JP2014514495A - 燃料噴射装置および燃料噴射装置のためのタンク組み込みユニット - Google Patents

Abstract

【課題】燃料噴射装置内において燃料を圧送するための電気的なフィードポンプを配置および位置決めするための、スペースを節約した解決策を提供する。
【解決手段】本発明は、内燃機関の燃料噴射装置、特にコモンレールシステムであって、流体状の媒体、特に燃料を前記燃料噴射装置内で圧送するための電動式のフィードポンプを有しており、該電動式のフィードポンプは、電子式の整流子モータを備えた駆動装置とポンプ装置とを有していて、前記駆動装置と前記ポンプ装置とが１つの一体的なユニットを形成している形式のものに関し、この場合、前記電動式のフィードポンプは、燃料噴射装置の燃料タンク内に組み込み可能であるタンク組み込みユニット内に配置されるように適合されている。本発明はさらに、内燃機関の燃料噴射装置、特にコモンレールシステムのためのタンク組み込みユニットに関し、この場合、前記タンク組み込みユニット内または該タンク組み込みユニットに接して、前記燃料噴射装置内で流体状の媒体、特に燃料を圧送するために、電動式のフィードポンプが配置されており、前記電動式のフィードポンプが、電子式の整流子モータを備えた駆動装置およびポンプ装置を有していて、前記駆動装置と前記ポンプ装置が１つの一体的なユニットを形成している。
【選択図】図３

Description

本発明は、請求項１の前文に記載された燃料噴射装置、および請求項９の前文に記載された、燃料噴射装置のためのタンク組み込みユニットに関する。

燃料噴射装置、例えばコモンレースシステム内において燃料を圧送するための電動式のフィードポンプとして、一方では、ウイングポンプおよびローラーベーンポンプ並びに内接型ギヤポンプまたは外接型ギヤポンプが装着されており、これらのポンプは、軸方向でモータ軸にフランジを介して接続されていて、これらのポンプの駆動モータはＤＣ変換型としてまたは「ブラシレス」のＤＣ変換型として構成されている。このような型式の電動式のフィードポンプは、互いに分離されたフィードユニットおよび駆動ユニットを有している。他方、背景技術ではいわゆる一体的な構造形式が公知であり、この構造形式においてはフィードユニットと駆動ユニットとは、互いに別個に設けられているのではなく、分離不能なユニットとして１つのハウジング内に一緒に設けられている。

一体的な構造形式は、例えば特許文献１に記載されており、この場合、フィードポンプは電動モータに組み込まれている。フィードポンプは第１の歯車と第２の歯車とを有している。２つの歯車間に吐出室が形成されている。第２の歯車は、その中央部がロッドに支承されている。第１の歯車は外歯歯車であって、回転子を形成しており、第２の歯車は、第１の歯車の偏心的な中央部内で連動される内歯歯車である。第１の歯車は貼り付けられた複数の永久磁石を有しており、これらの永久磁石は外周部に亘って分配配置されている。外側の磁界発生器は、回転子的に変化する環状の磁界を生じさせ、この環状の磁界が、回転子の直接的な電動モータ的な追従運動を生じさせる。

一体的な構造形式の、その他の電動式の内接型ギヤポンプは、特許文献２によっても公知である。この公知の明細書に記載された内接型ギヤポンプは、内歯を備えた内歯リングギヤと、外歯を備えたピニオンとを有しており、このピニオンは、圧送作用を生じさせるためにリングギヤに噛み合い、この際にピニオンはリングギヤに対して偏心的にジャーナルに回転可能に支承されている。リングギヤとピニオンとから成る構成部はハウジング内に収容されており、この場合、ハウジング内に電気的に整流された固定子が配置されていて、この固定子は、リングギヤを巡って同心的に延在していて、電動モータの形式でマグネットリングと協働し、このマグネットリングはリングギヤを同心的に包囲していて、このリングギヤと相対回動不能に結合されている。この場合、マグネットリングは、圧送作用を生じさせるためにリングギヤと共に回転運動を行う。

背景技術により公知の変形例は、通常は燃料噴射装置の高圧ポンプに直接配置されているか、または高圧ポンプの上流側で燃料タンクと高圧ポンプとの間に配置されているので、追加的な構造スペースを必要とする。

