシ安息香酸塩等の保存剤、着色剤および香味剤が含まれる。
非経口投与用の薬学的製剤は、すぐに使用できる懸濁液の形態で、即席の再構成用の凍結乾燥形態で、または静脈内注入の調製用の濃縮物であり得る。静脈内薬学的製剤に適している担体には、例えば食塩溶液等の滅菌水溶液、例えば、グルコース、マンニトール、デキストロース ラクトース等の糖液、および例えばリン酸緩衝液等の緩衝液の水溶液が含まれる。さらに、薬剤は、オスモル濃度、抗酸化剤、保存剤等を確保するために従来使用される他の賦形剤を含有し得る。
[生物学的活性]
様々な輸出タンパク質ポンプ、MDR−1、BCRP、およびMRPの過剰発現を有する細胞株、ならびに様々な組織および臓器に由来する幅広い範囲の耐性細胞株を含む多剤耐性の腫瘍細胞に対する式(I)のアントラピリダゾン誘導体の生物学的活性が、以下の試験において評価された。
表3および4は、白血病細胞株HL−60およびビンクリスチン(MDR−1)またはドキソルビシン(MRP)によって誘発された耐性を有する耐性亜株細胞を用いて、2,6−二置換および2−または6−一置換(表3)、ならびに2,5−二置換(表4)四環式アントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用を示す。化合物の活性は、それらに構造によって分化されるが、すべての場合、耐性指標は、参照化合物:ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較して、さらに有利である。
表3.ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較した、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL−60および耐性亜株HL60/VINおよびHL60/DXに対する2−、6−、および2−または6−置換アントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用(IC50
表4.ドキソルビシンと比較した、ヒト前骨髄球性白血病細胞株HL−60および耐性亜株HL60/VINおよびHL60/DXに対する2,5−置換アントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用(IC50
表5は、参照のドキソルビシン、ミトキサントロン、およびタキソールと比較して、元来、多剤耐性の前立腺癌の3つの細胞株に対するアントラピリダゾン誘導体のインビトロの活性を表す。
化合物BS−154およびBS−121は、特に、ドキソルビシンと比較して、最も活性である。
表5.ドキソルビシン、ミトキサントロン、およびタキソールと比較した、ヒト前立腺癌細胞株DU154、LNCaP、およびPC3に対するアントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用(IC50
表6は、輸出MDR−1タンパク質を有するヒト乳癌の感受性および多剤耐性の細胞株に対する本発明による選択された最も活性なアントラピリダゾン誘導体のインビトロの活性を表す。耐性指標が、ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較して、一桁分を超えて良好であることを言及されるべきである。
表6.ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較した、ヒト乳癌細胞株MCF3および亜株MCF7/DXに対して選択されたアントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用(IC50
表7は、ミトキサントロンによって誘発された耐性を有するヒト結腸腺癌の感受性および耐性(MDR−1型)の細胞株に対する本発明による選択されたアントラピリダゾン誘導体のインビトロの活性を表す。試験化合物は、参照化合物のミトキサントロンと比較して、かなり多くの活性がある。
表7.ドキソルビシンおよびミトキサントロンと比較した、ヒト結腸腺癌の細胞株HT29および耐性亜株HT29/MITに対する選択されたアントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用(IC50
表8Aおよび8Bは、ドキソルビシン、シスプラチン、およびミトキサントロンと比較して、感受性および耐性の細胞株のパネルに対する、本発明による選択されたアントラピリダゾン誘導体のインビトロの細胞増殖抑制作用を表す。これらの結果は、多剤耐性の細胞に対する試験化合物の良好な活性を裏付ける。
表8.ドキソルビシン、シスプラチン、およびミトキサントロンと比較した、細胞株:リンパ芽球性白血病CCRF−CEMおよびカンプトセシンCEM/C2に耐性を示す、前骨髄球性白血病HL−60およびミトキサントロンHL60/MX2に耐性を示すその亜株、子宮癌MES−SAおよびドキソルビシンMES−SA/DX5に耐性を示す亜株、結腸癌LoVoおよびドキソルビシン株LoVo/DXに耐性を示す亜株に対する化合物BS−154の細胞増殖抑制作用および耐性指標
A)細胞増殖抑制作用
B)耐性指標(RI)
表9に表され、図1に例示される結果は、他の合成および天然アントラキノン類似体および誘導体と同様の本発明による化合物が、それらの構造によって異なる可変の安定性を有するDNAとの複合体を形成することを示唆する。この特性は、化合物の細胞増殖抑制作用を説明することが推定され得る。表9では、蛍光法を用いて、試験化合物のDNAへの親和性および臭化物エチジン(bromine ethydine)および試験化合物のDNAへの競合親和性における定量的データを示す。
表9.試験化合物と単離CT−DNAとの相互作用
図1は、分子モデリング法によって計算された、化合物BS−121とDNAとの例示的なインターカレーション複合体の分子構造を示す。
計算は、電力場GROMOS96 43alを用いるGROMACS3.3.1ソフトウェアパッケージを用いて行われる。化合物の分子の初期形状は、PRODRGプログラムを用いて得られた。次に、それらは、GROMACSのライブラリーデータに導入された。rungms0lプログラムを採用して、分子トポロジーファイルが得られた。分子は、箱の壁から分子の距離が0.9nmより小さくならないような様式で立方体の箱中に入れた。箱は、genboxプログラムを用いて水分子で充填された。試験分子は、塩酸塩であり、次のステップで、その電荷は平衡化され、genionプログラムに適用された。
図2および図3は、例示的な化合物BS−154およびBS−121において、本発明のアントラピリダゾン誘導体は、輸出ポンプに対する不良な基質であるため、多剤耐性の細胞における細胞増殖抑制作用を示すことを示す実験の結果を示す。図2は、阻害剤シクロスポリンA(CSA)の助けにより遮断MDR−1ポンプ機能が、化合物BS−154およびBS−121の細胞増殖抑制作用に本質的には影響を及ぼさないが、このポンプの良好な基質であるドキソルビシンおよびミトキサントロンの細胞増殖抑制作用を維持することにおいて好ましい影響を有することを証明する。同様に、図3は、これらの化合物およびMRPポンプに関するデータを示す。
得られたデータは、両方の例示的な化合物が、ドキソルビシンおよびミトキサントロンとは異なり、MDRポンプに対する不良の基質であることを示す。
MRPタンパク質阻害剤の存在は、本質的には、ドキソルビシンおよびミトキサントロンの細胞増殖抑制作用に影響を及ぼすが、BS−154およびBS−121の活性の部分的にのみに影響を及ぼす。
また、分子モデリング法の使用に基づいて、化合物BS−121(図4)の例における輸出ポンプに対する本発明による化合物の不良の基質特性も確認された。これらの計算は、MDR−1タンパク質によるその基質の認識にとっては不可欠なものであるそのタンパク質との水素結合の形成のための電子供与体であり得る分子原子間の特別な分布および距離の分析に基づいた(A.Seeling,Eur.J.Biochem.,251,252,1998)。その方法によって分析された化合物BS−121の分子は、必要な条件を満たさないため、その輸出タンパク質の基質とはなり得ない。
600ps中測定されたMDR−1トランスポータとの水素結合のための電子供与体であり得る原子間の距離の変化は、これらの距離がMDR−1トランスポータ基質にとっては不可欠である範囲を超えることを示す。
本発明は、以下の非制限的な例によってさらに例示される。
[実施例]
実施例1および24は、適切な化合物のための基質合成の方法を記載する。
実施例2〜23および25〜29では、本発明による化合物の合成が記載される。
実施例2〜23は、四環式2,6−二置換誘導体および2−一置換誘導体の合成を記載し、実施例25〜27は、1,5−二置換誘導体を記載し、一方、実施例28および29は、五環式2,6−または2,7−二置換誘導体を記載する。実施例に記載される、新しい四環式および五環式化合物の構造を、表1および2に示す。
[実施例1]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン
12mLの65%硝酸と24mLの水の混合物中の1−クロロ−4−メチルアントラキノン(6g、23.37mmol)の懸濁液を、テフロン内装の圧力反応器内で、200℃で6時間加熱する。冷却した後、反応混合物を、水で希釈し、得られた沈殿物を濾過する。得られた粗酸をクロロホルムで処理し、濾過し、次に、酢酸エチルで結晶化して、4.1g(収率61%)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸を得る。
Η NMR(アセトン,200MHz)δ7.46(d,1H,J=8.4Hz);7.91(m,2H);7.98(d,1H,J=8.4Hz);8.26(m,2H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):285([M],100%)。
30mLのトルエン中の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸(2.5g、8.74mmol)の懸濁液に、2.2gの五塩化リンを添加し、反応混合物を30分間撹拌して、透明な溶液を得る。次に、この溶液に、1.5mLのトリエチルアミンを添加し、その後、59mLのトルエン中の2.25g(21.8mmol)の2−(ジメチルアミノ)エチルヒドラジンを滴加する。反応混合物を90分間撹拌し、得られた固体を濾過し、トルエン(2×10mL)で洗浄し、200mLのクロロホルム中に溶解する。この溶液を、5%NaCO溶液(2×60mL)および水(2×50mL)で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、クロロホルム−メタノール(80:1)溶媒系中のカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)によって精製して、0.96g(収率31%)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを得る。
H NMR(CDCl,200MHz)δ2.37(s,6H,CH);2.89(t,2H,J=6.6Hz);4.53(t,2H,J=6.6Hz);7.64(dd,1H,J=7.7Hz,J=1.5Hz);7.76(dd,1H,J=7.7Hz,J=1.5Hz);7.95(d,1H,J=8.4Hz);8.38(dd,1H,J=7.7Hz,J=1.1Hz);8.48(dd,1H,J=7.7Hz,J=1.5Hz);8.61(d,1H,J=8.4Hz)。
[実施例2]
2−[2−(ジメチロアミノ)エチル]−6−{[2−(メチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−154)、二塩酸塩
2mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび1mLのN−メチルエチレンジアミンの溶液を、窒素雰囲気下で、60℃で30分間撹拌する。反応の進行は、クロロホルム−メタノール(5:1)溶媒系中のシリカゲル60(Merck)上の薄膜クロマトグラフィーによって観察される。反応混合物をクロロホルムで希釈し、過剰なアミンを除去するために、塩酸の希釈液で慎重に洗浄し、次に、水で慎重に洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、Merck、−200メッシュ)によって、クロロホルム−メタノールを10:1、5:1、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で連続的に精製する。
1H NMR(CDCl)δ=2.37(s,6H);2.57(s,3H);2.88(t,2H,J=6.8Hz);3.06(t,2H,J=5.8Hz);3.62(q,2H,J=5.8Hz);4.50(t,2H,J=6.7Hz);7.25(d,1H,J=9.3Hz);7.59−7.72(m,2H);8.35−8.49(m,3H);10.96(t,1H,J=4.7Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):392([M+1],100)。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{2−(メチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、以下の通りに、その二塩酸塩に変換する。クロロホルム−メタノールの混合物中の化合物の溶液に、5℃の温度で、絶対エチルエーテル中のわずかにモル過剰の塩化水素を滴加する。無水エチルエーテルによって沈殿させた黄色っぽい橙色の固体を分離し、メタノール−エチルエーテルの混合物で結晶化する。生成物が、最終収率45%、融点272〜274℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例3]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(アミノエチル)アミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−121)、二塩酸塩
1mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.5mLの1,2−ジアミンエタンの溶液を、窒素雰囲気下で、80℃で1時間撹拌する。反応の進行は、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液(5:1:0.1)の溶媒系で、実施例2と同じように、薄膜クロマトグラフィーによって観察される。その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(アミノエチル)アミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(BS−121)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率55%、融点280〜282℃で得られる。
H NMR(d−DMSO)δ=2.21(s,6H);2.72(t,2H,J=6.3Hz);2.88(t,2H,J=5.8Hz);3.44(q,2H,J=5.9Hz);4.33(t,2H,J=6.8Hz);7.37(d,1H,J=9.3Hz);7.65(t,1H,J=7.4Hz);7.76(t,1H,J=7.6Hz);8.16(d,1H,J=9.4Hz);8.20(d,1H,J=7.8Hz);8.34(d,1H,J=7.8Hz);10.80(t,1H,J=4.8Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):378([M+1],100)。
[実施例4]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−メチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−7)、塩酸塩
20mLのエタノール中の100mg(0.28mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンの溶液に、90mgのN−メチルアミン塩酸塩および2mLのN,N,N−トリエチルアミンを添加する。反応混合物を、80〜90℃で2時間加熱する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。次に、反応混合物を減圧下で蒸発させ、クロロホルムで希釈し、水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−メチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−7)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを10:1、次いで2:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.87(s,6H);3.12(d,3H,J=5.2Hz);3.53(t,2H,J=6.6Hz);4.83(t,2H,J=6.6Hz);7.13(d,1H,J=9.4Hz);7.62−7.66(m,2H);8.35−8.45(m,2H);8.49(d,1H,J=6.8Hz);10.70−10.78(m,1H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):348([M],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率50%、融点264〜266℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例5]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(エチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−180)、二塩酸塩
2mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび1mLのN−エチルエチレンジアミンの溶液を、窒素雰囲気下で、60℃で30分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(エチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−180)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率55%、融点288〜290℃で得られる(分解を伴う)。
H NMR(d−DMSO)δ=1.30(t,3H,J=7.0Hz);2.85(q,2H,J=7.0Hz);2.89(s,6H);3.32(q,2H,J=6.1Hz);3.65(t,2H,J=5.6Hz);3.97(q,2H,J=6.2Hz);4.70(t,2H,J=5.6Hz);7.50(d,1H,J=9.0Hz);7.70−7.90(m,2H);8.20−8.34(m,2H);8.50(d,1H,J=8.0Hz);9.15(br.s.,1H,DO 置換可能);10.18(br.s.,1H,DO 置換可能);10.76(t,1H,J=4.8Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):406([M+1],100)。
[実施例6]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−20)、二塩酸塩
1mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7ジオンおよび0.5mLの1,3−ジアミノプロパンを、窒素雰囲気下で、104℃で3時間撹拌する。反応進行の進行は、実施例3に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−20)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
Η NMR(CDCl)δ1.92(t,2Η,J=6.9Hz);2.08(s,2H,NH,DO 置換可能);2.34(s,6H);2.80−2.96(m,4H);3.43−3.49(m,2H);4.44(t,2H,J=6.9Hz);7.12(d,1H,J=9.4Hz);7.54−7.65(m,2H);8.24−8.41(m,3H);10.70(t,1H,J=4.6Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):392([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率58%、融点149〜150℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例7]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アセチルアミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−13)、塩酸塩