ドイツ連邦共和国特許公開第１０２００６００７５５４号明細書 ドイツ連邦共和国特許公開第１０２００６０３７１７７号明細書

従って、燃料噴射装置内において燃料を圧送するための電気的なフィードポンプを配置および位置決めするための、スペースを節約した解決策を提供する必要がある。

本発明によれば、内燃機関の燃料噴射装置、特にコモンレールシステムが設けられており、このコモンレールシステムは、流体状の媒体、特に燃料を前記燃料噴射装置内において圧送するための電動式のフィードポンプを有しており、この電動式のフィードポンプは、電子式の整流子モータを備えた駆動装置とポンプ装置とを有していて、この駆動装置とポンプ装置とが１つの一体的なユニットを形成しており、この場合、電動式のフィードポンプは、燃料噴射装置の燃料タンク内に組み込み可能であるタンク組み込みユニット内に配置されるように適合されている。駆動装置とポンプ装置とが一体的なユニットを形成している、一体的な型式の電動式フィードポンプの、軸方向で非常にコンパクトな構造形式によって、このフィードポンプは、例えば鞍型タンクにおけるような非常に制限された組み込みスペース比が存在する場合でも、燃料タンク内に簡単に組み込むことができる。この場合、電動式のフィードポンプの組み込みは、相応に長いタンク組み込みユニットおよびひいては相応に深いタンクを必要とする従来の燃料ポンプと比較して、要求に基づいて最適化されたより小型で、しかもより低いタンク組み込みユニット内で行われる。一体的な構造形式の電動式のフィードポンプを燃料タンク内に組み込むことによって、スペースの節約が得られると共に別の利点も得られる。例えば電動式のフィードポンプの軸方向で短い構造形式によって、およびひいては全体的に短いタンク組み込みユニットによっても、フィードポンプは、タンクジェットポンプ若しくは燃料ポンプの後ろのベンチュリ管に通じる吸込み管路を省くことができるように、燃料タンク内に位置決めすることができる。しかも、電動式のフィードポンプの電子式の整流は好都合である。何故ならば、機械式の整流エレメントを省くことによって、著しく長い耐用年数が得られるからである。また電動式のフィードポンプは、振動およびその他の周囲の影響を受けにくい。

好適な実施形態によれば、電動式のフィードポンプは、機械式に、特にスナップイン結合部によってまたはねじによって、タンク組み込みユニット内または該タンク組み込みユニットに接して固定可能である。これによって迅速かつ安価な組立が可能である。

好適な実施形態によれば、電動式のフィードポンプは、タンク組み込みユニット内に緩く配置されるように適合されている。

さらに別の好適な実施形態によれば、電動式のフィードポンプの吸込み側にフィルタが配置されている。

好適には、フィルタがインテリジェント制御によって洗浄可能である。これによってフィルタのメンテナンス間隔を好適な形式で延長することができる。

さらに、電動式の燃料ポンプが少なくとも１つの一体的な加熱エレメントを有していれば、特に好適である。このようにすれば、ディーゼル燃料内でのパラフィン分離物は、タンク組み込みユニット内において直接「融解“auftauen”」若しくは「溶解“aufloesen”」することができ、このために燃料タンク全体を加熱する必要はない。パラフィンが低圧システム内にポンピングにより供給されることはないので、追加的なフィルタエレメントを取り付けることは避けられ、さらなるコストの節約が得られる。

好適な実施形態によれば、電動式のフィードポンプが内接型ギヤポンプとして構成されている。

好適には、電子式の整流子モータが、回転子および固定子を有しており、前記回転子が前記固定子内に直接滑り軸受けされている。

さらに本発明によれば、内燃機関の燃料噴射装置、特にコモンレールシステムのためのタンク組み込みユニットが設けられており、このタンク組み込みユニット内または該タンク組み込みユニットに接して、前記燃料噴射装置内で流体状の媒体、特に燃料を圧送するために、電動式のフィードポンプが配置されており、この電動式のフィードポンプは、電子式の整流子モータを備えた駆動装置とポンプ装置とを有していて、この駆動装置とポンプ装置とは１つの一体的なユニットを形成している。一体的な構成型式の電動式のフィードポンプを備えた本発明によるタンク組み込みユニットは、前述のように、特にスペースを節約して燃料噴射装置の燃料タンク内に直接組み込むことができる。

好適な実施形態によれば、電動式のフィードポンプは、スナップイン結合部によって、またはねじによって、前記タンク組み込みユニット内または該タンク組み込みユニットに接して固定されている。これによって、簡単かつ迅速で安価な組立が可能である。

以下に本発明の実施形態を用いて詳しく説明する。

従来技術による燃焼噴射装置の概略図である。 従来技術による燃料噴射装置の燃料タンクの断面図である。 １実施形態による燃料噴射装置の燃料タンクの断面図である。 １実施形態によるタンク組み込みユニットの電動式のフィードポンプの固定可能性を示す概略図である。 １実施形態によるタンク組み込みユニットの電動式のフィードポンプの固定可能性を示す概略図である。