50mg(0.13mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび5mLの無水酢酸/ピリジン(容量で2/1の比)の混合物の溶液を、室温で3時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。次いで、反応混合物を15mLのクロロホルムで希釈し、5%のNaCO溶液で繰り返し洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アセチルアミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−13)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを30:1、10:1、5:1、2:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ2.0(t,2H,J=6.6Hz);2.10(s,3H);2.68(s,6H);3.26(t,2H,J=6.6Hz);3.37−3.51(m,4H);4.65(t,2H,J=6.7Hz);6.55(t,1H,J=5.5Hz,DO 置換可能),6.96(d,1H,J=9.2Hz);7.54−7.62(2つの重複三重線,2H,J=7.41Hz);8.13(d,1H,J=9.7Hz);8.20(d,1H,J=7.61Hz);8.30(d,1H,J=7.7Hz);10.70(t,1H,J=4.7Hz,DO 置換可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):434([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率45%で得られ、融点は、その強い吸湿性のため測定されない。
[実施例8]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(アセチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−14)、塩酸塩
50mg(0.15mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび5mLの無水酢酸/ピリジン(容量で2/1の比)の混合物の溶液を、100℃で24時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例7と同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(アセチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−14)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを30:1、10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ2.41(s,9H);2.94(t,2H,J=6.9Hz);4.54(t,2H,J=6.8Hz);7.69(t,1H,J=7.8Hz);7.78(t,1H,J=8.3Hz);8.34(d,1H,J=7.8Hz);8.49(d,1H,J=7.8Hz);8.64(d,1H,J=9.2Hz);9.28(d,1H,J=9.8Hz);13.1(s,1H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):377([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。鮮黄色粉末が、収率20%、融点250〜253℃で得られる。
[実施例9]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[(2−ジエチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−155)、二塩酸塩
2mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび1mLのN,N−ジエチルエチレンジアミンの溶液を、窒素雰囲気下で、60℃で30分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[(2−ジエチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−155)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=1.15(t,6Η,J=7.0Hz);2.43(s,6H),2.70(q,4H,J=7.1Hz);2.87−2.99(m,4H);3.61(q,2H,J=6.3Hz);4.56(t,2H,J=6.7Hz);7.27(d,1H,J=0.9Hz);7.57−7.71(m,2H);8.37−8.54(m,3H);10.93(幅広い三重線,1H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):433([M],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率56%、融点264〜266℃で得られる。
[実施例10]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−ベンジルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−8)、塩酸塩
1mLのピリジン中の50mg(0.14mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.5mLのベンジルアミンの溶液を、窒素雰囲気下で、70〜80℃で150分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−ベンジルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−8)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色っぽい橙色の粉末が、収率60%、融点232〜233℃で得られる。
H NMR(DMSO−d)δ=2.88(d,6H,J=5.4Hz);3.10(t,2H,J=6.9Hz);3.63(d,2H,J=6.1Hz);4.60(t,2H,J=6.9Hz);7.24−7.46(m,6H);7.64−7.86(m,2H);8.20(m,2H);8.40(d,1H,J=7.8Hz),10.30(幅広い一重線,1H);10.90(t,1H,J=4.8Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):424([M],100)。
[実施例11]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(2−アミノエチルアミノ)エタノロ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−165)、二塩酸塩
0.7mLのピリジン中の70mg(0.2mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.2mLの2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールの溶液を、窒素雰囲気下で、55℃で90分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(2−アミノエチルアミノ)エタノロ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−165)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.30(s,6H);2.50−2.70(m,1H,DO 置換可能);2.84(t,2H,J=6.9Hz);2.94(t,2H,J=5.1Hz);3.10(t,2H,J=5.9Hz);3.54(q,2H,J=5.9Hz);3.75(t,2H,J=4.8Hz);4.48(t,2H,J=6.7Hz);7.06(d,1H,J=9.4Hz);7.50−7.65(m,2H);8.20−8.36(m,3H);11.00(t,1H,J=4.5Hz,DO 置換不可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):422([M+1],100),376([M−45],25)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。鮮黄色粉末が、収率55%、融点254〜255℃で得られる。
[実施例12]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(N,N−ジメチルアセトアミド)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−12)、塩酸塩
7.5mLのピリジン中の180mg(0.5mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび350mg(2.5mmol)のグリシンエチルエステル塩酸塩および0.35mLのトリエチルアミンの溶液を、85〜90℃で30分間激しく撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−カルボエトキシメチルアミノ−2.7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、15:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。単離生成物の収率は、80%である。
閉口したフラスコ中で、84mg(0.2mmol)の上で得られた化合物、4,2mLのメタノール、39mgのNaCN、および過剰なジメチルアミン(テトラヒドロフラン(tetrafydrofuran)溶液)を、50℃で5時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。反応混合物を、減圧下で蒸発させ、残渣を、熱クロロホルムとメタノールの混合物中に溶解する。
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(N,N−ジメチルアセトアミド)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−12)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、次いで、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.47(s,6H);3.00(t,2H,J=6.7Hz);3.09(s,3H);3.10(s,3H);4.15(d,2H,J=4.0Hz);4.50(t,2H,J=6.7Hz);6.95(d,1H,J=9.3Hz);7.50−7.68(m,2H);8.24(d,1H;J=9.4Hz);8.30−8.38(m,2H);11.20(m,1H)。MS−FAB:m/z(相対強度,%):420([M+1],22),375([M−45],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率50%、融点267〜269℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例13]
2−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−{[2−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−123)、二塩酸塩
2mLのピリジン中の50mg(0.17mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび1mLのN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンの溶液を、窒素雰囲気下で、70℃で30分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−{[2−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−123)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率43%、融点292〜294℃で得られる(分解を伴う)。
H NMR(DMSO−d)δ=1.80(t,2H,J=6.3Hz);2.00(m,2H);2.20(s,6H);2.40(t,2H,J=6.4Hz);2.78(s,6H);3.20(m,2H);3.50(m,2H);4.20(t,2H,J=6.5Hz);7.68(d,1H,J=9.8Hz);7.75(t,1H,J=7.6Hz);7.85(t,1H,J=7.6Hz);8.10−8.21(m,2H);8.45(d,1H,J=7.8Hz);10.05(s,1H);10.60(s,1H);10.98(t,1H,J=4.8Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):433([M],100)。
[実施例14]
2−(2−モルホリンエチル)−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−4)、塩酸塩
4mLの無水ベンゼン中の286mg(1mmol)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸および286mgの五塩化リンを、室温で40分間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。反応混合物を、減圧下で、無水ベンゼンで繰り返し蒸発させ、次に、沈殿物を、20mLの無水ベンゼン中に溶解し、8mLのベンゼン中の0.4mL(3mmol)の2−(モルホリンエチル)ヒドラジンを、撹拌下で、滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。30分後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、次に、5%のNaCO溶液および水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−(2−モルホリンエチル)−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、次いで、20:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。単離生成物の収率は、55%である。
閉口したフラスコ中で、0.4mLのDMA中の40mg(0.1mmol)の上で得られた化合物および6mLの気体アンモニアで飽和したメタノールの溶液を、60℃で4時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。反応混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を、クロロホルム/エチルエーテルの混合物で希釈し、水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−(2−モルホリンエチル)−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−4)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。淡黄色粉末が、収率60%、融点292〜295℃で得られる。
H NMR(DMSO−d)δ=3.10−3.30(m,2H);3.55−4.10(m,8H);4.60(t,2H,J=5.7Hz);7.40(d,1H,J=9.1Hz);7.73(t,1H,J=6.6Hz);7.83(t,1H,J=6.4Hz);8.20(d,1H,J=9.1Hz);8.28(dd,1H,J=8.1Hz,J=1.2Hz);8.45(d,2H,J=7.7Hz,DO 部分的に置換可能);9.60−9.70(m,1H,DO 置換可能);10.60−10.70(m,1H,DO 置換可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):377([M+1),100)。
[実施例15]
2−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−3)、塩酸塩
5mLの無水ベンゼン中の500mg(1.7mmol)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸および500mgの五塩化リンを、室温で50分間撹拌する。反応混合物を、減圧下で、無水ベンゼンで2回蒸発させ、次に、沈殿物を、30mLの無水ベンゼン中に溶解し、撹拌中、12mLの無水ベンゼン中の0.7mL(5.5mmol)の2′−(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヒドラジンを滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。20分後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、次に、5%のNaCO溶液および水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。
2−[3−(ジメチロアミノ)プロピロアミノ]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]−3,7−シンノリノ−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。単離生成物の収率は、55%である。
閉口したフラスコ中で、0.8mLのDMA中の48mg(0.1mmol)の上で得られた化合物および8mLの気体アンモニアで飽和したメタノールの溶液を、65℃で3時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。反応混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を、クロロホルム/エチルエーテルの混合物で希釈し、水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−[3(ジメチルアミノ)プロピル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−3)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、10:1、5:1、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.1−2.27(m,2H);2.27(s,6H);2.45(t,2H,J=6.9Hz);4.35(t,2H,J=7.3Hz,);7.65(t,1H,J=6.9Hz);7.70(t,1H,J=6.8Hz);7.95(d,1H,J=8.7Hz);8.42(d,1H,J=6.6Hz);8.55(d,1H,J=7.6Hz);8.65(d,J=8.6Hz,1H);9.44(t,2H,J=4.9Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):349([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。淡黄色粉末が、収率60%、融点309〜311℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例16]
2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]−シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−5)、塩酸塩