図１には、従来技術による燃料噴射装置１の概略図が示されている。燃料タンク５から、軸方向に長く構成された電動式のフィードポンプ２によって、接続管路３を介して燃料が高圧ポンプ４へ圧送される。接続管路３内にオーバーフローバルブ６が配置されている。燃料タンク５、電動式のフィードポンプ２および接続管路３は、低圧で負荷されており、従って燃料噴射装置１の低圧領域に属している。

高圧ポンプ４に圧力調整弁８が取り付けられており、この圧力調整弁８は管路９を介して燃料タンク５に接続されている。また高圧ポンプ４から高圧管路１０が延在しており、この高圧管路１０は、高圧で負荷された燃料を、コモンレールと称呼される蓄圧器１２に供給する。蓄圧器１２から、流量制限器１３を介在して高圧管路１４が延在しており、これらの高圧管路１４は、高圧で負荷された燃料を蓄圧器１２から噴射弁１５に供給する。図面では見やすくするために、これらの噴射弁１５のうちの１つの噴射弁１５だけが示されている。高圧管路１０、蓄圧器１２、高圧管路１４および噴射弁１５は、高圧で負荷された燃料を収容しており、従って燃料噴射装置１の高圧領域に配属される。

燃料噴射弁１５から、第１のセクション１６と第２のセクション１７とを有するリターン管路が燃料タンク５に通じている。リターン管路の第１のセクション１６と第２のセクション１７との間に、圧力保持弁１８が介在されている。圧力保持弁１８は、リターン管路の第１のセクション１６内に約１０バール（bar）の最小圧力を維持するために用いられる。約１０バールの最小圧力によって、燃料噴射装置、の運転状態とは無関係に燃料噴射装置１内のピエゾアクチュエータ（図示せず）と制御弁部材（図示せず）との間の連結室を満たすことができる。燃料噴射装置１の運転は電子制御装置１１によって制御される。蓄圧器１２には圧力制限弁７が設けられており、この圧力制限弁７はリターン管路に接続されている。蓄圧器１２内の圧力が所定の最大値を超えると、圧力制限弁７は開放し、蓄圧器１２内の過圧が低圧領域で減圧される。

図２には、従来技術による燃料タンク５の断面図が示されている。燃料タンク５内にディーゼル燃料１９が収容されている。さらに燃料タンク５内にタンク組み込みユニット２０が配置されており、このタンク組み込みユニット２０内に、大きい軸方向長さを有する電動式のフィードポンプ２が設けられている。電動式のフィードポンプ２の大きい軸方向長さに制限されて、同様に大きい軸方向長さを有するタンク組み込みユニット２０の位置決めは、相応の軸方向長さを有する、燃料タンク５内の僅かな位置に限定されている。さらに、従来技術による図示の配置においては、燃料タンク５内にタンクジェットポンプ２１を配置する必要がある。

図３は、１実施形態による燃料タンク５の断面図である。電動式のフィードポンプ２は、一体構造のポンプであり、この一体構造のポンプにおいて、駆動装置２２が電子式の整流子モータ（図示せず）とポンプ装置２３と共に、概略的にだけ示されている一体的なユニット２４を形成している。この場合、電動式のフィードポンプ２が軸方向で非常にコンパクトな構造形式を有していることによって、タンク組み込みユニット２０を相応にコンパクトに構成することが可能であり、タンク組み込みユニット２０を、著しく限定された組み込み可能性を有する燃料タンク内に配置することができる。またこれによって、タンク組み込みユニット２０を燃料タンク５内の殆どすべての位置に配置することもできるので、追加的なタンクジェットポンプは省くことができる。電子整流は高い周波数を有する電流を必要とし、このような高周波数は、低品位の電磁石的な適合性をもたらすか若しくは高価な費用をかけて管路の遮蔽を必要とする、ということが分かった。従って、パワーエレクトロニクスから駆動装置２２にパワーを導くラインをできるだけ短く維持する必要がある。

図４Ａおよび図４Ｂは、１実施形態によるタンク組み込みユニット２０内における電動式のフィードポンプ２の固定可能性の概略図を示す。この場合、電動式のフィードポンプ２の固定は、簡単かつ迅速な形式でいわゆるスナップイン結合部２５，２５′によって得られる。このスナップイン結合部２５，２５′は、電動式のフィードポンプ２をタンク組み込みユニット２０内に確実に保持する（図４Ｂ）。組み立てる際に、電動式のフィードポンプ２は、スナップイン結合部２５，２５′のそれぞれの弾性的な緊締エレメント２６，２６′間に簡単に挿入され、その際に弾性的な緊締エレメント２６，２６′が弾性的に外方へ撓むようになっている（図４Ａ）。電動式のフィードポンプ２が、タンク組み込みユニット２０内におけるその最終的な位置に達すると、弾性的な緊締エレメント２６，２６′は再びその初期位置を占め、それぞれの係止突起２７，２７′で以って電動式のフィードポンプ２のハウジング２９の上側２８を把持する（図４Ｂ）。