1.5mLの無水ベンゼン中の100mg(0.35mmol)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸および100mgの五塩化リンを、室温で40分間撹拌する。反応混合物を、減圧下で、無水ベンゼンで2回蒸発させ、次に、沈殿物を、4.5mLの無水ベンゼン中に溶解し、0℃で撹拌中、7mLの無水ベンゼン中の0.3mL(3mmol)の2−(ピペリジンエチル)ヒドラジンを滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。10分後、反応混合物をクロロホルムで希釈し、次に、5%のNaCO溶液および水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−(2−ピペリジンエチル)−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを70:1、50:1、20:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。単離生成物の収率は、20%である。
閉口したフラスコ中で、0.8mLのDMA中の48mg(0.1mmol)の上で得られた化合物および8mLの気体アンモニアで飽和したメタノールの溶液を、65℃で3時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。反応混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を、クロロホルム/エチルエーテルの混合物で希釈し、次いで、水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−(2−ピペリジンエチル)−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−5)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、10:1、5:1、クロロホルム−メタノール−25%のアンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=1.36−1.54(m,2H);1.56−1.75(m,4H);2.55−2.75(m,4H);2.98(t,2H,J=7.0Hz);4.60(t,2H,J=6.9Hz);7,01(d,1H,J=9.0Hz);7.60(t,2H,J=7.6Hz);7.73(t,2H,J=7.3Hz);8.27−8.34(m,1H);8.52(d,2H,J=7.2Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):375([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率60%、融点313〜315℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例17]
2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−ジメチルアミノ)エチルアミノ−2H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−167)、塩酸塩
6mLの無水ベンゼン中の600mg(2.1mmol)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸および600mgの五塩化リンを、室温で40分間撹拌する。反応混合物を、減圧下で、無水ベンゼンで2回蒸発させ、次に、沈殿物を30mLの無水ベンゼン中に溶解し、激しく撹拌中、10mLのテトラヒドロフラン/エタノール(容量で4/1の比)の混合物中の0.6mLの2−(ヒドロキシエチル)ヒドラジンを、15分間にわたって滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。30分後、溶媒は、減圧下で蒸発させ、残渣を、熱クロロホルム中に溶解し、次いで、少量のシリカゲルを添加し、溶媒を、減圧下で再蒸発させる。
2−(2−ヒドロキシエチロ)−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。生成物の収率は、70%である。
1mLのピリジン中の326mg(1mmol)の上で得られた化合物および0.2mL(0.15mmol)の2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルヒドラジンの溶液を、窒素雰囲気下で、40℃で20分間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−ジメチルアミノ)エチルアミノ−2H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−167)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、10:1、5:1、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.40(s,6H);2.75(t,2H,J=6.3Hz);3.50(q,3H,J=6.2Hz);4.20(t,2H,J=4.8Hz);4.60(t,2H,J=4.6Hz);7.15(d,1H,J=9.2Hz);7.56−7.70(m,2H);8.30−8.50(m,3H);10.90(m,1H,DO 置換可能)。MS−FAB:m/z(相対強度,%):379([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率80%、融点252〜254℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例18]
2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−17)、二塩酸塩
0.2mLのピリジン中の36mg(0.09mmol)の2−(2−ピペリジノエチル)−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.16mLのN−ベンジルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、110℃で1時間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−17)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=1.39−1.55(m,2H);1.56−1.75(m,4H),2.57−2.70(m,4H),2.92−3.09(m,4H),3.50(q,2H,J=5.9Hz);3.92(s,2H);4.59(t,2H,J=7.33Hz),7.16−7.43(m,7H),7.58−7.76(m,2H),8.36−8.54(m,2H),11.04(t,1H,J=4.9Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):508([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。濃黄色粉末が、収率65%、融点255〜257℃で得られる。
[実施例19]
6−(2−ジエチルアミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−18)、塩酸塩
2mLの無水ベンゼン中の200mg(0.7mmol)の4−クロロアントラキノン−1−カルボン酸および200mgの五塩化リンを、室温で撹拌して、透明な溶液を得る。次に、8mLの無水ベンゼンの混合物に添加する。反応混合物を含むフラスコを氷浴中に挿入し、0.4mLの80%ヒドラジンをゆっくりと滴加する。ベンゼンを、減圧下で蒸発させ、次いで、残渣にアンモニアを添加する。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。収率78%、融点316〜317℃である、6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンが、茶色粉末として得られる。
0.6mLのピリジン中の100mg(0.35mmol)の上で得られた化合物および0.5mLのN,N−ジエチルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、100℃で5時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。反応混合物を、クロロホルム/エチルエーテルの混合物で希釈し、過剰なアミンを除去するために、塩酸の希釈溶液で洗浄し、次に、水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。6−(2−ジエチルアミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−18)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ1.14(t,6Η,J=7.2Hz);2.65−2.76(q,4H,J=7.1Hz);2.88(t,2H,J=6.6Hz);3.51−3.60(q,2H,J=6.1Hz);7.19−7.26(d,1H,J=9.2Hz);7.57(t,1H,J=7.1Hz);7.68(t,1H,J=7.2Hz);8.32−8.47(m,3H),10.9(t,1H,DO 置換可能),11.30(幅広い一重線,1H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):363([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。濃黄色粉末が、収率35%、融点215〜217℃で得られる。
[実施例20]
6−(2−ベンジルアミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−10)、塩酸塩
1mLのピリジン中の100mg(0.35mmol)の6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.5mLのN−ベンジルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、104℃で5時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例19に記載されるものと同様である。6−(2−ベンジロアミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリノ−3,7−ジオン(PDZ−10)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率20%、融点202〜203℃で得られる。
H NMR(d−DMSO)δ3,25(幅広い一重線,2Η),3,96(d,2Η,J=5.8Hz),4.21(d,2H,J=4.0Hz),7.43(d,3H,J=7,0Hz),7.57−7.65(m,3H),7.70−7.85(m,2H),8.27(d,2H,J=8.7Hz),8,39(d,1H,J=7.9Hz);9,52(幅広い一重線,1H,NH,DO 置換可能),10,82(d,1H,NH,DO 置換可能,J=6,1Hz),13,28(s,1H,NH,DO 置換可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):396([M],100)。
[実施例21]
6−(2−ブチルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−9)、塩酸塩
1mLのピリジン中の100mg(0.35mmol)の6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.5mLのN−ブチルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、104℃で5時間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例19に記載されるものと同様である。6−(2−ブチロアミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンナリノ−3,7−ジオン(PDZ−9)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、10:1、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ0.90(t,3H,J=7.1Hz),1.29−1.40(m,2H),1.62−1.75(m,2H),2.90−3.04(m,2H),3.22−3.37(m,2H),3.89−3.95(m,2H),7.59(d,1H,J=9.24Hz);7.68(t,1H,J=7.4Hz);7.80(t,1H,J=7.8Hz);8.26(d,2H,J=9.1Hz);8.36(d,2H,J=9.3Hz);9.09(s,1H,DO 置換可能),10.78(t,1H,J=13.97Hz),13.25(s,1H,DO 置換可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):363([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率68%、融点203〜205℃で得られる。
[実施例22]
6−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]アミノ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−131)、塩酸塩
1mLのピリジン中の130mg(0.5mmol)の6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.4mLのN,N−ジメチル−1,3−ジアミノプロパンの溶液を、窒素雰囲気下で、100℃で210分間撹拌する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例19に記載されるものと同様である。
6−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]アミノ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−131)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを10:1、次いで、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。濃黄色粉末が、収率63%、融点312〜313℃で得られる(分解を伴う)。
H NMR(DMSO−d)δ=2.00−2.20(m,2H);2.78(s,3H);2.80(s,3H);3.10−3.20(m,2H);3.45−3.55(m,2H);7,50(d,1H,J=9.2Hz);7.70(t,1H,J=7.5Hz);7.82(t,1H,J=7.24Hz);8.30(d,2H,J=8.4Hz);8.40(d,1H,J=7.8Hz);10.40(m,1H,DO 置換不可能);10.80(t,1H,J=5.3Hz,DO 置換不可能);13.20(s,1H,DO 置換不可能)。MS−FAB m/z(相対強度,%):349([M+1],100)。
[実施例23]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−15)、塩酸塩
2mLの無水ベンゼン中の125mg(0.125mmol)の9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1−アントラセンカルボン酸および150mgの五塩化リンの懸濁液に、室温で1時間撹拌する。反応混合物を、減圧下で蒸発させる。残渣に、5mLの無水ベンゼンを添加し、次に、10分間、3mLのベンゼン中の0.15mL(1.1mmol)の2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルヒドラジンを添加し、室温で1時間撹拌する。反応の進行およびその後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ジメチルアミノ)エチロ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(PDZ−15)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを20:1、次いで、5:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.49(s,6H);3.05(t,2H,J=6.6Hz);4.62(t,2H,J=6.6Hz);7.64(m,1H);7.78(m,1H);7.98(t,1H,J=7.7Hz);8.38(dd,1H,J=5.0,J=1.5Hz);8.50(dd,1H,J=5.1Hz,J=1.3Hz);8.74(m,2H)。MS−FAB m/z(相対強度,%):320([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率53%、融点269〜270℃で得られる(分解を伴う)。
[実施例24]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン
20mLのm−クロロトルエン中の5gの無水フタル酸および10gのAlClの溶液を、室温で4時間撹拌する。150分後、反応混合物が濃厚になる場合は、20mLのm−クロロトルエンを添加する。温度を徐々に70〜75℃まで上昇させ、撹拌をさらに6時間継続する。次に、反応混合物に、冷却後、100mLの水を添加し、過剰なm−クロロトルエンを減圧下で蒸発させる。得られた橙色の沈殿物を熱湯で2回処理し、残渣をNaHCOの希釈溶液で加熱し、溶液を濾過する。濾液を冷却し、希塩酸を添加し、所望の生成物:2−(4−クロロ−2−メチルベンゾイル(methylbenzoilo))安息香酸および2−(2−クロロ−2−メチルベンゾイル(methylbenzoilo))安息香酸の2つの異性体の混合物を沈殿する。
H NMR(DMSO−d)δ=2.50(s,3H,CH);2.54(s,3H,CH);7.06(d,2H,J=8.2Hz);7.21−7.29(m,2H);7.40−7.48(m,4H);7.61−7.68(m,4H);7.85−7.93(m,2H);13.22(s,1H)ppm。
5g(18.2mmol)の上で得られた異性体の混合物および14mLの20%発煙硫酸の溶液を、100℃で90分間撹拌する。次いで、反応混合物を冷却し、氷上に注ぐ。得られた灰色固体を濾過し、水で洗浄し、次に、NaOHの溶液中に溶解する。不溶性部分を分離し、濾液に、希塩酸を添加し、2つの異性体:3−クロロ−1−メチル−アントラキノンおよび1−クロロ−3−メチル−アントラキノンの混合物を沈殿する。
0.1g(0.39mmol)のその異性体の混合物、0.6mLの水、および3.69mLの98% HSOを、20℃で撹拌して、透明な溶液を得る。温度を徐々に70℃まで上昇させ、撹拌をさらに2時間継続する。次いで、0.264gのMnOを添加し、撹拌をさらに2時間継続する。次いで、反応混合物を冷却させ、氷上に注ぎ、沈殿した固体を分離し、水で洗浄し、次に、アンモニア溶液中に溶解する。得られた懸濁液を濾過し、希塩酸の添加により、3−クロロ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1−アントラセンカルボン酸および1−クロロ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−3−アントラセンカルボン酸の混合物を沈殿する。
5mLの無水ベンゼン中の500mg(1.7mmol)の3−クロロ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1−アントラセンカルボン酸/1−クロロ−9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−3−アントラセン−カルボン酸の混合物および500mgの五塩化リンを、40℃で40分間撹拌する。反応混合物を、減圧下で、5mLのベンゼンで2回蒸発させ、次に、沈殿物を30mLの無水ベンゼン中に溶解し、20分間撹拌中、12mLのベンゼン中の0.6mL(4.5mmol)の2′−(N,N−ジメチルアミノ)エチルヒドラジンを滴加する。反応をさらに15分間継続し、次に、50mLのクロロホルムを添加し、溶液を5%のNaCO溶液および水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンを、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。単離生成物の収率は、47%であり、融点は169〜172℃である。