本発明の構成によって、電動式のフィードポンプ２を、燃料タンク５内の殆どすべての位置に迅速かつ簡単に組み付けることができる。

１ 燃料噴射装置
２ フィードポンプ、燃料ポンプ
３ 接続管路
４ 高圧ポンプ
５ 燃料タンク
６ オーバーフローバルブ
７ 圧力制限弁
８ 圧力調整弁
９ 管路
１０ 高圧管路
１１ 電子制御装置
１２ 蓄圧器
１３ 流量制限器
１４ 高圧管路
１５ 噴射弁
１６ 第１のセクション
１７ 第２のセクション
１８ 圧力保持弁
１９ ディーゼル燃料
２０ タンク組み込みユニット
２１ タンクジェットポンプ
２２ 駆動装置
２３ ポンプ装置
２４ 一体的なユニット
２５，２５′ スナップイン結合部
２６，２６′ 緊締エレメント
２７，２７′ 係止突起
２８ 上側
２９ ハウジング

Claims (10)

1. 内燃機関の燃料噴射装置（１）、特にコモンレールシステムであって、流体状の媒体、特に燃料（１９）を前記燃料噴射装置（１）内で圧送するための電動式のフィードポンプ（２）を有しており、該電動式のフィードポンプ（２）は、電子式の整流子モータを備えた駆動装置（２２）とポンプ装置（２３）とを有していて、前記駆動装置（２２）と前記ポンプ装置（２３）とが１つの一体的なユニット（２４）を形成している形式のものにおいて、
   前記電動式のフィードポンプ（２）は、前記燃料噴射装置（１）の燃料タンク（５）内に組み込み可能であるタンク組み込みユニット（２０）内に配置されるように適合されていることを特徴とする、燃料噴射装置（１）。
2. 前記電動式のフィードポンプ（２）が、機械式に、特にスナップイン結合部（２５，２５′）によってまたはねじによって、前記タンク組み込みユニット（２０）内または該タンク組み込みユニット（２０）に接して固定されていることを特徴とする、請求項１に記載の燃料噴射装置（１）。
3. 前記電動式のフィードポンプ（２）は、前記タンク組み込みユニット（２０）内に緩く配置されるように適合されていることを特徴とする、請求項１に記載の燃料噴射装置（１）。
4. 前記電動式のフィードポンプ（２）の吸込み側にフィルタが配置されていることを特徴とする、請求項１から３までのいずれか１項または複数項に記載の燃料噴射装置（１）。
5. 前記フィルタがインテリジェント制御によって洗浄可能であることを特徴とする、請求項４に記載の燃料噴射装置（１）。
6. 前記電動式の燃料ポンプ（２）が少なくとも１つの一体的な加熱エレメントを有していることを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項または複数項に記載の燃料噴射装置（１）。
7. 前記電動式のフィードポンプ（２）が内接型ギヤポンプとして構成されていることを特徴とする、請求項１から６までのいずれか１項または複数項記載の燃料噴射装置（１）。
8. 前記電子式の整流子モータが、回転子および固定子を有しており、前記回転子が前記固定子内に直接滑り軸受けされていることを特徴とする、請求項１から７までのいずれか１項または複数項記載の燃料噴射装置（１）。
9. 内燃機関の燃料噴射装置（１）、特にコモンレールシステムのためのタンク組み込みユニット（２０）において、
   前記タンク組み込みユニット（２０）内または該タンク組み込みユニット（２０）に接して、前記燃料噴射装置（１）内で流体状の媒体、特に燃料（１９）を圧送するために、電動式のフィードポンプ（２）が配置されており、前記電動式のフィードポンプ（２）が、電子式の整流子モータを備えた駆動装置（２２）とポンプ装置（２３）とを有していて、前記駆動装置（２２）と前記ポンプ装置（２３）とが１つの一体的なユニット（２４）を形成していることを特徴とする、燃料噴射装置のためのタンク組み込みユニット（２０）。
10. 電動式のフィードポンプ（２）が、スナップイン結合部（２５，２５′）によって、またはねじによって、前記タンク組み込みユニット（２０）内または該タンク組み込みユニット（２０）に接して固定可能であることを特徴とする、請求項９に記載のタンク組み込みユニット（２０）。

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