H NMR(C)δ=2.16(s,6Η,2×CH);2.73(t,2H,J=6.3Hz);4.33(t,2H,J=6.5Hz);7.09(t,1H,J=7.8Hz);7.23(t,1H,J=7.3Hz);8.29(d,1H,J=8.3Hz);8.39−8.40(m,2H);8.48(s,1H)。
[実施例25]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−169)、二塩酸塩
1mLのピリジン中の80mg(0.22mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、10mgのCuCl、および0.5mLのN,N−ジエチルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、142℃で3時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−169)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、30:1、10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=1.13(t,6H,J=7.0Hz);2.42(s,6H);2.75(q,4H,J=6.7Hz,J=2Hz);2.90(t,4H,J=6.31Hz);3.39(q,2H,J=5.1Hz,J=2.1Hz);4.49(t,2H,J=7.6Hz);5.85(s,1H);7.55−7.70(m,3H);7.88(d,1H,J=2.3Hz);8.30(d,1H,J=7.0Hz);8.43(d,1H,J=7.7Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):434([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率18%、融点108〜110℃で得られる。
[実施例26]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(2−アミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−170)、二塩酸塩
1mLのピリジン中の80mg(0.22mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、10mgのCuCl、および0.5mLの1,2−ジアミノエタンを、窒素雰囲気下で、112℃で3時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(2−アミノエチロアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン(C−170)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、30:1、10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl)δ=2.37(s,6H);2.84(t,2H,J=6.6Hz);3.14(t,2H,J=5.8Hz);3.40(m,2H);4.40(t,2H,J=4.4Hz);5.50(s,1H);7.44−7.72(m,3H);7.81(d,1H,J=2.2Hz);8.23(d,1H,J=7.7Hz);8.37(d,1H,J=8.0Hz)ppm。MS−FAB m/z(相対強度,%):378([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率18%、融点285〜288℃で得られる。
[実施例27]
2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[(2−ベンジルアミノ)エチルアミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリノ−3,7−ジオン(C−171)、二塩酸塩
1mLのピリジン中の50mg(0.17mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、8mgのCuCl、および0.5mLのN−ベンジルエチレンジアミンを、窒素雰囲気下で、156℃で4時間撹拌する。反応の進行は、実施例3に記載されるように観察される。その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[(2−ベンジルアミノ)エチルアミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリノ−3,7−ジオン(C−171)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、30:1、10:1、5:1、次いで、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を5:1:0.1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。融点109〜111℃。
H NMR(CDCl)δ=2.42(s,6H);2.95(t,2H,J=6.3Hz);3.10(s,2H);3.48(d,2H,J=4.5Hz);4.03(s,2H);4.49(t,2H,J=6.8Hz);7.34(m,5H);7.43(s,3H);7.72(s,1H);8.16(d,1H,J=7.8Hz);8.26(d,1H,J=7.8Hz)。MS−FAB m/z(相対強度,%):468([M+1],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率15%で得られる。
[実施例28]
ビス−2,6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,6−ジヒドロ−5H−ベンゾ[h]インダゾロ[5,4,3−def]シンノリン−5−オン(C−163)、塩酸塩
2mLのDMSO中の180mg(0.5mmol)の2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−クロロ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンおよび0.15mLのクロロホルムの懸濁液に、90℃で激しく撹拌し、0.5mL(3.75mmol)の2−(ジメチルエチル)ヒドラジンを滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。80分後、その後の手順は、実施例2に記載されるものと同様である。ビス−2,6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,6−ジヒドロ−5H−ベンゾ[h]インダゾロ[5,4,3−def]シンノリン−5−オン(C−163)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノールを50:1、20:1、5:1、2:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で連続的に単離する。
H NMR(CDCl3)δ=2.30(s,6H);2.45(s,6H);3.00(t,4H,J=6.0Hz);4.70I4.75(2つの重複三重線,4H);7.60−7.70(m,2H);7.80(d,1H,J=8.8Hz);8.30(d,1H J=8.9Hz);8.35(m,1H);8.70−8.80(m,1H)。MS−FAB:m/z(相対強度,%);403([M+1],100),357([M−45],30)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色っぽい橙色の粉末は、収率40%、融点243.5〜245℃で得られる。
[実施例29]
2,7−ビス−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロベンゾ[h]フタラジノ[7,8,1−def]シンノリン−3,6−ジオン(CP−4)、二塩酸塩
5mLの無水ベンゼン中の200mg(0.7mM)の9,10−ジオキソ−9,10−ジヒドロ−1,4−アントラセンジカルボン酸および400mgの五塩化リンの懸濁液に、1時間還流する。反応混合物を、減圧下で蒸発させ、次いで、10mLのベンゼン中の0.8mLの2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルヒドラジンを90℃で滴加する。反応の進行は、実施例2に記載されるように観察される。反応混合物を減圧下で蒸発させ、次に、クロロホルムで希釈し、NaHCO溶液および水で洗浄する。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。2,7−ビス−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロベンゾ[h]フタラジノ[7,8,1−def]シンノリン−3,6−ジオン(CP−4)を、実施例2に記載されるように、クロロホルム−メタノール−25%アンモニア溶液を150:15:1の溶媒系で、カラムクロマトグラフィー上で単離する。
H NMR(CCl)δ=1.10(t,12H,J=7.0Hz);2.72(q,8H,J=7.3Hz);3.10(t,4H,J=7.3Hz);4.60(t,4H,J=7.3Hz);7.66(q,2H,J=3.4Hz);8.57(q,2H,J=3.4Hz);8.60(s,2H)。MS−FAB:m/z(相対強度,%);486([M],100)。
化合物は、実施例2に記載されるように、その二塩酸塩に変換される。黄色粉末が、収率30%、融点275〜276℃で得られる。

Claims (15)

  1. 式(I)
    の非対称に置換されたアントラピリダゾン誘導体であって、
    式中、
    Xは、酸素または窒素原子であり、
    Xが酸素原子であるとき、アントラピリダゾンは、式(IA)
    によって表され、
    式中、3つの置換基R、R、またはRのうちの1つは水素原子であるが、残りの2つは、水素原子ではない場合、以下の意味を有し、
    は、(CH−OHまたは−(CH−N(R)−Rであり、
    式中、
    q=2または3であり、
    およびRは同じであり、C−Cアルキルを意味するか、
    または
    およびRは、2位でそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペラジン、ピペリジン、またはモルホリン環等のさらなる窒素または酸素原子を任意に含有する6員環式環を形成し、
    は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
    式中、
    m=0、1、2、または3であり、
    n=0または1であり、
    p=0、1、または2であり、
    Yは、−C(O)−または−N(R)−であり、
    は、H、−OH、またはフェニルであり、
    は、水素原子またはC−Cアルキルであり、
    は、水素原子または−NH−(CH−N(R)−R部分であり、
    式中、
    r=1、2、または3であり、
    およびRは、同じであるかまたは異なり、独立して、H、C−Cアルキル、またはC−Cアルキルで置換されるフェニルであり、
    但し、
    が−(CHN(CH(q=2およびR=R=CH)であるとき、Rは、−(CHN(CHでも−NHでもなく(m≠0、n≠1、R≠H、およびR≠H)、
    Xが窒素原子であるとき、式(I)中の、
    は、Hであり、
    が窒素原子に結合し、一緒になって、式(a)または(b)によって表される基を形成し、
    およびR10は、同じであり、−(CHN(CHであり、
    およびR11は、同じであり、−(CHN(CHCHであり、
    したがって、アントラピリダゾンは、式(IB)または(IC)を有する、誘導体、
    ならびにその薬学的に許容される塩。
  2. Xは、酸素原子を表し、
    は、−(CHN(CHであり、
    は、−NH−(CH−(Y)−(CH)p−Rであり、
    式中、
    m=0、1、2、または3であり、
    n=0、1であり、
    p=0、1、2であり、
    Yは、−N(R)−であり、
    は、水素原子または−OHであり、
    は、水素原子またはC−Cアルキルであり、
    は、水素原子である、請求項1に記載の式(IA)のアントラピリダゾン誘導体。
  3. は、−(CH−N(R)−Rであり、
    式中、
    q=2または3であり、
    およびRは、2位でそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピペラジン、ピペリジン、またはモルホリン環等のさらなる窒素または酸素原子を含む可能性がある6員環式環を形成し、
    は、−NH−(CH−)−(Y)−(CH−Rであり、
    式中、
    m=0、1、2、または3であり、
    n=0、1であり、
    p=0、1、2であり、
    Yは、−N(R)−基であり、
    は、水素原子または−OHであり、
    は、水素原子または−CHであり、
    は、Hである、請求項1に記載の式(IA)のアントラピリダゾン誘導体。
  4. は、Hであり、
    は、−NH−(CH−(Y)−(CH−Rであり、
    式中、
    m=0、1、2、または3であり、
    n=0または1であり、
    p=0、1、または2であり、
    Yは、−N(R)−であり、
    は、水素原子または−OHであり、
    は、水素原子または−CHであり、
    は、Hである、請求項1に記載の式(IA)のアントラピリダゾン誘導体。
  5. は、−(CHN(CHであり、
    は、Hであり、
    は、水素原子または−NH−(CH−N(R)−Rであり、
    式中、
    r=2であり、
    およびRは、同じであるかまたは異なり、独立して、H、C−Cアルキル、またはC−Cフェニルを意味する、請求項1に記載の式(IA)のアントラピリダゾン誘導体。
  6. 2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(メチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(アミノエチル)アミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−メチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(エチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(3−アミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチロアミノ)エチル]−6−[(3−アセチロアミノプロピル)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリノ−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(アセチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[(2−ジエチルアミノ)エチル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(N−ベンジルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[2−(2−アミノエチルアミノ)エタノロ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−[(N,N−ジメチロアセトアミド)アミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−{[2−(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−(2−モルホリンエチル)−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ピペリジンアミノ)エチロ]−6−アミノ−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−(2−ヒドロキシエチル)−6−(2−ジメチルアミノ)エチルアミノ−2H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ピペリジンアミノ)エチル]−6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    6−(2−ジエチルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    6−(2−ベンジルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    6−(2−ブチルアミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    6−[(3−ジメチルアミノ)プロピル]アミノ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−(2−アミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン、
    [2−(ジメチルアミノ)エチル]−5−[(2−ベンジルアミノ)エチルアミノ]−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオン
    ビス−2,6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,6−ジヒドロ−5H−ベンゾ[h]インダゾロ[5,4,3−def]シンノリン−5−オン、
    2,7−ビス−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−2,7−ジヒドロベンゾ[h]フタラジノ[7,8,1−def]シンノリン−3,6−ジオンを含む群から選択される請求項1に記載のアントラピリダゾン誘導体、
    ならびにそれらの薬学的に許容される塩。

  7. によって表される2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−{[2−(メチルアミノ)エチロ]アミノ}−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンである、請求項1に記載のアントラピリダゾン。

  8. によって表される2−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−6−(2−アミノエチルアミノ)−2,7−ジヒドロ−3H−ジベンゾ[de,h]シンノリン−3,7−ジオンである、請求項1に記載のアントラピリダゾン。

  9. によって表されるビス−2,6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−2,6−ジヒドロ−5H−ベンゾ[h]インダゾロ[5,4,3−def]シンノリン−5−オンである、請求項1に記載のアントラピリダゾン。

  10. によって表される2,7−ビス−[2−(ジエチルラミノ)エチル]−2,7−ジヒドロベンゾ[h]フタラジノ[7,8,1−def]シンノリン−3,6−ジオンである、請求項1に記載のアントラピリダゾン。
  11. 腫瘍細胞、特に多剤耐性のものに対する活性を示す薬剤として使用される、請求項1に記載の式(I)のアントラピリダゾン誘導体。
  12. これまで使用された化学療法剤、特に、アントラサイクリンおよびミトキサントロンのようなアントラキノン系に対する耐性が構築されている、腫瘍性疾患のそのような腫瘍患者における治療において薬剤として使用される、請求項1に記載の式(I)のアントラピリダゾン誘導体。
  13. P−gp、BCRP、およびMRP等の幾つかの種類の輸出タンパク質を同時に過剰発現することから生じると診断された耐性を有する患者の治療において、他の化学療法剤と一緒に使用される、請求項1に記載の式(I)のアントラピリダゾン誘導体。
  14. 薬学的に許容される担体および/または補助物質と一緒に、治療有効量の請求項1に記載の式(I)のアントラピリダゾンを活性物質として含む、薬学的製剤。
  15. 患者、特に、ヒトの治療方法であって、治療上有効量の請求項1に記載の式(I)のアントラピリダゾンを、そのような治療を必要とする前記個人に投与することを含む、方法。
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